冒険でシリアスなおすすめアニメランキング 20

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの冒険でシリアスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番の冒険でシリアスなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.8 1 冒険でシリアスなアニメランキング1位
ヴィンランド・サガ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (417)
1619人が棚に入れました
千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。最強と謳われた戦士の息子トルフィンは、幼くして戦場を生き場所とし、幻の大陸"ヴィンランド"を目指す――激動の時代で巻き起こる、本当の戦士の物語(サガ)。

声優・キャラクター
石上静香、上村祐翔、松田健一郎、内田直哉、小野賢章、大塚明夫、安元洋貴
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

人生の地図を描くこと

原作幸村誠、WIT STUDIO制作。

風は雄弁に語り、鳥と戯れ、
ロングシップは新天地を求め航海を続ける、
彼の地の名はヴィンランド。

10世紀を前後して、
西欧諸国を恐怖に陥れたヴァイキングですが、
スカンジナビア半島の単なる略奪者ではなく、
新天地や交易を求める商人であったと、
最新の文献では伝えているみたいだ。
永久凍土の大地では農耕に適さない、
家畜の生産性もきっと上がらない、
生きるための必然的選択であったのでしょう。

Aimer、miletの楽曲が静かに心に響く。
壮大な歴史活劇に思いを寄せますね。

17話視聴追記。
{netabare}善悪を超えた場所に戦士としての矜持がある。
まずもって描くべきはその執念であろう。{/netabare}
まとめて観ると物語の見通しが良くなり、
感じることも増えて来ました。

最終話視聴追記。
怒涛の後半戦、お見事。
歴史大河は単話ごとでは評価できない。
{netabare}主人公の復讐劇としては説得力がないが、
アシェラッドの復讐劇、クヌートの変貌が、
序盤の目玉とすれば評価は上がりますね。{/netabare}

命を賭すまで人を動かすものとは、
そして私にはそれがあるのだろうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

2019年秋期マイベスト

原作未読 ※大作。まだ完結してないらしい


NHKでやる以上きっちり進行してくれそう。万策尽きるのを許されなさそう、と勝手に期待してます。
漫画原作。西暦1000年近辺のデーン人(北方ゲルマン人)をメインキャストとしてイングランド侵攻などを描いた歴史ファンタジー全24話。
北欧だからといって神話を絡めた異能バトルが展開されるということもなく、実在の人物や地名を登場させながら史実に寄せつつも創作に舵を切った物語です。

録り溜めていたのを観るにあたって最終話のサブタイが目に入ってきました。

{netabare}『END OF THE PROLOGUE』{/netabare}

心構えができたのでむしろ有り難かったです。

剣はあるが魔法は無い。神々が降臨することも妖精の力を借りることも萌え萌えきゅんもありません。


  歴史フィクション


『アンゴルモア 元寇合戦記』が近いかな。また『キングダム』『蒼天航路』『横山三国志』。男の子が好きそうな系譜です。あまり見かけない路線なのでせっかくなので堪能したい。
“サーガ”って中世アイスランドで成立した古ノルド語による散文作品群の総称らしいですね。こうした発見も面白い。

土地名、人物、年代やイベント。まっさらで臨むのも楽しい。
歴史にまつわる各人の知識との照らし合わせ作業も楽しい。この時代についてはせいぜい

【ふわっとイメージ】
・イングランド地方にヴァイキングが立てた王朝あったよな
・フランク王国ってまだあったっけ?
・ノルマンコンクエストってこの時期だったような

十字軍がイスラム世界からいろいろ持ってくるまで。大航海時代で富をヨーロッパに持ってくるまで。ヨーロッパ地域は地球儀見回しても後進地域。蛮族らが荒ぶってるイメージでした。アニメ作中で答え合わせしてもおおむねイメージ通りです。

【Wiki調べ】
・1016年デンマーク王クヌートによるデーン朝成立
・1066年ノルマンコンクエスト ※混み入るので各自調べて!
・フランク王国は9世紀には滅亡してたみたい


ん?クヌート?それは置いときます。
日本では紫式部が『源氏物語』、清少納言が『枕草子』を描きあげてる頃です。
世界史は縦と横で読み解くと面白いですが脱線が止まらなくなるためアニメに戻ります。



ほぼ馴染みのない時代とエリア。ふわっとした知識背景はあるもののほとんど知りません。

 まっさらで臨むのも楽しい

結果、めっちゃ楽しんでました。歴史ものが好きなら迷わず行けよ!
アニメ的にどうこうは他の方に譲りますが、一言で片付けると


 {netabare}濃ゆい{/netabare}


以上です。

後期OP「Dark Crow」イントロのバグパイプはとってつけた感ありだがMAN WITH A MISSIONはやはりかっこいい。
前期ED「Torches」Aimerさん好き。



2クール長丁場と思いきや、あくまでプロローグ。これで続編なければ詐欺ですよ。
最後に魅力と感じた点について触れておきます。


■死に方

濃い物語ではあるが深いのか浅いのか測りかねてることがひとつあります。

※ネタバレ閉じます

{netabare}トールズ(CV松田健一郎)とアシェラッド(CV内田直哉)の二人の男の死に様がよい。
「本当の戦士に剣などいらぬ」何故? 答えは私にもわかりませんが高潔な志は伝わってきます。
「母の地ウェールズ」執着なり生きる意味を故郷ウェールズに見出してます。
二人とも譲れないものがあって守りたいものがあります。

無駄死にはしません。譲れないものを守るための最善の策を導き出し即座に死ぬ覚悟を決めます。
トールズはアシェラッドに。
アシェラッドはクヌートに。
後続に託すに足る人物を見定め信頼します。トールズにとってアシェラッドは敵ですよ。数回のつばぜり合いと短い会話で相手の本質と意図を見極めてるから託せるのです。そして、アシェラッドが顔を見れば器が分かるとしたのは伏線です。クヌートの人相の変化をもって臣下として殉ずる覚悟をだいぶ前から持ってたのでしょう。

 常在戦場

ですね。二人とも守りたいものを守ることができました。{/netabare}


さてそうなると、釈然としないことがひとつ生じます。


■トルフィン(CV上村祐翔)

{netabare}“本当の戦士は剣を持たない”
この父トールズの教えを省みるシーンがただひとつもない。24話終わって未だ復讐の虜囚である。{/netabare}

{netabare}まだプロローグということで不問にしてますが、いつか向き合う日がやってくるんでしょうか?
最初の村でトールズは素手で短剣を握り血まみれになりながらトルフィンを諭そうとしましたが受け止めきれてなさそうでした。その短剣は父の形見として所持しつつも、父の教えが回想としても流れる場面はありませんでした。
命のやり取りをしたアシェラッドはトールズの意図を深い部分で理解してても不思議ではありませんし、トルフィンをあしらいながら、「お前、親父の気持ちわかってやれよ」の気持ちで接していそうな節もありましたが、明示するシーンはありませんでした。

『復讐からはなにも生まない。剣で生命を奪うのは戦士の務めに非ず。生かすんだ!』

みたいなありきたりでしょぼい結論にならないでほしいと思います。{/netabare}


1.{netabare}そもそも荷に隠れて航海についてきてしっかり足手纏いになった自覚ないだろう{/netabare}

2.{netabare}父をヘタレ戦士でないと確かめたくて戦場についてきたわけで前日夜の父の説教ガン無視じゃん{/netabare}

3.{netabare}青年期に至る長い期間で少しは考えなかったのかなぁ。彼を助けた母娘の悲劇とかに何も感じなかったのだろうか{/netabare}


今のところ致命的にオツムが不自由な男の子にしか思えないわけですが、それも自分が平和ボケして現代の感覚で彼を見てるか答えは出てません。
そしてしっかりサーガしてます。2期があるならきっと観ることでしょう。


占領した地での略奪・虐殺。そしてレ○プは常であったであろう時代の話。
直接描写は控えめなものの、エロとグロの後者の雰囲気は充分伝わってきました。前者はさすがにNHKじゃ無理だったのかもで皆無です。

下手に現代の価値観に寄せなくて成功した例ではないでしょうか。
おそらく原作がそうなんだと思います。
マイナーエリアのマイナー年代を題材にした良作です。



※オマケ

これくらいのキリスト教イジリは海外でもウケそうだが実際どうなんだ?



視聴時期:2019年7月~2019年12月   

------


2020.02.08 初稿
2020.02.27 タイトル修正
2020.07.19 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 58
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

生きる意味

アニメーション制作:WIT STUDIO、
監督:籔田修平、シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
脚本:猪原健太、キャラクターデザイン:阿比留隆彦、
音楽:やまだ豊、原作:幸村誠

高校生のときに夢中になって
想像力を膨らませたのが世界史だった。
200万年前に誕生したヒトの元祖ともいえる猿人。
やがて、直接の祖先であるホモサピエンスが誕生し、
文明が生まれると、長い戦いの歴史が始まる。

私がいちばん魅かれたのは、
ゲルマン民族の大移動だった。
世界史における一大起点ともいえる出来事は、
ヨーロッパ中を席巻し、海岸に辿り着いた一派は
ヴァイキングとなって海を渡り、
アイスランドやグリーンランドに居を構え、
やがてはアメリカ大陸にも足を踏み入れた。
それはコロンブスがアメリカ大陸を発見した時代より
500年も前のことだった。
私は壮大なロマンに思いを馳せ、
このリアルな物語に夢中になった。

『グリーンランド人のサガ』と
『赤毛のエイリークのサガ』の2編の物語。
その総称である『ヴィンランド・サガ』については、
あらましだけは知っていた。
それを『プラネテス』の作者・幸村誠が漫画化し、
連載していることは、頭の片隅にはあったが、
色々な事情からまだ手に取ったことがなく、
アニメ化されるのは嬉しかった。

10世紀に実在したとされる
ソルフィン・ソルザリンが主人公トルフィンのモデル。
{netabare}レイフ・エリクソン、のっぽのトルケル、
スヴェン王、クヌート王などの
実在の人物たちが登場する。
そこにアーサー王の子孫という
架空の人物であるアシェラッドなどを加え、
壮大な歴史ロマンを紡いでいく。{/netabare}

物語の核となるのは、トルフィンの父・
トールズが説いた「本当の戦士」という言葉だろう。
「戦士に剣はいらない」というのが、トールズの境地。
それなら、一体戦士とは、どういう者なのか。
トルフィンは、本当の強さや戦士について、
長い旅のなかで考え続けることになる。

掠奪を繰り返すヴァイキングと行動をともにすることで、
多くの人々を殺めるトルフィン。
{netabare}デンマーク・スヴェン王の息子である
クヌートと出会い、国を統べることを通して
大切なことを学んでいくのだろうか。{/netabare}
24話を費やしたが、物語が今後どのように綴られるのかが、
まだ朧げにしか見えてこない。

トールズやアシェラッドは何のために生きたのか。
自らの想いや願いを別の誰かに託すことこそが
人の生きる意味なのだろうか。
(2020年4月12日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 51

88.1 2 冒険でシリアスなアニメランキング2位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1167)
5457人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

憎しみの連鎖

アニメーション制作:キネマシトラス
監督:阿保孝雄、シリーズ構成:小柳啓伍
総作画監督:鈴木 豪、山本由美子
キャラクターデザイン、総作画監督:諏訪真弘
原作:アネコユサギ

異世界系アニメは嫌いではない。
パーティーを組んでモンスターを倒すという
今では誰もが知っている物語自体に
不思議と惹きつけられるからだろう。
しかし、物語の骨格が共通のため
誰もがストーリーを作りやすいこともあり、
作者の嗜好が分かりやすく伝わってくる。
そのため、私にとっては好みがはっきり
分かれるジャンルの作品でもある。
物語が目指しているものが見えたときに
感じたのは、『盾の勇者の成り上がり』は、
私が好きな異世界ものだということだった。

20歳の大学生、岩谷尚文は「四聖武器書」という
本を読んでいるときに異世界に召喚されてしまう。
そこには、剣、槍、弓、盾の4人の勇者が揃い、
尚文は盾の勇者として召喚されていた。
4人の勇者は定期的に訪れる「災厄の波」に
対抗するために呼ばれた存在。
しかし、なぜか盾の勇者である尚文だけが
召喚したオルトクレイ王やその娘・マインから
迫害されてしまうのだった。

序盤を乗り切れるかどうかが
いちばんのカギになるかもしれない。
主人公の尚文が周りの人々から騙され、
迫害され続けるため、観ていてストレスが溜まるからだ。
個人的にはフィーロとドラゴンのレースでの
マインのやり方があまりにも滑稽で笑ってしまい、
そこから、安心して観られるようになった。
尚文が迫害されることが、この物語の核心の
部分なのだろうと思ったからだ。
おそらく盾の勇者についての本当の秘密は、
物語の最終段階にまで来なければ、
明かされないのではないだろうか。
そもそも尚文だけが「盾」の勇者ということで、
武器ではなく防具だというのは変な話で、
攻撃を受け続けることを示している。
それによって、憎悪の炎が蓄積されていき、
強大な力を持つ話になっている。

結局、何千年も続く人類の歴史で
戦争が終わることのないのは、
憎しみが連鎖するからだろう。
これを断ち切らない限りは、
私たちはいつまでも破滅の危機と
直面し続けなければならない。

マチュー・カソビッツ監督の『憎しみ』という
映画があるのだが、フランスでの
有色人種たちが差別を受け続け、
悲劇を生んでしまう様をモノクロの映像で
スタイリッシュに描いている。
フランスというとサッカーの
ジダンやアンリなど有色人種のスター選手が
多いイメージだが、反面、差別が根強いと聞く。
国粋主義者が一定数以上いて、
スラム街のような場所も存在する。
フランス国内の暗部が描かれた、
とても心に残った作品だった。

『盾の勇者の成り上がり』を観ていて、
そんなことを思い出したのだが、
この作品は、テーマや教訓を込めた童話。
明らかに西洋の童話がバックボーンにある。
だいたい、マインや教皇、ほかの勇者の行動が
あまりにも常軌を逸しているわけで、
明確な目的をもって物語が紡がれていく。
そのため些か、極端な展開になっていて
好みが大きく分かれるだろう。
例えば、先述したように盾の勇者は、
攻撃を受け続け、憎悪の炎で自らと
世界を滅ぼすほどの力を備えているように見える。
それを助けるのが奴隷商で売られていた
タヌキの亜人のラフタリアと
神鳥と呼ばれるフィーロである。
本心から信じてくれる大切な人が近くにいることが、
人を憎悪の念に縛られることから救ってくれる。

また、「災厄の波」に際して、
モンスターを退治していくのと同時に
一般の村々が被害を被り、
モンスターの死骸が周辺地域に
災害をもたらす話もある。
勇者たちがモンスターを倒すことで
後始末をしないと被害が拡大していく発想は面白い。
そんなときに尚文が人々を助けるのだが、
必ず報酬を要求する。
つまりは「ギブ&テイク」の精神だ。
人と人との関係というのは、いくら親しい間柄でも
「ギブ&テイク」を忘れてしまうと、
簡単に関係性が崩れてしまうことがある。
一方が与え続けているだけの関係性は、
いくら口では「気にしないでいい」と
言われたとしても、長続きすることはない。
これは親子であっても同様だ。
誰もが頭では分かっている、人と人との関係性の常識を
物語でしっかり伝えているのは好感だった。
この常識は最近の社会では忘れかけられていると思う。

そして、物語に一貫して流れているのは、
「信じる」とは、どういうことかということ。
盾の勇者は、ほかの使い物にならない勇者たちと
共闘しなければならないことをフィロリアルの王から
課される。人を信じたり、託すことによって、
初めて未来が拓けることを示す。
{netabare}勇者たちには、それぞれ特殊能力が設定されており、
他の勇者のことを信じることで、
その能力を全員が使えるようになっている。{/netabare}
おそらく、この物語では、人が持たなければならない
いくつもの大切なものを身につけなければ、
「災厄の波」に対抗することができないのだろう。

物語全体としては「なろう系」らしく、
設定や物語の粗が散見され、
主人公以外の頭が悪すぎてイライラする。
タイトルもこの作品が内包するテーマとは
かけ離れていると思うし、失敗だと感じる。
おそらく編集者がつけたのだろう。
しかし、キャラが魅力的で、
やりたいことがはっきりしている。
最後に仲間に加わるのも、樹のチームから
追い出されたキャラということで徹底している。
作画は安定していて、顎のとがった造形が特徴。
美術面もなかなか興味深く、
ローマやマヤ文明の遺跡を参考にした
絵作りが好感だった。

別の異世界から訪れたグラスやラルク、
そして、勇者たち全員が
それぞれ別の世界の現代から召喚されたこと、
盾が抱える暗い秘密など、
気になる点はたくさんある。
2期と3期の制作が決定したということで、
続編を楽しみに待ちたい。
(2019年11月10日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人間の醜い心に嫌気がし、人狼や神鳥の美しい心に癒される物語

この物語はドラゴンクエストのような立派な勇者が登場する素晴らしい物語ではありません。
人間の醜い心が思いっきり表現されています。
このアニメで美しいバトルを期待されている方は、見ない方が良いでしょう。
でも、人間でない人狼のラフタリアや神鳥のフィーロが私たちを癒してくれるので、この物語は何とか見ることができます。


この物語では、顔も見たくないほどの嫌な人間たちが登場します。
その嫌な人間たちから盾の勇者である尚文(なおふみ)は、何度も何度も濡れ衣を着せられて酷い目にあいます。

そんな嫌な奴らからの迫害をバネにして、尚文は少しずつ成長します。しぶとく、たくましく生き抜きます。
そんな尚文の生き方に、思わず感情移入してしまいます。
ドロドロして美しくないけど、大好きです。共感が持てます。

そして、尚文の仲間である人狼のラフタリアや神鳥のフィーロは、この物語では天使のように純粋です。いつも尚文を守ってくれます。

人間の心が醜く、獣や鳥の心が美しい、それが嫌というほどわかってしまう物語です。


この物語は、まさに人生の縮図のようなものです。
嫌な奴に屈服して日陰のような人生を送るか、それとも嫌がらせを跳ね返してしぶとく生き抜くか、その選択を迫られることが人生には割とあります。
私たちも盾の勇者のように、しぶとく生き抜きましょう。

エンディングは 藤川千愛さんの「きみの名前」 と 
               「あたしが隣にいるうちに」
2曲ともこの物語にふさわしく、心の叫びが聞こえてきます。魂の叫びと言っても良いかもしれません。
決して美しくないですが、心に響く名曲です。
       

投稿 : 2024/04/13
♥ : 69
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

デブチョコボが全てを救う

キネマシトラス制作。
異世界×ファンタジー。

図書館で1冊の古書と出会った主人公尚文は、
世界を救う盾の勇者として異世界に召喚された。
召喚された勇者は彼を含め4人である。
次元の渦・亀裂から大量に魔物が湧き出し、
世界は「波」と呼ばれる現象で破滅の道を辿る。
世界の救出を国王から託され彼らの冒険が始まる。

労働の対価として報酬を要求する勇者たち、
英雄譚としての勇者像からは乖離した設定である。
この設定も、物語後半で効果を上げる。
{netabare}地道に任務をこなし民の信頼を得る主人公と、
どこかゲーム感覚で勇者ごっこをする、
他の勇者との対比が顕著な形で表される。{/netabare}

お約束のハーレム展開も少しずらされている。
根拠のない愛情が、先行するのではなく、
信頼が先行しているため過度な嫌味とならない。
{netabare}身寄りのないものたちの疑似家族なのだ。{/netabare}
デブチョコボのフィーロが全てを救う。
なんて愛嬌のあるキャラクターでしょう。
ニコニコと荷馬車を引く姿がとても可愛い。
彼女の功績は、個人的に大きいです。

地道に戦闘し、レベルを上げ、
その対価で食料と武具を購入し旅を続ける。
気が付けば民の信頼を集め仲間を得る。
このこともまた物語後半で効果を上げる。
{netabare}召喚直後に、嘆き泣いた「盾」の性能も、
戦闘報酬で様々に派生しその効果は絶大である。{/netabare}
このあたりも丁寧に描かれていますね。

主人公尚文は、物語終盤になり、
{netabare}壊滅した仲間の故郷の再建を願い町を作る。
それは彼にとっても新たな旅の拠点である。{/netabare}
様々な旅での出会いが彼を成長させたのだ。
生き方を見つけ、ここからまた始める。

新たな冒険の始まりに期待するばかりだ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 68

89.5 3 冒険でシリアスなアニメランキング3位
彼方のアストラ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (975)
3807人が棚に入れました
宇宙への往来が当たり前になった近未来で、9名の少年少女たちが惑星キャンプへと旅立つ。宇宙旅行に胸を躍らせながら出発した彼らを待ち受ける、予想外の事態とは……!?

声優・キャラクター
細谷佳正、水瀬いのり、武内駿輔、黒沢ともよ、木野日菜、松田利冴、内山昂輝、早見沙織、島﨑信長
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

私たちは変わることができる、そして人生は続く

アニメーション制作:Lerche
監督:安藤正臣、シリーズ構成:海法紀光
キャラクターデザイン・メイン総作画監督:黒澤桂子、
音楽:横山克、信澤宣明、原作:篠原健太

子供たちだけで惑星キャンプが行われる時代。
ケアード・ハイスクールのB5班は、
無人の惑星で5日間過ごす野外学習に出かけた。
9人の少年少女たちは、惑星マクパで降ろされ、
楽しい日々を過ごすはずだった。
しかし、彼らの前に謎の球体が現れ、事態は急変する。

集英社のウェブコミック配信サイト『ジャンプ+』で
連載された作品。口コミなどで評判が広がり、
『マンガ大賞2019』の大賞を受賞した。
宇宙という舞台、子供たちだけの冒険、
陰謀がうごめく背景、9人全員が抱える事情、
惑星でのサバイバルなど、様々な要素のある
エンターテインメント作品となっている。

原作漫画は完結しているため、
1クール12話、しかも1話と12話を
1時間ずつを使う特別編にすることで、
5巻分を余すところなくアニメ化している。
{netabare}無料開放の漫画を少し読んでみると、
原作に忠実に作られているだけでなく、
宇宙空間に飛ばされたアリエスを
カナタが助けるシーンでは、全員が手をつないで
ふたりを救助するという改変も行っている。
(漫画では、このシーンは残されたワイヤーに
戻り、それを辿って帰還している。
1度ワイヤーを巻き取って、再度、別の誰かが
助けに行けばいいなどの意見もあるだろうが、
ここは全員で手をつなぐという行為に意味があったわけで、
良改変だったと個人的には思う){/netabare}

SFの部分では突っ込みどころが多く、
アニメが終了した後にSNSなどで大論争が巻き起こり、
作者が降臨する事態にまで陥った。
ある意味、SF要素のある人気作の宿命だ。
ただ、この作品はSFを見せようとするものでないことは
明らかで、批判する人の気持ちは分かるが、
そこについて深く突っ込み過ぎるのは違和感がある。
この作品において、SFのリアリティは枝葉の部分に過ぎない。

では、どこを重視しているかというと、
9人の子供たちが抱えている問題と、
その悩みを解消するために、仲間が相手のことを
思いやり、本当に大切なものを得ることについてだ。
9人の子供たちは、それぞれ幼少期から、
大きな喪失感を抱えながら生きてきた。
旅を続けるなかで、一人ひとりが体験してきた背景を
各々が理解しながら、解決していく構成になっている。
9人もいるキャラクター全員の過去について、
しっかり語っているため、彼らが失い続けてきたものに
思いを巡らせることができる。
だから、そこから彼らが何かを獲得する様子に
カタルシスを感じられるのだ。
それがこの作品の最大の見どころだろう。

舞台装置としては、孤島の閉鎖空間での
ミステリーと同様の形を取りながら、
それだけに止まらない群像劇として、
最初から最後までしっかりとまとめられている。
{netabare}特に11話『CONFESSION』での回想から
カナタの怒りにつながる流れは素晴らしい。
カナタ役・細谷佳正の演技は、抜群の説得力がある。
反重力シューズを履いてきて、
ワームホールを飛び越すという展開からの
決着の付け方も完璧だった。
この回は、夏クールの私が観た全話のなかでも
出色の出来だったと思う。{/netabare}

9人の少年少女たちは、数ヵ月の旅の間に、
自分の支えになる原点を獲得することができた。
アストラ号で過ごした日々は、
何事にも代えがたい時間として
今後の人生の支えになるに違いない。

引きこもりや親子断絶などが、
もはや当たり前になった現代において、
子供たちの心に響く物語に思える。
ここではないどこかに行けば変われるかもしれない。
行動すれば誰かとの出会いによって、
人生が動くかもしれない。
親から愛されない境遇にあったとしても、
生きていていいのだ。

そして、人は絶対に変わることができる。
(2019年10月19日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 93
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

判別可能なキャラ達と金太郎飴的な惑星群

原作未読

漫画の評判がいいから、が視聴動機。
全12話ただし初回と最終回が1時間枠だったので実質14話分のボリュームです。
序盤はもの珍しい細谷佳正さんのハイテンション演技を堪能することから。SF興味なくともこの一点で “ 買い ” かもしれません。2~3話経過してからはBパートの引きが良く毎話楽しみながらの完走です。

ざっとあらすじ:子供たちだけでどっかの惑星で5日間自活してこよう!スケール大きめの林間学校に意気揚々と出発したらトラブルに巻き込まれて帰ってこられなくなりました的なやつです。

キャストは多め。性格ははっきりとキャラ毎に別れており、キャラ回というよりキャラパートを設けてあまり尺を使わずにさらっと紹介。それでいて不思議と名前は覚えていられました。
{netabare}みんな多かれ少なかれ境遇は一緒だよ、との本作の特徴を活かしこのへんばっさり切りましたね。英断だと思います。{/netabare}


カナタ・ホシジマ(CV細谷佳正):リーダー 十種競技選手 アツい!
アリエス・スプリング(CV水瀬いのり):天然ドジっ子に見えて意外と有能
ザック・ウォーカー(CV武内駿輔):頭脳明晰鉄面皮 キトリーと幼馴染
キトリー・ラファエリ(CV黒沢ともよ):医者の娘 フニシアの姉 基本ガヤ
フニシア・ラファエリ(CV木野日菜):最年少 キトリーの妹 パペットマペット
ルカ・エスポジト(CV松田利冴):政治家の子 僕っ子亜種「オイラっ子」
シャルス・ラクロワ(CV島﨑信長):貴族出身 なんというかムツゴロウさん
ユンファ・ルー(CV(早見沙織):国民的歌手の娘 超内向的隠れ美人
ウルガー・ツヴァイク(CV内山昂輝):教頭の息子 本人はアウトロー志向

ポリーナ・リヴィンスカヤ(CV生天目仁美):ゲスト ポリ姉


途中経過時点ではおおむね今期多かった中間層上位 ( 自分比 ) の作品という見立て。完走は苦にならずそこそこ面白いが一皮むけてないといった「惜しい!」作品の一つ。
ただしそれは物語の全容が明らかになってくるまででした。起承転結の転から加速しきっちりまとめてゴールイン!一気に観るのがいいと思います。

引っ掛かったところ先に述べとくと、全12話のけっこうな部分を占める各惑星描写についてもっとエンタメに振り切って欲しかったな~ということですかね。


※各惑星の簡易説明

{netabare}惑星マクパ:当初目的地
惑星ヴィラヴァース:最初に訪れた惑星。肉食恐竜みたいなのとにょっきーん植物が脅威
惑星シャムーア:脅威のない草食動物。毒胞子まき散らすポールツリーが脅威
惑星アリスペード:リゾート惑星。地震と津波が脅威
惑星イクリス:自転してない過酷な環境。超獰猛な可動性植物が脅威
惑星ガレム:最後の惑星。わりと平和

一覧すると、植物らしきものが脅威だよというパターンが被りヴァリエーションに乏しい。{/netabare}

いきなり遠くの宇宙空間に放り出され、かくかくしかじかで食糧の備蓄量を見据えながら惑星を中継して帰還するという一大作戦決行中の若者たちです。

 未知の惑星にどんなものを持ってくるか?

