スタジオ六花おすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのスタジオ六花成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2019年11月18日の時点で一番のスタジオ六花おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.9 1 スタジオ六花アニメランキング1位
イヴの時間 劇場版(アニメ映画)

2010年3月6日
★★★★☆ 3.9 (1310)
7037人が棚に入れました
子どものころからアンドロイドを人間視することなく、便利な道具として利用してきた高校生のリクオは、ある日、自家用アンドロイド、サミィの行動ログに不審な文字列が刻まれていることに気づく。親友のマサキと共にログを頼りに喫茶店、イヴの時間を訪れたリクオは、人間とアンドロイドを区別しない店のルールに驚く。

声優・キャラクター
福山潤、野島健児、田中理恵、佐藤利奈、ゆかな、中尾みち雄、伊藤美紀、清川元夢、沢城みゆき、杉田智和、水谷優子、山口由里子、石塚運昇、榎本温子

Вистерия

★★★★☆ 4.0

Are you enjoying the time of EVE?

フランケンシュタイン・コンプレックスに基づいたロボット工学三原則を取り入れるという古典SF臭プンプンなアニメ作品の劇場版。
OVAは全6話。インディーズのネット配信から始まった珍しいパターンで、秒速5センチメートルの新海監督に続く自主制作からの成り上がりニューカマー吉浦康裕監督が脚本も演出もやっています。

内容はまぁいわゆる
人間の創りだした知能をもつ非生物であるロボットやサイボーグが
アイデンティティーの確立や人間との接し方などでジレンマを感じて苦悩するのと同時に
人間側もどう接していけばいいのか考えなければならないっていう
1950年代のアイザック・アシモフの鋼鉄都市やはだかの太陽の時代から脈々と受け継がれてきた近未来SFの王道をアニメでやってみようという試みですね。
ミステリ要素と倫理観の組み合わせというのもまさにそれでした。

実写映画や小説では何十年と繰り返されてきたテーマですが、
確かにアニメ作品でこういうテーマを扱った作品は少ないですね。盲点でした。
近年の作品でも攻殻機動隊SAC、ちょびっツ等ごく少数です。

しかし…王道故に難しいテーマである上に
イヴの時間という喫茶店を使った複数のワンシチュエーションドラマの連続として味付けしているにも関わらず、
物語の基盤になるストーリーがしっかり作用しているので齟齬や違和感もなく、
1本の映画の中にバラエティーに富んだストーリーが散りばめられていて
さらにその全てにふと考えさせられるようなメッセージ性を持たせられていることに感心しました。
観ていて飽きが来ない構成で、よく作られているなぁと。
当たり前のことかもしれませんがインディー会社のインディー監督がこのクオリティはすごいぞってことです。
これがまともに出来ない監督なんてやまほd(ry

元々分割6話であることが功を奏した面としてはそうですが
逆に
短い時間で視聴者を納得させなければならない短編の手法で書いたシナリオを長編に無理やり書きなおした為に
演出が露骨でくどくなってしまっている点が残念でした。


BGMやSEの使い方が独特で、音量バランスも異質だったため
音響面でとても新鮮さを感じました。
視覚的にも主人公の視線そのままの動きをするカメラワークが斬新で
カメラを固定して静止画にジェスチャーで動きをつける従来のアニメーションとは違った新しい感覚でしたね。


作品としてはこれで全体の物語の半分だそうなので続編が楽しみです。
恐らく2期で謎解き・過去編・倫理観への回答すべて収集するんだろうと思います。
っていうかそう信じてる。
劇場版エンディングで加筆されたナギさんの過去も是非詳しく。

最近ハズレを引くことが多かったので
久々にいい作品を観たという充実感をくれた作品でした。
目頭熱くなったよ…
因みに自分はサミィ派です。ポニーテールかわええ

投稿 : 2019/11/16
♥ : 47

にゃんた

★★★★☆ 3.7

I enjoyed the time of EVE

作品についての感想は、既に素晴らしいレビューを書かれている方がいらっしゃるので・・・
三原則について、法律解釈論の視点から、
ちょっと思ったことをダラダラと書いてみる。

★ロボット工学三原則★

第一条:
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条:ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。
ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。


この有名な命題は、すべての事象をカバーできるわけではない。
それゆえ、そこに様々な苦悩やドラマが生まれる訳だが、この作品もその点を描いていたように思う。

★結局1条の問題に帰着★
2条ただし書や3条からは、1条の解釈にたどり着く仕組みになっている。
よって、1条の解釈が全てに影響を及ぼすことになる。

★1条の解釈で遊んでみた★
たとえば、
仮に、第一条でいう「危害」に、精神的なダメージも含むと解釈するならば・・・
人間が精神的ダメージを受ける「危険」があるかどうかを、ロボットに判断させることは困難だ。
また、ロボット自身の行動や発言によって、危害が生じてしまうおそれもある。
更に、そもそも1条後段は、危険の看過という不作為をも禁じているため、違反となる範囲が拡がり、判断はより困難となるだろう。

ロボットにこれを判断させるには、ロボットに「人間の心」についての学習をさせる必要が出てくる。
・・・そう考えると、やはり「ロボットに人間の心を理解させる」という、いかにもドラマが生まれそうな設定にたどり着く。

あの喫茶店でロボット達が人間の心について学んでいる(学びに来ている訳ではないが)という事実は、今後どのようなドラマを生んでいくのだろうか。
この作品が、精神的ダメージについて描くのかについては分からないが、是非、三原則の新しい解釈や問題点を絡めて描いて欲しいと思っている。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 16

Lelouch

★★★★☆ 4.0

先入観は真実を遠ざける

色々なところでおすすめになっていたアニメ。

登場人物は少なめだが人間とアンドロイドの
それぞれの思いが複雑に表現されていてよかった
アンドロイドにも心があり、アンドロイドを反対するもの…
近未来にありえそうな出来事を物語にしていると思った

観たあとにホッとできる心温まる作品だった!

でも個人的には何か物足りなさを感じた
良い作品なのだが何かが足りなかった…何なのだろうか?←

まぁ、映画なので見やすいし是非見て欲しい!

続編はでるのだろうか?とりあえず期待です!

