中学生で感動なおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの中学生で感動な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月24日の時点で一番の中学生で感動なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.7 1 中学生で感動なアニメランキング1位
ヒナまつり(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1260)
5788人が棚に入れました
芦川組を支える若きインテリヤクザ、新田義史は大好きな壺に囲まれ、悠々自適な独身生活を送っていた。
ところがある日、謎の物体に入った少女ヒナがやってきたことで生活が一変。念動力が使えるヒナに脅され、同居を余儀なくされてしまったのだ!
暴走しがちなヒナは組関係でも学校でもやりたい放題。頭を抱える新田だが、気のいい性格が災いしていつも面倒を見る羽目に。一体、この生活はどうなってしまうのか?
お人好しなアウトローと気ままなサイキック少女の危険で賑やかな日常が始まる!

声優・キャラクター
田中貴子、中島ヨシキ、村川梨衣、本渡楓、日笠陽子、小澤亜李、小山剛志、河西健吾
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アンズは良い人に出会った

この物語は結構笑えます。そして感動する話もわりとあります。

主人公のヒナだけでなく、ヒナの友達のアンズや瞳も結構な個性をもっており、それぞれの心の成長が楽しめました。

その中でも、私が最も感動したのはアンズの成長です。

最初の頃は盗みを働き暴力的だったアンズが、浮浪者のやっさんと出会うことで、生きていくことの大変さや、お金を稼ぐことの大切さ、それに人の優しさを知り、人間として急成長を遂げました。

そしてアンズは、まるで天使のように誰からも愛される存在となりました。

事情があって浮浪者のやっさんと別れることになりましたが、
やっさんの心の中にはいつまでもアンズが生き続けており、
アンズの心の中にはいつまでもやっさんが生き続けています。
これは素敵なことだと思います。
私たちは、はたして何人の心の中に一生生き続ける存在としてあるのでしょうか… それを考えてみる良い機会かもしれません。

それからアンズは中華料理店の老夫婦に引き取られますが、
その人たちも、アンズのことを大切にしてくれます。
食事や住む場所を提供してくれるだけでなく、仕事の仕方を教えてくれます。


人間は、生きるためには仕事をしなければなりません。
逆に言えば、仕事をし、お金を稼がないと食事すらできません。

仕事の仕方を覚えるということは、一生失くすことの無い財産を得るようなものです。
だから、浮浪者のやっさんや中華料理店の老夫婦は、アンズに一生失くすことの無い財産を与えたのだと思います。

以下蛇足です。
{netabare}
昔、国連は発展途上国にお金や食料を主に援助していました。
でも、食糧は食べればなくなるし、お金は使えばなくなります。
発展途上国の人たちは、なかなか豊かにはなりませんでした。
その後、国連は、農作物の作り方、井戸の掘り方、プログラムの作り方など、教えることを主に援助するようになりました。
そうすると、その国は少しずつ成長を遂げていったようです。

新田はヒナに食べ物やお金をたくさん与えます。
それが良くないとは言いませんが、
私は、ヒナが新田から受け取ったものよりも、アンズがやっさんたちから受け取ったものの方が、たくさんの愛情を感じます。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 91
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

個性豊かな少女たちが、真っ直ぐに生き抜いていくハートフルコメディ

ヤクザの幹部である新田のマンションに突然超能力少女が現れるという物語。
あまりにも荒唐無稽で、思わず失笑してしまうストーリーだが、
1話を見た感じでは、そこそこ楽しく見られるかもと思った。

アニメーション製作:feel.、監督:及川啓、
シリーズ構成・脚本:大知慶一郎、
キャラクターデザイン・総作画監督:神本兼利、原作:大武政夫

どこかの世界で敵を殲滅させるための道具として使われていたというヒナ。たまたまヤクザの幹部である新田のマンションにカプセルのようなものに入れられて登場し、超能力によって騒動を巻き起こしていく。最初は超能力を使わないように指示を出して一緒に暮らしていくが、超能力を使わないままでいると能力が暴走して周りを破壊してしまうというあまりにも恐ろしい設定。

これは能力とか辻褄とかリアリティを少しでも気にしたら観られない話だが、ヤクザ新田とヒナの心の交流を核にした周りのドタバタを楽しむための作品だろう。無用なツッコミは無粋というものだ。

殺人兵器のヒナと新田が今後どのように周りと折り合いをつけるのか。また学校に行ったヒナ(しかし、これ戸籍とかどうしたんだろうとか。ヤクザだから戸籍なんてどうとでもなるのかとか、つい余計なことを考えてしまう)が友人を通して、どのように成長を遂げていくのかが見どころになっていくのだろう。

{netabare}あと、1話のオチの部分の「ター○ネーターかよ」のツッコミのセリフは必要なかったかな。音楽と絵を見たらほとんどの人は分かるだろうし、映画見てない人にはセリフを聞いても分からないだろうから、余計な部分だったと思う。 {/netabare}


2話~5話レビュー
{netabare}2話から3話までを視聴した後、見どころが分からず、正直、もう切ってしまおうかと思った。中学生がバーテンダーとして働いたり、ヒナを殺しにきた超能力少女がホームレスになったりと、何がやりたいのか、よく分からない。あまりにも設定に無理がありすぎて付いていけなかったからだ。しかも、アンズが帰れなくなったのに、追手が来る気配もない。もちろん、コメディなので、そんなところにこだわっても仕方ないのだが、そのコメディ部分にも惹かれるところがなかった。
また主人公がヤクザである必要も今のところあまり感じられず、ヒナに翻弄されるために出ているだけの扱いで、あまり本筋に絡んでこない。超能力を使わないと暴走するという設定も、1話以降、なかったことのようになっていて、一貫性も感じられなかった。

ところが、4話を見たときに、この作品の楽しみ方がようやく分かった気がした。
壺を割って新田から勘当されたヒナがアンズのところでも好き勝手にやって勘当されてしまう。そこで、ようやく人の気持ちを考えることに気づき、新田の大切なものを持って謝りにいくというストーリー。Bパートではホームレスだが素直で真面目なアンズと、人から頼まれると断れない瞳の面白おかしな交流が描かれる。
超能力やヤクザなどというのは、ほんの脇の設定にすぎず、個性の強い少女たちと社会の交流を楽しめば良いことが分かった。もしかしたら原作者もこの辺りまで、どういう方向で進めたら良いのか迷っていたのではないだろうか。
5話でもAパートは、お金が欲しいアンズのためにヒナとアンズが奔走する話(ヒナはほとんど何もしていないが…)。Bパートは瞳のバイトが同級生にバレてしまうドタバタが描かれる。
結局、価値観の違う宇宙人と商店街や中学生との交流に笑いを取るというストーリー。ヒナ、アンズ、瞳の少女3人のキャラバランスがとても良く、この3人が揃って出てくる話は、だいたい面白い気がする。特にアンズの改心ぶりが際立っていて楽しめる。また、作画は安定していて安心して見られる。もう少ししたら3人目の宇宙人がやってくるのか?今後に期待が持てそうな気がしてきた。 {/netabare}

6話レビュー
今回で一気に作品の評価が上がった印象。
{netabare}Aパートは新田の実家にヒナを紹介する話だが、新田の嘘と母と妹とのやりとりがかなり面白かった。新田の嘘に騙される家族と、その家族のアホなノリに笑えた。
「ヒナへの質問はオレを通してからにしてくれ」とか「兄ちゃんが来るっていうから、昼間から酒飲んでたんだよ」とか、大爆笑してしまった。確かに事情を説明するために帰ってきているのに、母娘がポンポンビールの詮を抜いているのがおかしいと思っていたのだ。
だいたい、エビチリを食っているときに家族が殺されるとか、どういう嘘なんだw
ダメだ、この作品は真面目にレビューを書くのが難しくなってきた。
Bパートはアンズの住んでいた公園の住人たちが退去処分となってしまい、ヤッさんをはじめとした仲間たちが皆バラバラになってしまう話。アンズの真っ直ぐな想いと、皆がアンズをとても大切に思っていた気持ちが伝わってくる良い話だった。アンズがとても健気な娘で、泣きそうになった。
ただ、これだけ他人の気持ちを考えられて環境に順応できる子供だけに、以前暮らしていた世界や教育のことが気になってしまう。生まれた星のことなどが明らかになることはあるのだろうか。 {/netabare}

7話~12話レビュー
{netabare} アンズが中華料理屋の夫婦に引き取られて、そこで店を手伝うという話(しかし、学校には通わないのが謎)や、ヒナが生徒会役員に立候補する話など、やはりヒナ、アンズ、瞳の女子中学生の3人を中心にしながら話が進んでいく。そこに新田や詩子、調査のために送り込まれた宇宙人の斑鳩ケイが絡んでいくという形だ。
最終回のAパートの後に3年の月日が流れ、新たに登場したマオとミュージシャンのアツシが一緒に日本に旅立つところで終わるので、2期があった場合は高校生編になるのだろうか。
全話を通してとても楽しめた作品だったので、機会があれば刊行されているコミックスも読んでみたい。 {/netabare}

全体のレビュー
超人的な能力を持った女子中学生たちが、大人に利用されたり翻弄されたりしながらも、力強く生きていくという話がメインとなっている。ヒナ、アンズ、瞳のキャラクターが個性豊かだ。

物語の始まりは、ヤクザの新田のところに、突然、超能力を持った宇宙人のヒナが落ちてくることだが、その後、新田は脇役のような位置づけになり、少女たちが中心になる。この作品を観始めたときは、新田の目線になって物語を追っていたが、それではこの作品は楽しむことができない気がする。超人的な能力の少女たちが、大人たちに翻弄されながらも様々な困難を華麗に?切り抜けていくところを見守っていくような感覚で楽しむのが良いのかも。基本的にはコメディ路線だが、時に泣かせるような話を差し込んでくるのがとても上手い。

超能力はあくまで要素のひとつでしかなく、少女たちが自分の個性を最大限に活かし、社会の荒波のなかで生き抜いていく様が、面白おかしく、時には泣かせるようなストーリーで表現されている。あまり似たような話は目にしたことがない。新しい方向性で物語を紡いでいる挑戦的な作風だ。
(2018年6月29日初投稿)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 90

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ほのぼのJC三人組が都会の裏社会で冒険 SF設定は微妙かな

2018年春季放送のテレビアニメ 全12話

原作 大武政夫 監督 及川啓 構成脚本 大知慶一郎 キャラデザ 神本兼利
制作 feel.

作者の大武さんは「力王」などの猿渡哲也のアシスタント出身でこれが初連載です。
新人とは思えない落ち着いた会話や、変わった設定ですが、長期連載だったためアニメ化で相当構成が変わったようです。

印象的な「あいったー」という痛がり方は、監督の及川氏の得意技らしいですが、記憶にないと言うことは未見の「アウトブレイクカンパニー」かな?
違ってたらすいません。初監督作品は「みなみけ おかえり」


ヒナ CV田中貴子 新人です 初レギュラーが主役
新田義史 CV中島ヨシキ 初レギュラーは去年のアイマスMの山下次郎
三嶋瞳 CV本渡楓 ガーリッシュナンバーの久我山八重や亜人ちゃんは語りたいの小鳥遊ひかりなど 
アンズ CV村川梨依 初レギュラーがのんのんびよりの一条蛍 中堅かな
三嶋美奈子 CV櫻井浩美 エンジェルビーツのゆりっぺ いわずとしれたはるるん様

声優がマニアックです。まあ新人が多いだけかな。
久々のはるるん様にちょっと感激。


作者が驚いたほどの豪華な出来は、さすがのfeel.です。
スタッフは俺ガイル2期の人たちだそうです。

物語はやや散漫で後半失速してるような感じですが、キャラの良さで全部カバーしてます。
特に三嶋瞳が主役レベルの活躍で声の本渡楓は若いけどさすがです。
亜人ちゃんは語りたいで、こりゃただ者ではないと思った通り成長中ですね。

SFチックな設定でしたが、伏線回収がよく分からずキャラアニメになったようで、
見てる分にはこれで良かったかなという感じ。

ヒナ、瞳、アンズのJCほのぼの三人組が、都会の裏社会を明るく照すような照らさないような、力が抜けてくるお話でした。

続編がありそうな雰囲気なので、スタッフが変わらなければ期待できそうです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 56

88.2 2 中学生で感動なアニメランキング2位
THE IDOLM@STER [アイドルマスター](TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (2509)
10729人が棚に入れました
都内某所にある、芸能事務所『765プロダクション』では、
トップアイドルを目指す駆け出しアイドル12人と、新人プロデューサー1人が、
夢に向かって毎日レッスンや地道な営業活動を行っている。
そんな765プロに、密着取材のカメラが入ることになった。
カメラは、輝くアイドル達の姿を撮影する!
――はずだったが、個性豊かな彼女達の取材は一筋縄ではいかず……!?
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

アニメ史上№1ヒロイン天海春香さんの魅力とは?

