アングラおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのアングラ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月25日の時点で一番のアングラおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.6 1 アングラアニメランキング1位
墓場鬼太郎(TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (177)
789人が棚に入れました
時は昭和30年代―。終戦から10年が経ち高度経済成長が急加速で進む中、富む者は富んだが、社会の底辺では泥まみれになりながらも日々を生き抜いている人々が溢れていた。
そんな社会に幽霊族最後の生き残りとして墓の中から生まれてきた鬼太郎。
地獄とは?この世とは?生きる幸福を考察し尽くした水木しげるの哲学に立ち戻り、元祖・鬼太郎が人間を笑い飛ばし、生きる喜びを謳いあげていく。

声優・キャラクター
野沢雅子、田の中勇、大塚周夫、大川透、鈴木れい子、郷里大輔、真山亜子、堀秀行、大友龍三郎、ピエール瀧、中川翔子

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

誰が政治しとるのか(10グラム増量)

自分に正直な鬼太郎が周囲の人間を不幸に巻き込みながらもたくましく生きていくお話。

有名なほうの綺麗な鬼太郎が子供向けとすればこちらは完全に大人向け。無論エロスがあるからという理由ではない。
あっても誰が得すると言うのか。

この作品は本当に×3是非見て頂きたい。まさに傑作、奇作、怪作、臭作なのだ。

まず作風だがとにかく全体的に暗く重い。
なによりこの鬼太郎というキャラ自体を受け付けない。嫌悪する人も相当いるんじゃないかと思う。
それほどこっちの鬼太郎の言動は割りと酷いものが多いように感じた。
笑いかたがまた感情を逆なでしてくれる。守りたいその笑顔ならぬ殴りたいその笑顔である。

ネタバレは避けたいんで詳しくは書かないが特に中盤辺りだったと思うがこの鬼太郎がとんでもない行動を取りやがる。
さすがの自分もあれにはドン引きしたのを覚えている。画面の前で一人で立腹していたのを思い出す。
純真な子供に見せたなら脳裏に焼きついて今後綺麗な鬼太郎ですら楽しめなくなるかもしれないから要注意。
だが、だからと言って悪だという感じではなく単純に自分に正直なだけなんだろう。

そして見所だが・・。
味のある絵柄。(賛否別れる)
微妙に各話が繋がってたりする非常に上手い構成。個性溢れる登場人物たち。全11話と手軽に見れる上にテンポも良好。
ざっと上げればこんなとこか。
この鬼太郎や絵柄に抵抗さえ無ければ止められない止まらないかっぱえびせん状態になるだろう。
なにより会話のやり取りが地味に面白い。センスを感じる。
元より万人に受けようなどとは微塵も思ってなさそうなその独特な作風がまた魅かれる。
退かぬ!媚びぬ!省みぬ!を体現して見せたようなその姿には一種の憧れまでは抱かない。

有名な鬼太郎がご存知鬼太郎ファミリー引き連れて人間に害なす妖怪を退治するヒーローものとすればこっちの鬼太郎は戦後日本を汚く腹黒くある意味では真っ直ぐに生き抜いて行く妙に人間臭い鬼太郎の物語。
当然鬼太郎ファミリーなどいるわけもなくいるのは鬼太郎の心の友ねずみ男くらいだ。後は目玉親父ね。
しかしこの鬼太郎が後にあの綺麗な鬼太郎になるとは・・人間いや幽霊族も変われば変わるもんだ。

万人受けは絶対しないだろうから名作と言っていいものかどうか迷うけど自分の中では名作。もっと知られるべき作品。
ちなみにこの鬼太郎。悲しいまでに弱いんで妖怪バトルものを期待したらダメよ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 45

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

誰得?の老人を狙ったアニメ

みなさんがよくご存知の”鬼太郎”は「ゲゲゲの鬼太郎」だと思います。
仲間達と一緒に妖怪に関する問題を解決する怪奇ヒーロー鬼太郎。
こなきジジィ、砂かけババァ、一反もめん、ぬりかべ、猫むすめ、が仲間のヤツですね。

「墓場鬼太郎」はその原作、漫画ゲゲゲの鬼太郎の前身となる作品で、1960年台に雑誌ではなく”貸本”に掲載されていた漫画だそうです。 
もう半世紀も前の作品なんですね。
WikiPediaによると、さらにその原案となったのが1933年の紙芝居とのこと。
まぁ、漫画史ウンチクは置いといて・・・ともかく、本作はそういう古い漫画がもとであることを前提として御覧頂く必要があります。


