ホラーで友情なおすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのホラーで友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月23日の時点で一番のホラーで友情なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

計測不能 1 ホラーで友情なアニメランキング1位
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎(アニメ映画)

★★★★★ 4.3 (35)
68人が棚に入れました
詳細不明

声優・キャラクター
沢城みゆき、野沢雅子
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

全ての日本人に心の貧困という核心を突き付ける地獄の前日譚(プリクエル)

原作未読。TVアニメもまともに観たのは第3シリーズ(1985-1988)くらい。
最近のシリーズも6期で猫娘が随分と萌えキャラ化したなw以外は予備知識もほぼありませんでした。
ですが近年の『ゲゲゲ』の好評は聞き及んでいて興味はあったので、
入り込みやすくハズレがない前日譚である本作から、
30年ぶりにイマドキの『鬼太郎』をかじってみることに。


【物語 4.5点】
表層は昭和30年代。怪しげな因習が残る閉鎖された村・哭倉(なぐら)村にて、
地元を取り仕切る名家の相続絡みで起こる連続猟奇殺人事件という『八ツ墓村』型サスペンスのプロット。

が、そこで炙り出される人間の愚かさは、陰鬱とした田舎特有の物ではなく、
鬼太郎誕生に隠された、人間と妖怪にまつわる、えげつなさ過ぎる人の業の暴露と共に、
村境を越え、時代を越え、古今の日本全体に、
愛を捨ててまで欲望を追求する人間の狂気という重たいテーマを突き付ける。

(※核心的ネタバレ){netabare} 幽霊族の血液{/netabare} から生成する血液製剤“M”はかつて日清・日露でも使用され不死身の兵隊たちが日本を勝利に導き、
戦後の今また“企業戦士”に投与し日本復活を目論んでいるという件。

バブル景気の頃、24時間働けますか?とドリンク剤投与して過重労働でナンバーワンを目指すも幻に終わった、
あの徒労感を想起させるようで苦笑しました。

怖いと言うより核心を突く痛恨の一撃を受け呆然とする感じ。


原作者の故・水木 しげる氏は大戦中、南方戦線で左腕を失った帰還兵。
その原体験から、物質ばかり豊かになっても心が貧しいままでは人間は幸せになれない。
と作品内外で終世発信されて来たお方。

主人公視点を、東京・血液銀行社員で南方戦線帰りの水木に置き、
哭倉村に鑑賞者をナビゲートする役割を担わせる辺りにもリスペクトを感じました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・東映アニメーション

赤にカラーを絞って村の猟奇を表現したり、
時にはモノクロを基調に強調したい人や物をカラーにする演出を仕掛けるなど、
見応えがある絵作りで狂気に呑まれた村を好表現。
龍賀製薬社長・克典の金歯の強調にも成金趣味の末路を示すようで、こだわりを感じましたし。
何より鬼太郎の両親がデートで召し上がっていたメロンクリームソーダが美味しそうでした。

昭和30年代・白黒映画作品のエッセンスを意識したということもあってか、
喫煙率が高めなのも特徴的。
出世による生き残りの野心を抱く社畜・水木が、社長の葉巻にむせ返るカットには、
人の心を捨てて上へ行っても破滅するだけとの皮肉がこもっているようで印象的。
葉巻をカットする道具などプロップデザインのレベルから力が入っていました。

かつての小児喘息患者の私から見たら序盤、
ろくに分煙もされていない昭和の列車内で、
呼吸器疾患と思しき少女が咳き込んでいるにも関わらず、
煙草をふかす乗客たちの描写も示唆的でした。
ここも思いやりを忘れて高度成長へと猛進する日本の行く末を暗示しているかのよう。

昭和30年代を意識して制作してはいるが、決してノスタルジーには陶酔せず、突き放すべきは突き放す。
このバランス感覚が全世代の鑑賞に耐え得る作品を実現させていると感じました。

デザインの土台から意図があり、それでいてバトルシーンも、場合によっては線を大胆に崩す描画からスピード感が伝わり見応えがある。
総じて本年でも上位に入るリッチな作画でしたが、グロも容赦なくガードは必須。
と言うより、これでPG12指定で済ました映倫は冒頭10分しかチェックしていないのでは?との疑念を抱いてしまいますw


【キャラ 4.5点】
人間側の主人公・水木。
戦場で味わった人間への絶望から他者を打算でしか見れなくなってしまった哀れなサラリーマン。
本作は、“見えるように”なってしまった妖怪から、死相があると指摘されるほど終わってる水木が、
愛の価値を認識する物語でもあり、その筋書きが鬱展開が続く中でも一筋の光明となる。

「愛をとりもどせ!!since1956」
私がレビュタイに考えていたもう一つの痛いタイトルですw

水木の価値観を投影する合わせ鏡として重宝したのが、
村を束ねる龍賀家の娘・沙代。
閉塞した村から東京への憧れを抱き、水木に想いを寄せる。
水木が目的のため、乙女の純心を無下にしたり、思い直して拾い直してみたり。
愛を巡る主人公の心の揺れ動きを拡張する良ヒロインでした。

水木に愛に関する問答等をもたらすのが、妖怪側の主人公・鬼太郎の父(後の目玉おやじ)
要所で主人公心理の現在地を確認し合うチェックポイントがあり、
心の機微を捉えやすくて助かりました。

軽快なフットワークで展開を動かす役割を果たしたのが少年時代のねずみ男。
鬼太郎父の代から、付かず離れずの腐れ縁w


【声優 4.5点】
龍賀家のキャストには亡き当主・時貞役の白鳥 哲さん以下、
脂の乗り切った声優たちが固める盤石の布陣で、
愛蔵渦巻く伏魔殿ぶりを確立し、主人公らの前に立ちはだかる。

紗代役の種崎 敦美さん。
この秋アニメでも無双している種崎さんですが、
幅広い役柄に対応できる能力を本作でも遺憾なく発揮。

掛け合いでは水木役の木内 秀信さんと鬼太郎の父役の関 俊彦さんの墓場での酒飲み話が味でした。
人生走るのに疲れた時なんかに晩酌しつつ思い出して噛み締めたいと思います。

鬼太郎の母役には現・鬼太郎役の沢城 みゆきさん。
ここも愛の継承を印象付けられる粋なキャスティングです。


【音楽 4.5点】
劇伴担当・川井 憲次氏。
SF・ロボット作品での勇壮なコーラスによる戦闘曲が持ち味で、
本作のバトルBGMでも威力を発揮します。
一方で、伝奇・サスペンスでの川井氏のサウンドにも捨て難い魅力があります。
尺八の音色をアレンジした和風BGMが鑑賞者を魔境・哭倉村へナビゲートしてくれます。

そしてあらゆるジャンルで川井氏の音楽が心の琴線に触れるのは、
人情に寄り添ったピアノとストリングスの心情曲。
その意味でも本作の川井氏は上々でした。

EDも安直に宣伝用の歌手を起用したりせず、
往年のTVアニメ版・EDテーマ「カランコロンの歌」の川井氏によるインストverで締めくくったのも、
突きつけられたテーマを咀嚼して余韻に浸れる好判断でした。


【感想】
人の好みはそれぞれなので、これは観るべきとかあまり言いたくない私ですが、
本作は全ての日本人が観るべき作品だとの感想がまず浮かんで来ました。
鬼太郎なんて今更……と避けて通るのはもったいないです。

受け止める覚悟のある方には是非オススメしたい良作映画です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 23

