ユーモアおすすめアニメランキング 30

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのユーモア成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年03月28日の時点で一番のユーモアおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.2 1 ユーモアアニメランキング1位
オッドタクシー(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (631)
2098人が棚に入れました
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

声優・キャラクター
花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、昴生、亜生、ユースケ、津田篤宏、たかし、村上知子、高井佳佑、フェニックス、浜田賢二、酒井広大、斉藤壮馬、古川慎、堀井茶渡、黒田崇矢、汐宮あまね、神楽千歌、METEOR

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

まったく、たまにこういう作品に出合うから面白い。

控えめに言って、そんじょそこらで放送している学芸会のようなドラマを見るくらいなら、この作品を観た方が絶対に面白いと思う。

確かに、全てが新しいアイデアと言う訳ではない。
最終回の大ネタでさえ、既に既視感のある展開ではあった。
しかしながら、この作品は素晴らしいと評価できる。
まずもって、

古今東西、タクシーがテーマの映画作品には「名作」が多いと感じている。
そして、たまに大胆な切り口の作品も登場したりするが、それでも「観れる作品」になっている印象のものが多いのは、タクシーという舞台装置がいろいろな人、場面、人生模様との親和性が高いのだろうと想像する。

さて、この作品。
あまり物語に触れる訳にはいかないが、
主人公のタクシー運転手:小戸川を中心に非常に多くの人物が登場する。
そして、複数のストーリーラインが同時進行し、それぞれがポイント、ポイントや人物同士でちょこちょこ交差していく。
非常に綿密に計算され、緻密に物語を紡いでいっているといってよい。
なので、観ているこちら側が混乱するケースもありそうなのだが、登場人物のキャラ付けがシッカリしている(即ち容姿が動物w)なので、意外と混乱はしない。
こういう意味でもヴィジュアル面でプラスに働いているのではないだろうか。

そして、作品自体の雰囲気もとても良い。
この「良い」と言うのは「いい気持ち」ではなく、落ち着いて、しかし、何かが着々と進行しているという、なんとも言えない不穏でダークな雰囲気なのだ。
主人公の小戸川もおっさんチックな落ち着きもあるし、登場人物が悪(ワル)はワルらしくて良い。
昨今は珍しくなってしまったハードボイルド雰囲気をもった、クライムサスペンスと言えるかも。
とても、映画的な雰囲気をもった作品だと思う。
なんなら、どこかのハリウッドとかでも映画化できるレベルのプロットだと思っている、私的には。


・・・さて、
メインストーリに絡んだ表面に見える犯罪(クライム)については、それぞれの悪(ワル)たちが、それぞれの場所に収まり、ひと段落をのテイを見せ。
それぞれの登場人物も、自身の理想を目指しての生活に戻りました。
が・・・、残った真の悪は誰なのか・・・、小戸川はどうなったのか・・・。

余韻を残す終わりとなっております。
詳細はご自身の目で観て、ご想像ください。
観る価値のある作品です。お時間をつくってどうぞ!!

それにしても、ジェンダーフリーのこの時代に、また、爆弾発言をしますが。
(物語の上でのことですが)
やはり、真の悪、恐るべきは女か・・・。
(ここは女性ではなく、オンナと言う表現がふさわしいでしょうw)

さて、この爆弾発言の意図するところとは?
これもぜひ作品を観て、ご判断くださいw。

最後の最後に私のツボポイントを一つw
「白川さんのカポエイラ」

以上です。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 44
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

背乗りタクシー

原作未読

相乗りじゃないよ。
来たよ来た来た!ネタバレ厳禁系。時間延長も使わず1クール全13話で美しくまとめた良作。
タクシーをテーマにすると乗客とのやりとりに様々な人生ドラマを垣間見る秀作ができやすい。フランス映画『TAXI』シリーズみたいにコメディに振るも良し。だが今回のそれはデニーロ主演のマッドでサイコな『タクシードライバー』に近い。

 ふわっとどんな作品か雰囲気だけ
 視聴ハードルとなりそうな先入観

これだけ書いときます。

■ふわっとどんな作品か雰囲気だけ

①オッドだけにオットセイかと思いきやセイウチでした
 ⇒心地よく裏切ってくれます
②あ!?CV花江夏樹さんだったね。納得の最終回
 ⇒演技の幅広げるための意欲作っぽい出だしからの花江節が映えるラスト

月並みですが点と線が繋がる心地よさに身を委ねる作品です。


■視聴ハードルとなりそうな先入観

ずばり動物デフォルメものからくる先入観ですね。あくまで私基準での3類型が以下

1.制作会社/アニメーターや“ノイタミナ”“+ultla”などブランド枠で視聴を決断するやつ
 ⇒『Beasters』『B.N.A』等かっこ良さやメッセージ出てる系。すんなり入りやすい。
2.ケモナー御用達
 ⇒萌え需要供給役。『けものフレンズ』『シートン学園』とかかしら。これもすんなり入りやすい。

1.2.ともに需要はあるのです。私自身2.は興味ないですけど求める層が一定数いることを知っております。そしてこれらグループに入ってすらこないのが

3.みるからに低予算そうな見向きもされないやつ
 ⇒『ビジネスフィッシュ』『アフリカのサラリーマン』等放送した事実すら記憶に残らない系。

この3.に該当しそうなのが本作ではないかと。主要キャラが軒並みアラフォーと巷にあふれてる作品の主人公らより年齢が高い。制作会社聞いたことないし、CVに芸人さん入っててバーター臭ぷんぷんだし、どちらかというと事前の期待はナシですね。
ところがどっこいと掌を返すことなるわけですけど、外形だけでは視聴ハードル高そうなとこあるよねってところご留意ください。

集中して視聴することをお勧めします。早送り厳禁。
そして抑揚のない主人公の発声に眠気との戦いになることも助言しておきます。



※ネタバレ所感

■何を得たのだろうか?

{netabare}ミステリーキッス三矢ユキ殺人事件の真犯人は和田垣さくらということでした。
三矢失踪と内々で処理されたのと並行して後釜に抜擢された娘さん。いかにもな二階堂ルイ逮捕でのびつくり展開だったわけですがちょっと待て。

 デビューご破算じゃないの?

スポットライト浴びる目的での殺人ならその後うまいことスターダムに乗れたのかどうか気になります。背乗り目的の動機で殺人起こしてバレそうになって罪被せただけといえなくもなく、スケールちっさと思えなくもない。{/netabare}


メインの小戸川ストーリーは唸れましたので総じて満足しております。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.14 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/03/23
♥ : 52
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

お洒落クライム・サスペンス

なんだかオーディオドラマみたいな、ハイスピードの会話劇が、
凄くオシャレ感あって、犯罪の匂いしかしない、
暗い話なのに、
キャラクターがみんな子供向けの絵本みたいな動物たちなんで、
なぜだか、楽しく観終えてしまいました。

ただ、なんでみんな動物なのか?
シートン学園とかBEASTARSみたいな、動物の本能と理性の葛藤とか描くわけでもないし、
なんだか変だな。って思っていたんですけど、{netabare}最終話まで観ると、
なぜみんな動物なのかとかいった疑問や、途中でばら撒かれていた伏線が
すべて綺麗に解決されて、
しかもラストシーンが、
タクシードライバーと、例の事件の真犯人が、
夜のタクシーという密室で二人きり。
という、なんだか怖~い終わり方。

なんか凄く、上手く作ったなあ!っていう感じで、
よくまとまっていた作品だと、思います。

犯罪系のサスペンスドラマってあんまり得意ではないけど、
アニメでしか出来ないキャラ造形とか、
会話の絶妙な上手さで、
楽しく視聴できちゃうものなんだと、
あらためて認識させて貰いました。それで{/netabare}結論としては、
白川さんがカポエラを始める瞬間のテンションが、
あまりにも唐突なのが最高に面白くて笑える作品でした!

技を繰り出すとき、技名をわざわざ詠唱するのって、
こんなに面白いギャグに出来るって、楽し過ぎです(^^♪

投稿 : 2024/03/23
♥ : 34

82.8 2 ユーモアアニメランキング2位
この世界の片隅に(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★★ 4.2 (690)
3059人が棚に入れました
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。

声優・キャラクター
のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

戦時下でも蝉は鳴く

浦野家の長女として生まれ育ったすず。
明るくて純真な心を持つ少女。
特技は絵を描くこと。
昭和19年2月、すず18歳。
少女に縁談の話が訪れる。
相手は呉に住む北條家の長男周作。
海軍の軍港として栄える呉の街での生活が始まる。

こうの史代原作、片渕須直監督作品。
当時の街並みを再現した素朴で美しい情景。
戦時下の日常を生きる人々を描く傑作アニメ。

そこにあるのは規則正しいささやかな暮らし。
戦争という非日常の中にあっても、
すずは工夫をして食事を作り、洗濯し、
衣服を直し、日々をたくましく優しく生きている。
しかし戦局は悪化の一途を辿り、
物資の配給は減り、空襲の回数は増えていく。
そして昭和20年、運命の夏を迎える。
広島に新型爆弾が投下された。

{netabare}焼け野原と化した広島の街並み。
敗戦の玉音放送を聴き胸が詰まるすず。
張りつめていたこれまでが飛び去っていく。
泣き崩れるすずの胸中に想いを馳せる。
みんなが笑って暮らせますように。
この映画を不滅のものとした名場面がここに。{/netabare}

戦争ものは総じて苦手なのですが、
ここには前向きなメッセージがあります。
すずが暮らした70年前の広島でも、
夏にはスイカを食べ、蝉は鳴くのですね。
そんな当たり前に過ごす日々に感謝をして、
懸命に生きた彼女にまた会いたいと思います。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 99
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

微笑ましい日常を多く描くことで戦争の悲惨さを表現した名作

原作未読。

【はじめに】
「太平洋戦争を題材にした作品(映画・ドラマも含めて)の中で、これだけふり幅の効いている作品を見たことが無い」
これが私の第一印象でした。
作画や主人公・すずの人柄など、ノスタルジックでほのぼのとした日常の中に、悲惨な戦争がある・・・。

この作品の素晴らしさは、微笑ましい日常を多く描くことで、戦争の悲惨さを表現している所だと思います。
そして、絶望的な状況の中でも、前を向いて健気に生き抜いている人々(特に女性)の姿が、とても印象的でした。

太平洋戦争を題材にした作品の多くは、戦争の悲惨さを過剰に描いたり、(例えば特攻隊のような)兵士を英雄視して描かれる作品が多い中で、かなり異色な作品だったと思います。

『太平洋戦争を題材にした作品は苦手』という方にも安心してお勧めできる、傑作です。

【物語】
物語のほとんどが主人公・すずの目線で描かれている所が面白いと思った。
働き者でおっとり、少し内向的だけど明るい・・・。
そんなすずの目線で描かれていることこそが、この作品の一番の魅力だと思う。

【作画】
キャラデザを含めて、柔らかく、ノスタルジックな印象。
物語の印象とぴったりマッチしていて、とても良いと思った。

印象的だったのは{netabare}大好きな姪・晴美と大事な右手を失うきっかけとなった{/netabare}、あの空襲の場面。
まるで、水彩画を描くかのように表現されている。
幼いころから絵を描くのが得意だった、すずならではの見事な表現だと思う。
そして、「まるで現実の事とは思えない」すずの心情を上手く表していると思う。

【声優】
主人公・すず役ののん(能年玲奈)さんは、すずの役柄とぴったりだったと思う。
素朴な語り口が、この作品の魅力を最大限に引き出している。

【最後に】
書き出したらきりがないほど印象的な名シーンの多い作品だったと思います。
その内、いくつかを書き出しておきます。

~笑った~
{netabare}憲兵に間諜(スパイ)と疑われたくだりは声を出して笑ってしまった。

妊娠の兆候?➝朝食は2人分➝病院へ➝昼食は1人分。妊娠は気のせいだったんですね。(笑){/netabare}

~切なかった~
{netabare}右手を失ったすずのもとを訪ねた、妹・すみが別れ際に言った一言。
「広島に帰っておいでぇや。ひどい空襲も無いし・・・」
この後の歴史を知る者なら、誰もが切ない思いをするに違いない、地味ながら心に響く名セリフ。

玉音放送の後、人目を避け、泣き崩れた義姉・径子とすず。
誰もが勝利を信じ、色々な事を耐えて、我慢してきて、その結果・・・。
こういう所がとてもリアルで良かった。{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 94
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

時代と人間を真正面から描き切った傑作アニメ映画

原作コミックは未読。

率直に名作だと思いました。

アニメファンに語り継がれると言うより、
例えば今なお五十年以上前の小津監督作品を名作として語り継いでいるような、
映画通が半世紀後も2010年代の名画として上げるような作品だと思います。
キネ旬一位は伊達じゃありません。

戦前、戦中における庶民の暮らしを中心に、
しっかりとした考証を元に再現された時代背景に、
テンポ良くユーモアも交えて日常を活写し鑑賞者を惹き付ける。
と同時に心理描写と共に巧みに伏線を張っていき、
それらを綺麗にまとめていく際に、
見る者の心の琴線に触れ、価値観を揺さぶっていく……。

本作がクラウドファンディングの成功例となったことは、
アニメ界もとい日本の映画界にとっても非常に大きな出来事だと思います。


以下ネタバレ感想。
{netabare}
本作を観てつくづく思うのは、
昔、数多く作られてきた戦前戦中を舞台にしたドラマ、映画等の諸作品が、
如何に時代や人間を描いて来なかったかということ。

中には見るべき点もある逸品もありましたが……。
特に私が子供の頃、毎年終戦記念日前後に放送されていた
テレビドラマ等は見るに耐えない物が多かったです。
余程、目先の数字が欲しいのか、神風特攻隊をやたらヒロイックに描いてみたり、
旧日本軍が“現地調達”した女をおっぱい丸出しにして陵辱してみたり、
登場人物が駄作ラノベも真っ青の、荒唐無稽なファンタジーぶりで実在感がまるでない。
歴史を重んじる私にとっては論評の価値もない凡作揃いだった印象。

ちなみに本作の原作は2011年に日テレが
終戦スペシャルとしてテレビドラマ化もされたとのこと。
終戦記念日もようやく、人間に興味を示すようになったようで何よりです。


本作は人間が生きた戦前、戦中の時代がしっかりと描かれていて好感できます。

私は戦時中を描いた作品を観る時、
玉音放送をどう描くか?を重要な指標にしていますが、
本作はその点でもスペシャル。

その玉音放送のシーンにて、{netabare}すずさんは敗戦に納得できないとの趣旨の言動を残し、
憤り、号泣するわけですが、
ここまで心理描写の積み重ねを感じてきた鑑賞者にはその涙は、
それが例えば、{netabare}家事をしたり、スケッチを描いて来た利き腕を失い、
自分のせいであの娘を失い、その上、嫁ぎ先で居場所を失う不安だったり……。{/netabare}
諸々の人間的な事情も相まって感極まった故の涙と理解できるはず。

これが凡作戦争ドラマや戦争体験談を自らのイデオロギー流布に役立てたい評論家の場合、
この時代の人々は今と違ってお国のためを思うが故、泣ける愛国者だったのだ。とか、
軍国主義の洗脳って怖いね。とか、
先入観でもって、乱雑に刈り取っていた所。

あのシーンを観た時、私は戦争に社会的単位として総動員されたまま、
戦後もイデオロギー闘争の駒として引き回されたままになっていた、
あの時代の人々の人間的存在がようやく奪還された感慨を覚えました。{/netabare}


だからと言って、本作はちょっと戦地と距離を置きすぎていまいか?
戦争を斜に見すぎていまいか?という見方もあり得ようかと思います。

でも考えてもみて欲しい……。
確かに、日中戦争以来続いた戦乱で、300万以上と言われるおびただしい数の日本人が死んだ。
けど、それでも、戦争で亡くなった人々は7000万以上だった、当時の日本の人口の5%に満たない。

激戦地や大空襲をかい摘まんだ編集イメージを見せられると、
あの時代、何か日本人の大半が亡国の戦火で、悉く死に絶えたものと錯覚しますが、
大多数の日本人はあの苦難の時代を生き抜いたのです。

その苦境は戦争によるものかもしれないし、
嫁ぎ先でのいびりによるものかもしれないし、
女性の自立が難しい風潮によるものかもしれない。

こうして見出された喪失と苦難を耐え抜いた先の幸福の可能性。

それは決して、あの時代を側面から切り崩してこぼれて来たものではなく、
むしろ、真っ正面から時代と人間を描き切った成果ではないかと私は思うのです。{/netabare}


蛇足
{netabare}
ところで本作では、尊氏の好敵手で、戦前戦中、軍神としてやたら高々と持ち上げられていた、
楠木正成公もネタ?として登場しますがw
籠城戦の鬼である正成殿は、乏しい兵糧を水増しする達人として、
少ない配給でやりくりし、生活の知恵を求めるご家庭でも崇拝されていたのですねw

一方、尊氏は南朝びいきの軍国主義に逆賊と貶められ、
ちょっと尊氏を擁護しただけで大臣のクビが飛ぶ有様でしたw
ムキィィィィィーーーーヾ(。`Д´。)ノ彡

国家、国民ぐるみで数百年前に遡って、一方的に特定の武将を持ち上げ、尊氏をディスるw

あんな狭量で失礼千万な時代。ゆめゆめ繰り返そうなどと思ってはなりませぬw{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 52

71.5 3 ユーモアアニメランキング3位
スローループ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (268)
775人が棚に入れました
海辺でひとり、亡き父に教えてもらったフライフィッシングを嗜む少女・ひより。 いつもどおりに釣りをしていると、いきなり海に入ろうとする天真爛漫な少女・小春と出会います。 一緒に釣りをする事になった2人でしたが、実は親の再婚相手の娘どうしで…? ひょんな出会いから「姉妹」になったひよりと小春と一緒に、「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

きららの皮をかぶった軽く闇(やみ)な人間ドラマ(釣りもやってます!)

まんがタイムきららフォワードに掲載の漫画原作は、連載は読んでいますが単行本は持っていません。

タイトルの「スローループ」はフライフィッシング(毛針を使った釣り)の用語から。フライ(毛針)のついた釣り糸を目的の場所に向かって送り出す(キャスティング)時の方法ですね。

キャラクターデザインは、原作からかけ離れてはいないものの過去のきららアニメっぽさに寄せた感じになっています。私はアニメのキャラデザの方が好きかもしれないです。

さて、そんな『スローループ』ですが…。

母親を亡くしている小春と父親を亡くしているひよりが親同士の再婚で血のつながらないしまいになってしまうという、ときどきラブコメ(の場合は男女ですけど)で見かけるような設定になっています。二人の名前をつなげると「小春日和」になるのはもちろん狙っているんでしょうけどね。

小春とひよりの他に、ひよりの幼馴染みである恋ちゃんを含めた三人がメインキャラとしてED主題歌でもフィーチャーされています。このときの三人でスクリーンを見ているみたいなアニメーションがけっこう好きです。

本作では基本的には、父から教えてもらったフライフィッシングにこだわりを持つひより、釣り用具店の娘として釣りに詳しい恋ちゃん、そしてそんな二人を通して釣りに興味を持ち元々得意であった料理で釣った魚を捌いてゆく小春、といった構図でほのぼのとしたストーリーが展開していきます。

ですがその裏では三人それぞれになんとなく闇を抱えて生きています。そんな三人がそれぞれの闇と向き合いながらお互いの距離を縮めてゆく、『スローループ』はそんな物語…。

個人的にはネタバレとは思わないのですが、三人の闇については一応改行を多めに挟んだ以下で言及しておきますね。





ひより: 実父にはとても可愛がられて育ち、そんな実父を亡くした傷みから立ち直りきっていません。母の再婚自体は祝福しているものの、再婚相手を自身の父親としては認められていなかった感があります。

小春: こちらも母と弟を亡くした経緯がかなり悲しい物であり、ひより同様父の再婚相手を自身の母親としては認められていなかった感があります。

恋: 父親同士も釣りを通して仲が良く、ひよりとは小さな頃からの長い付き合いであったはずなのに、ぽっと出の小春に「ひよりの隣」というポジションを取られてしまったという嫉妬めいた感情が生まれてしまっています。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

22年冬アニメのきらら枠作品

久々のきらら枠の作品…なのではないでしょうか。
21年冬アニメで放送された「ゆるキャン△ SEASON2」以来かな?

原作は未読ですが、きらら枠であることとアニメーション制作がCONNECTさんと知って視聴を決めた作品です。

CONNECTさんは、「魔法科高校の優等生」ではっきりと認識しました。
本編より作画、特にキャラデザが格段に良くなっていましたからね。


海辺でひとり、亡き父に教えてもらった
フライフィッシングを嗜む少女・ひより。

いつもどおりに釣りをしていると、
いきなり海に入ろうとする天真爛漫な少女・小春と出会います。

一緒に釣りをする事になった2人でしたが、
実は親の再婚相手の娘どうしで…?

ひょんな出会いから「姉妹」になったひよりと小春と一緒に、
「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

きらら枠独特の癒され感というんでしょうか…
兎に角安心・安定感が抜群の作品でした。

家庭の事情はお互いにちょっと複雑…
だけど、親が再婚する相手同士だったことも相まって、ひよりと小春はフライフィッシングを通してお互いの距離を少しずつ縮めていきます。
この作品は、その距離感の縮め方が抜群であると同時に、最大の見どころになっていると思います。

そして、ひよりの幼馴染である恋ちゃんの存在を忘れてはいけません。
これまでひよりと恋ちゃんだけだった場所に小春が入ってきました。

小春がひよりにとって新しい大切であることをきっと恋ちゃんは誰よりも分かっていたと思います。
でも、それと同じくらい、恋ちゃんはひよりとたった二人だけの時間と場所を物凄く大切にしていました。

好きだからこそ、心がモヤモヤする時ってありますよね。
3人で乗り越えなきゃいけない壁だと思います。
もちろん、乗り越えられない壁じゃないと思いますし、寧ろその先の景色を見たいと誰もが思っている…
3人集まると社会が形成される、とは正にこの事ですね。

私はフライフィッシングについては疎いので良く分かりませんが、虫に触れない、が始めたきっかけというのは可愛らしいと思いました。

私の小さい頃、釣りをするなら海での餌釣りだったので、アオイソメなどに触るのは全く抵抗ありませんでしたけれど…
これが男女の違いなんでしょうね。
そういえば、当時妹の釣り竿にも仕掛けと餌を付けてあげたことがあったっけ…
もう随分昔のことなのですっかり忘れていましたけれど。

きらら枠の王道とも言える作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、奈央ぼうときよのんの新ユニット「ぽかぽかイオン」による「やじるし→」
エンディングテーマは、による「シュワシュワ」
「Three∞Loop」はひより、小春、恋ちゃんの3人組ユニットです。
そういえば、奈央ぼうときよのんがユニット組むってTwitterで挙げてるの見た記憶があります。
2人ともワルキューレ繋がりですからね…歌唱力はピカイチだと思います。

1クール全12話の物語でした。
久々のきらら枠にしっかり癒して貰いました。
やっぱり、毎期1作はきらら枠の作品が見たいんですけど…
少し前までは毎期放送されていましたが、どうしたんでしょう。
コロナの影響とかあるのかな?
とは言え、しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 21
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

温かい気持ちになれる

久々のきらら系、釣りアニメ

{netabare}
まさにきらららしい百合作品で毎回楽しめた。
家族設定に結構深い闇があったにも関わらず特に何もなく終わって言ったけど、まあきららだし日常回が良かったので特に不満はないです。
ちゃんと題材からも脱線せず、毎回釣り関係の話を入れてくるのもきららではなく、釣り作品としてしっかりしてるなあと思った。
ただ、釣り用具の説明がやたら長かったのは少ししっかりしすぎてたかなぁとも思うけど、釣りアニメだしこんなもんかな。

釣りだけでなくて魚料理も色々紹介されてて結構飯テロアニメだった。美味しそう。
ひよりは釣りが得意で小春は料理が得意、恋は釣り具関係に精通しているというのもいい差別化ですね。

会話は正直滑ってるとこも多かった気がするけどそこ含めてなんやかんや楽しめたかな()

ていぼう日誌の方が評価高いのは理解できるけど、自分はこっち派です。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
久々のこういう系。でかい。おいしそう。
正直ノリが結構滑ってる気がするけどかわいいからいいや。
これ系は1クールに一つは欲しい...。

2話 ☆10
とまどい→レシピみたいな曲名だな。
鯉?w 高校生に店番任せるな。解説が分かりやすい。
とんでもない糞親じゃねーかw 
名前の由来面白いわ。このアニメ家族に問題ある人多くないか?
小春も釣り中毒じゃんw 

3話 ☆9
え、重くね? 小春は父と一緒でひよりが母と一緒ね。
オタク特有の早口。恋する小惑星。

4話 ☆8
料理番組かな? こいの父闇深すぎやろ...
日焼けしすぎw 誕生日めっちゃ祝ってくれる人いるじゃんw 

5話 ☆7
厚着こいかわいい。グロい。そっちの寝るかと思った。
安定のおいしそうな料理。離婚したやんけ...。謎シリアス

6話 ☆8
会話の言い回しが結構滑ってるかな...。
今回マジで小春のセリフ滑ってないかw
幼女w 釣り師は色々とつながりがあるのね。
うまそう。地味に飯テロアニメだなこれ。

7話 ☆6
外国人に笑われてそう。時々ギャグが滑ってるよな。
子供たちと遊ぶシーンカットされすぎじゃない?
子供の方が釣れてるじゃん。うまそう。

8話 ☆8
セミ気持ち悪い。異世界食堂のOPかな?
ほんとに言うの?w なんか人間の自己満足自分勝手感があるな
釣ったら食べろや
どっちが母と一緒とかがマジでわからなくなる。

9話 ☆9
ゆるキャン△ ほんとセリフが所々滑ってるw
百合アニメいいぞ。いくらで何でそれを思い出したし
そうなんだ 特殊ED

10話 ☆8
学校での話珍しいな。こいつら詳しすぎやろw
てか男も出るんだ。この二人可愛い。悪趣味すぎるw

11話 ☆8
ゆるキャン△ 自然な導入
仲いい人が自分抜きで楽しそうにしてるってことね。

12話 ☆8
説明長いなw 魚一匹の代わりにスマホが犠牲にw
いっつも飯食ってんな。

曲評価(好み)
OP「やじるし→」☆8.5
ED「シュワシュワ」☆8.5
ED2「ゆるゆらりる」☆8.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 7

80.9 4 ユーモアアニメランキング4位
ナイツ&マジック(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (773)
3956人が棚に入れました
凄腕プログラマーにして重度のロボットヲタクの青年が転生したのは、巨大ロボット『幻晶騎士=シルエット無いと』が大地を揺るがす騎士と魔法の異世界だった!?
エルネスティ・エチェバルリアとして生まれ変わった彼は、豊富なメカ知識とプログラマーの才能を活かして、理想のロボット作りをスタート。
だが、その行動が予期せぬ自体に発展して…!?

ロボットヲタクの野望が、異世界を変える!!

声優・キャラクター
高橋李依、大橋彩香、菅原慎介、内匠靖明、興津和幸、伊藤静
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ロボアニメが苦手な私でも最後まで視聴できました!

原作未読。最終話まで視聴。

異世界転生ロボット&魔法アニメ。
舞台設定が”中世”で、”ロボアニメ”なのに”魔法”がある、という設定が面白い。

【はじめに】
私はロボアニメが苦手です。

2足歩行の意味が分からない。(足にダメージ食らったらお終いだよね?)
手に武器を持つ意味が分からない。(そもそも、腕はともかく手の必要性ってありますか?)
顔が存在する意味が分からない。(逆に、顔が必要な理由ってありますか?)

科学的なのか、非科学的なのか、はっきりして欲しいのです。
こんなことが気になって、心地よく視聴できないのです。

ところが、この作品は最後まで視聴できました。
物語の舞台設定を”中世”としている点と、”魔法(魔力)”の概念が取り込まれていて、『科学的?非科学的?』とか、考える必要が無かったためです。

もちろん、それ以前に、物語として面白かったというのが、一番の理由ですけどね!

【物語】
この作品の一番の魅力は、『展開の早さ』だと思う。
しかも、展開が早くても、物語を見失うことが全く無い。

第1話だけでも、時間軸で考えれば、かなりの時間が経過しているのだが、物語を全く見失わない。
このスピード感は、本来ならば、原作未読組を置いてきぼりにしそうな勢いだけど、その心配は全くない。

それは、ナレーションが完璧に補完してくれるから。
ナレーションが物語を過不足なく説明してくれる・・・。
原作未読組に、とても優しい作品だと思いました。

【作画】
ロボのデザイン等に関しては私は良く分からないです(笑)。
ただし、動きはとても良かったと思います。
人物も個性豊かに、魅力的に描かれていたと思います。

【声優】
主人公役の高橋李依さんの演技がとても良かった。
ヒロイン役の大橋彩香さんも良かった。

【音楽】
OP、EDともとても良かった。
OPは作品に勢い与え、EDは主人公に想いを寄せるヒロインの心中を綴った名曲。

【キャラ】
主人公の性格は賛否が分かれるかも。
個人的には、いつでも、どこでも、常に前向きな主人公は高評価です。

ディートリヒ。{netabare}最初の登場で、単なるカマセキャラかと思いきや、最後まで大活躍した{/netabare}好キャラの一人。
味方のキャラを最後まで大切に扱っている点は高評価。

【最後に】
ハーレム物にしなかったのは高評価。
{netabare}アディはエルに、エレオノーラはキッドに、ヘルヴィはエドガーにと、{/netabare}各々がそれぞれに思いを寄せている所がリアル。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 69

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界転生したロボオタクの元・青年がロボで活躍する話?