少年誌向けに描かれていた「ゲゲゲ」と違い、「墓場」は読切り型の怪奇漫画。幽霊族の末裔、鬼太郎を取り巻く奇怪な出来事の話です。
人助けもしないし、仲間もいないし(オヤジとねずみ男はいます)、一反木綿に乗って空を飛んだり、ゲタ飛ばして妖怪とバトルを繰り広げたりもしません。
怪奇事件を俯瞰して、ケッケッケッと笑う不気味な子供。それが墓場鬼太郎です。
それをノイタミナらしく、独特のタッチで原作に忠実な雰囲気のままアニメ作品化している特殊作です。


最初に書いているとうり、元は半世紀も前の漫画。
それをそのままアニメにしているワケで、セリフの言い回しや話の流れが物凄く古臭い。内容も今となってはチープでお粗末。
それがこの作品の味だ、と言ってしまえば確かにそのとうりなんですが、こんな古い感性を工夫もなくただ見せつけられても困惑してしまいます。
正直、つまんない。
というより支離滅裂でワケわかんない。
漫画がまだ子供だけの娯楽であった時代の産物を、現代人にそのまま見せて、ウケると考えたわけではないでしょう。
となると、本作の視聴者ターゲットって明らかに50代以上。

「やあ、あの頃のマンガってこうだったよな。懐かしいー」

初老の世代に、こう言わせるのが目的。
そういう作品だと割り切って見ないと、若い人には視聴に耐えられないと思います。


でも、声優の起用にはちょっと感動しました。
鬼太郎:野沢雅子
目玉の父親:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫
初代ゲゲゲの鬼太郎のメンバーそのまま。
2008年になっても、このキャステイングを拝めるとは驚きでした。
・・・って、こういうトコに拘るあたりも、若者よりオッサンを狙っているのが明らかですよねw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 13

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

元祖鬼太郎。予想以上の面白さ

ゲゲゲの鬼太郎の元になったお話。
60年以上前の作品なので、原作未読。


……予想外のおもしろさでした。

正義のヒーローなゲゲゲの鬼太郎とは違い、人間とは異なった価値観をもつ「妖怪」な鬼太郎。
命の恩人? だからどうした? 用が済んだらさようなら。
金の話にはぴょんと飛びつく鬼太郎さん。

鬼太郎・目玉の親父・ねずみ男などが繰り広げるシュールな会話、救われないモブキャラたち。

基本は1話完結なので見やすいと思います。

OPでは、貸本漫画時代のカットが見られます。
一度原点に戻ってみてはいかがでしょうか。


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目玉の親父、もとい、鬼太郎の歴史


原点をたどると、1933年頃に紙芝居作者の伊藤正美という方が作った「ハカバ奇太郎」という作品に突き当たります。
カタカナだったという説もありますが、「鬼」ではないんですね。

その後1954年、水木しげるが、原作者の承諾を得て、紙芝居を貸本マンガという形で本にしたのが始まり。

「蛇人」という作品で設定が、「空手鬼太郎」という作品で、始めて目玉の親父が登場したとのことです。
実に20年以上にわたって鬼太郎には親父が居なかったわけですね…。
かわいそうな目玉。

それはさておき、

その設定を元にして、水木しげるが1960年頃に貸本マンガとして、あらためて書き起こしたのが「墓場鬼太郎」。

紆余曲折を経ながらも、1965年に「ゲゲゲの鬼太郎」として連載開始、1968年にアニメ化されました。

1965年~の連載作品、これが1期にあたります。

当時は「墓場」という言葉に問題があったのか、「ゲゲゲ」に改名。
ゲゲゲの語源は、水木しげるの「しげる」が「げげる」に聞こえたから、と言われています。
また、アニメ化された頃には内容も子供向けのヒーローものになっていたそうです。

つまり、シュールな主人公としての鬼太郎が活躍するこの「墓場鬼太郎」というアニメは、1960~1964年頃に描かれた「ゲゲゲの鬼太郎 零」とも呼べる存在なわけです。

声の出演も、時代を考えて「ゲゲゲの鬼太郎」の1期スタッフに合わされています。

1968年のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」キャスト
鬼太郎:野沢雅子
目玉:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫

2008年のアニメ「墓場鬼太郎」キャスト
鬼太郎:野沢雅子
目玉:田の中勇
ねずみ男:大塚周夫


深夜アニメとしては異例の、平均視聴率5.0%をマークしているそうです。
アニメをほとんど見てこなかった私も、この作品はリアルタイムで視聴していました。

あにこれでも、もっと知られて欲しい作品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 43

63.8 2 アングラアニメランキング2位
地下幻燈劇画 少女椿(アニメ映画)

