オカルトで戦闘なおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのオカルトで戦闘な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月25日の時点で一番のオカルトで戦闘なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.0 1 オカルトで戦闘なアニメランキング1位
黒執事 Book of the Atlantic(アニメ映画)

2017年1月21日
★★★★☆ 3.9 (69)
594人が棚に入れました
19世紀英国――
名門貴族ファントムハイヴ家の執事セバスチャン・ミカエリスは、13歳の主人シエル・ファントムハイヴとともに、”女王の番犬”として裏社会の汚れ仕事を請け負う日々。
あるひ、まことしやかにささやかれる「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは調査のため、豪華客船『カンパニア号』へと乗り込む。
果たして、そこで彼らを待ち受けるものとは――。

声優・キャラクター
小野大輔、坂本真綾、田村ゆかり、諏訪部順一、福山潤、KENN、杉山紀彰、寺島拓篤、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、木村良平、前野智昭、鈴木達央、中田譲治、田中敦子、山下誠一郎、石川界人
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ファントムハイヴ家の使用人たち、船に乗らなくて良かったね!

 いきなり、シエル、セバスチャン、スネークが、豪華客船に乗り込むことから物語が進むです。

 ある疑いを調査するために乗り込んだわけだけれども、そこにリジーとその家族、ロナルド、アンダーテイカー、途中からグレル乱入などと今までの黒執事キャラ主演となっているです。キャラ以外にも、客船の内部など背景が、リアルに描かれているのも良かったです。

 怪しい集団の会合に潜入するシエルとセバスチャン。{netabare}訳の分からないポーズもとったりと。そこで、死者の組成から始まり暴その死者が暴れ、シエルの入った貨物室や、別の場所にも大量の棺桶から、亡者たちが船内で暴れだし、もう大変展開になちゃうです。

 暴れだすゾンビにシエルたち、乗客がパニックになる展開が振り回されるか?と始めは思ってしまうです。でも、その中に{/netabare}アクションの多さ、知っているキャラ達の意外な素顔、Book of ・・・におけるシエルとセバスチャンの出会いその後の話が、明らかになっていくことが見どころになるです。

{netabare} その騒ぎの中心人物を追っていろいろあるわけだけども、その途中にいきなりゾンビだけでなく、セバスチャンとグレル、ロナルドのバトルになったりと目的も私には、何なんだかわからなくなってくる感じがあったです。{/netabare}

 シエル、特にリジー絶対絶命と思いきや、意外な事になって面白かったけど「何だこれは~」だったです。誰かさんの理想と行動が、アンバランスにみえた衝撃の展開です。

 この後にも遂に黒幕が登場するわけだけども、これも驚き桃の木みたいな感じだったです。この黒幕が結構、強いでしたです。{netabare}ここで、なぜゾンビたちが、客船の中にいたのかも明らかになるですし、突如としてセバスチャンとシエルの出会い直後のエピソードも見れるのは、ファン必見だっと思うです。
 
 今回、ゾンビ相手などに、血で{/netabare}汚れるセバスチャンの凄まじさを最後まで見れた黒執事だったです。まだまだ、話が続くような感じだったです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「黒執事」分析

「鋼の錬金術師」を出したスクエアエニックス系列のファンタジー漫画雑誌「Gファンタジー」の看板作品。

プロットはおそらく集英社少年ジャンプの「BLEACH」。

これを更に女性オタク向けにアレンジした感じ。(腐女子とまではいかないが)

原作の絵柄も綺麗で割と好きなのだが、ストーリー構成に難があり、全体として結局何がしたかったのか解らないことが多々ある。

雰囲気は抜群だが筋がないのは、おそらくライトな読者層に向けて作られているからであろう。

同社の「ハガレン」と比較してはならない。

今回で完結編?となる映画だが、後半の戦闘シーンはやや見せ場があるものの、やはり劇場版としての完成度が低く、ファンサービス程度に収まってしまっている。

作画もキメ絵は非常にクオリティが高いがその他のモブで手抜きが感じられた。そこは残念である。

漫画自体は結構なヒット作であるのだが、これだけヒットしているのに話題に上がらないのは幅広い層に受ける内容ではなく、かなりニッチな層に対して傾いている事にほかならない。

その独自な閉鎖的な雰囲気が劇場版でも感じられ、物語の広がりを感じられなかった。非常に残念な作品だと思う。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 3

炊飯器。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

劇場版にふさわしい出来だった

アニメから入ったため、あまり詳しいことはわからないが、劇場で見てよかったと思った作品だった。

死体が生き返るという謎に迫るために豪華客船に乗り込んだシエル・セバズチャン・スネーク。そこでは実際に死体をよみがえらせていた。そのよみがえった彼らが生きている人間に襲い掛かり船はパニックに。その裏で糸をひいていたのは……!

作画はとてもきれいだし、劇場版ということでさらに磨きがかかっていた。ぬるぬる動くし、細部まできれいに書き込まれていて感動した。

物語も本当はもう少しあったらしいが、原作を知っていなければ十分に内容が濃いものだった。メリハリがはっきりしているのがすごくよかった。

音楽も優雅さと臨場感があり、世界観にばっちりあっていたとおもう。

時系列的には、サーカス編が終わった後くらいなのか?(二期はオリジナルシナリオのため)

一期、サーカス編、(幽鬼城殺人事件編)を見た後にぜひ視聴してほしい。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1

69.7 2 オカルトで戦闘なアニメランキング2位
空の境界 終章 空の境界(アニメ映画)

2011年2月2日
★★★★☆ 3.9 (584)
3592人が棚に入れました
「生きているなら、神様だって殺してみせる」――これは、独りの少女の可憐で壮絶な物語。2年間の昏睡状態から目覚めたとき、両儀式(りょうぎしき)は記憶を失っていた。記憶と引き替えに手に入れたのは、万物の死を視る力“直死の魔眼”。望まぬ力を手に入れ、望まぬままに数多の怪異に遭遇し、望まぬままにその存在を絶つ。黒桐幹也(こくとうみきや)は、静かに見守りつつも、日常の世界に式を繋ぎ止めようともがく。やがて日常と非日常の狭間に棲む怪異を追うことが、式の唯一の生きる糧となる・・・見守る眼差しがあることを知りながらも。

声優・キャラクター
坂本真綾、鈴村健一
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

空の境界とは

「空の境界」は奈須きのこによる、同人誌に掲載された長編伝奇小説である。全7章で構成され、本作は第一章「俯瞰風景」が映像化された。「そらのきょうかい」でも「くうのきょうかい」でもなく、「からのきょうかい」なのでお間違えの無い様に。略称は「らっきょ」。

