アウトローおすすめアニメランキング 12

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのアウトロー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月16日の時点で一番のアウトローおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.6 1 アウトローアニメランキング1位
ヒナまつり(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1259)
5789人が棚に入れました
芦川組を支える若きインテリヤクザ、新田義史は大好きな壺に囲まれ、悠々自適な独身生活を送っていた。
ところがある日、謎の物体に入った少女ヒナがやってきたことで生活が一変。念動力が使えるヒナに脅され、同居を余儀なくされてしまったのだ!
暴走しがちなヒナは組関係でも学校でもやりたい放題。頭を抱える新田だが、気のいい性格が災いしていつも面倒を見る羽目に。一体、この生活はどうなってしまうのか?
お人好しなアウトローと気ままなサイキック少女の危険で賑やかな日常が始まる!

声優・キャラクター
田中貴子、中島ヨシキ、村川梨衣、本渡楓、日笠陽子、小澤亜李、小山剛志、河西健吾
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アンズは良い人に出会った

この物語は結構笑えます。そして感動する話もわりとあります。

主人公のヒナだけでなく、ヒナの友達のアンズや瞳も結構な個性をもっており、それぞれの心の成長が楽しめました。

その中でも、私が最も感動したのはアンズの成長です。

最初の頃は盗みを働き暴力的だったアンズが、浮浪者のやっさんと出会うことで、生きていくことの大変さや、お金を稼ぐことの大切さ、それに人の優しさを知り、人間として急成長を遂げました。

そしてアンズは、まるで天使のように誰からも愛される存在となりました。

事情があって浮浪者のやっさんと別れることになりましたが、
やっさんの心の中にはいつまでもアンズが生き続けており、
アンズの心の中にはいつまでもやっさんが生き続けています。
これは素敵なことだと思います。
私たちは、はたして何人の心の中に一生生き続ける存在としてあるのでしょうか… それを考えてみる良い機会かもしれません。

それからアンズは中華料理店の老夫婦に引き取られますが、
その人たちも、アンズのことを大切にしてくれます。
食事や住む場所を提供してくれるだけでなく、仕事の仕方を教えてくれます。


人間は、生きるためには仕事をしなければなりません。
逆に言えば、仕事をし、お金を稼がないと食事すらできません。

仕事の仕方を覚えるということは、一生失くすことの無い財産を得るようなものです。
だから、浮浪者のやっさんや中華料理店の老夫婦は、アンズに一生失くすことの無い財産を与えたのだと思います。

以下蛇足です。
{netabare}
昔、国連は発展途上国にお金や食料を主に援助していました。
でも、食糧は食べればなくなるし、お金は使えばなくなります。
発展途上国の人たちは、なかなか豊かにはなりませんでした。
その後、国連は、農作物の作り方、井戸の掘り方、プログラムの作り方など、教えることを主に援助するようになりました。
そうすると、その国は少しずつ成長を遂げていったようです。

新田はヒナに食べ物やお金をたくさん与えます。
それが良くないとは言いませんが、
私は、ヒナが新田から受け取ったものよりも、アンズがやっさんたちから受け取ったものの方が、たくさんの愛情を感じます。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 91
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

個性豊かな少女たちが、真っ直ぐに生き抜いていくハートフルコメディ

ヤクザの幹部である新田のマンションに突然超能力少女が現れるという物語。
あまりにも荒唐無稽で、思わず失笑してしまうストーリーだが、
1話を見た感じでは、そこそこ楽しく見られるかもと思った。

アニメーション製作:feel.、監督:及川啓、
シリーズ構成・脚本:大知慶一郎、
キャラクターデザイン・総作画監督:神本兼利、原作:大武政夫

どこかの世界で敵を殲滅させるための道具として使われていたというヒナ。たまたまヤクザの幹部である新田のマンションにカプセルのようなものに入れられて登場し、超能力によって騒動を巻き起こしていく。最初は超能力を使わないように指示を出して一緒に暮らしていくが、超能力を使わないままでいると能力が暴走して周りを破壊してしまうというあまりにも恐ろしい設定。

これは能力とか辻褄とかリアリティを少しでも気にしたら観られない話だが、ヤクザ新田とヒナの心の交流を核にした周りのドタバタを楽しむための作品だろう。無用なツッコミは無粋というものだ。

殺人兵器のヒナと新田が今後どのように周りと折り合いをつけるのか。また学校に行ったヒナ(しかし、これ戸籍とかどうしたんだろうとか。ヤクザだから戸籍なんてどうとでもなるのかとか、つい余計なことを考えてしまう)が友人を通して、どのように成長を遂げていくのかが見どころになっていくのだろう。

{netabare}あと、1話のオチの部分の「ター○ネーターかよ」のツッコミのセリフは必要なかったかな。音楽と絵を見たらほとんどの人は分かるだろうし、映画見てない人にはセリフを聞いても分からないだろうから、余計な部分だったと思う。 {/netabare}


2話~5話レビュー
{netabare}2話から3話までを視聴した後、見どころが分からず、正直、もう切ってしまおうかと思った。中学生がバーテンダーとして働いたり、ヒナを殺しにきた超能力少女がホームレスになったりと、何がやりたいのか、よく分からない。あまりにも設定に無理がありすぎて付いていけなかったからだ。しかも、アンズが帰れなくなったのに、追手が来る気配もない。もちろん、コメディなので、そんなところにこだわっても仕方ないのだが、そのコメディ部分にも惹かれるところがなかった。
また主人公がヤクザである必要も今のところあまり感じられず、ヒナに翻弄されるために出ているだけの扱いで、あまり本筋に絡んでこない。超能力を使わないと暴走するという設定も、1話以降、なかったことのようになっていて、一貫性も感じられなかった。

ところが、4話を見たときに、この作品の楽しみ方がようやく分かった気がした。
壺を割って新田から勘当されたヒナがアンズのところでも好き勝手にやって勘当されてしまう。そこで、ようやく人の気持ちを考えることに気づき、新田の大切なものを持って謝りにいくというストーリー。Bパートではホームレスだが素直で真面目なアンズと、人から頼まれると断れない瞳の面白おかしな交流が描かれる。
超能力やヤクザなどというのは、ほんの脇の設定にすぎず、個性の強い少女たちと社会の交流を楽しめば良いことが分かった。もしかしたら原作者もこの辺りまで、どういう方向で進めたら良いのか迷っていたのではないだろうか。
5話でもAパートは、お金が欲しいアンズのためにヒナとアンズが奔走する話(ヒナはほとんど何もしていないが…)。Bパートは瞳のバイトが同級生にバレてしまうドタバタが描かれる。
結局、価値観の違う宇宙人と商店街や中学生との交流に笑いを取るというストーリー。ヒナ、アンズ、瞳の少女3人のキャラバランスがとても良く、この3人が揃って出てくる話は、だいたい面白い気がする。特にアンズの改心ぶりが際立っていて楽しめる。また、作画は安定していて安心して見られる。もう少ししたら3人目の宇宙人がやってくるのか?今後に期待が持てそうな気がしてきた。 {/netabare}

6話レビュー
今回で一気に作品の評価が上がった印象。
{netabare}Aパートは新田の実家にヒナを紹介する話だが、新田の嘘と母と妹とのやりとりがかなり面白かった。新田の嘘に騙される家族と、その家族のアホなノリに笑えた。
「ヒナへの質問はオレを通してからにしてくれ」とか「兄ちゃんが来るっていうから、昼間から酒飲んでたんだよ」とか、大爆笑してしまった。確かに事情を説明するために帰ってきているのに、母娘がポンポンビールの詮を抜いているのがおかしいと思っていたのだ。
だいたい、エビチリを食っているときに家族が殺されるとか、どういう嘘なんだw
ダメだ、この作品は真面目にレビューを書くのが難しくなってきた。
Bパートはアンズの住んでいた公園の住人たちが退去処分となってしまい、ヤッさんをはじめとした仲間たちが皆バラバラになってしまう話。アンズの真っ直ぐな想いと、皆がアンズをとても大切に思っていた気持ちが伝わってくる良い話だった。アンズがとても健気な娘で、泣きそうになった。
ただ、これだけ他人の気持ちを考えられて環境に順応できる子供だけに、以前暮らしていた世界や教育のことが気になってしまう。生まれた星のことなどが明らかになることはあるのだろうか。 {/netabare}

7話~12話レビュー
{netabare} アンズが中華料理屋の夫婦に引き取られて、そこで店を手伝うという話(しかし、学校には通わないのが謎)や、ヒナが生徒会役員に立候補する話など、やはりヒナ、アンズ、瞳の女子中学生の3人を中心にしながら話が進んでいく。そこに新田や詩子、調査のために送り込まれた宇宙人の斑鳩ケイが絡んでいくという形だ。
最終回のAパートの後に3年の月日が流れ、新たに登場したマオとミュージシャンのアツシが一緒に日本に旅立つところで終わるので、2期があった場合は高校生編になるのだろうか。
全話を通してとても楽しめた作品だったので、機会があれば刊行されているコミックスも読んでみたい。 {/netabare}

全体のレビュー
超人的な能力を持った女子中学生たちが、大人に利用されたり翻弄されたりしながらも、力強く生きていくという話がメインとなっている。ヒナ、アンズ、瞳のキャラクターが個性豊かだ。

物語の始まりは、ヤクザの新田のところに、突然、超能力を持った宇宙人のヒナが落ちてくることだが、その後、新田は脇役のような位置づけになり、少女たちが中心になる。この作品を観始めたときは、新田の目線になって物語を追っていたが、それではこの作品は楽しむことができない気がする。超人的な能力の少女たちが、大人たちに翻弄されながらも様々な困難を華麗に?切り抜けていくところを見守っていくような感覚で楽しむのが良いのかも。基本的にはコメディ路線だが、時に泣かせるような話を差し込んでくるのがとても上手い。

超能力はあくまで要素のひとつでしかなく、少女たちが自分の個性を最大限に活かし、社会の荒波のなかで生き抜いていく様が、面白おかしく、時には泣かせるようなストーリーで表現されている。あまり似たような話は目にしたことがない。新しい方向性で物語を紡いでいる挑戦的な作風だ。
(2018年6月29日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 90
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ちょっぴり心が温まる、ドタバタコメディ

原作未読。最終話まで視聴。

ちょっぴり心が温まる、ドタバタコメディ。
かなり笑えます。
そして、かなり感動します。

ヒナ、アンズ、瞳。
3人のヒロインそれぞれに特徴があって面白い。
3人それぞれにスポットライトを当てつつ、3人が巧みに絡んでくる物語の構成は、とても良かった。

作画はとても良い。
声優陣も良かった。

最終話の終わり方を見る限り、間違いなく第2期ありますよね?
大いに期待して待ちたいと思います。

【以下は、各話レビュー的な「何か」です】(笑)
{netabare}
【第1話】
ヤクザの新田の部屋に、突然、超能力少女ヒナが現れる。
ヒナは超能力で新田を圧倒し、新田の部屋に住みついてしまう。

ヒナは、自分の超能力を当てにして、何かをさせようと”しない”新田のことを信頼し始める。

そんな中、新田の所属する暴力団の組長が襲われ、新田は若頭に相手の暴力団に1人で殴り込めと命じられる。
そんな絶望的な状況の中でも、新田はヒナを当てにせずに、単身で相手の組事務所に乗り込もうとする。

その時ヒナは・・・。

いや~!第1話から引き込まれましたね。
超能力少女とおっさんのコンビというと、『アリスと蔵六』を彷彿としますが、こちらの方がコメディ色強めでしょうかね?

ちょっぴり心が温まる、ドタバタコメディ。
第2話以降も楽しみです。

【第2話】
前半。アンズ登場。
ヒナと処分するために組織から送られてきたのだそうだ。

ひょんなことからアンズを見かけた新田は・・・。

後半。最近、女性関係がおかしな事になっていると感じていた新田。
「新田さんは娘との時間を大切にしたいから、女遊びを一切断った」という噂話を聞いてしまった新田は・・・。

ヒナとアンズの『あっち向いてホイ』は爆笑必至!

【第3話】
前半。アンズがホームレスの仲間入り。
街中で新田と再会して・・・。

後半。ヒナが通う中学校の同級生、三嶋瞳の回。
第2話からの続きで、詩子の経営するバー、バーテンダーとして働くことになる。
そのお店に、中学校の担任の先生がやってきて・・・。

ラスト。ヒナは新田に怒られたでしょうか?(笑)

【第4話】
はい、ヒナちゃんは新田にめっちゃ怒られて、勘当されちゃいました。(笑)
その後、アンズと合流したヒナは・・・。

瞳ちゃんは、相変わらずバーテンダーとして働いている。
結構、板についてきた(笑)

【第5話】
ヒナに感化されたアンズが、ゲーム機欲しさに手っ取り早くお金儲けを企むが・・・。

瞳の”秘密の”バイトが同級生に見つかった!?

【第6話】
ひょんなことから、ヒナと新田は、新田の実家に・・・。
新田は何とかごまかそうとするが・・・。

後半。アンズはホームレス達と別れて新生活を始めることに・・・。

【第7話】
この作品のヒロインは言うまでもなくヒナ。
だけど、それと同じくらい魅力的なヒロインがアンズと瞳。
この3人が交代で主役を務めているから、この作品は面白いんだと再確認した回。

3人それぞれが、面白可愛い。

【第8話】
あっちの世界から、ヒナをお迎えに?
アンズの扱いの悪さと、新田の{netabare}ぬか喜び{/netabare}が笑えた。

【第9話】
あっちの世界から新たな使者(超能力少女)マオがやってくるが・・・。

なんやかんやあって、新田が若頭に昇進!?
ヒナが企画した”お祝い”とは!?

