ライデンフィルムで友達なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのライデンフィルムで友達な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月25日の時点で一番のライデンフィルムで友達なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.8 1 ライデンフィルムで友達なアニメランキング1位
君は放課後インソムニア(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (187)
572人が棚に入れました
「曲がいると、学校に行きたいと思う。これってどんな関係なんだろう。」 不眠症に悩む高校生・中身丸太は、文化祭の準備を抜け出して入った物置になっている天文台で同じく不眠症の曲伊咲と出会う。二人は秘密の場所を共有することになり...? 青春漫画の旗手・オジロマコトの原作を、若手スタッフ陣がアニメ化。 <あなたの眠れない夜にも、きっと意味がある――>
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

星空を眺めたくなります★彡

[見終わって・・]※各話の感想は下にあります
こういう硬派で真面目な感じのアニメって意外とあんまりないですよね。
健全なイチャイチャも微笑ましかったし、二人の心情も丁寧に描かれてて、静かにココロに沁みてきました。
白丸先輩や顧問の倉敷先生、友人の受川、蟹川、穴水、野々さんなど、まわりの人たちもキャラがいい感じに立ってて、みんなでイベントを頑張ったり、わいわい楽しく打ち合わせをしてたりしてるシーンも良かったです。
先日、原作に手を出して、最新刊の13巻まで読みました。
アニメは6巻くらいまでなんですけど、終盤の展開が{netabare}アニオリになってて、最後思い出の映像ダイジェストでまとめてたりしてるので、{/netabare}もしかするとこれで完結なのかも。。
とはいえ、この後の展開も個人的にはすごく良かったので、2期やってくれると嬉しいです!!

[初回感想]
石川県の七尾高校の生徒で不眠症に悩む中見丸太(なかみがんた)と曲伊咲(まがりいさき)が出合う青春ドラマ。

原作はビッグコミックスピリッツ連載中みたいですが未読です。

私自身は寝つきが良いほうだし睡眠時間は最低6時間は寝ないとダメな人なので、眠れない人の大変さや悩みはよくわからないかもですけど、PV見たときから雰囲気が良さげで気になっていた作品でした。

なんとなく雰囲気はNHKドラマっぽい硬派な感じ。キャラ絵もかな。
劇中に流れてる曲も静かだけど場面に寄り添ってるような。
この雰囲気好きかもです♡

同じクラスってだけで全然接点のなかった二人が、共通の悩みをきっかけに知り合う展開。
二人だけの秘密の隠れ家、秘密の夜のお楽しみ会・・
そこでは素直な気持ちになれて、なんでも話せるような気がして・・
そんな、素敵な青春ドラマになるような気がします。

隠れ家が天文部ってとこも素敵。
3話で新キャラも登場して、今後の天文部の活動も楽しみです♪

aikoのOP「いつ逢えたら」めっちゃいいです♬
この作品の雰囲気にぴったりですね。

2話「猫の目星」
{netabare}おにぎりキャラ、仙台ゆるキャラのむすび丸みたい。
二人だけの共通の秘密があって、同じ目的を持ってたりしたら、中見と曲が仲良くなるのも自然のなりゆきですよね。
でもこのままバレずにいけるはずもなく・・
見つかったのが優しくて理解のある先生で良かった。
二人が今後どんな関係になっていくかわからないけど、どちらにしても二人にとってとても素敵な忘れられない思い出になるんでしょうね。。{/netabare}

3話「一つ星さん」
{netabare}隠れ家の天文部を続けるためにちゃんと活動することを求められた二人。
昔天文部にいた卒業生の白丸結(しろまるゆい)にアドバイスをもらいに訪ねていくことに・・
眠れない二人の秘密の世界が続くのかなと思ってたので、白丸さんが入ることで今までの空気感が変わったらどうしよう・・ってちょっぴり心配してました。
白丸さん、なかなかお茶目で好きになれそうだし、彼女がバイクで出かけてお料理しながら天体撮影してるマイペースな感じが、ゆるキャン△のしまりんみたいだなぁーって思ったり。
なにより、星空の写真がとても綺麗で、ちょっと写真やってみたくなりました♪
今回のお気に入りは、白丸さんが綺麗に撮れた写真を誰かに見せたくなって、思い切って深夜に二人に送信しちゃうんだけど、嬉しい反応が返ってきて思わず笑顔になるシーン★彡
天文部で独りぼっちで活動してた白丸さんの気持ちを考えるとじんわりします。{/netabare}

4話「天津甕星」
{netabare}曲も中見もそれぞれ他の友達と絡むシーンがちゃんと描かれてるバランスの良さもいい!
白丸先輩の「のわっ!」好き。照れて部屋に入れないシーンも。。
今期青春ものがいくつかあるけど、この二人みたいな淡ーい感じも良きです♡{/netabare}

5話「飛び上がり星」
{netabare}千里浜の臨海学校。
普通だったら楽しいはずなんだけど、不眠症の中見にとってはそれどころじゃないみたいで・・
気持ちを表わしてるみたいに降り続ける雨。
やっと晴れて、夜の浜辺で待ち合わせる二人。
浜辺ではしゃぐシーン、見たことある?って思ったらOPのシーンかな。
海に向かって二人で叫んで笑いあうとか、青春してるなぁ。
シートに二人で寝そべってるシーンはもう恋人でしょこれ♡{/netabare}

6話「走り星」
{netabare}白丸先輩、お茶目でピュアで後輩思いだし、結構好きかも(^^♪
流星群観測会を開くために他の生徒たちに協力を頼みこんだり、1話の頃と比べると中見が何かに一生懸命になって、話せる知り合いが増えて、みんなでお好み焼きを食べてるところ、なんかじわっときました。
これも曲との出会いがきっかけなんですよね。
いつまでも二人が良き友達でいれたらいいな。。{/netabare}

7話「花火星」
{netabare}みんなで見た花火の後、天文部での二人のシーン。
二つの気持ちがつながる瞬間。
自分の中の思いを相手に伝えたくなる気持ち。
そして相手の気持ちが自分の中に沁みてくる。
不安な夜、二人だけのラジオですぐそばにいてくれる気がして。
今回の話、すごく良かったです☆
見終わった後、余韻に浸ってしまいました。{/netabare}