「空の境界」は奈須きのこの小説だが、奈須きのこと武内崇の所属する同人サークル(現在は有限会社Noteのブランド)「TYPE MOON」の作品に「月姫」、「Fateシリーズ」などがあり、「空の境界」と世界観を共有している。奈須氏によると「微妙にズレた平行世界」とのこと。

劇場版「空の境界」は圧倒的な映像美、迫力満点の戦闘シーンと、難解且つ素晴らしい世界観を、原作小説を忠実に再現し映像化したufotableの力作である。
本作のメインテーマは「境界」である。相反する二つのものに関するメッセージが緻密に組み込まれている。
その各々に対する矛盾もまたテーマの一つだ。
奈須氏の命の重さ、禁忌を主題とした本作の完成度には脱帽するばかりである。
「生」と「死」、「殺人」と「殺戮」などについて考察するわけだが、テーマがこれであるから必然的にグロテスクな描写がある(しかも美しかったり)。
また、難解な言葉(辞書的意味では用いない)や、時系列のシャッフルにより、物語の理解はやや困難である。
しかし、この時系列シャッフルこそが「ミステリ」における叙述トッリクとして作用しているのである。
決して時系列の通りに見てはいけない(2度目からはご自由に)他にも、原作にはなかった「色分け」が行われている点も魅力的だ。式の服の色や、月の色なども見てみると楽しい。
全7章に渡って展開される両義式と黒桐幹也の関係も素晴らしい。
設定はここで説明するとつまらないので、作品を視聴することをお勧めしたい(丸投げであるが(笑))
副題のThe Garden of sinnersは直訳すると「罪人の庭」と言う意味。sinには(宗教・道徳上の)罪という意味があり、guiltの(法律上の)罪とは区別される。
Theの次のGardenが大文字であることから、これはギリシアの人生の目的を心の平静(アタラクシア)に見出した精神快楽主義のエピクロス学派を意味する。よってThe Garden of sinnersは快楽主義に溺れた道徳的罪人という意訳が適切ではないか。

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終章の本作は「空の境界」の時系列で、全7章のうち7番目の七章の次の8番目にあたる作品だ。本作は一週間の期間限定で上映された。


考察←観る前に見ない様に。
{netabare}

時系列:8/8
1999年3月
両儀式:19歳 職業:高校生(サボりがち)
黒桐幹也:19歳 職業:大学中退 伽藍の堂に勤務

原作との相違:小
原作との尺の比 32P:33min=1:1.03(1分当たり1.00P)
(一番原作との尺の長さの比が合致していると判断される2章の比を基準:1とする)
(原作の頁数は講談社文庫を用いる)


・「両儀」と「式」について
両儀とは五章でも述べた通り易経に於ける根源・太極から分離した二つの爻を指す。一方は陰、一方は陽を表す。これは対象な二つの物、男と女、光と影、表と裏などを指す。
二章、四章の式と織の説明などからも容易に理解出来る事柄だろう。
「両儀式」は五章で述べたとおり根源に繋がっており、空の境界に於ける両儀は、
「正反対の二つの性質を兼ね備えた根源に繋がっている存在」と定義出来る。
式とは入学式、卒業式、結婚式、葬式などの式典などの人生に於ける区切れを意味する言葉だ。これは今までの関係をリセット・更新する意味を持ち、陰と陽のスイッチの意味だ。
また数式などは答えを導く為の道具である。三角形の面積を求める際に、1/2(底辺)×(高さ)でも、辺A×辺B×sin∠AOBでも、1/2√(|a|^2|b|^2-(a・b)^2)でも√{s(s-a)(s-b)(s-c)}※a+b+c=sでもたった一つの正解が導き出せるように。そして数学に於ける足す引くという行為は、一種の呪術である。500人から400人を引くと100人という式と答えがある。しかし500人の人間は同一人物でなく、全員別人である。これは別々の人間を「人」という記号に置き換えて、概念化しているのである。また、この式に人格を与えると、陰陽道での「式神」となる。
よって空の境界に於ける式は、
「二つの人格をリセットし、根源という答えに辿り着く方法」と定義出来る。
両儀式とは「無数の人格を持ち、道徳観念も常識も人格ごとに書き換えられるカラの人形」なのである。


・「両儀式」について
肯定と否定という両極で混じり合う事の無い式と織という二つのシキという人格は、一つの土台の両端に位置するもの。そしてその間(境界)には何もない。そしてその境界が第三人格『両儀式』である。※位置関係 ○式==(『両儀式』)==織○
二章の例えを使うならば、『両儀式』という乗用車に式と織が乗っており、式が運転手で織は助手席に座っている。二人は運転を交代することもあり、互いに意思の疎通が出来る。乗用車の所有者は式である。

多重人格・・・何らかの障碍によって自我の同一性が失われること
通常の二重人格は
1.継時性 第一人格と第二人格は互いに認識し得ない
2.同時性 第一人格が主となり、第二人格が芽生えたことを自覚する。多くは自我の能動性が失われ、第二人格の傀儡となる。
の2パターンある。
式の場合はこの二重人格の症例に合致しない為、橙子の言うところの二重存在となる。

この第三人格は、両儀式が二重存在者を生み出す両儀家という特殊な環境に生まれたことにより発現した。彼女は二つの人格を超越する両儀式の本質である。肉体に過ぎない彼女は知性がないから、未熟児として朽ちる定めにあった。『 』である彼女は『 』であるが故に知性も意味も有り得ないからである。
彼女は空である為に『 』に繋がっており、『 』へ至る路である為『 』の一部であり、『 』であるとも言える。
しかし両儀家の家人は両儀式を超人にするために、空の器である彼女に知性を与えた。その後に、全ての地盤になるものとして、彼女は式と織を作った。五章や前項で述べたとおり、両儀つまり陰陽は全てのモノの原点である。
根源から両儀へ、両儀から四象へ、四象から八卦へ、と2の累乗で万物は構成されている。
よって両儀(陰陽)さえあれば、万物を構成出来る完璧な存在となれる。本来ならば抑止力によって死亡する筈だった両儀式という少女は、画して三つの人格を持つ超人として誕生したのだ。『両儀式』は根源であるが故に全知であり、その後は式に任せて眠りについた。
人間は三つの事柄で構成される。精神、魂、肉体である。精神は脳に、魂は肉体に属する。
彼女は肉体(=ハード)の人格の為、脳(=ソフト)の人格、つまり式が居ないと存在出来ない。
式が昏睡後に直死の魔眼を発現したのは、昏睡中に外界に触れず、式という人格を保ったまま、肉体、つまり『 』(根源の渦)を彷徨し、万物の根源、つまり生の源・死に内包されていたからである。彼女の根源が「虚無」であるから、万物を虚無化する道具として魔眼が発現したのだ。式の殺人衝動は万物の虚無化、つまり生命体の生の喪失と根源への回帰を目的とした衝動なのだ。