いやぁ、久々に大笑いしてしまった。

【第10話】
まさかのヒナちゃん出番無し回。(学校で昼寝しているシーンはあったけどね)
瞳のポテンシャルの高さと、アンズの純粋さが際立つ回。

ヒロインがヒナ一人ではないことが、この作品の最大の魅力。

【第11話】
伝説のヤクザ・新田の特番?

新田「いくら渡したら、ヒナとお前(アンズ)チェンジ出来る?」
いやいや、気持ちはわかるけど・・・。
 
【第12話】
前半は通常の最終回。
後半は3年後の中国(?)。
何だかんだで、マオちゃん日本へ!

第2期は高校生篇ってことですかね?
というか、これだけ評判が良かったので第2期ありますよね?
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 87

82.2 2 アウトローアニメランキング2位
スクライド(TVアニメ動画)

2001年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1364)
7287人が棚に入れました
21世紀初頭の近未来、神奈川県の一部で突如、横浜を中心に原因不明の大規模な隆起が発生し、本土と隔離された半径30kmの『ロストグラウンド』と呼ばれる土地が誕生した。
日本政府によりロストグラウンドは復興するも、復興した市街の住人「インナー」と崩壊地区の住人「アウター」という特殊な二層社会が形成される。そして何時しかロストグラウンド生まれの新生児の中に「アルター能力」という特殊能力を持つ者達が現れ始め、能力を使った暴力や略奪を行う彼らは「ネイティブアルター」と呼ばれるようになった。
これに対して本土側はロストグラウンドにおける警察機関「HOLD」内に、アルター能力者による部隊「HOLY」を設立し、これに対応した。そんな中、ロストグラウンドの崩壊地区で生まれ育ったアルター使いカズマは、HOLYに所属するアルター使い劉鳳と出会い、物語は動き出す。

声優・キャラクター
保志総一朗、緑川光、田村ゆかり、永島由子、山崎たくみ、倉田雅世、津久井教生、岩永哲哉、高田裕司、島田敏、西原久美子、白鳥哲、若本規夫

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

男の子必見!史上最強の熱血アニメ!!

監督「コードギアス」の谷口悟朗
脚本「機動戦士ガンダム00」の黒田洋介
キャラデザ「機動戦士ガンダムSEED」の平井久司
メインキャストには保志総一朗、緑川光、田村ゆかり

今や出世しまくりのスタッフ&キャスト陣。
2001年、これだけの豪華スタッフにより制作されたサンライズのオリジナル作品。全26話。
アルター能力という特殊能力を用いて熱いバトルが繰り広げられる。
バトルというより「喧嘩」と言った方が適切かもしれない。

どのキャラも自分の信念というものがしっかりとあって格好良い。見ていて清々しく爽快感がある。
台詞回しも秀逸。インパクトあるフレーズを次々に生み出す黒田洋介、私的に彼のピークはこの作品。

最終回に至ってはもう尋常でない熱さ。ガチンコの殴り合い、カズマと劉鳳の本気の「喧嘩」
能力を使い果たし生身の肉体になってからが最高で、骨の軋む音とかリアル過ぎて鳥肌が立つ。
声優のほぼ「叫び」だけの演技も素晴らしい。

見る上での注意点は、一部キャラに女性を軽視するような発言があること。
「男のための物語」なのでスタッフも自覚はしているのだろうが、気になる人は気になるかも。
あとは圧倒的厨二臭さ。同監督作品のコードギアスも相当厨二臭いけど
スクライドの厨二臭は正直言ってギアスの比じゃないと思う。
とりあえず3話まで見てキャラに魅力を感じられなかったり、溢れ出る厨二が鼻につくようなら
そこで視聴ストップするのが懸明かと。


最後に、名言・名フレーズを一部紹介。

カズマ
「一度こうと決めたら、自分が選んだんなら決して迷うな。
迷えばそれが他者に伝染する。選んだら進め、進み続けろ!」

劉鳳
「毒虫が!信念無き行いは悪以外の何ものでもない!その悪を俺は憎む!」

君島
「意地があんだよ!男の子にはなあ!」

クーガー
「お前に足りない物、それは!情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ!
そして何よりもー!『速さが足りない』!!」
「愚問ですなあ、隊長。オレはオレの味方です」

橘あすか
「ボクの大事な玉を!」

雲慶
「私の偉大なる脚本の中で、ときめいて死ね!」

予告ナレーション(CV.若本規夫)
「あぁ、最早何も言うまい・・・語るべき言葉ここにあらず 話すべき相手ここにおらず
漢、ただ前を向き、ただ上を目指す ただ前を向き、ただ上を目指す」

投稿 : 2024/04/13
♥ : 40

だわさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

お前に足りないのはっ!情熱思想理想思考気品優雅さ勤勉さ! そして何より!速さが足りないっっ!!

全26話。
サンライズ。
無限のリヴァイアススタッフ。
灼熱アニメ代表格。
ライバルVC緑川さん(個人的にヒット)


以下感想。
うおおおおおおおおおお!
どおりゃあああああああ!
というテンションで贈る至高の灼熱アニメ。簡単に言ってしまえば、個性的ないろんな種類の特殊能力を持った人間同士のとても熱いバトルです。

不思議なことに、
「熱いバトルもの」
というだけでなんとなく内容の印象が分かってしまうのがこのジャンルのすごいところw

熱い熱いと他のレビューでも言っていますが、このアニメではいろんな切り口で熱さを演出してくれています。

根性、愛情、友情、自己否定の否定、背負ったモノ、…等々
ひとつやふたつでは無く、いろいろな切り口で熱さを演出してくれているところが大きな特徴だと思います。

そのどっかの熱さが自分の心に眠っている熱さに火をつけてくれる、そんなアニメなのです。

もうひとつ特徴を挙げるとすると、記憶に残る名言が多いことですね。
特に、
「お前に足りないのはっ!情熱思想理想思考気品優雅さ勤勉さ! そして何より!速さが足りないっっ!!」
「意地があんだろ、男の子にはぁ!!」

の二つはかなり好きです^^



ラストバトルはめっちゃ熱かったッスv(・∀・*)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 27

dbman さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Wikipediaに騙された

オリジナルアニメ/アクション、SF/全26話/アニメーション制作:サンライズ

『コードギアス』などで知られる谷口悟朗監督による2001年に放送されたオリジナルテレビアニメ。2000年前後の名のある作品を探していた折、視聴したところ全26話の2クールを一気に完走してしまうほど楽しませていただきました。

Wikipediaにはロボットアニメとも表記してあったので長く敬遠していたけれど、私がイメージするロボロボしいロボットなどではなく一部機械的という感じで、どちらかというと仮面ライダーのスーツなようなフォルムのものが多く完全に騙されたw (勘違いともいうけれど)

約18年前の作品なのでキャラクターや服装などデザインの古臭さは感じるもののジョジョのスタンドのような具現化した能力のデザインはいま見てもカッコいいものとなっていました。

この作品に登場するキャラクターは魅力溢れる者ばかりで、主人公のカズマはとにかく熱い男で、その男臭さやダサさがカッコイイ! またライバルの劉鳳はクールキャラでありながらカズマに負けない熱さを持つ男で、こちらも最高にイカしていました。

君島やクーガーをはじめとした脇を固めるサブキャラクター陣も愛すべきキャラばかり。かなみなどヒロインたちも悪くはないけれど、とにもかくにも男たちが良キャラばかりで女の子たちが霞んで見えてしまったw

物語は往年の少年漫画で見られるような王道的展開が繰り広げられているが、起伏に富んでおり、どのエピソードも面白いものとなっておりハズレ回と思えるような話がなかったように思います。それでもあえて言うならば、第25話で終えておけば綺麗に終われたように感じ、最終回の第26話のみ蛇足だったかなといった印象。

この作品で一番好きだったところはニュアンスを言葉にするのが難しいけれど、熱さの中にあるカッコよすぎるがゆえの笑いいうべきか。クライマックスに向かうカズマと劉鳳、二人の漢による会話劇にシビれすぎて笑みがこぼれてしまったw とても20年近く前の作品とは思えないほどに時間を忘れて楽しませていただきました。

ちなみにどうでもいいけれど、流行語にもなった日本エレキテル連合のネタ「ダメよ〜ダメダメ」って第17話で寺田あやせが言ったセリフにもろかぶりしてたんだけれど、ここから拝借したのかな。


▼キャスト
カズマ:保志総一朗
劉鳳:緑川光
由詑かなみ:田村ゆかり
シェリス・アジャーニ:倉田雅世
君島邦彦:山崎たくみ
桐生水守:永島由子
寺田あやせ:西原久美子
マーティン・ジグマール:高田裕司
ストレイト・クーガー:津久井教生
橘あすか:岩永哲哉
エマージー・マクスフェル:千葉一伸
イーリャン:井上隆之
瓜核:島田敏
初夏:大木眞基子
仲夏:まるたまり
晩夏:冬馬由美
来夏月 爽:結城比呂
雲慶:堀内賢雄
無常矜侍:白鳥哲
予告ナレーション:若本規夫

投稿 : 2024/04/13
♥ : 26

72.0 3 アウトローアニメランキング3位
ONE OUTS - ワンナウツ(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (652)
3213人が棚に入れました
プロ野球チーム「埼京彩珠リカオンズ」の児島弘道は、実力はありながらも一度も優勝をしたことがないという不運の天才打者。優勝するために必要な何かを探すためシーズンオフに沖縄で自主トレーニングに励んでいた。そこで児島は賭野球「ワンナウト」で無敗を誇るピッチャー、天才勝負師渡久地東亜と出会う。

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

理があることの利点(と効果)

本作を一言で表現するのであれば
「野球版アカギ」
これ以上本作を的確に表現したフレーズを考えつくことは私にはできません。
言うなればこれで本作のレビューはThe endなんです。

ここからは蛇足と分かっていても一応説明していきます。
まず本作のサムネを見てみてください。これが主人公の渡久地東亜(とくちトーア)です。
逆立つような金髪で目つきは極めて悪い。ベンチでも堂々と煙草を吸っているふてぶてしい奴です。
ですが、駆け引きや心理戦では人の心の裏の裏のそのまた裏も読み取るくらいの洞察力を持ち合わせ、そして掌握・支配していくというもう完璧超人の悪魔なんです。
CVはアカギやカイジでもおなじみの俳優の萩原聖人さんです。
ここまで渡久地東亜の説明ですけど、アカギの説明をするにしても記述内容はほぼ一緒でしょうw

ギャンブル野球で無敗を誇っていたこの渡久地東亜が
最下位が定位置の弱小球団埼京彩珠リカオンズに特別枠で入団します。

そこでリカオンズのオーナーと交わした契約は「ワンナウツ契約」
これは渡久地がアウト1つ取ればオーナーから500万支払われ、
逆に1失点したら渡久地からオーナーに5000万支払うというシステムです。
つまり渡久地VSオーナーです。
オーナーからすれば球団が負けようが渡久地が失点すれば大喜びという分かりやすい対立構造です。

オーナーはあの手この手で渡久地に失点させる為の罠を張り巡らせてきますし、
相手球団も曲者揃いです。
そんな中でも渡久地は冷静に状況を分析し、
こちら(視聴者)が想像もつかないような打開策を講じていくわけです。

渡久地が「バカかテメーら。まだ気付かねーのかよ?」
とリカオンズメンバーに言うのですが、
視聴者も「え?え?何?何なの?」と食い付いてしまうこと必至ですw
渡久地「こうこうこうすりゃいいだけの話じゃねーか」
リカオンズメンバー&視聴者「ええええええええええ!!?そんなのありなの~~~!?」
本作は大体こういう流れですw

野球好きな方でも「え?そんなルールあったの?」なんて反応をしてしまうような
ルールの穴を突いてくることもあれば、
いやいや、さすがにそれはねーよ!なんて
型破りというか破天荒というかもう滅茶苦茶なこともありますw

そりゃあね、主人公補正とかご都合主義なんてものは大なり小なり存在しますけど、
原作者である甲斐谷忍先生は、
現在ヤングジャンプに連載されている「LIAR GAME」もそうですが、
何故この戦術は破綻したのかとかの理屈の部分をきっちりと作り上げてきます。
従って過剰な演出等で飾り立て、理をぼかすというような作品ではないです。
これは一見滅茶苦茶だけど一応理は通ってるという
福本伸行先生の作品にも同じことが言えると思います。

もちろん理があれば良い作品というわけではなく、
それがなくとも過剰な演出、ダイナミックな絵の動き、勢い等で
楽しませてくれるアニメというのは存在します。
むしろそういう作品の方がアニメらしいアニメと言えるかもしれません。

理があることの利点は
駆け引きや心理戦をよりエキサイティングに、そしてドラマチックにするという効果や
そこに説得力を持たせられることですかね。
さらに相手が用いてくる戦術やその戦術を破るというやり取りに
まるでミステリの謎解きのような楽しみ方を付与できる点にあると思います。

その効果は敢えて記述するまでもないことかもしれませんが、
自分の推理が当たっているのかどうかということもあり
「続きが気になってしょうがない!!」ですw
なので全25話の本作を一気に視聴してしまったなんてことになるかもしれませんよw

投稿 : 2024/04/13
♥ : 38

kwm さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

青春野球アニメだと思った?残念!騙しあいのライアーゲームでした!