8話「集まり星」
{netabare}中見と曲のふたりで始めた天文部の活動。
いつの間にか流星観測会の準備を一緒にしてくれる仲間が増えて
みんなで買い物行ったりお弁当食べたり。。
私も、観測会盛り上がればいいなって楽しみにしながら見てました。

・・・え?・・なんで・・

中見あんなに頑張ってたから、がっかりする気持ちわかる。
私もがっかり。
バス亭でのラジオアプリを使ったふたりの気持ちのキャッチボール。
なんか、これ見ててたまこラブストーリーの糸電話思い出しました。
中見はわたしの特別なんだよ!
今期スキローも僕ヤバもいいけど、この静かに沁みてくる感じも好きだな。
白丸先輩のスケコマシで一転、笑いになるとこも好き♪エビのお見合いとかw{/netabare}

9話「星合」
{netabare}いい星空写真を撮るために合宿旅行を計画するけどお金が無くてバイトを探すけど・・
白丸先輩のとこで雇ってくれないかな・・って思いながら見てたらそんな展開になってちょっと嬉しい♪
海からまっすぐ中見の様子を見に来たり、ナンパされたって嘘ついて反応見たり・・曲って中見のことほんとに好きなんだなって。
泊まれるところも確保できて二人で踊ってる姿を炊飯器の上からじーっと見てるネコに笑った。。{/netabare}

10話「姉はん星」
{netabare}合宿旅行のはじまり。
イサキのお姉さんが運転手兼付き添いで同行することになって。
小さい頃から病気のために普通の子とは違う扱いをされてた妹に対してイジったりケンカしたり自然体で接してくれるお姉さん、イサキのことが好きなんだなって感じます。
心臓のことを中見に話したことに驚いて、イサキをかっこよくて眩しいって言ってくれた、そんな彼に自分の妹への思いを伝えて託して。
見てて北陸もいいなぁ行ってみたいなって思いました。{/netabare}

11話「夜明けの一番星」
{netabare}撮影スポットをまわる二人。
見附島行ってみたい!・・普通の観光客だと夜のライトアップは綺麗でいいけど、星空写真撮るには障害なんですね。
今は防犯の意味もあってどこでもライトアップされてる感じなのでスポット探しも大変なのかな。
二人だけのつかの間の共同生活。
一緒にスーパーで買い物して一緒に料理作って一緒に楽しく食べて・・
わくわくしてドキドキしてとても楽しくて。。わかるよその気持ち。
子供の頃朝目覚めたときに起きていた出来事が中見のトラウマ。
でも今は朝起きるとイサキがいてくれる・・
中見の自分の奥底にある気持ちを聞いて思わずキスをするイサキ。
僕ヤバ見ててキュンキュンするのとはまた違う、じわじわーっと心に沁みる感じ、すごくいいです。{/netabare}

12話「迷い星」
{netabare}降り続く雨。
前回に引き続いての二人のわくわくドキドキな共同生活。
足の指が触れてお互いにぴくっとなって照れるところ、二人の空気感でてていいな。
みんなが訪ねてきてくれて急に賑やかになる感じも好き。
曲はどんなおばあさんになる?って聞かれたイサキの憂いを含んだ笑顔。
急に不安な気持ちになってイサキの手を握る中見。
ココロの微妙な動きがよく描かれてると思います。
二人きりの事実を親バレしてしまい連れ戻されそうになるけど・・
若いっていいなぁ。。
次回、二人の旅の終着点を見届けたいです。{/netabare}

13話「最古の星」
{netabare}「言い出した僕が叱られるよ」じゃなくて「一緒に叱られよう」ってとこがいいな。
そう、これは二人の旅なんだから。
星空の真脇遺跡の中、中見の告白を聞いて嬉しくて顔を隠してうずくまるイサキ。
すごく素敵な写真が撮れてハイタッチして。。
・・あれ?原作と展開違う・・
最後はEDとOPと今までの映像ダイジェストでまとめてたけど・・もしかしてこれで完結で2期なし?{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 36

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

爽やかな不純異性交友が、とってもエロくて良いです。

 13話(最終話)まで観ました。2023.07.04

 最後まで二人でイチャラブで、ハッピーエンドでした。コレでカップリング成功しなかったら炎上もんです。

 心配された奇病も発動せず、爽やかな気分で完走出来ました。

 カメラや天文、不眠症等の設定がガバガバですが、どう考えても奔放でエロすぎるヒロインに免じて許してあげたいと思います。

 チ~ン…。「南宋か北宋か、そもそも陶器では無く、磁器?いや、ガレのガラス花器かも知れないがコレは良いものだ」と、完走後も心のマ・クベさんが囁いているので、良かったと思います。

………………………………………………………………………

 主人公「これってどんな関係だろ?」

 いやもうデキてまんがなぁ〜。と、ツッコミを入れたくなります。

 爽やかな青春っぽい話の陰に見え隠れするエロさがとても良いです。クゥ~たみゃらん!

 ヒロインも、夜中に割と露出度の高い服を着て、なにをアッピールしてんだか!お父さんは許しませんよ!

 青春恋愛モノは基本観ない私ですが、「これは良いものだ。」と魂に住んでいるマ・クベさんが囁いています。

 次回も楽しみです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ストーリ-ではない。思春期純愛ポエムであり生々しいリビドーの表出でもある。

 23年11月再評価です。23年春に見たときは、評価は4.1にしながらヒロインの○○設定が気に入らず、それでドラマを作るのは安易だろう?と思い一応全部みてましたが「断念」としていました。
 また、天文や天体観測に対する造形の浅さで単にギミック・モチーフにしてしまっているのが奥行としてどうよ?というのにも反発がありました。

 ただ、23年のラブコメをもう一度振り返っているのですが、この原作者って「富士山さん」の人だったんですね。なるほど…と思いました。何が言いたいかというと、この人は「ポエム」の人です。つまり思春期の恋愛を心情を映像で表したいという感じの人です。