投稿 : 2019/11/16
♥ : 8

75.0 2 スタジオ六花アニメランキング2位
イヴの時間(OVA)

2008年8月1日
★★★★☆ 3.9 (876)
4745人が棚に入れました
高校生のリクオは、所有するハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。友人のマサキを誘って記録された場所に向かってみると、そこには「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。そこに集う様々な人間やアンドロイド達との関わりの中で、それぞれが少しづつ影響を及ぼしあい、変わっていく。やがてそれは、外の世界へもかすかな、しかし確実に波紋を広げることとなる。

MmmM

★★★★★ 4.3

タンパク質は金属です。

日本人の歌手"KOKIA"さんの「ありがとう」という歌を若干想起させる内容でした。


舞台が明確に日本というのがこの作品が訴えかけるものに対して、一つの強力なバックアップになっていると思われます。
アンドロイドという"機械"に対して、必要以上の思い入れを持つ・あるいは周囲がそう捉える=「ドリ系」という明確なラベリングで済まされる。
貼られたラベルが違えば「自分と違う」「自分には理解できない」ものに対しての畏れを安易に誤魔化せる。
ラベルの下にはあまりにも多種多様のタグがぶら下がっていても、覆い隠せる。

お店にキープしたボトルのようなものでしょうか。
コニャック、スコッチ、色々なお酒の瓶が並んでいるが、どれにも違うタグがぶら下げられている。同じメーカーの同じ銘柄でも、全てのボトルは別のもの。
タグの名前欄に書かれた名前。山田さん、田中さん、一条院さん・・・
最後にお店に来た日。
瓶に書かれた落書き。
落書きが気に入ったのか、同じボトルに何枚もぶら下がる最終来店日タグ。
ボトルにぶら下げられているタグは「個性」なのです。
それらを全て「ウイスキー」「それ以外」というどちらかのラベルが覆い隠している。

そんなラベルを少しずつ剥がして、下に埋もれていたタグを見つけていくきっかけになるのが『イヴの時間』。


ボトル=人間と例えていましたが、これをボトル=ハウスロイドとするとどうでしょう。

機械に個性。
極端に言えば人間なんかタンパク質の塊なのに個性がある。
タンパク質の塊ごときが個性を持てるのなら、あまりに高度なテクノロジーに支えられた金属の塊が個性を持つのはさして不思議でもない話。
普段は機械を装っていなければならない、ハウスロイドというラベルに覆われたタグ付きの金属。
窮屈なラベルを外し、気兼ねなくタグを見せられる。褒められたら隠さずに喜べる場所が『イヴの時間』。


デフォルメされ過ぎない人物と写実っぽい背景を組み合わせた色彩豊かな絵柄+中途半端にSFっぽさを感じさせる音楽でボトル達の触れ合いが描かれている、素晴らしい作品でした。
何気に各話の区切り方も絶妙で、オープニング・エンディングの映像が、音楽でいうなれば盛り上がる直前に入れられる無音部分のように感じられ、これはこれで必要な要素と思えるので劇場版の方のレビューを書くのがためらわれます。

演者の方々に関しては、世界観を阻害されることは全くなかったのでこの評価です。
構成に関しては合間に匂わされる背後関係をもっと掘り下げて欲しかったという贅沢な不満が残ります。
キャラクターに関しても同様です。


血液型にまで及ぶラベリングの大好きな日本人がこの作品を見ると、そうでない人よりもさらに思うところが多くなるかと。

少なくとも自分の血液型を知らない私にはそう思えました。



スッキリしない長文な上になんかレビューっぽくないですね。すみません。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 12

kaz-zun

★★★★☆ 3.8

えすたっく


アンドロイドのお話。
アンドロイドの感情やそれを認めたくない人間の心の葛藤などを描いた作品。


大嫌いなSFの話なのだが、抵抗なく見れた。
SFなのだがまったり見れるアニメ。


声優は自分の好み含めて及第点。
作画もだいぶ好き。

劇場版をまだ見ていないのでこの程度の批評しかできなくて申し訳ないが、
劇場版次第では大きく評価を上げてくれそうな作品。

期待度大なだけに裏切られたら失望しそうでもあるが・・・

投稿 : 2019/11/16
♥ : 0

うっちゃり

★★★★★ 4.7

近未来

全6話。さくっと全部見られます。
人間とアンドロイドの共存をテーマとした作品。
テーマはありきたりですが、一つの喫茶店を中心に話が展開するという、ちょっと変わった物語です。
アンドロイドが人間をサポートしているというだけで、その他は現代とほとんど変わらないため、飛んだ未来の話という印象は受けず、妙に現実味を感じてしまいます。
また音楽や間を上手く利用し、独特の空気感が表現され、いつの間にか引き込まれてしまいます。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 7

68.6 3 スタジオ六花アニメランキング3位
サカサマのパテマ(アニメ映画)

2013年11月9日
★★★★☆ 3.8 (579)
2781人が棚に入れました
どこまでも、どこまでも坑道が続く地下世界。狭く暗い空間であっても、人々は防護服を身にまとい、慎ましくも明るく楽しい日々を送っている。地下集落のお姫様であるパテマは、まだ見ぬ世界の先に想いを馳せて、今日も坑道を探検する。お気に入りの場所は、集落の「掟」で立ち入りが禁止されている『危険区域』。これまでに見たこともない広大な空間には、幻想的な光景が広がる。世話役のジィに怒られながらも、好奇心は抑えられない。いつものように『危険区域』に向かったパテマは、そこで、予期せぬ出来事に遭遇する。何が『危険』であるのか、誰も彼女に教えてはくれなかったから。隠された“秘密”に触れる時、物語は動き出す――

声優・キャラクター
藤井ゆきよ、岡本信彦、大畑伸太郎、ふくまつ進紗、加藤将之、安元洋貴、内田真礼、土師孝也

けみかけ

★★★★★ 4.6

王道にして未だかつて誰も観たことの無いボーイミーツガール&ディストピアSF超大作!

正直全く想像力が追いつかなかった;
今年、色々と驚かせてくれる仕掛けを持った映画はいくつもあったんです
ところが今作は冒頭からラストシーンに至るまで全てが衝撃的過ぎてしばらく頭ポカーンになってしまいました;
凄すぎる、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』
或いはクリストファー・ノーランの『インセプション』を初めて観た時に近い
「感動」ではなく「ショック」










薄暗く狭い地下世界で探究心を抑えきれず駆け回るお姫様、パテマ
自由の無い地上の管理社会で人々が禁忌とする空を飛ぶことに憧れる少年、エイジ
ある日の探検中に地下道の奥底、果てしない暗闇へと落下してしまったパテマ
辿り着いた先はエイジのいる地上だったのだが彼女は空に吸い込まれるように浮き上がって空に向かって「落ちる」と言う
そうそれはつまり、「エイジとエイジのいる世界」「パテマとパテマのいる世界」それぞれの重力の向かう方向が上下真逆だということを意味していた
地上では地に足を付けることが出来ず、「空に落ちる」ことを恐怖するパテマを庇ってやることにするエイジだったが、やがてサカサマ人の秘密を探ろうとする地上の君主によって二人は引き裂かれてしまう・・・