これがいってみれば想定の範囲内。観てるこちら側の斜め上をいくようなタイプの惑星が登場してたら、

 本当に生還できるのか?

SFサバイブもののドキドキワクワク感はさらに増したことでしょう。
{netabare}そしてサバイバルパートが際立てば際立つほど第9話「全容見えてきました!」回との目線ずらしが奏功してたと思います。サバイバルと見せかけてサスペンスでしたの落差で評価は爆上がりしてたことでしょう。{/netabare}


この引っ掛かり以外は気にならず、中盤までゆるやかに右肩上がりで面白くなっていくストーリーだったと思います。サバイバルという題材と+αの謎{netabare}(「裏切者は誰だ?」){/netabare}を早々に提示してくれたおかげで、なにがなんだかよくわからないまま後半に種明かしみたいな不親切設計でもありませんでした。
起承転結の構成も手堅く、転からの終盤はオチも含めて意外性と納得感のある内容。このへん詳細は本編で!

ジャンプ連載だったわりには、下手に引っ張らず撒いた伏線を回収して短くスッキリと終わらせた構成にも好感を持ちました。良作です。



■物語の構成について ※ネタバレ

{netabare}出来過ぎなくらいハッピーエンドでしたね。それが嫌らしいと感じませんでした。
物語は以下の順で明らかになっていきます。

1.アストラ号メンバーの共通項
2.刺客はこやつ
3.この世界の秘密

序盤から2.は提示されていて視聴者の興味を引っ張る材料になってました。そして2.が明らかになれば当然「どうして?」がでてくるわけで、その説明が1.と思ったわけです。
これで1クールでも充分だったと思いますがおかわりがありました。3.です。期待値の一段上をいってました。{/netabare}


■優しい人たち

これは雑感です。人間の善意を信じようという作者の意図が根底にあったのだと思います。
{netabare}・ユンファのライブ会場に押し入ろうとしたキトリーと警備員とでひと悶着。直後、隣にいたアリエスのとある報告に控えめに拍手を送る警備員さん。さっきまでもめてたのにw
・アリエスの母ちゃんに連絡を取ろうとした時に、だれも疑わなかった。普段ならご都合とか平和ボケみたいに感じたろうにこの時はクルーの絆みたいなのをより強く感じました。不思議なもんだねぇ
・ピンポイントでしか覚えてなさそうなカナタが本を執筆できるわけなかろうもん。きっと隣にいた超絶記憶力の持ち主がサポートしながら書き上げたんだろうね、と妄想。{/netabare}




■(余談)カナタのアストラ

冒頭に戻るわけですがハイテンション細谷佳正さんが個人的にはイチオシです。
アツい!とにかく勢いがあるキャラでした。そして、彼は脳筋一歩手前の絶妙なバランスで好感度を保っていると思しき立ち居振る舞いをします。行動に根拠がある。よって知性も感じる。

モデルは武井壮?と思った人他にいないかしら。

なかやまきんに君でも春日でもないんだよなぁ 
武井壮なんだよなぁ



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.09.20 初稿
2020.04.07 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 78

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ボッスン(スケット・ダンス)の宇宙物語

原作既読でした。
なので物語もわかっていましたが知ってても楽しめる作品でした。
でも、内容を知らない方が格段に楽しめますので、是非ネタバレ情報なしで楽しんでください。この作品、一気見タイプです。

設定は未来の高校生8人と10歳1人の計9人で惑星に行ってキャンプをするようです。
主人公はカナタ・ホシジマ。
運動能力とサバイバル能力に長けています。
どうやら他の高校生達も能力に特徴があるようです。。。


原作者はジャンプでスケットダンスを連載していた篠原先生
本作品もスケットダンスのギャグセンスそのままです。
篠原先生は東日本大震災直後に応援メッセージを作成して被災者に元気を与えたことを記憶しております。
ボッスン、カナタ達が人助けをするのは篠原先生自身の当たり前の気持ちなのでしょうね。

元気を与えてくれる作品。おすすめです。

原作は全5巻と読み易い作品なのでアニメ視聴後に楽しんでください。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 72

80.1 4 冒険でシリアスなアニメランキング4位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (528)
2172人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

生ける屍の死

時は室町から戦国、
領主である醍醐景光は天下泰平より、
己の野心に忠実に領土の繁栄を願い、
{netabare}我が子を12体の鬼神に生贄とし差し出す。{/netabare}
名誉欲に溺れた為政者である。

時代劇×妖怪×冒険。
MAPPA制作は抜群の相性を誇ります。
古風な寺、蝋燭の火、豪風雨の集落、
陰鬱な描写が素晴らしい世界観を伝える。

飢饉と流行り病に痩せ衰えた民と大地。
死を待つばかりの国の行く末。
死屍累々の荒野を旅する百鬼丸とどろろ。
襲い来る化物と己の「生」を見据え、
百鬼丸は身体を取り戻す戦いに明け暮れる。

鬼か人か、
生ける屍は何を語ると言うのだろう。

5・6話視聴追記。
感覚を取り戻す衝撃、世界は音の洪水だ。
{netabare}激しい「生」の苦しみと「生」の逞しさ。
慈愛に満ちた魂の色は透明である。
正義の到来を切に願おう。{/netabare}
哀悼のメランコリーである。

最終話視聴追記。
響くはずだった産声は呪われ、
因果の旅路の果てにあったものを想像する。
手塚作品は物語の上下運動は少ないのです。
中盤以降やや停滞するものの、
粛々と人の叡智と愚かさが描かれていく。
{netabare}彼は生きる力の中に「菩薩」を見る。{/netabare}
やはり語り継がれるべき作品でしょう。

手塚流曼陀羅、素晴らしいアニメです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 67

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

魔物は12体に減りましたが、思った以上に『どろろ』でした。

== [第1話視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
「今夜(1/7)から放送開始だと思うんですが、あにこれのアニメ番組表に載ってません…。」と1/7当日に書いた手前もあり、さっそくの第1話視聴です。

大雑把にいうと、魔物に身体の一部を少しずつ奪われている百鬼丸が魔物を倒して自分の身体を取り戻していくお話であります。そして身体を奪われた原因は実の父親にあるので、これが「実の父親が仇」

手塚治虫による原作漫画は約50年ほど前の作品で、一度目の連載で途中終了、二度目の連載で打ち切りをくらい百鬼丸が身体をすべて取り戻せたかどうかは不明です。

旧作アニメでは、一応「最終回らしい最終回」を迎えています。リメイク版である本作はおそらくちゃんとシリーズ構成されているでしょうから「最終回らしい最終回」が期待されます。ちなみに原作および旧作アニメ設定では、魔物の数は48体でした。

キャラクターデザインについては漫画原作やそれに準拠した旧作とは大きく変更されていますが、それらしい面影は残っています。

作画に関しては、ツインエンジンが参加しているのでCGなども駆使してきっとそれなりにうまくやるでしょう。第1話の戦闘シーンの動きはなかなか良かったと思います。義手・義足の作り物感もわりと出ていましたね。

ストーリーや設定については、魔物の数以外は概ね原作準拠といった感じでした。

特に「原作・旧作は知らん」という方には、わりとお薦めできる感じだと思います。
== [第1話視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.2.12追記:
第6話まで視聴終了。原作が『どろろ』だからと言ってしまえばそれまでですけど、この未央(みお)が出てくる5話/6話の前後編はなかなかに辛い話でしたね…。

2019.5.21追記:
第19話まで視聴終了。まさにサブタイトル通りの「天邪鬼(あまのじゃく)」でした。旧作『どろろ』には良くあったコミカルな感じのお話でした。

オムカエデゴンスとかヒョウタンツギが最近のアニメ作品では珍しく、本編中に出てきて懐かしかったですね。

2019.6.27追記:
最終話まで観終わりました。

百鬼丸の両親である醍醐景光や縫の方の扱いは原作よりも良かったんじゃないでしょうか。ただ、本作オリジナルの妖怪が出たりとかいろいろと改変されているようでいて意外と本筋は原作を踏襲していて、かなり良いアニメ化だったと思います。

「そういう作品だから」といってしまえばそれまでですけど、血が出たり人が死んだりはけっこうしていましたね…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 61
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

原本のエキスを感じられるリメイク

原作は読んでないんだなあこれが…


原作者は説明不要の漫画の神様。1969年(昭和44年)アニメのリメイクです。
制作会社に旧虫プロの流れをくむ(といったらほぼみんなだけど)MAPPA。そして手塚プロ。手塚治虫から始まったアニメーションの歴史の一つの結実みたいで生き証人になった気分です。
昭和44年といえば安田講堂陥落のあった年。節目は節目でこういった世相も作品には反映はされてますね。

時代は応仁の乱近辺で、みんな大好き戦国時代へ向かう過渡期。国は乱れ各地方を治める領主の治下もジリ貧の状態。
荒れた土地そして苦しむ領民。領主醍醐景光は鬼神と取引をし、領地の繁栄と引き換えに自身の子を人身御供に捧げます。はたして産まれてきた子は体のあらゆる部分が欠損していて、ちょっくら一悶着した後に小舟に乗せて川へと流される。
その流された子が主人公百鬼丸。道中出会ったどろろと共に失われた体を取り戻しにいくというお話です。

あらすじ読んでも暗めな雰囲気は伝わってきます。敬遠される向きもあるかもしれませんが、単なる暗い話ではありませんでしたよ。
50年前の原作も前作アニメも知らずフラットに鑑賞できた上でどうだったかというと、これは当たりでした。
新しい古いは正直なところよくわかりません。しかしながら普段観てる作品とは違った描かれ方をしてるなーという部分が自分には心地よかったです。具体的には2点ほど。


■3ステップ構造

基本設定を動かせば収拾がつかなくなるもの。だいたいは“勧善懲悪”だけ。または“二つの正義”だけとどちらかに固めて動かすものではありません。最初に前者と見せて徐々に後半を見せる手法は名作ではまま見受けられます。
ここを段階つけて両方見せてきます。さらにキャラ変“同じ人でも揺れる”が入ってくる仕掛け。それでいて物語がきちんと成り立っているのでした。


STEP1 勧善懲悪
安心安全かつ分かりやすい反面深みを期待してはいけないのが勧善懲悪もの。鬼神VS百鬼丸と外面はその体裁を保ってるのが本作。
当然それだけでは終わらないわけですが、共感しやすい土台がまず敷かれることになります。
{netabare}物語は早々にSTEP2の装いを呈します。が、巡り巡ってラストは人間の善なる部分への期待へと戻ってまいります。{/netabare}

STEP2 二つの正義
互いの正義のぶつかりを上手く消化すると良作が生まれます。ところどころで表出しつつ、代表では百鬼丸と多宝丸にて描かれた本作です。
簡単に言えばよくある良作なわけなんですが、とはいっても単純な勧善懲悪よりも構造が複雑になります。ここに至るまでに収拾のつかなくなった作品なんて山ほどありますよね。

STEP3 同じ人でも・・・
“人”か“そうでない”かという指標が出てきます。「人の皮を被った○○」「畜生道に堕ちる」という文脈での二択。闇落ちという表現が妥当かもしれません。これは主要人物のみならず取り巻きや通りすがりの面々もです。
キャラ変みたいなもので同一人物でも光と闇を行ったり来たりとより複雑化。
{netabare}しまいにはお馬さんまで行ったり来たり。これ「畜生にすら…」を強烈に印象づけました。{/netabare}


{netabare}・簡略するとこんな感じかしら
-STEP1 Aは善 Bは悪
-STEP2 Aなりの正義 Bなりの正義
-STEP3 Aは善であり悪 Bは悪であり善{/netabare}


昭和一桁世代は10代で世の中の価値観が大転換しちゃったのでその影響も・・・
とまことしやかに高説をぶることも可能ですが、いややりかけましたが、シンプルに面白いのです。カオスになりそうなところを纏める手腕は原作の良さもさることながらアニメスタッフも良い仕事をされたと思います。


■分をわきまえた人たち

現代風にいえば、自由には責任が伴うですとか権利を謳うには義務を果たさなければならないですとか、そういった当たり前の感覚を身につけている人たちしか登場しません。
似たようなのに、「ほんとうの悪人が出てこない」がありますがちょっと違います。

 分をわきまえている

のです。派手なキャラ、尖ったキャラ、突出したキャラはいません。そこが良い。
それでいてキャラが誰が誰だかわからんということもなく、じわじわとくるのです。地味なの嫌いでなければたぶん大丈夫ですよ。

{netabare}・例えばこんな人たちかしら
1.お須志(第4話)
再会を心待ちにしてた兄を斬られたわけですが百鬼丸に恨み言一つぶつけないんですよね。兄を想う気持ちと兄の起こした所業とを天秤にかけるような描写すらありません。ただただ受け止めます。兄がやらかしたことを重々承知しているからです。
涙を流しながら「どうして?」と百鬼丸にすがる演出よりも彼女の悲しみがより伝わってきました。

2.ミオ(第5話~第6話)
どろろに仕事の内容がばれた時に、言い訳するでも口止めするでもありません。賤業であることを自覚しそれでもなお希望を失わず。
恥ずかしさに取り乱すなり開き直るなりの描写ではないため、より彼女の諦めの深さが伝わってきます。人としての誇りを失ってないこともわかります。どろろの返しもまたいいんですよね。

海軍大将で日露戦争の勝利に貢献しのちに総理大臣も務めた山本権兵衛。渡辺崋山や高野長英などを弟子に持つ松崎慊堂。いずれも奥さんは元遊女です。
職業に貴賤はありません。そして職業や身分よりも、その人物が、人として尊敬できるかどうかや、人としての矜持を失わずに生きているかどうか、そういうことを大切にしてきたのが日本人です。ミオはそんな人でした。{/netabare}



“3ステップ構造”そして“分をわきまえた人たち”
このへんを「アニメでは珍しいな~」と感じながらの視聴でした。地味ながら見応えのあるお薦めの良作です。


最後にどろろ…
本業声優ではない14歳の子役の方が演じられてますが、めちゃくちゃ巧かったと思います。
アニメ声が出るとかいう話ではなく、子供の喜怒哀楽がストレートに伝わってくる名演。演者は鈴木梨央さん。ハマリ役でした。
全体通しての展開や役回りからタイトルが“どろろ”であることに違和感がない全24話。難しい役どころだったと思います。お疲れ様でした。



※余談
其の一
『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』そして『どろろ』と、シリーズ構成を小林靖子さんが手がける作品にお世話になりっぱなしです。

其の二
足利義教がけっこう好き ※作中には出てきません

其の三
自分の親父が借りてきた『忍風カムイ外伝』を少年期に観てた私にとってはややダーク感は薄いと感じる



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視聴時期:2019年1月~6月



2019.07.14 初稿
2019.07.22 修正
2020.01.28 追記

投稿 : 2024/04/13
♥ : 60

76.9 5 冒険でシリアスなアニメランキング5位
ケムリクサ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (527)
1812人が棚に入れました
赤い霧に包まれた、荒廃した建造物に囲まれた人気の無い世界を舞台に3人の姉妹が生き抜く物語。物語の中心的人物でまとめ髪の特徴的なりん、猫耳でいつもおっとりしているお姉さんキャラのりつ、メイド調の服に身を包み天真爛漫なムードメーカーりな。謎多き世界でこの姉妹が目指すものは一体…

声優・キャラクター
小松未可子、清都ありさ、鷲見友美ジェナ、野島健児
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界の終末に「好き」を探すロードムービー

アニメーション製作:ヤオヨロズ、
原作・脚本・監督:たつき、
作画監督:伊佐佳久、美術監督:白木優子

赤い霧が漂う暗黒の空間。
廃墟と化した街並みはまるで世界の終末だ。
最初の舞台は長崎の軍艦島。
そこで、異形の化物である赤虫と戦い、
懸命に生きる3人の姉妹がいた。
彼女たちはまるで植物のように、
水を飲むことで生命を維持し、
道具としてケムリクサを駆使していた。

けものフレンズを指揮した、たつき監督が
かつてニコニコ動画に投稿した自主制作アニメを元に
再構築して完成させた作品。
降板したけものフレンズの続編と放映タイミングが重なり、
何かと作品以外の部分でも話題となった。
脚本、演出、監督を全てたつき氏が担当し、
CGを駆使して作り上げている。
制作はたつき監督が属するirodoriの
たつき、伊佐佳久、白水優子を中心に行われた。
キャラの動きや赤と黒をメインにした作画は、
少人数体制を思わせる粗い仕上がりだが、
世界観や巧みな脚本によって、それらの全てが
あまり気にならないように見せている。

私は未視聴なので分からないが、
世界観は、けものフレンズとの共通点があるようだ。
廃墟に囲まれた謎の世界で3人の姉妹が赤虫と戦い、
水を求めながら生きている。
そこに突然、わかばという男が現れる。
謎が解明されないまま、姉妹と男は
旅をすることになる。

スタートが軍艦島(長崎県)でスペースワールド(福岡県・閉園)、
道後温泉(愛媛県)、瀬戸大橋(香川県、岡山県)、
梅田駅(大阪府・泉の広場は撤去予定)、琵琶湖(滋賀県・沖島)、
黒部ダム(富山県)、富士山(静岡県)、
八王子(東京都・日清食品)、中野(東京都)、新宿(東京都)まで。
日本各地をロードムービーのように旅していく。
{netabare}そして、最後の赤い木との戦いは、
おそらく東京タワーだと思われる。{/netabare}
コラボしていた日清食品も登場。
実際に観ていて、道後温泉や黒部ダムは
分からなかったが、ほかは自分が旅でよく見ていた
場所ということもあって、驚かされることが多かった。
彼らの旅を観ながら、場所を特定する楽しさがある。
サイトでは詳細に比較しているものもあり、
かなり正確に廃墟として再現しているのが分かる。

10話までは少しずつ謎を小出しにしていくだけなので、
観続けるのがなかなか難しいかもしれないが、
11話でこれまでの様々なことが明らかになり、
最終回まで一気に畳みかける展開は見事。
{netabare}全ての出来事が、日本の街並みを再現した
巨大宇宙船のなかで起こっていたという
SFも興味深く、彼らがここにいた意味、輪廻転生、
想いを引き継ぐことを物語に上手く落とし込んでいる。
EDが登場人物の死や誕生の順番を表しているのも面白い。
EDの最終回には、りりとワカバが触れ合う描写もある。{/netabare}

{netabare}ラストで、りょうから語られるのは、
「全員が好きを手に入れられた」ということだった。
おそらく、感覚だけではなく、
りりの「好き」の感情も6つに分かれていて、
りんだけが、手に入れてなかったのだ。
この結末はりんの言葉を「アニメーションが」とするのが、
監督の純粋な想いなのかもしれない。{/netabare}
(2019年4月13日初投稿)

ちょっとした余談(2019年4月14日追記)
{netabare}監督はどこかのメッセージで、好きなことを
このアニメでやった、ということを書いていたが、
おそらく、登場するのは監督の好きなもの
ばかりなのだと想像する。
タイトルの煙草(ケムリクサ)、廃墟、
日本各地の観光地、長崎の路面電車、ルンバ。
そういえば、シロの仲間がたくさんいた
黒部ダムのガルベと呼ばれる遊覧船もそうなのだろう。
この作品は超テクノロジーの暴走によって、
世界が破壊されるという暗い話だが、
監督の「好き」が溢れていることを感じさせてくれた。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 84
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ロッソ (赤) ネロ (黒) の世界

たつき監督のオリジナルアニメ


『けもフレ』未視聴。外野ですったもんだあって背景にいろいろ抱えての2019年冬クールでの放送。
著名監督さんが直接の視聴動機となります。放送前に周囲の関心がそこそこありました。

あらすじは割愛。あにこれサムネ(2019年4月時点)にもある赤い髪の三姉妹、りつ(CV清都ありさ)、りん(CV小松未可子)、りな(CV鷲見友美ジェナ)のところにふらっと男の子わかば(CV野島健児)が現れて開幕。4人を中心というかほぼ4人だけでの閉じられた世界で物語は進行します。
ED映像ではこの三姉妹以外の人物を示唆するシルエットが出てきてこれも順を追って明らかになることでしょう。

{netabare}登場時間は少ないですが、他の姉妹も要所を締めてました。
りく(CV天沢カンナ):武骨な子。第5話で登場。
りょう(CV三村ゆうな):長女でまったりした子。第9話で登場。
りょく(CV関根明良):メガネっ子。同じく第9話で登場。

{netabare}最終バトルは胸アツでございました。{/netabare}{/netabare}

全編CGです。お世辞にも表情豊かとは言えません。技術的なことへの物言いはこれくらい。差し引いても世界観が独特すぎて多少のマイナスには目を瞑って観たい。そんな作品でした。
“ケムリクサ”“あかぎり”“アカムシ”“ヌシ”“シロ”。全て目の当たりにするのは初めての内容です。既視感がありません。
第1話???状態から始まる世界観の提示。徐々にネタ明かしと新たな伏線の上乗せ。若干ネタ明かしのペースは遅めと視聴者を焦らします。つまり謎はしばらく残り続けて、{netabare}ようやく最終回手前の第11話で{/netabare}一気に畳みかけて回収する1クールお手本のような構成となってます。


けっこう大事なことだと思うのが、???状態が長引いた時の視聴態度ですね。世界観に身を委ねれば苦にはならないのですが、私はボーダーラインでした。
物語はしばらく“緊張感”を視聴者に強いることになります。
不明な世界観は

『何が起こっているのかわからない』

時おり訪れるピンチは

『何が起こるかわからない』

加えて色調は全編通して赤と黒が基調と暗めです。赤と黒でワクワクするのはロッソネロ(赤黒)、ACミランの選手入場の時か明治アポロを分けて貰った時くらいでしょうか。
暗めの色彩と劇伴。そして何が起こっているのか何が起こるかわからない緊張感と上手くお付き合いできる人が病みつきゾーンに突入しそうです。
ボーダーラインの私にとっては、だからこそED曲の存在は重要でした。所在無げな私に毎度ピッチの速いビートでリセットしてくれました。

※色調について視聴済向けネタバレ所感
{netabare}暗い色調すら伏線で、最後の最後の青々とした森と水の風景が立ち現われた時のカタルシスは凄かったですね。観てて良かった。{/netabare}



ネタバレなしの内容すら説明が憚られる、どうぞ世界観を感じてくれ!とお伝えしたい作品です。

2周目終わりましたが伏線が丁寧に敷かれていました。???状態が解消される気持ち良さがあります。
告白すると、本作は今期の途中寝落ちの常連でした。緊張感に耐えられなかったのか少なくともグイグイ次が気になる感じではなかったのです。
完走して2周して評価を上方修正したアニメという位置づけとなります。



そしてこれ一般ウケはしなさそう。共通する土台が違います。
目の肥えたアニメ視聴者が独創的な世界観を斬新だと捉えたきらいも多分にあったのではないでしょうか。
もしかするとたつき監督へのエールで下駄を履かせたくなる気分も影響してるかもしれません。

とはいえ良作です。こんなものもあるよと日本のアニメの守備範囲の広さというものが一般層にも認知されればいいな、と。
スタンダールの『赤と黒』も発表当時は全く売れなかったみたいですし。。。



■オマケ
どん兵衛とのコラボCMやってました。お湯を沸かすのもケムリクサってどんだけ万能なん?
{netabare}それに色調だと赤と黒なんですが、物語を軸に考えるとケムリクサのヴェルデ(緑)、アカムシのロッソ(赤)なんですよね。ここは朝ドラで勢いのある日清食品さんより東洋水産さんに頑張っていただきたかったかもしれません。どっちかというと緑のたぬきより赤いきつねが好き。アニメでは悪者の赤ですが、これからも赤いきつねを応援し続けます。{/netabare}



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2019.08.29追記


視聴時期:2019年1月~2019年3月リアタイ視聴


作家性の強い作品です。今クールでの本作。監督は違いますが翌2019年春期の『さらざんまい』。1期に1作品くらい、こういったアクの強いものが出てくると視聴の選択肢が増えて嬉しいですね。いかがでしょう?


