世紀末でロボットなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの世紀末でロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月24日の時点で一番の世紀末でロボットなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.3 1 世紀末でロボットなアニメランキング1位
機動戦士ガンダムSEED[シード](TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (2001)
10213人が棚に入れました
コズミック・イラ(C.E.)70年に「血のバレンタイン」の悲劇によって引き起こされた、ナチュラルを代表する地球連合軍(O.M.N.I.Enforcer)とコーディネイターを代表するザフト軍(Z.A.F.T.)の緊張は頂点に達しやがてコーディネイターのみからなるスペースコロニー国家「プラント」は、ナチュラルの国家群からなる国際機関「地球連合」に対し独立を宣言し、戦争が始まる。\n中立国オーブのコロニーヘリオポリスで平和な学生生活を過ごす学生だったキラ・ヤマトは、ザフト軍の襲撃に際し秘密裏に製造されていたモビルスーツストライクガンダムに乗り込み、撃退する。軍の最重要機密に触れたという理由で拘束されるが、その優秀なパイロット能力などから、人員不足のアークエンジェルにおける主戦力として、ストライクのパイロットを務めることになり、激烈な戦火の中に身を投じていくこととなる…。

声優・キャラクター
保志総一朗、三石琴乃、桑島法子、子安武人、豊口めぐみ、高戸靖広、井上隆之、白鳥哲、鳥海勝美、渋谷茂、千葉一伸、大川透、宝亀克寿、石田彰、摩味、関智一、笹沼尭羅、関俊彦、川津泰彦、田中理恵、西川貴教、進藤尚美

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙世紀シリーズしか認めない人でも

SEED前後のガンダム作品は宇宙世紀シリーズとは異質の物が多い。
宇宙世紀シリーズ以外認めないなんて人も結構いるのではと思う。
(私もGなど設定読んだだけで嫌悪感が)
ガンダムSEEDはそんな人にもお勧めできる。

私も最初は、ガンダムが5体も出てくるのかよ、とか
美男美女の話かよ、と思っていた。
この当時のガンダム(W以降)作品は女性視聴者獲得のため
イケメンが数多く出てくるのは否定できない。
そして、やたらと「ガンダム」が強い。
ガンダムはロボットではなく人だろ?と今でも私は思っている。

そんなマイナスイメージしか持っていなかった私ではあるが
視聴開始すると同時にマイナスイメージは吹っ飛んだ。

物語の本質は初代ガンダムを髣髴とさせる。
戦争の残酷さや過酷さ、お互いの主張のぶつかり合い。
そして戦争に対する心の葛藤。
見始めは初代ガンダムに似てるとさえ思わされた。

「ナチュラル」vs「コーディネータ」という図式は
ファーストの「地球人」vs「スペースノイド」のそれに似ている。
まさに、初代ガンダムを現代風にアレンジした作りになっている。

初代ガンダムファンには嬉しいシチュエーションが盛りだくさんだ。
宇宙世紀以外にアレルギーのある方はこれを観れば
少しは抵抗がなくなるのではと思う。

また、作中の音楽がすばらしかった。
OPのインヴォークを始め名曲が多い。
暁の車はその中でも特にいい。

作画は当時にしてはがんばっていると思う。
それまでのCG作品は違和感たっぷりだったが
これはまあまあだったといえる。
使い回しが多いのは目をつぶろうw

まだ、見てない方や宇宙世紀シリーズ以外認めないって方
是非1度ごらんあれ。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

当時、カガリとラクスでどっち派なんて言ってたもんだw
私はカガリ派(`・ω・´)キリ

投稿 : 2024/04/20
♥ : 26

蒼月 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

歴代アニメで堂々1位。

賛否両論あるみたいですが、私の中では歴代アニメ第1位ですね。

ガンダムの戦闘シーンはたくさんあり楽しめるし
友情や恋愛、人間関係なども深く考えてあり
青春期の主人公のもどかしい気持ちに感情移入もしやすかったです。

なんと言っても主人公のキラが強くかっこいいです。
キラが物語が進むにつれ成長していく姿も必見です。

私が見てきたロボット系のアニメは大体どこかがぬけてる(恋愛系が納得いかないものが多い)んですが
SEEDに関しては恋愛、友情、感動、涙、もどかしい気持ち、戦闘シーンなど、すべてにおいて完ぺきだと思います。

みだしたら止まりません!
全力ですすめたいアニメです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ガンダムシリーズで最高傑作

批判もかなり多い作品ですが、キャラの魅力さ、MSの格好良さ、シナリオ、戦闘シーン、恋愛要素、音楽どれをとっても私はガンダムシリーズの中で一番良かった作品だと思います。
実際アニメ―ジュなどのランキングでもいろいろな部門で1位や上位ランクを獲得しています。
とくにSEED覚醒は見ていて楽しい演出です。
しかし、これほど賛否両論になるのも珍しい。
好きな人は絶賛してるし、嫌いな人はとことん批判してますから・・・。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16

65.0 2 世紀末でロボットなアニメランキング2位
屍者の帝国(アニメ映画)

2015年10月2日
★★★★☆ 3.7 (300)
1616人が棚に入れました
19世紀末、かつてヴィクター・フランケンシュタイン博士が生み出した、死体に新たな生命を与えて「屍者」として動かす技術が世界に広まり、いまや屍者は労働力や兵力として世界を支えていた。
親友フライデーとの約束のため、自らの手で違法に屍者化を試みたロンドン大学の医学生ジョン・H・ワトソンは、その技術と野心を見込まれ、政府の諜報組織「ウォルシンガム機関」にスカウトされる。
そこで極秘任務を与えられたワトソンは、フランケンシュタイン博士が残した、生者のように意思を持ち言葉を話す屍者=ザ・ワンを生み出す技術が記された「ヴィクターの手記」を求めて旅に出る。

声優・キャラクター
細谷佳正、村瀬歩、楠大典、三木眞一郎、山下大輝、花澤香菜、大塚明夫、菅生隆之
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

思考は言葉に先行する

WIT STUDIO制作。

思考は言葉に先行する。
言葉があるから心がある。
そこに魂=意識が宿る場所があるのだ。
この作品のエッセンスが凝縮された、
印象深いモノローグで始まる。

舞台は19C末のロンドン/英領ボンベイ/日本。
ワトソンとフライデーが、
ある男の手記を探す冒険譚である。
{netabare}人は死亡すると体重が21g減少する、
人類史上最初に死者を蘇らせた男の手記。{/netabare}

そこに魂は存在するのか?
圧巻の映像で鬼気迫るものを感じる。
多くの指摘があるように、
{netabare}後半物語は崩れていくように感じるも、
ただこのテーゼはきつい、勝算がない。
人類が現実で未だ出せていない答えだ。{/netabare}
果敢にも挑戦したスタッフを評価したいと思う。

早逝した伊藤計劃原作である。
本来この作品も未完成とのこと、
天才とまで称された彼なら、
どんな結末を見せてくれたのだろう。
切り捨てるには惜しい作品です。

ハダリーリリスがエロカッコいい。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 48

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【屍者(伊藤)の意思を追い続けるワトソン(円城とスタッフ)の旅】アニメーション史上最大のゾンビ映画!!!【そしてフライデー、とてもイイb】

伊藤計劃アニメ映画化三部作の第1弾
どうも過去を舞台にしたスチームパンクの今作を1作目に、近未来を舞台にした『虐殺器官』を次回作に、超未来を舞台にした『ハーモニー』で完結を迎えるつもりだったそうです
ただ例のマングローブ倒産で公開時期ズレ込んじゃいましたね、どうなるんでしょうか;


原作は伊藤さんが序文の草稿数十ページを書いた時点で死去された為に絶筆、盟友の円城塔が引き継ぐ形で2012年に完成を見ました
この映画自体、【原作とはほとんど別物】と呼べるほど改変されています
円城さんがそうであったように、今作のスタッフも伊藤さんが書き残した作品の世界観を、試行錯誤の繰り返しで“伊藤計劃作品”として完成させることに注力しています
(※ただし、「伊藤さんならこう書いた」という決め付けではありません)
この映画は屍者の意思を追う物語でありつつ、伊藤さんの意思を追う物語です


SFなので世界観だけ説明させて下さい


ヴィクター・フランケンシュタイン博士が屍者を復活させた事件から100年後の世界
その技術を兵力や労働力に用いることがアタリマエになった19世紀末
屍者技術の研究をしていたロンドン大学の医学生、ワトソン
彼は早慰した親友、フライデーを無断で違法な屍者として復活させる
ワトソンの腕を買ったイギリス政府の諜報機関は、彼にロシア軍を脱走した技術者、カラマーゾフを追うことを命ずる
カラマーゾフはアフガニスタン奥地に屍者の王国を築いたという
イギリス→インド→アフガニスタン→日本→アメリカ→イギリス
世界を股に駆けた旅の中で、ワトソンとフライデーは魂の秘密が記された“ヴィクターの手記”を巡る争いに混ざることとなる・・・


コナン・ドイル、メアリー・シェリー、ヴィリエ・ド・リラダン、イアン・フレミング、フョードル・ドストエフスキー、ジュール・ヴェルヌ、或いは19世紀末に実在した人物達・・・
著名な文学のキャラが次々と出て来るパスティーシュ小説が原作、ってかソレをさらに改変したから同人誌みたいな映画です
この手のは絶対的に苦手な方いらっしゃると思うので注意


物語の肝はやっぱりフライデー
原作と違い、ワトソンとフライデーが親友関係
フライデーが白髪アルビノで“イイ感じの美少年”
死んだ友を思わず復活させちゃった上に、だんだん生前の様子が垣間見えてきちゃったわけ
この辺のワトソンの葛藤が一番の見どころ
すごく丁寧に描かれていて改変としても、映画としても、これは大正解です


『ハル』のスタッフが再集結、主人公に細谷佳正を起用する辺り監督の拘りを感じます
ああ、脚本はフジを退社し自由の身となった山本Pでしたね・・・“Project Itoh”っておみゃーがコレやりたかっただけなのかよ、オイw


美麗な背景や煌びやかにCGで描かれる屍者技術の装置はスチームパンク好きには堪らないところでしょう
スチパン(狭義的にはエレクトリックパンク)アニメとしては『LAST EXEIL』や『スチームボーイ』を超え日本アニメ史上、最高に美しくカッコイイ世界観が描かれてます
記録媒体が挙ってパンチカードなのには笑いました


が、しかし!
オイラとして一番「スゲェな!」って思ったのが今作がたぶん【全世界中のアニメの歴史史上で最高の“ゾンビ映画”】であったことかな(爆)
特にゾンビなんてCGで描写すれば良いものを、ほとんどのカットでゾンビ独特の“歩き方”を作画しているというのにはアッケに取られましたw
いいぞ、もっとやれ


それにゾンビ美少年との友情の物語が重なる
全くいやらしさは感じさせずに、耽美な世界に魅入れる120分でもうお腹イッパイって感じで拍手です


でも、ここまでフライデーの存在が大きくなるとハダリー(花澤香菜)は結局のところ何なんだ、お話散らかりすぎだろ、って疑問もあります
(ワトソンがノンケだって示すためのキャラとか言うなよ!)
それこそ『ハル』を観て補完する必要があるんじゃ、とオイラは思うのです


なんだかんだで全く退屈しなかった素晴らしい映画です
伊藤計劃三部作とかカンケー無しにオススメしますb
唯一心の底からツッコミを入れたかったのは、楠大典さんが「バーナビー」を名乗っていたことでしょうか・・・
おまえはロックバイソンだろ!!!ってwww

投稿 : 2024/04/20
♥ : 21
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

娯楽作品としては原作よりよくまとまっています

-・-・-・-・-・-・-視聴前レビューー・-・-・-・-・-・-
本日公開の作品
私は来週けみかけさんと観てくる予定ですが
全くレビューが無かったので
誰か少しでも興味を持ってくれればと思い
筆を執ることにしました

この作品はノイタミナムービー第2段
Project Itoh3部作の一つとして
先陣を切る形になります

Project Itohというのは
2007年に彗星のごとくデビューし
2009年に世を去ったSF作家伊藤計劃の作品を
アニメ映画として公開するプロジェクトです

計劃が作家として活動できた期間は短く
世に送り出した長編作品は
虐殺器官
METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS
ハーモニー <harmony/>
の3本だけですが
その短い期間で書き上げられた作品は
閉塞していた国内SF界に
新たな潮流を巻き起こす契機となりました

PSYCHO-PASSが最初にアニメとして放映されていた時も
ネットでは計劃作品との共通点などが指摘されていましたが
こうやって同じノイタミナプロジェクトとして発表されると
やはりPSYCHO-PASSシリーズのルーツの一端は
伊藤計劃にあったんだなぁと改めて思います

既にお気づきの方もいると思いますが
前に述べた3作品の中に屍者の帝国は入っておりません
昔から文芸の神様というやつは
俊才を見つけるとすぐに手元に置きたがるようで
計劃もこの作品を数十ページ書いた時点で
神の御許へと召されていきました

後を引き継ぐ形で残りを円城塔が書き上げたものが
このアニメの原作となる屍者の帝国となります
円城氏はスペースダンディの豪華すぎる脚本家の1人だったので
小説はあまり読まない方でも
アニメに精通している方ならばご存知かもしれませんね