幹也が中学3年の冬に目撃した白い着物を着た両儀式は彼女であり、式が入学式の時に幹也を覚えていなかったのは此れが理由である。また、『両儀式』は超越者として、式と織の下僕として、彼女の命令であれば、その超人的な力を行使することが出来る。
三章で橙子が「式ひとりでは返り討ちにあうかもしれないぞ。両儀」と言っていたのは、これの伏線である。他にも、五章でエレベーターから出て刀で荒耶を切った式は、刀を持つことにより”たが”が外れ、『両儀式』の超人的な機能が行使されている。

『両儀式』が幹也に式と呼んでもらえて嬉しいと言ったのは、根源の一部としての両儀式(完全な意味を持つ名前であり、その名によって根源たる存在)という両儀式の存在の性格以外に、人格を持った一個人として、また、式と織と同じ幹也の想い人たる女性として意識されて嬉しいという意味だろう。
「待ってた意味がでてくるもの」の意味はおそらく、幹也が式に対して愛情を持っていることが分かったこと、つまり、自分のソフトとしての人格を理解できる人が現れたことを喜んだとする見方、前述のように、根源の一部としての『両儀式』という名称ではなく、一個の人格としてのシキとして認識してもらえることを喜んだとする見方、他にも様々な見解があるだろう。

式が幹也の事が好きであり、『両儀式』は式のものだから、『両儀式』は幹也の願いを何でも叶えられると言うが、幹也は「普通」の体現者であり、式の思い人である彼らしく、無欲である訳でもないが、彼女の誘いを断った。
左目、左脚ともに、白純里緒の苦悩の人生、罪を背負うという意味での、両儀式への愛情の結晶としての傷であり、それを消し去ることは、過去を否定することに繋がりかねないことも、誘いを辞去した理由であろう。
『両儀式』が出てきたのは幹也が中学3年生の時の95年の冬と、今回の99年の冬の2回のみである。

『両儀式』は根源の一部であり、根源そのものであるから、世界を自由に変革することが可能である。物理的に不可能である幹也の左目や左脚を即座に快癒させることが出来るのはもとより、あらゆる実現可能な願望を叶えることが出来る。Fateで言わば、人格を持った聖杯であると言える。世界中の至るところに瞬時に移動出来、好きな形態で存在することが出来る。矛盾螺旋において、小川マンションは荒耶の体内に等しく、荒耶は小川マンションの内部に潜み、小川マンションの至る所に瞬時に移動できたが、『両儀式』はこれを世界単位で行うことが可能であるのである。幹也との会話が終わった後、瞬時に風となり消滅し、幹也の傘を空の彼方へと吹き飛ばしたのは、『両儀式』が世界に潜み、風となって浮遊したことに他ならない。冒頭と最後の幹也の左脚に注目すると、原作にはないが、幹也の脚が快癒していることが分かる。式からのサービスだろう。

『両儀式』は根源の一部であり、根源そのものである。万物は第四章で述べたとおり、破壊され再構築されたいという欲求を持っている。根源には、現在の世界に存在する万物と、現在世界に存在しない虚無の部分の二つにより構成されていて、万物は一端虚無へ回帰した後に、新たな存在として世界に出現する。根源には万物の虚無への回帰欲求を叶える必要性があり、根源の一部たる『両儀式』にも、根源の要請による万物の虚無への回帰欲求への応答が性質として付与されることとなる。よって、両儀式は万物の破壊を命題とする殺人衝動が発現するに至った。両儀式の殺人衝動は、両儀式の起源である虚無、及び『両儀式』の根源たる性格、根源の万物の回帰欲求への応答、万物の再構築欲求による虚無への回帰願望の4要件により必然的に発現したものであり、両儀式に殺人嗜好があるわけではなかったのだ。

この『両儀式』、式、織の関係は、フロイトの超自我、自我(エゴ)、エス(イド)の関係に似ているとも思った。超自我はエスの抑圧、自我は超自我とエスの調停、エスは欲望(リビドー)の解放を行う。『両儀式』は殺人衝動の根源であり、沈黙する。織は殺人衝動の解放者であり、リビドーを放出する。式は織を抑圧し、調停・調節する。

・なぜ黒桐幹也は両儀式に惚れたのか
マザーテレサが「好きの反対は嫌いではなく無関心である(The opposite of love is not hate, but indifference.)」と言ったように、好きも嫌いも相手に関心を持つという意味で愛である。
つまり、相手を思うことが愛であるという意味である。愛とは仏教で渇愛。関心とは仏教で執着である。前章の殺人の説明に用いたように、愛と憎は対義語であり類義語である。愛と憎は表裏一体。
六章での考察の通り、黒桐幹也は起源の関係から、博愛にならざるを得ない。博愛とは差別をしない、つまり特定の誰かを愛してはいけない。黒桐は誰にでも平等に接する代わりに、誰も愛せない。しかし、彼は式を愛してしまった。それは二章の冒頭で『両儀式』に会ったからである。彼は無意識の内に根源へと繋がる彼女に惹かれ、いつしかその感情は強烈な愛へと変貌していた。彼が式に執着したのは、友人として彼女を守りたかった訳ではなかったのだ。


・なぜ両儀式は黒桐幹也に惚れたのか
「普通」の権化である幹也は誰に対しても普遍的に接しようとする。また、前項で述べたとおり、幹也は式に強い執着を持っている。それは彼女が異常であることを強く意識するほどで、彼女は「普通」が魅力的であることに気付いてしまった。また、黒桐は彼を殺そうとした式を彼女が昏睡してからもずっと想い続け、首尾一貫して彼女の味方で居続けた。
幹也は特別になることしか出来なかった人から羨望されることが多く、拠り所としてはこの上ない存在である。自身の異常性に気付き、自分を壊して織を失った式は、殺そうとしても未だ愛してくれて、ずっと自分の味方で居てくれる彼に対して、異常な自分を正常な日常に留めてくれる存在として、いつしか彼の気持ちに答えるようになったのだ。


・人間の人格形成における肉体と精神について
人間は脳だけでは人間に成れない。脳に電線を繋いで刺激を与えても、それは人間としての精神を持つ事はないだろう。脳は知性を持っており、肉体は脳が支配する脳の下僕であり、肉体がなくても、知性の源である脳さえあれば人間足りうるという考えは誤りだ。
知性は精神が形作る。その精神は肉体が形作るのである。空の境界に於ける浅上藤乃の例の通り、五感無くして、健全な精神は生まれない。人間は生まれた時から五感があり、その五感により外界を認識し、知識を”経験”として得る。この知識は「経験記憶」として脳に記憶され、外界から受ける感情を主とした環境を体験することにより「自我」は形成される。
そして、自我が認識する「常識」(幼い子供の時分は両親の言葉が常識となる)に合致するものを知性として吸収し、「知識記憶」として脳に記憶される。この知識記憶の内容が論理的に解釈出来るようになるのは、生まれてから大分たってからである。
以上のことから、人格とは、肉体を通して形成されるものであり、また精神は肉体を通じて保つものである。肉体無くして精神=自我は成立しない。