2019.03.31 初稿
2019.08.29 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 74
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絶滅のオルガノン

監督・シリーズ構成たつき。

瓦礫の山の荒廃した軍艦島(長崎県)的世界で、
水源を求めて旅をするりつ、りん、りなの3姉妹。
謎の赤い霧、襲い来る虫と呼ばれる異形。

自主制作発表からヤオヨロズ制作に変わり、
当然、けものフレンズが上がるでしょうが、
ディストピアな湯浅監督「カイバ」といった趣です。

{netabare}水源の中から現れた少年わかば。
新種のヒト!?
ヒトは既に絶滅を向かえているのか!?{/netabare}
大きな謎で物語は構成されています。

物語の可能性が見事に炸裂すれば、
今期を盛り上げてくれそうな予感もします。

最終話視聴追記。
11話に続き世界の謎が開示され、
演出にも力が籠っています。
物語の着地はここしかないでしょうね。
まるで聖書の黙示録のようだ。
{netabare}巨大なノアの方舟、最初のヒト、
自立型とも言える赤いケムリクサの真実。{/netabare}
記憶の葉の世界は優しい思いに溢れている。

やはり監督なりの生命讃歌なのでしょう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 65

92.4 6 冒険でシリアスなアニメランキング6位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1112)
5355人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 97
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

-----
2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 83
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 78

85.6 7 冒険でシリアスなアニメランキング7位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1034)
4969人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

英雄譚には決して載らない名もなき男の話

2019.01.06記
原作未読


重たい話と聞いたので。シリアスものは好物なのです。
全12話のダークファンタジー。下手なあらすじより↓のキャッチコピーが分かり易いです。

『俺は世界を救わない ゴブリンを殺すだけだ』

{netabare}目の前で姉をゴブリンに凌辱されて殺されたトラウマを基盤に{/netabare}ゴブリン殺しに執念を燃やす寡黙な男の物語です。
RPGでもステータス低め。こんぼうで屠れるくらい非力。雑魚キャラの代表格のゴブリンですが、習性を聞くとけっこうパンチが効いてる感じです。
臆病。集団で村を襲う。略奪種族で物を作る発想はない。メスがいないため他の種族(人間とか)に種付けする。対人間の場合、男は殺し女は輪姦す。生き残ったものは学習し力を蓄えてく。成熟度にあわせて、ホブ・シャーマン・ロート・チャンピオンなど意外と種類豊富だったりもします。
まあ同情の余地はない感じです。{netabare}子供のゴブリンを容赦なく叩き殺すシーンがありますが感情動かされることはありません。当たり前のことです。とはいえ珍しい描写ですね。子供に手をかけるのってご法度みたいなところがありますから。{/netabare}

エログロに目がいきがちではあります。ゴブリンの習性を鑑みて、主人公ゴブリンスレイヤーVSゴブリンのシンプルな対決構造でもあります。無論エログロないしバトルの賞味期限はそれほど長くないため屋台骨が必要です。この作品の場合はこちらを面白く感じられるか?なんだと思います。それは、、、


 愚直にPDCAを回す職人の話


1話 ビジュアルで視聴者を引き付ける
2話 世界のルール説明
視聴理由がカタルシスを得る目的なら違いますし、物語構成は後半追い上げ型ともちょっと違いますので、2話まで観て肌に合わなければ撤退可でしょう。
そしてこの主人公であるゴブリンスレイヤー。ひたすらゴブリンを狩る男は実は意外と弱い。ステータスはきっと半端なものでしょう。だからこそ、考えて実践し修正しそして繰り返す。感情を廃した極端なまでのストイックさは弱さを覆い隠すための鎧のようにも思えます。

世界を救う勇者ではなく、町の一介の小鬼殺しにスポットをあてる発想は自分には新鮮でした。その昔やっていた某『プロジェ○トX』が好きな御仁にはこの物語はけっこうしっくりきそうな気がします。どこかしら中島みゆきの歌声が聞こえるようなそうでないような。“女神官”“妖精弓手”キャラの固有名称無い理由が名もなき地上の星の物語だからというわけではよもやあるまいとは思いますが。。。
自分はしっくりくるものがあって楽しめました。

なお、コミュニケーションを取るのがド下手な今後の彼が心配です。待つ女“牛飼娘”を筆頭に、好意を寄せてくれる面々から影響を受けてさらに一段レベルが上がって欲しいですね。
{netabare}協力を仰いで総力戦へと繋がった最終盤は意外と彼には人望のあることがわかりました。一人の限界を超えて複数人のパーティをマネジメントできるならレベルアップも可能でしょう。{/netabare}

淡々というより黙々とした展開。その中で“妖精弓手”“女神官”“牛飼娘”“受付嬢”ら女性陣がアクセントを加えて飽きのこない作り。良作です。



■余談 ※あくまで個人的所感です
リアルでも“女子高生コンクリ詰め殺人事件”を筆頭に、国内においても、まるでこの作品で描かれたゴブリンの所業と思しき事件はあるとの前提ではありますが、規模と実態という意味で、
{netabare}本作は『竹林はるか遠く-日本人少女ヨーコの戦争体験記』に記述されている世界の異世界版と見立てて鑑賞してました。
※詳細は省きますが一言でいうと敗戦後の引き揚げ体験記で、原典はアメリカの中学校で教材として扱われておりました。しかしこの物語を当の日本人が知りません。{/netabare}
{netabare}誤解無き様、特定の国・民族を貶める意図はありません。事実の把握、起こったらどう対処するか、起こらないようにどう対処するか、それ以上でも以下でもないです。己の思考に自信満々との傲慢さもなく、集合知を信頼したいので事実は共有されるべきと考えてます。これをもって憎しみを増幅させるから止めろとのご意見は拝聴しても、「仮に起こったらどうするか?」または「同じことが起きない様にどんな準備をしてるか?」と問うことになると思います。{/netabare}

第二第三の剣の乙女を生まないようにするのが男子の務めでしょう。

{netabare}「わかってもらいたかった 怖くてつらくて痛くて恐ろしくて そんなことがこの世にあって そういうことをするものがこの世界にはいる 分かってもらいたかっただけです」剣の乙女(第9話){/netabare}

奇しくも世界を救った勇者さんが言ってるじゃないですか。

{netabare}「僕たちが世界を救ったって村が滅んじゃったらやだもんね~」勇者さん(最終話){/netabare}

{netabare}その勇者さん、魔人王を前にしてこうも言ってました。「これが終ったら村に戻って三人でお祭りに行くんだー!」(10話)。{/netabare}

大事を成す(世界を救う)者にも依って立つところ(村)は必要です。足元を支える裏方さんのお話でした。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ 

-----
2019.01.06 初稿
2019.06.22 追記
2021.08.20 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 89
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

TRPGの世界観に抗い、サイコロの出目に左右されず生きる

アニメーション製作:WHITE FOX、監督:尾崎隆晴、
シリーズ構成・脚本:倉田英之、脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:永吉隆志
原作:蝸牛くも

RPG世界に存在するモンスターのなかで最弱とされるゴブリン。
退治しても稼ぎが少ないため、冒険者たちは要請を避けることが多い。
しかし、ゴブリンだけにこだわって討伐する男がいた。
多くの人々は蔑みも込めて、彼をゴブリンスレイヤーと呼んだ。

残酷描写が話題になった作品で、海外からの人気は高い。
その理由として考えられるのは、
主人公のキャラクター像だと想像する。
復讐の炎に身を焦がす、過去に傷を持つ男というのは、
ハードボイルドを好む層に魅力的に映るのかもしれない。

元はアスキーアートを使用した二次創作的な作品で、
ゴブリンだけを殺す男がいても面白いのではという
単純な発想から生まれ、様々な既存作品のキャラクターを
当てはめて発展させたものだ。
そんな経緯からか、登場人物たちには全員名前がない。
例えば主人公のゴブリンスレイヤーは、
ドラクエに登場する「さまようよろい」がモデル。
鎧兜の後ろから出ている赤い飾りのデザインなどは、
完全に「さまようよろい」と同じだ。
ほかにも牛飼娘が『銀の匙』の御影アキだったり、
鉱人道士(ドワーフ)がハンター×ハンターのネテロ会長だったりと、
言われてみると、確かに似通ったデザインだったりする。
調べてみると、それぞれモデルがあるので面白い。

さらに世界観はバックボーンとされているTRPGという、
テーブルゲームのひとつである会話型RPGを想定している。
プレイヤーはサイコロを振ることで運命が決まっていく。
作中で頻繁にサイコロが出てくるのはそのためだ。
ゲームマスターという全体を裁定する神のような存在がいて、
秩序や平和を望む人々と魔人王が支配する混沌を
目指す勢力に世界は二分されている。
これらを理解していないと、
作品の全体像が見えないのが正直なところだ。

というのも、この作品をリアルなRPGというつもりで
観ていると、かなり多くの部分で疑問を感じてしまう。
まず、ゴブリンをこの世界で弱いとしている
説得力をほとんど感じることができない。
もちろん、RPGをやったことのある人なら
事前のイメージでそう思えるだろうが、
この作品のゴブリンは知性がないといえど、
普通に剣を振り回してくるし、毒を塗った弓矢も放ってくる。
毒にやられると短時間で死んでしまう。
死亡すると生き返ることができない。

この世界では物語の何年も前からゴブリンによる殺戮が頻発している。
性格は狂暴で、人間を殺して強奪することを当然と思っている。
そんな危険な相手が雑魚と見なされ、相手をするのが
駆け出し冒険者しかいないということが既に納得できない。
当然ながら、複数で来られたらやられてしまう。
シャーマンや「渡り」などの上位種がいれば尚更のこと。
これは国家レベルで対処しなければならない事件だ。
しかも、ゴブリンはオスしかおらず、女性の人間を襲い、
短い期間で自分の子供を何匹も産ませることが可能だという。
だとすると、ゴブリン相手に女性の冒険者、
しかも駆け出しが討伐に向かうことなどあり得ない。
これは、より残虐シーンを描きたかったためだけと思え、
個人的には、設定が破綻していると感じた。

また1話でリアルな描写を入れているのは良いのだが、
{netabare} そのままの世界観で物語が進むのかと思うと、
その後は、百匹以上はいると思えるゴブリンたちを、
たった5人で殺してしまうなど、
どう控えめに見てもリアルなどとは思えない。
相手が毒を使うときに限って、
毒に反応するカナリアを連れて行くのも{/netabare}ご都合主義だ。
リアル描写として納得できるのは、
洞窟で長い剣を持っていくのはタブーということや、
大量のゴブリンを刺すときに血糊で滑るので、
敵の武器で殺していくというところくらいなもの。
途中からは普通の異世界ものとなってしまった印象だ。
またゴブリンスレイヤー以外のキャラの掘り下げも
ほとんど見られず、凡庸なストーリーといえる。

ただ、この作品をリアルなどと考えずに、
残虐シーンのある異世界ものという感覚で、
そしてTRPGということを踏まえて観ると楽しめる。
{netabare} 例えば、8話でゴブリンスレイヤーが、
死にかけるのだが、{/netabare}
TRPGの神のような存在が興じる不条理な世界に
抗うという描写があって、面白いと思った。

全体の作画の雰囲気や効果音、OPの音楽などは
この作品にとても合っていたと思う。
また、全12話の物語を俯瞰して、
ゴブリンスレイヤーの人生を追って考えてみると、
構成や脚本は上手くまとまっている。
これは、最後の2話分の展開が優れていたことが大きい。
視聴者は最初から少しずつ
ゴブリンスレイヤーの苦悩を見せられている。
{netabare}村が襲われ、大好きな姉が目の前で凌辱され惨殺されたとき、{/netabare}
怖くて動けなかったことに対して自分を責め続け、
ゴブリンを殺すことに異常な執着を持つようになる。

そんな心を失った男が次第に、他人に心を開き、信頼を得ていく。
多くの人々の力を借りて{netabare}大量のゴブリンから牧場を守ったことで、
ゴブリンスレイヤーのなかで何かが大きく変わった。
その結果「ゴブリンを殺すだけ」ではなく、
「冒険者になりたい」という将来の希望を
初めて口に出すことができたのだった。{/netabare}
苦しみも哀しみも、そして喜びも他人と分かち合えることが、
人生をより豊かにすることを彼は初めて知ったのだ。
このゴブリンスレイヤーの心情の変化に
至る展開は上手く描いていた。
ラストに続編があるようなテロップが出たが、
ひとつのお話として、現時点でしっかり完結している。

自分の望むことを得るためには、
サイコロの出目になど左右されないほどの
何かをやり切るだけの強い意志と
周りを動かすだけの力が必要なのだ。
(2019年2月9日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 84

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

主人公のキャラが気にいるかどうかでこの作品の評価は分かれると思う

<2021/1/31 追記>
なんと第2期制作決定だそうです。

<2018/12/31初投稿>
原作未読。

2018年最後のレビューです。

原作はラノベですが、元は某巨大掲示板から、とWikiに書いてありました。

RPGのような剣と魔法のテンプレートな異世界が舞台です。

と言っても「現代人がある日突然異世界に放り込まれ」といった話ではありません。

元からその世界で生まれ育った人たちの物語。

テンプレートな異世界なので勇者も、冒険者も、魔王も、モンスターも、町の人も、村の人も、「普通に」います。

そんな「普通な」異世界で、主人公はなんら特別な力を持たない「普通の」冒険者、通称「ゴブリンスレイヤー 」。

そして主人公が相手にするモンスターは「弱い」の代名詞「ゴブリン」のみ。

と言ってもこの世界のゴブたち。
1匹1匹は弱いのですが、生き残るたびに悪知恵を蓄え、群れて猛烈に手強い相手となっていきます。

さらに始末に負えないのは、人間の村を襲い、食べ物や家畜を奪い、男は殺し、女は連れ去り自分たちの繁殖のため凌辱する。

タチが悪い。

こんなゴブたちを、主人公ゴブスレさんは経験と知識と戦術と周到な準備と「ゴブ殺す!」の執念だけで抹殺していきます。

その執念たるや
ルルーシュのブリタニアに対する恨みを遥かに超えるものです。

・・・わかりにくいな

シャアのザビ家に対する逆恨みを遥かに超えるものです。

・・・しっくりこない

「エルフを狩る者たち」の「エルフは脱がーす!」を遥かに超えるものです。

・・・なんか根本的に間違ってるような気もするけどまあいいや。
そんな感じです。


ゴブスレさんは身体能力や格闘技術が特別優れてるわけではなく、強力無比な魔法も、アバンストラッシュ的な技もないので、たびたび命に関わるような窮地に陥って行くわけですが

はたしてゴブスレさんは窮地を乗り越えることができるのか?

というお話です。


以下、感想。

面白かったです。

地味なところ、戦い方や考え方が理に適ってるところ、渋い雰囲気、シンプルな世界観、OPED曲など好みでした。
主役含め、主要登場人物に固有名詞が付いてないとこも「まおゆう」みたいで○。

そして何よりゴブリンスレイヤー さんのキャラがいいですね。

まず寡黙。
2018年アニメの主役ではハイスコアガール・あきらに次ぐ寡黙さ。
そして不器用。
さらにゴブ憎しで壊れかかってるところ。
ついでに見た目は「さまようよろい」(出展Wikipedia)。

こういうのカッコよい。


他のキャラクターの絵柄がもう少し渋ければさらによかったな、とは思います。


無敵の主人公に飽きてしまった方、灰と幻想のグリムガル」みたいな渋めのRPGファンタジーが好きな方にオススメの作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 63

75.6 8 冒険でシリアスなアニメランキング8位
新 HUNTER×HUNTER(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (956)
4652人が棚に入れました
くじら島で暮らす少年・ゴンの夢は、幼い頃に別れた父と同じ「ハンター」になること。世界中に散らばる、財宝、秘宝、珍品、珍獣……「未知」への挑戦に命を賭けるプロハンターになる決意を胸に旅立つゴンは、同じハンター試験合格を目指す受験生のクラピカ、レオリオ、キルアと出会う。超難関で知られるハンター試験を見事突破し、「世界一のハンター」になれるのか!? ゴンの奇想天外、壮大苛烈な冒険の旅が、今始まる!!

Nagi* さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

完結!全話制覇~っ\(^o^)/

前作のHUNTER×HUNTERに作画力を加えたこの作品。

完走するまで長かったー!!
たまーに話が進まないことがあったり
一気にキャラ増えたりと、大変だったけど
やっぱりオモシロイですよね。

ゴンのひたすら真っ直ぐな心と
一緒に成長していくキルアのコンビが
魅力的だからこその面白さだと思いました。


▶音楽
子供でも楽しめるようになっているせいか
BGMに幼稚っぽさを感じることもあったなあ。
でも、OPやEDはいつもアニメに合ったもので高評価!

▶物語
キメラアント編を加えるだけでなく
所々、ストーリーの修正が入ってたので
2度美味しいっ(^o^)的な、ね(笑)
最後まで見てよかったなと思えるラストでした。
旧作の方が好きだという声も多いですが
キメラアント編を楽しめる点では新作の方がオススメ◎
これまでにない激しいバトルやグロさが加わり
子供が楽しむHUNTER×HUNTERから
シリアスで大人向けのHUNTER×HUNTERへ…

▶キャラ
キメラアント編での新キャラ追加で
更に物語に深みが増しました。
ゴンが父親に会えるかどうか旧作で描かれてなかったので
そこに至るまでの過程が見られてよかった。
最後まで見た人にはちょっとした種明かしがありましたね!
キルアの執事が…www

▶声優
旧作と新作ではキャストに変更がありました。
が、これについては個人の好みなので
どちらが優れているということはないと思います


1話から見るのはちょっと…という方は
旧作を見ているのであればキメラアント編だけでも
見る価値があると思います♩

投稿 : 2024/04/13
♥ : 30
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「心」

 ふと気になって蟻編を観ていたら、これがなかなか素晴らしかった。
朝アニメから深夜枠に移動したことが大きいようで、ハンターらしい緊迫感のある演出が叶っていた。

この新アニメは、蟻編を続けて観ることができるというだけでとても価値のあるものに思えてきた。
原作は蟻編の頃に休載が相次いでいて、1つのシーンから数ヶ月単位で続きが読めないことも多々あり、
そんなに時間が空くと、話の前後関係も記憶に曖昧になってしまっていた。

今回蟻編を続けて観ることができて、本当に話がよく練られていたんだということを思い知らされた。
正直、蟻編はアニメとしても万人に勧められる出来だと思う。名場面だらけで息をつく暇もない。

■ツウカイ×ナ×タタカイ
 敵との力量差、能力の見せ方、戦闘の駆け引きをここまで上手く描ける作者はそうはいないだろう。
ユニークな能力や、個性豊かなキャラクター、印象に残る語感のいい技名、そういったものも見せ所。
けれど、それらを駆使した上で最後に行き着くのは心情描写。心の内を明かしてゆく。

蟻編は、キメラアント(虫)討伐を題目にしているが、それは単なる化け物退治に納まらず、
巧妙に"人の感情"というものを絡めてくる。意思の介在しない動物の殴り合いでは物語として面白くない。
物語が最も面白みを持つのは、やはり「心」が絡むときなのだろう。

■核はあかんでしょ
{netabare} キルアvsイカルゴ戦であっても、ナックルvsユピー戦であっても、
パームとキルアの衝突のときも、そして王とコムギの対局の中でも、
この蟻編で描かれていたのは人情、キメラアントという種族の枠を越えた「人の情」であったと思う。

絶対に相容れない立場であると思いつつも、自身の力をぶつけ合った相手ならどこかで理解し合える。
そんな敵対と共存の両方をちらつかせ、蟻と人との境で揺れ動くキメラアントたちは、表裏一体!

けれどそうして、ユピーが仁義的境地に至ったりナックルが人情道を繰り広げる中、
ネテロ会長(人類側)が下した結末は、化学兵器を使い毒に至らしめ殺戮すること……。

核はあかんでしょ……。
殊のほか少年漫画で、いや少年漫画だからこそ、これを感じさせられる。
王とネテロの境遇や研鑽し積み上げてきたものの力と力のぶつかり合い、どんな結末を迎えるんだ!?
そんな少年漫画的熱い展開をぶち壊しにする、この別種の道具。
無慈悲で無価値で無感動で 結果を残すためだけのもの。そこにはなんの人間性もない。
大量殺戮兵器の「それを使ってしまってはお終いだ」という非道さが嫌になるほど際立つ。

いつも何かといい回答を出してくれるゴンも今回ばかりは「もうこれで終わってもいい」との決意のもと、
負の感情に呑み込まれてThis way.. FIRST COMES ROCK.. ボという苦い結末を迎えることに。

蟻の中にある人間性と、人間の中にある悪意が対比されるような構造になっていたために、
後半では蟻側にどうしても心情が寄ってしまって、うるうるきてしまったね。
異なる種との対決は、どちらが淘汰されるか争いなしでは語れない難しい問題だった。{/netabare}

あ、ピトにゃん可愛かったです。


▼You can't smile!
 ~52話で途中断念した辺りまでの感想 不満点が多い。
{netabare}これを見始めたころ比較しようと思って旧作の方をみたら、やっぱり旧作の方が忠実だし雰囲気でていた。
新版は全体的に描写が甘口になっていて、ハンターの殺伐とした世界を表現するには残念。
でも作画は綺麗だし、久しぶりにやっぱりハンター面白いなーと見るには良いもの。
どこまでやるのかな、ゴンさんでるのかな、と楽しみ。

----------------------47~ クラピカ編一区切りついて----------------------------
比較動画みたりなんかしたのでちょっと追記。
新は"分かりやすさ"を意識して作られているようで、戦闘描写にせよセリフにせよ、凄く丁寧。
でもその反面、細かい描写や連続した動作のリズムが損なわれてしまっていて、大ゴマざっくりな感じ。

一方、旧は"物語の雰囲気"、"キャラの個性"を重視して作られているように思う。
雰囲気の醸し方、戦闘の緊迫感は圧倒的で、演出は複雑な心境を見る側に想像させる。
その分セリフが早口だったり、どんな技なのかが分かりにくかったりする。

アニメの見易さ 新>旧
物語の演出とかキャラの表現 新<旧
て印象、でももはや旧より新の方がちゃんと見てるので、しっかり比べられてないけど。

新のOPEDが嫌いとかでないんだけど、(OPはずっと聴いてたら好きになった)
使い回しBGMをどんな場面にも入れてくるので、急展開でも普段通りな感覚になってしまう残念さ。

----------------------52 クロロvsゼノ・シルバ----------------------------
この回はハンターの中でも屈指の強キャラ対決で、戦闘描写にしても緊迫感にしても名シーンなわけだが、
うわーん残念だった。まず舞台明るいし!緊迫感のないぐだぐだ戦闘、相変わらず空気読まないBGM
そしてあの切り方はない……あそこを引きにしても意味ないよおお。
物語の流れとか意識してない、パターン化と話の消化ばかりの完全に子供向け作品になっちゃってた。
もはや惰性で見続けてるなぁコレ……。

(中途断念)

久しぶりにちらっと見るとOPが未だに変わってなかった いつまでYou can smile!してるのかwww
最後まで(OP変えることを)あきらめないつもりなのか・・
やり続けることに・・必ず意味が・・ある・・のか・・

ハンターは編ごとにテーマや目的を一新して物語を転換して常に新鮮味を与えてくれるのに、
新ハンターはOPすらずっと同じままで子供向け化させられているのは残念だなぁ・・
映像はキメラアントの禍々しいオーラでてるのにあのOP合わなすぎだろう {/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 20

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

キメラアント編以降はよく頑張った方

あとは見てません(笑)

まあ、ハンターハンターのファンだったらキメラアント編のアニメ化が見たくて見ていたものでしょう。

リメイク、リブートしたアニメって考えてみたら、これと「鋼の錬金術師」ぐらいですね。(あとベルセルクか。。)

今、また連載再開されましたがベルセルク並みの遅さはあれだけの構成を考えるのは一人じゃ到底無理で、普通「約束のネバーランド」みたいに作画と原作分けます(笑)

尋常じゃないことをやっていると思ったほうが良いでしょう。

普通の漫画家は、「キャラクター」を立てるために「物語」を作りますが、「ハンターハンター」や「鋼の錬金術師」は、「物語」のために「キャラクター」を配置しているんですね。そこが一番の要です。実社会においても、「人間」個人が主体で社会を形成しているのではなく、「社会」に「人間」がいるわけで、人間の主体の「擦れ」「や「溝」を描いているところがほかの漫画家より数段クールな訳です。家族だろうが、恋人だろうがみな他人でしかないってなわけですね(笑)

文学とは、それを読むことによって自分自身を見つめ直す装置なのです。人間、無謬だと思ってる人も多いわけですから。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18

67.0 9 冒険でシリアスなアニメランキング9位
ラストエグザイル-銀翼のファム-(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (675)
3433人が棚に入れました
「決めた!私はあの戦艦を盗む!」 全ての命の源-グラン・レイク。その聖なる湖で、アデス連邦とトゥラン王国が砲撃戦を開始する。圧倒的な艦隊戦力で全世界の制圧を目指すアデス連邦を前に、壊滅寸前に陥るトゥラン。トゥランの王女たちが見たのは、小型ヴァンシップ“ヴェスパ”に乗った空族の少女・ファムだった。「これより貴殿の旗艦を、この戦場より盗み出さん!」対空砲火が飛び交う中、ファムのヴェスパは大空を舞う。侵略を続ける連邦総統ルスキニアの目的は? そして、謎の力「エグザイル」とは? 今、激動の大航空冒険活劇が幕を開ける!!