しかしまぁ
この作品は計劃自身がほとんど関与できていない上
他2作は近未来SFだったのに対し
この作品は19世紀を舞台にしたいわゆる伝奇ロマン
これをProject Itohトップバッターに持ってくるのは
かなりの冒険だと思います
Project Enjohの間違いじゃないのか?
とか突っ込みを入れたくなります
これがこけたら他の計劃作品に響くんじゃないか?
とか心配になります

しかしこの小説を計劃作品と認められるかどうかは別として
読み物として十分に面白かったのは確かですので
映画版の出来はどうなのかこの目で確かめてこようと思います

-・-・-・-・-・-・-視聴後レビューー・-・-・-・-・-・-

原作から比べると大分いろいろ弄ってありますが
概ねプラスに働いていたように思います

原作未読既読に関わらず楽しめる作品だと思います
原作を一切読まずに見た場合
ストーリーの細かい部分はよくわからないでしょう
しかし、そこを画面の中で細かく描写してテンポを損ねるよりも
アクションシーンで一気に押し切ってしまう方が
ずっとスクリーン映えするのは間違いありません
終盤の圧巻の映像美にはただただ絶句するばかりであります

そもそもの原作自体がハイパーテキスト性の高い小説です
文学におけるハイパーテキストすなわち超文脈とは
語句や人物、事件などの名前だけを作中に使い
その説明は作品の外に置いてあるものを指します。
もしもその言葉をしっかり理解したければ
Webのhtmlリンクをクリックして別のページに飛ぶように
別の小説や聖書、哲学書、理工書など開かなくてはいけません
場合によっては映画、漫画、アニメなどに行きつく場合もあります

この手法を使う事で限られた紙面の中に
無限の奥行きを出すことができますが
同時にベースとなるジャンルの知識に乏し人間には
その面白さがさっぱり理解されない危険性も孕みます

かつてエヴァンゲリオンが空前のブームを引き起こした背景に
この手法がありました
難解な言葉を断片的に並べ一切説明しない
その結果たくさんの解説本考察本が出版され
それらが飛ぶように売れたのは
作品の外にある科学・哲学・宗教を
ガジェットとして次々に使い捨てた結果
非常にたくさんのハイパーテキストリンクが張られていたからです

この屍者の帝国という作品でも鏤められた要素全てを理解するためには
SF・ミステリ・科学・哲学・宗教そして19世紀の歴史背景など
幅広いジャンルの造詣を要求されます
また原作ではハイパーリンクを張らずに
作中にて詳しく解説されている事柄も
映画では冗長すぎるため解説部分を丸々削除されていたりします

こんな風に書いていくと
まるでこの映画が極めて難解で一握りの人だけが楽しめる作品
というように見えがちですが
この作品の見事なところは
細かいところがわからなくても楽しめる点にあると思います
まっさらな状態でこの映画を見て細部まで理解するのは不可能ですが
スタッフもそんなことは承知の上で
全てを理解できなくても楽しめるように作ってあります
原作の魅力を言葉で説明するのではなく
直接感じてもらうというのがこの作品の切り口で
それは非常にうまくいっていたと思います

従って原作未読既読問わずオススメできる映画だと思います

以下原作と映画版の相違点について
{netabare}
かなりいろいろな点にアレンジが入っていますが
各国陣営のキャラ数の削減と果たす役割の変化が一番大きいと思います
物語の流れに沿って違いを確認していきましょう

英国

ジョン・H・ワトソン&フライデー

本作主人公にして最も大きく改変がされた人物
後にシャーロック・ホームズの右腕となる男
原作のワトソンは医学部の優秀な学生で
教授に推薦されウォルシンガムに所属することになります
そこで貸与された最新鋭の実験体が
Noble_Savage_007コードネーム:フライデー
つまりもともとワトソンの友人であったという設定自体が
映画版のオリジナルです
時折見せるフライデーの暴走も映画のみの設定
映画版のワトソンを突き動かす動機の大半はフライデーにあり
ワトソンとフライデーのエピソードは作品の中核の部分です
この部分がオリジナルなので作品としてはもはや別物に近い印象
先に映画を見てから原作本を読んだ人には
淡白すぎるワトソンがただ周りに流されて動いている様は
おそらくかなり物足りないのではないでしょうか?
このワトソン&フライデーの肉付けの巧さが
映画版を原作以上に魅力的な物語にしています

フレデリック・ギュスターヴ・バーナビー

ワトソンたちとは逆で原作でも映画版でも全く変わりませんw
実在の人物でアジアロシア境界を旅行し手記を発行しています
作品内ではその経験と胆力を買われ諜報員に選ばれたようです

エイブラハム・ヴァン・ヘルシング&M

ワトソンたちの上司にあたる人物たち
映画版では一人に役割をまとめています
原作ではMはほとんど出てきていませんが
弟が探偵をしているという発言から
マイクロフト・ホームズであると考えて良いでしょう
しかしマイクロフトはものぐさで人嫌いな性格なので
実際に表に出てきて指示を出したり対立したりする役割は
ブラム・ストーカーの作りだしたヴァンパイアハンター
エイブラハム・ヴァン・ヘルシング卿が担当しています
映画ラストにつなげるためにMの方の名前を残したのだと思いますが
クライマックスの立ち回りはMではなく
ヴァン・ヘルシングにやってほしかったところですね
なおトランシルヴァニアにおけるヘルシング卿の活躍も
作中ではザ・ワンと花嫁を巡って対決していたことになっています

ロシア

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ&ニコライ・クラソートキン

どちらもカラマーゾフの兄弟の登場人物です
アレクセイとクラソートキンの設定は改変されていません
改変されてはいませんがいろいろと省略されています
そして結末もいじってあります

アレクセイの計画は自身を屍爆弾化し
「証拠品」として大物を吹き飛ばすという一種の自爆テロ
原作ではクラソートキンは屍者化しません
アレクセイを連れてぺテルスブルクに行き
アレクセイの計画を実行する役割がまだ残っているからです

映画の方ではインパクトを重視してか
アレクセイとクラソートキン両方とも屍者化してしまいました
これでは計画が実行できません
実行できない計画そのものの話が無かったことになり
アレクセイが一体何をしようとしていたのか
真相が明らかにされぬまま物語は進んでいきます

アメリカ

レット・バトラー

風と共に去りぬにおけるスカーレットの恋人です
原作ではピンカートンの一員でハダリーの上司
ハダリーの能力を使ってグラントを襲撃している張本人
本来なら主人公パーティの5人目だった男です
ハダリーが火炎放射器で屍者を一網打尽にするシーンは
元々は彼の登場シーンのはずでした

原作では大里化学の事件の後
日本編は続きがあり
会談するグラントと日本皇帝が襲撃されますが
首謀者が居なくなっている以上
エピソード丸々カットになっています

ハダリー・リリス

出典はSF小説未来のイヴ
映画版では発明王トーマス・エジソンが作ったことになっていますが
未来のイヴにでてくるのはそれをもじったエディソン博士
元に戻さずにエディソンで良かったような気もしますね

原作ではピンカートンの一員としてグラントに仕えていますが
実際の主はレット・バトラーで
彼の利益になること以外はやりません
屍者を操りグラントを襲撃していましたが
レット・バトラーが出てこなくなったことで
その設定もうやむやとなり
作中の彼女の存在意義自体がだいぶ薄くなっています

さらにはラストシーンでも出番を奪われています
原作では事件を終息に導いたワトソンは諜報機関に高く評価されます
しかし、その評価は身内だけではなく敵対者も含まれていました
レット・バトラーを人質に取られたハダリーが
暗殺者としてワトソンの前に現れます
ワトソンは事件の際に手に入れた屍者を作る菌株あるいは言語の結晶
それをハダリーの手で自らに注入し
諜報機関が容易に手出しの出来ない重要度の存在へと引き上げます
しかし、それによって元のワトソンの人格は失われてしまい
それが映画のラストシーンに繋がります

このシーンは介助者がハダリーからフライデーに変更され
そこに至るまでの経緯の描写もなくなっています
原作と同じような顛末なのかどうかも分かりません

日本

登場人物には特筆するものがありません

暗殺未遂事件の話は先ほど述べたとおり

ヴィクターの手記を見つけてからのシーンはほぼオリジナル
あそこも映画版ワトソンとフライデーの絆が確認できる良いシーンでした
ここに限らずフライデー絡みの改変はとにかく出来がいいですね

このあたりからロンドンに戻るまでは
ほとんど別物と言っていいくらいのオリジナル展開です

ザ・ワン

フランケンシュタインの怪物
チャールズ・ダーウィン
Noble_Savage_001
原作ではヴィクターによって造られたのではなく
ヴィクターが見つけ出し再起動させた古代文明の遺産のようです
その肋骨から生み出された彼の花嫁となる存在を
心変わりしたヴィクターが命を吹き込む直前に殺してしまったことが
メアリー・シェリーが脚色し記述した事の発端の物語という事になっています
映画版ではハダリーを花嫁に作り替えようとして失敗していますが
原作では虚空から花嫁を召還することに成功し
花嫁を連れて現場を去りそのまま行方知れずとなって終わります

おそらく原作を読んでいない人は
たいていの人がハダリーが花嫁になるシーンで
ワトソンたちが阻止して終わることをなんとなしに予測すると思いますが
ザ・ワンが花嫁を手に入れる原作の結末を先に知っていると
本当にどっちに転ぶかわからない手に汗握る展開でした

全体的に映画化における原作改変は成功だったと思います
やはりワトソンにフライデーという強い動機を与えたことが何よりも大きいでしょう
傍観者の代名詞でもあるワトソンを主役に据えたはいいものの
元来の傍観者としての性質と物語を動かしていく主人公の性質が
どちらも中途半端に発揮されてしまっているのが原作ワトソンです
よりアクティブなワトソンを用意して
傍観者となったのは事件後であると繋げた映画版のほうが
一味上手だった印象です{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 27

67.5 3 世紀末でロボットなアニメランキング3位
ヨコハマ買い出し紀行(OVA)

1998年3月1日
★★★★☆ 3.7 (110)
479人が棚に入れました
 講談社「月刊アフタヌーン」に連載され、四季賞、星雲賞など数多くの賞を受賞した芦奈野ひとしの同名コミックスが原作。98年に制作され、好評だった前作を受け、新たにスタッフを一新しストーリーを再構築した本作。エッセイのような語り口でノスタルジー漂う独自の世界観を描く。喫茶店のオーナーは、カフェ・アルファをロボットのアルファに任せてどこかへ旅立ってしまった。お店を経営しながらオーナーの帰りを待っていたアルファだが、ある夏にやってきた台風によりお店は大破。アルファはカフェ再建の資金を稼ぐため、ちょっと長めの旅に出ることにした……。声の出演は椎名へきる、陶山章央、寺山幹夫、中川亜紀子ほか。
ネタバレ

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

衰退する世界と文明の斜陽、その日暮れ時。終焉にある美しさが垣間見せる静けさとのんびりした時間を描いた作品。

栄枯盛衰の言葉通り、経済が衰退して力が失われているヨコハマ。国家は日本というものではなく、都道府県の呼び名であったものが国という形式で語られている。例としてカマクラも1つの国として数えられる。
道路は海からの潮で削られ崩落。水位の上昇により街は海に沈み、夜には誰のためにあるでもない街灯が水中で幻想的な灯りを燈し、水の中に住む人たちが建てたかのような街並が見る者の眼下に広がる。
子供が大人になったころには陸が海に飲まれてしまうので風景が一変するのだ。住んでいた人にとって、日を追うごとに見慣れたはずの景色も変わっていく。
ヨコハマは田舎となっていた。そこにはいつ人が来るかもわからないガソリンスタンドで、のんびりと生活しているおじさんの姿が。
近くで釣りができるほどひと気のない、葦が生い茂る草原の中に、白塗りのペンキで塗られた米風の一軒家があり、玄関にはカフェ・アルファの看板が掛けられている。
カフェ・アルファの「ロボットの人」、女性であるアルファさんは、オーナーである初瀬野さんを待ちつつ経営している。
コーヒーの半分くらいは自分で飲みながら。
近所には二人しかいない子供がアルファさんに顔をあわせるためにやってくる。近所の人たちは皆常連。半年ぶりに来ようが、一年ぶりに来ようが、たいていは常連だ。
知られているヨコハマの喧騒とは遠い、静けさとのんびりとした時間が流れている。
そんなアルファさんは、コーヒー豆が品切れする時、隣の国へと買い出しに向かうのである。バイクに乗って行くアルファさんにとっては、ちょっとした旅行だ。
それがヨコハマ買い出し紀行というわけだ。

世界観について(原作の設定部分も紹介として記載)
アルファさんは、「ロボット」というより、「ロボットの人」という形容が正しい。そこに住む人達も、他のロボットの人たちが会社で働いていようとも、物扱いするようなことはない。アルファさんの友人となるココネに対しても、恋心を抱く店員さんや、一緒に食事にでかけるOLなどもいる。アルファさん自身も、食べ物に苦手があったり、お酒が入ると陽気に踊ったり。
素朴な人たちの温かさや、ゆったりと流れていく時間がこの物語にはある。
攻殻機動隊の概念を持ち出せば、一体残らずロボットにゴーストがある世界であるし、なまじ人間よりある意味人間臭さがある。





