オシャレで天才なおすすめアニメランキング 3

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番のオシャレで天才なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.3 1 オシャレで天才なアニメランキング1位
昭和元禄落語心中(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (899)
4135人が棚に入れました
昭和の落語界を舞台にした噺家の愛おしき素顔と業を描いた作品

師匠と交わした約束を 胸にしまって芸を磨き ついに与太郎、真打に。 射止めた名跡は三代目助六。 八雲師匠の為め、助六の血を継ぐ小夏の為め、 焦がれて手にしたはずなのに、 おのれの落語が揺るぎだす――。 八雲と小夏、二人の中の助六を変える為めの 与太郎の落語とは――!?

声優・キャラクター
関智一、石田彰、山寺宏一、小林ゆう、林原めぐみ、家中宏、牛山茂、山口勝平、加瀬康之、須藤翔、茶風林、遊佐浩二、林家しん平

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

流行に阿らない作品?(NHKで実写ドラマ化、10/12より放送)

同タイトルの漫画が原作らしい。(原作未読)
このレビューは1期目のもので、2期目の制作が決まっているらしい。

本作の登場人物には落語を演じるシーンが必要な人がいるわけだが、それらのキャストのオーディションでの当落基準に「落語を演じられること」というのがあったらしい。

その真偽は確認していないが、それが信じられるくらいにキャストは落語を熱演している。

そして本作品の登場人物のの人間臭さと、噺の中の登場人物の人間臭さとが重ねあわされるようなストーリーにはなかなか重厚感があると思う。

キャラクターデザインはおそらく原作を踏襲しているのだと思うが、いわゆる「アニメ絵」風ではない。だがそれは「キャラクターデザインの問題」であって、作画が悪いということではなくむしろ良い。

演出や美術なども近年の作品にはあまりない感じであまり似ている作品は思い浮かばない。(もしかしたら『御先祖様万々歳!』とかは少し似ているかも? でもあれはもっと「舞台劇風」な画面だしなあ…。)

いかにも老舗のスタジオディーンが制作しているっぽい作品である。

とにかく作品全体から「世の中に愛される『落語』であって欲しい」という願い、危機感みたいなものが随所に感じられることと「落語は人生そのものだ」みたいな娯楽としての落語の意味みたいなものがにじみ出ている。

すごく面白かったが、これがアニメ作品として売れるかどうかは良くわからない。売れたら良いね…。

2018.10.6追記:
10/12よりNHK ドラマ10枠で連続ドラマとして放送されるそうです。さて、どうなることか…?

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

実写映画化してもヒットしそうな印象を受けた=シナリオとテーマ性に長けたリアル系のアニメ

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
落語をテーマにした、唯一無二の作品。

声優さんの力を感じる、名作。

アニメ史にキッチリ残すべき作品だと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、ド正面から「落語」に向き合ったアニメってのは珍しいですね。第1話で「出来心」という演目をまるっと見せてしまう(そして、それを楽しんで観られてしまう)驚き! 落語そのものの魅力に自信がある、もしくは伝えたいって気持ちが伝わります。

私は落語には疎いです。実際に落語を観たのも寄席に行ったのも付き合いで数回ってところです。好きな咄家さんもいません。素朴な疑問として、(初見ならまだしも)「ストーリーが分かっている話を何度も聞いて面白いのか?」というものがあります。

それを落語好きな友人に話を聞いてみると、「落語は音楽。歌だって、好きな歌手の好きな歌なら何度でも聞きたいって思うし、ファンなら、年月を重ねるごとの変化、その日の体調や気分によって微妙に変わる歌い(話し)っぷりを楽しめる。それから、同じ曲でも歌い手が変われば、カバー曲みたいで楽しめるよね。客との関係性(即興性)も、例えればジャズだよ」と言われました。

なるほどな~と思うました。私の大学時代の(文学部の)恩師の持論で、「ミステリーは基本的に古典になり得ない」というものがありました。それは、「ミステリーとは基本的にストーリーを楽しむもので、一度読んでオチが分かってしまえば再読しようと思えない。でも、ストーリーが分かっているのに何度も読みたくなる文章というのは確かにある。それは、表現の妙だったり言葉のリズムであったり、そこに日本語の美しさ、心地よさがある文章だからである。そういう作品こそ、再読にも再々読にも耐えられ、読解にも値し、古典になっていける作品である」というものがありました。