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

タチアナさんも言ってたよ「ぎりぎり及第」ってね♪ ∑('◇'*)

■ラストエグザイル-銀翼のファム-ってこんなアニメです☆彡
2003年に前作「LAST EXILE」から8年の時を経て2011年に「ラストエグザイル-銀翼のファム-」というタイトルで続編がスタートしたのですね♪
壮大な世界観と圧倒的な作画を更にパワーアップしたと言う事で否応なしにも期待しちゃいますね
(*・ω・)ノ
キャストについては前作以上に主要キャラも増えた事もあって豪華な顔ぶれで、アニメファンであれば聞いた事のある人ばかりなのですよ♪

ストーリーの方は前作から数年先の話となっているのですけど、関連性は大きくないので「-銀翼のファム-」から観始めても十分楽しめるのではないでしょうか(*^o^*)
とはいっても前作から引き続き登場するキャラがどんな過去を送ってきたのか、またアナトレーという帝国がどんな国であったかなど、知っているだけで楽しさが倍増すると思うので、やっぱり前作を観てからの視聴をお薦めしたいですね♪

今回の舞台となっているのは「アデス連邦」が「トゥラン王国」に侵攻してくる場面から物語がはじまるのです!
ことの始まりは・・・はるか昔にエグザイルで移民してきた「トゥラン王国」やその他移民国が「アデス連邦」の土地に移り住んで来たのが原因みたいですね(・0・*)ホー
「アデス連邦」は、移民すべてを受け入れるだけの国力が無いのと、移民国に土地を追われる形となった現地民族からその土地を奪い返すべく各地に一個大隊を向かわせ侵攻を始めたようなのです!
そんな戦乱の世に「アデス連邦」の侵攻で故郷を追われた者が集まった『空族』という集団があったのですね♪
連邦の空中戦艦を鹵獲して生計を立ててる『空族』の一つ『カルタッファル』と名乗る集団に、本作品の主人公の「ファム」とファムのナビを努める「ジゼ」が所属しているのです♪
愛機の小型ヴァンシップ<ヴェスパ>とその腕前で数々の艦船を鹵獲してきた「ファム」と「ジゼ」はとっても可愛い女の子なんですよ♪
そんな彼女らが「アデス連邦」と「トゥラン王国」の戦闘に巻き込まれていく事になるのでした・・・


■銀翼のファムに出逢った日の日記 φ(^∇^ )
5話まで観終わった時点での感想を書かせていただきたいと思います♪
前作から8年経った続編という事もあって、現在の技術力でラストエグザイルを制作したらどんな凄い映像を見せてくれるのかなぁってとっても期待して視聴することになったのです!
かなりの期待過剰状態で第1話を視聴する事約30分・・・
前もって「1話テイクオフ直前スペシャル」を観ていたにも関わらずその作画のできに驚かされました♪
ヴァンシップが雲を掻き分けて疾走していく描写はとっても爽快で、艦隊戦のシーンはまさに海を泳ぐ「クジラ」そのものです♪
またそんな「クジラ」を鹵獲するシーンは圧巻の一言ですよ(*゚o゚*)
地デジ化して本当に良かったと思えたのは初めてだったかもしれませんw

ストーリーの方は、前作のクラウスとラヴィは戦乱に巻き込まれていったのに対して、ファムの困ってる人を見たら放っておけない性格からか、自ら戦乱に首を突っ込んでいく展開になって行きましたね♪
そんなファム達と「トゥラン王国」復興を目指すトゥラン王国第二王女のミリアにどんな展開が待ち受けているのでしょうね!
とっても楽しみです(*^o^*)
また、前作から引き続き登場のディーオやタチアナ&アリスティアコンビのアナトレーの戦艦「シルヴィウス 」がどう絡んでいくのかも今後の楽しみですね(*・ω・)
ディーオのルシオラへの思いや、素敵な女性艦長になっていたタチアナが赤いヴァンシップに乗りこむシーンなど、前作からのファンにとっても嬉しい演出が所々出てくるのも好印象ですね♪
ただ、ちょっと難しい専門用語や耳慣れない国の名前が度々登場してくるので、結構把握するのに手間取るかもしれませんね(^ー^* )フフ♪
そこのところは公式ホームページで前作同様に用語集のリンクがあるので補完しながら見ると良いかも知れません♪
しかも、各国の相関図のリンクもあって毎話更新されているので、アタシσ(゚-^*)は結構利用させてもらってますw


■総評
前作「LASTEXILE」の続編としてファンの期待が大きかった本作品ですが、果たしてその期待に 応え得ることが出来たのでしょうか?
期待が大きかったぶん厳しい意見もあったようですけど、個人的には及第点を与えられる内容になっていたと思っています。
前作よりもスチームパンク色が落ち着いたものの、気になっていたキャラの表情・動きといった人形っぽさが無くなっていたので3Dと2Dの融合感は圧倒的に今作の方が上ですね♪
また、ファムを主人公においた事もあってか全体的に明るいイメージで、それにあわせて彩度を上げて全体的な映像の印象も明るい印象に仕上げてましたね(*^^)v
それとヴァンシップもデザインが豊富で前作よりも個性があって楽しめました!
ファムが乗るヴェスパは機体が小さい分キャラの表情が映えてファムにピッタリの機体ですよね☆彡
ストーリーに関しても概ね前作よりもわかり易かったような気がします、前作を視聴していない人には難しいかもしれませんけどね!
全体的な作品の仕上がりは前作よりもマニア向けから大衆一般へ歩み寄った作品といえるんじゃないかなぁーって思います。

ただ、手を上げて大満足と言えないのは、GONZOイズムなのでしょうかw
前作でも思ったんですけど…「磨けばもっと輝けたのに!」ってね ゞ(^o^ゞ))))アラアラ
どんな点が今一歩(GONZOイズム)だったのかちょっと振り返ってみようと思います。

そもそもファムを主人公に設定したこと自体が間違いだったような気がしてならないのです…∑('◇'*)エェッソコ!?
『銀翼のファム』では、人類の永遠のテーマでもある「世界平和」を目指して国家ごとの思想や、その要人たちの信条を絡めて物語が進んでいくわけです。
そんな中、政治的重責のないファムを平和の象徴のグランレースと結びつけてファム目線でストーリーを進めていくには限界があったと思うのです。

『銀翼のファム』が続編という位置付けであるならば、やっぱりアナトレー視点のストーリーを見てみたかったなぁって思うのです∑('=';)
個人的には色んなとこに顔をだしながら、それでいて不思議と不自然じゃなくなっちゃう機動力のあるディーオを主人公に推したかったかなぁw
ルスキニアやアラウダはディーオと同族っぽいしね!
とにかくディーオ、タチアナ&アリスティア等、前作のキャラを登場させているのであればしっかりストーリーに組み込んで欲しかったです☆ミ
特にアルの扱いはひどいですw 追いかけっこしてただけですよww
愛着のあるキャラ達をまた見ることが出来たのは嬉しいんですけどファンサービス止まりなので・・・
結局「銀翼のファム」の評価を落とす結果となっている気がしました(ToT)

また、前作の内容から切り離してまったく新しいストーリで作るっていうのでも良かった気がします。
であればミリアを主人公としてストーリーを組上げていけばよかったのでは?って思うのです。
本作品で色んな表情を見せてくれていてたし、作品を通してもっとも成長したのがミリアだったからね!(^-^)
唐突な展開が多かったので、前作のキャラを削る事で、リリアーナ&ルスキニアの心情の変化やミリア&ディアンの掛け合い等々、もっと深く掘り下げるべき場面や伏線を丁寧に回収するなど深味のあるストーリーをつくり上げることも出来たはずなんですよね!

ファムの人格だけ見れば主人公たるポテンシャルは十分満たしているとは思うのですけど、この物語の内容にはね…
スピンオフのキャラから主人公に抜擢されて文句言われているファムがとっても可哀相に思えてならないのです。
「わたしが あなたの翼になる」と言ってたようにミリヤの良き理解者という立ち位置だけでも充分輝けるキャラだと思うんですけど背伸びさせ過ぎちゃった感じかなのなぁ(^▽^;)

なんだかんだと色んな事を書いてきましたけど、それでもやっぱりこの作品は大好きです♪
ファムもジゼルもミリアもみ~んな好き♪
「おいしいってときにはね、おいしいって顔、しなきゃ。」って事だよねーディーオ(*^^)v

「ラストエグザイル-砂時計の旅人-」のアニメ化ないのかなー♪
やっぱりクラウスの活躍がまたみたいです( ̄∇ ̄+) キラキラキラ~♪


■MUSIC♫
OP曲『Buddy』
 【作曲・編曲】School Food Punishment/江口亮【歌】坂本真綾
 なんといっても注目は大好きなスクパニが曲を提供しているって事です!
 疾走感あふれる複雑な楽曲とお馴染みの坂本真綾さんの素敵な歌声はとっても気持ちいいですね♪
 でも残念な事にスクパニはこの曲を最期に活動を休止なのです…(。>0<。)ビェェン

ED曲『Starboard』
 【作曲・編曲】黒石ひとみ【歌】Hitomi
 風を感じる流麗な楽曲とウィスパーボイスで優しく包み込んでくれます♪
 「銀翼のファム」の世界観を見事に表現してますね♪
 さすが黒石ひとみさんです(*^^*)
 

2011.11.20・第一の手記
2012.05.12・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 47
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

空に想いをはせる(80点)

事前SP+全21話+総集編2回。
アニメオリジナル作品。

個人的満足点:80点
アニメ系統:SF(スチームパンク風)

前作、ラストエグザイルの続編。
前作未視聴でもなんとかならないこともないが
前作視聴済ならより熱くなれるので前作視聴してから視聴するのがお勧め。

そして、舞台設定が1話ではほとんど語られないので
できれば0話の「1話テイクオフ直前スペシャル!」を視聴されることをお勧めする。
簡単な舞台設定やキャラ設定が紹介されているので1話にすんなり入れると思う。

世界観は前作を引き継ぎスチームパンク風の世界でロマンあふれる作り。
大空を飛ぶシーンだけで満足してしまう自分がいる。

物語の大筋は世界統一しようとするアデス連邦とそれをとりまく国との衝突を描いている。
しかしながら、物語は中盤あたりで少々定まりが悪い。
途中経過がはしょられたり、物語が急に方向展開するような印象を受ける。
それも後になって理解が深まってはくるのだけれども。

また、キャラに萌え要素が入っているのも個人的には少々疑問。
この世界観にはミスマッチかなと思われる。
もう少し硬派な作りでもいいんじゃないかなと思う。
(商売を考えると仕方ないのかなあと思ったりもするのだけれども)

なんだか悪いようなことばかり書いているが個人的には大好き。
しかも最終話では胸が熱くなって涙腺がやられていた。
なんだろうか?
やはり音楽がいいという部分があると思う。
数多くの挿入歌を効果的に使っている。
それぞれのシーンでの音楽が各シーンを盛り上げる。

そしてOP曲 坂本真綾さんの「Buddy」は大空をかける疾走感を
曲から感じることができ、曲を聴くだけで物語への期待感が高まる。

兎に角、ロマンを感じるっていうのが好みならお勧めの作品。
そして、音楽だけでも1度聴いてみて欲しい作品。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

1番熱かったのは総集編2だったw


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以下、各話の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}

1話視聴。
前作に比べやや軽い感じになったかな。
ヒロイン「ファム」が天真爛漫な感じなので
そう思わせるのかもしれない。
キャラも前作に比べやや柔らかくなったかな。
前作に比べやや萌え要素が加わった感じはする。

映像は、やはり空を飛ぶ疾走感がすばらしい。
前作を上回るクオリティ。
2Dと3Dの融合がすばらしい。
空戦の作画が半端ない。
このクオリティで2クールもつのかねw

何にしても今後が楽しみで仕方ない。

最後に「すごいとおもわなーい」がまどかに聞こえたw
この瞬間まで悠木さんが出ていることを忘れていたw

2話視聴。
今週のが序章となるのかな。
OP曲が最後に流れたことから考えても、そんな流れと思われる。
前作までと違い意外と目的などはっきりしてきそう。
ファムとジゼルもいいコンビぽい。
とくにジゼルはかなり優秀なナビのように感じた。
来週からの盛り上がりに期待したい。

3話視聴。
あおちゃんと千和さんのからみだw
一人で歓喜してたお^q^

雰囲気だけでもっていかれている自分がいる。
映像だけで満足してるとか、ダメな俺。
ロマンを感じるんだよね。
ファムも主人公らしくなってきた。
来週も楽しみ。

4話視聴。
タチアナキター
赤いヴァンシップきたよきたよ。
1期視聴済の私にとっては鳥肌ポイント。

そしてシルヴィウスかっこいい。
もしかしてと思ったが、潜った\(^O^)/
さてさて来週からどうなるのかな。

5話視聴。
星から自分のいる位置をずばり当てるジゼルいいねえ。
こういうちょっとしたシーンが何か好きだわ。
そして、戦闘なしで戦艦1隻ゲット。
ジゼルの戦略が冴えていた。
戦略のシーンはあまりないけどね。
そしてファムが全然活躍してないw
完全にジゼルのすごさを見せ付ける回だった。

そしてミリアw
なんという戦略www
メイド姿で男を落とそうとかwww
さすがに無理すぎるwww
俺なら落ちるかもしれんが・・・・
それでも厨房を占拠したのには笑ったw

6話視聴。
物語は飛んで戦艦を半分まで集めた段階へ。
1話で1隻ずつ集めたんじゃ終わらないしねw

展開が加速しだした。
トゥラン再建に向け動き始めたファム達。
同時にアデス連邦もさらなる動きに。
ルスキニアのやり方がえげつない。
ルスキニアはいったい何をやろうとしているのか。
ここまで若干軽いのりだったが、やや重めなのりになってきたかな。

そしてレースが熱い。
物語の展開上、勝つとは思っていながらもドキドキした。
最後は魅せ方には胸が熱くなって痺れた。


7,8話視聴。
最後のくじら狩りに向ったファム達だが、ピンチに。
何とかピンチを脱するも更なるピンチに。

シルビウスがやばい。
しかし、タチアナかけえ。
「ぅってええ」とかしびれる。

でも、ジゼルが心配だなあ。
かなりショックを受けていたようだし、
もうヴァンシップに乗らないとか言わないかな?
来週からの展開が気になるところ。


9話視聴。
予想通りの展開キター
ジゼルの葛藤がいい感じ。
あおちゃんは相変わらずいい演技するねえ。

個人的にはもうちょっと引っ張って欲しかったが、こういう友情ものには弱い。
ファムとジゼルの友情にミリアが加わり、なんともいえない良回だった。

来週からいよいよ国を取り戻す展開に入っていくのかな。
益々の盛り上がりに期待したい。


10話総集編視聴。
総集編だが、最後だけちょっと話がある。
そこだけでも観よう。


11話視聴。
盛り上がってまいりました。
アル来たー。
これはやはり1期を見ていた方が楽しめるね。
そして、ディーオカッコイイ。
このあたりは完全に1期見てないと分からないね。

今回はちょっと作画がおかしく感じた。
何か顔とか変だった気がする。

まあ、盛り上がってきたから別にいいけどね。


15話視聴。
いよいよクライマックスに向けて動き出したかな。
ファムとミリアが熱かった。
こういう熱い思いは個人的に好み。
ここから最後の巻き返しに期待したいところ。


17話(総集編2)視聴。
なんと1期の総集編に2期をからめてきた。
あらためて観ると1期ってこんなに良かったのかと思ってしまったw
そして、なんとクラウスとラヴィが出てきたよ。
来週からんでくるのかな?
俄然来週が楽しみになってきた。


19話視聴。
なかなか熱い展開だった。
そして、最高のところで出てくるシルビウス。
来るぞ、来るぞ、キターーーーーーーって感じだったw

あっさりしていた感じはしたものの
何かぐっとくるものがあった。
ここから最後に向けてどう展開していくのだろうか。
最後の盛り上がりに期待したいところ。


20話視聴。
いよいよ、クライマックスかな。
核心にせまって話が展開しそう。
しかし、今一盛り上がりに欠ける気はする。
正直1期を超えるのは無理かなあと感じてはいる。
まあ、でも好きだけどw

あと、どうでもいい話だが、ドレスのファム可愛い^^


21話(24話)視聴。
結局は皆、平和な世の中を作りたいだけなんだよね。
その方向性が違うだけ。
ルスキニアの最後の笑顔が印象的だった。

そして、ファムが無事帰還した時に胸が熱くなった。
別にどうってことないシーンのはずなのに
無事戻ってくるって分かっていたはずなのに不思議と涙腺をやられた。

{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 46

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

決めた!私はあの戦艦を盗む!

2003年に制作された「ラストエグザイル」から8年の歳月を経て、大航空冒険活劇が再び!オー(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチパチパチ

◆この続編の内容は・・・
自然豊かな国「トゥラン王国」と世界統一を目論む強国「アデス連邦」、この2国が和平条約を結ぶというところから物語は始まります。
しかし・・・( ^-^)_旦""オチャドウゾーヘイワガイチバンデスネー、とはなりません。
なんとアデス連邦が宣戦布告!(;゚ ロ゚ )ナン!( ; ロ゚)゚ デス!!( ; ロ)゚ ゚トー!!!
そんな戦争に、空族のファムとジゼルという2人の女の子達が関わっていくというお話です。

◆もし前作を見ていない人には・・・
前作を未視聴でもさしつかえは無いと思いますが、この作品を120%楽しみたいのなら、第1話を見る前に前作を見る事をお勧めします。
前作のキャラ達を知っているのと知らないのでは興奮度がまるで違うので^^;

◆見どころは・・・
ディーオその人と言っても良いかと思います^^
私恥ずかしながら、第1話の彼の姿を見た時から歓喜の声を上げてしまいました(ノ*゚▽゚)ノウオオォォォォ!!
あのディーオがメチャクチャ光ってます!!
全体通して見ると彼が登場するシーンは少ないのですが、彼が出てくると胸が踊らされ興奮を抑えることはできませんでしたよ♪
1期を見ずにいきなりこの2期を見た人にはこの興奮は絶対にわからないですね!!

◆声優陣は・・・
ファム    : 豊崎愛生(けいおん!の平沢唯)
ジゼル    : 悠木碧(ゴシックのヴィクトリカ)
ミリア     : 茅野愛衣(あの花のめんま)
リリアーナ  : 沢城みゆき(ローゼンメイデンの真紅)
ディーオ   : 野田順子(灰羽連盟のレキ)
ルスキニア : 興津和幸
他有名どころで、折笠富美子、福山潤、中村悠一、喜多村英梨、斎藤千和など。

◆総評・・・
大空で繰り広げる大艦隊戦の迫力、大空を駆け抜けるヴァンシップのスピード感溢れる爽快感。
その映像クオリティの高さは半端なく、もはや劇場に足を運んで見ているような感覚です。
しかしシナリオは残念ながら前作ほどには及びませんでした。
同じ戦争に巻き込まれるという展開でも、前作は登場キャラ達の人間描写を非常に良く描いていたのに比べ、今作は国と国との戦争物語を重点的に描いてるのからか、登場キャラ達の人間描写が薄くなってしまったように思えます。
さらには前作のキャラ達の登場シーンの少なさにも不満も感じました。
最もこの作品は新キャラ達の物語だと言われたらそれまでなのですけどね^^;

投稿 : 2024/04/13
♥ : 25

85.7 10 冒険でシリアスなアニメランキング10位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (753)
3292人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

はーすげー!へーすげー!の連続

原作未読


JUMP案件全24話。
謎の石化ビームで人類が活動を止め3,700年。いにしえの時を越えて石化が解けた一握りの人類が科学の途絶えた地球でその科学の知識を駆使して失地を回復していく物語。
主人公はどんだけ幅広く深く網羅してんのよ!なスーパー理系高校生の石神千空(CV小林裕介)。見た目は下仁田ネギを擬人化してオーケンのメイクをしたような感じ。ジャンプっぽいデザインです。そして同級生の高校生ら数名。

『戦国自衛隊』だと現代兵器を信長時代に持ち込んで大暴れとなりますがこちらは持ち込み不可。3,700年ほったらかしだとさすがに文明は絶えて石器時代以前の原始時代かのよう。
同期の『本好きの下剋上』のように現代の頭脳を持ったまま後進文明に乗り込んで「無ければ作ればいい」を試行錯誤するのに似てます。『JIN』も同系統でしょう。そしてさらに文明がないところからスタートするのが本作なわけですからこのテのものでは最難関ハードル。ちょっとワクワクします。

それと自分幼稚園の時でしょうか。世界名作劇場『ふしぎな島のフローネ』から漂ってきた匂いと同じものを感じます。OPもEDも覚えてます。木の上の家は憧れでした。
つまりあぁそういうことか。原体験からくる刷り込みがどうやら自分にはあるようです。
イキリ主人公が教育上どうかとは思われど、少年少女が“科学の面白さ”に触れる良い機会になるやも。


 {netabare}オイラ文系でラッキー?{/netabare}


化学ならびに物理の理系科目に不案内なため、アニメで描かれている試行錯誤の産物が乾いたスポンジに水が浸み込むようにすーっと入ってきます。

{netabare}パクチーとライムなんかでコーラ作れんの?マジでスゲー!{/netabare}

信じるかどうかは俺次第 キリッ なんす。

そして前半のOP「Good Morning World!」がすこぶる良い。なにが良いかって作品にばちっとハマる感覚。久しぶりです。ピストルさんっぽい声質もしっくりくる良曲です。


障害ももちろんありますよ。
文明を起こそうという主人公らを妨害するのは野生の肉食動物や自然の猛威だけかと思いきやそう簡単ではありません。
アンチ文明の敵対する勢力もわりと序盤から登場し、主人公らの前に立ちはだかります。まあバトル要素ですね。


 科学の試行錯誤+バトル要素


このバランスが崩れず2クール完走でした。原作が続いているので続編期待な感じでの終幕。
大袈裟でしょうが“人類の叡智”の触りを感じるのにちょうどよい良作です。ごちそうさまでした。



※オマケ

■“霊長類最強の男”獅子王司ってどうよ?