 そうなると「インソムニア」は、天文というより「天体観測」「夜空」なにより「2人だけの夜の空間」そして重要なことですが「純愛・プラトニック」という要素…というより気持ちを、描きたい衝動のまま表現した作品なのかもしれません。
 つまり、ストーリーどころかエピソードすら比較的どうでもよく、そういう気分や雰囲気を絵にした結果出来上がっている作品なのでしょう。

 この原作者はアダルトコミックも書いているし、ミヒロさんというAV女優の自伝のような作画もしています。気が付くのは確かに線や造形を見ると同一人物の痕跡はあるのですが、絵柄はガラリと違います。
 それでも「富士山さん」にも「インソムニア」の原作にも特にヒロインの肉体には生々しい質感があります。そう…絵柄が写実的でなくなった分より生々しくなっています。

 この人のもともとのモチベーションは、女子の肉体または場面を描きたい人なのかなと思います。冬の場面も結構長いしので身体そのものより女子をいろんな形で切り取りたいだけなのかもしれません。視線の人ですね。
「富士山さん」もそんな感じでした。原作者はどうやら女性のようですので、その女子を描く原動力にどんなリビドーがあるのかはわかりません。
 つまり、女子の内面にある女子に対する歪んだリビドー…それが憧れなのか劣等感なのか願望なのか、しかしそういう性的な内面を昇華した、あるいはよりエロくしたものを形にしたのが本作なのかな、と思います。

 そこに生命…タナトス問題が入って来て、宇宙ですから生命そのものに内在するドロドロした欲望がこういうポエムになったのかな?という気がします。

 その点で「明日ちゃんのセーラー服」と似ていますが、あちらは男の欲望、視線が露骨な分、本作の正反対とも言えます。

 ちょっとネットで話題になったようですが、設定の天文部の2人のストーリーって借り物らしいですね。なるほど、そこに何かこの作者は純愛とそこから先の何かを見たんでしょう。ヒロインの○○設定はそうなると重い話というより設定だけの気もします。

 まあ、アニメとしてはラブコメだと思いますので、その点でこのレビューはどうかとも思いましたが、作画の良さとヒロインの肉感は表現していたと思いますので、このレビューでいいと思います。

 ということで、うーん。ストーリーは過大評価でした。4を3.5にします。その代わりキャラ、特にヒロインと主人公の関係性はなんとなく納得がいったので4を4.5に変更。トータルで4.1のままにしておきます。



以下、1回目視聴時のレビューです。


12話 インソムニアと天文で話を作って欲しかった。

{netabare}  9話の水着回の胸の傷跡と、1話の病気云々の話で、病気が絡んでくるんだろうな、と思って休止中…と言いつつ結局見てます。つまり、気になるし、出来が悪い訳でないです。

 ただ「4月は君の嘘」のトラウマがあって、病気で感動を作る話に反発を覚えます。「ヴァイオレットエバーガーデン」の劇場版も同様です。「君膵」は始めから病気だと題名で言っているので覚悟して見ているし、その結末を相対化する仕掛けがあったので、非常に評価が高いです。
 が、本作の行く末が、たとえ死という結末じゃないにせよ、ちょっとヒロインを病気にした時点で見たくないという気分になりました。

 ヒロインの性格が奔放なのは「死への達観」なのかもしれませんが、やはり男の側に立った時の気持ちを考えると、病気を持ち出されるとどうしても辛くて見てられなくなります。ヒロイン側にその点で葛藤がなく、素直に愛情を表現できるとやはり反発を覚えます。
(とはいえ「4月は君の嘘で」ヒロインが結局告白しないのがイラつきましたけど)

 姉の回想によると他人との距離感を保つようになったのに、主人公にだけは特別…みたいなことなのかわかりませんけどね。ラブストーリーに関しては上手くできているので、ヒロインの病気でいつ死ぬかわからないという葛藤とかその辺はさすがに表現されてますし、今後何かがあるんでしょうけど…うーん。

 作品それ自体は、インソムニアという症状と天文部という隠れ家に、2人で潜んで昼寝をする。という「共犯」関係から、恋愛に発展するというのは悪くないと思いし、そういう設定の部分をとっぱらって考えると、ラブストーリーとして自然で悪くはないと思います。

 天文について恐らく原作者は興味ないだろうな、というのが透けて見える部分に反発は覚えますが、舞台づくりとしては機能したのかなあと思います。

 作画、画づくりは素晴らしいですね。非常に丁寧で奇麗に作られています。キャラデザも押しつけがましい萌えじゃなくて、好感がもてます。

 それだけに、天文部室と眠れない病気という設定を組み合わせて、そこだけで物語が作れなかったかなあ、と思う次第ですがどうでしょうか。

 12話まで見ているクセに何言ってるの感はありますが、気分的に「断念した」にしておきます。{/netabare}





1話 女性原作らしいキャラと展開と恋愛…胸キュンします。

{netabare}1話 見た瞬間に女性原作だとわかるキャラデザと雰囲気ですね。調べるとやはり女性みたいです。前情報はゼロです。このマンガの存在すらしりませんでした。あらすじの天文部という言葉に惹かれて視聴しました。

 ヒロインが可愛いくて悶えてしまいます。ボーイミーツガールとしては不自然な展開なのに、ちょっと強引なヒロインの魅力でグイグイきます。そして天文部。いいですね。夜と相性がいい部活です。浪漫を感じます。胸がキュンキュンしてしまいます。

 とにかくキャラ造形から舞台設定、展開が素晴らしいです。アニメも奇麗に作ってあるし、これはいいですね。入院という不穏な言葉が話に絡まなければいいのですが、どうでしょう。女性作家はその辺容赦ない場合がありますので、心配です。

 やっぱり恋愛ものは女性作家ですね。超期待枠です。

 なお「よふかしのうた」との類似性を感じますが、3ヶ月差でこちらの方が早いです。そして、普通3ヶ月で新連載が用意できるとも思えないので、シンクロニシティでしょうか。ビックリするくらいの相似ですが、時代の気分として昼の学校では心を閉ざす本当の自分は夜…みたいな感覚が共通なのかもしれません。{/netabare}


