2020年度の天才おすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2020年度の天才成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番の2020年度の天才おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.8 1 2020年度の天才アニメランキング1位
かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★★ 4.1 (959)
4406人が棚に入れました
秀才たちが集うエリート校・秀知院学園その生徒会で出会った副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行誰もがお似合いだと認める2人の天才は、すぐに結ばれるのかと思いきや高すぎるプライドが邪魔して告白できずにいた!!“如何にして相手を告白させるか"という恋愛頭脳戦に知略を尽くす2人…その類い稀な知性が熱暴走!!もはやコントロール不可能!!恋が天才をアホにする!!新感覚“頭脳戦"?ラブコメ、再び!!秀才たちが集うエリート校・秀知院学園その生徒会で出会った副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行誰もがお似合いだと認める2人の天才は、すぐに結ばれるのかと思いきや高すぎるプライドが邪魔して告白できずにいた!!“如何にして相手を告白させるか"という恋愛頭脳戦に知略を尽くす2人…その類い稀な知性が熱暴走!!もはやコントロール不可能!!恋が天才をアホにする!!新感覚“頭脳戦"?ラブコメ、再び!!

声優・キャラクター
古賀葵、古川慎、小原好美、鈴木崚汰、富田美憂、花守ゆみり、麻倉もも、日高里菜、八代拓、青山穣

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

必ず笑える、優しさにつつまれた物語

この物語は、笑いを我慢することができません。
それでいて大切な時には、胸がキュンとなる優しさや純情さをかぐやたちが見せてくれます。
かぐやは見た目で誤解されがちですが、とても心の優しい少女です。
この物語はとても面白く、そして温かい。


この物語の学園には日本の将来を担うエリートたちが入学しており、生徒会副会長の四宮かぐやと生徒会長の白銀御行は、秀才中の秀才です。

二人は、お互いに好意を持っているのですが…
あまりにも恋愛のど素人。恋愛の駆け引きを考えすぎてしまい、自分の気持ちに素直になれません。
それが見ていておかしく、最後は必ず作戦が失敗するので、ゲラゲラ笑えます。

作戦が失敗する理由の大半は、生徒会書記の藤原千花のせい。
彼女はかぐやの親友であり、彼女自身には全然悪気はなく、とても素直な性格なのですが…、空気が全く読めない。
彼女の行動自体、何をするのか全く読めない。というよりも、いつもとんでもないことをしでかします。

この物語は、藤原千花がいてこそ成り立つ物語だとも言えます。彼女はこの物語のヒロイン(?)です。

私は、藤原千花が大好きです。
こんな子が友達だったら…毎日とんでもない目に遭いますが、いつも笑って過ごすことができるでしょう。
どんな悩みがあろうとも、悩みは吹っ飛びます。脳みそも吹っ飛びます。

かぐやも考えすぎず、藤原千花のように自分の心に素直になって(アホになって)しまえばいいのに…

学生時代は人生で一番輝くときです。
後で後悔しないためにも、自分の心に素直になって人生を楽しみましょう。(^_^)


ところで、
私は宣伝やタイトルだけを見て、かぐやのことを、頭脳優秀な令嬢で人を見下す女性だと思い込んでいました。
ですが、実際はバカがつくほどの純情で、無邪気に喜ぶ姿が愛らしく、常に相手のことを考える優しい少女でした。

第一部の最初の頃と比べると、かぐやは見違えるほどアホになり、しかも優しく、可愛くなっているような気がします。(*^_^*)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

和を以て貴しとなす

種明かしは後半で! 原作は未読です。

面白いと感じる作品には4.0点以上つけていて、自分レビューした作品の5割弱が“面白い”に該当します。『かぐや様』の1期は4.0点ちょうど。
なによりも脇役の藤原書記・石上会計・早坂・そして柏木カップルが良い仕事をするコメディと評価しました。アニソン界の大型新人や劇伴含めた演出のコテコテ感も好感。ただし主役二人はパンチ不足なので4.0点どまり。そんな1期の評価です。

 とにかく場を荒らしまくる藤原
 気軽に地雷を踏み抜く石上
 この作品唯一まともな人早坂
 主役以上にラブしてる柏木夫妻

名バイプレイヤーがいる作品は安心して見ていられる。好評だった1期からそのまま大きく外すことはないだろうとの期待を裏切らず無事完走。1期と同じく全12話の物語。
1期を受けての2期となるお作法について本作は視聴前から方向性は分かるようになってます。
作品サブタイトル~天才たちの恋愛頭脳戦~には取り消し線が引かれ、メインタイトル『かぐや様は告らせたい?』と“?”を追加。
頭脳戦そっちのけで四宮かぐや(または白銀御行)が権謀術数はりめぐらせて相手から告白を引き出したい。もうそれすらどうなのかもはやわかんない。そんな展開が見て取れるタイトルをきちんと踏まえた物語展開をしておりました。こういう細かいところで小粋な仕掛けが光る良品だと思ってます。
キャラでいえば新キャラ伊井野ミコ(CV富田美憂)を追加。真面目で融通が利かずアガリ症という基本スペックがまずありきで、ことごとくタイミングが悪かったり妄想癖が強力にドライブしたりのギャグ仕様。初期メンバーが偉大過ぎるのでやや埋没している感は否めないものの、この作品にはこれまでいなかったタイプのキャラなのでハマれば化けるでしょう。


ここまで書いといてなんですが1期観てからにしてくださいね。元は取れます。
おそらく1期から流れてきた方がこのレビューを読んで頂いていると思います。みなさん評価のUP↑DOWN↓はあれど乱高下してる感じはなく良くも悪くも安定しているなぁというところに落ち着くのではないでしょうか。自分は若干2期の評価を高くしました。
新キャラ増えてもバランスが壊れてないという最低限をクリアしている点。そして思った以上に主役二人のキャラとしての魅力が上昇したことが判断の決め手です。劇伴・主題歌・演出は誤差の範囲としてほぼ1期と同等水準でした。



※ネタバレ所感

■終盤のあのエピソードは示唆に富む?

体育祭がピークの第2期でした。そのピークをピックアップ。

{netabare}もちろん石上がメインディッシュではありますが、その裏で動き回る生徒会メンバーが小粋なのです。

持ちあがりなのに停学が解けてない生徒を調査しビンゴな解を導き出した会長
おそらく裏から手を回しマグロ漁船的などこかへ演劇部荻野を飛ばした剛腕かぐや
もしかするとOB説得プレゼン資料として使われたかもしれないレポート作成の裏方藤原
先生に掛け合いもしかすると高等部進学できないのが濃厚だった石上を救った伊井野

石上を通じてこの5人が5人である意味/必要性みたいなものが生まれたエピソードにも見えました。ギャグやコメディでここまでやる必要はありません。もちろん褒め言葉です。

その上で、、、
会長マジでかっこいい…と惚れる理由がわかります。
かぐやは財閥令嬢だった…と帝王学を身につけた才媛であることを思い出します。
だから書記なのね…とレポート作成スキルの高さを藤原に垣間見ます。
似た者同士じゃ…「過剰なまでの正義感を抱えていた」独白する石上とミコが被ります。

各々の個性も浮き彫りになってたなぁと感じた次第。悪くない。
強い個があってそれが有機的に結びついたことがなにより素敵と感じる第11話でした。これこそがジーコがやりたかったサッカーだったんだと思います(謎)。
とりわけ白銀とかぐやがとったアクションが石上の意向を汲んだものになっていることがレビュー冒頭で主役二人の評価を上げた理由となります。つくづくアタッカー陣とディフェンス陣との意思疎通が取れてればと後悔せざるをえないドイツでもありました(さらに謎)。

{netabare}「何より秀知院には楽しい思い出ばっかだから!」{/netabare}

大友京子のこの笑顔で不覚にも目から汗を流した私です。{/netabare}


■陽キャに光を!

アニメって陽キャに厳しいですよね。陰キャが活躍すれば拍手喝采。アレが肌に合いませんというかリアリティを感じない。某間違ってるかもしれないラブコメアニメなんかもその気あり。面白いんだけどリア充敵視しすぎなのがどうも引っかかる私です。
コミュ障非モテ陰キャラが無双するのがありえないって気持ちもないわけではないのですが本質はそこではありません。そもそも陰と陽は表裏一体。人間だれしも両面持ってるところをことさらにどちらかをデフォルメして、陽キャ=リア充とする風潮が嫌だとぼやいてます。控えめな性格でも本人なりにリアルが充実してる奴なんていっぱいいるだろうに。

{netabare}そして本作。陽キャウエイ系応援団がものすごくいいやつらに描かれている。ここに感動した!誰がなんと言おうとも感動した!だいたい明るかろうが暗かろうが真のリア充はいい奴がほとんどです。{/netabare}

{netabare}そこにちなんで一点。リレーでゴールした石上に駆け寄ろうとするミコと藤原を制止する会長というちょっとした一コマ覚えてます?
生徒会ではなく応援団の面々が駆け寄る間(ま)を作ります。次々と石上に声をかける応援団のみんながほんといいやつだったこともあって、闇落ちしていた石上目線では“表情(目)”が消されていた周囲の人々に顔が戻ってきます。『聾の形』でも使われた演出ですね。
残される後輩のために生徒会以外の居場所を!との想いが白銀にあったとすれば更なるイケメンの証拠固めですがそれはわかりません。白銀のイケメンぶりもさることながら陽キャ=敵とまで思ってたかもしれない陰キャの星石上の心に変化が生じたことがなにより尊い。陰と陽が融合した感が色濃くて素敵なシーンでした。{/netabare}


陽キャも陰キャもなく当人の心だよね心!
…コメディという本筋を充分楽しみながら、不覚にも別領域に心を奪われた私でした。



視聴時期:2020年4月~6月 リアタイ視聴

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2020.08.08 初稿
2021.03.13 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 66

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

コメディーは皆で笑いたい。藤原書記は今日も輝く。

 みんな大好き、かぐや様の2期。私は本作を海外勢とリアルタイムで追いかけた感じでした。


 コメディー作品は、一人で見るよりやはり大人数が一緒に楽しんでいる!という体験込みで面白い(疑似だが)。コメディー映画なんか特にそう。


 1期と変わらぬ面白さでしたが、すでに前にある程度キャラを紹介できたので、本作ではラブ度が増し、キャラの掘り下げや遊びの要素を入れる余裕も出てきて横綱相撲な見事さでした。


 個人的には2話がベストだった気がしますが、それ以降の回も実に安定していた。ただ、1期もですが終盤無理にシリアスにした感があって全体のトーンと少しズレていた気もしました。だが、全体的に面白かったから良し!。


 本作の魅力は何か?。それはひとえにキャラがみんなしっかり魅力的、というシンプルな理由につきると思います。キャラに対する愛情は必ずこちらにも伝わるものである。


 特に白眉はやはり藤原書記だろう。プリキュアでも大活躍したのは伊達じゃない。自由に暴れまくり、ボケにもツッコミでもずば抜けている。悪魔のようにクレイジーで、マシュマロのようにフワフワ。


 本作が嫌味のない、ギャグ強めのラブコメとして見事に機能しているのは彼女の力が大きいだろう。プリキュアに続いて影の主役と言っても言い過ぎではない。


 本作の作劇は他の作品も参考にして頂きたい。ギャグはどうすればいいのか?、キャラは無計画にやたら出さないで、出すからには愛情を注いで無駄にするべからず。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 61

70.9 2 2020年度の天才アニメランキング2位
トニカクカワイイ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (348)
1234人が棚に入れました
謎の美少女・司に運命の一目惚れをした少年・由崎星空(ナサ)。ナサの決死の告白に、彼女の返事は「結婚してくれたら、付き合ってあげる」!?ナサと司の愛に満ち溢れた、カワイイ&尊い新婚生活が始まる!!

声優・キャラクター
鬼頭明里、榎木淳弥、芹澤優、上坂すみれ、小原好美

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

30分耐久、ハヤテ2世による新婚さんいらっしゃーい

ラブラブカップルの新婚生活を見せつけられる耐久動画です。
30分耐久できるかどうか、我々は試されています。

これは、作業中にながら見するくらいがちょうどいい。

ハヤテのごとくの作者で、キャラデザはもちろん、
キャラクターのふとした仕草(特にドヤ顔とかポーズとか完全に一緒)やセリフ言い回し、世界観設定など
基本的にハヤテのごとくの特徴を踏襲している。
まるでヒロインと結ばれた後のハヤテのごとくのようです。

この作者、主人公が甘い言葉垂れ流し放題のくせに都合がいい時だけ鈍感になる自動運転ならぬ自動女たらし装置を備えており、肝心なところで計ったかのように鈍くなるので、進みそうで進まないのが特徴。そしてハイスペックなのに異常なまでに欲がないし恋愛運以外の運が壊滅的に悪い。
どう見てもナサはハヤテの生まれ変わりでしょ。ハヤテのごとくでできなかった結ばれた後のイチャイチャを描きたかったんでしょうかね?

今回、最初からヒロインと結ばれているので、2期あるとしてもハヤテのような誰とくっつくんかいい加減、はっきりせいってことにはならんと思うが、仮にも結婚しているのにこの進展の遅さはなんなんだろう。

良いところも悪いところもハヤテのごとくそのままだ。
そこが逆に、安心して見ていられるとも言える。

まるでかぐや姫の心情を唄っているかのようなちょっと神秘的な印象のあるOP曲は結構好きです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 46
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

約束の花をかざりそう

原作未読


第2話で切ろうと思ってました。

命の恩人♀がトニカクカワイイので勢いで♂が告ったら結婚を条件にOKされて始まるファンタジー。
で同居を始めたら♂はヤラシイ想像しながらも手を出せないテンプレ甲斐性ナシさん。♀はわりと普通。クールまでいかないけれど冷静でそしてたまにデレる。そんな二人のイチャコラが第2話でした。

序盤の分岐↓

A. くだらん アホくさ
⇒はじめのくっつき方があり得ないので、延々とイチャコラ見せられるのしんどい

B. トニカクカワイイ
⇒女の子かわいいからまあいっか… 

自分は9割がたAに傾いてそのまま戻ってこないのが普通なんですが、なんやかんや踏み止まって完走です。ちなみにBかわいいから留まったということでもありません。


少年サンデー連載の漫画が原作とのこと。途中カミナリを落とす宇宙人の女の子の話題に触れて同誌連載の先輩漫画家への敬意を払っておりました。
だがちょっと待ってほしい。ラムちゃんネタに至るまでに

{netabare}「言葉の意味はわからんがとにかくすごい自信だ」と言ってみたり
仙道くんがチームに落ち着きを取り戻していたり
「眠れない午前2時 苛立ちがドアをたたく」とTMってみたり{/netabare}

これでもかと集英社でしたけど大丈夫? 微妙に面白かったのは確かだしまあいっか。いろいろパロディしてるところでなんとなくどんな話か見えてきて落ち着いた感じ。

{netabare}第3話銭湯回。あー風呂なし六畳一間の下宿ですね。そして近くに銭湯があると。二人で行く横丁の風呂屋ってことですかい。


 {netabare}『神田川』じゃん{/netabare}

そこからの連想ゲームで

 {netabare} かぐや姫じゃん{/netabare}


第1話月がきれいな夜だったし、第5話で鍵ノ寺邸で展示している月の石を見つけたり、決定的なのは{netabare}第8話。不老不死がからむ切ない系の物語確定しましたね。{/netabare}{/netabare}

起承転結の起でつまずき、承で持ち直し、転はとても良い感じ。結は…な全12話でした。わかってた人もそうでない人も“転”は楽しめたんじゃないでしょうかね。



※ネタバレ所感

■低体温三姉妹(余談)

極めてニッチなネタです。

有栖川要(CV芹澤優):銭湯屋の娘で妹のほう
鍵ノ寺千歳(CV小原好美):司の妹的な立ち位置
シャーロット(CV大和田仁美):鍵ノ寺家のメガネじゃないほうのメイド

この三名のCVさんがツボでした。理由は?