あらためてこうして見るとすごい名前ですね。さてこの方について
好きですか?嫌いですか?どんなキャラだと思いますか?
私はちょっと受けつけないですね。作者の術中にはまってるのかもしれません。

1.{netabare}動くゴールポスト

敵視する対象が最初は“我欲にまみれた汚い大人”。ピュアな若い連中のみ石化解除しようともちかけ、それを千空に拒否されることで対立の芽が生じました。描かれてませんが、「お前らが年くったらどうすんだ?」と疑問符が浮かびます。
それがいつの間にか“科学を信奉し文明を起こそうとする者”へと。考えが深化したとみるよりゴールポスト動いてんじゃんとみてます。でさっそく作中でツッコミが入りました。途中出会った集落の科学?青年クロムについて千空が言及「俺を殺しても次が出てくる」と。まさにその通りなんですよ。
そのため獅子王司の目指す未来は破綻が約束されてるようなもんです。{/netabare}

2.{netabare}ポル・ポトと変わらん

毛沢東と迷うところですがこっちかな。最初は知識階級だけだったのが順次粛清対象が拡大して…
力で押さえつけるしか方法がないので、この世界で肉体での戦闘力に秀でた司が首領ポジションにいるのがしっくりきます。原作未読の戯言ですが、司陣営でそのうち粛清が始まることでしょう。{/netabare}



■スイカ役の高橋花林さん

超個人的なつぶやきです。
この方1年前の迷作『ソラとウミのアイダ』で主役張られてた方です。すでに多くの方の記憶から消え去っているかもしれない作品ですね。
新人でおそらく初めてゲットした主役級の配役があれでと。そのことをもって高橋さんの今後を案じる旨をレビューで書く、という余計なお世話極まりないことをした記憶があります。
こうして、再会できたのはなによりです。ぜひ頑張ってください。



視聴時期:2019年7月~2019年12月 リアタイ  

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2020.02.07 初稿
2020.07.19 修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 68
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

悲しき熱帯

トムス・エンタテインメント制作。

地球上の全人類が石化する怪現象が発生。
生き残った少年少女は科学を頼りに、
再び、原始生活から歴史を歩み始める。

語り口が一風変わったサバイバル冒険譚で、
舞台の西暦を聞き、楽しいかもと確信した。

主人公は科学を信奉する合理主義者で、
偶然であれ必ずそこに合理的な理由があると、
数々のトライ&エラーを繰り返しては、
仲間とともに町を発展させていく。

太古から始める生活も、
{netabare}石の時代、火の時代、動力の時代と、
小さな一歩ではあるが、
確実に文明の灯を社会は宿し始めていく。{/netabare}

敵側の集団には少年ジャンプらしい、
主題を持つキャラを配置されていますが、
私はむしろ敵は居なくても良かった。
探索・発見・発明、仲間との友情、
やがて未曽有の危機に瀕した地球の秘密を知る。
そんな物語であってもいいなと思います。

本来、科学とは心まで豊かにするものだ。
人類は心まで実りある社会を取り戻せるのか。
私たちの武器は想像力と好奇心である。

続編が楽しみなアニメですね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悠大で悠久な物語

<2019/12/22 追記>
全24話見終えました。

面白かったー!

科学の蘊蓄だけでなく、
文明がほぼ原始の世界というだけでなく、
現代に在る科学の凄みだけでなく、
逆転の発想で「今は過去からつながっていて、そして未来に続いていく」ことまでも実感できてしまう。

『悠大で悠久の物語』

ハリウッドが狙ってきそう 笑。

ここは無理があるんじゃないの?という部分ももちろんありますが、そこは架空のお話。
気にしないで見れたモン勝ちです。

二期があるとのことで今から楽しみです。

<2019/7/11 初投稿>
観始めなので評点はデフォルトの3.0です。

原作未読。
あにこれのあらすじ紹介だけで期待値上げてた作品ですが・・・面白いやんけ( ・∇・)

ざっくり言うとタイトルの通り
「ララーシュタインのような髪型した少年が科学でファンタジーに挑む」
と言う感じかな。

ララーシュタインってなに?と言う方は是非、画像検索してみてください。
ついでに言うとこのララーシュタインさんが登場する作品。
OP曲はグラムロックの名曲ですよ。

閑話休題

さて本作、ちょっと変わってる印象です。

普通、物語の分類で
ファンタジーと言えば「科学的裏付けの全くない空想」作品で。
SF(Science Fiction)と言えば「科学的裏付けがあったり、あるように思わせる空想」、 つまり科学と空想が入り混じった作品なのですが。

ところが本作はどちらとも言い切れない。
強いて言えば
「Science(科学) &(そして) Fantasy(空想)」
で「SF」かな

科学的裏付けが全く感じられない現象に対して
めちゃくちゃ地味な科学的考証の積み重ねで立ち向かう。
ScienceとFantasyの二つが融合せず、お行儀よく隣り合ってる印象です。

地味なウンチクも多い。
そう言うの好きな人にはぴたっとハマると思います。

例えば理系のアニオタの私とか( ・∇・)♪

自分は今期、「ヴィンランド・サガ」「炎炎ノ消防隊」「コップクラフト」と並んで注目しております。

<2019/7/15 追記>
2話目観ました。

炭酸カルシウムの4番目の使い道が意味ありげで気になるー笑。

そして新キャラ登場。
獅子王さん。
濃いですねぇ。
{netabare} 空飛んでる鳥を木の上から飛びかかって捕まえちゃったよ、この人 笑。
チート武力{/netabare} 担当だそうです。

さあこれで3人。
人間、3人集まると派閥が生まれるというような言葉がありますが、もしかしたらこれからはそんな展開なんでしょうか。

獅子王さんの発想は昨今の{netabare} 世代間の断絶{/netabare} のようなものを表してて面白いです。

でも、それを是としたら{netabare} ジャンプのような商業誌には載せられなくなってしまいます。
というわけで主役のララーシュタイン、もとい千空さんはかっこよく反発して、{/netabare} 引きへ・・・

でもですよ。
ちょっと思うんです。
もし{netabare} 獅子王さんの考え方に千空さんが同調して物語が進んだら・・・
結局、若い世代同士が新しい利権を奪い合って理想郷なんてできないってことがわかってEND{/netabare} とかSFっぽくてそれもありかなーなんて 笑。


ところで全く話は変わりますが。
他の方のレビュー拝見してて{netabare} 「石化してるのが表面だけならなんで中身の生物は何千年も生きてるの?」{/netabare} というような疑問を複数見かけました。

そこはファンタジー部分だから、と私は飲み込んでおります。
それ言い出したら、{netabare} 石化したら息できなくて数分で死ぬじゃん、という話だし。
仮に呼吸できたとしても水も食料もなければ一週間ももたないし。{/netabare}
そこら辺はファンタジーなんじゃないですかね。

<2019/9/3 追記>
9話まで観ました。

アニメでも映画でもドラマでもなんでもそうですが。

登場人物に対して「なんでそこ気がつかないの?」とツッコんでる自分いませんか?
それは俯瞰して見てる視聴者だからこそのツッコみな訳で。
物語を進める上での重要な部分ほど気がついてくれない。
それが物語の面白み。

ところが、たまにそういうのが極端に少ない作品もあります。
デスノートとかそうですよね。
登場人物が賢いので先の先、裏の裏まで読む。
ところがそれでも裏かかれちゃう。
で、そこが面白かったりする。

本作もデスノと同じ匂いがします。
千空さんはもとより、獅子王さんもかなり思慮深く用心深い。
お互いに裏の裏の裏を掻きあってもう痒いところもないくらい。

もしかしたらデスノの系譜と言える作品なのかもしれないですね。

デスノのようなイケメンいないので女性人気は覚束ない感じですが、理系男の私はハマってます。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 53

78.8 11 冒険でシリアスなアニメランキング11位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (748)
3291人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

モーターサイクルダイアリーズ

時雨沢恵一原作、電撃文庫人気シリーズ。

物語は寓意に満ち溢れた童話短編集、
キノとモトラドのエルメスによる諸国放浪記。

原作の表紙にずっと惹かれていたのですが、
イメージとは違い凄惨な話が続きますね。
キノが銃を握りしめて眠るのが印象的でした。

ここには様々な都市国家が存在していて、
原始的なものから、近代的なものまで、
文化の成熟度まで違います。
様々な人と交流しながら、
街を散策し、人と世界を理解する、
キノを徹底して、傍観者にすることで、
視聴者を舞台に上げることに成功しています。

評価は上がったり下がったりなのですが、
作品を正しく理解するには、
ここで描かれていない、余白にこそ、
真実があるのでは、ないでしょうか。

最終話視聴追記。
最後は不思議な物語で締めましたが、
{netabare}人の身勝手さに皮肉と言った所でしょうか。
11話「大人の国」が良かったですね。
願わくば好きなことをして生きる、
キノの過去が描かれ興味深いものとなりました。{/netabare}
動き出したものだけに世界は開かれるのです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

三日限りの掟

……は、違うアニメ(『戦闘メカ ザブングル』)ですけれども(笑)。

話ができるモトラドのエルメス(要は「喋るバイク」)に乗って旅をするキノのお話です。キノはいろいろな国を巡りますが、ひとつの国には三日間しか滞在しません。

それぞれの国に特徴があって、そこでのエピソードが寓話っぽい感じになっています。

電撃文庫刊のライトノベル『キノの旅』が原作のアニメです。TVアニメ化自体は2回目ですが、別に「前作が1期目で今作が2期目」とかいうわけではなくて、リメイクというか再アニメ化というか、そんな感じです。

事前にPVのチェックとかせずにぶっつけですが、とりあえず第1話『人を殺すことができる国』を観ました。

今回のキノ役は悠木碧さんですが、第1話を観た感じでは「少年っぽい」キノのイメージに合っていたと思います。というか、ああいう声の演技もできるんですね。

エルメスの声についても「前作のイメージとは違う」というだけで、原作の記述からすると特におかしなところはないように思います。今作が初見なら「そんなもの」と思うのではないでしょうか。

今回はエルメスなどはCGモデリングを使うことにしたようですが、まあわりとうまくハマっているのではないでしょうか。

キャラクターデザインも1巻目の頃の原作イラストからはかけ離れていますが、新たにアニメ化ということで最近の原作イラストに寄せたものと思われます。最近の原作イラストのイメージには近くて、それほど違和感はないですね。

基本的には1話完結方式で進むと思われます。今回アニメ化されるエピソードは「電撃オンライン」というサイトで既に発表されていますので、気になる方はそちらもどうぞ。ただし、掲載されているのは放送エピソード順ではないそうです。

予告によると、第2話は「コロシアム」ということで、シズが出ますね。1クールで話数も少ないですし、主要な登場人物は早めに出していく感じになるんでしょうか。

元々、各エピソードの独立性は高いので放送順序は原作順でなくても問題はない気がします。

ということで、たぶん観終わった時点でレビュー更新になると思います。評価もそのときに改めて。

2017.12.24追記:
最終話を視聴完了。「アニメ版あとがき」などの謎なチャレンジもありましたが、基本的には無難にまとまっていたと思います。

たぶん「原作のイメージをそこなわないアニメ化」という点で、成果を出しているのではないでしょうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 59
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

キノとエルメスがちょっと風変わりな国々を旅する話

原作未読。今作は最終話まで視聴。前作は未視聴。

少し風変わりな国を、かなり風変わりなバイクと旅する話。

中学生の頃、やたらとハマっていた「星新一」や「小松左京」を思い出した。
SF+ショートショート。ブラックユーモアが溢れる作品。

この作品の最大の面白さは、主人公が決して善人では無いところだと思う。
小柄で華奢{netabare}な少女{/netabare}なのに、やっていることは、決して、単なる善人では無い。
{netabare}殺人{/netabare}をはじめ、身を守るためなら何でもする。

最終話に至っては、『こんなシーンを放送してもいいのか?』を疑問を投げかけたくなるほど酷いことをする主人公。
動物愛護云々言うつもりはないけど、一気に後味の悪い作品になってしまった。

11話までなら、そこそこ高評価だったのに・・・。
少し残念な最終話でした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 57

65.7 12 冒険でシリアスなアニメランキング12位
棺姫のチャイカ AVENGING BATTLE(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (604)
3224人が棚に入れました
航天要塞ソアラでの戦いから1ヶ月後、亡き父・禁断皇帝の遺体を求め、チャイカ、そしてトールとアカリ、フレドリカの一行は旅を続けていた。
次なる遺体の所持者は、皇帝を討伐した八英雄のひとり、クローディア・ダッジ。
彼女は優秀な魔法師(ルビ:ウィザード)であったが、いまや広大な葡萄園とワイナリーを経営する女主人となっていた。遺体をかけて勝負を挑むチャイカだったが、その圧倒的な実力差に、なすすべもなく完敗。
「完璧なる敗北…」落ち込むチャイカに、クローディアから意外な提案が……!?

声優・キャラクター
安済知佳、間島淳司、原優子、斎藤千和、佐藤健輔、野水伊織、幸田夢波、森嶋秀太、山本和臣、藏合紗恵子、勝沼紀義、ブリドカットセーラ恵美、金尾哲夫、大空直美、村瀬歩、櫻井孝宏

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

全10話モノタリナイ(´・_・`)

「ふと眉」「カタコト」ヒロイン・チャイカが
棺を背負って戻ってきましたねw
2014年春に放送されたファンタジー作品の続編。
2期にあたる作品です。
全10話。


1期からの順道な続編に当たるストーリー。
コメディありの前作から一転、ラストまで
シリアス展開が続くのがこの2期の特徴かと。
話の本筋、キャラの魅力等掴む為には
やはり1期からの視聴がオススメですかね。

10話という短い話数でしっかりと
まとめたという印象を受けた反面
駆け足感も否めなかったですね(´∀`;)
物足りなさが残ったのも事実です。

1期では明かされなかった最大の謎
チャイカの正体、存在理由が描かれます。
チャイカの奪われた悲しい記憶、そして運命。
この辺りは重要な核心部分だけあって
より丁寧に作られていると思います。

バトルシーンはスピード感、迫力ともに
前作同様のレベルの高い仕上がり。
なので、作画や声優陣などは前作と同等の評価。


全体的に遊び、余裕が感じられず
1期で見られたチャイカの可愛さは半減。
物語の性質上、仕方ないとしても
ふと眉、カタコトファンとしては残念無念w
物足りないぜ(/´Д`)/

1、2期通期でまとまった物語になっていると
思います。
まだ観てないという方には1、2期全22話を
連続での視聴がオススメです(・∀・)/″




《キャスト》

チャイカ・トラバント(CV.安済知佳)
トール・アキュラ(CV.間島淳司)
アカリ・アキュラ(CV.原優子)
フレドリカ(CV.斎藤千和)
チャイカ・ボフダーン(CV.藏合紗恵子)
チャイカ・カズマ(CV.丹下桜)
レイラ(CV.牧野由依)
アルベリック・ジレット(CV.細谷佳正)
ニコライ・アフトトル(CV.佐藤健輔)
ヴィヴィ・ホロパイネン(CV.野水伊織)
ズィータ・ブルザスコ(CV.幸田夢波)
マテウス・キャラウェイ(CV.森嶋秀太)
レオナルド・ストーラ(CV.山本和臣)
ギイ(CV.村瀬歩)



《主題歌》

OP
『漆黒を塗りつぶせ』/野水いおり
ED
『ワタシハオマエノナカニイル』/Coffin princess


【2015 02/28 レビュー投稿】

投稿 : 2024/04/13
♥ : 57

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

チャイカ、いっぱい。

チャイカ・トール・アカリ・フレドリカの四人組。
遺体探索継続中。
チャイカ、成長、顕著。
呪文詠唱、短縮、実用的。

アカリ、真面目な冗談、不十分。
その分、バトル、大半。
戦闘シーン、満載。
スピード感、緊張感、いっぱい。
手に汗握る展開、極めて緊迫。

チャイカ、複数存在。
1期、白チャイカ、赤チャイカ・青チャイカ。
2期、半チャイカ、黒チャイカ、双子チャイカ。
最終話、チャイカ、いっぱい。
どのチャイカ、何チャイカ?

ラスト、衝撃の結末?
否定、ややあっさり、残念。
その分、スッキリ。
さらなる延長、推奨。
ウィ、喜劇調OVA、私、所望。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 49
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

出来事 あった とても大事、心残り 肯定、疑問 解決 感謝 心から、うぃ

原作未読 全10話

棺姫のチャイカの2期です。1期(全12話)から観ることをオススメします。

戦乱の世、元凶である魔法帝国「ガズ帝国」のガズ皇帝が8人の英雄に打ち倒されて戦乱が終息なり平和な世となった世界。自称ガズ皇帝の娘というチャイカ・トラバントとサバターであるトール・アキュラ、アカリ・アキュラ兄妹、後で仲間になるフレドリカと共にその英雄が持ち帰ったとされるガズ皇帝の遺体を探すために旅をするバトルファンタジーです。

10話と短いので、果たして伏線が無事回収して終わるのか不安でしたが、きちんと終わっていて良かったです。

短いので仕方がありませんが、終盤は駆け足状態だったのでもう少し丁寧に余韻が残ると良かったですね~{netabare}(全部終わった後のお話がエンドロールだけではなくてもっと観たかったですね){/netabare}

バトルは結構アッサリなのでそれほどではないですが、危機をみんなで乗り越えるところが面白かったです。

気まぐれなフレドリカがお気に入りですw{netabare}(不死身なところもw){/netabare}

これから視聴される方は、1期と2期を一気に観る方が良いかもしれませんね。

OP・EDは1期と同じくOPは野水いおりさん、EDはチャイカトリオが歌ってます。

最後に、トールの{netabare}「我は鋼なり。鋼故に怯まず、鋼故に惑わず。一度敵に会おうては、一切合切の躊躇なく、これを討ち滅ぼす凶器なり。」{/netabare}セリフが好きでしたw

投稿 : 2024/04/13
♥ : 37

83.2 13 冒険でシリアスなアニメランキング13位
ゴールデンカムイ(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (688)
3190人が棚に入れました
明治時代後期。「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく北海道にいた。
そこにアイヌから奪われた莫大な埋蔵金という、一攫千金のチャンスが舞い込む。
埋蔵金は網走監獄に収監中の男によって隠匿され、24人の脱獄囚の身体に刻まれた刺青がその在り処を示す手がかりだという。
そんな折、ヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。
名をアシリパというその少女は、埋蔵金を奪った男に父親を殺されていた。
さらに杉元の動きに呼応するように、かねてより埋蔵金を狙って暗躍していた北の最強部隊・第七師団や刺青を背負う脱獄囚たちの動きも顕在化。
果たして、雄大な北の大地を舞台に巻き起こった一攫千金サバイバルの行方は……!?

声優・キャラクター
小林親弘、白石晴香、伊藤健太郎、大塚芳忠、津田健次郎、細谷佳正、中田譲治、乃村健次、菅生隆之
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

埋蔵金を巡る争いのなかでふれる、アイヌ文化と死生観

日露戦争で大激戦となった二〇三高地。
その戦いをくぐり抜けて生き残った杉元佐一は、
窮地に陥っても命を落とすことがなかったことから
「不死身の杉元」と呼ばれていた。
戦後、杉元は友人から目を患った妻の治療を託され、
費用を得るために北海道で砂金を探していた。
そのときに、アイヌの人々が北海道で集めた20貫もの砂金が奪われ、
ありかを示す地図が24名の囚人の体の刺青に記されていることを知る。
刺青が彫られた男を発見した杉元は、
アイヌの少女アシㇼパと出会い、行動を共にすることになる。

アニメーション製作:ジェノスタジオ、
監督:難波日登志、シリーズ構成:高木登、
キャラクターデザイン:大貫健一、
原作:野田サトル

北海道が舞台ということで、アイヌ文化が
バックボーンにある興味深い作品。
1話では、人間を食った熊は「悪い神」である
「ウェンカムイ」となり、それを狩っても、
アイヌの人々は毛皮も取らないし、
肉を食うこともないことをアシㇼパから聞かされる。
この話から、私は宮崎駿監督の『もののけ姫』を思い出した。
傷ついた猪の神が「たたり神」となってしまい、
人々や自然に害を与える存在へと変貌する。
それにふれた主人公は、村にいられなくなり、
旅に出るという話だった。

アイヌの信仰は独特だ。
カムイモシリ(神の国)で、動物は人間の姿をしていて、
こちらに来るときには、動物の皮と肉を持って遊びに来ているという。
だからアイヌの人々は、動物たちをある意味大切にして、
小熊を育てて大人になってから食べるときには、
盛大な祭り「イオマンテ」によって神を送り出す。
そうして、再びこちらの世界に来てくれるように促すのだ。
また、動物などの生き物だけでなく、
さまざまに役立つもの全てをカムイ
(アイヌ語で「神」の意)として扱う。
身の回りのものが神だから、いつも敬意を払い、
良い関係を築くという理屈だ。
信仰には「自分たちの生きる術」がある。

それを象徴するようなアシㇼパの話がある。
極寒の日に瀕死の傷を負って、
なおも懸命に生きようとする鹿を見て、
杉元は自身を重ね合わせ、殺すことをためらってしまう。
それを見たアシㇼパは鹿を狩ったあとに、
腹を割いて、そこに手を入れるように杉元に促す。

鹿の体温が移ってお前を生かす。
私たちや動物たちが肉を食べ、
残りは木や草や大地の命に置き換わる。
鹿が生き抜いた価値は消えたりしない。
そうアシㇼパは告げるのだ。
自然とともに生きるアイヌの人々の信心がよく分かる話だ。

自然を相手にして暮らす人々の考え方は、
死にざまにも大きな影響を与える。
6話で登場する熊撃ちのマタギ、二瓶鉄造の哲学はとても興味深い。

{netabare}自然のなかで生きる者にとって、そこには不文律の掟がある。
熊を狩って捌いているときに、それを横取りしようとした
3名の人間に対して、二瓶鉄造は殺人を犯してしまう。
自然の掟に従っても人間の掟では罪になる。
網走刑務所に収監されるが、山で死にたいため脱獄する。
彼にとっての理想的な最期は、獣との勝負の末に
体を食い荒らされて、それが糞となって大地にばらまかれ、
やがて山の一部になることだった。
私はこの話を観て、昔の常識だととても考えられないことだが、
現在では、それほど特殊ではないことに、
時代における価値観の大きな変化を感じた。

子供のころに観た今村昌平監督の映画『復讐するは我にあり』の
ラストで父親役の三國連太郎が息子の妻、倍賞美津子と一緒に
連続殺人犯の息子の遺灰を山頂から空に撒くシーンがある。
父親と分かり合えなかった息子、そして、その妻という
複雑な関係性があったわけだが、私は映画の内容よりも、
遺灰を空に撒くシーンに衝撃を受けた忘れられない作品だった。
つまり、墓に入れることはできない人間として、
せめて広大な空に撒いてやろうということだったのだ。
ところが、最近では散骨することは、一般的とは言わないまでも、
それほど変わったことではない見送り方になりつつある。
これは大ヒットを記録した作品『世界の中心で愛をさけぶ』の
影響が大きいとも言われているが、時代とともに
死者を悼むやり方も多様化していることを改めて感じさせた。

8話では、弟が猪に襲われて殺されるところを目撃した
辺見和雄という男が「死」への甘美な魅力に取り憑かれ、
自分を残酷に殺してくれる人を探すために
通り魔殺人をしながら旅をする話が描かれる。
人には誰しも「死」が訪れるわけだが、
「死」に向かって生きているなら、
人間の生は無意味だという考え方がある。
そして「死」が訪れるからこそ人間の「生」は
尊いのだということもできる。
ここでは、死の瞬間に輝くためだけに生き続ける、
倒錯した精神の男の末路を追っていく。
また、箱館戦争で生き残ったことになっている
新撰組の土方歳三も常に「死」を覚悟して
生き続ける男として描かれている。 {/netabare}

彼らの生き方は、一見するとただの狂人にしか
見えないのだが、自然のなかで生き抜く
アイヌの人々の哲学のなかだと、
むしろ真面目な生き方のように見えてくるのが面白い。

『ゴールデンカムイ』は、1クールの作品として考えると、
まだまだ序盤の状況のため評価が難しい。
ただ、アイヌ文化と死生観を考えさせてくれる、
深みのある物語として展開していきそうだ。

大地を彩る全てのものの生と死に意味はある。
(2018年7月28日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 80
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

夜鳴く神

ジェノスタジオ制作。

明治後期、鬼神のような戦いぶりで、
不死身の杉元と謳われた元陸軍兵士が、
無き友との約束を誓い小樽に足を踏み入れる。
かつてゴールドラッシュに沸いた北海道を舞台に、
アイヌが埋めた膨大な埋蔵金を探がして。

