ハルフィルムメーカーで魔法少女なおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのハルフィルムメーカーで魔法少女な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番のハルフィルムメーカーで魔法少女なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.0 1 ハルフィルムメーカーで魔法少女なアニメランキング1位
撲殺天使ドクロちゃん(OVA)

2005年3月12日
★★★★☆ 3.5 (459)
2168人が棚に入れました
聖ゲルニカ学園に通う普通の中学2年生・草壁桜の机の引出しから、ある日突然現れた天使・ドクロちゃん。
しかし、未来から来たという天使のドクロちゃんには困ったクセがあった…。
桜を想うがあまり魔法のアイテム「エスカリボルグ」で撲殺してしまい、その度に謎の擬音(魔法?)「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪」によって復活させる愛と涙の血みどろ物語。

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

踏んで縛って叩いて、蹴ってじらして吊るして

でーもそれーって ボクの愛なの~♪

・・・愛なら仕方ないな


まずOPの強烈な電波っぷりに度肝を抜かれ、本編ではヒロインの天使ドクロちゃんが
主人公桜くんをバットで殴打しSATSUGAIしまくるという、常軌を逸した内容に衝撃を受けましたw
縦横無尽に引き裂かれる身体、ドバドバーっと飛散する大量の血。
でも大丈夫。何でもできちゃうバット「エスカリボルグ」で「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~」と
魔法をかければ元通り!だから大丈夫だ、問題ない。

ある意味最強の出落ちアニメですが、そこは制作側も重々承知のようで
1話15分(全8話)と本格的に飽きが来る前にサクサクっと完走できる親切設計です。
ただギャグに特化してるとは言え、非常に悪趣味な内容なのは否定できないし
エログロ描写も強烈なので、そういうのが苦手な方には安易にお勧めはできません。
桜くんのあまりの理不尽な扱いっぷりに、イラッと来ちゃう人もいるかも。


なおこの作品、意外と気付かない人も多いけど
完全にドラえもんのパロディになってるので、視聴の際はその辺にも注目してみて下さい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 38

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

エログロナンセンスでひゃっはー☆だよ! ドクロちゃん!

自分を守るため未来からやってきた天使・ドクロちゃんに気軽に撲殺されまくる桜くんのぐちゃぐちゃな日常を描く、超低俗エログロナンセンスギャグアニメ。
ついでに、釘宮病の特効薬との噂もあったりなかったり。

つい先日、某ディクロニウスアニメを「不必要なエログロ」と断じて酷評した私ですが、本作は許せます。
というかぶっちゃけ好きです。
ごめんなさい、人として軸がぶれてますね。
ただ、一応言い訳をさせてもらうと、本作はエログロ表現の使い方がフェアというか、あくまでも悪趣味な娯楽の範疇からは絶対に逸脱しないように作られていて、「しゃーねーな」って気分にさせられるのです。
刺激の強さを一見高尚なテーマで正当化したり、覆い隠したりすることはありません。
お下劣なものはお下劣なものとして、批判を承知で潔く(?)描いています。
言うなれば、俗悪で底辺な大人のお遊び、節度を守った不必要悪でしょうか。
いや、どう援護しようにも不必要で公序良俗に反してはいるんですが。

とにかく本作は、ストーリーなんて存在せず、濃くてエロ可愛いキャラたちが血の雨を降らせつつ猛スピードで暴れまわるだけの、PTAとBPOと某ユニセフ大使と元都知事に正面から喧嘩を売るようなB級アニメです。
少なくとも、中学生以下のよいこのみんなには絶対に観せられません。
ただ個人的には、ある程度の数のアニメを、それこそク〇アニメから社会派の名作まで嗜んできて、一定以上のアニメリテラシーと清濁併せ呑む器量を持った方には、打率3割くらいで刺さるんじゃないかと勘ぐってます。
残り7割の方々は、たぶんクスリともせず5分でTV消します。

心情的にも世間体的にもあまり褒めたくはないのですが、エログロさえ許容できれば、ギャグアニメとして案外よくできていると思います。
キャラの魅力といい、視聴者を飽きさせない1話12分中の時間配分といい、詰め込まれたネタの密度といい、流石はイッちゃってる作品のアニメ化に定評のある水島努監督といったところ。
また随所に遊び心が見られ、スタッフの作品への愛が伺い知れます。
制作のハルフィルムメーカーさん、ARIAでの原作愛も素晴らしかったのですが、こんな作品にまで本気出さんでも……と思わなくもありません。
とりあえず、毒電波ゆんゆんで有名なOPは、曲だけじゃなくスタッフクレジットにもご注目ください。

ちなみに冒頭でも書きましたが、釘宮さんがかなりひどいキャラを演じられているため、釘宮病患者の方への特効薬になる可能性も一部ではささやかれています。
しかし良いお薬には副作用があるのが常でして、不謹慎ネタがクセになるだとか、ドクロちゃんのお色気がたまらんだとか、もはや汚れ演技のくぎゅうもかわいいだとか、廃人の域に達する可能性もあります。
『撲殺天使ドクロちゃん』は使用上の注意をよく読み用法容量を守って正しくお使いください(西村雅彦風)。
末期患者にはお色気増量・OPパワーアップの2期もありますので、各人の責任でどうぞ。


