トップレベルおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのトップレベル成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月18日の時点で一番のトップレベルおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.7 1 トップレベルアニメランキング1位
映画 ゆるキャン△(アニメ映画)

2022年7月1日
★★★★☆ 4.0 (205)
794人が棚に入れました
高校時代、キャンプを通じて関係を育んでいった、なでしこ、リン、千明、あおい、斉藤。時を経てそれぞれの道を歩んだ5人が、とあるきっかけでキャンプ場を作ることに。 『ゆるキャン△』が演出する、自然の美しさや美味しい食事、焚火を眺めるようなゆったりと流れる時間――。 「美味しいご飯を食べたり、きれいな風景を眺めたり、温泉にゆっくり浸かったりして……明日もまた頑張ろう」 そんな気持ちになれるひと時の体験。2022年の夏は、映画館で野外活動しよう。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大人になった彼女らだからこそできること

この劇場版は、彼女たちが高校を卒業して大人になった頃のできごとです。
なでしこたち5人の女性のそれぞれ違う個性が合わさって、キャンプ場づくりをしていく物語です。
大人になった彼女らだからこそできることを劇場で見ることができます。


リンは名古屋の出版会社に勤めていました。
なでしこは東京でアウトドア用品の販売員をしています。
千明は山梨県庁に務めています。
あおいは地元で小学校の教師をしています。
そして恵那は、神奈川でペットの美容師をしています。

みんなそれぞれ別々の場所で働いていますが、彼女たちの友情は深く結ばれています。

千明は地域振興としてキャンプ場づくりを県庁に申請します。
そのキャンプ場づくりにみんなが駆けつけるのです。
そして定期的にみんなで作業をします。

作業といっても最初は草刈りからです。とても地道な作業です。
そして作業中にいろんな問題も発生します。
でも、彼女らは力を合わせて問題を克服してゆきます。


高校の頃にキャンプの楽しさを知った彼女たち。
その楽しさを彼女らは多くの人に伝えてゆきます。
伝える方法は、それぞれ違います。例えばリンは記事で伝え、なでしこはお店でお客様に伝えたり…
大人になった彼女たちだからこそ、伝えられることがあります。


個人的に感じたこととして
ちくわが老犬になって満足に走れなくなったこと。
自然の摂理なので仕方がないのですが…
おそらく恵那は、これからもずっと、ちくわが老衰で亡くなるまで世話をしていくのでしょうね。
恵那の優しさがにじみ出ていました。


エンディングは佐々木恵梨さんの「ミモザ」
あいかわらず癒される曲でした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

受け継いでいきたい優しさの連鎖がここにある

【物語 4.0点】
『へやキャン△』、『ゆるキャン△』2期、映画『ゆるキャン△』。
2018年冬・1期終了後に立ち上がった足掛け四年に亘る3本制作企画の総決算。

大人になった社会人・なでしこたち野クルメンバーが、{netabare}年末戦士サンタクレンジャーから週末戦士作業着レンジャー{/netabare}に進化して、キャンプ場作りに挑むというオリジナルストーリーがメインだが、
決して、1期、2期の人気の余勢を駆った蛇足ではない。
じっくりと煮込まれた設定、脚本、シリーズを横断する伏線芸が提供される。


子供の頃、大人になったら何でも出来ると思っていた。
だが大人になったら案外出来ないことも多かった。
それでも大人になっても楽しいと思うことを皆と一緒にやって行こう。

官民含めた組織を越え始まったキャンプ場プロジェクトに対して、
周りの大人たちが優しく、さり気なく見守るのも暖かい構図。
しがらみの中にあっても、皆、本当はワクワクしたかったんだとの性善説に包まれる癒しの120分。

鑑賞後は凝り固まった心身が、心の芯から解きほぐされるのを実感しました。
整体やマッサージ店に高額なサービス料払うくらいだったら、
本作に鑑賞料金払って身も心も軽くなりましょう♪(←強引な勧誘w)


【作画 4.0点】
アニメーション制作は1期以来のC-Station。

2期では比較的温存していた?富士山も今回は冒頭から押して来ます。
未だかつて、これほどまでに、配給会社がロゴ富士山の松竹で良かったと思った瞬間があったでしょうかw