今回、思い切り感想で。
{netabare}
原作漫画とアニメを比較検討することはあったにしても、アニメ作品は1つの作品として位置づけられるべきであるし、独立した評価にしなければ原作とアニメの評価ではなく、混同してしまうことになる。
作品の位置づけとしてよくあるのが、アニメ化される時、原作とは異なったコンセプトを位置づけて制作する監督がおり、賛否両論という形になる。よくすれば、リスペクトしつつも新しい視野を取り入れた作品ということができるし、悪くいえば、改悪した不出来な二次創作と評価することもできる。
今作品は、ベクトルとしては原作に忠実だという印象を受けた。つまり、原作を忠実にアニメ化しようとして制作されている。
にも関わらず、原作のようにヒットし、続編がどんどん作られていくことがなかった。つまり、原作は購入者側に受け入れられたが、アニメはそうでなかったということになる。
同じベクトルであり、同じ思想で作られている。では何が明暗を分けたのか。
音楽はARIAと同じ人たちが演奏してくれているし、(CDも購入)作りもかなり忠実に再現してくれている。
癒し系の音楽という意味では、何かがはずれていたのかもしれない。原因がいまひとつはっきりしないのだ。
自分は漫画はおろか、ポストカードやアニメまで購入したほどのヨコハマ好きなのだが、ひょっとすると声優さんがあっていなかったのだろうか。
IG辺りで、きちっと作り直してくれないだろうかな。
演出家の人も、原作が嫌いか好きかでいえば、好きだと思う。
原作を読んでいない人たちだけなら、ちょっと流石に売れない作りになってしまった。
歯軋りするほど残念だ。
原作の漫画を一式そろえることを是非お勧めしたい。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 13

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1日中 コーヒーと向き合っていられる贅沢

芦奈野ひとしによる漫画作品を原作として制作された全2話のOVA作品。
「ヨコハマ買出し紀行」というタイトルとパッケージの絵から
横浜をショッピングする女の子のお話かと思ったら、まったく違っていた(笑)
でも嬉しかったのは音楽がGONTITIだったこと。
横浜の風景によく似合っていた。

主人公はアルファという少女型のロボット。
オーナーが彼女にカフェを任せたまま、長い外出をしているという設定。

午後から夕方にかけて変化していく空の淡い色合い。
やがて赤みが増し、紫色のグラデーションから徐々に深い青へと変わる夕刻。
住居らしい住居がほとんど見当たらない景色は静まり返り、
時間が止まっているわけではないけれど、
何かの時間が止まっているような、そんな感覚。

江ノ島を遠くに見る場所だから、鎌倉、湘南あたりだと思うのだが
キラキラと輝く波の音、カモメやトンビの鳴き声を少し遠くに聞きながら
ゆったり、まったりとした時間を過ごすアルファの暮らし。
ただそれだけなら、よくある癒しの風景なのだけれど、
アルファが意外なものを携帯していることと、
中型以上のビルの高層階が水面から飛び出している、という風景は異様。
何があったのだろう?って感じで引き込まれていくが
この作品では多くを語ることなく緊迫感もなく、ただひたすらのんびりしている。
水底から浮かび上がる美しい夜景や、誰にも使われなくなった歩行者用信号機が
水面から顔を出して点滅しているのが見えたりすると、なんだか切ない。

人々が行き交うような街の光景もなく、だけど彼女は孤独に見えず、
ただただぼんやりとコーヒーを半日かけて淹れ、
夜になるまでコーヒーカップを目の前にして、物思いにふけっている。

日々、忙しいとこんな時間が欲しくなったりもするけれど、
さすがに毎日続くとなると、普通は退屈になっていくのが人間で。
充実しているように見えるアルファの贅沢な時間を見ていると、
ほんの少しだけ羨ましく、でもやっぱり自分は忙しいほうが
性に合ってるなと思ったりする。

とにかく、細かな風景の描写は本当に美しかった。
空だけでなく、風の強弱、雷雨、部屋に差し込む光の筋や
コーヒー豆の香ばしい香りがしてきそうな時間の流れとか。

ついクセで、いろいろ深読みしそうになってしまうが、
「今、この時間に情報は必要ない。この風景をゆっくり眺めよう?」
そう囁いているような作品だった。
のんびりしたい時に観るにはいいが、忙しい人が観るとイラッとくるかも。
少なくとも、原作を知らないのでそうとしか受け取れなかった。

観る人によっては眠くなると思うので、お休み前にオススメ。
あ、でもそれやると電源消し忘れるかもです(笑)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 34

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

てろてろの時間を味わう癒し系アニメ

原作はアフタヌーンの漫画

癒し系アニメといえばこれ
どうやら原作ファンにはどうも評判がよろしくないようで。
原作をパラパラっと読んだことがある程度なので、比較は少し難しいのですが
このアニメは単体でも非常に良いアニメで、
癒し系アニメと思われるジャンルでは一番好きなアニメです。

ストーリーはまぁ無いに等しい、完全なる雰囲気アニメだが
ヒーリングビデオをみる感覚で見れば至高のアニメ。
窓から差し込む光、海面に浮かぶ街灯。滅び行く世界の美学。
軍艦島の廃墟の美学と似たような感覚がありますね・・・

しかし悲壮感といったものはなく、穏やかでとてもゆっくりした時間を味わえる
その幻想的な独特の世界観は本当に素晴らしいし、演出も非常に良かった
静寂な空気のなかで、ぽつりぽつりと主人公とつぶやく様も実に良い!
ほのぼの系や日常系が少々苦手な私でも随分と楽しめた希少なアニメです。

『ヨコハマ買い出し紀行-Quiet Country Cafe-』という続編がありますが
全然タッチが違うので、これもまた違う楽しみ方が出来るかも知れない
ただ個人的には98年版のこちらのアニメの方が確実に良いと思えました
この辺は個人の趣向の違いもかなり出てくると思われます。

何にせよ、癒し系アニメが好きな人ならオススメ出来る良作。
その空気感を味わいつつ、コーヒーでも飲みながら見てはいかがかと。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 18

62.2 4 世紀末でロボットなアニメランキング4位
ゲッターロボ アーク(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (56)
143人が棚に入れました
沸騰せよ!熱き魂。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

パンドラの箱を開いて【暫定感想+ニコ生スタッフコメント文字起こし】

2021年7月放送開始のTVアニメ。1クール予定。
原作は石川賢先生の漫画作品「ゲッターロボ アーク」。
掲載誌 休刊により未完となったゲッターロボサーガの最終章です。
原作未読でアニメ終わってから読みたいんですけど我慢できるかわからない(笑)

【ゲッターロボ作品群について】
簡単にまとめてみます。
{netabare}70年代TVアニメ版と漫画版はメディアミックス前提で展開されており、どちらがどちらの原作というわけではありませんのでご注意を。

・アニメ作品
1974年TVアニメ「ゲッターロボ」…永井豪・石川賢が共同で設定を作り、設定のみ共通の漫画版を同時展開した。
1975年TVアニメ「ゲッターロボG」…TVアニメ「ゲッターロボ」の続編。
1991年TVアニメ「ゲッターロボ號」…上記2作品とは違う世界観で別作品。物語も他の作品とは繋がらない。
1998年OVA「真(チェンジ!!)ゲッターロボ世界最後の日」…石川賢の漫画版を基にした作品。物語は他の作品とは繋がらない。
2000年OVA「真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ」…石川賢の漫画版を基にした作品。物語は他の作品とは繋がらない。
2004年OVA「新ゲッターロボ」…石川賢の漫画版を基にした作品。物語は他の作品とは繋がらない。
その他70年代に「東映まんがまつり」で上映されたアニメ映画が3作あります。

・漫画作品…執筆は石川賢。通称「ゲッターロボサーガ」。物語は全て繋がっています。
1974年漫画「ゲッターロボ」
1975年漫画「ゲッターロボG」
1991年漫画「ゲッターロボ號」
1997年漫画「真ゲッターロボ」
2001年漫画「ゲッターロボアーク」…2003年に掲載誌休刊にて第一部完。2006年に石川賢が逝去し未完となりました。
(その他石川賢先生以外の漫画家が執筆したオマージュ作品が4作あります。)

今作「ゲッターロボアーク」は石川先生の漫画版を原作にしており、他のアニメとの繋がりはありません。アーク以前の物語を知りたければ漫画版を読む必要があります。
未完の最終章のみを物語の流れはそのままアニメ化という非常に挑戦的(無謀とも言えますが)な作品なんですね…。
もっとも、完全な原作準拠ではなく、キャラクター背景などをかなり膨らませているようです。原作は3巻しかなく1クールだと尺が余ってしまうため、新規視聴者にも出来る限りわかりやすく、キャラクターに愛着を持ってもらえるようにという考えだと思われます。(2021.7.24)
{/netabare}

【各話感想】
{netabare}
第1話「天の鬼」
{netabare}
アニメ初回見た印象からは懐古主義ではなさそうだけど、ご新規さんお断りではあるかも知れない(苦笑)
アニメとしての方向性がわかる監督インタビュー等がいくつか上がっていますので、興味がある方はご参考にどうぞ。
インタビューからの根拠のない憶測ですが、これらを読むとご自分の年齢を考えて作れるなら早い方がいいと考えて企画出し続けていたのかなあ?っていう気がします。川越監督のダイナミック作品のTVシリーズは「鋼鉄神ジーグ」が最後で、それからの14年、古風なロボットものでTVシリーズとなると企画がなかなか通らなくなっていそうですからね…。


物語は安定した滑り出しだと思う。初見さんお断りって感想多いけど、ロボアニメオタなら想像で補えるくらいの王道な展開かと思う。

ちょっと辛いことを言うとやっぱり作画かなあ。初回で不安定だと後が続くかが心配。全話納品済みなら良いのだけど。まあ私はこういう作画も好きなので全くOKですが。
拓馬と獏が憎めない表情が多くて和んだ。コンビニのシーン好きだなあ。生活や食事の様子が描かれるのは良いアニメ。
獏…3パイロットが癒しなのは伝統…?
コンビニのシーンはオリジナルだそうなので、改変もそれなりに入るのだろうなあ。獏のD2セキュリティ解除はアニメオリジナル?原作から?それによって評価が変わる。もしも新要素なら早川さんらしい味付けだ。目立ちにくい三人目をいかに活躍させるかで完成度は大きく変わるだろうから。

ロボットの見せ方が上手でよかった。D2が起き上がるシーンで「ガンダム大地に立つ」を連想したんだけど、ガラの悪い起き上がり方がらしくて違う燃えがある。小脇に抱えていたD2をアークが放り投げるのも凄く好き。
もっと精密で綺麗なCGは他にいくらでもあるけど、重量感や荒々しさを押し出して、かつカメラワークが決まっているので何が起こっているかわかりやすかった。ずっと手描きアニメをやってきた監督の演出だから。CGはダメージ表現が常に課題だけどそれはアークに限らない。
他の作品の話で恐縮だけど、3DCGって早くグルグル動かせるからカメラワーク疎かになって見にくくなることがあるんだよね…。アークはそうならないで欲しかったので、まずは一安心です。今後は重量感の表現にもさらに期待したい。

声優さんについて。寡聞にして知らない声優さんがメインにいらっしゃって、どうなるか楽しみ。
中の人が経験豊富な拓馬は勿論、渋めだけど若さと茶目っ気のある演技の獏、抑揚抑えめでミステリアスかつ戦士然としたカムイと、三人の演技・声質のバランスがとてもしっくり来た。三人が揃って会話するのがとても楽しみです(*´∀`)
なんかこの三人、一年くらいずっと聞いていたい…皆どんどん上手くなりそうでな…。だって皆感情表現が的確なんだもん。

個人的に、OP、EDは好きだけど劇伴はあまり好きじゃない。
新ゲ好きとしてはED感激でした!こんなに嬉しいってことは、自覚してなかったけどPVがなかったの地味にショックだったんだな…。3作目の曲をトップバッターにしてくれたことに感謝しかない。
(2021.7.11){/netabare}


第2話「運命の子ら」
{netabare}アバン、アークの機動力良いなあ…から始まり、スムーズに状況説明しつつ隼人の回想に入るのが上手い。カムイ、隼人から二人を丁重に迎えろって言われたのに殴り合いになるの笑ってしまった。やっぱりカムイにとって異種族であることはコンプレックスなんだな。隼人には素直なのは上官だからってだけじゃなさそうだな、と思っていたら隼人は育ての父という設定がある。
敷島博士に呆れたカムイをちらりと見る獏、拓馬がゲッターロボに乗ることを承諾したとき各キャラが見せる表情など、細かな所作でキャラクターを大切にしてるのを実感する。
世界の現状、ゲッター、ゲッターロボの説明の間に人間関係とキャラの背景を緩急つけて入れ込んでいくのも好き。国連とかの組織が出てくると早川さんって感じするわ…わりと使い古されてる手法ではあるのだけど、説明的にならないよう工夫しているのが良い。実機での訓練だけでなく座学が入るので、シーン転換も画的な動きも単調にならないの良いなあ。少しずつキャラクター性とチームの距離感を見せてくれるのも気持ちが良い。