ラスト手前の第24話『夢』のワンシーン
銀座の街角の巨大モニターから呼びかける765プロのアイドル達

 美希「待ってるよ」
 千早「私たちの、場所で」
 春香「うん」

ここで流れる『まっすぐ』の一節

・・・胸の奥に 複雑な気持ちが生まれるの

が何度聴いても絶妙です。

目を潤ませてうなずく春香。
2次元の子に不覚にも「か、可愛い」と唸ってしまう。
これがアニメ史上№1ヒロインの破壊力か、と納得(※注記)。

この第24話のキーシーンで使われる2曲の歌詞をここでチェックしておこう。

『まっすぐ』
{netabare}
作詞:朝日祭 作曲・編曲:NBGI(Yoshi)

恋したり 夢を描いたりすると
胸の奥に 複雑な気持ちが生まれるの
今 大人になる道の途中
あふれる初体験 毎日を飾る
だけど この空がいつも私のこと見守ってる
もっともっと強く 励ましてる
だから 怖くない どこまでも行きたいところに行ける
輝いた未来 まっすぐにね
きっとうまく超えられると
Happyな思考回路でLet's Go!
決めた! 今すぐに 笑顔しかない私になって
最高の未来 突き進む
{/netabare}

『さよならをありがとう』
{netabare}
作詞・作曲・編曲:橋本由香利

あなたがいる そんな風景が
あたりまえだと思っていたの
だけど少し変わり始めた日々
最初はいそがしいことも嬉しいよねって
気持ち隠してメールすれば
せつない心は凍えていくの
「いつもありがとう、がんばって」
胸が詰って言えない
いつでも応援してるよと伝えたいのに
私も頑張ろう 頼ってばかりダメだね
また会うその日は笑顔を見て欲しいから
泣いちゃおう 今は
{/netabare}



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《1回目視聴後の感想》

あるプロダクションに所属する12人の少女が、それぞれアイドルとして成長していく話です。
少女たちの個性が、かなり確り描き分けられていて、全員の名前を直ぐに覚えられます。
この作品はアイドルものなのに、意外にも少女たちが売れ出すまでのどちらかというと下積み時代の話が長く、とくに前半は結構地味です。
またこの作品は、あくまで現実の世界で起こり得る出来事を扱っており、僅かに沖縄出身の少女がハムスターや飼い犬などの動物と意思疎通が可能な風に描かれている点が例外です。

で、TV版全25話+劇場版があるのですが、中には正直、結構つまらない回もあります。
ただ、このTV版を第1話から端折らず通しで見続けるからこそ、第20話以降~ラストまでの畳み掛けるような感動が生まれるのだと思います。
そしてそれに続く劇場版も、TV版ラストに劣らぬ素晴らしさ。

きっと第20話までの間に、12人の少女たちや、先輩の律子さん・プロデューサーさんに少しづつ感情移入していってたんですね、私は。

劇場版までを含めて、名作だと思います。

※以上、1回目視聴時の感想です(この時点での個人評価★4.1)。
※このあと、2回目視聴時に、1回目では見えなかった作中の様々な伏線が見えてきて評価が急上昇します(下記)。

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《2回目以降の感想》※ほとんど内容分析です。

【作品の概要】 ※主にwikipediaよりコピー

ジャンル アイドル、青春、群像劇
アニメ 原作 バンダイナムコゲームス
監督 錦織敦史
シリーズ構成 待田堂子、錦織敦史
キャラクターデザイン 窪岡俊之(原案)、錦織敦史
音楽 高田龍一
アニメーション制作 A-1 Pictures

放送期間 2011年7月7日 - 12月22日
話数 全25話 + 特別編1話

『THE IDOLM@STER』(アイドルマスター)は、A-1 Pictures制作の日本のアニメ。
バンダイナムコゲームスが発売した同名のコンピューターゲーム『THE IDOLM@STER』シリーズを原作としたアニメ化作品。
テレビアニメが2011年7月より同年12月までTBSほかで全25話が放送され、特別編1話が映像ソフト収録作品の先行放送としてBS-TBSで放送された。
2014年1月25日には映画『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』が公開された。

※コピー終り

【見どころ】

この作品は、シナリオ構成に当って次の諸点が考慮されたものと推測します。

{netabare}
(1)ゲーム版では12人のアイドル一人ひとりに幾人もの「プロデューサー」がついている=各アイドルに固有のファンがいるので、TVアニメでも12人全員にファンが満足できる見どころをきちんと与える必要がある(→アイドル毎の当番回=メイン回を少なくとも1回は設ける)。

(2)しかし、こうした当番回ばかりにしてしまうと、総花的で散漫な構成になりアニメとしては失敗作となる恐れが高まるので、コアとなるストーリーは必要である。

(3)そのために、第15話以降に生番組「生っすか!?サンデー」で司会を務めることになる春香・千早・美希の3人の関係、および彼女らとプロデューサーとの関係の発展・収束、をストーリーの中心軸に据えることとする。

(4)特に、この3人のうち、アイドルとしては些(いささ)か自己主張が薄いけれども、他のアイドル全員を励まし勇気付けて団結させる行動を採る春香の心の揺れ動きを、彼女と同種の働きを意識的に行っているプロデューサーの動きとリンクさせつつ、きめ細やかに描き出していく。

(5)以上の工夫により、視聴者が、プロデューサー目線でアイドルたち(とくにその中心に常にいる春香)の心の揺れ動きを見守り、必要に応じて助力する感覚を擬似体験できるようにする。そしてそれによって彼らが個々のアイドルに対してだけでなく、作品全体に対して愛着を持てるように誘導を図る。
{/netabare}

従って、私たちが、このアニメを視聴するに当っては、

①アイドルたちの成長ないし成功ストーリーを追いかける、という楽しみ方と併せて、
②アイドルたち(とくに春香および千早・美希)の心の揺れ動きをプロデューサー目線で見守っていく、

という楽しみ方が可能となります。
(むしろ②の方がずっと楽しい・・・と個人的には思います)

※以下、②春香および千早・美希の心の揺れ動きに注目して各回をチェックしていきます。


【各回の評価】

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に大きな疑問を感じた失敗回

{netabare}
----------------- TV本編開始 -------------------

第1話 これからが彼女たちのはじまり  ☆全員回 (ED全員「READY!!」)
 △春香が早朝に自転車そして電車で事務所に通うシーンからスタート
 △その中で春香がお婆さんににこやかに電車の席を譲るカットがさりげなく挿入されている(春香の性格を象徴するエピソード)。
 △そのあとはアイドル全員の紹介。一人ひとりの個性が描かれ、「アイドルとは貴方にとって何ですか」という問いに一人ひとりが回答する。
 △ラストでプロデューサーが登場。

---------------- OP 「READY!!」 ------------------

第2話 “準備”をはじめた少女たち ☆全員回 (ED伊織&やよい)
 △全員の宣伝写真を撮影。一人ひとりの個性が大切と結論づけ。 

第3話 すべては一歩の勇気から ☆雪歩メイン(ED雪歩&真)
 △プロデューサーが雪歩をフォロー。春香と真も雪歩をサポート。 

第4話 自分を変えるということ  ★千早メイン①、春香サブ(ED千早)
 △お料理番組で千早が困惑。プロデューサーと春香が千早をフォロー。

第5話 みんなとすごす夏休み  ★全員で夏合宿(EDアイドル6名)
 △バーベキューを焼いていて手が忙しいプロデューサーの口元に春香が焼肉を差し出すが、横から美希が飛び出して肉を食べてしまい、珍しく春香が「こら、美希」と少し怒り口調になる(第22・23話への伏線)。
 △旅館で春香・千早・真・伊織が自分たちの将来について夜話。春香「でも、もしそうなったら(=トップアイドルになってたら)、皆そろって、こんな旅行とか、もう出来なくなっちゃうのかな」(第23話への伏線)

第6話 先に進むという選択  ★全員回、春香と美希の対比が描かれる(ED全員)
 △律子がプロデュースする竜宮小町(伊織、あずさ、亜美のトリオ)がブレイクし、他のアイドルたちとの扱いに格差が生じてしまう 。
 △プロデューサーは他のアイドルたちを後押ししようとして逆に空回りしてしまう。
 △春香が疲労気味のプロデューサーをフォロー。「私達を信用して下さい、か」
 △美希がプロデューサーに認めてもらおうと代役の仕事で頑張る(第12話への伏線)
 △この当りから、アイドル皆の集まりの中心に春香がいる場面が増えてくる。

第7話 大好きなもの、大切なもの  ★やよいメイン、伊織サブ(EDやよい)

第8話 しあわせへの回り道  ☆あずさメイン(ED竜宮小町)

第9話 ふたりだから出来ること ×亜美&真美メイン(ED亜美&真美)

第10話 みんなで、少しでも前へ ☆全員で芸能プロ対抗運動会出場(ED全員)

第11話 期待、不安、そして予兆 ★春香メイン①、美希サブ(ED春香)
 △全員でライブへ向けて特訓。雪歩とやよいが落ちこぼれ気味となるが何とか克服。
 △吉沢カメラマン「春香君のいい意味で楽天的なところは・・・彼女らを押し上げてくれるかもね」
 △上手く歌えない春香を千早がサポート。終電に間に合わなくなった春香が千早のマンションに一泊する(第20話への伏線)

第12話 一方通行の終着点 ★★美希メイン(ED美希)
 △初めて765プロ内部で本格的な緊張関係が発生。
 △プロデューサーが美希に「絶対美希を竜宮小町みたいにしてみせる」と約束。
 △春香「ねえ千早ちゃん。もしかしてちょっと怒ってなかった?」千早「全然っていったウソになるけど。でも私も春香と同じ。次のライブどうしても成功させたくて」

第13話 そして、彼女たちはきらめくステージへ ★★★全員回、特に美希が活躍(ED全員)
 △春香が千早に「そしたらね、ステージ上のアイドルが、一番後ろの人もちゃんと見えてるからね、って」「私、今日は、一番後ろの人も一番前の人と同じくらい楽しめるライブにしたいな」千早「そうね」(第25話や劇場版へ繋がる発言)
 △美希がプロデューサーに「美希、キラキラできるかな」プロデューサー「大丈夫だよ」
 △美希の頑張りでステージが盛り上がる。春香が疲労した美希をさりげなくいたわる。

---------------- OP 「CHANGE!!!!」 ------------------

第14話 変わりはじめた世界! ☆全員回(EDアイドル7名)
 △美希がプロデューサーを「「ハニー」と呼ぶようになる。

第15話 みんな揃って、生放送ですよ生放送! ★全員回(ED全員)
 △春香・千早・美希が司会を務める765プロ全員出場番組「生っすか!?サンデー」がスタート。

第16話 ひとりぼっちの気持ち ×響メイン(ED響)
 △冒頭に短く千早の回想シーンが入る(第20話への伏線)

第17話 真、まことの王子様 ★真メイン(ED真)