上下サカサマの少女との出会いから始まる物語、ということで劇中では度々に視点が上下逆転します
見慣れたはずの景色が上下逆転するだけで異化効果をもたらすとは、これぞアイデアの勝利


さらに地に足の着かない不安感、恐怖感
いつも身近にある空に吸い込まれていくという未体験の感覚
これらの設定の斬新さ、新鮮な画面構成


そして、手を離せば空に吸い込まれてしまうという相手を必至に抱きかかえ続ける、心をくすぐる様な密着した距離感が魅せるときめき、ドキドキ感


最後の最後まで目が離せない、息も吐かせぬスペクタクルな展開のストーリー


特に素晴らしいのがこの少しややこしい世界観をgdgdと説明するシークエンスがほとんど無いことにあると思う
これは繰り返し視聴に耐えうるモノなんだと、そう実感する瞬間ですね


ぱるたんのレビューにも書いてあるけど、宮崎駿にいま最も近いのは細田守でも新海誠でもなく、吉浦康裕なんだろうかと思う今日この頃
ちなみにファンタジーってよかディストピアSFですね、これ


個人的に一つだけ気に入らないところは音楽が大島ミチルってことで正直五月蝿いことでしょうか(爆
まあそれを逆手に取った演出もあったりで実に楽しませてくれます(本編を観た方はすぐに気付くと思いますw)


アニメが好きで、冒険が好きなら、この大作をスルーすることはできないはず

投稿 : 2019/11/16
♥ : 37
ネタバレ

renton000

★★★★☆ 3.7

良いふわふわ感

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。100分くらいのSFファンタジー。

 演出のメインである重力感は、かなり上手く描けていたと思います。高所に立った時のぞくぞくする感じは、画面を通して見ている私にも感じられました。視聴後のスッキリ感も良く、結構面白い作品だったとは思います。
 ただ、作品の出来としては、まぁまぁくらいですかね。


世界の構造(ネタバレ注意):{netabare}
 オチが読みやすい分、分かりにくくはないと思うので簡単に。
 ボールの中にボールが入っている構造です。私たちが認識している地球が外側のボールだとすると、その中に内側のボールが入っていることになります。

 図解するとこんな感じです。外側ボールを”外)”、内側ボールを”内)”で表現します。
 < ←地球のコア  内)←偽物の空 ←アイガ|パテマ→ 外)私たち→ 本物の空→ >

 外側ボールの表面に、外側に向けて立っているのが私たちです。作中には一切出てきませんので、もし居たとしたらという話ですけどね。そして、私たちの足元の地下世界に、同じ向きで生活しているのがパテマたちです。
 外側ボールの裏面に、内側に向けて立っているのがアイガの人たち。この人たちが逆さまです。文字通り「ガイア」の逆ってことなんだと思います。

 内側ボールというのは、パテマたちの祖先が、アイガの人たちのために作った偽物の空です。光源でもあり熱源でもある人工物です。雲の描き方から察するに、雲の生産も行っているのだと思われます。地下深くに上空と同じ雲が再現できるとは思えませんから、雲状のガスというのが正しいのかもしれませんけどね。

 パテマが本物の空を目指さずに、偽物の空を目指していたのは、自分たちが逆さまだと思っていたからです。偽物の空だけを知っているため、本物の空の方を地下深くだと認識していました。
{/netabare}

吉浦康裕監督のこと:{netabare}
 吉浦作品は、「イヴの時間」と「アルモニ」を視聴済みです。今回で三作目ですね。
 特徴としては、かっちりとした作品を作る監督だと思います。世界観や設定を練り上げて、さらにフラグ管理も徹底することで、破綻のないストーリーを作る。世界観については、オリジナルというよりは、どこかで見たことのあるものが多いですから、独創性よりはアレンジャー気質を感じる監督です。

 「イヴの時間」では、このかっちり感がやや裏目に出てしまったような気がします。裏面のストーリーはもちろん、表面のストーリーでも、フラグが回収できてないことが分かってしまう。平たく言えば、未完であることがバレバレであるってことですね。もちろんこれは、完結ものとして評価しづらいだけで、作品として悪いという意味ではありません。

 かっちり感が良い方に転がったのが「アルモニ」です。二つの異なる世界を使って、かっちりしているのにわざと見せない部分を用意するという作りになっていました。これにより、答えを用意しながらも、その後どのように展開するのかを視聴者の想像に委ねることができていました。
 かっちりした作品というのは、破綻のない分、想像の余地や余韻が失われてしまうことが多いです。ですが、わざと穴をあけることで、破綻のなさと想像の余地を両立するかなりいい作品に仕上がっていました。


 時系列的には、「イヴの時間」と「アルモニ」の間に作らえたのが「サカサマのパテマ」です。作品の性質もこの二つの作品の中間に該当します。「イヴの時間」にあったフラグ未回収で中途半端な感じは消えているものの、「アルモニ」のような想像の余地は得られない。未完のせいで評価しづらい「イヴの時間」とも、かなりいい作品に仕上がっていた「アルモニ」とも違う、まぁまぁな作品。これが「サカサマのパテマ」です。
 そして、「サカサマのパテマ」のかっちり感がどこから来たかというと、「天空の城ラピュタ」です。
{/netabare}

サカサマのパテマのプロット:{netabare}
 サカサマのパテマの基本プロットは、「天空の城ラピュタ」と全く同じでした。
 女の子が落ちてきて、男の子と出会う。女の子がさらわれて助ける。上昇や下降の末に、新たなフィールドが用意されている。足場が崩れてエンディングに至る。お父さん役は同じ夢を追って死んでしまっている。敵はムスカのような分かりやすい悪役。

 「ラピュタ」を作りたかったのは理解しますが、さすがにここまで同じだと厳しいものがあると思います。パクリなのかオマージュなのかという話ではなくて、宮崎駿監督に正面から挑むとかラピュタ越えする作品を作るとかいうのが無理がある。ここまで同じプロットだとこちらも比較せざるを得ません。

 ラピュタというのは、冒険譚としての圧倒的な面白さに加え、宮崎駿監督の思想が出ているから傑作になっているんだと思います。面白さとメッセージ性が両立された稀有な作品です。
 ですが、この作品は表面をなぞるだけで終わってしまっています。人物像はどこかで見たものばかりで、掘り下げられてはいない。描かれている思想もありきたりな管理社会批判だけ。エンディング後に世界がどうなっていくのかの示唆も感じられない。
 重力感の描き方以外は、どれもこれも今一つなものばかりです。