・境界とは何かについて
①正常と異常の境界
大多数の人間の理性が常識だと定義するものが正常で、非常識だと定義するものが異常である。よって大多数の人間の理性の動向しだいで正常の概念は変容する。江戸時代に武士の帯刀は常識だったが、現在、武士の末裔が帯刀すれば、軽犯罪法で逮捕されるように。
②日常と非日常の境界
自分が経験したことのある状態が続くことが日常で、体験したことのない状態が訪れると非日常となる。非日常も長く続けば日常となるが、その非日常が、理性で受け入れられない事象、状態が現在進行していたり、近い将来訪れることが予想されたりする時に、人はその非日常から日常への復帰を熱望する。
③大人と子供の境界
レヴィンは思春期の男女を「境界人(マージナル・マン)」と定義した。大人の集団と子供の集団の両方に属し、両方に属さない青少年。身体の成熟と精神の成熟の過渡期、そしてそれらのズレなどから思惟する。エリクソンは思春期をモラトリアムと呼んだ。これは社会的責任の猶予期間の事である。青少年は思春期にアイデンティティの確立を行うが、その過程は非常に不安定であり、刺激的な非日常的な事が起こることも多い。高校時代が人生で一番楽しいと思える人が多いものこの為だろう。
④過去と未来の境界
現在とは過去と未来の境界である。過去は変わらないが、過去の解釈を変える事は出来る。未来の為に現在を生きることはとても大切な事である。
⑤生と死の境界
人間は生きている限り必ず死を迎える。しかし、悲観してはいけない。死ぬまでの人生をどれだけ充実したものとして過ごせるかに、人間の本質があるのである。
また、死後観を持つことも大切だ。宗教はそれぞれ求める人に死後観を与える。
「死後の世界観」は、その人々にとって「死後」を迎えるための「生」のあり方に必要なものである。自らの思い描く「死後の世界観」で、自分が善い目をみれるように現在を生きる事はとても重要だ。
⑥殺人と殺戮の境界
割愛する。七章参照。
⑦人と怪異の境界
殺人鬼とは「人を殺める鬼」である。では鬼とは何なのか。鬼とは「隠(オン)」が訛った物で、
普段は隠れているものだ。平安期に伝わった陰陽道で都(中央の豊富な知識人)から視た異人、土人、山人などのまつろわぬ民なども皆鬼扱いされたように、鬼は妖怪ではない。
妖怪は匹と数えるが、鬼は人と数える。これは鬼が人である証拠だ。そして般若の面などからも分かる通り、鬼とは前章の殺人の概念で述べた情念が自己のキャパシティを越えた際に起こる負の能動的な感情に包まれた人間を指すのだ。そして「鬼」は感染する。
子供の有名な遊び「鬼ごっこ」からも分かるとおり、鬼に襲われた人間は鬼になってしまう。例えば色恋沙汰の縺れで男が女を殺す。この時鬼は男だが、今度、女の父親が男を殺す。このとき鬼は女の父親となる。そして今度、男の子供が・・・といった連鎖を生む虞があるのだ。しかし「鬼」とは「人間が実行出来るのに中々出来ないことをする人」という解釈も出来る。「心を鬼にする」という言葉は良い例で、この場合は善い結果の為に一見悪いことをする。鬼の本質は掴めないが、鬼が行う行為が平気で出来る人間は鬼と言える。だから殺人鬼は鬼なのだ。そして鬼とは人間と怪異の境界である。鬼は人を喰う。白純里緒などは将に鬼である。
⑧生と再生の境界
通過儀礼とは、前項での説明のとおり、人生に於いての区切れの為に行う「式」である。そして、代表的なもので成人式(元服)では、擬似的な死が要求される。モラトリアムは、現在もその長さを着々と伸ばしている訳だが、之が形成されたのは近代であり、昔は、子供と大人の境界は「成人式(元服)」であった。現在でも、バンジージャンプに代表されるような通過儀礼を行う習俗が続いている地域もある。この通過儀礼で死ぬことも当然ある。「死」に接触するという行為は通過儀礼において大変重要な要素である。


・「空の境界」の意味について
1.当初の題名が「空の境界 式」というところから、織を失うまでの式の二重存在、つまり肯定しかしない式と、否定しかしない織、普通の人間にはあるが、人格が二つ極端に特化している為、両者の境界に有る筈の妥協は無く、境界が無い、つまり空(カラ)である、という意味。
2.前述した様々な境界について、これらの定義は詰まるところ曖昧で、何時覆されても可笑しくない。つまり、これらの対立概念はそもそも厳格に定義し得ない、つまり境界は曖昧で空(カラ)である。
3.前述の式と織という人格の形成によって出現した肉体の(つまり精神の殻)の人格『両儀式』は式と織という極端に正反対の人格の間にある人格、つまり空(カラ)の境界上にある。また、第三人格は普段は隠れており、その存在は認知されない。つまり空(カラ)である。
4.両儀式という器に式と織という人格(内容物)が納まっており、その人格は殻の中で確りと、対立概念としての明確な境界がある。つまり、肉体という空(殻)に境界がある。
5.社会が設定した恣意的な常識と非常識の境界は空である。通じ得ない人と人の心の境界を空にすること、つまり無くすことが大切である。
6.私たちの心にも伽藍はあり、それの半分は自分であるが、もう半分は他人である。自分の意志と他人の意志の心の中での境界を空にし、両者とも理解し合う事が理想である。
7.『両儀式』とは肉体の人格、つまり魂であり、魂は我々一般人にも存在する。我々の肉体にも「空の境界」は存在するのかもしれない。


・「snow falling」について
snowは英語で雪を表す名詞。fallは降るを表す動詞である。
『両儀式』幹也の邂逅をイメージして奈須きのこ監修の下、梶浦由記によって作詞・作曲された。


・各作品の意味の推察について
「俯瞰風景」・・・巫条霧絵の視た俯瞰の視界からの風景―巫条ビルの幽霊も表すかも
「殺人考察(前)」・・・幹也、視聴者による95年に起きた殺人事件、また「殺人」の考察
「痛覚残留」・・・浅上藤乃の腹部に残留した痛覚
「伽藍の洞」・・・昏睡から目覚めた式の精神の片割れに空いた穴―以前は織が居た
「矛盾螺旋」・・・燕條巴(偽物)の日常、小川マンションの実験・階段、荒耶の悲願
「忘却録音」・・・玄霧皐月によって根源より採取された、忘却された記憶の録音
「殺人考察(後)」・・・幹也、視聴者による99年と95年に起きた殺人事件、また「殺人」の考察
「空の境界」・・・空の境界とは何なのか


