オシャレで熱いなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのオシャレで熱いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月18日の時点で一番のオシャレで熱いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.4 1 オシャレで熱いなアニメランキング1位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (578)
2466人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

当たり前のことしか起こらない世界

喪失感とともに、バットを抱えたまま前に進めない少年。
恋人への想いにすがり、いじめを受ける少女。
川べりの街に建つ医療機器メーカーの工場。
同じ時刻に吐き出される煙は何かの狼煙のように見えた。
気怠い日常がただ過ぎていくはずだった。
ベスパに跨りベースギターを背負った
ハルハラ ハル子が来るまでは。

アニメーション製作Production I.G・GAINAX、
監督・原案:鶴巻和哉、脚本:榎戸洋司
キャラクターデザイン:貞本義行
音楽:光宗信吉、the pillows

エヴァンゲリオンを制作した後のガイナックスが
2000年にOVAとして手がけたSF青春アニメ。
クリエイターやコアなファンの間ではいまだに語り継がれる作品。
私はあにこれでキャッチしている人のレビューで初めて知った。
発表から20年近くも経って映画『フリクリ オルタナ』や
『フリクリ プログレ』が公開されたことからも、
OVAとして世に出たこの作品が、いかに幅広い人々から
支持されてきたのかが分かる。
ピロウズが海外で認知され、ライヴを行えたのも
この作品で音楽を担当したことが大きく影響した。

静かな展開は1話の序盤だけで、
ほかは全てがぶっ飛んでいる。
ギターリフが印象的なピロウズのロックがいつも流れ、
パロディやスラップスティックが展開されるなど、
クリエイターの遊び心が散りばめられている。
{netabare} バイクには轢かれるし、ギターではぶっ叩かれるし、
頭からロボットは出てくるし、人工衛星が降ってくる。 {/netabare}
エヴァンゲリオン特需のようなものがあったのか、
好きなことを好きなように作っている。

この作品を観ていると『うる星やつら』TVシリーズの
押井守時代後期の作風を思い出した。
優秀なクリエイターがどんどん集まり、
斬新なカットが次々と展開され、
『灰とダイヤモンド』や『2001年宇宙の旅』の
パロディが挿入される。子供に分かるわけがない。
また、タランティーノ監督の『キルビルVol.1』を
初めて映画館で観た時のことも頭に浮かんだ。

監督の趣味ともいえる分野を存分に押し出し、
危ういともいえる均衡を何とか保っている。
良し悪しは別にして、観ていてとても楽しい。

かと言って、過度なイメージとコメディが展開され、
そこにロックが流れるだけの
PVになっているかというとそんなことはない。
行き場のない心を抱えた少年少女を中心に据えた
青春ストーリーとして、しっかり成立させている。

平穏に見えた川べりの田舎町に起こる地球規模の災厄。
皆が色々な気持ちを抱えて生きている。
コメディの間に挟まれる詩的なイメージ。
この作品全体に流れている想いは
「振り切る」ことなのだろう。

私たちの世界では色々なことが起こるけれど、
日常は普通の顔をして、当たり前のように過ぎ去っていく。
鬱屈した心を抱えているだけでは何も変わらない。
バットを振らなきゃ話にならないのだ。
(2018年9月17日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 64
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Jumpin' Jack Flash

鶴巻和哉監督作品、脚本榎戸洋司。
キャラクターデザイン貞本義行。
何と言っても吉成曜の参加が嬉しい。
アニメ界を牽引するIG×GAINAXの傑作。

退屈な日々を送る小学6年生のナオ太は、
謎の女が乗る愛車ベスパに轢かれてしまう。
{netabare}その日から、ナオ太のあり得ない日々が始まる。
頭から角が生えロボットが出現したのだ。{/netabare}
ベスパ女ハル子は世界を賑やかに改変し、
モヤついている少年の日常は彩られ始めた。

アートワーク、演出、オリジナリティ、
the pillowsのオルタナティブロック。
お洒落でポップな世界観が感性に響き、
超一流のクリエイターが、
遊び出すとこんなにも楽しい。
テキトーなセカイのテキトーなシナリオ、
アニメーションとはデタラメな夢なのだろう。

スゴイことなんてない、
当たり前のことしか起こらない。
少年は少年のままで成長を続けるのだ。

日常が少しづつ輝き始める、
楽しくて甘酸っぱい青春ワンダーランド。
きっと人生を色彩豊かにしてくれるはずだ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 43

CountZero さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

もう15年も前の作品になっちゃうのね…ヾ(´ε`;)ゝ

手持ちのCDをごそごそと整理していたら、フリクリのCDがでてきました。
と言ってもインストなしの歌モノだけなので、ピロウズのベスト盤みたいな感じですが。

聞いてみて…
ああ、やっぱりかっこいい。
シンプルな3ピースはかっこいいと、自分のロック好きを再確認していると、猛烈にフリクリが観たくなってレンタル屋さんへ。
あったあった!と手に取るも、なんかパッケージがボロい(笑)
裏をひっくり返して制作年を見ると2000年!の表記が。
おおぅ、いつの間にそんなに時間が過ぎてしまったの?と軽いめまいを感じながら久しぶりに借りて観ました。

感想は…
ああ、やっぱりかっこいい。
昔、初めてこの作品を観たときもそう感じましたが、今観ても変わらない魅力がこの作品にはありました。
せっかくなので、なんで自分がフリクリを好きなのか少し考えてみました。

理由その1「音楽が好き」
私はアニコレのレヴューでも事あるごとにロック好き、特にオルタナ/グランジ好きであることを勝手に公言していますが、ピロウズは今では日本を代表する(と思うけど、それほどメジャーでもないか…)オルタナバンドで、昔から好きなバンド。
そのピロウズが音楽を担当しているから好き。

理由その2「サブカル具合が好き」
サブカルといってもいろんなものが含まれるけど、メジャーじゃなくてマイナー、マジョリティーじゃなくてマイノリティーな感じ、とにかくいろんな人に受け入れられることを目指した作品ではないところ、そういう意味でオタクというかマニアックなところとか、凝った演出と実験的な映像でありながら作品として破綻していないところとか、ダサさとクールさの絶妙なバランスが好き。

理由その3「キャラが好き」
ヒロインの一人であるハル子のパンクな傍若無人ぶりとか、持ってるリッケンのベースとか、乗ってるベスパとか、レトロでモッズなスタイルとか、いちいちかっこいい。
そしてもう一人のヒロイン、マミ美のアンニュイな雰囲気が特に好き。
セーラー服で厚い唇にくわえタバコで煙を立ち上らせている姿が、どきっとさせる(もちろん未成年の喫煙はダメですよ)。
すごーく惹かれる、かわいい(笑)
他にも、貞本義行さんのデザインしたキャラがいい味出しててみんな好き。