D2部隊とのケンカシーンはほのぼのですかね…?これ、全員が遊びと心得てるのが良い(笑)。要はいちゃもん付けた時点で遊ぼうよ!ってことでしょ?(ホントかよ)
反面、全員が全力で生き続けるのはいつ死ぬ覚悟も出来ているのだと感じる。女性の隊員もいるのは少し驚いたけど戦士である以上、いざとなっても手心を加えてはくれないんでしょうね( ノД`)…ケンカの時点で男女平等だし。
隊員や所員のキャラクター名は担当声優さんのお名前から。これは見ていて楽しいし、声優さんたちにとっても良い記念だなあ。

拓馬と獏の戦う理由を描くのも良い。肉体と精神の強さ、運命や血筋に加えて本人の意思をきちんと描くのが川越作品らしい。戦うことに迷うのはゲッターらしくないけど、かといって本人たちに理由がないと現代の視聴者には違和感が生まれるだろうと思う。私自身が主人公が戦う理由にはこだわる方だからかも知れないけど。
勿論世界観に合っていれば理由が無くても良いし、ゲッターの世界はそれでも違和感ない。それでもこうしたのは、「感情のぶつかり合いで物語を転がす(川越監督のインタビューより)」という作品の方向性も影響しているかも。

一度目はさらりと見て、何が良いのか言葉にならないうちに30分経ってた感じ。二度目で良くできているからこそ良い意味で引っ掛からずにさらりと見られたんだなと。1話はロボットとバトルと過酷な世界を最大風速でがっつりやって、2話は設定やキャラの背景を描いて足場を固める。この手法は今では王道だよなあと。そういうのが好きな人ならご新規さんでも入ってこれるんじゃないかな。ホントここのスタッフは上手なんだよ。(2021.7.17){/netabare}


第3話「アーク始動」
{netabare}アバンで拓馬が母を亡くした経緯と獏との出会いが描かれる。「今逃げることは恥じゃない」という言葉がゲッター乗りの隠語と繋がってくるのが上手い。
この隠語や血液検査、託されるヘルメット、合体時にD2部隊にフォローされるなど、段々と早乙女研究所の一員として受け入れられていく描写が短い尺でしっかり入ってくる。
「ハジをかくなよ」=死ぬなということ。ハジとは何も残せずに死ぬこと。
第一話での「ここで死なせてやった方が幸せだ」というのはいかにも過酷な世界だけど、星一尉達は敵のデータを残しアークを守り切った。
隼人とカムイは親子らしいところをあまり出さないんだけど、それでもカムイは隼人の気持ちを代弁できる。感情表現が乏しいが気性が激しく怒らせると怖いという共通点は二号機パイロットの個性とも言えるけど、この二人に関しては養父子だからこそ似ているとも感じられて興味深い。戦友の息子に対して隼人が珍しく優しい態度を取るのに対して、拓馬は父に対して多少含むところもあるのかなと感じるけどどうだろう。
隼人が拓馬とカムイを繋げもし、カムイが隼人と拓馬を繋げもする。きちんと人間関係が作られていくのが気持ち良い。カムイと獏の関係性構築にも今後期待したい。
D2部隊は仲間がやられても正規兵らしい冷静さを見せてくれて格好良いなあと。前回の引きから全滅の可能性もあると思っていたので3人の生存は嬉しい所。とはいえキャラクターをただ無駄死にさせるスタッフでもないのだけれども。
今回の引きはマクドナルドの登場と拓馬の因縁の明確化で、今回のアバンから繋がる構成がやっぱり上手いと思わせる。

3人の絆を描く物語、血筋や組織の継承の物語、運命や因縁との決着の物語。序盤から描くべきものがブレない良い作品。私は1クールアニメは3話まで見て継続を決めるのだけど(本作の視聴断念は最初からあり得ないんですけどね)、もし何も知らずに見ていたとしてもきっと継続を選択したと思う。
(2021.7.21){/netabare}


第4話「美しい夜に」
{netabare}絵コンテが川越監督。以前からこういう回は自分でやる人ですからね。ロボアニメとしてはインターバルだけど、作品としては土台をなす部分だと思う。過去話で設定見せつつ、ゲッターへの危機感を煽る。特にご新規さんに対しての大きな布石。
ここのスタッフは幕間にも重要な要素を仕込んでくる。熱量だけではない作品を作ってくれるのが良い。

今回はすごくきな臭い上に謎が謎を呼ぶ内容で、3話までは足場を固めていたんだなと感じる。
敵の本陣の描写から、ゲッターを恐れていること、「あの場にはゲッターが満ちている」という言葉からそれだけでも危機感を募らせていることがわかる。19年前(?)の回想でもゲッター線の危険性はがっつりやっているし。
ゲッタードラゴンを増幅器にして真ゲッターロボのゲッターエネルギーを満タンにしようとしている所へ蟲が襲来し真ゲッターが出撃。基地に残っていた弁慶はゲッタードラゴンで敵をせん滅しようとするもドラゴンの暴走で危うい状態に。
カムイは19年前と言っているけど時系列が謎。真ゲッター起動と蟲初接触がこの時なら、2話冒頭の回想は何年前なんだろう。それにこの二つの出来事の間に隼人は大怪我してゲッターロボに乗れなくなっているはず。
ここまで司令官としての顔を見せてきた隼人の研究者としての側面。尊敬の念と、自身の現状への焦り。いまだに到達できない早乙女博士の領域。師弟関係と言えば良いのか、味わいのあるシーンだと思う。
カムイの幼少期の回想、カムイは差別などされていたわけではなかったけど特別な存在故に隼人と共に行くことを選ぶ。爬虫人類の子供達と母親達のデザインが良い。誰が誰の親かきちんとわかるし、子供が可愛いなあ。
D2部隊のリーダー格・笠原隊員が巣食っていた蟲によって命を落とす。食い破られた背中から背骨と肋骨が…。好きなキャラクターだったのでちょっと凹んだ…。前回殉職した細目の隊員が鍛冶本隊員で、女性が水島隊員。あとの二人の名前が知りたいなあ。うち一人は既に殉職しているけれども。
まだ情報不足なので謎については整理だけに留める。
次回の先行カットからキリクの活躍がありそうなので楽しみ。隼人とおそらく翔の写真が気になる。敵が女王蟲ということで女性キャラが増えますね(笑)。(2021.7.31){/netabare}


第5話「申し子」
{netabare}今回は好きな所と気になる所が色々あって、引っ掛かってる所が監督が言っていた「仕掛け」なのかそうでないのか?19年前であることは確定したけれど、原作との時間軸は違ってきてしまってる。
ゲッターと弁慶と早乙女博士のシーンでぞわっとする。隼人がゲッターは希望だと言ったシーン、自分にもそう信じさせようとしてるみたいで不穏…。

キャラ描写は全体的に好き。チームの物語として段々気心の知れたやり取りが増えてきてるのが良い。敷島博士は癒し。隼人の描写は賛否ありそうかな?
隼人、継承の物語として考えると早乙女博士から受け継いで次世代に託す役であることをかなり明確にしてある。アニメアーク見るまでは色々背負いすぎて荒んでるイメージあったけど、希望を見いだそうともがいてる、あるいは拓馬達に希望を見いだした、って印象に。それをはっきり態度や言葉に出すのは少し意外ではある。人としての情は常に隠して、ごくたまに人間味を見せるような人物像をイメージしていたので。

拓馬、父親に対して複雑な感情もあると思うんだけどやっぱり親しみも感じているんだろうな。父と同じ境遇と環境に身を置いて感覚的に理解してきた印象でそれは良いことだと思う。
ただ「俺はゲッターの申し子だ」の言葉はきな臭いというか…それが良いか悪いかは何とも言えない。

早乙女博士を見ていて作品によってこれだけ色んなアレンジされるキャラクターもそうはいないと思う。
チェンゲは悪役ムーブの裏で実はインヴェーダー殲滅のために動いて、アークは優しそうに見えても実はゲッター線に呑まれてて、新ゲは狂気じみてるけどその本質は情と理性…っていう。
キャラの二面性を演出するときのお手本みたいな人物像な上に、絶妙に仕上げてくれるのでとても美味しい。私は新ゲの博士が好き。
メカバトルも良かった。口が開くロボットとしては珠玉の魅せ方。やっぱり変形はCGでは難題なのだなと感じて少し残念ではある。
ラストシーンでのアークのガラの悪い座り方はすごく好き!(笑)1話の「D2大地に立つ」みたいなシーンもガラ悪くて大好き。CGで無機質になりかねないロボットに上手くキャラ付けしてて楽しい。

早乙女研究所はドクターが銃火器扱える所からしても戦闘訓練受けてないと採用試験で書類審査すら通らなさそう…そして入社してからも定期的に訓練させられそう…。
ドクターは何故名前が無いのかな?勝手にドクター小林って呼んでも良いかな~声優さんの名前から取って。
研究所はほぼ壊滅と考えて良さそう。D2部隊は生き残っているんだろうか…。

EDはあまり好きじゃない。須藤さんの編曲は楽器演奏だと大好きなんだけど、打ち込みだと昔からあまり惹かれなかったのでまあ当然といえばそう。DORAGON2021のアレンジは好きだったんだけど。

4話見たときはここからついていけるかなって思ってたけど、5話で謎は残るものの一旦必要な情報は出しきって次回から新展開。新ゲ同様、話数の使い方と話の広げ方が段階的かつ明確で良い意味で古風。私は中途半端に知ってるので混乱するかもしれないと思ってたけど今の所大丈夫っぽい。

原作付きアニメは新規ファンに原作を手に取ってもらうことが一つの命題であることは確か。原作を大切にはしないといけないけど、原作再現だけでそれが上手く行くかというとそんなことは無いと常々思ってる。
アニメアーク、この点では概ね上手く行ってるように見えるかな。原作読みたいけどKindleに無いとか、既に読んで全然違ったって感想ちょくちょく見かけるので。私の観測範囲に限っての話ではあるけど。(2021.8.8) {/netabare}


第6話「竜の末裔」
{netabare}アンドロメダ流国が地球への総攻撃を宣言。マクドナルドは百鬼帝国の生き残りで復讐のために流国に協力している。
早乙女研究所は復旧まで時間がかかるため連合軍の橘翔が来てドラゴンを守る戦力を補強する。カムイに対して「10年の成果を見せてもらう」とは?
海上の不穏なストーカを連合艦隊が抑え、その間にアークチームは海底の恐竜帝国へ。海上の連合軍は壊滅。早乙女研究所に膨大な数の蟲が現れD2一機とステルバーが防衛するが危機的状況。時空を超えて黒い真ゲッターロボが現れる。ドラゴンが様々なゲッターに関わるものを引き寄せている?
アークチームは海中で竜のような生き物に先導され恐竜帝国へ。途中の岩肌に潜水艇の残骸がありカムイは「俺たちの墓標だ」と。

翔が美人な上に有能。あと水島隊員と内山隊員が生存してて良かった。メガネの追加人員さん喋らなかったのでお名前がわからん。
3人が仲良しで良かった。カーンの変形がまた独特で可愛い。どうやったら車輪に収まるの…?案内に来たメカザウルスも可愛い。
黒い真ゲッターロボのストナーサンシャイン、ポージングとかカット割りがチェンゲのセルフオマージュっぽい?そもそもチェンゲの演出からして原作のオマージュなのか。最初はびっくりしたけど、2回目見直すとすんなり話が頭に入ってくるからやっぱり構成が上手い。

原作既読者でさえ展開が読めなくなっていて、OVAのみ視聴した私も結構驚くことが多い。川越監督、批判も覚悟でサーガとOVAを総括した作品にしようとしてる印象があるな…。アーク本筋と説明パートと過去回想として前シリーズも映像化することで新規の人にもわかるように情報を撒いている。だけでなく誰も知らないアークが加わっているようなので、初めての人の方がわかりやすいだろうなこれ。
原作そのままだと尺などの問題で上手くいかないからこういったやり方なんだろうけど、原作付き作品のアニメ化としてはかなりのイレギュラー。川越監督は基本的に原作リスペクトしつつ自分のやりたいことを上手く入れ込んでいくタイプだと思っていたんだけど、脚本の早川正さんがクレバーな人でSKLや009VSデビルマンでは相当思い切ったやり方をしていた。今作はさらにえらいことになってる気がする…。(2021.8.10){/netabare}