リアルタイムでほぼ完走しました。
今期の中では5本の指に入ります。
あらすじは現代でロボオタクだったプログラマーの青年が異世界に生まれ変わって美少年「エルネスティ・エチェバルリア」として育ったけどロボオタクの記憶は持っていて異世界のロボット「シルエットナイト」に乗って活躍する、って話でしょうか。

まず作中出てくるシルエットナイトのデザインが個人的にはかっこいいと思いました。あと声優さんですが、エルネスティ役の高橋李依さん演技が上手いと思いました。外見は美少年なのにロボオタクなのを見事に演じています。すごい!

シルエットナイトも何種類も出てきて感動しましたね。
とりあえずロボ好きは見て損はないと思います。
こんなところで締めたいと思います。ありがとうございました。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 29
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

好きはクオリティを超える ~なろうの功罪~

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
違うんすよ、夢と浪漫なんすよ(汗)

作品のクオリティとか整合性とかテンプレ感とか厨二感とか行き過ぎたパロとか「どこの幼女戦記?」とか、まあ色々あるのは重々承知です。それは私も不満でしたし。客観的にみて、65点くらいの作品でしょうか。

でも、そんなことよりも、ズバッと胸に突き刺さった、ハイファンタジー感。騎士、ロボ、剣、魔法、戦記、全部大好物なんですもん。しょうがないじゃないですか!(なぜか逆ギレ風)w

この間、あるTV番組でカンニングの竹山さんが言っていました。

「こんなナリした俺が言うのもなんですが、、、恋って、止まらないぜ!」

、、、。

ということで、贔屓で、評価は5です(笑) すごく「好き」なアニメです♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
なんでもかんでもカテゴライズするのは決して良いことではないのだろうが、(あにこれ内では特に悪名高き)「なろう原作アニメ」というのは、もしかしたら、「私達(素人)の安易な妄想を叶えてくれる作品群」なのかもしれないと思った。

(なろう作品の原作はひとつも読んでません。あくまで、アニメ化された作品の中ではということです)

本作を含め、「なろう原作」(とりわけファンタジー)に今のところ共通しているのは、「既成の世界観」+「ワンアイディア」という構成だ。

例えば同期(2017夏)でいくと、「異世界はスマートフォンとともに」も「異世界食堂」も、「指輪物語」や「ダンジョンズ&ドラゴンズ」などから始まり、日本においては「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」、(「ロードス島戦記」)などが広めてきたファンタジーの世界観を「間借り」させてもらっている。そこに、「スマホ」「食堂」という1アイディアを加えたものに過ぎない。本作で言うなら、「プラモデル(技術者+趣味)」であろうか。

既存の世界観を流用するメリットは、「楽だ」という点。これは、「作者が考えるのが」の意味もあるし、「視聴者が受け入れるのが」の意味もある。

勿論、既視感があるというデメリットも大きい。

本作も、「技術者」という色はあるものの、基本的には他のなろう系と同じく、主人公最強系であり、ストレスフリーだ。(一応主人公に努力の描写があり、ハーレムじゃないという違いはあるものの)「じゃあクオリティ的に、異世界スマホと何がどれだけ違うの?」と言われたら、ハッキリは答えられない(異世界スマホは☆2)。

違いは多分、好き嫌い、いや、「自分がどんな妄想をしてきたか」だと思う。私の厨二的要素の根底にあるのは「ガンダム」「銀河英雄伝説」「ロードス島戦記」だ。初めて観た深夜アニメは、「天空のエスカフローネ」。だから、「ロボ」「騎士」「英雄譚」は大好きなのだ。よって、恥ずかしながら本作のような「妄想」をしたこともある。そんな、「自分の妄想」をアニメ化してもらったような、妙な嬉しさを感じながらの視聴だった。

「なろう系」には、良くも悪くも「気軽に観られる底の浅さ」があるように思う。生姜焼きのような親しみやすさと、カプレーゼのように誰でも作れる安易なオシャレ感だ。

勿論、自分には思い付かないような世界観の中で翻弄される楽しみもある。同期なら「メイドインアビス」などはその系統か。でも、AKBが「会いに行けるアイドル」としてヒットしたように、反対方向の良さもあるのだ(別にAKBのファンではないけれどw)。

ただ、☆5ながらもお気に入り棚にならなかったのは、やはり「深み」が足りないからだ。終盤の「ガンダム」「ダンバイン」のパロも不要だった(ギャグならまだしも、熱さをパロで補うのは嫌い)。1期でサクサク進むのも悪くないが、2期をかけて、苦戦や人物描写をじっくりと描いてくれれば、なお良かった。

ということで2期、絶対期待っすよ♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
声とキャラデザ、合ってるの? 作画、気合い入ってる。ロボ=騎士 という作風、大好物なんだけど♪ 最近は、「異世界から現実世界に戻りたい」って作品、ないね。みんな、そんなに現実世界に不満があるのかな。

2話目
なんかこう、気持ちが良い方の主人公最強系だね。

3話目
ガンキャノンだねw ディートリヒみたいなキャラが後半に活躍すると、胸熱。

4話目
老兵の嫉妬、しかし、根本にある忠誠心。規格外の天才をどう受け入れるか。

5話目
騎士団の新設とか、胸熱。

6話目
大事な回だね。幼女戦記にも似た回があったな。モビルアーマー作ってるの? サービス回w 鍵も専用機もメリットはあるけど、互換性と汎用性がな。

7話目
ディートリヒ、格好良いな。ラボとも敵対しない、素晴らしい結末。熱いし格好良いな。ナウシカ?

8話目
いつの間にか、みんな中隊長に♪ THE・ファンタジー♪ オリジナル機体は、もっと丁寧に作ってほしかったな。

9話目
う、ウェスタングランドストームだって!? 、、、ダサいw 航空技術は強いよね。鎖で吊るして降下させるあたり、他の技術との整合性がとれてて良いね。ここまでガチガチのロボバトルは、ちょっと違うんだよな~。

10話目
そこにもラブコメか。もうちょい苦戦しても良いな。

11話目
ほとんど、ガルマだな(笑) どんどん新兵器が登場するね。竜型の兵器か、ラスボス?

12話目
いや、ガンダムパロはもういいよ。台詞遊びはいらないかな。戦う動機が、「ロボットを戦場の中心におきたいがために、戦艦をロボットで倒す」は面白い歪み。

13話目
今度はオーラバトラーですか(汗) そういうのはいらんのですよ。いや、ニュータイプの共感とかさぁ。逆シャアもやり過ぎかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 42

83.9 5 ユーモアアニメランキング5位
オーバーロードⅢ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (823)
4393人が棚に入れました
TVアニメ第1期が2015年7月~9月に放送された第1期が「最凶ダークファンタジー」の名にふさわしい圧倒的なスケール感と、クオリティの高い映像に多くのファンを魅了、2017年には劇場版総集編(前編・後編)が公開。TVアニメ第2期「オーバーロードII」が2018年1月~4月にかけて放送された。「オーバーロードIII」は7月より放送開始。

声優・キャラクター
日野聡、原由実、上坂すみれ、加藤英美里、内山夕実、加藤将之、三宅健太、千葉繁、東山奈央、五十嵐裕美、小松未可子、沼倉愛美、瀬戸麻沙美、佐倉綾音、真堂圭、東地宏樹、楠見尚己、雨宮天、石井康嗣、安野希世乃、逢坂良太、白熊寛嗣、遊佐浩二、小清水亜美、斉藤貴美子、花守ゆみり、石上静香、富田美憂、嶋村侑、櫻井孝宏、土師孝也
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

本格的に世界征服へ?

原作未読。第1期、第2期は視聴済み。最終話まで視聴。

いよいよ、”ナザリックVS人間”の構図で物語が描かれます。
ナザリック(アインズ様)サイドに肩入れすれば、爽快なんですけど・・・。
人間サイドに肩入れしちゃうと、結構グロい作品かも知れないです。
{netabare}対フォーサイト戦や、対ガセフ戦{/netabare}など、少し心が痛みます。

オーバーロードのもう一つの魅力はコメディパート。
第1話の、アインズ様や守護者たちの日常は、かなり面白かったです。
それ以降も、デミウルゴスに対する、アインズ様の知ったかぶりとか、定番ネタも面白かったです。

第4期を期待して待ちたいと思います。



《以下、各話レビュー的何かです》
{netabare}
【第1話】
OP、EDが、いつもながら、とてもカッコいい。
OxTとMYTH&ROID、OPとEDの担当が1期、2期から入れ替わっている。
こういう変化は、ファンには格別の御褒美ですよね。

ナザリックの日常回。
さりげなく、第2期のおさらい。
さりげなく、新キャラ登場。
このさりげなさが、とても良い。

コメディ回であり、サービス回(?)でもある。
しかし、アインズ様の{netabare}入浴シーン{/netabare}って、需要ありますか?

【第2話】
相変わらずデミウルゴスに振り回されるアインズ様。
思わず声が出るほど、ウケた!

カルネ村編。
恐らく本編とは大きく関わらないであろう、カルネ村の日常が丁寧に描かれる。
第2期のリザードマン編とも通じる、丁寧な作風が嬉しい。

【第3話】
カルネ村編のつづき。
エンリの大変な一日。
そして、恐らく、アインズ様にとっても大変な一日(笑)。

いちいち説明がなくとも、エンリの背後でアインズ様が暗躍している様子がうかがえる。

ルプスレギナ。
エンリに絶妙なアドバイスとしたかと思えば・・・。

【第4話】
はい!ルプスレギナちゃん叱られました(笑)。
「ほうれんそう」は組織の基本ではありますけどね(笑)。

アインズ様はアウラを連れて、巨人と魔蛇のもとへ。
しょせん、ハムスケと同レベル。
結果はおのずと・・・。

【第5話】
巨人の群れがカルネ村を襲撃。
前話との繋がりから、アインズ様の指示を受けた魔蛇が、陰で糸を引いていることは容易に想像が出来る。
ルプスレギナちゃんも無事にテストをクリア。

エンリとネム、ンフィは、アインズ様の招待でナザリックへ招かれる。
甘味に目覚めたエンリが可愛い!

【第6話】
捕らわれのデスナイトから始まる、バハルズ帝國編。
皇帝役は櫻井孝宏さん。
パンドラズ・アクター役の宮野真守さんの時も思ったけど、有名声優さんの贅沢使いは人気作ならでは。

デミウルゴスの提案を受け入れ、アインズ様も動く。
冒険者とは異なる組織。ワーカー。
フォーサイト。
この後の話の中心になるんだろうな。

【第7話】
ワーカーたちがナザリック地下大墳墓に、盗掘目的で忍び込む。
いうまでもなく、これはアインズ様たちの企て。
次々と排除されるワーカー。

恐怖公の声優さんは神谷浩史さん。豪華声優の贅沢使い。これも人気作ならではですね。

ガゼフに匹敵するともいわれる天才剣士・エルヤーがハムスケに一蹴される。
三人のエルフの奴隷に見捨てられた末路は惨めでした。

【第8話】
この回は純粋に面白かったですね。

{netabare}アインズの「仲間」というキーワードからフォーサイトのリーダー・ヘッケランが導き出した答え・・・。
『ナザリック地下大墳墓にいるアインズに宜しく』
一見、間違っていない。
しかし、第1期から視聴している視聴者なら分かりますよね?
{netabare}至高の四十一人のメンバーなら「アインズ」ではなく「モモンガ」と呼ぶ。
守護者なら「アインズ様」と呼ぶ。{/netabare}
仲間の名を語った嘘にアインズ様が激怒するのも無理はない。

クレマンティーヌ戦と同様、はじめは戦士として戦うアインズ様。
理由は、{netabare}恐らくあの首輪{/netabare}?

次にマジックキャスターとしての力を見せつけるアインズ様。
アインズ様が魔力探知阻害の指輪を外した途端、アルシェが嘔吐。

『タッチオブアンデス』
超位階魔法保有者のアインズ様にとっては恐らく下位の魔法。
だけど、フォーサイトの面々には目にしたことのない高位の魔法?

イミーナを庇い犠牲になったヘッケラン。
自らの命と引き換えにアルシェを逃がすよう懇願するロバーデイクとイミーナ。
そこでアインズが導き出した答えは・・・。
{netabare}シャルティアに対して『苦痛なく慈悲深く殺せ』と。
「そこのどこに慈悲があるというのですか!」
『教えてやろう。このナザリックにおいて死は、これ以上の苦痛を与えられないという意味で慈悲である』{/netabare}
ひえ~っ!
まあ、実験材料にされたり、拷問を受けたりetc・・・。
そんなナザリックでは、苦痛の伴わない死は慈悲なのかも知れない(笑)。

アルシェとエントマの{netabare}声優さん{/netabare}が同じ理由がここにあったんですね。

Cパート。ドラゴンとともにアウラとマーレが王宮を襲撃。
まず先に相手に手を出させておいて、それを口実に、後から相手の本陣に乗り込んで、相手を屈服させる。{/netabare}

【第9話】
ジルクニフにとっては恐怖の一日だったでしょうね。
{netabare}居城に乗り込んでこられたら、目の前で大量殺戮。
ナザリックに呼びつけられたら、デスナイトの出迎え。
玉座を間を一望しただけで把握できるであろう、圧倒的な財力と武力。{/netabare}

ジルクニフ一同が帰った後の玉座の間のくだりは、とても面白かった。
アインズ様の心の叫びと守護者たちの過大評価!
これぞオーバーロードの真骨頂!

ラストの演出はとても良かった。
アインズ様の圧倒的な魔力を目の当たりにした{netabare}フールーダの{/netabare}声の上ずり方。
興奮と歓喜が否応なしに伝わってくる。
{netabare}フールーダの方を見向きもせずに前を通り過ぎるジルクニフとそれを見送るフールーダ。{/netabare}
言葉が無くても、お互いに察し合ったことが伝わってくる。


【第10話】
王国と帝国の戦争が近づく。

レエブン公は第2期ぶりですね。

第1王子のおバカぶりが笑える。

【第11話】
エンリ将軍が誕生し、第1王子のおバカな行動が、笑えない事態を巻き起こす回。
そもそも、情報収集に行くだけなのに、{netabare}5000人もの{/netabare}兵士を引き連れて行けばどうなるのか?
情報収集すらまともにできないおバカぶり。

数で押し切ろうとしたら、逆に数で押し込まれて、撤退・・・。
おバカ丸出し・・・。

アインズ様が動揺するさまも面白い回でした。

【第12話】
アインズ様の超位階魔法に王国サイドも帝国サイドも圧倒される回。

ところで、アインズ様が言っていた、『3人いや4人の殺してはいけない人』って誰と誰なんですかね?
{netabare}クライムとガゼフは決定でしょうね。
クライムには、ラナー王女から目立つ鎧を身に着けるように指示がありましたからね。
これは、デミウルゴス辺りからの入れ知恵でしょうね。
大勢の中で間違えて殺されないように、目立つ鎧を身に着けろ、と。
ガセフも、この後アインズ様からスカウトされましたからね。
まず間違いないでしょうね。{/netabare}
残りの2人は、今、戦場にいるのか?いないのか?で意見が分かれちゃうかもしれないですね。
今、戦場にいる場合なら{netabare}国王とレエブン公かな?{/netabare}
今、戦場にいないとすれば、{netabare}ラナー王女とザナック第2王子かな?{/netabare}

【第13話】
{netabare}アインズ様を殺せるほどの武器の存在。{/netabare}
シャルティアの精神支配のくだり以来の重要な話となりそう。

パンドラズ・モモン登場(笑)。
{netabare}『トウッ』って・・・。{/netabare}
思わず{netabare}『お前』{/netabare}って言っちゃった、アルベドが可愛い。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 61

ヒロウミ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

4期以降ってまさか2期円盤の売上次第とか無いよね?よね?

オーバーロード2のク◯の産毛にもならない物語は2期目6話締めで上等。それ以降を3期の物語と絡めたらもっと色々できたんじゃないの?これ!な物語。



戻った!戻った!やっと進んだアインズロード。そしてオーバーロード2の1クール無駄遣いは本物だった!このオーバーロード3で2の存在感って放送時間1話分もあるか無いか分からん程度。一体オーバーロード2って何だったんだろうね。分割2クールにするからダメになるんだよ、本当に勘弁してよね~!
ってな感じで成り行きで進んでしまう世界制覇や世界の謎の解明。っていっても何も解明されてないか少なくとも時間の変動というか世界の変動を感じられるだろう。

しかし食べ物の作画ひっどくなったね。元々絵がキレイな会社じゃないから期待はしてなかったがこれはなかなかの・・・。マッドハウスってもう少し丁寧な会社かと思ってたが2期の駄作具合と3期の所々ある片手間作画&3DCGの雑さはかなり痛々しい。物語自体は1期も3期も良い構成だとは思うんだけど。


ちょっと売れちゃったらすぐパンクしちゃうって中小企業の悲しい性というか、残念だなぁ。ってかアニメ業界に世間で言う大企業ってないのか。
とにもかくにもアニメで追いかけておくれ、マッドハウスさまぁ~!

投稿 : 2024/03/23
♥ : 29

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

主役はあくまで…そうだったな! そんな感じを受けてしまう作品

安心安定の面白さ。とはいえ、理不尽極まりない話しも多分にあり、好きな人は好きだし、苦手な人は苦手だろうと思います。

3期はカルネ村とかガゼフとか、1期を見てないと繋がりが分からない話が中心です。また、ナザリックがいよいよ表に出てくるという、分岐点みたいなものでした。にしても、アインズ様の考えの及ばない上を行くデミウルゴスにあたふたするアインズ様が相変わらず滑稽。

理不尽極まりないと言いましたが、遺跡探索隊討伐はもはや虐殺とでも言いたくなるような、そんな残酷な話です。どう感じるかは見た人の感性に頼るしかないでしょう。また、ガゼフの話はガゼフという人の良さが際立ち、退場はもったいない…。

続き、気になります。ここまできたら先も、そう思います。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 31

78.6 6 ユーモアアニメランキング6位
機動警察パトレイバー the Movie(アニメ映画)

1989年7月15日
★★★★★ 4.1 (380)
1817人が棚に入れました
すべてが朱に染まる夕暮れ、篠原重工の天才プログラマー・帆場暎一が、バビロンプロジェクトの要となるレイバー用海上プラットホーム「方舟」から投身自殺する。その口元に嘲りの笑みを浮かべながら…これが、すべての始まりであった。時期を同じくして、レイバーが突如暴走する事件が多発、遂に自衛隊の試作レイバーまでが暴走事件を起こす。特車二課第1小隊は、近々正式配備される新型パトレイバー(通称「零式」)に関する研修中のため不在。単独で暴走事件の処理に追われる第2小隊の篠原遊馬巡査は、多発する暴走事件の異常性にいち早く気付いて独自に調査を始め、原因が暴走した機体すべてに搭載されていた篠原重工製の最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)ではないかと推測する。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、西村知道、辻谷耕史、辻村真人、小島敏彦

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「Sightseeing ?」「No, Combat !」by 香貫花・クランシー

今の中高生に是非観てもらいたいシリーズ、『機動警察パトレイバー』の劇場版第1作。

レイバーが突如暴走する事件が多発し、事件の処理に追われる第2小隊の篠原遊馬巡査は、多発する暴走事件の異常性にいち早く気付いて独自に調査を始める。
原因が暴走した機体すべてに搭載されていた篠原重工製の最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)ではないかと推測するが、それと同時にとんでもない事件が起こるが発覚する。

映画公開当時(1980年代後半)は、まだパソコンの普及度が低い時代だったが、その頃から早くも「コンピュータウイルス」に着目し、映画の重要な要素として取り上げた点が高く評価されている。

元々、OVAから始まりその延長上で制作された劇場版ですが、この作品からでも十分観れる内容となっています。
(もし、過去作も観たいなら、旧OVA版をお勧めします。)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 7

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

☆近代史を語れるエンタメお手本作品(仮)

■評価
テーマ性  :★★★★★ 5.0
エンタメ度   :★★★★★ 5.0
シリアス度   :★★★   3.0
脚本巧み度 :★★★★★ 5.0
おススメ度 :★★★★☆ 4.5

■ストーリー
レイバーメーカー篠原重工の天才プログラマーである
帆場暎一が不可解な投身自殺を図る。それと同じくして
東京界隈で原因不明のレイバー暴走事件が多発する。
事件対応に苦慮する特車2課であったが、後藤隊長の
暗黙の命により同課の遊馬が単独捜査に乗り出すが
帆場暎一の自殺には恐ろしい陰謀が隠されていた。
1989年劇場版パトレイバー第一弾作品

■感想
本作は劇場版のエンタメ作品としての出来の良さは随一と断言できます。
1989年作品ではありますが、古臭さや前時代を感じるというよりも
近代史を感じるといった方が分かりやすい作品です。

まず本作で一番に褒め称えたいのは、ストーリー構成・脚本と描写の
完成度の高さでしょう。帆場暎一をめぐる捜査の過程で描かれるキャラ達の
心理描写と展開される真相の動線が非常に分かりやすく、視聴している側も
一緒に真相をおっている様な錯覚を覚えます。また予想の半歩先を行く二段
三段落ちの素晴らしいおケツマツもお見事の一言につきます。
押井監督が作ったとは思えない程パトレイバーらしさを保ち、至極の
エンタメ作品に感じれるでしょう。また作中に登場する『サイバーテロ』
『リコール隠し』といった要素は当時よりも現代の方がその恐ろしさを
実感できる点が古臭さを感じさせない要因の一つでもあり、未だに本作を
視聴していない人に薦めてしまう作品です。

そして本作のテーマですが、個人的には『時代への不満と怒り』だと
思います。まず本作の真相の肝は『犯人の動機』になると思いますが
これを考える前に本作が作られた当時の時代背景を少し語っておいた方が
楽しめると思います。
当時1980年代後半は日本は経済大国といわれる程の経済的な発展を遂げ、
時代はバブル時代へと突入していました。そのため湧き水の様に吹き出る
ほどお金が稼げた上に、大枚ばら撒いて昼夜問わず遊び倒し、量産型T式
パンツを見せながら踊り狂うジュリアナ嬢、飲酒運転、高級車の衝動買い
なんてのも当たり前。また日々自覚できるほどの科学・工業・建築技術
が発展した事で古き物(古き良き物も含む)は壊され、物を大量消費し
大量廃棄する事が正義とされ、人も文化も洗練されていない時代でした。
(これはその時代に生きたお父ちゃまにヒアリングして裏をとっております)

この行け行けどんどんの時代で、果てしない欲の追求と無限の浪費生活を
送る日本人に少なからず倫理観への猜疑心、不満や怒りを漠然と感じて
いた人もいたのではないかと思います。おそらく押井監督もその一人だった
のでは??だからこそ漠然としてみえない不満や怒りを、そのまま形を
なさない動機として犯人に宿し、同時にバブル時代の価値観というものを
間接的に風刺したのではないかと考えています。またこの漠然とした時代
への不満と怒りが、明確な形として描かれているのが次作の劇場版パトレイ
バー2になります。

総じて、この100分程度の劇場版作品に色々な要素を盛り込んだ作品であり
作画も含めて褒める所の多い作品です。お時間のある時にでも気軽に
見てみてくださいまし。

でゎでゎ~ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 18

ペエ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

名作です

間違いなくこの作品は観るべき。
1989年の作品ですが、今観てもまったく古臭くなくそれどころか現在の方が話が理解しやすく感じます。
OSの話が出てきますが、Windowsすら発売していない当時にどれだけの人がこの内容を理解できたのか疑問です。

ロボットアニメとしてのロボット格闘シーンは少なめです。
そういうものよりももっとドラマ性に主体をおいている作品です。
ちなみに、劇場版2作目、3作目とさらに少なくなっていきます。(3作目なんかはさすがにロボット要素が少なすぎですが)

攻殻機動隊のって言えば誰でもわかる押井 守さんが監督をされています。
攻殻機動隊が好きな方ならはまるんじゃないでしょうか

投稿 : 2024/03/23
♥ : 3

77.9 7 ユーモアアニメランキング7位
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (727)
3548人が棚に入れました
エジプトでの宿敵DIOとの死闘から11年後。
1999年、空条承太郎は祖父ジョセフ・ジョースターの隠し子、東方仗助に会うため、
日本のM県S市、杜王町にやってきた。
しかし発見した仗助は承太郎と同じ特殊能力、「スタンド」を持っていた。
そして、承太郎の来訪を皮切りにまるで引かれ合うように、新たな「スタンド使い」達が動き始める。
「この町には何かがある…」
生まれ育った杜王町を守るため、仗助は立ちあがる――

声優・キャラクター
小野友樹、梶裕貴、高木渉、櫻井孝宏、小野大輔
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

思いっきりやってくれたアニメスタッフに感謝

2016年4月~2016年12月放送のTVアニメ。全39話。

放送前に書いた通り、思いっきりやっちゃって欲しいと思っていたら、本当に思い切ったやり方になってました!