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

まるでヒューマンドラマのように感動します

この映画は、今日時点でおよそ3ヶ月間も上映しているようです。
何故、こんなに長い期間、上映されるのでしょうか?
おそらく、この映画で多くの人たちが感動したからだと思います。涙を流した方も沢山いたのではないでしょうか。
そして映画を見た人が、その感動を友達や家族に語り、来館者が少しずつ増えたからだと思います。

私は東京に来て数十年たちますが、映画終了の際に場内で多くの拍手が鳴るのを初めて聞きました。
かくいう私も、物語終盤には涙で頬を濡らしていたのです。

これは妖怪アニメというよりもヒューマンアニメ(?)といったほうが良いのかもしれません。
鬼太郎の父が涼やかで心地良い。それに彼の信念が素晴らしい。
たとえ自分がどうなろうと、妻やまだ見ぬ子を守るその姿に感動しました。
それとは対照的に、人間の欲深さや残酷さには、いたたまれない気持ちになってしまいます。

この物語の主人公は二人です。一人は水木という帝国血液銀行に勤めるサラリーマン、そしてもう一人が鬼太郎の父。
そしてこの物語の年代は昭和31年。
水木と鬼太郎の父が、外界から隔離された哭倉村(なぐらむら)で発生する事件に巻き込まれる形で物語は進行します。

そしてこの物語に欠かすことができない女性がヒロインの沙代(さよ)。
彼女は、いつも村から出たいと願っています。
私は、最初彼女を、どこにでもいるような『都会に憧れる田舎の少女』のように感じたのですが…
彼女が村から逃げ出したい本当の理由を知ったときは、心をナイフで突き刺されたようにショックでした。
彼女が今までどんな思いで生きてきたのか…。想像するだけで涙が出そうです。
そして人間は妖怪よりも醜い心を持った生き物だと、改めて感じました。

そんな醜い心を持った人間が世の中を動かしている(少なくともロシアを動かしている)世の中ですが、子供たちが希望の持てる世界にしていくのが、親の務めであり大人の務めなのでしょうね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20

Acacia さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「声優さん目当てで作品を観る」を初めてやってみた。

「ゲゲゲ~」は幼少期、放送を少し観ていた程度。
キャラクターのビジュアルが思い出せるくらいで、
用語や設定などは完全に忘れています。

自分は創作物の歴史に名を刻んだこういう「名作」より
その時代に流行した一過性の作品ばかり観てきたのだな。
と、改めて実感。

でも時代を築いてきたアニメ、
ガンダムやマクロスを観て感じたのですが、
70年代、80年代辺りで既に感性が合わないんですよね。
90年代辺りから、フィットし始めるのですが…。

では何故、劇場に行ったかと言うと、
「DARKER THAN BLACK」以来、声優の
木内秀信さんが大好きです。たまたま観ていた作品に
出演されていると、その声に耳が反応して
少し心地よい気分になるそんな中年の私。

今作がジワジワとヒット(興行収入しかり)している
情報と共に、木内さんの舞台登壇などの写真がSNS等で拝見する度
気になってしまい、物は試しに…。

で、ここまでは自分語りばかりで肝心の作品なのですが、
正直、前述の通り、世界観は理解できておらず、
キャラクターの台詞、アクションに流されるままでした。

絶賛すべき点は、主演「関俊彦」「木内秀信」お二人の
演技が素晴らしかった。

僕の耳では、二人とも最初から柔らかさ、生きようとする
演技は一貫されているのに、
出逢ったばかりの信を置かない二人から
バディとなり事件を追う道のりで

スクリーンのキャラクターの関係性の様に、
二人が掛け合う声の
「信頼」が滲み、耳に染み入る感覚。

本筋も心が温かくなるドラマで、
しっかりと骨組みされた物語(熱量)があるからこそ
演者さんが際立って視えたのも承知しています。

今まで観る作品は、監督、スタッフで決める事しかなく、
演者さんで観る作品を決める。なんてした事ありませんでした。

声優さんで観る作品を選ぶ人の気持ち、
今回の僕は作品に理解がなく、演者さんの声を注視して観て
初めて共感できました。

ゲゲゲの世界観を知らなくてもこれほど感動できるって
中々すごいと思います。ファンの方ならより感慨深いのでは。
おすすめです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

88.3 2 ホラーで友情なアニメランキング2位
ひぐらしのなく頃に(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (4982)
21997人が棚に入れました
舞台は、鹿骨(ししぼね)市にある雛見沢村と呼ばれる、人口2,000人に満たない寂れた村である。過去に、この村はダム建設による村の水没を、村民の団結した行動で阻止しており、村の連帯感は今も強固である。
ダム建設計画の無期限凍結から5年後の昭和58年、前原圭一はこの村に引っ越してくる。彼は、持ち前の性格と明るさで、新たな学校や友人に打ち解けていく。
しかし、そのまま楽しく平和に過ぎていくと思われた日常は、綿流しという祭りの日から、様相を変えていくことになる。
過去4年連続で、綿流しの日に起きたという怪死事件。そもそも、雛見沢村にはどんな秘密があるのか…。

声優・キャラクター
保志総一朗、中原麻衣、ゆきのさつき、かないみか、田村ゆかり、茶風林、大川透、伊藤美紀、折笠富美子、小林ゆう、関俊彦、かわむら拓央、鶴岡聡、松元惠、瀧本富士子、尾小平志津香、井上喜久子、廣田行生、こぶしのぶゆき、立木文彦、塚田正昭、樫井笙人、小野大輔、水野理紗、金田アキ、宝亀克寿、くじら、渡辺美佐、松本保典、松井菜桜子、中野元、須加みき

とうふ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最後までみるべきアニメ

先に原作のゲームを知っている状態で視聴。
キャラのデザインが残念に思うのは私だけ?なんかバランスが悪い。可愛いけど…

キャラクターは主人公とヒロイン達、その周囲の人達、皆それぞれ良い味出してると思います。ストーリーもよく考えられていると思うし本当に楽しめた。

音楽もアニメなのかゲームなのか記憶が確かではありませんが「ひぐらしのなく頃に」の「you」という曲は大のお気に入りです。

観てない人は
「ひぐらしのなく頃に」は全く知らない状況で観ると鬱・グロ・意味不明の三拍子で辛いかもしれないです。(私はゲームの知識ありでみたので特に辛くはありませんでしたが…ゲームだともっと長くて辛かったです。)

でも前半の意味不明さがあるからこそ後半が非常に面白く、主人公達に頑張ってほしいと思えるので観てない人には是非全て観て欲しい。どうしても辛いなら暇つぶし編か目明しまで、と決めて観てみるとか。
最初だけで観るのを断念するのは勿体ない作品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 30

jack555 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正直震えた:(;゙゚'ω゚'):狂気乱舞・・・((((;゚Д゚))))

タイトル通りです。

メジャーな作品ながら観てなかったんですが最近何故か思い立って観てみました。

この作品の存在を知ったのは大学生の頃でした。部活の先輩の家におジャマした際にこの単行本を発見しまして。当初は恥ずかしながら絵的にただの萌え~だと思ってたんですよ。(当時アニメだとかマンガだとかにはほとんど知識がなかったもので・・・)

その先輩からは観てみりゃ分かるよと言われたきり、当時は深夜アニメ、及びそれらの原作にあまり興味がなかったので観ずにそのまま数年が経ちまして・・・つい最近全て観てみたところ

なるほど・・・これはすごいと思いました。アニメ観てて登場人物のキャラだとかその物語の世界観に感動したりすると鳥肌が立つものですが、恐ろしくて鳥肌が立ったのは初めてです。「恐ろしい」、これは個人的には決してオーバーな表現ではないと思うんです。(一応自分怪談話とかホラー映画もほとんど何ともない方の人間なんですよ^^;)