第7話「ゲッター同盟軍」
{netabare}真ゲッターロボは隼人を残して飛び去った直後、北極圏で核ミサイルを吸収しシュワルツと翔を助け、あらゆる敵(おそらくメカザウルス?)をさらに吸収しエネルギー体となり火星へ到達していた。
恐竜帝国へ辿り着き帝王に謁見するアークチーム。アンドロメダ流国に対して共同戦線を張ることになる人間と恐竜帝国。反発する拓馬と獏。カムイの事情を察する二人。隼人は恐竜帝国にも秘密裏に「ジュラ・デッド」作戦をアークチームに明かす。
地上ではストーカからの猛攻収まらず、国連軍が苦戦。黒い真ゲッターロボが全てのストーカを抑え続ける。パイロットが一文字號であることを確信する翔と隼人。アンドロメダ流国の孔明に対して號の言葉、「繋がっているんだ、全ては」
ゲッター線の影響を軽減する人間との混血児の研究があった。ゴール三世は母の存在と将来を確約することでカムイを利用しようとしているっぽい。恐竜帝国はかなり階級差がある社会らしい?
拓馬と獏は国連軍から派遣されたロン・シュバイツァ博士と出会い、協力者ハン博士の元へ。ゴール三世の動向を気にするハン博士。
案内役(名前はカンパニアかな?)はカムイを3人の若者の所へ案内する。3人はカムイとは旧知の仲。

爬虫人類蒸し暑い環境だけど人間の暮らせる部屋や食事も用意できるというのは、休戦協定を結び交流があったことを裏付けていると思う。人間の研究者も滞在してるからなおさら。恐竜帝国の異国情緒がなかなか楽しい。
憤る拓馬をフォローするカムイ、カムイを気遣う拓馬、二人を取り持つ獏が良い。黒い真ゲッターロボのことを3人には黙ってる隼人も冷静。地上のリスクは覚悟のうえで、恐竜帝国との連携を重視し今後に布石を打つことを優先した。
翔が元チームメイトである號をおそらく戦闘スタイルから看破しているのがとても格好良い。
カムイ、恐竜帝国ではかなりシビアな立場。母親が原作より若くデザインされているのは時系列を改変してあるからかな?
拓馬がゲッターの最期を聞きたがらなかったのは父親のことが引っかかったからか。
道案内がいることでどこにも逃げ場がないカムイと、自由に歩き回り真相に近づく拓馬と獏は対比的。

今は展開的に真ゲッターが無双してるけど、アークキリクカーンの戦闘ももっと見たいなあ。
次回の先行カットで、翔が號に会いに行くみたいなんだけどどうなるんだろう…。(2021.8.19)

・追記・
ある感想で「アニメアークはワイドスクリーン・バロックSFしててワクワクする」というのを見かけ、ワイドスクリーン・バロックって何だろ?と思って調べたらWikipediaにこんな説明が。

”オールディスはチャールズ・L・ハーネスの『パラドックス・メン』を評して
「時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄
— ブライアン・W・オールディス、『十億年の宴』p.305より 浅倉久志訳」”

この説明だけでも私にはぼんやりとしかわからないんだけど、早川さんの頭の中がどうなってるのかはさらにわからない…。でも何となく的確な表現だなあと思ってメモ。
早川さんは熱い物語を勢いで押し流しても納得できるように、土台作りは設定の段階から相当丁寧にやっている。サイデビの小説なんか読むと特にわかりやすい。小説は地味すぎるくらい。
鋼鉄神が特にキャッチーで入りやすかったのは、他の脚本家と分担していたからかもしれないけど、あちらも少し謎は残ったものの大きな矛盾や設定の乖離は起こっていないので上手な人だ。(2021.8.21)
{/netabare}


第8話「竜の血 人の心」
{netabare}今回は絵コンテが監督。ドラマ性の強いや物語の根幹にかかわる回を担当する。ドラマとバトルのバランスが良い回だったと思う。いやバランスが良いと言うより熱さシビアさきな臭さほのぼの軽妙さと、1話に詰め込みすぎなんですよねきっと…

この世界まだ都市部残ってたんだ!ってかなり意外だった(笑)
インセクターの襲撃が連日に及び、アークチームは連戦を強いられる。「奴らの戦い方は特攻だ、何の目的で仕掛けてきているのか分からなければこちらが負けるかも知れない」という分析、拓馬のクレバーな面。ハン博士がカムイにガンリュー、バイス、オズロを引き会わせたとき、先日既に会っていることを悟らせない4人、なにやらきな臭い。
今回はカーンの変形シーンが見れて嬉しい。カット割りで魅せることに重きを置いた変形だけど、ロボットらしいシーンだしゲッターでは合体変形が醍醐味なので。重量感、パワー、二段変形と短いシーンに色々詰め込んでて楽しい。インセクターも水中で微妙に変形・特攻とか搦め手も使ってくるのが厄介。カムイの迷いからの危機、ゲッターザウルスの戦闘をさらりと描く。これが後のシーンに響いてくる。
地上も黒い真ゲッターロボと號は消耗しながら連戦を続ける。ゲッターに飲み込まれたはずの號が消耗するというのには違和感あるが、つまりゲッターの意思で人格記憶そのまま再現されているという事か。號のやるべきこととは何か。翔もまた隼人と同じく取り残された側なのだなと。
ハン博士とシュバイツァ博士が皇帝に謁見するシーン、地下で文明と科学を発展させてきた様子がうかがえる。実際、アンドロメダ流国では恐竜帝国の科学力の高さと人間のゲッター線が共に牙をむくと厄介と言っている。「地上の人類が同じ脅威にさらされたら生き残れるかどうか」という言葉に笑う皇帝はやはり地上を諦めてはいないのでは?博士たちは亜空間固定装置ノルドの組み立てを開始する。バジリスク将軍という名前がわかったので案内役はカンパニアで確定。
ザウルスチームのキャラ立て、アークチームとの絡み、カムイの器と戦士たちの間での存在感を描いて、人間の話とカムイの真実に持っていく。そして波乱で軽妙な出陣式から敵の襲撃シーンへ。
大量のミミズは苦手だな…芋虫とかも…羽虫とか蜘蛛は割と平気なんだけど…

拓馬の人の良さは父の血と母の教育と獏から受けた優しさに培われたものなんだろうなあ。
少々強引だけど周りの恐竜帝国の民衆に受け入れられた時点で皇帝は堪えるしかない。ゴール三世は頭も良いし利用しているとはいえカムイを生かしている(飴と鞭も使い分けられる)ので無能な為政者ではないのだろうけど、野心が強くて厳しい雰囲気がある。末端の兵士やチリュウ一族(歴史的に奇形種として差別されてきたため、人間との戦争においてゲッター線耐性が比較的強いことから一族のために命懸けで戦っていた)からの信頼がカムイに向いていることから見て、傲慢な面があったり身分差別を解決しようとはしないのだろうなと。結構格差社会に見えるし。

號の登場はある意味ゲッターによる命の冒涜なのでは。ゲッター線は人の魂を飲み込んでいく一方で意思のある一人の人間を再現する。
號が一度取り込まれていながら元の人格のまま(かつ肉体は元のままではなさそう)というのが、切ないというかゲッター線おぞましいというか怒りがこみ上げてくるというか…これで希望って言われると胃が痛くなる…
アニオリとしては凄く際どくない?ゲッター線が原作で號を取り込んでいるからギリゲッター線の所業で納得できはするけど、こういう流れでなければ原作レ○プ案件と感じる人もいるのでは?この際どい改変にどう意味を持たせるのかにかかってくる。本当にかすかにでもゲッターに希望となる何かを提示できなければ見てるこちら側が辛い。
ていうかキャラ大切にしろ過激派の私がツラい。でもアニメアークも監督も脚本家も好き。なにこれ私がツラいだけじゃんズルいわ…( ノД`)…(2021.8.26){/netabare}


第9話「突入‼」
{netabare}ステルバーは仮面の中はモノアイなのかな?CGのロボットアニメは物量戦をしっかり描けるというのが本当に強い。ステルバーは最初は変形機能無しの予定だったけど、CGスタッフが変形できるようにしたものが良かったので採用となったと。
コーメイの話しぶりから高みの見物をしながら地球を滅亡させようとしているのが本気で下衆の所業。ゲッター線が宇宙の平穏を脅かすからゲッター線を開発する人間を襲うこと自体は理解できなくもないんだけど、じゃあなぜ爬虫人類まで滅ぼそうとするのか。結局アンドロメダ流国はそういう手合いで、彼らが敵視するゲッター線は善ではないにせよ悪と断定するのは視聴者目線でもおかしいという描写になってくる。
ゾルドの存在はコーメイに知られ猛攻を受け破壊されかける。敵本陣にアークとザウルスを送ろうとするも暴走し、真ゲッターロボタラクと號の力添えによりゾルドを通りぬける。その先に砂漠の惑星に軍用ヘリ、そして人間が降りてくる。

ゲッターは希望と言いつつ號のことについては個人的にはキツイんだけど、もっと素直に受け取って良いのかもしれないという気持ちになってきている。竜馬が拓馬を残したことを強調しているので子を残す=人の営みが何かを変えてくれたらと。
アニメの裏設定で、拓馬の安全第一のヘルメットは竜馬の唯一の形見。そしてそれは竜馬の戦友巴武蔵の遺品。血筋だけではなく思いの継承も、ヘルメットでかなり強調している。早乙女博士の遺産であり隼人が守りアークチームが乗り込むゲッターアークもそう。

號の「ゲッターは希望だ」「俺たちはまだ本当の答えに辿り着いていない。お前が見極めろ」という言葉の意味。號が拓馬達を助けることがゲッター線による予定調和だとしたら、號に固有の意思があることの矛盾。
正式名称が判明した「真ゲッターロボ タラク」。
タラクは虚空像菩薩の意味の梵字「タラーク」から。慈悲と知恵を司る・今世来世の願いを叶えると聞いて当初ぴんと来なかったけど、號がその本質を生前のまま保っているなら、拓馬達を手助けし未来を託すことが本人の救いにもなるのかなと…それも切ないけど。
この作品、次世代に継承されるものをあらゆる要素あらゆるキャラに可能な限り広げて描写しているのが凄いと思う。だからこそ戦場に送り出すしかできない隼人達バックアップ要員は虚しさを抱えるしかない。
隼人の矛盾は隼人だけではなく仲間や若者を送り出す側全員に共通してる。この作品、どこまでも矛盾という言葉が付き纏う。

アニメアークは配信と放送枠の確保もさることながら公式サイトで必要な情報が得られ、宣伝も良い意味で業務的に(定期的に!関連作関連イベントにコラボグッズも)行い、Twitterでは「#ゲッター線を浴びよう」のようなパワーワードも創作してて、ターゲットにアプローチする努力が狂気的な位ですね。
アニメアークはダイナミックプロやスカパー、バンダイも盛り上げようとしてくれてるのもありがたい。たまにこれは良いのか?と思う時もあるけど(主にスカパーの漫画版画像コラとか)。バンダイの魂ネイションズイベントでのアークの2メートル位の立像も動画で見たけど素晴らしかった。ありがたいことです。(2021.9.3)

・追記・
色んなサイトやTwitterを見ていて、號が舞台装置とかただのファンサービスとか言う人がいるのが納得できないなーと思って。
まず漫画版アークには一文字號と橘翔は登場しませんし、真ゲッターロボタラクもアニメアークオリジナル機体です。
アニメアークが継承の物語と考えれば、竜馬達の世代だけではなく號達の世代からも、拓馬達に想いを受け継がせる意図があることは想像できます。
また敵の主張やゲッター線の在り方の善悪が目まぐるしくひっくり返る構成上、一度はゲッター線に導かれながらも自身の意志を保持して現れた號が「ゲッターは希望だ」と言ったことにも善悪の印象をひっくり返す作用がある。仏の名を機体名に使う本作において、真ゲッターの分身であり虚空蔵菩薩の名を戴くタラクもまた無限の慈悲の象徴。(「煩悩を超越して進化した〝真ゲッターロボ〟から分離した存在と推察される」(公式サイトのタラク説明文より))仏教における「一体分身」の考え方は日本人にとっては身近なものです。
翔と號を再会させたのもゲッター線による隔絶と残された者の矛盾を明確化するためだと思いますし、最終的にゲッター線をいかに描くかでもっと別の意味も加わってくる可能性もあります。
原作未読の私がこんなこと言うのは変なんですけど、それでも川越監督は意味のないキャラを登場させる印象はあまり無いので、前作主人公との邂逅という熱血展開に作品テーマを掘り下げる要素を入れ込む位はしそうなんですよね。
だいぶ納得できる展開になっているので、今後も注視していきたいと思います。(2021.9.5)
{/netabare}


第10話「異界の聖戦」
{netabare}砂漠で人間と遭遇するアークチーム。インセクターの襲撃を受け戦闘に。アーク、キリク、カーンの戦闘でチームワークが磨かれているのが感じられて好き。3号機を応援したくなる、という武蔵はコミカルなんだけど…
ザウルスチームは機器の故障で戦闘困難な所をアークに助けられる。神の戦士ゲッターアークって言われたけど意味はあるんだろうか?拓馬の安全第一ヘルメットを被る武蔵。制圧した星の昆虫人類を全滅させる。日本の人口に近い1億3千万という数字は意図的なのであれば、良い意味で悪趣味な脚本。
前回と反対に爬虫人類がよそ者として扱われる。人類は侵略しながら宇宙に出て、しかし流国に遭遇し滅ぼされかけ、そこに地球からのゲッターエンペラーが現れる。「何故地球人類が存在するか、宇宙はゲッターに何を求めているのか」
エンペラーが特異点となったこの宇宙では過去が変わっても時間の流れは分岐せず、未来に影響を及ぼす。時間と空間の仕組みは解明されており非常にデリケート、少しでもその知識があれば干渉しようとはしないがアンドロメダ流国は危険を冒してでもエンペラーが生まれる可能性を潰しに過去へと遡った。百鬼帝国も蟲たちも流国が送り込んだ先兵。
武蔵はエンペラー誕生前の過去の者たちが起こした行動は宇宙に影響しないからと拓馬達に戦いを強制する。武蔵は死んでも代わりがすぐに起動する。エンペラーの記憶に基づいた人造人間というのが厄介…。
過去から来た地球人(百鬼帝国)を倒しても問題無いのは過去から来た拓馬達だけ。母の仇を取ろうとする拓馬にカムイは反発する。