8話 作者は天文に多分興味はなく、雰囲気だけな気がします。また、不眠症設定が活かせてるでしょうか?そこはこれからでしょうけど。

{netabare} なるほど、ヒロインの不眠の原因はわかりました。1話で不穏な感じが嫌でしたがどうなんでしょう。セリフでは大したこと無いような感じですが…女性作家って時々突然なんちゃって病でやっちゃいますからね。アニメの範囲であるかわかりませんけど、やっぱり不穏な感じが嫌な作品ではあります。

 2人の距離感が徐々に接近して行きながら、ちょっとしたエピソードを重ねてのは面白くはあります。が、思ってたほどインソムニアというか夜の世界の物語が活きている感じがありません。

 また、天文活動も多分素人っぽいですね。星にもギリシア神話等にも興味があるような描き方ではなく、単に雰囲気でしかない感じです。
 天文好きが天体観測に行って料理をするとも思えませんし、なにより臨海学校の天文写真です。2時間露光でああいう写真をとるなら、自動追尾の赤道儀がないと撮れません。2時間露光していれば、30度分星が動くので星の光が線になります(手動ならづっとカメラのそばにいないと駄目だし)。

 花火と天文を絡めるのも天文好きからすると???ですし。

 そういうところを見るとインソムニア設定や天文部設定が活かしきれておらず、単なる青春ラブコメの設定でしかない感じで期待外れはありました。

 それと1話の後半のヒロインのちょっと大胆な服装もキャラ付けとして結局意味がわかりませんでした。病気の人間の何か生きるとこと、死へ恐怖みたいなものがヒロインの言動に見えてくれば、もっと深く入れるのに、と思います。

 ということで、思っていたよりも普通なラブコメでした。期待値マックスだった1話に対して、その後がどうも…今後はヒロインの病気設定と主人公の原因が絡んで、どこまで魅せられるか、ですね。

ただし、病気を人質にして、感動を作ろうと思うならあまり期待できません。本音を言えば病気とは関係ないところの感動を産み出してほしいなあ。{/netabare}


9話 ヒロインの水着の着替えのシーンから言って、展開はまあそういうことかあ…それだけは避けて欲しかった。

 水着の着替えのシーンの傷跡と、ずっとTシャツ着てますもんね。要するに手術痕ですよね?クリエータがこれだけ分かりやすく描いているということは、そこが今後のテーマなんでしょう。

 面白くないわけではないですが、病気で感動を作るのは、もういいです。同じ病気ならインソムニアを出した意味と夜の世界、つまり天文での感動が欲しかったです。ただ、作者はそこに興味ないみたいです。

 病気展開でがっかりするくらいなら辞めておきます。一旦休止で。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 19

75.1 2 ライデンフィルムで友達なアニメランキング2位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (374)
1273人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

他の吸血鬼がでてから急に面白くなくなりましたね。

1話 夜とは大人の世界。少年がどう成長するんでしょうか。期待枠です。

{netabare}  情報が無くても分かる「だがしかし」の作者の絵柄です。ということは、この作者の最大の特徴は「女性の内面は描けない」ということです。「だがしかし」でほたるはしゃべるだけしゃべりますが、結局内面を見せません。あのグルグルの目は、ほたるの時からおもっていましたが、内面がない非人間性なんだと思います。

 セックスの話は顔を赤らめないで、恋愛の話は恥ずかしい。14歳なのに女性がわからない、性に興味がない。非常に現代的ですね。これは痛い人には痛いと思います。世代が近い人からは共感を得るんでしょうか。
 ノイタミナ枠ですから、この辺りにテーマ性は見出せそうですね。夜の世界とはすなわち「大人の世界」のアナロジーです。新橋的な酔っ払いも出ていましたね。あのシーンがつまり自分たちは大人とは違う側にいるということでしょう。

 つまり、大人の世界を少年が知る話なんでしょう。吸血姫は成長はしません。「だがしかし」の結末は知りませんが、ほたる同様少年の前を通り過ぎるだけでしょう。ちょっとフリクリのハルコの雰囲気もありました。

 それにしてもいい夜空、背景でした。少年が見る夜の世界は不思議な色がついています。それは現実でもあり現実ではない世界で未知の世界ということでしょうか。空を飛ぶというのは飛翔でもあり、また地に足がつかない不安でもあります。

 ナズナさん、肉体はエロかったです。だけど、内面がないのでエロく感じない。それはあの瞳のせいなのか、言動のせいなのか。

 本作の結論がどうなるにせよ、いいところに目を付けましたね。令和の14歳はエヴァのシンジと違い、性に興味がもてない。自己肯定感がないのではなく、自分自身が理解できない感じです。さてどういう話になるか楽しみです。実は成長を否定したりして。それはそれで面白そうです。 {/netabare}



2話 吸血=〇ックス。EDに多分全部何かを込めている。

{netabare} まあ、セックスとか伏字にするようなものでもないですが、題名なので慎みました。

 あれ、化物語?という感じでスタートしました。ちょっとメタ的な虚構感を出したいんでしょうか。EDとか見るとそんな感じもあります。

 それは良いとして、なるほど吸血はセックスのアナロジーという感じなんですね。年上のビッチ女…というより食事のためなら「パパ活女」という感じでしょうか。いや、EDとかみるともっと直接ですね。風俗嬢的です。恋愛には照れてしまうという感情が非常に納得できます。

 私はどうも魅力的な売春婦キャラにメチャメチャ弱いので、ナズナさんが一気に気に入ってしまいました。照れると急にナズナさんがエロく見えるのが不思議です。

 EDはすごかったですね。ちょっと信じられないくらいのクオリティでした。美術面でもそうですけど、テーマ性がフルフルで込められている感じです。
 EDではナズナのエロをあえて強調しています。「泡」はソープ嬢的ともいえるし、直接そうでなくてもそういった場面を連想させます。ナズナの本来の生き方を表しているのでしょう。ペットボトルやグラスが溢れでていましたね。露骨なアナロジーですね。