投手が三振を取るか打者がヒットを打つかで勝負が決まる『ワンナウツ』という1対1の賭け野球において、相手の心理を巧みに操る事で無敗を貫いてきた主人公が、ある人物との勝負をきっかけにプロ球団へ入団し、相手チームや自球団のオーナーをも相手にした心理戦や頭脳戦を挑んでいく心理エンターテイメント。
『野球』『スポーツ』を描いた作品の中ではかなりの異色作です。

努力型の主人公が中心となって天才型の相手を打ち負かしていく従来のスポーツアニメとは対照的に、本作はまともなトレーニングもせずに野球に対して特別な思い入れすらない主人公の『トクチ』が、知略の限りを尽くし、野球選手としてではなく『勝負師』として相手を打ち破っていくのが見所の作品です。
練習で自身を強化するのではなく、人並外れた洞察力で相手の弱点を見抜くという戦い方はとても新鮮でした。
相手の心を揺さぶる心理線はとても緊迫感があり、ライアーゲームの秋山やコードギアスのルルーシュのように、敵を陥れて高笑いする姿を見て爽快感を覚える方や、二転三転する攻防戦が好きな方には特にお奨めしたいです。

しかし徹底的に『勝負』に対してフォーカスされた作風には青春や恋愛要素が一切なく、見る人を選びます。
また、限られたルールの中で行われる頭脳戦には毎回驚かされますが、現実では起こりえない奇策を多く含む奇抜さ故、好みがハッキリと分かれるでしょう。
エピソードタイトルにもなっている『9人内野』なんて現実には絶対に起こりません。
私はルールを逸脱さえしていなければ『行き過ぎたご都合主義』とは受け止めないタイプなのでとても楽しく見れましたが、こんなのは野球じゃないと思う方もいるであろう難しい部分です。

勝負師の彼の『野球』ではなく『勝負』を見る事ができれば楽しめると思います。
見るべきポイントが心理戦や頭脳戦が中心になるため点数は低めになりましたが、非常に個性的なスポーツアニメでとても満足できました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

こたろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

悪人ヅラしたヒーロー

漫画原作。
”熱い”といえる野球漫画ですが爽やかさからは程遠い内容です。
主人公はスポーツマンというより、肩書きとしては「勝負師」と呼ばれます。
威力のあるスピードボールも変化球もない。
巧妙な心理戦とボールコントロールで、駆け引きを駆使して戦うピッチャーの覇道の物語。
端的に表現すれば、アカギまたはカイジの野球版といえば解りやすいと思います。
ちなみに、中の人も同じです^^


まず目を引くのがビジュアルです。
作画がどーのこーのではなく、主人公の面構えがもう完璧に悪人w
切れ長でスマートですが、腹にイチモツがあって何か企んでいそうな表情、クールな薄笑いが似合うような見た目です。
よく敵役に出てくる冷酷無比でヒーローを最後まで苦しめる、まさしく嫌な悪役のような造形。
悪態をついては相手を陥れ細く冷笑する。
そんなのがとっても良く似合いそうな、ちょっと主人公っぽくないキャラデザインになっています。

で、実際はというと、その見たどうりの性格と行動のキャラ^^;
これが本作の最大の魅力。
不遜にして大胆、並居る強敵を勝負勘と知略で翻弄するダークヒーローです。


ダークーヒーローと表現しましたが、この主人公は基本的に悪事は働きません。
勝負事に対してとことん真摯。
狡猾で思慮深く、常に何かを見越して冷静。
態度はデカく罵詈雑言を吐くし勝つためにやれる事は何でもやりますが、研究や観察に余念がなく勝利に貪欲。
視聴者していても嫌いになれない筋の通った部分があります。
何より結果をキッチリだして、多少の強引さや横暴は仕方ないと納得できる頼りになる存在。
最後までみればわかりますが、義理堅く仲間想いなところも見せてくれたり。
敵に廻せば厄介このうえないけど、味方にすればとてつもなく頼もしい主人公の傍らで、攻略不能といわれる難敵を次々に沈めていくのを供に味わうのが痛快でたまらない感覚です。


攻略の方もかなり錬り込まれていて面白い。
原作は未読な状態で視聴しましたが、「こうなるだろう」という短絡的な私の浅知恵では及ばないような展開で、いい意味で裏切られる事の連続。
もう、次が気になって仕方なくなって、一気に視聴してしまいました。
野球の科学的なスポーツ理論や細かいプロ野球規定やルール、球界事情の事まで丁寧に調べてあり、それを活かしたアイデアがとても秀逸。
何重にも張り巡らせた伏線が、連戦のなかで回収されていくのが気持ちいい。
冷静に考えると、結構なご都合主義なところもありますが、理論武装がしっかりしているので、そんなところは気になりません。
野球の描写が丁寧でスポーツものとしての作画や演出の水準が高いので、多少の粗などは指摘に値しない些事と思えます。

野球だけでなく、金の亡者である契約者(球団オーナー)との契約金の奪い合いも、ドラマを盛り上げる要素になっています。
当の主人公は、あんまり金銭バトルには興味なさそうですが・・・そこがまた面白いところ。
球場以外で勝手に行われる戦いが、本作の面白さを2倍、3倍に膨らませています。
オーナーは第二の主人公と思えるぐらいキャラが立っていて素敵でした。


正直、あまり期待もせずに視聴しましたが、もう観だしたたらワクワクが止まらない面白さでした。
さすがに野球に興味がない方の視聴は辛いところがありますが、スポ恨成分なしでここまで楽しめる野球モノも珍しい。
駆け引き、頭脳戦、トリック、そういう要素に満ちあふれた娯楽性抜群の良作です。オススメ!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

83.2 4 アウトローアニメランキング4位
ゴールデンカムイ(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (688)
3190人が棚に入れました
明治時代後期。「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく北海道にいた。
そこにアイヌから奪われた莫大な埋蔵金という、一攫千金のチャンスが舞い込む。
埋蔵金は網走監獄に収監中の男によって隠匿され、24人の脱獄囚の身体に刻まれた刺青がその在り処を示す手がかりだという。
そんな折、ヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。
名をアシリパというその少女は、埋蔵金を奪った男に父親を殺されていた。
さらに杉元の動きに呼応するように、かねてより埋蔵金を狙って暗躍していた北の最強部隊・第七師団や刺青を背負う脱獄囚たちの動きも顕在化。
果たして、雄大な北の大地を舞台に巻き起こった一攫千金サバイバルの行方は……!?

声優・キャラクター
小林親弘、白石晴香、伊藤健太郎、大塚芳忠、津田健次郎、細谷佳正、中田譲治、乃村健次、菅生隆之
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

埋蔵金を巡る争いのなかでふれる、アイヌ文化と死生観

日露戦争で大激戦となった二〇三高地。
その戦いをくぐり抜けて生き残った杉元佐一は、
窮地に陥っても命を落とすことがなかったことから
「不死身の杉元」と呼ばれていた。
戦後、杉元は友人から目を患った妻の治療を託され、
費用を得るために北海道で砂金を探していた。
そのときに、アイヌの人々が北海道で集めた20貫もの砂金が奪われ、
ありかを示す地図が24名の囚人の体の刺青に記されていることを知る。
刺青が彫られた男を発見した杉元は、
アイヌの少女アシㇼパと出会い、行動を共にすることになる。

アニメーション製作:ジェノスタジオ、
監督:難波日登志、シリーズ構成:高木登、
キャラクターデザイン:大貫健一、
原作:野田サトル

北海道が舞台ということで、アイヌ文化が
バックボーンにある興味深い作品。
1話では、人間を食った熊は「悪い神」である
「ウェンカムイ」となり、それを狩っても、
アイヌの人々は毛皮も取らないし、
肉を食うこともないことをアシㇼパから聞かされる。
この話から、私は宮崎駿監督の『もののけ姫』を思い出した。
傷ついた猪の神が「たたり神」となってしまい、
人々や自然に害を与える存在へと変貌する。
それにふれた主人公は、村にいられなくなり、
旅に出るという話だった。

アイヌの信仰は独特だ。
カムイモシリ(神の国)で、動物は人間の姿をしていて、
こちらに来るときには、動物の皮と肉を持って遊びに来ているという。
だからアイヌの人々は、動物たちをある意味大切にして、
小熊を育てて大人になってから食べるときには、
盛大な祭り「イオマンテ」によって神を送り出す。
そうして、再びこちらの世界に来てくれるように促すのだ。
また、動物などの生き物だけでなく、
さまざまに役立つもの全てをカムイ
(アイヌ語で「神」の意)として扱う。
身の回りのものが神だから、いつも敬意を払い、
良い関係を築くという理屈だ。
信仰には「自分たちの生きる術」がある。

それを象徴するようなアシㇼパの話がある。
極寒の日に瀕死の傷を負って、
なおも懸命に生きようとする鹿を見て、
杉元は自身を重ね合わせ、殺すことをためらってしまう。
それを見たアシㇼパは鹿を狩ったあとに、
腹を割いて、そこに手を入れるように杉元に促す。

鹿の体温が移ってお前を生かす。
私たちや動物たちが肉を食べ、
残りは木や草や大地の命に置き換わる。
鹿が生き抜いた価値は消えたりしない。
そうアシㇼパは告げるのだ。
自然とともに生きるアイヌの人々の信心がよく分かる話だ。

自然を相手にして暮らす人々の考え方は、
死にざまにも大きな影響を与える。
6話で登場する熊撃ちのマタギ、二瓶鉄造の哲学はとても興味深い。

{netabare}自然のなかで生きる者にとって、そこには不文律の掟がある。
熊を狩って捌いているときに、それを横取りしようとした
3名の人間に対して、二瓶鉄造は殺人を犯してしまう。
自然の掟に従っても人間の掟では罪になる。
網走刑務所に収監されるが、山で死にたいため脱獄する。
彼にとっての理想的な最期は、獣との勝負の末に
体を食い荒らされて、それが糞となって大地にばらまかれ、
やがて山の一部になることだった。
私はこの話を観て、昔の常識だととても考えられないことだが、
現在では、それほど特殊ではないことに、
時代における価値観の大きな変化を感じた。

子供のころに観た今村昌平監督の映画『復讐するは我にあり』の
ラストで父親役の三國連太郎が息子の妻、倍賞美津子と一緒に
連続殺人犯の息子の遺灰を山頂から空に撒くシーンがある。
父親と分かり合えなかった息子、そして、その妻という
複雑な関係性があったわけだが、私は映画の内容よりも、
遺灰を空に撒くシーンに衝撃を受けた忘れられない作品だった。
つまり、墓に入れることはできない人間として、
せめて広大な空に撒いてやろうということだったのだ。
ところが、最近では散骨することは、一般的とは言わないまでも、
それほど変わったことではない見送り方になりつつある。
これは大ヒットを記録した作品『世界の中心で愛をさけぶ』の
影響が大きいとも言われているが、時代とともに
死者を悼むやり方も多様化していることを改めて感じさせた。

8話では、弟が猪に襲われて殺されるところを目撃した
辺見和雄という男が「死」への甘美な魅力に取り憑かれ、
自分を残酷に殺してくれる人を探すために
通り魔殺人をしながら旅をする話が描かれる。
人には誰しも「死」が訪れるわけだが、
「死」に向かって生きているなら、
人間の生は無意味だという考え方がある。
そして「死」が訪れるからこそ人間の「生」は
尊いのだということもできる。
ここでは、死の瞬間に輝くためだけに生き続ける、
倒錯した精神の男の末路を追っていく。
また、箱館戦争で生き残ったことになっている
新撰組の土方歳三も常に「死」を覚悟して
生き続ける男として描かれている。 {/netabare}

彼らの生き方は、一見するとただの狂人にしか
見えないのだが、自然のなかで生き抜く
アイヌの人々の哲学のなかだと、
むしろ真面目な生き方のように見えてくるのが面白い。

『ゴールデンカムイ』は、1クールの作品として考えると、
まだまだ序盤の状況のため評価が難しい。
ただ、アイヌ文化と死生観を考えさせてくれる、
深みのある物語として展開していきそうだ。

大地を彩る全てのものの生と死に意味はある。
(2018年7月28日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 80
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

夜鳴く神

ジェノスタジオ制作。

明治後期、鬼神のような戦いぶりで、
不死身の杉元と謳われた元陸軍兵士が、
無き友との約束を誓い小樽に足を踏み入れる。
かつてゴールドラッシュに沸いた北海道を舞台に、
アイヌが埋めた膨大な埋蔵金を探がして。

アイヌの文化と自然の摂理を丁寧に描き、
「山の掟」「弱いやつは喰われる」、
その凄惨な描写も人気の1つでしょうか。
アイヌの教えでは、火や水や大地、生き物や樹木、
全てに神(カムイ)が宿る自然崇拝に近いのですが、
その愛ある眼差しは娯楽性も高く素晴らしいです。
絵柄だけで苦手意識がありましたが、
アニメ化を機に原作を読むと面白いです。

黄金の行方は誰の手に渡るのか!?
そもそも黄金は存在するのでしょうか!?
思惑が交差する生存競争の幕開けである。

最終話視聴追記。
{netabare}シリアスと笑いの配分が絶妙で楽しい。
しかし「狩猟グルメ」が最高ですね。
杉元がアシリパをさん付けで呼ぶのが好きです。
こけしみたいなアイヌの子供たちも味があり、
登場人物の個性に不思議と魅力を感じます。{/netabare}

魅力溢れる娯楽活劇だと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 79
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