・「空の境界」(終章)という作品について
式は『両儀式』という『 』に通じる存在を土台とし、万物の根源たる両儀、肯定と否定、男と女、表と裏などの対立する人格、式と織を生まれた際に持った。『両儀式』は根源である為に外界に触れず、長い眠りに着いた。『両儀式』は肉体の人格であり、ハードウェアである。精神の人格である式・織はソフトウェアであり、彼女等には服従する。
『両儀式』は再び目覚め、式の恋人である幹也の願いを叶えられるからと望みを要求するが、幹也はこれを拒み、彼女は再び眠りについた。


・名言(原作より抜粋)

『両儀式』「――さあ、あなたは何を望むの?」

幹也「うん、式は壊すのが専門だからね。無理をしてよけい酷いめにあったら、こわいよ」

『両儀式』「あたりまえのように生きて、あたりまえのように死ぬのね」

『両儀式』「なんて、孤独――」

『両儀式』(さようなら、黒桐くん。――ばかね。また明日会えるのに。)


感想
我々が非日常や空想の物語に魅了されるのは、劇的な冒険や体験をする主人公に自己を投影する疑似体験だからだ。人は誰しも、もう一つの世界、イデアなどの現象界を超越した真の世界、この世を形作る不変の真理の存在を渇望するものである。
私たちは日常に於いて常に「真の私」を探し続けている。ソクラテスが人間のアレテー(徳)は「よく生きること(知識を活用すること)」と言ったように、人生とは真理の探究の旅とも言えるかもしれない。


・読者へ
一章から本章まで、私の考察をお読み下さった方、冗長な駄文にお付き合い頂き申し訳なく思うと共に感謝する。簡潔に書こうとは思いつつも上手く行かなかったが、なんとか終章まで漕ぎ着けることが出来た。私の考察は原作・劇場版での正規の設定と、私の説、主観による感情で構成されており、玉石混合では無いけれども、僭越ながら鵜呑みにしてはいけない。詰まるところ、私のレビューは作品の考察の覚書である。視聴者には是非、自分なりに考察して欲しい。私の拙いレビューが少しでも本作の理解の助けになれば幸いである。
・雑学
1.空の境界という作品は1998年10月から「空の境界式」という題名で1~5章がwebサイト「竹箒」に掲載されたのが初出。
2.2001年12月31日のコミックマーケット61に於いて全7章の同人誌を2冊に分割し発売した。
3. 2002年8月9日に同人作品として一章のドラマCDが発売された。
4.伝奇に分類される本作であるが、ドラマCD「アーネンエルベの一日」に於いて式に「オレ、『空の境界』を伝奇だなんて思ったこと無いぞ。あれはポエムだ。人生のある時期にしか許されないポエムだだ漏れテキストだよ」と評されている。
5.劇場版「空の境界」には日本橋、聖蹟桜ヶ丘、吉祥寺、レインボーブリッジなど東京の名所をモデルとした風景が登場する。
6.黒桐幹也が通っていた大学は明治大学和泉キャンパス、黒桐鮮花が通っている礼園女学院は神戸女学院大学が各々モデル。
7.ufotebleが徳島市にスタジオを開設したことに関連し、2009年から徳島市阿波踊りの告知ポスターに空の境界のキャラクターが登場。浴衣姿が描かれる。毎年窃盗事件が多発。
8.2013年秋、空の境界の画集が発売される。
9.空の境界の著作権はTYPE-MOONではなく奈須きのこ名義である。
10.「らっきょ」という略称は、奈須きのこが茄と茸なので農産物関連からラッキョウになった(月姫から続いていない)。
11.空の境界限定愛蔵版空の境界用語集で「大タイトルである空の境界は、荒耶宗蓮という人物の物語でもある。その為、HP上では矛盾螺旋の段階で一応の幕とした。空の境界という物語は矛盾螺旋で終わっている」と述べられている。
12.忘却録音で1年D組と1年4組が混在しているが、正式には1年D組。著者の奈須氏の学校ではABCだと階級別に感じられるということで、通称123と呼称していたようで、これが一般的な考えだと発表時まで考えていたことに起因する。
13.そもそも本作は原作小説ファン向けの作品であり、テアトル新宿での単館上映という極めて小規模の企画だったので、元来新規視聴者を意識した作品ではない。
14.2013年7月より1~4章と7章が、43127(章)の順で、TOKYO MIX、BS11、ニコニコ生放送、バンダイチャンネルにて全13話で放送された。しかし、「式と幹也の純愛物語」という側面から肝心の5章を放送せず(1クールだから仕方ないが)、余計に理解が困難となっている。9月にAT-XでRemixを含め、全7章と終章が一挙放送される。
15.kalafinaは劇場版空の境界の為に梶浦由記によって結成されたグループである。kalafinaは造語で「空雛」つまり中身のない人形という意味である。中身の無い3人の人形が、音楽と3人合致の歌によって意味のあるものへと昇華されるという意味である。


・オマケ
陰陽五行思想における五行の相生相克と空の境界の人物関係図の考察
黒点(=●)が頂点となる

               ●木(青)=正常な式



   ●水(黒)=黒桐               ●火(赤)=異常な式





        ●金(白)=白純     ●土(黄)=織

{/netabare}
===============================================

この終章は、「空の境界」というタイトルの意味や、「普通」であることを目指した幹也が何故式に特別な感情を抱いたのか、両儀式という人間の本質などが短い時間に凝縮されている。是非、境界が空であること(The borders are empty)を思惟して欲しい。


本作は考察のし甲斐があり、非常に面白い。また現代人への処方箋のような役割を果たし、私達にカタルシスを与える。

私は全章視聴後原作を購読したが、読み応えがあって大変面白い。アニメを観た人は補足の為にも、お勧めしたい。
未視聴の方は、是非挑戦していただきたい作品である。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 35
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

からのきょうかい 静寂の中に響き渡る両儀式の言葉は……

原作未読 約33分

両儀 式(りょうぎ しき)と黒桐 幹也(こくとう みきや)の会話中心のお話ですね。バトルシーンもなく、ただただ静寂の中に両儀 式の声だけが聞こえる。幹也が話し相手となっていますが、ほとんど両儀 式が話しています。

{netabare}両儀 式のこと、織のこと、式のこと、伽藍の洞のこと、空の境界(からのきょうかい)のこと、幹也のことを{/netabare}やさしく語りかけています。