アニメでもそうですよね~。例えば私は、「とらドラ」とかストーリー分かっていても何度も観ちゃうけど、あれは「とらドラの空気感に浸りたい」ってのが大きいんですよね。耳に目に、心地いいんですよ。

落語の魅力ってのも、そういう類いのものなのでしょう。「昭和元禄落語心中」にも、そういう「落語の魅力」が詰まっていました。

また、ストーリー的にもそれぞれの登場人物が辛い過去を抱え、その傷を落語を通して乗り越えていこうともがく様子には感動を覚えました。七代目八雲の苦悩、血の繋がりを越えた師弟愛。そして、八代目八雲(菊比古)と助六との友情を越えた絆。月と太陽のような対照的な二人。菊比古が助六に、助六が菊比古に抱く、嫉妬やら憧れやらの混ざりあった複雑な感情。そして、女の怖さ、愛憎劇。偏愛。死。所々、落語の話を元ネタにしたようなストーリーも。(一期の)ラストはちゃんとコメディで占める。なんだか色んなものを詰め込んだのに、それを一本の筋としてまとめきった素晴らしい脚本。それ自体が落語のような物語でした。

最終話でいきなり与太郎が真打ちになってて、? って思ったけど、よくよく考えれば、「前座→二枚目→真打ち」の流れは菊比古編で描いているわけだから、あえてスパッと切ったのは英断ですね。そして与太郎を使い、助六が経験できなかった、真打ちになってからの苦しみや喜びを表現する、と。うん、無駄がない。

さらに、戦争という時代を描いた社会派の物語としても一見の価値あり。戦中戦後に、落語などの日本の伝統的な娯楽産業がどのように落ちぶれていったか、また、その中で落語を残そうともがく人々の様子。終戦後に初めて行われた寄席の緞帳が上がった時の、「何も無ぇ時代だからこそ、舌三寸の落語の腕の見せ所よ」という助六の台詞にはグッときた。昔、ある咄家さんが、「座布団一枚と扇子に着物があれば、どこででも落語は出来る」と言っていたのを思い出し、落語の強さを感じました。

う~ん、このアニメはやっぱり、タイトルで損している気がする。私も、「元禄」「心中」あたりにひっかかってて、視聴を避けてましたし。あ~、観て良かった♪

最後に、やはりこのアニメで光ったのは声優陣の凄さでした。いや、だって、落語になってるしね(汗)どれだけ練習したんでしょう? 凄いね、声優って。

2期決定らしいですね。1話最後に八雲が、「長い夜になりそうだ」と言っていたけど、(2~3話の過去編かと思っていたのに)ここまで長い夜になるとは思わなかった(笑) 2期前提ってことだったのでしょう。2期ではきっと、与太郎の成長が見られるのだろうし、楽しみです!!
{/netabare}

【余談 ~実写化した場合の配役案w~】
→以前書いた文章
多分、いつか実写化するはず。そして、この中の何人かは当たる気もする(笑)

→やっぱり実写化されましたね。実際の配役は、

八代目 有楽亭八雲(菊比古)…岡田将生。
有楽亭与太郎…竜星涼。
小夏…成海璃子。
みよ吉…大政絢。
有楽亭助六(初太郎)…山崎育三郎。
松田さん…篠井英介。

でした。アニメ放送当時に希望した、私の配役案と、どっちが良いですかね?(笑)

{netabare}
与太郎編の配役。 ( )内は第2希望

与太郎→生田斗真(小栗旬)
八雲→堺雅人(佐々木蔵之介)→白髪バージョンは無しの方向でw
小夏→二階堂ふみ(戸田恵梨香)
松田さん→近藤正臣(中原丈雄)
ヤクザ兄貴→やべきょうすけ(千原ジュニアw 落語大好きだし)
ゲスト出演→春風亭昇太(か、林家たい平。笑点メンバーのガチな落語を観たい人は多いはず。落語界にもメリットはある)


菊比古編の配役(妄想)

