お姫様アニメ映画ランキング 19

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のお姫様成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番のお姫様アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.8 1 お姫様アニメランキング1位
ルパン三世 カリオストロの城(アニメ映画)

1979年12月15日
★★★★★ 4.2 (1246)
8094人が棚に入れました
人口三千五百、世界一ちっぽけなカリオストロ公国の田舎道をボロ車でドライブしていたルパンと次元はクラリスという美女を助けた。彼女はカリオストロ公国・大公家に残された最後の娘で、カリオストロ伯爵は彼女を強制的に妻に迎え、公国の権力をひとり占めにしようと狙っていた。クラリスはルパンに助けられたが、再度捕えられてしまう。

声優・キャラクター
山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗、石田太郎、島本須美
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

IT'S SHOWTIME

宮崎駿監督作品。

世界の大泥棒ルパン三世と次元大介。
モナコの国営カジノ襲撃に成功し、
大金を手に入れるもそれはゴート札と呼ばれる、
史上最も精巧な出来を誇る偽札だった。
次の標的は決まった、カリオストロ公国への潜入。
ゴート札の謎を解き明かせ。

アニメ史に残る作品である。
ワクワクして、ドキドキして、
そして切なく感動的で心躍る有名な終幕のセリフ。
大人のエンターテイメント、
今でも色褪せない傑作でしょう。

冒頭のカーチェイス、
そしてカリオストロ城からの王女誘拐。
卓越したアニメ技術で見せる躍動感。
これぞ宮崎駿演出の真骨頂、
ほんと今の技術で見たいですね。

若かりしルパンの失敗、
{netabare}傷を負って横たわる泥棒に、
差し出されたコップ一杯の水。
無垢なる少女との出逢い。{/netabare}
水の記憶、いつの日かその恩に報いる。

軽快なオープニング、
たった3行でわかるルパン三世。
追われる女と、追う黒服の男たち。

次元「どっちにつく?」
ルパン「女」
次元「だろうな」

ルパン、最高の男だ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 69

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

宮崎駿版ルパン三世。何度でも見たくなる爽やかなエンディングです。

もう何度観たことだろう。
何度観ても名作だという思いを新たにします。
冒頭からのカーチェイスからエキサイティング。
全編を貫くスピード感は、これぞまさにアニメーションです。

ルパン三世ものの中では、異質な存在。
それもそのはず、宮崎駿脚本・監督だからです。
作画の雰囲気は、宮崎アニメそのもの。
まろやかなルパン三世となっています。

ヒロインクラリスが健気でやさしく、ルパンを思う気持ちは炎の如し。
ルパンは熱い情熱と冷静な判断力を兼ね備え、確固たる信念で行動します。
泥棒とは言え、ルパンは正統派ヒーローです。
また、次元、五右衛門、不二子、それに銭形警部もいい仕事をしています。
つまり、みんなカッコイイのです。

エンディングの銭型警部の言葉は名言ですね。
一陣の疾風が駆け抜けたような爽やか余韻に浸らせてくれます。

主題歌「炎のたからもの」は物悲しく感動的な美しい曲。
ルパンとクラリスとの邂逅・再会等の感動シーンに4回も用いられています。
その絶妙なタイミングは、何回観てもいいものです。
名作と言われる所以ですね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高に好きなルパン

<2020/11/20 追記>
また金曜ロードショー
そしてまた観てしまう 笑

<2020/7/16 初投稿>
1979年公開のアニメ映画です。
・・・超々有名作の超名作。

宮崎アニメで好きな作品を挙げると
「天空の城ラピュタ」
「風の谷のナウシカ」
そして本作「ルパン三世 カリオストロの城」
この三作はアニメ映画としては別格だと思っています。

さらに言えば数あるルパンアニメの中でもぶっちぎりで圧倒的に本作が一番好き。

初めて見たのはたぶん1980年代のテレビ。
見る前までの印象は
「カリオストロ?あれ?本家アルセーヌ・ルパンの『カリオストロ伯爵夫人』に寄せてきたのか?」
「緑ジャケルパン!絵ヅラ的にはこちらの方が好きかな」
ぐらいのものでしたが。

いざ見てみると
・・・目が釘付けになりました。
最初から最後まで。
最高に楽しく、最高にハラハラドキドキ、そして最高に感動できる作品。

ルパンの肩の力がよい感じに抜けた渋いカッコよさも。
次元の最高な相棒っぷりも
五右衛門のここぞという時の秘密兵器っぷりも
峰不二子の曲者なのに嫌みのない、いい女っぷりも
銭形警部の不器用で実直な男っぷりも
クラリスの嫋やかなにのに芯は強い宮崎ヒロインっぷりも
カリオストロ伯爵のいっそ爽やかなまでの{netabare}悪役っぷり{/netabare}も

主題歌「炎のたからもの」も、
主題歌をアレンジしたせつないBGMも
両切りのシケモクに爪楊枝刺して最後まで吸う「次元タバコ」も
スーパーチャージャー積んだフィアットのありえないまでの爆走も
銭形警部with埼玉県警のカップヌードルも
五右衛門の三度笠も
不二子のバイクやハングライダーも
カリオストロ伯爵の半熟ゆで卵の食べ方も
ジョドー率いる「影」の「カサカサカサカサ・・・」も
ミートボール入り超大盛りパスタも
城の塔の上の「あの」アクションも
あの時計塔のシーンも。

次元の「どっちにつく?(ニヤリ)」も
不二子の{netabare}「まさか。捨・て・た・の」{/netabare}も
五右衛門の{netabare}「・・・可憐だ・・・(敵陣に飛び込み)今宵の斬鉄剣は一味違うぞ!」{/netabare}も
クラリスの{netabare}「泥棒はまだ出来ないけど、きっとおぼえます」{/netabare}も
カリオストロ伯爵の{netabare}「どこまで行くのかな?クーラーリースー」{/netabare}も
銭形警部の定番「いや。奴はとんでもないもの(以下略)」も
ルパンの{netabare}「今はこれが精いっぱい」{/netabare}も{netabare}「俺みたいに薄汚れちゃいけないんだよ」{/netabare}も
園丁のおじいさんの「なんと気持ちの良い連中だろう」も

好きなところ上げたらキリがございません。

本作はテレビシリーズ「ルパン三世 1stシリーズ」「2ndシリーズ」そして映画「ルパンVS複製人間」の次に世に送り出されたルパン三世のアニメ作品。
宮崎駿氏の初監督作品。
しかも宮崎監督、半年で作り上げたとかなんとか。
・・・マジか(/・ω・)/

物語は「ルパン三世と囚われのお姫様」
そういう意味では「未来少年コナン」や「天空の城ラピュタ」と近い構図ですね。

本作を見たことがない方は是非一度ご覧ください。
アニメファンなら無論のこと、普段はアニメ見ないという方にもおすすめです!!!



ところで本作が200個目のレビューとなりました。
先日「月刊少女野崎くん」のレビュー書く際に、自分が書いたラブコメレビューを探してたら、野崎くんが199作目なのに気が付いてびっくり。
200作目はせっかくなのでまだ書いてない名作のレビューをと思い立ち、アニメ史に残る本作をとなった次第です。

あにこれ始めて約3年で全部文章付きで200作品レビューってことは、週1以上の結構なペースってことで自分でも驚いてます。
堪え性のない自分がよくここまで書いたな、と。
これもレビューを読んでくださる方がいるから。
こんな拙いレビューを読んでいただき、さらにはサンキューまでいただいたり、本当にありがとうございます。

この場を借りて深くお礼申し上げます。。

そして、これからものんびり続けていきたいと思いますのであらためてよろしくお願いします。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 58

77.6 2 お姫様アニメランキング2位
甲鉄城のカバネリ 海門決戦(アニメ映画)

2019年5月10日
★★★★☆ 3.9 (309)
1640人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。 極東の島国である日ノ本で、カバネの脅威に立ち向かい、前線をくぐり抜けている分厚い装甲に覆われた蒸気機関車(通称、駿城)の一つ甲鉄城で生き残った生駒たちは、カバネと人の攻防戦の地、日本海に面する廃坑駅「海門」で玄路、虎落、海門の民と「連合軍」を結成し、カバネ撃退の策を立てていた。そんな中、生駒は、海門の地のカバネたちは統制され、集団行動をとる特徴を持っていることに気づく。そのことを連合軍へ報告を行う生駒だったが、相手にされず、逆にカバネリであることから連合軍から虐げられてしまう。怒りに身を焦がし冷静さを失った生駒は単身で敵地へ乗り込むことを決意する。一方無名は、これまで自分を支えてくれた生駒に対してこれまでとは違う感情が芽生え始めていた。しかし、そこへ生駒が単身で敵地に乗り込むつもりであるという知らせが飛び込んでくるーー。新たなカバネとの戦い、そして、無名と生駒の運命はー!?

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、マックスウェル・パワーズ、三木眞一郎
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

WIT STUDIO制作。

金剛郭の崩壊から半年、天鳥幕府は要を失い、
日ノ本は複数の勢力圏に分割し、
各地でカバネとの戦いを強いられている。
旅を続ける甲鉄城は北陸の要塞「海門」にいた。

近世から近代へ移り変わろうとした時、
突如として不死の怪物が現れた。
カバネと呼ばれるリビングデッドだ。

城下町の風情は雑多ながら書き込みが美しく、
死と隣合わせで生きるものたちの営みがある。
カバネの進攻に国土の大半を奪われた人々は、
北陸の要衝は死守したいところでしょう。
生駒も無名も懸命に生きているのだ。

劇場版の尺の方が良いのかも知れません。
{netabare}少しある恋愛模様も見所の1つですが、
やはり幾多の戦闘シーンには熱が籠っています。
蒸気を上げ暗闇を疾走する甲鉄城にも迫力がある。
物語もきっちり締めてくれました。{/netabare}

ゾンビの歴史とは「奴隷」の歴史だ。
それはアフリカ源流の人類史の汚点である。
物語の鍵はヴードゥー教が握るのでしょうか。
{netabare}この「海門」にもまた隠された悲劇があるのです。{/netabare}

生きる為に必要なものを探す旅、
夜道を照らす松明はきっとどこかにある。

期待して、続報を待ちたい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その旅路の先に、新たな運命。

本作は、2016年の春アニメでTV放送された「甲鉄城のカバネリ」の続編となります。
TVアニメ放送後に総集編の前後編が上映されましたが、そちらは未視聴です。

劇場では2019年5月10日から2週間限定で上映されるようですが、私はNetflixで視聴しました。
劇場での上映と配信が同時に行われることってあるんですね。
最近、Netflixに入っていて良かったな…と思えることがちょくちょくあります。

一番嬉しいのはNetflixオリジナル作品のバリエーションが増えてきたことです。
それと最新のTVアニメも放送されているので、万が一、録画に失敗したとしても追いかけ視聴ができるのもメリットの一つだと思います。

カバネリ…といって真っ先に頭の中に浮かび上がるのが無名の存在です。
TV本編では色々と大変だった彼女でしたが、甲鉄城の旅はまだ終わっていなかったのです。
生まれ故郷を目指す一行が辿り着いたのは、日本海に面する「海門(うなと)」という廃坑駅でした。
ここでは海門を奪取すべく、人間とカバネの激しい抗争が繰り広げられていたんです。

ここを通らなきゃ故郷に帰れない…
甲鉄城に乗った菖蒲らは、カバネを撃退する連合軍に参戦することとなり…物語が動いていきます。

アニメーション制作が「WIT STUDIO」で監督が荒木哲郎さんといえば「進撃の巨人」と一緒ですよね。
カバネが人間を襲う様を見ていると、お互いの作品の共通点に成り得ると思いました。
そしてこの作品でも見惚れてしまうほど圧倒的なのが、戦闘シーンにおけるキャラの躍動感です。
本作品は劇場版で特に気合いが入っていたからでしょうか…
無名の…生駒の戦闘シーンの迫力は半端ありません。

きっと、何もかもがTV版の延長だったら、レビューで書けるのはきっとこのくらい…
でも、TV版とは大きく違っている点がこの劇場版にはしっかり用意されていたのです。

それは、ベタですが無名と生駒の関係です。
これまではお互い信頼関係にあって、カバネとの戦いにおいて背中を預けられる間柄でした。
でも、この劇場版ではもう数歩気持ちの面が進んでいるんです。

特に作中における無名と、炊事や子守りに精を出している鰍との会話シーンがあるのですが、見方によってはコイバナに見えちゃったり…
無名…戦闘スキルの高さとカバネに対する残忍さは相変わらずですが、こと生駒の話になると態度が急変するところも、彼女の可愛らしさに拍車をかけています。

そりゃそうだと思います…
あれだけの激戦と苦しい状況を切り抜けてきたのですから…
そんな気持ちの変化が戦闘や普段の言動にどの様な影響を及ぼすのか…
この作品の見どころの一つだと思います。

それと根っこの部分の共通点は忘れられません。
正直カバネリになって良いことなんてあったでしょうか…?
強くなったかもしれない…
でも所詮はどっちつかずの中途半端な存在である上、いつカバネ化するか分からないリスクだって孕んでいます。
それでも、無名と生駒の二人がカバネリだったから乗り越えられた局面だってありましたし、二人にしか感じられない世界を共有することだってできるんですから…

でも、そのくらいの恩恵はあって然るべきなのかも…
甲鉄城に乗っている時間が長くて忘れていましたが、カバネリって人から虐げられる存在だったんですよね。
様々なリスクを想定して進言してもまともに取り合って貰えないし、挙句の果てには諸悪の根源みたいな存在を受ける始末…
心が折れても仕方無い場面だってゼロではありませんでした。

ですが、軍人や民衆が二人をどの様に評価しても、これまで一緒に苦難を乗り越えてきた甲鉄城の仲間は、二人に対する疑念など一点の曇りもありません。
最初は彼らだって違ったのに…甲鉄城で過ごした時間と揺ぎ無い実績が、絶対的信頼に値することを彼らは知っていますから…

海門での決戦の行方…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
個人的には、その後の…無名の行動の方がよっぽど気になりましたけどね…^^
あんな真っ赤な顔の無名…きっとそうお目にかかれるモノではないと思いました。

主題歌は、EGOISTの「咲かせや咲かせ」
個人的に、この楽曲は結構感慨深かったです。
何故なら、この楽曲の背景で流れているのは、甲鉄城の乗組員…無名、菖蒲、鰍に生駒ら男性陣も加えたヨサコイなんです。
彼らの旅が終わったかどうか…私には分かりません。
ラストの風景に、それらしさも感じられましたが、日ノ本の殆どを覆い尽くしているカバネの影響はそう易々とは無くならない事でしょう…
それでも、笑顔でヨサコイが踊れるのは少なくても今は平和だから…にほかなりません。
束の間かもしれない…これからどんな試練が待っているかも分からない…
何せ伏線が回収しきれていませんから…
けれど、ここで見せて貰った笑顔は本物だったと思いました。

願わくば、みんなのその笑顔が少しでも長続きすることを…
みんながこれから手にするのは人殺しの道具ではなく、鳴子のような人々を笑顔にする道具でありますように・・・

投稿 : 2024/04/13
♥ : 27
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

まあ。。もう少しインパクトは欲しいけどヒロインが好きなら

 
2期かと思ったら劇場版なんですね。
ノイタミナ枠のTVシリーズは視聴済み。
(レビュー書いてないけど・・)

導入部で説明があって背景が分かり易い。
TVシリーズを観てからの方がいいけど、
観てなくてもワケわからんくはないかな。

てか『日の本』の状況、そうだったんだw

さて、ゾンビ系は好きなジャンルですが果たして・・

■ストーリー
~{netabare}
日常シーンから入るのは好感。
カバネの異質性やキケン性がわかる。
少しは観る人に恐怖心を持ってもらわないとね。

出し惜しみなく無名参上。
ほどなく生駒も登場。

やっぱ無名カワイイw
女子の描き方がわかってらっしゃる。
表情とか、身体の丸みとか・・
(この絵で『みるタイツ』とか作って欲しいなあw)

日常の無名、編み物してる姿もカワイイ。
すれ違い・・王道ですなーw

しかし人間どもはなぜにこうもお決まりでカバネリを疎むのか。。
異質なものを排除したくなる心理はわからないでもないけど。。
でもこれってコロナ禍の世の中に似てなくもないか。

さて、特に刺さったシーンは・・

 無名:喋らなくていいよ
 生駒:ずっとそばにいろ。俺から離れるな
 無名:もう一回、言って・・

うぐぅ・・w
定番かも知れんけど胸に響くw

最後のキスシーン、控えめだけどそこがイイ・・
真っ赤っかな無名もレア感ありw

でも・・
{/netabare}~

劇場版なら、もうちょっとインパクトがあってもいいかなーw

■作画
背景は綺麗だし、異形もイタい絵じゃないし、バトルも見応えあり。
トリッキーな動きは殺陣師でもいるのかな。
そんな動きに絵もちゃんとついて行ってる。
普通かも知れないけど、その普通がいかに大変なことか、色んな作品を観ると感じてしまうw

■キャスト
ほぼ自分用メモなので畳んどきます。
~{netabare}
生駒(いこま):畠中祐
 ちょっとハスキーだけど
 若くて危うい青年にドンピシャな
 感じは適役で好演。

無名(むめい):千本木彩花
 千本木さん、声好き。
 ガーリッシュナンバー(烏丸千歳)
  初主演。よかったですw
 転スラ(シュナ)
 空挺ドラゴンズ(ナナミ)
 などなど・・
 共演した内田真礼が絶賛?へー。
 同じ日ナレ出身だけにw

菖蒲(あやめ):内田真礼
 もう一人のヒロインですなw

侑那(ゆきな): 伊瀬茉莉也
 惡の華(仲村佐和)
 フォトカノ(前田果音)
 宝石の国(アンタークチサイト)
 約束のネバーランド(レイ)
 そして・・
 スクスト(天音)
 メイドインアビス(レグ)
 呪術廻戦(佐々木先輩)
 けっこうお世話になってました。
{/netabare}~


 原作:オリジナル
  にしては珍しく面白い。
  やはり色々なテイストは感じますが。
 制作:WIT STUDIO
  新劇の巨人、終わりのセラフ、
  魔法使いの嫁、恋は雨上がりのように、
  GREAT PRETENDER、など
 公開:2019年5月
 視聴:2020年11月アマプラ/dアニメ

EDは歌とかキャラとか踊りとかボーっと観ていたら、なんか・・・ジワっと来てしまった。
 ~{netabare}
 いや尿漏れじゃなくてw
 
 目頭ですからw
 {/netabare}~
 

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22

90.6 3 お姫様アニメランキング3位
風の谷のナウシカ(アニメ映画)

1984年3月11日
★★★★★ 4.2 (1959)
12590人が棚に入れました
極限まで発達した人類文明が「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こし、瘴気(有毒ガス)が充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから千年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアの戦乱に巻き込まれる。風の谷の族長ジルの娘であるナウシカは、運命に翻弄されながらさまざまな人々と出会い、自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして腐海と人類との共生の道を探っていく。

声優・キャラクター
島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正、辻村真人、京田尚子
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

風の谷の伝説のナウシカ

「風の谷のナウシカ」原作既読
原作の壮大な物語の一部を切り取って映画化した作品です。

久石 譲さんの美しい音、旋律は風の谷のナウシカの完成度を完璧なまでに高めてくれています...

終末後の世界...
「腐海」と呼ばれる人間が住むことの出来ない毒の森が広がる世界は独創性に満ち溢れ圧倒されます。

腐海の毒が届かない「風の谷」に住むヒロインのナウシカ。

自然を愛し蟲の心を理解する彼女は腐海も含めた、この世界全体の共存を望み進むべき道を探します。

ナウシカは目に映るものばかりにとらわれず、自分の信じたものを大切にし、そして大切なものを守れる強さを持つ。
そんな優しさと強さを併せ持つナウシカは私の永遠の憧れ、私の中で不動のNo.1ヒロインです!