アイヌの文化と自然の摂理を丁寧に描き、
「山の掟」「弱いやつは喰われる」、
その凄惨な描写も人気の1つでしょうか。
アイヌの教えでは、火や水や大地、生き物や樹木、
全てに神(カムイ)が宿る自然崇拝に近いのですが、
その愛ある眼差しは娯楽性も高く素晴らしいです。
絵柄だけで苦手意識がありましたが、
アニメ化を機に原作を読むと面白いです。

黄金の行方は誰の手に渡るのか!?
そもそも黄金は存在するのでしょうか!?
思惑が交差する生存競争の幕開けである。

最終話視聴追記。
{netabare}シリアスと笑いの配分が絶妙で楽しい。
しかし「狩猟グルメ」が最高ですね。
杉元がアシリパをさん付けで呼ぶのが好きです。
こけしみたいなアイヌの子供たちも味があり、
登場人物の個性に不思議と魅力を感じます。{/netabare}

魅力溢れる娯楽活劇だと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 79
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

生命の輝きに別角度から光をあててみました

2018.07.01記


原作未読

2018年春期の1クールものでは個人的にNo.1でした。
10月に2期放映が決定してるとのことも納得の面白さです。

日露戦争あとの北海道が舞台。ありそうでなかった場面設定が興味を引きます。それになんか骨太そうな印象も私好み。
第一話、熊との格闘シーンで先制パンチを食らい、帰還兵の悲しみを描いたハードボイルド路線か?と見せかけて、コメディありグルメあり。しかも物語の邪魔をしてなかったりする。なんじゃこりゃ、詰め込み過ぎでしょ?といい意味で。

戦友との約束を果たすためにまとまった金が必要な杉元がアイヌ埋蔵金を求めて奮闘する話。アイヌの娘アシりパさんと行動を共にする中で、アイヌの慣習やものの考え方など作品を通じて知ることができます。
その埋蔵金を狙っているのは杉元だけではなく、帝国陸軍の軍人たちだったり、函館戦争の生き残りだったり、複数勢力が絡みます。


【命のやりとり】


冒険、グロ、エロ、メシ、歴史、アイヌの文化、サバイバル、奇怪な登場人物たち、このアニメを構成する要素はいろいろあってエンタ-テインメント性の高い作品です。これら複数要素を含有し空中分解しないでまとまっているのは、演出の巧みさと合わせて、根っこの部分では生々しくてゲップが出るほど“生命のほとばしり”を感じられるという点で一致しているからです。
「生きろ」とか「命どぅ宝」とか「生命万歳」とか命は大事と言うのを悪く言うつもりはありませんが、そういったものにときおり感じるうさんくささみたいなものをこの作品からは感じません。
そのへん詳しくは後述するとして、ありきたりのヒューマニズムには寄らないアニメと思って観ると面白いと思います。
{netabare}2期ありき(最終回にて3か月後に続きやる!と発表)で、最終話が中途半端に切れちゃったのは残念です。今後の期待もありますが、物語の評価を下げております。{/netabare}


以下、思いついたことを徒然に。。。※ネタバレ含みます
{netabare}
■弱い奴は食われる
アシりパさん初対面でこれですからね。日露戦争の死線をくぐりぬけ「戦争で学んだのは殺されないことだ」と語る杉元ですから、根っこの部分で似た者同士だったのでしょう。豊富な知識を持つアシりパと戦闘に長けた杉元のコンビはバランスが良いし、二人とも勘が鋭いというかよく人間を観ている。これだけでも二人がぬるい人生を歩んでいないということがよくわかります。

■死に場所を無くした元新選組の面々
男が泣く理由として「死ぬべき時に死ねなかった」というのは充分なものです。100年生きると土方は嘯いてましたが、2期でどういう死に方をするのかは楽しみの一つです。死なんかもしれないけど。

■狩猟して食べるということ
クマ、シカ、リス、ウサギ、ウマ、あとなんか魚。狩猟して解体して調理するところまで見せる演出は新鮮でしたね。
ウチの親は解体を目の当たりにして牛とウナギが駄目になってたし、嫁は魚を三枚に下ろせない。生命をいただいている実感が乏しい時代にこのアプローチは素晴らしい。
だからこそ、感謝する意「ヒンナヒンナ」が活きた言葉となってきます。
{/netabare}


■軍人目線で観た時の杉元佐一
{netabare}※不死身の杉元って
まるで船坂弘軍曹だなと思ってたら同じこと考えてた人がいたみたい。
不死身の生命力と敢闘精神が語り継がれている昭和の軍人さんです。渋谷センター街入口にある大盛堂書店の創業者としても有名。本買う時はだいたいここで購入してます。
杉元以外でも史実をモデルとした人物が多数いる模様です。

※杉元の切り替えの見事さって
ギャグってたりほっこりしている中でも危機を察知したら一瞬で目つきが変わり戦闘モードに切り替わる描写が多用されています。これってもともとの日本の軍人さんの凄みなんです。温厚で優しく良く笑い平時はおおらかに構えていて、いざ有事となればスイッチが完全に切り替わる。史実本にはそのようなエピソードが多く書かれています。ゴールデンカムイでは旅順攻略に従軍した帰還兵が数多く登場しますが、軍人さんのイメージギャップが少ないことも魅力の一つとなってます。{/netabare}


エッセンスの部分は原作を踏襲しているでしょうし、原作既読組が物足りなく感じるというくらいなので、原作マンガも期待できますね。
この手の作品がウケるというのは日本もまだまだ捨てたものではないなと思う次第。最終的な物語の評価としては2期待ちとなりますが、導入部分としての1期も面白い、オススメの作品です。


以下、オマケ
注)これより以降の記載内容について、人によっては不快に思われるかもしれない政治・軍事的な内容を含んでおります。ネタバレ開く時はこれら承知の上で開帳してくださいね。



■切り替えについてもう一言(本編とは関係ないので暇な人向け)
{netabare}北海道繋がりということで占守島の戦いに触れておきます。
ポツダム宣言を受け入れると発表してからの昭和20年8月17日深夜、樺太最北端の占守島に突如ソ連軍が上陸を開始し武装解除済みだった日本軍と交戦した事案。敗走すればそのまま北海道が分割されていただろう局面で日本軍の奮戦により有利な条件で停戦合意に至ったという重要な戦いです。かって司馬遼太郎の上官でもあった戦車隊の池田末男大佐の猛烈な戦いっぷりや杉原千畝より多くのユダヤ人を救ったとされる樋口李一郎中将の戦闘継続の判断だったり、取り上げるべき人物も複数登場します。
長くなってしまうのでご興味あればご自身で調べていただければと思います。
その日は武装を解除しての残念会が催された日、つまりどんちゃん騒ぎしてしこたま酒をくらい、意識も戦闘終結後に内地へ復員してさて何やろうかなとでも考えてたりしながら就寝したタイミングでの敵襲来です。普通まともに戦えませんし、戦闘するという判断を下すのも難しい。しかし、満州でソ連軍がどういったものだったか現地も司令官も知っています。また戦闘意思なく降伏すればどうなるかも知っています。
短時間で武装を整え作戦を遂行し、結果として足止めに成功しました。闘う時は闘う。避けてなんとかなると言い切れない場合はリスク要因を徹底排除する。
この時点で白旗を揚げて降伏していれば?
日本人にとってはけっして面白い結末が用意されてなかったでしょう。

アニメに戻って…
杉元が殺気を見せて対峙しなければ?
同様の面白くない結末に至ってたでしょうね。{/netabare}

■アイヌの現在とやら(本編とは関係ないので暇な人向け)
{netabare}アイヌや琉球については日本人と区分けして分断を図ろうとする勢力が跋扈しており、現在のアイヌ協会は差別利権、補助金食いつぶし団体に。
DNA配列ないし森羅万象生きとし生けるものを神(カムイ)と捉える宗教観は日本人に属するものであり、一見独特に見える文化風習・言語も土台が同じところからその地域の風土により独自発展したものに過ぎないと私は考えてます。
私の物言いも解釈の一つ。独自の先住民か広義の日本人であるかの論争はあってしかるべき。
しかしながら協会に多数の外国人が入り込んでおり、アイヌの定義も不明確なまま、協会がアイヌと認定したらあなたはアイヌそして補助金みたいな出鱈目は正されるべきでしょう。彼らにとっては差別は未来永劫あって欲しいものなのです。
そういえば北海道に侵攻したソ連軍はこうも言ってました。
「アイヌを開放するよん」
占領(したい)地の統治政策、植民地政策の基本は『分断して統治せよ』、わかりやす過ぎます。{/netabare}



視聴時期:2018年4月~6月 リアタイ視聴

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2018.12.08追記

区切りの最終話の収まりがよければもっと高い点数をつけていたと思います。

命のやりとりを杓子定規にシリアスにしなければならないというのに以前から私自身は違和感があって、そこに、もともと生死は表裏一体、喜怒哀楽すべてを含んであっけらかんとした描写が本作で描かれていたことが新鮮でした。

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2021.10.16追記/配点修正 +0.2

うーん、、、なんだかんだ言わんこっちゃない展開↓
・2019年:「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」施行
・2020年7月12日:ウポポイ開業
・2020年:アイヌ団体、サケの漁業権求めて提訴



2018.07.01 初稿
2018.12.08 追記
2020.12.04 修正
2021.10.16 追記/配点修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 75

78.2 14 冒険でシリアスなアニメランキング14位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (580)
3125人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『ブルーウォーター』はアニメOPの金字塔

2018.07.26記


現在ではおそらくもう作られないであろう要素がてんこ盛りの古典。最近のアニメとは違った風に吹かれてみたいと思ったなら手を出すのは一興です。

個人的には思い入れの深い作品です。リアタイで衝撃を受け、2012年の地上波再放送と20年ぶりの視聴でも普通に完走できました。思い出補正があったとしても、作品に魅力がなければ無理だった話でしょう。

とかく「エヴァ前夜」的文脈で語られがちな作品であり、たしかにファンが目を細める描写もありますが、ジョジョ以前のバオー来訪者や、幽々白書以前のてんで性悪キューピッドのような扱いでは決してなく、独立した作品として白眉ものの出来かと思います。

同様に「ラピュタ」の亜種という側面も、出自を考慮すればそれも納得するわけで、決して劣化コピーではありません。


【物語】
大筋は、ブルーウォーターという宝石を巡って繰り広げられる冒険奇譚といったところでしょうか。海洋を舞台にした冒険活劇と言い切れないのは長丁場の作品の最終盤でこれまでの伏線を回収し一気に哲学的、宗教的昇華をみせるからかもしれません。
前半ラピュタの後半エヴァとは言いえて妙とは思うものの、できれば先入観を廃してフラットな視点で作品に向き合えるといいんでしょうね。

30年前の作品とは思えないほど今でも使える数々の仕掛けとそれでも少し埃を被った古典の味わいと両方を堪能できるハイブリッドアニメです。


【キャラ】
主役はナディアとおそらくジャンもそうなのかな。彼ら彼女らを中心に、グランディス一味(グランディス、サンソン、ハンソン)、マリー、キング、ネモ船長、エレクトラさんなど個々にファンがいるほどの魅力的なキャラ達が脇を固めます。敵役{netabare}ガーゴイル{/netabare}も充分憎たらしい役回りを担ってくれてます。彼らの掛け合いの中にも心揺さぶられる明言が多い。

ヒロインのナディアは今でいうところの「ツンデレ」。だがしかしそこは30年前。PDCAサイクルを経てある意味様式美と化した現在のテンプレには該当しません。水戸黄門ばりの様式美を期待してると裏切られたと感じるかもしれないし、逆手にとってとても新鮮と感じるかもしれません。
当時、雑誌アニメージュの人気投票において、マンガ連載中という地の利を活かし数年王座を守っていたナウシカからトップを初めて奪ったのがたしかナディアだったと記憶してます。そしてしばらく1位2位をこの二人で争ってたような。それだけ魅力あるヒロインだったんですね。


【声優】※評価というより思い出話
ジャン役日高のり子さん。浅倉南の爪痕が生々しい当時に少年役とはびっくらこいた記憶があります。
ナディア役鷹森淑乃さん。正直これ以外存じ上げないのですが、最近は進撃の巨人エレンのお母さん役で安否を確認できました。お元気そうで何よりです。{netabare}ネモ船長に「生きろ」と言われた後、一世代を経て今度はエレンに「生きるのよ」と。命のバトンを繋げております。 {/netabare}
{netabare}少しだけ演技に言及すると、フェイトさんの最期とか、「裏切りのエレクトラ」回のエレクトラさんとか演技で魂震えてたような気がする。{/netabare}
それと、マリー役水谷優子さんですね。同時期に放送開始したちびまるこのおねえちゃん役と声全然違ってたものですから、私が「声優ってすげーな」と思った最初の声優さんだったと記憶してます。つくづくもうお声が聞けないのは残念でなりません。

それでレビューを書くにあたりあらためてキャストを見ると、当時人気だったり実力のある方たちで固めていたようですね。どうりで感情移入しやすかったわけだ。


【作画】
メカやキャラデザは素晴らしく、物語中盤の作画崩壊?については他の方のレビューにもあるとおりなので特にここでは詳しく言及しません。
今でも鑑賞に耐えうる作画といいますか、30年後の今のクールでもナディア未満の作画はけっこうあることを考えれば上出来じゃないでしょうか。
特筆すべきは、海だし宝石の名前だしと青色を基調とした絵が多い作品における青の表現でしょうか。OPアニメーションの色合いなんて味わい深いものですよ。
{netabare}「島編」のカオス作画だって、当時における「外注することの対価としてどういった代償を払ったか?」ですとか、はたまた「今ではマシになった韓国からの納品物がいかばかりのものだったか?」と歴史遺産であるとの見方をもって楽しむと・・・いやムリか・・・
でもこれ勢いでNHKのゴールデンタイムで流してたわけですから、イケイケドンドンのバブル時代ならではだったからなのかもしれません。{/netabare}


【音楽】
OPED 森川美穂さんのシングル買いました。サントラだって買いました。
鷲巣さんの劇伴、今でもたまにバラエティで使われたりしてます。印象的な曲が多かった。
OPブルーウォーターのイントロが流れた時、「1週間お待たせ!いざ開幕!」のワクワク感は当時たまりませんでした。突き抜ける高温&ビブラートは心地よく、EDのロッカバラード的な曲調に静かに余韻に浸ったものです。
森川さんについてはバブル全盛期の見た目上等!の世相の中で、ボーカル一本で勝負するぜという潔さに痺れて憧れてましたね。確か自分で作詞作曲はやらずにいただいた曲をボーカリストとしてどう向き合うかに必死です的なインタビューを読んだ気がします。間違ってたらごめん。



■閑話休題 ※そこそこネタバレします
{netabare}
放送年度が1990年。前年にパリ万博100周年、フランス革命200周年とことフランスに焦点が当たった翌年に放送されたアニメです。物語の舞台設定は1889年、まさに万博開催中のパリにて興行中だったサーカス団の花形少女ナディアが事件に巻き込まれるところからスタートします。同じく巻き込まれてしまったジャンと一緒に、ブルーウォーターを狙うグランディス一味からの手に汗握る逃避行。ガキンチョだった自分がワクワクしないわけがないのであります。

私は1986年のラピュタに感動して冒険ものが好きになり、そうこうしてNEXTラピュタが登場するのを待ってたきらいがあったと思うのですが、ラピュタ以降でやっと心震える冒険ものに出会った気がしたのがナディアでした。NHKではこの数年前に「心っに冒険をぉ~」とのりピーが歌ってたアニメもあるにはあったのですが、実際のところ「冒険」感は控えめでした。やっとです。

放送の数か月前にはドラクエⅣが発売し、ミネアとマーニャというエキゾチックな女の子も魅力的だなと思ってた矢先に、ヘソ出し褐色の少女が主役のアニメに出会ってしまったのが運のつきでしたね。

世間一般の評価の一面として視聴率は悪かったと思います。18:00か19:00のゴールデンの時間で5%いったかいかなかったくらい。今よりもっと多くの人がTVを観てた時代、これは致命的に悪い数字です。
ナディアを機に購入し始めたアニメージュでの凄い盛り上がりとは対照的にクラスの友達に話を振ってもあまり観てるやつがおらず反応が薄いという状態。これまで北斗の拳やキン肉マンでは一緒に盛り上がれてたのに、と断絶を感じた瞬間でした。
{/netabare}


NHKという制約があったものの、丸々1年間の猶予期間を与えられた庵野秀明監督を筆頭とする当時のGAINAXの面々が思いっきり好きなことをやったらこんなん出来ました、という傑作です。


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2019.01.17追記
《配点を修正》


思い出補正しときます

投稿 : 2024/04/13
♥ : 45
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

いとしのナディア

アニマックスで視聴。
以前エヴァ好きの兄に熱烈に勧められ1話視聴したけれど、
何故か1話だけ観て満足してしまいそれっきりだった。
スカパーでHDリマスター版が放送されたので、録画して少しずつ観ました。

色んなアニメとの関連性やオマージュを見つけるとワクワクしました!
夢と冒険と格好良いノーチラス号やメカ・・それにキュートな女の子(?)キャラ。男のロマンたっぷりで男の子が好きそうな感じのアニメですね!
キャラクター1人1人の個性や生い立ちが強烈で心に残っています。

<私の中で好きなキャラのグランディス嬢>
{netabare} 最初はイマイチ物語に入り込めなくて、私は11話辺りからハマりました。
ネモ船長に恋するグランディスちゃんが可愛すぎます・・!
特に彼女、本当に苦労しているんですよね。過去の回想シーンで思わず感情移入しました。
普段はまさに姐さん!って感じがネモ船長の前では恋する乙女に変わるところツボです。
特に、エレクトラさんとの恋愛バトルやネモ船長が「チョウチンアンコウのグランディス風ラブコール」を見た時の表情が忘れられない(笑){/netabare}

<ジャンとナディア>{netabare}
ジャンはメカの天才ではあるけれど、意外と不器用で嘘をつけないほどの正直者。
ナディアは感情の起伏が激しく、気難しいところがあり、しかも頑固で意地っ張り。
普通「可愛げがないなぁ」で終わってしまいますが、
一目惚れを一途に貫き通したジャンに拍手を送りたい。

島編での二人の初めてのキスシーンが非常になめらかで自然だったのでドキドキしてしまいました・・っ
ナディアがジャンにキスした後、明らかジャンを異性と意識して優しくなったりデレてみたり、「これがツンデレの魔力か・・」と思わずナディアを可愛いと思ってしまいました。
ジャンがその前のファーストキスを覚えてなかったという事でナディアは相当怒ったんでしょうね。
そしてアフリカ編で他の男の子に一目惚れしたけれど失恋して、ジャンの想いに改めて気づく流れがリアルな恋愛らしいと思いました。{/netabare}

<アフリカ編>
島編は作画崩壊酷かったですが、ドタバタっぽさやナディアのデレが見れたのでそこそこ楽しめました。
ですが、アフリカ編の34話が許せなかった。
キャラソンと謎のMVと尺稼ぎ。作画外注のせいですね・・これはひどい。
全自動ウクレレ演奏機を私は忘れない。

まさに、この気持ちをわかりやすく表現したら・・
この間電車に乗って、向かいの座席に座る女性が「綺麗だな」とチラッと眺めたら目の前で凄い表情で携帯見ながら鼻に指をinしてTreasure Hunt始めたのを見てしまった衝撃的な気持ちと(見てはいけないものを見てしまった)

小さい頃好きで買ってたパンケーキを久しぶりに買い、添えてあるマーガリンの成分を見たら上の方に「シリコン」と書いてあって「今までシリコン食べてたのか」と言う気持ちが入り混じったような残念な気持ちです。
忙しい母もナディアにハマったので、島編の一部とアフリカ編ほぼ削って(34話なんてなかった)見せることにしました。

<最終回>{netabare}
最終回のストーリーと作画の気合いが凄かったですw
ネオ皇帝の最後は衝撃的だった。ナディアの心にも深く残ってしまったんだろう。
ジャンの死に方が音もなく、くたっと・・あっけなくて。
しかも受け身を取らずに打ち方が悪くて、頭から大量の血で床が染まる描写が無意識に残ってます。
他に死の描写で気になったのは、死の恐怖に耐えきれなくなって泣き叫びながら死んでいったフェイトさん。
フェイトって英語でFate=運命、宿命と言う意味を改めて感じさせられました。
ネオ皇帝にジャン(ジャンは生き返ったけど)フェイトさん。皆、綺麗な最期ではなくて生々しいのは庵野さんがコメントしているように
「死を美化することへのアンチテーゼと、ジャンに科学は万能でなく物事に二面性があることを知って欲しかった」らしい。
物語に生と死のリアルさが出ているのはこのせいだろうか。

さて、あの時ブルーウォーターをネモ船長に使いたい所、ナディアにジャンを生き返らせるように進めるなんてエレクトラさんは成長しましたね。
中盤でネモ船長に激情をぶつけてた時とは明らかに違う。

今更気づきましたが、ネモ船長髪伸びるの早いですね。
キャプテンハーロックにどこか似ているような・・?気のせいか。

ネモ船長の最期の時、エレクトラさんがお腹さすってて、
「この二人付き合ってたんだ!・・この描写、NHKやるなぁ・・。」と思いました。その瞬間のグランディスの表情がまた・・。

一番驚いたのが、サンソン×マリー。
23歳差でしかもデキ婚なんだぜ・・ウィキペディアを見ると「美しく成長したマリーの初恋と、マリーに惹かれるサンソンの苦しみを描く物語」を描く書籍の「ふしぎの森のマリー」があるらしい!みたい!!

サンソンは初登場時「気障なキャラだな」と思ってたら、
グランディスへの片思いとネモ船長への嫉妬。実は怪力で力が強くて、信念も格好良いと気づいて、後から惚れ惚れしました。
この二人は超絶幸せになって欲しいですね!好きなカプです!
最期のEDに繫がる描写と演出に思わず笑顔になってしまいました!{/netabare}

ふしぎ海のナディアは、今観ても新鮮でロマンたっぷりの作品でした!
(ただしアフリカ編を除く)
ノーチラス号での「その人の役割」「人との関わり方」を作中で表現していて、子供の役割と大人の役割について考えさせられました。
ジャンやナディアの思春期特有の気持ち、不安定さもいつしか愛おしく感じて、
主役二人の年代の頃の気持ちを思い出しながら、楽しく視聴できました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

Smog さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1990年代の代表作。今の話題作と比較して見るという楽しみ方ができる作品。

SF小説が原案。
全39話。原案未読です。

19世紀後半のヨーロッパが舞台のSF作品。
過去の代表作として興味を持ったので視聴しました。
元はNHKと宮崎駿が企画したものとして有名ですね。
ラピュタと設定や世界観が似ているのはそのためだそうです。

一番の見所は、序盤と終盤のストーリーでしょう。
序盤と終盤は、「この先どうなっちゃうんだろう」という引きの強さが素晴らしかったです。
人の死について切なく扱っているところにも好感を覚えました。
序盤と終盤のシリアスパートは今の作品と比べて遜色はなく、一見の価値有りだと思います。

中盤はゆるい雰囲気やギャグパートが中心でした。
良く言えば序盤の暗い雰囲気を和らげ終盤に向けて息抜きができる展開、悪く言えば中だるみ感が目立ってしまった展開という印象でした。
メインの登場人物に感情移入させるための内容だったのでしょうが、今からするとちょっとあざとい感じがしました。

音楽について、OP/EDが印象的でした。
言わずと知れた名曲ですので、懐かしくてついつい毎話聴いてしまいました。
作品をきちんと見たのは初めてだったのですが、当時耳にすることも多かったので記憶の片隅に残っていたのでしょうね。

作画について、22年前の作品ならではの味わいがありました。
セル画による作画のなつかしさが楽しめました。

今となってはご都合主義な設定や展開が多々あり、ありがちと感じる部分もたくさんあると思います。
しかし、1990年当時にかなりの人気があったということを考慮し、今の人気作と比較して楽しむことができる作品だと思いました。
例えば、律儀に毎話30秒以上時間をとって、あらすじナレーションを入れる丁寧な作りは、1990年ならではの演出でしょう。
過去作はこういった楽しみ方ができるのも魅力ですね。

2012年4月からNHKでデジタルリマスター版が放映されています。
ちょうどクライマックスに入るところのようです(2012年11月26日現在)。
毎話、丁寧なあらすじナレーションがありますので、途中から見ても楽しめると思います。
気になる方はご覧になってはいかがでしょうか。

ナディアという単語が少しでも気になった方、過去の話題作が気になる方にオススメしたい作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 41

79.3 15 冒険でシリアスなアニメランキング15位
魔女の旅々(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (715)
2569人が棚に入れました
あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、流されるように気ままな長い旅を続けています。この広大な世界を自由に渡り歩き、わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。そして同じ数だけのーー「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

声優・キャラクター
本渡楓、花澤香菜、黒沢ともよ、日笠陽子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

良い記悪い記普通の記

原作未読

これいいやつ(笑) 旅行記の根っこを掴んでます。…と思いきやリリースしてたりやや私が混乱気味。

中世風&魔法の世界での“旅”をテーマとしてます。『旅々』の名に恥じぬ“旅×2”しっかりロードムービーしてるなーという仕上がりっぷりだったと好意的に受け止めております。
その髪の色から“灰色”…じゃなかった“灰の魔女”と呼ばれるイレイナ(CV本渡楓)が文字通り世界を回る物語。1話オムニバスタイプ全12話。

たしか1話終了時点でイレイナのデザインと作画がいい感じと注目株扱いでした。もちろん美麗なグラフィックも牽引役のひとつ。それに加えて序盤にブーストがかかり楽しみながら完走した感じです。

■ブーストについて
{netabare}第3話です。AパートBパートで別の話かつ両方とも鬱々としたやつ。=視聴継続決定!