【個人的指標】 72点

投稿 : 2024/04/13
♥ : 19

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

魔法の擬音で人生やり直してあげる~♪ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~ クッソワロタww

あにこれでキャッチさせて頂いている方のレビューで面白そうだと思って観てみた作品ですが、
これはかなりツボに入ってクソ笑わせて貰いました。なかなかこれくらい笑える作品ないんですよねぇ。
10年以上の前の作品で、あにこれでも当時のランキングの上位に入ってないとなると、
殆ど気に留めることもなくスルーしてしまいがちですが、あにこれやってたから出会えた作品ですね、ありがたい。

レビュー色々観てたらドクロちゃんが不快とか、これだけフザけたバカアニメに対して、
真面目なコメントしてる人が多くて、違う意味でもまた笑わせてもらいました。
たぶん自分みたいな不謹慎な人間とか、外国人なんかには大受けしそうなタイプの作品でしょうね。

☆物語☆

ちょっとエッチなドタバタ系ギャグ&コメディで、
例えて言うなら「ToLOVEる」シリーズとかなり設定とかキャラも似通っている作品ですが、
とことんギャグアニメに振ってて、何よりラッキースケベ的な展開の後に来るスプラッター&グロが特徴。
魔法少女アニメで見られるような魔法と、その後に何回も生き返る様がシュール過ぎ。
っていうかアレが無かったら、まんま「ToLOVEる」なんだよなぁ。。

恐らく現在のTVアニメだと規制の問題なんかで画面真っ黒になりそうな感じで楽しめないでしょうが、
OVAにすることで、やりたい放題やれたという感じで(当時のTV版は修正入ってるらしい)
バカ過ぎる設定と何でもありなクレイジーさはかなりのもの。
尺も1エピソードが15分くらいなので、テンポよく次々に笑えるシーンが来て飽きさせない辺りは、
同じくやりたい放題やった「デトロイト・メタル・シティ」なんかと同じですね笑

水島努監督がまさに水を得た魚のように、OP歌詞から絵コンテに脚本&演出、OVA2のED作曲に至るまで、
思う存分手腕を発揮しているなぁと実感...というか監督の殆どワンマンショーやん笑
やはりこの人はギャグやらせたら天下一品、監督の真髄を垣間見た気がします。
「SHIROBAKO」で見られたような過去の懐かしアニメからのパロディやオマージュも、
この頃からぶち込んできてたんですねぇ。

☆声優☆

ドクロちゃんの声優さんかなり良いですね、萌え系ボイスとのギャップが堪らない。
で、やっぱり全盛期の釘宮ボイスは殺傷力高過ぎ。
「ToLOVEる」シリーズでリトさん役の人が、本作では逆の立場で演じているのもなかなか興味深い。
OVAの2には「カレイドスター」でレイラを演じた大原さやかさんまで出てきて笑かしてくれました。

☆キャラ☆

萌え&ギャグ&バイオレンスの組み合わせがツボにはまって面白い。
ちょい役のキャラなんかもかなりバカで笑える。

☆作画☆

あんまり予算掛かってない感じの作品かなという印象ですね。
まぁギャグアニメのOVAなので、あんまりここを追求しても仕方ないでしょう。
それでも水島監督のキャラの動かし方はかなり面白いですよ。
如何にも萌え萌えなキャラデザからのギャップが堪らない。

☆音楽☆

OPの電波ソングが中毒性ありますわ~監督の歌詞最高。
OVA2は曲同じでキーと歌詞がちょっと変わってましたね。
OVA2のEDは絶対パタリロからパクってるはず笑


バカさと不謹慎さでは先に挙げた「デトロイト・メタル・シティ」に匹敵するかも。
バイオレンス&グロが苦手じゃなければオススメしたいですね。

あと、過去作品でこれくらいバカで笑える作品あったら、是非教えてもらいたいです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 13

61.8 2 ハルフィルムメーカーで魔法少女なアニメランキング2位
撲殺天使ドクロちゃん2(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (319)
1935人が棚に入れました
そのぶっ飛んだ設定とシュールな作風で一部のマニアックなユーザーに深く静かに大人気のギャグライトノベル『撲殺天使ドクロちゃん』の第2期シリーズ。
聖ゲルニカ学園に通う普通の中学2年生・草壁桜の机の引出しから、ある日突然現れた天使・ドクロちゃん。
しかし、未来から来たという天使のドクロちゃんには困ったクセがあった…。
桜を想うがあまり魔法のアイテム「エスカリボルグ」で撲殺してしまい、その度に謎の擬音(魔法?)「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪」によって復活させる愛と涙の血みどろ物語。

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

これが愛なの?