「何故地球人類が存在するか、宇宙はゲッターに何を求めているのか」
武蔵は人類とゲッターは宇宙の意志により宇宙を支配するのを望まれていると言うけど本当かなあ…。
エンペラーの記憶にあるのは真ゲッターが火星に飛ぶまでで、その後の空白の期間の変化はエンペラーが作り上げた未来に影響する、だからこそ流国が攻めてきてもいるけど拓馬達の行動で事態が良い方向に変化する可能性もあるということで良いんだろうか。真ゲッターが火星に飛んだ時までと、エンペラー誕生以降は歴史が確定してるということかな?
號とタラクの行動からすると、拓馬にしか出来ないことがあるのかなと。號自身はゲッターを希望と考えているけど未来を変えられない、未来を変えられる世代の拓馬には自分で見極めて未来を変えて欲しいと思っているのかも?
ゲッターの意志で生前の姿を取り戻した点では號と武蔵は似たもののように見えるが、実際は全く違う。
エンペラーの記憶と人間の遺伝子から生まれた人造人間が生前の武蔵そのままの意志を持っているようには見えない。武蔵は宇宙を支配するために何をしても仕方ない、爬虫人類にも見下す発言を繰り返す。3号機に愛着を示し、ヘルメットを喜んで被る姿がかえっておぞましく見えてくる。

善悪のひっくり返し方とか流国と人類のどちらが発端なのかとか…原作が凄いからなんだけど、シリーズ構成の本領発揮でもある。(2021.9.11){/netabare}


第11話「宿願」
{netabare}「ハジをかくなよ」という言葉が久々に出て来たのが良かった!

未来のゲッター軍団に案内されてマクドナルドを倒しに向かうアークチーム。シールドを解除するために別行動したカムイにマクドナルドが取引を持ち掛ける。スターボーダーを使い過去へ未完の兵器バグを送り、それを過去に戻って完成させゲッターを倒せと言う。ゲッターを滅ぼせればマクドナルドはそれでいい。ゲッターと人類の未来を嫌って迷うカムイ。シールドを解除するが行方不明になってしまう。
アトランティスの遺産・魔獣ウザーラでアークを翻弄するマクドナルド。ザウルスチームはカムイを探しに自爆しようとする母艦の中へ。拓馬と獏はアークの力でウザーラを倒す。竜馬が倒せなかったウザーラを倒す展開は父親超えでもある。
コーメイは時空転送でアークを消す賭けに出るが、逃げ切れないと悟った拓馬たちはスターボーダーに飛び込む。武蔵はエンペラーと拓馬を結ぶ縁に賭けてエンペラーに探させる。
過去の地球ではストーカが全て消滅し、早乙女研究所では隼人が研究所の封鎖を決定する。

マクドナルドはゲッター線に一矢報いればそれでいいという感じ。拓馬の母を殺したことをどうとも思ってはいない様子で、これは拓馬としては虚しいだろうな…。コーメイも自爆に近いやり方の賭けに出た。メルドゥサのいる本星は別にあると設定されてるけど、今後出てくるかどうかは微妙かも?

宿願について。
「自分を信じろ!自分に流れている血のさだめを!」という台詞、ゲッターの作る大きな流れの中といえども自身に強い意志があることを強調する。どこかで見たファンの考察だけど、
「ゲッターは人間の意志が弱ければ取り込んでしまうからアークの未来に至る。でも人間が強い意志を持っていればそれに沿ってくれるから別の未来に行きつく」
とあってなるほどなと思った。
今回のタイトルが「宿願」なんだけど、獏の願いは明言されていない。ただ偉大な兄に追いつきたいという印象はこれまでに何度か感じた。第2話で「兄ほどの力はないが、ここで出来ることがあると言われ、それが運命だとまで言われればそう思わないこともない。ここに導かれたという感覚は確かにある」と言っていて、自分の直観を信じてみようと思った瞬間だったんだと思う。今回追い詰められた時に弱気になっても、拓馬に自分を信じろと言われたことで全力を振り絞れたんだなと。

チームの関係性について。
拓馬は普段なら周りの人の気持ちを自然に考えて行動できるのに、カムイの問い掛けを振り切って暴走しかけたのは未来のゲッターの姿にショックを受けていたから。獏は二人の間に立ちバランスを取る、一歩引いた立場にあるので、復讐を叶えなければ拓馬はけじめをつけられないと感じているからか獏が拓馬を止めることは出来ない。二人は自身の在り方に対する迷い、過去の人間であるが故に無関係ではいられないことへの葛藤を抱える。
カムイは人間社会ではハーフだから、恐竜帝国では王族だから、常に狭間に居る。どっちつかずの立場で耐え続けてきたから、ショッキングな事実を知っても思考停止せずに考え続ける。それがマクドナルドにつけ入れられる隙にもなるのだけれども。
拓馬の情の深さとカムイの思慮深さ、獏の一歩引いた優しさ。それが3人の強さだが今回は別行動していたことで弱みになった。
そして弱みを補い合って強さに変えるのがゲッターチーム。

狭間に在ることの葛藤と矛盾について。
カムイが欠けた事によりゲッター線に呑まれかけたけれど、二人はカムイを心配し待っていたから呑み込まれずに済んだのだと思う。今後アークチームは3人に戻れるのか。ゲッター線が他の種族を受け入れてくれるかどうかは、より良き未来への分水嶺になりそう。狭間に在るが故に生まれる「葛藤」をいかに良い方へ向けていけるかがポイントなんじゃないかな。
隼人の宿願は、若い頃は戦士として「共に旅立つこと」だったのだろうけど、今は司令官として親世代として「愛する者を守り救うこと」に変わっている。戦士か司令官か研究者かあるいは人か、常にその狭間にあり葛藤を抱えている。第5話で研究所で一人早乙女博士の姿を見る隼人は今は亡き師に心の中で問いかけていたのか、ゲッター線による幻影だったのか。アークチームを心配する姿は父親のようだった。
愛する者を守るために愛する者を戦いに駆り立てる「矛盾」はどうしようもない世界だけど、隼人は自分の心にけじめをつけられるか。

第11話終了時点で原作は残り僅かとなっているようですね。
進化の果ては宇宙を支配すること、個などどうでもいい、支配しなければ宇宙に存在するゲッターの意味はない、本能に従え、これしか道はない…なんて言われて納得できるはずもない。3人と隼人が自分たちの答えを出してくれたら良いなと思います。(2021.9.18){/netabare}


第12話「折り重なる刻」
{netabare}アバンではバグを完成させたカムイが拓馬の駆るアークと対峙する。
未来の宇宙から未完成バグと同じルート(スターボーダー)から現代へ帰還したカムイは、恐竜帝国を乗っ取り人類殲滅のために地上侵攻を開始、ハン博士に協力させバグを完成させる。バグには宇宙を作り替える力すらある。
拓馬と獏はエンペラーに救われ、エンペラーの本質を感じ取る。現代の地球の戦いを見届け人を守るために拓馬はアークと共にエンペラーの力により帰還する。獏は拓馬の助けになれる予感がするとエンペラーの中に残る。
早乙女研究所は封鎖され全人員は異動するが、残った隼人と敷島博士は研究所を襲うカムイを迎撃する。

アバンからビックリした…。原作のネタバレはほとんど踏んでしまってるのであれがどのシーンかわかっているんだけれど、まさかまさか最終話一話手前でこんな構成でくるなんて(汗)。そして「折り重なる刻」のタイトル通り、時系列を様々に入れ替えてシーンを重ねていく。ラストの引きはとても静かで渋い…。今回と最終回は1時間構成を分割したような感じなのかも。

ゲッターエンペラー内部での問答がすごく良かった。抗っても無駄、理解しようとしても無意味な進化という大きな流れに対して、では個人の意思が無意味であるかというとそんなことはないと描いた。竜馬とタイールの姿で現れたゲッターの意思は、取り込んだ者たちの意識の集合体であり善でも悪でもない。
拓馬と獏のやりとりは気心知れた友人といった感じがとても良い。もっとエンペラーを知ることで別の道を模索すると言う獏の選択は彼自身の使命であり、自己犠牲などではないと拓馬もよくわかっている。決断する拓馬の背後に姿を現すアークも相棒らしくて頼もしい。タイールの「答えはそれぞれの想いの中にこそある」という言葉が良いなあ。

拓馬・獏とカムイとの得た情報の質と、自身の立場の違いによる決別。
敷島博士の言葉から見てもカムイは覚悟を決めてしまった。隼人との直接対決となれば父親越えと言えるかも。迎え撃つ隼人が楽しそうなのがなんとも…(汗)

曼荼羅について。
いきなりゲッター曼荼羅が出てなんだか感動してしまった(笑)。仏教要素を丹念に織り込んでいるのがとても好き(曼荼羅は法則が厳密に決まっているわけではないようですが、大日如来(=アーク)の扱いは大きいとのこと)。
それにしても何故曼荼羅が丸ではなく六角形なんだろう?初代ゲッターの顔の意匠から亀の甲羅、相反する二つの力の統合、調和と安定、並べて繋いでも全方向干渉し合わない図形、日本において魔除けの文様とされる籠目…とか色々あるかな?
この図からするとアーク、エンペラー、タラクはこの世界では特に大切な存在なのでしょう。他のゲッターは漫画版とは違うデザインや色になってるのもあるみたいですね。漫画版とは違う世界だと思わせたいのかと思ったんですが、アニメアークにも設定画があるゲッタードラゴンも少し違うので何が何だかよくわからない…。左上のゲッターに至っては濃いファンでも何なのかわからないらしい。あと一話なのにこんな爆弾投げ込んでこないでよ(苦笑)
・追記
曼荼羅のいくつかのゲッターがOVA版だったのは単純なミスだったようで、公式ツイッターで訂正版が公開されました。でもそれをOVA版とサーガ版と考えて二次創作でもし始めそうなのがゲッターファンの逞しさですね(笑)。
(2021.9.23){/netabare}


最終話「果てしなき戦い」
{netabare}ゲッタードラゴンを隼人に封印させるために早乙女研究所を襲うカムイ。隼人はゲッター線の強い地下で待ち伏せザウルスチームを下しカムイと対峙する。カムイは隼人を撃ち、完成したバグで地上を作り替える。地球に帰還した拓馬とアークはバグに挑むが全く歯が立たずボロボロにされる。隼人はゲッタードラゴンを開放し、二人の前に現れる。これが原作の最終シーン。EDを挟んで火星。地球は赤黒くボロボロで、火星では恐竜帝国のマシンランドが環境を整えている様子。恐竜帝国の監獄に投獄されているカムイを、拓馬と獏が迎えに来る。人類と他の生命が共に生きられる未来を掴むためにアークに乗り巨大なゲッターに挑む。

ここから想像。
バグはゲッタードラゴンに勝てずカムイは罪人として投獄されている。見張りが恐竜帝国の兵士だったから、カムイは独りで全ての責任を取らされることになったのかも。地球はバグで致命的な打撃を受けてしまい火星に移住することになった。帝国の存続のためにはゴール3世はカムイを切り捨て人類との協調路線を取らざるを得ず、人類側もマシーンランドのテラフォーミング技術を借りなければ絶滅するような状況か。
でも何千年先の未来を変えるために、エンペラーに進化する前のゲッター(曼荼羅左上のゲッター)に拓馬達はアークと共に挑み続ける。最後の巨大ゲッターの胸には初代ゲッターロボ3機の意匠があるので、初代ゲッターチームは全員その中にいるのかな?掛け声が竜馬なのでエンペラーの前身ということで良い気がする。
ここまで想像。

「過去も未来もクソくらえだ!」って台詞がすごく前向きに使われているのが素晴らしい。アークはずっとその姿のまま、勝手に進化もしないし3人の意図しないこともしない。ずっと3人に寄り添ってくれるのが嬉しいし愛着が湧いた。主人公の正義に沿う、まさに主人公機。カムイもキリクに愛着を見せていたのが良かった。キリクの活躍が少なめでちょっと悲しかったんだけど、はっきり愛着を見せたのはカムイで、一番付き合い長いんだよなと。
5話で「ゲッターは本当に希望なのか」と疑問視する拓馬をアークは見下ろしていたのを今更思い出すんだけど、あれは今考えると3人を見守っていたようにも思う。