{netabare}上から『3D彼女』の一色いろは役、『月がきれい』の水野茜役、『はねバド!』の羽咲綾乃役。と体温の低さが心地よいヒロインを演じられてたのが印象的な演者さん。
揃いも揃った感がすごいあります。そして本作ではシャーロットを除きテンション高めのかしまし娘ポジションというのが共通項でしょうか。{/netabare}


■前頭葉

若さを保つ秘訣は前頭葉が硬くならないように好奇心を持ち続けること。それしないと偏屈な年寄り一直線なそうな。そして前頭葉を柔らかく保つために好奇心を持つことの他にもう一つ、恋をするといいらしいです。通ってた予備校の先生がそんなこと言ってました。

司の印象って…
{netabare}不老長寿設定が見えてきてから思ったこと。

 1000年以上生きてたら照れも恥じらいもどっかに飛んでいってるのでは?

当初は夫婦イチャコラを見せたいがためのご都合に見えたわけです。だがよくよく観察していると、ナサくんに惚れてるし、ゲームや竹下通りやら好奇心を保ち続けているのがわかります。奈良で若干感傷に浸ってはいたものの京都の寺社巡りに興味を示さず、過去より未来志向の人ですね。{/netabare}

{netabare}恋も含めて何度も同じようなことやってきてアーカイブも溜まってきてるに違いない存在なのに。便宜上ざっと60年の人生×25回分で1500年也。その25回目なうかもしれないところで司さんアレですから、自分を顧みて勇気をもらいますし戒めにもなります。
なぜかしらタイムリープするあの人や死に戻るあの人に抱くような謎の感動を覚えてしまった私。{/netabare}


“転”が良かっただけに{netabare}(結論先送りの意味で){/netabare}残念な最終回だったかも。
気になるけど続編あって観るかどうかは微妙です。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2020.12.21 初稿
2021.09.29 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 45
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

トニカクカワイイだけじゃないって、期待してたんですけど・・・

タイトルとか、番組宣伝のCMとか、
ひたすら甘々なのかな~?
そんな甘ったるい日常系、もういいかなあって思ってたんですけど・・・

これは、絶対、そんなんじゃないハズって観始めました。

ナサ君も変なキャラだけど、
それ以上に、ツカサちゃんが、尋常じゃないです。

{netabare}交通事故からのナサ君のかばい方!
トラックに跳ねられそうになったナサ君とトラックの間に跳び込んで、自分の身体をクッションにして、
それでもナサ君は大怪我してたのに、
ツカサちゃん、出血はしてるのだけど大した怪我もしていない感じだったなんて。

それで、名前も知らない初対面の男の子に、
いきなり「付き合ってください!」って言われて、
どうするか?って思う間もなく即答で
「結婚してくれるなら付き合ってもいいよ」って、
その場ですぐに結婚の約束をさせて、
それなのにそのまま消えちゃったと思ったら、
3年後、忽然とナサ君の前に現れて来て、
それで、結婚届けの用紙まで持ってきていて、
3年前の結婚の口約束を守らせようとしたりとか。

甘~い新婚生活はただの偽装で、
この先、
絶対なんかあるとしか思えない、
この不穏な感じ!

凄く、いいです!

それで、すごいオチ、期待していたんです。
これで中途半端に甘々のまま終わっちゃうんだったら、
凄く変な話でしょ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
でも、8話まで観てきて、
「あ。これ仙狐さんだ…」
って思ってしまいました。

岡田磨里さんの「さよ朝」みたいな、壮大な愛と別れと孤独の物語を描くには、
残り数話では、圧倒的に時間が足りないし、
何よりも壮大なファンタジーに仕上げるだけの構成になってないから。

これは、そんな壮大な物語に仕立てるずっと手前の、
若い(本当は一人は若くないですw)二人の、
微笑ましくて慎ましい、取るに足らないささやかなエピソードをつないでいって、
仙狐さんと同じように物語の核心には触れないままで、
つまりはツカサちゃんの「悠久の時の物語」は
設定上の味付けってだけで、
作品の中では使われないまま、
終わってしまうんだろうなあって、
そんな感じがしてしまいました。

でもまあ、第7話で、
ナサ君が、過去の著名な数学者の定理なんかを持ち出して語る、
めちゃめちゃロジカルな、
「愛を一生かけて証明する」ってセリフ。
これが、すごく格好良かったから、
まあいいかなあ・・・って、
そんな気持ちになって、観続けてはいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして結局、
最終回まで、
甘々のまま、
お話の方は、
終わってしまいました。
そういう作風の原作者さんなのだと教えて貰ったりして、
「そんなものかなー」と考えてはいるんですけど、
やっぱり元々の設定は、ちゃんと生かしてほしかったって思います。

1,000年も、16歳のまま生きてきた女性なら、
着物の着付けが上手とか、料理が上手とか、
そんなことだけじゃなくて、
人生経験をすごくすごくたくさん積み重ねて来ている訳で、
実際に16年しか生きていない男の子なんてまるで幼な過ぎて、
同じ目線で接して、照れたり恥ずかしがったりするのは、
すごく難しいと思うんです。

そして、その男の子と結婚すると決めたにしても、
その結婚相手が、いつか確実に自分を置いて先立つ人だと解っているのに、
なんで気楽に新婚生活を送れるのか、理解できません。

この原作者さんの作品づくりの方向性では、
無さそうなことだけど、
ナサ君が理系に特化したすごく優秀な頭脳を持つ、という設定を生かして、
二人の存在するかたちの違いという、深い溝を埋めてくれるような、
たとえば、
普通の人間を不老不死にできるようにするとか、
結婚した二人なら、夫婦共白髪を実現できるようにするとかいった、
大発明を成し遂げてしまう、
なんていうことを期待してしまったのは、
やっぱり間違い、なんでしょうか?
間違いなんでしょうね・・・{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 41

79.3 3 2020年度の天才アニメランキング3位
魔女の旅々(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (716)
2570人が棚に入れました
あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、流されるように気ままな長い旅を続けています。この広大な世界を自由に渡り歩き、わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。そして同じ数だけのーー「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

声優・キャラクター
本渡楓、花澤香菜、黒沢ともよ、日笠陽子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

良い記悪い記普通の記

原作未読

これいいやつ(笑) 旅行記の根っこを掴んでます。…と思いきやリリースしてたりやや私が混乱気味。

中世風&魔法の世界での“旅”をテーマとしてます。『旅々』の名に恥じぬ“旅×2”しっかりロードムービーしてるなーという仕上がりっぷりだったと好意的に受け止めております。
その髪の色から“灰色”…じゃなかった“灰の魔女”と呼ばれるイレイナ(CV本渡楓)が文字通り世界を回る物語。1話オムニバスタイプ全12話。

たしか1話終了時点でイレイナのデザインと作画がいい感じと注目株扱いでした。もちろん美麗なグラフィックも牽引役のひとつ。それに加えて序盤にブーストがかかり楽しみながら完走した感じです。

■ブーストについて
{netabare}第3話です。AパートBパートで別の話かつ両方とも鬱々としたやつ。=視聴継続決定!

{netabare}花に取り込まれそうなお兄ぃを傍観してたのがすこぶるいい。{/netabare}だって旅の途中ですからね。手遅れだったのかもしれないしそうじゃないのかもしれない。
{netabare}Bパートでの村長息子が無邪気な善意をふりまくのもよい。{/netabare}
“地獄への道は善意で舗装されている”を地でゆくエピソードでした。

実際、貧困国を巡っていると下手に施しをする残酷さについて実地で体感できます。こっちは去っていく者ですからね。ガンジス川で死体が浮いてても気にならなくなってくるのと似てます。
おにぃは手遅れだったろうし、仮にそうでなくて一命を取り留めても花の毒に誘われ同じことに。なにしろ妹に会いたがってましたからね。今後も監視し続けていくことは去る者には不可能なことです。

奴隷のニノちゃん初登場時に服はだけてましたしね。村長は小児性愛者だったのかもしれません。また彼女は親に売られたのを知っているのかもしれません。
そこに幸せな親子の映像を見せるとは傷口に塩を塗る以上の残酷な話。あの村長息子が父に刃向かう覚悟でもあればワンチャンあるかもしれませんが…ないでしょうね。{/netabare}


順風満帆なら思い出作りとして終了。それはそれで。。。
あのポスターでも有名なチェ・ゲバラは学生時代に南米縦断の旅で貧困を目の当たりにし革命家に転じたそうです。
イレイナのもなんかしらNEXTの行動を促すような良き旅をしてるように思えます。

作品そのものも道中のちょっと心温まるお話でオムニバスを作っても一定の支持を得られたことでしょう。グリム童話のような啓発的なものもちらほら投入されたところにロードムービーのリアルを感じる意欲作ってところでしょうか。



※ネタバレ所感

■ニケの冒険譚

ニケと聞いて真っ先に思い浮かぶのが“サモトラケのニケ”。教科書にも載ってるヘレニズム時代の有名な大理石像です。スポーツメーカーNIKEの語源と言ったほうが通じるかしら? 勝利(VICTORY)の女神ということでギリシャ語だったかではヴィクトリアと呼ばれてたはず。

{netabare}『星屑の魔女』フラン(CV花澤香菜)、『夜闇の魔女』シーラ(CV日笠陽子)のお師匠さんのお名前がヴィクトリカ(CV伊藤静)ということでなんか関係してくるんでしょうか?{/netabare}


■おかんの小言と冷酒は後で効く

前述の通り。加えて一点。

{netabare}「ただし三つ約束してほしいことがあるの。一つ。危険な目に遭いそうなときは逃げること」
「二つ。自分が特別な人間だとは思わないこと。他の人と同じだということを忘れないでね」
「三つめ。いつか必ず帰ってきて私達に元気な顔を見せること。守れる?」

旅の本質を意外とついてるのでは?{/netabare}

{netabare}おそらく第9話のイレイナの涙って、自分を特別な人間だと思いかけてる節があったタイミングで発生しています。母の戒めから離れて引き起こした事態への悔恨も表れてる涙なのではないかと思います。{/netabare}


■紀行モノでこれはちょっと…

{netabare}1クールで主人公(旅する主体)がほぼ登場しない回があるのは良し悪しよね。旅の先々での出会いやイレイナの心の動きだけ追ってほしかったところ。ご長寿シリーズなら回想やキャラ回もありでしょうが短尺でぶちこむのはNGではないかと思う私です。指摘した回は師匠の師匠に繋がる重要な話ではあるのですよ。これは完全に好みですね。{/netabare}

それと{netabare}本渡さんが15役だったか16役やったのは蛇足。というより奇策。一人○役の“ギネスに挑戦”みたいなもんかしら。「アフレコ大変そう」とか「演じ分け凄い」とか話題さらったのかもしれませんが、物語に必要だったかは微妙。その各々ネーミングセンスと合わせてEDクレジットに本渡さんの名前がずらっと並ぶのは面白かったんですけどね。{/netabare}


全体としては好み。完走してから第1話を観ると感慨深いアニメでもありました。
旅とはいつか終わるもの。{netabare}ニケさんの正体を気づいてて気づかないふりしてたりする理由も含めて、{/netabare}終わった時に何を彼女は得られているのか大変興味があります。

2期ありそうな雰囲気あるしやらないかしら? お待ちしてます。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2020.12.20 初稿
2021.09.22 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

スプリンター・リフトバック

原作GA文庫、C2C制作。

魔法が存在する中世世界を舞台とし、
その世界で旅する魔女イレイナが、
様々な場所や人を訪れるロードファンタジー。

お勧めし易い作品ではありますが、
気になるのはオムニバス形式となると、
情報量に制約があるアニメでは、
かなり上手くやらないと記憶に残りづらい。
私的には背景に大きな物語が欲しいです。

世界への冒険、探求、出会いと別れ、
多様な世界観を提示して欲しいと願います。

タイトルはゴダイゴの名曲から、
そよ風と光と希望に満ちた旅をしよう。

5話視聴追記。
寓意的な物語で現実を投影する。
冒険譚にはお手本のような設定ですが、
{netabare}主人公が物語の内にいるのか外にいるのか、
その距離感で印象が変わってくるのだ。
傍観者であることへの不満の声も多い。{/netabare}

最終話視聴追記。
期待していたほどではありませんが、
中盤以降の方が好印象を持ちました。
{netabare}イレイナの感情の動きがよくわかる。
これは旅の供がいると、
また違った感想が持てるかも知れません。{/netabare}
映像・音楽は最後まで美しいです。

寓意的な旅のアニメでしたら、
カイバやソマリも並べてお勧めします。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 60

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絶世の美しい魔女とそうでない魔女と、あなたはどちらを選びますか?

綺麗で可愛いくて魔力がすごい魔女イレイナが、世界のいろんな場所を旅する物語です。

イレイナは確かに可愛くて美しい。そして強い魔力が魅力的です。
おそらく、多くの男性は、イレイナのような美女を恋人にしたいと願っているでしょう。…
でも、見終わった後、なぜか感動は残りません。
優しさも暖かさも残りませんでした。
それはイレイナが冷たいわけではないのですが、話の内容が…
それに、自分で自分のことを『美人』と呼ぶのはちょっと…避けたくなります。


同じ魔女でも、ふらいんぐうぃっちの木幡 真琴とは真逆の存在です。
木幡 真琴は綺麗でもなく、魔力はほとんど弱く、見ていて危なっかしい魔女です。
でも、真琴と一緒にいると、なぜだか心が安らぎます。
もし結婚するのならば、イレイナよりも木幡 真琴のほうが断然良いです。
ぜいたくな暮らしはできないけど、彼女とならば、お互いよぼよぼの爺さん婆さんになったとしても、いつも笑って幸せに過ごせると思います。


もし結婚するとしたら、あなたは、どちらの魔女を選びますか?

投稿 : 2024/04/13
♥ : 53

80.0 4 2020年度の天才アニメランキング4位
映像研には手を出すな!(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (583)
2212人が棚に入れました
高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに……

声優・キャラクター
伊藤沙莉、田村睦心、松岡美里、花守ゆみり、小松未可子、井上和彦、小野友樹、小林裕介、錦貫竜之介、井澤詩織

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

想像と創造、ワシらの生きる意味。私的2020年No.1TVアニメ。

・今期、いやここ数年のベスト候補かも


・湯浅監督+良い原作=最強


・作画厨の聖地


・イマジネーションは爆発だ!