実写の表現には限界があるのに対し、アニメはどんなことでも表現できるからこそ、観る側の精神に純粋に入り込んで来ますよね。だからこそひぐらしはちょっと怖かった・・・。OP、EDは曲とアニメーションが物語の世界観とリンクしすぎてどちらも気に入りました。特にOPの方は瞬時にひぐらしの世界観に引きずり込まれるというか何というか。

てか何気に一番鳥肌立ったのはOPの歌詞ですww「この指とまれ 私の指に その指ごと連れてってあげる」この表現の仕方には恐ろしさの中に芸術性を感じました。ヴォーカルエフェクトも文句なしにかっこいい。

各観点を総合的に観た場合素晴らしい作品だといえますが、描写的には要所要所かなりエグいです。もしまだ観てない人なんかいて、よし観よう!って人がいたら観るべき「時間」はわきまえるべきかも。グロ耐性がない人ならば食事中はなるべくやめといた方がベター。

この作品はパラレルワールドのような形式になっており、4,5話ほどで一つのストーリーの完結、そのストーリー一つひとつが〇〇編としておおよそ同じ登場人物でまた違うストーリーの繰り返しといった具合になっています。

さてさてこの調子で次作も観てみようかと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 31

らいむぐりーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

この時期観たくなるanimation。ひぐらしの鳴き声を聞くとリンクしてしまう....

深夜アニメ=ヲタク

当時、自分はこんな先入観を持ってました。
(多くの人間が最初はそうなんではないでしょうか?)


この既成概念を容赦なく粉っっ々にぶっ壊されて
自分が二次元にハマるきっかけをくれた、
すごい印象深い作品です(゜-゜)ヒナミザワコワイ。。


4話~6話ずつで一つのエピソードが終わり、
後被さりで話が繋がっていくというストーリー構成で、
後の二期で解決されていくもの。


「萌え」「シリアス」「推理」「グロ」「ひぐらしの鳴声」
が、主な構成成分ですかね~


とにかく面白かった!
今でも見返しますね。


ネタバレはしたくありませんので、あまり掘り下げはしませんが、

萌えテイストで和気藹々と萌えたあと、
いきなり全力でシリアスに急ターン。
グロも交えて話が浮遊したまま、次のエピソード。。
田舎の緑豊かな背景に、可愛いキャラ達が行き来し、
夕暮れの田んぼ道では、「ひぐらしの鳴声」が響き渡る。
そして平和な日常と思いきや、容赦なく「オヤシロ様」の怪。


ストーリーの進み方がよく作りこまれていて、
見ていて全然、退屈しません(*^。^*)
まさに、「萌え」と「グロ」の併せ技。
見続けると新しい感覚に襲われました( 一一)オヤシロサマー

ちょいちょい出てくる雛見沢署の大石刑事
(個人的にはかなりキーパーソン)のCVが
名探偵コナンの目暮警部と同じ「茶風林」さん
めっちゃいい声してますよね~~\(゜ロ\)(/ロ゜)/





オラオラ系の友人が帰郷してきた際、、
(アニメなんて興味ないぜぇぇ的なスタンスの友人でした。)

「ひぐらしのなく頃に」を勧めてみたところ、
見事にドハマりしたみたいで、4日でⅡ期までを全クリという快挙。

彼曰く「もっとはやくこの作品に出逢いたかった」と(*^^)v



自分が好きな作品を友人と共有できるって
ほんと楽しいし、アニメって素敵だな~って思います。
自分がこうやってレビュー書く理由も
似たような動機かもしれません。
文才極薄の稚拙な文面で恐縮なんですが、
これからも好きな作品のレビューを書き、
より多くの方に読んで頂けたら幸いです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 104

77.8 3 ホラーで友情なアニメランキング3位
屍鬼[シキ](TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1459)
7805人が棚に入れました
人口1300人の小さな集落、外場村。外部とは国道1本でしかつながっていない隔絶された地ゆえ、いまだに土葬の習慣が残されていた。

ある日、村の山入地区で3人の死体が発見された。村で唯一の医者である尾崎敏夫はこの死を不審に思っていたが、事件性はないとされ、通常通りに取り扱われた。しかし、これ以降、村人が一人、また一人と死んでいくことに…。

声優・キャラクター
内山昂輝、大川透、興津和幸、戸松遥、悠木碧、高木渉、GACKT

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

死に善も悪もない。

数年ぶりに再視聴、2週目です。
いやー名作でした!そして凄くメッセージ性が強い。
2週目なのに終始集中して楽しんで観れました。
ジャンルはゾンビホラーと思われがちですが、サイコホラー(人の狂気を描いているので)です。

ホラーアニメ大好きな私は、名があるホラーアニメは全制覇しています。
(といってもここ10年で、ホラーアニメ10作品くらいしかないですけどね。笑)
需要あまり無いのかもだけど、もっとやって欲しい。

近い内にホラーアニメベスト10作る予定なのですが
屍鬼は自称ホラーアニメ専門官である、私のベスト10、上位に入れますね。


【あらすじ】
舞台は外場村という小さい村落。
村の周囲はモミの木(卒塔婆に使う木)に囲まれ、外界との交流も少なく
正に田舎の中の田舎って所。
そんな村には起き上がり(死人が蘇る)という古くからの言い伝えがあった。
物語は、こんな死に囲まれた場所で始まります。


【感想】
貴方は人殺しを悪いと思いますか?殺してはいけないと思いますか?
大半の人は悪いこと、いけないことだと言うでしょう。
何故ですか?誰が決めたのですか?
それは昔からの暗黙のルール、人が定めた罪の意識、法律があるからです。
ですが屍鬼では、そんなモノ(ルール、罪、法律)を改めて再認識させてくれる作品でした。


屍鬼(起き上がり)達は皆に自我があり、生きています。(肉体は死んでいるが)
彼等は生きる為に人を襲います。血を吸わないと死んでしまうから。
忘れがちだとは思いますが、私達ヒト(人間)も何かの命を奪って生きています。
普段は調理され、お店に並んでいる商品として接しているから気づかない。
けれど確実に命を糧として、奪い、殺し、生きています。
そう、屍鬼達も生きる為に襲っているだけなのです。
私達と何が違うのでしょうか?いいえ同じです。
寧ろ、ヒト(人間)の方が、動物、野菜、果物など、ありとあらゆる命を奪っています。
時には、理由もなく殺すこともする。
彼等(屍鬼)を悪と定めるなら、私達ヒト(人間)はそれ以上の悪であるということです。


それに何かしらの理由や、屁理屈をこねているのはヒト(人間)だけです。
ニュースとかで絶滅危惧種が、というニュースが流れれば
やれ可哀想、酷いだの何だのと騒ぎます。
じゃそれがヒト(人間)に危害を加える存在だったら?
やれ殺せ、居なくなれ何だのと騒ぎます。
実に見ていて愚かだと感じます。


【結論】
生きること、生命を全うすることにおいて、善も悪もない。
あるのは弱肉強食、食物連鎖だけです。
立場が変われば、見方が変わる。
そんなことを屍鬼は伝えたかった。
屍鬼からのメッセージだと感じました。



【豆知識・余談】
ヴァンパイア(吸血鬼)のモデルとなったのは、ワラキア公ヴラド3世(ヴラド・ツェペシュ)という
1431年頃に実在した人物です。
敵国、自国の民共に串刺しにしたことから、串刺し公という異名を持っています。