アニメーション制作:ハルフィルムメーカー
2007年8月 - 11月に発表されたOVA。

原作は、おかゆまさきによる電撃文庫。
監督は、1期に引き続き水島努。

相変わらず、萌えを足蹴にして笑いに昇華した外道ギャグアニメです。
開始40秒で異常な世界観の説明が終わっていますね。

前期に引き続いて、ドクロちゃん役の千葉紗子がOP/EDを歌っていまして、
使い回し?のOPの歌い方が若干きつくなっていたり。

本編は前作よりエロも鬼畜さも増量してます。
エロって言うか、このアニメは裸が多いのですが、
○○が全裸でおしりを振ってたりとか、所謂!誰得な○○のヌードシーンが一番多くて、
エロを売りにしているのではなくて、
単純に笑いのネタとして料理してる感じがして面白かったです。

笑いのネタといえば、北○鮮ネタ!
10年ぐらい前にネットで流行ってたのをこのアニメを観て思い出しました。

本来、この手のアニメは好きじゃないはずなのに、
残酷極まりない桜君の撲○シーンを観ると安心してしまう。
これって、心の底で認めてしまったのかもしれませんね?く…くやしい!
今回の撲○回数は全4話(2回)で合計6回。いやはや、凄惨です。

全部で53分程度ですので、変わったアニメを観たいけど時間かけるのヤダ!
って人にはどうぞって感じですね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25

maruo さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

天使とは? C

原作未読

この作品を見てしばらく経ったころ、あにこれユーザーのある方とメッセでやりとりする機会がありました。
そして、昔読んだマーク・トウェインの「不思議な少年」という小説を思い出しました。

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ある日、少年たちの前に堕天使サタンの甥だという天使サタンが現れた。
サタンは奇跡を起こすことができたが、そのうちの一つが、土から沢山の小人を作り出すことだった。
しかし、サタンは自分の作り出した小人を顔色ひとつ変えずに殺し、「僕たちは汚れってもの知らないんだ。僕たちは、悪をしようにもできないのだよ。悪を犯す素質がない。だって、悪とは何か、それが第一分からないんだからね」と言う。
少年たちが可愛そうだから止めてと嘆願しても、「虫けらみたいな奴らじゃないか」「いくらだって作れる」など平然と言って止めない・・・。
>>>>>>>>>>

現在では、この作品は人の手が加わった作品と確認されているそうで、実際にトウェイン本人の作は「不思議な少年44号」として刊行されているそうです。

なぜ、この不思議な少年という作品を持ち出したのかというと、この作品のドクロちゃんが、このサタンと同じような存在だからです。
人としての常識や倫理観などは全く通用しません。
それは、彼女が天使であり、そんなものは全く取るに足らない、いえ、理解すらできないものだからです。
天使とは、暖かさや慈悲をもたらしてくれるものではなかったのです。
本編では、ドクロちゃんによって、草壁桜がひたすら痛めつけられ、辱められ、撲殺され、時にはエロい目に遭わされ、血しぶきをあげさせられ、etc・・・そして、ドクロちゃんはケラケラ笑っているという、全く信じられないような行為の連続です。
見るのであれば、それを予め承知の上でご覧になった方がよろしいかと思います。

くれぐれも、正常な判断力がある人以外には見せないようにして下さい。(故に、子供に見せるのは止めた方が良いでしょう。)
あくまでも、本作品はネタとして楽しむべきもの、と考えた方が良さそうです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 15

Britannia さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪

何も考えずに見て、頭のリラックス♪
撲殺天使ドクロちゃん2のOPたまらない(^O^)


撲殺天使 バットでドスドス ドクロちゃん
撲殺天使 血みどろどろどろ ドクロちゃん
斬って 殴って 嬲って 刺して 晒して 垂らして
でもそれってボクの「愛」なの

ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~ ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~
天才とげとげバット エスカリボルグ!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 10

58.2 3 ハルフィルムメーカーで魔法少女なアニメランキング3位
魔法遣いに大切なこと 夏のソラ(TVアニメ動画)

2008年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (110)
679人が棚に入れました
『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』は、TVアニメ「魔法遣いに大切なこと」の第2シリーズ。
国家機関である「魔法局」によって任命された、魔法の能力を有する「魔法士」と呼ばれる人々が存在する現代の日本。その魔法士になるために、研修先となる東京へ集う16歳の少年少女たち。
物語は魔法士になるために北海道・美瑛から上京した16歳の少女・鈴木ソラと、彼女とともに研修を経験する緑川豪太たち5人の少年少女、彼女たちに関わる指導員たち――人と人とのふれあい、思春期の輝きを鮮やかに描く、青春ストーリー。

声優・キャラクター
花澤香菜、前野智昭、井上麻里奈、浪川大輔、高橋美佳子、沢海陽子、掟ポルシェ、笹生実久、小山力也、高乃麗
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

トライ アンド エラーでは済まされないことも、世の中にはある(苦笑)

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
作品としては、所謂「ローファンタジー」。現実の世界の中に、魔法が1つの技術として溶け込んでいる世界観です。

なんかこう、セミプロ集団による、自主製作のwebアニメを長々と観せられている感じを受けました。

無駄に独特な(芸術的風の)映像表現。甘い設定。なんだか温かみのある作風、なのに泣けない穴だらけの脚本。

いや~、これは久々に、「観て損」ではなく、「観て腹が立つ」レベルでした。

(中盤まではまだ良かったし、無難にまとめなかったチャレンジ精神は買うけれど)。

強いて良さを挙げろと言われれば、OPの「Fly Away」が格好良かったことと、劇中歌がいずれも良かったことです。音楽だけですな、見所は。

絵柄に似合わず、ある意味ではクレイジーな作品なので、未視聴且つ興味がある方は、ネタバレなしで視聴してみて下さい。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
ちなみにこのレビュー、今や書くレビューの2割は酷評レビューになってしまった私が、あにこれで最初(かなり初期)に書いた酷評レビューかもしれません(苦笑)
{netabare}
あの「実写の背景に手描きキャラを重ねたような絵の表現(レタッチ加工)(フィルター加工)」を作為的に考えると、「現実の社会に存在する魔法」=「リアルにファンタジーが重なる世界」と考えられ、本作にはマッチしているのかもしれない。

