地震で田舎なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの地震で田舎な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月16日の時点で一番の地震で田舎なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.0 1 地震で田舎なアニメランキング1位
空の青さを知る人よ(アニメ映画)

2019年10月11日
★★★★☆ 3.8 (232)
1070人が棚に入れました
山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。2人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、2人きりで暮らしてきたのだ。あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして金室慎之介の名があがる。あかねのかつての恋人であり、高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が町に帰ってくる…。時を同じくして、あおいの前に、突然“彼"が現れた。“彼"は、しんの。まだあかねと別れる前の、高校時代の姿のままで、13年前の過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。思わぬ再会をきっかけに、次第に、しんのに恋心を抱いていくあおい。一方、13年ぶりに再会を果たすあかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。

声優・キャラクター
吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音、松平健、落合福嗣、大地葉、種﨑敦美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

集大成と言えそうな理由

2019年公開のオリジナル劇場版 107分

ここに集う皆さんには“超平和バスターズ秩父三部作の三本目”ですけどなにか?…で紹介は充分かと。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2011年)』『心が叫びたがってるんだ。(2015年)』の流れを汲む4年に一度の超平和の祭典。密かに2023年でまた何かやらかしてくれないか期待してる私です。
制作はCloverWorks。A-1 Pictures高円寺スタジオが改称しただけのようですので、三部作どれも同じ会社&主要クリエイターでの共同作業ということになるんでしょうか。きちんと集大成であることが伝わってくる力作でした。

ただアニメファンだからこその鬼門もありまして、やや一般層を意識した要素が散見されること。ほらほら「万人受け」って言葉は苦手でしょ?
プロデューサーに川村元気氏。オタ全開な新海監督の作品を垢抜けた装いにしメガヒットを飛ばしたお方ですよね。また、売れ筋アーティストの起用&主人公には人気俳優さんを配置ってのでピクッと反応しちゃうところがあります。

岡田麿里脚本ということは、めんどくさい女子だったり青春こじらせ系な物語なんだろうな。今回はマスマーケティングの香りがするぞ。といった事前評価でしょう。その点については良くも悪くも期待に沿ってたと思います。
悪い点は予想の範疇だったこと。常連客が喜ぶいつもの仕様に本作ならではの要素でプラスに転ぶかマイナスに転ぶかどうか。
良い点は俳優さんの演技が想像以上。相生あかね(CV吉岡里帆)と金室慎之介(CV吉沢亮)両名良かったっす。吉岡さんの声質はやみんぽかったり、吉沢さんほぼ2役のようなものでしたが演じ分け出来てました。あと良い点もう一つ。秩父の風景画が過去2作を凌駕する勢い。遠景もありスポットもありました。秩父の宣材資料として申し分なくいくつか組み合わせるだけでPR動画ができそうなくらいです。


周辺はそれぐらいにして内容です。
あらすじは混み入ってるため省略。主人公相生あおい(CV若山詩音)の幼少期にのどに刺さった小骨。その時高校生だった姉のあかねと彼氏の慎之介(しんの)もそれはそれで一悶着あり、が物語の起点。そして時は流れてあおいは高校3年生。人生の分岐点で小骨にどうけじめをつけるのか。
集大成らしくいつもの“こじらせティーン”はもちろんのこと新たに“こじらせアラサー”も加わってやけにめんどくさいことになってます。ファンタジー設定も健在。トラウマ発生地点の13年前で時がストップしてたのか高校生の慎之介くん(生霊!?)が未来の世界に登場し物語を動かします。「おい○○年後の俺、元気でやってるか?」枠。小学校の頃埋めたタイムカプセルを掘り返しそのピュアっピュアな内容に触れて、やさぐれた自分に羞恥の波が襲い掛かってくる感覚に似てます。

青春ものの良さの一つに過ぎ去りし日々への憧憬があります。あの頃は良かった!ってやつですね。
ただそれは視聴者である我々が感じたいことであるわけですが、本作では登場人物にその気があるのです。おそらくアラサーどストライク。社会に出て清濁合わせ飲んでなんとか折り合いをつけてる今日この頃。理と情であれば前者なければ物事が進まないことを熟知してる大人に「大切なのは気持ちだろ!」を突きつけるお話でございました。普段鬱屈してる分心地よさを感じます(笑)