{netabare}
共存や人々の争いの終結の願い、 平和を身を挺(てい)して訴えるナウシカに何度泣かされたことでしょう。


腐海と人類を結ぶ架け橋。古の伝説の救世主としてこの世界に再び蘇った彼女の姿は、美しく、涙なくしては見られません。
{/netabare}

風の谷のナウシカの音楽は久石 譲さんが担当。やはり宮崎 駿さんと久石 譲さんのコンビは素晴らしい。


~久石 譲in武道館~
連れていってもらえたのは幸運でした。エントランスに「宮崎 駿」さんから久石 譲さんへ贈られた華やかな祝スタンドの花があり興奮しました!

久石 譲さんのピアノを聴き、音色、曲、同時に流されたジブリの映像に魅了されました。
音楽に対する情熱を目の前で受けとめ鳥肌が止まりませんでした。

中でも「風の伝説」「鳥の人」には特に強い思い入れがあります。
幻想的な光景が目の前に浮かび上がるようで、時に激しく素晴らしい曲です。
ストーリー、音楽共に長年に渡り愛され続けていくことでしょう…
このような素晴らしい作品を世に生み出してくれて本当にありがとうございます!

「思い入れ5つ星作品です!!」

投稿 : 2024/04/13
♥ : 113
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

そのもの青き衣をまといて・・・・<2015.10.17加筆、2017.1.13再視聴により大幅改定>

1980年代を代表するアニメ。
宮崎駿監督アニメ映画、最高傑作と評します。

最終戦争より1000年。
腐海により蹂躙されたファンタジックな世界を描く作品です。
地球・戦争・環境・人間など、いろいろなことを考えさせてくれます。

滅びへの道へ迷い込む愚かな人間。
{netabare}巨神兵がその象徴。
現代でいう大量破壊兵器です。
火は人の世に革命をもたらした。
しかし、大いなる火は何ももたらさない。
それは人の性?
それを制御する術は?{/netabare}

対局としてのナウシカ。
{netabare}やさしく勇敢で躍動感にあふれる。
そして仲間のためなら残酷にもなれる。
ある意味人間性に溢れる存在。
その慈悲深き行動は多くの人の心を動かす、そして・・・。{/netabare}

一方の腐海。
{netabare}それは、地球そのもの。
人の愚かさへの警告。
厳しい反面とても優しい。
過去から未来永劫へ続く人と環境の対立と融合。
ガイヤ理論をベースとした思想には共感を感じます。{/netabare}

風の谷を命を賭して守るナウシカ。
{netabare}この作品のクライマックス。
「そのもの青き衣をまとい」の場面は何回見ても感動します。
人と自然が織りなす光のページェント。
歴史に残る名作といっても過言ではないでしょう。{/netabare}

<2015.10.17加筆>
{netabare}嫁に突然夢のお告げがあったよう。
近々、ジブリ美術館に行くのが影響した模様。

まずは、超有名「風の谷のナウシカ」より。
視聴前。
嫁「ナウシカって何?」
私「そこからかい!」
視聴序盤。
嫁「風の谷って、地名?」
私「せや!」
視聴終了後。
嫁「悪い奴をやっつけやな!」
私「そういう話じゃないっちゅうねん!」

嫁が「風の谷のナウシカ」を理解したか甚だ疑問です。
私はというと、いつものように瞳うるうるでした。
嫁に弱みを見せないでこの名作を観るのは大変です。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 71
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

どんなに絶望的な状況でも未来には希望があることを示した作品

この物語は宮崎駿監督の代表作です。

人類は、科学技術の進歩に対して精神の成長が追いつかないと、滅びの道をたどることになります。
だからこの物語は、強欲な人間が起こした戦争により、すべてが失われた後の世界を描いています。

ここでは、腐海(ふかい)という、美しくも恐ろしい自然が人類の脅威として存在します。
それは人類の愚かな戦争の結果、生まれた自然の森です。
そして、腐海でない土地にも微弱な毒が含まれており、農作業をするたびに体内に毒が蓄積され、人類は年々減少しています。

まさに未来に絶望しかない世界を、この映画は淡々と描いています。

しかし、ナウシカは、この映画における唯一の希望です。
彼女の純粋な心、勇気、強さ、それに自然と共存して生きていこうとする姿勢。それは、すさまじい個性です。見ていて共感が持てます。憧れる存在です。

ナウシカは、こんな絶望しかない世界でも、常に希望を抱いています。

私たちは、生きていれば必ずいくつかの不幸なことに遭遇します。
そんなときに嘆き悲しみ自暴自棄になるのか、それとも明日には希望があると信じて懸命にあがくのかで、その人の人生が全く違った色になります。

ナウシカは最後に奇跡を起こします。
もちろん彼女は超能力など持っていません。普通の少女です。
その普通の少女のひたむきな努力、勇気、行動力、愛情で奇跡が起きるのです。みんなが幸せになるのです。
{netabare}
おそらく皆さんはオームの暴走を止めたことを奇跡と思われているかもしれません。
しかし私は、一人の少女がトルメキア帝国とペジテの人々との戦争を停戦に導いたこと、トルメキアの皇女クシャナの氷のように冷たい心をナウシカの暖かい心で包みこむように融かしたこと、それらも奇跡だと感じました。
もちろん映画の内容にはそれらは描かれていません。
でもエンディングを見ると、戦争が停戦になった様子が想像できます。
{/netabare}

希望をもって一生懸命前向きに生きると、必ず良い未来が待っている。
この映画は、そう教えてくれています。


最後に、この映画に感動された方は、宮崎駿さんがつくられた童話(?)「シュナの旅」を読まれることをお勧めします。
この物語も、ナウシカのように絶望しかない世界で一筋の希望を持ちながら旅をする少年を描いています。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 66

70.1 4 お姫様アニメランキング4位
サカサマのパテマ(アニメ映画)

2013年11月9日
★★★★☆ 3.8 (660)
3136人が棚に入れました
どこまでも、どこまでも坑道が続く地下世界。狭く暗い空間であっても、人々は防護服を身にまとい、慎ましくも明るく楽しい日々を送っている。地下集落のお姫様であるパテマは、まだ見ぬ世界の先に想いを馳せて、今日も坑道を探検する。お気に入りの場所は、集落の「掟」で立ち入りが禁止されている『危険区域』。これまでに見たこともない広大な空間には、幻想的な光景が広がる。世話役のジィに怒られながらも、好奇心は抑えられない。いつものように『危険区域』に向かったパテマは、そこで、予期せぬ出来事に遭遇する。何が『危険』であるのか、誰も彼女に教えてはくれなかったから。隠された“秘密”に触れる時、物語は動き出す――

声優・キャラクター
藤井ゆきよ、岡本信彦、大畑伸太郎、ふくまつ進紗、加藤将之、安元洋貴、内田真礼、土師孝也

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

どちらがサカサマなんだろう

約99分

地下に住む人々と地上に住む人々がいる世界、地下に住んでいるヒロインのパテマは地上に憧れて、禁を犯して地上に行きました。そこで出会った少年 エイジとこの世界の謎に迫るファンタジー作品です。

いつも観ている世界が逆になっているってどんな感じがよく分かるお話です。空がこんなに怖いと思ったのは初めてですね〜

タイトルにも書いたようにどちらの世界がサカサマになっているのか錯覚する場面がたくさんあってグルグルしますねw

ドキドキハラハラするシーンがたくさんあります。観ているとあっと言う間にですね〜 ちょっとジブリ作品を思い出すような作品です。

目が離せないほど面白かったです。是非、サカサマの世界を観てくださいね。オススメです^^

最後に、パテマとエイジが徐々にお互いの信頼度がアップしていくところが素敵でした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 56

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

うまい!サカサマ演出

驚愕の世界。
逆転の発想。
重力の作用方向が反対の地上世界と地下世界。
この作品は、重力がサカサマの少女と少年による上下方向冒険アニメです。

現状世界に疑問を持つ地下少女パテマと地上少年エイジ。
何かを変えたいという純粋な思いが二人を動かし、物語が始まります。

逆転重力の融合による浮遊表現が不思議感を演出。
人間の重量バランスによる浮遊感には驚きました。

上が下なのか?下が上なのか?
画面も時々逆転するので注意が必要。
上下方向を常に意識していないと混乱しそうです。
また随所に「落ちる!」感覚があります。
高所好きな私にとっては、全くの爽快風景。
ラストも納得の爽快感です。
ちょっとだけコメディーチックな淡い淡いラブストーリーでした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 52

CountZero さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いやぁ、SFってほんっとうにいいもんですね~(水野晴朗風に)

吉浦監督率いるスタジオ六花の長編映画です。
映画館での上映を逃して、もんもんとしてましたがようやく観ました!

おもしろかった〜。
改めて思いましたが、SFはいつの時代もアイデアが勝負ですね。
その点で本作は大成功だったと言えると思います。

タイトルからも分かるように、上下がサカサマな二つの世界とそこに生きる好奇心旺盛な少年エイジと少女パテマのボーイミーツガール。
現在30代半ばの監督がばっちりジブリ世代だからかは分かりませんが(でも好きだと思います)、「天空の城ラピュタ」に似たワクワクやドキドキはたっぷり含まれています。
…が、スタジオ六花の「イヴの時間」や「ペイルコクーン」といった他の作品ほどSF濃度は濃くないので、ガチガチのSFオタクにはちょっと物足りないかもしれません。
理由は、ハードSFに不可欠なSF的ロジック(論理、理由付け)の解説がほぼないからです。
上下サカサマな世界が誕生した納得のゆくリアルでそれっぽい(あくまでそれっぽいのがサイエンスフィクションですね)論理がしっかりあれば最高でしたが、それでもその不足を補うサカサマ世界のアイデアは良かったです。
新しかったです。

本作でも取り入れられている全体主義や管理社会を特徴としたディストピア的な世界や、そこからの脱出や抵抗活動はSFではよく使われる設定ですが、本作ではこのサカサマ世界の設定があるおかげで、ありきたりのお話で終わる事はありませんでした。
物語の後半では、十分な驚きを与えられました。
SFオタクを自称している私も、観ながら不覚にも「Σp(`□´)q ナニィィイイイ!!そうきたかっっ!」って叫んでしまいました(笑)ってゆうか好きなタイプの展開だったのでうれしくって〜三ヾ(*´ω`)ノ゙ ウッヒョヒョ♪
原作脚本は吉浦監督なので、よく考えれば監督らしい展開なんですけれど、見せ方がほんとお上手でした。
だからSFはおもしろいんですよね。
読者や視聴者の予想を越える、壮大で斬新な驚きを提供するSFはやめられません(笑)

それにサカサマゆえに描く事ができた、浮遊感や不安定な恐怖感は秀逸でした。
観ながらも結構ゾクゾクしちゃいました(笑)
これは観てみないと分からないかも!
なのですぐに観る事をお勧めします(笑)
SFの巨匠アイザック・アシモフをこよなく愛読するわたし的には、吉浦監督のアシモフ好き(と思うのだけれども)をかいま見れる描写にも、ゾクゾクしましたが(笑)

もちろんSFが苦手な方でも、ジブリがOKな方ならきっと楽しむ事のできる作品なので、やっぱりお勧めです。
みんなに観てもらいたい作品です。

では、最後に…

いやぁ、SFってほんっとうにいいもんですね~(笑)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 44

73.5 5 お姫様アニメランキング5位
機動戦艦ナデシコ The prince of darkness(アニメ映画)

1998年8月8日
★★★★☆ 3.9 (434)
2159人が棚に入れました
先の戦争終結より3年が経った西暦2201年。地球と木星間に和平(休戦条約)が結ばれ、人類は再び一つになろうとしていた。そんな中、ボソンジャンプを新たな交通手段として使用する計画「ヒサゴプラン」のコロニーが次々と襲撃される事件が発生する。連合宇宙軍ナデシコB艦長ホシノ・ルリ少佐は、事件調査のためターミナルコロニー「アマテラス」へ向かうが……。

声優・キャラクター
南央美、うえだゆうじ、桑島法子、日髙のり子、三木眞一郎、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、飛田展男、小杉十郎太、小野健一、横山智佐、菊池志穂、長沢美樹、置鮎龍太郎、松井菜桜子、大谷育江、一城みゆ希、山寺宏一、仲間由紀恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テレビ放送編から5年…状況は大きく変化していました

この作品はTVアニメ版の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、TVアニメ編を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

火星での壮絶なラストから5年…物語は突飛なところから始まります。
ミスマル・ユリカの父が墓前の前でお墓に向かって話しかけているのですが、その相手が何とTVアニメ版の主人公とメインヒロインだったアキトとユリカなんです。

メインキャストを序盤でバッサリって…頭の中は?マークでいっぱいになりました。
「どんな展開になっていくんだろう…」
と思っていた矢先にナデシコが登場するのですが…艦長はなんと電脳美少女のホシノ・ルリだったんです。

ルリちゃんは16歳になっていました。
世間では「史上最年少の天才美少女艦長」と呼ばれており、大人から子供までもが知っている人気ぶりなんだとか…
そしてこの劇場版は彼女を中心に物語が動いていく事となります。

TVアニメ版のナデシコの乗組員は個性派揃いでしたが、憎めない人たちばかりでした。
劇場版で見たかったのはみんなの勇姿…けれども蓋を開けてみると当時の面影は僅かにしか残っておらず、みんな地球でバラバラになってしまっていたんです。

「ナデシコに乗り込む」という事は、危険に向かって自ら進んで行く事…
だから地球上で危険と隣り合わせではない普通の生活を臨んでも構わない訳ですし、自分がその立場なら間違いなく安全を取ると思います。

でも、全員が安全を選択したかというと必ずしもそうではありません。
ナデシコの新艦長であるルリちゃんが良い例です。
彼女はナデシコを自分の居場所とし、メインコンピューターである「オモイカネ」との繋がりをとても大切にしていました。
それにオモイカネも相変わらず茶目っ気タップリで応えています。

変わる事は決して悪い事ではありません。けれど、変わらない事を選択する勇気も大切だと思います。
彼女が変わらずナデシコに自分の身を置いているのは、この場所を守りたかったから…
アキトがいて…ユリカ艦長とみんなと過ごした大切な場所だから…
自分を変えてくれた場所だから…

改めて考えてみると、ナデシコに乗り続ける理由ってたくさんあるように思います。
自分の意思でそれを忠実に実行しているルリちゃんを見ていると本当に彼女は変わったんだなぁ…と思いました。

一方、物語の方は謎のコードネーム「OTIKA」がコンピューター上に表示されてから予想外の方向に転がり始めます。
ここで感じるのは5年の歳月がもたらした傷の深さ…だったと思います。

絶対変わりたくなかった…だけど変えられて…もう戻れなくなった…
時間の使い方は自分で決める…そんな当たり前の事すらできなくなった…
途切れない思いと行き場を失った思いが交錯する…答えなんて出せないくせに…

そしてルリちゃんは呼びかけます…
旧ナデシコ乗組員はその呼びかけにどう応えるのか…気になる方は本編でご確認下さい。

約80分の作品でした。ラストも綺麗な纏まっていたと思いますが、個人的にはそこまで綺麗に纏めなくても…と思ったのも事実です。
でもルリルリの衝撃発言や続編を示唆する伏線がたくさん残されています。
絶対続編を期待させる展開なのに…
大人の複雑な事情が色々あるようですが、続編が決まったらファンが大喜びする事間違いなしの作品だと思いました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

アキトはどこへ行きたいの~?

七人の侍のように
散り散りになったナデシコクルー達が集結する展開

小説版「角川スニーカー文庫 機動戦艦ナデシコ ルリの航海日誌」でアキトとユリカがテレビ放送の最終回で拘束された後に、2人でラーメンの屋台をルリちゃんと一緒にはじめる話は心の底から祝福をしました
{netabare}
しかし、最後の最後で新婚旅行に向かった二人の乗る旅客機が事故という鬱展開
そのため、メディアミックス小説が発売した後の劇場版は救いでした
{/netabare}

後の木星とのパワーバランスや、本編で気になっていたこと
ある種、国家反逆罪ともいえるネルガルの暴走にどういう制裁があったか
クルー達の再就職先など、解決してスッキリした部分も多く
小説での起承転結の「起」から劇場版の「承」「転」を観て、一応の「結」を見せつつ後を想像させるような
制作側の意図に乗れたファンなら結構納得できた劇場版だったでしょう

ただ不評も多く、ハッピーエンド以外望んでいないファンや、小説版を踏まえた上でのメディアミックス展開が裏目に出て賛否が飛び交いました。作画も演出もテレビ放送とは比べ物にならない凝りようで、賛否も出ず、続編をあの時代にスムーズに出せていればと悔やまれる。確実に賛否の部分でプロジェクトが停滞してしまったでしょうから、業界がまだチャレンジングな時期に出せなかったのは勿体ない

銭湯のシーンや電車でのシーンなど、劇場らしい、シーン先行の印象深い場面が良く
劇場版単体で観ても意外といけんじゃないかって思っています

もし今からナデシコ観るって方は、先にコッチを観るのもありですね

投稿 : 2024/04/13
♥ : 13

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

なにげに仲間由紀恵が出演しているロボットアニメ

美少女ギャルゲー+ロボットアニメと、オタクの好きなものと好きなものを掛け合わせましたといった感じの90年代ロボットアニメ。今度、スパロボに参戦するclampの「レイアース」と同期です。

基本的には「トップをねらえ」序盤のアニメパロディ中心で、TV版では敵対する木星人のバイブルが熱血ロボットアニメという設定は今だと失笑ものですが、まあ良いでしょう。

しかしながら、劇場版はある程度ダークでシリアスな方向に舵を切り、主人公の性格、容姿が完全に様変わりしているところが面白いところでもあります。

あと、メカニックデザインが今回は秀逸。「黒い幽霊」ことブラックサレナのデザインは見事だと思います。TV版と見比べるとよりわかりやすいかも。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12

63.4 6 お姫様アニメランキング6位
とある飛空士への追憶(アニメ映画)

2011年11月1日
★★★★☆ 3.5 (331)
1533人が棚に入れました
たった二つの戦争中の大国しかない世界―――。『空の上では身分は関係ない』という自論を持つ「シャルル」だが、彼はまさに社会の底辺層であった。両国のハーフであるためにひどい差別を受ける彼は、飛空士としての腕の自信と、ある思い出だけを頼りに生きてきている。そんな彼に対して「ファナ」はシャルルが属する空軍を擁する大国の次期皇妃。天と地ほどの身分の差がある二人が主人公である。物語はシャルルがある作戦を告げられることから回り始める。それは「順調に進んでも五日はかかる広い中央海を、ファナを連れて二人で敵中翔破せよ」というものだった。接点がなかった二人に、つながりが生まれる。

声優・キャラクター
神木隆之介、竹富聖花、小野大輔、富澤たけし

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

期待せず見たら、意外と面白かった。掘り出し物のアニメ映画です。

素人な声優もほとんど気にならないくらいの、雰囲気を持った作品です。
シンプルな中にも深みがあり、緊張感と感動が適度に加わります。
そして、短い期間での話ですが、次期王妃の成長が手に取るようにわかります。

次期王妃が2回も海に落ちる演出が好きです。
次期王妃の不器用なかわいさを表していて、ポイント高いです。

映画らしい映画、素直なシナリオと思います。
私にとっては、掘り出し物のアニメ映画です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 26

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「恋」と「空戦」の物語。それは身分違いの恋…。

飛行機のアニメーションが好きで、ずっと気になっていた作品でした。

飛行機もののアニメーションってスピード感があってわくわくするんだよね^^

実際に飛行機に乗るのは、うきうきするのと地面から浮いている
ふわふわ感が不安なのと、半々な気持ちなのですが。笑

99分、PG12指定がついていました。


● ストーリー
神聖レヴァーム皇国の皇子と婚約することになった、ファナ。

ファナをレヴァーム皇国へ無事に連れていくための特別任務を任された
飛空士・狩乃シャルル(かりの シャルル)は、ファナと共に旅立つ。


設定や物語の背景のあれこれについての説明は、
ずいぶん簡略化されていたように思います。

ストーリーを理解する上では問題ありませんでしたが、

視聴後にwikiを読んでいると「あーそういうことだったのねー。」と
深まる部分もいくつかありました。

原作は読んでいませんが、原作の方がおもしろそう。笑

それを100分にまとめるのは、なかなか難しかったのかな。

でもきれいにまとまっていて、すっきりとした終わり方でした^^


ストーリーとしては、特に大きな特徴はなく。

ある程度先の読める展開をその通りに進んでいく感じでした。笑

こちらの予想を上回らず、かつ、こちらの期待を裏切らず。

無難におもしろかった、というのが率直な感想です。


当初一番楽しみにしていた飛行シーン。

やっぱりアニメの飛行シーン好きだなあ♪

この作品も、びゅんびゅん飛び回っていてよかった^^

あんな風に自由に空を飛べたらとても気持ちがいいだろうな…。

私も飛空士になりたくなりました♪笑


● キャラクター
もうっ、シャルルイケメン!!