 ラピュタのような名作と同じプロットで作品を作れば、失敗しないのは当たり前だと思います。ですが、ラピュタ越えする作品を作るというのは、宮崎駿監督本人にとっても非常に難しいと思います。
 結局、二番煎じにもかかわらず、新しい要素はほとんど見せられなかった。そんな意味でもこの作品は、「まぁまぁな作品」だと思います。
{/netabare}

演出関係:{netabare}
 静止後に画面をぐるっとひっくり返す演出が、複数回使われていました。個人的にはここまで露骨なのは最初の一回だけにして、あとはアレンジした演出を見せて欲しかったです。
 分かりにくくなるのを恐れたんだとは思いますが、分かりにくいことを分かりやすく表現することこそが演出力として必要なことなんだと思います。

 反面、パテマとエイジの人間関係の描き方は非常に良かったです。
 手と手でつながっていたものが、身体と身体でつながるようになる。反対を向いているという相容れない存在同士が、キスシーンのときだけ同じ向きを向いている。
 この辺の人間関係の進展の描き方は、この作品の設定と非常にマッチしていました。
{/netabare}

おわりに:{netabare}
 吉浦監督がどのような方向に行きたいのかはよく分かりませんが、いずれの作品も社会風刺の要素がありますから、今後もその傾向を持つんだと思います。ただ、かっちりな大枠を用意して作品をまとめ上げることを優先しすぎているせいか、そのメッセージ性自体は全く面白くありません。おまけで入れているようにすら感じます。そもそも風刺の内容に新しい視点があるわけではなく、既に語られてきたやや古いものばかりです。
 作品のプロットも、思想の中身も、二番煎じばかりという今の状況はなんとかした方が良いと思います。


 批判的に書いていますが、私個人としては、吉浦監督には結構期待しています。
 前述したとおり、「イヴ」「パテマ」「アルモニ」と、作品を追うごとにクオリティはどんどん上がってきています。しかも、ただ単にクオリティを上げているだけではなく、悪かったところは重点的に修正されています。

 特に、人間関係の描き方や掘り下げ方は、「イヴの時間」や「サカサマのパテマ」ではお世辞にも良い作品とは言えませんでしたが、「アルモニ」ではかなり上手くなっていました。
 また、作品の設定そのものにも改善が見られます。室内劇であったためにスケールが小さかった「イヴの時間」、大空を舞台としたスケールの大きい「サカサマのパテマ」、と来て、室内劇とファンタジーを組み合わせた折衷的な「アルモニ」が作られた。

 新しいことにチャレンジしながらハイペースで成長している監督ですから、個人的には今後が期待できる監督としてはかなり注目しています。

 今後は、プロットを引用しないオリジナルの長編に、ぜひチャレンジしてほしいと思います。「アルモニ」は短編でしたからね。もし次の作品で大失敗しても、切り捨てるようなことはしないと思います。
{/netabare}

対象年齢等:
 子供は十分に楽しめると思います。
 大人向けというのは厳しい気がしますが、大人が見ても損することはないと思います。「風に乗る」とか「風を切る」とかとは違う「ふわふわ感」を体験できるのは、この作品の特筆すべき特徴です。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 17
ネタバレ

四文字屋

★★★★☆ 3.7

どっちが上でどっちが下なんだ?!と重力のはたらく方向にアタマが混乱したらシメタもの。この作品世界独特の《墜落←→浮遊感》に漂いながら、王道ファンタジー展開に浸っていられて

気持ちよく、Boy meets Girlと、
絵に描いたような敵ボスとの戦いを堪能できます。
実際絵に描いている訳ですが。

制作的には、
重力のベクトルが真逆な世界が重なってしまっていたら
どういう絵面になるか、という閃きを、
思いついてしまったのが全てのはじまりでしょう。
{netabare}
で、上下サカサマの世界で、
自分たちが本当はサカサマの側だと認識しないで暮らしていたら
種明かしの瞬間にどんな感じだろう、というのが、
制作動機の全てでしょう。{/netabare}
実際、お互いにお互いをサカサマだと認識する
出会いの場面は非常に面白いものです。


設定はディストピアなんだけど、
ほかのレビュアーさんも多々指摘しているように、
ジブリ感覚にすっぽりはまっているので、
ストレスもあまり感じることなく、
楽しくこじんまりとまとまったストーリーを
ちょっと駆け足だけど、
追っていられます。

まあ、ここが弱点といえば弱点で、
ホントに先読みとか深読みとかしない人でも、
先がだいたいわかってしまう、という問題点は、
やむを得ないと腹をくくりましょう。


あと個人的な問題ですが、
私、決して高所恐怖症とかではなく、
むしろ高い所ヒャッハーな(←バカと煙は、高いところに昇りたがる)人間なんですが、
観ている間、非常に足元に不安な感覚を常に感じました。
これはきっと、「高所恐怖=落下への強迫観念」とは別の、
バランス感覚への不安感=三半規管が弱いとか、船酔いしやすいとか、
そういうところに関係があるのかも知れません。

ジェットコースターは大好きだけど、
パイレーツ/バイキングや、向かい合わせに座って上下アトランダムにクルクル回転するアトラクション(浅草花やしきのリトルスターみたいな)が苦手な人は、
ちょっと注意が要るかも知れません。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 34

64.4 4 スタジオ六花アニメランキング4位
アルモニ(アニメ映画)

2014年3月1日
★★★★☆ 3.8 (198)
1036人が棚に入れました
人は皆、それぞれ自分の世界を持っている。34人の生徒がざわめくこの2年1組の教室の中にだって、沢山の世界がある。吉田や渡辺なんかと一緒に昨晩のアニメについて熱く語れるのが、僕---本城彰男の世界。楽しいし、居心地だっていい。……でも、本当はいつも考えている。教室の向こう側で華やかな友人に囲まれて笑っている、真境名樹里の世界のことを。ある日、僕は彼女の世界に触れることになる。言うほど単純なことではないんだけれど。

声優・キャラクター
松岡禎丞、上田麗奈、沼倉愛美、大地葉、松本健太、岩崎了、古川慎
ネタバレ

ドラれもん

★★★★★ 4.3

最後なんて言ったんだろう?