菊比古→二宮和也(窪田正孝)
初太郎→桐谷健太(山田孝之)
七代目八雲→立川談春(風間杜夫)
みよ吉→菜々緒(仲間由紀恵)

こんな感じでどうでしょう(笑) 全体的に(原作に比べて)年齢層高めになっちゃったのと、与太郎と小夏、菊比子とみよ吉の年齢が逆転しちゃったのが難点ですが、イメージ重視の配役です(だって、10代の演技力無いジャニタレには落語は無理そうだし、そうなると、相対的にアラフォー女優さんになるけど、それで若い人を呼べるか疑問にも思うから)。

さて、レビュータイトルの件ですが、素直にそう思いました。このアニメ、とても良いアニメで久々に(このすば以来の評価5で)夢中になれましたが、このリアリティある作風に重厚なストーリー。冷静に考えればあえてアニメである必要はないとも思いました。むしろ、実写向きでは?

与太郎は、ジャニーズでもイケメン若手俳優でもいけそうだし、小夏も、若手の人気女優(清純派女優の新たな一面を見せるとか)いけそうだし、(8代目)八雲に関しては、堺雅人さんにしか思えない(笑) あとは、リアルガチな大物咄家さんをゲスト出演させれば、話題は作れる。最近は落語ブームで、若い女性も観に行くらしいですし、中年以降の落語ファンにもウケそう。イメージは「ちはやふる(劇場版)」。

ストーリー(八雲と助六の過去編)を短縮(か省略)させて、(おそらく2期で描かれる)与太郎の成長にしぼれば映画の尺でもいけそう! そしてヒットしたら、八雲&助六の過去編をスピンオフで劇場公開(笑) もしくは、先に八雲&助六の過去編を公開。続いて後編として与太郎編を公開(アニメ通りの構成)。うまくいけば、落語ブームという社会現象を起こせるかもよw
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 61

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

個人的16年冬クール最高傑作。 賞賛の言葉がうかばないです

漢字のタイトルで落語が内容?
こんな歳より臭くて、地味そうなアニメが面白いわけがない
落語って退屈なイメージありましたじぶん。
正直、まだ落語の魅力はよくわからないです

ただこのアニメの魅力はわかりました!
アニメは物凄い出来栄え!化け物級ですね。

情熱、青春、闘争、恋愛、友情、人情、信念、希望
人生のスパイスが全て物語に含まれている濃密さ
TVアニメの枠を超えて、名作映画すら凌駕する完成度でした。


・魅力について
落語家たちの人生劇場

波乱万丈な人生がドラマチックに表現されています。
落語は物語転換の舞台装置なんですよね
延々と落語を見るアニメなんかじゃなかった。。

映画的だなって感じるのがカメラアングルもそうなんですが
台詞で物語を語るのでなく、絵で語っている点でしょうか
心情を台詞で言わせる野暮はこの作品ではやりません

落語の演目を使って、ストーリーが展開するのですが
なぜ、この演目をやるのか?必然性のつけ方が凄い
演目によって成長したり、転機となったり
落語が人生劇場の一部なんですよね。。
ただ落語をアニメで見せたいナンテ
そんあアニメじゃありゃしません。

人物も非常に魅力的ですよね
美男美女揃いですが容姿だけじゃない
べっぴんな男性陣多くて惚れ惚れするのは事実ですけども

いつも横になってアニメみてるじぶんが
正座してみてしまったほど、緊張感と、惹き付け、味、色気が
あるんですよね。。
1話だけ1時間構成(2話分)なのですが
1話ラストから正座視聴になりました
本気で見ないとダメって気持ちにさせるんですよね。。

1クールが基本2話で一区切りの構成となっていて
2話ごとに展開されるわけですから見ていてテンポがいいですね!
通常良作アニメは3話、スローなアニメで4話進行って書くと
スピード感がお伝えしやすいでしょうか。

演出BGMもお囃子だったり、ジャズだったりと粋でしたね
シリアスシーンで無音にして間をつくるのも好手。
落語中のBGMだけ過剰かなって感はありました。
声優さんの演技だけで充分盛り上がっていました
特に石田さん、山寺さんお二人の演技力を超える方は
俳優を含めてもいらっしゃらないんじゃないでしょうか
じぶん正座になりましたしね。。