{netabare}
式が言った言葉で
「当たり前のように生きて当たり前のように死ぬ、なんて孤独」
単純な言葉ですが深いですね。
{/netabare}

一章〜最終章まで視聴して
この作品は色々な魅力があります。ストーリーや演出はもちろん、綺麗な作画、章ごとに合わせて奏でる素敵な音楽、キャラクター、事件、バトル、魔術、恋愛他、多彩な要素があります。
私は恋愛作品と書きましたが、観た方によって印象が違うのではないでしょうか。

凄惨な場面やバトルが苦手でなければ是非観てくださいね。何か感じることがあるかもしれません。私は感動しました。
オススメです。

ED Kalafinaが歌ってます。曲名「snow falling」この作品に相応しい、やさしい、やさしい歌です。

最後に、評価で物語に5をつけなかったのは、原作未読で観た場合、分からない事柄多すぎる事です。
でも、みなさんのレビューや考察で分からない事柄を補完させていただきました。合わせて評価を5とさせていただきます。
ありがとうございました。
あにこれっていいなぁと思った作品です。
またこの物語のように素敵な作品に出会いたいですね。

劇場版「空の境界 未来福音」9月28日に公開されます。楽しみですね^^

投稿 : 2024/04/20
♥ : 38

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

感動しました・・。

全8章を通して、とてもクオリティーの高い作品に仕上がっており、涙を流してしまうほど心打たれました。
ストーリーが切なくて素晴らしかったのはもちろんですが・・・。
なんといっても繊細でパワフルな作画と、それを支えて盛り上げる美しい音響がとても印象的でした。個人的には、5章が一番のお気に入りです。

王道で言うシリアスな作品には、笑いや緩みのひとつでも入れたくなるものですが・・・。
この作品には、余計な打算は考えず、ただ誠実にどっしりと作品の本質のみを見つめて作られたように感じました。

このような作品がもっとうまれるよう、アニメの一ファンとして、応援していきたいものです!!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

64.1 3 オカルトで戦闘なアニメランキング3位
いぬかみっ!(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (333)
2217人が棚に入れました
吉日市に住む高校生・川平啓太は、由緒正しき犬神使いの一族・川平家の末裔だが能力不足その他モロモロの事情により主家から勘当されていた。
そんな折、川平家当主である祖母の元に呼び出された啓太は、“ようこ”と名乗る犬神に引き合わされる。出会った当初の彼女は従順で容姿は抜群。早速啓太は主従の契りを結び共同生活を始める。
ところが、ようこの本性は誰もコントロール出来ない程の大問題児。当初の従順な態度はタダのポーズにすぎなかったのだ。ようこの気まぐれで享楽的な態度に振り回される啓太は、様々なトラブルに巻き込まれ散々な目に遭わされる。

声優・キャラクター
堀江由衣、福山潤、中村俊洋、速水奨、名塚佳織、長谷川静香、森永理科、本多陽子、松岡由貴、木川絵理子、廣田詩夢、小林晃子、遠藤綾、新谷良子

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

メス犬に囲まれてみてはいかが?

霊能者の啓太と犬神のようこを中心に描かれるバトル+ラブコメ作品。
ハーレム要素も強いかと。


霊能者=犬神使い。
犬神=犬の化生。
位としては犬神のほうが下で従順なはずなのですが、ようこに限っては超問題児。
犬神のなかで強さはトップクラス。
そして嫉妬深さもトップクラス。
主人公である啓太のことが大好きなのですが、
自分にとって嫌な行動を啓太がするとすぐキレます。
怒ると彼の服を縮地(物をテレポートさせる術)で消し去ります。
外でも構わずにです。
おかげで啓太はすっぽんぽん。
おまわりさんこっちです状態です。
この一連の流れを面白いと思えるか否や。
ドタバタ系の作品なのでここはポイントかもしれませんね。

それと啓太の犬神はようこ一人ですが、薫というキャラにはなんと十人。
全員女の子で啓太とも関わります。
はい、ハーレムの出来上がり!
一人一人魅力があって良かったと思います。
てか薫とかなんなの、もう大政奉還しなさいよ。


ストーリーはあります。
でも私はギャグアニメと位置付けちゃってますね。
私としては、物語面はあまり期待してはいけないと思います。
気楽に視聴してくださいまし。


OP「ヒカリ」 歌ー堀江由衣
ED「友情物語」 歌ーAice5

OPすっごく好き。
それにEDは個人的に好みの曲。面白い曲ですね。
お暇であればニコニコで『友情物語 戦国無双 女の子』で検索してみてください。
面白いものが見れるはずです。



正直つまらない回も少なくなかったです。
特に終盤は私的には微妙だったかな。
ですが、面白い回は本当に面白く、高低差のある作品なのかななんて感じています。
全体をとおしてみれば、わりと楽しめたほうだと思います。
異能とか好きですしね。

コメディ寄りドタバタ系アニメが好きな方におすすめしたい一本です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 34

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

変態御用達のアニメ

『いぬかみっ!』はラノベ原作、2クール(全26話)の変態・ギャグ・動物系アニメです。


この作品は言わば、変態の変態による変態のためのアニメ。第4話に至るまでにこの作品の雰囲気について行けなかった方は、大人しくこの作品の視聴を断念した方が良いかもしれない。前半も後半もシリアスな展開はあるものの、基本的に変態的なノリは変わらないので(笑)

1話に付き数回はゾウさん印の規制描写。下手すると、ある1話の中の半分はゾウさんが暴れまわっているという、何ともお目出度い作品であるが、見方を変えればある意味素晴らしいアニメだと私は思う。なぜなら、これ程までに恥部(野郎の)の規制描写が頻発するアニメは観たことが無いからだ。最近のアニメではここまで露骨なアニメはないだろう。しかし、ただ単に露出しかないというわけでもなく、それを基にしたギャグがなかなか面白いのが好感。馬鹿みたいな迷言と下ネタばかりであるが。

物語の内容は、ギャグが7割、シリアスが3割といったところ。そのシリアスに関しても殆んどが後半。そして、例えシリアスな話であっても、主人公や高頻度で登場する変態どものキャラが相変わらずのために、その場違いなテンションに首を傾げてしまうかもしれない。まぁ、それが良くもあるのだが…。
ギャグ回に関しても、それをギャグと取れず、単なるほのぼの回みたいなこともしばしば。そんな内容が目立つため、正直テンポは良いとは言えない。
しかし、各ストーリーの内容や設定自体はなかなかに良かったため、続きを見てみたいと思わせられるくらいには面白かった。また、ギャグとシリアスの調和が取れていたため、その辺は比較的安定したアニメなのかなと思う。

もう一点挙げるとしたら、声優陣がなかなか良かったのかなと思う。あの声優陣だからこそ、より面白い作品と為ったのではないだろうか。


最後に、お馬鹿系変態アニメが好きなら観るべし。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 17

future☆ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

吉日市に住む高校生・川平啓太は、由緒正しき犬神使いの一族・川平家の末裔。ところが能力不足その他モロモロの事情により主家から勘当されていた。そんな折、川平家当主である祖母の元に呼び出された啓太は、“ようこ”と名乗る犬神に引き合わされる。出会った当初の彼女は従順で容姿は抜群。早速啓太は主従の契りを結び共同生活を始める。

ところが、ようこの本性は誰もコントロール出来ない程の大問題児。当初の従順な態度はタダのポーズにすぎなかったのだ。ようこの気まぐれで享楽的な態度に振り回される啓太は、様々なトラブルに巻き込まれ散々な目に遭わされる。


.。o○ ○o。.キャスト.。o○ ○o。.