生命の輝きに別角度から光をあててみました

2018.07.01記


原作未読

2018年春期の1クールものでは個人的にNo.1でした。
10月に2期放映が決定してるとのことも納得の面白さです。

日露戦争あとの北海道が舞台。ありそうでなかった場面設定が興味を引きます。それになんか骨太そうな印象も私好み。
第一話、熊との格闘シーンで先制パンチを食らい、帰還兵の悲しみを描いたハードボイルド路線か?と見せかけて、コメディありグルメあり。しかも物語の邪魔をしてなかったりする。なんじゃこりゃ、詰め込み過ぎでしょ?といい意味で。

戦友との約束を果たすためにまとまった金が必要な杉元がアイヌ埋蔵金を求めて奮闘する話。アイヌの娘アシりパさんと行動を共にする中で、アイヌの慣習やものの考え方など作品を通じて知ることができます。
その埋蔵金を狙っているのは杉元だけではなく、帝国陸軍の軍人たちだったり、函館戦争の生き残りだったり、複数勢力が絡みます。


【命のやりとり】


冒険、グロ、エロ、メシ、歴史、アイヌの文化、サバイバル、奇怪な登場人物たち、このアニメを構成する要素はいろいろあってエンタ-テインメント性の高い作品です。これら複数要素を含有し空中分解しないでまとまっているのは、演出の巧みさと合わせて、根っこの部分では生々しくてゲップが出るほど“生命のほとばしり”を感じられるという点で一致しているからです。
「生きろ」とか「命どぅ宝」とか「生命万歳」とか命は大事と言うのを悪く言うつもりはありませんが、そういったものにときおり感じるうさんくささみたいなものをこの作品からは感じません。
そのへん詳しくは後述するとして、ありきたりのヒューマニズムには寄らないアニメと思って観ると面白いと思います。
{netabare}2期ありき(最終回にて3か月後に続きやる!と発表)で、最終話が中途半端に切れちゃったのは残念です。今後の期待もありますが、物語の評価を下げております。{/netabare}


以下、思いついたことを徒然に。。。※ネタバレ含みます
{netabare}
■弱い奴は食われる
アシりパさん初対面でこれですからね。日露戦争の死線をくぐりぬけ「戦争で学んだのは殺されないことだ」と語る杉元ですから、根っこの部分で似た者同士だったのでしょう。豊富な知識を持つアシりパと戦闘に長けた杉元のコンビはバランスが良いし、二人とも勘が鋭いというかよく人間を観ている。これだけでも二人がぬるい人生を歩んでいないということがよくわかります。

■死に場所を無くした元新選組の面々
男が泣く理由として「死ぬべき時に死ねなかった」というのは充分なものです。100年生きると土方は嘯いてましたが、2期でどういう死に方をするのかは楽しみの一つです。死なんかもしれないけど。

■狩猟して食べるということ
クマ、シカ、リス、ウサギ、ウマ、あとなんか魚。狩猟して解体して調理するところまで見せる演出は新鮮でしたね。
ウチの親は解体を目の当たりにして牛とウナギが駄目になってたし、嫁は魚を三枚に下ろせない。生命をいただいている実感が乏しい時代にこのアプローチは素晴らしい。
だからこそ、感謝する意「ヒンナヒンナ」が活きた言葉となってきます。
{/netabare}


■軍人目線で観た時の杉元佐一
{netabare}※不死身の杉元って
まるで船坂弘軍曹だなと思ってたら同じこと考えてた人がいたみたい。
不死身の生命力と敢闘精神が語り継がれている昭和の軍人さんです。渋谷センター街入口にある大盛堂書店の創業者としても有名。本買う時はだいたいここで購入してます。
杉元以外でも史実をモデルとした人物が多数いる模様です。

※杉元の切り替えの見事さって
ギャグってたりほっこりしている中でも危機を察知したら一瞬で目つきが変わり戦闘モードに切り替わる描写が多用されています。これってもともとの日本の軍人さんの凄みなんです。温厚で優しく良く笑い平時はおおらかに構えていて、いざ有事となればスイッチが完全に切り替わる。史実本にはそのようなエピソードが多く書かれています。ゴールデンカムイでは旅順攻略に従軍した帰還兵が数多く登場しますが、軍人さんのイメージギャップが少ないことも魅力の一つとなってます。{/netabare}


エッセンスの部分は原作を踏襲しているでしょうし、原作既読組が物足りなく感じるというくらいなので、原作マンガも期待できますね。
この手の作品がウケるというのは日本もまだまだ捨てたものではないなと思う次第。最終的な物語の評価としては2期待ちとなりますが、導入部分としての1期も面白い、オススメの作品です。


以下、オマケ
注)これより以降の記載内容について、人によっては不快に思われるかもしれない政治・軍事的な内容を含んでおります。ネタバレ開く時はこれら承知の上で開帳してくださいね。



■切り替えについてもう一言(本編とは関係ないので暇な人向け)
{netabare}北海道繋がりということで占守島の戦いに触れておきます。
ポツダム宣言を受け入れると発表してからの昭和20年8月17日深夜、樺太最北端の占守島に突如ソ連軍が上陸を開始し武装解除済みだった日本軍と交戦した事案。敗走すればそのまま北海道が分割されていただろう局面で日本軍の奮戦により有利な条件で停戦合意に至ったという重要な戦いです。かって司馬遼太郎の上官でもあった戦車隊の池田末男大佐の猛烈な戦いっぷりや杉原千畝より多くのユダヤ人を救ったとされる樋口李一郎中将の戦闘継続の判断だったり、取り上げるべき人物も複数登場します。
長くなってしまうのでご興味あればご自身で調べていただければと思います。
その日は武装を解除しての残念会が催された日、つまりどんちゃん騒ぎしてしこたま酒をくらい、意識も戦闘終結後に内地へ復員してさて何やろうかなとでも考えてたりしながら就寝したタイミングでの敵襲来です。普通まともに戦えませんし、戦闘するという判断を下すのも難しい。しかし、満州でソ連軍がどういったものだったか現地も司令官も知っています。また戦闘意思なく降伏すればどうなるかも知っています。
短時間で武装を整え作戦を遂行し、結果として足止めに成功しました。闘う時は闘う。避けてなんとかなると言い切れない場合はリスク要因を徹底排除する。
この時点で白旗を揚げて降伏していれば?
日本人にとってはけっして面白い結末が用意されてなかったでしょう。

アニメに戻って…
杉元が殺気を見せて対峙しなければ?
同様の面白くない結末に至ってたでしょうね。{/netabare}

■アイヌの現在とやら(本編とは関係ないので暇な人向け)
{netabare}アイヌや琉球については日本人と区分けして分断を図ろうとする勢力が跋扈しており、現在のアイヌ協会は差別利権、補助金食いつぶし団体に。
DNA配列ないし森羅万象生きとし生けるものを神(カムイ)と捉える宗教観は日本人に属するものであり、一見独特に見える文化風習・言語も土台が同じところからその地域の風土により独自発展したものに過ぎないと私は考えてます。
私の物言いも解釈の一つ。独自の先住民か広義の日本人であるかの論争はあってしかるべき。
しかしながら協会に多数の外国人が入り込んでおり、アイヌの定義も不明確なまま、協会がアイヌと認定したらあなたはアイヌそして補助金みたいな出鱈目は正されるべきでしょう。彼らにとっては差別は未来永劫あって欲しいものなのです。
そういえば北海道に侵攻したソ連軍はこうも言ってました。
「アイヌを開放するよん」
占領(したい)地の統治政策、植民地政策の基本は『分断して統治せよ』、わかりやす過ぎます。{/netabare}



視聴時期:2018年4月~6月 リアタイ視聴

-----
2018.12.08追記

区切りの最終話の収まりがよければもっと高い点数をつけていたと思います。

命のやりとりを杓子定規にシリアスにしなければならないというのに以前から私自身は違和感があって、そこに、もともと生死は表裏一体、喜怒哀楽すべてを含んであっけらかんとした描写が本作で描かれていたことが新鮮でした。

-----
2021.10.16追記/配点修正 +0.2

うーん、、、なんだかんだ言わんこっちゃない展開↓
・2019年:「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」施行
・2020年7月12日:ウポポイ開業
・2020年:アイヌ団体、サケの漁業権求めて提訴



2018.07.01 初稿
2018.12.08 追記
2020.12.04 修正
2021.10.16 追記/配点修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 75

74.3 5 アウトローアニメランキング5位
東京リベンジャーズ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (388)
1430人が棚に入れました
人生どん底のダメフリーター花垣武道(タケミチ)。中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人・橘日向(ヒナタ)が、最凶最悪の悪党連合"東京卍會"に殺されたことを知る。事件を知った翌日、駅のホームにいたタケミチは何者かに背中を押され線路に転落し死を覚悟したが、目を開けると何故か12年前にタイムリープしていた。人生のピークだった12年前の中学時代にタイムリープし、恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する!

声優・キャラクター
新祐樹、和氣あず未、逢坂良太、林勇、鈴木達央
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

元ヤン、母校に帰る。

【紹介】
元ヤンがヤンキーやってた中学生時代にタイムリープして未来を変えるため奮闘する話。
暴力や殺人など刺激的なシーンが多いので苦手な方はやめたほうがいいかも。
シナリオはかなり雑で粗が多いけど面白い。
特に主人公の行動の妥当性のなさと、タイムリープの取り扱いの適当さが酷い。
キャラクターの魅力がすべてかもしれない。
バジ君、ドラケン君、ミツヤ君、マイキー君、千冬あたりが特に好きです。

きさきも含めて敵対するキャラにほぼ人間的な魅力がないのが欠点かも。
味方の魅力を描くのは上手でも、敵の魅力を描くのは苦手なのかな?

【タイムリープについて】
{netabare}
タイムリープはかなりご都合主義というか、いい加減ですね。
過去と現在を行き来して過去の出来事が未来に影響及ぼすのはいいのですが、その影響がかなり大雑把ですね。
それに、未来にいってる間のタケミチや過去変えた後未来に行くまでの十数年は当時のタケミチが自分の意思で動いている設定ですが、そのタケミチは大人の記憶がないので、あんな都合よく話が進まないとおもう。
細かいこと気にしないほうがよさそうです。
{/netabare}

【シナリオ】
{netabare}
タイムリープだけじゃなくシナリオも結構いい加減。

最初はヒナを助けるという明確な目的があったけど、その目的がいつの間にか暴走族の仲間を助けることにすり替わっていて、まずはヒナの安全確保という誰でも思いつくような当たり前の安全策をとらずに、ふつうはどうにもできるわけがない不良の抗争をなんとかすることばかり考えていて、都合のいいときだけヒナを助けるために根性で身体はってんだ!みたいな空気出すのがおかしいと思う。

最初からヒナは誰かに命狙われているわけじゃなくて、事故に巻き込まれているだけなんだから、抗争を止める必要なんてないんじゃないの?
タケミチが何度もタイムリープする動機付けのためだけに関係ないのに殺されるから不自然な感じがする。

きっかけはヒナを救うためでもいいけど、とりあえずヒナの安全を確保して、ドラケン君たちを気に入ってしまったから助けたいという風にタイムリープする目的を切り替えれば良かったと思う。

どっちかというと命狙われているのはヒナじゃなくてタケミチなわけで
劇中でもタケミッチ自身も提案していたが
事件の日付と場所だけマサトとヒナに伝えておいて、この日は絶対にここに近づかないようにって言うのが一番確実で安全な方法だと思う。
ふつうはまずこれを試そうとする。

その方法はマサトが、変な奴だと思われて嫌われるだけだからやめとけって言って止めるけど、これがこの作品で一番おかしいところ。
大事な姉の命かかってるのに何言ってるの?って思った。

それにヒナの性格からしてその程度で嫌うような子じゃないでしょうに

{/netabare}


【キャラクター】
{netabare}
こういう世界と全く縁がないので詳しくないですが、これって昔の暴走族ですよね? 
今はあんまりここまでベタな暴走族なかなかいない気がしますね。
登場キャラは多いが重要な人物とモブの書き分けもしっかりしているしキャラづけがしっかりしているので誰これ?ってのがあまりない。
生き方がカッコいいキャラが多くて魅力的。

残念なのはキサキ。
敵だからというのを抜きにしても魅力が低いですね。
やたら脅威感を強調されていますが、そんなに脅威でしょうか?
現状、ただの詐欺師ですよ?