男性も女性も間違いなく楽しめる作品ですし
2期製作も発表されています
ぜひ、ご覧いただきお楽しみいただけましたら幸いです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 50

69.6 2 オシャレで天才なアニメランキング2位
ルパン三世 (TV第2シリーズ)(TVアニメ動画)

1977年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (142)
750人が棚に入れました
短命に終わった前作の人気が後年高まったことで、新たに制作された第二シリーズ。前作よりスケールアップし、世界各地を舞台にしたルパン一家の活躍が始まる。宿敵・銭形警部はICPOに転属し、こちらもまた世界の果てまでルパンを追いつめていく。その追撃をさらりとかわしながら、奇想天外な仕掛けやアイディアを用いて今日も彼は華麗な盗みを次々と成功させていくのだった。

声優・キャラクター
山田康雄、小林清志、増山江威子、井上真樹夫、納谷悟朗
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ルパンのいろんな魅力がわかる物語

この物語の最大の魅力は、なんといってもルパンの陽気さ、明るさです。
昔、母と一緒に、笑いながら見ていた記憶があります。

その中でも印象に残ったものを2つ紹介します。


■155話(最終回) 「さらば愛しきルパンよ」
これは、ルパン三世アニメ40周年記念 マイ・ベストエピソード投票」で一位になりました。監督は宮崎駿さんです。

あらすじは、
冒頭から明らかに偽物だと思われるルパンがロボットを用いて強盗を働きます。
ロボットを操る少女は小山田真希。
彼女の願いはただひとつ、みんなにロボット兵器の恐ろしさを知ってもらい、政府がロボット兵器の廃絶をすること。
そのために偽ルパンに騙されて、犯罪の片棒をかつぎます。
しかし、世の中には恐ろしければ恐ろしいほど売れるものがあります。
純粋な真希は、そのことを知りませんでした。

この回では銭形警部が大活躍します。
すぐに偽ルパンだと見破った彼は、ロボットと戦車との市街戦のさなかで赤ん坊を助け、アジトを突き止めます。
その後、銭形警部は、厳しく、そして包み込むように優しく、真希に教え諭します。
ここでは銭形警部の魅力がふんだんに現れていました。

しかし、放送時間の半分が過ぎても、本物のルパンはなかなか姿を現しません。
このままルパンが活躍せずに放送が終わるのかと思われたとき、ルパンは意外な場所にいました。

この回はとても感動します。そして心が暖まります。まだ見ていない方は是非見ることをお勧めします。
そして見終わった後は、「天空の城ラピュタ」を見ることをお勧めします。
驚きとともに新たな感動が生まれるでしょう。


■125話 「オイルダラーの大陰謀」
この回は、お笑いあり、アクションあり、そしてシリアスありで、ルパンの魅力を余すことなく表現しています。

あらすじ;
砂漠の王国のギアーナ姫、彼女は不治の病に侵されています。
彼女の願いは『死ぬ前に、この国に雪が降るのを見たい』。それだけでした。
ひょんなことから彼女と親しくなったルパンは、彼女の願いをかなえるために奮闘努力します。

最初はゲラゲラ笑う内容ですが、途中から展開がアクションに変わります。
そして、やっとのことで砂漠の王国に雪を降らせることができたルパンですが、とき既に遅く・・・。
その瞬間から、ルパンは一言も話さなくなります。王宮を離れても、王国を去った後も、ルパンは無言です。
その険しい表情は、王女との約束をかなえられなかった自分自身を激しく責めているようでした。

私は、こんな表情のルパンを初めて見ました。このことだけでも、ルパンが王女との約束をどれだけ大切にしていたのかがわかります。
まだ見ていない方は是非見てください。あなたの知らないルパンを見ることができます。
{netabare} この物語は最後にオチがありますので、安心して見てください {/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

ダビデ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメの記憶

小学生の頃,夕方の再放送で観ました。
ただ,再放送されていたのが,1期なのかこの2期なのかあやふやな記憶です!
オープニングテーマ,車に飛び乗るがハンドルがとれてしまうアイキャッチの「ありぃ」懐かしいです。