ようこ:堀江由衣
川平啓太:福山潤
はけ:中村俊洋
仮名史郎:速水奨
なでしこ:名塚佳織
ともはね:長谷川静香
たゆね:森永理科
いぐさ:本多陽子
せんだん:松岡由貴
ごきょうや:木川絵理子
フラノ:廣田詩夢
てんそう:小林晃子
いまり:遠藤綾
さよか:新谷良子


.。o○ ○o。.放送日.。o○ ○o。.

2006年春アニメ(2006年4月~2006年9月)



.。o○ ○o。.OP、ED.。o○ ○o。.





.。o○ ○o。.お話.。o○ ○o。.

1話「はだかでドンマイっ!」

2話「マッチョがぺろぺろっ!」

3話「水着でたいじっ!」

4話「やらずのかっぽう着っ!」

5話「啓太とようこっ!」

6話「ぴったりともはねっ!」

7話「混浴でサクサクっ!」

8話「こすってしっぽっ!」

9話「煩悩とせくはたっ!」

10話「桜の思い出っ!」

11話「ぐったりにおねがいっ!」

12話「だから死にたい私の歌っ!」

13話「だけど俺にはお前の歌っ!」

14話「カッパとオトサンっ!」

15話「ウハウハ啓太に恩返しっ!」

16話「部屋と怪談と私っ!」

17話「なんか見えてるっ!」

18話「まんもすたいへんっ!」

19話「もっこり啓太の思うツボっ!」

20話「白布に想いをっ!」

21話「しっかりともはねっ!」

22話「パパとムコ殿っ!」

23話「しぼむ象さんっ!」

24話「薫となでしこっ!」

25話「絶望の宴っ!」

26話「ひかりっ!」

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

60.7 4 オカルトで戦闘なアニメランキング4位
レンタルマギカ(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (221)
1695人が棚に入れました
人が思うより、少しだけ世界には魔法が多い人が思うより、少しだけ世界には神秘が多い。臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐこととなった魔法使い派遣会社「アストラル」。慣れない社長業に悪戦苦闘するいつきが、個性的な社員たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。

声優・キャラクター
福山潤、植田佳奈、高橋美佳子、諏訪部順一、釘宮理恵、伊藤静、小野大輔

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

社長命令だ!

ラノベ原作で、原作はいっぱい売れた。タイトルの台詞が主人公の決めセリフ! 2007年のアニメだから、ちょっと古い。魔法使い派遣会社の2代目社長(主人公)とその社員(魔法使い)、魔法結社が絡んでくるというお話。ケルト魔術にソロモン王の秘術、神道や陰陽道となんでもありの魔法バトルが展開されちゃいます。気弱だけどすっごく優しい主人公と、やや強気なヒロイン達の恋の行方もお楽しみ要素。可愛いんだよね、このヒロイン達がまた。私的にはすっごく好きなアニメなんだけど、イマイチ売れなかった印象が・・・。これ多分主人公のXXXが直接的にXXXじゃないからだな。あ、でもヒロインの1人、”アディリシア”さんは人気あったな~。金髪に縦ロール(ドリル)ヘアーと言う典型的なお嬢様。私も憧れたもんだ・・・。オープニングの”宇宙(そら)に咲く”は日本語版の方をお勧め。とっても良い曲です。っと言う訳で、もちょっと評価されても良いアニメかな~と思うので、今更ながらレビューなぞ書いてみました。お時間ある人は観てみて下さいませ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

コン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ファンタジー好きです

 
主人公は何か特殊能力持ってる男の子。学生のなのに社長。そういうシチュエーション、大好き☆
 
目がおかしくて、眼帯してるんだけど、そういうのって日焼けとか困るよね~って思うのは自分だけなのかもしれない。
(;゚д゚)ァ....
 
物語はドタバタラブコメ要素もあるし、思いっきりシリアスでバトって、流血ドバ~(?)みたいなシーンもある時もあるかもしれない。
 
展開はテンポ良いし、好きな物語の1つじゃ!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

10年近く愛し続けている作品です

放送が2007年でしたから、もう10年近く経ちます。

レンマギと出会ったのは、私が深夜アニメに手を出し始めた頃でした。
それまではキッズ向けや少年誌原作のアニメばかり観ていたのでラノベ原作のアニメというのがとても新鮮に感じたのを憶えています。

特に私の心をつかんだのは古今東西の魔術・魔法が協力しあって、問題解決をするという設定でした。
槍を使うものもあれば、魔獣を操っているものもあるし、玉串(神社にあるアレ)を振るだけのものもある。装いも違えば攻撃方法も術式もバラバラでどんなバトルが繰り広げられるのかとわくわくしました。
陰陽師・巫女・魔女・魔眼・眼帯・オッドアイというとっつきやすい要素が序盤から登場していたことも胸ときめかせた要因の一つでした。

要するに、厨二病心をくすぐられてしまったわけです。

ところが、専門用語や時系列の多いレンマギでは、知らない間に話が進んでしまって置いてけぼりな状態に・・・

「猫屋敷さんを見続ける為にもなんとかせねば…」
そう考えた私は、原作の購入を検討することにしました。

(アニメに関係がないので折りたたんでおきます)
{netabare}まず目を惹いたのは美しい表紙。UN-GOのキャラクター原案やFateGOの織田信長のデザインを手掛けるpakoさんの絵柄はまさに私の好みにドストライクでした。
しかし、その時点で原作は10巻程度出ており、今考えても小説にしては多い巻数・・・1巻買うと全部揃えるまで気のすまないたちでしたので結構悩みました。
家に帰って1巻を読み始めるとこれがまた読みづらいw一応徐々に読みやすくなっていましたが、8巻くらいまではかなり格闘しました。{/netabare}

原作を読んでアニメと見比べて分かったのは、話の順序が想像よりもバラバラになっているということ。長編ストーリーの大部分が削られていること、そして三輪先生という人物についてです。

まず、物語の順序から突っ込んでいきます。原作は長編・長編・短編集…というペースで結構短編集が出ているため、アニメでも短編を1話とする構成になっているのですが、アニメの物語はわざわざ原作の刊行順に関係なく、バラバラに組み込んであるのです。何故入れ替えたのか、物語の流れからは想像もつきません。
アニメが置いてけぼりになった一員はここにありとみました。