第18話 たくさんの、いっぱい ★律子メイン、竜宮小町サブ(ED律子)

第19話 雲間に隠れる月の如く ☆貴音メイン、千早サブ(ED貴音)
 △途中に何度か千早のエピソードが挟まれ、ラストで急展開。

第20話 約束 ★★★千早メイン②、春香サブ(ED千早+全員)
 △千早の危機を春香が粘り強くサポートする。

第21話 まるで花が咲くように ★千早メイン③、春香サブ(ED小鳥)

第22話 聖夜の夜に ★★春香メイン②(EDアイドル7名)
 △プロデューサーの財布がボロボロになっていることに気づいた春香は、X'masプレゼントとして新しい財布を贈ろうとするが、渡す直前に美希が自分の新人アイドル賞受賞をプロデューサーへのX'masプレゼントとして贈る、と発言したことに遠慮して引っ込めてしまう。

第23話 私 ★★★春香メイン③、美希サブ(ED Instrumental)
 △春香と美希の姿勢の違いが描かれる。ラストに意外な出来事。

第24話 夢 ★★★春香メイン④、千早・美希サブ(ED全員)
 △春香の危機に際して、千早・美希そして他の全員のアイドルたちの気持ちがようやく一致。

第25話 みんなと、いっしょに! ☆全員回(ED全員)

----------------- TV本編終り -------------------

特別編 765プロという物語 ☆全員回(ED全員){/netabare}
----------------------------------------------------------------
★★★(神回)4、★★(優秀回)2、★(良回)9、☆(並回)9、×(疑問回)2 ※個人評価 ★★ 4.7


【TV本編25話の構成】

 (1)生っすか!?司会の3人=計8話(春香メイン4話、千早メイン3話、美希メイン1話)
 (2)他のアイドル回=計8話(雪歩、やよい、あずさ、亜美&真美、響、真、律子、貴音・・・各1回)
 (3)メインなしの全員回=計9話

【なぜ春香がいつも中心にいるのか】

春香のみ→親和動機に従って行動。常に他の11人のアイドル達を見ており、彼女らの心を気遣っている。
他の11人→個々の達成動機に従って行動。

一人ひとりが強い個性をもって輝いているアイドル達だからこそ、彼女らの輝きが互いにバッテングして曇らないように常に配慮する人が必要であり、一義的にはその役割はプロデューサーが負うが、彼一人の働きではそうした役割を全部果たすには無理がある。

→そのため、別に自分の仕事でもないのに、そうした役割を自然に果たしてしまう春香の存在が貴重になってくる。
→TV本編をじっくり見てみると、春香とプロデューサーの考えや行動がよく一致していることに気づく。
→プロデューサーは雪歩・千早・美希らを励ましサポートしているが、彼が困難に陥り意気消沈している場面では、春香が彼を励ましている。
→そして春香も、表には出さなくとも実はプロデューサーを心の支えにしていて(第20話)、それがラスト手前の本作品中最もドラマチックな展開につながってしまう(第23話)。

【結局、アイマスの魅力とは?】

①アイマスが、このTV版の制作時点で既にゲーム稼働から6年目に入っていた長寿コンテンツで、新人アイドル12人+先輩アイドル1人の13人のひとり一人が、制作期間の短い単発のアニメ作品ではあり得ないレベルの明確な個性(あるいはアニメながらに人格といってよいようなもの)を持つ存在としてキャラ自体が育っていて、その感情描写や心理推移が的確で説得力が高いものとなっているばかりでなく、

②彼女らひとり一人を活かし成長させていくには、一体どのような周囲のサポート(※プロデューサーや事務員の小鳥さんらの貢献etc.)や彼女達アイドル内部の条件が必要なのか(※春香のような常に親和動機を優先する隠れたリーダーの存在ec.)という、アイドルに限らずスポーツ・部活ものなど一般に「成長もの」とされるアニメ・ジャンルに潜伏する普遍的なテーマについて、「一人ないし数人の絶対的なヒーローorヒロインの成長」だけを描き出したり、あるいは「チームワークや友情をただ単にスローガン的に強調する」だけの月並みな作風の作品よりも、論理的にも情緒的にも一段も二段も高い視点に立って作品が構成されている点

に、実はこの作品の本当の魅力があるのではないか。

⇒この②の点は、続編映画「輝きの向こう側へ!」の方でより明瞭に具体的に描き出されているので、本作のラスト手前3話(第22-24話)がどこか心に引っ掛かる方は、引き続きそちらを視聴することをお勧めします。

(この項さらに考察が必要)

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※注記(2014.12.30)

NHKラジオ第1(カウントダウン・アニメヒロイン:2014年12月29日放送)の結果

1位:天海春香(アイドルマスター)
2位:浅倉南(タッチ)
3位:キャンディ(キャンディ・キャンディ)
4位:ハイジ(アルプスの少女ハイジ)
5位:ナウシカ(風の谷のナウシカ)
6位:オスカル(ベルサイユのばら)
7位:メーテル(銀河鉄道999)
8位:木之本桜(カードキャプターさくら)
    マミ(クリィミーマミ)
10位:ラム(うる星やつら)
    岡ひろみ(エースをねらえ)
    サリー(魔法使いサリー)

NHKラジオ番組『渋谷アニメランド』一般参加の人気投票の結果
http://blog.livedoor.jp/aatyu/archives/1838797.html

◇「わたしの大好きなヒロインたち」の順位(2013/01/02)
 ※カッコ内は作品名と得票率。

1位 天海春香(アイドルマスター 44%)
2位 暁美ほむら(魔法少女まどか☆マギカ 14%)
3位 フェイト・テスタロッサ(魔法少女リリカルなのは 12%)
4位 木之本桜(カードキャプターさくら 10%)
5位 平沢唯(けいおん! 5%)
6位 御坂美琴(とある魔術の超電磁砲 4%)
7位 鹿目まどか(魔法少女まどか☆マギカ 4%)
8位 朽木ルキア(BLEACH 3%)
9位 涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒの憂鬱 2%)
10位 綾波レイ(新世紀エヴァンゲリオン 1%)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 81
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

765プロ!ファイト!オー!(76.5点)

全25話。
ゲーム原作。原作にストーリーはない?のでほぼオリジナル。

個人的満足点:76.5点
アニメ系統:アイドル青春群像劇

13人の女の子がアイドルを目指す。
今期期待のくぎゅ枠。
ただただくぎゅう見たさに見始めたわけではあるが、なかなかのアニメ。
始めはもっとくぎゅうを出せと思っていたのではあるが、
いつの間にかどうでも良くなっていたw
皆なかなか魅力的なキャラたちだった。

ただキャラが多すぎて覚えるのが大変なのが玉に瑕。
そして、どうしてもキャラの掘り下げに時間がかかるので前半は少々退屈な回もある。

しかしながら11話以降ぐんと話が盛り上がってくる。
ここからは、いよいよアイドル活動が本格化。
アイドルを目指しながら、色々な障害を乗り越えていく。
そんな中で事務所のメンバーとの友情などが描かれていて涙腺を刺激する。
おっさんも最近涙腺がゆるいのか最終話付近は泣きながら観てたw

音楽は前期後期ともOPが良曲。
毎話色々なキャラソンも出てきて贅沢な作り。
作画もダンスシーンなど秀逸。
カメラワークなどは絶妙。
演出もなかなかの出来。

全体的にレベルの高いアニメだった。
青春群像劇のような物がお好きな方にはお勧めできる作品。


と、簡潔にまとめてみたが
つまり、何が言いたいかというと

いつの間にか、はるかに釘付けだったw


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以下、各話の感想
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨


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{netabare}
1話視聴。
TVの取材形式として作品は始まる。
今回はほとんどキャラ紹介といった感じ。
さすがに1話から13人も覚えられないw

それでも個人的には
響がなんか良かった。
八重歯としゃべり、しぐさがなかなか可愛い。

もちろん、いおりーんもいい。
ツンデレくぎゅではなさそうだが
もはやくぎゅならなんでもいいのだw

そんな感じなので、今回は面白みはあまりなかった。
まずはどんなキャラがいるのか確認だね。
今後どうなっていくのか。
個人的には不安でいっぱいなのだがw
それでもくぎゅのために
追いかけるくぎゅううううううううううううう


2話視聴。
実質1話かなw
うおおおおおおおおおお
いおりんが主役級じゃないか!
いおりんは脇役と思っていた・・そんな時期が私にもありました。
これは毎話、主役が変わるのかな?
それとも、主役はいおりんなのか?
いーおーりん
いーおーりん

ん?内容?
そんなの今のところ分からんwwww
わかっているのは
くぎゅううううううううううううううううううううう

3話視聴。
今回は雪歩回。
どうやら、毎話各キャラ主役で話が展開しそう。
雪歩、男性が苦手ってなぜアイドルやろうと思ったんだw
まあ、パンチが飛んでこないだけいいがw
EDも毎話キャラごとの歌になりそう。
今のところ、あまり面白いとは言えないが継続視聴はする。
いおりんをもっと出せ!

4話視聴。
千早回。
確かに今回の主役は千早だったが
春香が存在感を出していた気がする。
春香が一応センターなのかな?
そして響もいいキャラしてる。
しかし、貴音のキャラが一番光っていたと思うのは
私だけだろうかw
千早回にもかかわらず、他3人に食われていたそんな回だった。

いおりんが全く出なかった(´・ω・`) ショボン

5話視聴。
水着回&お風呂回
そして、来週からいよいよか?
ようやくアイドル的活動がはじまりそう。
ここから盛り上がってほしいところだね。
そして、いおりんが活躍する気配。
竜宮小町\(^O^)/

6話視聴。
少し盛り上がってきそうな感じ。
竜宮小町もデビューしたし。
他の子も段々活躍していきそうな気配がしてきた。
どう盛り上げてくれるのか。
まだまだ先は長い。

7話視聴。
やよい回。
ちょっといい話だった。
やよいなかなか可愛かった。
いおりーんも大活躍。
いおりん、少しツンデレで満足満足。
アイマスも段々面白みが出てきた。

8話視聴。
あずささんかなりの天然www
真はかっこ強いしw
なんだか美希はかわいいねえ。
ちょっとギャグ回風味だった。

おい、くぎゅうの出番はどこいった。
ED曲で声だけ出番あったw

9話視聴。
いおりん今週は出番あったw
しかし主役は双子だった。
へっぽこ探偵ぶりに吹いたw
帰りの車の中で犯人分かるじゃねえかw
まあ、そんな突っ込みは別にいいんだがw
もうちょっとアイドル活動を前面に出して欲しいと
個人的に思ってしまう、そんな回だった。

公式HPがあああああああ
誰かの誕生日付近の日はトップが変わるのか?
ハッピーバースデイの真ちゃんになってるじゃないかw

10話視聴。
アイドル運動会。
事務所の力関係にどうなることかと思ったが
いおりーんw
さらなる力で押さえつけたw
竜宮小町以外も活躍してほしいねえ。

11話視聴。
やっと面白くなってきた。
皆でアイドル目指そうって流れに。
ハルカも主役ぽくなってきた。
そしてここで障害。
さてどうなるのか。

12話視聴。
美希可愛いけど、個人的にはちょっとイラっとするわ。
まあ、しかし、丸く収まってよかった良かった。
来週はいよいよライブかね。
ところでいおりんの出番が少ないんだが、もっと出番増やせw

13話視聴。
ピンチをチャンスへ。
そんな話だった。
美希ががんばったねえ。
ちょっと感動してしまった。
前半を綺麗に閉めた感じ。
来週から後半、物語に変化が出てきそう。
まだまだ面白くなる可能性を秘めてて楽しみ。

14話視聴。
新OP曲いいねえ。
新しい展開になってきた。
売れてきたね。
新たな問題に直面するもがんばって欲しいところ。
いつの間にか普通にアイドル応援してる気分になってきている自分がいるw

15話視聴。
ついに生放送番組を持つまでに。
「生っすか!?サンデー」
結構面白かった。
皆特徴が出てて良かった。
そして、映画「キサラギ」見てえwww
ホントに作らねえかなw
春香の存在感がビシバシ伝わってくる。
最近いおりんの出番が少ないのはちと寂しいところ。

16話視聴。
今回は響回。
響と動物達とのいい話だった。
ハムゾウがカッコイイ。
動物と会話できるという設定が作品から浮いている気はするがそこはご愛嬌。
今回は黒井プロからも妨害があった。
今後、黒井プロとの抗争に発展するのか。
皆、黒井プロの汚いやりかたに負けるな!