脚本は常に安定していて、スムーズに尺に収め原作で描かれなかった部分を補完するよう、細かな部分がカット・改変されています。
それでも尺の振り分けには苦労したようで、思いきった手法を取ったのが31話から34話。本編に関係無いけど面白いシーンがなくなっていたりするのはかなり勿体無いですが、一つの方法として面白いと思います。

原作でも感じていた事ですが、第4部は杜王町の至る所で一見繋がりの無い事件が起こりその全てがテーマを様々な角度から浮き彫りにしていく構造。ラスボスが登場してからの盛り上がりは本当に見事です。

改変に関してはキャラクター同士の関係性の補強などは特によく出来ていて、仗助と億泰と康一の仲の良さ、康一と由花子の恋の発展はかなりわかりやすくなっています。
キャラクターそのものも原作後半準拠で綺麗に整えられて、仗助は原作4部中盤以降の親しみやすい人物像に、承太郎は6部からの設定を反映して大人の貫禄をより強く感じる落ち着いた雰囲気に統一。細かな印象の変化は数えきれず、原作との比較が実に楽しかったです。

個人的にはBGM作曲者が3部と同じで、地続き感が良いなと思う反面、雰囲気が似てしまう時があってちょっと勿体無いと思いました。音楽の使い方も、ホラーのシーンではもう少し無音の部分を増やして欲しかったですね。

作画はアニメーターの個性がよく出ていて楽しかったですが不安定な時もあり、連続3クールはかなり大変だったようでした。本当にお疲れ様でした。


【ヴィジュアル面・演出面】
{netabare}
西位輝実さんのキャラクターデザイン原作に比べ大分シンプルに仕上がっていて賛否ありましたが、私はイメージが固定しすぎない良い絵柄だと思います。4部のエピソードはシリアスからギャグ、気味悪いものから感動するものまで振り幅の大きさが魅力ですが、キャラデザもまた、シリアスにもコミカルにも、濃くもすっきりも見せられる自由度の高さが素晴らしい。
描く人・描き方によって個性的に仕上がり、西位さん自身もBDジャケットのようにしっかり描き込んだ濃い絵も仕上げたりしていて、個人的には非常に楽しく堪能させていただきました。
欲を言えば、第一弾PVやOPのような柔らかい動きをもっと見たかったかも。表情の変化は濃さも残しつつ、優しい印象のシーンが増えましたね。

おなじみの効果音表記は、康一のスタンド演出を目立たせるために全体的に控えめに。
色変えはさらにビビッドになり、テクスチャは漫画のカケアミやスクリーントーンのようなイメージの模様が多く使われています。

演出では画面切り替えにかなり凝っていて、1エピソードをコンパクトにまとめなければならない時、場面を印象強く繋げる際に多用されています。このやり方、効果的かつ挑戦的で新鮮でした。{/netabare}


【4部のテーマは普遍的】
{netabare}
原作で一貫している「日常の中の非日常」は時代が変わっても共通する根源的かつ身近な問題です。
日常は守らなければ続かないもの。それは例えば「プリキュア」などにも共通する要素があると思うのですが、プリキュアも10年以上続いているように、ジョジョ以前からも似たテーマを扱った作品があったように、古びないテーマであると感じています。

アニメの演出面でもそのことに非常に気を配っていると感じました。平和なラジオに載せて吉良の日常(切り取った手)を映すのはその筆頭ですし、悲惨な虹村家のエピソードのラストに明るくちょっとおバカな億泰を持ってくるなんて、日常に引き戻しコミカルに物語を閉じるとても効果的な演出です。
だから実は、トニオさん回みたいな日常回がとても力が入っているんですよね。エピソードカットはせずシーンのカットのみできつい尺に合わせたのは大変だったと思いますし、尺がぎりぎりで勿体無いエピソードもありましたが、日常回を削ってしまうと4部の魅力は少なからず損なわれてしまいますから良い判断だったと思います。

荒木先生の杜王町の描き方はご自身の故郷がモデルですからリアルな部分や身近な感覚がありますね。
アニメでも丹念な町づくりをしつつ、特徴的な画面作りによって非現実感が強くなっています。

リアリティを感じない色使い、閉塞感を感じるような背景は独特。遠くに映る海と山が外界との繋がりを視覚的に阻む杜王町は、劇の舞台のように、幕を閉じるまで出られない「箱庭」です。ディレクターの津田さんが雑誌で「箱庭感を出したい」という内容の発言をされていたと思います。
最終回で承太郎とジョセフが船で杜王町を出るまで、町から生きた人間が出る描写がないのは象徴的でした。

ネットで視聴感想を見ていると、形兆と父親の関係を現実の様々な問題に照らし合わせている人が多かったり、それ以外でも、誰もが自由に感情移入できる間口の広さを本作では改めて実感しました。
誇張こそされていても、荒木先生の人間描写には身近さを感じ、憎たらしいのに愛されるキャラクターもいれば、批判されるべきなのにその境遇に涙せざるを得ないキャラクターもいる。品行方正ないい人は杜王町に存在しません。主人公の仗助だってお金が絡むとちょっとゲスになりますしw
善悪で割り切れない人間がこんなに愛される描かれ方になったのは4部からじゃないかと思います。一度顔を合わせ内面を知れば、彼らは同じ町に住む隣人となりますが、一概に「味方」とは言えないのが面倒で面白い所ですね。

例外はアンジェロ、音石、吉良といった自分のために何も知らない人を踏みにじる存在です。彼らは家族や友人といった「大切なもの」の描写が一切無い。
自分だけが良ければそれで良いという者とは共に生きられないことは、鼠の一件で承太郎が語ったとおりですが、そんな存在が町のどこにいるのか解らないというのは現実でも遭遇する恐怖です。

顔の見えない隣人の恐怖はむしろ原作執筆当時よりも作中の1999年よりも、情報化社会である現代ほうがよほど切迫した問題となっているように感じます。
当時のジャンプでこのテーマを掲げた荒木先生は凄いなと思いますが、アニメスタッフは4部をよく理解し、時代性も加味して若干のアレンジを加えてストーリーと映像に落とし込んでいます。
だからこそ古い作品が原作でありながら斬新で、改変していながら根底に流れるテーマ性が変わらない。
原作を尊重しながら、アニメスタッフの個性と一貫した方向性が見出せる、素晴らしい作品に仕上がっていると感じます。{/netabare}
(2016.12.31)


【以下初回感想】
{netabare}
初回だけ感想を書こうかと思います。

全体的なイメージはぴったりでした。脚本の細かな変更点、演出意図などは合理的で、今後の方向性も感じられました。
ただ、色彩がきつすぎるとは思います。4部の奇妙さは色で出すということですかね?日常描写が多いから、むしろ地味になるかなって思ってた時期が私にもありましたw
ビジュアル面ではソエジマヤスフミさんがクレジットされてないのが気になるところですが…

作画は予想通り大変そうでしたが、自分としてはそういうところまで含めてなんだか好きです。表情の豊かさ柔らかさを大切にするというスタッフの意思は受け取った!
{netabare}
仗助は原作序盤のヤンキーっぽさはナシ。小野友樹さんの演技もとても良かったです。
PVでも感じましたが、原作と違い最初から「見た目はアレだけど普通の高校生」のイメージで来ましたね。年頃の男子らしく小さな意地を張るシーンもあり、これから成長するキャラクターとして描写していると感じます。
完璧系だった承太郎との差別化も出来ますし、良い方向性だと思います。
康一との会話で「不穏なことに首を突っ込む気は無い」「自分の今の生活にそれなりに満足している」という趣旨のセリフが追加されていて、ここから「守ろうとしなければ平穏は続かない」と気付く流れがより自然になるだろうなと感じました。小林靖子さんやっぱりベテランなだけあって上手ですよね。
{/netabare}
続きが楽しみです。好きな方向性なのでこのまま行って欲しいな。
(2016.4.4)
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 31
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

グレートでスよ こいつは!

真紅のロマンホラー、長編漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第4部のアニメ化作品。

絵柄の緻密さというか、画風がこれまでのシリーズと比べて変わりましたが、これは原作準拠だと言えると思います。漫画原作を読んだ事のある私も、3部ラストあたりから4部オープニングにかけての画風の変化に少なからぬ違和感を感じた覚えが有ります。肉体の表現がより流線型を帯び、硬さが減りしなやかになった様な感じです。背景の描き方も前シリーズまでに良く見られたゴチャゴチャした(私は結構気に入っていた)暗い感じが少なくなりさっぱりとした印象があります。

上記も踏まえ、テレビ版ジョジョシリーズ全てを通して言える事ですが、これよりも完成度の高いアニメ化は望めなかったのではないかと思われる程に、この作品も素晴らしい出来栄えのアニメになっていたのではないでしょうか? ファントムブラッドのアニメ化を契機にジョジョ人気がさらに高まり、一躍メジャーなアニメ(漫画)タイトルになったのも頷けます。

ファンタジーでありながらリアルな設定を詰め込んだ、本当の様な嘘の話。独特の台詞回しやジョジョ立ちと呼び習わされているキャラの美しい?ポーズなどに魅了されたファンは古くからいたはず。でもそんな誰もが「忠実なアニメ化は困難では?」とする※風潮が有る中で、まさかのテレビアニメ化の下りとなりました。疑念は見事に裏切られました。

主題歌はシリーズ毎にかなり異なる色合いを忠実に再現している雰囲気ですし、エンディングテーマについても、最初私は製作スタッフが洋楽好きの荒木先生の趣向を汲んで選曲されたものかと思ってましたが、なんと荒木先生御自身が選ばれているそうで、作中世界観との親和性がばっちりで流石でした。

それまでのシリーズに登場したキャラクターを原作者の荒木先生は神話の中の人物みたいなものと評価している様ですが、この4部では一変して私達の身近にいそうな人たち、未完成、未成熟なキャラクターが多く登場します。主人公の仗助を始め、康一くんや億泰の様な親近感の湧いてくる様なキャラがその代表格です。一方でスタンド使いとしても、人格者としても、既に完成された趣きのある前シリーズの主人公承太郎をメインキャラの一人として登場させる事により、承太郎を通して彼等の未熟さに対して寛容さが持てる構図になっている点も巧みです。未熟なキャラ達の失敗を温かい目で見守る事が出来、彼等の成長に期待せずにはいられない気持ちにもさせられます。

3部に続き、個人的に好きなエピソード満載の4部なので、展開は熟知しているつもりですが毎週楽しみです。


以下は各話の感想。

8、9話 山岸由花子は恋をする
{netabare}
山岸由花子さんのエピソードはスティーヴン・キングのミザリーを思わせ、ジョジョ絵も相まってホラーっぽくも見えますが、康一くんと由花子さんを脳内で萌えキャラに変換して見てみると、ラブコメとかのギャグ描写に見えなくもないのが不思議。子供時代はそんな事考えた事もありませんでしたが‥。英単語カードのフレークとかアスパラの英語辞書巻きとかは昔でも大笑いしてた記憶があります。
{/netabare}
10話 イタリア料理を食べに行こう
{netabare}
トニオさんの回。やっぱりこのエピソードも億泰の反応とかトニオさんの薬用石鹸とかに笑かされました。ネタ知ってるのに‥。アニメ版では億泰の声(高木渉さんの声)も相まって漫画版以上に面白かったです。個人的に主人公トリオ(仗助、康一、億泰)の声はかなり良いキャスティングだと思ってます。

作中に登場したモッツァレッラチーズとトマトのサラダ(カプレーゼ)は手軽に作れる上にたまらなく美味しいです。少し大味になりますが、さっぱりとしたモッツァレッラチーズが無い場合、フライパンで炒って少し油を抜いた、半量以下の他のチーズを使っても美味かと‥。
{/netabare}
13話 やばいものを拾ったっス!
{netabare}
ストレスを受けると透明になってしまう赤ちゃん登場。こんな赤ちゃんがいたら大変だ! 奇妙な赤ちゃん相手に右往左往する凸凹コンビ、仗助&ジョセフの奔走振りにまたまた笑かさせて頂きました。

ギャグ色調の強い回である一方で、10年振りの発動? 「ハーミットパープル!」には痺れました。そして、命を賭した最終場面。やっぱりジョセフはジョセフでした。さすが人類を救った英雄、やる事が違います。そして続く台詞「かっこつけたかったんじゃよ、お前の前で」‥‥グレートですよ。このお人は‥。

見終わって。下らぬ事をいつも考えてしまうブリキ男は透明になるって何かの暗喩なのではと思ってしまいました。ストレス過多で怒っている人の思考って良く分からない。泣いてばかりの赤ちゃんも、どうして欲しいのか分かりづらい。そんな人たちのストレスが、いつまでも解消されないで、ずっとそのままだったら、スタンド使いじゃなくっても本当に透明な存在になってしまうんじゃないかなぁと思ってしまうのでした。

笑える所もあり、考えさせられる所もあり、心温まるエピソードでした。
{/netabare}
16話 「狩り(ハンティング)」に行こう!
{netabare}
今回の目的はハンティング。最強のスタンド使いである承太郎とそれに順ずる実力者、仗助を相手に回し、終始圧倒的優位な立場を維持し続けた"虫食い"の知恵と狡猾さは、原作連載時より私にとって脅威の的でした。

作中にも引用がありますが、「シートン動物記」は全人類が読んでも良いと思える程の良書です。人間を食ったかの様な狡知を働かす本編の"虫食い"に勝るとも劣らぬ驚異を垣間見る事が出来る事でしょう。野生動物の知恵と胆力、運動能力というものはまっこと優れたものです。白土三平先生の漫画も合わせてお読みになるとよろしいかと‥。

恐ろしくなる描写も多々有りましたが、ファンタジーを交えた知力と策略の絡み合い。良い回でした。
{/netabare}
18、19話 「重ちー」の収穫(ハーヴェスト)
{netabare}
重ちー登場のお話。小学生の頃とか、私も道端とかにビニールテープでくくって捨ててある小説とか漫画とか拾って古本屋に売って小遣い稼ぎしてました。雨ざらしになっていたり、燃えるゴミとして捨ててあったりする事もあって、色々と拾いました。自覚も無しに現在のリサイクル業やっている人と似たような事やっていたんですねぇ‥。拾ったもの大半は読んだ後売却して、手に入れたお金でプラモとか古本とか駄菓子につぎ込んで後には何も残りませんでしたが‥。当時の友達とかとも戦利品について自慢しあったり‥。まぁまぁ愉快な思い出です。

ハーヴェスト使える人はそういうの探すのも一興かと‥。冗談です(笑)
{/netabare}
20話 山岸由花子はシンデレラに憧れる
{netabare}
由花子さんと康一くん、そしてシンデレラに登場する魔法使いに憧れるエステティシャンの人、辻彩が登場するお話。

漫画読んだ時は子供だったので、恋愛なんてヨクワカラナクテ印象の薄いお話でしたが、今の目で見るとそれなりに理解。でも由花子さん、ちょっと反応がストレート過ぎやしないかい‥? 「私を見て‥」とか真顔で言える女性がいたら結構スゴい。ちょっと尊敬してしまうかも‥。

エステについては男なので、大人なのに全くワカラナイです。まぁ表層だけで人を好きになっちゃいけない事はよ~く分かります。見てくれがカッコいいからカワイイからと付き合い始めたり、極端なケースでは結婚してしまったりしたら十中八九後悔します。少年少女でも、大人の男女でも、相手の内面を見据えた上で一歩を踏み出す事が肝要と思われます。

康一くんはナイスガイなので、そういう所をちゃんと見ています。作中冒頭でも康一くんは由花子さんが浮かない表情をしていたのに気付いていましたし(この時点で両思いなんじゃ‥)、由花子さんが顔を失った時も、すぐに見抜いてしまいました。

そのままにしていても二人は仲良くなれたかも知れません。もしかしたら魔法使いなんかいらなかったのではとも思えましたが、それでも雨降って地が固まるとでも申しましょうか、由花子さんが顔を見られたくないのなら、自分の目を傷付けて見えなくしてしまっても良いとする康一くんの決意を聞いて、由花子さんは康一くんの内面をより深く知る事が出来たのではないでしょうか?

最後にはお互いの心を確かめ合えた様でヨカッタ、ヨカッタ‥。

めでたしめでたし。
{/netabare}
21話 吉良吉影は静かに暮らしたい その1
{netabare}
吉良吉影の一端の見える回。

重ちーのサンドイッチの入った紙袋と吉良の女性の手が入った紙袋が入れ替わってしまう。これもスタンド使い同士が引かれ合う必然? 重ちーに持ち去られた袋を取り戻そうと、学校に潜入し体育倉庫の跳び箱の中に隠れる吉良の姿は妙にシュールでした。ハンガーを使って跳び箱の中から袋を引き寄せようとする様も‥。‥でもこの一触即発の状況、真面目に想像するとかなり怖い。そして、ついに重ちーは見てしまいます。

吉良の肉体の一部を愛でるという行為、好きなものを何らかの形に残して保存しておく(写真とか彫刻とか)という考えは解るのですが、対象の一部(しかもヒトの生身)を所持して愉悦に浸るという感性は未だ私には理解出来ていません。(出来たらヤバイかも‥)手の形状を美しいと感じるのか、生体としての面は排除している様で、血や腐臭を吉良は気にしている様です。憶測の域を出ませんが、手に人格の様なものを与えて優しく話しかける吉良の姿は、人形遊びをしている女の子を思わせました。吉良は"手"に自分の分身を探しているのでしょうか?

吉良という人物が荒木先生による全くの創作物だとしたら、それはそれとして受け止められそうですが、妙に生々しく、リアリティがあるので、いつも理解に苦められる人物です。合理的思考の持ち主に見えて、先の※ネクロフィリア的な印象に加え、自分の爪の伸び率で運勢を測るなど占いじみた事もするので、全くを持って整合性の見出せない人物なのです。結局の所、いびつ過ぎて不可解な事、そこら辺が吉良の怖さの源かも知れないと思い至りながらも、ちょっとでも理解出来ればなぁと思ってしまうブリキ男なのでした。危険ですね‥深淵もまた等しくわたしを見返すのだから‥。

※:死体嗜好の事。
{/netabare}
22話 吉良吉影は静かに暮らしたい その2
{netabare}
金に意地汚く心変わりの激しい重ちーですが、両親の事を思い、邪悪を憎み、最後の最後まで諦めず、吉良を打倒する一手を打った姿には感動させられました。命を賭した重ちーのこの行動が無ければ、多分誰も吉良に辿り着く事は出来なかったと思います。それでも仮に、スタンド使い同士が引かれ合う不思議な因果によって、いつか吉良との邂逅を果たす者がいたとしても、吉良が"敵のスタンド使いがいる"という認識を既に得ている一方で、仗助達はまだ殺人鬼=スタンド使いという確たる認識を持っていないという図式になるので、情報面の優位性を手に入れた吉良はさらに危険な存在になっていた事でしょう。

それにしても血だらけの重ちーを見て、声を掛けただけで助けようともせず、キモチワルイと言って去っていった女子達、無情過ぎる。道端で亡くなっている子供を見ても平気でその脇を通り過ぎて行く某国の非情な人々を思い出してしまいました。

続く後半パート、重ちーの残した手がかりを"つて"に追跡を開始する承太郎(と多分スピードワゴン財団)。

靴屋の店主の「お客様の名前は全て覚えていますよ‥」は専門家にありがちな虚勢をリアリティのある台詞で表していて面白かったです。でも吉良という苗字を読めないのはあるまじき、もといあり得ない事、少しだけ不自然でした。ここであっさりと吉良の名が靴屋の店主の声になっていれば、後の困難は回避出来たかも知れないのに‥。

でも吉良と対峙した人が承太郎で良かった。殺人鬼との予期せぬ遭遇にも拘らず、冷静さを失わない鋭い観察のおかげで瞬殺を回避出来ました。

お話は刃の上を渡る様な緊張感を含んだまま次回に続きます。
{/netabare}
23、24話 シアーハートアタック
{netabare}
康一くんの高慢から生じた危機、吉良のスタンドの一部"シアーハートアタック"の攻撃から康一くんをかばう為に大怪我をしてしまった承太郎。

大人視点から見ると、後悔を通して急激に精神的成長を遂げていく康一くんがとても頼もしく見えました。仗助の様な一見して分かる強さは持っていないけれど、逆境に挫けない勇気と不屈さを持つジョジョ4部の真の主人公と言えるかも知れません。

子供の頃は康一さえいなければ承太郎がやっつけてくれたのに‥とか単純に疎ましく思っていましたが‥。(おばか)

後悔を乗り越えた康一くんの機転によって、一旦はシアーハートアタックを退けたものの、忘れた頃にやってきた誤算によって状況は一転、戦いの舞台は靴のムカデ屋から路地に移ります。

最後まで吉良に屈しない康一くんの態度、言動、とても立派でした。死を目の前にしてあの様に振舞える人間というのが英雄というものなのでしょう。

そして承太郎! 超人的タフさですね。このお人は‥。承太郎&スタープラチナはやっぱり最強? 満身創痍でありながら、無傷の吉良に対してスピードと"ザ・ワールド"で圧倒、キラークイーンの指先はスタープラチナに触れる事さえ出来ませんでした。スゲェ‥。

正真正銘のバトル回ですが、ジョジョは策略、言葉、心の揺らぎを欠かさず描いているので、ガッツで勝つバトルものとは一線を画した魅力があります。

それにしてもシアーハートアタックの頑丈さは異常でした。スタープラチナのラッシュ何回も食らってるのに本体の吉良は涼しい顔。でも康一くんのアクト3の攻撃で重くなった途端、急に本体に影響が出たのは昔も今もちょっと不自然に感じます。重さというならラッシュでも受けていたはずという理屈から‥。それこそ地面にめり込むほどの‥。

手負いの吉良がシンデレラで別人になる話も子供時代の自分の視点からもかなり強引感じられました。

色々と指摘したくなる所もありますが、今回ばかりは概ね無視。絶望転じて希望となる4部最高のバトル回だと評価したいです。
{/netabare}
25話 アトム・ハート・ファーザー
{netabare}
吉良の実家で手がかりを探す承太郎、仗助、億泰、康一くんの4人。またしても未熟な少年達の心の弱さが事態を悪化させてしまい、承太郎の冷静さに救われるという展開。

流石承太郎としか言いようが無い‥。相手の迂闊な言動を聴き逃さず、吉良の父親"吉廣(よしひろ)"のスタンドの弱点を即座に分析、ポラロイドカメラのシャッターを切るだけの動作で戦闘を終了させてしまいました。

スタープラチナが強いのはオマケみたいなもので(とてつもなく豪華なオマケですが)、こういった知性の閃きが承太郎の最大の魅力であると私は感じます。

3部の高校生時代から決して人のミスを責める様な事をしなかった承太郎ですが、4部でもそのスタイルは変わらず、むしろより洗練されており、無言の中に秘める彼なりの優しさ、時は不可逆という事をよくよく理解している大人としての冷静さを示す事で、少年達の導き手としての役割を完璧に演じ切っています。"神話の中の人"という荒木先生の評価にも納得‥。

後半は川尻浩作に成り代わった吉良のお話。外見が同じでも、もし身近な人の中身が入れ替わったとしたら、かなり早い段階で別人と気付けそうなものですが、妻のしのぶにはまだ正体が分かりません。(中身が別人なんて突拍子も無い事なので仕様が無い気もしますが)夫婦であるにも拘らず、それ程までに浩作としのぶは互いに無関心だったという事なのでしょうか‥そんな印象を受けました。

これについては子供の頃は全然深く考えませんでしたが、大人になると人の内面を読み取るのが少しは上手くなるので、そんな風に思った次第。
{/netabare}
26話 ジャンケン小僧がやって来る!
{netabare}
"ジャンケン小僧"大柳賢君のお話。

ジャンケンは運の要素が非常に強いゲームですが、人の表情を読み取るゲームでもあります。そんな所はポーカーとちょっと似ています。次の手がグーなのかチョキなのかパーなのか、人の表情から読み取るのは非常に困難で、それぞれの手に対する各人のイメージ、それに付随する表情の表れ方を結び付けなければ、手を読み取る事は不可能と言っても言い過ぎでは無いでしょう。

賢君は露伴先生の表情と手をたった2回の勝負の中で結び付けていたのかも知れません。確かに赤ちゃんとか子供は直感に優れます。動物とかも‥。こういう事は大人よりも柔軟な思考を持つ子供の方が圧倒的に上手く、延いては脳梁が太くコミュニケーション能力が優れているとされる女性、特に女の子の方が人の表情を読み取る能力に長けていて、ジャンケンが強い傾向にあると言えるのかも知れません。

冷静さを失うと人の感情は表情に表れるもの、それを読み取る術に長けた者がジャンケン名人となれるのでしょう。露伴先生が2連敗(本当は3連敗)したのも焦燥から生じた表情を賢君に読まれていたのが原因であるという可能性も十分にあり得ます。結局は大人の狡猾さで辛くも勝利を収めた露伴先生でしたが、もし相手がジャンケン少女だったら惨敗してたかも知れませんね(笑)

最後に運勢という言葉について、私はこの言葉に否定的な意見を持っていて、ガラスのシャワーとか風で張り付いた写真の為に車が避けて通る現象とかは昔も今も信じられません。ガラスも風も無機物で、知性や意志が無いので、人ごときの運勢にその運動が左右されるとは思えないのです。(超能力者とかフォースの使い手とかなら別ですが)

見所もありますが疑問も残るお話、今回も理屈が抜けている事には評価を与えられない唐変木なブリキ男のレビューでした。運勢について道理の通る説明が出来る人がいたら無知な私に教えて欲しい。
{/netabare}
27話 ぼくは宇宙人
{netabare}
ミキタカ登場回。登場シーンのあの起き上がり方、漫画版みたいに正面に近いアングルの方が不気味さがあってびっくりさせられたかも知れません。その後の展開は子供時代の私も仗助と億泰とほぼ同じ反応で笑い転げていた記憶があります。胃腸薬についてはトニオさんの薬用石鹸を越えるインパクトがありました(笑)

後半はチンチロリン。高校生って3万も持ってないと夏休み乗り切れないんだろうか? とか子供の頃思ってましたが、自分が高校生になってもまるで使わず‥。ブランド物に興味を示すミーハーな所とか、妙に金に執着のある所とか、仗助って意外と主人公らしくないキャラなのかも知れません。どちらかと言うと脇役タイプ?

私はゲーム好きなので3部のダービー回のグラスにコインを入れていくゲームとか、今回のチンチロリンとか、当時の友人達と大抵はおもちゃのチップとかで、まれに10円をチップ代わりにして真似してやっていました。まぁ、10円賭けでも100円以上の金額が動く事もありますので、強く希望する輩がいないとやりませんでしたが‥。まぁ、その経験から、賭け事は自分が負けても相手を負かしても後で気分が悪くなるものなのでやらぬ方が良いと子供時代に学ばせて頂いた次第。荒木先生に感謝ですね(笑)
{/netabare}
28話 ハイウェイ・スター その1
{netabare}
前半はチンチロリンの続き、後半は新手のスタンド使いのお話。

チンチロリンの結末については連載時にも拍子抜けで残念だった(悪態をついていた)のを覚えています。露伴先生がイカサマを見破る展開を期待していたのですが、最後は露伴先生が仗助に一方的にプレッシャーをかけるだけ‥。下らない横槍で物語終了。見も蓋も無い話でした。偶然を装った必然には心踊らされるものがありますが、作為的に組み立てられた必然にはリアリティがなく、夢中になる事が出来ないものです。イカサマの種が見えている上でのギャンブル描写というのも、やはり面白さに欠ける要因です。3部のダービー兄弟のお話もイカサマを含みますが、あちらは最終局面で種が明かされる点で大きく異なります。

後半について、矢によってスタンド使いが生まれるのは設定上の必然だとしても、結果生まれるスタンド使い達が吉良の父親が望む様に、吉影を追跡する者達に敵対するというのも、上記の様な作為的な必然に当たります。杜王町の多くの人達が吉良吉影という犯罪者を憎むならば、吉良の敵を増やす確率の方が高そうな気がするからです。

こういった次から次へと物語の本筋と脈絡無く敵が登場する、バトルもの特有の流れはちょっと残念ですね。
{/netabare}
29話 ハイウェイ・スター その2
{netabare}
仗助、「問題ない」連発してましたね(汗)子供の頃は漫画の所為か(こんなに言ってたっけ)あまり気にならなかったのですが、今の目で見ると台詞回しの工夫の無さとか違和感とかが目立ちます。あと仗助、通行人から掠め取った携帯電話、ちゃんと返すのかな‥? せめて二つも取らないで、一つ目をクレイジーダイヤモンドで直せば良いのに‥(汗)

他に疑問だったのは前回に出てたトンネル内の部屋、あれは一体何だったのか? 原作コミックが既に手元に無いので確認出来ないのが残念ですが、多分子供時代から今まで私は未だに理解出来ていません。ハイウェイスターの能力の一部として想像で補完するしかなさそうです。(対象が興味を示す光景を見せるとか)

吉良の親父様の口調もギャグっぽさが増してきてやだなぁ‥
{/netabare}
30話 猫は吉良吉影が好き
{netabare}
川尻家の話。ねこは可愛いし、草は美しいけど、猫草は気味が悪いですね。よくよく考えてみると4部ってミキタカとか猫草とかスタンドとは無関係に奇妙な生命体がいます。ファンタジーとは言えルールが不明瞭になると、世界観が曖昧になってしまう印象‥。

自分の父親が別人だったらという想像、父親があまり家にいなかった所為か、あるいは洋画の「ボディスナッチャー」とか「スペースインベーダー」とか、小学生時分に見た事があった所為か、私も抱いた事があります。悪夢が現実に取って代わる様な恐ろしさ、早人君の気持ちが何とな~く分かってしまいました。

最近酷評気味のレビューばかり書いていますが、ジョジョ原作読んでいた時もシアーハートアタックの回をピークに、以降あまり楽しんでいなかった様な‥(汗)
{/netabare}
31~34話 7月15日(木)1~4
{netabare}
今回から、原作では別々に描かれていた「鉄塔に住もう」「エニグマの少年」「チープトリック」のエピソードが同時進行するという構成。

「鉄塔に住もう」
最近レビュー内で度々引用させて頂いている「宇宙船とカヌー」という本がありますが、今回のお話に登場する鋼田一豊大(かねだいちとよひろ)は上記の本に登場する※ジョージ・ダイソンがモデルなのでは? とか思いました。でも鋼田一の場合、樹上じゃなくて鉄塔。小屋も建てずに生活している所に異常さが際立っています。吹きっさらしでは、もし雨とか雪とか降ったら危険かも知れません‥。杜王町のモデルって仙台市らしいので‥。

エネルギー保存の法則については、鉄塔がしっかりひしゃげているし、熱も加わっているはずだから、余剰のパワーにびっくり! という風にも見えますが、ファンタジーなのでそういうものだと見流すのが大人というもの‥でもクレイジー・ダイヤモンドのエネルギーを元あった場所に戻すって、能力の解釈が飛躍し過ぎてやしないかいとか思ったり‥細かい事はうっちゃって見るのが正解なのでしょう(笑)


1話完結のお話を、そのまま1話ずつ描くと冗長な印象になってしまうのでタイトルを「7月15日(木)」として、原作を再構成したのは英断であったと思います。展開のスピード感が増して最終回へと繋ぐ架け橋になるのではないでしょうか?