理由その4「無いようである、あるようで無いストーリーが好き」
これはこの作品の好き嫌いの分かれ目の一つかもしれません。
観る人によっては、意味不明でナンセンスなストーリーについていけず、というかあって無いようなストーリーだから、起承転結とかちゃんと伏線回収するしっかりしたお話が好きな人は、飽きてしまうこともあるかと思うので。
でも感覚的に観たり聴いたりするのも好きな人は結構楽しめます。
このストーリーに明確な理由を求めちゃいけないかな?
強いて言うならナオ太の成長物語(笑)
こういうのも私は好き。

と、ここまで書いてみて、好きな理由なんてごくごく普通だなと思ってしまいましたヾ(´Д`;●) ォィォィ
まあ自分の好みが明らかになったのは良いとして、あまりみんなの役には立ちそうにないレビューとなってしまいました…。
とりあえず、ちょっと変わった作品を観てみたい人にお勧めします。
だらだらと書いちゃってごめんなさい。
読んでくれた方、どうもありがとうございましたー<(_ _*)>

投稿 : 2024/04/13
♥ : 36

81.3 2 オシャレで熱いなアニメランキング2位
昭和元禄落語心中(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (899)
4135人が棚に入れました
昭和の落語界を舞台にした噺家の愛おしき素顔と業を描いた作品

師匠と交わした約束を 胸にしまって芸を磨き ついに与太郎、真打に。 射止めた名跡は三代目助六。 八雲師匠の為め、助六の血を継ぐ小夏の為め、 焦がれて手にしたはずなのに、 おのれの落語が揺るぎだす――。 八雲と小夏、二人の中の助六を変える為めの 与太郎の落語とは――!?

声優・キャラクター
関智一、石田彰、山寺宏一、小林ゆう、林原めぐみ、家中宏、牛山茂、山口勝平、加瀬康之、須藤翔、茶風林、遊佐浩二、林家しん平

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

流行に阿らない作品?(NHKで実写ドラマ化、10/12より放送)

同タイトルの漫画が原作らしい。(原作未読)
このレビューは1期目のもので、2期目の制作が決まっているらしい。

本作の登場人物には落語を演じるシーンが必要な人がいるわけだが、それらのキャストのオーディションでの当落基準に「落語を演じられること」というのがあったらしい。

その真偽は確認していないが、それが信じられるくらいにキャストは落語を熱演している。

そして本作品の登場人物のの人間臭さと、噺の中の登場人物の人間臭さとが重ねあわされるようなストーリーにはなかなか重厚感があると思う。

キャラクターデザインはおそらく原作を踏襲しているのだと思うが、いわゆる「アニメ絵」風ではない。だがそれは「キャラクターデザインの問題」であって、作画が悪いということではなくむしろ良い。

演出や美術なども近年の作品にはあまりない感じであまり似ている作品は思い浮かばない。(もしかしたら『御先祖様万々歳!』とかは少し似ているかも? でもあれはもっと「舞台劇風」な画面だしなあ…。)

いかにも老舗のスタジオディーンが制作しているっぽい作品である。

とにかく作品全体から「世の中に愛される『落語』であって欲しい」という願い、危機感みたいなものが随所に感じられることと「落語は人生そのものだ」みたいな娯楽としての落語の意味みたいなものがにじみ出ている。

すごく面白かったが、これがアニメ作品として売れるかどうかは良くわからない。売れたら良いね…。

2018.10.6追記:
10/12よりNHK ドラマ10枠で連続ドラマとして放送されるそうです。さて、どうなることか…?

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

実写映画化してもヒットしそうな印象を受けた=シナリオとテーマ性に長けたリアル系のアニメ

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
落語をテーマにした、唯一無二の作品。

声優さんの力を感じる、名作。

アニメ史にキッチリ残すべき作品だと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、ド正面から「落語」に向き合ったアニメってのは珍しいですね。第1話で「出来心」という演目をまるっと見せてしまう(そして、それを楽しんで観られてしまう)驚き! 落語そのものの魅力に自信がある、もしくは伝えたいって気持ちが伝わります。

私は落語には疎いです。実際に落語を観たのも寄席に行ったのも付き合いで数回ってところです。好きな咄家さんもいません。素朴な疑問として、(初見ならまだしも)「ストーリーが分かっている話を何度も聞いて面白いのか?」というものがあります。

それを落語好きな友人に話を聞いてみると、「落語は音楽。歌だって、好きな歌手の好きな歌なら何度でも聞きたいって思うし、ファンなら、年月を重ねるごとの変化、その日の体調や気分によって微妙に変わる歌い(話し)っぷりを楽しめる。それから、同じ曲でも歌い手が変われば、カバー曲みたいで楽しめるよね。客との関係性(即興性)も、例えればジャズだよ」と言われました。

なるほどな~と思うました。私の大学時代の(文学部の)恩師の持論で、「ミステリーは基本的に古典になり得ない」というものがありました。それは、「ミステリーとは基本的にストーリーを楽しむもので、一度読んでオチが分かってしまえば再読しようと思えない。でも、ストーリーが分かっているのに何度も読みたくなる文章というのは確かにある。それは、表現の妙だったり言葉のリズムであったり、そこに日本語の美しさ、心地よさがある文章だからである。そういう作品こそ、再読にも再々読にも耐えられ、読解にも値し、古典になっていける作品である」というものがありました。

アニメでもそうですよね~。例えば私は、「とらドラ」とかストーリー分かっていても何度も観ちゃうけど、あれは「とらドラの空気感に浸りたい」ってのが大きいんですよね。耳に目に、心地いいんですよ。

落語の魅力ってのも、そういう類いのものなのでしょう。「昭和元禄落語心中」にも、そういう「落語の魅力」が詰まっていました。

また、ストーリー的にもそれぞれの登場人物が辛い過去を抱え、その傷を落語を通して乗り越えていこうともがく様子には感動を覚えました。七代目八雲の苦悩、血の繋がりを越えた師弟愛。そして、八代目八雲(菊比古)と助六との友情を越えた絆。月と太陽のような対照的な二人。菊比古が助六に、助六が菊比古に抱く、嫉妬やら憧れやらの混ざりあった複雑な感情。そして、女の怖さ、愛憎劇。偏愛。死。所々、落語の話を元ネタにしたようなストーリーも。(一期の)ラストはちゃんとコメディで占める。なんだか色んなものを詰め込んだのに、それを一本の筋としてまとめきった素晴らしい脚本。それ自体が落語のような物語でした。

最終話でいきなり与太郎が真打ちになってて、? って思ったけど、よくよく考えれば、「前座→二枚目→真打ち」の流れは菊比古編で描いているわけだから、あえてスパッと切ったのは英断ですね。そして与太郎を使い、助六が経験できなかった、真打ちになってからの苦しみや喜びを表現する、と。うん、無駄がない。

さらに、戦争という時代を描いた社会派の物語としても一見の価値あり。戦中戦後に、落語などの日本の伝統的な娯楽産業がどのように落ちぶれていったか、また、その中で落語を残そうともがく人々の様子。終戦後に初めて行われた寄席の緞帳が上がった時の、「何も無ぇ時代だからこそ、舌三寸の落語の腕の見せ所よ」という助六の台詞にはグッときた。昔、ある咄家さんが、「座布団一枚と扇子に着物があれば、どこででも落語は出来る」と言っていたのを思い出し、落語の強さを感じました。