見た目だけじゃなくて中身もイケメン(*´Д`)

緊迫したシーンでの目。

ああいう目、大好きです。

この場面を乗り切る、ファナを守る、飛行機の技術で負けたくない…

いろんな気持ちが読み取れますが、

譲れないものを胸に掲げている時の登場人物の目って大好きなんですよね。

シャルルの目からも強い意志が感じられて、好きだったなあ。


ヒロイン・ファナ。

ファナに関して言えば、「キャラブレすぎじゃない?」ということ。笑

初めは感情を一切出さない、まるで人形のような女の子でした。

見ていて若干イライラしてましたww

シャルルと旅をするうちに、感情が豊かになってきて…。

これは、シャルルと関わることでファナの感情が刺激されたからなのか、

これがそもそものファナの本性なのか…。

どちらにしても、ギャップがありすぎてまるで別人でしたww

王妃オーラをまとっているファナは好きだったのに、なんだか惜しい。

ファナの心の変化にもうちょっとスポットが当たってもよかったのにな。


そして2人の関係。

なんとなく予想ができるように、まあこの2人惹かれあうわけで。

シャルルがファナに惹かれるのはなんとなくわかるんだけど、

ファナがシャルルになぜ惹かれたのかがよくわからなかった。

2人で危機を乗り越えたから?いわゆるつり橋効果ってやつですか?

うーん、ファナが急にぐいぐい行く感じには、ちょっと感情移入できなかったです。
(でもシャルルにぎこちなさが残る感じには、にやにや。笑)


● まとめ
ストーリーは無難という印象でしたが、

作画や演出は好みで楽しめました^^

BGMも好きだったな♪

山場のBGMにはついつい耳を傾けてしまいました^^

とりあえずシャルルがイケメン、ごちそうさまでした(*´Д`)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 26

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ひ・く・う・し・・・ひくうし(-_-(合掌)

      ↑
滝○クリ○テルさんをイメージしてね^^!


某トロピカル系サイトを筆頭に
書籍通信販売系のサイトで「とあるシリーズ」を探そうと
“とある”というキーワードで検索すると
上から5~6番目くらいに必ずといっていいほど候補に出てきたのがこの作品

気にはなっていたのですが
まさかアニメ作品になっていたなんて想像すらしてませんでした

原作はラノベ
ジャンルは恋愛、戦争、ファンタジー

「飛空士シリーズ」というシリーズモノの一作品で
「とある~恋歌」や「とある~誓約」などの作品があります

ちなみに「~恋歌」は2014年1月よりアニメ作品が放送予定だそうです


お話は・・・
タイトルのとおり
とある飛空士さんのお話^^
そのまんまです

ここで注意して欲しいのはタイトルが
「~飛空士~」であるということ・・・

分かりますか?

“ひこうし”じゃありませんよ”ひくうし”ですよ”ひ・く・う・し”

分かりにくいのでもう一度書きます

ひ・く・う・し・・・

ちなみに
わたしのパソコンで”ひくうし”を変換したら
最初”引く牛”って出てきて
その後どう頑張っても正しい表記にならないので
「飛行」→一文字消して→「空」→「士」っていう順番に入力
あとはコピペで対応・・・って
どうでもいいことを無駄に書いてしまいました

とりあえず
「飛空士」という肩書きを持つ人がいる
どこか”別の世界”のお話ということです^^

その主人公で”引く牛”・・・じゃなかった^^
“飛空士”の「狩乃シャルル」(かりのしゃるる)くんと
どこかの国のお姫様(になる予定)の「ファナ・デル・モラル」ちゃんの
淡い・・・
だけど
とても熱い恋のお話

観終わって
なんだかよく分からなかったので
とりあえずWikiでリサーチしてみると
“「ローマの休日」と「天空の城ラピュタ」の
切なさと爽やかさを意識しながら執筆された”と
記述されていました

えーと
とりあえず
ラピュタは分かりました
飛行船みたいなものが飛んでいたので・・・

でも
“ローマ”はないでしょ
っていうか
この手のお話ならモチーフになる作品って他にもたくさんあると思うのに
なんで”ローマ”?

ソフトクリーム出てこないじゃん
飛空機(“ひこうき”じゃないよ”ひ・く・う・き”^^)がバイクの代わり?
真実の口は?
グレゴリー・ペックみたいな優男は?(シャルルくん?マジで?ありえない~)

でも原作の先生様がそう仰るのならそうなのでしょう^^


さて
率直な感想を一つ(といいながらダラダラと)書かせていただくと

あの終わり方はない

ストーリー自体が
なんか煮え切らない感じで終わっていて
“もうどうでもいいや^^”
っていうような幕引き

さらに
最後は
二人のその後を
字幕カットで説明ってどういうこと?

二人の行く末がこんな軽いものだなんて・・・

せっかくアニメ作品にしたのに
これじゃあ全く意味がない

なんか・・・
こう・・・
なんというか・・・
もっとドラマチックな演出もあるでしょう?

たとえばエンドロールのとき
その後の二人の姿を
ダイジェストで流すとか・・・(NG集じゃないよ^^)


さらに
憤慨(半分キレた)してしまったのは
ファナちゃんの声

これはもう
小学生が国語の教科書を読んでるか
私がやる気のない上司に啖呵切っているみたいな(知らんわ!)

セリフの棒読みですよ~

そして
今にも舌を噛みそうなくらいの滑舌の悪さ

いっそ噛んじゃって
「かみまみた(>_<)」って言ってくれたほうが
いくらか可愛げがあるのに
(まあどう転んでも私はブチキレます^^)

くわえて完全にキレてしまったのが(もうキレまくってる^^)

ファナちゃんのしつこいくらいの「引く牛さん!」の連呼

セリフの半分くらい「牛さん」引いてるんじゃないの!?

「引く牛さん!」
「引く牛さん!」
「引く牛さん!」
「牛さん・・・引く?(笑」って

あまりにもテンポ良く叫ぶもんだから
「よっ!」
「はっ!」って
思わず
拍子つけてしまったじゃないの!

ファナちゃんの声の人のスキルを考慮して
あえて
「牛さん」のセリフを多くしたのか

原作から既に「牛さん」というセリフが多かったから
ファナちゃんの声の人が決められたのか

って
あれれ
なんか話題が「牛さん」に飛んじゃってますね^^


とにかく
世界観やストーリー
空中戦などのアクションシーンは良かったのですが
細かいところに不満のある作品でした~

あっさり締めてゴメンナサイ~

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25

73.2 7 お姫様アニメランキング7位
バンパイアハンターD(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★☆ 4.0 (167)
1071人が棚に入れました
菊池秀行の人気小説『吸血鬼ハンターD』を天野嘉孝キャラクター原案で映画化した劇場版アニメ。最終戦争後、人類の頭上には貴族“バンパイア”が君臨していた。そのバンパイアに対して戦いを挑むプロフェッショナルは、いつしかハンターと呼ばれるようになっていた。ある日、理想のハンターとして知られるダンピール――Dは、バンパイアに誘拐されたエルバーン家の娘・シャーロットを救出するよう依頼される。バンパイアの馬車を追うDのもとに現れたのは…。

声優・キャラクター
田中秀幸、永井一郎、山寺宏一、林原めぐみ、篠原恵美、屋良有作、大塚芳忠、関俊彦、大友龍三郎、大塚周夫、青野武、清川元夢、辻谷耕史、西凜太朗、沢海陽子、藤原啓治、鈴鹿千春、矢島晶子、小山力也、かないみか、石塚運昇、前田美波里
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

…飛んで!飛ぶのよ!!

川尻善昭監督作品。
登場人物たちは奇抜な能力を持っており、アクションが盛大ですが、人間くさいところも凄く良かったです。

かつて発売されていた竹谷隆之作のスタチューの出来が素晴らしく印象的でした。
アニメも雰囲気が良いのだろうな、クラシックな吸血鬼の雰囲気かな、酔えるんだろうな、いつか観よう、と思っていたのですが。もっと早く観てもよかった。


吸血鬼と人との間に生まれ、祝福されない宿命を背負った吸血鬼ハンターのD、どこか禍々しい能力を身につけて吸血鬼を追う出稼ぎハンター達、冷徹そうで美しい吸血鬼族達、吸血鬼に雇われた用心棒の怪物共…
その中で戦いぬき、時に気持ちが揺れ動く様子が見て取れた女戦士・レイラ姐さんが、ラストへ向けて力強く光っていました。

吸血鬼によって孤児にされ、復讐のために生きてきた姐さん。
彼女がたてまえや信条とは離れたところで受け入れたもの、励ましたもの、希望したもの、それらが多く語られることはないのだけれど。終盤のセリフと林原めぐみの演技から滲み出る発露に胸打たれ、ジワジワ泣けました。
「…飛んで!飛ぶのよ!!」って、忘れられないと思います。


ハンターの人間たちは、一体どうやったらそんな魑魅魍魎じみた身体になれるんだ?という、ジョジョやバジリスクのような特殊な能力をもった者ばかりです。
レイラ姐さんの仲間のグローヴ兄さんの能力が、切なかったですね。
平時は寝たきり状態の痩せ細ったグローヴ兄さん、戦闘時に薬物で霊体として出現すると、眩い後光を放出しながら滑るように浮遊し、吸血鬼達をなぎ倒してゆくのです。この時の解き放たれた恍惚の表情が、命の限りの向こうを匂わせる夢うつつの切なさです。


絵の動きは非常に細かく美しいです。天野喜孝キャラデザの幽玄さが生かされた独特の動きで、今風の作画とは異なりクドイと感じられる人もいるのだろうなと思います。
しかしこのねちっこいのが、よいですねぇ。植物の成長を早回しで視せられている時のようです。

何度も書きますが、レイラ姐さんがよかった…。
彼女の見せる吸血鬼への正義が、吸血鬼貴族の耽美でささやかなロマンスにぶち当たって振りかざされるシーンで最も生きていました。
{netabare}(吸血伯爵にさらわれた美女は、実は彼と純愛を貫こうとしており、伯爵は彼女の血を吸うことをはばかり、ただ二人が生きられる場所へ行こうとしていました。そうなると追手である者達のほうが不粋に見えてくるのですが、レイラはキレる。「それがなんだっていうの!関係のない者達がたくさん犠牲になったのよ!?」)
しかし、彼らの健気な寄り添いあいを視ているうちに、レイラ姐さんの中で何かが変化してゆきます。 {/netabare}
吸血鬼女カーミラの館で見せられる幻想の中で、幼子(自分の子供時代)の頑なな孤独を癒そうと抱きしめるシーンでも、懐深さが垣間見えてきます。
そこからラストの種としがらみを超えた励まし…。

事件から数十年後にDがふと見守ったものは、彼女の強さと優しさからもたらされた幸せの一端のようでした。

Dをかばう職人爺さんの存在もいい味でした。スジを通す仕事人、かっこいいです。この人も胸アツです。

Dももちろんかっこよいのですが、「つ、土に埋まらねば…」の所がちょっとオモシロかったです。私も砂風呂に憧れます。


クラシックな雰囲気の人間ドラマが好きな方、ぜひ観ていただきたいです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

吸血鬼と人間の間に生まれたダンピールの美しくも切ない物語

原作既読(小説)

吸血鬼ハンターシリーズはOVA含めて2本アニメ化されています。
OVAはちょっと可愛いデザインで、中々入り込めにくい作品ですが、この作品はDの世界をよく表現した作品ですね。
キャラクターデザインも原作の挿絵を担当している天野喜孝さんがキャラクター原案として参加しているところがあって、イメージが原作と重なり入り込めやすいです。

お話は、遥か未来の吸血鬼が支配する世界。不老不死、不死身の肉体、超人的な力、超常現象、異世界の魔物などを生み出して人間を奴隷扱いにしている各地の吸血鬼を倒すために旅をしている美しき青年”D”の物語です。ダークファンタジーですね。

とにかく吸血鬼やその他の魔物が細かく書かれていて怖いですね。

主人公であるDがかっこいいです。つばの長い帽子(旅人帽)をかぶり背中には長刀を背負い全身漆黒の格好、そして口数も少なく、馬(アンドロイド)に乗り走る姿は素敵でしたね。{netabare}(特に冒頭の月に照らされたシーン){/netabare}

2001年制作と思えないほど、背景や人物の作画が綺麗で今の作品と比べても全然違和感がありません。

バトルも非常に凝っていましたね。スピード感があり、色々な能力を持った魔物との戦いは面白いです。

お話も1時間40分の中にきちんと収まっています。オススメです。
{netabare}このシリーズの最後の見せ場であるDの微笑が観れて良かったですね^^{/netabare}

最後に、この作品はDの小説3番目”D妖殺行”を元となっていますので、もし気に入った方は是非原作も読んでみてくださいね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

天野嘉孝さんの絵が動いています! 度肝を抜かれた気分で参ったw

原作:菊地秀行
監督:川尻善昭
ブランド:マッドマウス
ジャンル;吸血鬼/伝奇モノ・103分
内容は”あにこれ”の粗筋で充分。

観た方の心に斬りつける正に映像美に尽きます。
キャラクター原案の天野嘉孝さんは、ロマサガやFFのキャラデザインでご存知の方も多くいると想います。人を惹きつける癖のあるタッチで妖艶かつ幻想的な雰囲気と描かれ一度観たら忘れないインパクトある絵。
あの独特の絵を描き起す再現力を観た瞬間、圧倒されました。
キャラだけではなく中世を彷彿させる街並み・荒廃した背景でも世界観を魅せてくれます。

また、主人公のDが寡黙で芯ある男らしい姿に痺れるんですよね。語りも重厚な世界観を潰さない静かな台詞回し、圧倒的な強さを描くバトルシーンから目が離せないです。
相乗効果として格調高いBGMが演出を高め、1シーンがクライマックスとさえ感じさせる絵の強さが伝って来るので、もっと見せろ! となりますw
絵とバトルだけ繰り返し観ているとゲーム感覚に近い爽快感に似た気持ちにもなりました。私だけかもしれませんね、すいませんw 

内容もシンプルでわかりやすくテンポも良いので映像美と音楽を壊さず、最後の結末も巧く素晴らしい余韻です。

不満は1つだけです。{netabare} カロリーヌ とのバトルをカットしすぎです! どんなバトル演出かと期待していたら一瞬で斬られたw{/netabare}

絵に抵抗なければ世界観・映像美に満足する作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 24

63.2 8 お姫様アニメランキング8位
NARUTO ナルト 大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!(アニメ映画)

2004年8月21日
★★★★☆ 3.6 (115)
621人が棚に入れました
カカシ班は、映画『風雲姫』シリーズ・最終作の撮影のために雪の国へ向かう、女優富士風雪絵の護衛任務についた。しかし、雪絵は雪の国へ行くことを嫌がり、役を降りると言う。仕方なく、雪絵を強引に船に乗せ雪の国へ向かう一行。
途中雪忍の狼牙ナダレ達に襲われる。狙いは、女優富士風雪絵として身分を偽っていた雪の国の先代君主の娘、風花小雪と彼女が持つ六角水晶。
雪の国では10年前にクーデターが起こり、君主風花早雪が実弟、風花ドトウに殺された。その際、風花小雪はカカシと供に雪の国を脱出した。その後、風花小雪は身分を偽り、富士風雪絵として生活していた。

声優・キャラクター
竹内順子、杉山紀彰、中村千絵、井上和彦、甲斐田裕子、石塚英彦、美山加恋

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

第7班はやっぱりサスケがいないと

1作目くらいですかね7班がちゃんとそろって出てくるのって。

映画とか女優というのがNARUTOの世界観にイマイチしっくりこなかったですが、ストーリーも練れていたし、女優の設定も上手く使えていたのでその点は評価できます。

原作とは関係ないオリジナルの作品なのでNARUTOを知らなくても楽しめる作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 4

中田祥子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

原作終わったので

原作終わったので、一から見てる。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 2

kusunoki さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

かわいいナルトたち

NARUTO初めての映画。ナルトたちがまだ可愛かったころの物語。ナルトかわいい♪٩(๑'ᴗ'๑)۶そして、いざってときはかっこよかった!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 2

69.8 9 お姫様アニメランキング9位
アラジン(アニメ映画)

1993年8月7日
★★★★☆ 3.9 (83)
621人が棚に入れました
街で城から抜け出してきたジャスミン姫と出逢った貧しい青年アラジンは、ジャスミンの結婚相手に相応しい富を得るため、猿のアブーと共に魔法の洞窟に入る。煮えたぎる溶岩にまさに落ちんとする時、魔法のじゅうたんに救われる。アラジンが手に入れたランプからは魔人ジーニーが現れ、三つの願いを叶えるという。『アラビアン・ナイト』を下敷きにした、93年度、興収第一位の42億円に輝くラヴ・アドヴェンチャー。CGを多用しスピード感にあふれるアクションや魔人ジーニーの動きが魅力。作品の核を握る、お調子者の魔人ジーニーの声はロビン・ウィリアムズが熱演。アラジンとジャスミンの魔法のじゅうたんでのランデヴーに流れる『ア・ホール・ニュー・ワールド』(レジーナ・ベル&ピーボ・ブライソン)は、前年の「美女と野獣」に続きアカデミー主題歌賞に輝いた。続篇「Aladdin/ジャファーの逆襲」は(本国でも)ビデオ発売のみ。

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

.:*゚..:。:ご主人様 さあ願いをどうぞ.:*゚..:。:.

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*

旦那ってば

まだご自分の手に入れた物の価値を
ご存知でない

そこでごゆっくり お聞き下さい これがどういうことか

説明しましょう

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*

アグラバーの街で貧乏暮しをする青年『アラジン』と相棒である猿のアブーは盗んだパンで生計を立てる程の極貧ぶり。
市場で出会ったジャスミン王女に身分違いの想いを抱くが王女誘拐の嫌疑をかけられ投獄されてしまう。

『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』の『アラジンと魔法のランプ』を元にしたディズニー制作のアニメ映画。

この作品で語られるのは二人の声優。アラジンの声優を務めた、羽賀研二の若々しくミュージカルを意識した演技と
ランプの精『ジーニー』の声優、山寺宏一が『Friend Like Me』ミュージカルシーンで“ロビン・ウィリアムズ”の
完璧な吹き替えをやってのけたこと。逸話としてミス無し一発撮りだったとの噂も。(アラジンの声優は後に変更)

作中で出てくる数々のミュージカルシーンは勿論、3Dでなく2Dのディズニーアニメーションは圧巻の表現力。
宮殿から抜け出し魔法の絨毯で空を駆け巡るシーンで、アラジンとジャスミンが歌う『A Whole New World』は
アカデミー歌曲賞他、数々の賞を獲得しました。


アラジンで一番すきなシーンはどこ、と問われるなら

自分の中では“冒頭”の一幕。露天商が月夜の砂漠をラクダに乗りながら語り部として登場し、物語がはじまるのです。

千夜一夜物語の通り、歌われる曲は『Arabian Nights』。

曲と映像の雰囲気がアラビアンナイトの世界観に引きこんでくれます。実は露天商には、ある“秘密”が。
この露天商、指が四本しかありません。作中で指が四本の人物といえば・・・ 続きは是非、砂漠の夜の、夢の中で。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

叶えたい最後のひとつのお願いは......