人間関係はやや混み入ってるんですよね。
思えば『あのはな』は ※のネタバレ
{netabare}仲間の事故死という幼少期のトラウマを高校生になって仲間たちと克服する。{/netabare}

思えば『ここさけ』は ※のネタバレ
{netabare}両親離婚の原因は自分という幼少期のトラウマを高校生になって仲間たちと克服する。{/netabare}

そして『空青』は ※のネタバレ
{netabare}幼少期発生した姉向けの自責の念(あおい)と時が止まって動けないアラサーとのコンボを{/netabare}
{netabare}同世代の仲間というより大人たちや小学生だったり今までにない縦の世代軸を使って克服する。{/netabare}
{netabare}しかも恋愛要素は過去2作品の比ではないくらいマシマシ{/netabare}

“トラウマ”と“解決メンバー”でみるとより複雑になってることが分かります。三部作の最後を飾るにふさわしいとの見立ても可能でしょう。
そんなこんなで“集大成”を楽しみながら、いつもながらのめんどくさい青春といつもに増して多層化した物語に触れたい気分に合いそうな大人向けの佳作です。
なお自分には混み入った恋愛ベクトルへの理解が不足しているのと、あおいちゃんがめんどくさい通り過ぎて駄々っ子に見えたこともあって嵐を呼ぶ感動とまではいきませんでした。



※ネタバレ所感

■されど空の青さを知る

{netabare}「井の中の蛙大海を知らず されど空の青さを知る」

~を知らず に続きがあることを知ってなんかよくわからんけどスゲーと思ったのはいつだったか…
本作品のメッセージでしたよね。井=秩父、大海=東京みたいな空間的な意味もありましょうが、解釈の拡がりはありそうです。自分はされどの部分を「置かれた場所で咲きなさい」と受け取りました。{/netabare}

{netabare}首を横に振ってみたら周囲を認知できるけれども井戸で遮られたらそこまで。
首を縦に振ってみたら地面と空の青さは確かにわかる。遮るものがない空は井戸の中でできることとしては最上級となりましょう。{/netabare}

{netabare}この縦と横を人間関係に置き換えてみます。
横は言わずもがな仲間たち。同級生ら横の繋がりです。縦は親・姉兄・弟妹・年上・年下の異なる時間軸同志の関係。年齢が違う者らの縦の繋がりです。

繰り返しにはなりますが『あのはな』『ここさけ』はあくまで横の繋がりで完結しているTHE青春ストーリー。縦はあってもスパイス程度でメインには躍り出てはきませんでした。これらは大海を知らないからこその刹那の耀きを感じ取る作品群です。
翻って本作『空青』について
 

 横にしか振ってなかった首を縦に振ってみて初めて見える世界


先述した通りに理解が不足してる俺氏ということで100%楽しめなかった感はあります。
それでも前作以上の深みとコクや雰囲気の良さはこういうところから感じ取れたかなと思います。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

-----

2020.10.24 初稿
2021.08.14 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 55
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る

世の中は思ったようにならないことのほうが多く、そんなときの悔しさや自分への腹立たしさが身に染みて伝わってくる物語です。

おそらく、順風満帆の人生を送られている方は、この映画の良さが理解しずらいと思います。
でも、失敗や挫折を経験したことのある方が見ると、直ぐにこの映画の登場人物に感情移入でき、感動するでしょう。
最後はハッピーエンドとなる素晴らしい映画でした。

特に若い人たちは、以下のまえおきを読んでいただいたうえで映画を見ると、より一層感動できると思います。

<まえおき>
ガンダーラとはパキスタン北西部にかつてあった古代都市です。
孫悟空で有名な唐の時代に実在した三蔵法師も、ガンダーラに行ったことがあるそうです。
そこに行けばどんな夢もかなう。そんな噂があったかどうかわかりませんが、
約40年前にゴダイゴが歌った『ガンダーラ』は、まさに理想郷でした。