う~ん、このアニメはやっぱり、タイトルで損している気がする。私も、「元禄」「心中」あたりにひっかかってて、視聴を避けてましたし。あ~、観て良かった♪

最後に、やはりこのアニメで光ったのは声優陣の凄さでした。いや、だって、落語になってるしね(汗)どれだけ練習したんでしょう? 凄いね、声優って。

2期決定らしいですね。1話最後に八雲が、「長い夜になりそうだ」と言っていたけど、(2~3話の過去編かと思っていたのに)ここまで長い夜になるとは思わなかった(笑) 2期前提ってことだったのでしょう。2期ではきっと、与太郎の成長が見られるのだろうし、楽しみです!!
{/netabare}

【余談 ~実写化した場合の配役案w~】
→以前書いた文章
多分、いつか実写化するはず。そして、この中の何人かは当たる気もする(笑)

→やっぱり実写化されましたね。実際の配役は、

八代目 有楽亭八雲(菊比古)…岡田将生。
有楽亭与太郎…竜星涼。
小夏…成海璃子。
みよ吉…大政絢。
有楽亭助六(初太郎)…山崎育三郎。
松田さん…篠井英介。

でした。アニメ放送当時に希望した、私の配役案と、どっちが良いですかね?(笑)

{netabare}
与太郎編の配役。 ( )内は第2希望

与太郎→生田斗真(小栗旬)
八雲→堺雅人(佐々木蔵之介)→白髪バージョンは無しの方向でw
小夏→二階堂ふみ(戸田恵梨香)
松田さん→近藤正臣(中原丈雄)
ヤクザ兄貴→やべきょうすけ(千原ジュニアw 落語大好きだし)
ゲスト出演→春風亭昇太(か、林家たい平。笑点メンバーのガチな落語を観たい人は多いはず。落語界にもメリットはある)


菊比古編の配役(妄想)

菊比古→二宮和也(窪田正孝)
初太郎→桐谷健太(山田孝之)
七代目八雲→立川談春(風間杜夫)
みよ吉→菜々緒(仲間由紀恵)

こんな感じでどうでしょう(笑) 全体的に(原作に比べて)年齢層高めになっちゃったのと、与太郎と小夏、菊比子とみよ吉の年齢が逆転しちゃったのが難点ですが、イメージ重視の配役です(だって、10代の演技力無いジャニタレには落語は無理そうだし、そうなると、相対的にアラフォー女優さんになるけど、それで若い人を呼べるか疑問にも思うから)。

さて、レビュータイトルの件ですが、素直にそう思いました。このアニメ、とても良いアニメで久々に(このすば以来の評価5で)夢中になれましたが、このリアリティある作風に重厚なストーリー。冷静に考えればあえてアニメである必要はないとも思いました。むしろ、実写向きでは?

与太郎は、ジャニーズでもイケメン若手俳優でもいけそうだし、小夏も、若手の人気女優(清純派女優の新たな一面を見せるとか)いけそうだし、(8代目)八雲に関しては、堺雅人さんにしか思えない(笑) あとは、リアルガチな大物咄家さんをゲスト出演させれば、話題は作れる。最近は落語ブームで、若い女性も観に行くらしいですし、中年以降の落語ファンにもウケそう。イメージは「ちはやふる(劇場版)」。

ストーリー(八雲と助六の過去編)を短縮(か省略)させて、(おそらく2期で描かれる)与太郎の成長にしぼれば映画の尺でもいけそう! そしてヒットしたら、八雲&助六の過去編をスピンオフで劇場公開(笑) もしくは、先に八雲&助六の過去編を公開。続いて後編として与太郎編を公開(アニメ通りの構成)。うまくいけば、落語ブームという社会現象を起こせるかもよw
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 61

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

個人的16年冬クール最高傑作。 賞賛の言葉がうかばないです

漢字のタイトルで落語が内容?
こんな歳より臭くて、地味そうなアニメが面白いわけがない
落語って退屈なイメージありましたじぶん。
正直、まだ落語の魅力はよくわからないです

ただこのアニメの魅力はわかりました!
アニメは物凄い出来栄え!化け物級ですね。

情熱、青春、闘争、恋愛、友情、人情、信念、希望
人生のスパイスが全て物語に含まれている濃密さ
TVアニメの枠を超えて、名作映画すら凌駕する完成度でした。


・魅力について
落語家たちの人生劇場

波乱万丈な人生がドラマチックに表現されています。
落語は物語転換の舞台装置なんですよね
延々と落語を見るアニメなんかじゃなかった。。

映画的だなって感じるのがカメラアングルもそうなんですが
台詞で物語を語るのでなく、絵で語っている点でしょうか
心情を台詞で言わせる野暮はこの作品ではやりません

落語の演目を使って、ストーリーが展開するのですが
なぜ、この演目をやるのか?必然性のつけ方が凄い
演目によって成長したり、転機となったり
落語が人生劇場の一部なんですよね。。
ただ落語をアニメで見せたいナンテ
そんあアニメじゃありゃしません。

人物も非常に魅力的ですよね
美男美女揃いですが容姿だけじゃない
べっぴんな男性陣多くて惚れ惚れするのは事実ですけども

いつも横になってアニメみてるじぶんが
正座してみてしまったほど、緊張感と、惹き付け、味、色気が
あるんですよね。。
1話だけ1時間構成(2話分)なのですが
1話ラストから正座視聴になりました
本気で見ないとダメって気持ちにさせるんですよね。。

1クールが基本2話で一区切りの構成となっていて
2話ごとに展開されるわけですから見ていてテンポがいいですね!
通常良作アニメは3話、スローなアニメで4話進行って書くと
スピード感がお伝えしやすいでしょうか。

演出BGMもお囃子だったり、ジャズだったりと粋でしたね
シリアスシーンで無音にして間をつくるのも好手。
落語中のBGMだけ過剰かなって感はありました。
声優さんの演技だけで充分盛り上がっていました
特に石田さん、山寺さんお二人の演技力を超える方は
俳優を含めてもいらっしゃらないんじゃないでしょうか
じぶん正座になりましたしね。。


男性も女性も間違いなく楽しめる作品ですし
2期製作も発表されています
ぜひ、ご覧いただきお楽しみいただけましたら幸いです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 50

75.5 3 オシャレで熱いなアニメランキング3位
ランウェイで笑って(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (383)
1477人が棚に入れました
身長158cmの藤戸千雪の夢は、パリコレモデル。モデルとして致命的な低身長を理由に、周囲は「諦めろ」と言うが、それでも折れない。そんなとき、家族を養うためにファッションデザイナーの夢を諦めようとする都村育人に出会う。――これは一途に夢を追って走り続ける、2人の物語。