{netabare}カニだの鮭{/netabare}だの今回も飯テロは即死級の威力。
腹ペコで鑑賞するのは危険なので、何かつまめるフードは用意しておきましょう。

東京、名古屋、横浜と、なでしこたちの活動圏拡大に伴い背景も(聖地巡礼地もw)大増量。
その描き込みに労をいとわず、彼女たちの成長を好表現。
広がった大人の世界を、志摩リンが祖父から受け継いだ大排気量のバイクで駆け回る描写も感慨深いです。


【キャラ 4.5点】
東京・昭島市のアウトドア用品店「フォレストオウル」店員となった各務原なでしこを見守る店長・小牧。
刹那的にノルマを達成する営業ではなく、長期的にアウトドアファン層拡大に寄与する、
なでしこのある種の甘さをも容認するステキな女性。
なでしこに、この仕事本当に向いているわと評価しますが、あなたも相当に向いています。

{netabare}女子高生3人にランプにお試しで火を付けたりしてアドバイスするなでしこの接客に、
なでしこが「カリブー」に何度も眺めに来たランタンをお買い上げするまで見守った店員の姿が重なります。{/netabare}
TVアニメ版で客として優しくおもてなしされたなでしこが、
今度はキャンプの楽しさを広める店員となる優しさの連鎖が温まります。


名古屋の「しゃちほこ出版」編集部員として苦闘する志摩リンを見守る先輩アフロ社員・刈谷。
{netabare}部下が伸び盛りと見て、裏でフォローする心情を上司・白川に吐露する件。
それを受けて白川がお前のほうが大変だったとイジり返す。{/netabare}
先輩が後輩を育み会社の将来を繋ぐ。
氷河期に断絶した当たり前の育成精神がこの会社では連綿と続いています。
こんな暖かい社風なら、ブラックに呑まれて消えていったアイツも凍えずに済んだのかな……。
そう考えたら目頭が熱くなるものがありました。


大垣千明、犬山あおい、斉藤恵那と他の野クルメンバーも成人。
映画では恩師の“グビ姉”鳥羽に続いて{netabare}千明{/netabare}が酔いどれ2号として覚醒w
早速、{netabare}酔った勢いで名古屋から遠征し、タクシー料金メーター9万オーバーの{/netabare}武勇伝を打ち立てるw
ですが、これがプロジェクトの始まり。“飲みニケーション”も悪くはありません。


【声優 4.5点】
実はメインキャスト陣が成人した野クルを演じるのは1期12話の妄想シーンに続いて2回目。
因みに、キャラ設定等も、その妄想シーンから組み立てられており類似点多数。
イメージトレーニングも万全で、キャラを崩さずに成長を演じる好対応。

ナレーションは引き続き大塚 明夫さんで盤石の安心感。
最後、{netabare}兼任する志摩リンの祖父役として発した「いいキャンプ場だ」{/netabare}との一言に報われます。

犬山あおい役の豊崎 愛生さんは映画でも、まつぼっくりさんで\コンニチワ/などと暗躍している模様。
終盤、{netabare}帰って来た原付ビーノで\マカセロ/{/netabare}と男気?を見せたボイスも決まってました。


【音楽 4.0点】
劇伴もお馴染みの立山 秋航氏がオフィスシーンでもブレずに
笛とパイプのケルト風も散りばめる癒し系を継続しつつ新曲を量産。
今回は組曲「松ぼっくり」を編成し、キャンプ場完成までの道程を管弦楽も交えて生き生きと演出。

主題歌もお馴染みのお二人。
OPは亜咲花さんの「Sun Is Coming Up」
淡々と重ねた日々がちゃんと明日につながっていると励ます社会人応援ソング。

EDは佐々木恵梨さんの「ミモザ」
ふと立ち止まって振り返って変わった物、変わらない物を静かに確認するバラード。


【余談】
歴史文化財の保存と活用についても考えさせられた映画でもありました。
{netabare}特に、縄文、弥生の遺構辺りは、教科書に載るレベルの重文級であっても集客は厳しい。
実際、立派に整備された箱物に閑古鳥が鳴いている遺跡が当たり前になっている感があります。
土器発掘体験だけじゃ家族連れは中々やって来ないかと。
少子高齢化でインフラの維持すら難しくなっていく今後の日本にて、
遺跡の価値を損なわない程度のエンタメ化は検討に値すると感じました。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