※:16歳で家を出て、19歳で樹上に家を建てたジョージはそこで生活していたそうです。ロープ以外の材料は全て拾い物から調達したという逞しさ。地上約30メートルの高さまで、梯子と枝を使ってスルスルと巧みに登り、降りる時はロープを使い、樹液で手を汚さずに、野生動物の様に昇り降り出来たそうです‥。さすがにお金は必要で、バイトや手伝いをしていて、自給自足までは達成出来ていなかった様ですが(笑)

「エニグマの少年」
宮本輝之輔、落ち着きのある言動と心の弱みに付け込む能力、小林玉美とか、3部のダービー兄弟を髣髴させる能力です。

原作でもそうだったと思いますが、突如敵として表れ、吉良吉廣に協力する動機が不明瞭だった様に思えます。それに杜王グランドホテルに行く過程にしても、承太郎の人柄とか能力とか聞かされていたら、ちょっと臆病気味のこの人の性格からして、勝ち目が薄いと悟って戦うのを嫌煙したはず‥。あるいは割と自信過剰な人なので勝てると思っていたとか‥? 吉廣に騙されていたのかも知れません(汗)

結局のところエニグマの少年、余計な事言っちゃって墓穴を掘る所とか、小者らしいキャラでした。ジョジョのキャラは戦いに負けると何故かゲームキャラの様にへぼくなってしまいます(性格とか身長とかが変わったり‥)。これがゲームバランスと言うものなのか(笑)

「チープトリック」
露伴先生、小難しい事しないでブリッジしてスパイダーウォークで横断歩道渡ったら面白かったのに‥(笑)

3部の時点では幽波紋と書いてスタンドと読んでいたので、スタンドに抱くイメージは「うしろの百太郎」みたいな守護霊のイメージでしたが、今回のお話で、スタンドと幽霊の明確な区別が付いた気がします。

個人の持つ力のイメージ、精神エネルギーとも表現されていたスタンドですが、それが「スタンドの魂」とどう違うのか、細かいニュアンスがよく分かりません。似たものだと思えるけれど、その様なルールに‥。多分後付設定だから仕方ないのだと思いますが‥。

後半は吉良のお話。早人君に正体がばれてしまいます。お風呂のシーンは恐過ぎました‥。でもこういう場面を見るとシアーハートアタックの回に吉良と康一君が対峙した時の場面を思い出し、吉良が1部や2部で登場したディオやカーズの様な超越的な存在とは一線を画し、人間的な弱さを多分に持った小者である事が明確になります。4部では主人公勢にもその様な弱さがありますが、絵柄が一新された事もさる事ながら、それで、それ以前のシリーズとは作風が変わった印象を受ける気がします。

かと言って3部から続投のキャラ、ジョセフ(ちょっとぼけてるけど)、承太郎などは依然として英雄然とした人物として描かれていますので、年若い主人公達と彼らの対比が面白いシリーズでもあります。

次回から物語はクライマックスへと進んでいきます。
{/netabare}
35・36話 アナザーワン バイツァ・ダスト 1、2
{netabare}
もし自分が小学生で、早人君と同じ立場だったら?と考えると怖さ倍増なお話です。

子供の頃、ホラー映画見た後とか、自分の親がエイリアンとかロボットだったらどうしようとか思って、怯えたまま眠った事ありましたが、過去のそんな体験の所為で、大人になった今でもある程度早人君に近い気持ちになって視聴する事が出来ました(汗)

早人君だったらという立場ですが、私だったら1度や2度バイツァ・ダストの説明を聞いても、俄かには信じられないだろうし、理解出来ないだろうという気がします。あまりにも現実離れした能力なので‥。でも早人君は賢い! わずか4周目で猫草を用いた打開策を思い付いてしまいました。勇気もあるし只者じゃない‥。

ゲームで言う所のリセットボタンに近い能力のバイツァ・ダストを吉良が身に付けたのは、彼が安心を求め続けた故の必然の結果とも取れますが、余りにも強大過ぎる能力なので、漫画を読んでいた当時は興ざめしてしまったのを思い出します。

続く5部以降、もっととんでもない能力が登場しますが、スケールが大き過ぎたり、突拍子が無さ過ぎたり、ジョジョらしい親しみやすさが感じられず、私は段々付いて行けなくなりました(汗)
{/netabare}
37・38話 クレイジー・D(ダイヤモンド)は砕けない1、2
{netabare}
バイツァ・ダストは前回のレビューでリセットボタンみたいな能力としましたが、発動タイミングを任意に選べない事を踏まえると無限にリスタートが出来るゲームという表現の方が近いですね。

1.発動=スタート:バイツァ・ダストを任意の人物に仕掛ける。
2.起爆=ゲームオーバー:追跡者を爆殺、運命が定められスタート直後に戻る。
3.解除=セーブ:既に起こった事実が確定して定められた運命は消える。

バイツァ・ダストの不明な点はスタート地点がどこに設定されているのか明確で無い事です。2回目以降の発動では7月16日の朝がスタート地点ですが、1回目の発動はいつ? 7月15日の夜、早人君が死んだ後に発現した能力なので、発動以前の過去にも戻れなければなりません。起爆方法も以後の方法とは異なります。

そうすると"発動=スタート"という解釈は間違っている様にも思えますが、37話冒頭で吉良は早人君に「お前をこれ以上この朝に戻らせるのは危ない事だ‥」と言ってバイツァ・ダストの解除を予告するシーンもあります。これはスタート地点を危難を乗り越えた後に定める事を示しているのだと思われます。以上を踏まえるとバイツァ・ダストは‥

1.起爆手段は一通りではない。
2.発動前の過去にも戻る事が出来る。
3.能力の解除、再発動によってスタート地点を任意に定める事が出来る。

という性質がある事が分かります。こんなのいんちきじゃないか(汗)と言いたい所ですが、1と2は吉良自身でコントロール出来ていないみたいなので、作中の様な吉良にとって危ういドラマが生まれるのでしょう。

猫草をキラークイーンの中に取り込むとか、空気弾が"キラークイーンの能力に固定された"という良く分からない理由で割れないとか、クレイジーDで体に刺さった破片を戻して体ごと移動とか、血の誘導弾とか、付け足しルール他、かなり強引なご都合展開が目立ちましたが、自身の傷を治せない仗助が主役(元々主役だけど)という事もあって非常に緊迫感のあるバトル回でもありました。

後半の家屋内にいる仗助の位置を知る吉良の空気弾攻撃の不気味さや、それを可視化するための煙幕作戦、意表をついたトリック、その種明かしのシーンなどは、因果関係を明確にしている、推理物の性質を帯びた心踊るシーンで、正にジョジョの魅力そのものと言えるのでは無いでしょうか?

でも早人君全編に渡って喋り過ぎとか、空気弾遅過ぎとか、億安も喋り過ぎ(笑)とか演出面にも気になる所が多々あって(漫画だとあまり気になりませんでしたが)時間の流れが一定のアニメで原作漫画の台詞がほぼそのまま再現されるというのは、荒木先生リスペクト故なのでしょうが、かなり不自然な光景に見えてしまいました(汗

ループ物の起源とされる物語はあれこれありますが、それよりかは、原作漫画の表紙裏のカバー部分-何巻のものかは失念(汗)-に荒木先生の好きなものベストというのがあって、それの中にテレビゲームのバイオハザードが入っていたのを思い出すブリキ男なのでした。
{/netabare}
39話 さよなら杜王町-黄金の心
{netabare}
吉良との戦いも決着し、杜王町は少しだけ平穏を取り戻しました。

「傷の痛みが深く表れてくるのはこれからなのだろう‥一体この痛みはどうやって癒せば良いのだろう。」康一君のモノローグにあるこの言葉は自分の一部とも言える家族や恋人、近しい友人を失った者にとって、繰り返し心を苛む疑問です。

もし心の欠けた部分を補ってくれるものがあるとしたら、それは同じく"人"か、緩慢な癒ししか与えてくれないけれど"時間"と答える事しか私には出来ません。でもいくら補ってもそれは決して元通りにはならず、つらい記憶は時折古傷が痛み出す様に疼く事があるものです‥。

吉良の行為は他者の平穏を奪い、自らの平穏を得るというもの、吉良のスタンド能力の第二、第三の爆弾はそれを自動的に行なうもの。この様な罪悪感も自覚も無く人殺しを遂行するものを見ると、私は戦争に使用されるミサイルだのリモコン爆撃機だのを思い出します。殺す者の罪の意識が明らかに薄い‥。吉良は天性の異常者なので、別の理由から罪の意識など感じていないのかも知れませんが、先に挙げたスタンドの性質はその様な吉良の冷酷さの象徴であるかの様にも私には思えました。

我々生物は他者の平穏を壊さなければ生きていけませんが、奪ったものの価値を見つめるという義務を怠った時、他者の痛みに鈍感になります。また命を殺める行為は当然の事として、心を傷付ける事も他者の平穏を壊す行為に当たると言う事も忘れてはなりません。

吉良の様な殺人鬼にも、心を苛む悪人にも出来る事なら会いたくないものですが、もしその様な輩と遭遇してしまったら、彼等の平穏を壊し自らの平穏を守り抜く覚悟は必要になるのかも知れません。それは戦いとも言うけれど、勇気とも言うもので、ジョセフ・ジョースターが黄金の精神と呼ぶものなのではないでしょうか?

町を見守る少女の霊は天に消えて、人々はまた元の生活へと戻っていく。

失われた命が戻ってくる事は決して無いけれど、人は支え合って生きていく。未来への希望が感じられる見事な最終回でした。

※:バイツァ・ダストの能力について、発動時に1時間くらい時間が蒔き戻るらしいです。原作熟知していると思っていましたが今回の早人君の台詞聞くまですっかり忘れてました(原作にそういう説明あったっけ?)
{/netabare}

自分がイタリア料理、延いては料理全般に興味を持つきっかけになった、トニオさんの回ほか珠玉のエピソード満載で綴る"ジョジョ"を創出された原作者の荒木飛呂彦先生にこの場を借りて心から感謝の気持ちを述べたいです。


※:自分の周りにいた友人は口を揃えてそんな事言ってましたが、世間的にはどうだったのだろう? 過去にOVA版あり、悪く無い出来だとは思いますが、個人的には原作漫画の雰囲気を再現しているとは言いがたい印象でした。


以下は本作品と殆ど関係無く、イタリア料理についての豆知識。
{netabare}
[豆知識1 にんにくは絶対に焦がしてはならない]
イタリア料理において、またその他の国の料理においても、にんにくを焦がす事は最大の禁忌です。日本では焦がしにんにくとか普通に有りますが、風味も味も台無しになっているので私は好きではありません。この点を厳守するだけで全てのイタリア料理が格段に美味しくなります。最弱の火でじっくりと柔らかくするのがコツです。

[豆知識2 トマトは少なくても実は美味しい]
400g入りのホールトマト缶はイタリアントマト6~7個分位の容量が有ります。トマトソースのパスタ一人前につきトマト1個で十分なので、単純計算すれば一缶で6~7人前作れる事になります。味についてもその方が生トマトで作った時のトマトパスタに近いものになります。それでも一缶全て使い切ってもそれはそれで美味しいので気分によって量の加減をすると良いと思います。

[豆知識3 茹で汁は捨てないで]
パスタをゆでた後の茹で汁は塩分たっぷりうまみたっぷりなので、これでそのまま肉などを煮て胡椒で味を調えれば立派なスープになります。ブイヨンや野菜などを加えてもとても美味しい。お好み焼きの溶き水、煮込みや麻婆豆腐を作る時、パンを捏ねる時、ピラフやパエリヤを炊く時(この場合は出来るだけ上澄みを使いましょう)など何にでも使えます。

[豆知識4 実はゆでられる。短時間で!]
パスタの茹で時間は大体7分以上になりますが、実はその時間を半分以下に短縮出来る裏ワザが有ります。パスタを予め1時間以上水に浸けとくと良いのです。そうしてからそのままそれを火にかけると、パスタの太さ、形状にもよりますが、沸騰してから1~2分くらいで茹で上がります。グニャグニャになるイメージを持たれる知れませんが、しっかりとアルデンテの食感になります。沸騰後1分過ぎたあたりでパスタの食感を確かめましょう。やはり茹で過ぎは良くないです。

{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 53
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

このヘアースタイルがサザエさんみてーだとォッ!

こ…この色彩設計はッ! 原作のカラーページもこんな感じだったかなと記憶しています。
原作の杜王町の雰囲気を十二分に生かせていると思います。
人物作画はともかく、風景作画は◎ですね。
4部は終盤が特に面白くなるので、そこからが見物ですね~(って、4部は3部より長いのでかなりの長期戦になるとは思いますけどね)。

長いので5段階簡易評価つけます

アンジェロ戦 ☆☆☆
虹村兄弟   ☆☆☆☆
玉美戦    ☆☆☆
間田戦    ☆☆☆
山岸由花子  ☆☆☆☆
トニオ回   ☆☆☆☆☆ 良作画。伝説のネタ回、面白すぎるww
チリペッパー ☆☆☆
露伴回    ☆☆☆☆  {netabare}露伴先生の仕事ぶりが超人すぎますねー、モデルは荒木先生ww{/netabare}
ネズミ狩り  ☆☆☆☆  {netabare}良作画。ジョジョ世界の動物はスタンドを手に入れると化物になる法則。{/netabare}
露伴の冒険  ☆☆☆
重ちー回   ☆☆☆☆  {netabare}重ちー癖があるけど面白いキャラしてますね。そしてどこか憎めない。{/netabare}
シンデレラ  ☆☆☆
吉良回    ☆☆☆☆  {netabare}スタンド登場シーンの作画はイマイチだったけど、何とか持ち直してた。跳び箱の所の緊張感は○。{/netabare}
SHA    ☆☆☆☆  {netabare}「下痢腹抱えて公衆トイレ探した方が~」の例え持ち出すセンスがいちいち面白い。何で荒木先生ってこういう変な例えを持ち出すんだろう。「コーラを飲んだ時ゲップが出るくらい確実!」とか「風が強い時の小便がズボンにかかる位信頼してます~」とか。{/netabare}
ジャンケン小僧  ☆☆   {netabare}脚本に無理があるけど、原作は作画のダイナミックさで何とか誤魔化してた。でもアニメは絵の方が力不足に感じる。流石に息切れしてきたか?{/netabare}
宇宙人      ☆☆☆
ハイウェイスター ☆☆☆☆ {netabare}クレイジーD大活躍の回。しかしあの用水路で60キロとか出してたら絶対事故るよなぁ{/netabare}
猫回       ☆☆☆
7月15日(木)  ☆☆☆☆  {netabare}鉄塔とエニグマとチープトリックを1日で起きた出来事にするという事でまとめてきた。尺が足りないための奇策か。まあ終盤キツキツになっても厳しいのでこれはアリかな?と思いました。{/netabare}
アナザーワン・バイツァダスト ☆☆☆☆☆ この回を待っていた! 言うまでもなく神回。
{netabare}いわゆるループ物だが、20年くらい前に描かれた作品なので最近のループ物の潮流に乗っかった作品ではない。
ループ自体は「術者が自分以外」で、「無力な人間が対象になっている」という意味でリゼロのループと似ている(リゼロは後発だし、しかも術者が明らかになってないのであまり私好みのループではないが)。
他作品と違うのは、ループする毎に確実なデメリットがどんどん増えていくという事だろう。
この為に、他のループ作品より絶望感が圧倒的に強くなっている。
軽々しく時間を戻すという事も出来ない。
将棋に例えるなら、「待った!」をかける度に駒損する羽目に陥る状況という事だ。
チャンスは限られたわずかな時間しかない。しかもこの苦境に立たされたのがただの無力な小学生ときたものだ。
凶悪な殺人鬼と小学生。あまりにも不利すぎるこの対立軸だが、小学生とは思えない機転で切り抜けていく早人の才覚は凄すぎる。(矢で貫かれたら、きっと凄いスタンド使いになるだろう)
ループ物のジャンルがさほど確立されていない時期に、これだけしっかりした話を練り上げたのは流石荒木飛呂彦とでも言うべきだろうか。{/netabare}

ただ、バイツァダスト回は良かったけど作画面演出面では厳しい所があるかな、とも感じました。
3部みたいに分割クールでやっていれば、もっとうまくやれていたのかもしれませんね。

見終わりました。
何だかんだで16年はこれが一番楽しめた気がします。
脚本の安定感もありますが、何よりもキャラがいいですね。
{netabare}モナリザの手で勃起する変態殺人鬼なんてキャラはおそらく荒木飛呂彦にしか描けないのでは?と思う程でw
全員の力を合わせて殺人鬼を倒し、杜王町が活気を取り戻す…。各キャラのオリジナルシーンも挟んでとてもいい締めだと思いました。
露伴が万引きして捕まった…という所だけん?と思いましたが…。
あれはおそらく外伝話の類だったのでしょうか。{/netabare}

とにかく、グレートに素晴らしかったです!
続きの5部にも期待ですね。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 20

78.5 8 ユーモアアニメランキング8位
風が強く吹いている(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (412)
1408人が棚に入れました
夜。逃げるように街を駆け抜ける蔵原走(くらはらかける)。その横に、不意に自転車が走り込んで来る。見知らぬ男が、走に向かって問いかける。「なあ!走るの好きか!」。男の名は清瀬灰二(きよせはいじ)。走は、灰二に導かれるまま、竹青荘という古びたアパートに辿り着く。そこに暮らす個性豊かな9名の住人。最後の空室を勧められ、戸惑いながらも、押し切られていく走。まさか自分が、『10人目の男』だとは、夢にも思っていなかった…。

声優・キャラクター
大塚剛央、豊永利行、内山昂輝、入野自由、榎木淳弥、上村祐翔、興津和幸、株元英彰、北沢力、星野貴紀、木村珠莉、中村浩太郎、河西健吾、日野聡
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「あり得ない」のその先へ

 ぺー 「敗北を知りたい」
 同窓A「全く強すぎるというのも罪ですな」

仕事始めここ数年では恒例のご挨拶。箱根駅伝は年始の楽しみの一つな私。箱根路を疾走するランナーには遥か及ばないものの自分も走るので、彼らがどれだけ凄いかのさわりくらいなら理解できてるつもりです。

だからこそ視聴する前から「あり得ない」のはわかりきってたこと。ん?それ以前に、ランナーでなくてもそりゃわかるか。素人込みの大学生が箱根を目指す物語だなんて。。。
視聴動機は“三浦しをん”。原作の出来が仮に直木賞作家の駄作だったとしても一定水準は満たしてるやろ、とだいぶ上からの入りでした。どうもすみません。原作も漫画も未読です。


で、掌を返すわけであります。あり得るあり得ないはいったん置いときますね。全23話。ハイジの表情(かお)に全てが集約されてると感じた最終回。
注)いきなり最終回のネタバレなので観終わった人だけ開けてね!

{netabare}ゴール直前で膝爆弾が爆発した瞬間だけ顔を歪めました。しかしその刹那以降、ゴールテープを切るまで苦悶の表情を浮かべることは一度もありませんでした。{/netabare}
{netabare}これには正直やられました。ハイジが倒れるか大ブレーキで足を引きずりながらゴールするかのイメージしか持てなかったからです。脳裏に浮かぶはロス五輪のアンデルセン選手的な展開。{/netabare}
{netabare}9人が繋いだ襷の意味=ハイジが求めた“走る意味”がシンクロし、プレッシャーや不安とは別次元の喜びに満ち足りていたあの表情です。おそらく選手としては人生ラストラン。″頂点”を見つけてカケルのもとまで辿り着き崩れ落ちました。理想の走りに近いと評されたカケル。なぜ走るのか?一生かけても未完で終わるだろう物語の襷はハイジからカケルへと託されたのです。{/netabare}
そのハイジの表情に至るまでの紆余曲折が丁寧に描かれた青春ストーリーでした。

メインは学生寮竹青荘住人の寛政大学に通う大学生10名。


ハイジ(清瀬灰二)声豊永利行
カケル(蔵原走)声大塚剛央
ニコチャン(平田彰宏)星野貴紀
ユキ(岩倉雪彦)声興津和幸
キング(坂口洋平)声北沢力
神童(杉山高志)声内山昂輝
ムサ(ムサ・カマラ)声株元英彰
王子(柏崎茜)声入野自由
ジョータ(城太郎)声榎木淳弥
ジョージ(城次郎)声上村祐翔


すくすく伸びゆく″青竹”の字が逆転していることが何かを指しているのか、皆ここに至るまで何かを諦めたり挫折したり、痛みを抱えている面々です。
メイン10名と登場人物が多い弊害は、2クールかけて各人に焦点をあてられたことであまり気にはなりませんでした。
取ってつけたような理不尽エピソードによるトラウマ発生ではなく、なにかどこかでちょっとボタンを掛け違って停滞してしまった駅伝メンバーたちです。
{netabare}ケガに対して切り捨てる監督と焦るなと慮る監督。結果として教え子二人は走ることに背を向けます。本人の意向より適性を重視する監督もいました。何が正解だったかはわかりません。正解がないからこそそれでももがいて足掻いて答えを見つけ出そうとする彼らに共感を覚えました。{/netabare}


放送が日テレ系と本職の駅伝中継職人だったこともあって予選会を含めたレース再現度は高いです。
そのため走ってる人がついこの間まで素人だったということを除けばレースの臨場感は充分伝わってきました。

よくある高校の青春ドラマと比較して自由度の高い大学生という設定。選択肢が多くある中であえて無理ゲーに挑む彼らの心の変化をぜひ見ていただきたい。
挑む壁は無理ゲーだとしても、挑戦を通して向き合わなければならない自分自身の課題は身近にありそうな素材ばかりです。


 「あり得ない」のその先へ


箱根を目指すという題材のリアリティはほぼ無いといって差し支えがなくても、描かれる人物にはリアリティを感じられる。
本作は後者の視点により軸足を移すことで満喫できました。逆に前者が気になると本作は楽しめません。こういった場合こう思うわけであります。


 物語くらい夢があってもいいよね


嗚呼、久しぶりに使うこのフレーズ。そして物語には続きがあるのです。

{netabare}まずは微笑ましいやつ。。。
・ジョータ続けてるんかい!
と走りに魅せられたこの間までの初心者さん。
・カケルと藤原の終わらない旅
常人には見えない景色を二人は見ていてさらにその先を追い求めて止まないことでしょう。
・ハイジの親父さん
王子の公認記録突破の時のハイジ。大事なところでは寡黙なのは親譲りなのか。
時は流れて、親父さんは妻とは離れた場所で息子を見守る。贖罪?応援?息子への想い? 震えるストップウォッチに父親が息子に抱く感情が痛いほど伝わってくる。父もつらいのだ。
そして、ハイジは父と同じ指導者の道へと進む。{/netabare}


カケル、ハイジ、そして王子の人気が高いようですが、誰が良いとかはあえて触れず。
バラバラだった10名が繋ぐ襷の物語。力作です。


■オマケ1
酒を飲むときくらいはちょっと陸上から離れようかww
{netabare}最終回Cパート。一升瓶の差し入れは右手に『天下の険(麦)』左手に『ニライカナイ(泡盛)』
箱根から理想郷(ニライカナイ)へ(笑)
ユキかニコチャン先輩は気づいてそう{/netabare}


■オマケ2
「予選会は昭和記念公園に隣接する自衛隊駐屯地からスタートする」
軍用飛行場が母体のこのエリア近所には今は社名変わって存続中の“立飛飛行機”があり、冬期作品「コトブキ飛行隊」の“隼”の製作協力をしてたりしました。
軍用研究の名残りなのか同じくご近所には「宇宙よりも遠い場所」でお馴染みの“極地研究所”なんていうのも。聖地巡礼が捗るかもしれません。
{netabare}そういえばハイジの親父さん、一人で見に来てなかったな?これは自信ない。{/netabare}


あー、ちょっと恋要素は蛇足に見えました。



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2019.08.28追記


視聴時期:2018年10月~2019年3月リアタイ視聴

前半ED「リセット」がお気に入り



2019.04.20 初稿
2019.08.28 修正

投稿 : 2024/03/23
♥ : 53
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

それぞれが感じる、美しきこの世界

アニメーション製作:Production I.G.、
監督:野村和也、
シリーズ構成・脚本:喜安浩平、
キャラクターデザイン:千葉崇洋
原作:三浦しをん

完璧なフォームで走る蔵原走(カケル)。
それを自転車で追いかける清瀬灰二。
猛スピードのなかで、灰二は問いかける。
走るの好きか?

主人公のカケルは、高校時代に
長距離の有望選手だったが、陸上をやめてしまっていた。
ある日、竹青荘の寮長である灰二から誘われ、
カケルは寛政大学の寮に住むことになる。
そこは灰二が何年もかけて計画していた
箱根駅伝を目指す陸上部のための住まいだった。
事情を何も知らされていなかった寮生たちは、
灰二に翻弄されながらも箱根駅伝に向けて走り出す。

どれだけ上手く嘘をついているか。
創作物を目にするときに私が重視していることだ。
サークルにも入っていない大学生たちが
1年足らずで箱根駅伝出場を目指す。
このあらすじを読むだけなら、そんなことは不可能、という
ひと言で終わりだろう。
健康ブームにも乗り、昨今は市民ランナーが増えている。
走ることに対するリアリティの感覚は、
より厳しくなっていると思う。
ジョギングの経験がある人なら分かると思うが、
1キロ3分のタイムは、普段から走っている人でも
才能がなければ、まず難しいスピード。
それを20キロとなると、ほとんど超人だ。
しかし、この作品はキャラクターの心情に寄り添い、
過程をとても丁寧に描いているため、
いつの間にか嘘の物語に引き込まれてしまう。

原作は未読だが、実写映画は視聴済み。
映画は2時間を超える作品だったが、
やはり、そのくらいの時間では
箱根を目指す描写が足りないように感じた。
その点、この作品は23話をかけて、
きっかけから葛藤、10人それぞれの想い、
ハードな練習、予選会などを描き切っている。
主人公ふたりはもちろん、ほかの部員たちの出身や
性格、バックボーン、家庭の事情、
子供のころの出来事など、細部まで考えられていて、
全員の人間像が見えてくる。
生き生きとしたリアルなキャラクター設定。
どの人物も本当に魅力的なのだ。

そして全話を通じて展開がとても上手く考えられている。
メンバーがひとつになっていく心の動き。
いちばん遅い王子の走りを皆で応援するときの団結。
カケルの過去を全員で共有する温もり。
「何のために走るのか」という
ジョージとジョータの問いに対する灰二の答え。
全ての出来事がラストに向かって絡み合いながら
一本の道になっていく。

{netabare}予選会の歓喜の通過後、箱根駅伝に挑む。
1区/王子、2区/ムサ、3区/ジョータ、4区/ジョージ、5区/神童、
6区/ユキ、7区/ニコちゃん、8区/キング、9区/カケル、10区/灰二。
走っているとき、それぞれの心に大切な思い出が蘇る。
全員が色々な想いを抱えて走っている。
秀逸なのがその時に自分の生き方を振り返り、
心のなかで何かが大きく変化する描写だ。

王子は灰二からかけられた言葉、
ムサは風呂場で灰二と交わした会話、
ジョータは弟への期待と葉菜ちゃんへの恋心、
ジョージは戸惑いと後悔、
神童は寛政大学ランナーの全ての想い、
往路5人それぞれの感情と向けられる期待を受け止めて走る。

特に心に残ったのは復路の21話の描写だった。
ユキは、カケルのスピードを箱根の山の下りで感じる。
その世界は美しいが、あまりにも寂しすぎた。
生きた人間には耐えられそうにない。
そのときにユキの母親の声が響く。
母は新しい父との間に妹を身ごもった。
とても柔らかい幸せそうな母の笑顔。
ユキは耐えられず、家族と疎遠になった。
その母が箱根まで来て、妹や義父とともに
息子のために声を張り上げていた。
ユキのなかで世界が変わるのだった。

ニコちゃんにとって走ることは、厳しく、楽ができない世界。
一度は完全に諦めてしまったことだった。
高校時代の顧問に体格の問題から
別競技への転向を薦められる。
走ることが大好きだったニコちゃんは、
そこで気持ちが切れてしまった。
灰二がいたから、また味わえた気持ち。
「走ることが好きだ、愛してる」
改めて想いが強烈にこみ上げてくるのだった。

キングにとっての現実は演じなければいけない場所。
しかし、走っているときだけは演じる必要がなかった。
そこは最も自分自身を感じられる世界になった。

カケルは、走ることについての特別な想いを
走り出す前から噛みしめていた。
そして、幻の自分を前方で見つめながら、
究極ともいえる領域へと踏み込んでいく。

灰二は怪我をしてから、ここまでの道のりを思う。
自分は弱いと思い、強さを求めてきた。
速いことよりも強さが欲しかった。
それを手に入れたことを証明するために、
灰二はゴールを目指す。{/netabare}

走ることによって辿り着くゴールは全員が違う。
しかし、タスキをつないで想いを共有できることは、
かけがえのない、とても幸せなことだった。

美しい世界が、確かにここにあった。


走ることに対するちょっとしたつぶやき。
{netabare}何のために走るのか。
昔は、よく考えた。
走ることは物心がついたころから大好きだった。
空気を切り裂き、筋肉が躍動する。
スピードに乗って加速した世界の変化に夢中になった。
それはユキが感じた「美しきこの世界」のようなものだと思う。

今でもよく思い出すのが中学の陸上部で
先輩たちとともに走ったインターバル練習。
学校の周囲の長い距離をゆっくりと走りながら、
合図とともに100メートルほどのダッシュを何度も繰り返す。
先輩から褒められるごとに自信を深めた。
しかし、学内でいくら速くても、
広い世界に出ると、速い選手はたくさんいる。
たった3キロほどの大会に出ても、
そのほとんどの時間がメチャクチャ苦しくて
耐えられないほど辛いものになる。
自分との闘い。
勝つためには限界を超えた苦しみを
ずっとひとりで抱えなければいけない。
何のために走っているのか分からなくなった。
私は高校生になってサッカー部に入った。

社会人になって忙しくなり、フットサルをやらなくなって
時おり、健康のためにひとりで走るようになった。
私はやはり走ることが好きなのだと実感した。
この作品を観ていると、そんなことを思い出した。{/netabare}
(2019年5月3日初投稿)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 58

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

そして、次に襷をつなげるのです。

「風が強く吹いている」は
等身大の男子大学生が本気で箱根駅伝に向かって物語を創り、進んで行く作品です。

箱根駅伝出場は無謀ですか?
物事に本気で立ち向かったことはますか?
無理だと笑っている人に本気で笑い返せますか?
努力のあとの結果には何を求めますか?