良い悪いは別にして、作画はそんなに嫌いではなかった。

そんなことより問題なことは山ほどある。

まず腑に落ちないのが、「研修生による実地研修」というシステム。

「金庫の鍵を開ける」「保険証を探す」とかなら、失敗してもリスクがない(師匠がフォローできる)から分かる(が、器物破損してた)。でも、「亡夫の形見の再生」とか、(燃え尽きて消し炭になるところだったし)「昏睡状態の妻を起こす」とか、(下手すれば死ぬし)リスクでかすぎるでしょ。しかも、依頼者の承諾(注文)なしに。

→3話の金庫のクダリで、依頼者のおばさんが、魔法を使うのが原さん(師匠)じゃないことに驚いていたことから、誰が依頼をこなすかは、魔法事務所の方に選択権があることが分かる。

あんなんを向こうの都合で研修生にやられたら困る。「今日の手術なんですが、研修生にやってもらいます」と言われたら、ガチでキレますよ、普通(苦笑)

それとも、「研修生ならタダ(割安)」とかなのかな? だとすれば、「普通の魔法依頼が出来ない貧乏」と納得できるけど、それはそれで世知辛い。

……そして、何より、「主人公の死」という衝撃的なラスト。あれはビビった。

別に主人公を絶対に死なすな、とは言わない。しかし、「死」は現実でもアニメでも重いので、その扱いは慎重になる必要がある。

主人公の「ソラ」は、「実は余命1年で、亡き父親の(娘の花嫁姿が見たい)という願いを魔法で叶えるため、魔法士の資格をとりたくて、研修を行っていた」という設定が終盤で出てくるが、かなり頭のオカシイことを言っている。

大前提として、亡き父親が観たかったのは「娘の花嫁姿」ではなく、「娘が愛する人と結ばれ、幸せに生きる姿」だったのではないだろうか? (まだ娘が幼い時に、まさか自分と同じ病気で夭逝するとは思わないだろうから、あの依頼は「ソラが死ぬ前にせめて花嫁衣装を着てくれ」ではなく、「長生きして、幸せになってくれ」だということは、容易に想像がつく)。

それは、魔法でどうにかなる話ではない。逆に、単に白無垢姿になりゃー良いなら、魔法の必要なし。着物屋ででもネットででもなんででも買えば良い。

そもそもここから、一番大事な設定が破綻している。

それに、「魔法士の資格をとる」って、必要なこと? 別に自由に魔法使ってたやん、資格なんかなくても。それとも、専門的に勉強しなければ使えないほど難しい魔法なのか? よくわからん。どうせ死んじゃうって諦めているなら、法律違反だとしても問題ないし。

そんな小さなメリットのために、母親や親友と過ごせる大切な最後の1ヶ月を放棄する必要があったのだろうか? 甚だ疑問だ(東京に行って良かった、豪太と出会えた、は、結果論であり、ソラが研修に行こうと決意を固めたこととは、時系列的に因果関係はない)。

だったら普通に、「ソラの夢は父と同じ魔法士になることで、残された人生の中でどうしても叶えたい夢だった」「その中で好きな人もできた。最期に少しだけでも幸せだった」だけで良かったと思う、全然。

あるいは、「もっとガッチリとソラと豪太の恋愛にスポットを当て、最期にちゃんと結婚する→死」という悲恋の流れか。

ただ、そうなると、「ソラが焦って結婚相手を探している」って感じにもなりそうなので、父親からの依頼を明かすタイミングが難しそうだ(というか、研修が1ヶ月だから難しい。3ヶ月くらいあって、2クール分の尺をかけられれば、ラストシーンで視聴者を泣かせることもできたかもしれない)。

豪太もよく分からんし。

5年も経って、ソラを忘れられず、「彼女」と言って会いに行くくらいなら、最期の時も一緒にいてやれよ、と思う。「それぞれが夢に向かう」「ソラが死んでも忘れない存在」を描きたかったのだろうが、やっぱり、「サーフィンなんかしてる場合か?」と思ってしまった。

最悪、何らかの奇跡が起きて病気が治るとか、修行を続けた豪太が5年後にソラを生き返らせるとか、そんなチープな展開ですら、本作よりはマトモに思えてしまう。

アニメ「くまみこ」では、(他作品ネタバレ){netabare}日常癒し系から、まさかの洗脳というサイコパスなラスト{/netabare}の展開に衝撃を受けたが、(ストーリーは全然違うけど)同じような衝撃を本作でも受けた。

まあとにかく、何をしたかったか、中途半端且つ意味不明で不快な作品だった。

「恋愛」と「家族愛」を「死」でくるんで「感動」を表現しようとしたが、設定と伏線がガバガバなんで、「不愉快」しか残らなかった。

こんな雑な脚本の中で死んだソラが可哀想だ(⬅これを一番言いたい)。

悲劇を感動的に魅せる力がないのなら、黙ってハッピーエンドにしていれば良いものを。

(ちなみに剣道部は、死を雑に扱うアニメに対して、厳しくなる傾向があります)

