ベートーヴェンでオリジナルアニメーションなおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番のベートーヴェンでオリジナルアニメーションなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

58.4 1 ベートーヴェンでオリジナルアニメーションなアニメランキング1位
クラシカロイド(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (90)
336人が棚に入れました
音楽で町おこしをする地方都市に住む高校生・歌苗(かなえ)と奏助(そうすけ)の前に、“クラシカロイド”を名乗るベートーベンとモーツァルトが現れ、2人が奏でる音楽「ムジーク」の奇妙な力で、星が降ったり、巨大ロボが現れたり、騒動が起こる……というストーリー。バッハ、ショパン、シューベルトなどのクラシカロイドも登場する。

音楽はクラシックの名曲をポップス、ロック、テクノなどにアレンジしたものが使用される。


声優・キャラクター
杉田智和、梶裕貴、小松未可子、島﨑信長、鳥海浩輔、能登麻美子、前野智昭、遠藤綾、M・A・O、楠大典、石田彰
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なかなか楽しくて個人的には好きなんだけど、正直コメントに困るアニメ

2016年10月から2017年3月放送。全25話。第2期が2017年秋放送開始予定です。
本作は続編に繋がる部分を示さず終わったのでストーリーも星評価しています。

一言で言うと、うっすらメインストーリーがあるシュールギャグアニメ。
全体の印象はシュールなNHK番組とサンライズのアニメーションの融合作品という感じです。私はどちらの雰囲気も好きなので、馴染んだ感覚で楽しめました。ロボットアニメみたいな演出もたまにあって凄く笑ったw
結構楽しみにリアタイ視聴していたものの、正直感想に困り今まで放置してしまいましたw

制作側がフリーダムで楽しんで作っているのがわかりそれが良い所でもありますが、嫌いな人もいるだろうと思います。シュールギャグにもシリアスにも振り切っておらず、本筋がわかりやすいと言えないのもちょっと見る人を選ぶかな。


秀逸な服飾デザインと地味なキャラクターデザインが好きで、それにマッチした明るくのどかな背景が個人的には見やすく、ムジークシーンはカラフルかつファンタジックで、そのギャップが映像として良かったです。

音楽は本作のコンセプトでもあり、全体的に素晴らしかったです。ムジークを使ったEDが凝っていて、毎回の見所でした。ムジークのCDとその原曲を収録したCDがNHKから出ていますが、アマゾンのクラシックCD売り上げランキングで結構高い順位につけていたのが何だか面白かったですw
クラシックの原曲を現在活躍中のアーティストが「ムジークプロデューサー」としてアレンジし、それを劇中で使うのが本作の売りで、一人の音楽家を決まったアーティストが担当。
リストのハンガリアンラプソディとベートーヴェンの第九が以前から好きなので使われて嬉しいですね。
サウンドトラックも、一部クラシックのイントロを使用している部分もあったりでとても良かったです。


【良かった所】
{netabare}バッハ様の渋い格好良さ、女の子たちのカワイイだけじゃない可愛さ、パッド君やハッシー、ぎょうな君といったシュールなマスコットも凄く好みでした。

割とはっちゃけた内容の根本にクラシカロイド達の音楽に対する向き合い方も感じられたのが良かったです。
こういうアニメは昔のアニメのように1年以上の長期間毎週放送する方が合っていると思うのですが、分割4クールならこれから意外とそういう感じになるかも?


音羽館と歌苗がクラシカロイドと現代を繋ぐ役割を担っていて、その二つがクラシカロイド達を行動させるのはかなり好きな部分でした。
歌苗もクラシカロイドに振り回されるだけにならず、りっちゃんがフォローしたり、女子会回ではっちゃける姿も見られます。