ディズニーが1992年に制作したアニメーション映画です。
意外と最近の作品だったんですね。ちょっと驚き。
お話は、盗みをしながら非常に貧しい生活をするアラジンと
宮殿から一度も出ることが叶わず、父から愛のない結婚を迫られるジャスミンの恋の物語。
2人は偶然の出会いから共通点もありお互いに惹かれあいました。
豪華絢爛で食べ物に不自由しない宮殿での生活にあこがれるアラジン。
一方で、自由が欲しかったジャスミン。彼らの悩みは違うようで本質はまったく同じ。「今の生活から抜け出したい」
互いを羨んだり、嫉妬することなくその気持ちを十二分に分かち合うことができました。
でもそこからが波乱の幕開けでした。
結婚は王族同士でないとできなかったり、国務大臣である魔法使いのジェファーに邪魔されたりといくつもの壁がありました。
アラジンはランプの魔神ジーニーと協力しながら奮闘します。
最後の結末はまさにHAPPY END!!とても良い物語の結びでした。

本作の目玉はやはりジーニーです。
ランプの魔神と聞いて浮かぶ僕のイメージは、
主人に呼ばれると煙と共ににゅるにゅると出てきて「ご主人様お呼びでしょうか?」なんて陰気くさい感じだったのですが、
ジーニーはランプの魔神と呼ばれながら、お呼びがかかるとびゅーんと出てきて、まるでパーティーの主催者みたいにガンガン喋ります。
気さくでとても人懐っこい性格で、喋り出したらしばらく止まりませんw
加えてジーニーはいろんな変身をしながら軽快にしゃべり続けます。とても愉快です。
彼は単に面白いだけでなく、アラジンと築いたその友情はとても輝いたものでした。
これは本作を観て頂ければお分かりになるかと思います。最も感動させられました。

{netabare}

アラジンがジャスミンを取るのではなく、ジーニーを取ったときの衝撃はすごかった。
そりゃあ見捨てるわけはないと思ったけれどジャスミンを蹴ることもできないだろうと思ってたからなあ。
「君がいてくれなきゃ寂しいよ。」と言って抱き合うシーンは涙ぼろぼろでしたw
でもジャスミンとの結婚が決まった後、すぐに旅行に行っちゃったのはなんでだろうw まあ笑えたけど。

ジェファーから魔法のランプを奪う際に、作戦とはいえジャスミンのキスはこっちも心をえぐられるような気持ちになりました。
あれは痛かった。すごく痛かった。
けれどアラジンとジャスミンが結ばれて本当に良かった。良い物語でした。

{/netabare}

本作はラストに向けての盛り上がりも非常に上手く、十分に楽しめる作品です。
もしまだ観たことがなかったらぜひ一度時間があるときに。きっと面白いですよ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 10

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

泣きたくなったら見る映画

ディズニーの中でも好きな映画のひとつ。
ミュージカル映画の金字塔アラジン。
10回以上見てると思う。

ジーニの声優は山寺宏一が合っていると思うが、
僕は英語の勉強も兼ねて
洋画は字幕版の字幕なしで見るようにしてる。

字幕版のジャスミンのセリフ回しはかなりキツイ。
(ディズニーのヒロインはどれもこんなんだけど)
自分の中のツンデレってこんな感じなのかなぁと思う。

原作とは全く違う話に仕上げてしまうディズニーだけど、
原作以上に昇華させてしまうディズニーはやっぱり凄い。

何度見てもジーニの登場シーンでは腹を抱えて涙が出るまで笑ってしまうし、
何度見ても王宮からジャスミンを連れ出すシーンではスクリーンが曇るし、
何度見ても最後のシーンは前が見えなくなる。
結局何度も見ることになる。

また号泣して最後のシーンが見れなかった。
また見よう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 6

69.7 10 お姫様アニメランキング10位
竜とそばかすの姫(アニメ映画)

2021年7月10日
★★★★☆ 3.6 (217)
611人が棚に入れました
高知の自然豊かな村に住む17歳の女子高生・すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずはその死をきっかけに歌うことができなくなっていた。いつの間にか父との関係にも溝が生まれ現実の世界に心を閉ざすようになっていく。曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日偶然にも、全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット空間の仮想世界<U>に「ベル」というキャラクターで参加することになる。もうひとりの自分。もうひとつの現実。もう、世界はひとりひとつじゃない。<U>では自然と歌うことができたすず(ベル)は自ら作った歌を披露し続けていく内にあっという間に世界中の人気者になっていく。そんな驚きも束の間突如轟音とともにベルの前に現れたのは竜の姿をした謎の存在だった―。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

内にある迷いと弱さ

細田守監督作品。

50億人がすれ違う仮想世界「U」、
ベルの歌声は、孤独な誰かに届くのか!?

自然豊かな田舎に住む平凡な女子高生鈴は、
とある事故がきっかけで歌うことが出来ない。
ある時、友人から紹介されたUへの招待から、
{netabare}現実では厳しくとも、Uでなら歌えると、
まだ可能性が残されている仮想世界で、
彼女は後に話題となる、歌姫ベルとなり、{/netabare}
自己再生の物語を始めようとしている。

美女と野獣をオマージュした演出と、
サマーウォーズを想起させる仮想空間、
娯楽性に富んだ世界観ではありますが、
ネット文化に対する啓発的な印象を受け、
物語は思いの外、娯楽性一辺倒ではない。
その点をどう感じるかで印象も変わる。

{netabare}家族との絆、臆病な私、竜の存在意義、{/netabare}
あまり多くを語るのも難しいものですね。
それぞれが薄くなった印象を受けます。

物語の文脈を読み解くことそれ以上に、
歌と映像美をただ体験することに於いては、
満足度の高い作品ではないでしょうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

いのちの歌

日常の中に浸透した仮想空間を物語の中心に設定する点で、本作はまず
2009年のヒット作『サマーウォーズ』への顕著な回帰が認められる。
ただし今回は、リアルとヴァーチャルとの関係性が明瞭に主題化されており、
構成とテーマの双方で、「二重性」がキー・コンセプトとなっている。
細田監督いわく、「インターネットというものは現実と虚構の部分を併せ持つ
二重性があり、『美女と野獣』もまた二重性を持った作品である」。

この着想に基づいた固有の問題意識が観客に向けて提示されるわけだが、
不幸にもそれが伝わらずに、共感の回路が閉じられていた場合、
本作のストーリーはきわめてつまらないものに感じられるだろう。
臆病な少女がネットで少年と知り合い、勇気を出して彼の窮地を救う。
煎じ詰めればこれだけの話である。陳腐な美談に月並な社会批評を足し加えた
大衆迎合型の商業映画、などといった酷評もやむを得ないところだ。

しかしながら、問題共有の回路は確かに開かれているのである。
本作の秘密は、二重性の下にもう一つの二重性が潜んでいることにある。
ヒロインの日常と仮想世界が連続する、平面的・並列的な二重性とともに、
竜とベルのストーリーに託されて、すずの心の再生のプロセスが進行する
内在的・重層的なもう一つの二重性が構造として認められるのだ。
いわば、表層面と深層面にそれぞれの二重性が存在しているのである。

例えば、仮想空間〈U〉をそっくり、すずの深層心理の世界と捉えてみると、
作品全体の構造がシンプルに一本化されて見通せるようになる。
作品への共感の回路が開かれる場所はまさにそこなのであって、
すずの物語が私たちの時代の問題と重なり合う、本作の核心部なのである。
匿名性の限界を突破する行動と、自らのトラウマを乗り越える勇気。
重層するストーリーから透視的に浮かび上がる一点に照準を合わせて見ていきたい。


Ⅰ 竜とベルの物語
{netabare}
リアルでは不可能な願望を実現できる "もう一つの現実"― 仮想空間〈U〉。
母の死以来、歌えなくなっていたすずはそこで、ふたたび歌えるようになる。
ついに歌姫の座にまで上り詰めた彼女は、竜と出会い、彼のあとを追い始める。
その動機について、作中では十分な説明がなされていないようだ。
なぜベルは、危険を冒してまで竜に接近し、彼と関わろうとするのか?

竜の正体をめぐって無数の人々が声を上げる、― 竜は何者? 彼は誰?
匿名性の空間が内包する地熱のような好奇心は際限なく広がってゆくが、
単に欲望を満たすためだけに情報が求められ、真実はただ消費されて終わる
バーチャル空間の空虚で危うい本質が、この人々の竜探しに露呈している。
その中にあってベルは異質な、孤独な存在である。

薄雪草さんが本作に書かれたレビューから、一節をここに引用させて頂く。

 本作は、すずの心情を捉えることが重要です。
 特に、次のふたつの言葉の動機や背景の掘り下げが、かなり大事です。

「あなたは、誰?」
「あなたに、逢いたい。」

 どうぞ、すずに寄り添うベルのように、思いを深く巡らせてみてください。

あなたは、誰? あなたに、逢いたい。―
ベルの発する問いは、興味本位の詮索とは全く異なる、切実なものだ。
その言葉には、一個の人格と関わろうとする真剣な意志がこめられている。
彼女の心の真実に少しでも近づくために、補助線を引いてみる感覚で自分は
〈U〉の世界をすずの深層心理と捉える解釈を踏まえて、こんな推論をしてみたい。
竜を探し求めるプロセスは、彼女の深層に潜む願望の顕れなのではないか、と。

「〈U〉のボディシェアリング技術は
 その人の隠された能力を無理やり引っ張り出す。」

つまり〈U〉にはその人のポテンシャル、いわば内部現実が投影されている。
さらに、抑圧された状況が能力を強化した結果が、ベルの歌であり、竜の強さだった。
ならばもし、その抑圧がさらにもう一つの能力をすずから引きだしたのだとすれば?
歌姫ベルを賞賛する何億もの人々の前で自らをアンベイルし、素顔を曝すシーン。
この自殺行為にも等しい行動を促したものは一体何だったのだろうか?
それこそが、すずの本質に秘められた能力の発現だったのではないか?

薄雪草さんが以前、使っておられて強く印象に残った言葉がある。
「当事者性」。― この言葉で、自分はすずのその能力を言い表せると考える。
恣意的な解釈にならぬよう注意しながら、このキーワードに即して
すずの行動の軌跡をたどり、彼女の内面への接近を試みたい。

まずそれは、他者の痛みへの共感として具体的に現れる。
幾度も拒絶されながら、ベルは竜に近づこうとする。
「來るな!」「見るな!」―竜がベルに言い放つ拒絶の言葉に注意が必要だ。
竜の正体である恵、彼を傷つけたものは父親の暴力だけではなかった。
世間の大人たちの無理解と見せかけの善意。そして何よりも、好奇の視線。
― あんたも人の秘密を覗き見して笑いたい人?

一方で、すずには彼の拒絶の意味を理解することができるのだ。
すず自身がかつて、母の行為をめぐって匿名の人々が無責任に投げつける
心ない非難によって、深く傷つけられた経験を持っているからだ。
だからベルは竜に語りかける、― 本当に傷ついてるのは、ここ、ね?
つまり、ベルが決断したアンベイルの本当の目的とは
痛みをともに分かち合う決意を相手に対して示すことだったのではないか?

彼の傷ついた心に近づくためには、自分もまた致命傷を負う覚悟で
今度は「当事者」として、不特定多数の人々の前に自分を曝さなくてはならない。
・・・「素顔をかくしたままで何が伝わるってゆうの?」
忍のこの言葉には本作のテーマの一つが要約されている。
匿名の安全地帯で傍観したまま、好き放題を言うことは卑怯であるばかりか、
そこには他者の現実に関わるアクションは一切、生まれることはないのだ。

あなたに、逢いたい。―このただ一つの願いを伝えるためには
絶対にベルではなく、素顔のままのすずが歌わなくてはならなかった。
そして彼女は叫ぶ、「光を放て! わたしにその光を放て!」
突き付けられた「おまえ、誰だ?」という問いに対して応えるため、
本当の関わりを求めている「当事者」であることを証しするために―。

  逢いたい もう一度 胸の奥 ふるえてる
  ここにいるよ 届いて はなればなれの 君へ

アンベイル、それは現実が仮想現実を内部から食い破る瞬間である。
そこに生じたすずの "変容" には、やはり二重の意味合いが認められる。
単に表層の "現実" が表れたのみならず、内部に隠れた "真実" が顕在化したのだ。
それは、理想化された自分から元のみすぼらしい自分に戻ることではなく、
虚像に縋る自分の弱さを、真実の自分へと乗り越えていく決定的な変化を意味している。
すなわち、彼女の本質である当事者性が顕現した瞬間なのである。


・・・本稿の推論の出発点はこういう仮定だった、
ベルが竜を探し求めるプロセスは、すずの深層に潜む願望の顕れなのではないか、と。
そして彼女は求めていた真実の自分に出会う。それが「ベルと竜の物語」の帰結である。
だがおそらく、そのさらなる深部にはもう一つの、さらに痛切な願いがあった。

歌い終えたすずは、地平線から昇りはじめる三日月を凝視している。
その横顔に驚きの表情があらわれ、次第に大きなものになってゆく。
不意にすずは、自分がいま当事者として行動していることをはっきり意識したのだ。
そして、自分がいま立っているこの場所が、あの日母が立っていた同じ場所であることを。
理解できずに苦しみぬいた母の心を知る、決定的な"気づき"の瞬間である。

それこそがすずの心の奥に秘められていた、最大の願いだったのではないか。
自分を探し求める「ベルと竜の物語」の水面下で、彼女は無自覚に母を探していた。
本作の真の二重性は、アンベイルの場面に集約的に予示されているが、
その全容は、急転回の先にあるもう一つのクライマックスによって開示される。
すずの再生のストーリー、「すずと母の物語」がそこで完結するのである。
{/netabare}


Ⅱ すずと母の物語
{netabare}
仮想世界〈U〉で展開される「竜とベルの物語」は、
すずの当事者性の発現をとおして母の心に到達するプロセスとして、
深層部分で進行する「すずと母の物語」に最終的に統合される。
それは、母の死によるトラウマを克服し、世界とのつながりを回復する
ヒロインすずの"再生"の物語であり、そこに本作の核心がある。


すずのトラウマは、歌おうとして嘔吐してしまう痛ましいシーンに集約されている。
母との幸せな思い出につながる「歌」は、喪失の苦痛を再帰させるために拒絶される。
だが、拒絶されているものは本当に歌だけなのだろうか?
あるいはそこには、母に対するすずの心情もまた内包されているのではないか?
母を求めながら同時に、受け容れることを拒んでいるアンビバレンツな心理が
彼女の心の奥底にわだかまっているように思われるのだ。

すずの内面を丁寧に説き明かされた、薄雪草さんの一節を引用させて頂く。

「すずの心的世界は、10年以上にわたって、
 ひとつの思いに憑りつかれ、縛られ、閉ざされています。
「お母さんは、なぜ赤の他人の女の子を選んだのか。
 どうして私は独りぼっちなのか。」
 お父さん、幼馴染の忍くんやヒロちゃん。誰にも明かせない深い胸の疼きです。
 すずにとって「独り」とはそういう意味なのです。」

母に「独り」にされたすず。決して答えの見つからない「なぜ?」の呪縛。
ここでふたたび補助線を引いて、孤立するすずの心にさらに接近を試みたい。
おそらく、すずを苛んでいたはずの、もう一つの「なぜ?」があるはずだ。
その心の中にはこんな想いが潜んでいたのではないか―

― お母さんは死んでしまった。もういない。それなのに、
なぜ今も、その女の子だけが生きているのか。・・・なぜ?

すずの孤立の根底にはいわば"いのち"への不信感があったのではないだろうか。
母が救った赤の他人のいのちと、代わりに失われた母のいのちと。
この二つの命の重さがすずにとって、果たして同等であり得るだろうか?
いのちの重さはすべて等しいとする建前論は、当事者にとっては不条理でしかない。
これは、"いのち"の価値をめぐる根源的なアポリアである。
同時に、こうした感情を自分が抱くことに優しいすずは罪悪感を覚えずにいないはずだ。
この心理が無自覚に、彼女を世界から遠ざけていたのではないだろうか?