こういう詐欺師キャラで本人の力が強くない場合って、
たいてい根っこがしょうもない場合が多い。
底がすごく浅そう。

圧倒的な力を持っていて、手が届きそうにない圧倒的な差があるって感じなら良かったんだけど、そうでもなくて
もし演技じゃないのなら、頭もそんなに良くないし、強くもないと思う。
暗躍するのも、そんなにうまくやっている感じもしない

それなのにみんなして、「きさきがこえーんだよ」「とにかくやべーんだよ」ばっかりなのが冷める。
なんでこんな口先だけの詐欺師にビクビクしてるの?
{/netabare}

【バトル】
{netabare}
自分のチームの総長が敵に囲まれて、卑怯な方法で一方的に攻撃されているのに、ぼーっと見ている人多すぎ。助けに行ってあげて。

あと、乱戦中に刃物で刺されるシーン何度かあるけど、刺した人は殺す気で刺していて、刺された人は無警戒で、不意打ちに成功しているのに、なんか変な場所刺しているのが雑だった。

マイキー君の兄は、あの武器の重さと一虎の叩き方からして一撃で即死になるでしょうか? 
ドラケン君はあの出血量だとたぶん死ぬと思うし、バジ君はあの位置刺されてもたぶん死なないと思う。こういうところもよくわかんなかった。


{/netabare}

【音楽】
主題歌はOPもEDもかなりの良曲で作品のテーマにもよくあっている。

【総評】
変なところで終わりますね。
このあとどうなっちゃうんでしょうか?早く続きが見たいです。
細かいことを気にしなければ面白いアニメだと思う。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 32
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

マイキー キックで Good Enough

原作未読

“ヤンキー”דタイムリープ”ですって。
水と油に見えてなかなかどうして化学反応起こっていい感じで乳化してくれた模様です。
“タイムリープ”要素が牽引役になるんだろうなぁと思いきや意外なことに“ヤンキー”が面白い一品。

(1)ヤンキー
ヤンキーものは苦手です。面白いと感じたことがないですね。そういえばどんなのあるかと人気ヤンキー漫画を挙げてた某サイトから引っ張ってきたのがこちら↓

 1位 東京卍リベンジャーズ
 2位 今日から俺は!!
 3位 クローズ
 4位 ろくでなしBLUES
 5位 ごくせん
 6位 ビー・バップ・ハイスクール
 6位 湘南純愛組!
 8位 ROOKIES
 9位 GTO
 9位 カメレオン
 11位 疾風伝説 特攻の拓
 12位 湘南爆走族

直近の調査だからってのもあって堂々の一位が本作。ちなみに当方まともに読んだのは4位6位くらいです。よくある“強い仲間意識”とかヤンキーものでなくても代替が利くし、“不屈の闘志”“拳の強さ”見るなら格闘漫画でよいのですよ。中高生でやる必要はありません。
一方、長渕剛や北野作品だったりコッポラ監督の一連シリーズはもちろん、あと当方のサムネがそうであるようにヤクザやマフィアもんは好きだったりします。両者の違いはさておき、本作には“本職”の匂いが色濃いのであります。たぶん中高生ものでは無縁なはずだった命のやり取りが描かれててそう感じるのかもしれません。物騒です。
一言で言えば、“男”がかっこいい。非行ものにありがちな荒んだ家庭環境的背景説明は控えめ。筋を通すやつと打算でごまかすやつらのギリギリな人間模様が描かれているのは社会の縮図ですね。


(2)タイムリープ
視聴のトリガーでした。が、けっこうザル設定でところどころ気分が削がれちゃって没入することは無かったと思います。
ただしタイトル“リベンジ”にあるように行動の根っこにあるのが主人公の“後悔”なので、繰り返しを経て濃縮されていくリープもののお約束は踏まえてたような。ちゃんとしたスパイスにはなってます。


全24話。最終話が兼総集編みたいで、これは2期含みといったところでしょうか。
2017年を現在と見立てそこから遡って12年。20代後半に差し掛かったうだつのあがらない主人公花垣武道(CV新祐樹)が過去改変目指してタイムリープ(の亜種!?)する物語。
ヤンキーものというより『仁義なき戦い』『ゴッドファーザー』を学生にやらせてみたら○○だった!な印象です。ヤンキーものは大概強いやつがメイン張りますが、本作では中田小兵二(こへーじ『ろくでなしBLUES』)や兼子信雄(ノブ『ビーバップ』)みたいな雑魚キャラが主役。ダメダメなしゃば僧が覚悟決めたりするわけでして、普段とのギャップにドキッとする仕様なのかと思えます。
ヤンキー特有のイキリ日常が延々と続くわけではないことは私が保障します。



※雑感

■小並感

ちなみにレビューのタイトルが『グーニーズ』からってお気づきだったでしょうか?
主人公マイキーはゲームだとキック専任でした。そんな1980年代。

{netabare}ドラケンは武道を気に入っちゃう。
「“譲れねえもんがある”。今どき女にそれ言うやついねえぞ。昭和だな」
マイキーも河原の土手と限りなく昭和的な場所でこうも言う。
「今って…不良がダセえって言われる時代だろ?」
「だからオレが…不良の時代を創ってやる。…(以下略)」{/netabare}

校内暴力やらヤンキーが跋扈してたピークってたしか80年代とのこと。

{netabare}それからどんどん減っていって、マイキー兄貴が不良やってた10年くらい前(1995年前後!?)までがギリギリ不良がかっこよかった時代だと言われると、『SLAMDUNK』のメインどころが不良設定だったのを思い出し、たしかにそうだと妙に納得する。
そして時は2005年。不肖ぺーが破壊王の訃報を旅先ホテルで知りその足で“知床遊覧船”に乗船した年ですね。そんなんどうでもよいとして、不良関連だと『青春アミーゴ』リリース年だったか。亀梨君や山Pが不良枠だったりでたしかにぬるい。ただの不機嫌そうなイケメンですから。{/netabare}

そんでもって本題。

{netabare}マイキーが理想とした“不良の時代”ってけっして現在(2017年)の東京卍會じゃないんだろうと思われる。
武道と同じく「こんなはずじゃなかった」人という対比も可能。時折マイキーが武道に「お前ほんとに中学生?」と匂わせツッコミするのってマイキーなりのSOSな気がしてくる。ヒナ弟みたいに仕組みを感づいているよないないよな。はたまた実はタイムリーパー仲間だったりしてね。{/netabare}

そんでもって副題。

鈴木達央さんのドラケン良かったよ。余人をもって代えがたしだと思うんだけどなぁ。


続きに期待してます。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「ゲームチェンジャー」

胸ぐらを掴まれて 強烈なパンチを食らってよろけて肩を並べうずくまった
予報通りの雨にお前はにやけて
「傷口が綺麗になる」なんて嘘をつく

いつも口喧嘩さえうまく出来ないくせして
冴えない冗談言うなよ
あまりのつまらなさに目が潤んだ

何度も青アザだらけで涙を 流して 流して
不安定な心を肩に預け合いながら 腐り切ったバッドエンドに抗う
なぜだろう 喜びよりも心地よい痛み ずっしりと響いて
濡れた服に舌打ちしながら 腫れ上がった顔を見合って笑う
土砂降りの夜に 誓ったリベンジ

Official髭男dismさんによるOP曲
「Cry Baby」
絶対カラオケでは歌えないKeyの乱高下による転調が特徴的だけど歌詞と共にタイムリープの繰り返しと転調の繰り返しが凄くシンクロ&マッチしています。

アニメファンにはヤンキー物は毛嫌いされてそうだけど…
主人公を応援したくなる物語の作りや漫画原作の良さである続きが知りたくなる見応えは十分。
2クール目も楽しみです。


視聴完了
うんリゼロことゼロから始まる異世界生活の現代ヤンキー版だった。

スピード感があって劇的な展開、一話の結びに気になる展開をもってきて続きが気になる引きの良さ。

無力感が漂う主人公が奥の手として使うリセットする能力、タイムリープと死に戻り…本質的には同じだし。

二期ありきの最後のしめだったのかな?二期するならリゼロみたく主人公が漢を見せたり、泣ける話を挟むとさらに面白くなりそう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22

71.5 6 アウトローアニメランキング6位
天晴爛漫!(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (260)
864人が棚に入れました
19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代・・・天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、凄腕だが臆病な侍『一色小雨』はある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、クレイジーなライバルと競い合い、アウトローや大自然から身を守り・・・果たして二人は過酷なレースに優勝し、賞金を手に入れ故郷へ帰ることができるのか!?

声優・キャラクター
花江夏樹、山下誠一郎、悠木碧、雨宮天、斉藤壮馬、折笠富美子、櫻井孝宏、杉田智和、興津和幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

迷わずいけよ いけばアンダスタン

P.A.WORKS制作によるオリジナルアニメ

全13話完走してなお、時代設定いつ頃だろうと悶々としてました。

新政府とか言ってるから明治にはなってるよね
新右衛門さん帯刀してるし廃刀令前の明治期1870年頃か?
モブの発明王がフィラメント閃いてるっぽいし1880年頃か?
あれ!?それ{netabare}(飛行機){/netabare}って20世紀だったような…

すいませんあらすじに書いてました。以下の通りだそうです。しっかり読もう前情報!

 19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代…


変わり者の科学小僧・空乃天晴(CV花江夏樹)が主人公。人情の機微を知らない偏屈科学者タイプです。となると横で振り回されるキャラが欲しくなるわけで、剣術道場の真面目そうな倅・一色小雨(CV山下誠一郎)がお目付け役となります。小雨は『一休さん』の新右衛門さんに見た目も雰囲気も似たお方。天才を引き立てる凡人代表です。
巻き込まれた一騒動から逃れるどさくさで船に揺られてロサンゼルスへ到着。アメリカ横断ウルトラク…大陸横断の自動車レースに挑むってお話です。

天晴(あっぱれ)が小っちゃい頃に蒸気船を見て目覚めちゃったというのが根っこなので、エンジニア奮闘記みたいなのをレースを題材にしてやるんだろうなぁと期待。偏屈な天晴と凡人小雨のキャラ配置は盤石そうです。
そうして楽しめたのが中盤まで。味変が生じて好みが別れそうな終盤が待ち受けてるのでお楽しみを。


味変1:キャラ変
{netabare}天晴には最後まで自己中な偏屈小僧でいって欲しかった。豆腐メンタル化して萎えた。{/netabare}

味変2:??
{netabare}レースそっちのけになっちゃった。こちらはまあOK。{/netabare}


あまり気をてらわない王道らしい作品かと思います。
早々にキャラを勢揃いさせて固定メンバーを深掘りしていくスタイル。起承転結の転があってきちんと与えられた尺で完結する。画も崩れちゃったら何言われるかわからないブランド制作会社です。バトルアクションも背景も砂ぼこり舞うレースシーンもいい感じですよ。
このルート66っぽい導線や先々の経由地で物語が動くことから『イージーライダー』的なものを想像しました。かなりおちゃらけてますがね。

ただし、エンジニア奮闘記を期待してた私はちょっと肩透かしを食らって影を落とした感じです。わりとご都合だったのであまり気にせず臨まれることをオススメします。
総じて…良さげなパーツを揃えているんだけど作り始めるとしっくりこなくて、それでもなんとか完成品の体裁を整えた感じ。でこぼこならそれで尖らせればよかったのに、となんとも惜しい作品です。



※ネタバレ所感

■新しい時代の幕開け

{netabare}自動車レースの妨害については、自動車の台頭を快く思わない鉄道王っぽいおっさんの依頼をもとにギル(CVツダケン)は動いていたわけでした。新しい時代の胎動そして抵抗。
それであっさりおっさんを殺しちゃってるわけで、そうするとレース妨害する理由がなくなるわけで、それでもレースの邪魔を続けるわけで、そこで持ってきたのが

 力が支配する世界をきぼんぬ!

だそうです。時代設定がそうだからって世紀末救世主伝説に寄せなくても良かったのにと思いますけど、あまり理由は重要視してなかった模様。まあむき出しの暴力が支配する西部劇世界の終焉という見方もできますが、それにとって代わるのが科学技術というのもピンときません。
時代に取り残された徒花って設定も嫌いではありませんがそういうわけでもなさそう。動機づけが弱かったです。{/netabare}

{netabare}レースを楽しむでもエンジニア奮闘記でもなく、“レース仲間VS悪いやつ”にシフトしていくのは構わないのでラスボスは憎たらしい悪役らしい悪役にさせて欲しかったですね。
ホトト、シャーレン、アル、偽ギル兄弟、ディラン、そして杉田…じゃなかったTJと各々いい感じで掘り下げられていました。そこに天晴と小雨も加えたレース仲間たちの魅力と釣りあいを持たせることは至難だったかもしれませんが、ここさえよければレースそっちのけでも評価上げてたと思います。{/netabare}


■なんか気になった些細なこと

1.{netabare}レース実況役の平田真菜さん。『ケンガンアシュラ』でもリング実況でした。{/netabare}

2.{netabare}シャーレン(CV雨宮天)がストⅡの春麗っぽい。一瞬スピニングバードキックのカットいただきました。{/netabare}

3.{netabare}本作MVPはシャーレン雇い主のおっさん。かっこよさが群を抜いてました。{/netabare}

4.{netabare}いやアルのお付きソフィア(CV折笠富美子)かも。テキーラをショットでいける女性には惚れる。{/netabare}


■いいよね!近現代

100年前くらいの設定。場所はアメリカ。街並み背景が楽しいです。このちょっと昔ってのがやっかいで、大昔なら山村の田舎を想像しながら文明の利器を排除すりゃOKで済むのがそうはいきません。
同じP.A WORKSの『天狼』では昭和初期でした。こちらも背景画が楽しかった作品。しっかりノウハウ溜めてると思うので、この“ちょっと昔の世界”で大作つくらないかしら?とひそかに期待してます。
いい脚本家呼んでくださいね。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

-----

2020.09.26 初稿
2020.11.02 タイトル修正
2021.06.16 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャノンボール(チキチキマシン風味)? → では、ありませんでしたね…。

「北アメリカ大陸横断レース」っていうのは、たびたび物語の題材にされますよね。映画『キャノンボール』しかり、漫画『スティール・ボール・ラン』しかり。

何で移動するかは時代設定によりいろいろありますが、本作では時代はガソリンエンジン自動車黎明期ということで、蒸気自動車もしくはガソリンエンジン自動車ということのようです。

一度春アニメとして4月スタートしてから新型コロナウイルス禍で中断、7月から再スタートということでここまでまだ新しい話数の放送はないのですが、放送された分の作画に関してはとても安定していると思いました。

第1話でのドタバタで図らずも地元から逃げて不法出国(?)して太平洋を横断してしまった明治維新から間もないころの発明家である天野天晴(あまの あっぱれ)、それに巻き込まれた形で許嫁を日本に残して付いていくことになってしまった一色小雨(いっしき こさめ)といった辺りをメインにお話は進んでいきます。