この映画は、まさに理想郷ガンダーラを東京に置き換えて夢を見た若者たちの物語です。


<映画の序章のあらすじ>
※私の思いが含まれています

事故で両親を亡くした二人の姉妹がいた。
姉のあかねは、妹を誰よりも愛していた。
妹のあおいも、姉を誰よりも慕っていた。

だがある日、あおいは、自分のせいで姉が結婚を諦めたことに気づく。
それからは自己嫌悪の日々。
自分さえいなければ姉は幸せになれる…。そんなねじれた考えが日増しに大きくなってゆく。
そしてあおいは、姉を愛するがゆえに{netabare}家を出ることを決意する。{/netabare}

あおいの第一印象は、影と棘とを持ち合わせた少女として映ります。
もし自分が同じ立場だったら、やはりあおいと同じように考え、行動すると思う。
この悔しさを誰にぶつければいいのかと悩むだろう。


姉の元恋人である慎之介は、東京で一旗揚げようと夢を見ていた。
一旗揚げれば、姉妹そろって呼ぶことができる。
そうすればみんなが幸せになれる。彼はそう信じていた。
だが、東京は、そんな夢を見る人がたくさん集う場所。
夢を掴むのは、ほんの一握りの人だった。
さらに、都会で生きていくためには厳しい現実があった。

私も東京に住んでいるので、慎之介の気持ちが良くわかります。
都会で生きていくのは、本当に大変なことです。


そして、ここからこの映画の本編が始まるのです。
ぜひ見てください。


井の中の蛙は大海を知りません。
でも、大海を知らないからこそ、できることもあります。
大海を知ったたがために尻込みして、挑戦せずに諦めるよりも、
大海を知らずに挑戦するほうが断然良い。

たとえ挑戦してその夢がかなわなかったとしても、後悔することはないはず。
挑戦せずに諦めると、一生後悔します。

一度っきりの人生です。
空の青さは誰にでも見ることができ、そして太陽は、誰にでも平等に光を降り注ぐ。
井の中の蛙は、誰にはばかることなく挑戦して良いのです。
挑戦し続けている間は、たとえ何度打ちのめされようとも負けではない。挑戦をあきらめた時が負けなのです。

2019/12/28 一部修正しました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 54
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

さよなら少年の夢

制作、超平和バスターズ。

過去と現在をつなぐ切なくて愛しくて、
ちょっと不思議な、二度目の恋の物語。

あいみょんの「葵」が心に響きます。
あの頃の僕たちが、想像した未来は、
きっと希望に満ち溢れた物語だったのだろう。

人生は強大な現実に折り合いを付けて、
どこかもやついたまま、前へと進む。
どこかでケリを付けたいと思いつつも、
時間のベクトルは、巻き戻りはしない。

{netabare}憧れていた音楽生活に打ち込む少女は、
それはよこしまな動機だという。
憧れていた音楽生活を叶えた大人は、
それは望んだ形ではないという。{/netabare}

誰もが過去に置き忘れてきたものがあり、
そこには自分を縛り付ける法則がある。
どんな夢も叶う場所を探すのは青春の代名詞だ。
ありきたりな物語かも知れない。
しかし共感が持てる優しい物語である。

拒絶が僕たちを待ち受けている。
後悔が僕たちの歩みを鈍くさせる。
それでも次へ、次へ。

空の青さを知る人とはそういう人だろう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 52

62.8 2 地震で田舎なアニメランキング2位
よみがえる空 RESCUE WINGS(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (149)
694人が棚に入れました
ジェット戦闘機のパイロットになりたかった内田一宏は航空自衛隊に入隊。だが自分の希望とは裏腹にパイロット養成の選考過程でヘリコプターの操縦士になってしまう。同期の小坂隆が希望通りイーグルドライバー(F-15戦闘機のパイロット)になるなか、それでも気持ちに折り合いをつけて配属先の小松基地にやってくる。そんな中、配属間もなく災害が発生し、現地に向かうこととなるのだが…。

声優・キャラクター
宮崎一成、能登麻美子、石塚運昇、星野充昭、飯塚昭三、笠原留美、伊井篤史、小野坂昌也、志村知幸、さとうあい、高村尚枝、ゆみ、大本眞基子、ふくまつ進紗