母の行動は常識的な理解の及ばない、"いのち"の絶対的な地平にある。
その場所に立たない限り、母の行動をすずは永遠に理解できない。
だが、それは現実には不可能であり、彼女の心もまた受け容れることを拒んでいる。
「なぜ?」という問いは深淵のように、母とすずとを隔てつづけるだろう。
現実でも、さらには内面においても、すずは二重に母を喪失しているのである。


この絶望的な断絶を乗り越えて、すずが再び母に出会うためのプロセス。
それが〈U〉のストーリーの本質だと言ってよいだろう。
したがって、アンベイルの意味をこの文脈でもう一度、捉える必要がある。

地平線上に昇りはじめる三日月を凝視したまま、立ち尽くしているすず。
その瞬間、彼女にはいったい何が見えていたのだろうか?
おそらくその時、すずは"いのち"の意味を感得したのではないだろうか?
濁流に飛び込んでいったあの時の母と同じ衝動がいま、自分を突き動かしている。
自分自身が当事者となって、危機に瀕した"いのち"と向き合っているこの瞬間、
すずはあの日、母が立っていた絶対的な"いのち"の領域へと踏み入ったのだ。

「何度も自問し、何度も反駁しただろう先に、ひとつの気づきを得るのが、
 視線の先に輝いている三日月なのです。」

自分本位の感情に囚われていたすずが、母の心を経験的に理解する。
それは、母の立っていた"いのち"の地平への「転回」と言ってもよい。
そのとき、すずを苦しめてきた不条理はもはや存在しない。
いま彼女は、救われたその子が生きている現実を受け容れることができる。
なぜならそれこそが、母が命に代えて願ったことの成就に他ならないからだ。
それはそのまま、母の想いが今も現前し、生き続けていることを意味する。
そこに示された母の"いのち"の在り方をすずは受け容れ、自分の中に定着する。
そして、すずの中で再び母が生きはじめる。・・・

アンベイルとはこのような、すずの"再生"の瞬間だったといえる。
自らの行動によって母の行動を理解し、肯定し、受け容れることで
「独り」であることの果てしない苦悶から彼女はようやく解放されたのだ。

「"三日月" は、ネットの海に漂い浮かぶ "救いの舟" 。」

本当の"気づき"だけが、救いをもたらす。三日月はこの救済の象徴となる。
あるいはそれはまた、不断に再生する"いのち"の象徴なのかも知れない。


クライマックスに達した物語はその直後、予期せぬ急展開に突入する。
虐待を受けている兄弟のもとに単身で駆けつけたすずが彼らと対面し、
二人を庇って父親と対決する、もう一つのクライマックスとも言うべきシーン。
リアリティーも含め、とりわけ批判にさらされているのが、この唐突過ぎる超展開なのだが、
仮想空間と現実世界を貫く"いのち"の物語の最終的な帰結と捉えることによって、
充分な整合性と必然性が認められると自分は考える。

まず、DVの問題をストーリーに絡めた点については、
脈絡の欠如から、社会派を気取ろうと無理に取ってつけたようにも言われるが、
物語の一貫したベクトルに即してみれば、必ずしも不自然なものとは思われない。
なぜなら、「暴力」とは原理的に「いのち」の対極にある事象だからだ。
そのシェマティックな対立の構図をとおして"いのち"の輝きを示すために、
ヴァーチャル空間のベルも、現実世界のすずも、全力でそれと対決する。

さらにすずの行動が、感情に任せた衝動にしか見えない点。
確かに、彼女の動機の説明となる自然な流れが欠落しているようにも感じられる。
だがここで、〈U〉のパートにさかのぼって想起したいのは、
竜の城にベルが再び潜入するくだりで描かれている、弟が育てた「秘密のバラ」を
竜とベルが分かち合う象徴的な儀式についてだ。

この「バラ」のシンボリズムは明快である。
城の広間に飾られた、顔の部分を損傷した女性の肖像画。彼女が誰なのかは
同じ画像がケイのひび割れたスマホに保存されていることからも明らかだ。
すずが使い続けている欠けたマグカップとも呼応しながら、
彼らの傷ついた心と、"喪われた母"へのひそやかな思慕がほのめかされる。
反復されるイメージをアナロジーによって連結するこのメタファーの技法で
三人の絆を示しつつ、その中で母親としての存在がすずに託される。
それを暗示するのが、肖像画の母と同じ、胸元に飾られるバラの花であり、
最終盤のシーンを予示する、"秘密の"布石となっていると解釈できる。

つまり、たった一人で兄弟のいる場所に向かおうとする、すずの無謀な行動は
一般常識ではなく、作品に内在する非言語的なロジックに裏打ちされているのだ。
母が自分に指し示してくれた"いのち"へ向かうベクトルをひたすら辿ること、
すずの心の中にはそれ以外のどんな顧慮も介在していない。

すずの"再生"の本質はおそらくここに読み取ることができる。
身を挺して彼らを守り、そして、恐れる彼らを優しく抱擁する、
その姿には"いのち"を慈しむ「母なるもの」の原像が鮮やかに結像している。
それは、十年にもわたって抑圧されてきた、母への渇望の極みについに成就した、
母との合一、一体化による、トラウマの超克だった。

怒り狂う相手を無言で見つめるすずの顔には恐れも怒りもない。
その静謐な表情には、ただ一つの揺るぎない信念だけが認められるようだ、
一人の少女の心の極限が定着されたこのシーンに自分は圧倒され、息を呑んだ。
細田守が渾身の力を込めたこのカットを言葉で言い表す必要はないかも知れない。
だが、ここまで掘り起こしてきた文脈に即して、敢えて言いたい思いにも駆られる。
そこに具現しているもの、それはおそらく、"いのちの尊厳"といわれるもの、
そして、"いのち"の価値への無限の信頼なのではないだろうか。・・・
{/netabare}



細田守作品は一貫して、人と人との関係の在り方を問い続けている。
Ⅰ章で「当事者性」、Ⅱ章では「いのち」というモチーフを仮設的に措定し、
複層的な構造に対応するアクチュアルなテーマ性と普遍的なそれとを並置してみた。
最終的にはそれらを「関係性」という固有の枠組みの中に落とし込むことで、
本作のテーマとメッセージは完全に開示されるように思われる。

一言でいえば、それは"人格的なもの"への固有の志向性である。
喩えるなら、ベルが竜に向けた"あなた"という呼びかけの中に響いていたもの。
また、他者の"いのち"に向かう姿勢にはその契機が必然的に内在している。
愛情にもとづく関係は、生物的な自然に根差すがゆえに歪められるがちだが、
それを人格的なものに高める努力によって、関係は真実なものになる。
すずの再生には一面、こうした心の成長が重ねられていると見ることもできる。

Ⅰ章を5月に投稿してから、今回の投稿までに実に3ヶ月を要した。
それにも拘らず、作品内部の脈絡を掘り返す迂遠な作業にのみ終始して
やっとテーマの入口に辿り着いたところで切り上げるのは、何とも間抜けな話だが、
本作を語るべき最適任者が他におられるがゆえの、これは戦略的撤退なのである。
その方は拙稿への引用を快諾して下さった上に、作品の真の理解にまで導いて下さった。
末筆となってしまったが、衷心よりの感謝をここに記すことをお許し願いたい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

息を飲んだ。。歌と映像 

夏は、なぜか劇場映画が観たくなります。

でも・・

正直、細田監督の前作が期待外れだったので様子見のつもりでした。
が、ワクチン接種のため里へ降り、時間を潰す必要もあったのでえいやーとばかりにソロ敢行しました。。

 監督:細田守
 制作:スタジオ地図
 公開:2021年夏
 視聴:2021年夏 TOHOシネマズ仙台

観る前)
 そばかすって、欧米では日本のえくぼみたいに好意的に受け取られるものらしいけど、あっち向けに作ったのかな。。

観ながら)
 絵力・・すごい。引き込まれる。
 音楽・・すごい。心に響き染みる。
 演技・・一部つたない。ちょっとだけ萎える。
 展開・・既視感あり。しゃーないけど。
   (仮想空間、城でのダンスシーン、人物など)
 ヒロインのアバター・・美人とは思うけど日本人好みではないような。

~つっこみ{netabare}
 親の死やイジメ・・ヒロインの身の上としては(特にフルーツバスケットを観た直後では)またか感が満載で感情移入がイマイチだったのは否めないけど、こればっかりはしゃーないかな。。

 他人の子を助ける母・・やっぱ賞賛する気になれず理解に苦しむので感情移入がしにくい。その結果自分の子がどれだけ悲しむか、わからないはずもないし。助けたのがヒロインだったならそのトラウマに理解も感情移入もできたような。いっそ、実は助けた子が竜やその弟やカミシンだったなら・・まだ頷けたかも。

ナゾ、というか違和感)
 ・ヒロインは何故、竜を追うのか・・
  恋心?「若い時ってチョイワルな男に惚れやすい」というのがその説明?でもそれはおばはんの憶測でしかなかったよね。あそこまで追うんだから推して知るべしってこと?いやいや、説明(あるいは演出)不足でそw竜に出会う前にヒロインの性質として前フリしてくれていれば少しはハラ落ちしたかもだけど。
 ・竜の本体(オリジン)
  海外の人かと思った。言語は即時翻訳しているものと。高知と東京とはいえ、仮想空間の人口に対してなんと狭い世界であることか。
 ・リアル竜と出会うシーン
  本名は恵(けい)?
  住所も知らない家を探し当て、あまつさえそこに丁度、本人たちが表に出てくる・・さすがにないわw 拡声器で歌って探すとかも良かったのでは?JK一人で行かせる大人たちもなんだかな・・多少ウソをついてでも警官を巻き込むとか・・色々脚本の作りようがあるのではないかと。やっぱワンマン作品だと客観的に見えなくなって意見できる人もいなくなるのかな・・恵の父親に立ち向かうヒロインの表情ももうちょっと劇的にできなかったかな・・悲しみの表情とか、微笑みの表情とか。。なんか演出が軽いんですよね。。(京アニの見過ぎかなw)
 ・恋の行方
  結局、恋の相手は竜なんだよね?仮想世界の姿なのに惚れたの?しのぶ君の言葉「これでやっと普通に付き合える」もイミシンとも受け取れるセリフだし。その辺がちょっと曖昧だったかな。もっと竜との未来を想像させて欲しかった。
 ・終わり方
  エンドロールでフラッシュバックするのは好き。
  でも画面に黒沢ともよさんの名があったような・・どのキャラだったんだろう。
{/netabare}~

細かいところを気にしなければ、おおむね良かった・・かな。感動的ではあるかと。

特に音楽が心に響きやすい自分にとって、そのシーンは涙モノでした(比喩じゃなく)。

劇場で観た方が、映像と音楽を愉しめそうではある、かな。。
 

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21

70.3 11 お姫様アニメランキング11位
少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(アニメ映画)

1999年8月14日
★★★★☆ 3.9 (114)
604人が棚に入れました
その独特な世界観と音楽性で大人気を博したTVシリーズ「少女革命ウテナ」。本作品は'99年夏、全国東映洋画系にて公開された劇場版「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」。全寮制の名門鳳学園に転校してきた美少年、天上ウテナ。彼の正体は、ある事件をきっかけに、志高く生きる決心をし、その決意から男装するようになった少女だった。鳳学園でウテナはかつての恋人、桐生冬芽と再会する。彼の指には、薔薇の刻印の指輪が妖しく光っていた。それと同じ指輪を手に入れたことがきっかけで、ウテナは学園の生徒会副会長である西園寺と、決闘することになってしまい…。TVシリーズ同様、ミステリアスな展開は健在。ミッチーこと及川光博が声優に初挑戦したことでも話題を呼んだ。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

アニメ史上に残る美しいキスシーン。ウテナが〇〇〇になるんだよ!という頭おかしい最高なシーン。

 人生の一本を選ぶとしたらみんなが大好きな完璧に近い作品も良いが、スキがあっても自分の魂に決定的に刺さる作品を選ぶ方がより自分の一本といえるのではないだろうか?。


 テレビシリーズの「ウテナ」もまさにそんな作品だったが、それを濃縮した劇場版はより自分には決定的な作品であった。奇々怪々な物語は濃縮されたから、テレビシリーズを見ていなければ間違いなくサッパリわからないだろう。さらにミッチーの起用は正直…な印象である。しかし、美しい物語としての「ウテナ」の要素も濃縮されているので、その感性が刺さる人にはずば抜けた作品です。


 キャラクターデザインはアニメ版より進化し、ウテナの白黒の学ランに短帽というよりとんがった衣装や、メガネ無しのより色っぽいアンシーなど全場面でキャラ絵の美しさだけでもうっとりする程に気合いが入っている。


 そのキャラクターたちが活躍する物語や舞台もまた美しい。最初の決闘シーン、薔薇の舞、鏡越しの別れ、ウテナカー誕生、世界の果てを超える二人、全ての場面がウテナが培ってきたアバンギャルドでありながら他には絶対ない美意識に支配されている。


 特にラストシーンの二人のキスシーンは、恐らくアニメ史上に残る美しいキスシーンだろう。単に美しいだけでなく二人が絡み合って一つの機体となり、偽りの平穏な世界から脱出するというシーンは、テレビシリーズと同じく性を超越した対等な掛け替えのない二人を象徴していてまさにシリーズの終わりに相応しい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

TVアニメ版からたった2年…ですがキャラデザはかなり良くなっていると思います。

この作品は、少女革命ウテナの完全新作の長編アニメーション映画です。
完全新作ではありますが、TVアニメ版を視聴してからの方が物語の世界観を含め入り込み易いと思います。そのため、39話ありますがTVアニメ版を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

・ウテナが転校生
・生徒会長である桐生冬芽とは幼馴染
・姫宮アンシーは眼鏡をかけておらず、髪もストレートのロングヘア
この様にTVアニメ版とは若干設定が異なりますが、登場人物の立ち位置や薔薇の花嫁を廻る決闘は変わらないので、すんなり物語の中に入ることができます。

物語の序盤…TVアニメ版のウテナに慣れ親しんできたせいか、ウテナの姿にはちょっとビックリしました。黒の学生服に赤のスパッツ…ピンクのロングヘアが彼女の特徴でしたが、劇場版では学生服が白と黒…これはまだ許容範囲でしたが、一番ビックリだったのは髪の毛がショートカットになっていたことです。あのピンクのロングヘア…綺麗で魅力的だったのに…と思いましたが、ショートカットのウテナも捨て難いのは事実です。

でもデュエリストの姿に変身すると髪の毛はTVアニメ版の様なロングヘアに戻ります。
変身に伴って髪の毛の長さも変わるのかな…と思って視聴していましたが、レビューを書くためにwikiをチラ見したところ、普段はロングヘアをショートカットに編み込んでいたのだそうです。
プリキュアだって変身したら髪の毛の長さが変わるんです…ウテナが変わっても違和感は無いと個人的には思っていましたが…^^;

一方物語の方ですが「革命が再び訪れる…」という表現がピッタリだと思います。
TVアニメ版でも革命は起きました。それについては理解も納得もしています…
けれど、情報が断片的だった事から消化不良感が否めないのも事実です。

でもこの劇場版では、しっかり尺をとって「革命」について描いています。
そのため、TVアニメ版のラストが分かりづらいと思った方もこの劇場版を視聴する事で腑に落ちる事もあるかと思います。

革命を起こすのは決して簡単な事じゃない…
革命は誰かが起こしてくれるものじゃない…だから雛鳥は卵の殻を割らなくちゃいけない…
革命は起こして終わりではなく、むしろそれが出発点にしかすぎない…
革命には決まった形は無い…だから革命の形は十人十色…
これからの道は決して平坦ではなく、荒れた険しい道が続いている…
一人では乗り越えられない壁が待ち受けているかもしれない…
でも…

ウテナは革命のカードを切ります…
それがどんなカードだったのか、気になる方は是非本編でご確認下さい。
「革命に携わった者の大いなる意思…」が感じられる展開だったと思います。

劇中で使われた挿入歌で印象に残ったのは、やはりTVアニメ版のオープニングでもあった「輪舞-revolution」です。やっぱりこの曲…恰好良いです。

約90分弱の作品ですが中身は濃厚で時間が過ぎるのがあっという間でした。
TVアニメ版を視聴された方は一見の価値のある作品だと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 11
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

さぁ革命だ!

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。90分くらいの学園ファンタジー。
 おすすめされたのをきっかけに視聴しました。テレビ版の続編ではないということでしたが、一応5話まで視聴しております。5話で切ったわけではなく、1・2話の段階でストーリーの外観がはっきりしていることと、5話までで序盤の安定期に入っていそうでしたので、映画にシフトしました。非常に面白かったので、テレビ版も継続的に視聴していこうとは思っています。映画版はまごう事なき傑作でした。

 この映画は、キャラクターに関してはわかりませんが、世界観に関してはテレビ版を踏襲しているようです。テレビ版のレビューで書いた説明は端折りますので、適宜テレビ版のレビューもご参照ください。

世界観の概要①(テレビレビューまとめ):{netabare}
 テレビ版で書いたこの作品の世界観をまとめます。

・この作品では、「絶対運命黙示録」、つまりメタフィクションをしたい。
・製作者は、このアニメを「学園モノ」、主人公を「王子様」に決めた。
・主人公は、創作の世界では絶対的な存在であり、創作の世界を自由に革命できる。
・登場人物は、この力を欲しがり、「王子様(主人公)」になりたがっている。

・主人公になっても、変えられないものがある。それはアニメの設定である。
・これを変えるためにはアニメの世界を壊し、現実の世界に行かなければならない。
・これこそが真の革命である。


 製作者が言っている「世界を革命する力」とは、「アニメの世界」を脱し、「現実の世界」へ到達することです。しかし、「アニメの世界」にいることを知らない登場人物たちは、主人公になり、アニメの中を自由に変えることだと思っています。

 つまり、この作品の革命者とは、
  ①主人公になり学園(アニメの世界)を支配する仮の革命者
  ②「アニメの世界」を脱し、「現実の世界」へ到達する真の革命者
という2種類の革命者がいるのです。

 また、製作者が言う革命を起こすためには、
  ①登場人物が「アニメの世界」にいることを「自覚」し、
   「アニメの世界」を壊そうと「決意」する「意識の革命」
  ②実際に「アニメの世界」を壊し「現実の世界」に到達する「構造の革命」
という次の二つの革命が必要となります。
 なお、映画では、「現実の世界」は「外の世界」と表現されていました。
{/netabare}

世界観の概要②(映画内での表現):{netabare}
 「構造の革命」に関する生徒会の革命宣言がなくなってしまいましたが、同じことを示したセリフが散在しています。まずはジュリのセリフから。
  ジュリ「この暗闇の奥は、世界の果てへと続いている。」
     「もうすぐ始まる。革命が。」
     「私は(私を縛り付ける)全てを断ち切るために、この力が欲しいんだ。」

 ジュリは、革命の力は、ジュリというキャラクターを縛り付ける全てのものを断ち切ることができる、と言っています。また、「アニメの世界」は「世界の果て」へ通じており、革命が始まることで「世界の果て」へ到達することを示しています。「世界の果て」を越えた先が「外の世界」です。ジュリ自体は革命の力を誤解していますが、どちらの革命であっても、ある程度「断ち切れる」のは事実です。

 トウガとアキオのセリフ。次のセリフは、「アニメの世界」を説明したものです。
  トウガ「全て王子様を中心に作られた場所なのに、生身の王子様だけがいない。」
  アキオ「生きながらに死んでいられる、あの閉じた世界」

 トウガの「全て王子様を中心に作られた場所」というのは、ここが「王子様」を主人公とした創作の世界であることを示唆したものです。実際、「王子様」決定戦である「決闘」をすることで、主人公の座の奪い合いが行われています。
 また、トウガは、「本物」と表現せずに「生身」の王子様がいないと言っています。「アニメの世界」だからこそ「生身」がないのです。「現実の世界」の生がないために、アキオの言う「生きながらに死んでいられる」世界なのです。テレビ版の「生まれているのに、生れずに死んでいく雛」という概念に対応するセリフです。
 そして、アンシー・トウガ・アキオという死者すらも生きていられる世界、これが「アニメの世界」です。「現実の世界」では有りえないことが、起こりうる世界です。

 アキオは「どうせ行き着く先は世界の果て」だと言っています。彼は、ハイウェイでお城をクリアしたその先から出てくる人物です。アンシー殺害シーン(車の鍵を探すシーン)でも、この世界がアニメであることを知っていることが明かされています。
 彼は、この世界が「アニメの世界」であると「自覚」していながら、革命を「決意」しなかった人物です。そして、「アニメの世界」にいることを選んだ「仮の革命者」なのです。

 彼に対してアンシーは「でも私たちの意志でそこに行ける」と言っています。これは「外の世界」へ行こうとする「意識の革命」の話です。アンシーも元々は「自覚」していながらも「決意」しなかった人物ですが、ウテナに感化されて「決意」をしたのです。
{/netabare}

終盤①ウテナの「自覚」:{netabare}
 終盤で描かれているのは、「意識の革命」がもたらした「構造の革命」です。まずはウテナが「車」に変わる直前から確認してみます。

 ウテナはトウガとの対話により、トウガが死者であることを思い出しました。この世界が、死者でも生きていられる「アニメの世界」であることを「自覚」したのです。

 このあとのアンシーのセリフです。
  「あなたは今、学園の王子様。
   どんな奇跡もどんな永遠もその手に掴める。この世界にいる限り。」
 「アニメの世界」にいるかぎり、主人公であれば、思いのままだと言っています。
 アンシーは、自分が死んでいることを知っています。つまり、この世界が「アニメの世界」であることを「自覚」しているのです。ですが、この世界を壊すことを「決意」せずに、仮の革命者を歓迎しているのです。
 ウテナはアンシーの申し出を断り、「外の世界」へと誘います。なぜ、アンシーを誘ったのか。
 アンシーに「バラの花嫁」というキャラクターを捨てさせることは、この「アニメの世界」にいては達成できないからです。つまり、二人ともが真の革命者にならなければいけなかったのです。ここから先の展開は、ウテナとアンシーの起こした革命です。
{/netabare}

終盤②二人の革命と車:{netabare}
 最初の革命者はウテナです。ウテナは製作者が用意した「王子様になりたい少女」というキャラクターを捨てました。これが「自覚」と「決意」に基づく「意識の革命」です。これにより「馬車を模した車」に変化します。