第1話冒頭ではレースにエントリーしている各車のスタートシーンがありますが、作中設定で「ビッグスリー」的な自動車メーカーがあるらしく、おそらくそれらの製造した自動車はわれわれが「クラッシック・カー」としてイメージするそれのデザインですが天晴の作った車の色物感は際立っています。

スタートシーン以降は、ここまでの3話ではまだレース本番は開始されておらず出場までへの経緯が描かれている感じですが、レースが始まってしまえばロードムービー的な要素も出てくると思われ楽しみですね。

登場キャラクターの男女比的に女性に偏っていない、というかむしろ男性が多いようなのでその辺りにも期待しています。
==

2020.9.28追記:
最終話まで観終わっていましたが、レビューの更新が遅れていました。

チキチキマシンのような参加者同士での妨害という流れから、レース開催そのものへの妨害という事態に至り、たぶん視聴者が(勝手に(?))期待したような作品にならず「裏切られた」という気持ちになった方も多かったのではないでしょうか。

個人的にはこの展開は「なし」とは思わないのですが、それでももっと全体的に常に楽し気な空気の作品を自分もどこかで期待してしまったせいか、ちょっとガッカリな部分もありました。

ちょっともったいない感じもします。観て後悔したということはないのですが、他人にはあまりお勧めしないかな…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

A級が作るB級アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
P.A.WORKS制作のアニオリ作品。20世紀初頭、西部劇のような世界観の中で、アメリカ大陸横断レースに参加する侍と天才技師という、かなりとっちらかった、B級感溢れる作品。

それを、(私の中では)A級制作会社のP.Aが意図的に作っているというのが興味深かった。

私の評価は、☆4(高評価)に近い☆3(普通)です。車は加速しましたが、アニメ自体は後半に失速したように感じたので。レビューでは、その辺の原因と、本当はどんなアニメになることを期待していたかを書きたいと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤~中盤はB級感を漂わせながらも熱いシーンがあって、シンプルに楽しめた。

しかし、終盤、ギルが登場してからはやや失速。

その理由は明らかで、「レースもの」が「バトルもの」になったから。

後半のレースなんて、かなりオマケくさい。あれだけ延期や変更、修理を繰り返していたら、もはやレースとしての体を成していない。

その上、「じゃあメインになったバトルはどうなの?」といえば、こちらも中途半端。なんのドラマもなく、ギルがディランとTJに普通にボコされて終わりという肩透かし感。ギル、急に弱くなったけど(苦笑)

ラストのトランクのクダリも、ギルの悪行に対してギャグで流すのは、なんか違う感じがした。

勿論、良いところもたくさんあるアニメ。

5話までの仲間集めや車作りはワクワクしたし、天晴が次第に成長し、人間らしくなる描写には上手さを感じた。毎回の小雨の「予告を途中で切られるオチ」にはセンスの良さを感じたし、11話のシリアスで「P.Aが本気出せばこれだけ雰囲気変えられるぜ」って感じも痺れた。

だからこそ、「もったいなさ」を凄く感じる。

私は、もっとレースを観たかった。

本作に最初期待したのは、大陸横断レースを通し、「天晴は車をどんどん(トンデモ)進化させ」「それを(仲間になると思っていた)シャーレンが操り、男レーサーどもをぶっちぎる」。「ホトトが地元の知恵で近道を探したり自然現象を味方にしながら」「小雨が、暴力に訴えてくる敵をバッサバッサと切り捨てる」。

そういう、「足りない部分を補いながら、この過酷なレースを勝ち抜き、それぞれが成長していく、大エンターテイメント作品」を、私は期待していました。

その中で、魅力的なライバルや、厄介なサブキャラを深めていってもいいし、鉄道対自動車の政治的な駆け引きの中でのイザコザや、小雨とシャーレンのラブコメなんかもみたかった。

汽車を車で止める、悪を正義が止める、というラストも確かに熱いかもしれないけど、それより、「切磋琢磨してきたライバル達の、純粋なレースとしての決着」の方が、熱いと思うんだよな~。

P.A.WORKSは大好きな制作会社で、アニオリを連発する挑戦的な姿勢は応援したい。「true tears」から始まり、「Angel Beats!」「花咲くいろは」「TARI TARI」「凪のあすから」「有頂天家族」「SHIROBAKO」「サクラクエスト」など、「小さな世界を丁寧に描く力」が物凄く強く、上記の作品はいずれも面白い。

それが、「クロムクロ」あたりから違和感を感じ、「Fairy gone フェアリーゴーン」、本作もそうだか、「大きな世界を壮大に描く」作品は、そこまでの魅力を感じない。

勿論、先を見据えて、色々分かった上で色んなジャンルに挑戦しているのだろうけど、「餅は餅屋」というので、P.A.さんにはそろそろ、元の路線に戻ってほしいと、いちファンとして思っている。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
作画は安定し、キャラクターも掴みやすい。ちゃんと出来ることの範囲でムチャしている。とりあえず、流石のP.Aかな。地味だけど(笑)

2話目 ☆4
仲間が集まる過程は面白い。シンプルな天晴。不可能への挑戦。保守的な小雨と、革新的な天晴。バランス良いよな。メカニック、ドライバー、護衛と、キャラの配置もバランスよし。

3話目 ☆4
更に、ナビゲーターか。なるほど、天晴も正しい(納得した)アドバイスにはすぐに従うのか。え?➡え?(笑) セグウェイじゃねぇか(笑) アル、格好いな。

4話目 ☆4
再開おめでとうございます! レースというより、レース後が熱かった。

5話目 ☆4
イロモノしかいねぇな(笑) キュウリの早切り(笑) そして、1話に戻る。

6話目 ☆3
絶対にホトトの仇だよな。天晴、格好良い。偽物なのは分かりやすいが、いい人っぽく描かれるのも違うと思う。

7話目 ☆3


8話目 ☆3
あまりにもB級な展開で、ちょっと寒い。

9話目 ☆3
平和な日常回。ハイブリッドエンジンは、和洋折衷の比喩かな。

10話目 ☆4
圧倒的な暴力。まさか、小雨が死にはしないだろうが。

11話目 ☆4
急なシリアス。冒頭の小雨フザケもなし。作画の力の入れ処もよい。あとは、天晴の感情移入の度合いか。小雨ドッキリ(笑) 医療技術が暴力を超える。レースが中止になっても勝手にゴールする。確かに。あそこで医師を誉める天晴が素敵。

12話目 ☆3
さすがに、何じゃこりゃはふざけすぎ(苦笑) カンフーバトルは格好良かったけど。

13話目☆2
なんかかなりアッサリ終わったな。からの~(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34

65.7 7 アウトローアニメランキング7位
魔法少女隊アルス(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (100)
661人が棚に入れました
魔法にあこがれていた人間の少女アルスは、ある日、魔法の世界にいた。
なぜか人間なのに魔法を覚える事ができたアルス。見習い魔女のシーラ、エバと出会い、アルスはこの未知の世界に期待を膨らませるが、実際は「魔法は人を幸せにする」というアルスの思いが通用しない世界だった。
妖精の捕獲、魔女と魔族という魔界の勢力同士の対立と戦い、アルスが父親からもらったという真の魔道書の存在と秘密、そして渦巻く陰謀…さまざまな状況に巻き込まれたアルスの運命は…。

声優・キャラクター
小島幸子、桑島法子、広橋涼、田中敦子、来宮良子

あいすまん.第一形態 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

これ・・・面白いんですよ。(迫真)

レビューが少ないようなので贅沢に。

皆さん天才ビットくんをご存知でしょうか?NHKで午後6時くらいに子供がキャッキャッしてたあれです。
これはこっそりあれの合間に1話10分弱のアニメ枠として放送していたアニメです。ジャンルはダークファンタジー。

中学生の頃に家に帰ってチャンネルを変えてると第1話をやっていました。絵を見てわかる通り明らかに小さな子供向けではない。深夜アニメを見慣れていない自分は「なんだこれ!?」と驚きました。

呆気にとられていると1話はすぐに終わってしまい、また少年たちがはしゃぎ始めました。何か変な夢でも見たような心地だったのを覚えています。
ネットなんて触れないし友達にも天才ビット君なんて恥ずかしくて聞けないものですから、何の情報も入ってきません。

翌日部活を終えて急いで帰宅すると、またやっていました。しかしやはりすぐに終わり、また少年たちが画面に映って遊び始めます。
部活が遅くなったり、晩御飯の時間とかぶったりで見られない事も多く、そのせいか僕はこのいつ消えるか分からない10分間がたまらなく待ち遠しかったんです。

何が言いたいかって? 少なからず補正がかかってるって事です。

でもそれはこのアニメの魅力だとも思います。「1話10分弱」「子供の見る枠なのに子供向けじゃない」この2つだけでも宝物を見つけた気分になりませんか?


さて内容について。

第1話は少女アルスがいきなり魔法の世界に迷い込んでいる所から始まり、そこで彼女は2人の魔法少女と出会います。
人間の世界でも彼女は勝気な少女。いじめっ子ぽい男子にも引けを取りません。
彼女はもともと魔法や魔女の存在を信じていて、彼女なりの理想があるようでした。

しかしこの世界で魔法を使うのにはある対価が必要だったのです。
魔法の世界を夢だと思う一方で、現実の魔女と自分の空想の魔女とのギャップに苛立ちを覚えるアルス。
「魔法は誰かを幸せにするためにある」「信じていれば魔法は使える」アルスのおとぎ話のようなセリフに苛立つ魔法少女。

何故か魔法を使え、魔女におびえる精霊とも仲良くなってしまうアルスはこの世界で明らかに特別です。どうして彼女は魔法の世界に迷い込んだのか。どうして魔法が使えるのか。それも魔法世界の姿と共に少しずつ明かされていきます。

テンポが速く絵も凝っていて、ストーリーを追うのにストレスを感じることは少ないと思います。

wikiによると中盤は物語が破綻しがちなんだそうです。
これにも一応監督さんの狙いがあるそうなのですが。
自分は短編集のような気分で見ているので気にならないんですよね。

某魔法少女よりも断然こっちが好みです。

可愛らしいけどちゃんと大人も見られるダークファンタジーだと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エロ・萌ぬきで 楽しんで観れた魔法アニメ

 もともとNHKの「天才ビットくん」で放送されたアニメだそうです。

 微エロ・萌のストパンを見終り 他の魔法アニメは ないかなとあにこれで検索していたら出てきました。レビューも観ておもしろそうだったので 観始めたら止まらなくなり またまた夜遅くまでとなりました。絵柄に特徴があり 魔法の世界らしさを十分に出していました。

 あらすじは省略しますが 大人が観ても楽しめるアニメで アルスちゃんのストレートな言葉が 胸に響きます。全部で40話あるのですが1話10分位なので 続けて観れます。


 



 パチスロにあると知ってちょっとショックです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9

JBさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

思う心があれば誰にだって魔法は使える

1話10分のショートアニメだけど40話あります@w@
絵本の中に入り込んだような、結構ポップなデザインで
とても面白い世界観でした。
そんな魔法界に人間界で生活していたアルスが突然現れて
魔法の実態を知ったアルスは、
魔法に対して人一倍思い入れがある自分の信念を貫き、
「魔法でみんなを幸せにする」と「魔法界を変えてみせる」と
熱血魔法少女が頑張るのですが、それだけじゃ終わらない物語。
物語はちょぴり荒削りなところはあるけど、
かなりいい仕上がりになっていて感動できます。
また、日本のテレビアニメでは珍しく、アフレコではなく、
声優の声を先に収録してから画面作りを行なう
アクターズ・レコーディング(アクレコ)を
制作手法として取り入れている為、その事を知ったうえで観ると
映像展開というか演出に「なるほど、通りで」と感じられる場面があり、
隠れた名作だと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 8

71.0 8 アウトローアニメランキング8位
スペースコブラ(TVアニメ動画)

1982年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (156)
655人が棚に入れました
戦いの記憶を消し、平凡なサラリーマンに身をやつしていたコブラだったが、アクシデントに巻き込まれたことをきっかけに再び冒険のスリルを求めて宇宙へと旅立つ。折りしも悪の組織ギルドが謎のイレズミを背負った三姉妹捜しに躍起になっていた頃、コブラはそのひとりジェーンと知り合う…。

声優・キャラクター
野沢那智、榊原良子、藤田淑子、小林清志、高島雅羅、加藤精三、内海賢二

KANO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

本気で欲しかったサイコガン

懐かしの作品
当時まず連載時の原作を読んで衝撃を受けました。世界観もさながら、出てくる女性のコスチューム、少年時の私には大人の世界に足を踏み入れるかの様な想いを今も憶えています。
内容は、最終兵器の探索、クリスタルボーイとの死闘、ラグボール、海賊ギルドの首領サラマンダーとの対決、当時食い入る様に観ていました。
歳バレですが、リアタイ視聴時、最終回が小学校の修学旅行とかぶり、クラスの男子半分ぐらいで行かんとこうか?となったのを憶えています。ですが私の家に買ったばかりのビデオデッキがあり、後日毎日のように上映会があり、古き想いでの作品です、当時は飽きもせずに繰り返し繰り返し観ていました(^^)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18

しゃあ・あずなぶる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒューッ!