竹青荘寮生は10人。
10人もいるけど、すぐに憶えられるほど個性的です。
その中で陸上経験者は3人。
陸上を諦めたニコチャン先輩
高校で実力がありすぎて孤立したカケル
過去に何があったかわからない主将ハイジ
残り7人は陸上未経験ですが全員が箱根の為に努力する姿はカッコいいです。

8話から面白くなってきます。
正直、本作品4話まで観て、物語の動きが鈍いなぁと思い保留作品にしてましたが、8話からは目が離せなくなりました。
中盤からは見逃せない展開で、チームとして順風満帆ではない物語の中でどの様に団結して行くのかも見所です。

最後まで襷をつなぐ箱根駅伝というスポーツの清々しい青春物語を楽しめます。

是非、観て頂きたい作品です。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 59

88.0 9 ユーモアアニメランキング9位
サマーウォーズ(アニメ映画)

2009年8月1日
★★★★☆ 4.0 (4178)
21240人が棚に入れました
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界、OZ(オズ)。そのメンテナンスのアルバイトをしている高校生の健二は、憧れの夏希先輩から田舎に行くというアルバイトを頼まれる。気楽に応じた健二だったが、実は夏希の本家とは武家の血筋を受け継ぐ旧家、陣内家であり、曾祖母である烈女・栄のために夏希のフィアンセのふりをするというアルバイトだったのだ。さいわい栄は健二を認め、芝居は平穏のうちに終わるかに見えたが、その夜健二はケータイに届いた謎の数式を、数学の問題と考えて解いてしまう。しかしそれは、OZ世界を崩壊させ、現実世界をも混乱させる大事件の幕開けだった。

声優・キャラクター
神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、仲里依紗、斎藤歩、富司純子

gibuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

声優に声をあてて欲しかった

ストーリー、個々の人物、作画などは非常に良かったので、
総合するとすごく良い評価になります。
ただ1つ惜しむらくはCV。
声優に声をあてて欲しかったです。


良い声、良い演技をなさる俳優は数多くいらっしゃいますが、
本作に声をあてた俳優さんは
「声のみで表現する」力が少し足りなかったように思います。
出演は俳優達の成長のためだったのかもしれませんが、
ラストシーンの違和感は忘れられません。


名のある俳優をCVにすることによる
宣伝効果は大きなものがあると思います。
俳優自身のネームバリューもそうですし、
事務所のバックアップも声優よりすごいでしょう。
ただ、「声のみで表現する」声優の能力をもって
作品をより素晴らしいものにすることで補えなかったのかと思うと…
それだけが心残りです。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 13

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

友情・愛情・感動・絆・おばあちゃーん!!

まず一言!!ヾ(・o・*)シ
「サマーウォーズ」は大人から子供までどんな年齢層でも楽しめるような作品なので、多くの方々に観
て頂きたいなぁーと思える作品なのです♪
 
タイトルとパッケージのイラストからはとても想像できない様な、とっても壮大な物語なのですよ!!
なんといっても、今回の物語の舞台となっている長野県上田市の自然豊かな田舎風景とパソコン・仮想
空間・アバター・アカウントと言った現代社会の代名詞とも言えるIT文明を、見事なまでに融合させた
シナリオ構成には本当に関心させられましたのです(゚0゚*)ホ--ッッ!
 
■超簡単なあらすじ!!
世界一のセキュリティーを誇るOZと言うバーチャル空間がありました。そのセキュリティーゆえに、全
世界の人々のあらゆる身近な生活から、企業、政治、軍事まで密接にかかわるネットワークとなってい
たのです!
OZの世界でアルバイトをしていた主人公の健二。ある日の夏、本作のヒロインで先輩の夏希から、ちょ
っと変わったアルバイトに誘われてしまうのでした!!
そして、なぜか夏希のおばーちゃんの家に行く事になるのですw
その旅先で、健二がOZに関わるある事件を起してしまうのです!!その事件が引き金で、全世界が大混乱
におちいってしまうのです!!
お世話になっている夏希の田舎、陣内家の人たちとともに、この大混乱に立ち向かっていくのです!
健二と夏希の運命はいかに!!
 
■ここが見所かもね!!
・一見普通の男の子の健二ですが、とってもすごい能力が!?そもそもこんな能力なかったらねぇw
・花札やったことない人はちょっとだけルールを覚えておくと、感動が2倍になるかもね♪
・上田市と言えば!!そう幸村ですよ♪陣内家=真○家なのですね、そんな由緒正しい家柄に注目♪
・栄おばあちゃんの侘助(わびすけ)対する言動と行動に注目!!なぎなた姿は素敵でした♪
・『74』→『75』この数字覚えておいてくださいね♪名シーンですw
・警察官の翔太にはイラっとできますwでもこういうキャラいないとねぇ♪
 
 
他にも見所がたくさんですが、緊迫感も味わえて、人と人との絆、家族愛など、いろんな感情を味わう
ことが出来る作品した。とにかく、栄おばあちゃんが最高です!家族全員が慕っているのが本当に良く
わかりますよ♪
田舎を思い出させてくれるアニメってあまりないですよね。私のおばあちゃんの家も長野なので尚更でしたw
観てよかったなぁ~おもしろかったなぁ~ってED曲聴いて余韻に浸ってくださいね♪

投稿 : 2024/03/23
♥ : 30

しょうすけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

感涙物語でした( p_q)エ-ン

オンライン上のバーチャルワールドで自動クラックAIプログラムが暴走し 乗っ取られ現実世界に危機が近づいていきそれらを止める為、親戚達が協力し合い抗っていく家族愛物語…

何か題材的に考えるとそんな面白くなさそうなんですがいっぱい感動出来る名作だと思います^^b

キャラクター的にはイマイチな感じでしたが感動出来ましたし素直に楽しかったです^^
国内外で映画賞受賞とか言われてもピンとこないけどw

投稿 : 2024/03/23
♥ : 9

75.4 10 ユーモアアニメランキング10位
シドニアの騎士 第九惑星戦役(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (844)
4509人が棚に入れました
太陽系滅亡から千年、地下から現れた少年に、人類の希望が託された。
対話不能の異生物・奇居子(ガウナ)に太陽系を破壊されて千年。脱出した人類の一部は、巨大な宇宙船シドニアで、繁殖しながら宇宙を旅していた。生まれてから地下でひっそりと暮らしていた少年・谷風長道は、衛人(モリト)と呼ばれる大型兵器の訓練生となり、歴史的名機・継衛(ツグモリ)の操縦士となる。長未知が初めて異性を意識した少女、星白閑。初めて友達となった男でも女でもない人間、科戸瀬イザナ。長道の能力に嫉妬を覚える岐神海苔夫。寮を取り仕切るクマ型の寮母、ヒ山ララァ。宇宙船シドニアにおける”日常”の生活―恋、喧嘩、仲間との会話は明日も続くはずだった。再び奇居子(ガウナ)が現れるまでは…。
100年ぶりとなる脅威との遭遇に、人類は、長道は、何を選択するのか?
人類の存亡をかけた戦いが今、始まる―。

声優・キャラクター
逢坂良太、洲崎綾、豊崎愛生、櫻井孝宏、佐倉綾音、金元寿子、喜多村英梨、大原さやか、坪井智浩、子安武人、新井里美、田中敦子、本田貴子、鳥海浩輔、阪脩
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

触手ちゃん♪

シドニアの騎士ってより最近は、あっ、触手の時間だ~♪って感じで、
毎週楽しみに観ております、
物語的には一期引き続きけっこう過酷な戦闘も続いてますが、
今期の興味はいきなり登場の触手、
イルカみたいなオバQみたいな、けど声は妙に可愛い(孫も大喜び)、
主人公谷風中心に人間娘と性別無しと触手?のラブコメもあるよみたいなw
この触手がいい子で人気上昇中らしく、でもこれって、、、、

なに萌えナンダロナ?

2015春期放送中 原作 弐瓶勉(月刊モーニング) 監督 瀬下寛之 制作 ポリゴン・ピクチュアズ
原作未読 一期視聴済、

一期観たけど光合成やら性別無し人やら尿管やら未来人設定或いは、
宇宙移民船設定もけっこうリアルで、マクロス重たくした感じだったよね、
戦闘場面端折ったりコマッタ君(岐神 )いたりってのもあったけど、
概ね楽しく観てた、って事で二期も視聴開始、
{netabare}
登場人物(一部触手)船やら敵やらも一応紹介

ガウナ  太陽系(地球含む)破壊した謎の生命体、集合体になって粒子砲打ってきたり厄介な敵
シドニア 巨大宇宙移民船、

谷風長道♂   
本作の主人公シドニアの撃墜エースパイロット、
星白閑♀    
一期でガウナに殺された?ヒロイン、ガウナコピー能力で再生中だった、んだけどな、、
白羽衣つむぎ♀?
二期のキーヒロイン?ガウナと人間の融合体、本体デカいけど触手で人と会話、この触手けっこう伸びてシドニアの配管伝いお出かけ可能、趣味は読書・入浴・トランプゲームww
科戸瀬イザナ? 
男でも女でもない中性だったけど谷風に惚れて女に偏り中
緑川纈♀    
作戦指揮官 一期から谷風にアプローチ中 プラモ好き

サマリイッタン♀
ガウナ攻撃部隊の女班長
仄シリーズ♀♀♀♀♀♀、、、
ガウナ攻撃隊員、クローンで同じようなのが沢山居る
ヒ山ララァ♀  
食堂の熊のおばさん
小林♀     
移民船シドニアの仮面被った謎の不死体女艦長、評議会長老連中殺して実権把握画策中、一期では変装したり可愛げもあったけど、、、
科戸瀬ユレ♀  
イザナのお婆ちゃん、不死体なので観かけは若い、科学者であり「外生研」の所長
落合♂     
昔のガウナ研究者で色々危ない研究してたらしい人、優秀だけど危ないので隔離されてた。
岐神♂     
一期で谷風の能力に嫉妬して意地悪してたコマッタ君

1話感想{netabare}
今回のOP騎士行進曲?knaights knaights knaights of sidonia♪いい感じ♪
落合研究室探索してた岐神シドニア血線虫(落合製造の脳コントロール虫)に感染?意識のっとられて落合になっちゃったって事なんだろね、この落合星白 閑のガウナ再現体いきなり強奪?再現体二期でどうなるんだろうって興味あったし可愛かったからちょと残念、谷風も星白居なくなって寂しそう、そうこうしてるうち新たな巨大ガウナの襲撃、苦戦中いきなりもう一体のガウナ出現?と思いきや、「始めまして皆さん、私の名前は(白羽衣 つむぎ)宜しくお願いいたします♪」この娘??はナンダロね~?{/netabare}

2話感想{netabare}
声は星白だけど?中に人岐神(落合)乗ってるし、「私本気出します」って体当たり大型ガウナ貫通~一撃かよ、岐神(落合)の説明「今ガウナを殲滅してみせたのはガウナではありません、我々と同じ意識持つ融合体です」と言われてもつむぎデカいしガウナ皮だし疑心暗鬼なシドニア住民、でもこのつむぎ礼儀正しく声が可愛い、谷風だけはそんなつむぎの事心配してて、やさしい主人公だね(←んでも早くも星白の事忘れてね~か)、つむぎ嬉しいと尻尾?振るみたいwwでもデカいから尻尾振るだけで大迷惑みたいな、つむぎに興味深々な谷風君つむぎ居住区へ通いだした、つむぎ触手登場♪イルカみたいなオバQみたいな、触手から触手も出るよ~(ヤヤコシ)キュっキュっ♪なんかコイツ、、、可愛いかも♪「また来てくださいね~♪」って。今回オモシロかったのは、一期から居た冬眠不死議会長老みたいな偉そな連中、最高評議会決定にて現艦長小林更迭じゃ~っとか、、言った途端逆に皆殺されて即ご退場~、一期からずっと思わせぶり存在だった割にはあっけない(伏線にもなれず不必要になったんだろねww){/netabare}

3話飛ばして4話感想{netabare}  
ガウナ襲来~、つむぎも出撃だけど暴走してイザナ誤打、つむぎ我に返り負傷イザナ庇いシドニア帰還中ガウナの超粒子砲がシドニアに放たれる、シドニアピンチ!なれどここでつむぎ身を挺し粒子光線起動を曲げた、シドニア助かった、けどつむぎはボロボロ、大丈夫かいな??あ、谷風も活躍してました(←既に興味はつむぎちゃんな訳ね)私も酷い目に遭ってるんですけど(←イザナ談){/netabare}

5話感想{netabare}
ガウナ辛くも退け谷風帰還、つむぎは?体組織90パー損失、ヤバくね?つむぎ培養液カプセルみたいな中で修復中、私も右手左足損失なんですけど(イザナ談)つむぎのおかげでシドニア救われたっての住民解ったみたいでパッシングもなり潜め、お見舞い献花とかしてある、谷風元気なかったけどつむぎ快方聞いていきなり元気になってつむぎ居に見舞い直行、星白完全に忘れやがったかな、想ったけど星白夢に出てきたね、つむぎ声似てたからかな?(←因み声優さんは同じ)目覚めるとつむぎ触手だった、治って良かった~つむぎ触手に抱き着く、イザナも猫持ってお見舞い(触手の餌じゃなくつむぎ触手は猫好き)、「(猫ちゃん)触ってもいいですか?」イマイチ妙な声で鳴く猫(触手になでられてもね)、シドニア配管の中ごそごそし始めた谷風とイザナ、配管通しつむぎ触手にお外観せたいんだね、{/netabare}

6話感想 {netabare}
風呂中祖母のユレ(不死なので若い)と会話なイザナ、祖母「貴女遅れてるから心配してた」、中性イザナどうやら女の道で決定したらしい、そこへ宿舎追い出された谷風が「泊めてくれ」、ハレムテンプレ鈍感♂主人公再起動か?イザナ「ちょうどよかったさっきから変な音してて不気味だったし」ポルタガイスト?の正体は?寂しくて配管伝って遊びにきたつむぎ触手でありました♪谷風「早く戦争終わらせないと」(←でも戦争終了=物語も終わるしってより対ガウナ位置のつむぎの居所の方が気になるし、つむぎバトエンは勘弁だね)新居探し始めた谷風は不動産屋に、場所やら配管やら配管やらが条件(つむぎ触手用だね)、新居整いつむぎ触手ちゃんご招待、つむぎ触手「一緒に寝てもいいですか♪」(寝るのかよ、まあ触手じゃ何にもできんわな、、)落合サイドが何か妙な新兵器開発中、{/netabare}

7話感想{netabare}
落合開発のあやしい武器?重力子放射線砲テスト~失敗暴走ガウナ化、谷風とつむぎに出動命令~、配管ピョコピョコなつむぎ触手が可愛い、なんとか鎮静も犠牲者出たね、でも真実は公表せずか、一期から谷風誤解中だった仄シリーズ♀谷風におにぎり持って仲直り画策も、谷風は部隊女隊長サマリに飲み屋同伴後光合成誘われ(光合成ってのは基本裸でやるので一般デートより意味深らしい)けど谷風は酔いつぶれ(オヤクソク)、にしても新居に一期から谷風に気アリの緑川纈もやってくるし、いよいよハレムになってきたね、纈とイザナとつむぎ触手3♀でお風呂で乳談義(って触手風呂にも入るんだw)イザナ巨乳化完全♀路線、{/netabare}

8話感想 {netabare}
緑川纈までコタツ持参で谷風宅へ、コタツ潜ってはしゃぐつむぎ触手♪か、、かあいいじゃね~かっ、けどハレム混沌化現象加速中、女性化著しいイザナ気遣うイザナのお婆ちゃんのユレ(←ひつこい様だが不死体だから若い)、谷風に出頭命令、重要文化財調査なるもの無理やり命じる、「イザナを連れて行きなさい!失敗したら以前あなたの頸椎内に仕掛けた爆弾起爆させてやる!」(なんか無茶苦茶だね~)、最近つむぎ寄り?な谷風にふてくされ気味のイザナを頸椎爆弾かかってるwから真剣に誘う谷風でありました、、{/netabare}

{/netabare}
さてさて後半やたらラブコメってきたけど、
これって一期と同じワンクールなのかな~、
星白どうなったのかも気になるけど、
やっぱつむぎ触手だよね、けっこう人気出ちゃってるし、
毎回DLして孫にも見せてるんだけど、
孫もけっこう喜んでるんだよね触手、
触手鬱ラストだけは勘弁してほしいな~。。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
9話~最終話
{netabare}
何とかイザナを桃源郷、、じゃなく千秋郷に誘う事に成功したハレムテンプレ型鈍感谷風、一泊付デート浮かれるイザナなれど谷風は頸椎無事目的、結局お婆策略込みイザナにバレて「ボクの事なんてどうでもいいんでしょ!」つむぎ派の私はうなずくも谷風そうもいかず~、、、何かあったのかなかったのか結局朝迎えコソコソ帰宅のお二人、そうこうしてるとイザナに偵察任務、惑星9に向かうイザナを心配する谷風とつむぎ、案の定かオヤクソクか結局ガウナ出現~、良い娘のつむぎイザナ助けに行きたい思い同じなれど命令待ち軍人谷風もつむぎに引きずられつつ結局惑星9へ、そろそろ回も押し迫るし過酷な戦闘になるんだろな~なってもいいけどつむぎだけは孫心配してるし無事で返してね(←もはや主人公もストーリーもどうでもいい痛い孫想いな一視聴者爺)
以降12最終話まで色々アリつつも流石の主人公つむぎ助けてなんとか帰還、ボクも大変だったんだけど~(←イザナ談)、谷風勲章もらったりワケワカラン敵はそのままとりあえずシドニアの航海はつづくのでありました~(終)、
{/netabare}
よかったよかったとりあえずつむぎ鬱ではなかった、
今週号ダウンロードして孫に見せよう、、、

孫「ちゅむぎは~?」ん?谷風君助けたっしょ?
「ちゅむぎ居ないよ」、、、

イルカオバQ触手状態でないとダメなのね、
ハハハ、、わかるわかる。。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 39
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さよならシドニア

弐瓶勉×ポリゴンピクチュアズ。

2期では日常パートを増やし、
キャラの感情や背景に焦点を当てた。
ラブコメ要素が増え、
物語に感情移入がし易くなった。
シリアスな作品だけに、
シュールな笑いが余計に笑える。
音響効果は変わらず凄い。

白羽衣つむぎの登場。
{netabare}人類とエナの融合個体。{/netabare}
旧約聖書の怪物、まるでリヴァイアサンだ。
獅子奮迅の活躍でしょう。
デザインがいい、声もいい。
まさかピンク色の胞手に萌えるなんて。
不思議な体験、やはり愛嬌なのかな。

狂科学者落合の登場。
シドニアを蝕む悪意。
種という概念からの解放。

原作では大シュガフ船(ガウナの母船)との、
激しい戦闘で幕を下ろしましたが、
{netabare}アニメでは因縁ある「紅天蛾」との、
最後を盛り上げる迫真の戦闘がクライマックス。{/netabare}
11話は驚愕、驚くほど動く動く。
{netabare}そしてエナ星白との邂逅。{/netabare}

傑作SFアニメの称号は揺るぎません。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 81
ネタバレ

CountZero さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

キタ・:*:.・,・ヾ(*´∀`*)ノ。・:*:.・,・ァ

第8話を視聴して…

{netabare} 霧亥「俺はネット端末遺伝子を探してる」
つむぎ「この後、キリイはどうなるんでしょうか⁉︎」
ゆはた「みんなの応援次第よ‼︎」 {/netabare}

…するする!応援する!応援超してます!
弐瓶作品といえばやっぱり外せないですよー(笑)
やばい。
期待マックスです。
むふー鼻息荒くなりました。
まだ本編終わってないのに、思わず思いの丈を叫びたくなってしまいました(笑)
二期のレビューはまた書きます。

ハードSFのはずなのにシドニアの{netabare}王道のハーレムラブコメパート{/netabare}最高です。
いざな可愛い(笑)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 26

90.1 11 ユーモアアニメランキング11位
夏目友人帳(TVアニメ動画)

2008年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (4997)
23647人が棚に入れました
魔妖怪が見える少年、夏目貴志はある日祖母の遺品である「友人帳」を手にする。しかし、その「友人帳」は祖母・レイコが負かし、名を奪った妖怪の名が書いてある契約書だった。
それ以来、名を返してもらおうとする妖怪達から狙われるようになってしまった夏目は、とあるきっかけで用心棒となった妖怪のニャンコ先生と共に、妖怪達に名を返す日々を送りはじめる─。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、伊藤美紀、沢城みゆき、木村良平、菅沼久義、藤村歩

真夏のスピカ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

四期までいったのも納得です!!

2012年1月2日から四期開始と聞き、さっそく見てみました。

日常とはかけ離れた「妖怪」アニメですが、いや、だからこそこのアニメを見た後はなんとなく、日常の尊さを感じてしまいます。

作品概要としては…

原作:緑川ゆき
監督:大森貫弘
   :
   :

夏目貴志     神谷浩史

ニャンコ先生   井上和彦

夏目レイコ    小林沙苗
 
名取周一     石田 彰

田沼要      堀江一眞

笹田純      沢城みゆき

西村悟      木村良平

北本篤史     菅沼久義

夏目(少年時代) 藤村 歩

藤原塔子      伊藤美紀

藤原滋 伊藤栄次

的場静司 諏訪部順一

投稿 : 2024/03/23
♥ : 15

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

どこか懐かしい想いにさせてくる...そんな作品です

他の人には見えないものが見えてしまう。

ファンタジーやホラー系などではありがちな表現なのですが、いずれも怖かったり、あまり良い印象を受けなかったりしますよね。
でもこの作品では優しい想いにさせてくれるです。

物語は妖怪が見えてしまう、主人公:夏目貴志が同じく妖怪が見えていた祖母の遺品で、妖怪の名が書かれている友人帳を見つけてから進んでいきます。

その友人帳絡みで出会う妖怪たちや友人たちとの、ハラハラした展開、時には笑ったり、泣いたり、癒されたりで本当に見ていて優しい想いになれる作品です。


また、日本の原風景やどこか懐かしい描写が数多くあり、その点でも癒されてしまいます。

基本的には1話完結ですが、大まかな物語は全体を通して繋がっているので、見ていても飽きません。

個人的には号泣してしまった回などもありました。

作品自体とても人気が高く
ニャンコ先生含め妖怪も個性的なキャラが多いのも魅力の一つです。

現在までにアニメは4期まで続いており、あまりの人気から今後もまだまだ放送されるのではと思います。


最後に見る順番ですが、

夏目友人帳

続 夏目友人帳

夏目友人帳 参

夏目友人帳 肆

の順番で見て下さい!!(*´ω`*)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 87
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目とギンコ

ふと思い立って、「蟲師」と「夏目友人帳」を
一話ずつ、交互に視聴している。(現在は第8話あたり。)
先に観はじめた「蟲師」の幽遠な世界に感嘆しながらも、
極度に稠密なストーリーと、重く張り詰めた空気にやや疲れを感じ、
別作品で中和して気分転換を図ろうというわけだ。

「夏目」を選択したのは、同じ和テイストのファンタジーで、
かつ親しみやすい日常系というイメージがあったからだが、
実際、無機的かつ即物的な感触の「蟲師」と比べると
妖たちまでが何とも人間臭く、ほっこりした気分になれる作品である。
以下、両作について思うところを簡単に書きとめておきたい。



{netabare}「友人帳」をきっかけに始まった、主人公夏目と妖との交流の周辺に
人と妖とが描き出していく心模様には、いくつかのパターンがあるようだ。

一方の心の側には淋しさや人恋しさが募っている。
もう片方の側にはそれを包もうとする温かい心が置かれている。
そして、ずっと残されていた"想い"が最後の瞬間に叶えられ、
片方ないしは双方が満ち足りて消えていく、という結末、など。

そうした心の交差を目の当たりに見た時、夏目が感じる切なさ、愛おしさは
孤独だった彼の心に反響し、増幅されるかたちで視聴者に伝わっていく。



ストーリーの核心となっている、夏目の「孤独」。
それは、彼にとって「友人帳」がもつ意味に結びついており、
妖に名前を返すという、危険なだけで何の得もない行為の動機を説明する。

名前を返すたび、レイコの記憶が思念となって流れ込んでくる、という。

「友人帳」によってレイコの過去を追体験しようとする理由は
早世した祖母の孤独な人生への哀慕の気持ちばかりではなく、おそらくは
レイコの過去がそのまま、彼自身の過去でもあるからなのだろう。

原作コミック第五話の「時雨と少女」(アニメ第四話)に重要なセリフがある。
妖にさらわれた生徒たちを置いて帰ろうとする先生とのやり取りの場面だが、
アニメでは端折られているので、原作の方から引用する。

  おまえ、あまり人間(ヒト)が好きではないだろう
  他人(ヒト)など放っておけばいい

これに対する返答は、原作ではこのような強い意志の表明になっている。

  …おれはそこで逃げてはいけないんだ、先生

  「友人帳」には、人に見切りをつけた
  レイコさんの悲しみがいっぱい詰まっている

  (―それに 人の優しさも 可愛さも
   わかってきたんだ 少しずつだけど)

  だからやれることはやりたい だから先生…

夏目がレイコに自分を重ね合わせていることがはっきりと判る。
また、夏目の人間嫌悪が相当根深いものであったことも。

この世ならぬものが見えてしまうことで孤独を強いられ、
ある意味、運命に翻弄されてきた受動的な過去を清算するための
能動的な手段、それが彼にとっての「友人帳」の意味であり、
レイコの過去を引き受けることは、自分の過去にも決着をつけることなのだ。



例えば、こんな想像をしてみよう。
仮に、すべての名前を返し終えて「友人帳」が空っぽになる時が来たとして
その頃の夏目は一体どんな人間になっているのだろうか―。
少なくとも内面的には、以前とは全く別の人間になっているに違いない。

ごく自然にそう予測できるのは、この物語の構造のためである。
未来に定められているこの終点が、予見的に物語に内在しているために、
日常のエピソードのすべてが、夏目が成長してゆくプロセスとなっているのだ。

過去と向かい合い、未来を模索する。そこに夏目の"現在"がある。



考え過ぎなのだろうが、何となく自分は
ここに一つの生き方が例示されているような気がしてしまう。

前だけを向いて迷わずに突き進む、積極的な人生があるなら、
過去を振り返り、迂回しながら、人よりも緩慢に進んでいく人生もあるはずだ。
勿論、彼は意識してそうしているわけではないのだが、
一般に、彼のような内向型の人に共通する心性はそうした生き方に向かわせる。

もしかすると、この作品が強く響く人の中には
こうした部分に無意識に共鳴しているケースがあるのかも知れない。
「夏目」の"癒し"は、案外に奥が深いのではないかと思う。



折角なので、「蟲師」の場合も見てみよう。

「夏目」では正常に定位している過去・現在・未来が、
こちらでは"蟲"の作用によって根本から秩序が揺らぎ、"現在"は失われている。
(時間の流れの外に取り残される第1話。始原の闇に閉ざされる第2話。
 夢で予知された未来が現実の中に流出する第4話。などといった具合。)

だが、それは何も時間に限らない。現実そのものが揺らぎをはらみ、
境界がぼやけて曖昧になっているのが「蟲師」の世界なのだ。
内部と外部。可視と不可視。ミクロとマクロ。生命と無機物。生と死。
"蟲"はこれらのあわいで、対立するものを弁証法的に媒介しているようだ。

「蟲とは、生と死の間にあるものだ。
 人を指すもののようで、物質を指すものでもある。
 死にながら、生きているようなもの、・・・」(第5話)

そう語るのは主人公の蟲師、ギンコだ。
彼はそんな世界に秩序を回復する存在である。
時間の観点から見れば、"蟲"に取りつかれて遊離した"現在"を取り返す存在。
その意味で彼は時間を超越した、絶対的な"現在"だと言ってよい。
(作中で彼一人だけが洋服であるのは、この事実を記号的に表象するようだ。)

同様に、異形の原始生命体である"蟲"もまた、時間を超越して遍在する。
この両者の絶対的な存在性には「神」のイメージすら仮託できるようだ。
それによって人間のドラマは相対化され、どこか影絵のような"現象"に還元される。



「蟲師」が海外でも評価が高い理由は多々あるだろうが、
このような人間の描き方に、日本的な美学が感じられる点も大きいと思う。
"現象"にも似た人間の存在の儚さを掬い取り、抒情的に描く部分にこそ、
おそらくは本作の真骨頂があるのではなかろうか。

(日本的、という言い方はあるいは不十分かも知れない。
「自然」という広大な生命の宇宙の、ごく微細な一部分でしかない人間。
この原感覚は、東洋的な世界観に根差したものであるし、
あるいはこの、いわば汎生命的でありながら同時に"無"("死"ではなく)を内包する
世界像が"蟲"の原イメージであるとすれば、それは東洋的と呼べるものだろう。)

儚げな印象はまた、「夏目」からも濃厚に感じ取られる。
作中に登場する廃線の駅、ダム湖に沈んだ村などは示唆的だ。
忘れられたものたちが束の間、姿を現し、また忘却の彼方に沈んでいく。
そもそも妖怪とは、人々から忘れられ、零落した古えの神々だとされている。

我々の背後に存在し、消えていった無数の、ささやかな時間の堆積。
そこに思いを馳せ、沈思に誘うような、どこか静謐な世界が両作の持ち味だろう。



とは言え、作風の相異もまた歴然としている。
青年漫画と少女漫画という、出自の違いは隠しようもなく明白だ。

「蟲師」という作品の凄味は他に類のないものであって、
非現実の存在である"蟲"の生態と、人間との関りを異常な現実感で描き、
私見では、広義の「幻想的リアリズム」の系譜に位置づけるべき作品だと思う。

単純に比較すれば「夏目」はやはり、"夢みられた優しい世界"に映る。
そこに少女漫画の限界を見る見方も確かに可能だろう。だが、
この作品の"優しさ"が視聴者に求められ、支持されていることは事実であり、
それは魅力でこそあれ、否定される理由には決してならないのである。{/netabare}



作風は大きく異なるが、視聴後の充足感は両作ともに深い。
「夏目」には心を潤され、「蟲師」には魂の深部を揺さぶられる。
こうした手応えは昨今のアニメにはまず求められないものだろう。
自分が旧作メインにならざるを得ない所以である。

「蟲師」については、よく言われるように、
一話一話が一篇の短編小説に匹敵するほどの濃密な内容を含んでいる。
それで得心がいくまで観返してしまい、完走は先伸ばしになっていくのだが、
いずれ単独で取り上げる際には、上記の着眼点を発展させた
"考察"もどきを試みたいと思う。まあ、需要はなさそうだが…。

2022.12.15 投稿

投稿 : 2024/03/23
♥ : 17

69.4 12 ユーモアアニメランキング12位
ラブコン(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (430)
2509人が棚に入れました
舞台は大阪の高校、舞戸学園。
主人公の小泉リサ(身長172cm)と大谷敦士(身長156.2cm)は、入学当初からの犬猿の仲。その身長差が傍目に愉快なことと口げんかがまるで漫才のようであることから、不本意ながらも学園のオール阪神・巨人として有名だった。
会えばけんかばかりだったリサと大谷だが、これ以上ないほど性格や音楽の趣味が合うことが判明し、またお互いが身長という同じコンプレックスを抱いていることにも気づく。それと同時にリサは、大谷が持つさりげない優しさや男らしさにも気づき、だんだん惹かれていくことになる。
自分にとって最高の相手である大谷、ただ一点、身長を除いては…。

声優・キャラクター
岡村明美、永田彬、東さおり、徳山靖彦、こじまかずこ、津田健次郎、小野坂昌也、瀧本富士子、諏訪部順一、松岡由貴、荒木香恵

ふきゅ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とにかく面白い!