 ウテナがもたらした「構造の革命」は、非常にシンプルです。「車」になるということは、中世的かつファンタジックな世界を捨て、現代的かつ科学的な世界へシフトすることです。また、「車」が走ることで、「学園モノ」から脱し、ハイウェイに至りました。「車」が馬車を模しているのは、王子様のいる中世的な世界が現代に変わったことへのメタファーです。
 つまり、「中世的かつファンタジックな学園モノ」という「少女革命ウテナ」を作っている世界を、「現代的かつ科学的な現実の世界」へと「構造の革命」を起こしたのです。「少女革命ウテナ」という「アニメの世界」を「車」という存在のみで革命してみせたのが、この終盤の意義です。

 次の革命者はアンシーです。アンシーも少女というキャラクターを捨てました。「車」の運転というのは、男性的であり大人の象徴です。これがアンシーの「意識の革命」です。
 アンシーの革命は、ウテナの革命を押し進めるものです。アンシーの「意識の革命」により、「車」はF1マシンのような形態に変化しました。前輪にあった馬のモチーフが、後輪になりました。ウテナが作った現代的な世界を未来的な世界へとシフトさせたのです。ウテナを近代的として、アンシーを現代的でも構いません。いずれにせよ、もう一段階前進させる「構造の革命」を起こしたのです。

 ウテナとアンシーは、真の革命者となることで、互いにないものを補完しました。
 革命前のウテナは、男性的な振る舞いという特徴を持っていました。
 革命前のアンシーは、人間ではなく所有物であると自ら認識しています。
 革命により、ウテナは物へと変化し、アンシーは男性的な振る舞いを獲得しました。互いに不足している部分を補完し、真の革命者として同質化されたのだと思います。

 なお、「車」の鍵はバラの刻印でした。トウガは「これが俺をここに導いた」と言っています。バラの刻印は、製作者がキャラクターに送った主要人物の証であり、「絶対運命黙示録」の一部なわけですが、それは「外の世界」と「アニメの世界」をつなぐものでもあるのです。
{/netabare}

終盤③革命の結末:{netabare}
 このウテナとアンシーの革命の結果は描かれていません。その答えは明らかです。「絶対運命黙示録」が革命されたからです。革命がもたらしたのは、「アニメの世界」からの離脱と「現実の世界」への到達です。
 「アニメの世界」を描かないのは、ウテナとアンシーがいなくなるです。
 「現実の世界」を描かないのは、私たちの世界(実写の世界)だから描く必要がないのです。

 荒野を走るウテナとアンシーのセリフを引用します。
  ウテナ「これから僕たちの行くところは、道のない世界なんだ」
  アンシー「私たちはもともと、その外の世界で生まれたんだわ」
 「現実の世界」は、「アニメの世界」のような設定もなく、未来も分からない道なき世界です。でも、彼女たちキャラクターを産むことができたのも、この「現実の世界」だけなのです。
{/netabare}

エンディングのキスシーン①アドゥレセンス黙示録:{netabare}
 エンディングは、ウテナとアンシーのキスシーンです。これは「アドゥレセンス黙示録」に関する事柄です。

 「アドゥレセンス黙示録」、カタカナだと分かりにくいのですが、おそらく「adolescence黙示録」です。テレビ版は分かりませんが、少なくとも映画版では、「思春期の恋愛を示す」ことが重要な要素として加わってきているのが分かります。

 この映画で描かれている恋愛模様は、全て異常なものです。サイオンジとアンシーは、人間と所有物。ウテナとトウガは、生者と死者。アキオとアンシーは、兄と妹、などなど。ここに並列されるのが、ウテナとアンシーの女と女、です。
 最も異常性の低いものは、ジュリとミキの女性が年上、でしょうか。現代の価値観ではあまり異常性は感じませんが、「姉さん女房」という「女房が年下であることを前提とした言葉」があるわけですから、やはり異常なものの枠内に入れるべきなのでしょう。少なくとも、ごく一般的な普通の恋愛は皆無だったと思います。なぜ普通の恋愛が描かれなかったかというと、「アドゥレセンス」を革命するためです。
{/netabare}

エンディングのキスシーン②アドゥレセンス黙示録の意義:{netabare}
 「アドゥレセンス黙示録」の革命が意味するところを理解するために、もう一度、「絶対運命黙示録」の革命をおさらいしてみます。
 ◆今の世界が、「アニメの世界」であることを「自覚」して、
  まとったキャラクターを捨てる「決意」をすることで、
  「アニメの世界」を壊し、「現実の世界」に到達しよう、です。

 これを一般化してみます。
 ◆今の世界が、普通の世界ではないことを「自覚」して、
  固定観念を捨てる「決意」をすることで、
  今の世界を壊し、新たな世界を創造しよう、となります。

 これを「アドゥレセンス黙示録」の革命で言い換えます。
 ◆普通の恋愛に基づく世界が、普通の世界ではないことを「自覚」して、
  普通の恋愛を捨てる「決意」をすることで、
  普通の恋愛に基づく世界を壊し、新たな恋愛に基づく世界を創造しよう、となります。
 普通の恋愛を捨てる「決意」を見せるために、異常な恋愛を描き続けたのです。

 製作者は、「アドゥレセンス黙示録」、つまり、この世界は普通の恋愛により成り立っているんだ、と示した上で、「あなた達が思っている普通の恋愛に基づく世界って、本当に普通なんですか?」という問題提起をしているのです。その「決意」を先に見せることで、アニメのキャラクターではなく、私たちに「無自覚を自覚しろ」と言っているのです。
{/netabare}

エンディングのキスシーン③アドゥレセンス黙示録の結末:{netabare}
 恋愛は精神面の問題ですから、「意識の革命」に属するものです。
 この映画では、革命が起こった先は描かれておりません。なぜなら、「意識の革命」とそれによる「構造の革命」が起こってしまうと、「現実の世界」に至る、つまり私たちの問題になってしまうからです。

 このような異常な恋愛がまかり通る恋愛革命が起き、そのような思春期が一般化されると、「構造の革命」は起こるのでしょうか。おそらく「起こる」というべきでしょう。

 少なくとも現代社会においては、LGBTの認知度が上がるにつれ、性転換や同性婚が許容される世界になり、いくつかの国では法制化も進んでいます。その可否はともかくとして、恋愛革命は確かに社会の構造を革命しているのです。そして、構造の革命が起こると、革命前の異常を正当化させる力を持ち、批判を許しません。

 これは今だからこそ「起こった」と言えるものです。当時の製作者がどこまでこれを予期していたかは分かりませんが、少なくとも預言(予言じゃないよ)ではあったのでしょう。「アドゥレセンス黙示録」の先見性は、非常に高いものでした。
 ウテナとアンシーは、異常性愛であるレズを現実の世界へ持ち込むことで、私たちの世界を革命してみせたのです。「アドゥレセンス」の革命を、「絶対運命」の革命により現実化したのです。
{/netabare}

ウテナ・女性像・男性像について。随分長文になってしまったので、駆け足で。

まずはウテナから:{netabare}
 映画のウテナは、その性別に対するニュートラルさが強調されていました。オープニングのトウガとの再会シーンでは、十字架に絡みついたバラが描かれています。これは「女性の死」を描いたものです。男性側にシフトするかと思いきや、サイオンジとのバトルでは「男だと行った覚えはないぜ!」ですから、男と女の両方を否定しています。
 バトル中では、剣を抜くとともに、髪の毛が伸びます。男性の象徴を手にすると同時に女性化しますから、やはり性別に対して中立さを維持し続けます。
 女性側へのシフトのきっかけは、トウガだと思われますが、確定するのは「車」が壊れたあとの長髪全裸のウテナです。王子様のコスチュームを脱ぎ去り、誰が見ても女性になりました。女性ウテナが女性アンシーとキスをして、「アドゥレセンス黙示録」の革命となりました。
{/netabare}

続いて女性像:{netabare}
 この作品の女性像は二つだけです。お姫様と魔女です。お姫様は男性に守ってもらうもの、魔女は男性をたぶらかすものです。
 もちろんウテナはどちらにも該当しません。そもそも女性を否定していますし、サイオンジとのバトルでは露骨にホウキ(魔女の象徴物)を壊しています。
 ウテナが両方を否定しているせいで、両方を背負ったのがアンシーです。バラの花嫁の正体は、お姫様兼魔女で、全ての女性像を内包したものです。男性は当然求めますし、女性は否定したくともこの魅力に贖えません。その反面、象徴化が過ぎるためモノ化してしまい、所有物になってしまいました。この傾向は、アンシーが「車」に乗るまで続きます。自我を持って物から人間になり、女性を捨て男性化することで、バラの花嫁ではなくなりました。
{/netabare}

最後に男性像:{netabare}
 男性像は王子様だけです。本物の王子様と偽物の王子様。
 本物の王子様は、個人的なものであって、一般的なものではないというのが結論のようです。王子様を自称する人は、演じているだけで、偽物の王子様だとされていました。

 偽物の王子様の最たるものはアキオでした。このサイトのレビューを見る限り、アキオの声優である及川光博さんへの風当たりは相当強いようです。私は加点対象にしたんですが…(涙)。
 上手いか下手かと言われると、下手です。超下手です。どれくらい下手かと言うと、聞いているこっちが恥ずかしくなるくらい下手でした。でも、これが良かったんです。

 ほかの声優さんが「声優」を全うしている中、一人だけ「声優」をやっていないんです。現実の声なんです。異様な現実感を生んでいるんです。ハイウェイのシーンで、この現実感を見せられてしまうと、「外の世界」つまり「現実の世界」が確かにこの先にあるような強い説得感を持っていました。
 アンシー殺害シーンもとても良かったです。このシーンは、一般的な王子様なんていないんだ、そんなことを言っているやつは偽物の王子様なんだ、と暴かれるシーンです。この時のヘタレっぷりというか、偽物っぷりが輝いていました。
 「現実の偽の王子様」である及川光博さんが、「少女革命ウテナ」の世界でも「現実の偽の王子様」を存分に発揮してくれました。文句なしの偽物の王子様でした(←褒めてます)。
{/netabare}

 キャベツ畑とか、蝿の王とか、たくさんの黒い車とか、藁人形とか、まだまだ言いたいことはたくさんあるんですが、そちらは皆さんにお任せします。

対象年齢等:
 女性はまず大丈夫でしょう。芸術性が高いので男性も問題なし。年齢的には少し高めの方がいいですかね。性表現ではなく、象徴物の処理の難易度の高さゆえです。
 象徴物が多いからというか、象徴物と暗喩でしか語らないから難しいという作品です。逆に、打開策が見えると芋づる式、という感じもありますけどね。お腹いっぱい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 8

67.1 12 お姫様アニメランキング12位
ひるね姫 ~知らないワタシの物語~(アニメ映画)

2017年3月18日
★★★★☆ 3.5 (153)
574人が棚に入れました
2020年の東京オリンピックを目前にした岡山が舞台になっている。

声優・キャラクター
高畑充希、満島真之介、古田新太、高木渉、前野朋哉、高橋英樹、江口洋介、釘宮理恵
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

心に魔法を

オリンピックを3日後に控えた東京、
物語は瀬戸内ののどかで美しい街から始まる。
そこで暮らす平凡な女子高生森川ココネ、
自動車修理工場を営む、父親と2人暮らし。

彼女は不思議な夢ばかり見ている。
夢の舞台はハートランド、
機械こそが全ての人を幸せにすると謳う国。
{netabare}彼女は魔法のタブレットを狙う追手から逃げ、
街を襲撃する得体の知れない「オニ」と戦う。
次第に夢と現実のリンクに気づき始める。{/netabare}
彼女の家族に事件が起きたのだ。

神山監督、独自の色を抑えた、
子供たちも楽しめるハートフルな作品です。
その反面、大人には物語への没入が難しいのか、
集中して楽しめるまで、大変苦労しました。

テーマは王道の自分探し、家族の絆でしょう。
記事を拝見すると、世界を救う大きな物語より、
個人の想いに寄り添った小さな物語を目指したそうです。

少女が見る夢のほんとの理由は!?
ポップな映像とスリリングな旅。

一風変わった青春物語、お楽しみ下さい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 41

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

この夢、現実とつながっとる。夢の先にあったのは、知らない私の物語だった。

「攻殻機動隊」や「東のエデン」を代表作とする神山健治監督による、
2017年公開のアニメ映画。

代表作のイメージとは雰囲気が異なり、
家族をテーマとした温かな物語となっています。

声優には俳優さんの名が多く、
普段アニメを見ない層も意識したのかなーという印象です。

120分ほどの作品です。


● ストーリー
舞台は岡山県倉敷市。

自動車の改造ばかりしている父と二人で暮らしている
女子高生・森川心羽(もりかわ ここね)。

彼女はいつも同じ夢を見る。

機械産業が盛んな国のお姫様であり、
機械に心を与える魔法が使える女の子・エンシェンとなっている自分の夢。


現実のココネと、
エンシェンとして駆け回る夢の中のココネ。

そんな、2つの世界の物語が並行して
ストーリーは進んでいきます。

ココネが眠ると、
夢の世界へ切り替わる仕組み。

最初は現実とファンタジーの2つの色が楽しめて、
おもしろいな~と思って見ていました。

しかし、だんだんこの2つの世界の住み分けが
うまくいっていないように感じられて…。

特に終盤はごちゃごちゃして
何が起こっているのかがわかりにくく、

一番の盛り上がりのはずであるシーンでは
「もういいや。」と飽きてしまいました。

絵はきれいなのですが、
ストーリーは、うーん…。

最初→わくわく
中盤→おもしろくもないけど、つまらなくもないかなー。
終盤→何してるの?

終盤になるにつれて、
私の視聴テンションは下がってしまいました^^;

「家族の絆」という部分に関しては、
確かにいい話だなーとは思いましたが、

後半のぐだぐだ感に対する疲れの方が勝ってしまいました。


● その他感想
≪ 声優 ≫

岡山が舞台ということで、
岡山弁のキャラが多く登場します。

岡山弁、新鮮でよかったです♪

しかし、声優さんは本職の方が少ないためか、
全体的に聞いていて落ち着かなかったです。

その中で、
ココネのぬいぐるみであり、
夢の中では良きパートナーとして活躍するジョイ(cv.釘宮理恵)だけは、
安定感抜群でしたw

やっぱり本職の方は違いますね。


≪ キャラクター ≫

キャラはエンシェンがお気に入り。
おてんば娘全開です。

海賊風衣装の時の
スカートがはためく感じが好きでした♪


≪ 音楽 ≫

【 主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」/ 森川ココネ(高畑充希) 】

聞くとセブンイレブンが思い浮かぶ。笑
名曲のカバーです。

この曲を聴きながら製作をしていたという、
神山監督の思い入れが強い曲だそうです。

優しい声のカバーで、
お上手でした♪


● まとめ
夢の中での物語。

そんなファンタジーを
メインに据えたかったのかもしれませんが、

肝心の物語の軸は現実世界にあったため、
両者がうまくかみ合わなかったように感じました。

予告を見ると、
とてもおもしろそうだったのだけどなー。

ちなみにこれまで目にしてきた感想では、
「おもしろい!」か「つまらない」の両極端なのですよね。

映画館で見てきた友人は「おもしろかった。」と言っていました。

家族を愛すること、
夢を追いかけること、
夢を信じる事…。

それらを作中で前面に感じることができていたら、
私ももっとこの作品のことが好きになれたかもしれません。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 31

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

お昼寝しない方が良かった、水と油は融合しない

視聴してる時に感じた東のエデンみたいと思って後で調べたら、神山健治監督て東エデンも手掛けてたのね。

作画と言うか逃げてるドキドキ感が東のエデンかも。


ひるねした時にヒロインの妄想?魔法?ファンタジー部分になりますが、正直必要無かった…
ファンタジーの無いシリアスなストーリー部分が良く出来てたと思うだけに、もったいない印象です。

声優はヒロインの森川心羽に高畑充希、心羽の父親に江口洋介と俳優さん多くを起用していますが、気になら無い、そつなくこなして流石一流俳優は違う。

作画も目を見張る物は無いですが、まあ普通。

ファンタジー部分に目をつぶるとドキドキ感もありストーリーは筋が通ってたし良作だったかも、見て損は無いです。


ちなみに舞台は岡山県倉敷市
事情で以前は何度か訪れました、美観地区に鷲羽山ハイランド、天満屋は関係ないかw
一度訪れてもいい所ですよ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21

66.8 13 お姫様アニメランキング13位
うる星やつら オンリー・ユー(アニメ映画)

1983年2月10日
★★★★☆ 3.7 (74)
360人が棚に入れました
 高橋留美子原作の同名漫画をアニメ化した、劇場用作品第1弾。TVシリーズの好調を受けて制作された。監督は「攻殻機動隊」の押井守。無類の女好きで浮気ばかり繰り返す高校生・諸星あたると、その押しかけ女房となったキュートな宇宙人・ラムが日常的に巻き込まれる非現実的で奇想天外な事件をハイテンションに描いたSFラブ・コメディ。ある日、あたるの知り合い全員に結婚式の招待状が届いた。差出人は、“諸星あたるとエル”。謎の女性・エルの正体は、やっぱり宇宙人。だが、宇宙一の美女と言っても過言ではないほどの美しい女性だ。そのうえ、彼女と結婚すれば彼女の星の王にもなれる。ラムは当然のごとく嫉妬し、ふたりの結婚を阻止しようとするが…。ふたりは本当に結婚してしまうのか? そして、エルは本当にあたるに惚れて結婚しようとしているのか…!? 何やらこの結婚には裏がありそうで…。

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、榊原良子、島津冴子、神谷明、杉山佳寿子

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

完全無欠のうる星やつら これを見なきゃ始まらない20世紀を代表する名作アニメ

1983年公開の劇場用アニメ 公開版80分ノーカット版104分

原作 高橋留美子 監督 押井守 脚本 金春智子 制作 スタジオぴえろ

押井守氏の初監督作品は「うる星やつら」劇場版初監督は「うる星やつら オンリー・ユー」です。

監督降板(脚本が嫌だったのか?)を受けテレビ版監督の押井氏が急遽登板、
まったく進行していない状況で、脚本改編と絵コンテ作成を同時にほぼ一人で強行する、
それも、テレビ版の監督と同時進行、まさに「押犬大明神」と化していたという時期です。
脚本の人から文句が来るほど変えたそうですが、
この金春さんという人はテレビ版の「よっぱらいブギ」のみ執筆、
調子が悪いナツコさんのような回です。
「めぞん一刻」ではごく初期に2本執筆したのみということで、
ベテランの割にはあまり信用がおけなさそう。

おそらく、押井氏が不満だったのはこの設定の中枢であるエルについて。
宇宙人の王女「エル」が子供の頃した「あたる」と結婚の約束を果たすため、
地球に攻め込むというアイディアは、原作初期の「クラマ編」の焼き直し、
これではプライドの高い押犬としては、自分の黒歴史と思いたいでしょう。

ところが意に反してアニメは素晴らしい出来です。
傑作、いや名作級。
どうにも改変できなかった「エル」設定も含めて私には非の打ちどころがありません。
この時点での全キャラ登場のテレビファンのための特大ボーナス?
いや違います。
この作品こそがテレビの延長の「うる星やつら」本編本道の大作。
スピンアウト的位置の「ビューティフルドリーマー」のほうがボーナスです。

押犬に騙されてはいけません。オンリー・ユーこそが見るべき作品です。

諸星あたる CV古川登志夫  カイ・シデン ピッコロ大魔王
ラム Cv平野文    
三宅しのぶ CV島津冴子   フォウ・ムラサメ ダーティペアのユリ
面倒終太郎 CV神谷明    流竜馬 キン肉スグル 冴羽リョウ
テン CV杉山佳寿子     魔法のマコちゃん ハイジ 白鳥のジュン
錯乱坊 CV永井一郎     磯野波平 猪熊滋吾郎 八宝斎
サクラ CV鷲尾真知子
メガネ CV千葉繁      一堂零 レレレのおじさん ねずみ男
ラン CV井上遥       セイラ・マス おそ松
お雪 CV小原乃梨子     ドロンジョ コナン 野比のび太
弁天 CV三田ゆう子     ハットリ・シンゾウ ネコ娘
クラマ姫 CV吉田理保子   早乙女ミチル クララ 神崎メグ マリア・フリード
レイ CV玄田哲章      岩鬼正美 海ぼうず 多数