声優・キャラクター
花守ゆみり、花江夏樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

やれることもやれないことも何でもやる

原作けっこう既読


「これだけの個性、誰が持ってる?」

一人の野球解説者がその年大注目のドラフト1位の選手について意見を求められこう答えた。
実はこの発言には少し驚いた。リアリズムに徹し、日本シリーズで完全試合目前の投手を9回交替。鉄板のストッパーを投入し勝利をもぎ取った采配。リップサービスとは無縁の人物と思ってたからである。
それまでにこの類まれな個性を持った高校生には「プロはそんなに甘くない」「一つに絞ったほうがいい」一流の元選手、元監督。解説者の多くがそんな言葉を投げかけていた。世間の盛り上がりをよそに“その世界に身を置いた者”だからこその説得力を武器に若者の挑戦を否定的に捉えていた。せいぜい「いいんじゃないんですか。頑張ってほしいですね(棒)」とマイクを向けられた現役選手が当たり障りなく言うくらい。

 {netabare}その道のプロが無理と言ったらそういうもんかと思う{/netabare}

本職の多くが否定的に言うもんで、徐々に投手と野手どっちがいいか?みたいな論へと流れていったのを覚えてる。ドラ1高校生の名は大谷翔平。大谷の挑戦に支持を表明した解説者は落合博満である。落合は続ける。

「あの年のピッチャーNO1ね。バッターNO1。大谷に勝る選手は1人もいなかったの。これは、誰が何を言おうが、これは事実だと思うの」
「じゃあ、どうするんだろうって考えた時に、どっちもトップクラスなんだったら、やりたいならやらせてみなければ。皆が言ってるのは、現場で何をやってるかじゃなくって、考えて、それは無理だろうとか、無茶やるなよって話なんであってね。本人がやるってものを止める必要もないだろうと」

と日本ハム・栗山監督の決断に賛同を示し、自分が監督でも二刀流に挑戦させるとした。リップサービスをする人物でないことは野球ファンなら誰でもおわかりになるだろう。
そして物語の主役大谷は当初の目標でもあったメジャーリーグに舞台を移し、“二刀流”に挑戦中。比較対象がベーブ・ルースだったりする凄さを我々は現在進行形で味わえているのです。


前置き長くなりましたが、この一連をファッションの世界に置き換えた話が本作『ランウェイで笑って』で展開されております。たぶん。

マガジン案件全12話。もの珍しいW主人公スタイル。
パリコレを目指す本作のヒロイン藤戸千雪(CV花守ゆみり)。彼女の身長は158cm。要件と言われる175cm以上を満たしておらず絶望的。救いは夢に向かって腹は据わっていること。「覚悟はいいか?オレはできてる」を地でいく娘。
デザイナー志望(だった)本作の主人公都村育人(CV花江夏樹)。大卒専門卒が要件の業界に於いて進学することを彼の家庭環境が許してくれません。超貧乏で妹たちの学費を稼ぐ使命があるのです。

下手に知ってると無茶なことにしか見えない二人の挑戦。
人事やリーダー経験のある方。才気溢れる都村くんを雇えるでしょうか?
現場で実際に働くとなるといろいろ知識が必要で、そこらへん空っぽです。知識ないから基本的な指示しても「できません」って言うだけだし、何よりこの手の子って繊細な子が多すぎ。となると手間かけて教育しても、勝手に自信喪失してフェードアウトしていったり。丁稚経験ないので理想と現実のギャップとか、学校で専攻してきた人の手際のよさとか見て心が折れちゃう。そんな新人を腐るほどみてきたことでしょう。
千雪の状況はもっと絶望的です。
タッパが要ることには理由があって、その常識は業界あまねく共有されているディシプリンのようなものです。つまり“身長が足りてない”ことでノーチャンス。落とされようが文句は言えません。読者モデルなど雑誌を主戦場にする手はありましょうが、彼女の目標はパリコレをゴールとするショーモデルというのでワンチャンないところからスタートです。

「喝っ!」と張○さんに秒殺されることは確実。まぁハリさんだけなら信憑性怪しくても、ノムさん、原辰徳の優勝経験監督。古田、仁志、谷繁らの理論派。総出で「お前はプロには向かん」と突きつけられる感じです。


という事情も考慮すれば、このお話は“藤戸千雪がパリコレモデルになるまでの物語”“都村育人がトップデザイナーになる物語”である以上に、

 {netabare}“二人の挑戦をご都合主義に見せない物語”{/netabare}

である必要が出てきます。そしてそのことはおおむね達成されています。いちいち気にしてられませんが、ジャイアントキリング要素のある作品は詳細設定をミスると目が当てられなくなりますもんね。
ここのサイトを見てる方でももしかすると甲子園出場経験者おるやもしれませんが、いちいち作品内の野球回ある度に噛みついてられないでしょう。その握り方であの飛距離はありえないみたいな(笑)


さて、原作組からみればアニメは相当端折ってました。アニメ組の方気づきましたか?
決定的な説明不足には陥らなかったまるで都村くんのパッチワークばりの職人技に拍手送りたいです。
そんな駆け足とはみせない駆け足の影響なのか、サブタイトルでの作品タイトル回収が早々{netabare}(第3話){/netabare}にやってきます。
そこで何の疑問も湧かなかったタイトルの意味を理解します。“禁忌”“ダメなもの”“無理なもの”二人が夢を叶えるには常識を覆す覚悟が必要で、それを一言で言い表したタイトルになっとるのです。
そのタイトル回収回はまさにモデルの常識をぶっ壊しながら二人にワンチャンあるかもと光さす前半の勝負回でした。たぶんこのへんまで観て合わないようでしたら撤退でいいんじゃないかと思います。
メインキャラにはあと二人。モデルの才にものすごく恵まれながらデザイナー志望の長谷川心(CV茅野愛衣)。日本のトップブランドのファウンダーでありデザイナーの孫でこれまたものすごく才能あるというか圧倒的な実力の持ち主綾野遠(CV木村良平)。がずっぷりと物語に関わってきます。


そもそもマガジン案件は個人的にいつも楽しんでますのでそれこそ「いつもお世話になっております」的な仕上がりでした。
駆け足だったことの功績で最終話を一区切りとしては最高の断面で幕を閉じられたと思います。中途半端な終わり方をさせずきっちり纏め続編も期待させる理想の“1期”という感じでした。続編を期待したい良作です。



※ネタバレ所感

■セイラさんに始まりセイラさんで終わる

人気モデルのセイラ(CV牧野由依)さん。
{netabare}芸華祭で「これからも頑張ってね。デザイナーとして」と心にトロフィーを渡したトップモデルのセイラさん。他の審査員が綾野にトップ票を入れる中で心に票を入れてます。いやー怖いですね~。とはいえセイラさんの何気ない“いいね”が千雪と育人の運命を変えたのでした。今後もキーパーソンです。

☆原作ネタバレ(重度):セイラさんその後
{netabare}「やっぱり…あの時、心ちゃんじゃなくてアンタを潰しておけばよかった…!!」
セイラさんが誰に向けて言ったかは内緒。{/netabare}{/netabare}