バッハが歌苗に一目置いているのも、物語を進めたりバッハの考えを提示する一助になっていて上手い。
バッハは音楽そのものをすべての人々を繋げる画一的な理想として考えていて、八音たちが成長し覚醒すれば自分と同じ考えに至ると考えていたと思います。でもベトとモツはそれぞれの曲あるいは作曲家や聞き手に別の個性があって、作り方も受け取り方もそれぞれ違っていいと思っている。というか本人たちはそんなこと考えていなくて自分のやりたいようにやっている。
おそらく他の八音もそうだと思うんです。チャイコが最終話でバッハに自分たちに何も言わないことに不満を述べていました。バッハ自身が思っているほど、彼は完璧ではないのですね。言わなくてもわかってくれるとか、自分の考えは正しいとか、団塊世代のお父さんみたいじゃないですかw
ベトとモツの結論をバッハは未熟な考え方として聞く耳を持たず、力でねじ伏せようとします。しかしそこで反対意見を述べて受け入れられたのが歌苗でした。現代人であり、まとまりに欠けるクラシカロイド達と四苦八苦しながら人間関係を築いてきた歌苗だからこそ、バッハの理想に一石を投じることができたのだと思います。

歌苗にはラストでも意外な活躍シーンがあって、作品の中心人物として一貫して描いていると思えてとてもよかったです。


もう一人の主人公ともいえる奏助ですが、良くも悪くもヒドいwでもその分周りに振り回されたり酷い目に遭ったりしていて、憎めない描き方になっていると思います。
こういう点は本作はきちんとバランスを取っているので一つの見所ですね。


それからNHKの子ども番組に私は慣れている方なので思うのですが、本作の狙いって「子どもがどんな形であれクラシック音楽を耳にする機会を増やすこと」だと思うんですよ。これはちゃんと徹底していると思う。前述のとおりCDもそれなりに売れたみたいですし、原曲CDのブックレットが凄く凝っていてそれもNHKらしいなと思います。
アニメの内容はシリアスでもコメディでも子どもに見せるのに不適切でなければそれで良い。ぶっちゃけ子どもにわからないと判断すれば、バイト回での893ネタとか、大人にはヤバく見えるものも割とゆるく入れてしまう。(ただ今はインターネットに触れる若年の子も多いので、このあたりの認識は改めた方が良いのかなあ?と個人的には思う時もあるんですが)
逆にエロに対しては厳しくて、リストのバニーコスがホットパンツタイプの露出の低いものになっているし、ジェンダーの視点で偏りが無いよう、白鳥回では異性も男性同士も女性同士もカップル成立させてバランス取っていたりする。ていうか、これが監督や脚本の悪ノリだとしても私の観てきたNHKは通しちゃいそうな気がするんですよねw
それなりに長いこと教育テレビ見てきて、この辺がいかにもNHKらしいなと思いました。
{/netabare}


【気になった所】
{netabare}6の倍数の話数に本筋に関わるストーリーを挿入していますが、「ブレイク・スルー」と「ちがいのわかるおとこ」はもっと早い話数にしてほしかったかも。お話自体は嫌いじゃないんですが、21話・22話にはもう少し本筋に絡む内容を持ってきた方が、ラストへの流れがもっと良くなったと思います。

音羽館のパイプオルガンの伏線が回収されなかったのが残念なんですが、続編でフォローあるかな?
歌苗の父親が良くも悪くもフリーダムで娘に結構迷惑かけてるのが個人的には気になる。まあ歌苗が強くなってあまり気にしていないようなので良いのかもしれませんが… {/netabare}



かなり好き嫌いが分かれるだろう作品ですが、私は女性キャラの描き方が好みだったこともあってなかなか楽しめました。
2期も視聴しますが、監督など一部の主要スタッフが変わるのでどんな風になるのか読めませんが、クラシカロイドらしい続編になればいいなと思います。(2017.9.21)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

NHKのオリジナルアニメーション

NHKの作品…と聞くとどうしても食指が動いてしまいます。
何故ならこれまでNHKでは獣の奏者エリン、こばと。バクマン。十二国記や精霊の守り人など、しっかりと腰を据えて制作された作品が多い上、「お気に入りの棚」に入れるほど大好きな作品が放送されているからです。

「NHKの本気」というキーワードを何度も目にした事があります。
基本的に真面目な作品ばかりですが、それと同じくらい感動する作品も多いと思います。
もう、こばと。やバクマン。などでどれだけ号泣した事か…
だから私の中でNHKの作品は外せない作品となっています。