{netabare}花に取り込まれそうなお兄ぃを傍観してたのがすこぶるいい。{/netabare}だって旅の途中ですからね。手遅れだったのかもしれないしそうじゃないのかもしれない。
{netabare}Bパートでの村長息子が無邪気な善意をふりまくのもよい。{/netabare}
“地獄への道は善意で舗装されている”を地でゆくエピソードでした。

実際、貧困国を巡っていると下手に施しをする残酷さについて実地で体感できます。こっちは去っていく者ですからね。ガンジス川で死体が浮いてても気にならなくなってくるのと似てます。
おにぃは手遅れだったろうし、仮にそうでなくて一命を取り留めても花の毒に誘われ同じことに。なにしろ妹に会いたがってましたからね。今後も監視し続けていくことは去る者には不可能なことです。

奴隷のニノちゃん初登場時に服はだけてましたしね。村長は小児性愛者だったのかもしれません。また彼女は親に売られたのを知っているのかもしれません。
そこに幸せな親子の映像を見せるとは傷口に塩を塗る以上の残酷な話。あの村長息子が父に刃向かう覚悟でもあればワンチャンあるかもしれませんが…ないでしょうね。{/netabare}


順風満帆なら思い出作りとして終了。それはそれで。。。
あのポスターでも有名なチェ・ゲバラは学生時代に南米縦断の旅で貧困を目の当たりにし革命家に転じたそうです。
イレイナのもなんかしらNEXTの行動を促すような良き旅をしてるように思えます。

作品そのものも道中のちょっと心温まるお話でオムニバスを作っても一定の支持を得られたことでしょう。グリム童話のような啓発的なものもちらほら投入されたところにロードムービーのリアルを感じる意欲作ってところでしょうか。



※ネタバレ所感

■ニケの冒険譚

ニケと聞いて真っ先に思い浮かぶのが“サモトラケのニケ”。教科書にも載ってるヘレニズム時代の有名な大理石像です。スポーツメーカーNIKEの語源と言ったほうが通じるかしら? 勝利(VICTORY)の女神ということでギリシャ語だったかではヴィクトリアと呼ばれてたはず。

{netabare}『星屑の魔女』フラン(CV花澤香菜)、『夜闇の魔女』シーラ(CV日笠陽子)のお師匠さんのお名前がヴィクトリカ(CV伊藤静)ということでなんか関係してくるんでしょうか?{/netabare}


■おかんの小言と冷酒は後で効く

前述の通り。加えて一点。

{netabare}「ただし三つ約束してほしいことがあるの。一つ。危険な目に遭いそうなときは逃げること」
「二つ。自分が特別な人間だとは思わないこと。他の人と同じだということを忘れないでね」
「三つめ。いつか必ず帰ってきて私達に元気な顔を見せること。守れる?」

旅の本質を意外とついてるのでは?{/netabare}

{netabare}おそらく第9話のイレイナの涙って、自分を特別な人間だと思いかけてる節があったタイミングで発生しています。母の戒めから離れて引き起こした事態への悔恨も表れてる涙なのではないかと思います。{/netabare}


■紀行モノでこれはちょっと…

{netabare}1クールで主人公(旅する主体)がほぼ登場しない回があるのは良し悪しよね。旅の先々での出会いやイレイナの心の動きだけ追ってほしかったところ。ご長寿シリーズなら回想やキャラ回もありでしょうが短尺でぶちこむのはNGではないかと思う私です。指摘した回は師匠の師匠に繋がる重要な話ではあるのですよ。これは完全に好みですね。{/netabare}

それと{netabare}本渡さんが15役だったか16役やったのは蛇足。というより奇策。一人○役の“ギネスに挑戦”みたいなもんかしら。「アフレコ大変そう」とか「演じ分け凄い」とか話題さらったのかもしれませんが、物語に必要だったかは微妙。その各々ネーミングセンスと合わせてEDクレジットに本渡さんの名前がずらっと並ぶのは面白かったんですけどね。{/netabare}


全体としては好み。完走してから第1話を観ると感慨深いアニメでもありました。
旅とはいつか終わるもの。{netabare}ニケさんの正体を気づいてて気づかないふりしてたりする理由も含めて、{/netabare}終わった時に何を彼女は得られているのか大変興味があります。

2期ありそうな雰囲気あるしやらないかしら? お待ちしてます。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2020.12.20 初稿
2021.09.22 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

スプリンター・リフトバック

原作GA文庫、C2C制作。

魔法が存在する中世世界を舞台とし、
その世界で旅する魔女イレイナが、
様々な場所や人を訪れるロードファンタジー。

お勧めし易い作品ではありますが、
気になるのはオムニバス形式となると、
情報量に制約があるアニメでは、
かなり上手くやらないと記憶に残りづらい。
私的には背景に大きな物語が欲しいです。

世界への冒険、探求、出会いと別れ、
多様な世界観を提示して欲しいと願います。

タイトルはゴダイゴの名曲から、
そよ風と光と希望に満ちた旅をしよう。

5話視聴追記。
寓意的な物語で現実を投影する。
冒険譚にはお手本のような設定ですが、
{netabare}主人公が物語の内にいるのか外にいるのか、
その距離感で印象が変わってくるのだ。
傍観者であることへの不満の声も多い。{/netabare}

最終話視聴追記。
期待していたほどではありませんが、
中盤以降の方が好印象を持ちました。
{netabare}イレイナの感情の動きがよくわかる。
これは旅の供がいると、
また違った感想が持てるかも知れません。{/netabare}
映像・音楽は最後まで美しいです。

寓意的な旅のアニメでしたら、
カイバやソマリも並べてお勧めします。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 60

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絶世の美しい魔女とそうでない魔女と、あなたはどちらを選びますか?

綺麗で可愛いくて魔力がすごい魔女イレイナが、世界のいろんな場所を旅する物語です。

イレイナは確かに可愛くて美しい。そして強い魔力が魅力的です。
おそらく、多くの男性は、イレイナのような美女を恋人にしたいと願っているでしょう。…
でも、見終わった後、なぜか感動は残りません。
優しさも暖かさも残りませんでした。
それはイレイナが冷たいわけではないのですが、話の内容が…
それに、自分で自分のことを『美人』と呼ぶのはちょっと…避けたくなります。


同じ魔女でも、ふらいんぐうぃっちの木幡 真琴とは真逆の存在です。
木幡 真琴は綺麗でもなく、魔力はほとんど弱く、見ていて危なっかしい魔女です。
でも、真琴と一緒にいると、なぜだか心が安らぎます。
もし結婚するのならば、イレイナよりも木幡 真琴のほうが断然良いです。
ぜいたくな暮らしはできないけど、彼女とならば、お互いよぼよぼの爺さん婆さんになったとしても、いつも笑って幸せに過ごせると思います。


もし結婚するとしたら、あなたは、どちらの魔女を選びますか?

投稿 : 2024/04/13
♥ : 53

79.1 16 冒険でシリアスなアニメランキング16位
ゴールデンカムイ(第二期)(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (451)
1988人が棚に入れました
北の大地・北海道に渦巻く野心!!
アイヌから奪われた金塊を巡る生存競争サバイバル、新章突入ッッ!!

アイヌの埋蔵金を求めて旅を続ける、「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一とアイヌの少女・アシリパ。
だが、埋蔵金の在り処を示した刺青を持つ24人の脱獄囚を追う中で、新たな事実が浮かび上がる。
埋蔵金を奪い、アシリパの父を殺した人物とされる「のっぺら坊」こそが、アシリパの父だというのだ。
事の真偽を確かめるには、網走監獄に収監中の彼に会うしかない。
「脱獄王」の白石由竹やキロランケを仲間に加えた二人の旅は、小樽から札幌、夕張へとその歩みを進めていく。

一方、彼らと埋蔵金の争奪戦を繰り広げる第七師団の鶴見中尉や新選組「鬼の副長」土方歳三の勢力も、それぞれの野望を胸に次なる行動に打って出る……。

明治時代後期、北の大地に勃発した一攫千金サバイバルは、さらに苛烈さを増していく!

声優・キャラクター
小林親弘、白石晴香、伊藤健太郎、大塚芳忠、中田譲治、津田健次郎、細谷佳正、乃村健次、菅生隆之、内田雄馬
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

さまざまな角度から表現される「純粋な生」の形

アニメーション製作:ジェノスタジオ、
監督:難波日登志、シリーズ構成:高木登、
キャラクターデザイン:大貫健一、
原作:野田サトル

あまりにも中途半端な終わり方だった1期目。
期待した2期は、いきなりグロテスクなネタからの始まり。
江戸貝弥作を観ていて頭に浮かんだのは、
アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』、
トビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』、
ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』という
ホラー・サスペンス映画だった。
この映画の共通点は、アメリカの有名殺人犯、
エド・ゲインをモデルにしていること。
江戸貝弥作の人物像は、明らかにエド・ゲインそのままと言っていい。
私としては、アンソニー・パーキンスの不気味な演技や、
チェーンソーを振り回すレザーフェイスを想起しただけに
少し拍子抜けしてしまったが、衝撃的といえる回だった。

このことに気づいて色々調べてみると、
ゴールデンカムイの登場人物の多くは、
実在の人物をモデルにしていることを今更ながら知った。
舩坂弘軍曹は分かるが、家永カノの殺人ホテルや尾形百之助、
白石由竹まで参考にしている人物がいたことには驚いた。
荒唐無稽なようで、かなり現実に即した設定になっている。

2期の見どころは、網走刑務所でのシーンになるが、
個人的に好きだったのは、谷垣源次郎と尾形百之助の過去の話だった。
谷垣は1期で東北マタギをやめて、軍隊に入ったことが明かされるが、
その理由について語られることはなかった。
それが明らかになる18話では、アイヌの終活についての話から始まる。
アシリパの祖母が死装束を作っているという。
アイヌでは若い者に送ってもらわないと死後の世界に行けないと
考えられている。だから自分の子供のいない人でも、子供を必死で育てる。
谷垣はアシㇼパの祖母に食べさせてもらった恩から、
自分も子供のひとりで、アシㇼパを無事に村へ帰すことが
役目だと思っている。
谷垣は自分の役目をずっと探していたのだった。
そのときに、過去にあったことを思い出す。

東北マタギだった谷垣にとって、狩猟は命懸けの仕事。
想定外のことが起こったときのために、
非常用携行食のカネモチを持参するのが常だった。
カネモチは米粉に水を加え、味噌か塩を混ぜて捏ね、
葉で包んでいろりの火で蒸し焼きにする。
谷垣は自分用として、クルミを混ぜたものを作っていた。
そんな作り方は邪道なのだが、谷垣のこだわりの一品だった。
{netabare} このカネモチを小道具にした、谷垣と妹の夫、賢吉に対する
憎しみと赦しの物語は見ごたえがあった。
賢吉は自分の役目のために命を懸けて行動した。
その姿を見た谷垣は、自分の生まれた役目について、
誰かのために生きることを考え続けている。

谷垣と対照的なのが尾形だ。
妾の子供だった尾形は幼少時に母親が苦しみながら
生きてきたさまを間近で見続けてきた。
夫に家に帰って来て欲しいと願い、毎日あんこう鍋を作る。
そんな母が嫌だった尾形は、銃で鳥を撃つようになる。
鳥鍋を勧めても母はあんこう鍋ばかりを作り続けるのだった。
やがて尾形は、心を失った殺人者になっていく。 {/netabare}

この物語を観ていると、どれだけ心が歪んでいても
「純粋な生」の形を見せられているような気になる。
過去がしっかり描かれ、ひとりの人間の形が
浮かび上がってくるのがいい。
明治初期の時代背景からすると、このような生き方は、
それほど特別なものではなかったのかもしれないとまで思えてしまう。
アシㇼパの父が娘に対して望んでいたことも明らかになり、
さまざまな人々の想いが交錯していく。

アイヌの金塊の行方。
登場人物たちは何を悟り、何を選び取っていくのか。
原作ファンからは評判が芳しくないようだが、
アニメだけを観てきた者からすると、
1期と2期でとても上手くまとめられていたと思う。
網走刑務所まで描いてくれたことで、物語は一区切りついた。
今後は原作を追っていくつもりだ。
(2019年1月8日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 76
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

濃ゆい男祭りにさらにキワモノ共を投下

2018.12.30記


原作未読 1期視聴済


2018年春クールのベスト。私にとって『ゴールデンカムイ1期』をこのように位置づけてます。
冒険、グロ、エロ、メシ、歴史、アイヌの文化、サバイバル、狩猟、奇怪な登場人物たち、、、成分豊富な幕の内弁当みたいな良作でした。

1期終了時に3か月後開始の2期の案内があったこと。2期第1話分を第13話と表記していること、実質の分割2クールになりますので、1期第1話“ウェンカムイ”からの視聴は必須になるかと思います。

2期は1期の面白さをそのままに、周囲のキャラにも目を向けた仕様です。新キャラの登場もあり、この作品だからこそ受け入れられるようなキワモノ2トップ、江渡貝くん、鯉登少尉あたりが活躍します。殺人ホテルの主人家永はちゃっかり準レギュラーに収まってますね。総じてキャラクターは豪華絢爛、キャラ立ちもしてるので名前を忘れることもなさそうです。
やや“狩猟”成分が減ってても、それでもグルメは健在。1期では敵対していたあの人この人と食卓を囲むシーンもあったり、相変わらずの面白さを維持してます。1期終了時に定まった目標、

「目指せ!網走監獄」

のっぺら坊はアシリパさんの父親なのか?金塊に群がる男連中のこれまた男臭い物語は続きます。季節は春夏に移り、冬の厳しい北海道でのサバイバルはいったん休止。OPも新芽が芽吹く春夏Verへ。
キワモノ2トップに笑って、シリアスなキャラ回{netabare}(谷垣、尾形){/netabare}に震えて、網走への珍道中は退屈知らずです。谷垣は胸ボタンバァーンの擬似ケンシロウではありませんでしたね。1期最終盤登場のインカラマッも2期で活躍します。
キャラに引っ張られる部分もありましたが、1期で感じた“似非ヒューマニズムを廃した生命のリアリズム”が健在だったことはなによりでした。

“相変わらず面白い”

むしろギャグはより変態的に、シリアスはより人の内面の深掘りに向かって、それでなお相も変わらずバランスが取れている満足の2期でした。
尻切れトンボ感のあった1期最終話と比較しても一段落ついた時点での終幕は好感です。


杉元が干し柿を食める日々が果たして到来するのか?
もう後戻りできない修羅の道に入って抜けられないのか?

当然3期ありますよね?
引き続き期待して待つことにします。



以下余談
■ポーランド人×樺太アイヌ
ポーランドはロシアに蹂躙されてた時期が長く、ちょうどこの時代も政治犯やらの名目で極東に多くのポーランド人が送られていた時期。抵抗の歴史はワルシャワに行くと肌で感じることができます。ショパンの「革命のエチュード」もロシアにやられてた時期に曲にしたものですね。
{netabare}迫害を受けたポーランド人の息子にあたるのが、アシりパの父ウィルクである。娘をレジスタンスのリーダーにという思いは出自を考えれば。国が無くなる経験が血肉に染みついてる者の行動としては理解できる。{/netabare}

■ロシア内のパルチザン
ロクでもない輩と思ってよし。ゴールデンカムイで展開されている年代(明治40年頃?)から10年くらいした後、尼港(ロシア領ニコライフスク)で日本人入植者を虐殺した尼港事件が起こります。
「大正9年5月24日午後12時を忘れるな」
元は帝政ロシア時代の政治犯だったり凶悪犯が母体の連中。国内を掌握しきれていないレーニンが帝政ロシアの残党を掃討することを目的に釈放し武器を与えたならず者集団です。
{netabare}ゴールデンカムイは今後舞台を樺太に移してパルチザンとの連携を示唆していますが、発生から100年を迎えんとするこの時期、日本人は尼港事件を忘れてはいけないんだろうと思います。{/netabare}



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ視聴

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2018.12.30 初稿
2020.12.04 修正
2021.10,16 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 65
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

After the Gold Rush

ジェノスタジオ制作。

アイヌの金塊を巡る一攫千金サバイバルも、
敵見方、登場人物が複雑に絡み合い、
生存競争も苛烈になってきました。

冒険・グルメ・戦闘、そしてアイヌ文化と、
少々ギャグ寄りの演出も多くなってきましたが、
相変わらず引き込まれる序盤の印象です。

明治後期の北海道を転々としながら、
{netabare}のっぺら坊、刺青人皮の行方、
物語は大きな核心へと向かっていきます。{/netabare}

絵柄で避けていると勿体ない、
優れたストーリーテリングを持つ、
近年を代表するサスペンスフルな娯楽活劇。
大きな視点で見ると面白いですよ。

最終話視聴追記。
声優陣の演技とキャスティングを評価したい。
特に鶴見中尉と谷垣は完璧だと思います。

{netabare}アイヌ民族の誇りを後世に伝える、
未来を託された少女は海を渡り樺太へと。
暗躍するパルチザンの革命は何処へ向かうのか!?
杉元、アシリパの活躍に期待したい。{/netabare}

どうか偉大な文化が後世まで伝わりますよう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62

72.1 17 冒険でシリアスなアニメランキング17位
ファンタジックチルドレン(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (308)
1971人が棚に入れました
南の島で両親と暮らす11歳の少年・トーマは、ある日島の遺跡で一人の少女と出会う。少女の名前はヘルガ。無口で、どことも知れぬ場所の絵を描いては、そこに行きたいと言う不思議な少女。トーマは、ヘルガを慕う少年・チットと共に、ヘルガを“行きたい場所”へ連れていこうとする。
何十年かおきに現れる、謎の黒衣の子供たち。“ベフォールの子供たち”と呼ばれる彼らは、長い長い年月をかけて、ある一人の人物を追いかけ続けていた。繰り返される年月に疲弊し、また謎の少年・デュマの妨害によって仲間を減らしながらも、彼らはただ、ひたすらに“彼女”を追い求め続ける。
少年少女の連続失踪事件を追う刑事・クックスは、捜査の中で“ベフォールの子供たち”と呼ばれる存在に辿り着く。追い求めるほどに深まる子供たちの謎、不可解な現象、そして現れる謎の青年。一体、失踪した子供たちにどんな秘密が隠されているというのか。
平行する3つの物語は、やがて複雑に絡み合い、500年の時を超えた、ある惑星の悲劇へと収束していく。


声優・キャラクター
河原木志穂、皆川純子、花輪英司、小林希唯、浦田優、高口幸子、はらさわ晃綺、松本さち、矢口アサミ、坂本真綾、鈴木千尋、甲斐田ゆき、辻親八、住友優子、後藤哲、羽多野渉

自分はなんだったのか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

輪廻転生

これは中々見応えありました
が!序盤8話くらいまでは??我慢です、面白くなって来るのは中盤から
ヒロインが徐々に過去を思い出しながら今を生きるさまに涙します

ヒューマンドラマでもありSFでもあります
すばる(プレアデス星団)の彼方に夢がある

作画はちょっとだけ古く見えますがとても面白いです
序盤だけ我慢できれば・・・・

投稿 : 2024/04/13
♥ : 38
ネタバレ

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

迷子のこころ  【ねこ's満足度:89pts】

壮大なスケールで描かれる、時空を越えた愛と哀しみの物語。

ひとこと、すばらしかったです。
キャラデザにややクセはありますが、それだけでパスするのは勿体無い。
ここまでの完成度を誇る作品には、なか②お目にかかれないと思います。

序盤は謎・謎・謎・・・。
多くの伏線をちりばめながら、物語は主に3つの視点によって語られていきます。
心に宿る”とある場所”を探し求める寡黙な少女。
黒衣を纏い”とある人物”を捜し続ける謎の少年少女たち。
そして、ある事件を追う内にその謎の少年少女に辿り着くひとりの刑事・・・。

バラバラに見える3つのストーリーが、中盤から終盤に掛けて一気に収束していく様は圧巻。
声優陣の熱演も相まって、その迫力ある展開に圧倒されっぱなしでした。
伏線の回収もお見事。数々の謎も無理なく自然な形で明かされていきます。

終盤はとにかく切ないです。心が痛い。苦しい。そんな感じ。演出も抜群です。
ほとんどの登場人物が背負う辛く重い過去。それが徐々に明らかになっていくほどに、
作品のテーマである『命の尊さ』というものをより強く感じさせられました。

個人的に好きだったのはED映像。
最初の内はなんてことありません。ただ3つの”絵”が順番に並ぶだけ。
しかし、ある程度話を理解してくると、かなりぐっとくるものがあります。
音楽もOPED曲を含めてすべてが効果的。胸に染み入る名曲揃いです。

制作はあの”世界名作劇場”を手掛けた『日本アニメーション』。
監督は『AKIRA 』で作画監督を担当、『パルムの樹』等で監督を務めたなかむらたかし氏。
どんな人にでも自信を持って薦めることの出来る、これぞまさしく”隠れた名作”です。


※完全ネタバレ注意※
{netabare}DVD特典にはベフォールの子供たちの後日譚が収録。TV版のみの視聴者は必見です。
12歳になると前世の記憶が無くなってしまうという設定はホント効いてたと思います。
そんな彼らが選んだ生きる道。最後の最後で彼らの笑顔を観ることが出来て本当によかったです。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

巡る心の居場所

全26話
ジャンル:SFファンタジー冒険活劇
ブランド:日本アニメーション

ある絵の場所を探し求め旅する少年少女達に立ち塞がる、ベフォールの子供達と呼ばれる黒装束の目的は何か? 謎の研究組織がもたらす事件に潜む真相との関連は、見えない方向性に収束し命の在り方を問う。

初見のハードルは、やや高いと想う。それも冒険活劇という子供向けに見える設定により間口の狭さ、キャラデザインもあって、これ面白くなるのか? と、疑問を抱かずにはいらないだろう(笑)
久し振りに微妙な作品を引いてしまった感が否めないが、観終わった後は180度印象が覆る作品であったことは間違いない。それも日本アニメショーンといえば世界名作劇場を観て育った方なら尚更、作品のギャップを感じると想う。実際は全く子供向けではない(苦笑)

タグに隠れた名作とあるが成るべくしてなった作品の印象が強く、あまり認知されているようには感じられない。それも中盤10話辺りまで伏線を張り巡らし考察する作風となっており、本質が見え隠れする故である。ネタバレすると視聴意欲が下がる類ではあるが、恋愛に裏打ちされた命の儚さ、重さ、尊さを紐解き心に響き渡る。
BGMを挿入するタイミングも相まって、感情移入させる演出・台詞には、嫉妬・葛藤・苦悩・救済は感動以上の何か心に訴えかけるモノが込み上げて来る。
そこには時を越えた想いを描き隠された真意は、曖昧なキャラの性質が色濃く反映させるミステリーなストーリーラインがもどかしくもあるが少年少女を取り巻く因果を知ることになる。

主要キャラのヘルガは、当初、内向的かつ無口なヒロインで魅力に欠けてはいるが、時折みせる凛々しさが持ち味となっており芯の強さが伺える。それに振り回されるトーマ自身は、苛立ちを拭えず時に感情的に責めるも彼女の優しさに触れた時に初めて理解したいと心情変化していく。ストーリーラインと同じくキャラの持ち味も徐々に加速する形となっている。

中盤以降、この世界観の全貌が紐解かれる爽快感が心地よく夢中で見入ってしまう。さらに終盤の真実については、王道な感動を覆す見せ方に良い意味で裏切ってくれた。
人間味ある行動が贖罪という重くのしかかる心理描写を加味させ、余韻を引き締めるカタルシスが魅力とも感じられる。

感動作品をある程度、観ていて何かお勧めできるアニメはないか? と、聞かれたらプッシュしたくなる作品ではある。 是非、中盤まで見て判断して欲しい(笑)
お勧めしたいけど、やや敷居の高い作品として今後も眠りそうな作品だけに残念ではある。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 27

74.9 18 冒険でシリアスなアニメランキング18位
マスターキートン(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (254)
1530人が棚に入れました
元SASのキートンがさまざまな難事件を鮮やかに解決していく推理サスペンス。原作=勝鹿北星、作画=浦沢直樹の人気同名マンガが原作。かつてイギリス陸軍特殊空挺部隊SASに所属していた平賀・キートン・太一は、現在は保険の調査員をしている。本当は考古学者をめざしており、考古学だけで食べていきたいのだが望みはかないそうにない。そんな太一は、保険の調査の仕事のほか、SASの要請や考古学の研究などで世界各地を飛び回り、数々のやっかいな事件に巻き込まれる。それらを太一はSASや考古学の研究で培った技術や知識、持ち前の機転で解決していく…。

声優・キャラクター
井上倫宏、桑島法子、永井一郎、菅原正志、辻親八、キートン山田
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

浦沢作品では一番好き

<2019/5/26 初投稿>
原作既読。

主人公の平賀・キートン・太一さんは名前からわかる通りハーフで母が英国人、父が日本人。

さらに多様な経歴、極めて高い経験値とスペックの持ち主です。

ところが容姿はどーみてもコテコテの和風で、お人好しでうだつの上がらないおにいさん。
今は冴えない考古学の大学講師という謎キャラです 笑。


キートンの経歴をもう少し書くと・・・

ネタバレというほどでもないけど一応閉じておきます。
{netabare}
オックスフォード大を考古学専攻で卒業(中退だったかな?)