機会があれば観たいと思いますが,1話完結の話が何話もあるので,大人となってしまった今はきついかもしれませんね。
照樹務さんの145話と最終回155話だけでも観なおしたいです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

テレビシリーズのルパンでベスト作品

とにかく面白いの一言につきます。
何度も再放送されましたが、何度見ても飽きなかったです。
音楽も素晴らしかった。OP、ED、挿入曲全てです。

個人的にはいかなる長編ルパン三世作品よりも上だと思ってます。

それと、注目すべきは最終回に出てきた小山田マキというキャラでナウシカの原型になったと言われるキャラです。
ラピュタのロボット兵そっくりなロボットであるラムダを操つり、生きたパートナーのように呼び掛けたり、
お嬢様ふうの口調などキャラがやたらと立っており宮崎駿氏もかなり気に入ったキャラで「ルパンのベストカップリング」に名を挙げてます。
一話きりのキャラとしては勿体ないくらいのキャラでした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 11

65.1 3 オシャレで天才なアニメランキング3位
ギャラリーフェイク(TVアニメ動画)

2005年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (104)
612人が棚に入れました
表向きは贋作・レプリカ専門のアートギャラリー『ギャラリーフェイク』を舞台に、オーナー藤田玲司が、様々な登場人物と絡みながら、時に世界を駆け巡りながら、絵画、彫刻などを通じて「アートとは何か?」を問いかける。主人公の魅力は、単なる守銭奴ではなく、アートへの奉仕者として清濁併せ呑む点にあるほか、美術・芸術・骨董の多方面に渡る薀蓄的描写も、読者の好奇心をそそる。助手サラ・ハリファとのほのかな恋の行方も気になるところであるほか、脇役・レギュラーキャラクターも多い。

また芸術に絡んで社会問題にも言及するなどしており、物語は美術方面の商業的な話題から推理サスペンス、コミカルな人間模様、陰惨な事件、時に憎み合い時に愛し合う人々の交流、文化財保護にまつわる制度面の問題など、多岐にわたる。

声優・キャラクター
森川智之、川澄綾子、ゆきのさつき、石坂浩二

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「美術と蘊蓄」「ピカレスク」「一話完結」おすすめです

<2022/2/9 初投稿>
原作は1990年代にビッグコミックスピリッツで連載されてて、当時たぶん一通り読んでます
・・・と、ウィキ調べたら2016年からまた連載再開されてる!
マジですか?
読みたい!
というかあらためて全巻揃えたい!

作者の細野不二彦さんは「さすがの猿飛」「Gu-Guガンモ」などで1980年代から活躍する漫画家さん。
さらにいえば、美樹本晴彦、河野雅治、大野木寛といったマクロス組?と若い頃から仲良しグループだったのだそう。
そのグループの中でも画力の高さは際立っていたそうで、確かにこなれた絵柄は見やすく、かつ躍動感、存在感に溢れたものでした。
そういえば漫画版「クラッシャージョウ」もこの人だったような。

今回、CSでアニメ版の一挙放送やってたの見つけて、懐かしくて毎日一話ずつ、楽しみにしながら視聴しました。

本作は一話完結型の「美術と蘊蓄のピカレスク」

主人公・藤田玲司は表向きは贋作専門、裏では盗品なども扱うと言われる画廊「ギャラリーフェイク」を営む美術商。
実は元メトロポリタン美術館(MET)のキュレーター(学芸員)であり、
その美術品全般に渡る深い知識と正確な鑑定眼、そして極めて高い美術品の修復技術からMET時代は「プロフェッサー」の異名で呼ばれた伝説の存在。
とある事情でMETを追われてから「ギャラリーフェイク」を開き、その知識・スキルと幅広いコネクションで「怪しい商売」を営んでいます。
でも美術に対する熱い心は失ってないよ。
仕事では億単位の取引をしてるくせに、その素顔はボロアパートに住む、蟹好きで腰痛持ち運動不足の三十代後半のオールバックのおっさんである。
名前の元ネタはフランスで活躍した日本人画家・藤田嗣治なのだそう。
声は無職転生のルディのパパというイケボ