カムイと隼人の対峙。ここにきて饒舌な隼人。最初こそ拓馬に対しての感情が目立ったけど、今回カムイの想いに言葉でしっかりと語ってくれるのがとても良い。良くも悪くもすごく冷静に育ててきたんだろうなと。隼人はカムイと殺し合うことはせずに、カムイに新たな可能性を探れと言う。父親越えの物語でもあり継承の物語でもある。
カムイは情を捨てるために隼人と対峙するが隼人は自分を殺そうとしなかったから撃ちたくないと本音を叫び、同じ理由から母を殺そうとするが母に命懸けで守られてこの時も吹っ切れない。だからこそラストで拓馬と獏はカムイを迎えに来たのだと思うし、カムイはそれを受け入れる資格がある。
地球をああしてしまった責任は大きすぎて取れないけど、愛する者のために戦ったことへのけじめはまだ付けられる。カムイが愛する者達の中には爬虫人類も人間も含まれているからだ。
獏が具体的に何をしたかは不明だけど、より深くエンペラーを知ることで何か良いアイデアを得て帰って来たんじゃないかなと。それはラストシーン以降に活かされるであろう希望。アークチームは全員それぞれに頭が良いし優しい。最後まで全員大好きでした。

漫画版はアーク以外は全て読みました。ネオゲとも新ゲとも違うゲッター線への解釈を、漫画版の中の描写から新しく引き出したのがお見事でした。
原作にもファンにも誠実に生真面目に、隼人の人生の終わりと次世代への継承の物語をしっかり描き切りましたね。石川先生が描けなかったキャラクターの感情への決着を全て付けて、けれども本筋を歪めずに希望のあるラストにしてくれました。
EDの後に「故石川賢先生に捧ぐ」とありますが、それはラストの拓馬たちの旅立ちのシーンなんだと思います。
(2021.9.30){/netabare}
{/netabare}

原作者が亡くなった哲学的な側面の強い未完の大作、かつ盟友であり共同制作者である永井豪先生も「ゲッターは石川賢のもの」と漫画版にはノータッチ、漫画版がほとんど絶版、最後のOVAも17年前という環境で、よくアニメ化してくれたなと思います。
誰も開けられなかったパンドラの箱を大胆に開き、その底にある希望を最高の形で見せてくれました。個人的には完璧なラストでした。
3か月間本当に楽しかった…!そしてロスではなくゲッター関連作を漁りたい気分になりますね(笑)。(2021.9.30)

【記録】
2021.10.3 ニコニコ一挙放送放送にてスタッフコメント公開
コメントの文字起こし行いました。
{netabare}
【第1話】
(井上俊次)
ゲッターロボシリーズは私のアニメ音楽制作のルーツです。
今回、音楽制作依頼のお話をいただきアニメ製作スタッフのリクエストを全て受け入れ
全力で音楽制作を行おうと決心してこのプロジェクトに参加させていただきました。
この曲(※OP曲)は何度もリテイクを出して箇所箇所変更をリクエストしてでき上った曲です
ゲッターアークの力強さ、ストーリーの深み、そして哀愁、ロボット作品主題歌の
王道を表現できたメロディーだと思っております
音楽の共通性を出すため劇伴で参加している栗山さんと寺田さんに編曲をお願いしました
壮大でドラマチックなアレンジになっていると思います
9月27日、JAM Projectコンサートツアー最終日の1曲目で披露しました

(南喜長)
拓馬の行動原理と獏との関係についてアニメではより突っ込んだ演出をしています
原作の夢の島の前位に早乙女研究所に訪れ門前払いを食らいます
獏の『良い考えがある』は原作冒頭のD2奪取に繋げてます

(井上俊次)
劇伴は栗山義親さん、寺田志保さん、鈴木歌穂さん、横関敦さんにお願いしました
制作楽曲数、なんと115曲!!
皆さんの才能と得意な音楽性を分担して、各々の音楽性を発揮していただき
映像とリンクした素晴らしい音楽が出来たと思っております
僕の音楽歴43年のなかで1クール曲数が100曲越えは初めてです!!
このくらい、シーンごとに音楽を創ることで、最高の作品が出来るんだと感じました

(南喜長)
アークのCGモデル作成で一番大変だったのが口が開く所でした
何度もトライ&エラーを繰り返し結果いくつかのモデルを用意することになりました
監督のこだわりで原作と異なりアニメではカムイは最後のカットでようやく顔が見えます

(井上俊次)
「DRAGON2021」はオリジナルのアレンジャーでもある須藤さんにお願いしました
初期JAM Projectの楽曲、奥井さん、きただにさん、福山さんが加わりました
Blu-ray特典のサントラCDでフルバージョンが聴けます!

【2話】
(南喜長)
アークの原作だけでは世界観が説明不足なので、他原作よりコラージュして補完しました
伊賀利隊長は脚本の早川さん発案のアニメオリジナル設定です
真ゲッターロボ原作『進化の果て』をこっそり生き抜いた男です(笑)

早乙女研究所は当初背景のみでしたが、CGチームが変形するモデルを作ってくれました
おかげで今後のシーンに役立つことに…

【3話】
(南喜長)
拓馬と獏の出会い(少年時代の回想)は原作を補填する形でアニオリを追加しました

隼人に竜馬のヘルメットを渡されるシーンもアニオリ設定です
新時代へのバトンを渡す表現として設定しています

クジャクのシーンは3話の見所の一つです。研究所をCG化出来た賜物です

【4話】
(南喜長)
脚本の中でも1・2を争う大変で複雑な構成となった4話(5話も)

過去を回想ではなく、ドラゴンが地下に眠る所を拓馬達に追体験させるべく→
いくつかの原作をコラージュして書き上げたシナリオの力作です

拓馬と獏の少年時代を描いたので、もう一人の主人公カムイの少年時代も描いています
後のゲッターザウルスパイロット達との関係もこちらで

真ゲッターのCGも要注目。旧ゲッター1同様の寸胴で、どの顔にするか模索しました



【5話】
(南喜長)
原作ゲッター號から続投、軍医長 田中伍長。今は研究所の医師長として勤務しています

アークのコックピット、実は3Dで作成しました。2Dキャラとの合成が大変でしたが…

クジャクの攻撃を受けたアーク。実はこの後改良して、6話から少し見た目も変わります

(井上俊次)
「DORAGON2021」と同じく「STORM2021」も須藤さんにお願いしています
こちらも現在のJAMバンドでの生演奏です
印象的なフレーズはそのまま、多少アレンジングを加え2021年バージョンとしました

(運営スタッフ)
ゲッター! ※EDでユーザーコメに付き合ってくれた

(井上俊次)
こちらも是非、フルバージョンを聞いていただければと思います

【6話】
(南喜長)
橘翔もゲッター號からゲスト出演。現在は国連軍でキャリア官僚となっています
少年のカムイを隼人とともに迎えに行ったのも翔です

シュワルツコフもかつてステルバーのパイロットでした
シベリア戦線を生き抜き、現在は連合軍艦隊の提督で、テキサスⅡの艦長でもあります

蒼黒の真ゲッター登場。アーク不在の今、D2だけではドラゴンを守り切れないのでは→
その答えとして、タラクが登場。今後の伏線も兼ねているのです

【7話】
(南喜長)
この辺りの話からゲスト声優さん達もさらに豪華さを増していきます(汗)

このアバン、ほぼ漫画版のゲッター號のクライマックスのアニメ化になっています
アバンはもう少し点描の想定でしたが絵コンテが良かったためコンテのまま進行しました

(運営スタッフ)
みんな盛り上がってるぅーーー? ※OPサビあたり

(南喜長)
母親はキャラデザの本橋氏の提案で少し美しくしたいと要望があり別の石川作品が基に

【8話】
(南喜長)
ゲッターロボ號より唯一のCGモデルが存在しているのはゲッター2号機(翔)!

ちなみに今回の一文字號はゲッター(ドラゴン)の意思と記憶で作られたという設定

将軍『バジリスク』とバットの孫『カンパニア』は早川氏が設定し星先生がデザインです
気づいた方もいると思いますがカムイ母は真説魔獣戦線の慎一の母をもとにしてます
コーメイのキャラデザインは雰囲気が良いので原作後半のデザインを中心に作成しました

(運営スタッフ)
音すみません…! ※BDの宣伝のみ音量が大きかった


【2度目の休憩中】
なんと「ゲッター泉」発売決定!明日の発表をお待ちください!
合言葉は「ゲッター泉に浸かろう」です!


(運営スタッフ)
お疲れ様本が予約受付中です♪
お疲れ様本とは、制作スタッフやキャストの皆様から→
イラストやコメントをいただいて掲載しています♪
ゲッターアーク胸像フィギュアが付属するBlu-rayもございます
A-onstoreではまだご予約いただけますので是非!
売り切れ次第終了となります

【9話】
(南喜長)
7対3で原作・アニオリのバランスを意識し中盤の盛上の構成をしておりました

(真早乙女研究所スタッフ)
ミミズが集積したコーメイは気持ち悪くしすぎて何度もリテイクになりました…泣

可愛くて残忍な丸い蟲は、現場では「球(たま)インセクター」と呼ばれてます


(南喜長)
アークの時代ではドラゴンが半覚醒のため時間の制限があり號は未来を託して消えて行く
ゲッターは希望と言う號。ゲッターを信じて出撃した最後の記憶があるからこそ…

ムサシはアニメ化取り扱い注意キャラ。間違えば全てギャグに見えてしまうのです


(井上俊次)
HEATSはランティス設立以前の会社で仕事をしてた会社でリリースした曲でした
歌はJAM Project結成前なので影山ヒロノブ個人としての作品です
OVA真ゲッターロボが世界的に人気があり、この曲も世界中で大人気の曲です
オリジナルの編曲家の須藤さんにリクエストしたのは印象的なフレーズが多い曲なので
大きな変更は加えずにオリジナルのアレンジを基本に
オリジナルのマシンを中心とした演奏ではなく
現在のJAM Projectのコンサートバンドでの生演奏での収録をお願いしました
生のストリングスも加え、あの頃表現できなかったことも表現できました
オリジナルの30歳代の影山さんと60代の影山さんの歌声、聞き比べてください
全く衰えなくパワフルでハートフルな歌で感動しました!




【10話】
川越監督・南P・なかの音響監督&真早乙女研究所スタッフの生コメ開始です!(真スタッフ)
皆様のコメントも読んでおります!どしどしコメントください!(真スタッフ)

でました!(川越) ※でたな川越監督!のコメを受けて
OPコンテは2週間くらいかかりました(川越)
コンテに2週間かけたけど制作も2週間でやりました(南)
ヒトマル式戦車、せっかくなので砂漠迷彩にしてみました(川越)
ゲッター戦車ムサシ色(南)
なぜ変形しないか?したかったよ!(川越)
アークチームは、最終的にマッチング・オーディションを行いました(なかの)
3号機に思い入れがあるPがいた(南)
僕じゃありません(南)
SEは昭和チックにしてます(なかの)
コーメイ&マクドナルドは3人でも簡単に倒せそうにないベテランに(なかの)
武蔵のヘルメットネタ、ここで思いついたので9話に遡ってカット足しました(川越)


こいつ(※おそらく巨大戦艦のこと?)もムサシ色になっています(川越)
ムサシのバイス達の扱いは過去の因縁によるもの?(原作サーガ第9章)(南)
セリフ3分の2くらいムサシの回(なかの)
初の映像化の合体するエンペラー CG班が頑張ってくれました(南)
アークのCGは3ヶ月で作りました(川越)
ステルバーは2週間です(南)
タラクは真ゲッターの改造ですから10日くらいですかね(南)
ただし、その前に真ゲッターで2ヶ月くらいかけてます ※名前がないけど話の流れから南さん?
ゲーム作りました! ※名前がない
マクドナルだと叫びづらいので「ド」をつけました(南)
EDの演出は監督の案です(真スタッフ)

【11話】
EMOTIONロゴ毎回入るの恐縮です(真スタッフ)
タイトルロゴのSEは打合わせの際に入れよう決まりました(なかの)
打合わせは大事です(真スタッフ)
BGMは全部で110作りました(なかの)
通常の1クールの作品の2倍以上になります(なかの)
劇伴はサントラCD3枚にわかれてBlu-rayにつきます(真スタッフ)
ちなみにサントラCDにED曲入ります!(真スタッフ)
VHSはないんです…(真スタッフ)※VHSはありますか?というコメに対して
110曲全部使用しています。使わないと怒られるので・・・(なかの)
皆さんLD出したら買うんですか?(真スタッフ)
↓買うでしょはさすがに嘘つきすぎます(真スタッフ)
真はLDでしたからねぇ(川越)
原作では60度ですが、人間にも耐えられるので120度に上げました(川越)
観入ってますね(3人)
カムイが一人宇宙に投げ出される、原作とはあえて変更しました(南)
最初は百鬼獣羅王鬼だったのですが、南Pの要望でウザーラになりました。(川越)
アーク初のロボット同士のバトル 盛り上げる演出です(南)
ウザーラBGM、ムサシゲームで先に出ちゃうのダメかなと思って→
おそるおそる聞いたら二つ返事で許可出たんですよ(真スタッフ)
アークシャインボンバーの技名はアフレコ現場で決めました(真スタッフ)
会議室ではなく現場で決めました(真スタッフ)※踊る大捜査線ネタ?
アークシャインボンバーはシナリオにはなく、コンテ時に追加しました(川越)
所員や隊員は、1・2やA・Bで無く、演者の名前にして頂きました(なかの)
キャストはサーガ過去作出演者や川越監督作品に縁のある方々に(なかの)
新人・中堅~ベテランまでバランスの良いキャスティングを心掛けました(なかの)