☆はじめに(初投稿 2014.11.23)
{netabare}

アニメミライの作品は結構毎回チェックしてるんですが
このアルモニは未視聴のままレコーダーに眠っていました
録画データの整理しなかったらあやうく見忘れる所でした ^_^;

☆未視聴の方へ

今まで見たミライ枠の中では 僕はお気に入りの作品です
CM入れても30分もないので是非 沢山の方に見て欲しいです
どう書いても内容に触れてしまうのでイメージだけ書きます
なんか優しい気持ちになれて 初恋を思い出してしまいそうな作品でした
これは凄くオススメです

ファンタジー(この作品では夢の中)と現実の世界が繋がっていく感覚がどこか懐かしく新鮮
この夢の中に飛び込みたい! と素直にそう思えました
なのでファンタジーな作品が好みの方も結構楽しめると思いますよ^^
{/netabare}
☆見終わった感想です
{netabare}

よくありそうなリアルな学生の自然な会話だったので

すぐにこの世界観に入る事が出来ました

見やすいし音楽も良いし 最後まで凄く楽しめました


終盤の所なんですが


樹里「うちら別に付き合ってないよね」

のセリフの時に思わず僕も彰男のオタ友達と一緒に「よしっ!」ってなりました^^


☆後は勝手な僕のイメージです

よく恋愛物で 赤い糸 ってありますよね

それを 夢の中の歌 に置き換えたような・・イメージ

いや~しかし良い話だったな~( ´ー`)


なんか運命の人にやっと逢えたーー!って時の気持ちを思い出させてくれる

そんな素敵な作品でした


さぁー 3回目を見よっと


☆最後に


僕にはこう聞こえました・・




キレイダヨ・・アルモニ
{/netabare}
☆テーマ曲
{netabare}
ドラれもん「アルモニお勧めですよー もっと沢山の心優しい人に見てもらいたいな~ (´ω`*)」

ドラれもん「あまりに感動したので耳コピしました」

  ■メインテーマ「アルモニ」■

 作詞・作曲・編曲:トラボルタ
      歌:KOKIA   
    ピアノ:浦 清英
スタジオエンジニア:笹原与志一


小さな その両手でどれほど かかえて歩いたのか 僕は知っているんだ

あの時も 君は笑顔見せたけど 一人で泣いていた 誰にも気付かれずに


  大丈夫・・


僕がいつでも そばにいるよ

泣かないで その痛みも

引き連れて 飛べるはず・・


  君となら・・・




ドラれもん「 ・・・アルモニ」

{/netabare}

投稿 : 2019/11/16
♥ : 28
ネタバレ

shino73

★★★★☆ 3.4

きみの世界を肯定する

サカサマのパテマに続く吉浦康裕監督作品。
わずか25分の短編アニメ。
YOUTUBEで見れます。
どうやら彼とは相性がいい。
完成度が高くとても有意義な時間でした。

人は皆それぞれ自分の世界を持っている。
教室の中にでもたくさんの世界がある。
それは楽しくて居心地のいい世界だ。
誰もがそこに自分の居場所を見つける。

彼女が幼い頃から見る夢の考察。
{netabare}これは子供の頃から周囲の目を意識し、
過剰な期待を背負わされて傷つき、
必死になって自分の居場所を見つけようとした女の子の夢。
或るいはそこまでじゃなくていい、
他者から共感できる何かを求められ続け、
人間関係を上手く構築できず、
自閉していく自分を救おうと夢に逃げ込んだ女の子の夢。{/netabare}

夢の中の自分。
人形の体。
ゼンマイ仕掛けの体。
引き裂かれる関係。
音楽が繋いでくれる未来。
世界はハーモニーで満ちている。
そうだ君にもっと触れたい。

最後の言葉は誰にもわからないけど、
{netabare}「きみの世界を肯定する」
この言葉だと嬉しいですね。{/netabare}

投稿 : 2019/11/16
♥ : 36

けみかけ

★★★★★ 4.3

「1曲から物語は作れるか?」 若きスタッフと切磋琢磨する吉浦監督の新たな挑戦

アニメミライ2014年度の一作


『ブラックロックシューター』制作時に「サンジゲン」と「Ordet」を合併させる、という話が元で2011年8月に設立された若い制作会社「ウルトラスーパーピクチャーズ」の作品です
傘下には「サンジゲン」「Ordet」「トリガー」「ライデンフィルム」を有しており、この会社そのものに作品を制作する機能が無いことや今回初めて「ウルトラ~」名義で元請制作をすることから、実質的に上記4社の共同制作と見ていいのではないかと思います


監督は『イヴの時間』『サカサマのパテマ』の吉浦康裕


吉浦監督の得意とする限定された舞台に密集する人物の模様を描く「定点観測型群像劇」
今年度アニメミライ4作品の中では異色の作風であることから、作画の腕前そのものというよりはドラマティックなレイアウト、ドラマティックなカメラワーク、そしてお約束の透過光
といった具合に演出的観点から見たかなり高難易度な作画を参加者に要求してきた作品です


物語の舞台は学校
ちょっとオタクな仲間と語らう少年アキオ、華やかな友人達と笑いあうクールビューティーなジュリ
同じクラスに居ながら、全く相まみえることの無かった二人
しかしある日突然、1曲の歌を巡る意識が二人の距離を急速に近づけることになる
例えそれが全く予想にしていなかった事態だとしても、ジュリの、彼女の抱えていた不安やときめき、深層にある意識を一瞬共有してしまったがために、隔たれていた二人の世界は突然繋がってしまう


劇中に登場する1曲の歌を巡ってクラスの中にひしめき合う様々な人間模様を描きます
男子の会話、女子の会話、男女の会話、ヒエラルキー、、、と様々に交錯するドラマを舞台劇のように楽しむ一方で、物語の機軸になるのが1曲の歌、ということで【ミュージックビデオ】のような側面もある作品です


特にコレといったオチも無く、物語としては中途半端に終わります
吉浦監督にとっても実験的な位置付けの作品のようです
なにより、今作の制作を通して監督自身が「人を指導する立場となる」ことを経験されたようで、実に意義のある企画であったことが伺えます


舞台劇、会話劇、一幕物に興味のある方にオススメです

投稿 : 2019/11/16
♥ : 28

60.6 5 スタジオ六花アニメランキング5位
ペイル・コクーン(OVA)

2006年1月18日
★★★★☆ 3.5 (173)
788人が棚に入れました
アニメーション監督吉浦康裕の個人制作作品。舞台は遙か未来の地球で、世界は姿を大きく変えていた。どこまでも続く廃墟の世界。海や大地はすでになく、風景は廃墟から発掘される記録の中で見られるだけだった。それら記録を発掘・復元し、過去の世界を分析する""記録発掘局""。そこで働く主人公のウラはあるとき奇妙な映像記録を復元するのだった……。個人制作のレベルを超えたクオリティ、SF的な世界観などよく作り込まれている。膨大な記録をブラウジングするインターフェイスなど、見るべきところはストーリー以外にも豊富。また、背景を手書きと3DCGの混合で行うおもしろい手法から生まれた独特のタッチにも吉浦康裕の味が出ている。