・原画やストーリーボードのラフな魅力を活かした初のアニメかも


・シロバコ好きにはオススメ


・製作の現場にまで興味がある濃いアニメファンなら必見


・「ラーメン発見伝」の芹沢さん並のリアリストな理想主義者としての金森氏。


・たぬキマリに次ぐ愛嬌キャラな小心狸こと浅草氏


止め絵として小綺麗なことが凄い作画ではない!。本作におけるダイナミズムとイマジネーションの奔流の如き動きを見よ!。


偶然だろうが、本作のテーマはスタプリと同じ想像力=創造力に尽きるだろう。向こうは未来へのサーチライトという意味合いが強いが。


人は単なる必要を超えた価値に目覚めたが故に人になった。ゾンビランドサガが示してくれたように、より強くより高く生きようとする存在こそが人間なのだ。試行錯誤しつつも創造することで、自分自身の人生を創造し、前に進み続ける。ここには浅薄な悲観主義や、安易な現実主義を超えた輝きと力が、なにより希望がある。


最後にバーナード・ショーの「メトセラへ還れ」から緩い引用を


こういう子たち(創造的な子供たち)がやってくると、いつも何かしら驚異の念、新しい希望、生き甲斐が生まれる。あの子達は決して死にたがらない。いつも新しいことを学び、いつも新しい物を創造しているからだ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 85
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

アニメ一等船室の客向け仕様に轟沈

原作未読


注目度の高さそのままに走りきった感のある作品でしょうか。
今期(2020年冬クール)作品の視聴開始時期が遅く、先行しているレビュアー皆さん口々に「面白い」と好意的に受け止められてた品でもありました。そのため事前の期待値は高かったですね~。

個性豊かな3人組JKが『映像研』を設立し、アニメを作るお話。高校の同好会がベースなので同じく制作頑張りますアニメの金字塔『SHIROBAKO』があります。そこでいうところの『神仏混淆 七福神』を一生懸命作るのに全12話使ったとも言えそうな物語です。
それはさておき実際の内容。アニメを作りたくて作りたくてしかたがないお二方。先走りがちな二人の才能を現実に落とし込むのに秀でたお一方。そんな面々の三人四脚コメディです。
「設定命」の浅草みどり。「人物描写はお任せ」水崎ツバメ。「この二人使って何か仕掛けられないか」金森さやか。任天堂『アイスホッケー』の三人組を彷彿とさせるバランスの良さ!ん!?知らんか…


そして完走。しかしてその感想は


 {netabare}あまり面白くなかった{/netabare}

 {netabare}すごいかもしらんけどつまらん{/netabare}


です、はい。…そしてこれまた難しいのが


 {netabare}酷評できない面白くなさ{/netabare}


気を使ってということではないですよ。各所いい感じなんだけど"これじゃない”という想い。
きっとポジティブ評価が並びそうなので逆張りして!とかでもないです。ちなみに、


■いい感じなところ

▼物語

クリエイターの熱量を感じることができます。

▼キャラ

全員アニメ好きじゃないところが良い。キャラのバランスが良い。

▼声優

職業声優でないけど通好み。いつも少年役田村睦心さんの金森氏。

▼作画

惹き込まれる。間違いないです。

▼音楽

OP好き!


至ってシンプルで前向きなメッセージが伝わってきます。


 『最強の世界』


これを表現するがためのアイディアが溢れてくる感じ。浅草氏が本当に楽しそう。こだわりの動作を挿入すれば作画カロリーは増すけどこだわりたい。水崎氏も楽しそう。二人とも産みの苦しみも含めて楽しんでるのです。実務家の金森氏はそんな彼女らのブレーキ役というより司令塔。有能なプロデューサー然としております。どちらかというと一部の視聴者向け「ご都合主義だぜー」厨へのブレーキ役って感じですかね。オタ側視聴者の事情も見据えてるように思えます。
この三人。誰が欠けてもダメですね。バランス最高かと。
映像も楽しいです。それこそ手を出さないで外から眺めていたい感じ。浅草氏水崎氏のアイディアを出してるそばから現実と表現したいイメージが溶け合っていく感じ。毎回手を替え品を替え楽しませてもらいました。
けっこう丁寧だなと思ったのが、ネタバレで隠すこのセリフ

{netabare}ツバメ「浅草さんって、いつからそういう話し方できるようになったの?」
浅草氏「え?」
金森氏「会話が苦手だから妙な語尾で心を守ってるだけですよ」

この古いオタクみたいな喋り方が鼻についてたのを察してか劇中で拾い上げてサラッと触れてました。そうです。確信犯であるのとそれを気にする層への配慮がなされてるのです。{/netabare}

きちっと仕事してるのです。「じゃあ何が不満なの?」ってやつですね。それについては以下、



■面白くないところ

パーツは良いんですが…

1.三人が天才すぎて

共感しづらいのです。凡人がいないというか会いに行けるアイドルじゃないというか。
読モ設定アリのTHE女子を含めた三人組なのに男連中にしか見えないってのもあります。まるで全国高等学校ロボット競技大会に出てきそうな子たち。性別がちぐはぐな印象でこれも共感しづらい。
共感しにくければその天才性で魅せてくれればいいや、ってアニメですね。ただそうなるともう一つ問題がございまして。


2.アウトプットが魅力的じゃない

{netabare}カニ魔人と闘うロボアニメ{/netabare}

彼女らの成果物(劇中劇)に全く興味が持てませんでした。素晴らしいメイキング特典映像を提示されたのですけどその元ネタにピクリとも反応しません。
工場見学を想像してみてください。ビールでも日本酒でもお菓子でも、大好きなあの製品が生活になじみのあるあの商品がというものがないと製造工程に興味を持つのは難しいのです。
そんなこんなでこの作品は非凡人なる自分にはキャラ共感というよりも、アニメ製造工程(プロセス)をエンタメする作品に見えたわけです。
ですからせめて下記の3STEPどれかにひっかかればそこそこ楽しめたと思うんですよね~。

1st:アウトプットに興味津々

そんな方は問題なくクリアですね。楽しんでください。私はダメでした。次に、

2nd:ギミックを楽しめます

{netabare}初回からコナン。金森氏が水路を除くのはカリオストロの銭形のとっつぁんにも見えるし、攻殻機動隊冒頭のオマージュもありました。{/netabare}
オタッキー全開で答え合わせしちゃいましょう。

3rd:こんな工程を経ているのです

純粋にアニメ制作あるあるなど技術だけでも面白いと感じるかもしれません。



きっと技術をこれでもかと見せつけて「ついてこいやー」って匂いを撒き散らしてる感じがしてそれが肌に合わなかったんでしょうね。
そしてなんとなく通ぶりたい仕様というのも嫌。狭い世界から下々を睥睨して悦に入るかのような感覚。例えるなら『タイタニック』で一等船客の男連中が食事の後にブランデーと煙草を嗜みながら政治談議をする場ですよ。ディカプリオに「君には退屈だろうから」と言い捨てて壁作る感じですかね。
自分、ディカプリオでいいやって思いました。この際ディカプリオで充分です。ってなんか違うか。


ついでにもう一つ。ED『名前のない青』も悪い意味で作品を表わしてると私は思ってます。
中の人“まふまふ”さんでしょ?バンド“神様、僕は気づいてしまった”のVo.そこ言っちゃうのは無粋だよというのは置いときます。この方実は男性ということでもの凄い才能の持ち主だと認めてます。
何がダメかって、最近『かつて神だった獣たちへ』OPで使用された楽曲と大差ない。お暇な方はLET's聴き比べ。まふまふというボーカリストが活きるコード進行だけなぞってる感じ。技術の品評会。直近のタイアップ楽曲で似たようなコード進行とかマーケティング的にもNG。
小室哲哉だってさんざん曲一緒とか言われながらうっかりカラオケいれたら今でも唄えちゃうでしょう?けっこうヴァリエーションあったんですよ。

10年後20年後に残る楽曲かというとおそらくそうはならない曲。そしてアニメだと思います。
1年後2年後なら残る。パーツは良いのです、パーツは。よって評価点はそこそこ高く印象は低評価という不思議な作品の位置づけとなります。


“作画崩壊”“万策尽きたの総集編”

とは対照的な

“神作画”

そんなでわいわいする楽しさとかはいまだ理解できてなくて、そりゃ楽しむためには技術的な裏付け知っといたほうがいいんでしょうけど自分はいらんかな。
マニアックにいこうとすると際限なくなっちゃうんですよ。


 物語の面白い面白くないとそう感じた理由


これで充分。一生ニワカでかまわん。とこの際開き直ってみる。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.03.23 初稿
2020.04.29 タイトル修正/修正
2020.10.10 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 80
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

空想する力

湯浅政明監督、大童澄瞳原作、
サイエンスSARU制作。

小さな頃からスケッチブックに、
様々なアイデアを描き貯めては、
表現したい広い世界を夢見る少女みどり。
彼女は高校生となり、
意気投合した少女たちと空想世界を表現すべく、
映像研を設立することになる。

迷路のような町並みで生きる人々。
全体の質や存在感を支える部分としての細部が、
巧妙に選択されて背景に描かれる。
湯浅的表現の本質はコミカルさにある。
まるで魔法のスケッチブックのようだ。

冒険の匂いがする。
なんて楽しそうな世界なのだ。

8話視聴追記。
主軸、脇役ともに好演の素晴らしい回だ。
{netabare}ロボ研メンバーのコミカルな動きと、
アニメ内アニメでの絶妙なアフレコの下手さ。
アニメーター以前に表現者でありたいと願う、
これはきっと湯浅監督らしい告白であろう。{/netabare}
子供は親の望む通りには育たない、
それは必ずしも間違ってはいないのだ。

最終話視聴追記。
空想が現実を変える。
{netabare}それは子供のようにキャンパス狭しと、
無垢なるものを表現し爆発させる瞬間なのだ。{/netabare}
宝物を詰め込んだおもちゃ箱のような作品。

私にはこれこそアニメなのです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 77

74.5 5 2020年度の天才アニメランキング5位
神様になった日(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (749)
2203人が棚に入れました
高校最後の夏休み、大学受験を控えた日々を送る成神 陽太の目の前に、ある日突然「全知の神」を自称する少女・ひなが現れる。「30日後にこの世界は終わる」そう告げるひなに困惑する陽太だったが、神のような予知能力を目の当たりにし、その力が本物だと確信する。超常的な力とは裏腹に天真爛漫であどけないひなは、なぜか陽太の家に居候することが決まり、2人は共同生活を送ることになる。「世界の終わり」に向けて、騒がしいひと夏が始まる。

声優・キャラクター
佐倉綾音、花江夏樹、石川由依、木村良平、桑原由気
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ひと夏をともに過ごした現代の神様

アニメーション制作:P.A.WORKS
監督:浅井義之、原作・脚本:麻枝准、
キャラクター原案:Na-Ga、
キャラクターデザイン・総作画監督:仁井学、
音楽:MANYO・麻枝准、

麻枝准というゲーム&アニメ脚本家、作曲家について、
私はあまり詳しくないが、世間的な認識では、
「泣かせる」物語で話題になった人物。
ピアノをメインにした作曲も手掛け、
アニメ業界では、いわゆる「天才」と言われるひとりだろうか。
オリジナルアニメ作品としては、『Angel Beats!』、
『Charlotte』に続く3作目として発表され、
ファンからの期待が大きかった。

物語全体の構造としては『Angel Beats!』に近い。
前半部分は、主人公・成神陽太が謎の少女・佐藤ひなや
多くの仲間とともに奇想天外な日常生活を送り、
後半になると謎が明かされ、悲劇のストーリーが展開されていく。

いわゆる「泣きゲー」と呼ばれるゲームのジャンルを
作り出した作者だけに、設定や展開で見せていく
自分の形は持っていると思う。
しかし、今作は前2作と比較しても物語が動くのが遅すぎるし、
さまざまな要素を組み入れているにも関わらず、
それが最終的には、ほとんど本流には関係ないのが
致命的な失敗といえるだろう。
{netabare}ハッカーも量子コンピューターも神様も映画制作も
「難病」のひと言で片付けられてしまう。{/netabare}
ある意味では、『アルジャーノンに花束を』の亜流とも
いえるお話だが、それとは比べものにならないし、
伊座並杏子の母の物語は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の
手紙の物語をアレンジしただけにしか見えない。
要するに「泣き」の要素に既視感が漂い過ぎて、
感動するに至らないのに加え、物語の展開に
あまりにも無理がある。
{netabare}特に最終回の、ひなが陽太と暮らすことになる流れは、
全く納得することができなかった。{/netabare}

いわゆるゲーム原作の作者なので、
深いところを描くことを期待しているわけではないが、
{netabare}「量子コンピューター」で全てを説明した気になったり、
架空とはいえ、ロゴス症候群という難病に対する描写が浅すぎたり、{/netabare}
キャラの心情描写が不足していたりという部分は引っ掛かる。

この作品は放映前から「原点回帰」という言葉が
キーワードとして使われていたが、要するにそれは、
ギャグを含めた日常回を執拗に描くことで、
ラストにより大きな感動を得られるという
これまでの麻枝准作品の根幹に
よりスポットを当てたという
発言だったのではないかと想像している。
そういう意味では、意図している作品づくりには
なっているのだろうが、前2作に比べると、
最初から陽太とひなに強くフォーカスしている分、
ほかのキャラの存在感が薄すぎて、
モブキャラ化しているのが良くなかった。
ただ、P.A WORKSの作画や麻枝准の音楽は、
アニメ全体の雰囲気を高める効果は十分にあった。

ひと夏の青春。
日常の尊さ。
誰かを大切に想うがゆえの哀しみと喜び。

作者が目指したものは手のうちにあったのだろうが、
指の間から零れ落ちてしまった。
(2020年12月31日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 65
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

君には期待してない

ある夏の日。突然「30日後に世界は終わる」と告げる一人の少女が現れてのすったもんだ。
こういったへんてこなツカミは大歓迎。多少アニメを観てる層にはおなじみの『KEY×P.A.WORKS』のゴールデンコンビ。独特なクセの強さにハマるとこのコンビが翼くんと岬くんに見えてくるわりと業界でも成功しているカップリングでございます。
当然のように2020年秋期を牽引することを期待されてた作品だったといえましょう。


さっそくの結論。感想は“つまらない”であり、端的にその理由を述べると主人公がダメ。
その前提で以下長々と失礼します。


keyはわりとプロトコルがきっちりしていて前半のドタバタとおおむね3分の2終わったあたり(8話近辺)での超展開。救いなさげなネタを投じてからのやや前向きな内容で終幕。音楽は独自性ありで映像は綺麗。演出面で秀でてるなと感じるところ。
今回も手順は同様でした。悪い意味ではなく、笑点をマンネリだと眉を上げないのと一緒です。

そのため過去の自身の立ち位置が参考になります。これまでの評価は以下

 クラナド3.9
 アフター4.6
 kanon 3.9
 Air 4.2
 AB 4・0
 シャーロット3.9

面白い/普通の分水嶺を4.0に置いており多くがボーダーライン上なのです。アフターストーリーが突出してプラス。見方を変えればムラがないともいえる実績。
完走し良いほうに転ぶと前半のドタバタ劇は「あの時は平和だったよね」となり、パッケージ全体で落ち着くところに落ち着くのですが今回はそうはいきませんでした。
高い要求レベルを求めるとそもそもクールで一つはある4.3点以上の評価に届かないKey作品群。

 共通する弱みはなにか?