■オーラ

なにげに好きな回{netabare}(第7話){/netabare}
{netabare}雫さん曰くモデルのオーラは体型から放たれるものと心の姿勢(自信)から滲み出る二種類があるらしい。
千雪は後者で立ち向かおうとしたけど、モデルをやめたい心のオーラのほうが遥かに上でその場にいる全員を圧倒してしまったという現実が残酷でよい。手袋用意してたり準備万端で備えているのはチビのほうなのにね。
だいたい負の感情がオーラを遠ざけるなんて迷信みたいなもので、撮影後に千雪は心に悔しさをぶつけてしまったけれど「泣いてない」と必死の抵抗を見せるあたり、ただ可愛いってのではなくて、やれることは何でも実践しようというのが見て取れます。
そういえば、運を集めるとの趣旨でゴミ拾いを率先垂範する大谷選手と同じものを感じますね。小さい粒を一つずつ拾い上げる作業をストイックに実践していくことが夢への道なんでしょう。
そういえばのそういえばで大谷と同じ年のドラ1で4球団の指名を受けて某六甲おろし球団に入団したドラゴンじゃないふじ○み選手とよい比較になります。内容は省略。察しておくれ。

そんな千雪に寄りそう雫さんも良い。
「慰めるよ。ずっと。ずっと」
優しいだけじゃないんですよね。雫さんの覚悟です。

☆原作ネタバレ(中度):雫さんと五十嵐(心のマネージャー)の因縁
{netabare}二人はかつて先輩(五十嵐)後輩(雫)の間柄。当時の雫はバラエティ志望でモデルにやる気はなし。レッスン適当、減量無視で大メシ喰らい。それでも素質はあったので事務所のエースに成りかけていた。
それなのにいきなり雫が最大手の現事務所から無名の新興事務所(ミルネージュ)に移ると言い出す。五十嵐は当然キレて罵詈雑言吐き捨てる。
数年後、五十嵐は身長の伸び悩み(167cm)と共にモデルとしても伸び悩んでいた。そんな頃、雫のパリコレデビューの報。しかも五十嵐が夢見ていたブランド『ラーレフォン』での出演。
そして闇落ち。自分は夢を叶える為に手段など選べるような立場ではないと。それからの彼女は有力者に枕営業の末、憧れだった『ラーレフォン』のランウェイに立つ事に成功。
本番直前、彼女は自分に言い聞かせる。自分は夢を叶えた、自分は幸せなんだと。そう思わないとやってられないから。しかし実際に舞台に立って湧き上がった感情は「何だ、こんなものか」だった。五十嵐はこれを機にモデルを辞めマネージャーとなる。

手段を選ばず夢を叶えたが幸せになれなかった五十嵐。
こっから以降はアニメでも描かれてること。向いてない人間に出来る事は諦めて妥協すること、正面からぶつかって挫折すること、手段を選ばず夢を叶えることの3種類しかないと彼女は信じてる。
千雪は「正面からぶつかって夢を叶える」の4つめの選択肢の只中にいる。かつての自分がダブる五十嵐は雫に引導を渡すよう言うが、雫はすでに千雪と共に歩む覚悟を決めていた。
「慰めるよ。ずっと。ずっと。」にはそんな想いが込められている。{/netabare}{/netabare}



■綾野遠くんのノルマ

デザイナーとパタンナー両方できるのに分業へのプライドで優秀なパタンナー募集中だった綾野くん。
{netabare}目標の名刺53枚越えならずの52枚でした。これトランプでいうジョーカー1枚足りないだけみたいな。
53分の1とはいえそのジョーカー1枚が都村育人という強力なカードであり、ジョーカーを手に入れた綾野くんが今後どう羽ばたいてくかも楽しみな今後でしたね。

育人が11位というのもその理由も納得。才能だけでなんとかなっちゃう物語にしないことで千雪と育人とのバランスが取れ、まるで戦友のような二人の関係に説得力が出てきますもん。{/netabare}




※ここからオマケ

■ViVi

そのまんま名前出てたので協賛か協力してるんすね、きっと。
『ViVi』は女子大か短大っぽいイメージですけど合ってます?あと『CanCan』とかありましたね。そこで大学行った方。周りの女子何読んでました?ウチは『JJ』が圧倒的でしたね。私も買ってました。下手な男性誌買うより女の子と話を合わせやすいし、女の子が家に遊びに来ると雑誌をネタにいろんな駆け引きを楽しめるかも。現役の方はどうぞ!

それはそうとアニメのほうはもうチョイ被服に作画カロリーというかデザインカロリー割いてもよかったかもしれませんね。



■長男

花江さんってそういう運命なんでしょうか。
{netabare}「ああ~…泣きそう。頑張れ長男。負けるな長男」
この鬼滅臭。病弱な育人ママは桑島法子さんが声をあてられてました。{/netabare}

{netabare}別件。『ピアノの森』ではモノローグマシマシでショパンのバラ1を演奏してました。
言わずと知れた『四月は君の嘘』の最終回です。{/netabare}



■主題歌

わたくしややもすると姿勢が隣国に厳しいことを自覚してますが、是々非々でとは思っているのです。
以前ネットコミュニティで東○神起のファンに絡まれたのも嫌な思い出だったり。それは置いといてもEDはちょっといただけない感じでしたね。
ネイティブじゃないアーティストの日本語バラードって発音の違いが目立つもので違和感が残るものです。これは国籍問わず。そのうえ特にお隣の国のアーティストの印象を端的に表すと、

 オーディエンスをうっとりさせるのではなく、本人がうっとりしてる

なんだろう。好きな人ごめんね。あ、それとなんかこの方エイプリルフールでやらかしてたけど、無事ラナウェイ(run away)できてたらいいっすね。



それと最後に一個だけ。
心ちゃんはおそらくモデルとして売れる可能性高しなので、そっちの実績作って知名度上げてから30歳くらいでデザイナーに転身という世界線に身を投じたほうが稼げてると思います。
それに向けたお勉強ということにすれば五十嵐マネの説得材料にはなりそうですがどうでしょう?



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----


2020.04.04 初稿
2020.10.14 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 59

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ふたりで歩く奇跡のランウェイ

アニメーション制作:Ezo'la
監督:長山延好、シリーズ構成:待田堂子
キャラクターデザイン:金子美咲、
音楽制作:片山修志、鈴木暁也(Team-MAX)
原作:猪ノ谷言葉

幼いころからパリコレモデルになることを
夢見ていた少女、藤戸千雪。
父はモデル事務所ミルネージュを経営。
才能と環境に恵まれた、
モデルになるために生まれてきたような
少女だと誰もが思っていた。
しかし、彼女の身長は、小学4年生のときの
158センチのまま止まってしまったのだった。

一方、子供の頃から服を作るのが
大好きだった都村育人は、
抜群のファッションセンスとアイデアを持ち、
類まれなる才能を秘めていた。
ところが、母が病気で妹が3人いる
母子家庭の長男のため、服作りの勉強のための
専門学校に行くことは難しい状況。
ファッションデザイナーへの夢を諦めかけていた。