この方もそうですが、ヴァンパイアの設定によく使われる
日の光に弱いなどの設定は、先天性白皮症(アルビノ)という方達から取ったんだと思います。
髪の毛、皮膚、ありとあらゆる部分の色素がなく、真っ白です。
また紫外線を浴びると、焼け爛れてしまい。目もヴァンパイアみたく赤くなってしまう。
本当に珍しい奇病で希有です。


【PS:追記】
BGMのズンチャ!ズンチャ!ズンチャズンチャッチャッ!が凄く印象に残る(*´艸`*)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 36

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キズ物語 ーⅣ 外場村篇ー

原作未読で視聴。


『三方を山で囲まれた僅か1300人足らずの排他的な小さな村「外場村(そとば)」。 ある日3人の村人の死体が村から発見され、それを皮切りに次々と村人が死んでいく。その状況を不審に思った村の医師「尾崎 敏夫」は、伝染病を疑い始めるが死体の検視の結果そうではない事が判明。死因が暗礁に乗り上げたそんな中、敏夫は村の古い言い伝えである「起き上がり」の話を耳にし、暗中模索の中でやがてある一つの結論に辿り着く。それは・・・・』という物語。


この作品のジャンルは、サスペンス ホラーに分類されます。全22話で、TV放映後に発売されたBlu-rayで、TV未放送のOVA2話が特典として追加されました。なお、追加された2話のOVAは、全22話の中の20.5話と21.5話にあたります。


大作ですねこの作品は。特に後半の展開は、形容するならば「凄まじい」と言うべきものでしたよ。作品は全22話なので、登場人物も多く、人物の背景なども丁寧に描かれていて、全体を通してゆっくりと展開して行きました。やはり20話超えの作品は安定感があります。


最初の5話ぐらいまでは、いわゆる典型的なパンデミック状態を描いていましたが、6話以降の死因究明からこの作品の本領発揮でした。村人の死因に疑問を持ち調査を始めたのは医師の「敏夫」と村の青年「結城 夏野(ゆうき なつの)」の2人なのですが、 ほとんど接点のないこの2人が、同時並行的にそれぞれ違った手段で究明に挑む描き方は面白いと思いました。


12話以降の中盤の見せ場はやはり敏夫の「解剖」でしょう。ハッキリ言って拷問シーンでしたよあれは・・お食事中ならご注意を。18話以降の終盤は、それまでのゆったりとした流れとは打って変わって、堰を切ったような怒涛の展開でした。集団になった時の人の怖さが描かれていましたよ。


ちょっとした豆知識。作品中、画面の下に時系列として日時と六曜が表示されるのですが、そこから調べた結果、物語の舞台は1994年のようです。


ごめんなさい。どうしても最後まで馴染めなかったものがありました。それはキャラクターデザインです。1300人の村にはそぐわないキャラデでした。SFバトル系アニメのキャラクターですよあれ。気合い入れたら掌から衝撃波とか出せちゃう感じでした。なぜあのキャラデを原作者がOKしたのかが謎ですね。唯一杭が残りましたね....それだけが。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 38

たま。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ネタばれ禁止

サイコサスペンステイストで面白いです。
(アニメであまりこのジャンルものはありません。ひぐらしとか?)

だたサイコサスペンスのジャンルでは必須条件ですが、この作品を見る前は絶対ネタばれ等をネット等で見ないで下さい。
面白さがほぼなくなります。

藤崎竜の絵が受け付けられるなら、ラストがどうなるかにもよりますが、一見の価値はあるかと思います。

どこまで本当かわかりませんが、ひぐらしもこの作品に影響を受けて書いたとか・・・。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

82.9 4 ホラーで友情なアニメランキング4位
黄昏乙女×アムネジア(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1768)
9012人が棚に入れました
度重なる増築により迷路のように入り組んだ私立誠教学園。中等部一年の新谷貞一(にいやていいち)はある日、旧校舎で迷い偶然たどりついた部屋で、不思議な雰囲気を纏う少女・庚夕子(かのえゆうこ)と出会う。彼女は自分を“旧校舎の幽霊”だと言う。自分の過去を思い出せない夕子の為、貞一と夕子は「怪異調査部」を立ち上げ、この学園で語り継がれる数々の怪異を解き明かしていく。

声優・キャラクター
代永翼、原由実、福圓美里、喜多村英梨
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

萌えて笑えて見入って泣ける、ラブコメ・ミステリー・ホラー

原作未読。

主人公の新谷貞一(にいや ていいち)は、旧校舎の幽霊である「夕子(ゆうこ)さん」に遭遇する。
しかし、彼女は自分の死にまつわる記憶を無くしていた。
真相を明らかにするため、「怪異調査部」を設立することになる。
新たな部員も増え、さまざまな怪談の正体を突き止めつつも、彼女の死の真相へとせまっていく。


萌えて笑えて見入って泣ける、ラブコメ・ミステリー・ホラー。
色んな要素を詰め込んでいるのに破綻せず、高水準にまとまっている作品。


まず、メインヒロインの夕子さんの魅力がやばいです。
黒髪ロング長身で純真無垢な大和撫子、それでいながら大人の色気があって実にエロい。
そして、恋する乙女です。
見ていたら「さん」付けでしか呼べなくなります。

サブキャラクターたちも、ギャグ・シリアスともにイケる良キャラです。

* とにかく元気でまっすぐだけど、勘違いで暴走しがちな小此木(おこのぎ)さん
* クールでボーイッシュな美少女と思いきや、ヘタレな霧江(きりえ)さん

そんな魅力的な女の子に囲まれている貞一くんも、イヤミを感じさせないキャラです。
優しくておっとりしていて押しに弱いのに、やるときはやる。
何より一途で、ほんと好感が持てました。

むしろ全員ヒロイン。



作風としては、お色気を絡めたコメディが目立ちます。
下品ではないので見やすかったです。
ギャグは、言葉、動き、見た目など、さまざまな角度で飛ばしています。
「見られちゃった……私の体の一番深いところまで///」というセリフがひどい笑いに。
画面内にずーっと人体模型が映っている回のシュールさも凄まじかったです。


ですが、シリアスな部分はがっつりシリアス。
感情が揺さぶられます。

ギャグ→シリアスという流れは素早く自然に行われています。
気付いたら見入っています。

大げさだったり、ひねりのない内容だったりするのですが、演出と音楽がいいんですよね。
夕子さんの過去が明かされるときの演出はほんと面白い。
{netabare}
長時間に渡って映像が一人称視点というのは、独特で良かったですね。
閉じ込められてパニックになる演技も良かったなぁ。

……ところで、他人同士は、同じ体験を同じように感じられるんでしょうか?
人が「赤い」とか「痛い」とか感じたときの主観体験のことを「クオリア」といいます。
クオリアは本人にしか感知できないので、人がある感覚をどのように受けているか、他人が知ることは不可能です。
そもそも、クオリアはなぜ存在するのか、科学で解明できず、主に哲学で扱われる分野です。

また、人間の感覚とは映画を見ているのと同じで、自由意志が介在する余地がない、という説(随伴現象説)があります。
映画館のようなシーンも出てきましたし、こういった哲学分野の話を意識をしているのかもしれませんね。
{/netabare}


そして、シリアスなシーンから、ラストの感動シーンへ。
マジ泣く……。
話の予想は付くのですが、演出と音楽でぐぐっと持って行かれるんです。
{netabare}
夕子さんが最後に戻ってきたのは賛否両論あると思います。
戻ってこなかったら重いですがインパクト大。
戻ってきたらご都合主義ながら後味が良い。
しかし、アフターエピソードが見れたし、キスが未練で取り憑かれたなんてロマンチックだったのでおkです。
{/netabare}