尺不足だと考えます。閉じてない群像スタイルの合う作風でキャラの増加は妥当。超展開を支える骨子の説明に時間を割くのも妥当。
そうするとどうしてもキャラの深掘りはできず説明不足に陥ります。ただしこれは構成上やむを得ない二律背反。超展開止めたらそれこそブーイングの嵐でしょう。工夫は見てとれ、尺を使うキャラの“心情掘り下げ”よりも、キャラの持つ“クセの強さ”でのインパクト狙いにやや軸足置いてますよね。

充分すぎる尺をとった『CLANNAD』や1クールなら登場人物を絞り気味だった『AIR』の評価が高いためより一層そう思ってるところがある私です。


 キャラの心情描写に期待してない
 1クールでそこそこまとめてくるだろう


そんな高すぎない私の期待値すら下回ったのは、ひとえに主人公陽太くんのキャラクター性に負うところが大きい。これは好みではないかと。
私が嫌いなタイプ

 {netabare}やる気のある無能{/netabare}

そのまんまでした。花江さんこういうのやらせるとほんとに上手ですよね。さらにさらに、好き嫌いはしょうがなくても作品評価に直結してしまったのには別の理由があります。

それは大黒柱の性格。好き嫌いじゃないですよ。これまではいくらメイン/サブ問わず歴代ヒロインがぶっ飛んでいても、♂は堅実に狂言回しするタイプを配置してたんだと思います。

【歴代♂】
 岡崎朋也(CV中村悠一)
 国崎往人(CV緑川光)
 相沢祐一(CV杉田智和)
 音無結弦(CV神谷浩史)
 乙坂有宇(CV内山昂輝)

下衆いの一人{netabare}(乙坂くん){/netabare}混ざってますがそんな彼すら当時それほど気にならなかったのは、みんな一歩退いてたり、やや皮肉屋だったりどこか冷めてるところが共通していて既視感があったから。
それが本作では前に出てくるタイプへと変貌を遂げて、バランス崩壊の決定打となりました。

いくら「そう来るか!」のびっくり要素がきても
終盤の泣き要素をかぶせてきても


※ネタバレ
{netabare}ひと夏の恋で廃人の人生を背負うと決意し行動するのが意味不明。{/netabare}
{netabare}ひな父のスタンスが至極真っ当できちんとそういった人も描けているのにどうしちゃったんだろう?{/netabare}


茶番劇にしか見えなかった此度のKEY×P.A.WORKSでした。
プロトコル変にいじっちゃって途端につまらなくなっちゃった例になるのかしら。
おそらく大喜利の特番なんかで座布団運びを山田たかおじゃないアイドルにやらせちゃったことで感じる「コレジャナイ」感に近しいもの。
なんだかんだいつもながらの壮大なマンネリを強く期待してたのは私だったのかもしれません。



※ネタバレ所感

■強く擁護する

腹を抱えて笑いました。牛乳飲んでる途中でなくてほんとよかった。

{netabare}第4話麻雀回。
「二色同順」「ドラ隣」「途中まで通貫」「喰い七対子」で腰を抜かす。
アガられるか?のピンチでスキップとリバース。UNOかよ!
やってることは無茶苦茶でルールを無視したゲームは成り立たないのは承知の上で、「二色同順ドラ隣ドラ隣(2300点)」でドヤられたのが心地よかった第4話でした。{/netabare}


■絆(余談)

10年前に感じた嫌悪感。覚悟無き善意の押しつけと言ったら妥当だろうか。

{netabare}奪還するために施設に乗り込むのは構わないんですけど、普通なら施設で療養を続けるべき事案です。
そんなのを超越する情が芽生えるにはひと夏の恋で説明するには強引と思うのは既述のとおり。
後日譚が描かれることはありませんしできません。単独での介護は不可能で必ず家族を巻き込む未来が見えてます。仕事の選択も限られるし仕事中誰が面倒みるの?とかそもそも高校生は養うための収入がありません。子犬を拾ってきてもおかんに「誰が世話するの?」となるわけだし、おかんに怒られるかもと拾う時に迷うものですが、そんなの描いてたら成立しない物語となってます。

リアリティはないし、ファンタジー路線ですら寓話にもならないんですよね。
キャラクターの弱みがもろに出てました。繰り返しますが“やる気のある無能”なんです。10歳満たない子供が同情心から衝動的に捨て犬を拾うことはあるかもしらんし、「毎日僕(私)が散歩に連れてく!」くらいの言い訳は用意するだろうに、それすら微塵も感じさせない高校生というのが自分には致命的でした。しかも犬ではなく人間だもの。

これは覚悟無き善意の押しつけです。
覚悟の定義にもよりますが、気合だけで思慮のない浅い行動をとることを覚悟とは言いませんよね。考えた形跡がなくヒロイックな気分に浸って酔ってるようにしか見えませんでした。{/netabare}


さらに10年前ということで刃をあなたにも突きつける。


{netabare}「絆」「私たちにできること」という機運が生じた10年前。
震災がれきの受け入れを拒否した人少なくなかったですよね。測定して数値がほぼゼロだったと言おうががれき撤去が進まず復興が進まないと言おうが、測定値が信じられないとか漠たる不安とかやらない理由をあげつらった善意の市民。
当時の東京都知事石原慎太郎が四の五の言わず「受け入れる」と決定したのに反感をもった方々もまあ同じ穴のナントカでしょう。文句言うだけの楽な商売です。某体操選手が言ったように「どうやったらできるかを考えてほしい」の数段前にいながらこういうのに限って似非ヒューマニズムをまき散らす。非を認めず他に責を求める。ついでに感謝の意を示さないと怒る。なんで被災した身ながらお前らの感動ポルノに配慮しなきゃいかんのよと思いましたね。
いまさら掘り返して怒る気もないし、日本全国動揺しまくってた時期だとの情状酌量もあるので「当時私はそう強く思ってた」というそれ以上でも以下でもないです。{/netabare}


同情が欲しいわけではなく関心寄せるなら適切な行動を取ってくれという事案。
身近なものなのに身近なものとして捉えることを拒否したアニメ作品と身近なものになった途端逃走した現実の出来事。
災難だったり不幸を目の前にして当事者意識がないのは一緒なのですよ。


プロトコルの変更(主人公♂)で生じたメッセージ(善意の押しつけ)への非共感で沈んだ一品です。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2021.01.31 初稿
2021.09.28 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 57
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

ギャグアニメでスタートして、、、最後は、、、

どこでスイッチ入れてくれるのか?

麻枝さんの作品だけに、
すごいどんでん返しと、
壮大なカタルシス展開、
すごく期待しています。

1回目だけでも、
ギャグの切れ感がよくて
楽しかったけど、
麻枝さんなのですから、
このままのはずはあり得ないと思うから、
2回目以降が待ち遠しくて。

神様だけに、
神話になるのか
神アニメになるのか?!


ヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナ

今、ちょうど第9話、観終えたところです。{netabare}
おおげさに「世界の終わりまで〇〇日」とクレジットしてた意味は、
想像していたとおり、「この世界が」ってことではなく、
「ヒナの人生が終わる」ということで、特に驚きはなかったですね。
ヒナと世界の結びつくポイントも、ハッカー少年の出現で予測できてたし。

前作シャーロットでも、麻枝さんは前半遊びまくっていたけど、
6話からシリアスに舵を切ってたのに比べると、
今作での大展開は、ちょっと遅すぎですね!
シャーロットのとき、無駄に見えた5話までのフラグを回収したように、
今作でもちゃんと、ラーメンとか麻雀とかピアノ曲とか映画とかのフリを、
何とかできるんでしょうか?{/netabare}

「泣かせ」の準備は整ったみたいだけど、
残りの回数が少なすぎて、お話がきっちりまとまるのか、
少し、すごく、心配です・・・


ヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナ

最終回、観終えました。
{netabare}
結局は、「泣かせ泣かせ」とさんざん宣伝しておいて、
陳腐なお話で、ガッカリです。
今期は出だしの評価と最終評価が、私の中で、
乱高下した作品が多かったんですけど、
これは、残念ながら急降下の代表作品になってしまいました。
よかったのは、P.A.ワークスさんの丁寧な作画と、
声優さんの演技ぐらいでした。
あと、ギャグ、かな?
評判よくないみたいでしたけど、前半延々と続くベタなギャグ、
私は結構好きでした。ですので、麻枝さんは今後は、吉本新喜劇みたいなべったベタなギャグアニメやったらいいんじゃないかって思います。

ダメだなって思ったところは、
まず第一に、「神様」とか、何か訳ありそうな巨大組織の影をチラつかせるとか、大風呂敷広げておいて、ただの難病モノのホームドラマだったこと。
ロゴス症候群とか大げさな架空の難病を設定してるけど、見る限り筋ジストロフィーみたいな描写がちょっとと、自閉症か知的障害みたいな描写だけ。
これで、実の父親が耐え切れずにヒナを捨てたとか、生みの母親が苦悩に苛まれて自殺したとか、設定が狂っているとしか思えません。
それに、死に至る不治の病と言っておいて、専用の療養施設の担当者が「あの子は居場所を見つけたのよ」って言って陽太にヒナを託すなんて、ばかばかしくて話になりません。
第二に、SF的設定をちょっと使っているけど、中身は凄腕のハッカー少年が謎のまま出て来て、謎のままいなくなってしまっただけっていうこと。
実際にそんな組織絡みの犯行なら、ヒナだけでなく、ヒナに関わった人はすべて抹殺するとかして証拠隠滅しておかないと、作中に出てきた「量子コンピューター」のことだって、状況証拠付きでおおやけになってしまいますよね?そこまでじゃないにしても、閉鎖療養施設に不法侵入してヒナに接触してきた陽太を、なぜ見逃すのか理解できません。事件の背景を知らないのなら、2週間の接触で陽太に心を開いたとしても、専従の看護職員はそんな得体の知れない人物にヒナを渡しちゃいけない責任を重視するべきだし、事件の背景を知っているのなら、陽太の不法侵入を解明できた瞬間に、何らかの口実作って、生かして返さないですよね。そうするのが、謎組織につながる施設のスタッフとして当然で、そう覚悟を決めておかなきゃいけないし、そう行動しなきゃいけないはずです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真面目に作るなら、
SF的なエピソードや小道具やは一切無しで、
重い病をおしても、なお成し遂げたい何事かを、少女が成そうとする。
そんなストレートな話にしておくのでなければ、
共感も感動も、もちろん泣いたりも出来ないですし、そもそも物語として意味ないです。

実際、最終回のあまりにも滑稽な展開には、開いた口が塞がらないって感じでした。

評価は、最初は星4.5だったのが、最終的には作画と声優さんの努力を、最大限に評価するとしても、落胆分も含めると、星1.5が精一杯という感じです。
{/netabare}
麻雀シーンとか野球とかのエピソードは、
麻枝作品の常套句みたいなものらしいので、
そこを気にしちゃいけないというのは、
あとから知って、
軽くズッコケてしまいました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 51

74.4 6 2020年度の天才アニメランキング6位
理系が恋に落ちたので証明してみた。(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (346)
1589人が棚に入れました
研究に情熱をそそぐ、理系女子と理系男子がもし恋に落ちたら?彩玉大学に通う理系大学院生の才女、氷室菖蒲は同じ研究室の雪村心夜に告白する。当然その「好き」に論理的根拠なんてない!しかし、理工学専攻として、「論理的に好きを証明できなければ、好きとは言えないし、理系としても失格!」その信念をもとに、2人は研究室のメンバーを巻き込んで「恋」の定義に関する証明実験を始める!?デート実験、好きの構成要素の解明、心拍数計測実験、ムード値の計測……。個性的過ぎる愛すべき理系たちが「恋」を論理的に証明する笑いありキュンキュンありの理系ラブコメディ!

声優・キャラクター
内田雄馬、雨宮天、原奈津子、大森日雅、福島潤、置鮎龍太郎、麻倉もも
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

理系あるある早く言いたい

原作未読


渋谷デートについて一言!

「そのまま東急百貨店本店を左手方面に向かい路地に迷いこめばOK!」


第4話あたりできつくなってきました。
遡ることあらすじ。好きになったので好意を定義し証明しようとするおバカな話。理由は理系だから。

共通のコミュニティで通じる“あるある”を飲み屋で悪ノリして大喜利大会始めるのに似てます。飲み放題の上限、二時間くらいでガスが切れることでしょう。
“あるある”繋がりでRGワンマン2Hを想像してみよう。もはや執行猶予なしの懲役2時間です。

「大喜利である」「RGライブである」仮説は証明できませんよ。だっておいら文系だもん。
ただし、つまんない理由は証明できるかもしれません。文系だけど。


ということでさっそく“ラブ”について。タイトルに“恋”使ってますんでね。
ラブストーリーとラブコメディ等“ラブ”が絡むネタで登場人物の心情への共感は肝です。ただこの作品は土台からしてそこで勝負してません。あくまでコミュニティで通じる“あるある”への共感となるわけで似て非なるもの。

 「惚れてまうやろ~」

な行動やセリフは残念ながらありません。ただし、

 「あ、それあるあるだわ」

な行動やセリフは満載です。

そうなると“ラブ”度数は一段下がってキャラの見た目勝負に移ります。かわいいとかかっこいいとかそんなとこ。イケボなんかも含んどきます。このへんは私専門外。
仮に見た目勝負も降りることになっちゃえばラブ度数をさらにもう一段下げて、

 笑えるか?

ギャグ振りしてればラブコメディの範疇には収まるでしょう。で、この作品ここがいけませんでした。
タイプ的に二つの方向性を辿ることができたと思うのですが…


■方向性其の一 ストイックに

中途半端なところで二人ともデレちゃうので流れが止まるんですよ。二人とも辛抱が足りません。
実験→失敗の途方もない繰り返しが理系の真骨頂でしょう。ストイックであればあるほどそこに常識とのギャップが生まれて笑いが生じるのに。せっかく“理系”という万人共有可能なパブリックイメージのある素材なのに活かせてないです。
“○○の定理”が意味する上澄み部分をかすめるに留まっていたため、結局のところ内輪の“あるある”的面白さの範囲を超えないのです。
内輪ウケも最初は仲間内の強固な結束を生みますが、持続可能か?と問われれば疑問符がつきます。{netabare}飽きがくるから、漫画家投入したり水着回でお茶濁してたでしょう?{/netabare}


■方向性其の二 名脇役を投入

本人たちの“ラブ”への向きあい方が無茶苦茶(笑)つまりラブポンコツで戦力として使えない分、ツッコミ役や道化役、狂言回し役が周囲にいないとアウト!
「いいからとっととくっつけよ」な視聴者の思いをかわして騙して目くらましてくれるほどの熱量が舞台役者には必要です。

同じ研究室の奏・棘田・虎輔らが主役の二人(雪村・氷室)にツッコめてません。操縦できてないと言い換えてもOK!マッチョ教授も役不足。みんな観察者もしくは並走する伴走者どまりなのです。福島潤の無駄使いですね。

{netabare}藤原書記と石上会計が仕事をしない『かぐや様は告らせたい』みたいなもんでしょうか。{/netabare}



ふるいにかけてったら、どうやら自分のふるいの目が粗かったようで全部こぼれ落ちちゃいました、という私の結果です。

1段階  ラブでないのでキャラへの共感に薄い
2段階  見た目勝負は自分にはノーカン。皆さんいかがでしょうか?
3段階-1 ズレや違和感で生じる“笑い”ではなく内輪ウケなネタ
3段階-2 ツッコミ不在。狂言回しの不在。

別に素数山手線ゲームで盛り上がってもらって結構ですし、理系をアゲてるように見えてディスってるのもおもろいんですけど、きっちり主人公カップルを転がして欲しかったですね。
理系とか関係なく飲み会で盛り上がった“あるある”ネタもラストオーダー後のロスタイムいれて3時間弱が限度ということだったのでしょう。

{netabare}第7話がほぼ限界でした。9話で漫画家投入。10話で水着回ですもんね。賞味期限切れです。{/netabare}




★とどめかも

三島由紀夫VS東大全共闘の公開討論の映像見たことあります?
立派な方を数多く輩出されてる最高学府ですが、むしろ鳩山由○夫がここ出身だったなという事実に納得できる映像になってます。
で、ここの学生たちのコミュニケーションの特徴が、

・意味不明な文言をぶつけて相手が言い淀んだらこっちの勝ち
・「ソースよろ」をぶつけ続けて相手が回答に窮したらこっちの勝ち

古代ギリシャにソフィストと呼ばれる人達がおりまして、
真理の探究よりも、いかに相手を論破するかということに力を注いだので、詭弁に陥る傾向が強かったという程度の低い連中です。国も傾きましたね。
わざと

 “コミュニケーション不全”

を起こしてマウントを取る行為。イラッとくるでしょ。主人公男にその気(け)があったのですよ。

{netabare}飛行機の中でイチャつこうとしたのを止められて「なぜだ?」でその証明を相手に求めてみたり。{/netabare}


コミュニケーションの究極(と私が思ってる)恋愛行為と、コミュニケーション不全を狙ったかのような主人公らの行動が水と油に見えました。


ここから見えてきたこと。
ラブ要素を一切廃してみればこのジレンマも味あわずに済んだことでしょう。つまり“あるある”だけ楽しむという本作王道の堪能方法。


彼ら見てたら、作中では悪く描かれていたナンパ小僧のほうがまだ健全だと思いましたよ。拙いだけで女性に対しては一生懸命でしたもん。



※ネタバレ所感

■最終話について

{netabare}名探偵の推理が始まり犯人をあてるも「○○しかいない」の根拠が薄弱というかそれ憶測。そこ理系放棄したらだめじゃん。
で最後は気持ちが大事!みたいな。徹頭徹尾ロジカルお化けだったら面白くなっただろうに。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.03.28 初稿
2020.10.13 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理系が文系に挑んだら、こんな素敵おもろいラブコメに(笑)

[文量→中盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
ジャンルは、ラブコメ。ガチの理系男女が、互いに完全両思いのくせに、「好きとはなにか?」「私はあなたが好きなのか?」を理論立てて説明しようと奮闘する話。

頭が良いバカで、みんな素敵です(笑) OPも好きだな~。

かなり変わった設定なので、アニメをたくさん観てきた層にもウケそうな作品ですね♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ラブもコメも、きちんとレベルが高いな~。

序盤から中盤まではコメディ全開で長し、終盤にややシリアス、そして最終話は恋愛で思いっきり萌えさしてくる。

スゲェ良い最終回で、単話☆5をつけました!