不遇なふたりが偶然に出会う。
そのことによって化学反応が起こる物語。

諦めと挑戦の間で揺れ動く表現がいい。
誰もが無理だと思ってしまう状況のなか、
小さな奇跡をひとつずつ起こすさまは、
観る者にある種のカタルシスを与えてくれる。

折れない心。
いい大人なら、誰もがそんなものは幻想だと知っている。
いくつもの挫折を経験した者は、
可能なことと不可能なことが分かってくる。
現実はそんなに甘くない。
ただ、知識や経験は行動する勇気を
失わせてしまうこともある。

私が好きなプロボクサーのひとりに
今では世界的に有名になった井上尚弥がいる。
彼がバンタム級に階級を上げて、
階級のトップを決めるトーナメントのWBSSに
参戦しようとしていたとき、
アメリカの興行でメインを張れるようになると
私が主張しても、周りの海外ボクシング通からは、
絶対にあり得ない、と断言される始末だった。

もちろん、こういうマイナスの意見は、
ボクシングに精通しているからこその主張でもある。
アメリカのボクシング界において、
バンタム級という軽量級で
メインを張るなんてことは、過去にほぼ例がないからだ。
体の小さい者は、アメリカボクシング界で
大成功することができない。
ある意味、常識のようなものだ。
アメリカに近いメキシコ系ならいざ知らず、
日本人ボクサーが人気になって成功することは、
人種的な興行面から言っても難しかった。
そして、これまでの日本のボクシング史においても
皆無といっていいことだった。

ところが、その話から2年後のWBSSが終わった現在、
「絶対にあり得ない」ことが実現されようとしている。
それどころか、世界のボクシング界の頂点の評価を
日本人が受けるという可能性すら見え始めている。
あまりにも当然のことながら、
挑戦する者だけが、夢を実現させることができる。
周りで騒ぐだけの者が、その挑戦や目標を
完全否定したり、笑うことは正しいのだろうか。

『ランウェイで笑って』は絶対に無理だと
言われることに無謀にも挑戦する
過程を見せる物語だと思う。
そこをどう表現するかがいちばんの見せどころだ。

ファッションデザイナーという職業についての
知識は全くないので、この作品について
どこまでリアリティがあるかは判断できない。
パターンナーを拒否して育人がこだわることや、
作っている服そのものに説得力があるのかも不明。
しかし、そういう細かい判断は関係なく、
最初の3話の流れや仕掛けは、抜群に面白かった。
この3話だけで完結していて、
タイトル回収まで行っている。
心情の変化や、勝負の見せどころの表現は、
リアリティ面は別にしてとても良かった。
しかも、駆け出しの雑誌編集者まで登場させて、
彼女の背景も見せた上で、心が動かされる描写を
入れたのが素晴らしかった。

また、育人が柳田の仕事場で揺れ動く心情を
見えない千雪の背中で押し返してくれる描写もいい。
どれだけ成功している人間でも
折れそうになる瞬間がある。
それを支えてくれるのは、
やはり身近な人たちのこれまでの言葉や
存在そのものなのだ。
人々の心の動きを実に丁寧に表現していた。

4話以降は、服飾芸華大学における
コンテストに参加する育人が中心となる。
そこに、モデルとしての才能に恵まれながらも、
デザイナーになることを切望する長谷川心や
ヨーロッパから帰国した千雪、
有名デザイナーを祖母に持つ綾野遠も加わり、
ラストへ向けて物語が展開される。

登場人物の描写が脇役についても丁寧なのが好感。
心のマネージャー・五十嵐優と
千雪の憧れでもある成岡雫の過去を含めた
掘り下げのシーンひとつとっても
きちんと表現されている。
千雪の歩いた道を後ろから付いていく雫の決意を
ふたりで歩く絵とともに見せる手法など、
心に響く描写がなされている。

個人的にはとても優れた作品だと思うが、
ファッションに対しての知識がない者に対して、
説得力を持たせるところまでは至っていない印象。
不可能なことに挑戦する物語の設定上、
ある程度は仕方がないが、
デザインや技術的なことに対する解説を
もう少し加えたほうが、より話に入り込めるだろう。

とはいえ、目指しているところがはっきりしていて、
キャラクターを深く掘り下げている点は好みだ。
ファッション業界にスポ根の要素を取り入れ、
それが上手く噛み合っている。

ランウェイという言葉には
「助走路」という意味もあるそうだ。
千雪と育人が歩き始めた奇跡のランウェイは、
パリまで届くのだろうか。
(2020年4月18日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 59

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ファッション業界での下剋上ストーリー

== [下記は第4話まで視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで視聴時点で、このレビューを書いています。

原作は途中までしか読んでいないのでアニメ放送中にストーリーは未知の箇所に突入するはずですが、放送前から2020年冬クールでは楽しみにしていた作品です。

本作ではデザイナーを目指す都村育人(つむら いくと)と、パリコレモデルを目指す藤戸千雪(ふじと ちゆき)をW(ダブル)主人公として配し、デザイナー側とモデル側の両方の視点でファッション業界を描くという、少年漫画原作としては珍しい題材を扱っています。

育人には家庭の事情による経済的な理由、千雪には一流のファッションモデルとしては必須と考えられる身長の不足という問題点がありどちらも業界での大成は難しいと考えられるなかで、いかに逆境を跳ね返してのし上がっていくかという「下剋上」ストーリとなっています。

二人の周囲には多数の業界関係者が現れ、それぞれの野望を持って己の道を突き進もうとし、ときに挫折しながら皆が成長していくという王道的かつ人間ドラマ重視な感じなので、そういった青春ストーリー的なジャンルが好きな方にはかなりお勧めできると思います。
== [第4話まで視聴時レビュー、ここまで。] ==

2020.3.28追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。

原作既読勢から見ると結構なエピソードをすっ飛ばしましたけど、1クール前提のシリーズ構成としては芸華祭後まででひと区切りというのはわりと妥当かなと思います。

その前の山場というと東京コレクションになってしまって、それだけで1クールってわけにはいきませんからね。

個人的にはわりと満足しました。おかげで原作を読むのを再開して最新巻まで読みました。

アニメで物足りなかった方は、ぜひ原作もどうぞ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 50

80.4 4 オシャレで熱いなアニメランキング4位
映画大好きポンポさん(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.2 (186)
595人が棚に入れました
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

声優・キャラクター
清水尋也、小原好美、大谷凜香、加隈亜衣、大塚明夫

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

映画製作は伸るか反るかの一発勝負

絵の可愛らしさとは裏腹に、結構真面目な物語でした。
この映画では、映画監督のこだわりや信念を十分に感じ取ることができ、楽しまさせていただきました。

この映画の主人公はポンポさん…と思いきや、ポンポさんのアシスタントのジーン。
ポンポさんは明るく元気な映画プロデューサーですが、ジーンはお世辞にもカッコいいと言えない暗い目をした男。
しかし、その彼がある日、ポンポさんから15秒の映画予告編作制作を任されます。
そこからジーンの能力が開花し始めるのです。
やがてジーンは、1時間30分の映画の監督も務めるようになります。

この映画は、新人映画監督ジーンの成長物語でした。
口下手なジーンは、実は相当なこだわり屋さん。それだけ彼には信念があるのです。

映画監督がこだわりの全くない人だったら、制作される映画は何の信念も感じられないつまらないものになるし、
映画監督がこだわり続けていたら映画製作には莫大なお金がかかってしまいます。
しかも、観客が映画監督のこだわりに共感してくれないと大赤字になります。