作画は良いわけではないです。
しかし、色使いが独特です。
例えば、夜のシーン。
普通窓の外の景色は、濃い青か、月の光の黄色。
ところが、この作品では、「赤・青・紫・緑・黄色」と、雰囲気に合わせて色を変えます。

画面のカットと組み合わせて、

* 白の背景に黒の影で「孤独」
* 白と黒のしましま模様で「迷い」
* 無色で「望まない世界」

など、画面全体を使って感情を表現しているのが特徴です。
シャフト風味。

ということで作画の割に視覚効果が高いです。


音楽は文句なし、というか素晴らしい。
OPの「CHOIR JAIL」はかっこよくて耳に残るよなぁ。


どの要素もレベルが高く、12話できれいに収まっており、とても満足できました。
1クールものではトップクラスにお気に入りの作品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 101
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

★原作もついに完結★

度重なる増築により迷路のように入り組んだ私立誠教学園。
中等部一年の新谷貞一(にいやていいち)はある日、旧校舎で迷い偶然たどりついた部屋で、不思議な雰囲気を纏う少女・庚夕子(かのえゆうこ)と出会う。彼女は自分を“旧校舎の幽霊”だと言う。
自分の過去を思い出せない夕子の為、貞一と夕子は「怪異調査部」を立ち上げ、この学園で語り継がれる数々の怪異を解き明かしていく。


夕子さんが最後どうなるのか、アニメオリジナルの展開でしたが、原作ではどうなるのかも気になる作品です。

見どころは骨!


■原作第9巻
{netabare}
アニメ版でいうと第10話「喪失乙女」から第11話「紅涙乙女」にあたります。


アニメでは浅葱がアカヒトでしたが、原作では紫子がアカヒトに・・・!さらに庚家の秘密も明かされます。


紫子がアカヒトになるいきさつだったり、夕子さんの死の真相だったり、色々と見どころがありますが、やっぱり一番の見どころは夕子さんの幼女時代!w(ノ `・∀・)ノ゙ オオオオォ♪゙
にやにやがとまりませぬ!


原作では「もう一人の夕子」を受け入れる経緯や受け入れる理由などもアニメとは異なっています。
そして「もう一人の夕子」を受け入れたとき、幽霊として存在し続ける理由も同時に無くなり、幽霊としても存在しなくなってしまったというところで9巻は終わりです(´Д`).∴カハッ

残りの収録話はすべて「特別編」・・・
くそう・・・
(特別編は特別編で好きなんですけどね)


そして最終ページに重要な告知が!!!!





「次巻、ついに完結―。2013年秋発売」



秋まで待てない!!Σ(p´;Д;`)q << ぅあ゛!!ぅゎぁぁぁぁあ゙


{/netabare}

■原作第10巻
{netabare}
アムネジアもついに完結です。
最終巻を一目見ての印象は・・・
「ぶ、分厚い!!(゜ロ゜)」

もう最終巻に一気にぎゅっと詰め込んだ感じです^^
表紙も裏表紙もイラストが超かわいい!

アムネジアのラストはアニメ版でかなり完成度が
高かったですが、原作も負けてませんね。

エピローグはいつもの怪異調査部にもどっていて
とても満足です^^

最終ページでの夕子さんのセリフはアムネジアらしいな、
と思いました(^ ^)
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 102

なゆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良い意味で期待を裏切られた

レビュー未読、あらすじを多少見た程度で視聴しました。
視聴前の印象は「幽霊がでてくるだけの怪談物」だったのですが、いざ視聴してみると良い意味で期待を裏切られました
「怪談は関係ない」というわけではないところも好感です
作画・演出がとても良く、思わず息を呑んでしまうシーンや泣きそうになるシーンもありました
守備範囲外だと辛いアニメだとは思いますが、本筋前の序盤部分が辛いと思う人でも続きが気になる工夫がしてあり、楽しめるんじゃないかなと思います
私はとても満足したので高めの評価にさせてもらいました


どうでもいい話ですが
幽霊部長の件、完全に空気扱いになってるけど・・・
理由を知ってる2人はいいとして、もう1人は気にならないのかな・・・

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

63.7 5 ホラーで友情なアニメランキング5位
神霊狩/GHOST HOUND(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (335)
1955人が棚に入れました
遥か古来より、この世界“現世”は、別の世界“幽世”と重なり合っていた。
 日本の原風景の面影を残す地方の小さな町・水天町。この町に住む中学生、古森太郎と大神信は、それぞれ消し去ることのできない過去を持っていた。町の誰もが忘れられないでいる、11年前に起きた一つの事件。ある日東京から引っ越してきた転校生、中嶋匡幸は2人の過去に触れようとする。3人の出会いによって、各々に背負ってきた過去が絡み合っていく。そして、太郎の持つ力がもうひとりの少女との出会いを導いていく。

声優・キャラクター
小野賢章、保志総一朗、福山潤、矢島晶子

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

古今東西における普遍的な人間心理。

心理学・脳科学・宗教学・民俗学などの学問領域から援用される専門知識を包括する難解な作品であり
多分野の学問から形成される知の連携と総合はぺダンチックとも捉えられるほどの観念性を含意する。
尚、魂抜けと呼称される幽体離脱やバイオエシックスなどは、士郎正宗の世界観を知る上で重要であり
本作の範疇を超えて、他作品と通ずる一定のロジックを構築し、そこにシャーマニズムが織り込まれる。
そして不可思議な心霊現象を科学的に可視化しようとする過程が思考的かつ実験的に考察されていく。

一般的に考えれば、オカルトと科学の双方を極めることは竜頭蛇尾に陥る恐れがあるが、現世と幽世を
設定上のバックボーンとして機能させているだけあってか、破綻することはなく、精妙に探求されている。
伝承や方言、「serial experiments lain」を連想させるノイズなども細部まで抜かりなく徹底されており
ある事件から心的障害を発症した主人公に対する精神療法と連鎖的な「サスペンス」を醸成させている。

それ故、高踏的にならざるを得ないが、「Production I.G 20周年記念作品」の冠には恥じぬ作品であり
次回予告における台詞は示唆に富んでいる。その上、ジュブナイル作品としても非常に良く出来ている。
一見すると敷居は高く感じられるかもしれないが、硬軟を織り交ぜながら、一定の均衡が保たれている。
古来から人類が科学的根拠が存在しないにも関わらず絶対的なものとして信仰心を抱いてきた神話を
心霊現象や占いに置き換えると、古今東西における普遍的な「人間心理」が透けて見えてくるのである。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11
ネタバレ

lll1 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大傑作!!やはり、中村隆太郎は天才だった。

 監督:中村隆太郎
 脚本:小中千昭
 の『Serial Experiments Lain』(以下:lain)のコンビがおくる本作。

 原案は士郎正宗(攻殻機動隊原作者)とProduction I.Gだが、士朗正宗は本作の制作には特に関わってはいないらしい。
 Production I.G20周年記念作品として作られた本作。20周年記念で、中村隆太郎にこんなくせのある作品を作らせたのは凄い。