17話視聴。
今回は真回。
真の葛藤がなかなかよかった。
真可愛いのにね。
女の子でも十分やれると思うよ。
本当の芸能界でもあるんだろうな、こういうの。
しかし、最近いおりんの出番がねえ。。。

18話視聴。
今回はプロデューサーりつこ回。
後半のライブシーンは胸熱。
りつこの昔のファンがすばらしい。
なかなかいい話だった。
そして、久しぶりにいおりんの出番も。

20話視聴。
ちはやがピンチ。
しかし、いい回だった。
やべえ泣けてきたお。
個人的に最高回だった。

23話視聴。
なんとも切なくなる回。
はるかがんばってるんだが、うまくいかない。
そして、かなり滅入っているときにまさかの事件。
なんという引き。
基本1話完結のアイマスでは珍しい引き方。
早く来週を頼む。

しかし、いつの間にか後2話になってしまったなあ。


24話視聴。
はるかの演技シーンが秀逸。
冒頭から泣きそうなった。

中盤以降ずっとうるうるしながら見入ってしまった。
おっさん最近涙腺ゆるくなってきた気がするわ。
特に友情物には弱いなあ。
はるかと園児たちのからみは良かった。

そして、いよいよ来週最終回。
俺は最後まで皆を応援するお。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 67

448号 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

オススメです!

 最終話まで見た全体の感想としては、
とても面白かったと思います(*´∀`*)
 9話当たりで断念しようとしてしまっていましたが、
きりの良い13話まで見ようと言うことで
見たのが大正解でした!!
「最高じゃないか(;゚Д゚)!」
心のなかでつぶやきましたね(^^ゞ
そこからが765PRO快進撃でした!!
個人的に美希が気に入ってしまって、
毎週美希の活躍を期待しながら見ていました(〃▽〃)
そして気付いたらいつの間にか、
秋アニのなかでも1位2位を争う作品に
なっていましたヽ(*´∀`)ノ
そして迎えた最終回……
最後が見たい自分と、
「終わらないで゚(゚´Д`゚)゚」
と叫んでる自分がいました!!
 
ではここで、アイマスのオススメの見方を紹介しておきます。
①好きなキャラクターを一人でもいいから見つけること!
そうすることによって見る楽しみが増えます。
②断念しそうな人は13話から見ること!(キャラクターを把握している場合)
ぶっちゃけ、前半はキャラクター紹介の様な物なのであまり必要はないかと思ういます。
③一番言いたいのがこれ!!
 見直すことが大切です!
この作品はスルメイカの様なもので、見れば見るほどはまります。
僕も最終話を見た後に1話から見直したのですが、
「あれ…。こんなに面白かったっけヽ(´Д`;)ノ」
と、ビックリ仰天でした。
何より、キャラクター1人1人が輝いて見えるヽ(*´∀`)ノ

最後に見づらくてすみませんm(_ _)m
あと、読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m
ぜひ、アイマス見てくださいね(・∀・)
「アイマスですよ、アイマス!」
では、よいアニメライフを!!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 23

75.3 3 中学生で感動なアニメランキング3位
金色のガッシュベル!!(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (539)
3382人が棚に入れました
高嶺清麿は、普通の中学校に通う、見た目は普通の中学生。だが、MIT(マサチューセッツ工科大学)の論文さえもたやすく理解してしまう頭脳の持ち主である。そんな彼はクラスにも馴染めず、不登校を繰り返し、鬱屈した日々を送っていた。
ある日、清麿の家に謎の少年ガッシュ・ベルが現れる。彼は清麿の父親から「息子の友達になってくれ」と頼まれ、はるばるイギリスからやってきた元気な男の子。退屈な日々は終わりを告げ、ガッシュとの騒々しい毎日の幕が開く。やがて清麿とガッシュの前に次々と敵が現れ、一つの事実が明らかになってくる。実はガッシュは千年に一度行われる魔界の王を決める戦いに参加させられた、100人の魔物の子の一人だったのである。
次々と襲ってくる魔物たちとの戦いの中で、『やさしい王様』になるという志を抱くガッシュ。然し彼らの前にはさらに強力な魔物が…。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、大谷育江、秋谷智子、前田愛、釘宮理恵、折笠富美子、小嶋一成、高橋広樹、菊池正美、こおろぎさとみ、置鮎龍太郎、山崎和佳奈、山田きのこ、桑島法子

めいろ* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

お前に清麿の何がわかる

今の年代の方がどれだけ本作品を認知しているかどうか、それこそ僕の認知が及んでいない訳ですが、大衆作品の中から3つ好きな作品を選べと言われたら、必ず本作品を選ぶでしょう。

僕の世代から言わせてもらうと、本作品を見たことが無い人なんてまずいないと思っているのですが、もし、本作品を見たことが無い人がいるのであれば、それが衝撃的だと感じる程の事であります。


大衆作品と言うのは、対象となる年齢幅が広い作品に限られてそういったジャンルになるのだと思います。
しかしながら、大衆作品とは言っても、犬夜叉なんかはある年齢層の人間が真剣に見ると実に深い作品です。そんな作品も大衆向けに属してしまう事を僕は非常に勿体無いと感じるのです。

これはジブリでも言えることでしょう。
と言うのは、何だかその作品の本質は棚にあげられがちだという印象を僕は持っているのですが、これが一般的な印象と相違があれば申し訳ありません。


本作品を僕はもっと子供の頃に見ました。

その本質をきっと理解していないだろう子供の頃の僕が本作品を見て、毎週のようにボロボロと泣いたのです。

結婚して、子供もできた現在の僕が本作品をもう一度見返して、またしても良い大人がボロボロと泣いたのです。

突然ですが、題名に回帰します。


「お前に清麿の何がわかる」


というのは、ガッシュベルの放った台詞です。
主人公の清麿の想いを踏みにじった人間に対して、ガッシュベルがそれを言ったのです。

本作品の大きな特徴として、仲間を想う気持ちの強さが他作品と比べても尋常じゃなく大きい作品です。

誰かが傷ついている時は、身を呈しても、蔑まれたって、どんな事があっても必ず助ける。そういう強い想いです。

本作品には、そういった正義感について作者の想いがとても思い切りよく乗った作品だったと思います。

誰だって最初は弱くて、上手くいかない時もあるけれど、絶対に侵害してはいけないところを踏みにじられた時、果たしてそれを諦めることができるでしょうか。

これだけ強い想いで人間を想う事ができる世界がもしどこかにあるのなら、それこそ金色に輝く素敵な世界なんだと思います。


人間が持つべき根本的な想いを、大人になると忘れがちです。

だからこそ、今見るべきなんです。
本作品を当時と違った視点で、その本質を僕たちは今、感じるべきなんだと思うのです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 4

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

まっすぐな意志と強き思いはやさしさから生まれる

電撃を吐く子どもと分厚い赤い本でおなじみの『金色のガッシュ!!』
すっごい好きです。なのでその良さについてだらだらと書いていきたいと思います。

天才が故に孤独を強いられてしまった中学二年生の高峰清麿。
そんな息子の状況を見たイギリスの大学教授である父から送られてきたのがガッシュだった。
バカみたいに正直でまっすぐなガッシュが清麿の卑屈になり深く埋まってしまった優しさを
泥まみれになりながらも心の中から掘り出す、友情を力強く語る情熱的な一話から始まり
多くの悲しみと苦しみと悪に立ち向かう小さな戦士たちの物語です。

100人の魔物の子どもの中から魔界の王を決める戦いに参加しながらお話は進んでいきます。
自分が許せない物事に関してはとことん前へ前へと突き進むガッシュやその仲間たちはかっこいいです。
でもまだまだ子どもな彼らにとってはキツイこともたくさんあるし、たくさん泣いてしまいます。
この作品の良いところはその涙を流しつつも、さらにはそれをもバネとし恐いものへ立ち向かっていく姿にあります。
グッときてしまうこともしばしば。
魔物は自分の本を燃やされてしまうと魔界へ帰ってしまうのですが、
そのパートナーとの別れも感動的だから涙腺の緩い僕は忙しかったですw

アニメは原作と違うところはすべて飛ばして観たのでそっちの方はわかりませんが
好きなキャラはガッシュ、ティオ、コルル、ダニー、レイラ、バリー、ロデュウ、ウォンレイ、フォルゴレです。

ガッシュ、ティオはもちろん好きです。
コルルに物語の中で非常に重要な役目を持たせたのはすごく良かったです。
彼女の思いがガッシュの意志となりちゃんと生き続け、振り返る度に不憫な目にあった彼女を思い出す構成は素晴らしいです。
ダニーはいいですね!ホント好きです。別れ際のじじいもキザだねえ!かっこいい!
レイラは単に可愛かったのもありますが、恐怖の中でも信念を突き通そうというその姿に感動しました。
バリー、ロデュウはあの別れのシーンにグッときてしまいました。いや、ホントはグッとどころかムチャクチャ泣きましたがw
バリーの読者への裏切りとも呼べる自己犠牲の行為とグスタフとの別れはとても涙を我慢できませんでた。
敵ながらロデュウも◎。強引にチータを引きずり回していたかと思えばすごく彼女のことを考え、励ます彼のギャップにやられました。
彼はやっと最後に自分を取り戻せましたね。よかった、よかった。
ビジュアルが一番かっこいいウォンレイとリイェンの関係は出番こそ少なかったけれどなかなか泣かせてくれました。
フォルゴレの病院コンサートは良かったです。あの背中は忘れられない。


今作の主人公は「こども」でした。
彼らは数多の作品で愚直なまでのまっすぐさと純真な心で、
成長するにつれて社会やルールに縛られ大事なものが見えなくなってしまった
「こども」ではない人々の心を洗い流し、今一度大事なものはなにか問いかけてくれています。
また、大きなところではピーターパンは幻想の国で永遠に生き続け、星の王子さまは希望を残し夭折しました。
そうやって彼らが社会の外れで存在することはわれわれにとって救いにも似た思いを馳せる場所であると思います。
杜にあるほこらのように、深海に生きる生物のように、地の底を這う地底人のように、
また『ハチクロ』の観覧車のように、腐海のように、ラピュタのように、はたまた全知全能の神のように。
それはどこにもないようで、われわれのすぐそばにあるとても尊いものです。

この作品はいつ観ても笑えますし、微弱ながらも励まされます。
アニメだと大谷育江さんのガッシュの声が聞けるのでなおのことです。
あの声は普段は王様口調と相まってすごくかわいいし、シリアスな部分でもとっても映える声です。

とっても好きな作品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

ジェロニモ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

熱血好きが自信を持ってオススメする萌えならぬ燃えアニメ

原作は週刊少年サンデーで連載されて、2度の映画化も行われた人気作です!