【12話】

まだ出ませんよ(真スタッフ) ※アバンがラストシーン一歩手前までだから
セクシーな感じにしたかったんです(川越)
ピンクのところです(川越)
曼荼羅の左上のゲッターは、「ゲッター天(ワン)」です(真スタッフ)
「真」と書いて”チェンジ!!”と読ませる感じです(川越)
背景はCGです(川越)
ここのシーンは曼荼羅の雰囲気を受けたBGMにしています(なかの)
シナリオにゲッタークリスタルと書かれててどうしたらいいか悩みました(川越)
若本さん楽しんで演じていらっしゃいました(なかの)
この回はカムイがたくさん喋ります(なかの)
夢の島の住人再登場。生きてたのね…。石川原作らしい逞しいキャラですね(南)
お約束のス●パー!ビル被弾、崩壊(川越)
スカ●ー社員死亡(その社員本人がアフレコ)(川越)
地竜一族が早乙女研究所に侵入するのはこれで2度目です(南)
前の台詞を受け、敷島博士がスイッチを押す台詞は私が指示しました(なかの)
敷島博士はたぶん??死んでません(川越)
DDでアークシャインボンバーうてます(真スタッフ)
音ごめんなさい(真スタッフ) ※BDの宣伝
ドワォンゴ思いついた人すごいですね(真スタッフ)
悔しい(真スタッフ)

【最終回】
本日最後のEMOTIONロゴです(真スタッフ)
12話ラストは通常ですが同じカットで13話の隼人はぐるぐる目にしています(南)
肉弾戦はコンテ描いていて楽しいです(川越)
巴投げではなく捨て身投げだったのですが、上手く描けませんでした(川越)
興奮すると古傷が浮かぶのはゲッター號の原作から拾いました(南)
最終回収録3日前に向野君が急性盲腸炎で入院。別日収録です(なかの)
撃たれぎわの隼人の台詞、早乙女博士の台詞が元ネタです
桜坂所員は生きてました(なかの)
配置転換されてますね(なかの)
伊賀利も生きてますよ(なかの)
キャストは、隼人と竜馬が一番最初に決まりました(なかの)
実はカムイ役の向野君は、ダビングに毎回参加していました(なかの)
最も難産であったラスト、原作ままで終わるか?それとも先を?時間がもう無い(南)

せーのっ!(全員)
ゲッタードラゴン!(全員総立ち)
最終話のエンディング曲「戦友よ」(井上)
最終話だけの使用でオリジナル曲を作りたいと私からリクエストしました(井上)
力強さと切なさが表現できたパワーバラードになったと思います(井上)
こちらのEDは制作時間は3時間です(川越)
当日に発注されました(川越)
当日納品ね(川越)
カムイを叛意させる拓馬のセリフ、コンテ描いててやっと思いつきました(川越)
制作もかなり切迫。スタッフみんなの頑張りでギリギリで完成!感謝!!(南)
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ゲッターの知識があればよかったが…

 
(全話視聴後)
 
ツライ。
何がツライってゲッターロボの知識が一切無いと…。全く知らないキャラや設定や話の流れを過去作から引っ張り出して物語が展開するのがツライ。少々の脳内補完ではついて行けない。
話数が進むにつれソレが顕著になるので、そこで過去作を漁るほどバイタリティあふれる人や、あまり気にせず観続けられる人じゃないと薦める気にならない。

全体的に暑苦しい作品だが決して嫌いじゃなかったので、理解できてればなぁ…と残念に思う。

__________

(3話視聴後)

ゲッターロボは名前くらいしか知らない。でもこうして新作を作ってくれたのなら…と思い視聴。
作中の「ゲッター線」という設定は半世紀ほど前のものだろうけど、こういうのは好き。3話時点でよくわからないが、いろいろ面白い設定があるのかな?

キャラデザで少々ハードルありそうだが、単に悪者を倒してハッピーエンドな作品じゃない気がするので、ちょっと期待して観ていきたい。意外に時間が早く過ぎるので結構楽しくなってるかも。
評価は後日。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2
ネタバレ

やまだ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やはりゲッター線。ゲッター線は全てを解決する。

まさかまさかゲッターロボをカッコいいと思う日が来ようとは。
ゲッター線って結局何?ってのが気になって眠れない方はNG。

01
{netabare}抜群のこういうのでいいんだよ感。
古い・ダサい・暑苦しい→うん。ゲッターだし。

昔のゲッターを見返すのは苦痛だがこれは観たいと思えた。
もちろん初代は生まれる前だし昔のアニメも漫画も覚えてない。
初見でも一応楽しめるとは思うような気がしないでもないようなあるような。

題材ゆえにベテランスタッフなのか凄まじいレベルの抜群の安定感。逆に普通すぎて退屈に見えてもそれはそれでしゃーない。技術ってのは素人に凄いって思われたら二流。芝居もちゃんと古くていいのだが3人目がやたら浮いてるのはわざとなのか。音響は音質自体はいいが音域なんかは今風にしても良かったような。OPEDも秒でわかるヒロノブ様が盛り上げる。音質はランティスなのでお察しだが、この手に繊細さは求められないので逆に音圧重視がマッチしてると言える。おにぎりの値段で世界情勢を理解させるところも好み。

作画も止め絵を使ったメリハリが効いている。ロボが主役なのでどうでもいいシーンにリソースを割くのはもはや悪。ややセリフが長いと感じる箇所もあえてなのかもしれない。モブはいかにも手抜き臭がするが、メインキャラはキャラデザの割に意外と所作が細かい。

ロボアニメの初回テンプレ「ロボを見つけて乗り込んで戦って勝つ」をしっかりと踏襲した気を衒わない丁寧な導入はなかなかに好感触。きちんと今の視聴者を考慮した構成だと思います。

なんでセキュリティ破れたの?
なんで乗っても大丈夫なの?
なんで初見で勝てるの?

→〇〇の息子だから。

この言い訳のサラッとした納得感が素晴らしい。
強烈な味付けの目眩しで細部に気を配らせないつくりが上手い。

細かい設定は本題ではないのでどうでもいいが、言い訳だけはして欲しい。最初に世界観設定をしっかり提示できてさえいれば、あとは全て「ゲッター線!」で済んじゃう。最近の作品はそこをおざなりにしてサボるからケチがつく。最初の大ウソって大事。そしてそれを視聴者に飲ませる事の難しさよ。

CGロボも今の世代のロボアニメみたいにグルグル動かしてナンボみたく忙しなく目まぐるしくガチャガチャ動かすのではなく、ゲッターの巨大さ重厚さの表現を重視。よくわからんけどなんかすごいロボってことになってるんだろうな感はきちんと出来てる。悪く言えばのんびりもっさりなのでこれは好みか。もっさりロボがイケるお方はブブキブランキを勧める。保証はしないが。

ガンダムは工業品兵器としての面白さだが、主役が負けたとしても戦局が不利になる程度で即敗戦とはならない。こっちはスーパーロボット。ワンオフの超兵器と言えどゲッターが負けたら一巻の終わりという常に背水戦。ロボアニメといえど構造は全く別物なのでスーパーロボットとリアルロボットを比べてもしゃーない。

コレに新しさなんていらない。ゲッターロボらしさをしっかり堪能させて欲しい。


ダサいので無理です!観ません!ってのも正しいと思う。
アニメなんて無理してみるもんじゃない。68{/netabare}

05
ゲッターロボの旧作アニメは見てないけど、昔のロボアニメを見ているような感覚。懐かしい感じに安心する。語られてないことも多いが主人公たちも知らないので同じ視点で見せてくれる。弁慶って誰?って言っても主人公も知らないので問題なし。研究所が襲われる理由も明確。相変わらずゲッター線に関する説明は一切なし。どうせ現実っぽいリアリティ溢れる説明を入れたところで納得なんか誰もできる訳ない。「ゲッター線が!」って出てきたら「うん、そうだな。ゲッター線だもんな。それなら仕方ない。だってゲッター線だし。」でいい。これこそがリアリティライン。そこは考えなくていいんだYO!って提示すること。今のツッコミどころ満載の素人原作アニメなんかよりも格段に見やすい。今回のゲッターもカッコいい。

でも若い子には無理なんだろなとは思う。無理しなくていいよ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

60.2 5 世紀末でロボットなアニメランキング5位
GENE shaft[ジーンシャフト](TVアニメ動画)

2001年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (32)
123人が棚に入れました
21世紀後半…。無秩序に欲望を追いつづけ、その抑制ができなくなった地球人類は、いたずらに資源を浪費し、環境を破壊し、さらには根拠のない主義・主張に踊らされ、闘い、殺し合って、ついに滅亡寸前まで追い込まれた。
滅びを回避するために彼らがとった選択は、自ら強制的に進化する方法…あらかじめプログラムされたDNAから生命を産み出し、性格及び適正能力さえもコントロールする…すなわち遺伝子操作である。
この選択はさらに加速度を増し、I.E.O(地球統合政府)のもと、人為的に人口のバランスは理想的な男女比1:9に保たれ、人々が恋愛感情や支配欲を無くすことによって社会は安定していった。
こうして23世紀、完全なる遺伝子操作社会は完成した。
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

遺伝子の軸(ジーンシャフト)

(2012.11/10)
23世紀を舞台にしたSF作品、全13話。 時は23世紀、過去の過ちによって人類は存亡の危機を向かえた。

その23世紀は遺伝子操作社会で、男女比1:9という男性の私からしてみれば、おいおいマジかよ(-.-)!という社会であり、感情や欲など種の保存には不要なものは遺伝子操作によって排除された時代。

人格を決定づけるのは環境でもあり、性格でもある(環境≠性格)訳だがこの作品では環境(遺伝子操作社会)=性格(遺伝子操作によって造られたもの)となっており「人」個人としての意義がなくなった社会となっている。

本当にそれでいいのだろうか?

確かに遺伝子操作による社会の形成は科学が発達した時代には適しているのだろうが、今現在21世紀は、遺伝子操作によって生み出されているのはペットなどのごく限られた生物に過ぎない。(猫アレルギーを起こさないように組み換えされた猫など)


{netabare}この作品では、遺伝子操作によって感情までもが押さえつけられているレジスタ(感情を制御した人々)が登場しますが、彼女らも、マリオの言葉を借りると、「人間、遺伝子以外にももっと大切な何かがあるんじゃないか。 例えば、愛とか。」によって感情を取戻していく様は感慨深いものがあります。{/netabare}
ジーンシャフトには「愛」が関係しているのだと思います。
それを実感すると同時に人にとって根源的に何が大切なのかを教えてくれました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12

じぇりー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

「バグの中のバグだった」←いやこの作品がね・・・

視聴している間はそこそこ面白いと感じていたものの、いざ★評価をしてみると、そうでもなかったということに後で気付いた稀有な作品。

では何が「そーでもなかった」のか考えてみた。

・メカニックの設定が複雑かつ精密なものの、SFマニアしか喜ばない程、ストーリー的には殆ど機能しておらず、蛇足でしかない

・↑の割に説明不足な設定が多く、終盤で明らかになることを期待していた事さえ不明のままで終わった点が多数。

・完全な遺伝子操作により優秀な人間のみが存在する未来の人類という設定上、命のやりとりがあっても割とドライに話が進んでいく。

・↑の割に、様々なキッカケで突発的に感情的・感傷的になるキャラ多数。

・OP/ED/BGM全てにおいて音楽が作品にしっくりきていない。

・エピソード間の連結が上手くいっていない。(ドラマチックに終わったエピソードの次の回でも、冒頭から、まるで前回のことが遠い過去、あるいは無かった事のように淡々と始まる。)

例えるならまるで「砂漠」のような作品で、基本クールに淡々とストーリーが進み、ヒロインを除いたキャラの感情は良くも悪くも安定している・・・が、いざバトルとなると熱くなるキャラ、分かり易過ぎるフラグを立てるキャラがいて、観ている方はこの温度差について行けない。

全体的にストーリーの描きこみが足りないように感じたので、尺が短すぎたのかもしれない。
・・・かといって、これ以上長くされても観るかといえば・・・う~ん。。。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

素振りをする素振り さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

挿入曲に驚きを隠せない

世紀末ブームに便乗して思いついて作ったような陳腐なストーリー。

↓大体こんな感じだったと思いますw

時は23世紀、21世紀人が地球を荒廃させてしまった為、人類を存続させるべくより高度な人間を生み出す為に、遺伝子操作によって能力が高い人間を創り出すような時代、リングと呼ばれる謎の物体から地球を守るべく立ち上がった若き青少年達が新型宇宙船に乗り込み立ち向かうと言ったようなお話。

なのに何故わざわざレビューを書いたかと申しますと、、、OP曲から激しいギター音が耳に付くと思うのですが、演奏しているのがなんと!あの高崎晃さんなんですよ!
・・・というこを言いたかっただけですww

高崎さんのおかげで、最後まで観ても得した気分を味わえますb
音楽好きの方であれば、1度見ておいても損はない作品だと思いますよ~。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0
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