 ネタバレ有り。また本作以外にも、今敏の『パーフェクト・ブルー』についても重大なネタバレを含みます。

 またnoteの方にも同様の感想を上げていますので是非。読みやすい方を。
https://note.com/24_98000/n/n3b3484f7962a

 端的に言って”大傑作”でした。しかし、本作は万人受けはしないでしょう。なんていったってlainのコンビです。

 lain同様に音と音楽に、絶大なこだわりをみせ、ここまで効果的に使用しているアニメは珍しい。そして何よりも製作者たちが、その音によって生まれる効果を理解している点。なかなか賭けに近い部分があったと思われるが、それでも貫き通した。

 lainの音響監督を務めた鶴岡陽太は、中村隆太郎の音の演出を唯一無二だと言っており、私もそう思う。たくさんのアニメと映画と海外ドラマを観てきたが、中村隆太郎の演出の影響元となる作品がまるで浮かばない。
 渡辺信一郎の『Cowboy Bebop』は音楽を多用したこだわりの演出をしているが、影響元は間違いなく『パリ、テキサス』を代表とした、洋画の影響が見られる。
 しかし、中村隆太郎は全く分からない。彼の特徴的な演出の一つは”雑音”を取り入れること。日常に潜む、聞き取れはしない人の話し声、コンピューターが起動している低い地鳴りのような音。ゲーム機しかり、機械や人、及び物は多くの音を発するが、「我々は雑音(ノイズ)に囲まれて生活している」とでも言いたいのか、彼はふんだんに取り入れている。
 
 また、中村隆太郎の音楽センスも良く、lainのオープニングテーマとなったBôaの'Devet'。未だに他のアニメとは一線を引いている見事な選曲。当時はもっと衝撃的だったのではないだろうか。
 そして本作は小島麻由美の'ポルターガイスト'。本作のために卸された曲ではなく、『ご近所探偵TOMOE』というWOWOWで放送されたテレビドラマの主題歌である。それをおそらくそのまま使っている。本作もWOWOWでの放送のため、彼の意志なのかレコード会社からの圧力かは分からないが、オカルトちっくなジャズを披露している、この曲は本作にはぴったりだった。
 
 前置きが長くなってしまいましたが、ようやく本作について触れていきます。

以下ネタバレを含みます。
{netabare}
①概要
 本作の舞台は九州北部。県は明確には分からない。
 ミステリーを基調としつつも、ホラーと微量のコメディを取り入れ、何ともオカルトちっくな作品となっており、原案の士郎正宗が考えるネットワークに対するオカルト的な部分が香る。

 主要な登場人物は四人で、タロウ、マコト、マサユキの男子中学生三人と、ミヤコという女子小学生。
 本作の魅力的な部分の一つが、この四人が抱えるトラウマと親との向き合い方、及び家庭の問題。

 ストーリーは、前半は特に男子中学生三人のトラウマを描き、中盤からはホラーとミステリー要素が増す。そして、後半はやや壮大になっていく。



②キャラクター
 まずはキャラクターについて。
 主人公のタロウは、幼少期に"姉"と共に拉致監禁された過去を持ち、またその時に姉は衰弱死している。
 タロウは当時、小学生にも満たない幼児であったため、姉の記憶は断片的で、姉のことを思い出したいが、同時に恐怖が襲ってくるという雁字搦めな状態にいる。

 タロウは、現在もその悩みを抱え、カウンセリングを週に一回受けている。本編開始とともに、カウンセリングの先生が変わり"平田"という男が現れるが、またこの男があからさまに奇妙に描かれた登場をする。
 正直、私は平田の登場シーンの奇妙さから、彼は本当は奇妙ではなく、また悪い人でもないだろうと思った。
 今敏の『パーフェクト・ブルー』でいうストーカー的な役割だと。あからさまに怪しいストーカーを描き、マネージャーから目を背けさせる。この平田が全く同じ役割を務めている訳ではないが、意図としてストーカーに似た意味を感じた。
 私的に最も面白いと感じたキャラクターは、平田です。理由は後術。

 マコトは、地元で程度な権力を誇る、宗教の一人息子で、父親の自殺を目撃するという経験を持つ。おそらく、最も異様な環境にいるのが彼だが、それが少し私の理解からかけ離れていたかもしれない。

 三人の中でかなり共感を得やすいのがマサユキだ。彼はかつて東京の学校におり、そこでとある生徒をいじめて飛び降り自殺に追いやった。本人は自殺をするとは思ってもおらず、また、自殺した被害者が黒板に書き残した中には、マサユキの名前以外にも多数の生徒の名前が記されていた。
 マサユキはいじめっ子の一人に過ぎないが、彼はその責任をとても重く感じており、それがトラウマと化している。
 しかし、本人はそれを認めたくはなく、"高所恐怖症"(被害者が飛び降り自殺(高所)したことが関係)と思いこむことで、そのことから逃れようとしているが、上手くはいっていない。

 学生時代、人権問題といじめに関するビデオ等を見せられたことがあるが、描かれているのは被害者ばかり。加害者は決して描かれない。自動車教習や更新の際にも、自動車事故の被害者が描かれ、加害者は僅かなもの。故意のものではない者も、自動車事故の加害者にはなり得るのに。
 いじめの被害者を救うことだけでは、いじめそのものがなくなることには繋がらない。何とも悲しいことですが。

 また、マサユキの家庭は、両親が共におり、かなり裕福な家庭で育っている。だからこそ、彼の両親の異様さがより際立ち、また共感も得やすい。
 マサユキの父が、仕事から帰って来た時、母はただパズルゲームを黙々とやっている。彼女には生気というものがまるで感じられず、「もし、母がこんな姿になったら、相当怖いだろうな」と思わせる。
 タロウの母のように、原因があれば、気遣いもあるが、彼女にはそれがない。描写されていないだけも知れないが。そして、後半、父の異様な姿もまた、見たくは無い姿の一つだ。

 ミヤコは神社の神主の娘で、霊感が強く、ときおり自身の身体に霊体が降りて来る経験をしているが、それを制御することは出来ていない。
 本作のこの霊体を降ろすという、見方がまた面白い。本編中ミヤコは、乗っ取られたかのようにとある神の名を名乗るが、彼女の父はかつて、その神の研究をしていた。娘がその研究文書を呼んでいたとするなら、霊体が降りたのではなく、ふざけているのか、無意識の内に言っているだけだと、霊体が降りるということを否定した見方をする。これが、また一定の説得力を持ち、非常に面白い



②ストーリーと演出
 本作のジャンルはホラー・スリラー。視聴者に恐怖を味わってもらうため、キャラクターはそのパイプとなる。共感・共鳴の役割を果たす。キャラクターが怖がっていることに共感・共鳴し、視聴者も怖がる。

 物語の序盤はこれが、子供たちの役割だった。三人の男子中学生だ。しかし、中盤から彼らは成長し、恐怖を退けて行く。では、後半誰がその役目を果たすかというと、本作ではそれが"大人"だ。
 本作は、先に子供たちがオカルトの領域に足を踏み入れ、克服する。その後、大人たちが子供たちの異変に気付き、オカルトの領域に足を踏み入れる。子供はどこか怖いもの知らずの一面があるが、大人は違う。経験から何が真実で何が虚構かを判断する。しかし、成長した大人たちでさえ、自身の理解を遥かに超えた体験により恐怖を齎す。

 平田というカウンセリングの先生が主に、この共鳴の役割を務めるのだが、先述したように、彼は最初怪しげな男として登場するのだ。こんなことは普通はありえないだろう。『パーフェクト・ブルー』でいうストーカーが、マネージャーの恐怖に晒され、しかも視聴者が共感するようなもの。
 この平田の変化が大変おそろしく、あたかも彼が感じている恐怖が嘘ではないということに、高い説得力を持たせ実現させている。
 カウンセリングの後、子供を追いかけ、教室を見渡すシーンは絶品だし、テープを聞いて、臨場体験をするシーンも見事。またそれを主観(平田の視点)と客観(タロウの視点)で撮っているから素晴らしい。一気に本物になる。
 これらの変化により、私にとって平田は非常に興味深い人物になっていった。アニメーターが描く表情も上手く、声優の演技も見事。