一般的にも人気のある作品だと思います。


ジャンルは王道バトルもので、100年に1度、魔界の子供100人が人間界に送られて魔界の王様を決める為の戦いをする物語です。

王道ものでは1番熱くて感動できる作品だと自負しています。


あとギャグのセンスもピカいちです。

ほんとにほんとにオススメなんですけど、アニメだとやっぱし長いと思うんです。

しかも物語後半でいきなりガッシュの声優が変わったりして違和感が尋常じゃないです。


しかも終わり方もよくわかんないんですよね…

やっぱこの作品は漫画で読んだ本がいいのかも知れませんね。

終わり方がよく出来すぎていて感動が止まらなかったです。
今でも思い出しただけで涙腺が緩んじゃいます…

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

81.7 4 中学生で感動なアニメランキング4位
のんのんびより のんすとっぷ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (461)
1734人が棚に入れました
「旭丘分校」の生徒はたった5人。学年も性格も違うけれど、野菜を作ったり、虫捕りをしたり、楽器を練習してみたり・・・春夏秋冬の変わりゆく田舎生活はワクワクが止まりません。のどかでいつも通りだけど、くすっときて、ちょっぴり沁みて、心がほっこりする。まったりゆるゆるなメンバーが送る日常が、またまたはじまります。

声優・キャラクター
小岩井ことり、村川梨衣、佐倉綾音、阿澄佳奈、名塚佳織、佐藤利奈、福圓美里、新谷良子

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

数ある「のんのん」の中でも「のんすとっぷ」こそ至高。3期かけて積み上げてきたものが活きている。

 「ゆるキャン」と同じく、すでに充分完成された日常系ギャグとしてもはや進化の余地はありない、そんな風に考えていた時期が私にもありました…。


 全てのクオリティーがアップしているが、キャラと声優のマッチングがアップしてギャグの冴えが格段に上がっている。正直個人的には今までは寒い瞬間が多少あったけど、今期は本当に笑わせて頂きました。


 なっつんとひか姉、特に後者の出るだけで笑える女と化した感がある。台詞をいかに喋るかだけでここまで面白くなるもんなんだなぁ〜。メカコマぐるみの狂気も素晴らしい。


 あと、今期も魅力はここまで積み上げてきたものがあるからこその喜びと感動がある。駄菓子屋とほのかちゃんの件では涙せずにはいられなかった…。


 シンプルで純粋だからこそ胸に沁み入る救いこそ日常系の行き着く極地だと思う。プロ幼女な久野ちゃまが加わったことも大きいねぇ〜。そんなしおりちゃんに対してお姉ちゃんであろうとするれんちょんの姿には思わず…。


「いつも同じ道じゃないのん。いつもちょっと違うお天気日和なのん。」

投稿 : 2024/04/20
♥ : 47

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

完璧なsuspend/resume(サスペンド/レジューム)→ ほぼ原作通りの最終回

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
れんちょんのリコーダー、nano.RIPEのOP主題歌、メインキャラクター4人でのED主題歌、居間のテレビ画面で次回予告と完璧な前作からのフォーマット踏襲でした。背景美術は相変わらず美しいというか、もしかしたら作画はグレードアップかも?

でも1、2期目を観てなくても何となく大丈夫そうな感じ。これぞ『のんのんびより』ですね。あ、新キャラは出ますよ。
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.2.1追記:
第4話まで視聴終了。

なっつんと駄菓子屋が、それぞれ自分が一方的に有利な状況で相手が過去にやったことをあげつらう場面がありました。

スキーで無理矢理駄菓子屋に突き落とされて滑らされたとか、雪下ろしのために屋根に上がっているときになっつんに梯子を外されたとか、1、2期目から観ていると視聴者も「なるほど」と頷くけど良く考えたら作中で学年は同じなのにまだ冬は来ていないのです。「サザエさん時空」のパラドックス(笑)。

2021.3.29追記:
第12話(最終話)まで視聴終了。

実は「月刊コミックアライブ」4月号で原作は終了していて最終話も読んじゃっていたんですけど、概ね原作最終回通りの最終話という感じでした。ということでOVAとかはあり得ても本編が作られるのは本作で最後だと思います。

2期目の「りぴーと」では「サザエさん時空」のパラドックスはあまり目立たないように巧みなシリーズ構成がされていたのですが、「のんすとっぷ」はあまりそこには気を遣っていなかったようには感じています。

まあ、新キャラを出してしまったせいで仕方がなかったところもあるとは思いますけどね。

ここまでのシリーズの遺産みたいなものに頼ったきらいはありましたが、ちゃんとシリーズを終わらせたという点と、「年上としてふるまうれんちょん」を見せてくれたという点は高く評価できますね。

制作側も、つきあった視聴者もお疲れさまでした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 48
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小さな音楽隊

SILVER LINK制作。

都会の喧騒を離れると、
ここまで小鳥や虫の声が聞こえてくる。
美しさを増した町の風景に、
さりげなく写る牛横断注意の立て看板。
豊かな自然の中で子供たちは、
スローライフな日常を生きている。

全くもって心配はいらない。
ゆるキャン△同様に強みを良く知っている。

登校時に歩きながら縦笛を吹く、
何気ないれんげの絵に衝撃が走った。
もう随分と忘れていた感覚である。
意味もなく登下校時は横に並び演奏する、
小さな音楽隊である。
大して楽しくもないのにずっと吹いていた。

ひぐらしの声、茜色の夕暮れ、
擦りむいた膝の思い出とともだち。

最終話視聴追記。
後半に並ぶ吉田玲子脚本回が印象に残る。
{netabare}正月休み、れんげとほのかの小さな友情は、
きっと大人になっても覚えているでしょう。{/netabare}
通いなれた通学路、同じような毎日でも、
れんげには違って見えている。

素敵な時間が流れています。
こんな平和な日常が今でもどこかで。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 47

72.8 5 中学生で感動なアニメランキング5位
アリスとテレスのまぼろし工場(アニメ映画)

2023年9月15日
★★★★☆ 3.9 (63)
174人が棚に入れました
変化を禁じられた町で暮らす少年少女の恋する衝動が世界を壊す様を描いた長編アニメーション。原作となる同名小説を、監督を務める『さよならの朝に約束の花をかざろう』の岡田麿里が書き下ろし、「進撃の巨人」のMAPPAとタッグを組んだ。主人公の正宗を「呪術廻戦」の榎木淳弥、謎めく同級生の睦実を「鬼滅の刃」の上田麗奈、謎の少女、五実を「サマータイムレンダ」の久野美咲が担当する。

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

むき出しの叫び声が心を揺さぶります。

公開二日目に中学生の娘と劇場に足を運びました。

岡田麿里作品ってことで期待高めでの視聴でしたけど、
キャラのむき出しの感情がぶつかる様に圧倒されました。

序盤、この不思議な世界での物語がいまいち理解しづらいって
所はありますけど、なんか抑圧された世界、感情が爆発したように
展開していく中盤以降は心が何度となく揺さぶられました。

やや距離間、生々しさが好き嫌いはあるかと思いますけど
等身大な若者たちは思春期爆発のキャラに感情移入出来るでしょうし
自分のような親世代も色々な方面から迫るものがあると思います。

なんかネタバレしちゃいそうなので、この辺で。

音楽は
EDの中島みゆき「心音」が、この独特な世界観の余韻に
たっぷりと浸らせてくれました。
「未来へ~~ 未来へ~~ 未来へ~~~
君だけで行け~~♪」
聴きごたえありすぎる歌声が頭の中をループしつつ
娘と終わった後しばらく席を立つことなくまったりとした
時間を過ごさせてもらいました。

台本に感銘を受けて丁寧に作り上げられたその楽曲、歌詞に
改めて中島みゆきって凄いんだな~って思いました。

面白かったら買おうと思ってたパンプレット。
・・もちろん買いました!
五実役は久野美咲さんにあて書きされたって話には、あのどうして
良いか分からない全身での叫びが印象的だったので納得でした。
綺麗にまとめられた冊子は
全体的に美しくて芸術的な作画カット満載で満足度高いです。

公開2日目にしては思った以上に劇場は空いてました。
岡田麿里監督(自分もここ数年で知ったニワカです)
とは言っても
ジブリや新海監督のようなメジャーではなく地味目な作品って
位置付けってこともあるのでしょうからしょうがないのかも
しれませんね。
ただ自分的には改めて岡田麿里好きだなって思えたし
満足度の高い作品でした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

追記 なぜ岡田麿里監督の話は面白さに欠けるのか?

変化を望め、人を愛せ、1991年を引きずるな、でしょうか。

 何日かかけて考察しましたが、話の構造としての仕掛けを全部読み解くのは無理だったのでわかったことをメモしておきます。テーマは「すずめの戸締り」と同様に、過ぎ去った時代を早く葬ってあげて変化して行こうよ、という話だったと思います。ただ、個人的な内面から湧き上がる変化したいという衝動を殺さないで、というメッセージは明確にあったと思います。

 そこが「アリストテレス」の意味で、哲学的な話というより「変化」を象徴しているのが「エネルゲイア」ということでしょう。

考察メモですが、ほどほどです。

{netabare} 現実世界では工場は爆発したが、幻の世界だと健在だった(祖父の見解。ボケた老人は真実を語るの法則)。つまり、最後の工場が普通に閉鎖された世界線と五美が帰った世界は違う世界である。

 睦実が最後に痛みを感じたことと、工場にあった絵は正宗が閉じ込められた結果上手くなった絵なので、最後の場面は幻の世界が現実になることが読み取れる。
 ただ、五美が帰った世界と幻の世界が連続つながって、幻の世界の未来が現実の世界になった…という読み取り方はできるが、それは多分設定上無理がある気がする。

 アリストテレスの哲学の内「エネルゲイア」がマンガの必殺ワザとして語られる。資料の形相を実現していないのがディミナスで実現したのがエネルゲイア(作中にでていました)である。形相が「変化を望むことで」資料=モノが本質へと生まれ変わる。
 また、イデア界=理想の世界というのはない、というのがアリストテレスなので、その点も暗示されている。

 ただ、変化を望みいなくなった人間はどうなったのかは不明だが、ひょっとしたら五美が帰ったあとの幻の世界にいるのかもしれないがそこは全くわからない。
 五美のインナースペースだったとするには、2005年から1991年に戻ったことに無理があるかも。神の存在を肯定するのはアリストテレス的ではないがそれを前提としないと、幻世界の存在そのものがよくわからない。

 睦実がなぜ五美を好きになりたくないと思ったかは読み取りずらい。いろいろ解釈できるが確定は出来ない。ただ、睦実の生い立ちが親で苦労したこと、ヤキモチ焼きであることが描かれるので愛情に関しての障害がありそう。わざわざ睦実をそう描いたのは元の世界の睦実が同じ性格だからだとは思います。

 罪が1つ減って五美のところは、考えれば何かあるかもしれませんが今のところ保留します。7つの大罪からの引用だとは思う。

 痛み、匂い、味などの五感はつまり生きている実感であり、現代のアナロジーでもある気がします。

 正宗の親たちの昔話が正宗のアナロジーだとすると、現実世界で何もせずに見伏に残った正宗は睦実と結婚して五美を生む。が、父親同様に心が死んでいる状態になっていたのかもしれない。
 つまり現実の世界では工場が爆発することで工場勤務の人は本来的な意味で死に、街の人の心は死んでいる状態だったという事かもしれません。
{/netabare}

 というような感じでした。

 で、テーマとしては変化しようとするのが人間である。1991年のバブル崩壊で止まってしまった時間を日本人は動かさないといけない、でしょう。消えた人たちがどうなったのかと、神の描かれ方がアリストテレスと矛盾するので、ちょっと読み取れませんでした。
 そして、陰のテーマとして母と子の愛着障害的なものが描かれていると思います。


 映画としての評価は、エンタメ性とテーマの深さがちょっと物足りないかも。ただ、考察は楽しませてもらったのでストーリーは当初2と思いましたが、3.5にします。SFというよりファンタジー的なスタイルなので理論展開云々はいいんですけど、物語としての組み立てが分かりずらい気がします。そのおかげで1回目の視聴では、最後の30分くらいがかなり退屈でした。

 作画は奇麗でしたが、もう見飽きた作画のスタイルなので3.5とします。




追記 なぜ岡田麿里監督の話は面白さに欠けるのか?