それじゃ、またね

C-Station制作。

故郷を離れ、それぞれの道を歩む、
大人になったキャンプ仲間がまた集まり、
とあるきっかけでキャンプ場を作ることに。

お互い仕事をして、使えるお金も増えるが、
それでもどこか、不自由な現実に疲れてくる。
本当は知らない内に、たくさんの人に支えられ、
そのことを実感するも、忙しい毎日で感謝も忘れる。

故郷でキャンプ場を作るにあたり、
彼女たちが掲げたコンセプトは再生である。
{netabare}それはきっとキャンプ場作りを通じて、
昔の友達に会い、思い出から自分と向き合い、
楽しいことをただ楽しむ、色んな人へ伝える。{/netabare}
忘れていた初心からの帰結でもあるのでしょう。

変わらない美しい自然の風景があり、
賑やかな友達、美味しそうな料理の数々、
緩やかな優しい時間も変わらず健在ですが、
どこか考えさせられる物語でした。

こうして大人になっていくのでしょう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 31

73.5 2 トップレベルアニメランキング2位
ダンス・ダンス・ダンスール(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (129)
426人が棚に入れました
ダンスール・ノーブル――それは王子を踊る資格のあるバレエダンサー。中学二年の村尾潤平は、幼い頃バレエに魅了されるも、父の死をきっかけに「男らしくならねば」とその道を諦めていた。だがある日、彼の前に転校生の美少女、五代都が現れる。都にバレエへのあこがれを見抜かれ、誘われた潤平は、都の幼馴染である森流鶯と共に、本格的なバレエダンサーへの道を歩みだす。「俺がそこで日本人初の『ダンスール・ノーブル』になるわ」すべてを犠牲にしたものだけが、立つことを許される、美しくも厳しいクラシックバレエの世界。完全な初心者である潤平の運命は!?大人気漫画家・ジョージ朝倉、初のテレビアニメ化!MAPPA(制作)×境宗久(監督)が挑む、バレエダンサー達の熱き青春バレエストーリー!!
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ダンスダンスはレボらない

原作未読

元はスピリッツなのね。やはり少年誌ラブコメと比較しても一段ギアが上がる感じ。バレエを頑張る少年少女のお話です。
なお、ダンスダンス…ときたらレボリューションと答える私。当然の如くモテツールのヒップホップに健康男子のベクトルは向かうのです。ダンレボに『白鳥の湖』『ドンキホーテ』があるとは寡聞にして知りません。男の子がバレエなんて…とクソガキな私だったら躊躇なく冷やかしてそうな気もします。実際そんな被害に遭って憧れに蓋をした子が思春期を迎え幼少期の情熱が蘇る流れ。

題材が美を求める性質のものとなると、精緻な動きをアニメーションで表現することが期待されます。『プロ野球スピリッツ』と『パワフルプロ野球』どちらのビジュアルに需要あるかというと圧倒的に前者。…と冒頭から妄言全開でそろそろ叱られそうですがそういうことです。たまには後者的なアプローチも面白いと思いますが本作はまごうこと無き前者のアプローチ。モーションキャプチャーばりばりだと放送前特番でしっかりとアピールしてました。

・少年誌ラブコメより踏み込んでいる情愛描写
・普通の男の子がバレエに食指が動くということ
・手足の指先までの踊りの再現度

土台となるのはバレエの再現度すなわち成果物の魅力なんだと思います。体軸のブレや手先の表現についてべた褒めセリフかましてもそう見えなければまるで説得力がありません。まずはこちらクリアー。
目に見えるものが良ければ次の段階ではそこに乗せるセリフの魅力でしょうか。モーションキャプチャーだけ頑張ったアニメと言われないようにするためにはこれも肝心です。こちらもクリアー。
特定の競技を扱いその競技描写が優れていて、そこに携わる人たちの想いが乗ってくればさらによい。ここで初めて好みが別れるんじゃなかろうかと思います。私は“冷やかされて諦めてそれでも悶々としていた”主人公の想いがどう変化してくるかに序盤の尺を使ってたことを評価してます。理由は後述。
もちろん競技者(表現者)のバレエに向き合う態度から想いを推し量るにせよ一人じゃなく複数人いるわけです。分かりやすいとこだとラブ要素なんですけど、そりゃ少年誌より“性”を意識しますよね。最後にこちらもクリアー。