本当に面白い。とにかく笑わせられます、色んな意味で←


原作が少女漫画なだけあって恋愛的展開GOOD!!
舞台は大阪で小泉&大谷組の漫才は本当に笑わせてくれるので尚GOOD!!


でっかい小泉とチビの大谷。
息ピッタリで揃う度に
漫才のような喧嘩をするところから周囲に
オール阪神・巨人なんて呼ばれる犬猿の仲の2人。
そんな2人がどんな風に結ばれていくのかが見所です!!


声優陣はおなじみベテランの岡本明美さんと
よしもと所属の永田彬さんを筆頭に
男性陣では津田さん、小野坂さん、諏訪部さん、
女性陣では瀧本富士子さん、松岡由貴さん
など知っている方は知っている方々が出演されております!

OP&EDはヘイジャンの皆さんですね!
うん、あってたんじゃないかな。
個人的にはジャニ曲使うなら
関ジャニの方がよりよかったのではないかと。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 15

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ラブコメを観るようになったきっかけ的作品

原作は中原アヤによる少女漫画だが、ベタベタラブラブなシーンが
ほとんどないので男性が観ても楽しめると思う。

まず、大阪の高校が舞台なので全編通して関西弁。
そこがまた、ストーリー展開のテンポと相まって、
ギャグのボケ&ツッコミも、なかなかのもの。

主人公は小泉リサ(身長172cm)と大谷敦士(身長156.2cm)
ラブリーコンプレックスを略して「ラブコン」というタイトルなのだが
この身長もコンプレックスのようで、そのあたりも含んでいるのかも。
入学当初から犬猿の仲であるこの2人が、様々な出来事を通して変化していく物語。

「キュン死に」や「キモ死に」「ソック」など数々の迷言も飛び出し、
まねして使いたくなるほど。っていうか当時使ってたし(笑)

テンション高めのシーンはありながら、ギャグもほどほどで
時々ほろっとくるエピソードもあったりと、
入り組んだ物語ではないから、気楽に楽しく観れる。
そして底抜けに明るい気持ちになれる、面白い作品だった。
この作品を観たことで、それまで興味があまりなかったラブコメを
観るようになったので、そういう意味では個人的に記念すべき作品なのだ。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 23

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

関西風ラブコメ

低身長男と高身長女による正統派学園ラブコメ。
めっちゃ夫婦漫才的なノリがいいですね。
また、コンプレックスを持った二人の微妙な関係を見事に笑いと涙に変換しています。

少女漫画原作のためストーリーはベタ。
だから安心して見ていられます。
少女漫画原作のラブコメの優位性を再認識しました。

このアニメの特徴は関西弁。
関西的なテンポ感のあるやりとりが面白さを倍増させています。
ただし、声優さんの演技力がちょっと残念・・・かな。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 26

74.4 13 ユーモアアニメランキング13位
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第2期(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (167)
377人が棚に入れました
高咲 侑:矢野妃菜喜
上原歩夢:大西亜玖璃
中須かすみ:相良茉優
桜坂しずく:前田佳織里
朝香果林:久保田未夢
宮下 愛:村上奈津実
近江彼方:鬼頭明里
優木せつ菜:楠木ともり
エマ・ヴェルデ:指出毬亜
天王寺璃奈:田中ちえ美
三船栞子:小泉萌香
ミア・テイラー:内田秀
鐘 嵐珠:法元明菜

白湯 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

炎上キャラを改善できただけでも好印象

スクスタのあの3人を改善して良キャラに仕上げてるだけでも十二分によく出来てると思います。

最終回分まで追記
13話で13人メインキャラだから深堀りまでは行けなかったけどキャラの扱い方は上手かったと思う。話も盛り上げるまでの順序立ても上手いし。
前の作品のスパスタが脚本もキャラも大きく難がある作品だったからかそれと比べるとこっちは脚本や描写の丁寧さが目立つ。(2期8話みたいに勢いやエモ重視回もあるが)スパスタもこれくらい描写出来れば批判されなかったろうになんでそれが出来んかなぁ…

投稿 : 2024/03/23
♥ : 4
ネタバレ

いこ〜る さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

今期は侑の物語

1話
敵役登場?
今までのライバル関係と言っても考え方は同じな仲良し同好会から、このクールでは思想の違う明快なライバルを出して関係性のギアを一段上げてきた!{netabare}
初回の登場シーンを見ている限り、そのライバル的な二人の感じ悪くて(ヒール的に描かれていて)ストレスが溜まるややリスキーなスタートを切ったと思う。

ただ前期と同じことをしてもしょうがないし、想像するにこのクールでは我々のアバターでもある侑の自己実現がテーマになりそうなのを思えば、「お前はここで何をするのだ?」と問う役割を嵐珠が担ったのは全く妥当だ。{/netabare}

風はいつも外から吹くのだ。

その風に飛ばされるのか追い風とするのか。
という初回だったと思うのは穿ち過ぎだろうか?

ーーーーーー

2話
なんか前回と感じが違うなと思ってみていたら{netabare}『個人回』の必要がないことに気がついた。なるほど1クール目と違いその縛りがないから当然話の作り方も違ってくるわけだ。
好きなシリーズを見ているとどうしても同じものを求めがちで、この2クール目も同じものを潜在的に期待してたわけだ私は。

で、今回は明快に違いを見せてくれてマインドリセットさせてくれた回だった。
さらに、かすみ・りな・かなた・エマってチームもいい!これが自然発生的に出来上がる流れなど素晴らしいと思う。
いいね!{/netabare}

ーーーーーー

3話
新キャラ組は皆優秀で他人を頼る必要がない。だから常に一人だ。{netabare}
対して新ユニットの四人は四人である必然に悩んでいる。いったいどうしたら皆んなが合うのか?
という対比の面白い回だった。
で、そこにもう一人、今まで誰にも頼らずにやってきた侑のエピソードを重ねてくるのが憎いところだ。
このあたりの答えの出し方がおそらく作品のトーンを決めていくだろう。特に新規組!
さてどうなるのか?楽しみ。{/netabare}

ーーーーーー

4話
自己実現とはなんと難しいことか。
それに比べれば他人の夢を応援することの易しさは言うまでもないと思う。{netabare}

だから、この回は愛とお姉さんの葛藤を借りた、侑のこれから・彼女の未来予想図であったのかもしれない。{/netabare}
深いな!虹ヶ咲。

ーーーーーー

5話
ラブライブシリーズ恒例の尾行回、今期二度目(変装はしていないのでこれはノーカン?)。{netabare}
歩夢とせつ菜のちょっとズレたコンビが侑としずくを追う珍しい構図のコント回、と見せかけて後半はこれぞ虹ヶ咲という展開に持っていくのは凄い。

新規組の合流が中盤のドラマかな?と思っていたら、それをおいて侑の物語をずっと続けているのもまた凄い構成だ。
(ところで新規組、合流するんですよね?){/netabare}

==========

見終わった!
新規組予想よりタタタッて駆け足で参加したけど、変な軋轢をドラマ化されるよりみんなが各々自己実現するその道の過程を描いてくれる方が、見ていてハッピーで良い。
最終話なんかほぼ歌唱シーンで終わったけど謎の感動があって、それはつまり実現された(されつつある)夢の形がそこにあるからに他ならない。りなちゃんボード無しでステージに立つ璃奈の姿などその最たるもので、だからお父さんは涙無しでは見れないのだ。

さてこの2ndシーズンは立ち位置の定まらなかった(曖昧だった)侑が自分の行く道を見つけるまでの物語が根底に常にあった。

思えば侑の存在は初めからかなり異質だったのだ。
応援するだけの人って?なんだ?という疑問は常にあり、ゲームにおけるプレーヤーのアニメ内キャラだとなんとかメタ的に容認していたものの、収まりが悪い感じは拭えなかった。

そう、1stシーズンでは彼女は仲間はずれだったのだ。だから歩夢が思いきり絡むドラマを立てて、そう見えないように工夫されていた。でも物語も2ndシーズンとなれば、そんなそんな鬼ごっこの『みそ』みたいな有りようではもういられなく、それは我々のモラトリアムがいつか終了するのと同じで、生きる術を道を見出さなければならない。そういうシーズンだった。

だから新規組の3人はその為の要員でもあったのだ。
嵐珠には同好会での存在意味を問われ
栞子は抑圧した思いからの解放を
ミアからは作曲≒自己表現を教わった。

ニジガクはソリストの集合であるが、孤独の人の集まりではない。必ず仲間が支えてくれる。
一人アイドル活動の外にいた侑も多くの人に支えられ、また支え、頼り、頼られ、そして愛されていた。そのようにこのシーズンを終わらせたのがとても素晴らしいと思う。

さあ侑の道も定まった!
3rdシーズンでは何が語られるのだろう。ラブライブ初の3期を切に待つ。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 10
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

虹色の個性が光る2期

【感想】
期待通りのいいアイドルアニメでした
キャラはとても可愛いし曲もいい、気分の悪くなる展開は起こらない平和で無害なできのいいアニメです

特にライブシーンの演出やカメラアングル、各キャラクターの可愛さがしっかり伝わるように配慮されていて洗練されてます
アイドルアニメに興味ない私でも素直にライブシーンいい!って思えました、ライブシーンは他のアイドルアニメとは段違いで完全に抜けてます
CGと手書きの違和感もほとんどなくて、製作費がちゃんと確保された環境があればこれだけの作品が作れるというのを見せてくれました

また、他のラブライブシリーズと比べてかなりプロデュース方面に力が入っていてアイドルマスターに近い感じで新鮮でした

ただ、特に大きな試練も葛藤もいさかいもなくあっさり事が進み、テンポよく話が進んで「最高だったねー!!」ってテンション高めにはしゃぐアイドル達に気持ちがついていけなくて置いてけぼりになりました

たしかにライブシーンは最高です、でもそこに至るまでのドラマはやや薄く、イマイチ気持ちを共有できなくて
キャラクターの汚いところや闇は徹底的に見せない姿勢は正にアイドルなのですが、汚いところも含めて愛せるのが真のファンなのではないでしょうか?
もっと視聴者を信頼して冒険してもいいように思います
ギスギスしてるよりはいいけどなんか大きく失敗することを恐れて無難にまとめた感じがします

とはいえ、やっぱり夢があってキラキラしていて前向きで、元気がもらえる素晴らしい作品でした

【音楽】
良曲が多く、期待通りです
アベレージが高めでさすがに力が入っています

【キャラクター】{netabare}
人数多すぎなのが欠点だった1期からさらに3人も増えてさらに賑やかになりました
CUEもそうですが、キャラが増えすぎたアイドルアニメはユニットに分けるのが正解でしょうね
キャラは可愛いし個性もあって魅力的です、ただキャラクターが多いのでどうしても掘り下げに差があるのが欠点
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 19

67.6 14 ユーモアアニメランキング14位
赤い光弾ジリオン(TVアニメ動画)

1987年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (35)
199人が棚に入れました
西暦2387年、「第二の地球」と呼ばれた植民惑星マリスで暮らす人類は、凶悪な宇宙の侵略者ノーザ星人の侵攻により危機に陥っていた。人類の兵器ではノーザ星人の装甲に歯が立たず、火力でも圧倒され、人類の滅亡は時間の問題だった。そのとき、未知の超文明から3丁の銃が人類にもたらされた。ターゲットを分子崩壊によって消滅させるこの銃は、ノーザ星人に対して唯一の有効な武器であり、神秘の銃「ジリオン」と命名された。マリス防衛軍は、ジリオンを活用して戦局を打開すべく、ジリオンを持つにふさわしい3名のエキスパート/JJ、アップル、チャンプを選抜し、スペシャルチーム「ホワイト・ナッツ」を編成した。以降、ホワイト・ナッツとノーザ星人の死闘が繰り広げられる。

声優・キャラクター
関俊彦、井上和彦、水谷優子、藤本譲、中村大樹、本多知恵子、速水奨、沢田敏子、小林修

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

光線銃玩具の販促アニメを傑作アクションに昇華させた〝ファンタジスタ"たち。

『エヴァ』出現辺りまで、玩具はアニメの上に君臨していた…。
『ガンダム』ですらガンプラ売りたい大人の都合に左右されていた…。

本作もそんな時代、セガの光線銃玩具の販促アニメ。
ところが後に『攻殻機動隊』を構築するスタッフらは反骨精神を披露。

とにかくこのアニメ、絵もキャラもストーリー展開もよく動く印象です。
いや…厳密に言えば、作画枚数等も決して多くなく、反復、使い回しも多用しているはず。
けれど彼らはどこで動く映像を見せて、場面を切り替えていけば、
視聴者をワクワクさせることができるか、よく分かっています。

優秀なサッカーの点取り屋は、ぼーっとしているようで、
ここぞという時に、動きがキレると言いますがまさにそんな感じ。

バッテリーが切れれば使えなくなる光線銃の残念仕様ですら、
ピンチシーンの演出に使う執念に、今見ても尚、胸が踊ります♪

動かして勝負に出た時に、作画が妙な粘り腰を発揮するのも本作の特徴。
作画崩壊の兆しを見せつつも、崩れそうで崩れず、
勝負どころではきっちり上げて来る。

この防御力は一体?と不思議に思っていたところ、
EDクレジットの動画仕上にて
当時まだ請負だった頃の京都アニメーションの名を発見して納得。
奴らのスタミナと運動量は当時から色々とおかしかった(笑)

CGも交えて絵を作る、今の時代からみれば、
絵はしょぼく見えるかもしれません。
けれど私はこういうエンタメ精神溢れる作画の仕事にこそ星★5つをあげたいです。

DVDレンタルなし。先日あにこれで行われた80年代名作アンケートでも除外w
(あれは本当に納得できませんでした(泣)スタッフのみなさんしっかりして下さいよ~。)
一部で動画配信されていて、私もそこで視聴しましたが、
アニメは動かして楽しませる。という原点を再認識できる作品。
数々の才能が構築したホワイト・ナッツの痛快ミッションを、
是非多くの人に体験して欲しいと感じる傑作ガン・アクションです♪

投稿 : 2024/03/23
♥ : 24

69.7 15 ユーモアアニメランキング15位
ひだまりスケッチ×☆☆☆[ほしみっつ](TVアニメ動画)

2010年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (472)
2753人が棚に入れました
憧れの私立やまぶき高校美術科に入学したゆの。
親元を離れ、学校のまん前にある小さなアパート「ひだまり荘」で一人暮らしをはじめたゆのは、そこで同級生の宮子、先輩の紗英とヒロの三人に出会う。 美術科の変わり者が集う事で有名なひだまり荘では、毎日がてんやわんやな出来事ばかり。
しかし、慣れない生活に戸惑いつつも、優しく温かい仲間に囲まれながら、ゆのは今ゆっくりと夢に向かって歩き出す。

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

声優・松来未祐さん、ご遺族が病名公表「早期発見と治療法の進展を願って」

憧れの私立やまぶき高校美術科に入学したゆの。
親元を離れ、学校のまん前にある小さなアパート『ひだまり荘』で一人暮らしをはじめたゆのは、そこで同級生の宮子、先輩の沙英とヒロの三人に出会う。
美術家の変わり者が集う事で有名なひだまり荘では、毎日がてんやわんやな出来事ばかり。
しかし、慣れない生活に戸惑いつつも、優しく温かい仲間に囲まれながら、ゆのは今ゆっくりと夢に向かって歩き出す。

ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第1巻
「月刊まんがタイムきららCarat」で連載中、蒼樹うめ原作の4コマ漫画のTVアニメシリーズの第3期第1巻。
私立やまぶき高校美術科に入学し、「ひだまり荘」で暮らす少女・ゆの、同級生の宮子、上級生のヒロや沙英の日常を綴る。
第1話「2月27日 - 3月4日真っ赤点 4月3日(4月1日)ようこそ ひだまり荘へ」と第2話「4月6日 - 4月7日イエス ノー 7月19日オリーブ」を収録。

ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第2巻
「月刊まんがタイムきららCarat」で連載中、蒼樹うめ原作の4コマ漫画のTVアニメシリーズの第3期第2巻。
私立やまぶき高校美術科に入学し、「ひだまり荘」で暮らす少女・ゆの、同級生の宮子、上級生のヒロや沙英の日常を綴る。
第3話「4月8日 - 4月9日決断 12月10日カップ小さいですから」と第4話「4月15日 日当たり良好」を収録。

ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第3巻
「月刊まんがタイムきららCarat」で連載中、蒼樹うめ原作の4コマ漫画のTVアニメシリーズの第3期第3巻。
私立やまぶき高校美術科に入学し、「ひだまり荘」で暮らす少女・ゆの、同級生の宮子、上級生のヒロや沙英の日常を綴る。
第5話「4月20日 オンナノコのきもち 1月31日 まっすぐな言葉」と第6話「10月15日 空の高さも木立の影も 4月26日 - 4月27日 恋愛上級者」を収録。

ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第4巻
「月刊まんがタイムきららCarat」で連載中、蒼樹うめ原作の4コマ漫画のTVアニメシリーズの第3期第4巻。
ひだまり荘を訪れた智花。
彼女との再会を待ち侘びていたゆのたちは、パーティーを企画する。
第7話「5月3日 - 5月4日 7等分の日」と第8話「5月13日 - 5月14日 ゆのクラブ 9月26日 - 9月27日 やっぱりナスが好き」を収録。

ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第5巻
「月刊まんがタイムきららCarat」で連載中、蒼樹うめ原作の4コマ漫画のTVアニメシリーズの第3期第5巻。
私立やまぶき高校美術科に入学し「ひだまり荘」で暮らす少女・ゆの、同級生の宮子、上級生のヒロや沙英の日常を綴る。
第9話「11月22日 三年生と一年生 5月21日 泣く女」と第10話「5月28日 - 6月2日 ひだまりパレット」を収録。

声優・松来未祐さん、ご遺族が病名公表「早期発見と治療法の進展を願って」
10月27日に亡くなった声優・松来未祐さんの病名が「慢性活動性EBウイルス感染症」という非常に症例の少ない難病であったことが、公式ブログより明らかとなった。ご遺族の「同じ病気の一人でも多くの人が、早期発見により助かって欲しいので、病名を公表したい」という意向をうけて、所属事務所81プロデュースが同ブログを通して公表した。  15日に、「松来未祐を応援してくださった皆様へ」というタイトルで更新されたブログでは冒頭、前日14日に無事に四十九日が終わったことを報告。松来さん自身の7月14日の投稿にあるように「体調不良が続き検査を重ねていましたが、原因がわからないまま、急性肺炎で緊急入院をすることとなりました」と、当初の入院理由を伝え、「精密検査の結果、“慢性活動性EBウイルス感染症”という非常に症例が少なく、難病指定もされていない難しい病気であることが判明し、そこから松来未祐の闘病生活が始まりました」と綴る。

また、「私どもスタッフから見ても、辛い治療にもいつも前向きに立ち向かっていて、必ず完治して復帰できると信じておりました。本人も、いつか手記を出して同じ病気に苦しむ人の支えになりたいと考えていました」と松来さんの闘病中の思いを明かす。最終的な死因は「悪性リンパ腫」であったことも明かし、「今回の公表を機に、より多くの方にこの病気を知っていただき、早期発見と治療法の進展に繋がることを願っております」と記した。

最後に同ブログには、松来さんのご両親から「娘の闘病生活については頭が下がるほど立派でした。ただ、ただ、仕事に復帰したい一念だったと思います。声優仲間の他ご縁のあった方々からの多大なご協力、ご支援、ご厚情に親として驚くとともに感謝に堪えません。また、これまで長い間松来未祐を応援してくださった多くのファンの皆様、本当にありがとうございました」というメッセージが記されている。

声優 松来未祐を偲ぶ 文化放送が追悼番組をストリーミング配信
10月27日に亡くなった声優・松来未祐さんの追悼ラジオ番組「松来未祐~メモリーズ~(仮)」が、11月19日(木)26時より文化放送のストリーミングサービス「超!A&G+」にて放送される。

声優としての活動はもちろん、2003年から放送されている「有限会社チェリーベル」をはじめ、数多くの文化放送の番組でパーソナリティをつとめていた松来未祐さん。

本放送は、ファンやリスナーからのメッセージやリクエストを紹介しながら、彼女を偲ぶ内容となっている。

松来未祐さんは、1998年にプレイステーション向けゲーム『御神楽少女探偵団』檜垣千鶴役で声優デビュー。

その後、TVアニメ「D.C. ~ダ・カーポ~」シリーズの鷺澤美咲役をはじめ、「ハヤテのごとく!」シリーズの鷺ノ宮伊澄役や「さよなら絶望先生」シリーズの藤吉晴美役、「ひだまりスケッチ」シリーズの吉野家先生役など、さまざまな人気作品の主要キャストを演じてきた。

2013年に開催された第7回声優アワードでは、『這いよれ!ニャル子さん』キャストによるユニット・後ろから這いより隊Gとして歌唱賞を受賞。声優活動にとどまらず、歌手やラジオパーソナリティなど、幅広い活動で数多くのファンから愛されてきた。

その矢先、2015年7月より病気療養のため活動を休止。その後もブログでは自身の様子をつづっていたが、突然の訃報にファンはもちろん、彼女と親交のあった声優や関係者からも悲しみの声が上がっていた。

『魔法少女まどか☆マギカ』から『ひだまりスケッチ』まで秘蔵資料&作品多数! こだわりの“蒼樹うめ展”10月3日より開幕

●内覧会には蒼樹氏も登場! ライブドローイングを披露
マンガ『ひだまりスケッチ』や、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクター原案などで知られる蒼樹うめ氏の展覧会“蒼樹うめ展”が、2015年10月3日(土)~12日(月・祝)の期間、東京・上野の森美術館にて開催!オープン前日となる本日10月2日(金)、報道陣向けの内覧会が行われた。

蒼樹氏初の個展となる本展では、マンガ原稿やイラストだけではなく、初公開の設定資料やデザイン画、描き下ろし作品など、貴重な作品・資料が一挙展示! キュートで華やかな“蒼樹うめの世界”を存分に味わうことができる。

そして内覧会には、蒼樹氏ご本人も登場! 報道陣を前に、その場でイラストを描く“ライブドローイング”を披露してくれた。登壇した蒼樹氏は、「最初に個展のお話をいただいたときには、なんと分不相応なと、大変不安でした」と率直な感想を語り、「私なりに、肩肘張らずにリラックスして、ニコニコと観ていただける展覧会ができたらいいなと思い、今日までコツコツと作らせていただきました」と本展をアピール。展示はもちろん、グッズなどの細部に至るまで蒼樹氏の意向が反映されているそうだ。

ライブドローイングでは、本展のメインビジュアルにも登場している『ひだまりスケッチ』のゆのと、『魔法少女まどか☆マギカ』キュゥべえを生描画。色えんぴつで頭の大きさなどのアタリを取ると、そのまま太さの違う2種のサインペンで直描き! 約20分ほどの間で、ゆの&キュゥべえが描かれていく。ちなみにゆのは蒼樹氏の美大生時代に生まれたキャラクターだというが、キャラクター自体は「私が落ちこぼれていた、予備校生時代の分身」とのこと。本展の作品には蒼樹氏直筆の制作秘話も併せて展示されており、こういった制作秘話を知ることで、より一層作品を楽しむことができそうだ。

さて、ここからは展覧会の模様をちょっとだけご紹介。第1章~第5章の章立てで、幼少期から学生時代、『ひだまりスケッチ』に『魔法少女まどか☆マギカ』、そしてイラスト制作や同人活動などの多岐にわたる創作活動まで、蒼樹氏の歩みを一望することができる。実際に蒼樹氏が使用している機材を展示した“原稿の部屋”も必見だ。

◆第1章“蒼樹うめとは”
蒼樹氏の幼少期の作品や、学生時代のデッサンなどが展示。蒼樹氏手作りの焼きビーフンを再現した食品サンプル(!)の傍には、レシピも!

◆第2章 『ひだまりスケッチ』の世界
4度にわたりテレビアニメ化もされた、蒼樹氏の代表作『ひだまりスケッチ』。各種イラストや原稿のほか、“ひだまり荘”を再現した一角も!?

◆第3章 原稿の部屋
蒼樹氏の仕事場を再現したコーナー。幾多の作品が、すべてこのコーナーと同じ環境で制作されたのだ。

◆第4章 キャラクター原案『魔法少女まどか☆マギカ』
社会現象にもなった『魔法少女まどか☆マギカ』は、蒼樹氏がキャラクター原案を担当。キャラクターたちの魅力を、蒼樹氏みずから解説している。

◆第5章 「蒼樹うめ」の仕事
連載作品やイラスト提供、企業とのコラボなど、さまざまな作品も一挙展示! コミックマーケットのカタログイラストには、蒼樹氏の熱い想いも添えられていた。

本展では作品展示やグッズ販売のほか、蒼樹氏が不定期で来場し行うドローイングイベントやサイン会、蒼樹氏本人や声優の阿澄佳奈さん(『ひだまりスケッチ』ゆの役)、悠木碧さん(『魔法少女まどか☆マギカ』鹿目まどか役)による音声ガイド(700円[税込])など、“蒼樹うめ展”を味わい尽くす仕掛けが盛りだくさん!

蒼樹うめさん初の個展「蒼樹うめ展」 7月3日から前売り券が全国にて発売開始
10月3日~12日に上野の森美術館にて開催される人気イラストレーター・マンガ家の蒼樹うめさん初の個展「蒼樹うめ展」。前売り券が7月3日から発売されることがWebサイトや公式Twitterアカウントにて発表されました。同時にWebサイトもリニューアルされ、「見どころ」「チケット情報」「関連イベント」が新たに公開されています。

「TBSアニメフェスタ2009」において第3期シリーズ『ひだまりスケッチ×☆☆☆』(ほしみっつ)が製作されることが発表、2009年10月26日に公式サイトにて放送日時が発表され、2010年1月から全12話が放送された。なお、シリーズ初のBlu-ray DiscがDVDと同時発売されている。

内容は原作にほぼ忠実だが、各話の順番はバラバラで、また時系列順でもなくバラバラである。第3期ではゆのは2年生。

このアニメの大きな特徴として、実写取り込み画像とスクリーントーン状の背景を効果的に使用していることが挙げられる。第3期では料理の実写取り込み画像が使用されなくなっているが、所々の止め絵・アイキャッチ・背景の一部に実写取り込み画像が使用されている。

パートの冒頭には映画のフィルム音と併せた5秒前からのカウントダウンが流れ、3期では夜空に映える星座の周りに「JAN(1月)」から「DEC(12月)」の文字を並べたデザインのものが使われている。

オープニングテーマ
「できるかなって☆☆☆」

エンディングテーマ
「さくらさくら咲く 〜あの日君を待つ 空と同じで〜」

投稿 : 2024/03/23
♥ : 42

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日常系が極まってます

シャフト製ほのぼの日常系の第3期です。
1期2期と、シャフト演出が気に入らないと批判させていただきましたが・・・・流石です、やってくれました。
この3期は実にイイ!
クセのある部分が抜けて、高品質ないいところだけが残った感じです。


内容は、新キャラ加入でほのぼのさが更に増しています。
親友のペアが3組、6人のひだまり荘の住人がメインキャラです。
日常系なのでストーリーはあって無きがごとしですが、キャラが増えたことでエピソードや会話に幅がでて、1つのネタをじっくりやるようになりました。
(1期&2期の落ち着かない雰囲気が無くなってます)


作画も色合いがはっきり出てて見やすくなってます。
もともと質の高い作画でしたが、キャラクターの笑顔がすごく魅力的に描かれるようになり、癒し度が大幅アップ!
これにはヤられました。
いい仕事です。


3期になってようやく日常系のツボ掴んだ感じで、賞賛させていただきます。
(素人が生意気いって申し訳ないですが)


ほのぼの系がお好きな方、是非ともご視聴あれ!