にゃんた

★★★★★ 4.1

~復元~

吉浦康裕監督が「イヴの時間」の3年前(2005年)に発表した23分の個人制作作品。


人が住めない環境になってしまった地球。その過去に想いをはせる、未来に生きる主人公のお話。
環境破壊された地球と未来に生きる人類をテーマとしたストーリーは、決して新しいものではないかもしれない。
しかし、その表現方法は素晴らしかった。


視聴を始めてから数分間で、世界設定や登場人物達の状況を感じ取れた。
短いセリフと看板やエレベーターのカット、現在と過去の色使いの対比から、それらを容易に想像することができたからだ。


「ペイル・コクーン」=「青白い繭(まゆ)」。
この題名の意味と、作中で何度か繰り返される「復元中」と「復元完」。
映像記録内の螺旋階段。主人公がのぼる階段と落とす所持品。
そしてラストシーンでは・・・。


23分の短編作品だが、映画1本分を視聴した後のような余韻が残った。
もちろん、しっかりしたメッセージが込められている。
2回視聴したが、まだまだ全部拾いきれていない気がする・・・。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 10

takumi@

★★★★★ 4.1

「イヴの時間」の吉浦監督が手がけた切ないミライ

「イヴの時間」でおなじみの吉浦康裕監督、脚本、制作。
2005年に公開された約23分のアニメーション作品。

歴史という名の記憶が、どこかで途絶えた・・
そんな言葉から始まるこの作品。
舞台は今現在よりずっとずっと遥か未来で。

色合いは限りなくモノクロに近い、極力彩度を抑えたセピア調。
エコノミー症候群になりそうな窮屈さを感じさせる仕事場で、
主人公がみつめているのは、2000年の頃の地球上の風景。
周囲の色彩が沈んでいるせいもあり、その風景の色は眩しく、哀しいほどに鮮やか。

記録発掘局 復元課。
これらの画像から復元するのが彼の仕事。
記録の残骸、過去をさかのぼる唯一の手がかり。
そこにあるのは、太陽光がまださえぎられていない頃の記録。

記憶や記録を探りつつ下層へと行く彼の姿や
最下層には海と呼ばれ多くの人間達がしがみついているエリアが
あるということに、海と人間との因果を感じずにはいられない。

変わらないで欲しいと思うから記録を残すのだとしたら、
変わってしまった今、それはあまりにむなしくて。
たとえそれが遥か太古の風景だったとしても、
写し撮った時の、人の想いは真実そのもの。

緑色の世界があったこと。 青い地球があったこと。
それを壊してしまった人間の愚かさを、これ以上見たくない。

そんなむなしさに、復元課の人間がどんどん減ったという事実。
その事実は、今現在の人間である自分からすると嬉しくもあり、
そんな未来がこの先あるとしたら・・なんて考えると
やはり彼らと同じように虚しくて。

後半で流れる歌 『蒼い繭』(あおいたまご)
とても穏やかで素敵なメロディなのだけれど、
蒼い地球を詠ったその歌詞は、とてもせつなかった。
もし、地球が繭になるようなことがあったら、
ぜひいつかまた、再生して欲しいものだ。

余韻の残るラストも、とても考えさせられ、
きっと何度か繰り返し観ると、さらにいろんなことに気づけそうな作品です

投稿 : 2019/11/16
♥ : 48
ネタバレ

てけ

★★★★★ 4.4

皆さんはなぜレビューを書いていますか?

23分ほどのショートアニメです。

…歴史が途絶えるほどの未来。
人間は機械に囲まれた無機質で寂しげな世界に住んでいた。

漫画家の弐瓶勉を彷彿とさせる世界観ですね。
こういう超未来的な雰囲気は大好きです。

CGで作られた美麗なグラフィックや、人の目線を通したようなカメラワークが光ります。


ストーリー展開も素晴らしい。

記録発掘局に所属する主人公の「ウラ」
過去の記録を解析するのが仕事。
しかし、わかるのは、歴史の断片のみ。

昔は、多くの人が過去の記録を解析しようとしていたが、今ではほとんどいなくなっていた。
それでも記録の分析にこだわり続けるウラ。

人はなぜ記録を取るのか、人はなぜ記録を見ようとするのか…。
{netabare}「"人は、変わらないで欲しいって思うことがあるから、それを記録に残す"んだって」{/netabare}

果たしてそうなのか?
今こうして、「レビューという記録」を書いている自分に対しても問いかけたくなりました。

そして、ウラがたどり着いた真実とは…。
タイトルにこめられた意味が明かされたときには、鳥肌が立ちました。
{netabare}
同僚が言った「場所なんてどうでもいいんじゃないか?」というセリフから、とっくにストーリーは動き出していたんですね。
{/netabare}
視聴者を一気に引き込む世界観。
美しいグラフィックや、意味のある演出。
考え出すと止まらなくなる、哲学的なテーマ性。
伏線やミスリードもしっかり盛り込んだ、無駄のないストーリー。

私の好みにジャストミートです。
本当に充実した23分間でした。

さて、「皆さんはなぜレビューを書いていますか?」

投稿 : 2019/11/16
♥ : 31

59.7 6 スタジオ六花アニメランキング6位
水のコトバ(Webアニメ)

2014年2月19日
★★★★☆ 3.5 (34)
143人が棚に入れました
とある喫茶店。偶然集った7人の男女。フランクなウェイトレス、彼女に振られたことをグチるダメオトコ、ガールズトークに花を咲かせるオシャベリとクール、先日体験した不思議な出来事を必死に話すデカとチビ、ひたすら本を読み続けるホン…。彼らの会話が織り成す不思議な時間。コトノハの君が見守る世界、水のコトバの浮遊空間。ちょっと覗いてみませんか?

https://www.youtube.com/watch?v=GphHqJkkdjU

※自主制作アニメです。上記で公開されています。
ネタバレ

なまいきっすゼロ

★★★★☆ 3.7

コーヒーは本来ゆっくり1時間かけて飲む。←冷めちゃうじゃん^^;

諸事情は無視させてもらいます。
とある喫茶店の約9分間。主人公は失恋した男性。
日常、実は非日常の一部。落ち着いた喫茶店での不思議体験。
夢中にはならないが引き込まれました。 後記は見なくて結構→{netabare}

日常のありふれた6人の客。
いろんな輩がいるもの。
本に読みふけっていた客が1人、活字もまたコトバ。
それぞれの客が交わすのもコトバ。
コトバで落ち着く。喫茶店のヒトトキ。
…でも
主人公はマスターに案内され…
1人の客の通り、絵の魚が動く理由があった。
コトバがはじける。まるでシャボン玉のように!!
大きな魚が管理をしている。
そして…
この喫茶店は、機械仕掛けだった。
マスターがロボットなのだ。(アンドロイドとは言えない)
チョッと引いちゃう雰囲気な喫茶店だが、
意識しなければ、また来ちゃうかな^^;
{/netabare}

投稿 : 2019/11/16
♥ : 1

CountZero

★★★★☆ 3.8

この作品があって「イヴの時間」が生まれた!?