 本作のホラー演出は、はっきり言って”見事”だ。本当に怖いし、不気味で異様。

 とある地縛霊のようなものが、道路に走っていってトラックに跳ねられるシーンがある。そして、その地縛霊はそれを繰り返すのだ。

 「ポーン、ポーン、ポーン、ポーン」という、一定のリズムの足音のあと、車に跳ねられる。
 「ポーン、ポーン、ポーン、ポーン」という、一定のリズムの足音のあと、車に跳ねられる。
 「ポーン、ポーン、ポーン、ポーン」という、一定のリズムの足音のあと、車に跳ねられる。

 このループととれる現象と、奇妙な足音がとてつもなく怖い。ループがかなりの効果を齎していると思われるが、中村隆太郎らが、この現象が与える効果を熟知しているというのもまた恐ろしい。

 そして、本作はジャンプスケアを一切使用しない。

 エンタメ性の高い王道の演出から外れ、常に邪道と現実味を重視する。セリフにノイズを掛け、何て言っているのか分からない。子供の視点から見た大人、壁の高さと恐ろしさ。悪くない天気。拉致されるシーンは昼間で天気も良いんですよ。まぁこれが気持ち悪い(褒めてます)。

 また、方言についても無視してはいけないポイントの一つ。聞き慣れぬ方言に、僅かな違和感を持つ。人によっては大きいかもしれない。この方言は水面下での違和感の発生を齎している。
 私は、濱口竜介の『寝ても覚めても』に似たものを感じた。『寝ても覚めても』では、関西出身ではない役者に関西弁を喋らせ、異様な雰囲気を作っている。演技もちょっと不気味。しかし、演出力が低い訳ではない。どちらかと言えば高い。いや、むしろ高すぎるのかも知れない。当然、本作も『寝ても覚めても』と同じく演出力は低くない。とても高いのだ。
 この方言による違和感を中村隆太郎と小中千昭は既にやっていたのかも。

 ストーリーについては、克服、そして改善・修復という点に関して弱さがある。トラウマの克服は説得力に欠けるし、終盤家族の修復も描写不足。この2点に関しては残念だった。マコトとミヤコ、強いていうならタロウは良かったが、最も異様なマサユキの家庭の修復は全く描写がない。非常に残念なポイントだった。マサユキの母親の奇妙さは、本当に素晴らしかったからこそ、思ったことだ。

 脚本の統一も良かった。第19話以外の全てのエピソードを小中千昭が脚本を務めている。第19話を観てもらえれば分かるが、これは、小中千昭が苦手とする分野だったのかも知れないと思わせる。
 テレビシリーズは脚本・絵コンテ共に、統一性をはかるのが難しい。違う方が務めることが必ずあるからだ。しかし、本作は小中千昭がほぼ、脚本を書き、中村隆太郎の絵コンテに合わせた他のアニメーターたちの絵コンテも見事だった。中村隆太郎自身が他の絵コンテを直しに直している可能性はあるが…。


④映像
 本作の映像は新しかった。新奇性が見られた。CGとデジタル技術を用い、一人称で見せたりと興味深いものがあった。ホラーの描写はやはり圧巻。
 しかし、アニメーションそのものに視点を向けたとき、さほど高品質ではなかったかなと。序盤は、わざわざ歩いている他の生徒を描いたりと、映像に彩を加えていたが、やや鈍いシーンもあった。日本のテレビアニメが抱える問題は、本作も対象外ではなかった。
 
 それでも先述したように、映像は実に見事です。最高だと思う。
 ノイズだらけの摩訶不思議な前話回想からのオープニング。私はこれを毎回飛ばさず観ていた。毎回微妙に演出が異なることが理由の一つではあるが、この前話回想だけで、ゾクゾクするものがあり、また映像ファンの視点から見ても類のあるものではなかった。演出・映像に興味のある方には、この摩訶不思議な前話回想だけでも是非観て頂きたいもの。

 キャストに関してはそんなに不満はないですが、メインキャストの保志総一朗の演技はいまいちだったかなと。脇役は素晴らしい方ばかりでした。
{/netabare}

おわりに
 やはり中村隆太郎は天才だった。彼の演出は最高だし、絵コンテもめちゃくちゃ上手い。
 本作に合わせ彼の監督作『キノの旅』を観て、『lain』を再観賞した。キノの旅はやや、中村隆太郎らしさを感じにくいものだったが、lainと比べると、本作の演出はやはり似ている。
 また、lainを補完する上でも、本作の観賞はぜひおすすめしたい。中村隆太郎、小中千昭に触れるためもあるが、微小ながらもlainに繋がる部分はある。


 最終評価は 8 / 10点です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

はやさん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最後!!!!

夏なので少し怖いアニメでも・・・と思ってみたのがきっかけです。
このアニメは全部で22話でなっています、20話くらいまでみると「22話で終わるのかな?」と思うくらいでしたが、よくわからない感じに終わりました^^;どうせだったら24話まで作って話をよくわかる感じに終わらせてほしかったです


最初のほうは設定が面白かったのでかなり見入ってしまい、怖いというより面白いという方向に入りました、確かに最初はよくわからないので登場するものが怖いということもありましたが、気にならなくなります

ちなみにこのアニメでは、東京みたいな標準?てきな言葉ではなく、地方の方言ですのでよくわからないかもしれませんが、大体は頭の中で処理できると思います

皆さんが言うように最後のほうでわからないほうが多かったかも知れませんが、設定などが面白く、見入ってしまう方も少なくないと思うので、是非1話だけでも見ていただければいいかなと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

67.4 6 ホラーで友情なアニメランキング6位
学校の怪談(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (248)
1467人が棚に入れました
『学校の怪談』(がっこうのかいだん)は、フジテレビ系列局で2000年-2001年までの間に放映されたテレビアニメ。
【ストーリー】宮ノ下さつきたちは学校の旧校舎に迷い込み、そこで妖怪たちに襲われる。
旧校舎のなかでさつきの母親が遺した「オバケ日記」を発見し、それに記された方法に従って妖怪を撃退する。 そのとき、妖怪「天の邪鬼」をペットの猫「カーヤ」の中に誤って封印してしまう。
カーヤの中から天の邪鬼を追い出すためには旧校舎内の他の妖怪を退治しなければならない事がわかり、さつきたちは「オバケ日記」の情報をたよりに、他の妖怪たちを退治していく…。


声優・キャラクター
川上とも子、間宮くるみ、本田貴子、津村まこと、佐久間紅美、中尾隆聖
ネタバレ

サメロン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

泣ける唯一のホラーアニメ!天邪鬼との友情、そして【幻の第三話】が観たかった……

このアニメを初めて観たのは2000年、当時の私は8歳でした。
本編だけじゃなくてEDも怖すぎて、最後に画面を手がBANってヒビを入れるシーンは卑怯
まだ小学生低学年だった私はビビリまくってこのアニメを観ていました。
てかホラー耐性のない下手な大人が一人で観ても怖がるかも。笑
それぐらい秀逸なホラーアニメです。

ちなみに中学生1年のときに2回目観ましたが、まだ少し怖かったです。
その後にも数回観ていますが、怖がることはなくなりましたね。
実写のホラー観まくって、慣れてしまったのでww