 レモンは何でしょうね。甘酸っぱさの象徴でしょうか。レモンの花子言葉は「誠実な愛」らしいです。それがグルグル回っていたし、レモンから汁が溢れています。
 ナズナさんが、作り物の街を破壊する存在なのはわかりました。イスは普通は権力の象徴ですけど…どうでしょう。光が当たっているのでそういう意味はありそうですが、あまり権力的なイスにも見えません。この辺りが思いっきり何かを象徴していましたね。単純に見れば既存の社会、価値観の破壊者ですが、どうでしょうね。今後どうなるかちょっと楽しみです。


 で、売春婦との恋愛ドラマは悲恋が多いですよね。まあ、吸血姫は直接売春婦ではないですが、住む世界が違う…うーん。少年マンガだからどうでしょう。子供になって遊ぶというのも無邪気に見えて欠落や寂しさですからね。しかもその遊び道具がトランシーバー…おもちゃのコミュニケーションツール…まだまだ気持ちの伝え方が子供だ、ということでしょう。

 いずれ少年が成長すると、やっぱりフリクリみたいに目の前を通り過ぎて行くんでしょうか。他の女性キャラも出るみたいだからどうでしょうね?

 あおりと俯瞰の画面がある作品は作画技術に自信がある証拠でしょう。安心して見られます。
 で、新キャラでましたね。彼女と最後くっついてナズナとは…になるとまさにフリクリですがどうでしょうね?

 とにかく2話、素晴らしいストーリーと演出、EDには感動しました。視聴は決定ですね。 {/netabare}


3話 生々しすぎて正視に堪えない、という人がいても不思議じゃない感じです。

{netabare}  改めてOPじっくり見ると、OPのイチジクの葉ですけど、恥ずかしいものを隠すの意味があります。りんごは禁断の果実でもあり、誘惑でもあります。まあ、そういう話ですね。吸血で友達の前でそういうのやめてとか。いつもやってるの?とか。EDもそうでしたが、本作は全編にわたってアナロジーがちりばめられています。
3話の副題が「いっぱい出たね」ですし。

 アキラと再会した後の、ナズナとの布団のシーンもまさにその行為のアナロジーですし。女の友達と数回あうだけで、俺の事好きとか思春期過ぎるでしょう。なんでもラブ。セリフの通りですね。主人公はナズナを好きになるために一緒にいたのに、アキラにも期待する。主人公のマインドはやはり幼いです。

 で、友達とは何か、なぜ連絡を取らなかったのか、か。そして、学校の存在意義…か。やっぱり既存の社会に対する価値観もテーマなんでしょうか。吸血姫は異質な存在…すべて破壊するもの。夜とは反社会。セックスは隠すべきもの。

 なぜナズナが怒っているのか想像ができない。友達の定義。解答が言葉にならないと何も理解できない主人公。ゼロかイチかの解答を必要とする。現代的ですね。思春期の肉体と精神のモヤモヤに解答が欲しい。そして誰かとつながりたい。生々しすぎます。本作に本能的感情的に反発する人も出てくるのでは?

 これは難しい話ですね。テーマを深掘りするほど訳がわからなくなる沼にはまりそうです。どう展開しどう畳むのでしょうか。

 それにしてもアキラちゃん、ふくらはぎ…腓腹筋、ヒラメ筋が発達しすぎですね。3:42を見てください。ナズナが夜の女でなよっとしているのとは対照的です。スポーツやっている設定かな。この辺りの対比にテーマ性を集約して絵で見せたのだとすれば作画はものすごく優秀ですね。

追記 あれ?肩幅も広いし…アキラって名前って…ひょっとして男…にしては胸あるよね???ただ、髪型とか、顔の造形とか…んん?腰から下の骨格と子供のころの足が内股なのは女性的なんだけど…ただ、瞳と睫毛がなあ…

 幼馴染の性別は疑えの原則が発動?名前が中性的だし…うーん。ブルーピリオドの1話ではちょっと騙されたしなあと思ったら声優さんが??? {/netabare}



4話 今のところずっと言葉遊びです。アキラが出てきたので飽きてはいません。が、単調になりつつありますね。


{netabare} なんか「14歳すぎ」ですね。見ているのがすごく恥ずかしいです。思春期のモノローグ。キスがどうとか性行為とか好きとか嫌いとか。手が触れるだけで恥ずかしいとか。

 遊ぶとか寝るの意味をどうとるかとか。少年誌だから暗喩で終わるんでしょうけど、問題は内面にどこまで踏み込めるかです。ナズナさんは舞台装置なので、もちろんコウの内面です。アキラまで行ければなおいいですね。
 せっかく恋愛と性行為の対比をしているわけですけど、今のままだと寸止めドキドキで終わるんでしょうか。少年誌だから限界あるし、そのための吸血姫ですからね。
 
 とはいえ、朝井アキラちゃんを出すことで設定の理解は進んでいます。結局、朝井アキラちゃんは思いっきり巨乳少女そのままでしたね。男だったら面白かったのに…と思いつつも、アキラが求めているのは友情問題、孤独などはあるみたいですね。

 恋愛ゲームのシーン面白かったです。プレステだし。萌えをメタ的にギャグにしているし…

 視聴継続して、また新キャラが出てきたり方向性が分かってきた辺りでレビューすると思います。 {/netabare}


5話 エロすぎ笑った。なお、彼女に元カレとの〇〇〇について聞いてはいけません。聞きたくても我慢しましょう。

{netabare} あるいは彼女が風〇嬢だったらどうしますか?それで生活していたんだけどなあ、と言われたら。

 いや最高でしたね。「楽しいのもストレス」というのも良かったし、なんかNTR…ではないですけど、彼女の昔の性体験を聞くようなドキドキ感。それが風俗勤めとか…

 男心と思春期の性欲。すごい話です。なんとなく思春期に引き戻されたような感覚がとてもいいです。

 あとナズナちゃんのエロさって肌の色?{/netabare}


6話 非日常とはなにか?変性意識状態を良く描けていました。

{netabare}  会社員の日常のしんどさ。会社の仕事が日常生活に精神的に喰いこんできます。さらに白河さんの場合深夜の呼び出しがありました。彼女に必要なのは非日常でした。

 その非日常の最たるものがナイトプールですね。プールというのは水が大量にある、というだけで不思議な場所です。そこに深夜、半裸の男女がいて、妖しい照明に、更にお酒も入って…さらに塩素の匂いなども相まって、普段の意識とは全く異なる世界です。これは催眠にかかっているようなものですね。