「さよならの朝…」「空の青さ…」と本作に共通するのは壮大さが無い事、キャラのバックグラウンドの説明不足な気がします。

 本作に関して壮大さを感じない理由は「工場」が理解できるとっかかりがないことです。一応神が云々などの説明はありますがよくわかりません。別に設定としてどういう理由で発生したとかそういうのが分からなくてもいいんです。何を意図しているのかがまるで分かりません。
 なので畏怖も理解も無くただそこにあるだけです。そういう存在として置いたのかもしれませんが、作品理解、テーマ性において効果を発揮できていない気がします。

 例えば新海誠氏であればの3部作を初め、巨大な塔、宇宙人のようなものは正体はわからなくても意図は分かります。だから、メッセージ性が浮き立ってきます。
「フリクリ」の工場の様な象徴としての工場はありますけど、その割には本作の工場には機能があります。

 一方で、バブル期の少年少女としては随分地味な感じでした。もちろんその後閉じ込められた結果気力を失くしたのだとは思います。計算上は20年近くになるのでしょうか?2005年に五美が来たみたいで、5歳として14歳までそだてば2013年。1991年から2013年で22年間でしょうか。

 で、彼らのバブル期の思惑が語られない、どんなマインドでいたのが閉じ込められてどう変わったかという描写がないので、彼らがまるで現代人の少年少女に見えてしまいます。それを狙ったのかもしれませんが、変化が出来ないのは彼らの責任ではないと思われます。もちろん少年少女が変化を望まなくなったのは、社会の責任だという意味だとは思います。その彼らが20年以上たって、なぜ急に恋愛を始めたのか。そこが五美と正宗の出会いということ?

 そう…キャラのバックボーンや性格が理解できるヒントが少ないので言動に心が動かされないというのもあるかもしれません。特に睦実は最後語ってましたが彼女の何に乗っかればいいのか。
 そもそも正宗が主役だったのに結末の主役がねじれてしまっていました。

 こうやって分解して行くと自分の「勝手な解釈」はできるのですが、これが行間なのか妄想なのかが全く理解できません。つまり映画から伝わってこないので、見ているときにポカーンとなってしまいます。

 なんでしょう。大きなことを描いているようで「パーソナル」な「現在」の問題にしか焦点が当たらないので、仕掛けとストーリーが遊離してしまっている感じです。メッセージを語るための必然性を世界観から感じないと言えばいいでしょうか。そのせいで「裏」「過去」を世界観やキャラから感じないから広がりも深みもないということでしょうか。

「さよならの…」「空の青さ…」本作の共通する不満点がこれですね。例えば「さよならの…」でイオルフの過去や未来に想いを馳せられたでしょうか?あの舞台になった国の歴史が妄想できたでしょうか?本作はそれと同じですね。
 文学というには意味がありすぎますし、その割に語り切れていないのか受け取り切れていないもどかしさを感じます。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

停滞のむきだし

1991年冬。製鉄所の爆発以来、外界から隔絶され、時の流れが止まった見伏(みふせ)市。
何年も中学3年生を繰り返している少年少女らの間で巻き起こる思春期の恋の衝動が、
停止した街の秩序を揺るがしていく劇場アニメ作品。

【物語 3.5点】
監督・脚本・岡田 麿里氏。
同氏の未完の小説『狼少女のアリスとテレス』を本作向けに再編し映像化。

見伏市は時間が停滞していることで安定しているが、最近は空にヒビ割れが多発。
製鉄所の煙から生成される“神機狼”で修復する頻度も高くなって来ている。
ヒビ割れを作り閉鎖世界の崩壊を招くのは人々の心の変化。
町は“自分確認票”などの掟により人々の異変を厳重に監視規制している。


本作もまた斜陽に向かう日本社会の停滞感を描き、次代に未来を託す、
近年トレンドの作品群の中では後発のタイミングでの公開。
が、既視感を上書きする勢いで、岡田麿里氏ならではのオブラートに包まない描写が鮮烈な印象を残す野心作。

大人たちの停滞を押し付ける同調圧力が、子供たちの心を蝕む。
(※核心的ネタバレ){netabare} 見伏の住民はまぼろし故に、{/netabare} 痛みを感じなくなった少年たちは生の実感を得るために危険な遊びに興じる。
時間の止まった町で成長し続ける異端の“狼少女”五実から香る生の匂い。
主人公・菊入 正宗と佐上 睦実、五実との間に吹き荒れる痛切な恋の衝動こそが生の実感を与え、世界を壊す暴力となる。

展開も概ね予想の範ちゅうで、シナリオ自体の衝撃で驚かせると言うより、
エッジの効いた表現で、鑑賞者の心にも傷痕を刻む感じ。

ただその傷痕はトラウマにはならず、むしろ停滞した社会の中でも価値を見出す希望や、
痛みを伴ってでも未来へ進む勇気といった、ポジティブな痛みとなって残る。
事前PVが醸す危険な印象や、作中私が喰らったダメージを思えば、やはりガード必須な岡田麿里作品ですが、
鑑賞後の後遺症は意外と残らない前向きな作品となっています。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・MAPPA

背景美術にも積極的に作画を入れて登場人物の心情を反映する世界の潮流。
この最先端を走る海外アニメ映画などを観ていると、日本アニメはちょっと敵わないのではないか?と悲観してしまいますが、
本作の少年少女の恋心の痛みなどに呼応して裂ける空などを眺めていると、
MAPPAや『さよ朝』チームならばJAPANもまだまだ食らいついていけるのでは?と希望がわいて来ます。

“狼少女”五実の{netabare} おまる洗浄シーン{/netabare} など匂いを意識させる作画もまたオブラートに包まず、
痛覚と並ぶ生の実感を体現。

その他、冬と夏を活用した心情表現。
(※核心的ネタバレ){netabare} ずっと冬が続く見伏市のまぼろしは、裂け目から覗く現実世界の夏の盆祭りに魂を呼ばれるように霧散して行く。{/netabare}
(※核心的ネタバレ){netabare} 正宗と睦実のキスシーンの熱を表すように、裂け目から降り注ぐ夕立が雪を溶かす天候描写がエモ過ぎます。{/netabare}

正宗が描き続けている作中イラストの上達ぶりは、
停滞した町でも、人間は成長できる好例としてテーマ深化のスパイスとなる。


90年代で止まった街ということで、小物デザインも花柄ティノポットなどが当時を再現。
もっとも私は萌えアニメキャラの装備品たるブルマとは異なる、
リアルに存在した女子中学生の生々しいブルマの揺れ動きの再現カットに、
作中の中学生男子共と一緒に鼻の下を伸ばしていたわけですがw


【キャラ 4.0点】
主人公少年・菊入正宗と同級生・佐上睦実。身体は思春期、心を凍りつかせたままで大人になっていく同級生。
二人の間に心は幼気で無邪気なまま身体が成長していく奔放な五実が入っていくことで、
震源のトライアングルが活発化していくメインキャラ相関。
(※核心的ネタバレ){netabare} 外の現実世界では夫婦になる正宗と陸実の娘が五実。{/netabare}
五実は正宗と陸実にとって諦めていた未来を垣間見せる存在でもある。

停滞を強いる大人の同調圧力に対し、イラストを書き、自分確認票提出をサボって抵抗する正宗。
それでも停滞は少年の心を確実に蝕んで行く。
その苛立ちを自分確認票をペンで書き破ってぶつける描写が痛切でした。


心の変化を禁じている見伏市ですが、街を回すためのスキル習得には意外と寛容。
正宗たち中学生も運転免許を取得して老祖父の送迎などに車を活用。
終盤“合法的”な中学生によるカーアクションも実現し盛り上げに一役買う。
(これなら二次元世界でも学生の違法行為の取り締まりを叫ぶ真面目なネット警察諸君も、ぐぅの音も出まいw)
運転スキル習得のキャラ設定もまた停滞していても人間は成長できる一例を示す。


【声優 4.5点】
主人公・正宗役の榎木 淳弥さん。
陽気なボイスが特徴的な声優さんですが、本作では少年の葛藤をぶつける鬱モード。

ヒロイン・陸実役の上田 麗奈さん。
妖艶なボイスで、えのじゅんを挑発し、“謎の同級生”を構築。

そして“狼少女”五実役には、痛みにのたうつロリボイスに定評がある久野 美咲を指名。
“暴力的にピュアにして欲しい”との監督のディレクションに応える。

メインキャスト3人は実際にトライアングルを囲んで収録を行う異例の体制で、
コロナ禍で広がった分散収録の流れに一石を投じる。

この成果が一番出たのがやはり(※核心的ネタバレ){netabare} 正宗と陸実の濃厚キス現場を五実が目撃し心に激痛が走るシーン。{/netabare}
分散収録か否かなど聞いても分からない私ですが、
あのシーンからは同時収録ならではの生々しい三角関係が確かに伝わって来ました。
何より上田 麗奈さんの妙演がたまらなくエロティックでした。


正宗の失踪中の父・昭宗役に瀬戸 康史さん。
残された母・美里を見守ると称して恋心を打ち明けられない叔父・時宗役に林 遣都さん。
中堅俳優に年輪を刻んだ煮え切らない大人のトライアングルを託す。
俳優タレントの劇場アニメ起用への文句も多い私ですが、
このポジションへの俳優キャスティングには納得感がありました。

見伏市の体制側にカルト要素を注入した神官・佐上 衛役の佐藤 せつじさんも、
映画吹替経験も生かした明快な狂人ヒールぶりで機能していました。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は横山 克氏。
音響彫刻シデロイホスの神秘的な金属音によるヒビ割れる空の演出強化。
退廃のバックグラウンドに響く高校生コーラスによる思春期の絶望表現。
未来の希望を象徴する海羽さんの歌声。
私は本作を横山氏が新機軸で、さらにもう一つ殻を突き破った作品としても記憶に留めたいです。

ED主題歌は中島 みゆきさんの「心音」
起用の一報を耳にした時は、歌手の世界観が強烈過ぎるのでは?との懸念もありましたが杞憂でした。
歌詞世界と作品のシンクロ率では本年のアニソンの中でも屈指だと思います。



【余談】長いひとり語りになるので読まなくても結構ですw

見伏市が停止した1991年は奇しくもバブル崩壊による不景気が始まった時期。
私にとって本作は“失われた30年”の日本社会の停滞から若者が受けた影響を否応なしに想起させられる。
作品そのものから感じる痛みより、私の内面に封印していた古傷が疼いてのたうち回った劇場鑑賞でもありました。

この30年変革も多々ありましたが、基本的にバブル後に日本が取った施策は変わらないことによる安定確保。
こうして停滞した社会というのは、極度に変化や異物を恐れる。
過剰なまでの無菌無臭の追求。公園の砂場にまで除菌した砂を敷き詰める狂気。
地毛の茶髪まで黒に染めさせる校則というのは今にして思えば事なかれ主義をこじらせた、とんでもない差別行為でした。

ゼロ年代。ロスジェネの若者たちの間で、布団を日向で干した匂いがするアロマがちょっとしたブームになった事も。
同時期に社会問題になったリストカット。理由は個々人により様々でしょうが、
本作みたいに停滞の中で、生の実感を渇望し痛みを求める少年たちを抽象化された物を直に喰らうと、
停滞は人の心を確実に殺すことを痛感します。


私の中学時代はブルマがハーフパンツに切り替わった時期。
同時に体育での水泳復活も協議されましたが、ここも事なかれの校長の強硬な反対により廃案に。
私にとって中学生のスクール水着女子というのは完全に二次元世界の幻想に過ぎません。

高校時代には修学旅行にて女子生徒たちが共同浴場を使用せず客室シャワーで入浴を済ませるという事案が問題視。
教師が裸の付き合いをする意義を説教したわけですが、
私は、中学時代に水泳など同性同士の着替えやボディーラインを見る機会すら徹底排除しておいて、
何を今更と呆れて聞いていました。

かと思えば恋愛禁止論をぶち上げて受験戦争に立ち向かうよう発破をかける先生方もおられて。


そんなこんなで大人になった我々の世代は、今の若者は草食系などと揶揄されたわけですが、
殺菌消毒された草ばかり食わせておいてそりゃないよ~と恨めしく思ったわけです。