次にストーリーカットについてです。
前述のとおり、レンマギには短編集が多くあり、短編については基本的に1話で制作する為、しっかりと味付けされた物語が味わえるのですが、問題は長編の方です。
原作的に丸々1巻分を使った長編は、物語の進行に欠かせない重要な部分になるのですが、長編の1エピソードがアニメになると、2〜3話にしかならないんです!!
し か も、その中には上下巻を1エピソードとした物語がたった2話になってしまったものも!さて、物語の方はどうなったかと言うと…
以外と纏まってはいたのですが、アニオリとしか呼べない別物になっておりました。
これでは原作ファンは怒っても仕方が無い。
2クールもあるんだからもうちょっとどうにかならなかったのかなと思いました。

さて、もう一点の三輪先生という存在についてです。
アニメの最後の魔術解説コーナーに登場しており、ずっと原作者なのかなと考えていたのですが、原作に魔術考証で携わっている三輪清宗さんという方だそうです。
シュタインズゲートの小説を書いていたり、カバネリやヴヴヴなどのSF考証だったり、がっこうぐらしの脚本などをされている方ですね。

SF考証が入っているだけあって、緻密な魔術描写とそれを最大限活かされた世界観は飽和しているラノベ界においても今なおトップレベルに君臨するんじゃないかと思います。

そんな偉大な原作をもったアニメですから、話の面白さで言えば、断然原作の方が面白いと思えます。
しかし、ちょっとでも原作の片鱗をみせるアニメが、つまらないなんて事は、まずありえないですし、アニメにはアニメのいい所があるので、その点について、物語以外の評価で触れていきます。

声優の評価
メインキャストの声優陣がとにかく豪華です!
福山潤・植田佳奈・高橋美佳子・諏訪部順一・釘宮理恵・伊藤静・名塚佳織・小西克幸・安元洋貴・甲斐田裕子・藤原啓治・小野大輔・櫻井孝宏・宮野真守と当時でも錚々たる顔ぶれ。
回ごとのゲストキャラの声優もすごいですよ~
このままガンダムも出来てしまいそうです。

キャラの評価
短編メインだったためか、キャラ一人一人にスポットのあたっていたのが良かったです。キャラを楽しむことが目的なら良いアニメなのかな・・・
特に18話ソロモンの絆の隻蓮さんとダフネさんのやり取りは良かったなあ~
準レギュラーポジションの二人の大人の恋の始まりがちょっとベタに終わりは爽やかに描かれているのが良いです。
アニメを観て以来この二人が大好きになりました。
ちなみに、一番好きなキャラは猫屋敷蓮です。

作画の評価
キャラデザが原作とかけ離れているのはやや残念ですが、安定した作画に、雰囲気のある色使いが魅力的でした。

音楽の評価
主題歌
OP コミネリサ「宇宙に咲く」
ED 吉田旬吾「歩いていこう。」
OPは英語と日本語の2バージョンが入れ替わりで使われています。シリアスな魔導バトルものにふさわしいかっこいいOPです。
タイトルロゴになぞらえた十字に歌詞を流しとてもかっこいい演出になっています。
EDは声優が歌っているアストラルvarsionがあり、こちらも入れ替わりで使われています。安らぎのEDです。黒羽まなみちゃんがとっても可愛いです。


総評
原作ファンとしては、絵柄、ストーリー構成的に納得のいかない部分もあるのですが、見返してみるとアニメはアニメで良いところがあるということに気づかされました。
原作も終了し、アニメも特報が無いままもうすぐ10周年を迎えようとしています。もう世間的にはオワコンなんでしょうか。しかし、それでもかまわないと私は思います。いつまでも私の心の拠り所として大切にしていきたい、そんな作品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

61.9 5 オカルトで戦闘なアニメランキング5位
tactics タクティクス(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (100)
686人が棚に入れました
表向きは売れない民俗学者、裏の世界では妖怪退治を営んでいる主人公と伝説の天狗が手を組み、様々な事件を解決していく様を描く。
時代はハイカラと呼ばれる明治後期の日本。幼い頃から妖怪が見える主人公・一ノ宮勘太郎は、表向きは売れない民俗学者、裏の世界では妖怪退治をしており、働き者の妖狐のヨーコにお世話になりながら一緒に暮らしている。
勘太郎は幼い頃からずっと伝説の鬼喰い天狗と友達になりたい、と憧れるも遂に場所を探し当て封印を解く事に成功。鬼喰い天狗の名は「鬼より遥かに強い」という由来から『春華』と名付けられた。
この3人を中心に、妖怪と人間の交流、春華の記憶や鬼喰い天狗本来の能力までもを失ってしまった謎、そしてなぜ勘太郎だけが封印を解けたのか?などを大きな軸に描かれている。

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

雰囲気は好きなんです

原作未読。
実は何度も挫折しながら何とか観ました。
大正位の日本が舞台で当時の日本の活気を感じれる建物や背景は好きなんですが…。
民俗学者の主人公が依頼されればオカルト現象の調査と解決をしていく作品です。ただ仲間に妖怪がいて人間にばれる事なく普通に日常生活を送っています。
基本1話完結形式なんですが何かワクワク感やドキドキ感が足りないし意味深な終わり方しておいて投げっ放しが気になります。一応最後までみればえっ?という事があります。

私のツボ:むーちゃんの悪顔

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

トナマク さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

思ってたより面白い!笑

このアニメは、主人公の一ノ宮勘太郎が黒天狗の春華や他のキャラと一緒に怪奇現象を解決していくという話です。

主人公が周りの人より妖怪が見えるというのと、妖怪と仲良くしようとしているところが少しだけ友人帳っぽいなと思いました。

やっぱり漫画原作なので、気になるところで終わってしまいますが、結構楽しめた作品でした。

一番謎が残るのは主人公のことで、昔のことや、年齢がとても気になります・・・。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

1061000you さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

話の持って行き方なんだろうか・・・

ストーリー的には多分ラストが一番盛り上がる設定なのだろうけれど、
最後に直面する問題の大きさを
それまでに浮き上がらせきれていない気がしました。
その結果、イマイチ盛り上がりに欠けるというか・・・

あと、私的には主人公のキャラ設定が
二重人格なのか?と感じました。
お金に困っているけれど、お金にならない妖怪退治してみたり
お金目的で女性に近づきながら、シャレとしての処理がされてないとか
鬼喰い天狗の春華に、強制的に主従関係を理解させるような行動をしたかと思えば
「あこがれ」とか言ってみたり。

春華のキャラがよくできている分、
勘太郎のキャラの完成度が気になりました。
結果、キャラの評価は ±0にしてみました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1
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