サラ・ハリファは藤田の助手兼ヒロイン。
アラブ系の超お金持ちで元王族。
とある件から藤田に惚れて、ギャラリーフェイクに「押しかけ助手」。
よくわかりやすくヤキモチを焼く。
ティーンのため藤田からは子供扱いされるも、なんだかんだで藤田に大切にされている。
美術品を見る眼は肥えていて、助手としても有能なんじゃないかと思うけどどうなんだろう?
声はセイバーとかのだめの人なので拗ねると可愛い

三田村小夜子館長はもう一人のヒロイン兼藤田のライバル役。
日本の私立美術館の館長でやはり海外の美術館でキュレーターの経験あり。
なので美術品の知識や鑑定眼はハイレベル。
真面目で勝ち気な美人さん。
藤田さんをたまにデレデレさせる役割も担う。
つまりサラからは恋敵に見える立ち位置。
でも本人が藤田のことをどう思ってるかは謎。
声はプラネテスの田名部愛とかフルメタのかなめの人。

レギュラーキャラは以上です。

一話完結で、毎話ゲストキャラも登場します。
お話はバリエーションに富んでいて。
渋みのあるものから、
ニヤッとするもの、
ニヤニヤするもの、
温かくなるもの、
ハラハラドキドキするもの、
日常っぽいものまでなんでもアリな感じ。

今回見た中で特に印象深いのは
13話「監獄のミケランジェロ」
16話「楊貴妃の香」
31話「孤高の青」
33話「神々の宝石」
37話「メトロポリタンの一夜」

毎話出てくる美術品の蘊蓄も楽しみでした。
本作始まった頃ってまだネットもなかったはずだけど、作者の細野先生と編集さんはよく調べるよなぁ。


藤田は極めて高い専門性を持ち、物語の中の立ち位置としては決して評論家に収まるのではなく「研究者」とか「職人」といった風情。
そう言ったところ含め本作には「マスターキートン」に近いものを感じてしまいます。

ちょっと外連味ありますが、大人が楽しめる楽しい作品。
美術の世界に少しでも興味あるならならおすすめできる。
隠れた良作だと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

エミ(エミタク) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いや~面白かった♡

マンガで内容知った後にアニメを観たんだがそれでも面白かった♫


私美術品に興味あるんでこの作品に食いついたんだけど、
コレは興味ない人でも楽しめる作品に仕上がってます♫

主人公の藤田(凄腕のキュレーターでギャラリーフェイクを経営)
とサラ(家族を失った王族の娘)が色々な美術品と出会っていく作品です。
有名な絵画等が出てきて美術品好きには勿論たまらない内容だし
恋愛・人間関係等も織り込まれていて観てて飽きないです。

普段はテレビとか間に挟むんだけど面白くて
休憩なしに一気に観終えました。

オススメです。マジで☆



投稿 : 2024/04/13
♥ : 18

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

芸術作品の取引にもう一度ロマンを。

オークション等、芸術作品の売買もマネーゲームに汚染されて久しい。
絵画が札束にしか見えないような〝投機家"がマーケットで暗躍し、
アートを右から左へ転がすばかり。
真に芸術を欲する人々に作品が行き渡ることは稀である。

本作の主人公で、贋作専門の画廊を営む、
元メトロポリタン美術館学芸員で修復の名手であるこの男は、
裏で真作の闇取引を行っていると後ろ指を指されている。

だがその黒い噂とは裏腹にこの男は、
芸術作品があるべき姿、あるべき場所に収まる為なら、
寸暇を惜しまず行動する情熱家である。

芸術の価値とは一体何なのか?
ある人にとって真作以上に価値ある贋作もあるのではないか?

芸術作品は一体誰の物なのか?
それを必要とする個人が所有すべきなのか?
それとも美術館が所蔵する公共物であるべきなのか?
或いは国家が国宝として接収し保護すべき文化財なのか?

こうしたテーマについても深く考えさせられます。

アニメ版では同じテレビ東京の人気番組、
『開運!なんでも鑑定団』にて司会を務める石坂浩二氏が、
芸術作品のウンチクについて渋いナレーションを披露。
芸術の秋などにぴったりな〝いい仕事してる"逸品に花を添えています

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12
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