実は氷室のキャラデザってあんまり好みじゃないんですが、それでもこれだけ萌えさせてくるなんてスゲェなと。

2期あったら、恋のライバル登場でしょうか? ヤキモチ焼く氷室と、逆走する雪村くんが、また観てみたいっすね♪
{/netabare}

【余談~ あなたは文系? 理系? ~】
{netabare}
文系(文学・史学・哲学・心理学 等)と理系(数学・科学・医学・工学 等)のどちらに自分が向いている(文系脳・理系脳)かは、色々な点検項目(俗説)がありますよね。

ネットで拾ったり、自分で考えたものもあります。皆さんは、文系、理系、どちらですか?


①怒った時、怒鳴るなら「文系」、黙るなら「理系」。

※文系は感情、理系は理論。例えば芸術家(文系)は灰皿とか投げるイメージです。でも、理系のヒトって、怒れば怒るほど静かになり、どうやったら相手を理詰めで追い込めるかを考えていて、逆に怖い気がしてます(笑)


②星の光は昔の光と聞いて、ロマンを感じるなら「文系」、何光年先だから何年前と計算するなら「理系」。

※文系はロマンチスト、理系はリアリストと言われますよね。小説のように、虚構の中で存分に遊べるなら、文系資質あり!(ってことは、アニメ好きには文系が多いのかな?)


③コミュ力が高い人は社会で成功すると言われた時、コミュ力とはそもそも何か、成功とは何を指すのかを考えるなら「文系」、なぜコミュ力が高いと社会で成功するかという理由を考えるなら「理系」。

※文系は概念(コンセプト)、理系は論理(ロジック)と言われます。言葉や考え方に定義をつけたがるのは文系のクセで、飲んで話をするとき、「そもそも優しいって何だろうね?」とか面倒くさいこと言い始めるのは、大抵文系です(笑) 個人的には、上司(社長や会長クラス)は文系、あとは理系ってチームの方が強い気がします。出来るか出来ないかはさておき、まずはコンセプトを打ち出すのが上の人で、それを実現させられる力があるのは理系。これが、「理系→理系」だと、小さな成功は安定的に掴めるけど、爆発的なヒットは生まれにくい。ただ、「理系→文系」「文系→文系」は、そもそも崩壊するので、やはり就職に有利なのは理系かなと思います。


④口喧嘩で不利な時、論点をずらそうとするなら「文系」、そのままなんとか挽回しようとするなら「理系」。

※文系は柔軟、理系は一本気と言われます。理系の人は考えるのは非常に得意ですが、考えたことを言葉にして伝えることが苦手、不器用な人も多い。一方文系は、わりとこだわりが少なく移り気な人が多いので、上手く話題を逸らします。より空気が読めると言っても良いかも。確かに、理系の人の方が頑固だったり粘り強かったりする人は多いように思います。


⑤結論が出ない時、それでも納得するなら「文系」、絶対に納得しないなら「理系」。

※これは④とも被るのですが、文系は答えの出ない(あるいは個人差がある)問題を考え、議論することが好きです。哲学なんて正にそうだし、美術などの芸術分野、文学の読解もそう。最終的には、「人には色々な考え方があるよね」で、全て解決(笑) そもそも、「ハッキリした答えなんてないだろうけど」から議論を始めるため、終着点が玉虫色でも気にならない。どちらかというと、議論をすること、その時間自体を有意義だと感じていることが多い。一方、理系にとっての議論は、「正しい答えを導き出すための手段」であるので、結論がでなければ、その議論自体が無意味なものになる。途中で議論を投げ出すのは、大体文系ですw っていうか、「とりあえず自分が納得できる解を導ければ」満足するから、文系は(笑)


⑥興味の対象を考えた時、人なら「文系」、物なら「理系」。

※(以下、サイトの引用)文系に分類される文学や歴史学、心理学などの学問は、基本的に“人”を対象としていまはす。人間関係や社会構造、経済、文化、芸術など、人間の活動が研究の中心になる学問が文系に含まれることが多いです。一方、理系に分類される数学や科学、医学などの学問は、主に“物”を対象とする学問となっています。人間を対象にしているように思える医学も、実際の仕事内容は非常に化学的(ケミカル)なもので、血液中の化学物質の含有量の変化などを手がかりに診断や治療を行っています。ですので、文系、理系のどちらを選ぶべきか迷うようなら、あなたが“人”と“物(自然現象)”のどちらに、より興味を持っているのかを参考にしてみるとよいでしょう。って、すごい的確だな~と思いました♪


こう考えていくと、雪村や氷室は、フルマークで理系でしょうね(笑) でも、挑んだテーマは「恋愛」という、感情的で、ロマンチックで、概念的で、人それぞれに異なる解がある、人間味ある「超文系」なテーマですから、そのギャップがここまで面白くさせるんでしょうね♪

さて、では私はというと、①「理系」②「理系」③「文系」④「理系」⑤「理系」⑥「文系」と、多分、「理系脳」なんだと思います、文学部なのに(笑) ゼミの教授にも、「君は情理ではなく論理で小説で読み解こうとするのが面白い」と言われたことがあります。

文系か理系かを考えた時、「遺伝的(先天的)要因」と「環境的(後天的)要因」があるのですが、私は多分、「遺伝的には理系」「環境的には文系」なのかな~と思います。つまり、「向いてるのは理系、好きなのは文系」なんでしょう。下手の横好き、と言っても良い(笑)

まあ、文系か理系かなんて、そもそも人類が生み出した勝手な区別なわけで、100%正確な識別方なんてない、、、っていう、論の締め方、ひっくり返し方が、すでに文系っぽい(笑)

私は昔から、「理屈で考え、感情で決断したい」と思って生活してきました。「なぜこうなるのか(理系)」を知らないまま決断するのは気持ち悪いし、だからといって、正しいことだけを常に選ぶのも気持ち悪い。時には、「間違っていると分かっても選びたい」し、むしろ、「間違っていると分かった上で選びたい」こともあります。

だからあにこれレビューも、基本的には、良し悪しは出来るだけ(といっても限界はあるけど)論理的に書き、その上で、好き嫌い(評価)を述べたいと思ってます。まあ普段、そんなこと意識してるわけじゃなく、もはや、「クセ」ですけどね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
頭良いバカ二人(笑) 公式はともかく、バカみたいなラブコメで楽しい♪

2話目 ☆4
そりゃ、Cの実験はしなきゃならんだろ。そりゃ、うちらみたく日本文学専攻は例外として、優秀な論文には英語のやつが多いだろうしね。今日も元気にあの二人はクレイジーだったな~(笑)

3話目 ☆3
AKB~↗(笑) 早く結婚しろ(笑) まあ、ギャルゲのデートといえば、遊園地は定番だよな。キャラによって乗り物選べば良いだけだし(笑) 遊園地に誘うとこ、良いね♪

4話目 ☆4
いちいち服を誉めるのは、一般的か? 連打(笑) 観点(笑) いつプレゼン試料作った?(笑) どんだけ好きなんだよ(笑) ただのビビり(笑) この二人、可愛いな(笑) それは、エロゲ(笑)

5話目 ☆3
先生、強キャラ。トラウマ、いじられまくり(笑)

6話目 ☆4
ムード値の公式は、少し納得してしまった(笑) 泣くぐらいなら実験するなや(笑) 池田研はヤバイ(笑)

7話目 ☆4
酔っぱらい(笑) シンデレラ、DNA捜査(笑)

8話目 ☆3
確かに、難しいことを簡単に説明できる人が、本当に頭良い人だよな。オキシトシン喋りすぎ(笑) この映像を観たくなる(笑) 漫画家(文系)とのタッグ。

9話目 ☆3
水着回。ナイスカップルやな(笑)

10話目 ☆4
不真面目なことを真面目に、熱い話だった。プレゼンのやりとりが面白い!

11話目 ☆3
正論がいつでも正しいわけじゃないしね。でも今は、雪村君とめっちゃ仲直りしたい(笑) めっちゃ乙女やんw 徹底的な仲直りて(笑)

12話目 ☆5
そんなのはどうでも良い(笑) 添削してる(笑) 素敵すぎる、ムード値の伏線回収(笑) 素敵なリベンジ(笑) 粘膜接触行為、強制猥褻罪(笑) 氷室のちょこちょこ、可愛いな(笑) 貧弱(笑) もう一回キスしたい(笑) ファーストキスのダメだし(笑) メガネケースのラストも、余韻があって良し。満点!
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 30

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

文系の行動原理

国立彩玉大学理工学部研究科に所属している院生の氷室菖蒲。
同じ研究室の雪村心夜に恋をしてしまったと告白する。
理系の2人は、どのようにして恋に落ちたのかを定義づけて証明しようとした。

「好き」という事を証明する。
感情論だったら簡単です。
各種の数値で「好き」を定義づけ。
証明するのは難しいです。

理系の専門用語が多数出現。
文系のオイラには難解です。
数学が面倒だったので選択科目から外しました。
化学や物理学などは、そこそこ得意でしたけれどね。
しかし、日本史の面白さに魅かれていた当時は数学に見向きもしません。
今では専攻した日本史の知識も危ういですが……
やはり現役バリバリの最前線にいる人達には敵いません。

「好き。」と相手に言われたと仮定します。
どういう感情になるのか?
嬉しい気持ち、または、勘違いじゃね?と疑う気持ちなどで複雑かなぁ。
素直に嬉しくなる感情は分かります。
ただ、美人局というトラップの可能性も否定できません。
とりあえず、経過観測という事に落ち着くでしょう。

全然、理系ではありませんね^^;
感情論ばかりで、すいませんm(_ _)m
恋愛感情を定義づけするというラブコメ作品。
ぶっちゃけ、バカップルのデレデレ具合を観察して、所々ツッコミを入れて楽しむ内容です。
ツッコミ役の奏か火に油を注ぐような性格の棘田に感情移入させて、
作品を楽しんだらいいでしょう。
『夫婦喧嘩は犬も食わない』
好き勝手にやらせて放置しておいたら、元通り仲良くなる、という意味です。
感情論で納得できないのであれば、
相手と性行為をしても忌避感を感じない、とかではダメかなぁ……(///▽///)

恋愛感情のある相手とだったら何をしても楽しいです。
反対に嫌いな相手とだったら好きな行為をしても、全然楽しくありません。
理系的思考の人はゴメンなさいm(_ _)m
私には証明は無理でした^^;
結局、私は感情論。
成人の二人が合意の上で婚姻届を役所に提出する。
証明ではありますが、「好き」の証明とは別物かなぁ。
(一応、LGBTの人達にも配慮して、異性という言葉は使いませんでした。)
「好き」という恋愛感情を定義づけしようとするバカップルの奮闘ぶりを楽しみましょう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

76.0 7 2020年度の天才アニメランキング7位
GREAT PRETENDER(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (351)
1467人が棚に入れました
自称"日本一の天才詐欺師“枝村真人。その日も相棒の工藤と2人で浅草観光に来ているフランス人に詐欺を仕掛けてひと儲け…のはずが、逆に騙され大金を奪われてしまう。その男はローラン・ティエリー、マフィアさえ手玉に取るコンフィデンスマンだったのだ。ローランが仕掛ける桁違いの<コン・ゲーム>に、枝村は巻き込まれていく…!!

声優・キャラクター
小林千晃、諏訪部順一、藤原夏海、園崎未恵
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

アット ピンホール

WIT STUDIO制作。
キャラクターデザイン貞本義行。

ロス・シンガポール・ロンドン…、
世界を股にかけた壮大なコンゲーム開幕。
ローランが仕掛けた桁違いのマネーゲームに、
自称天才詐欺師・枝村は巻き込まれていく。
良質なクライムエンタテイメント。

絵の強さ、色彩の強さに驚きます。
巻き込まれ型のドタバタ劇の中で、
コミカルな演出が効果的に発揮されている。
カラフルなBLACK LAGOONでしょう。

音楽も素晴らしい。
ED曲がフレディマーキュリーって。
彼の透き通った伸びやかな声が夏に心地良し。

娯楽性抜群のシンガポール編から、
舞台はニース、そしてパリへ。
そこは本物の芸術と贋作の世界。
{netabare}若き日のシンシアと画家トーマスの記憶。
夢への情熱と悲哀、愛、決別。{/netabare}
きっと若き日への追悼の物語だ。
降り積もる雪のように心に染みて泣ける。
誇りを胸に生きたいと願う僕たちの物語である。

最終配信視聴追記。
チームはこうして生まれた。
愉快な面々の懲りない犯罪劇終幕。
楽しむには続けて観ることをお勧めしよう。
ラストカットも素敵ですね。

ぜひ皆さんもお楽しみ下さい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 43
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

映画好きに与ふる書

+ultra Netflixオリジナルアニメ

クライムエンタテイメントだそうです。コンフィデンスマン(信用詐欺師)の話。悪いやつらしか騙さんよってやつです。石川五右衛門みたいな義賊を想像すればよろし。違うか…
コンフィデンスマンと聞くと、杏ちゃんに三下り半を突きつけられた某氏を真っ先に思い浮かぶ私です。どうやら脚本同じ人みたいですね。そんなにTVを観ない私でも本作の脚本・古沢良太氏の手掛けた作品『コンフィデンスマンJP』『リーガル・ハイ』は知ってます。

全23話。Netflixで先行公開し地上波で後追う最近増えてきたかたちですね。チームで悪党を騙していく方式で4部仕立て。各々ターゲットが変わります。

【構成】
{netabare}#1~#5
 CASE1:Los Angeles Conection
#6~#10
 CASE2:Singapore Sky
#11~#14
 CASE3:Snow of London
#15~#23
 CASE4:Wizard of Far East{/netabare}

配分もほぼ等分にした3エピソードが1クール強使った前半。残り1クール弱の後半で集大成的なものをぶち込む構成の2クールとなります。受け取る感覚としてはオムニバスに近い。
1話完結では薄味になる。クールで一まとめすると間延びする。1エピソードで数話使ってたボリューム感はちょうど良いと思いました。

詐欺師を自認しながらどこか詰めの甘い枝村真人(CV小林千晃)が主役。通称エダマメ。そんな彼とローラン・ティエリー(CV諏訪部順一)が出会うところからスタート。
あとはもうそつない作り。クライムエンタメの王道「え!?あんたも仲間だったの?」方式で仲間たち{netabare}、アビゲイル・ジョーンズ / アビー(CV藤原夏海)、シンシア・ムーア(CV園崎未恵){/netabare}が集結していき、ターゲットとの化かし合いを繰り広げることになります。

そつな過ぎて物足りなさを感じるかもしれません。
詐欺師の話です。このテの作品に期待する「え!?まじすか?」感…これが圧倒的に不足してます。
{netabare}いわゆる“全てはローランの手の中で踊ってました”的結末。{/netabare}ジャンルのせいにしますが、どんでん返しの有無が作品評価に直結するこの世界において低評価が多数舞いそうな予感がします。{netabare}スリル演出なら生命の危険を感じたCASE1はまだしもそれ以降CASE2とCASE3は抑えめ。若干の物足りなさを感じる要因になってました。{/netabare}この感覚ってアニメに限らず映画・ドラマその他映像作品に多数触れてる方ほどその思いを強くするかもしれません。『スティング(1973)』の約50年遡ってコンゲーム系の傑作なんてわんさかあるわけです。

一方で、いろんなもの視聴してきて良かったなぁ~、と相反する仕掛けも散りばめられてます。
作品タイトルとEDタイトルの一致なんかもそう。元ネタはプラターズらしいですね。世界で一番有名な「オンリーユー」唄ってる人達。

{netabare}・OPなんてディカプリオの映画タイトルバックぽいし
・マフィア絡みだしCASE1タイトルは『フレンチコネクション』を意識
・タマナシの『アンタッチャブル』デニーロ(アル・カポネ)ネタとか
・FBIに「内通者になれ」って言われるの『スティング』にあったな
・「一本の刀じゃ…」と坊主のセリフ。これ『七人の侍』三船敏郎のセリフでもある

…映画の小ネタがあんなところやこんなところに。{/netabare}


知ってるからこそ物足りなく、知ってるからこそクスッと笑える。この矛盾がおもしろい。
…なんか上からですみません。
素直に鑑賞すればすんなり楽しめると思いますよ。しつこいようですが“そつない”のです。


古沢氏はアニメ初脚本とのことです。“初”なんです。
表現する媒体が違えば慣れたフィールドとの違いに戸惑うことはあるでしょうけど、一流どころになるとその違いが楽しくなってくるのではないでしょうか。本作でも背景画なんてやや青味少なめのわたせせいぞう風なファンタジックなデザイン。実写畑からやってきたら新鮮でしょうね。もちろん演出にどこまで首突っ込んでるかは不明ですがこれ本人悪ノリしてるだろうなというのが一つあることに気づきました。それは

{netabare}これ実写でやったらどんだけ予算いるのさ(笑){/netabare}

セットが大掛かりです。VFX使うにもけっこう値が張りそうなところ。プロデューサーがほうぼうで頭下げて金策に走らんでも実現できちゃうところがアニメのいいところなんだろうなぁと思える内容でしたね。いい意味で「遊んでるなぁ」がわかります。
いったん今回脚本は無難に済ませたけど次は冒険するよ、というような発展的展開を期待したいですね。それこそ『PSYCHO-PASS サイコパス』でみせた本広克行氏のパフォーマンスのように、実写で実績があるクリエイターの活躍を見てみたいです。新しいもん見れそうじゃないですか?