 そこでナンパをしていた男2人が思いのほかいい人というか普通の人というのも注目ポイントでしょう。解放によって性格が変わるんでしょう。また、解放することが苦手なコウ君がナイトプールで一人だけ日常から抜け出ていなかったのも描写として優れていました。

 そして、学校のプールに真夏に忍び込んで遊ぶ。これもまた、中学生くらいのときにやる非日常です。中学生のコウくんにとってナイトプールは場所が異質すぎて解放感よりも警戒感なんでしょうね。むしろ中学校のプールくらいのほうが、コウくんの非日常にとっては、リラックスできるのでしょう。ナズナちゃんと2人きりになれますし。

 思春期のコウくんと白河さん、そしてナイトプールの2人組。それぞれの日常と非日常。ストーリー展開も見せ方もとても素晴らしかったと思います。

 これを見ると本作のいう夜更かしは「変性意識状態」についてを描いているということがわかります。変性意識状態というのは、ググって貰えればわかります。(ウィキの説明はたいしたことがないので、変性意識-盆踊りとか変性意識-音楽、変性意識-登山とかでググってみてください。)

 意図してか図らずもなのかわかりませんが、非日常の中に身を置くと自己肯定感につながるそうです。その一方で宗教的なトランス状態に陥り、洗脳にかかったりもするみたいです。要するに薬物ですね。
 そういうところを掬い上げたこの6話は、非日常の大切さ、人間というものが非常に良く描けていました。

 レジャーや遊び、そして違う人と話すこと。これの有効性も表現できていたと思います。

 つらい現実もあり、NTR的なモヤモヤ、エロスもあって、何か人の心をざわざわさせる回でした。かなりの人の心に刺さるのではないでしょうか。生々しすぎて正視できない人がいても不思議ではないですね。

 なお、アキラちゃんはもう出てこないとなると、それぞれのキャラはゲストキャラ?となるとゲストで1テーマがあるんでしょうか。アキラちゃんの回では友情と男女…と短絡的に読み取っていましたが、描かれている内容はもう一度確認しておいた方がよさそうですね。


追記 「変性意識」ですが、ググり方は「変性意識-ハレとケ」…でもいいですね。ハレとケ…つまり共同体も祭りもなくなった現代人が生き残るためには?という、非日常という生存戦略をアニメという形で見せてくれている感じがあります。

 それとナズナちゃんの家がいわゆるミニマリスト的な感じなのも含意がありそうですね。モノを持つこと、持たないことの意味も考えたほうが良さそうです。 {/netabare}


7話 あー展開してしまいましたね。ストーリの進行を慌てた感じです。これはちょっと嫌な予感がします。

{netabare} 人間が増えて行く分にはよかったんですけど、吸血姫かあ…答えが全部ではないですけどセリフで語られてしまいましたね。せっかくの文学的なモヤモヤがあったのにちょっともったいないですね。
 吸血鬼同士の会話に女のテクニック的なものがありましたけど、やっぱり実際にコウくんを外で順番にナンパ(死語?)してほしかったなあ。

 ちょっと作者があきちゃったんですかね?それともこの退廃的な雰囲気が少年マンガでは受け入れられないので、分かりやすくしちゃった?
 最後の感じだと吸血鬼化にタイムリミットがあるんでしょうか。

 それにしても、不思議な街だなあとおもってましたけど、今回って海浜幕張?の幕張メッセ周辺?まあ、いろいろお世話になった場所なので何となく記憶にあります。
 あれって京葉線の高架っぽいですよね。で、ラウンジ的な場所の背景にあったのはメッセの国際展示場に見えました。あの最後にいた場所は近隣のホテルのラウンジかスイートルームの一部かなにか?
 ただ、初めの喫煙所ですけど、駅は海浜幕張ではないと思いますので、隣の新習志野辺りなんですかね?確認してませんけど。{/netabare}



8話 感覚的情緒的なものが、思考的観念的になった?

{netabare} 1年っていうのは、どうでしょう。受験までの日数のアナロジーでしょうか。中学生の大人になるまでの悩みですから、当然タイムリミットはあるでしょうね。となると、本作はやっぱりフリクリエンドな気がしてきました。

 ナズナちゃんが「好きになる」という気持ちがわかったらどうでしょうね。旧来の価値観だと目の前からいなくなるのが正解です。つまり、最後の事件としてあの吸血鬼との抗争の末、吸血鬼になれなくても命は助けるけどみんないなくなるとか記憶をなくすとか?
 期限がついたということは、ナズナちゃんは彼を眷属にしないし、彼の前から去ってゆくのが一番濃厚ですね。

 ナズナちゃんは、おいしい血をすう…つまり、メリットがあるから近くにいます。いっぽうでコウくんは現状から逃げたいのでナズナちゃんにすがります。この関係が崩れないと成長がないです。既存の価値観を崩すということで、工夫がある終わり方になると面白いのですが、どうなるんでしょうか?

 キャラ的には「だがしかし」の焼き直しになりそうな配置になってしまいました。原作者は多分女性の描写が苦手なんでしょうね。ホタルちゃんほどではないですけど、ナズナちゃんの内面も非常に単純だし、他の吸血鬼はステレオタイプのビッチあるいは婚活女子だし。
 となると「だがしかし」の最終回のがっかり感を再現するんでしょうか。少年向けだからしょうがないとはいえ、唐突というか無理やりすぎでしたね。

 全体的な構造が非常にわかりやすくなってしまいました。極めて思考的観念的になって行きつつあります。夜更かしの感情的感覚的情緒的な話から、どんどんわかりやすく思春期の悩みを見せてしまっています。特に7話以降で当初の幻想的な訳の分からない話の中のモヤモヤ感が急速に薄れつつあります。