あと、別に間違いではないんだろうけど、「トライ・アンド・エラー」よりも「トライアル・アンド・エラー」の方が一般的な気がする。分かりやすくしたかったのかな?
{/netabare}

【余談(原作ネタバレ)】
{netabare}(私は原作未読なので)原作を読んでいる方のレビューを拝読いたしましたが、原作ではどうやら、はじめからソラの死の予感を匂わせ、その中でも明るく振る舞う健気なソラの姿に心打たれたそうです。また、ソラの魔法も、アニメのように初めから上手ではなく、父の依頼を果たすために一生懸命努力し、成長が観られたということで。だからこそ、ラストシーンに感動があった、と。

それが本当なら、完全に原作改悪ですね。

「このラストにしたい」なら、序盤から、もっとソラの死、時間制限を示唆しておくべきだと思っていました。アニメの作り方が下手くそです。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
背景は実写のようであり、人物は手描き感がある独特の作画ですね。遠山君、黒髪の繊細な美少年をイメージしてたのに、違ったw 声優さんの演技が、微妙? 方言が浮いてる感じもする。

2話目
下北沢か~。東京でも好きな街のひとつだな~。あの「ごちゃっと感」は良いよね~♪

3話目
ソラちゃん、かなり踏み込むね。結果オーライだったけど、クビでも仕方ないよね。器物破損だし。依頼人のおばさんのデレ具合に、なんか不自然さを感じました。

4話目
緑川の父をあんな不細工にする意味が分からない(あれで笑いがおきても、世界観ぶれる)し、あの程度で出ていく妻って、どうなんだろう。

5話目
いや、昏睡状態の妻に研修生が魔法をかけ、起きたものの記憶がないって、訴訟ものじゃ?

6話目
小さな女の子探しか。女子中高生がやるから良いが、私たちオッサンがやってたら通報されるかも(笑)

7話目
「黒田、学校やめるってよ」w 魔法使いの悩みというより、サービス業の悩みというか、営業の悩みというか。

8話目
魔法使いじゃなければ出来ないこと、ではなかったね。

9話目
微妙な恋愛模様。ひより&ほのみ の電話のやり取りは良かった。つか、ソラと豪太がここまで急に彼氏彼女してるのに、違和感が。

10話目
所々に伏線はあったが、衝撃の展開。でも、余命幾ばくもない人間をつかまえて、本人なりに「なんとか」死を受け止め(ようとし)ているのに、「生きたいんだろ!」と当たり前で残酷な真実を突きつけることは、果たして正しいのだろうか?

11話目
たった1ヶ月の研修でここまで泣ける自信が、自分にはないな(苦笑)

12話目
いや、豪太、美瑛に行けよ。いや、普通に死ぬんかい(汗) つか、あと1日遅かったら、母親に会えなかったじゃん。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 17

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心を込めてかけた魔法、みんなに伝わりましたか?

私的にはこの作品は隠れた名作・・・かもしれない作品でした。

◆この作品の内容は・・・
序盤は北海道の美瑛町から始まります。
この町に住む一人の女の子が一人前の魔法遣いになる為、東京の下北沢に魔法研修に上京し、いろいろな人とふれあい、同じ研修生の友達と絆を深め合っていく青春アニメ。

◆1期と比べて・・・
ストーリーの流れは1期と同じです。
しかし1期とは別物の作品といっても過言ではありません。
制作会社が変わり、作画が大幅変更。
魔法局の設定も1期は完全に管理された近代社会という感じでしたが、この2期では普通の学校という感じでした。
1期よりもだいぶゆったりとした雰囲気ですが、それもそのばず、なぜなら制作会社は「ARIA」を制作した会社なのですから。
登場人物達は1期のメンバーと全く関係ないので、この2期を視聴する時に1期を見ていなくてもさしつかえはありません。
あらゆる点で1期よりもこの2期の方が良くできた内容になっていると感じました。

◆作画について・・・
現時点、300タイトル以上アニメを見た私ですが、こんな作品は初めてでした。
なぜならこの作中での背景がほとんど実写で描かれています。
登場人物・動物・動いている車・登場人物達が手にする小物・建物の室内などはアニメで描かれていますが、屋外の風景は完全実写です。
実写+アニメーションの融合は良い出来だと思いますが、一部モブキャラ達の静止画が実写背景の中で浮いてしまっていてこの辺には違和感を感じてしまうかも知れないですね。

◆見どころは・・・
やはりこの実写での映像美ですね!
序盤の北海道美瑛町といい、下北沢の町といい、作中で訪れる江の島など、実際に自分自身がその場所に訪れているような錯覚に見舞われました。

◆ストーリーの見どころは・・・
魔法遣いの研修として、依頼された仕事を魔法でこなす研修生達。
しかし中には、依頼内容にはそぐわない事を求めてくる依頼者、魔法がうまく使えない人、依頼は達成してもその達成は幸せとは言えない結果に終わる・・・など、研修生達はいろいろ悩まされます。
でも仲間達で絆を深め、成長していく姿は青春を感じて良かったです。
正直なところ「映像美>ストーリー」の図式でこの作品を視聴しているような気持にもなるかもしれません。
しかし終盤思いもよらない展開が待っており、そこには切ないけどとても心に残る感動がありました。
最終回はすごく良いお話でした!