また、映画は、私たち観客に現実を忘れさせ、夢と希望をもたらしてくれますが、わずか90分ほどしかない上映時間で登場人物の生い立ちやら信念なども含めて夢や希望を表現するのは至難の技です。
しかし、その至難の技に映画監督は毎回挑み続けているのです。
今回、映画監督さんの苦労を一部でも知ることができて良かったと思います。

エンディングは「窓を開けて」 カンザキイオリさんの作詞作曲でCIELさんが歌っています。
とてもテンポの良い心地よい曲でした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 38
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

🏅クレイジーなくらい活きが良い映画と対峙する喜び

“ニャリウッド”にて映画監督に憧れる根暗なアシスタント青年が、
敏腕プロデューサーの“ポンポさん”に抜擢され、
映画人としての階段を駆け上がって行く。

元・深夜ショートアニメの没企画を、
pixivでコミックとして公開した同名作品の劇場版。
(鑑賞後、無料公開部分を閲覧)

【物語 5.0点】
泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がかっこいい。
2時間以上の集中を観客に求めるのは現代の娯楽としてやさしくない。

映画制作物ということで、登場人物に、
理想のエンタメ論を代弁させる本作自体が、有言実行してみせる所が、
格好良すぎて感動します。

作中、理想の編集を求めて七転八倒する新人監督に報いるように、
序盤の何気ないシーンを終盤に回収する伏線芸、
劇中劇内の人物と制作者をシンクロさせる心情描写
など、映画好きならこれくらいキャッチできるよな?
と受け手の想像力も信じて、リアリティより夢のある映画実現のために培われて来た
脚本、編集の秘術を次々に投げ込んでくる快刀乱麻ぶり。


見た目はロリ、中身は大人のポンポさんを光源に、
明るい作風の中で心を弾ませつつ
夢の実現のために何かを犠牲にする狂気にも踏み込むなど、
軸もシッカリしている。
「幸福は創造の敵」の真意。凄く納得させられました。


何より気に入っているのが、
{netabare}上映時間90分が理想の尺とキャラに言わせておいて、
本作の本編をキッチリ90分にまとめ上げた所。{/netabare}


【作画 5.0点】
アニメーション制作・CLAP

人物作画で特徴的なのがカラフルな主線。
昼光にはグリーン、ネオンにはパープル、水面反射光にはブルーと、
使い分けることで、照明を追求する主人公ジーンの撮影へのこだわりを、ここでも体現。

画面分割、ワイプ(次の画面が前の画面を押しのける)
背景も昼夜で違う表情を見せる街並みを描き込み、
タイムラプス撮影(低速度撮影によるコマ送り風動画)による
日常シーンの早送り、巻き戻し演出を再現する。
など演出、編集手法も多彩で、
好テンポ追求という劇中劇との共通課題の解決に貢献。


こういうカットがあるから映画が好きになれたんだと
思い出させてくれる映像構築が
多数再現された玉手箱を開ける至福。


ジーンが身を切るようにフィルムを編集カットする
“アクションシーン”もクレイジーで圧巻♪


【キャラ 4.5点】
プロデューサーのポンポさん。
「ポンポさんが○○に来たぞーっ!」などと、
状況説明とキャラ立ちを両立させる軽快な口調でテンポアップに貢献しつつ、
随所に敏腕の哲学と言動を垣間見せる。

ポンポさんに埋もれた才能を見出す審美眼や、夢を阻む障壁を撤去する豪腕を持たせ、
常識を超えたポジションに確立することで、
新入りアシスタント・ジーンや、新人女優・ナタリーの抜擢という、
夢のようなサクセスストーリーに説得力を持たせる。
リアリストの“ご都合主義”批判など、
トラブルすら逆手に取ってマーケティングに生かす
ポンポさんが暗躍してシャットアウトするぞーっw


アニオリキャラの銀行員・アラン。
元・万能“陽キャ”の伸び悩んでるサラリーマン。

正直、私はクリエイターを描いた作品は別世界の住民を見ているようで、
あまり得意ではありませんが、
アランが夢を追う人間を見つめる一般人代表として
間口を広げてくれたのは有り難かったです。
影の主役として共感度の高いキャラでした。


【声優 4.0点】
ジーン役の清水 尋也さん&ナタリー役の大谷 凛香さん。
夢世界に引き上げられる新人役には敢えてタレント俳優陣をオーディションで起用。
拙い演技も映画業界に飛び込んだばかりの若者の初々しさを狙ってのことと、一応は容認できる。

清水さんは狂気を孕んだイケメンの役作り等に実績がある俳優。
(実写版『ちはやふる』の須藤役とか)
エキセントリックな演技が、終盤開花するジーンの映画人としての本性にマッチ。


ポンポ役の小原 好美さんは安定のキャラ作りだけでなく、
女優経験もある声優としてアドバイスを送ることでも、上記二人をサポート。

アニメ映画主演にどうしてもタレント、俳優を使いたいスタッフの皆さん。
一本に一台。脇に小原さんを置いときましょう♪


“世界一の俳優”マーティン・ブラドック役には大塚 明夫さん。
頼もしいベテランがいると制作も楽そうです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は松隈 ケンタ氏。
序盤はコメディタッチも交えて軽快に、
終盤は音楽をテーマにした劇中劇制作ドラマの佳境に、オーケストラ等も交えて重厚に。
BiSHなど豊富な音楽プロデュース経験に基いて、多彩なジャンルを動員する引き出しの多さで対応。

主題歌・挿入歌はKAMITSUBAKIスタジオのアーティスト陣が提供。
エネルギッシュなバンドサウンドや前のめり歌詞が爽快だが、
音楽が場面を引っ張る感じではなく、
既に感情や芸術が爆発しているシーンに追い打ちをかけて来る感じなので、
気持ちよく突き抜けることができます。


【感想】
シナリオだけでなく、作品自体の出来の良さに、
こういう映画を待っていたんだと泣けて来る、会心の劇場鑑賞でした♪

最近、映画がつまらなくて、エンドロールまで立たずに観られたためしがない。
そんな方にこそオススメしたい快作です♪

投稿 : 2024/04/13
♥ : 33

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

突き動かされてしまう

<2022/1/9 初投稿>
原作未読。
近所の映画館で「見逃した映画特集2021」と銘打って上映されてたので、本日鑑賞してきました。

前評判高かったんで期待して行ったんですけど
期待以上!
思い切り引き上げていたハードルを軽々とクリアでした!