サカサマのパテマのDVD発売が待ちきれず、久しぶりに吉浦監督のショートフィルムを観てみました。

うん。
やっぱりいい!

あるカフェでの日常。
テーブルごとに繰り広げられる会話劇が治められています。
セピアな画面と独特なカメラアングルと押さえたBGM、自主制作という事もありとてもアンダーグラウンドで雰囲気のある作品です。

約10分ほどの中にいろいろ詰まっていて、ちゃんとオチもあって、若き監督の手腕をびしびし感じることができます。
スタジオ六花ファンなら観ておくべき作品ですね。
必ず満足できるはずデス。

代表作「イヴの時間」に通じるルーツ的作品でもあるので、SF好きはもちろん、ロボットバトル系とは全く違うので「SFはちょっと苦手ー」という女子のみんなさんにもお勧めです(笑)

投稿 : 2019/11/16
♥ : 22
ネタバレ

ホロムギ

★★★☆☆ 2.4

吉浦監督が好きな人向け。

「イヴの時間」の吉浦監督が学生時代に作った自主制作アニメ。

9分間のアニメーションです。
聖徳太子でなければ一度にすべてを把握できないでしょう。
とにかく、キャラがそれぞれ同時に喋りまくるうえに、文字も出てきて読まなければならない。

一度目は他の作業をしながら見たのでちんぷんかんぷんになりました。

一度目でざっくり内容を把握して、二度目で細部の確認といった感じで見るのがわかりやすいでしょうか。


といっても内容はあってないようなもの。内容はあって(ないよう)なもの。(あるのかないのか)・・・本当にすみません。。。照。

怒涛におしよせる会話や、視点、雰囲気を楽しむものだと思います。
それぞれのテーブルの会話がいろいろ関係を持っているのですが、繋がりは弱いですね。9分間しかありませんしね。
抽象的で完璧に意味を把握するのは難しいです。
{netabare} 消えた魚と言霊の関係とか。消える理由とか。
おそらく、言霊が魚に力を与えて泳ぎだすのではないかと解釈しました。 {/netabare}

ストーリーを練り、完成したのが「イヴの時間」なのではないでしょうか。
吉浦監督のショートストーリーが好きな人は一度見てみるといいと思います☆

投稿 : 2019/11/16
♥ : 1

60.0 7 スタジオ六花アニメランキング7位
POWER PLANT No.33(Webアニメ)

2015年1月30日
★★★★☆ 3.5 (30)
121人が棚に入れました
眠り続ける超巨大発電体33号――通称「エレキマグマ」に電力を依存している都市。

ある時、謎の超巨大ロボット「プロトタイタン」が天空より飛来し、結果的に都市を破壊!

行き場を失った電力の体内蓄積により、ついに覚醒するエレキマグマ!!

逃げまどう人々の頭上で、超巨大スケールの1ターンバトルが幕を開ける!!!

CountZero

★★★★☆ 3.5

四角い園丁ロボ(巨大)vs ガメラ的電気怪獣

アニメーター見本市の第11話です。
大好きな吉浦監督率いるスタジオ六花とTRIGGERによる制作です。

イメージはまんま特撮怪獣もので、テイストはまんま吉浦節(笑)
あまりうまく融合はしていないようなぎこちなさを感じますが、なんだか不思議な雰囲気でした。
まあでも短編ってそういうもんですよね。
実験的に好きなように色々やってみるから面白いわけです。
短編なので、詳しい説明やセリフはほとんどなし。
主人公(?)の女の子が途中からほっぺを赤くしててて「どうしたの?何ドキドキしてるの?」って思ってたらラストの一言(笑)
美しい背景と彼女の動作があいまって、思わずニヤリ。
「ああやっぱり私は吉浦監督の感性が好き」と再確認した次第であります。
オープニングのロゴがビリビリしてるのもナイスです。
見本市はいつもおもしろいな。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 17
ネタバレ

ヲリノコトリ

★★★★★ 5.0

だから私はスタジオ六花(おすすめ!)

 ちょっと偶然観ました。現在となってはweb上での公式な公開は終了。DVDの発売が待望されます。
 日本アニメーター見本市というプロジェクト(?)の中の一作品。初めはぼーっと見てたんですが、ラストでびくっとなって詳細を調べました。すると制作:スタジオ六花。「サカサマのパテマ」の人たちだ!

 ショートムービー。ストーリーとしては怪獣を拘束して発電している未来都市にロボットが舞い降りて、怪獣とバトル!……といったもの。私は何がCGとかセル画とかいまいち分かってませんが、なかなか壮大かつ精細な映像で見応え抜群。登場人物の服のデザインとかもSFの世界観を盛り上げててグッド。
 怪獣で発電→怪獣が暴れて町が壊れる、というストーリーは原発事故など人間の制御できない力を人間が持ってしまっている現代の状況を暗示していると思われます。

 でもそこじゃない!そこはどうでもいい!
 
 ラストの一言です!ラストの一言!これが六花!だから私はスタジオ六花を推すのです!
{netabare}  もう完全に「パテマ」も混ぜて話しますけど、六花の作品ってぱっと見だと「分かりやすく俗っぽい」んですよ。PP33なら「怪獣とロボット戦わせて、お色気シーン混ぜて、発電システムでアイデア賞(?)狙って。はいはいそういう作品ね、お上手お上手」って思った人いるでしょう。パテマなら「なるほどいいアイデアだね。だから手を繋いでなきゃいけないんだよね。はいはいご都合いちゃいちゃものだね乙乙」。
 たしかに。
 私たちはそういう作品にこれまで幾度も触れてきました。
 だって、そのアイデアだけで作品は作れるから。
 でも気が付いていますか!?六花はそこで終わってないんです。視聴者誰もが「ああ、このアイデアならこういう作品だな」と思うその一歩先を描いているんです。そしてそれを明示しない!だから舐めてかかった人はその真意に触れる間もなく「びみょー」の感想で終わっちゃうんです! {/netabare}