この物語の舞台は浜松市…ここの「音羽館」という古い洋館がこの物語の中心になっています。
現在のこの洋館の大家さんは高校生の音羽歌苗…元気で心優しい女の子です。
彼女は音羽館をとても大切にしていました…正確には音羽館での思い出…ですけれど。

この音羽館は中々凄くて、1階の広間には自動演奏機能付きのパイプオルガンが設置されているんです。
歌苗の祖母が生前の頃、友達を呼んで舞踏会を開くほどの音羽家は結構な資産家だったんです。
それが父親の代で資産を使い果たし現在に至る…という感じです。
でも、歌苗は音羽館で昔の様な華やかだった時代を取り戻したい、が今の彼女の夢…

ところが、事態は妙な方向に進んでいく事に…
その日はいつもの様に歌苗と同じ高校生の神楽奏助が音羽館に入り浸っていたところ、突然ベートーヴェンに瓜二つの男性が音羽館を訪ねてきたんです。
それにその男性…何故か餃子へのこだわりが半端無いというおまけ付き…

そしてこんな珍事は更に続き…
気が付いてみると、モーツァルト、ショパン、リスト、シューベルトまでもが音羽館に押し寄せてきたんです。
来た理由はみんなそれぞれ…ですが結果的に居座ってしまうんです。
音羽館にそれだけたくさんの部屋がある…というのも居座る理由の一つなんでしょうけれど…

彼らこそがクラシカロイド…クラシック音楽の偉人さんに瓜二つの風貌を持つ彼らでしたが、その名前が付く理由は他にもう一つありました。

それは、物語開始早々…音羽館の権利が第3者に渡っており、突然取り壊しが決まり工事業者が押し寄せてきた時の事です。
ベートーヴェンに瓜二つの男性が、自分の居場所を守るため「ムジーク」という特殊能力を突如発動させたんです。
その能力は、発動させた音楽家が作曲した音楽を背景に突然変異が起こる、という類のもの…
取り壊しを阻止できた音羽館と大家の歌苗…そしてクラシカロイド達との奇妙な暮らしが始まり物語が動いていきます。

まずこの作品で面白いのはキャラの設定です。
リストが女性だったり、シューベルトは史実通りベートーヴェンを敬愛していたりと設定はハチャメチャ…
そしてお互いがぶつかった時などは、どれだけ音楽に対して貢献したかのバロメーターである「偉人度」が持ち出されたり…
この「偉人度」ですが、気にする人は気にするんですね…
皆さん有名な方ばかりだから、そんなの気にすることないのに…なんて思いますけれど。

そしてクラシカロイドが何のために生まれてきたのか…完走して振り返ってみるとこれも謎だったように思います。
だから生き方がみんな羨ましいくらい自由奔放…
毎日を面白おかしく過ごす人もいれば、研究や趣味に没頭したりと様々なんです。
彼らの生前にはこれほどの娯楽はありませんでしたので、夢中になるのも分かりますけれど。

彼らがいかに有名な音楽家でも、そればかりなら物語は中だるみしてしまうと思います。
でもそんな心配は杞憂だと思います。
何故なら彼らは事件を起こすスペシャリストでしたから…
それに…登場するクラシカロイドは先に記載した方が全てではありません。
彼らと生活を別にするクラシカロイドが考えている事とは…?
物語は結構濃密だったように思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「ClassicaLoid -クラシカロイドのテーマ-」
初めてオープニングを聴いた時、ギターサウンドに懐かしさを感じました。
もしかして…と思ったら案の定、布袋寅泰さんが作曲に参加されていたんです。
クラシック音楽をベースにアレンジというスパイスを加えた上、布袋さんという彩りが加わったこのオープニングは何気にお気に入りで毎回聞いていました。

2クール全25話の作品でした。
物語としては綺麗に幕が下ろされたと思いますが、これがNHKの凄いところ…
何と第2シリーズが秋アニメで放送されるんだそうです。
確かに、謎は残っていますが普通の販促作品ならここで終わっても十分なところ、NHKはしっかり突き詰めてくれるんですよね。
こういう姿勢はとても嬉しく思います。
10月からの放送を楽しみに待っています。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 10