◆音楽について・・・
作中流れる挿入歌はいわゆるストリートミュージックでございます。
毎話ごとに曲が変わり、とてもこの作品の雰囲気と良く合った心にジーンとくる曲ばかりでした。

◆声優陣は・・・
鈴木ソラ  :花澤香菜(Isのシャルロット・デュノア)
緑川豪太  :前野智昭(アマガミSSの橘純一)
浅葱ほのみ:井上麻里奈(みなみけの南夏奈)
山吹ひより :高橋美佳子(緋弾のアリアの星伽白雪)
黒田浩二  :浪川大輔(君に届けの風早翔太)
原誠一郎  :小山力也(24のジャック・バウアー)

◆最後に一言・・・
私、美瑛町には行ったことがありますが、もう一度行ってみたくなりましたよ。
あの哲学の木の場所へ・・・。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 15

ひげ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

魔法遣いにたいくつなこと・・

映画のタイアップの焼き直しなのか・・
とにかくひどい仕上がりw
製作会社、脚本家さんなどのスタッフが一緒とは思えない。
アニメオリジナル? 同じこともっかいやれって言われたらそらそうなるかな・・。


美点としては
・前作でちょっと不似合いだった魔法局が普通のお役所。自動車免許みたいになってる。
・ざーさんの垢抜けない演技がいい。この頃の声って一番いいすね。


問題なのは
物語のテンポが悪く、とにかくすっとろい、取って付けた展開、めちゃくちゃ臭い、ネタは20年は古い・・・せかちゅーを考慮してもいまさら。
描きたいならもっとはじめから絶望に苦しむ様を・・。ってそういう作品じゃない気がするんですけど・・。
前作との温度差に引いてしまう。そんで、『魔法関係ないじゃん、いらないじゃん』という。
いっそ某兄弟みたいに禁忌に触れてしまえばいいw
 

背景に実写をつかっているのですが・・
たまに3D処理してるのでしょうか?手書き、実写加工の書分けに統一感がまったくなく、酔います。
センスがないのかお金がないのか時間がないのか・・新海さんあたりとは雲泥の差。

時に眩しく、普通は加工して消すような余計なものも残してある。画がしつこい。目にうるさい。
モブが一切動かず登場人物だけ動くことも多々。
じゃぁ描かないか、キャラも動かさなきゃいいじゃん・・。
カメラワークが一辺倒、延々、写真の上を漫画の絵、アニメのキャラだけが動いてる感じでしょうか。
なしてそんなに背景が見せたい。
使いまわしおおし。背景のみの完全な止めも多い。
まぁ普通に考えたら製作環境がよっぽど大変だったのかしらね。。

音楽は前作と同じような感じですが・・でもなんか違う。
前作の雰囲気がまったく似合わない

あと、毎度出てくる弾き語りのおねーさんがオサレぶっててなんか・・。最終回とかもう魔界からクラウザーさんの降臨を願った。
あの流れと台詞wムカッと来てイライラしてザワザワするの・・
タイアップとかのオトナの事情なのかもしれない。


とにかく退屈・・やめようかと思ったがせっかく借りてきてもったいないのでなんかみちゃった。たぶんけっこうな数の人は数話みたら即切りだと思います・・・。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9

60.4 4 ハルフィルムメーカーで魔法少女なアニメランキング4位
うた∽かた(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (85)
574人が棚に入れました
神奈川県の鎌倉に住む中学2年生の少女「一夏(いちか)」は一学期の最後の日、学校の大掃除の途中、藤堂誓唯から貰ったお守りのついた携帯電話を落としてしまう。下校途中にそれに気づいた一夏は夕暮れの学校に戻るが、不思議なことに携帯は鏡の中に入り込んでしまっていた。そこに不思議な少女舞夏が現れ、携帯を返す条件として『神精霊(ジン)』の力を使い、その感想文を代わりに書くことを要求してくる。こうしてあの想い出の夏が始まった…。

声優・キャラクター
本多陽子、浅野真澄、川上とも子、長谷優里奈、田村ゆかり、飛田展男、神奈延年、川村万梨阿

とってなむ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

名作になれそうでなれなかった作品

何かが足りなかった印象です
名作のオーラだけは醸し出してました


本作はわりと暗めのストーリーです

~あらすじ的な何か~
一学期の最終日は大掃除
主人公である一夏はある人から貰ったお守りのついた携帯を掃除中に落としてしまいます
帰り際に気付いた一夏は掃除していた教室にカムバック
そしたら携帯は大きな鏡のなかに…?