内容は、
映画の都Hollywoodならぬニャリウッドを舞台とする、映画制作を描いた90分のアニメ映画です。

予め計算に計算をし尽くしたであろう展開、演出。
アニメ見て「絵コンテすげえ」と絵コンテよくわかってない素人の私が衝撃受けるくらい凄いです。

とにかく濃密

キャラクターや世界観がすんなり頭に入ってくる。
物語の展開が目まぐるしく矢継ぎ早で、量も多い。
でもこれらもすんなり頭に入ってくる。
そして盛り上がり、
心は揺さぶられ、
気がついたら画面から目が離せない。

見終えた後、自分も何かの情熱に突き動かされているような錯覚に陥りました。

これは原作の良さもあるのかもしれないですが、
アニメ制作の技術と情熱が凄まじいのではないかと。
平尾隆之監督の作品はこれからも注視したいと思います。

映画好きが情熱と拘りをぶつけるようにして創ったようにしか見えない本作。なのにマニアックになるでもなく、見る者の心を掴んで離さない。

素晴らしいアニメでした。。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 31

68.0 5 オシャレで熱いなアニメランキング5位
異修羅(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (110)
247人が棚に入れました
地平のすべてを恐怖させた魔王が打ち倒され、破滅に怯える必要がなくなった時代。 未来に夢を見ることができるようになった今、少女は理不尽な暴力の渦中にいた。 素晴らしかった景色はもはやなく、都市も、草花も、全てが燃えている。 生きながら解体されていく親友の苦悶の断末魔を聞きながら、少女は逃げ出した。 親しい誰かが死にゆくとき、自分が無力でいること以上の絶望があるだろうか。 しかし、少女の前にふらりと現れた一人の剣士が、絶望を、抗うことのできなかった理不尽を、たった一振りのなまくらで、いともたやすく斬り伏せてしまった。 「――柳生宗次朗。このオレが、地球最後の柳生だ」 この世界には、あらゆる“力”の頂点を極め、「最強」の名を戴く者たちがいる。 剣士もまた地平に蠢く無数の、“修羅”の一人。 魔王亡きこの世界で、なおも闘争を求める、その一人目に過ぎない。 ――そうか、私はこの男が、“強者”が許せないんだ。 幾度も命を救われたにも関わらず、少女に芽生えた見当違いな感情。 しかし、すべてを失った少女には自分自身を支えていく理由が必要だった。 ――この男を殺す。この世界には、それができる“強者”がいる。 理不尽な“強者”たちへの憎悪を支えに、少女は剣士と共に歩き出す。 「最強」を殺す旅路は、そうして始まりを告げた。


声優・キャラクター
柳の剣のソウジロウ:梶裕貴
遠い鉤爪のユノ:上田麗奈
星馳せアルス:福山潤
静寂なるハルゲント:大塚明夫
警めのタレン:朴璐美
鵲のダカイ:保志総一朗
夕暉の翼レグネジィ:森久保祥太郎
晴天のカーテ:雨宮天
世界詞のキア:悠木碧
赤い紙箋のエレア:能登麻美子
濫回凌轢ニヒロ:高橋李依
音斬りシャルク:山寺宏一
鎹のヒドウ:岡本信彦
速き墨ジェルキ:子安武人
海たるヒグアレ:杉田智和
月嵐のラナ:花守ゆみり
通り禍のクゼ:三木眞一郎
静かに歌うナスティーク:堀江由衣

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

厨二的なカッコ良さ!

<2024/1/9 初投稿>
原作のラノベ(なろう)は未読。
まだ1話見ただけなので評点はデフォルトの3.0です。

なろうっぽくないなろう、という感じです。
「客人(まろうど)」って呼ばれてる人が転生者ってことなのかな。

1話目に登場したソウジロウさんは口グセが「ういっ」
SPY×FAMILYのアーニャと同じですね。
つまり本作はほのぼのアクションアニメです(ウソ)

雰囲気や熱量的にはなんとなく「ドリフターズ」思い出しました。
コントの方じゃなくて漫画・アニメの方の。
「首置いてけー」って言う方の。
イカれポンチな転生者がドロドロに暴れまくるアレ。
あんな感じかな。

魔法とファンタジーな異世界が舞台で、そこで転生者含む強そーなあれこれが闘いまくる感じらしい。
ちなみに魔王は討伐され済みらしいですよ。

1話見た限り結構期待してしまうけど、さあどうだろう。
しばらく見てみたいす。

<2024/3/23 追記>
最終12話見ました。
西尾維新の十二大戦のようなバトルロイヤルで、今季は予選Aグループって感じでしょうか。
この先、戦いに参加する修羅はトータルで何人くらい出てくるのかわからないけど。

古き良き厨二テイストに懐かしさを感じます。
二つ名とか好き!
超人バトルが好き!
という方におすすめです。

中途半歩なので二期やって欲しいけどどうだろう?
あと声優陣がやたら豪華でした。
実力のある人気声優が揃うとお話が締まりますね!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

英雄、激突!

前半でキャラ紹介と掘り下げを一気にやって、後半で集めてバトルするハイクオリティバトルアニメ
明確な主人公がいない群像劇なので先が読めなくて面白いけど、誰に共感すればいいか迷うし視聴しづらさはあるかも
バトルアニメ好きじゃないけど、キャラが立っていて表情豊かで魅力的で、絵も綺麗でバトルシーンに躍動感や迫力があってとても面白かった!

終末のワルキューレは戦闘中に過去回想がはじまって掘り下げるけど、こちらは最初に一気に掘り下げてからバトルするので、戦闘がいちいち中断されるストレスもなく、ワルキューレみたいに「今度は俺が自己紹介するターン」みたいなワンパターンにならないので、同じ英雄同士のバトルアニメでもこちらのほうがいい作りだと思いました

欠点は残虐なシーンが無駄で関係ない人まで犠牲になるのが気分悪い、グロいのはバトルシーンだけでいいと思う
一般人のユノが復讐なんて無謀すぎてこのストーリー的には蛇足だし、ヒステリックすぎ・・・
「そうか、強い者が憎いんだ」じゃないでしょ、明確な復讐の相手がいるならいいけど、弱いのに漠然と強い人全体を恨んで復讐なんて、ただ実力がない自分から目をそらして嫉妬して逆恨みしているだけじゃないの?

キャラ名に二つ名がいちいちついてくるのが、覚えづらいけど厨二感くすぐられて面白い

とてもいいアニメでした!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 17

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

超絶勇者たちのバトルアニメ

どちらかというとドラゴンボールの世界のようだ。
主人公が誰なのか分からないが、いきなり巨大ゴーレムが現れ、
都市の人々を虐殺する。
そのゴーレムを一撃で倒す剣の勇者。
この世の中に、こんな勇者が何名かいるらしい。
2話は打って変わって別の都市でのお話。
こんな感じで勇者を紹介していく。
それが半分ほど続き、6話まできて、ようやく1話の勇者が出てくる展開。
各国のたくらみや、それに翻弄される勇者たちの動きが複雑で、
なかなかとっつきにくい。
序盤がどうしても難しい展開となったが、その分後半の勇者同士の戦いは
見ごたえがある。
リチア公国の滅亡を描いて1期は終わり。

2期の制作も決まったようだが、これだけキャラを広げ続けて、
うまくたためるのだろうか。
キャラデザインやアクションシーンは素晴らしい。
全体の物語の展開がさらに面白ければ。
今後も期待したい作品である。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 7
ページの先頭へ