 話展開させないで、最後突然ナズナちゃんがいなくなる、みたいな感じがよかったかなあという気もします。まあ好みの問題ですけど。{/netabare}



最終話 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。 

 吸血鬼になると人を殺すか眷属にするか、あるいは我慢するという設定が足枷になって、畳めなくなった感じですね。原作がどうなっているのかしりませんが、アニメ版のオープンエンディング、つまり今後の事は視聴者に委ねる、というのは、狙った結末ではなく畳めなくなったのでなんとかソフトランディングを狙った風に見えました。

 コウくんの吸血鬼になる=人を殺すか渇望に耐えるという悩みがどこかに行ってしまいましたね。物語を展開させるために吸血鬼の部分をクローズアップさせたのが、破綻を生んだ気がします。

 前半は、吸血鬼になるには恋愛というきっかけが必要で、なった後は、他人の性や欲望が無ければ生きられない、という大人の世界=夜の世界のアナロジーで、酔っ払いとか会社員のおねーさんとかで大人の世界の厳しさと、アキラちゃんで友情などもかなりいい感じだったと思います。
 うまく思春期を描いていたのに、物語の中心が吸血鬼設定に移行したことで、視点がブレた気がします。

 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。狙いも演出も悪くなかっただけに竜頭蛇尾感がすごくて、残念な結果でした。




 

投稿 : 2024/04/20
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世間体の影に隠れたモヤモヤが気持ち良く吸い上げられる感じ

眠れぬ不登校中2男子が初めて繰り出した深夜の世界にて、
出会った吸血鬼ナズナと共に夜更かししたり、
自分も吸血鬼にしてもらおうとナズナちゃんに恋しようしたりする。
同名連載コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
不良と“普通”の間のグレーゾーンを巧みに言語化。

この作品、字面にすると、どうしても非行少年の話に見えて伝えるのに難儀します。
主人公・夜守コウは学校にも行かず、露出の激しいヒロインと、夜の街を徘徊。
挙げ句、{netabare} 添い寝マッサージ店で無届けの未成年就労してみたり、
ラブホに女を連れ込んで?{/netabare} みたり。
ヴァンパアキラーが策を弄するまでもなく、補導案件ですw

ですが、夜の世界に身を委ねていると、
コウは、人間社会で普通でいるために皆が我慢している諸々を我慢しなかっただけ。
共感できる心情が多数掘り起こされ、それが作品特有の居心地の良さにつながっています。

主人公の世代設定から学園生活への折り合いが焦点になりますが、
第六話は社会人にとっても刺さる内容でした。
{netabare} 疲れ果てているのに上司の呼び出しに応じようとする白河さんを止めようとする件。
昔、辞めた会社で上司の無茶振り出社命令無視して、高速爆走した夜を思い出して、{/netabare} ウルッとくるものがありました。
人間やめて普通でいるくらいなら、まともじゃない自分を大事にした方が良いに決まっています。

……と、安心しきった所で、終盤、夜の吸血鬼の世界が如何に危険か?永遠が如何に退屈か?
コウがこのまま人間やめて良いのか?
{netabare} 吸血鬼になれる期限は一年{/netabare} など聞いてない契約詳細や現実を突きつけて自問させる構成も○。

グレ切らない塩梅もまた心地良かったです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

目を引くのが背景のきらびやかに美化された夜の街並み。
深夜帯が未知の領域だった頃の憧れを思い出させてくれます。
色彩設計・滝沢 いずみ氏は『物語』シリーズのカラーデザインなども手掛けてきた色のプロ。
蛍光紫、グリーンなど極彩色を配し、夜の世界の非日常感を際立たせる。

ゆったりしたムードの中、稀に差し込まれるバトルアニメーション。
スピード感、部位欠損を伴うグロと、思い切りが良く、ここは吸血鬼の世界なのだと目が覚めます。


【キャラ 4.5点】
ヒロインの吸血鬼・七草 ナズナ。
まぐわうだの、ちちくるだの、{netabare} 先っぽだけだからだの、ズッコンバッコンのできちゃった婚{/netabare} だのw
大胆なファッション同様、自重しない下ネタは吸血鬼仲間からも呆れられる程。

ところが、いざ恋バナとなると{netabare} 恋愛学一生赤点レベル{/netabare} のポンコツぶりw
夜のフライト同様、アップダウンの激しい性格で、会話劇にリズムを生み出す。


ナズナちゃんと三角関係の様相を呈するコウの同級生女子の朝井 アキラ。
超早起きの破綻気味の生活サイクルで、夜更かし中のコウと早朝に鉢合わせる。
夜の街に出歩くのはいけないことで、朝早いと殊勝な心がけだと思われる。
これもまた世間体の欺瞞を突いたキャラ設定。

ナズナとアキラ。イカれた夜の世界と、真っ当な朝の世界。
早朝のせめぎあいを眺めながら思索にふけるのも楽しかったです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・ナズナ役の雨宮 天さん。
セクハラオヤジ同然の?濁声までカバー。芸域の広さを改めて思い知らされました。
これならベテランになってからも、村の大ババ様役とかで貫禄を示してくれそうです。

ナズナちゃんの際どいボケにツッコむ夜守コウ役の佐藤 元さん。
メインどころを射止めるだけのキレの良さと心情を汲む繊細さを併せ持っています。
この春放送のTVアニメ版『君は放課後イムソニア』でも不眠症の主人公少年役を演じるそうで、そちらも楽しみです。

楽しい夜の世界に波乱をもたらす喫煙私立探偵・鶯 餡子(うぐいすあんこ)役の沢城 みゆきさん。
こちらも粘着質な濁声で脅しをかけてくる芸域の広さを見せる。
将来、天ちゃんとハードボイルド物とかで共演するのを見たいとか思ってみたり。


戸松 遥さん、喜多村 英梨さん、伊藤 静さん……。
ナズナの吸血鬼仲間のキャスト陣も男を誑(たぶら)かす外面を操る妙演で魅せる。
そんな豪華吸血鬼キャスト陣の中で、あざといロリ成分を提供するのが小繁縷(こはこべ)ミドリ役の大空 直美さん。
メイド喫茶ナンバーワンを射止めたという巧みな話術も再現。
吸血鬼コミュニティーを狂わせるだけでなく、私も眷属になってもいいかも?と魔が差しそうになったりw