37111 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

悪くないんだけど全体的につまらない。

偉大な過去のクラシック音楽家が超絶異能バトルを繰り広げて世界を救う系の話。
題材とか舞台とか悪くないけどなんか昭和臭。別に悪くないんだけどなんか残念。

NHKっぽい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9

62.3 2 ベートーヴェンでオリジナルアニメーションなアニメランキング2位
薄暮(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.1 (53)
160人が棚に入れました
福島の女子高生―ヴァイオリンだけが取り柄の、どこにでもいる少女。福島の男子高校生―絵を描くだけ、それで生きてきた。震災の影も彼に宿っているのだろう。とある田園風景の中で、そんな二人は出会った。ぎこちない邂逅、それがやがて「恋」へと発展する。それがどんな奇跡を生むかはわからない。儚く散るひとときの夢物語なのかもしれない。でも、彼らは出会った。この土地で、この場所で、世界の息吹を感じながら、彼らは人として生き、価値観を共有し、恋をする。

声優・キャラクター
桜田ひより、加藤清史郎、下野紘、島本須美、福原香織、雨宮天、佐倉綾音、花澤香菜

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

簡単には言い表せない福島の空模様と青春の心模様と

ショートアニメ『blossom』(岩手県 未見)
『Wake Up,Girls!』(宮城県仙台市 全作視聴済)
に続いて福島県いわき市を舞台した山本 寛監督・東北三部作の中編劇場アニメ。

形容し難い青春の諸々(幼少期の被災体験も含む)を抱えた
バイオリン少女と絵描き少年が夕暮れ時の福島の空の下、
互いの芸術表現も通じて曝した心を触れ合わせて交流を深めていく。


【物語 4.0点】
詩的で文芸的。かつ、こっぱずかしいくらい古風。
主人公少女のモノローグが主導するシンプルな構成。

同じ風景を共有した少女と少年の恋慕への発展など、
青春アニメはおろか、実写映画でも絶滅危惧種ではないかと思うほど、
失われた王道を驀進する。


被災地が舞台ではあるが、真実を暴いてやろう等という、ゴシップ趣味は希薄。
聖地巡礼効果も目論み、“明るい”福島を描いたという本作においては、
震災も少女と少年のトラウマも表面上は克服されたように見え、
被災者もこの世界に価値と居場所を再発見しようとする心の復興の段階。

帰還困難区域からの避難者であるという少年の過去についても
言葉でハッキリと説明されることはない。


バイオリンの音色や絵画、空模様に反映された心模様を読み解くことが求められる。
多分に感性に訴えかける内容。


【作画 4.0点】
人物作画はソースは潤沢じゃないけど、伝えたい心情を表情に込めることは出来ている。
けど、やっぱり十分な制作体制で作画安定度を高めた登場人物を見てみたかった……となる。
お馴染みの山本 寛監督&キャラクターデザイン・総作画監督・近岡 直氏のタッグ。

特筆すべきは美術監督に起用されたMerrill Macnaut氏。
仙台市出身の日本人でショートアニメ動画の自主制作経験もあり。
薄暮の空に色付いた“緑色の光線”まで描写した絵画的な背景美術は、
この世界にまだ残された価値を再認識させるのに十二分な説得力を持つ。


私はAmazonプライムで100円増しのHDレンタルで視聴しましたが、
それに見合うだけの物はありました。


【キャラ 4.0点】
ちゃんと生理も来る主人公のバイオリン少女。自身の置かれた青春の状況を、
かじった文学等も元にして自問自答するだけの感受性を持つ。

言葉じゃ吐き出せない諸々を少女は音楽で、少年は絵画で表現する。
こんな芸術的アウトプット回路を保有する高校一年生……。


記号化された萌えキャラやイケメンとは真逆のベクトルでの非実在感。
だが、だからこそ本作には現実では心に引っ掛かってなかなか出て来ない物を
具現化する夢があるのだと思います。


深夜アニメの形式美が恋しい方の拠り所として?
一応、主人公と同じ部活の女友達“ひいちゃん”(CV.佐藤 綾音さん)が、
非モテ・アイドルオタクの現実逃避等を放言してくれたりはしますw