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

航空自衛隊が立ち向かう困難な現実

笑いナシ笑いナシの硬派作品。
航空自衛隊のリアルを描いたものです。
実に興味深い作品ではあったのですが、
イマイチ面白味に欠けていました。
リアリティに凝り過ぎて(?)、
事実の再現ビデオ、又はドキュメントドラマのように感じました。
ただ、現実性を追求した作品ならではの魅力が詰まった作品でもありました。


~あらすじっぽいもの~
戦闘機のパイロットになりたかった内田一宏は航空自衛隊に。
しかし、希望とは裏腹にヘリコプター操縦士に…。
ヘリコプターでの人命救助に追われる日々。
不満、悔しさ、葛藤…。
負の感情を胸に、反対に彼女(めぐみ)の支えを糧に、
内田はどのようなフライトを見せるのか…。

まぁ面白かったです。
土壇場での自衛隊たちの機転には驚かされます。
ただ、どうしてもアニメを観ている感覚に浸れませんでした。
個人的にはここが残念なんですよね。
私はアニメが観たいのであって、再現ビデオを観たいわけではないのです。


とは言っても、好印象な点も少なくありません。
例えば、内田の上司にあたる本郷さんの存在。
彼のようなリーダーシップ溢れる人材は現代の日本において数を減らしてきています。
反対に、名だけの上司が増えてきている状況。
"ただ居座ってるだけ"の上司の皆様、
本郷さんの姿を見て改心してくれることを心より願います。
っ!なんの話をしてるんだ私は…。
本作がアニメっぽくないせいで、
私までレビューとは逸脱したことを…。←は

もう1つ良かった点を挙げるとすれば、
それは航空自衛隊について知れたこと。
内部情勢や外部との提携など、とても参考になりました。
話がどうこうより、『航空自衛隊』という舞台設定に惹かれましたね。


OP「明日をとめないで」 歌ー美郷あき
ED「エンブレム~名も無き英雄達へ~」 歌ーJAM Project(影山ヒロノブ)

EDが凄く良かったです。
力強くも優しい、素敵な曲でした。



読み返してみると、些か否定的なレビューになってしまいましたが、
面白いか面白くないかと問われれば、迷わず面白いと答えます。
ヒューマンドラマとしても楽しめました。

ただ、この硬い物語にもう少し捻りがあれば、
もっと良くなったのかなと感じる今日この頃です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 32

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

苦労が必ず報われるわけでもないという現実

淡々としてる、盛り上げない。たぶんワザとこういう風につくってあるんでしょうが、ホント地味~な印象。
アニメじゃなくって、テレビドラマに近い。
登場人物達は特別な存在ではありません。職務を真摯に遂行する自衛官です。
あえてジャンル名を付けて本作を呼ぶのなら「職業ものアニメ」とでも言いましょうか。


お話は若手のパイロットである主人公が、航空自衛隊の「救難隊」へ配属されるところから始まります。
戦闘機乗りになりたかった青臭い主人公が、ここでヘリのパイロットとして悩みながら成長していくものがたり。
数々の災害現場を経験し色々な事を学びとっていき、仲間との信頼を深めたり、ヘリパイとしての誇りを培っていきます。
設定としてはありがち。ですが自衛隊&救難隊というのがキモです。

主人公たちは災害現場や事故現場へ派遣されるわけですが、某テレビドラマのように消防や海上保安庁のレスキュー隊ではありません。
災害派遣要請に基づいて出動する自衛隊。レスキューの手に負えない現場は過酷を極めます。
卓越した技術や根性をみせたドラマチックな救出劇を演じて要救助者から感謝感激の嵐・・・なーんてことは殆どありません。
地道な訓練と冷静な判断で全力を尽くした結果、もたらされるものを受け入れていくしかない。そういう職業です。
そんな姿を淡々と、あまり飾らずに描いています。

しかし地味だけども泣けるんです、これが。
フィクションっぽさが無いからこそ、災害現場の悲喜交々に共感ができるのかもしれません。
主人公達の複雑な胸中を想像してか、あるいは要救助者の家族の痛みに共感してか
・・・ともかく、意外にウルッと来るところが多くて参りました(´д`)


作中、あるエピソードからエンデイングでひょっこりひょうたん島のテーマがながれます。
何をふざけてるんだ、と思うことなかれ。これがものすごく感慨深く、印象に残りました。