左腕にサイコガンを持つ、宇宙海賊コブラの活躍を描くSFアクション。

とにかくコブラがカッコいい。
1982年の作品だが、今見ても充分面白い。
宇宙が舞台になっていても違和感がそんなにないのは、今も昔も思うところはそんな変わらないからかな。

敵味方問わず、魅力的なキャラクターやストーリーを是非堪能して頂きたい。
全31話を見るのに躊躇するなら、取り敢えず1話を見て「ラグ・ボール」編を見る事をお勧め。


それでは、次回「別のレビュー」でまた会おう^ー^

投稿 : 2024/04/13
♥ : 13

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いわゆる「アメコミ」

少年ジャンプにおける銀魂やシティーハンター、北斗の拳などのいわゆる劇画路線の開祖である。その前にもいろいろ劇画はあるが「アメコミ」や「バンドデシネ」を意識した画面作りは「コブラ」のヒットから始まっている。

バンドデシネ作家のエンキビラル、メビウスやアメコミ,SF作家のフランクフラゼッタ、ボリス・ヴァレホなどの絵と酷似している。。。。だけでなく、ヘビーメタルやロックに詳しい人なら知っていると思うが、70年代から80年代にかけてのバンド系のレコードの表紙は必ずと言っていいほどSFやファンタジーのオタク的なイラストがそのまま使われている。

と、言うのも。。。だいたい有名どころのロックシンガーは実はかなりのSF、ファンタジーファンであり小説やらパルプ雑誌を読みふけりながら葉っぱと酒と女にラリっているというとんでもない人が多い。リア充なんだかオタクなんだかわけわからないが、海外のファンは日本と違ってオープンであり、ギークやナードはどちらかといえば小心者を指す言葉になっている。

そういったカウンターカルチャーと呼ばれる文化は日本にも波及し、80年代を席巻した。音楽にしろ、漫画にしろこの頃の作品はやたらとアメコミ調で、世界は荒廃しており、男は皆モヒカンで世紀末な格好で、女はビキニアーマーを着ている半裸のねーちゃんなのである。

寺沢武一先生は、これに関して「私はバーバレラ(フランスの60年代エロティックSF漫画及び映画)から影響を受けた」と言ってたらしいが、確かにそれは出発点ではあるものの、全体的には当時のフランスSF漫画雑誌メタルユルラン(英題:ヘビーメタル)調であり影響受けてないはずがないのである。北条司や荒木飛呂彦、三浦建太郎、原哲夫。。。挙げたらキリがなくなるくらい影響を受けている。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12

67.0 9 アウトローアニメランキング9位
錆喰いビスコ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (197)
578人が棚に入れました
全てを錆びつかせる≪錆び風≫が吹き荒れる日本。人々は街や生命を蝕む錆に怯えながら暮らしていた。忌み嫌われる≪キノコ守り≫の一族の少年・赤星ビスコは、瀕死の師匠を救うため、全ての錆を浄化する霊薬キノコ≪錆喰い≫を求めて旅をしていた。旅の途中、忌浜(いみはま)で出会った美貌の少年医師・猫柳ミロもまた、大切な姉を蝕む錆の対処法を探していた。愛する者を救うべく、ふたりの少年が手を取る時、新たな冒険が始まる。人の心までは錆びつかない。

声優・キャラクター
鈴木崚汰、花江夏樹、近藤玲奈、富田美憂
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

錆喰い

OZ制作。

全てを錆びつかせる錆び風が吹き荒れる日本、
人々は生命を蝕む錆に怯えながら暮らしている。
指名手配犯ビスコは全ての錆を浄化する、
霊薬キノコ、錆喰いを求めて旅をしている。

初回を観る限りですが、
退廃した終末の世界観が良く描かれている。
東京は爆心地であり、崩壊しているのか、
群馬など県境には壁が並び、関所があるようだ。

独自の社会システムが機能しているのか、
{netabare}現状を打破すべくビスコによるキノコテロ、
いやきっとこれこそが、生存戦略なのでしょう。{/netabare}
キャラクターもまずまず興味深いですね。

世紀末キノコアクション!?

最終話視聴追記。
{netabare}当初は世界設定に興味が持て、
それなりには楽しめたのですが、
9話の衝撃の告白で心が挫け、
どこかで見た滅びの鉄人との超展開、
中盤以降、徐々に興味を失っていました。{/netabare}

アニメでは真価を発揮できずでしょうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 36

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

錆びつかない設定と、錆びついたシナリオ

日本中に吹くすべてを錆びつかせる風に怯えながら暮らす人々。
そんな中、錆に蝕まれた大事な人を助けるために2人の少年がコンビ組んで旅をする話でナウシカっぽい世界観設定のアニメ
こういう独特な設定は面白いけど扱いが難しいですね。うまく扱えていない印象でした。
キャラクターは良かったし雰囲気は良くて面白かったけど、シナリオは微妙。

【設定が変わってる】
ビスコの能力や敵の攻撃などがかなり独特で面白い。
キャラクターはビスコの傲慢さがたまに気になるけどいいキャラクター多いです。
ミロがデザインも声も性格も好き。

【音楽】
OPもEDも良曲。

【シナリオ】
序盤、世界観の設定があまり説明されないまま話が進むけど、よくわかんないけどなんか面白くなりそうな感じがずっと続く不思議な作品。
話としては最後まで「面白くなりそう」のまま終わった感じ。絶賛はできないけど、キャラクターが良かったので楽しめました。

二人の目的ははっきりしていますし、旅に出てからはだいぶすっきりして見やすくなりました。

最初は唐突に説明なく過去のエピソードをはさむタイミングが悪くてわかりづらくてとても見づらかった。
そういった3話くらいまでのごちゃごちゃした感じをすっきり作れていれば良かったのと、話の展開が微妙なことが多かった。
それ以外の部分はなかなか良い感じで雰囲気も良く安定して楽しめました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

二人のアカボシ

文明崩壊後、全てを錆びつかせる”錆び風”が吹く、荒廃した日本を舞台に、
“キノコ守り”の少年・赤星ビスコと、町医者の美少年・猫柳ミロの旅路を描いた
同名ライトノベル(未読)のアニメ化作品。

【物語 3.5点】
原作1巻分の内容をジックリ1クールで。

序盤3話こそ、トリッキーな時系列前後もあるが、
後は古き良きディストピアを驀進する
アウトロー冒険譚が淀みのないペースで繰り広げられる。

掛け合い含めたノリは良くも悪くも旧世紀末のアクション映画風味。
いつも血塗れなアイツ、ま~た死に損なったのかw
やっぱりラスボスはイカれているのかw
ま~た最終決戦前に{netabare}美女とキス{/netabare}するのかw
洒落たセリフで煙に巻いているけど、これって結局オマージュと称したヒット作からのパクリじゃないかw
芸が無いなと苦笑しつつ、内心は興奮しながらTVロードショーを鑑賞していた
あの頃を思い出しますw
こういうノリが許容できるか否かが折り合いのポイント。
私は、何もかも皆懐かしい……という心境で終始楽しめました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・OZ

聞き慣れない制作会社だが、
陣容は碇谷 敦監督が『ID:INVADED』制作時のメンバーで固めたとのことで、
作画ソースは潤沢ではないが、チームワークは良好だったのか、
工程管理不足による乱調はあまり見られず、
海獣が空を舞う等、尖った世界観の再現に注力できている。

幼少時、動植物、魚、きのこ等の図鑑の写真イラストに、
メカニックの精密さに通じるトキメキを感じた方には刺さるデザイン。
エスカルゴ空機とか最高じゃないかw

銃火器よりも、“キノコ守り”がキノコを咲かせる菌糸を仕込んだ弓矢が上位に来る。
燃費、戦費を無視したバイク、戦車と巨大生物、古代兵器との乱戦。
など戦闘シーンもマニアックだが私は好き。

世間で、右肩上がりの不揃い手書き細字フォントが猛威を振るう中、
ゴツい毛筆調のタイトルフォントや、
太字ゴシックの“群馬”看板などを譲らないのもツッパってます。


【キャラ 4.0点】
“キノコ守り”ビスコだの、町医者・ミロだの、{netabare}チロル{/netabare}だの元気が出そうな菓子名で、
アクが強いメインキャラを固める。
入れ替わりの激しい菓子業界でしぶとく生き残っている菓子名でもあり、
その点からも懐古の主張を感じます。

無敵の最強(恐)アウトロー・ビスコの猛進を、
ひ弱だったミロが知識と医術で視界を補いつつ共闘している内に、
染まっていくのも凸凹バディの典型。

ミロの姉御で凶暴ライダーでもある忌浜警備団長パウーが執拗にビスコを追跡する内に……。
というのもお約束の流れ。


生物では、横歩きより前へ突進する進化を選んだ巨大蟹・アクタガワの“暴れ馬”ぶりが強烈w
上に跳ぶためのジャンプ台でもあるエリンギと合わせ、
動植物ですら下や横道を拒絶して、諦めが悪過ぎるアウトローの生き様の熱量アップに貢献。


【声優 4.0点】
主人公ビスコ役の鈴木 崚汰さん。
個人的には『かぐや様~』の石上会計の草食系な演技の印象が強く、
無頼のアウトロー熱演は新鮮。終盤のバトルなど敵よりビスコの方が鬼気がありました。
ただ、恋バナにはウブなビスコ。動揺する声が可愛かったですw

相方ミロ役の花江 夏樹さん。
優しい町医者さん→空中から弓で狙撃する武闘派へと変貌していく成長度合いを、
声の変化を付けて好表現。最後はどっちがビスコか分からない程ドスが効いてましたw
患者をちゃんと叱れる医者こそ名医です。


彼らに対峙するのが、忌浜県のブラック知事・黒革役の津田 健次郎さん。
クライマックスでは{netabare}テツジンのうめき声{/netabare}までカバーするボスキャラぶり。
ネットリと憎悪を煽る挑発的な声で、メイン二人の怒りの演技をスムーズに引き出す。


シャビ役の斎藤 志郎さん。
荒涼としたディストピアには、ベテランの濁声(だみごえ)のスパイスが欠かせません。


【音楽 4.0点】
劇伴は椿山 日南子氏が多彩なジャンルを駆使して、
文明崩壊後の日本の無国籍感や、心情曲まで幅広くフォロー。
椿山氏に背中を任せた上田 剛士氏が
ハードなロックやテクノを剥き出しにして、思う存分暴れ回るコンビネーション♪
{netabare}最終話ED{/netabare}でもある「ぶち抜け!」辺りは中々のアドレナリンブースターぶり。

OP主題歌はJUNNA「風の音さえ聞こえない」がロックサウンドでディストピアに殴り込み♪
この方どこかで……と思ったら、『まほよめ』OP歌手だったのですね。
曲調、違うから分かりませんでした。意外とロックがお好きなんだなとw
挿入歌「フラクタル」ではバディの結束が深まる瞬間を詩的なロックで捉える。

ED主題歌はビスコ&ミロ「咆哮」
人情ノスタルジー歌謡曲?でデュエットしているのを聞いている内に、
脳裏に浮かんで来たのが、レビュータイトルだったのですが、
この曲、覚えている方どれ位いらっしゃるのでしょうかw

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25

63.1 10 アウトローアニメランキング10位
殺し愛(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (131)
395人が棚に入れました
とある「仕事場」で対峙する 2 人の殺し屋。 クールな賞金稼ぎの女・シャトーと謎多き最強の男・リャンハ。 シャトーはこの交戦をきっかけにリャンハと敵対――するはずが、なぜか彼に気に入られ、つきまとわれることに。 彼女はなし崩し的にリャンハと協力関係を結んでしまうが、彼を狙う組織との抗争に巻き込まれていく。さらにその戦いは、彼女の過去とも関係しているのだった。 リャンハはなぜシャトーに接近するのか。シャトーに秘められた過去とは。 相性最悪の 2 人が織りなす、「殺し屋×殺し屋」の歪なサスペンス。 奇妙な運命の歯車がいま動き出す。


声優・キャラクター
シャトー・ダンクワース:大西沙織
ソン・リャンハ:下野紘
エウリペデス・リッツラン:堀内賢雄
ジム:天﨑滉平
ホー:前野智昭
ジノン:村瀬歩
ニッカ:森田成一
ミファ:日笠陽子
ドニー:大塚芳忠

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

後半まで我慢

サスペンスですかね。好きなジャンルですが、テンポが遅い。特に前半はクールな女賞金稼ぎのシャトーに、強い男殺し屋リャンハが絡むシーンが多い。
何故絡むのかとか、謎が小出しでなかなか話が進まない。そして、シャトーが無口、無表情、ぼそぼそ話す、クールではなくコミュ症に見える(声優さんは悪くない演技指導の問題)。対してリャンハは軽いノリで話す。この二人の絡みが相性悪いと言うか、盛り上がらない。私は第8話辺りから面白くなったので、前半で断念した人いるのではと思います。

作画は普通かな、戦闘シーンも普通、と言うより相手が銃持ってるの分かってるのに、ナイフで挑んできたり、頭撃たれて軽傷、避けてる描写も微妙等、ツッコミ所がある。キャラ絵はシャトーが無表情過ぎて幸が薄い女性に見える、リャンハは目が細過ぎ&死んだ目で私は気持ち悪かったです。たまにキャラがディフォルメ化したりギャグ顔になるが、このアニメの雰囲気に合っていない。

私はまだアニメは断念した事ないんですが、たぶん配信で一気観してるからだと思います。リアタイだと断念するなぁと思うアニメです、後半面白くなるから我慢して観てくださいとしか言えません。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

殺し屋たちが織りなす歪なサスペンス

この作品の原作は未読です。
さおりんが出演されると知り視聴を決めた作品です。
さおりん演じるシャトー・ダンクワースと行動を共にするのは、凄腕殺し屋のソン・リャンハ…
CVは下野さん…相変わらず出演率高いですね^^


とある「仕事場」で対峙する2人の殺し屋。
クールな賞金稼ぎの女・シャトーと謎多き最強の男・リャンハ。

シャトーはこの交戦をきっかけにリャンハと敵対
――するはずが、なぜか彼に気に入られ、つきまとわれることに。
彼女はなし崩し的にリャンハと協力関係を結んでしまうが、
彼を狙う組織との抗争に巻き込まれていく。
さらにその戦いは、彼女の過去とも関係しているのだった。

リャンハはなぜシャトーに接近するのか。
シャトーに秘められた過去とは。
相性最悪の2人が織りなす、「殺し屋×殺し屋」の歪なサスペンス。
奇妙な運命の歯車がいま動き出す。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

原作の連載が未完なので、まぁこんな感じの終わり方になりますよね^^;
結局解明された謎は数えるばかりでした。
終盤で表情は目まぐるしく変わりつつも、未だ胸の内を明かさないシャトーちゃん…

シャトーちゃんやリャンハの生い立ちなど、今の2人を構成している要素の殆どが欠落しているので、色々と分からないことだらけではあるのですが、それでも結構楽しみながら視聴できたのは、リャンハの1本筋の通った立ち振る舞いと、そんなリャンハとの距離感が徐々に縮まっていくシャトーちゃんを見ているのが純粋に面白かったから…^^;?