エル・ド・ローゼンバッハ CV榊原良子 ハマーン・カーン 竜崎麗香
ロゼ CV丸山裕子       ロボタン キノッピー

ラムの美しさは際立っていますが、同様にラン、弁天、お雪も超絶美しい。
見なきゃ損。
いや、お願いですから見てくださいレベルの個人的名作です。

押犬も心を入れ替えて自分が作った名作を認めなさい。

まったく未見の人はテレビ版1話からどうぞ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャラ設定が異様に濃い古典的ラブコメ

80年代を代表するラブコメ。
本作品は、その最初の劇場版です。

TV版は全話見た自信が無いので評価しませんが、とんでもないキャラが次々に出てくるので、当時面白おかしく見たものです。
TV版は、たいしたストーリーはないので、各話バラバラで見ても問題はあまりありません。
この劇場版はTV版のノリと変わりません。

この作品の基本は、宇宙規模で繰り広げられるドタバタラブコメディーで、展開がスピーディーです。
主人公のあたるがビリビリするお約束で、最終的には落ち着くところに落ち着きます。

メインヒロインラムちゃんは、わかりやすく表現すると「とある魔術の禁書目録の’御坂美琴’」と「To LOVEるの’ララ’」を足して2で割ったようなキャラクターです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18

でんでん虫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

綺麗な薔薇には棘がある

・映画というよりテレビスペシャルというべき内容
・ギャグは面白かったが物語全体では楽しめなかった

■映画らしい所が無い
映画にはたいていインパクトの強いものやオーバーなくらいの演出があるものだが、この作品には印象に残るシーンが無かった。どれも中途半端というか、古いだけなのかもしれないが「目に焼き付いて離れない」というようなシーンが残念ながら無い。

■物語にメリハリが足りない
 物語の起伏が今一つ感じられない。「笑」と「悲」を区別して、もっとラムに感情移入出来るようにして欲しかった。主人公のあたるが他の女のことでヘラヘラと笑っている一方で、ラムが悲しむというのがこの作品のポイントなのだから、その辺の陰と陽をはっきりと出すべきだった。

■テーマやメッセージが分からない
 うる星やつらのアニメは少ししか見たことが無いのでよく分からないのだが、今作はおそらくいつものラブコメと大差ないと思う。一体この作品を通して何が言いたかったのだろうか。やっぱりラムが一番好き?綺麗なバラには棘がある?わざわざ映画にする意味が分からない。

製作した押井監督ご自身もこれが失敗作と仰っているようだが、私もこの作品は映画としては失敗だと感じざるを得ない。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 8

68.3 14 お姫様アニメランキング14位
シンデレラ(アニメ映画)

1952年3月13日
★★★★☆ 3.9 (39)
302人が棚に入れました
“サラガブラ、メチカブラ、ビビデバビデブー"。このディズニーの古典、本邦初公開のタイトルには、うしろに“姫"がついてた。時代を感じますな。その後なんべんリバイバルされたかしら。意地悪な継母や姉たち、魔法使いのおばあさん、カボチャの馬車、ガラスの靴、12時の鐘、そして王子様……。すでに心理学用語と化している。大人になって、こんな映画を面白がるのは、ちと難儀。早く娘でもこさえて、一緒に観んことには楽しめないよ。まあ、前述の主題歌がかかるトコ、魔法使いがカボチャを馬車に変えるシーンは、今観てもウキウキはするけど……。

前田定満 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シンデレラ城はディズニーの象徴!

1950年のディズニーのアニメーション映画で、
長編第12作目の作品です。

これはかなり名作ですね。
かぼちゃの馬車やガラスのハイヒールなど、
誰もが知る名シーンが出てきます。
また
「A Dream Is A Wish Your Heart Makes(夢はひそかに)」
「Bibbidi-Bobbidi-Boo(ビビディ・バビディ・ブー)」
などの名曲も存在します。

自分がこの作品で好きなのはオープニングの演出です。
「白雪姫」もそうでしたが、オープニングテーマが流れたあと
「昔々あるところに~」という感覚で、本が開かれる演出があります。
まるで映画の観客に読み聞かせをするように。
その演出が映画本編への興味を誘います。


1950年代のディズニー作品である「シンデレラ」、「ふしぎの国のアリス」、「ピーター・パン」、「わんわん物語」、「眠れる森の美女」は大ヒットを遂げて、
この5作品はディズニーの第1黄金期と呼ばれています。
その中でも「シンデレラ」はその黄金期を到来させた作品と言われています。
ウォルト・ディズニーもこの「シンデレラ」が一番好きな作品と語ったそうで、
今やウォルト・ディズニー・カンパニーの象徴ともいえる作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 6

honoharu☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

おもしろかった

シンデレラは好きですねー♡
すごく面白いです!
音楽も好きです(#^.^#)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 1

64.4 15 お姫様アニメランキング15位
シュレック(アニメ映画)

2001年12月15日
★★★★☆ 3.6 (31)
248人が棚に入れました
近年でも希にみる盛況を誇った2001年春・夏期の全米映画界においてもダントツの興行成績を記録した大ヒット長編アニメーション。制作はドリームワークス。見かけは恐いが本当は心優しい怪物シュレックが囚われの身のお姫様を助け出す旅に出る、映画やおとぎばなしのパロディ満載の冒険ファンタジック・コメディ。 人里離れた森の中の沼のほとり。人の骨をすり潰しパンにして食べてしまうと怖れられる怪物がいた。怪物の名は“シュレック"。しかしこの怪物、本当は優しい心の持ち主。人々が怖れて近づかない森の奥でひとり気楽な毎日を送っていた。そんなある日、孤独を愛するシュレックの住む静かな森におとぎ話の登場人物たちが大挙して押し寄せてきた。彼らは、国を支配するファークアード卿によって無益な存在として追放されてしまったのだった。困ったシュレックは彼らを引き取るようファークアード卿に掛け合い、代わりに囚われの身のプリンセス・フィオナを助け出すことを約束する。

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ドリームワークス制作、美しい3DCGで描かれる優しい怪物とお姫様とのラブストーリー

口と見た目は悪いけど、心優しい寂しがり屋な怪物「シュレック」と彼と相棒になるおしゃべりなロバの「ドンキー」、そしてシュレックにあることから助け出されたお姫様の「フィオナ姫」とのアクションありラブストーリーあり涙あり笑いありの3DCGの長編アニメです。吹替版の浜田さん、山寺さん、藤原紀香さんの吹き替えも秀逸でした。途中でミュージカル風に歌うシーンも有り楽しめました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 8

ootaki さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

不潔

ディズニー作品がこうゆう生理的に不快にさせる作品を作るとは思わなかったのですが、割と楽しめました。あくまで評価するとこうなりましたが。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 2

ひろゆう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シュレックにレヴューがないだって!?

醜い怪物が姫を助けに行く話ですが、こういうテンプレの話をアレンジして、ドタバタといろんなことが起こると面白いなぁという映画

シュレックの映画はギャグが最高ですね(笑)

ブラックユーモアが童話などにふんだんに使用されており、ツボると危険です♪

子供から大人まで楽しめる作品ですねー^^

投稿 : 2024/04/13
♥ : 2

66.6 16 お姫様アニメランキング16位
クラッシャージョウ(アニメ映画)

1983年3月12日
★★★★☆ 3.7 (53)
208人が棚に入れました
 宇宙のなんでも屋“クラッシャー”であるジョウとその仲間たちの活躍を描いた、SF冒険アクション。原作は高千穂遥の同名小説。本作の脚本も同氏が執筆。キャラクターデザイン・脚本・監督を、原作小説の挿絵を担当している、安彦良和が手掛けた。時は未来。人類は宇宙へと進出し、他惑星への移住を開始していた。クラッシャーを生業としているジョウたちは、休暇中に飛び込みで依頼された仕事を“クラッシャー評議会”を通さずに引き受けてしまう。仕事の依頼人はバレンスチノフという男性。依頼内容は、病気の治療のために冷凍保存されている大企業の令嬢・エレナを、手術のできる医師が待つ星へと送り届けて欲しいというもの。だが、航行中に機体が原因不明の事故に遭い、全員が気絶している間に、エレナとバレンスチノフが消えてしまう。実はこれら一連の事件はすべてバレンスチノフが仕組んだ芝居だった。依頼人バレンスチノフは本当は海賊の一味で、エレナも彼が誘拐していたのだ。しかも、彼女はエレナという女性ですらなく…。果たして事件の真相は? ジョウたちは汚名をすすぐことができるのか?

声優・キャラクター
竹村拓、佐々木るん、小林清志、小原乃梨子、二又一成、武藤礼子、大塚周夫、納谷悟朗、小林修、久米明

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

宇宙が、熱い

<2021/6/13 追記>
CSで放送されてたので久しぶりに見ました
あらためて面白いですね。

アニメとして、そしてSFとしての出来が良い。
クラッシャーという稼業がカッコよい。

ただ一つ残念なところとして
本作(映画版)は原作に比べ少しストーリーが薄い感じがするのです。
原作の複数のストーリーの面白いシーンをつなぎ合わせたような気もする。
なんかぎこちないんですよね。
トラブルに巻き込まれていく必然性や
ゲストヒロインとの関係性や
キーとなるテクノロジーのヤバさや
そこら辺の掘り下げが物足らないからラストのカタルシスが物足らない

原作はそこら辺が丁寧によくできてる印象があって。
同じく宇宙海賊を敵に回す原作第2巻「撃滅!宇宙海賊の罠」なんかは物語にズンズン引き込まれました。

他にも第3巻「銀河系最後の秘宝」、第6巻「人面魔獣の挑戦」、そして第4巻「暗黒邪神教」と第7巻「美しき魔王」の話なんかは大好物でした。
タイトル安っぽいけど笑

でも総じて面白いですよ。
今のアニメにはなかなかない「スペースオペラ」としての面白さがあります。。

<2017/12/12初投稿>
昔映画館で観ました。
原作が好きで。
映画も好きでした。

そんな好きだった作品をうろ覚えでレビューしてみます。

ワープ航法が開発され普及し人類が地球から銀河の各地へ飛び出して数十年後。
極端なガス状のものを除くあらゆる惑星がテラフォーミングされ、いろんな恒星系の惑星に人は移り住み、無数の太陽系国家が形成された時代。
そこには犯罪以外のあらゆる荒事を生業とするクラッシャーと呼ばれる猛者達がいました。
元々はテラフォーミング作業を主業としていたクラッシャーは時代が移るに連れ、宇宙空間の巨大デブリの除去から要人警護、重要物の搬送、人探しなど仕事は多方面に広がり、比例して軍には及ばないものの強力な武力と高度な戦闘力を得ていきます。

そんなクラッシャーの一つ、チーム・クラッシャージョウが大暴れする痛快アクション・スペースオペラです。

クラッシャージョウは最高のSランクを誇る凄腕チーム。
若干18歳にしてリーダー、超腕っこきで技術も根性もある、ぶっきらぼうなイケメンの「ジョウ」。
パイロット兼リーダーの補佐兼後見人、全身の90%をサイボーグ化しているクラッシャー経験値∞の大男「タロス」。
紅一点で元王女とは思えないようなやりたい放題の「アルフィン」。
元浮浪児で15歳と経験は浅いがすばしっこいムードメーカーの「リッキー」。

こんな凸凹チームがとある大きな依頼を受けるところから物語は始まります。

ジョウのチームは受けた依頼を淡々とこなそうとしますが、そこには巨大な陰謀を背景とする巧妙な罠が。
彼らは騙され、窮地に陥っていきます。
そして、そこからの・・・!
あとは観てのお楽しみですが、とにかくハラハラ、ドキドキしたのを覚えています。

クラッシャーはそのルーツからならず者と見られがちですが、実は厳しい掟に縛られ、犯罪に加担したとみなされるとクラッシャー業界から追放されてしまう。(と言いながら裏社会から巧妙に情報を入手したりなんだりするんですけど 笑)
そんな縛りがあるせいで追い込まれ感がさらに増していきます。

そして、クラッシャー達が使う装備などがまた子供心をくすぐる♪
・同サイズの宇宙船では銀河中でも最高性能を誇るミネルバ
・ミネルバに搭載された複座型戦闘機のファイター1とファイター2
・おなじくミネルバ搭載の汎用型戦車ガレオン
・防弾耐熱で、あらゆる物質を燃え上がらせるアートフラッシュを胸のボタンにあしらった多機能スペーススーツのクラッシュジャケット
・小型の小惑星を一瞬で消滅させる分子爆弾
・宇宙空間でも発砲できる無反動ライフル
・ライトセーバーやビームサーベルを思い起こさせる電磁メス
・口径により破壊力が異なる戦艦兵器のブラスター砲
・通常航行の加速によるGを無効化していく慣性中和機構

などなど。

声優も覚えてます。
ジョウは竹村拓、アルフィンは佐々木るん(他にどんな作品出演されてたかはすみません。知りません)
タロスは次元大介の人。リッキーは元祖のび太。

スピード感あふれるアクションとダイナミックな宇宙での戦闘が安彦良和クォリティで楽しめます。

書き忘れてました。
安彦良和の初監督作品です。

うろ覚えなので雑な感じになってしまいましたが、数年前に映画館でリマスター・リバイバル上映してたようです。

こういうの好きな方は是非お試しくださいませ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 31

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

対象はスペースオペラ好き、SFアニメ史に興味がある人…くらいですね

 最近の背景が精密で人物が簡素な画面ではなく、背景が簡素でメカに気合いが入っている感じなのが古さを感じます。人物とメカは丁寧ですけど、当時の日本はアニメにまだ金をかけられなかったのか、動きは単調でした。だからでしょうか。瞳の動きで演技をさせていましたね。

 安彦良和氏がキャラデザ、作画なのでガンダムっぽいのはもちろんですが、スタッフに河森正治氏とか板野一郎氏が入っているせいか、メカはマクロス感があります。キャラの鼻の下の影もマクロスっぽいです。そういう優秀なスタッフが集まったので、画面は綺麗でした…画面の止め絵だけは。というより妙に色が綺麗でしたね。宇宙もちゃんと黒かったし。

 ストーリーはジュブナイルですから極めて単純です。宇宙空間や様々な星で主人公たちが陰謀に巻き込まれ窮地に立たされますが、大活躍で勝利ということです。小学生の時、原作が好きでよく読んでいたので、レンタㇽ屋で借りてみたら、内容の浅さに驚いたものでした、というレベルの内容です。ナウシカ以降でアニメ映画の意義が変わりましたからね。本作は旧時代の遺物でしょう。
 スペースオペラって、宇宙を舞台にしたソープオペラ(安っぽいメロドラマの事)っていう意味ですので、その浅さが大事なんですけどね(今は違う意味とされています)。要は活劇です。

 裸も出てきますのでターゲットはミドルティーンでしょう。今のラノベよりキャラ達は背伸びして大人の世界感はありますし、物語の組み立てもしっかりしていますが、その「大人の世界への憧れ」の単純さに違った意味での幼さがある感じです。

 アルフィンの造形も非常にティーン受けするだろう非常に可愛い造形です。ただ、マスコットというかなんというか、彼女じゃなくても置き換え可能なキャラですよね。お姫様設定が全然活かせていません。ここも子供向け感がある原因です。ただ、アルフィンのデザインはいいですね。今見てもときめきます。ガンダムのメンバーにいたら大人気だったでしょう。

 設定の説明不足も感じます。私は原作を何度も読んでいたので困りませんでしたが、要するにファン向けなんでしょうね。だから話の作りもジュブナイルの読者層であるミドルティーン向けなのでしょう。
 せめて設定の緻密さの説明があればもう少し奥深さがあるんですけど。原作よりも更に子供っぽい原因はこの辺りでしょうか。
 
 アニメ史的な位置付けとしては、当時のアニメの状況や著名なスタッフをエンドロールで楽しむとか、声優さんに歴史を感じるとかくらいしかないですね。当時としてはかなり出来がいい作品だと思いますけど。

 私にとっては思い出深い作品ですが、本作を名作・秀作と強弁する気はありませんし、面白いかと言えばスペースオペラ好きならまあまあ面白いかもしれません、という感じです。

 2022年2月現在、アマプだとレンタル料が発生します。DアニメにもネトフリにもUNEXTにもないみたいです。まあ、そういう作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

メカ、キャラ、アクション、てんこ盛り!

2020年4DXで鑑賞。
動きそうなシーンでは予想以上に動いていて好感。

当時から現在にいたるまで評価は高いが、物語の展開に今となっては辛い部分を感じた。
(ジョウがすごーく行き当たりばったりに見えてしまうんだよねーw)
まあ、これは作品の瑕疵では断じてなく、(「アリオン」のコメントでも書いたが)時代それぞれのテンポの違いというものだろう。


とはいえ、河森正治デザインのメカと安彦良和キャラが縦横無尽に動き回る本当に本当に素晴らしいアニメである。
アニメに一家言あると自負する若い方々にも是非ご覧になっていただきたい。うむ。


コルドバが回頭するシーンとか年甲斐もなく拳を握ってしまいましたわ。
つか、ハンター勢を筆頭に、出番が少ないメカも凝ったデザインに画も描き込まれていて、タメ息がでますな。
安彦キャラは世代的に刷り込みレベルで影響を受けてると思うのだが(笑)、ガキの頃はノーマークだったアルフィンの可愛さにやられました…19歳なのに飲酒&泥酔エピソードありという当時感よ。

特筆したいのは、著名な漫画家の方々による「スペシャル・デザイン」の存在感!
これはリアタイ視聴した子供のころより漫画の知識が格段にレベルアップしていたため、初見の様に面白かった。
今は亡き和田慎二先生(大ファン…)のキャラとか、普通に泣くわ!もう!
ちょっと油断するとハロが飛んでいくし(笑)、こういうお祭り感ってのは何で無くなっちゃったんだろう。惜しいなぁ。

余談だが、本作から逆算して宮崎駿の物凄さも見えてきてしまう気がする。(「風の谷のナウシカ」公開は本作の次の年。)あんなアニメーターは二度と現れないんだろうなぁ。(詠嘆多くてスマヌw)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 6

64.3 17 お姫様アニメランキング17位
アリーテ姫(アニメ映画)

2001年7月21日
★★★★☆ 3.6 (37)
153人が棚に入れました
 自ら未来を切り拓いていく現代的な女性像で描かれるヒロインが主人公の冒険ファンタジー。監督は「魔女の宅急便」で演出補を務めるなどしてきた片渕須直で、これが劇場用長編アニメの監督デビューとなる。中世のとある城塞都市。その時代、姫君は城の高い塔の小部屋に閉じこもり、人前に出ることなく、やがて婿となる男性が現れるまでその身を清く守ることが求められていた。しかし、アリーテ姫は違った。彼女は秘密の抜け穴を探り当て、城を抜け出し、庶民の暮らす町へと飛び出すのだった……。

声優・キャラクター
桑島法子、小山剛志、高山みなみ、沼田祐介、こおろぎさとみ、佐々木優子

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

良い作品ではあると思うが・・・

セピアがかった落ち着いた色彩の作画や美しい音楽は素晴らしかったし、雰囲気は凄く良いのですが
ストーリーに全然動きが無く、なかなか眠気を誘う作品でした。なんせ魔法使いに攫われた後の展開が閉じこめられたまま、視聴者にぽつぽつと訴えかけるような作品ですので、娯楽性というものはなかなか見出せず。それでも共感出来れば良い作品と思えるのでは。

原作がフェミニズム童話とかいうものらしく、女性の自立を謳ったものなのかなと推察するのですが
少し改変されてるのだろうか?このアニメを見る限りでは若者の自立がテーマのように思えます。
人生に意味なんかあるのか?待ってるだけじゃ何も始まらないぜ!みたいなね・・・
眠気に襲われつつ見たのであれですが、道徳教育にはもってこいのアニメではなかろうか(笑)
非常に丁寧に作られていて、しっかりとしたテーマを持っているので好感はもてますが
なかなか見直そうという気にはならないのが本音である。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エンターテインメントを排した魔女の宅急便

今回スクリーンで再観したのが正解、じっくり集中して観られ、以前観た時より更に感動しました。

端的にいうと宮崎駿作品からエンターテインメント性を排し、高畑勲作品の如く人物の内面に切り込んだ作品と申しましょうか。

ヒロイックファンタジーやエンターテインメント性を求めると、ちょっと物足りないかもしれません。

作画は派手さこそありませんが誇張も手抜きもせず、人物・背景共しっかり描かれています。

声優さんに問題なく音楽も良い、エンドからエンドロールへの繋がりも◎。

キャラは可愛い系では在りませんので好みの分かれるところでしょう、
現代風に上辺の娯楽を求めない片淵須直氏らしい。

ライトノベルやなろう系より所謂小説好きな方にお勧め出来ると思われる
素晴らしい作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 11
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

庶民の生活に憧れる女の子!