投稿 : 2024/03/23
♥ : 14

リクポテ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

待望の新キャラ!(^○^)

コミック原作 既読

まったり日常系アニメ ひだまりスケッチの第3期です。

ここまで見てくるとキャラへの愛着も相当なものです。

相変わらずひだまり荘の面々の日常をゆったりと描いています。
そんな3期の最大の見所は新しくひだまり荘の住人に加わった 乃莉 と なずなです。
2人ともとっても可愛らしいですね。
とくになずなの守ってあげたくなる感はすごいですよ(о´∀`о)
サバサバした性格で思ったことをそのまま言う乃莉が、内気で天然マイペースななずなを引っ張っていく感じです。
出番がそこまで多くなかったのでまだ完全にひだまり荘に馴染んだとは言えませんが、ゆの×宮子、ヒロ×沙英という仲良し組にまた新たなペアが加わり、キャラに厚みが増しました。
どのペアもホントに仲良しで、見ているこちらが恥ずかしいくらいですww
そんな様子を見てるだけでホントに和みます(  ̄▽ ̄)

そして嬉しいことに今回、作画と演出がさらに向上しています。特にキャラデザが抜群に可愛くなっていて、どのキャラも笑顔がすごく魅力的でした。
シャフト特有のくどさもほとんど感じることなかったです。

こうやって見てみると1,2期は芸術性に重きを置いていて(ひだまり荘の面々が美術科所属だから?)、3期は純粋にストーリーで魅せている感じ?がします。

1話の中に現在の時間の話と過去の回想という2つの話があるパターンが多いです。欲をいえばもう少し乃莉となずなの出番があってもよかったかなと思います。

音楽も相変わらず良いですね。
ノリノリのOP、心暖まる演出が光るEDどちらもGoodです(^○^)b

シリーズを重ねるごとにどんどん進化するひだまりスケッチ。
3期もとっても癒されました(о´∀`о)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 24

72.0 16 ユーモアアニメランキング16位
王立宇宙軍オネアミスの翼(アニメ映画)

1987年3月14日
★★★★☆ 3.9 (273)
1123人が棚に入れました
所属が10人に満たず「失敗ばかり」「なにもしない軍隊」と揶揄され、世間に落第軍隊として見下されているオネアミス王立宇宙軍の士官・シロツグ=ラーダットは、欲望の場所でしかない歓楽街で献身的に布教活動を行う少女・リイクニ=ノンデライコとの出会いをきっかけにそれまでのその日暮らしの自堕落な生活を捨て、宇宙戦艦という名目の人類初の有人人工衛星打ち上げ計画に参加し宇宙を目指すことになる。

声優・キャラクター
森本レオ、弥生みつき、内田稔、飯塚昭三、村田彩、曽我部和恭、平野正人、鈴置洋孝、伊沢弘、戸谷公司、安原義人、徳光和夫

edoya さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

私的 最高傑作

何度も見返しているが、リリースから二十年以上経った今でもノスタルジーではなく、全く古いと思わない。

完璧に作り込まれたオリジナルの世界観。
棒状の通貨、敵国の言語などにその徹底したコダワリが見て取れる。
そこで繰り広げられる王立宇宙軍の、庶民と政治の間での葛藤。
ヒロイン、リイクニ・ノンデライコへの主人公の届かぬ思い。
のんびりした中盤の流れを一気に蹴散らす怒涛の終盤。

画の繊細さは今でも充分素晴らしい。
森本レオの抜けた声も前半こそグータラなシロツグ・ラーダットにハマっている。

そしてオリエンタルで時に詞的に、時に荘厳に響く坂本龍一の楽曲。
そのメインテーマはガムランを思わせる導入部のリズムだけで鳥肌が立つ。
更にはサエキケンゾウが作曲した戦闘シーンの楽曲は、中近東音階を駆使した名曲。

これらを当時、原作の実績なしに、一から、アニメーションで作ったと言うのだから、空いた口が塞がらない。

個人的な思い入れがあることは否定しないけれど、この作品は私の傑作アニメーションランキング不動の一位であり続けている。
早く二位に退いて頂きたいのだが、残念ながらその輝きは未だ衰えてくれない。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 8

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメの限界に挑戦してみた

<2022/10/17 追記>
続報です。
4Kリマスター版での劇場公開は10/28(金)からだそうですよ

<2022/5/21 追記>
今年の秋に4Kリマスター版で劇場公開されるそう。
10月かな。
映画館で見たら迫力凄いだろな
観に行きたくなってきた。

<2019/12/7 初投稿>
当時、新進気鋭の若手クリエイターたちが
GAINAXに集まって、
自分たちの作りたいものを、
自分たちのやりたいように作ったオリジナルアニメ映画
らしいです。

興行的には大失敗で、この失敗が後の「トップをねらえ!」や「新世紀エヴァンゲリオン」の誕生に繋がっていったのだとか。
1987年作品。

私はこの頃〜2002年ごろまでアニメ見る習慣なくて。
でも何故か本作は1990年代後半にレンタルで借りて観たんですよね。
なんで手に取ったのかよく覚えてないけど。

たぶん、
「異常なくらい細部に拘った丁寧な絵」
「とことん練り込まれた個性的なアナザーワールド」
をパッケージから感じ取ったのかも。

この2点は本作が他と一線を画すものです。
細部に拘った絵は、もうそうとしか言いようがない。
一枚一枚が時間をかけて作成されたイラスト画のよう。

そして、世界観。
テクノロジーは現実世界で言えばおそらく1900年代の半ばぐらい。
でも、文化・風俗は現実の世界とは全く異なります。
衣服や建物のデザインが全く違う。
食器や硬貨など日常触れるあらゆるもの少しずつ現実と変えている。
どの国をモチーフにしたとかそういったことが一切感じられません。

例えば硬貨。
この世界の硬貨は「金属の棒」です。
ちょうど麻雀の点棒サイズくらいの棒。
自販機で切符を買う際はこの「某」を穴に突っ込んでいきます。
超違和感 笑。

着る服も、軍人の礼服とかどこかで見たような気もするけどどこも思いつかない個性。
お洒落かどうかは置いておいて、
アニメのデザイナーってファッションデザイナーの才能も必要なの?
と思った記憶があります。

そうした細かいところにこだわり抜いた本作。

ストーリーは、現実とは異なるとある世界の、
新設されたばかりの「宇宙軍」所属の為、階級だけ高い、
やりたいことが見つけられない冴えない若い軍人「シロツグ」が主人公のお話です。

これである意味全て説明が終わってしまう。
そのシンプルさが素敵、という考え方もあります。

ただ一つ難点が。

キャラクターの心情描写です。
可能な限り表情や仕草で表現しようとしている。
まるで実写のように。

本作は純文学のように登場人物の心情がさりげなく、そして赤裸々に綴られていきます。

これ、実写映画だったら、実写でこの映像・演出だったら。
名作の部類だったと思うんです。

でもこれはアニメ。
つまるところ、表情や仕草だけで実写と同じ手順で感情を表すのは無理あると思うんですよ。
一コマの絵で伝えられる情報量が違いすぎるのでは、と。

アニメは実写に比べて「映像」としての情報量が少ない。
裏を返せばそれがアニメの強みのはずなのですが。
その強みを捨てて、ひたすら実写映画のような表現に寄せていく。
しかも純文学。
観てる側としてはまぁ伝わらないことこの上ない。

でもでも。
これはそういう「挑戦」なのかも、とも。

「アニメは実写を超えられるのか?」
という疑問を持った若きクリエイター共の挑戦なのかもしれませんね。

で玉砕。

そして「トップをねらえ!」「新世紀エヴァンゲリオン」へ

こういう挑戦は素敵だと思います。
「素敵がたくさん」by 灯里

本作はそういう風に観る作品なんだと思います。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 53
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

マナの微笑みの意味を考察すると、答えが見つかる気がします。

 月とライカと吸血姫を見て、久しぶりに見たくなって再視聴しました。

 正直申し上げて、面白いかといわれれは面白いですが、エンタメ性はそう高いものではありません。作画の凄さがあるのでアニメ作品として見ると驚きはありますが、それはあくまで中身があってのことです。

 で、中身です。テーマは、ちゃんと物語で語られていると思います。アナロジーというか直接述べていない部分があって、分かりづらいところはありますが、神と人類の罪である火。それをリイクニと宇宙開発で表現した映画と言えるでしょう。


 内容についての解釈です。{netabare} さて、本作の最大のポイントは後半半ばくらいでリイクニの妹、マナがシロツグに向かってニコっと笑う場面ではないかと思っています。

 シロツグは当初は恐らく不純な動機でリイクニに近づき、カッコつけというかいところを見せようとパイロットを目指します。

 リイクニの純粋さだと思いますが、シロツグはリイクニに心を惹かれて行きます。と、同時に宗教に傾倒してゆきます。

 シロツグは宇宙飛行士としてもてはやされると同時に、宇宙計画の意義について問われます。この時、シロツグは教会の天井にある神の姿を模したステンドグラスを見上げます。彼にとっての意義は宇宙に行くことそれ自体だったのでしょう。ですが、問われてみれば、神の教えと自分の行動の矛盾に気が付いたのかもしれません。

 そして宇宙計画には膨大な予算が必要で半分の金額で飢える人を3万人救えると言われます。シロツグは教会の前にたむろしていた貧民にお金を投げつけます。つまり、この段階では彼は自分を肯定しきれていないということでしょう。

 その直後、リイクニとともにビラをまきます。ここが彼の悩みを表現していたのかもしれません。本当に宇宙に行くことが正しいのかという自問自答。あるいは神に許しを乞うていたのか。

 ですが、ここで小さな出来事が起きます。今まで敬虔で穏やかだったリイクニが、雨に濡れてイライラしていたのでしょうか。マナに対して一般の小うるさい母親のように小言を言います。そして、靴からお金がこぼれるという描写がありました。これがシロツグにとって、リイクニもやはり普通の女性であるということが解ったのでしょう。有名なレイプ未遂のシーンになります。



 そして、その後のリイクニの反応は狂気でした。シロツグに対しシロツグは悪くない悪いのは自分だ、と理屈にならない理屈を述べます。恐らくここでシロツグはリイクニの異常性に気が付いたのでしょう。そして狂信的に宗教にのめり込むことについて恐らく疑問をもったのでしょう。

 多分、ここでだったら神というものを確認するために、あるいは人類の罪とは何なのかを確かめるために、宇宙に行く決意を固めたのではないか、と思います。

 マナは別れを告げにきたシロツグに対し微笑みます。それが恐らく答えなのでしょう。リイクニに対して一切笑わなかったマナの微笑みの意味はリイクニの否定、シロツグの肯定と取れます。
 
 最終的にシロツグの宇宙からの問いかけの意義については、まあそれぞれが何を思うかでいいと思います。

 リイクニが最後に言葉を止めて空を見上げたのはなぜでしょうか。シロツグが空にいることを思い出したのか、それとも自分の行いに初めて疑問を持ったのか。{/netabare}

 テーマが深いかといわれると、実はそうでもないです。「2001年宇宙への旅」を初め文明の進化についての映画など腐るほどあります。ただ、SF設定の凄さは持ちろんですが、キャラ造形が良いのと、物語とテーマの関係がすごく自然で脚本のうまさが光っていると思います。

 前半ちょっと飽きる部分はありますが、後半からどんどん面白くなって行きました。ただ、再視聴のハードルは高いですね。前回見たのは10年以上前だと思います。

 アニメそのものの凄さは語りつくされているので、これくらいでいいでしょう。1点だけ下衆な話で申し訳ないですが、リイクニのヌード。すごい美しいスタイルでした。さすがガイナックス、力の入れどころを間違えません。


追記 肝心なところを書き忘れました。初見のとき、リイクニの売春的なものを疑った記憶があります。家を失いおじさんにコートを貰った、良くしてもらっている。そしてお金をばらまきますからね。しかも、シロツグが拗ねていました。シロツグには手をつなぐことにすら拒否したのに…と。その直後にレイプに踏み切った、という動機から考えてもそう採れなくはありません。

 ただ、現在はそうではないと思っています。リイクニは電車に乗っていましたから、文明の恩恵を全否定していないし、お金も使っています。それに彼女の宗教的な純粋性を否定してしまうとテーマがぶれる気がしました。どちらが正解かはわかりませんが、キャラを読み解くとやっていないのが自然な気がします。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 15

63.8 17 ユーモアアニメランキング17位
ケモノヅメ(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (187)
944人が棚に入れました
食人鬼を狩るため古より続く戦闘集団「愧封剣」。その師範代である桃田俊彦は、事もあろうに愧封剣館長殺害の疑いをかけられた食人鬼の上月由香と恋に落ち逃亡してしまう。俊彦の弟の桃田一馬は、逃げた二人の追跡と愧封剣の館長職を継いで愧封剣の運営に乗り出す。元愧封剣メンバーの大葉久太郎の助力を得て組織の近代化を進める一馬だが、最近の食人鬼の激増による連戦で疲労の頂点にある隊員達と、 これを機に影の存在であった愧封剣を社会にアピールしたい一馬の間で亀裂が生じはじめる。

声優・キャラクター
木内秀信、椎名へきる、吉野裕行、柿沼紫乃、筈見純、内海賢二

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

エロティックバイオレンスホラーラブコメディ~?とある家族の壮絶な愛の味

2006年8月から11月までWOWOWで有料放送されていたせいで
知名度が低いのか。
あにこれでもレビュー数がとても少ないのが残念でならない。
監督は湯浅政明氏。全13話。70年代によくあったようなOPの演出と
ジャズのビッグバンドっぽい音楽、気性の激しさを感じるフォントがカッコいい。

【愛と欲と哀しみと】

食人鬼を狩るため、いにしえの時代から続く戦闘集団「愧封剣」
「愧封剣」という技は元々、「己の心の中にある鬼を封ずる技=救済でもある」
ということが1話で語られるのだが、この言葉に納得しながらも、
観終えた翌日の今日もまだ、余韻に浸りながらこの意味を考えていたりする。

「愧封剣」の師範代である桃田俊彦は、食人鬼の上月由香と恋に落ち逃亡。
しかし単なる逃亡劇にとどまらず、恋愛だけではない家族愛、親子愛、
そして無償の愛へと話が発展していく壮大さは見応え充分。

食うものと食われるもの、いわば天敵なのだが、見方をガラリと変え
食欲と性欲という密接に繋がった本能を主軸においた場合、
この作品はまさしく「愛と欲望の物語」なのだということに気づく。

しかし、愛や欲望なんて言葉にしてしまうと、ただただ相手の身体をむさぼり
溺れていくイメージが強くつきまとってしまいそうだが、、
それだけではない重みや、複雑な哀しみがこの物語にはあって、
各登場人物たちの過去や心情、事情などが明らかになっていくにつれ、
観れば観るほどに、どんどん惹き込まれていった。


【魅力ある登場人物たち】

ネタバレになるのであまり詳しくは書けないが、
食人鬼のボス的存在の男も、なかなか男気があって魅力的だったし
6話や最終回で見せた異常なほどの大男、”ぼんちゃん”の気の優しさや、
ぼんちゃんのパパで、この物語の大きな鍵を握る大葉氏の狂気も
必要不可欠な存在であり、人間離れしながらも人間的なところは
あまりに哀れすぎて同情してしまうほどだった。
また、本能に素直で正直で、不死身かと思うほどの強靭な身体能力と
精神力の持ち主である俊彦は由香や利江でなくとも、
惚れてしまうセクシーさがあってすごくいい。

でも、俊彦の腹違いの弟で、父亡き後の「愧封剣」のため奔走した一馬や
一馬を支えつつ、許婚だった俊彦への自己犠牲的な深い愛情を示した利江、
そして彼らの父親たちの複雑でせつない想いにも泣けてしまった。
もちろん、由香と俊彦の深い絆と信頼、愛情にも・・・
それを象徴する、最終回のエンディングに登場する一枚の写真には、
「愧封剣」の真の意味を感じ取ることができ、こみ上げるものがあった。 


【印象に強く残った食事風景】

また、9話での老夫婦のエピソードもなかなか良かったし、
塩湖での、つかのまの幸せなひとときはちょっと幻想的で、
心に刻み付けたいシーンだった。 
それだけに、その直後の光景は衝撃大きかったのだけどね。。
ただ、6話の由香の誕生日と9話での老夫婦との食事のシーン、
利江の父親を訪ねていった時に出されたコーヒーなど見るに、
料理や飲み物は、その味そのものはもちろん大事だけど
それ以上に、「美味しいね」と微笑み合える関係と信頼のほうが
重要なんだなとあらためて考えさせられた。


【この作品の魅力】

映画やドラマのパロディも、シーンやセリフの中にちらほらあり、
ギャグとシリアスのメリハリあるバランスが絶妙で、
スパイスの効いたロマンスと辛口なアクションの匙加減にしても、
人間のエゴや愚かさ、本当の悪とは何かを、これでもかというほどに醜く描き
悪夢としか言いようのないグロテスクさとエロの曖昧な境界線までをも
露にしようとした試みにはほんと、飽きさせないなんてもんじゃなく、
恐れ入りましたという感じ。
また、アクションで特に発揮するカメラワーク、音楽の使い方も良い。
特にサンタラの唄うエンディングテーマ『好き』は、この物語のために
書き下ろされたとしか思えない歌詞で、その言葉選びも秀逸。
ちなみに全13話のサブタイトルを見ると、甘い、辛酸、苦味、しょっぱい、
隠し味や蜜の味、などの味覚を表す言葉が含まれているのだけれど、
最終回のタイトルは「味は関係ない」と締めくくっているのも、
いろいろな含みがあって素敵。

どれひとつとっても個性が強くて、おそらく万人受けはしないのだろうけれど、
個人的には今まで観てきたアニメの中のベスト10に入る作品になった。

そして湯浅氏の作品での特徴かなと最近気づいた雨の多用、
激しいアクションシーンで、しかも人の感情の昂ぶりや怒りに比例するがごとく
効果的に使われており、雨の降り方も強弱つけてあって、
そういうさりげなく繊細な部分も好みだ。

つくづく、アニメって総合芸術なんだな、と改めて気づかされたことが
観て良かったなと思ったし、嬉しかった。


最後に、記憶に残ったセリフのひとつ・・・
「気持ちだけで話すな。現実を見ろ!」

自分自身にも時々言い聞かせたい言葉だった。


【観終えたあとに考えていること】

それにしても、人を食べる・・いわゆるカニバリズムとは何だろう?
密林の奥地の人食い族には、どんな秘密と真実があるのだろう?
遭難などして飢餓状態にある時の、生き延びる手段だったり
宗教的なものの他に、確実に太古の昔から存在する事実。
学生時代、この「カニバリズム」について少しだけ探求してみたことが
あっただけに、今回の物語はすごく興味深かったわけなのだけれど、
側面的なことしか、まだ答えが出せていない。
もしかしたら、SMというフィルターを通すと案外、
わかりやすい答えが叩き出せるような気もしている。

究極の自己愛か、本能100%の真の性愛なのか食欲なのか。
冒頭で若い男が「食った(寝た)女の話」を友達に自慢するシーンが
描かれていたが、本当に「食う」のはそんな生ぬるいものじゃないなと
観終えてみてそれだけは今、感じている。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 42
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

俺達に明日は無い?

2006年8月よりWOWWOWにて発表されたオリジナルアニメ 
原作&監督 湯浅政明氏&マッドハウス 音楽若草恵氏

この作品キャッチフレーズが、

エロティックバイオレンスホラーラブコメディー、

当初キワモノ?疑ったけど、
とんでもない、すなおにマイリマシタ<(_ _)>、

考えてみればアニメという媒体は、
作画や背景(絵画)基より本(小説)演劇演技(声、表現)
もう総合芸術であり文化でもあるという事、
あらため認識させられた、
{netabare}
食人鬼(通常形態は人間で興奮すると鬼になり人を襲う)というものが古来存在し、これを専門に狩る集団家系(愧封剣)の跡継ぎ長男が惚れた女は食人鬼だった、裏切り者の名を受けて全てを捨てて(←ごめんね~)食人鬼である恋人連れて禁断愛の逃避行、二人の運命や如何に?
{/netabare}
逃避行という事で、
ゲッタウエイ、ってより俺たちに明日は無い、かな?
そんな洋画観てた時代の日本、昭和40年代、
オープニングから即惹きつけられてしまった、
音楽、タイトルバック、フォント、
モロ昭和40年代感バツグン日活映画か~?みたいな、
これが劇中BGMからエンディングまで雰囲気一貫性見事で、
当時の退廃的或いはフラワーヒッピーサイケデリック、
そんなの流行ってた時代の感覚再現度凄い、
この世界観再現できる監督も凄いけど、
若草恵氏の音楽がこれしか無いってくらい合ってる、

画も背景もヤバい、好き嫌い無論あるだろうけど、
作品としてこの画でなければなんだね、
意図的ラフな線や背景や構図も随所けっこう緻密だったり、

ストーリーも基端逃避行って事で、
テーマがはっきりしてて判りやすいし、
全13話中にはけっこう素直に心響くエピソードもある、
芸術=わけわかんね~、って事もない、
{netabare}
最終回はス〇クキメてんじゃないかってぐらいぶっ飛び過ぎてたけど、
{/netabare}
万人受け難しい人選ぶ作品と言われれば、
それまでなんだけど、
監督湯浅政明氏という事で、
四畳半神話大系逆辿りで本作触れる方も多くそれも正解、
経緯どうあれ一度は触れて観て戴きたいものだなと。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 23

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

骨まで愛して  【ねこ's満足度:80pts】

『マインドゲーム』の湯浅政明監督による初テレビシリーズ。

人を喰らう性質を持つ”食人鬼”の女・由香と、食人鬼を狩る集団”愧封剣”の師範代・俊彦。
そんな二人が出会い愛し合うことから始まる、大人のためのエンターテイメント作品です。

もうOPからガツンとやられました。カッコイイ!!
独特な作画や演出。抜群のテンポに色気溢れるジャズィなサウンド。
センスの塊のようなその世界に、瞬く間に惹かれてしまいました。

ストーリはシリアスかつコミカルに。
序盤は由香と俊彦による愛の逃避行劇が主となりますが、話はそんな簡単にはおさまりません。
様々な登場人物による欲望や願望が複雑に絡み合い、甘く切ない人間ドラマが展開されていきます。

公式ジャンルは”エロティックバイオレンスホラーラブコメディ”。
そのすべてがバランスよく配合されていて、全13話あっという間に完走してしまいました。
コミカルなやりとりが秀逸な6話と、それとは対照的に哀しい結末を迎える9話は、特にお気に入り。
どちらも、この作品の魅力が十二分に詰まったエピソードだと思います。
ただ、最終話だけはちょっとやりすぎ……かな?(その分評価は控えめ)
予想のはるか斜め上をいかれて、わたしの脳がついていけなかっただけかもですが(笑)。

ちなみにエログロ描写に関しては、その特徴的な絵のせいかそれほどでもないです(わたしだけ?w)
ただあくまでも”食人鬼”ですので(笑)。その手のものが苦手な方はご注意を。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 30

65.9 18 ユーモアアニメランキング18位
マインドゲーム(アニメ映画)

2004年8月7日
★★★★☆ 3.8 (154)
607人が棚に入れました
ある日、西は電車内に飛び込んできた初恋の相手・みょんと再会を果たす。彼女の案内で姉・ヤンの経営する焼き鳥屋に案内されたが、そこで彼女がりょうと婚約している事を知り、落ち込む。その時、突如借金取りのヤクザが押しかけ、それに巻き込まれた西は、お尻の穴から銃弾を撃たれて脳天破裂という、何とも無様な形で死んでしまった。しかし、現世に未練残りの西は、神様の意志に逆らい、自らの意思で生還したのであった。

声優・キャラクター
今田耕司、前田沙耶香、藤井隆、たくませいこ、山口智充、坂田利夫、島木譲二、中條健一、西凜太朗

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夢の風景

 『四畳半神話大系』などでも監督をつとめる湯浅氏によるやや実験的なアニメ。なんか、わけのわからない夢をまっとうにがんばって映像表現をしたような作品。

 『パプリカ』のような、誰の目にもあでやかでキレイな映像だということではなく、つげ義治的な『ねじ式』的な夢のわけのわからなさの映像化。面白いには面白かった。映像表現の面白さとかに興味のある人は、見るとよいのではないでしょうか。

 そして、例によって、この作品はあにこれ内では、あんまりレビューなさそうだな、と予想したら、確かにレビューが少なかったなう…

投稿 : 2024/03/23
♥ : 4
ネタバレ

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

素晴らしき哉、人生!  【ねこ's満足度:80pts】

ある日突然命を落とした青年が、”もう一度”に賭けて奔走するハイテンション・ムービー。
2004年公開で、当時の各アニメ賞を総なめにした湯浅政明氏による監督デビュー作品です。

主人公の西くんは漠然と今を生きるフリーター。
そんな彼はひょんなことから初恋の相手・みょんちゃんと再会します。
最初こそ下心丸出しで喜んでいたものの、突きつけられた現実に徐々に落ち込みだす西くん。
さらに追い打ちを掛けるがごとく、とんでもないことに巻き込まれてしまうのですが……。

アーティスティックな映像に、独創的すぎるアイデアと奇抜な演出。
一時たりとも目を離せない、まさに”湯浅ワールド”全開といった感じのアニメです。

作品のテーマ&メッセージはごくごくシンプルなもので、
『{netabare}人生なんてちょっとしたコトでいくらでも変わっていくんやで~{/netabare}』ということ。
それがこの監督の手に掛かるだけで、ここまで奇想天外なお話になってしまうのだから驚きです。
若干冗長に感じる部分もありましたが、全体的には抜群のスピード感で100分があっという間。
特にクライマックスシーンでの疾走感は、一緒に駆けてる錯覚に陥るほど迫力がありました。

主人公のみならず、他の登場人物の背景まで垣間見えてしまうのもすごいと思わせる点。
ひとつひとつ描かれてるわけでもないのに、なぜかその人の”人生”が見えてきてしまう。
冒頭3分間の意味不明な映像が、ラスト10分間で明らかになっていく展開は鳥肌モノでした。
同じようで違うふたつのとある物語。その違いを楽しむのが、実は一番の醍醐味だったりもします。

主人公を演じるのはお笑い芸人の今田耕司。その他にも吉本芸人が多く登場しています。
そのせいかどこか『吉本新喜劇』的な人情味も感じられたのは、わたしだけでしょうか?(笑)。

間違いなく万人受けはしないけど、ハマる人はガッツリハマる。そんな作品だと思います♪

投稿 : 2024/03/23
♥ : 22

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

荒唐無稽、支離滅裂、ぶっちぎりの独創性

アニメ界の奇才、「四畳半神話体系」「ケモノヅメ」の湯浅監督の初監督作品
荒唐無稽、支離滅裂、ぶっちぎりの独創性
最初から最後まで、分けわからない疾走感で謎の感動を覚えるw

一応ストーリーらしきものはあるが、ストーリーを追っていくような内容ではなく
映像を楽しみ、そして心で感じるべきアニメですね
まぁ、ワンシーンワンシーンを深く見ていけば、それなりの意図はあるのでしょうが
正直僕にはお手上げですw完全思考停止状態で見ていましたw
というより、考えながら見てたらダメという典型的なアーティスティックなアニメです

疾走感あふれるコミカルな展開で、メッセージ性はストーレートなので、楽しめる人は楽しめると思うが
やはりぶっとびすぎていて、ついていけない人の方が多いのでは・・・w
しかし、その疾走感あふれる独創的な表現やら演出やら
生々しいキャラ描写やら、サイケデリックな描写やら・・・
もう全てにおいて、こりゃすげぇわ・・・・と素直に思えた。

脳内の映像をそのまま絞り出したような前衛的なアニメで
実写に勝るアニメーションの利点を最大限活かした後世に残るアニメ
まぁぶっちゃけ好みではないが、その凄さに圧倒されました。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 11

66.3 19 ユーモアアニメランキング19位
劇場版マジェスティックプリンス 覚醒の遺伝子(アニメ映画)

2016年11月4日
★★★★☆ 3.8 (71)
294人が棚に入れました
宇宙に進出を果たした人類は、数多の資源小惑星を手中に収め、その未来と繁栄は約束されたかに思えた。しかし、汎銀河統一帝国を名乗る謎の勢力“ウルガル"が襲来し、地球は存亡の危機に。遺伝子操作によって戦うために生まれた5人の少年少女、イズル、アサギ、ケイ、タマキ、スルガの「チームラビッツ」は、最新鋭の戦闘デバイス「AHSMB(アッシュ)」で戦いを挑み、最終決戦においてウルガルの部隊を退ける。その戦闘によりイズルは…。そんなチームラビッツを、新たな外敵、新たな戦いが待ち受けていた―。

声優・キャラクター
相葉裕樹、浅沼晋太郎、日笠陽子、井口裕香、池田純矢、渡辺明乃、沢城みゆき、伊藤静、東地宏樹、藤原祐規、三瓶由布子、杉田智和、斉藤壮馬、代永翼、雨宮天、鈴木愛奈
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

TVシリーズ以来3年ぶり、完全新作の劇場版だよ!お兄ちゃん!