鏡の中からこんにちは、謎の少女が現れます
『返してほしい?なら私と契約しなさい』
台詞も内容も全然違うけどこんな感じで、
一夏は魔法少女(仮)にさせられます
『思い出』ではなく『想い出』の夏が始まるわけです…

1話観たときはちょっと鳥肌立ちました
暗めの雰囲気となんとも言えないオーラが
この作品を包んでおり、緊張感がありました
ただ、全話視聴後は少しガッカリ
色々と残念でした


まず気になるのが作画
1話目はまだ良かったのですが、回が進む毎に酷くなっていった気がします
特に背景が…
綺麗なとこは綺麗なので、それだけに残念です


次に登場人物たち
なんか怖い
表情や行動がいちいちおかしい。。
噛み合ってない会話などもあり、不気味でした
まぁ元々、ダークな内容なのでいいのかもしれませんが


そして説明不足なところ
いきなり、謎の単語が出てきたりしてワッツ?ってなりました
代表的なのが『ルール違反』
いやいや!その肝心なルールが分からないから!
ルールについての説明は無かったはずです
どこかで明らかにしておくべきだったと思います


うた∽かた というタイトルだけあって歌は良かったです
まぁ実際には『うたかた』とは泡とかそういう意味ですが

OP「想いを奏でて」 歌ーsavage genius
ED「いつか溶ける涙」 歌ーsavage genius

OPは明るい感じで、作品の雰囲気とは逆で
希望を持たせるようなものでした
曲名や歌詞にも深い意味が感じられます
間違いなく名曲でしょう


最初に何かが足りなかったと述べたのですが、
それはもしかしたら逆なのかもしれません

展開的には面白かったのですが、
伏線などを無理に張りすぎ、詰め込みすぎた感がありました
そして残念なことにパンパンに膨れ上がった状態で
終わりを迎えてしまっていました
単純に尺不足とも思えないのが難なのですが。。

観終わったあとにモヤモヤが残る作品でしたね
物語や設定、雰囲気は悪くなかったと思います
人によって評価がくっきりと分かれそうなので、
是非一度観ていただきたい作品ではあります


泡沫(うたかた)…儚く消えやすいもののたとえ
モヤモヤして私の頭からはなかなか消えてくれなかったよ

投稿 : 2024/04/13
♥ : 30

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

試しの子の選択とは

神奈川県の鎌倉に住む真面目で心優しい中学二年生の少女・橘一夏は
鏡から現れた不思議な少女・黒城舞夏に「神精霊」の力を使い、その感想文を書くことを要求される。

「神精霊」の力で出来ることは「見る」ことだけですが、その力を使って友人を助けたりする。
しかし、その中で人の負の面を見せつけられ、徐々に主人公は心を病んでいきます。
見ていて最初は全然気づかなかったのですが、七つの大罪を題材にしていたんですねぇ・・・
人が死ぬような鬱アニメとは違って、思春期の些細な悩みを殊更大きくえぐり出すような内容で
キャラの心情描写もしっかりしているため、結構ずっしり来る展開です。
散々な展開続きで、ラストに重大な選択を迫られるなかなかヘヴィなアニメw

なかなか面白かったのですが、重い展開なので人を選ぶとは思います。
執拗に伏線を張ってくるのですが、最終話まで粘らないと回収されません。
疑問符が付きながら最終話まで見たら、それなりに納得いく作りではありましたが
説明不足な点があり素直に良作だったとは言いづらいかも。

しかしながら、「神精霊」の力を授けられた少女の苦悩を終盤までしっかり描いているので
ラストの主人公の選択にも説得力があり、そこそこ満足いくものではありました。
地味ではあるが、しっかりとした内容なので印象としては悪くはないです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18
ネタバレ

おなべ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あの夏の日

鎌倉を舞台に、中学2年生思春期真っ盛りの少女達の一夏を綴った青春アニメ。
主人公一夏ちゃんが鏡から出て来た謎の少女舞夏ちゃんと出会い、お守りに宿った「神精霊-ジン-」の視る力を使っていきます。
このジンが12種類あり、力を使う度にコスチュームも変わります。毎回デザインが違うのも、作品の見所の一つでしょう。


しかし、このアニメで主体になるのは、思春期の少女たちの心理描写。どこかで落とした物を探す、悪天候を晴天にする等、日常で巻き起こる些細な事件でジンの力を使います。そして、ジンの力を使ったからといって、必ずしも物事が万事解決せず、かえって嫌なものを視てしまうこともあります。真面目で今まで他人を疑った事もなかった主人公は、人のネチネチとしたネガティブな面を見て行き、段々身も心も弱っていくのです。
一夏ちゃんは病んでいくし…人間関係もギスギスしていくし…見ていて気持ちの良いもんじゃないです。鬱アニメの一例として挙げられるのは、このような気疲れしてしまうドロドロ要素が強いからでしょう。


何だと…世界征服を企む輩の野望を阻止する為にジンを使う魔法少女ものじゃなかったのか!?
当時視聴していた中坊の私は、イメージと違っていて、多いに期待を裏切られました。
中坊の頃は、明るい作品じゃないし、主人公死にそうだし、何だかあんま面白くないなーと思っていました。話が反れると、「うたかた」が始めて見た深夜アニメで、対象年齢高めのアニメは、皆こんな感じに暗くて、人間関係が複雑なのかなあ…、よく考えられててすごいなあ…、そうしみじみ感じていました(実際はそーでもないのも多いけど)。

しかし多少、年を重ねた今見返してみたら、SUGEEEEEE丁寧に作られていてビックリしました。見れば見るほど味が出て来る、スルメのようなアニメだなーと改めて考え直しました。


この作品には毎話多くの伏線が見え隠れします。初見だと意味有りげな台詞でよーわからんのですが、二回見ると「ああ、これはこういう意味だったのか…」「だからあんなこと言ったのか…」とわかる描写が多くて面白い。
逆に、伏線で溢れまくっている上、回収されるのが最終話なので、わかるまでは非常にヤキモキしてしまいます。どうしても若干台詞がテンポ悪く聞こえてしまいますね。最終話もやや強引な部分もありますし、結局触れられなかった設定もあります。