本作は岡田麿里作品の中ではマイルドな部類かもしれませんが、
私の抱えた諸々のイタい思い出がむき出しにされてしまう辺り、やはり劇物に指定される作品なのだと思いますw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 27

67.3 6 中学生で感動なアニメランキング6位
聖女の魔力は万能です Season2(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (127)
438人が棚に入れました
ある日突然「聖女」として異世界に召喚された20代の会社員・セイ。元々の植物好きを活かして薬用植物研究所で働き始めるが、仕事人間ゆえの生真面目さに“聖女パワー”が加わり、セイは効果5割増しのポーションを次々と作り出す。 さらに、魔物討伐では凄まじい威力の浄化魔法を発動し、セイの評価は爆上がり!「聖女」であることも正式に認められ、スランタニア王国の救世主として、人々の尊敬を集めていく。 そんな彼女を見守り支えてくれるのは、研究所のヨハンやジュード、宮廷魔道師団のユーリ、そして、互いに惹かれ合いながらも、いまだ恋人未満な“氷の騎士様”アルベルトだった。 王国の最重要人物となってからも相変わらず研究三昧なセイだが、アルベルトとの仲は少しずつ深まって、恋模様にも新たな展開が――!?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

客観的には面白さは…ただ、ファンとしては美しく終わらせてくれてよかった。

 終わりよければすべてよし…とファンの立場からは言いたいところですが、面白さでいえば2期は1期から半減以下になりました。ファンて、何か月かに1度に出版される新作を楽しみにしますので、実際よりも作品を過大評価します。自分でもどこか冷静な部分で面白さが減っていることはわかってるんですけど、感情的にはそう思わないで面白かったと言うでしょう。

 でも、こうしてアニメで見せられるとその現実は明らかです。始まる前からなんとなくわかってましたけどね。

 ただ、ここのスタッフはそれでも演出と作画でがんばったと思います。リズとのお茶会のシーンなど上手く作ってました。そして終わらせてくれたのでなんとなく納得が行きました。

 まあ、これ以上は言いますまい。美しい最終回でした。

 評価は…オール3…で、作画だけ4.5。美しいですが動きに乏しいので。
 


1話 面白さは1期がピーク。それ以降も話のレベルは高いですが…

{netabare}  本シリーズはアニメ1作目の1話ですっかりはまってしまって、原作は小説・コミック・スピンオフは既読です。

 で、先に言えば私にとって面白いのは、1期までの部分です。カイルとアイラとエリザベスの3人の関係性が異世界転生ものの聖女シンデレラストーリー系ではかなり出来がよかったし、聖女の力の設定と物語がマッチしていました。ストーリーとキャラに力があったと言えるでしょう。キャラの心理に深みがありました。

 ですが、それ以降ですね。沼問題以降です。ホークとの関係は安定していますし、設定上ホークエンド以外の違う結論はないでしょう。そして、いい味を出していたカイルが退場していますので、人間関係が非常に単純化されて、その後の話の展開は一般的ななろう系に近づいてゆきます。2期1話目で早速「商会」が出て来たりします。
 そうはいっても、この原作者は筆に力があるのか、それぞれの設定やキャラ、エピソードは良くできているし、面白いことは面白いです。人によっては2期以降の方が見たかったストーリーと言えるかもしれません。
 何よりホークとの結末はわかっていても見たい、見せたいところでしょう。原作はまだ終わってないですが結末にどんでん返しはないでしょう。

 私は本作の2期以降は「魔法使いの嫁」と一緒ですね。ファンとして最後まで続けてもらいたいし楽しませてもらいます。でも、やっぱり1期を越えることが出来ず、つまり原作ももっと早い段階で畳んだ方がシリーズの深みは増したような気はします。その辺は人それぞれでしょう。

 アニメ1話目見ましたが、相変わらず異世界ものとしては非常にいい出来です。空気遠近法というのでしょうか。焦点の使い方が上手いですね。それと構図ですね。特に人の位置関係が秀逸です。

 と言うわけで、ファン心理としてあまり批判したくないけど、批判したい気持ちもあります。というジレンマがある作品なので残りのレビューは最終回後にします。{/netabare}


2話 尺伸ばしが感じられないスピード感がすばらしい。

{netabare} レビューは最終回後といいましたが、一言だけ。原作ストックを気にしない面白さ重視のスピード感と構成に制作者側のレベルの高さが感じられます。「俺ガイル」の原作者でもある渡航氏のシリーズ構成が素晴らしいのでしょうか?
 2期分割のマイナスを感じさせない上手な作品として「陰実」と本作は素晴らしいと思います。{/netabare}


6話 テンユウ編はちょっと気が抜けた?特に6話は構成とセイの顔に違和感が…

{netabare} 今のところテンポ良く話が進んで面白く見ていますが、6話でちょっとセイの顔のパーツのバランスと横顔の輪郭線が結構乱れたように感じました。アップはあいかわらず丁寧な気がしますが、引き画の時です。

 それと構成がテンポがいいのはいいんですけど、ちょっと今話はペース配分はどうかな?と思います。母との思い出を短くしても良かったのでは?

 ファンとして見ているので、いいんですけどちょっとテンユウ編は出来が他の話と比べてん?と感じてました。6話で特に感じたので一応。{/netabare}


6話追記 リンゴとハチミツかあ…まあ、カレーが食べたくなります。ネタ切れ感は隠せないですね。


7話 中間総括。ストーリーはやっぱり良くない。が、演出、構図、止め絵等々で素晴らしいシーンを作り上げました。リミテッドアニメの方向性が見える作品だと思います。

{netabare} 7話前半の女子のお茶会のシーン。良かったです。華やかさもそうですが、見せ方と各キャラの演技がとても良かったです。話の内容は凡庸なんですけど、アニメの力でかなり見られるシーンに仕上がっていました。
 だからと言って、派手な作画でヌルヌル動かしているわけでもエフェクトでごまかしているわけでもありません。そこは非常に良かったです。声優さんの演技も良かったと思うし。

 で、まあ、本作の中間評価ですが、やっぱり1期の話の作りの良さに比べると、尺伸ばしの為に差し込んだエピソード感はすごいですね。私のように本作1期が本当に好きで、且つ、コミックスの美しい作画に惚れて、原作をそろえている人間からしても、レベルダウンは隠しようがありません。

 ただ、この作品、そうはいっても比較的潔く終わるような感じもあります。つまり、シンデレラストーリーとしての結末です。そこを2期で綺麗に見届けられるなら、私としては本望ですので、それで良しとします。 {/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

聖女様の素敵な異世界生活

女性版チート無双アニメかな
最強になって敵と戦う男性主人公に対して多彩な才能で上手に生きる女性主人公のなろう系
結局無双することに違いはないけど、敵とチートで戦うアニメが多すぎて、そうじゃないってだけで少し有利な気がしますね

雰囲気はとてもいいけどスローテンポで単調なのは変わらず、2期になっても変わり映えしない展開に途中で飽きてきたけど
終わり方がとてもスッキリしていて見たかった結末が見れたのは良かった

セイに都合良すぎる感じはあるけど、周りのイケメン達もセイを巡ってガチの争いしたりドロドロしたりしない、聖人君子ばっかりで好きなことをやって優しいイケメン達に囲まれて、時々聖女様の仕事して、親友もできて充実した聖女様生活って感じだった

最初は「お前いたの?」みたいな盾の勇者みたいな不遇扱いされたセイが、すっかり充実した幸せな異世界生活送ることができていて、雰囲気良くストレスなく見れる安定したアニメでした

投稿 : 2024/04/20
♥ : 17

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ハッピーエンドで良かった!物足りない感じもしますが…。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.30

 主人公のセイさん、聖女としての役割を全うします。物語としての山は1期で終了しているので、後日談と言った所でしょうか。

 おぼこムスメがイケメン達を翻弄する様な話でしたが、本命をゲット出来たと言うことでOk?

 登場人物達が全員イケメンのモテ男なので、セイを巡って醜い殺し合いとかをしない所がノーストレス!任務中にライバル殺っちまうかとか考えない良い人だらけ!

 現実なら、お前が俺等の口説ける女で一番の上モノなんだよー!で男性構成員同士が険悪になりそうなヲタサーの姫プレイ突入ですが、イケメン動物園の住人は違いますなぁ〜。

 やってることは無意識サークルクラッシャーだけど、周りが良い人なので倫理的にもノーダメージクリア!ご都合主義ですが、これもありかなぁ…。

 女性主人公のハーレムモノは、ヘイトを集めず終わるのが難しいですね!誰も選ばずに何股もかけたり、逃亡する男主人公よりは良心的です。
………………………………………………………………………

 6話まで観ました。2023.11.09

 1期から観てきました。1期でもそんなにハラハラ展開はありませんでしたが、2期で聖女の地位はさらに盤石になりました。後の山はどのイケメンとくっつくか位です。

 万能ポーションもすぐに完成!もう6話にしてやること無いですね。人体実験とかしないんですね。まぁいいです…。

 ポーション頼みで生き抜きますに比べると、おとなしい主人公のセイ。

 淡々としており、悪くは無いですが、これが理想の女子なのか…。万能ポーション作れんぞ!とイキって天下に号令する気概が欲しい様な欲しく無い様な。

 野心溢れる士大夫の観るアニメでは無い様です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 3

78.5 7 中学生で感動なアニメランキング7位
劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(アニメ映画)

2024年2月16日
★★★★★ 4.3 (33)
99人が棚に入れました
バレーボールを題材にした古舘春一の漫画原作のTVアニメ第4期から続く劇場版FINALシリーズ第1部。“ゴミ捨て場の決戦”と呼ばれる音駒高校戦を描く。稲荷崎高校を破り春高3回戦に進んだ烏野高校は、因縁のライバル・音駒高校と初めて公式の舞台で対戦する

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

カメラワーク

原作未読 84分

事前に、ハイキューのアニメを全て試聴してから観ることをオススメします。

「烏野高校VS音駒高校」 通称“ゴミ捨て場の決戦”の試合を描いた作品です。

過去の映像もちらほらとありましたが、ほぼ丸ごと試合でしたね。カメラワークも凝っていて自分がコートの中にいるような大迫力の映像でした。

ハイキューファンの方は是非劇場への視聴をオススメします。

主題歌は、SPYAIRさんが歌っています。

最後に、私の観た回はお客さんは7割ぐらいでした。横並び観客の中で映画鑑賞中に携帯触ったり、喋ったり(ボソボソ)と集中出来なくて楽しめませんでしたね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シリーズ未見で突撃した結果……アニメスポーツ観戦の可能性を再認識

【前書き】
原作、アニメ未見で無謀にも劇場版最新作を鑑賞したことに関する弁明。

お目汚しなので折りたたみw
{netabare}
私にも、乗り遅れてしまったけど、いつか時間があったらマラソンしたい長期シリーズの代表格が3作あって、『ハイキュー』はその一角。
アマプラでもしょっちゅう視聴をオススメされますw
(因みに残り2つは『ヒロアカ』と『キングダム』)

スポ根への飢餓感が出る度に、いい加減そろそろ『ハイキュー』観ようか、
でも今更あの話数を追い掛けるのはな……と躊躇を繰り返す内に、
原作は完結し、TVシリーズは4期80話超に積み上がり、作中登場するガラケーは現実世界ではスマホに取って代わられ。

完全に時代に置いて行かれた、そんな折、
丁度スポ根渇望の強い発作が起こったタイミングで飛び込んで来たのが、
本劇場版の興行ロケットスタートの一報。
予習復習してからとか言ってたら一生行けない。
このビッグウェーブに乗って行ってしまえと飛び込んだ次第。{/netabare}