待ちに待った劇場版でしたが、期待通りの出来栄えでした。
敵ウルガルとの最終決戦ではなく、太陽系に取り残された残存部隊との戦いなので、
スケール的には小じんまりした印象は否めませんが(上映時間が約80分しかない時点で嫌な予感はしてた)
実際見てみるとこれぞマジェプリといった感じで、TVシリーズを視聴した時の熱がこみあげてきましたね。

マジェプリの魅力は
・シリアスな設定や描写を引きずらずにギャグで落とすところ
・視聴者目線でなく保護者目線で見守りたくなる危なっかしくて愛らしいキャラ
・オレンジCG班による超絶メカ戦闘

特に本作は劇場版だけあって戦闘作画はとんでもないレベルに達してますね!
アニメにおける「高速の動き」って光がビュンビュン飛び交うだけの誤魔化しがよく見られるんですが、
マジェプリの戦闘は精密な動きまできちんと描写されてる点が素晴らしい(しかもそれが長時間続く)。
更に本作は「緩急」の織り交ぜも効果的で、絵の動きのみならず「魅せ方」にも拘りを感じました。

{netabare}覚醒したブルーワンの殺陣シーンは格好良すぎでしょうよ。
のっしのっし・・・からの超ダッシュで上空へ駆け上がり敵機を薙ぎ払う一連のシーンは何度見ても痺れる。
終盤の戦いの舞台がTVシリーズでも好評だったラベンダー畑なのも個人的に良かったです。
美しい空と雲と花畑の中での激しい戦闘ってのが、コントラストが映えに映えて思わず見惚れてしまう。{/netabare}

本作をもってTVシリーズから続いた第1期が終了したって感じですかね。
まだ物語的に消化しきれてない部分や伏線もあるので、続編に期待したいです。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 14

haiga さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ロボットアニメの完成系

いやー面白かった。
残念ファイブの最後の闘いの劇場版です。最高に面白かった本編の続編ですからどうなるかと期待半分、不安半分で観ましたが最高×2倍でした。このアニメがスタッフに愛されてるのが判りますね。素晴らしい出来映えに大感謝。(2回目を見たので加筆します)

続編なのでぜひ本編を観てからこの映画を見てくださいね。残念ファイブの保護者になった気分で観てください。このアニメの特徴で敵がむちゃくちゃ強くて、チーム全員で死力を尽くして闘うんですよね。全然舐めプしない。
時にはズルい手を使ってでも。命がけの闘いなんだからそれくらい当たり前です。そこが大好きなところです。

あとチームのみんなに見せ場がちゃんとあるし、黄色キャラのスナイパーと言う一見地味なキャラがこれだけ活躍するアニメは見たことがないです。
今回アッシュ(ロボットの事です)が覚醒しまくりますが、どれも半端ないかっこよさです。是非実際に観てください♪

今まで観たロボットアニメの中での最高傑作と私は思っています(ガンダム、マクロスより瞬間最大風速は上です)ある意味ロボットアニメの究極の完成形だとおもいます。騙されたと思って観て下さい。むちゃくちゃお薦めですよ

投稿 : 2024/03/23
♥ : 11

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

TVシリーズの続編、首を長くして待ってました!!!

原作なしのオリジナルアニメとして制作された
2013年春クールスタートのTVシリーズ(全24話)は大好きです。
円盤で全話3周以上リピートしました。

このころ、ロボットアニメが豊作で
「革命機ヴァルヴレイヴ」と「翠星のガルガンティア」が同時期に放映されてましたね。
ロビットアニメも好きな私は三作とも観ましたが、
ガルガンティアもかなり好かったけど個人的に今作がダントツ。

TVシリーズでは脚本と作画に、
制作者の並々ならぬ作品とキャラに対する愛情を感じられたことが一番印象的でした。
ロボットの迫真のバトルに魅了されました。

ロボのメカニックデザインも
ロボアニメで一番好きだったガンダムSEEDと並ぶ出来のよさ。
人間キャラも敵味方問わず皆、血が通っていて実にいい味出せてた。

物語の盛り上げ方やキャラ描写の秀逸さは、
元永慶太郎監督と吉田玲子さんを中心とした脚本チームの賜物でしょう。
また、シリアスな展開でも上手く挟まれたユーモアによく爆笑してました。

映画化により3年ぶりの続編…TV第二シリーズでないのは残念だけど
円盤売り上げの実績からいって続編あるだけでもありがたいこと。
制作チームの皆さんに感謝します。

さらに、後日談でもあり劇場版へ繋がるTV用新作第25話も作られ
公開前の再放送の締めくくりとして放映されるとのこと。

ロボットアニメに興味ない方にもおススメですよ~
ぜひ2016年7〜8月の再放送(1時間枠)を御覧になってみてください。

作品評価は、2016年5月末時点では基本的にはできませんが
声優とキャラだけはTVシリーズの延長として捉え、満点の★5にしておきます。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 10

65.7 20 ユーモアアニメランキング20位
長靴をはいた猫(アニメ映画)

1969年3月18日
★★★★☆ 3.6 (24)
93人が棚に入れました
フランスのシャルル・ペローの同名童話が原作。脚本に井上ひさしが参加。石川進、藤田淑子がそれぞれぺロ、ピエールの声を演じている。全編にあふれるユーモアとギャグが光り、「びっくりしたニャ」の主題歌も印象的。長靴を履いた猫ペロは、ネズミを助けたことから“ねずみを仕留めない罪"でボス猫に死刑を宣告されてしまう。それ以来、ペロはちょっとマヌケな3匹の殺し屋猫に追い回されていた。そんなある日、ぺロは二人の兄にいじめられている少年ピエールと出会う。家を出て町まで来た二人は、お城のローザ姫がおムコさんを捜しているという貼り紙を見つける。ペロは心やさしいピエールとローザ姫を結婚させるため、いろいろな作戦を計画。ピエールの真心がローザ姫の心をとらえ、あと一歩というところでお姫さまが、ライバルの魔王ルシファにさらわれてしまう。ペロのお姫さまを助ける大活躍が始まった!

56.5 21 ユーモアアニメランキング21位
夕やけだん団(アニメ映画)

2015年4月1日
★★★★☆ 3.4 (18)
64人が棚に入れました
2015年4月1日より109シネマズ全館にて幕間上映がスタート。毎月1本新作が公開される。


JR日暮里駅からほど近い場所に存在する、夕焼けを堪能できる階段が舞台。

女子高生の七海と不思議な猫のコトブキがノスタルジックな雰囲気の中、毒舌を混ぜつつもどこかホッとするトークを繰り広げていくショートアニメシリーズとなる。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

山ちゃん、器用…。

109シネマズで映画上映前に上映される『紙兎ロペ』的なポジションのショートアニメ。

メインキャラであるしゃべる猫のコトブキ(CV:山寺宏一)と女の子の七海(CV:柴紅音)の掛け合いを基本とした、江戸下町の風情みたいなものをテーマとした会話劇です。

稀に他のおじさんが出てきたり豆腐屋のラッパが鳴ったりしますが、そういうのは全部山寺さんが演じています。たまたま映画館で観る以外には観ないので区分を「未整理」にしていますが、私はけっこう好きですよ、これ…。

ちなみに公式サイト http://www.yuyake-dandan.jp/ で数話が期間限定配信されるほか、ビレッジヴァンガードでDVDを売っているらしいので、映画館以外でも観られるかも。

2017.4.19: 公式サイト情報を追加。

2017.1.16追記:
新作の発表も治まったようなので、鑑賞状況を「観終わった」に変更しました。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 22

63.4 22 ユーモアアニメランキング22位
スピードグラファー(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (241)
1268人が棚に入れました
舞台は失われた10年の混乱から脱し、一部の富める者だけが我が世の春を謳歌する“快楽都市”と化した東京。 雑賀辰巳は、友人戸越清冶郎からセレブリティーのみが出入りできるとされる闇の社交場六本木倶楽部の潜入取材を依頼される。
潜入に成功した雑賀は、六本木倶楽部の深奥で行われる儀式の巫女、女神として崇められる謎の少女、天王洲神楽と出会う。雑賀は助けを求める神楽をつれ逃亡するが、六本木倶楽部支配人水天宮寵児が仕向ける欲望により特殊能力に目覚めた超人、ユーフォリアたちから執拗に追跡される。そして雑賀も神楽と接触したことにより、被写体の魂を吹き飛ばす写殺能力に目覚めていた。
自由を求める神楽のため、そして普通に写真を撮影する事の出来なくなってしまった自身を元に戻すため、彼らの孤独な逃避行が始まったのだった。

声優・キャラクター
高田裕司、真堂圭、本田貴子、森川智之、高島雅羅、優希比呂、津田健次郎、江川央生、広瀬正志
ネタバレ

uppo さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

オカネクダサイ

happy end好きには向かない作品。
後半から面白くなるタイプのアニメ。
資本主義を問い、あなたの金の価値は愛より上ですか、大切な人より上ですかと問われてる気がした。
金だけで無く、戦争についても所々描かれている。
幸せですか?のあの看板は今でも印象に残っている。
{netabare}資本主義をここまでぶった切ってくれた事は見ている分には痛快だったが、日本が破産して円が大暴落する事は将来的に有りそうで怖い。{/netabare}
この作品は雑賀が主人公なはずなのに水天宮が主人公と言っても良い位のキャラだったと思う。特に終盤は彼への好感度が急上昇しまくった。
{netabare}水天宮の妹との再会シーンは本当にキツかった。
ここまで目を背けたくなるシーンってなかなかないと思う。 
こういう結果を全く予想してなかったと言えば嘘になるがこうまざまざと現実を見せつけられると・・・。
金が全て。
金を持ってる奴が正義、持っていない奴は家畜。
これが資本主義・・・。
そんなものをまざまざと見せられた気分だった。
妹の死に際の笑顔がとても印象的だった。 
このシーン見た後はただ絶望感しかなかったな。 {/netabare}

この作品は全体的に暗いし、変態が多いし万人向けの作品ではないと思うが自分の中では名作です。
この作品に出会えて良かった。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 10

pop22 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

万民にうける内容ではない

ソルティレイに並ぶGONZOのオッサンミーツガール+資本主義ネタ
戦闘にスピード感が無いのが×
逆に言えば、それさえあれば完璧だった。
いかれ具合も行き過ぎず、甘過ぎずちょうど良く、飽きずに見れた。

悪のカタルシスもばっちり、名言もオンパレード

「金こそが国境を越え、世界を流れる血液だ。巡りが悪ければ、その国は末端から壊死していく」

「日本は平和じゃない
戦争中だよ
銃の代わりに札束で殺しあってるようなもんだ」

「サイガ君、グッドバイブレーション!!!」

「恋のドクターストップよ」

「日本相手なら世論操作も必要ないでしょう。HAHAHAHAHA」

他にも名言目白押し。

終盤はほぼ国家そのものと言ってよい巨悪に対してどうやって勝つんだよ。
まさかバッドエンドじゃないだろうなぁとヒヤヒヤしてたが
ある意味、現実的、かつ、そこそこグッドエンドに持っていったことに賞賛。
毎話、タイトルにも結構ふいた。

戦闘シーンにスピード感さえあれば完璧だったのに
本当に惜しい。

万民にうける内容ではないので名作にはならないだろうが自分的名作。

最後にグッドバイブレーション!!!ウボァッ

投稿 : 2024/03/23
♥ : 6

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

変態キャラのインパクトが凄まじいSF超能力バトルアニメ

このアニメは、超能力バトル物の中でも非常に癖の強い
作品である。良くも悪くも人を選ぶタイプのものであること
は間違いない。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
主人公の雑賀は、戦場カメラマンとして活躍していたのだが、
重傷を負ったために日本に帰国。その後、フリーの
カメラマンとして生活する日々を送っていた。ある日、編集長の
依頼により、とある「秘密クラブ」の情報を得ることに。
潜入を試みるのだが…。

この作品の大きな特徴は、タイトルにも書かれている通り
強烈な変態達が次々と登場する点だ。
彼らの持つ超能力が、自身の性的嗜好(フェチ)に
由来しているからだ。
ゴム、ダイヤ、歯、電気等といったように様々だ。
個性が、あまりにも強烈であったため主人公ではなく
彼らを応援しそうになった。

また、社会風刺もきちんと描かれている。
資本主義の本質とは何かを考えされてくれた。
秘密クラブと密接に関係しているという点も
非常に興味深い。

回によって差はあるものの、グロテスクな
シーンやエロシーンが存在するので
耐性はある程度持っておいた方が良い。

16話の総集編にも工夫がなされていた。
回想を費用として、換算しながら見直していくスタイルで
あったため見ごたえがあった。よい試みだと思う。

ラストも上手くまとまっているということもあり楽しめた。
設定に関しては、文句なしに素晴らしいと感じた。
普通のアニメでは、物足りないと感じる方や
一風変わった超能力アニメを見たいと思っている方が
見たらはまるのではないかと考えている。
個人的には、名作と言われても不思議ではないと感じるほど
とても面白かった。間違いなく、良作だと思う。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 10

67.6 23 ユーモアアニメランキング23位
メダロット(TVアニメ動画)

1999年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (105)
627人が棚に入れました
お友達ロボット・メダロットが大流行している時代。小学生の天領イッキは、今時メダロットを持っていない珍しいヤツとして見られていた。しかし、川べりで見つけたカブトメダルを拾い、念願のKBT型メダロット・メタビーを手に入れるが、メタビーはマスターの言うことを聞かないという非常に珍しいメダルだった。 破天荒なメタビーに振り回されつつ、イッキは幼なじみのアリカ、良きライバルのコウジ、お嬢様のカリンといった仲間たちとの友情を深めていく。

声優・キャラクター
山崎みちる、竹内順子、仙台エリ、鈴木真仁、坂本真綾、並木のり子、横幕玲王奈、鶴岡聡、内藤玲、石橋美佳、山崎樹範、立石弘一、井関佳子、清水宏、冨田昌則、大谷亮介、篠原功、真島啓、樋口智恵子

ligame さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

合意とみてよろしいですね?

同タイトルのゲームボーイソフトを原作とした、ロボット作品です。
ロボット作品と言っても、巨大ロボット同士の戦闘みたいなのはないです(少しありますが)。
イメージとしては『ポケットモンスター』を思い浮かべてくれればいいと思います。
多分アニメにしろゲームにしろ漫画にしろ、『メダロット』という単語を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
子供のころに見た作品ですが、ニコニコ生放送で一挙放送があったので視聴しました。

『メダロット、それはテクノロジーが生み出した、全く新しいロボットである。
ティンペットと呼ばれる基本フレームに、人工知能メダルを搭載。
更に様々なパーツを合体させる事によって、無限の能力を引き出す事ができるのだ!』
これはアニメ開始時のナレーションですが、メダロットの説明としてはこれが一番分かりやすいです。

このメダロットが全世界に普及している近未来、メダロット同士を対戦させる競技、通称ロボトルが流行している世界が舞台。
主人公の小学生・天領イッキと相棒のメダロット・メタビ―を中心としたストーリーです。

序盤は様々なメダロットにスポットを当てたストーリーや悪役のロボロボ団との対決。
ロボロボ団は悪役なんですが、序盤はそんなに悪いことはしていないので憎めないキャラでした。
しかし、中盤から終盤にかけてかなりの悪役になっていきます。
そのギャップにも注目ですね。
終盤の世界大会編はこの作品最大の見どころです。

この作品の魅力は何と言っても個性的なキャラ達です。
魅力的なキャラが多すぎて全員は書けないですが、3名ほど紹介しておきます。

まずは孤高の戦士ロクショウ。
メタビ―がカブト型メダロットならこのロクショウはクワガタ型メダロット。
ゲームではカブトVerクワガタVerとなっているので、言わば第二の主役メダロットです。
メダロッタ―つまり持ち主がいないメダロット、クールで超かっこいいです。

次に怪盗レトルト。
メダルを華麗に盗み出す仮面を被った謎の男。
正体バレバレなのに誰も気付かないところに笑ってしまいます。
怪盗ヒカルト…一体何者なんだ…?

そして最後に私の大好きなミスターうるち。
世界メダロット協会日本支部所属の公式審判。
ロボトルがあればたとえ火の中水の中どこへでも駆けつけます。
その登場シーンが毎回のお楽しみです。
真面目に見えて意外といい加減、感情を表に出してときにはしょんぼりときにはシャキーン。
その感情表現や人間性そして毎回言う名文句、その全部が好きです。
このキャラなくして『メダロット』は語れません。

主題歌もなかなかの名曲。
OPはメタビ―役の竹内順子さんが歌う『知恵と勇気だ! メダロット』
とてもテンションの上がる熱い曲です。
EDはアリカ役の仙台エリさんが歌う『やっぱり君が好き!』
OPとは打って変わってとても癒される曲です。

友情あり、笑いあり、涙あり、熱いバトルあり、まさに王道の少年向けアニメです。
ちょっぴり大人向けの話もあります。
思い出補正もあるかもしれませんが、時がたった今見ても純粋に楽しめました。
全52話と長いですが、見る価値はあると思います。
何も考えずにただ見るだけでも十分楽しめますよ^^

それでは皆さんご一緒にっ!?
ロボトルゥーーーーーーファイトォ!!!

投稿 : 2024/03/23
♥ : 4

負け猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

毎回神回

メダロットという小型のロボによるバトルものアニメだが
概ねバトルはあっさりしたものになっている。

メインはバトルにいきつくまでのノリのよいギャグとテンポ
そしてバカみたいな話だったりシリアスだったりのストーリー

昔のアニメという事もあり作画が安定しない、
わざと崩している時もあれば本気で崩れている時もあるw
たまにあるシリアス回でのバトルや
盛り上がりまくりの時のバトルは恐ろしい程ヌルヌルしている。

原作がゲームボーイソフトのメダロット2という事だが、
内容はあまり関係ないので、このアニメ単品で楽しめます。
(ママさんにはびっくりしたなー)

そして奇抜な登場をしてくれる、
ロボトル(メダロットのバトル)公式レフリー 
Mr.うるち には毎回期待してしまうでしょう。
(そこから来るのかwとか、どうしたその格好wとか)

原作ファンはアニメで動くメダロットに感動する事間違いなしです。

個人的に
 アークビートル ←ヘラクレスオオカブトがモデル
 ウォーバニット ←ライオンがモデル
 キースタートル ←カメがモデル
 (アニメはイエロータートルだったかな) 
が大好きでしたねー

投稿 : 2024/03/23
♥ : 1

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ひよこ売りのオッサンの熱き名台詞。

90年代末の神子供向けアニメの一角


こんなに熱血なロボアニメはこれ以降ではグレンラガンくらい


ナルトよりメタビー派


ひよこ売りのオッサンの熱き名台詞だけで三回見返せる!


岡村天斎監督といえば、子供向けなら本作、大人向けなら「黒の契約書」に限る(どっちも1期のみ)


アニメ史上最強クラスのママさん


「この世には二種類の大人がいる。責任をとる大人、責任をとろうと努力する大人だ。」、「いや、責任をとらない大人だっているんじゃないですか?」、「そんな輩は大人じゃねぇ!。無駄に大きいクソガキよ!」


キクヒメにカラスミさんという萌えキャラ


真綾さんには珍しい天然お嬢様キャラ


男の勝負を決めるのは熱い魂

投稿 : 2024/03/23
♥ : 8

68.2 24 ユーモアアニメランキング24位
ドラえもん のび太の日本誕生(アニメ映画)

1989年3月11日
★★★★☆ 3.7 (110)
657人が棚に入れました
ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫は宿題やお手伝いなどそれぞれの理由で家出を決意。タイムマシンで7万年前の日本にやって来た。しかし、原始時代の少年ククルが入れ代わり現代へ。ドラえもんたちは原始生活を始めたが、そこは嵐と雷を繰る精霊王ギガゾンビと手下のクラヤミ族に支配され、ヒカリ族のククルの両親も捕虜として捕まっていたのだった・・・。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ギガァァァ!!(爆)。ドラえもん映画の魅力はクラフトと飯テロ

 ドラえもん映画の魅力は色々あるが、私はクラフト要素と飯テロであるといいたい。多くの旧ドラでも優れた作品はもれなくこの点を上手く抑えている。本作でも料理畑とか、丸焼きの牛(しずかちゃんには果物)といったシーンがワクワクするし、クラフト要素として自分たちの住むとろこを作る件が素晴らしい。こういう子供に夢を与えてくれるポイントって大事である。


 本作はゲストキャラよりギガゾンビと部下の土偶の存在が強すぎてあんまり印象に残らんかったのが少々惜しいかな。ペガ、グリ、ドラコの三匹も良かったけど、要素を入れすぎちゃったかもしれない。タイムパトロールが活躍する数少ない作品かも。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 6

ひつまぶし さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心地よい予定調和

いつも通り家出をしようとするが結局ドラえもんの力なしではどうしようもないのび太
劇場版ではアツいやつなジャイアン
ピンチの時にはとことんポンコツなドラえもん
そして大きな出番のないしずかちゃんとスネ夫
もちろん最後は大団円

そんな劇場版ドラえもんのお決まりをしっかりと踏んでいきながら進むにもかかわらず面白いと思えてしまうのはドラえもんという名作ならでは
やっぱりドラえもんの声は大山のぶ代だよなあと思いながら

投稿 : 2024/03/23
♥ : 1

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

旧ドラ日本誕生。原始の日本でククルとの友情や冒険。

旧キャストでのドラ映画の日本誕生です。
家出をすることにしたのび太やドラえもん、しずかちゃん、ジャイアンにスネ夫とお馴染みのメンバーが、大昔の日本でひみつ道具をつかって暮らし始める。
すると大昔の少年ククルが現代にやって来てしまい・・・という始まりです。
ひみつ道具も出てきて楽しかったです。
主題歌は西田敏行さんでした。
またのび太が作り出した3匹のペットは可愛かったです。
これも子供の頃みて印象に残っているドラ映画作品です。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 6

73.4 25 ユーモアアニメランキング25位
赤毛のアン(TVアニメ動画)

1979年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (135)
636人が棚に入れました
高畑勲と宮崎駿がスタッフとして参加した最後の世界名作劇場。モンゴメリの名著である原作を忠実に映像化している。働き手の男の子を引き取る予定だったカスバート兄妹の元へやってきたのは、なぜかアン・シャーリーという女の子だった。手違いから起きたこととはいえ、感情表現豊かな彼女と共に暮らすことを決めた兄・マシュウと妹・マリラのふたりは、やがてかけがえのない家族の一員としてアンを愛するように…。

声優・キャラクター
山田栄子、槐柳二、北原文枝、麻生美代子、高島雅羅、坪井章子、京田尚子、井上和彦

Tnguc さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

【お気に入り】 この世の中にたくさんある「好きなもの」のひとつ

~
 孤児院から引き取られた少女・アンは、お喋りと空想に命をかける暴走気味な女の子で、そんなアンが巻き起こす日常に始めは戸惑いを見せる養母のマリラと養父のマシュウでしたが、次第に2人にとって掛け替えのない存在へと変わっていく様子が全50話の中で暖かく描かれています。アンは孤児、マリラとマシュウは兄妹同士という奇妙な関係。3人の間には何一つとして親子の関係が成り立っていませんが、グリーンゲイブルズ(アンたちの家)の中ではまるで本物の家族のような絆が描かれていて、さらに、アンのユーモアとイマジネーションに弾けた物語も合わさり、万人に感動を与えるだけの温もりがあります。ただ、そんなグリーンゲイブルズの微笑ましい日常の裏で、この作品では人生の重みも描かれていて、と言うのも、人生というのは楽しいことがあると同時に辛いことや悲しいこともあって一概に順風満帆ではありません。それはアンたちの人生もまた同様であり、普遍的な一生が儚くも強く描かれています。そのため、グリーンゲイブルズで流れる時間には、楽しい日常を映し出すだけではなく、子供が成長する裏で老いていく大人の様子も描かれていて、それが物語に深みを与えています。過ぎていく時間は残酷でどこかやりきれない気もしますが、それと同時に、人生の希望や尊さを慈しむことができると思います。そして、どれだけ姿が変わろうとも親子のあいだに宿る愛情だけはいつまでも変わることがないことをこの作品は丁寧に示してくれています。 世界的に有名な児童文学の名作を、監督・高畑勲(たかはた・いさお)、レイアウト・宮崎駿(みやざき・はやお)、絵コンテ・富野由悠季(とみの・よしゆき)、そして、キャラクターデザイン兼作画監督・近藤善文(こんどう・よしふみ)たちの手によって素晴らしいクオリティーで制作され、アニメ史にも名を残す雄編(ゆうへん)となりました。原作の発行から100年が経った今でも、きらめきの湖のように光輝くグリーンゲイブルズの温もりは人々の心に寄り添いながらいつまでも愛され続けています。

個人的評価:★★★★★(5.0点)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 12

さざぼう さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほんとうに名作

なんて素晴らしいアニメなんだろう。
見終わってすぐにまた1話から見直すほど、このアニメを好きになってしまいました。
見終わった今は、夢の中にいるような心地よさを味わっています。

主人公の性格は、悲しいことが起きればわんわん泣いて嘆き悲しむし、嫌なことをされればかんかんに怒って手が付けられなくなります。
しかし、どれもこれも決して尾を引くものではなく、時が経てばけろっとして立ち直り、大好きな空想に耽っては世界を愛おしく想うことのできる、たいへん明るい部分も持ち合わせています。
そういう喜怒哀楽の激しさに加え、両親から受け継いだであろう才能も生かしつつ、人間関係をこじれさせるたびにそれを正し、周りの人たちと共に生きるということができる素晴らしい人間性を持っています。
また、友情の楽しさや心強さ、頼もしさをよく垣間見ることができ、それもこのアニメの重要な見所であると感じます。

とにかく、このアニメの登場人物は欠点だらけで、酷く脆い部分はそのように、強く美しい部分もそのようにと、人間という人間が臆面なく表現されており、そこに共感せずにはいられない、そんなアニメです。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 3

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そうさのう・・わしは視聴したほうが良いと思うが・・

全50話。
世界名作劇場。

孤児である主人公アンがグリーンケイブルスの老兄妹のとこに引き取られて成長していく日常系。
名作劇場は、どっちか言うとお子様向けのイメージが強いが、コレに限ればガキの頃に見ても良さがいまいち分からんのではないかと。個人的には大人向けの地味な名作という印象。
そう地味であるが故にこのレビュー数の少なさなのか、それとも単純に古いからか。名作なのに寂しいもんだ。

主人公アンは、駿の爺さんも裸足で逃げ出したくらいの妄想癖逞しい女の子。
それでいて古美門弁護士に負けないくらい機関銃のように捲し立てる。しかも短気というおまけつき。
かなり賛否分かれるキャラだろう。

しかし思うのは正統派美少女。それでいて性格もおしとやかなんて無難で面白みの無い主人公で無く癖が強く好みも分かれるだろうが、当たればでかい主人公を持ってきたというのは恐れ入る。
自分は正統派より癖のあるほうを好むんでアンという主人公を比較的容易に受け入れることが出来た。

全50話中36話までが少女時代。以降ある程度成長した後のアンの物語。
個人的には少女時代の話のが好きだ。成長後も勿論いい話、泣ける話も多いが見ててなんか寂しくなる。
この辺りは見て貰えたら同じ感覚を味わえることだろう。多分。

この物語を語る上で外せないのがアンを引き取ることになった兄妹。
夫婦では無く兄と妹というところがミソなのだ。
アンにどこまでも甘く、女性が苦手な兄のマシューとアンを厳しく教育しようとするが実は愛情深い
妹のマリラ。
この兄妹のバランスが最高だ。アンとこの2人の交流こそが最大の見所だろう。

特にマリラは自分的には一押しキャラで、このマリラとアンの絡みはどれも大好きだ。
彼女(マリラ)は早すぎたツンデレなのだ。時代が彼女に追いついていなかった。
もし赤毛のアンが今この時に放映されていたならば世のツンデレ好きから歓喜の声で迎えられていただろう。
このマリラがたまに見せるデレ。愛情、優しさが堪らなく可愛いくもあり微笑ましいのだ。

さてそろそろまとめに入ろう。
人は選ぶが間違いなく名作だと思う。男が見ても普通に楽しめる(ただし大人)はずなんで未視聴なら1度は見て損はないだろう。
流行の最新アニメもいいが、たまにこういう古くてもいいものを見直してみるのもまた乙なもんだ。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 29
12
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