トントン拍子おすすめアニメランキング 1

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70.5 1 トントン拍子アニメランキング1位
【推しの子】(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (178)
700人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。

声優・キャラクター
アイ:高橋李依
アクア:大塚剛央
ルビー:伊駒ゆりえ
ゴロー:伊東健人
さりな:高柳知葉
アクア(幼少期):内山夕実
有馬かな:潘めぐみ
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

【第1話(90分拡大版)先行上映感想】嘘つきはアイドルの始まり

赤坂アカ氏・原作の連載コミックは未読。

アイドルは嘘で人々に夢を与える偶像。
嘘こそアイドルの本質。
こんな捻くれた考えを持った私。

本作の「この芸能界において嘘は武器だ」とのキャッチコピー。
主人公のアイドル・星野アイの“しいたけ目”を越えた“キラ星目”。
嘘臭すぎてかえって惹き付けられる極彩色の強烈なビジュアル。
これはさぞ濃密な芸能界の嘘を暴き出してくれるに違いないと、注目していた期待作。

加えて展開が衝撃的との評判は耳にしていたので、
まずは是非とも映画館で気持ち良く驚いてみようと、
今回の鑑賞まで情報シャットアウトして挑みました。

結果、本当に驚きましたし、取り扱う嘘は胃もたれして吐き気を催すくらい濃厚でした。
基本設定に{netabare} 推しの子供として転生した双子{/netabare} というトンデモがありますが、白けることはなく。
むしろ芸能界を徹底的に相対化できるポジションに視点を置く。
口の固い大人が油断して本音をこぼしてしまうキャラクターを活かす。
芸能界の嘘と現実にまつわるテーマの深掘りも怖いほど快調で引きずりこまれます。

例えば、ネット上で、あの娘の笑顔は作り物っぽくて嫌いとのアイドルアンチを見かけます。
あれも本作にかかれば、作り物も何も、芸能界の笑顔は全て人工物。
結局、人々は各々が、どの嘘が綺麗でしっくりくるか否かで、あれは本物じゃないだの叩いているに過ぎない。

さらには夢を壊されたと荒れるアイドル恋愛問題。
俳優の実力より事務所のパワーバランスによって決まる出番の尺の長さ。
真偽そっちのけで他人の不幸すらコンテンツとして消費する下衆な大衆。
嘘に踊らされる世間の風刺は多岐に渡り、シナリオ展開との合せ技で打ちのめされます。

初回90分で、まだ物語のプロローグに当たる第一章にしてこの密度。
序盤力は近年でも屈指だと感心しました。


アニメーション制作は動画工房。
手描き重視のアイドルライブシーン等で、世間が待望する綺麗な嘘を好表現。
目力の強弱が激しいキャラ素材を活用した心情描写も気合が入っていました。

主人公・星野 アイ役の高橋 李依さん。
作中アイドルソングも歌い、ミリ単位で供給する笑顔を微調整する狂気をフォローし、
嘘が本当になる未来や愛を求めて嘘を重ねる業も表現する。
持てる引き出しを全て開け放ったような見事な演技でした。

今回のラストではOP主題歌のYOASOBI「アイドル」も公開。
楽曲のために原作者が書き下ろしたという小説を元ネタに、
アイドルグループの本音を、韻を踏んでえぐってくる攻めてるアニソンでした。
OPの先攻を受け、後攻の女王蜂がED「メフィスト」でどう応えるのか。今から戦々恐々ですw


嘘を追求した先にあるのは真実か?代償か?
人は愛を取り戻せるのか?