…とここまで書いて、ながらで点けてるTVから「残酷な天使のテーゼ」が流れてきました。『エヴァンゲリヲン』再放送の時間です。触れるの忘れておりました。キャラクターデザインは貞本義行です。

物足りないとエラそうに言いながら並の凡作よりは脚本めっちゃしっかりしてますからね。ここは明言しときます。前段の期待は本作でもきちっと仕事しているのが見えるから言えることなのです。後々に「あーこの頃から(名作メイカーの)片鱗はあるよね」となるかどうか、そうなってほしいなと期待を込めたい佳作です。



■一口で総評

{netabare}嫌悪の湧かないご都合展開。カッコよさやクールさを全面に出したクライムサスペンスならたぶんNGだったでしょう。コミカルが主成分だったからこそ救われた。
CASE2&3の緊張感の無さがイマイチだったがそれを打ち消すCASE4だったと思う。言い方変えれば中盤が面白かったらもっと…ってことです。{/netabare}


※余談

■中之島重工製作所

これも小ネタの範疇かもしれません。

{netabare}エダマメが飛行機エンジニアの修業をした場所です。名前負けしてそうな町工場。
カタギに戻ろうと日本でお勤め(服役)した後に斡旋された工場で修業。新しい人生を踏み出したと思いきやそれすらローランのシナリオでした…っと。

工場のおやっさんとの会話でぴーんっとくるもんありません?

「飛行機もやるんですか?」
「まあな。戦争からうちはプロペラひと筋だ。車は食うためにしかたなくよ」

{netabare}中島飛行機…と言いたいのですね。わかります(笑){/netabare}{/netabare}

{netabare}スバル(富士重工業)の前身となる戦中の企業っすね。たしか研究所の跡地は大学になってたような…{/netabare}

あーなるほどそういうことか。

{netabare}跡地に建った大学とは…国際基督教大学。略称はICU。

{netabare}I see you . (オラ、お前見てっぞ)

全てお見通しってことでした。おあとがよろしいようでm(__)m{/netabare}{/netabare}



視聴時期:2020年7月~12月 リアタイ   

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2020.12.05 初稿
2021.10.01 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメで「コン・ゲーム」は珍しい。今クールのダークホース枠?

[総評]
ハリウッド映画ではそこそこあるけどアニメでは珍しいコン・ゲーム物ということで、それなりに楽しく視聴できました。

作中でやっていることは詐欺であり犯罪で間違いないのですが、古くは「石川五右衛門」や「鼠小僧」など、犯罪者を主人公とする物語は日本にもないわけではないので受け入れられる素地は日本にもあるんじゃないかとは思いますが、海外の方がウケる作品であるようにも思われます。

現在の邦画の制作予算で逆立ちしても、本作を含めちゃんと作ったアニメを超えるレベルの映像作品は作れないと思われるので、そういう意味で「プアマンズ・ハリウッド」作品とでも呼ぶべきジャンルが確立しつつあるのかもしれないです。

ロケ用のセットやSFXで頑張るよりは、アニメを作る方が絶対に安いと確信できます。ただ、従来のアニメ好きが好む作風とは一線を画している気がするので、本作を楽しめそうな視聴層にどうやって周知を図るのかが課題なのかもしれません。

本作が地上波放送されたフジテレビ系列での「Ultra+」や『イエスタデイをうたって』や『体操ザムライ』が放送されたテレビ朝日系列での「NUMAnimation」などの枠にはそういった志みたいなものを感じるので、今後の展開に期待したいところです。

== [下記は第2話まで視聴時のレビュー] ==
第2話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

本作はNetflixがお金を出して作ったオリジナル作品らしいです。TV放送はされていますが、Netflixの配信が先行していますね。

タイトルと曲使用とどちらが先に思い付いたかわかりませんが、ED主題歌にはかのQUEENのフレディ・マーキュリーが歌う『The Great Pretender』が使用されています。

コンフィデンス・マン(confidence man: 虚偽の事業などを持ち掛けてお金をだまし取るようなタイプの詐欺師)が主役、いわゆる「コン・ゲーム」という分野のお話です。

映画ではハリウッド作品などでも『スティング』など有名作品はいくつかあると思いますが、日本ではそれほどメジャーな分野ではないと思いますしアニメでとなると心当たりはありません。

主人公の枝村真人(えだむらまさと: 通称エダマメ)は、日本で訪問タイプの詐欺師として生計を立てています。

ある日たまたま外国人旅行客をカモろうとして失敗、意気消沈しているところを突如拠点にしているアパートを取り囲まれてしまい、このままでは警察に捕まると慌てて日本を脱出してロサンゼルスへ高飛びするという導入でした。

ということで、本作の主な舞台はアメリカはロサンゼルスといったことになるようですね。

作品分野が分野なのか、脚本・シリーズ構成にはアニメ畑の人ではなく主に実写ドラマ、映画の脚本を書いている古沢良太さんを起用しています。脚本作品として有名なのは『リーガル・ハイ』、私が好きな脚本作品は『外事警察』です。

キャラクターデザインはエヴァで有名な貞本義行さん、監督は『91Days』の監督だった鏑木ひろさん、制作スタジオは「WIT STUDIO」ということでなかなか俺得な製作スタッフですね。

『91Days』同様に実写作品寄りのストーリーにはなりそうですが、この設定で日本のスタッフが作品を作るなら絶対に実写よりアニメの方が安くつくと思います。

この先どう転ぶかは良くわかっていませんが、ありきたりなありふれた感じのアニメ作品にはならなそうな期待でいっぱいです。
== [第2話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

投稿 : 2024/04/13
♥ : 38

76.6 8 2020年度の天才アニメランキング8位
ハイキュー!! TO THE TOP(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (251)
1279人が棚に入れました
春の高校バレー宮城県予選、激闘を制し悲願の全国大会出場を決めた烏野高校排球部。全国大会を控えた彼らのもとに、影山の全日本ユース強化合宿召集の報せが舞い込んだ。さらに月島にも宮城県1年生選抜強化合宿への招集がかかる。同じ1年生との差に焦る日向は、宮城県1年生選抜強化合宿に押しかけるも……!?全国大会本番に向け、日向、影山、そして烏野高校排球部の更なる挑戦が始まる⸺!!

声優・キャラクター
村瀬歩、石川界人、日野聡、入野自由、林勇、細谷佳正、岡本信彦、内山昂輝、斉藤壮馬、増田俊樹、名塚佳織、諸星すみれ、神谷浩史、江川央生、花江夏樹、宮野真守
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

視点が変われば、世界が変わる

制作:Production I.G、
原作:古舘春一、監督:佐藤雅子
副監督:石川真理子、シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:小林祐、音楽:林ゆうき、橘麻美
原作:古舘春一

2020年冬クールは良作が多く、ドロヘドロを筆頭に
視聴分だけで十分に満足できるラインナップだった。
そのため、面白そうだが、視聴に至っていない
録画したままの作品がまだ数本残っている。
この作品もそんな1本だった。

3期までの物語から面白い作品であることは
分かっていた。しかし、白鳥沢高校との決戦が終わり、
物語に一区切りついていたことから、
あまり視聴意欲が湧かなかったことが
これまで未視聴だった大きな理由。
ところがHDDの整理に迫られ、
視聴を始めると、やはり抜群に面白いことに
改めて気づかせてくれた。
キャラクターが個性的で魅力的だし、
競技を描くポイントの絞り方が、とても上手い。
Production I.Gが手がけるスポーツものは、
ほぼ外さないと分かっていたのに
ここまで放置していたのは痛恨だった。

ハイキュー!!の魅力は、日向翔陽と影山飛雄を中心にした
強烈なキャラと、爽快で緻密なスポーツ描写の面白さにある。
動きやカメラアングルもよく考えられており、
バレーボールの迫力を感じさせてくれる。
しかし、それだけにとどまらないのがこの作品の奥深さ。
個人的にはバレーボールという競技に
それほど興味はないのだが、この作品を観ていると、
競技そのものへの深い理解に驚くことがある。

今期で言うと、控えメンバーでサーブ特化の山口忠。
これまで何度も深く取り上げられている人物で、
サーブを打つだけのために試合に投入される。
どれだけ落ち着いた心理で試合に入っていけるか。
途中でワンプレーだけを任される選手にとっては、
最重要のポイントといえる。
それは、普段からの練習で意識することが大切。
効果的な方法である「リセットの視点」は、
とても納得できる話だった。

{netabare}つまり、会場内にある標識や
非常口の誘導灯などをリセットの信号として定め、
それを見たときに意識を集中させる訓練を
普段からやっておく。
緊張していてもすぐに試合に入れる心理状態に
持っていく準備をしておくのだ。
とてもリアリティのある話で、選手の心理について
深く考えられたエピソードだった。{/netabare}

また、選手たちをサポートする存在の人々の
想いもきちんと説得力を持たせて描いている。
例えば、今回は清水潔子が、
マネージャーとして最前線に立っているという描写。
自身が中学時代にハードル競技の選手だったことから、
そこに立つ心理を理解しつつ、自分が現在、
立っている場所はどこなのかを明確にする。
スポーツに関わるさまざまな状況を
上手くストーリーに組み込んでいる。
メインである全国大会はさわりだけだったが、
とても面白い4期目だったと思う。

今期のいちばんのポイントは、
全国大会に向けてレベルアップを図る
烏野高校排球部メンバーたちの想いや視点と
いうことになるだろうか。

影山は、全日本ユース強化合宿に招集され、
月島は宮城県1年生選抜強化合宿メンバーに選抜される。
合宿メンバーに選ばれなかった日向は、
呼ばれてもいないのに、宮城県1年生選抜強化合宿に
勝手に参加するという突飛な行動に出る。

{netabare}ただ、ここで偶然によるワンプレーをコーチが目にして、
合宿に飛び入り参加させてもらえるというような、
ありがちな展開にしなかったのは驚きだった。
日向は、部活のバレー部を休んでまで
合宿に参加したのに、
最後まで球拾いしかやらせてもらえないのだ。
しかし、才能ある者たちが揃った
各高校1年生代表たちのプレーを外から見ることで、
チーム全体に必要な動きや
論理的なタイミングについて考えるようになる。
自らの身体的な動きと技術面だけでなく、
プレーの連動性に着目するようになったのだ。{/netabare}
視点が変わることで、世界が変わって見える。
それは、レベルの違いもあるし、
下から見るのと、2階から見ることでも
見え方が変化する。県大会から全国に目を移した
ときの視点の違いを上手く表現していた。

一方、影山は全国トップレベルの選手とともに
プレーすることで、自らの足りない部分を考える。
日向をより効果的に使うことをイメージする。
ふたりは、違う世界のレベルの高さを心に刻み、
それをチームに持ち帰ることによって、
全体に大きな変革をもたらすのだった。

全国大会前の地味な話のはずが、
ここまで面白く見せられるのは、
やはり原作の持つ大きな力だろう。
また、全国大会突入後、天井の高いコートに
なったことで影山がアジャストに戸惑う描写の
リアリティにも感心させられた。
作者がバレーボールという競技を
とても深い部分まで捉えているのがよく分かる。

多くの人々の想いや視点が渾然一体となって、
全国大会に突入した第4期。
良質なドラマと感情の迸りを
今後はどのような形で見せてくれるのだろうか。
(2020年8月22日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

4期は潔子さんのエピソード有

・・・ありますけれど、春高試合が始まる頃です。後半です。

4期本編の主役はやっぱり翔陽。そして飛雄。
特に翔陽の成長が楽しかった。
翔陽は呼ばれていない宮城県の1年生強化合宿に呼ばれていないのに飛び込みで参加する。
{netabare}今回の成長は新技やテクニックではなく
メンタルの成長。今迄は自分自身に精一杯でいかに周りを見ずにバレーボールしてきていたのか。
バレーボールを外から見ることで予測することの大事さを学ぶ。
それが、1点を守れることにつながり、1点を取ることにつながる。
春高ではどんなプレーができるようになるのだろうか。{/netabare}

飛雄は全日本ユースの強化合宿でハイレベルの選手たちと対面する。
{netabare}凄い選手がたくさんいることが分かってもさほど動じない飛雄。
その中でもとても大事なことを学ぶ。
セッターは相手の一番打ちやすいトスを上げるのではなく、一番能力を発揮させるトスを上げること。
烏野に戻り練習試合で実践。手ごたえあり。烏野全体の大きなレベルアップ。{/netabare}

他のメンバーも全員がレベルアップ意識して切磋琢磨。

準備は整った。さぁ春高バレーの開幕だ!

そして潔子さんのエピソードで感動だ!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

高く、高く、舞い上がれ!