♪苦しい事もあるだろさ、悲しいこともあるだろさ、
 だけど僕らは挫けない、泣くのはイヤだ笑っちゃお♪

この歌詞の意味と、登場人物達の職業の重み。
そういうのを想像してしみじみとする、そんな大人な一作です。

しかし、エンターテイメント性が、ホントうっすい。
そうゆーのは期待しないでみてください。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 19

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あすへの約束  【ねこ's満足度:80pts】

航空自衛隊、その中でも”救難隊”を舞台とした超硬派な人間ドラマ。
常に命の危険にさらされながらも救助活動を行う、隊員たちの姿を丁寧に描いています。

重いです。
救えた命、救えなかった命。辛い選択、悲しすぎる結末。
いくつかのリアルなエピソードが、命の現場の緊迫感をこれでもかと伝えてきます。

主人公は、小松救難隊所属の3等空尉・内田一宏。
戦闘機のパイロット志望ながら夢叶わず、失意のうち小松にやってきた”ヘリ”操縦士です。
そんな主人公が、いかに救難の仕事にやりがいを感じ変わっていくかが物語のポイント。
現場の厳しさと命の重さに打ちのめされながらも、上官の指導の下少しずつ成長していきます。

感想としては、かなり面白かったです。
内容的に”面白い”という表現が合ってるかどうかわかりませんが、とにかく引き込まれました。

ただ名作と評すまでにはあと一歩。
その原因は、主人公の内面を描ききることができなかった点にあります。

上官である本郷空佐の過去、恋人・めぐみの存在。
さらには救助者やその救助を信じる人々の姿、そして救難隊を志すひとりの若者。
いわゆる”枝”の部分は充実してたのですが、その分”幹”にかける時間が足りませんでした。

望んでいない仕事。そこにどんな価値や生き甲斐を見出していくのか。
それこそが本作の軸だったと思うのですが、その辺に関してはやや薄味で終わってしまった感じです。
できれば2クールで観てみたかった。
本郷との関係も含めもう少しじっくり描く時間があれば、間違いなく名作になっていたと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18

63.8 3 地震で田舎なアニメランキング3位
なつなぐ! (TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (60)
183人が棚に入れました
「なつなぐ!」は、2016年に発生した熊本地震以降、熊本県が展開している復興プロモーションの一環として制作されるアニメで、自治体が1クール全12話のアニメ作品を制作し地上波で放送する初めての作品。監督の本多康之さん、プロデューサーの福留俊さん、脚本のどめしさんら主要スタッフには熊本県出身者が名を連ね、またメインキャストにも千葉いずみ役の青山吉能さんら、熊本県出身者が起用される。テレビ放送のほか、アプリでの無料配信も予定されている。

声優・キャラクター
橋本愛、青山吉能、千葉繁

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

復興に励む熊本県民を応援しよう

全編が温かく、ほっこりするアニメです。
熊本の人たちの人柄・人情がよく表現されています。
それと共に物語の随所で、熊本地震による傷跡が垣間見られます。

オンラインゲームを通じて友達になった東京に住む夏奈(なつな)と熊本県に住む伊月(いつき)。
夏奈は伊月に会うために熊本にやってきます。
しかし、熊本地震のため、伊月は家を引っ越してしまい、住所がわかりません。
ですが、夏奈のために多くの人たちが協力してくれます。
それがとても頬笑ましく、いつの間にか見入ってしまいます。

このアニメの主題は、主人公の「なつな」と「つなぐ」を掛け合わせたものです。多くの人の協力を得て、夏奈は伊月を探します。


熊本地震は熊本県民に大きな傷跡を残しました。
熊本以外の人たちにはその状況のすべては、なかなか伝わりません。
このアニメを見て、「ああ、こんなところにも地震の影響はあったのか」と改めて感じることができました。

でも、みんなは復興に向けて一歩一歩と頑張っています。
私には募金することしかできませんが、頑張ってほしいと願っています。


エンディングは、Rioが歌うCamellia
心が安らぐ、とてもいい歌でした。

各話4分で12話完結。YouTubeで視聴することができます。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 27