 ラストの一言が無かったらこの作品はほぼ間違いなく私の心には引っかかりません。現に怪獣たちの戦闘シーンとかほぼよそ見してましたからね。「怪獣による発電というアイデア」「怪獣たちの戦闘シーン」「未来的かつさびれた街」「綺麗な作画」……という、それだけで通用する武器を多用しているにも関わらず、主人公がずっと考えていたことはそれらとは全く関係ない「最後のセリフ」だったわけです!
 それが私にはどストライクだったんです。
 ……なんか褒めちぎった結果、ディスってる人をディスってるみたいな感じになっちゃったんですが……。あの、まあ感じ方は人それぞれなんで、ホント……すみません。

↓以下 作品考察(見てない人は開けない方がいいと思います)
{netabare} ・この作品は原発を否定しているのか?
 どうなんでしょう。どっちともとれるんですよ。パッと見では街を破壊して去っていく怪獣……なので、やっぱ否定的なのかなって感じですが、電話が使えなくて困ってる人を描写しているあたり、「やっぱないと困るよね」みたいなこともいいたいのか。
 でも私の願望としては、「どちらでもない」だといいなぁと思います。つまり、「原発危ないよね。でも電気ないと困るよね。まあそれはさておき、今日は暑いね」って感じだったらかっこいいなあと思います(笑)

・女の子は本当に「暑かった」のか?
 これも微妙です。いや、「だったらお前のさっきの意見なんなの」って、感じなんですが。つまり、本当に「暑かった」から「暑かった」と言ったのか、それとも「暑かった」という言葉の裏にまた別の思いがあるのか、ってことですよね。別の思いっていうのはたとえば、怪獣たちの人知を超えた戦闘に魅了されて、体が思わず火照ったから「暑かった」という言葉で表現したとか。つまり本当は「暑かった」かどうかはどうでもいいんじゃないか、っていう意見。もちろんそれもあり得ますね。でももうそういう考察し始めた時点でもうめちゃくちゃハマってるんです。私。 {/netabare}

投稿 : 2019/11/16
♥ : 13
ネタバレ

田中タイキック

★★★★☆ 3.8

アニメ(ーター)見本市で一番、続きを期待してしまう作品

2015年1月30日 公開
日本アニメ(ーター)見本市の第11話目の作品


まず目を見張るのが「なんかとんでもないこと始まりそう」感のする
スケールの大きい世界観描写
『サビ』と『パイプのむき出した部屋』が作るスチームパンクな要素と
昭和のレトロ看板を思わせるノスタルジーな情景
統一されたデザインのスーツと端末を片手に行き交う人々のSFっぽさ

そんな要素で構成された世界観が素敵
『レトロフューチャーパンクの夕日』
みたいな


でもこれジャンルは特撮的な怪獣物なんです


街の中央に位置する超巨大な生命体『エレキマグマ』
体中から放電していて人間たちの手によってコードに繋がれ
街中の電力源として何故か大人しく電気を吸われている状態


内容を言ってしまうと

{netabare}そんな『エレキマグマ』が突如飛来した謎のロボと対峙
謎のロボをエレキマグマが左ストレートでぶっ飛ばす
ただそれだけ!!まさに1ターンキル
無骨で大味
しかし重厚でド迫力なマッシブバトルが今作の最大の魅力です{/netabare}

5、6分という短い時間の中に見せたいものをシンプルに
どストレートに凝縮したという印象の作品
画面に収まりきらないほどの巨大怪獣が
その巨体をフルに活かした迫力のあるバトルを
たしかな『アニメーションの動き』で描かれると
否が応でも心が踊ってしまいます

原案・監督・脚本は吉浦康裕氏
「イヴの時間」や「サカサマのパテマ」などで普遍的なテーマを扱いながら
独自の世界観と表現でしっかりとした完成度の作品を作ってる印象があるので
是非とも2時間映画のフォーマットで観たいと期待させる作品でした

なんとか偉い人をだまくらかして実現してほしいものですな

http://animatorexpo.com/powerplantno33/

投稿 : 2019/11/16
♥ : 8

計測不能 8 スタジオ六花アニメランキング8位
キクマナ(その他)

★★★★☆ 3.1 (5)
6人が棚に入れました
吉浦康裕が大学二年生の時(2000年)に制作した自主制作アニメーションです。作画から背景、仕上げといった映像面の全てを一人で制作しました。何かを創り出したいという欲求だけが空回りし「作品の体を成した何か」を世に出そうと躍起になっていた時期の作品で、実質的な僕の処女作です。ノウハウは全て見よう見真似で、当時ハマっていたアート系の映像作品に、エンターテイメントのテンポ感をプラスすることが目的だったような覚えがあります。

ワドルディ隊員

★★★☆☆ 3.0

独創的な世界観が特徴のモノクロアニメ

このアニメは、吉浦康裕氏が制作した短編モノクロアニメだ。

某動画サイトに載っていることもあり、
手軽に視聴することができる。

正直なところ、私はきちんと理解することができなかった。
世界観を上手く整理することができなかったからだ。
ねこぢる草のような思い切った作風でもないし
年をとった鰐のように支離滅裂な展開とも違うと感じた。

カルトアニメの一種であることは間違いないのだが…。
私の中では、如何せん分類がしづらいタイプの作品だ。
この際、モノクロ映画を見ると何かわかるのかもしれない。
(必ず見るとは言ってない。)

吉浦監督作品が好きで尚且つ
この作品を知らなかった方は一度見てはいかがだろうか。
彼が今まで手掛けてきた作品とは
明らかに別次元のアニメだと思う。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 3

pikotan

★★★☆☆ 3.0

難解

映像がモノクロで不気味な感じがするため「作品から負のオーラが発せられ、観ているうちに精神が病みそう」そんな印象を受けました。
一方で作品が何を訴えたいのかが自分には分からなかったので、スタジオリッカのホームページを見たところ「キクマナ」の紹介文に「出口の無い部屋でひたすら本を読み続けるというモチーフは、僕の人生の方向性を(ある意味)決めたPCゲーム『MYST』に影響されたもので、それ以上の深いテーマやメッセージの無い、まさに「感じるアニメ」でした。」と吉浦監督が書かれていました。
つまり「映像面には力を入れたけど、内容については視聴者がそれぞれに感じたまま自由に想像してください」そういうことなんでしょうか。実に難解です。
ちなみにMYSTというゲームのことも知らなかったのでネット検索したところ、世界的にヒットした難解なゲームだったとのこと。
確かに影響受けていますね。
評価も難しいので3のままです。

投稿 : 2019/11/16
♥ : 1
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