原作未読 全13話 4期の1クール目、2クール目は7月より放送予定

宮城県の烏野高校排球部を中心に描いた作品。1期から観ることをオススメします。

来週も続くのかと思っていたら、途中でバッサリと1クール目が終わっていましたねw

今回は、終盤以外は全国大会に向けてのお話でした。

日向 翔陽、影山 飛雄の主人公2人はそれぞれの場所でレベルアップのため頑張る姿がメインでしたね。

新キャラも多くて、一癖も二癖もあるキャラばかりでした。

これからというときに終わりましたので2クール目が楽しみです。

OP BURNOUT SYNDROMESさん、EDはCHiCO with HoneyWorksさん、アップテンポの曲で珍しかったです。サポートしているキャラ達が描かれているところも良かったですね。

最後に、翔陽の前向きさは見習いたいですね〜

投稿 : 2024/04/13
♥ : 20

75.5 9 2020年度の天才アニメランキング9位
ハイキュー!! TO THE TOP(第2クール)(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (227)
1015人が棚に入れました
「ハイキュー!!」は、古舘春一さんが「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載している漫画を原作としたTVアニメ。第4期となる「ハイキュー!! TO THE TOP」第1クールは、2020年1月より放送され、第2クール目の放送が2020年10月に放送となる。監督は佐藤雅子さん、副監督は石川真理子さん、アニメーション制作は:Production I.Gが担当する。

声優・キャラクター
村瀬歩、石川界人、日野聡、入野自由、林勇、細谷佳正、岡本信彦、内山昂輝、斉藤壮馬、増田俊樹、名塚佳織、諸星すみれ、神谷浩史、江川央生、宮野真守、株元英彰、野島健児、笠間淳、島﨑信長、山本匠馬、宮園拓夢、松浦義之、花江夏樹、鳥海浩輔、上村祐翔
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヒーローたち

制作:Production I.G、
監督:佐藤雅子、副監督:石川真理子、
シリーズ構成:岸本卓、
キャラクターデザイン:岸田隆宏、
総作画監督:小林祐、音楽:林ゆうき、橘麻美、
原作:古舘春一

4期を観て改めて感じたのは、
この作品が絶大な人気を誇った『スラムダンク』の
継承作品なのだろうということだった。
スラダンのファンからは怒られるかもしれないが、
団体スポーツにおけるヒーローたちの「凄み」を
少年漫画らしいロジックで表現していく手法は、
共通点があると思うのだ。
しかし、この2作品の違いは『スラムダンク』が
どちらかと言うと、スター選手(もしくはこれからなる選手)に
特化した描き方なのに対し、『ハイキュー!!』は、
もっと幅広い人物にも焦点を当てている点。
例えば、サーブだけを打つ山口忠や木下久志、
指導者・烏養繋心や武田一鉄、
マネージャー・清水潔子と谷地仁花、
そして、田中冴子をはじめとした応援団までもが
試合に直接関わるような物語の中心になる
エピソードがいくつもある。
つまり、団体スポーツとは、そういうものなのだ。
多くの人の助けがあって、初めて成り立ち、
勝つことができることを表現しているのは、
深い理解力を感じさせる。

この作品が脇役にもスポットを当てるのは、
バレーボールという競技、そのものの特性にも関係している。
というのも、バスケットボールやサッカー、
野球とは決定的に違い、1人では試合を
決めることができないからだ。
もちろん、バスケットボールやサッカーなども
1人では試合はできないが、基本ルールが全く違う。
バレーボールは、サービスエース以外は、
仲間の手を借りなければ、絶対に点数を取れない。
さらにサーブが変わるごとにポジションが
強制的に変えられるローテーション。
守備専門のリベロというポジションもある。
つまり控え選手も含めた全員が機能してこそ、
チームが勝利する可能性が広がるスポーツなのだ。
それがこの作品を考える上での最大のポイントといえる。

だから、スター選手以外の選手にスポットを
当てることも多いし、それぞれのキャラクターが
何を考えているのかという描写も多彩だ。
反面、スター選手の描き方は、削られることになるが、
個人的にはそのバランス感覚が素晴らしいと思う。

今回、そういう脇役的な存在のエピソードで
心に沁みたのは16話「失恋」で描かれた田中龍之介だった。
田中が初対面でマネージャーの清水潔子に
プロポーズしたという逸話を紹介しつつ、
シンプルでどこまでも真っ直ぐな性格を映し出す。
攻撃陣の一角である田中のスパイクが相手側の
ブロックに狙われ、何度も止められるピンチに陥る。
強い存在が目の前に現れたとき、どうするのか。
自分の能力と実際にできること。
田中は選択を迫られる。
その思考、態度が抜群にカッコ良い。
本当の強さとは何か?
自分より強い者と対峙したとき、
ピンチになったとき、ひとりの人間としての
本来の姿が浮かび上がってくる。
自分の与えられた能力とは別の次元で、
強さを示せるのは一握りの人間なのだ。

そんな脇役ではあるがヒーローたちのエピソードとともに、
4期全体の構成も完璧にまとめられている。
全国大会の出場が決まってから、
影山飛雄は、全日本ユース強化合宿に招集され、
月島蛍は、宮城県1年生選抜強化合宿に選抜される。
日向翔陽は、呼ばれてもいないのに合宿に参加して、
球拾いの日々を過ごす。
学校で自分たちの練習をしていた選手たちも含め、
それぞれがレベルアップしていく。

2回戦でぶつかった宮侑・治兄弟率いる
全国準優勝の稲荷崎高校と攻防を繰り広げながら、
合宿中に掴んだ成果を試合で表現していく。
抜群の身体能力と対応力で、
日々成長している翔陽が、個々の選手の動きを
観察する視点を身に付け、試合に活かす。
相手のスパイクと味方のブロックを考慮して
レシーブのポジションを的確に判断してプレーする。
そして「翔陽がもう1度、深くバレーボールにはまった日」を
月島が目撃することになる。
スポーツにおいて、選手の最も高揚するシーンを
登山の足掛かりとなる1本の「ハーケン」に例えて、
ドラマチックに描き出した。
{netabare}また、翔陽は全体の流れを見据えながら、
チームメイトを落ち着かせるための
高さのあるレシーブを選択する。{/netabare}
作者のバレーボールに対する知見と
経験に裏打ちされた表現だった。

守備専門のリベロ・西谷が感じる恐怖。
怖さに囚われたとき、どう克服するのか。
ブロックに期待される月島の心情。
ブロックに飛んでも1対1、1対2ではない。
1対6なのだということ。
自分の能力と仲間の存在。
ヒーローは、試合を決めることだけで
得られる称号ではない。

13話分を使って描いた稲荷崎高校戦。
対戦相手の北伸介、宮兄弟、角名倫太郎たちの
背景やプレーの描き方も見事だった。
次戦は今回でも2話分だけ取り上げた
因縁の音駒戦となる。
全国の舞台で繰り広げられる
鴉と猫によるゴミ捨て場の決戦。
今から気持ちが高ぶって仕方がない。
(2021年1月16日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 29
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

そして田中にスポットライトが当たる!

稲荷崎戦にスポットを当てたTO THE TOP(第2クール)
相変わらず楽しめました。
OPはSUPER BEAVER「突破口」。どはまりです。

相変わらず原作未読なので
烏野が勝ってゆくのだろうと思っていても負けるのではないかとドキドキしながら見てしまうところが不思議。
2周観ても相変わらずキンチョー!!しました。
青葉城西との公式戦で負けた印象が強く残っているからでしょうか。
あの時も一緒に飯食べている感覚になっちゃうほど悔しかったもんね。

今期は春高バレー3回戦 優勝候補稲荷崎高校との対戦。
相手のセッターは高校No1セッター率いるハイスペックチーム
常に新しいことにチャレンジするチーム。そして伝統として決して守りに入らないチーム。

言わずと知れた烏山高校は全員で攻撃する超攻撃型チーム。
ぶつかり合いの3回戦

そこへ田中へのスポットライト回と、更に進化を続ける日向の成長。
あの第 {netabare}22 {/netabare}話の試合の流れを変えるプレーは何度観ても本当痺れます。


ハイキュー!!は全てのチームの物語。それがこの作品の愛される理由ですね。
次期は両チームとも応援しながら観なくてはいけませんよ(笑)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一瞬にかける思い

原作未読 全12話

ハイキューの4期の後半です。1期から観ることをオススメします。

第1クールの続きです。全国大会がメインでした。

熱い試合展開が待っていました。手汗握る展開とはまさにこのことですね。

烏野高校・音駒高校・稲荷崎高校がメインのお話でした。

試合が終わって一区切りというところで終わっています。

まだまだ全国大会は終わっていません。

続きも熱い試合展開になりそうですね。5期制作楽しみにしています。

OPはSUPER BEAVER、EDはSPYAIRさんが歌っています。

最後に、{netabare}最終話のEDで1期OP「イマジネーション」が流れたとき、{/netabare}1期を思い出させてくれましたね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 15

71.4 10 2020年度の天才アニメランキング10位
天晴爛漫!(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (261)
864人が棚に入れました
19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代・・・天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、凄腕だが臆病な侍『一色小雨』はある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、クレイジーなライバルと競い合い、アウトローや大自然から身を守り・・・果たして二人は過酷なレースに優勝し、賞金を手に入れ故郷へ帰ることができるのか!?

声優・キャラクター
花江夏樹、山下誠一郎、悠木碧、雨宮天、斉藤壮馬、折笠富美子、櫻井孝宏、杉田智和、興津和幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

迷わずいけよ いけばアンダスタン

P.A.WORKS制作によるオリジナルアニメ

全13話完走してなお、時代設定いつ頃だろうと悶々としてました。

新政府とか言ってるから明治にはなってるよね
新右衛門さん帯刀してるし廃刀令前の明治期1870年頃か?
モブの発明王がフィラメント閃いてるっぽいし1880年頃か?
あれ!?それ{netabare}(飛行機){/netabare}って20世紀だったような…

すいませんあらすじに書いてました。以下の通りだそうです。しっかり読もう前情報!

 19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代…


変わり者の科学小僧・空乃天晴(CV花江夏樹)が主人公。人情の機微を知らない偏屈科学者タイプです。となると横で振り回されるキャラが欲しくなるわけで、剣術道場の真面目そうな倅・一色小雨(CV山下誠一郎)がお目付け役となります。小雨は『一休さん』の新右衛門さんに見た目も雰囲気も似たお方。天才を引き立てる凡人代表です。
巻き込まれた一騒動から逃れるどさくさで船に揺られてロサンゼルスへ到着。アメリカ横断ウルトラク…大陸横断の自動車レースに挑むってお話です。

天晴(あっぱれ)が小っちゃい頃に蒸気船を見て目覚めちゃったというのが根っこなので、エンジニア奮闘記みたいなのをレースを題材にしてやるんだろうなぁと期待。偏屈な天晴と凡人小雨のキャラ配置は盤石そうです。
そうして楽しめたのが中盤まで。味変が生じて好みが別れそうな終盤が待ち受けてるのでお楽しみを。


味変1:キャラ変
{netabare}天晴には最後まで自己中な偏屈小僧でいって欲しかった。豆腐メンタル化して萎えた。{/netabare}

味変2:??
{netabare}レースそっちのけになっちゃった。こちらはまあOK。{/netabare}


あまり気をてらわない王道らしい作品かと思います。
早々にキャラを勢揃いさせて固定メンバーを深掘りしていくスタイル。起承転結の転があってきちんと与えられた尺で完結する。画も崩れちゃったら何言われるかわからないブランド制作会社です。バトルアクションも背景も砂ぼこり舞うレースシーンもいい感じですよ。
このルート66っぽい導線や先々の経由地で物語が動くことから『イージーライダー』的なものを想像しました。かなりおちゃらけてますがね。

ただし、エンジニア奮闘記を期待してた私はちょっと肩透かしを食らって影を落とした感じです。わりとご都合だったのであまり気にせず臨まれることをオススメします。
総じて…良さげなパーツを揃えているんだけど作り始めるとしっくりこなくて、それでもなんとか完成品の体裁を整えた感じ。でこぼこならそれで尖らせればよかったのに、となんとも惜しい作品です。



※ネタバレ所感

■新しい時代の幕開け

{netabare}自動車レースの妨害については、自動車の台頭を快く思わない鉄道王っぽいおっさんの依頼をもとにギル(CVツダケン)は動いていたわけでした。新しい時代の胎動そして抵抗。
それであっさりおっさんを殺しちゃってるわけで、そうするとレース妨害する理由がなくなるわけで、それでもレースの邪魔を続けるわけで、そこで持ってきたのが

 力が支配する世界をきぼんぬ!

だそうです。時代設定がそうだからって世紀末救世主伝説に寄せなくても良かったのにと思いますけど、あまり理由は重要視してなかった模様。まあむき出しの暴力が支配する西部劇世界の終焉という見方もできますが、それにとって代わるのが科学技術というのもピンときません。
時代に取り残された徒花って設定も嫌いではありませんがそういうわけでもなさそう。動機づけが弱かったです。{/netabare}

{netabare}レースを楽しむでもエンジニア奮闘記でもなく、“レース仲間VS悪いやつ”にシフトしていくのは構わないのでラスボスは憎たらしい悪役らしい悪役にさせて欲しかったですね。
ホトト、シャーレン、アル、偽ギル兄弟、ディラン、そして杉田…じゃなかったTJと各々いい感じで掘り下げられていました。そこに天晴と小雨も加えたレース仲間たちの魅力と釣りあいを持たせることは至難だったかもしれませんが、ここさえよければレースそっちのけでも評価上げてたと思います。{/netabare}


■なんか気になった些細なこと

1.{netabare}レース実況役の平田真菜さん。『ケンガンアシュラ』でもリング実況でした。{/netabare}

2.{netabare}シャーレン(CV雨宮天)がストⅡの春麗っぽい。一瞬スピニングバードキックのカットいただきました。{/netabare}

3.{netabare}本作MVPはシャーレン雇い主のおっさん。かっこよさが群を抜いてました。{/netabare}

4.{netabare}いやアルのお付きソフィア(CV折笠富美子)かも。テキーラをショットでいける女性には惚れる。{/netabare}


■いいよね!近現代

100年前くらいの設定。場所はアメリカ。街並み背景が楽しいです。このちょっと昔ってのがやっかいで、大昔なら山村の田舎を想像しながら文明の利器を排除すりゃOKで済むのがそうはいきません。
同じP.A WORKSの『天狼』では昭和初期でした。こちらも背景画が楽しかった作品。しっかりノウハウ溜めてると思うので、この“ちょっと昔の世界”で大作つくらないかしら?とひそかに期待してます。
いい脚本家呼んでくださいね。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

-----

2020.09.26 初稿
2020.11.02 タイトル修正
2021.06.16 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャノンボール(チキチキマシン風味)? → では、ありませんでしたね…。

「北アメリカ大陸横断レース」っていうのは、たびたび物語の題材にされますよね。映画『キャノンボール』しかり、漫画『スティール・ボール・ラン』しかり。

何で移動するかは時代設定によりいろいろありますが、本作では時代はガソリンエンジン自動車黎明期ということで、蒸気自動車もしくはガソリンエンジン自動車ということのようです。

一度春アニメとして4月スタートしてから新型コロナウイルス禍で中断、7月から再スタートということでここまでまだ新しい話数の放送はないのですが、放送された分の作画に関してはとても安定していると思いました。

第1話でのドタバタで図らずも地元から逃げて不法出国(?)して太平洋を横断してしまった明治維新から間もないころの発明家である天野天晴(あまの あっぱれ)、それに巻き込まれた形で許嫁を日本に残して付いていくことになってしまった一色小雨(いっしき こさめ)といった辺りをメインにお話は進んでいきます。

第1話冒頭ではレースにエントリーしている各車のスタートシーンがありますが、作中設定で「ビッグスリー」的な自動車メーカーがあるらしく、おそらくそれらの製造した自動車はわれわれが「クラッシック・カー」としてイメージするそれのデザインですが天晴の作った車の色物感は際立っています。

スタートシーン以降は、ここまでの3話ではまだレース本番は開始されておらず出場までへの経緯が描かれている感じですが、レースが始まってしまえばロードムービー的な要素も出てくると思われ楽しみですね。

登場キャラクターの男女比的に女性に偏っていない、というかむしろ男性が多いようなのでその辺りにも期待しています。
==

2020.9.28追記:
最終話まで観終わっていましたが、レビューの更新が遅れていました。

チキチキマシンのような参加者同士での妨害という流れから、レース開催そのものへの妨害という事態に至り、たぶん視聴者が(勝手に(?))期待したような作品にならず「裏切られた」という気持ちになった方も多かったのではないでしょうか。

個人的にはこの展開は「なし」とは思わないのですが、それでももっと全体的に常に楽し気な空気の作品を自分もどこかで期待してしまったせいか、ちょっとガッカリな部分もありました。

ちょっともったいない感じもします。観て後悔したということはないのですが、他人にはあまりお勧めしないかな…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