在学中に大学で出会った英国人女性と結婚、一女をもうけるも離婚。

で離婚のショックでなぜか英国陸軍・特殊空挺部隊(SAS)に入隊、そこで伝説級の活躍。
実績と特にサバイバル技術が高く評価されSASの教官まで務めます。
(SASは米国のデルタフォースみたいなもんらしいです。)

でもなんか違うと思ってSASを辞職(除隊)。{/netabare}

そして今は日本に住み普段は大学講師をやりながら、たまに娘に世話を焼かれたりしながら、考古学の発掘調査に勤しむ毎日。

しかし大学講師だけでは食えないキートンはイギリスの保険会社ロイズ(※)のオプ(調査員)もやってます。

なので日本と欧州を行ったり来たり。
飛行機代だけで足が出そう 笑

そんなキートンが保険事故の調査や発掘調査などでさまざまな事件や出来事に遭遇、
時に事件を解決し、
時に出会った人々と暖かく柔らかい交流があったり、
せつないやるせない思いをしたり、
とかそんな話。

(※)正確にはロイズは保険会社や保険引受人の組合組織で、特定の保険会社ではありません。ちなみにロイズは世界最古の保険を取り扱った組織とも言われ、保険会社だけではなく個人、つまりお金持ちが保険の引受人として取引できるようになってます。日本の保険の常識とはかなり異なった組織・制度です。
キートンは個人の保険引受人からの依頼で調査を行うこともあり、物語に厚みを加えています。


原作は浦沢直樹さんの漫画なのですが、浦沢作品の中では一番好きです。

他にはMOSTERやPLUTO、パイナップルARMYも好きですが、本作はパイナップルARMYにやや近い印象。


浦沢作品の特徴は登場人物の表情。
無言のシーンでもどんな感情なのかが一目でわかる画力は流石です。
キャラクターの書き分けも完璧。
日本人と欧米人がパッとみで区別つくキャラクターデザインって案外少ないと思うんですよね。

前述の通り欧州が舞台となることも多いのですが、その背景や会話、出てくる料理なども本当に自分がその国にいるような気分になれてしまいます。

基本1話完結のお話も、変な外連味はなく地味ですが、1話1話心に染み入る深みと温かみがあります。

いずれも高品質な短編の良作・佳作を何十本も積み重ねたような。


そんな原作をアニメでは丁寧に忠実に再現しています。

この「マスターキートン」
私は超有名作だと思ってたのですが、時間というのは情け容赦ないですね。

隠れた、というより時代に埋もれた名作だと思います。

今時のアニメとはかなり趣が異なりますが、「最近のアニメに少し食傷気味」「ストーリーのしっかりした物語を楽しみたい」という方にオススメしたい作品です。。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 39
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

一話完結の仕事人

普段は柔和で実は…「能ある鷹は爪を隠す」キートンさん。かっこよすぎです。
離婚して未練タラタラなくらいがバランス取れてていいんでしょうか。

携帯電話などなくポケベルもあったかどうかの時代。
今の時代だと「この日本人すご過ぎww」などとすぐSNSに乗っかっちゃって顔が割れてしまうんでしょうか。

台詞で必要なことは語ってくれるので、作業しながらの「ながら観」にも最適でした。
(かわいい女の子も出てこないので画面に目が釘付けにはならないしね)
かと言って、大切な締めの部分では言葉で多くを補い過ぎず…という大人な引きの良さもありました。
味わい深くもアッサリとした一話完結式なので、そこをもっと掘り下げて長く観たいのに物足りない‼、という感覚を残す話もありました。



〜好きだった話〜

{netabare}4話・爺さん回
この老いぼれ、実は…のパターンで、婆さん回もあった。

5話・屋根の下の巴里
「人はどんな時でも学べる」というストレートな勤勉メッセージ。

7話・チャーリー
幼馴染との邂逅。最後、どんな風に受け止めていたのか。
嫉妬とか尊敬とか、…?多くを語らないで、ママへの一言が印象に残る。

12話・御婦人たちの事件
イギリスが舞台だから、ミス・マープルみたいなおばあちゃんも登場。

13話・穏やかな死
テロリストの使用する爆弾を造り続けてきた男の、ある日の気づきとは。手に汗握るスリリングさと、チョコレートの甘さと。もっと早く気づけやと言いたい。

15話・長く暑い日
キートン vs 孟犬。もうちょっと続きどうなったのか(とくに、犬のその後!)観たかった。
若き日の覇気あるキートンお父さんが、かっこよい。

18話・フェイカーの誤算
「一流の仕事人は…」が口癖の詐欺師。なんかおかしい。キートンが対決するのと思いきや、「一流」のこだわりにより二転三転。
ちょっとうまいこと行き過ぎだけど、正直者がバカを見ない話でホッとする。

19話・空へ…
めんどくさい鬱屈少年の話。
「こんなにいい天気なのに学校なんてもったいない」と言えちゃう娘はいいなあ。
平賀家が息子でなく娘なのが、何となく家風が分かるような気がする。

20話・臆病者の島
爺さんかっこいい!回。動きのキレがね。

21話・アザミの紋章
歴史上の逸話から探る人物像。見てきたかのような、個人的記憶のような演出の切り替わり、とても見応えがあった。アニメ独自の演出なのか、原作からなのか知りたいところ。巻物が動く演出はアニメだからな、面白さかな。

22話・シャトー・ラジョンシュ1944
「だんなさまのお考えになる事は、だんなさまが生まれる前から、わかっております。」
忠誠心ですよ…おとっつぁん(誰)!!(T_T)
戦火の中で採りごろの実を採りに行くとか、ほんのちょっとだけ、その気持ち分かる…。たぶん私の中のソレはみみっちいけど

25話・砂漠のカーリマン
キートン賢くかっこよすぎ。
砂漠の過酷なサバイバル。
砂漠に行く前に原作もぜひ熟読しておきたいです。でも砂漠にとても行きたくないです。

26話・家族
かつての金メダリストが夢から目覚める…冒頭のシーンが絶妙に切ない。
26話、27話、28話は面白いけどちょっと似てるかな。ヨーロッパの内紛や分断を下敷きにしていて深みが感じられるぶん、え、深刻な内容なのにもう終わり?ってなる。

33話・背中の裏町
女の求める父の姿。あえて真実を突きつけないキートンはんに惚れてまうで…

34話・瑪瑙色の時間
大人の情けなさやふがいなさを見ている子供達。たぶん私も見られてる。
「俺はもう一度立ち上がろうと思う。自分を憐れんでいる時間なんか、ないんだ。」うむ。

…しかし「瑪瑙」のグリーンて結構、人工染色されてるような…

35話・五月の恋
婆さんかっこいい回。
ここだけミセス向け恋愛漫画みたいなムードだけども。キートンの娘さんステロタイプなお節介やきだけども。

38・39話・狩人の季節
キートンと上官の邂逅。器用貧乏なんだねキートンさん。
あー、見終わっちゃった…という寂しさが募ります。
もっと長く見せて欲しいと度々感じていたものが最後に2話連続になると?時の流れは余裕をもって感じますが、そんなに内容のボリュームアップはしないものですね。むしろこれまでの一話完結の簡潔な強さを感じました。まことに勝手な話ですが。 {/netabare}


原作は、原案やら原作者やらの表記について一悶着あったらしく、長らく再版されなかったらしいですね。
とても面白かったので読んでみたいです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 38

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

私の人生の必読書。パイナップルアーミーも見たい。

浦沢さんの作品といえば、私にとっては「パイナップルアーミー」と本作。王道エンタメなら「ヤワラ」だが、大人で他にない独自性ならこっちだろう。


冴えない保険の調査員、その実態は元SASの特殊部隊サバイバル教官にして、考古学者になることを夢見るロマンチスト。主人公のキートンのキャラに本作の内容は凝縮していると言っても過言ではない。


キートンは有能で多くの問題を解決に導くがスーパーマンではない。その舞台がしっかり現実のヨーロッパに元づいているように、彼も地に足がついた存在だ。だから、現実の複雑さ、やるせな、決して安易な解決や救いがない面も描く。しかし、同時に夢見る心の素晴らしさ、理想を安易に捨てない人間の矜持も描く。


人間に対しても世界に対しても、積極的な面も否定的な面も描く。これが真に大人な認識と余裕といってよかろう。「ヤワラ」と同じく原作の良さを見事に映像化しているマッドハウスさんの仕事ぶりの素晴らしさも言うまでもない。


マッドハウスさんは、わかりやすい個性や作家性を誇るスタジオではないが、誠実な仕事を淡々とこなす偉大な匠といっていい、もっと賞賛されるべき会社だろう。


オススメエピソードは14話
「心の壁」

原作ではそこまで印象的なエピソードじゃなかったが、アニメはクライマックスで涙が止まらなくなった…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 29

71.4 19 冒険でシリアスなアニメランキング19位
からくりサーカス(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (258)
1082人が棚に入れました
小学5年生の才賀勝は父親の事故死によって莫大な遺産を相続したことをきっかけに命を狙われていた。そんな折、青年 加藤鳴海は偶然にも勝と出会い、手を差し伸べることを決意する。しかし、勝を追ってきたのは人間ではなく高い戦闘能力を持つ人形使い達であった。窮地に陥った二人は突如姿を現した懸糸傀儡マリオネットを操る銀髪の少女しろがねに助けられる。こうして、日本で出会ったこの3人は数奇な運命の歯車に巻き込まれていく──

声優・キャラクター
植田千尋、小山力也、林原めぐみ、櫻井孝宏、佐々木望、黒沢ともよ、井上麻里奈、江川央生、岩崎諒太、石川界人

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「藤田和日郎」力

仕事の一環で視聴。

原作は「うしおととら」とは違って知る人ぞ知る本当にコアな少年漫画マニアがこぞって絶賛するほどの藤田和日郎の名作。

原作が終わって12年越しのアニメ化ということで非常に丁寧かつ気合の入り方が違います。

キャラクターは本当に素晴らしく立ってるので、個性派ながらアニメ化しやすく魅力たっぷりなのですが、1話を観ると非常に駆け足で、早くも原作ファンからするとどこをカットされるのかが気になる不安な出来になっちゃっているのが残念。

ワンピースや進撃の巨人などの名だたる漫画原作のアニメは引き伸ばしや外伝を作れるほどの余裕が有るのに対し、原作人気が正直広まっていないので、ややおっかなびっくりしている様子が伺えます。これは名作漫画「BANANAFISH」でも同様のことが言えますけどね。

やはり既に絶大な人気のある漫画と中堅クラスの漫画だと、質よりも予算や視聴者の反応をモロに受けやすいので、原作ファンには物足りない出来になってしまうかもしれませんが新規ファンを獲得することを考えるとこれからどう盛り上がっていくかが大きな焦点になっている気がします。

少しでも気になった方がいらっしゃったら、原作を読んだほうがいいかも。アニメの再現度も含めてよくできていますよ。


しかしながら、もう「藤田和日郎」力としか呼びようのない大胆なプロットと、顔芸と言われるレベルの感情の揺れ動きが、アニメとして魅力のある作品になっています。やはりジョジョと同じで、原作が面白いので是非、原作を読んでもらうのが一番かと思います。

全話視聴:非常にもったいない終わり方でした。ちょっと少年サンデーは本当に危機的状況で、看板がコナン以外ないのと、もう少し原作を大切にしたり作家を大事に扱わないと潰れる気がしてなりません。漫画自体の市場が縮小傾向ですがいよいよ危うい領域になっている気がします。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

Dkn さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「一生残る恐怖と衝撃で一生残る愛と勇気をね!!」

速報だ!!

“最古の四人(レ・キャトル・ピオネール)”として、アルレッキーノ役を福山潤、
パンタローネ役を中田譲治、コロンビーヌ役を悠木碧、ドットーレ役を大友龍三郎が担当。

きたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!

試写会で判明したのは、才賀正二役 田中正彦さん、才賀善治役 大塚明夫さん、ルシール・ベルヌイユ役 朴璐美さん。
作者自身が再構成し直した全36話構成がどうなってるのかわからないけれど、カットはあれどキッチリやって欲しい。


コロンビーヌ役の悠木碧さんがコメントで、

「愛情を哲学していくパートを担った子という印象です。
後に大きな変化も待ち構えているので、先を見据えて殊更丁寧に構成して演じられたらいいなと思っています。」

――と答えていた。なるほど。

期待しないでいようと思ったけどダメだ…早く明日になって下さいっ…



「世界中の子供たちに愛と勇気をね!与えてあげる前提で、まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよーん!!
一生残る恐怖と衝撃で一生残る愛と勇気をね!!」

byジュビロ

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22

37111 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

こんな話だったんだ。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:かなり昔の漫画のアニメ化。うしおととらは好きだけどこれはあまり好きじゃなかった印象。しかも最後どうやって終わったのかも記憶にない。ので、新鮮な気持ちで見られる予感。

期待度:★★★★

うしおととら鹿子の人の作品全部見たのないんだけど、原作出だし部分だけちょっと見て覚えてた。でも最後こんな感じで終わったんだね。
今となっては、、、という感じでした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12

68.0 20 冒険でシリアスなアニメランキング20位
海賊王女(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (218)
677人が棚に入れました
これは、ある少女の記憶から始まる物語。18世紀、大西洋。父と船旅へ出ていたフェナ・ハウトマンは海賊に襲われ、たった一人小型ボートで漂流し、命をつなぎ留める。フェナが漂着したのは、国家が黙認する娼婦・男娼の島<シャングリラ>だった。10年後──。雪のような肌と白銀に光る髪を持ち、美しく成長したフェナは、初めての“仕事”を目前に控えていた。だが、それを受け入れることはできず、幾度となく想像してきた島からの脱出を決心する。迫りくる追っ手に絶体絶命のフェナは、真っ赤な鎧に鹿の角の兜をまとった青年・雪丸に救われる。雪丸は、フェナを「見つけ出す」と約束した少年だった。そして2人の“再会”は、フェナ自身に眠っていた言葉を呼び起こす。炎に包まれ、沈みゆく船。「必ず俺が見つけ出す!」と約束した少年。そして最愛の父が叫んだ、あの言葉──。「<エデン>に向かえ!」フェナはその真意を知るべく、雪丸たちと共にの謎を解く船旅へ出る。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

王女と侍

ProductionI.G制作。

18世紀、大西洋、
父と船旅に出ていた少女フェナは海賊に襲われ、
たった一人、小型ボートで漂流し命を繋ぎ留める。
フェナが漂着した島は娼婦の島シャングリラという。
漂流から10年、フェナはある決意をする。

映像全般、キャラクター、音楽と印象良し、
王女に侍、和洋折衷な世界観を持つ冒険活劇です。

ここから後々に、ある言葉の意味と、
{netabare}父の残した石の謎を解くよう告げられるみたいだ。{/netabare}
謎解きの旅もまた興味魅かれるものがあります。

7話視聴追記。
主要人物も出揃い、方向性が見えてくる。
{netabare}王立海軍アベルが語る、
侍たちの真の目的、フェナの母ヘレナについて、
手掛かりはフェナの記憶と座標!?{/netabare}
そこに隠された真相があるのでしょうか。

最終話視聴追記。
示された座標、圧倒的な景観、財宝、
{netabare}エデンに導くものと導かれるものの物語、
唐突に世界の命運が示され、選択を託される、
ここまでの流れから、飛躍が大きく感じ、
私としては戸惑いある幕切れではありますが、{/netabare}
全体の総評としては、そこそこ楽しめました。

お時間のある方はぜひ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 49
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シナリオ以外全部最高!?

オリジナルアニメ


うーん…どう説明したらよいのだろうか

 {netabare}『ふしぎの海のナディア』{/netabare}圧縮版

例えた先が未視聴だと意味不明となるがゆえに他作品との比較は不親切な気もするのでなるべく避けてはいたのですが他に例えようもなく。展開がまんまそれでした。

 {netabare}・青い海と輝く太陽!つまり海洋冒険活劇
 ・自分に正直といいますか一癖あるヒロイン
 ・どこか脇の甘い敵方の女海賊
 ・そして世界の運命を握るのがヒロインだった!展開
 ・そんな運命を受け入れキャラ変するヒロイン
 ・そのギャップに悶えるキモ視聴者俺{/netabare}

嫌いというよりむしろ好物なうえにダメ押し要素もある。こちら↓

 劇伴 梶浦由記
 出演 坂本真綾

個人的には名作フラグ立てても良くてよ…ってやつですがそうは問屋が卸しませんでした。前述の冒険活劇アニメ全39話をこちらでは全12話にまとめたような感じになったために綻びが垣間見えるとでもいいましょうか。ドがつくストライクゾーンの作風ゆえそれなりに楽しめたので私みたいな趣味の人には需要があるやもです。


時代は18世紀。産業革命ちょい前の中世ヨーロッパの佇まい。没落貴族のおてんば娘が自身にふりかかったトラブルを機に海洋に出るという冒頭。なにより太陽と海がきれいなのでした。画に惹かれます。
ひとくちに“画”といってもいろいろ。キャラデザインは好みによりますが普通にキレイ。主戦場が海ってこともあるのか背景美術・色彩も満足。それに素人目にみてもよく動いてる感じもします。
そんで見た目に加えて梶浦さん劇伴でしょ?OP/EDも良かったですよ。演者さんだって申し分なし。個人的に視聴済みアニメの中でわずか3つに留まる満点評価作品でヒロインはられてる瀬戸麻沙美さんと悠木碧さんご両名が出演されてたりするんすよ。

だがここまで。
端的に尺が足りないわけですが逆もしかりでは? 2時間くらいの映画で充分と言えそうです。
広げた風呂敷を畳まないのならそもそも風呂敷を広げず不要になるシーンを削ったらよろしいかと。もちろんどっかで匂わせといてくれてもよくね?と尺不足を嘆く気持ちが大半ではあります。

①削っていいやつ
 謎は謎のままにってのもありなんですが、キャラでも描写でも「これ要るか?」多数。

②説明してほしいやつ
 終盤の転回が激しいからこれ大事。 
 {netabare}例えばフェナ改め“選択の巫女”は究極の選択を迫られるわけですが、事前に世界に綻びが生じているみたいなジャブをかましてくれるだけで説得力が違うのに。これまでの仲間との結びつきを重視しての選択は理解できるものの、対となる“世界終わるよん”が降って湧いたネタのため腑に落ちない。

  「そうはいうけどマジで?ほんとに?いま平和なんだけど?」

 と現実感乏しいはずなのにフェナちゃん受け入れるんですよね。第1話で運命に抗うために海に出た娘がえらいあっさりと運命受け入れちゃうキャラ変に戸惑います。ここでいう運命とは血筋系のやつを指します。まあ嫌いじゃないけど。なおこちらあくまで一例であります。全体的に説明不足。{/netabare}


①②ともに脚本と構成でなんとかなるやつでした。
うーん…どう説明したらよいのか。。。アニメとは総合芸術であるとの弁は至言と思われ、五角形のどれか一角の値が極端に小さいとそこに足を引っ張られちゃう典型例といえる作品でした。



※閑話休題

■もはや神頼み

愛するドラゴンズ低迷の理由はこれ↓
{netabare}草薙の剣が国外へ流出したとあっては日本の一大事はもちろんのこと、そら熱田神宮のお膝元名古屋への災禍は致し方なしと思われる。 ※在名古屋の方ゴメンナサイ{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2022.01.20 初稿

投稿 : 2024/04/13
♥ : 46

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

余韻が感じられないんです

<2021/12/30 追記>
最終話まで見ました。

初投稿時のレビュータイトルは
「オリジナルなので最後まで見ないことにはわからない。けれども」

最終話は体操で言えば「両足の揃った着地」でした。
ぐらつかず、纏まってる。

ただねえ。
余韻が感じられないんですよね

なぜだろうとつらつら考えると、どうも詰め込み過ぎな気がしてきた。
オリジナルアニメでよくみかけるやーつー。

【たぶんこうだったんじゃないか劇場】
「よし!せっかくのオリジナルアニメ。気合い入れて作るぞ」
「よし!会議だ。オリジナルアニメなんだからみんなたくさんアイデア出そうぜ」
「よし!たくさんアイデア出てきたな。この中から珠玉のとこだけ選んで話つくろうぜ」
「よし!いいアイデアばっかり残ったな。どれもこれも素晴らしい。でもちょっと多すぎないか。1クールだぞ。」
「さらに削ったけどまだまだ多いな。なんとか1クールにおさまんないかな?せっかくのオリジナルアニメ、こんなチャンスなかなかないんだよ。良いアイディアは生かしたいじゃないか。」
「よし!とにかく無理にでも1クール12話に収めよう。視聴者には全部見てほしいじゃないか」

この劇場はもちろん私の妄想ですが笑。
でも本作は全12話の内容じゃないですよね。
少なくとも2クール。
なんなら1年でもいいくらい。
この手の冒険恋愛ものって長ければ長いほど見てる方も気持ちが入るところありますし。

でもクール増やすなんてそれこそ難しいんでしょう。
だったら、エピソードをもっとばっさり切ればよかったのに。

なんか資料作成下手な人が作ったパワポのプレゼン資料のような感じでした。
詰め込みすぎで大事なことが全然頭に入ってこない。

ちなみに映像もキャラもキャラクターデザインも台詞回しも好きでしたよ。
それだけに残念。。

<2021/10/20 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。
オリジナル作品。
3話まで見ました。

アニメオリジナル、というと物語が面白いかどうか最後まで見ないとわからないのがネック。
漫画原作のアニメ化はいろいろな意見あるものの
「数多ある中で一応人気が出た漫画作品がアニメ化」
という競争を勝ち残ったわけで、ある程度の面白さは担保されています。
(と言っても最近は粗製濫造でこれから「面白くなるかどうか」というところでアニメ化される漫画も多いですけど)

その点、オリジナルは打率低いんですよね。
今期、やはりオリジナルの「サクガン」はオリジナルアニメ制作プロジェクトでのコンテストで賞を獲った小説が原案だそうで、そういうのなら期待大なんですが。

そうではない完全オリジナル、のようです。
というわけで物語の出来は未知数。

しかしです。
けれどもです。
それを補うくらいの作画の良さがこの作品にはある。
キャラも背景もクセなく綺麗で動きも滑ら〜か。

好みとしては「綺麗なだけの作画」は正直苦手なこと多かったりします。
表情が張り付いたみたいに見えたり
みんな美男美女で同じ顔に見えたり
いくら絵が綺麗でもそんなだとお話に入り込めない

と言っても自分の「見る眼」の方の問題な気もしたり。

そして本作、どうやら3話まで来て自分の眼が適応してきたようです。
生き生きとした表情が素直に受け止められるようになりました。

気になるのは、なんかこの表情馴染みあるなー、というシーンがちらほら。
なんだっけ?
・・・はたと気がつきました。
昔の宮崎駿作品。
「未来少年コナン」とか「らルパン三世 カリオストロの城」とかで出てくるあの茄子のような顔貌表情。
あれがたまに出てきます。

どーりで。
そういうところも自分がマッチできてきた理由かも

さて物語の方ですが。
てっきり異世界かと思ったら、現実世界の昔のヨーロッパだったでござる。

島の名前とか、ヒロインの出自とか、ニンニンとかは架空だと思いますが。
国名なんかは英国とかそのもの。
最近じゃ結構珍しい。
「天晴爛漫!」みたいな(見てないから想像)

ちょっとまだ地に足ついてない感じがするのは、今後物語が進むにつれ変わっていくのでしょうか

物語が標準以上ならかなりな優良作になる気もします。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42
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