好み別れるとこはしゃーないのですが、わりと基本というか王道を踏まえていて、最低限素材の良さを堪能できる良品なんじゃないかと思います。



※ネタバレ所感

■村尾潤平(CV山下大輝)
冷やかされた恥ずかしさで一度は諦めるも已むに已まれぬなんとやら。

{netabare}洋舞祭りでの独断専行を一つの例にしてもこの主人公は自己顕示欲のかたまりなんですよね。分のわきまえなさって一線級の活躍するような頭一つ抜けた人は多かれ少なかれ持ち合わせてる資質ですけど、実際近くにいたらわりと困る。そんな主人公。
ここで幼少期の断念話に戻ります。いざバレエやると決めるまでの曲がり道がけっこう長かったです。リミッターは森流鶯(CV内山昂輝)に解除されるわけですが、その後の浮かれっぷりときたら。
先天的なものである“性格”を環境因子いわば後天的なものである“我慢からの解放”でブーストさせました。“骨格”至上みたいなとこ作中で説明されるくらい先天的要素重視なバレエにおいても後天的というか積み重ねや行きがかり上のものがうまく絡み合って今がある!みたいな展開が良かったと思います。{/netabare}


■一対一のキャラ相関がせつない
見てると各キャラ自分に足りないものや欲しいものを他の誰かが持ってるなんてことがザラでした。

{netabare}例えば主人公クラスなら“華のある”潤平と“華のない”流鶯。
逆もしかり。高さがあって正確な流鶯と低くて粗削りな潤平。
母から見放された千鶴は日本トップクラスのプリマとなり、寵愛を受けた真鶴はバレエとは別の道へ。
その子供たち。孫の五代都(CV本渡楓)と流鶯とでは呪縛のかかりっぷりが対照的。そして共依存。
プリマに向いてない五代都(CV本渡楓)と対照的な生川夏姫(CV福圓美里)。こちらも身長で逆転現象が。

『才能』『考え方』に留まらずいろんなものを、誰かスーパーワンな存在が総取りするのではなく、各キャラに凸凹上手く分配しているようでした。
それなりに主要キャラ多めな数ある作品の中でもAさんとBさんとの対比がところどころになされ過ぎていることはこの作品の特筆すべき点かもしれません。{/netabare}


最後に、男子が少ないゆえの希少価値。そんなよりどりみどりにガキの頃から気づいていたら私もモテ人生を歩めてたかも、と妄想ダンス。
…なーんてことを思いつつ、下心全開の本作主人公くんと干支何周りしてる私も似たようなもんだと目を細めるのでした(違っ)。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

表面は熱いスポコン。裏を返すと女性の天然の残酷さが辛いです。

 明らかに女性作家が描くキャラなのに、スピリッツでジョージ朝倉?男かよ、と思い、どうしても納得いかなくて調べたら、女性でした。

 最近は女性の方がスポコン描くのが得意なんでしょうか。ちはやぶる、ユーフォ、ましろの音、この音、かげき少女など、スポコン亜流の作品はみんな女性作家です。

 まあ熱いですよね。主人公のキャラの熱さというか、ストーリーを作るための少々デフォルメされた身勝手さが、ちょっとイラッと来ることもあります。周囲のメンバーのイジメは変な言い方ですが女子的な陰湿な感じで、これも見ていて不快になります。それが目的なのでしょうから、作品としてはいい出来なのでしょうが、感情移入という面で主人公に乗れない、という弱点にもなる気はしました。

 白鳥の湖の3人の関係をストーリーに落とし込むとはやりますね。ただ、王子様は誰なんだ?というのが主題ですね。もちろんバレエの話の出来の良さがそれを引き立てていましたが、こういう世界の狂気や才能の有無の残酷さも含めて、さすが女性作家、容赦がありません。

 なんといっても、恋愛関係です。これは結局 {netabare}都と潤平は上手くいかないということでいいんですよね?ここが女性的な感性です。女性の心理は女性作家だけあってリアリティがあるんでしょう。庇護すべき存在としての流鶯に最後は魅かれるみたいですけど、嫌な言い方をすれば結局流鶯の才能に心を持っていかれたという事だと思います。