1992年5月2日
★★★★☆ 3.4 (61)
224人が棚に入れました
浮世絵のような作風で国内外で人気を博す漫画家・丸尾末広の『少女椿』を原作にした劇場用アニメーション。物語は、両親の死により行く宛がなくなった少女・みどりが主人公。彼女は、手のない者や両手足がない者などが出演する見世物小屋で働くことになる。そこで西洋マジックの使い手・正光と出会い、二人は惹かれ合うようになり、見世物小屋の団長が夜逃げしたことをきっかけに、みどりと正光は再出発をしようとする。しかし、正光が通り魔で刺されてしまい、一人残されたみどりは……。 本作は児童ポルノおよび児童わいせつに関する法律に触れ、東京国際ファンタスティック映画祭2004を最後に、8年間は上映禁止となった問題作。過激な内容と映像表現が特徴の伝説的な作品で、地下上映などの特設会場を設けて公開してきた。

御黒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

失われたアングラ アニメ

ものすごくエログロです。
そら上映禁止になるわってかんじです

でもマンガ版のどす黒い感じが本当にしっかり出てていいですよね
ミドリちゃんの寂しげな声とかものすごくあってるとおもいます

「お月さんがみてる…」とか「遠足行きたい」
とかなんかもう世界観が素敵です

丸尾末広氏の世界ですよね

いやほんときもちわるくってうううううってなりながら観てでもこの今はないような世界観にどきどきするそんな作品です

でも本当にエログロです
見れないひとは本当にダメだと思うので気をつけてください

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

あぱぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

不幸と闇

ご存知ある方は年配であると思いますが、児童文庫版の江戸川乱歩や
横溝正史の小説表紙、楳図かずおの単行本の表紙を見た時と
同じ感覚になる作品。

推測ですが、最初は怖いもの見たさから戻れなくなってしまうような
不思議な世界です。

物語は全体を通して少女ミドリの不幸と、ささやかな幸せが描かれています。

昭和初期の時代設定なので「見世物小屋」という、今のご時勢では
明らかに規制がかかる舞台が取り上げられている。

この物語から何を感じるのかと言いますと

「不幸を抱えた者同士が、さらに不幸な人から幸せを奪いあう」

というような、人間の闇を感じられます。

人の不幸を見るのが好きな方には興味あるかもしれませんが
歪んだ人間像になりかねないのでオススメはしません。

個人的ですが作画や世界観は気に入っています。
中途半端に作り上げた安っぽい暗さより、生々しい暗さは評価できます。

実写映画もR-15でありますので、興味があればそちらも
視聴されてください。

(余談)

児童が読むグリム童話でもありますが
「怖い」「見たくない」「気分が滅入る」
といった感情は過剰に受け入れる必要もないのですが
受け入れることを拒むと気持ちの耐性がつきません。

綺麗な絵空事ばかり受け入れても、恐怖は現実に存在します。

現実で怖い事件などがあっても、真実味(危機感)を
感じなくなってしまったら、恐怖から逃避しているかもしれません。

恐怖という感情は積み重なることが難しいと感じています。
機会があれば適度に恐怖を味わうことも必要かもしれないですね。

恐怖を感じられる人は、自分以外が感じる恐怖を理解できるのでは
ないかと私は思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

ぴろむー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

はまる人ははまる!

人に勧められて観ました。


観始め→え・・・何これ、なんかおどろおどろしい雰囲気で怖そう(・.・;)

中盤→なんか気持ち悪いけど惹かれる・・・!

観終わって→なんかボーっとする(;´Д`)


とにかく世界観に圧倒される!ストーリーは至ってシンプルな気が・・もう一度観たらもっと理解できるのかもですが、観る勇気が出ない。でももう一回観たい、でもなぜか観れない!


エッチしてるシーンやグロい場面の記憶はあまりないのに、なぜかエログロの極みを感じました。
妖しい、艶かしい、生々しい、おどろおどろしい、そして吐き気を催す、なのに魅力的。理屈じゃなく五感に訴えてくるような作品。


顔を両手で覆って指の間から観るような、そんな怖いもの見たさみたいな気持ちで鑑賞しました。

気持ちわるいのになぜ惹かれてしまうのか未だにわからない。
はまる人は何度も観てしまうと思います!

もの凄い魅力あると思いますが、ものすごーーーい人を選ぶ作品です。


物語は☆4くらい、声優はヒロインみどりちゃんの声がかわいすぎ、キャラは好きなキャラはいません(;´Д`)
雰囲気・世界観が☆6くらいだったので、適当に上乗せしました(*´艸`*)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2
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