また、14歳の多感な時期である一夏の心境の変化を、繊細に描写しているのが良かったです。そんな一夏の心の変化に、ハラハラしながら見守っている舞夏も好いポジションです。この2人の友情は本当に美しい。まさにベストパートナーです(百合だって?百合でいいじゃないか、何が悪い!)。
私は実写映画にしろアニメにしろ、「キャラクターが自分の思っている事をべらべらと口にする」作品は好ましく思わないのですが、うたかたは演出で魅せてくれたのが非常に好印象でした。
例として挙げると
{netabare} 6話でセイとサヤが会話しているのを見た後、フェンスにネックレスが引っ掛かる場面。覗き見なんて悪い…と頭でわかっていても見ている一夏の考えが形になって出ていました。Bパート後半で、想像上でセイに全裸で追及するシーンも一見「!?」ですが、自分をさらけ出したい、セイさんのことで頭が一杯な心境がよく表現出来ていました。{/netabare}

中坊の頃でも強烈に印象的だったのは8話
{netabare} 記憶障害の患者に贈ったドライフラワーを、「こんなゴミみたいなの、花なんかじゃない!」なんて言われながら滅茶苦茶にされる場面。ドライフラワーを一生懸命に作った回想シーンも入れられ、「ゴミなんかじゃ、ありません…」と言う一夏ちゃんがもう、不憫で仕方がなかったです…。あんなこと目の前でされたらそりゃ心病みますわ。でも学校も患者の都合は配慮しなきゃならんかったなあ、と余計なこともしばらく考えてしまいました。 {/netabare}



また、作品を彩る音楽、背景描写がとても美しい。OP、EDもうたかたの世界覧にマッチしていて見事な選曲でした。シャボン玉みたいに丸っこいフォントも素敵です。


少女たちの生々しいガラスのハートのように繊細な心境や、トゲトゲとした裏のある台詞の掛け合いは胸に来るものがあります。キャラクター、特に一夏を好きになれないと感情移入しにくく、作品も楽しみくいでしょう。鬱々しい雰囲気にどんどんなっていくので、好き嫌いも別れそうです。


しかし、もう二度と来ることのない、たった一度きりの夏の思い出を甘酸っぱく、切なく感じられる世界覧は必見です。
"夏"を重点に置いた作品は多々ありますが、私にとって夏アニメと言えば「うたかた」です。未だに「一夏」といえば「IS-インフィニットストラトス-」よりも、「うたかた」を連想してしまいますね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 15

64.9 5 ハルフィルムメーカーで魔法少女なアニメランキング5位
ふしぎ星の☆ふたご姫(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (25)
256人が棚に入れました
広い宇宙をただよう金平糖型の小さな空洞惑星「ふしぎ星」は、中心に人工太陽をもち、その内側に(ペルシダー、もしくはダイソン球のように)7つの国がある。ところが、ある日突然人工太陽の光(作品では「おひさまのめぐみ」という)が衰え、ふしぎ星に異変が起こる。その光を取り戻すため、太陽光を管理する「おひさまの国」のふたごの半人前プリンセス、ファインとレインが使命を受けて奔走する。

声優・キャラクター
小島めぐみ、後藤邑子、こおろぎさとみ、柿原徹也、皆川純子

どどる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ゆるゆるっとみてみてー

深夜アニメの枠組みで言えば日常系に分類されるだろうアニメ。

プリンセスたちはおひさまのめぐみが衰えて冷えゆく惑星を救済する使命を帯びている。
おひさまの恵みが衰えれば惑星は冷えて、人類動物植物は死に絶えてしまう。
ふたご姫は言う。
だいじょうぶだいじょうぶ。わたしたちがすくえば。
ってそんなことほんとうにできるの~!?

どういう態度でこのアニメを見ればいいのか一発で分かります。
そして、その方向性がぶれたりクオリティが一定以下に下がることはない。
緩急を求めない日常アニメだからこそ、なじんだキャラクターが安定したおはなしを提供してくれるあたたかさが染みます。
ゆるゆるっとたのしい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 1

67.5 6 ハルフィルムメーカーで魔法少女なアニメランキング6位
ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (11)
136人が棚に入れました
「ふしぎ星」の危機を救った「おひさまの国」のふたごのプリンセス、ファインとレインは、故郷を離れ、ロイヤル・ワンダープラネットにある宇宙中の様々な星からの留学生が集う全寮制のロイヤル・ワンダー学園に入学する。しかし、学園は入学前に想像していた「楽しい学園生活」にほど遠く、無意味に厳しい校則や建前主義の横行でとても重苦しい雰囲気。2人はこの雰囲気を打破し、学園を明るく楽しい場所にすべく「友だち100万人」を合い言葉に立ち上がる。

声優・キャラクター
小島めぐみ、後藤邑子、金田朋子、佐藤利奈、こおろぎさとみ、加藤英美里、立花慎之介、丸山優子、緒乃冬華、川崎恵理子、升望、坂巻亮祐、加藤奈々絵、柿原徹也、皆川純子、水橋かおり、福圓美里、下野紘、すきがら沙智、鈴木みさと、杉山佳寿子
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