 潤平はバレエへの憧れはありましたが、きかっけは都に惚れてという部分です。女性の肉体に照れる描写から女性になれていない。だからまだ恋愛感情がない都に妄想をするというのがしつこいくらい描かれます。
 で、都は自分の胸に流鶯を抱きしめます。これは腰を触るだけでビックリしていた潤平からすると衝撃でしょう。いろんな理由や思惑はあるにせよ、潤平が五代にいったのは都への想い。だから都が流鶯を選択した以上、結局都から生川に逃げるという面もあるのでしょう。

 これは結局女性は男の力に惹かれるという残酷さでもあるんだと思います。庇護欲ともとれなくはないです。{/netabare}いずれにせよ、ポリコレ的にごめんなさいですが、都って天然なんでしょう。思い切り感情でしか動いていないです。つまり「子宮で物を考えている」感じがすごいですね。女子から嫌われる描写がありますが、そういうところでしょうね。

 男の心理としては、非常に辛いですよね。あそこはそういう残酷な場面なんでしょう。加えて、夏姫ですね。彼女もあきらかに潤平の才能を認めて、惹かれています。性格や優しさではありません。もし潤平のフランクな性格に惹かれたと思うなら、私は違うと思います。才能が無ければ同じ性格でも歯牙にもかけません。

 女性作家ならではの熱いスポコンですが、その裏に陰湿な人間の心理と女性が心を惹かれるのは結局才能という残酷な部分もものすごく良く描写されていました。

 バレエのシーンの作画はモーショントレースとかしたんでしょうか?すごかったですね。その他の場面の感じにくらべて全然違いますね。ただ、少女マンガって、決め絵の時の描き込みと、淡々とした日常場面の作画の気合いが全然違うので、意図してないと思いますが、ものすごい少女マンガっぽさが出てました。

 総評すると、かなり話は面白いし熱い。ただ、男が見ると才能の世界の残酷さが辛い、女性の恋愛感情、心理が辛い。女性的な作品すぎて感情移入が辛い作品でした。
 ハチクロや3月のライオン的な残酷さがちゃんとあるのがやっぱり女性作家のあまりにリアルな心理描写は男には毒だなあという感じです。

 評価はします。しますけど、私はあまりに女性的な残酷さを読み取ってしまい若干減点します。非常に出来がいいのは認めますけど、生々しすぎます。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「ここで終わるのか!」という飢餓感を強烈に植え付ける1クール11話

原作は未読です。タイトルに「ダンス」とありますがジャズダンスでもHIP HOPでもなく、具体的にはバレエですね。

目の大きさをはじめとして、キャラクターデザインには強烈にクセがあって、これで視聴を忌避してしまう層は一定数存在するんじゃないかと思います。

翻って、踊りを表現するアニメーションの動きや床を踏む音などの音響面ではかなり気を使った作品になっています。キャラクターデザインはあまり好きな方じゃないんですけど、ピルエット(つま先立ちしての回転)でのキャラごとの違いとかもしっかりと描けていて、こういった点を公平に見ると演出面も含めて作画は高得点と言わざるを得ません。

巷でバレエ教室というと「女の子の習い事」というイメージが強そうですし、漫画などでもバレエを題材にする場合の主人公は圧倒的に女性が多いと思います。

「アラベスク」、「SWAN」、「舞姫(テレプシコーラ)」などはもちろん、少年誌/青年誌連載でも「昴」、「絢爛たるグランドセーヌ」のように主人公は女性ですよね。

そんな中でバレエに興味を持っても気恥ずかしいと感じてしまう潤平の気持ちにはある程度の共感ができますし、男子で英才教育を受けた流鶯(るおう)の稀有さは想像を絶するものがあります。

そしてこの二人がある種の天才なのに対して、都(みやこ)はもちろんキャリアなりの上手さはあるにしてもある意味で「バレエの凡人」なのが面白いところです。

「都と踊りたい」という不純な動機もあってバレエに足を踏み入れていく潤平ですが、無邪気にそう思うことを許さない状況もあればそこには満足できなくなるような出会いもある。

まさに「これから」というところで1クールが終わるわけで、この先の物語はどうなるのかという強烈な飢餓感を抱かせますね。以降の話もアニメで観たいし、原作もめっちゃ気になる…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21
ページの先頭へ