 犬夜叉TV放送されてた頃だろうか?十何年前??になるですね。その時見なかったけど、何か上映あったなぁ程度に覚えているです。私が学校行ってたですねです。たまたま今回、公開されていたので見て来たです。

 結婚相手が見つかるまで塔に監禁されていた姫、アリーテ姫が国から外の世界に生きることになるアニメですかねです。外に触れると汚れるらしく、身を清めるためだそうです。

 そうといっても自ら抜け道使って、目を盗んで塔から街に出入りしてたです。あの時期に公開されたアニメにしては、古さを感じる作画みたいだったです。町の人たちの生活を見ている内に、自分もこうなりたいという憧れが強い少女だったです。

{netabare} 国を我が物にするため、塔をよじ登って言い寄る輩や、挙句の果てに胡散臭い魔法使いの爺さんまで登場。姫は催眠術みたいな魔法かけられるし・・・。
 王様までもが、こんな爺さんに言いくるめられ、自分の娘を簡単に手放してしまうことには驚いたです。

 結局結婚目的でもなく、姫を地下に幽閉??何やってんだか???魔法使いのアジトにおいて、私には長く感じたです。魔法使いが、暇して何やら八つ当たりしてたり、この姫なんか瞑想にふける所なんかで、{/netabare}私にはダラダラ感じられ、一瞬寝たりとしてしまったです。

{netabare} そこからが自力?で魔法を解き、抜け道探したり、魔法使いの巧みな言葉に塗るふりして脱出するところは、只者でなかったのかもしれないです。
 魔法使いとの対比あり、{/netabare}これまでアリーテ姫が今までいたところに流されることなく、自らの意思で外の世界に旅立ち生きていく姿を描いたように、私には受け取れたです。

 このアリーテ姫どことなく、姫というより普通過ぎて、正にこの世界の平民こそが、似合っているような少女だったです。主人公にしては、ぱっとしないキャラに見えたです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 6

68.2 18 お姫様アニメランキング18位
映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ(アニメ映画)

2014年10月11日
★★★★★ 4.1 (21)
114人が棚に入れました
めぐみたちが保育園で人形劇を披露していたときのこと。突然その中にあったバレリーナの人形がしゃべりだし、「王国を救ってほしい」と告げる。つむぎというその人形の少女に連れられて、めぐみたちは人形たちが住むドール王国へと向かい、そこにいた王子のジークに招待され、城での舞踏会を楽しむことになる。そうしたなか、めぐみはつむぎの様子がおかしいことに気づき、何があったのか聞こうとする。一方ジークに一目惚れしたひめは、ジークとの恋の予感を感じていたのだが、その最中にサイアークが襲撃、謎の男・ブラックファングによってつむぎは囚われの身となってしまう。そして王国に隠された悲しい秘密を知っためぐみたちプリキュアはつむぎを、王国を救うためブラックファングに立ち向かう。
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ハピネスパワーで救ってみせる

プリキュアは初期から(ふたりはプリキュアから)みているのと、
人形が大好きなので、この映画はとても期待して観に行きました。
おもしろかったです。

今回のプリキュアは、キャラデザ評価が低いようですが私はすきです。
特にこの映画では、少女らしいおちゃめな表情がとてもかわゆいです。
真剣な本気モードの表情も、とても良かったです。


人形をモチーフにしているので、感情移入しやすいです。
女の子なら、幼い頃に大好きなお人形さんがいたのではないかな?^^
表情は変わらないのに、自分が操ることで笑顔にみえたり、悲しくみえたり。
そんな人形をモチーフしたこの作品、とても深いものに仕上がっていました。

ヒロインつむぎちゃん
彼女の悲しい真実。
{netabare}
この世界でなら踊り続けることができる
誰も壊さないで 
誰にも 壊させない


この深い悲しみ。同時に助けて!とも聞こえました。
プリキュアがどうやって救うのだろうかと、ハラハラみていましたが
直球でしたね。{/netabare}

つむぎちゃん、人形たち、プリキュアたち
みんな真っ直ぐでピュアなんです。

心のド真ん中に直球でバンバン投げ込まれ
やさぐれまくっていた心が解けて、まっさらにされました。
そんな私の心に、登場人物たちの純粋な想いが入ってきて
感動してしまい涙しました。


女の子の「可愛い♪」と乙女心がたっぷり詰まった宝石箱みたいな映像たち。
繰り出される映像に、うわぁぁってなりました。

人形たちが動いておしゃべりしたり、
白馬の王子様と、かわいいフワフワドレス着てお姫様みたいにお城で踊ったり。

かなり夢見がちだけど、どんな女の子でも一度は「そんな風になりたいなぁ」
と思ったことがあるはず。
変身シーンもとてもかわいらしくて。お化粧するんです。


ひとりで行ったので、観にいくのに少しだけ勇気が入りました 笑
観に来ていた幼い女の子たちも
みんなプリキュアと同じくらいかわいらしくって、キラキラでした☆


ドレスライトをもって(映画館でもらえるのです)
みんなで光を灯してくれ {netabare}なっしー!w{/netabare}
言われたので {netabare}(まさかの場面でふなっしー登場){/netabare}
がんばれ、プリキュアー!って
一緒にピンクのライトを振ってしまうほど、物語に入り込んでしまいました。

こういう作品好きです。
心にどんどん入ってきて、知らないうちに感動してるっていう。
是非みなさんも観てほしいな。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 14

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

【おまえ自身の手でこの国を守るんだ】これは幸せを勝ち取る映画です。一人じゃない、それこそが幸せへの鍵。【何も出来ない癖に簡単に助けるなんて言わないで!】

バレリーナ人形のつむぎに誘われて、人形の国『ドール王国』にやってきたハピネスチャージプリキュア達
しかしドール王国にも幻影帝国のサイアークが現れ、プリキュア達は戦闘を余儀なくされる
いつものコンビネーションでサイアークを追い詰めるが浄化寸前のところでサイアークが消滅
ただ事ならぬ事態に疑問を抱くも暫しドール王国の歓迎ムードに浸る一行
しかしドール王国の歓迎はプリキュアを倒すための罠であり、つむぎの正体は足が不自由になり二度とバレエを踊れない体になってしまった人間の少女だった
そしてつむぎの裏切りと彼女の身に起こった悲しみを知り困惑するキュアラブリー
さらにドール王国の影にはつむぎの悲しみを利用して幻影帝国の転覆と地球の支配を同時に企む、ブラックファングが暗躍していたのだった・・・


これまで『プリキュア』の映画と言えばシリーズ古参のベテラン監督か有望な新人演出家の登竜門として基本的にメインスタッフは東映アニメーション社内で構成されているのがお約束でした


ですが今回初めて『ひぐらしのなく頃に』シリーズや『ゴールデンタイム』の監督して著名な今千秋を起用
さらにキャラクターデザイン&作画監督には『ぱにぽにだっしゅ!』や『夏のあらし』のキャラデザ、またテレビシリーズでは“キュアハニーの変身バンク”を担当したことでプリキュアとも縁の深い大田和寛が担当
つまり東映のお家芸であったはずのプリキュアの映画において、メインスタッフが外部から雇われたフリーランスで構成されるという初の挑戦がなされているんです
こういった試みは近年ディズニーも取り入れています


外部スタッフとは言えど映画とテレビシリーズでキャラクターの性格が違う・・・などと言う所謂“足並みの不一致”は一切ありませんのでご安心を


ただし大田さんの作画をよく観てきた方なら判る通り、大田さんの作風の個性である“極太のアウトライン”“キラキラした瞳”“立体的な髪の毛”“長いまつ毛”が多用されるかなり個性的、そしてケレン味の強い作画なっております
(キュアフォーチュンもイケメンに?w)
ハッキリ言ってテレビシリーズとは全然違う、似ても似つかない作画なんですがここはオイラとしては【絶賛】せざるを得ない(笑)
実際に芝居、アクション、エフェクト、表情とまあどれを取ってもハイクオリティ



キャスティングにはほっちゃん、小野D、帝王森川さんがゲストに登場
つむぎちゃんのキャスティングはほっちゃんであることが前提としてあったらしく、それに合わせて可愛くキャラデザされたらしいっす


肝心のお話は『スマプリ 絵本の国』を観た方ならアレに近いものを感じるかもしれません


ただスマプリが笑顔をテーマにしていたのに対し、今作は【幸せ】をテーマにしてます
みんなを幸せにする、というハピプリの謳い文句へ
「プリキュアはみんなを幸せにするんでしよ?だったら私の足を直して!」
と、見事論破してくる辺りは心がえぐられる様な想いになりますね
こればかりはプリキュアにどうすることも出来ない、それを突き付けられるキュアラブリー


それに今作の黒幕であるブラックファングが力押し一手の幻影帝国の幹部とは思えんほどの策略家、精神攻撃の使い手、最強のマッチポンプ野郎、近年稀に見る大悪党として描かれておりプリキュア達をかつて無いほどに追い詰めます
(流石は元ゴーヤーン様やw)


さらにいたいけな少女、つむぎちゃんの悲痛な心の叫びに耐え切れずオイラはずっと号泣;;
つむぎちゃんの【不幸】があまりにも具体的なので正直中盤は悲惨過ぎる
悲しげな劇伴とか挿入歌のタイミングもすげぇ
あまりに暗い内容なので(毎年のことですが)劇場の子供の半分くらいが泣き出す
そしてけみかけも男泣きの大人泣きですよ


そして【不幸】しか見えなかったつむぎちゃんに対し、キュアラブリーが出す【幸せを見つける為の鍵】の答え
注目していただきたいですねb


ふなっしーも流石本人役としての出演だけあっていい仕事するし、それに良く動く(笑)
『絵本の国』から4作連続で素晴らしい映画が続いたので、流石にもう力尽きる頃かと思っていたのが正直なところでしたが、どうやら取り越し苦労だったようです
普段プリキュアとか観ない人も是非に!
そのために揃えたスタッフとキャストだと思います

投稿 : 2024/04/13
♥ : 11
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

愛の恵みで幸せ紡ぐ

プリキュアの映画、はじめて観ました。面白かったです。
                                                                 おわり



・・・位で終わらせようかと思っていたのですがとんでもない!!
とっても面白かったです。ということでなが~く書きます(笑)


今回の映画は「人形」の持つポジティブなイメージとネガティブなイメージ両方が明示されていて、さながらトイストーリーのようにも感じられました。

人形は長年愛を注ぐことで命が宿る、なんて言われる通り持ち主の愛情の深さを表すと思います。

また逆に人形は無機質な印象、無気力な印象も与えます。操り人形なんかはこちらのイメージが強いように思います。

考えようによっては「人間的」にも「無機的」にも捉えられる人形。
分かりやすいようで、深いです。

人形を題材にしたのは上手いと思いました。話の構成を基盤としてしっかり支えていて、安定感がありました。



しかし!それだけじゃなくて、プリキュアとして、ハピネスチャージプリキュアとしてのテーマも追求されているのが素晴らしい。

『プリキュアは本当に誰にでも笑顔を取り戻す事ができるのか』

見ていくと、ハピネスチャージプリキュアはアンパンマンに近い存在なのではないかと思いましたね。


今回ヒロインのつむぎちゃん。

お姫様のような出で立ちでてっきりひめ(キュアプリンセス)と対になる存在かと思えば、めぐみ(キュアラブリー)との関係の方が深いです。

つむぎちゃんが現れたことで、めぐみは心を揺さぶられます。
{netabare}
幸不幸、そしてプリキュアにできることできないこと・・・。
{/netabare}

初めて出会う存在にめぐみはどうするのか?

・・・と、若干百合百合っぽく表現してますが、本編の描写から察するとこれは最早友情を超えたものであると確信してます(笑)

(ネタバレ注意)
{netabare}
めぐみ達が幼稚園で行っている人形劇。
めぐみは不器用なため王子様とお姫様の大事なキスシーンで糸を絡ませてしまう。
そこで強引に糸を断ち切ってご満悦のめぐみ。キスシーンが台無し!と怒るひめ。

これがそのままその後の関係に直結してます。

それは、ひめがジークとキスをしようとしたらサイアークに邪魔されたシーン?そうではありません。
お姫様=ひめ 王子様=ジークというのは見せ掛け。

実際は終盤、不幸の糸に絡め取られて身動きの取れないつむぎを、ラブリーが糸を断ち切り救出するシーン!
お姫様=つむぎ 王子様=めぐみなのですよ。

そして最後の抱擁がキスの代わり、というかもうキスと変わらないですよね!

これは・・・ラブリーな二人のパワーを感じますわ!!
{/netabare}


話を戻して、本編での彼女について。

つむぎちゃんの踊りは、その発する言葉と流れる音楽と相まって壮観でした。
作画的に踊りが凄いとかそんなことはないのですが、それでも目が離せない。
つむぎちゃん絡みのBGMは本当に秀逸です。

台詞ひとつ取ってもすごく感情が込められてるんです。
声優が堀江由衣さんだということ、中盤でやっと分かりました。いつもの演技のつもりで聴いていたら気付かなかったです。

特にこの台詞、聴いた瞬間鳥肌が・・・・。
{netabare}
「みんな幸せハピネスにするんでしょ?だったら私の人形になって。」

幸福な相手を貶めようとする冷たさと、救いを求める悲痛さが籠った名台詞。
{/netabare}

つむぎちゃんの心の叫びが痛いくらいに響いてきて、堀江さんいやほっちゃんすげえなあと改めて思いました。
プリキュアを務める若手勢に貫録を見せるような迫力でした。


ただ一つ、本来のターゲット層である子供にああいう苦悩や痛みが理解できるのか、とは思いました。

なんとなくプリキュアと妖怪ウォッチ好きは同じくらいの年齢層に思えるのですが、中学生くらいが見た方が共感できるような気がするのです。

となると、話を理解してもらうより絵で魅せる方が賢明です。

子供の頃見たアニメは内容自体は忘れてしまっても、印象的なシーンはいつまでも覚えているものだと思います。

おそらくこの辺りは印象的だったと思います。
{netabare}
・誠司、リボンとぐらさんが人形にされてしまう。ブルーもその後人形の姿で登場する。

・つむぎがめぐみを、ジークがひめを裏切り攻撃してくる。

・自信を喪失したラブリーをプリンセスが激励する。「私の知ってるラブリーはそんなじゃない!」

・糸に呑み込まれ身動きの取れなくなるつむぎ。

・ブラックファングに単身立ち向かうジーク。あえなくやられ、消滅する。

・サイアーク、ブラックファングに特攻し消滅していく人形たち。

・つむぎの増幅させた不幸を源に世界中に不幸を拡散させるブラックファング。

・巨大化するブラックファング、それに立ち向かうラブリー達。

・圧倒的な力で敵を消滅させるラブリー。

・人形の国が消滅する直前に、ラブリーを抱きしめて感謝するつむぎ。
{/netabare}

眺めているだけでも凄いと思える絵ばかりでした。特に後半は見所だらけ。
おそらくそれが作り手の狙いなのでしょうね。



見終わった後でごちゃごちゃしてしまったのでまた書き直そうかと思います。
いや、とにかく良い映画でした。恥ずかしさを忍んで観に行った甲斐ありました。こういうアニメに弱い!
そういえば、子供より大人が泣いている姿がチラホラ見られました。それがとても脳裏に焼き付いてます。


蛇足
{netabare}
ふなっしーが人形じゃなくて着ぐるみで本当に良かったです。
人形の国にまで来られたらムードぶち壊しですから(笑)
でも好きですふなっしー。不思議と嫌いになれません。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 10

計測不能 19 お姫様アニメランキング19位
ガリバーの宇宙旅行(アニメ映画)

1965年3月20日
★★★★☆ 3.6 (4)
18人が棚に入れました
 東映動画が手がけた初のSF長編アニメーションだが、内容的にはファンタジー仕立ての作品。極端に抽象化されたロボットなど、幻想的で独特な雰囲気に仕上がっている。主人公テッド少年の声と挿入歌を当時の人気歌手“坂本九”が担当。森に迷い込んだ少年テッドは偶然、そこに住む年老いた冒険家ガリバーに出会い、宇宙の彼方にある青い希望の星を目指して宇宙旅行に出かけることになる。困難の末、青い星まであともう少しというところで、一行はひとつ手前の紫の星に強制着陸させられてしまう。ロボットのような奇妙ないでたちの紫の星の住人たち。彼らが言うには“青い星”はロボットたちに占領され、自分たちはこの星に逃げてきたというのだ。その後、青い星のロボットが攻めてきて、紫の星の王女をさらっていってしまう。テッドとガリバーは力を合わせ、ロボットに立ち向かうのだが…。

声優・キャラクター
坂本九、本間千代子、宮口精二、堀絢子

AXIOM25 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

子供向けまんが映画の中の胎動

昔の東映劇場アニメで、わんぱく王子の大蛇退治に次いで好きな作品です。

物語は主人公の少年テッドたちが、冒険家ガリバーの作った宇宙船で旅をするSFファンタジー。
おとぎ話的な前半から後半はSF度が高まりますが、全体的にはシンプルな子供向けのストーリーと言えます。
しかしそんな中でも青い星でお姫様が目覚めるラストシーンは、ハッとするものがありました。
これは当時まだ新人のアニメーターだった宮崎駿さんのアイデアで、当初の予定より変更がなされたそうです。このシーンのおかげで物語に深みが出ているように感じるのは、さすがと言うべきでしょうね。

作画で特筆すべきは紫の星でのキャラクターや背景のデザインです。とてもポップでシュール、かわいいけどちょっと不気味。シンプルな線と淡い色で構成されていてオシャレな感じすらします。
それと歌に合わせてお互いの星を紹介するシーンはNHK教育なんかで流れそうな印象ですが、今現在の目で見ると斬新な感じがしました。

正直、特に前半は退屈な部分もあったり、動物たちや兵隊人形のキャラは余りにもおとぎ話ちっくできついものがあります。しかし宇宙に出てからの展開はとても不思議な魅力があり、全体の点数としては高く付けられませんが大好きな作品です。

また宮崎駿さんのごく初期の仕事としてジブリファンの方にも一見の価値ありだと思います。
最後まで見れば後の宮崎監督作品に繋がる部分がなんとなくではありますが見えてくる気がします。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 2
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