加えて、断片的に描かれた生い立ちの顛末が、決して無駄にはならなかった構成も満足感を助長してくれたんだと思います。

ラストまで視聴して振り返ってみて思うこと…
公式サイトのトップページやイントロダクションでも「歪」という単語が使われていましたが、蓋を開けてみると、少しも歪では無かったということ…
寧ろ、今回描かれた展開以外に転がった方が歪だし違和感を覚えると思います。

アニメーション制作は、プラチナビジョンさん。
これまで「デビルズライン」「この音とまれ!」や「怪病医ラムネ」などを手掛けてこられたようです。
個人的には「丁寧な作り込みを目指そうとしている制作会社」という印象を受けました。
「この音とまれ!」などは、とても感動させて貰いましたが、お箏の演奏する運指や動作にはもう少し頑張って欲しいと思える点があったのを記憶しています。

でも、これが普通なのかも…とも思っています。
まぁ、上を見たらキリがありませんしね^^;
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、増田俊樹さんによる「Midnight Dancer」
エンディングテーマは、小林愛香さんによる「マコトピリオド」

1クール全12話の物語でした。
私にとって総じて楽しませて貰った作品でした。
シャトーちゃんとリャンハはこれからどうなっていくんでしょう…
そして二人の終着点はどんな形をしているんでしょうね。
そう考えると気になることが結構残っています、と言うか、気になることだらけなんですけど…
ここでアニメが終わってしまわないことを祈っています。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 11
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ラブコメと言うよりはミステリーだった。

{netabare}
主人公たちが殺し屋、だけど戦闘アニメではなく公式ではラブコメと言う感じの作品。序盤の印象としては殺し屋という重い題材にも関わらず、ラブコメ的なコメディチックな部分もあり全くかみ合ってないなと言う印象で、この感覚は最後まで変わることはなかった。
ストーリーに関しては後半になるとそれなりには面白くなった印象。
というかラブコメ部分よりも、二人の昔の関係はなんだったんだろう?とだんだんと紐解かれて行くストーリーを楽しむのがこの作品の楽しみ方の正解かな。
中盤はそんな感じでミステリー的要素が面白い作品だった。
ただ、オチが少し弱かった感は否めない。結局主人公と本物のソンリャンハ、シャトーだけで話が完結してしまって、組織とか裏側のことは一切かかわってこなかったのはちょっと期待外れな面もあったかな。

それと、ラブコメ部分は微妙だったけど、殺し屋要素は面白かった。かっこいいアクションシーンもあって、アウトローモノとして結構よかったんじゃないかな。

あと、これだけは書きたい。
あの褐色の口なしキャラデザの外人が気持ち悪すぎる。
キャラデザがきもいだけであんなに不快感があるんだなって。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆4
硬派アニメか? ん?何アニメだこれ。いやほんとに何。
日常系アニメみたいな緩い空気感と固い空気感が混ざりすぎててわけわからん。
ほんとに何。面白くなかった。EDはいい。

2話 ☆8
コメディタッチ感あるからシリアスな場面が浮いているというかなんというか。いや、意外とずっとシリアスか?
ソンリャンハはシャトーを利用してるだけだと思ってるけどどうなんだろう。
ラブコメじゃなくてシリアス恋愛アニメとしてやってくれるならしっかりと面白そう。

3話 ☆6
シリアス路線価コメディ路線かはっきりしてくれや。
いやなんでこいつ射殺した?
この外人みたいなネタキャラデザ嫌い。ノーコメントって認めてるようなもんじゃんw 確かに普通に捕まえないのは不自然だ。

4話 ☆8
女児を誘拐するな。話繋がったな。

5話 ☆6
胸打たれてるのに何で動けるw マジで何で動けるw
動いたわりに無駄死にかよ。あいつの過去回想いる?
この褐色肌の奴ほんときもいキャラデザ。風船何か仕込まれてる?

6話 ☆5
マジで褐色野郎が寒すぎる。
寝たら暗殺しにいくの? お前は知りすぎた...?

7話 ☆6
主人公じゃないんか。お遊びかよ。撃ってくれませんか?
忘れ去られた元の依頼。Lかな?w

8話 ☆6
不快野郎退場しろ。そうはならんやろw 

9話 ☆6
金髪気持ち悪すぎる。きもいキャラしかおらんなこのアニメ。
手錠つけられた状態で一人で手錠外せるんかよw なぜ外せる 

10話 ☆6
シャトーノーブル? この酔っ払いって情報穿鑿してんの?
主人公今更イキるなよ。シャトーはリストノーブルの家族?
リストノーブルは組織が手助けしてた側だからシャトーは元組織側?
入れ替わり相手か? 結局話よく分からんな。

11話 ☆8
ざっこw こんな小さい女児が引き金弾けるのか。

12話 ☆6
ばれるだろw まあなんというか普通なオチだな。体で 

曲評価(好み)
OP「Midnight Dancer」☆6
ED「マコトピリオド」☆9
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 7

58.8 11 アウトローアニメランキング11位
コヨーテ ラグタイムショー(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
307人が棚に入れました
人類が外宇宙にまで進出し、己の運と腕だけで一攫千金を夢見るコヨーテと呼ばれる無法者達がしのぎを削る、宇宙開拓の時代。銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星グレイスランドには、伝説の海賊王ブルースが遺した100億宇宙ドルが眠っていると噂されていた。コヨーテならばその名を知らぬ者はいないと言われている、通称ミスターとその仲間達は、ブルースの娘である少女フランカと共にブルースの遺産の回収に挑んだ。犯罪集団クリミナルギルドのマルチアーノ率いる殺し屋集団も、ブルースの遺産を狙って動き出す。しかし、統合政府は戦争を終結させる為、グレイスランドに光子爆弾を投下すると宣言。

声優・キャラクター
大塚明夫、広橋涼、堀内賢雄、関智一、湯屋敦子、下屋則子、沢海陽子

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ufotable版カウボーイビバップ

このアニメは簡単に言えばufotable版カウボーイビバップでしょう。

ufotable代表近藤光氏がプロデュース、構成、脚本、作詞ともう自分の好きな事をこれでもか!と盛り込んでいるのが伝わってくるというか。

コヨーテと呼ばれるならず者集団のベースは特攻野郎Aチーム。
主役のミスターはハンニバルのまんま。
ビショップとカタナはなんとなく白バイ野郎ジョン&パンチの雰囲気もある。
ブルースの最初の子分のスワンプはブルース・ブラザースで牧師役だったジェームズ・ブラウンだろう。

キャラデザは平井久司氏風でCV広橋涼ちゃんのフランカはめちゃくちゃかわいい。

1話のインパクトは特にすごくて、俺たちは天使じゃないも醸し出しつつ、ナウシカのオームかよ!?
マルチアーノ12姉妹なる殺し屋集団の登場場面は、フタコイオルタナティブのOPだよな(笑)
女性捜査官アンジェリカの補佐役のチェルシィのちょっと間が抜けた感じはR.O.D 大英図書館のウェンディだよ(笑)

銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星に隠された遺産を巡っての三つ巴の追跡劇は、途中ちょい緩い回もあったけどそれほど気にならなかったし、ミスターとアンジェリカの追いつ、追われつだけではなく、カリ城のクラリス状態。やつはとんでもない物を盗んでいった。貴方の…
自分好みの内容だったので文句無しです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 1

65.5 12 アウトローアニメランキング12位
ライディング・ビーン(OVA)

1989年2月22日
★★★★☆ 3.7 (23)
60人が棚に入れました
アニメクリエイター兼漫画家の園田健一が原作をはじめ全体の構成を務めたストリートアクションOVA。 夜のシカゴを激走する700馬力の真紅の車バフとそれを追うパトカーの一団。バフに乗っている大男はビーン・バンディット、法外な金額で依頼人を望みの場所へ連れてゆく運び屋「ロードバスター」だった。今夜もビーンは二人組の強盗を逃亡させるが、その二人の片割れセマーリンは翌日、変装してビーンのもとに来訪。大富豪グリムウッド家の警備員モーリスと名乗り、同家の令嬢チェルシーを屋敷まで運んでほしいと願う。ビーンとそのパートナーである射撃に長けた美女ラリーはこの依頼を5万ドルで引き受けるが、その直後にモーリスは謎の襲撃で弾丸を身体に受けてしまう。やむをえずチェルシーをバフで屋敷へ連れて行くビーンとラリー。だがやがてモーリス=セマーリンは回復。すべてはビーンを誘拐犯として仕立て上げるための作戦だった……。 本作の実制作はアートミックとAICが担当。

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

目をつぶれば洋画吹き替え。バブルアニメーションの真骨頂。

ガンアクション&カーアクション

改造車のカーアクション、挙動特殊で思わず笑っちゃいますw

銃火器のこだわりも素晴らしく、調べてみるのも面白いです。

大平晋也作画ぁ~(*´ω`*)かっきょいい


声優が今じゃ絶対実現不可能(色んな意味で)

田中秀幸、松井菜桜子、小山茉美、富山敬、林原めぐみ、本田知恵子、筈見純、
屋良有作、飛田展男、小林通孝、塩屋浩三、田中和美、小杉十郎太、丸尾知子

今やナレーションでしか聞かない方も、聞けない方もいますね。

塩屋浩三さんがガードマンA役・・贅沢。

元々はガンスミスキャッツという原作があり、そこから派生した作品の映像化。そっちのレビューも書きたい。
ブラックマジック M-66と同じく、作者がアニメーション制作にガッツリ関わる稀有な例。

この時代はまだアニメーションと漫画の性質というか、垣根があまりなかった時代ですね。
時代を経てそれぞれのプロフェッショナルに分かれましたが、
日本のアニメーションに漫画が深く関わってることを表しています。

「ROAD BUSTER」「KING OF THE ROAD」「BEAN BANDIT BOOGIE」「BAD GIRL」
・・等テンション上がる曲揃い踏み。

ライディングビーンのSoundtrackは映画の劇伴みたいでカッコイイんですよ。
テンポの良い曲調で、まさに車を運転するとき最適な曲。
アニメを知らない友人を乗せた時、他のインストゥルメンタルや洋楽に混ぜてかけます。
これなんの曲?カッコイイね!と言われるの待ちです(笑)

VHS持っていますが、Blu-ray出てるんですね!サムネがパッケージだったのか~~。買いてぇー。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 4

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ハードボイルドな世界で展開される痛快アクション

往年のアメリカ映画のようなストーリー展開ですが、実写に負けないぐらいの迫力あるカーチェイスは一見の価値ありです。


金さえ払えばどんな場所へも依頼人を送り届けることで裏社会では有名な運び屋「ロードバスター」。

愛車バフを乗りこなし仕事をこなす荒くれ者のビーンと、依頼を受け彼を射撃でサポートする冷静沈着な美女のラリー。

このコンビがある依頼を切っ掛けに警察とマフィア両方に狙われる羽目になり、事の真相を突き止めるため奔走する・・というのがあらすじです。


何よりこのアニメの特徴は、ド迫力なカーチェイスが本編のほとんどを占めていること。

ビーンの愛車バフは元々の超馬力に加え、特殊なギミックが凝らしてあってどんな道でも突き進んでいきます。

このバフの形振り構わない暴走っぷりは圧巻の一言です。
また、激しい動きを手元のシフトレバーの捌きで表す所もマニアックで良いです。


男も女も堅気でないためか、一般人離れした能力と精神力を発揮しています。

一見普通の女性に見えたラリーもやはり裏稼業の人間だけあって、いざというときには人殺しも厭わないようなハードボイルドな作品世界が展開されています。


小気味良いサウンドとアクション、シナリオが綺麗にまとまっていて意外な完成度に驚きました。

最初はビーンの尖がった顎に目が行くかもしれませんが、見ていく内に全く気にならなくなります。

当時隆盛を誇っていたAIC・アートミックのタッグは伊達じゃないです。納得のクオリティだと思いました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 4

大滝政人 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

みんな観てないの?

何と言いますか、あまり多く語りたくありません。

味のある主人公のデザイン、痛快なBGM、
終盤のブッ飛び具合等、もう最高です。

まぁ観てのお楽しみというところ。

ガンスミスキャッツという作品の外伝みたいな本作ですが、
私は断然ライディング・ビーンの方が好きです。

物語の評価を3.0にしたのは、
私が感動物や考え深い作品を高評価する為でして、
この作品がつまらない訳ではありません。

続編は出ないでしょうね…
でも出たら必ず観ます。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 3
ページの先頭へ