【声優 3.5点】
ヒロイン役に桜田 ひよりさん。相手少年役に加藤 清史郎さん。
共に子役としてキャリアを積んできた俳優をメインに据え、
脇を“ちゃんとした声優”(しかもかなり豪華)で固める布陣。

メインの演技はたどたどしいが、確立された“ちゃんとした声優”の好演の中で、
初心な少年少女像を浮かび上がらせるという狙いは成就しており、
“ちゃんとした声優”以外のアニメは認めん
という風潮に対するカウンターにはなっている。

でも、やっぱりメインの演技は拙いけれども。


【音楽 4.5点】
バイオリン演奏が特徴の本作。
心が荒れ模様の時にはしっかり乱れる演奏シーンで青春の機微を好表現。
劇伴もバイオリンをふんだんに取り込み追随する。

ED主題歌はAZUMA HITOMIさんの「とおく」。ピアノベースの静謐なバラード。
“辛矢 凡"氏の歌詞世界で淋しさの中にも、しっかりと希望の花が咲く。


【感想】
夕焼け空をいつまでも眺めていたくなる……。
そんな、すっかり忘れ去ってしまっていた大切な気持ちを思い出させてくれる、
心地よい余韻が残る作品でした。

あとは心の損壊防止のためにも、
何でもいいから感性は磨いておいた方がよいとも思いました。

正気に戻りたい時に、心の片隅に確保して置きたい一作です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

普段見慣れた風景 でも、それは大切なもの

この物語は、福島県での放射能汚染により、普段見慣れた風景が二度と見れなくなった若者たちの物語です。
その体験をしたからこそ、当たり前だと思っている今のこの瞬間を大切にしたいと願う若者たちの心を描いています。


私達が日頃暮らしている場所の何気ない風景。
何度も何度も見慣れている当たり前の風景。山や川、田畑、空や海。
でも、それが見られなくなる時が来るかもしれません。

そのときになって、もう一度見たいと思っても、それは無理なことだと気づきます。

普段見慣れた風景には、自然だけでなく、人も含まれます。
仲の良い友人や恋人、家族など。

特に時間が経てば、人とは必ず離れ離れになるときが来ます。
当たり前だと思っていた風景は、もう無くなっていることに気づくのです。

だから、今のこの瞬間を大切にして、
写真または絵に残しておいた方が良いと思います。
この映画は、きっとそれを皆さんに願っています。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 13
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

そんなファンタージは幻です。

約52分の映画です。
震災といわき市に惹かれて視聴しました。

{netabare}いわき市は、昔仕事でよく行った街です。
福島市に住んでいた私は、浜通り経由で通っていました。
あの沿線の人たちは・・・今でも心を痛めています。

震災直後、仕事で一週間ほど福島市に泊まりました。
旅館には浜通りから避難した家族も。
あの人たちは今どうしているんだろう。
節電により暗かった福島市の夜とともに、今でも時々思い出します。{/netabare}

この作品は、震災を前面に押し出していません。
しかし、震災によっても連綿と時は流れ、確実に日常は続いている。
人は過去の縛りを解き放ち、未来を見据え今を生きなければならない。
ということを暗に示していると感じました。

晩夏の薄暮のエメラルドグリーンの空。
美しい風景をバックに繋がる男女高校生の恋慕。
その想いを面映ゆくまた頼もしい気持ちで観ていました。

話は変わって、{netabare}主人公さっちんの友人たちがつわものです。
さっちんは、自分の世界を持つ静かな女の子です。
その対極はひいちゃん。
騒々しいの権化です。
それをなだめるリナ。
オタク気質ですが、包容力があり観察眼は鋭いです。

ひーちゃんとリナのテンポの良いやり取りが楽しい。
それに、今時の女子高生って感じが自然でした。
エンドロールを見て納得。
声優さんはあやねると天ちゃん。
そりゃ、巧いはずだ。
ついでに、先輩は花澤さん。
豪華さに得した気分です。

ラストは幻想的な星空と気恥ずかしい行為。
ピュアに当てられ、私はしばらく立ち直れませんでした。
ただし、薄暮には美しい星空は見えません。
だから、ファンタジーを観たってことにしておきましょう。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12
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