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

つなぐ

オンラインゲームを通じて友人となった欅夏奈と楠伊月。
ある日、伊月から夏奈へメッセージが届く。
その真意を確かめるために、夏奈は熊本へ旅立った。

本作品のテーマは人と人の繋がり。
「なつなぐ」というタイトルの「つなぐ」でしょう。

伊月は夏奈に繋がりを求めました。
夏奈は熊本へ。
熊本で夏奈は千葉や前園と繋がります。
繋がりのバトンリレー。
リアルな世界で伊月と繋がる事ができるのか。

希薄な人間関係の東京。
熊本では、その反対の濃厚に。
田舎が良いという一般論ではありません。
都会には都会の、田舎には田舎の良さが それぞれあります。
ただ、人情に厚いのは田舎だっただけ。
互助の精神がある田舎。
人間関係が煩わしい人だったら上京したいと思うかもしれません。
住めば都、ですから。

2016年に地震のあった熊本。
西郷隆盛でさえ攻略するのが大変だった熊本城。
震災で石垣などが崩れました。
復興のシンボルなのでしょうね。
熊本城を修繕する事=震災から立ち直るという事なのでしょう。

夏奈が たどっていく繋がり。
これが「なつなぐ」です。
伊月と繋がる事ができるかどうか。
たまには人情話。
ツマミは馬刺し。
熊本の地酒でも飲みながら のんびりしましょう。
(ユーチューブで公式配信されているので、気楽に見て下さい)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 20

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

忘れないで

全12話 1話4分程のショートアニメ

YouTubeで視聴できるという情報を聞いたので一気に観させていただきました。

東京の大学生がオンラインゲームで知り合い熊本地震で連絡が取れなくなった友人を探すために熊本に訪れて、地元の人たちと触れ合いながら友人の手がかりを探していく旅のお話です。

主要スタッフさんや声優さんがみなさん熊本出身の方ばかりですね。主人公は女優さんの橋本愛さんが演じていました。

心が温かくなるお話です。熊本の方言やイントネーションがアクセントになっていますね。

ED Rioさんが歌っています。儚くも力強く歌われていてこの作品に合っていると思いました。

最後に、私の職場にも熊本出身が何人かいます。復興もそうですが、熊本のシンボルである熊本城を早く再建してほしいという願いですね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 19

66.8 4 地震で田舎なアニメランキング4位
劇場版 はいからさんが通る 後編ー花の東京大ロマンー(アニメ映画)

2018年10月19日
★★★★☆ 3.5 (48)
173人が棚に入れました
まだ女性が恋も仕事も自由に選べなかった時代。女学校に通っていた花村紅緒は、祖父母の時代から決められていた許婚、伊集院忍少尉と出会う。紅緒は、当初少尉に反発していたが、やがて2人は許婚という関係を超え、心の底から惹かれあっていく。しかし、少尉が戦地で消息不明に――。どこかで少尉が生きているのではと諦め切れないそんな彼女の目の前に、少尉と瓜二つの人物が現れる。ロシアからの亡命貴族、サーシャ・ミハイロフだ。ところが、少尉そっくりなサーシャは紅緒のことをまったく知らない様子。ショックを受けた紅緒を励ましてくれたのは、彼女が働く出版社の編集長、青江冬星だった。愛する人と同じ姿でありながら自分のことを知らない、サーシャ。一方、過去は忘れて新しい道を歩き始めるべきだと語る冬星。2人の間で紅緒の心は激しく揺れ動く――。そんな中次々と衝撃的な事実が明らかとなり、ついには歴史的大事件に巻き込まれることにも… 短くも激動の大正時代。その真っ只中を時には笑い、時には涙し、ひたむきにまっすぐ駆け抜ける「はいからさん」。彼女は、最後に何を選び、誰と結ばれるのか――。

声優・キャラクター
早見沙織、宮野真守、櫻井孝宏、中井和哉、梶裕貴、瀬戸麻沙美、石塚運昇、鈴木れい子、三宅健太、伊藤静
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大正時代の大災害

出だしから、満州の大草原。
大活劇の始まりだ。
なんて思ってたら、あっさり東京に戻った紅緒さん。
それもそのはずサブタイトルが花の東京大ロマン!