初回から刺し違える覚悟で挑みたい。
2023年・春アニメ、台風の目です。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 15

羽宮 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

社運をかけてやり遂げろ動画工房

かぐや様の赤坂アカ原作。
制作はわたてん、恋アス、セレプロで組んでいた動画工房×平牧大輔監督。
動画工房はこの3年、10作品以上に渡って碌なアニメを制作していない。
原因は人材の流出。機材が時代遅れだから、といった理由については定かではないが、CloverWorksやA-1 Picturesに散っていったのは紛れもない事実。
結果として「おさまけダンス」といったやらかしを繰り返し、長年積み上げてきたアニオタからの信用を完全に失った。
動画工房の直近の冬アニメ、テクノロイドに至っては、MALでの2400レビューでスコアはたったの6.45。凡作の7点台を大きく下回る低評価ぶりを見せた。

からの【推しの子】である。
どうして動画工房なんだぁぁぁという悲しみの声が聞かれるなか、先行上映会参加者からは意外なほどの好評を耳にする。1話の出来がいいとして、2話以降も信じていいのかどうなのか……。

初回視聴。点数追加。
どんな裏技使った?!っていうくらい期待以上。
知人の原作ファンはキャスティングに多少の違和感を覚えたくらいで、脚本や主題歌は物語に忠実でこれといって文句はないそう。
今期39作品目にして個人評価暫定1位。
最後までもってくれ!作画ァ!
追記。
えっ、ちょっ、まっ、ひと晩明けたらMALスコアが16400レビューで9.38って……は?
圧倒的歴代1位じゃん、なにこれ、海外ウケとんでもないな。
最終回でメンバー数が15万いれば2期安定といわれるなか、既に14.9万だし。
末恐ろしや……。

7話視聴。4.4から上方修正。
MALのメンバー数は45.5万。海外基準では現在41万のぼっち・ざ・ろっく!をも上回る爆発的な勢いの話題性といえる。
時間が経ったことでそれほどアニメが好きではない、或いは前情報でさほど興味がなかったような層がレビューに大勢加わったものの、15.5万レビューから算出されたスコアは9.02と、それでも総合12位。
歴代最高スコアを更新とは流石にいかなかったものの、未だ神の領域の9点台で耐えている。普通に凄い。
中傷をなくすため中傷するNPOに煽られて、アニメの内容も知らないのに某リアリティーショーの某遺族の人間が炎上を起こそうとして勝手に自分を燃やしているが、あれは寧ろ追い風になっているような気がしなくもない。
本編の方ではいわゆる覚醒回。2話以降を失速と捉える視聴者もいるようだが、ここからまた勢いが増してくることだろう。
一部訂正。総集編は11(+2)話構成のため。そりゃ1話分余るわ。

投稿 : 2023/05/27
♥ : 3

とまと子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「嘘」の本懐

 
原作漫画から追いかけてたファンなんですが、アニメになると聞いてちょっとどうなのかな?って思っていました。
アニメで観たとおり、セリフやモノローグの言葉が多くてものすごい情報量が詰め込まれて進んでいく物語で、漫画を読んでいた段階だとまるで小説をコミカライズしたような印象があったので、それをそのままアニメにしたら、動きが少なくてやたらに説明っぽくなっちゃうんじゃないかな…?とか。

でも実際にアニメにされて観てみると、原作に忠実に作られているのにすごくダイナミックにストーリーが進んでいく感じで、アニメとして文句なくものすごく面白い!♡

これは原作にもともとそれだけのドラマ力みたいなものがあったのももちろんですけど、アニメ化にあたっての構成・演出の力が大きいんだと思います。


OPのYOASOBIさんの刺激的でデジタルチックにきらびやかな感じから始まって、毎回のお話しはそういうキラキラもたくさん盛り込まれて、次から次へと可愛い女子やイケメンたちが出てきますが、お話しはアクアのモノローグトーンのようにダークにダークに掘り下げられて、弱々しい不安とか、ジリジリするような焦りとか、どんどんウェットになっていって…
最後はアヴちゃんの令和歌謡曲でねちっこくフィナーレ…っていう流れがとっても計算高い作りに感じます。


計算高く、扇情的で、観る側の気持ちを弄ぶようにリードしていく…

これぞ「嘘」の本懐。
アイの言葉を借りれば、「アイシテル!」っていうことなんでしょうねw

このえげつない面白さ、この先もどんどん続いちゃってください!

投稿 : 2023/05/27
♥ : 23
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