蘿蔔(すずしろ)ハツカ役の和氣 あず未さん。{netabare} 性別の壁を超える{/netabare} ボクっ娘ボイスもハイレベルでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
夜のムードを壊さない静かなシンセの音色が程よいスパイス。
ですが命のやり取りをする場面ではギターを唸らせて踏み込んで来ます。

主題歌はOP「堕天」、ED「よふかしのうた」共にCreepy Nuts。
そもそも本作は「よふかしのうた」を元に構想されており、このタイアップEDは言わば“逆輸入”。
さらに、夜と、コウとナズナ二人のムードが極まった時に流れる「ロスタイム」も上々の挿入歌で、まさにCreepy Nuts無双。

勢いに乗じて?Creepy NutsのR-指定とDJ 松永のご両人はキャストとしても出演。
中々の話術で、{netabare} ナイトプールでナズナちゃんナンパしてましたw{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 29
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

『夜の街』『耽美』『フェティシズム』『好きになるとは?』

<2022/8/5 初投稿>
原作は未読。
点数はとりあえず5話まで見てのものです。

放送開始前のCMの時から気になってたんですよね。
ノイタミナだから高品質は約束されてるだろうし。

いざ見てみたら、楽しい
「面白い」より「楽しい」作品。

『夜の街』
まず夜の雰囲気が好き。
中学生の頃ぐらいから、夜の街とか夜明け前の紫色の空とか大好きで。
意味もなく徹夜してました。
ANNとか聴きながら

本作では夜の色彩がかなり極端。
でも夜に不慣れな子供の眼からすると、真夜中の街灯や自販機の光ですら相当に刺激的なもんです。
中学〜高校の頃思い出します。

『耽美』
耽美とは
「美を最高の価値として、ひたすらその世界に心を傾け陶酔すること」
なのだとか
漫画漫画したキャラデザなのに、妖しくやらしー美しさを追求しようとしてる。
それがなぜかうまくはまってる。
(この原作者さんの描く女性キャラって妙な色気感じますよね。寄り目だからかな?)

『フェティシズム』
吸血という偏愛の象徴のような行為。
吸血鬼ものの漫画・アニメとか絶えないですけど、それっておそらく「血を吸うという行為に妖しい魅力を感じる人」が多いってことですよね。
本作では一際やらしく、じゃなかった妖しく描かれてます笑(吸うとこは隠してるけど)

こうしてみると「謎の彼女X」とちょっと似てる気がしてきた。
謎の彼女は夜ではなく夕暮れで、血ではなく涎(よだれ)ですが

OP「堕天」、ED「よふかしのうた」はCreepy Nutsの楽曲も映像もクセになる。
他の方のレビューに書かれてたの読んで知ったのですが、本作、元々Creepy Nutsの「よふかしのうた」に触発されて作られた漫画だったんですね。
どーりでぴったりなわけです

そしてED映像。
なずなのイラストにだんだん色がシミのように広がっていくところ
これ、いいなー。
なんか何度も見てしまう

毎話変わるアイキャッチもいいですね。
雰囲気のある丁寧なイラストがかなり良い。
アイキャッチのセンスが良いアニメって、中身も面白いこと多い気がするのは気のせいでしょうか。
「シドニア」とか「DARKER THAN BLACK」とか
今季なら「リコリス・リコイル」もそう


というわけで、あんまりストーリ展開を楽しむ感じではなく、かといって日常ものともちょっと違う本作

自分は『夜の街』『耽美』『フェティシズム』を楽しんでます。

<2022/8/26 追記>
第7話まで見ましたよ。

{netabare}「コウが吸血鬼になるには、コウがナズナを好きになってる状態で、ナズナがコウの血を吸うこと」
{/netabare}
となっておりますが。
前から、これ少し違うんじゃないの?と思ってるのです。
つまり{netabare}「コウとナズナが相思相愛の状態で、ナズナがコウの血を吸うと、コウは吸血鬼になれる」{/netabare}となっておりますが

そうではなく
{netabare}「恋の仕方を知らないのは、コウだけではなくナズナも。そんな二人が恋の真似事を積み重ねながら・・・」{/netabare}という感じだったら可愛らしいなーとか思ったり

実際のとこ、どうなのかはわかんないんですけど
なんかこの方がニヤニヤできそうではなかろうか?

という願望でした。

あと、酔っ払い三人組モブに子安さんがおるとこもツボw

<2022/9/2 追記>
第9話まで見ました

なぜかの「浪漫飛行」
どっちかと言えば「夜間飛行」って感じだけど、まあでも浪漫飛行は名曲ですよ。

それにしても9話良かったですね。
ここまでで一番良い。
ここに来て本作のテーマみたいなものが見えた気も。
良い〜
なので評点UP↑です♪

あとダルオくんの声は吉野さんでしたか
EDテロップ見るまで全然気づかなかった
やっぱよっちんさんは凄腕声優ですね

<2022/9/16 追記>
11話見ました。
また予想外な展開。
ここに来て{netabare}ヴァンパイアハンター{/netabare}Dや、{netabare}傷{/netabare}物語のような展開とは

なんか「ほんわかあったか〜いスープにドライアイスぶち込んだ」ような展開

嫌いじゃない
むしろ好物

<2022/9/30 追記>
最終13話見ました

9話のレビューでも書きましたが、本作の大きな柱となっているのは「人と人との関係」なのかなと

友人関係とか、好きになるとは、とか
そんな人と人の間に芽生える感情について、
先入観やいろんな前提を取り払って、
突き詰めて考えてみようと

もちろんそれは玉ねぎの皮を剥く作業にも似た、不毛な考察ではあるのですが

そういうのも結構楽しい

あとですね
{netabare}コウくんはおそらくもう吸血鬼になりかかってるんでしょうね。
11話の閉まった学校の門を飛び越えるシーン
最終話の歩道橋から飛び降りて猛スピードで逃げ去るシーン
人間離れしてますし。
つまりもう、なずなのこと好きになってんじゃないの{/netabare}

原作がまだ連載中なので、終わりという感じの終わり方ではなかったのは残念。
続き見たいけど、好き嫌いの好み分かれる作品のようだから2期はないのかも。

原作読もうかな。。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 38
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