原作が少女漫画だから、ホントベタ。
{netabare}ラストまで一点の曇りもなく見え見えなのです。{/netabare}
その上、感情が超ストレート。
私はほぼノックアウト状態でした。

終盤は大正時代の大災害関東大震災です。
その描き方には、色々つっこみたい。
だけどそこはアニメ。
暖かい眼で見守りましょう。

以下、関東大震災について。
アニメと関係ないので閉じます。

{netabare}大正12年9月1日午前11時58分。
相模トラフを震源域とするM7.9のプレート境界型地震が発生した。
直後、南関東は激しい揺れに見舞われた。
その揺れに誘発された直下地震も加わり、帝都東京は数分間の激震が続いたと言われる。
このため、多数の木造家屋が倒壊。
折からの強風により発生した大火災により、一晩で東京は壊滅した。
死者行方不明者10万人強、日本史上最大の地震災害である。

私が震源域に近い南房総を訪れたのはもうずいぶん前。
神社に建立された石碑にはたくさんの被災者の名前が書かれていた。
こんな田舎でもこんなに被害が、と思ったのを覚えている。
また、海岸を歩いていた時に出会ったおばあさん。
津波がこんなところまでって。
多分、10m程度の津波が襲ったんだろう。

つい先日訪れた東京は美しい花の都だった。
六本木森ビルより見まわした風景は一面のビル群。
私にとって大切な人が暮らす東京。
この地に再び地震があると考えると背筋が寒くなった。

元禄関東地震からも約300年。
大正関東地震を上回る規模の相模トラフ連動地震も懸念されている。
首都直下地震を含め、様々な角度から南関東の防災計画を見直す必要性を感じている。
そして、庶民レベルでは防災意識の向上が必須であろう。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

こんな展開 冗談はよしこさ~ん

 これは、TV放送でも描かれなかった部分にも触れた前編のさらに先となるお話なので、かなり期待して見に行ったです。

 少尉の消息を知ることもかねて、前作で新聞記者になった紅緒が、手がかりをつかんで満州に!からのになる訳だったです。

 悲しい結末かと思いきや、こんなのありかの急展開。{netabare}UFOの襲来?紅緒も知っているそっくり??誰かさんの登場で、急展開連続のスタートの連続だったです。
 諦めきれない紅緒、果敢に迫るです。{/netabare}急展開が、多すぎる中で複雑な事情、かなり絡むです。
 {netabare}そっくり??誰かさんが、宿泊先を離れて散歩して、何故この場所を歩くのか?出来すぎていたです。{/netabare}この時、真相が明らかになっていくきっかけになるです。
 で分かったけど、後には引けなくなる状況で、紅緒もこの事実に区切りをつけるけど、忘れられないみたいなです。

 さらに続く出来すぎた複雑でかつ、無理やりにも見えあり得ない偶然みたいな急展開が、続くです。

 上映前劇場チラシにもあった画像にもある、紅緒の花嫁姿になるきっかけは、まさかの成り行きに。このままいくと思った{netabare}ら、日本の歴史上有名な災害発生。{/netabare}いくら何でもどうなっているのか?こんなのありか?なぁだったです。

 HAPPY ENDにならなきゃ話にならないけど、いくら何でも出来すぎた駆け足のような、諦めとあるべき結末には驚かされたです。

 今まで知らなかった、「はいからさんが通る」の結末を見れたのはい良かったです。しかし、劇場アニメにおいて限られた時間もあったかもしれないが、「これでいいのか?」なご都合主義に見えなくもない進行には疑問と、期待した知らない展開とかけ離れた進行に、ある意味拍子抜けもしたです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 8

星ノ海酩夜 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

決して悪くは無いけど印象にあまり残らないかも

前編をアニメサイトで視聴し、後編を映画館で視聴。

なんかパンチ力に欠ける映画だったと思います。
主人公がどちらの男性キャラと結ばれるのか……?
というハラハラを期待していたのですが、無駄にグダグダなコメディを詰め込んでいるせいでテンポが若干早くて感情がついていけない。

前編で主人公と少尉が惹かれあった理由が描かれていなかったので、後編では描かれているのかと思ったのですが…………うーん。

前編でも述べたのですが主題歌は神ですね。竹内まりやさんの曲はこの映画の主題歌にピッタリだと思いました。

なんか惜しい作品だった気がします。嫌いではないです

投稿 : 2024/04/13
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