初手で、いきなり劇場版最新作に挑むというのは、置いてきぼりになる可能性大ですし、
何よりシリーズをずっと追いかけて来たからこそ味わえる感動を放棄しかねない悪手。
やっぱり記憶を消してもう一回シリーズの最初からと後悔してもあとの祭り。

私はそこも織り込んだ上で覚悟を決めての劇場鑑賞でしたが、良い子は真似しないようにしましょうw


【物語 4.0点】
春の全国高校バレー・烏野高校VS音駒高校の一戦を描く。

一試合丸々と言えば映画『THE FIRST SLAM DUNK』のヒットが記憶に新しいです。
あの映画、私はもちろん山王戦を知った上で行きましたが、なにぶん見たのは20年以上前のことで細かい部分までは覚えていませんでした。
でも最悪、両校メンバーの経緯とか分からなくても、外野の観客席視点からゲームに熱狂するだけでも一定の満足度は得られる。
アニメ映画一本ワンマッチというのは、作品理解の深度に応じて色んな楽しみ方ができる間口が広いコンテンツと認識。

私が初手劇場版最新作の賭けに出たのも、『スラダン』が念頭にあったから。
本作ヒットの要因も、また『スラダン』みたいにスポーツ観戦を劇場で堪能できる作品をとの需要に応えた結果ではないでしょうか。


で、今回の一戦。思った以上にライバル校・音駒高校視点だったのがシリーズ初心者には有り難かったです。
練習試合などで何度も絡んできたという両校メンバー個々人ごとに築かれたカップリングの深い味わいとか、
世代を越えた監督の関係性から見るこのゲームの因縁と意義とか、
両校間の腐れ縁を共有できていない私には当然拾えません。
ですが主人公・日向 翔陽ら烏野高校が積み上げて来た物を理解していないと状況すら分からないとかではなかったので、
少なくとも完全に置いてきぼりにはなりませんでした。

ライバル校視点から見て、“妖怪チビガラス”擁する烏野って、見る度どんどん変わっていく。
良い意味で気持ち悪いチームだな~と外野から感心していました。
勝つために何でも取り込む両校の雑食感。『~ゴミ捨て場の決戦』とは言い得て妙です。

状況理解の面で苦労したのはAパスだの、ブロードだの、バレー専門用語が解説なしに乱れ飛ぶ点。
私は長年愛読しているバレー漫画『少女ファイト』や定期的にテレビ観戦する世界バレーで付け焼き刃した知識を手がかりに何とか喰らいつきました。


鳥人軍団・烏野のアタックなど派手な空中戦だけでなく、
駆け引きを通じてバレーボールの奥深さを再認識できる試合描写にも感心させられました。
(まぁ、それができてない漫画が6000万部売れたりしませんよねw)

バレーのTV中継など見ていると、ジャンプの最高到達点だけやかましく叫んだり、
あのプレーは運がなかったですね~あれで流れが変わりましたね~とか、
今日の10番調子悪いですね~とか素人目から見ても浅い実況が耳に障ることがあります。
が、本作は外野からは運に見えるターニングポイントを引き寄せるため、
助走距離などを焦点に、コート上に様々な権謀術数が交錯していたことを選手目線で共有できたのが嬉しかったです。
{netabare} カラスを地上に引きずり下ろす猫。{/netabare} バレーの魅力を存分に堪能できたナイスゲームでした。


【作画 4.5点】
1期からProduction I.G.がアニメーション制作している本シリーズ。
同スタジオはスポーツをどう描くのだろう?
この興味も私の『ハイキュー』視聴欲求が途絶えなかった一因。
加えて一昨年サッカー漫画『アオアシ』のNHKアニメ化で感じた、
アイジーは試合の過程で熱くなれる作品要素もしっかりと再現できるとの信頼も、
今回の劇場版最新作ダイブを後押しする背景に。

その信頼は冒頭、烏野の日向 翔陽はカラス、音駒の孤爪(こずめ)研磨は猫。
比喩のキーとなる動物の描き込みの細かさを見て確信に変わりました。


どんな競技でもキチンと描けば作画の消耗は激しくなるもの。
中でも特にバレーボールは得点シーンの多くが空中で展開されるため、空間の再現は困難を極める。
主要スポーツでバレーだけ世界でもまともにヒットしたゲームがないのは競技人気だけではないでしょう。

本作では試合中継、観客、選手目線と様々な視点から描写することでバレーボールを好表現。
やっぱり一番ドキドキしたのはクライマックスの孤爪の一人称視点でしょうか。


汗の描写にも手を抜かない姿勢も好感しました。
必死な青春を演出するだけでなく、ゲームを左右する要素としても絡んで来る汗。
展開に説得力があったのは作画が汗もちゃんとカバーできていたからだと思います。

作画もカメラワークもサボらない。アイジーにはスタミナがあります。



【キャラ 4.0点】
試合前、テレビ中継実況でなされるスタメンとポジション紹介。
シリーズ追って来た人にとっては粋な演出。
初心者の私にとっては最低限の顔と名前を一致させる命綱ですw

このまま控えメンバーも含めた群像劇の百花繚乱となれば新参者は取り残されるのが必定。
ですが、本作は音駒の孤爪 研磨と、彼をバレーボール沼に引きずり込んだ同じ部の黒尾 鉄朗、もっとバレーを楽しいと言わせたい烏野の日向 翔陽の3人を中心に比較的焦点が絞られていたので、折り合いは付けやすかったです。

その中で実質的な主人公視点を提供したのが孤爪。
別にバレーが面白くて続けているわけじゃないと冷めた性格。
彼と一緒にバレーの楽しさ、『ハイキュー』の面白さを認識できる視点で歩めたのも有り難かったです。
私も疲れるのは嫌なので、スポーツはやるより観る方が好きですしw

大会結果よりも孤爪にバレーで楽しかったと思い知らせてやることが悲願。
これもシリーズ視聴積み重ねていないと深くは分からない要素なのでしょうが、
分かっていない私でも孤爪陥落の悲願達成にはもらい泣きしそうになりました。


【声優 4.0点】
主演・日向 翔陽役の村瀬 歩さん。
熱血少年からプリキュアまで高音ボイスを巧みに操り多彩なキャラを演出する私が尊敬する男性声優。
彼の代表作である本シリーズを一度はというのも視聴欲求が途絶えなかった一因。
時に女声までカバーする柔らかさだけでなく、本作では春高バレーの歓声にも負けないパワーに心を揺さぶられる。
村瀬さん流石です。

そんなCV.村瀬 歩さんとマッチアップしたのが孤爪 研磨役のCV.梶 裕貴さん。
周りにも実力ある男性声優が揃い女子でない私でも終始耳が幸せでした。

エンドロール後にもパートがあるので離席厳禁。
次は{netabare} CV.花江 夏樹さん{/netabare} が相手ですか。オールスター級ですね。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は林 ゆうき氏と橘 麻美氏の1期からの共作が継続。
林氏のパワフルな金管とストリングスが好物だったというのも、
長年視聴欲求が途絶えなかった一因……と、ここまで要因が重なると、
私の今回の『ハイキュー』初鑑賞は必然だった気がしますw

林氏だけだとストリングスが綺麗過ぎるとなるような場面を、
橘氏の荒々しいバンドサウンドがフォローする。
両者のコンビネーションにも円熟味を感じました。


ED主題歌はSPYAIR「オレンジ」
ギターサウンドが心地よい良作青春バラード。
1期から主題歌を数多く提供しているとあってタイアップ歌い慣れている感はありましたが、
初心者には甘酸っぱい果実の奥深いところまでは拾い切れず。


バレーのスパイク音など効果音も良い仕事していました。
翔陽が一番高く飛んだ時、コートの床がキュッ!と鳴る音。
良い音が響いていました。


【余談】
劇場鑑賞後、原作のカラー版刊行が進んでいることを知り、
取り敢えず初巻からゆっくりと読み進めることに。
今後やっぱり映像でも観たいとなればアニメつまんでみるのも良し。

いずれにせよ作品理解を深めていく中で、今回の初手劇場版最新作の愚行を、
じっくりと後悔したいですw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

デジャブなスラムダンク現象。結局私はスポーツが見たいんじゃなくて「少年漫画のアニメ」が見たかったんや…。 

もう今年一番の楽しみだよぉ〜と走って満員の劇場に駆けつけて鑑賞。しかし、凄い技術が繰り広げられてるけど徐々に心が冷えていく…。あれ?なんかこれデジャブだなっと思ったらまんま一昨年の「スラムダンク」の映画を見てる時と同じじゃん!という結論に達しました。


 だから正直自分としてはテン上げノリノリには残念ながらなれませんでした。ただ、一目見て誰の目にも凄いですから「スラムダンク」ほどではなくても大ヒットしそうなのでファンとしては複雑ながら喜ばしいことかと。



 映画「スラムダンク」のレビューと多少繰り返しになっちゃうかもですが、本作もリアルタイムスポーツを見てるような体験を目指して作られており、クライマックスのトンデモナイ描写とか正気の沙汰じゃない技術だと思います。故に尺が90分足らずでも一試合充分に収まっているのですが…。


 考えてみるに今までのハイキューは、決して昔のジャンプアニメみたいに過剰な引っ張り芸ではなかったものの重要な試合ではたっぷり時間をかけてきました。白鳥沢戦はほぼ1クール即ち5時間くらい。稲荷崎戦も同じくらいかけていたと思います。他の作品でも書いてきましたが、盛り上がる展開を充分に作るにはどうしても溜めや積み重ねが重要であり、ピラミッドを築くような手間と時間がかかるものなのです。


 
 通常の映画のように2時間なら2時間で完結している形式ならともかく、長い連載形式の少年漫画の映像化となるとそうはいかない。そのテンポ感や感覚がTVアニメでは充分にできていた。だからこそ私は近年のジャンプ漫画のアニメではピカ一の出来栄えだと評価してきました。しかし、本作は「スラムダンク」のヒットの影響なのか、映画一本で収めるという外的要因があったのか、それを捨ててしまったのでアニメーションは凄いが感情が爆発するほど高揚する瞬間(今までのシリーズのクライマックスにはみんなあった)がない…。


 さらに、といっても完全に試合だけを描くわけにはいかないからコミカルなシーンや回想がインサートされるのですが、今までだったら上手く機能していたそれらがあまり上手くいってない…。試合は無駄なシーンをできるだけ削って、ほぼリアルタイムな感じで進行してテンポよすぎなくらいなのに、それらが入ってくるとテンポが崩れるというか浮き上がってしまって辛い…(特にコミカルな部分)。更に短い尺を食っちゃうから実際の試合時間は更に少なく薄まってしまう。



結局「スラムダンク」と同じ結論で、大ヒットしてめでたいけど、私としてはオーソドックスにやって欲しかったなぁ…ということに尽きます。色々あったのかもですが。


 以下は私の勝手な妄想の駄文ですが原作あえて読んでない組としは、今回の試合ならそれこそ「スラムダンク」の決勝の陵南戦みたいに、音駒の方が圧倒的にリードされてる状況でクロが怪我とかで離脱してしまい絶対絶命の状況になるも「烏野高校には不安要素がある」な展開になって、そこからリエーフの覚醒や研磨の戦略もあって怒涛の勢いで追い上げるも、最後は「日向翔陽こそ音駒の不安要素だったというのか…」みたいなったら良いなぁ〜なんて夢見ていたのに…。



 長文書きましたが、やはり私はスポーツが見たいんじゃなくて今まで通り「少年漫画のアニメ」が見たかったという結論です。だってそれが好きでファンになったので。ただ、次の映画も含めてこれだけヒットしているんだから鬼滅の「無限列車編」ように増補してTVアニメでもやってくれるとしたら大いに期待しちゃいます。こうなると「ルックバック」に期待せざるをえない!。


 後で漫画も読んで見ましたが、やはり延々と終わらないようなラリーの応酬がポイントなんだし、この話はサクッと映像化するのは無理があったと思います。別に2時間半とかでも面白ければ全然気にしないし。 

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6
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