「ログ・ホライズン(TVアニメ動画)」

総合得点
84.8
感想・評価
1964
棚に入れた
11932
ランキング
264
★★★★☆ 3.8 (1964)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

眼鏡は黒さの証

投稿型サイト「小説家になろう」の投稿小説が原作です。
原作は以下。

http://ncode.syosetu.com/n8725k/

突如として、オンラインゲーム「エルダー・テイル」の世界に閉じ込められたプレイヤーたち。
主人公のベテランプレイヤー、シロエもその一人。
右も左もわからない状態で、持ち前の知識と経験、そして頭脳を生かし、世界を渡り歩いていく。


おもしろかったです。

ただ、ジャンルがよくわからないアニメです。
乱暴に言ったら、冒険活劇+成長物語+社会派ドラマ+群像劇+ラブコメ……でしょうか。

設定だけ聞くと、プレイヤーvsモンスターの肉弾戦がメインになりそうなもの。
しかし、実際は策略を巡らせた、プレイヤーvsプレイヤーの頭脳戦が多く描かれています。
その中心となるのが主人公のシロエ。
最初こそ目的もなくさまよう一般プレイヤーですが、目的を見つけてからは覚醒します。

……悪い方向に。

通称「腹ぐろ眼鏡」「クロエ」。
目的のためなら手段を選ばない。
「世界に秩序をもたらす」という名目のもと、相手を出し抜き、取り込む。
自分に敵対する者は全力で排除する。
そして、苦戦どころかピンチにすらならない圧倒的な強さ。
どこのラスボスですか。

まあ、かっこいいんですけどねw

そのほかにも多数のキャラクターが登場します。
しかし、ベテラン勢はみんな俺TUEEEEです。
「大地人」と呼ばれるノンプレイヤーキャラも重要な位置を占めていますが、基本的にベテランの手のひらの上で踊らされる役。
敵が現れても「あー、またかませ犬になるのね」と、緊迫感がありません。

そうそう、この「緊迫感のなさ」が目立つんです。

・緊急事態のはずなのに、ほのぼのとして妙に明るい雰囲気
・レベルカンスト余裕。強すぎるキャラクターたち
・死亡しても復活可能(ペナルティがあることはのちにわかるのですが)

このへんが原因です。
まあ、ハラハラドキドキさせるのが主目的ではなさそうだし、そういうもんだと割り切るしかないのかな。



なお、シナリオ自体はよくできていて感心させられます。
日常のささいなできごとも伏線にしてしまう構成力の高さ。
起承転結がはっきりとしたストーリー運び。
十分に練られているのが伝わってきます。

それに加えて、演出の力が生きています。
文字で読むよりドラマチックに見えますよ!


ただ、何が中心なのかはっきりとはわかりませんでした。
一つ一つの要素はおもしろいのですが、どれを一番に見せたいのか。
設定? キャラ? 冒険? 成長? 社会活動? 恋愛?

特に恋愛は取って付けたような印象を受けました。
{netabare}
ミノリはわかるんですよ。
恩師であり、自分の危機に全力で救いに来てくれたヒーロー。
そして、いつも応援してくれる。
そりゃ惚れます。

でも、アカツキやヘンリエッタは単なる一目惚れにしか見えません。
アカツキはヒロインっぽくないんだよなぁ。
{/netabare}
この「中心」が見つけられなくて、レビューに苦労しました。
白紙の原稿を前に頭をかきむしるライターの気持ちをちょっと味わいましたよ……。


テーマは「情報の価値」かな?
マクロな政治、経済だけではなく、少人数のチームワークにおいても「情報」というのは必要になってきます。
個々の集まりは烏合の衆でも、お互いを知ることで一つの強大な力となる。
シロエ自身も「情報」を非常に重んじていますしね。

ほかにも「自由と責任」「自分の弱さに甘えない」といったメッセージが聞こえてきますが、今のところ弱め。
2期ではそのあたりを明確にしてくれるのでしょうか。


キャラも立ってきましたし、地盤も安定していると思うので、この先の展開に期待です!

投稿 : 2014/06/18
閲覧 : 676
サンキュー:

61

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