◆◇特殊能力や異能などは一切使わず、知恵と勇気で妖怪達を霊眠させていく◇◆
学校の怪談では他のアニメなどでよくある、特殊能力や異能の力で退治したり、除霊したりはしません。
全てその妖怪の起源にまつわる方法で、退治するのではなく霊眠させて妖怪を封印します。
だからこそ生まれる緊張感や恐怖、そういったものを登場人物達の視点で観ている私達も味わうことが出来ます。


◆◇天邪鬼との友情◇◆
簡単に天邪鬼という妖怪を紹介
『第一話に出てくる妖怪で人間の恐怖心を栄養とするオバケ。
 霊眠場所であった裏山の大楠木が宅地開発で切り倒された事により復活した。
 そして主人公である女の子、宮ノ下さつきの母(佳耶子)に霊眠させられた恨みからさつき達に襲い掛かるが
 オバケ日記を手に入れたさつき達により霊眠させられる。
 だが霊眠に必要な依り代が無かったため、身近にいたカーヤ(猫)の肉体に封じ込められることとなった。
 以降の話でも終始登場するメインキャラ』

この天邪鬼ですが、初めは親子2代に渡り自分を封印したことを恨み、復讐を考えますが
作品を通していく中で、さつき達(特に敬一郎)に愛着が沸き、脅かしたり、嫌味は言うものの
さつき達がピンチになる度に妖怪(幽霊)の霊眠に必要なヒントを教えてくれます。
後半では、自らが囮となって敵に飛び掛ったり(猫の姿のままだが)するなど
自分自身で手助けをしている。

最終話辺りでは{netabare}もう既に力が戻っており、だがさつき達(特に敬一郎)と別れたくなくて
わざと猫の中に霊眠(封印)されていたのでした。
だが最後の強敵である逢魔からさつき達を守る為に猫の体から出てさつき達を守る為に自らを犠牲に逢魔と一緒に霊眠されます。
「貴様(逢魔)のせいで大切な約束を破っちまったじゃねえか!」{/netabare}
私はこの辺りで涙をポロポロと流していました。

今までいつも素直になれず、正反対のことを言っていた天邪鬼が最終話ではさつき達への思い、気持ちを口したシーンにとても感動したのでした。


◆◇幻の第三話。口裂け女の話について◇◆
学校の怪談の第三話『あたし、きれい? 口裂け女』が口唇口蓋裂症の障害者団体からの抗議により放送中止になり、
第一話と第二話の総集編『特別編!!霊眠の恐怖』に差し替えられたのでした。

私は正直これに憤りを感じています。
いくら侮辱される原因になるかもしれないって、アニメ会社に講義して放送中止にするってありえないです!!
そもそも口裂け女と口唇口蓋裂症の障害者は何の関係もないですよね?
それをネタに侮辱する奴等がアホなだけで、このアニメと何の関係もない。
しかもアニメには講義する癖に
当時辺り劇場公開されていた口裂け女の実写映画等には一切言わないのですから呆れます。

この話はガチで観たかったのに、一部の人間のせいで視聴していた人、全員が迷惑をこうむる訳です。
小学生はこういうことに敏感ですから
寧ろ「これ観れなかったのてめーのせいじゃねーか!」と逆に口唇口蓋裂症の障害者の子供達が苛められる原因になると思うのですが……
ほんと呆れて何も言えませんね。

結局この話は完全にお蔵入りとなり、DVDにも収録されず幻の第三話となった訳です。
あー、ホントに観たかった!!


◆◇今作の作品の恐怖心を最大限引き立てるいるのは秀逸なBGM◇◆
学校の怪談の怖さ、恐怖を最大限引き立てているのは間違いなくBGM
何か起こるか分からない不穏なシーンではそれを音で感じさせる音楽
妖怪(幽霊)に追われているシーンなどでは、急がせ駆り立てるような音楽
しかもこれが1つだけではなく何種類も用意されています!
これは凄いとしかいいようがない。


◆◇現在の妖怪事情◇◆
最近、妖怪=恐怖・畏怖する者ではなく
某アニメのせいで妖怪=可愛い・面白い者に変わってしまいました。
これは本当に害悪アニメそのもので
今の子供達は何かあれば妖怪のせい、自分はやってないと全ての責任を妖怪に押し付ける現状。

本来、妖怪とはそれをしたら悪いこと、したらいけないと教えたりする為の存在
例をあげると学校または塾から帰りが遅い子供達を心配した親が
子供達を早く家に帰らせる為に作ったのが口裂け女の起源です。
その噂を模様して実際に口裂け女の格好した女性が出たのも有名な事件です。
そんな妖怪の存在をことごとく否定し、改悪してしまったのが某アニメです。
妖怪大好き人間の私は某アニメを断じて許しませんね!!


と学校の怪談の魅力と現在の妖怪事情語ってみましたが、どうでしたでしょうか?

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

SexySexy♪

懐かしい!そんな歳の頃に放送していた作品で
当時はよく観ていました。

が、正直ほとんど内容思い出せないで現在にいたります。
パンチラする女の子がいたのは覚えてる・・^^;w

ただ、すごーくED曲の印象が残っていて、今ちょっとマイブームになってます♪
もしかしたら、意外とあれ?聴いた事ある!なんて思う方とか思い出す方が
いてもいいような曲調ですヽ(゚∀゚o)
本編とは違った印象の曲でちょっと大人な歌詞だなって思います。

本編というより個人的にはED曲がオススメですw
機会があればまたちょっと観直してみようかな〜って思ってますヽ(*´∪`*)ノ"

OP「グロウアップ」Hysteric Blue
ED「Sexy Sexy」CASCADE(カスケード)←オススメ♡

本編の感想がなくてすみません。
読んでくださりありがとうございました(●・д・ノ)ノ

投稿 : 2024/04/20
♥ : 23

totehi さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

小学生には刺激が大きかったです。

日曜日の夜7時半でしたっけ。すっごく楽しみで楽しみで仕方なく月曜日は学校で友達と話題になっていたこのアニメ。小学生の時の記憶ですが良く覚えています。




感想
当時としてこの作画は凄く良く見えててすっごい可愛かったんだよ。小学生だった自分は怖くて怖くてビクビクしてみていました
でも微エロもあってすっごく刺激的でしたね。話の内容とかも1話1話しっかりできてたみたいだし面白かった。最終話を見て次の週からすっごい萎えていたのを覚えています

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

63.8 7 ホラーで友情なアニメランキング7位
ハイスクールミステリー 学園七不思議(TVアニメ動画)

1991年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (15)
63人が棚に入れました
つのだじろう原作の『学園七不思議』をアニメ化した作品。原作にはなかったオリジナルのストーリーが多くを占め、またその作品のクオリティの高さが当時の小中高生、主婦層に支持を得た。やたらと霊障の起こる「黄泉(こうせん)学園」に通う女子高生、一条みずきは、学校で起こるさまざまな心霊・怪奇現象を、自分の霊力を自覚している月影明子先輩とともに経験していく。「興味本位に霊の世界に近づくと危険よ」という月影先輩の忠告も空しく、みずきはさまざまな学校内の伝説や噂、事故、自殺、いじめ、恨み、悩み、恋愛などといった事件に首を突っ込んでいく。

声優・キャラクター
富沢美智恵、本多知恵子、川島千代子、青羽美代子、芳野日向子、三石琴乃

92.5 8 ホラーで友情なアニメランキング8位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1115)
5358人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 78
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 83
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 97
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