A級が作るB級アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
P.A.WORKS制作のアニオリ作品。20世紀初頭、西部劇のような世界観の中で、アメリカ大陸横断レースに参加する侍と天才技師という、かなりとっちらかった、B級感溢れる作品。

それを、(私の中では)A級制作会社のP.Aが意図的に作っているというのが興味深かった。

私の評価は、☆4(高評価)に近い☆3(普通)です。車は加速しましたが、アニメ自体は後半に失速したように感じたので。レビューでは、その辺の原因と、本当はどんなアニメになることを期待していたかを書きたいと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤~中盤はB級感を漂わせながらも熱いシーンがあって、シンプルに楽しめた。

しかし、終盤、ギルが登場してからはやや失速。

その理由は明らかで、「レースもの」が「バトルもの」になったから。

後半のレースなんて、かなりオマケくさい。あれだけ延期や変更、修理を繰り返していたら、もはやレースとしての体を成していない。

その上、「じゃあメインになったバトルはどうなの?」といえば、こちらも中途半端。なんのドラマもなく、ギルがディランとTJに普通にボコされて終わりという肩透かし感。ギル、急に弱くなったけど(苦笑)

ラストのトランクのクダリも、ギルの悪行に対してギャグで流すのは、なんか違う感じがした。

勿論、良いところもたくさんあるアニメ。

5話までの仲間集めや車作りはワクワクしたし、天晴が次第に成長し、人間らしくなる描写には上手さを感じた。毎回の小雨の「予告を途中で切られるオチ」にはセンスの良さを感じたし、11話のシリアスで「P.Aが本気出せばこれだけ雰囲気変えられるぜ」って感じも痺れた。

だからこそ、「もったいなさ」を凄く感じる。

私は、もっとレースを観たかった。

本作に最初期待したのは、大陸横断レースを通し、「天晴は車をどんどん(トンデモ)進化させ」「それを(仲間になると思っていた)シャーレンが操り、男レーサーどもをぶっちぎる」。「ホトトが地元の知恵で近道を探したり自然現象を味方にしながら」「小雨が、暴力に訴えてくる敵をバッサバッサと切り捨てる」。

そういう、「足りない部分を補いながら、この過酷なレースを勝ち抜き、それぞれが成長していく、大エンターテイメント作品」を、私は期待していました。

その中で、魅力的なライバルや、厄介なサブキャラを深めていってもいいし、鉄道対自動車の政治的な駆け引きの中でのイザコザや、小雨とシャーレンのラブコメなんかもみたかった。

汽車を車で止める、悪を正義が止める、というラストも確かに熱いかもしれないけど、それより、「切磋琢磨してきたライバル達の、純粋なレースとしての決着」の方が、熱いと思うんだよな~。

P.A.WORKSは大好きな制作会社で、アニオリを連発する挑戦的な姿勢は応援したい。「true tears」から始まり、「Angel Beats!」「花咲くいろは」「TARI TARI」「凪のあすから」「有頂天家族」「SHIROBAKO」「サクラクエスト」など、「小さな世界を丁寧に描く力」が物凄く強く、上記の作品はいずれも面白い。

それが、「クロムクロ」あたりから違和感を感じ、「Fairy gone フェアリーゴーン」、本作もそうだか、「大きな世界を壮大に描く」作品は、そこまでの魅力を感じない。

勿論、先を見据えて、色々分かった上で色んなジャンルに挑戦しているのだろうけど、「餅は餅屋」というので、P.A.さんにはそろそろ、元の路線に戻ってほしいと、いちファンとして思っている。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
作画は安定し、キャラクターも掴みやすい。ちゃんと出来ることの範囲でムチャしている。とりあえず、流石のP.Aかな。地味だけど(笑)

2話目 ☆4
仲間が集まる過程は面白い。シンプルな天晴。不可能への挑戦。保守的な小雨と、革新的な天晴。バランス良いよな。メカニック、ドライバー、護衛と、キャラの配置もバランスよし。

3話目 ☆4
更に、ナビゲーターか。なるほど、天晴も正しい(納得した)アドバイスにはすぐに従うのか。え?➡え?(笑) セグウェイじゃねぇか(笑) アル、格好いな。

4話目 ☆4
再開おめでとうございます! レースというより、レース後が熱かった。

5話目 ☆4
イロモノしかいねぇな(笑) キュウリの早切り(笑) そして、1話に戻る。

6話目 ☆3
絶対にホトトの仇だよな。天晴、格好良い。偽物なのは分かりやすいが、いい人っぽく描かれるのも違うと思う。

7話目 ☆3


8話目 ☆3
あまりにもB級な展開で、ちょっと寒い。

9話目 ☆3
平和な日常回。ハイブリッドエンジンは、和洋折衷の比喩かな。

10話目 ☆4
圧倒的な暴力。まさか、小雨が死にはしないだろうが。

11話目 ☆4
急なシリアス。冒頭の小雨フザケもなし。作画の力の入れ処もよい。あとは、天晴の感情移入の度合いか。小雨ドッキリ(笑) 医療技術が暴力を超える。レースが中止になっても勝手にゴールする。確かに。あそこで医師を誉める天晴が素敵。

12話目 ☆3
さすがに、何じゃこりゃはふざけすぎ(苦笑) カンフーバトルは格好良かったけど。

13話目☆2
なんかかなりアッサリ終わったな。からの~(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34

73.1 11 2020年度の天才アニメランキング11位
体操ザムライ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (234)
708人が棚に入れました
時は2002年。かつては強かった日本男子体操界。体操に人生を注いできた元日本代表、荒垣城太郎(29)は、思うように演技ができなくなっていた。それでも練習を重ねる日々を送っていたが、ある日コーチの天草から「引退」を勧められてしまう。悩む城太郎。それを支える娘の玲。だが、ある『出会い』によって荒垣家の運命は大きく変わっていく。

声優・キャラクター
浪川大輔、小野賢章、本泉莉奈、梶裕貴、堀内賢雄
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

昔の光 今いずこ

オリジナルアニメ 全11話


時は2002年。選手としては旬を過ぎた男やもめ主人公がもう一度花を咲かせようと奮闘するお話。
そして主題歌は2003年リリースの『上海ハニー』。
なかなかこの事前情報(あらすじ)が曲者だったと思います。後続帯の『いわかける!』が肌の露出を隠れ蓑(日本語がおかしい)にしたガチめなスポーツものだったからなおさらに目くらまし。。。


 「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だァー!」


2004年アテネ五輪体操男子団体決勝で28年ぶりの金メダルを獲得した瞬間。真夜中に絶叫した私です。
どうしたってこの史実でのピークを見据えたなにかしらをやるはず!とそんな先入観を持ってた人は私だけではありますまい。
結論先に言うと「違います」。富田選手もあん馬の鹿島選手も出てきませんのであしからず。


①体操競技に向き合ったなにがしか

物足りなく感じます。描写そのものが少ない。アスリートのメンタルもライバルキャラも微妙。
こちらが勝手に2004年の栄光を作中どこか探しているので、ファンタジックな鳥や不法滞在外国人?の設定が必要なのか疑問符がつきます。脳筋を画に描いたような主人公は世界で戦えるようには見えません。期待の新星の「駆逐してやる」な性格についてはもはや“団体金”の持つ団結イメージとかけ離れてしまいます。
体操の作画は想像以上に良かった。鉄棒の回旋ひとつとっても重力を感じられる軌道。“トカチェフ”はトカチェフで“コールマン”がコールマンに見えます。足が開いてたり閉じたりしてる体操にとっては重要でも見た目で微妙な差もきちんと描けてます。これが活かせているかと言われると“否”なのが勿体ない。

正直に期待外れな感じがします。ここで唐突にメンバー紹介

上海ハニーの3人組
 荒垣城太郎(CV浪川大輔):主人公。スーパーポジティブ。玲の父
 レオナルド(CV小野賢章):自称忍者の不法滞在!?なロシア人
 南野鉄男(CV梶裕貴):バンダナ王子。体操界期待の新星

荒垣家の愉快な面々
 荒垣玲(CV本泉莉奈):城太郎の娘。とにかくできた娘
 荒垣マリ(CV田中敦子):城太郎の母。池袋でスナック経営
 荒垣BB(CV山口勝平):南米産の鳥。『たまこ』でいうところのデラマッヅィ
 荒垣知世(CV三石琴乃):城太郎の妻。大女優。亡くなっている


実際のところ体操選手たちよりも城太郎の家族の登場頻度が極めて高い本作。

②城太郎を中心としたホームコメディ

シリアスな体操もののイメージを捨てて、ややファンタジックな親子コメディへと視点をスライドしなきゃいけません。
スポーツアニメとして見るとガッカリするのが関の山。ホームドラマとしてならそこそこ見れるどころかけっこうナイスな仕上がりでした。

{netabare}面白いことに…
奇数回は体操中心のスポーツ重視展開
偶数回は不思議だったりハートウォーミングだったりな日常重視展開{/netabare}

視点の置きどころは難しかった。そうは言っても視点が収まるところに収まってしまえば平気。
ご存知でしたら『つり球』のような緩くて優しい雰囲気にノスタルジーとファンタジーのスパイスを振りかけたあの感じをに近いように思われます。
普段から私は『フラットな心持ちで観ることが重要』と公言しながら全くできてませんでしたよ、とてへぺろな気持ちにさせられた良作です。



※ネタバレ所感

■嗚呼2002年

『上海ハニー』もだし、いきなりコーチがベッカムヘアで登場。日韓W杯なんてのもあったっけ。
ついこの前のように感じるあたりこれが歳を取るということなのかもしれません。
ついでにあまり変わってないような気がするのも加齢なんすかね? 昭和30年~50年はもとより昭和50年~平成7年の20年期間なんて映像で見る限りものすごい変化してるように見えるのですがその頃を経験された諸先輩方も同じ感覚なんでしょうか興味深いところです。

作中でも「あーあったあった」の連続。20代半ば過ぎてればなにかしら記憶にひっかかりそうです。

{netabare}・着メロ(笑) 『浪漫飛行』でなんで特殊EDやらなかったんだろう?
・「別に」と吐き捨てるバンダナ王子 ハンカチは2006年夏。沢尻エリカは2007年9月
・『情熱大陸』みたいな振り返りは本職ナレの窪田等さん
・週刊誌の表紙に“タマちゃん” あれも2002年
・トレーニング回で『トップガン』『ロッキー』と子供の頃好きだったんだろう、なラインナップ
・池袋のカラーギャング特集で西口公園を特集してたり…それっぽい人いたり
・採点方式が10点満点だったり『日曜洋画劇場』が健在だったり{/netabare}


■嗚呼日本スポーツ界

“お家芸”と言うのも憚られるくらい失墜した競技がちらほら。体操に限らずバレーボールもメダルから遠のいて久しい頃合い。
さらに97年の長野で日本男子が金を獲ったら日本人に不利なかたちでレギュレーションが変更されたり、単独と思ってたサッカーW杯も共催になっちゃったり。
ストレスが溜まってる自覚は無かったと思います。見ないフリしてるか自信の喪失を認めたくない感じ。ただし知らず知らずに溜まってたのでしょう。

 そんなさなかのアテネオリンピック体操団体男子金メダル

シンクロ・野球・ソフトボールをdisるつもりはないけれど、王道もので久々のオリンピックの団体メダルみたいに感じて大興奮したのです。
もちろんこれで事態が一転したわけではありません。翌北京の柔道競技ではレスリングみたいな双手刈りが席巻してました。それでもたしかに大きな爪痕を残した感のある金メダルでした。

ちょっと期待しちゃうでしょ?
…はい、、、過度に期待した私の言い訳です。

{netabare}風潮でいえば、なにもかも代表に“サムライ”の冠つけるのって芸がないですよね。体操ザムライも昔のたけしがやってた『こんなサムライは嫌だ』に出てきそうなことしかしませぬもの。{/netabare}
{netabare}谷(旧姓田村)亮子選手が出てきた時、“YAWARAちゃん”って呼ぶな!と某漫画ファン一同が叫んだ感覚に近いです。{/netabare}


■ナイスな脇役
・あゆ(CV水樹奈々) 飲食店勤務 マジ有能説

{netabare}引退詐欺を理由に同級生からいじめを受ける玲の様子をレオから報告受けて…
「それさマジで赤壁っつーか ”気付いたらヤッバ!周り火の海”みたいな?」
「風向きって読めねぇことあんじゃん?緊張感ぱないよねぇ」{/netabare}

・滝沢(CV吉野裕行) ちゃっかり有能説

{netabare}うっかりNHK杯に出場してんじゃん、なパリピ{/netabare}


■よくよく考えたら…

監督以外は怪作『ゾンビランドサガ』のスタッフ。不意を衝いてぶっこんでくる伝統芸にも納得です。

{netabare}そもそも話す機会少なめ伝説の女優役を三石琴乃さん。娘役は私にはりりぃ以来の本泉莉奈さん。{/netabare}
なにかしら遊び心満載な小ネタがあると私信じてます。
{netabare}BBが「笑えばええんやで」を連呼した第6話。元ネタと思しき『新世紀エヴァンゲリオン』「笑えばいいと思うよ」も第6話。こんなの探すのけっこう楽しい。{/netabare}
{netabare}玲が「大女優になる」と宣言した重要回の8話。『ゾンサガ』のリリィ回も第8話でした。こじつけだろうがなんだろうが独りでニヤッとできれば秋の夜長にこれもよし。{/netabare}



荒垣城太郎。イニシャルトークするならJ.Aになるんでしょうか?
雨ニモ風ニモ負ケナイ丈夫な心を持ってそうですが、天候と折り合いつけたり堅実に耕すのできないに違いないので農業には向いてないでしょうね。
ここはサムライらしく和風で“荒”垣“城”太郎。…荒城です。

「昔の栄華は今どこに」と始まる歌詞は「月が照らす影は変わらずされど世の栄枯盛衰を照らそうとしてるの?」で終わります。

アテネも忘れかけてた頃合いに不意打ち。

{netabare}伸身の新月面で放物線を描いたのは体操界の新星でした。{/netabare}


リアルとアニメとでムーンサルトの競演。描く放物線はそんなに変わらないのかもしれません。
願わくば2期への架け橋だったらいいのにね。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2020.12.23 初稿
2021.09.23 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 49
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ビッグバードは今日も鳴く

制作MAPPA。

2002年の日本体操界、
29歳の元日本代表荒垣城太郎は、
怪我によって成績不振に陥り、
腐らず練習を続けるも引退を勧告される。
だが様々な出会いが彼の運命を変えていく。

不意打ち気味にカウンターである。
B級の仮面を付けたA級と見た。
シリアスな展開の中に気の抜けた演出。
絶妙なぬるさはクドカン的なノリである。
オフビートな笑いを響かせ、
感動局面に月面宙返りで着地を決めるのか。
空気も読まずガアー!!ガアー!!と、
ビッグバードは今日も鳴くのである。

3話視聴追記。
再生のドラマとして中心軸があり、
そこからの演出の緩急が絶妙に響いてくる。
キャリアの成否に関わらず見応えがあります。
後はキャラに奥行きがでればなお楽しい。

最終話視聴追記。
途中、少し褒めすぎたかと不安になるも、
{netabare}高難度演技の如く見事に着地を決めた。{/netabare}
レオはもっとやれたキャラだとも思う。
ED曲が物語と調和していますね。
少年の憧れが目標に変わり、
いつの日か追い付き追い越すその日まで、
きっと夢ってそんなものでしょう。

ガアー!!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

男子体操競技の話(作中の世相が古くてちょっと懐かしい)

== [下記は第5話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

NUMAnimation(ヌマニメーション)というテレビ朝日系列で今年新設された枠で放送されています。この枠での前作が『イエスタデイをうたって』であったりと地味目なお話を放送する枠かと思いきや、この枠で『イエスタデイ~』と本作の間がエヴァTV版のセレクション放送だったり、次作として予定されているのが『ワールドトリガー』であったりとかちょっと良くわからないことになっていますが、それはとりあえず本作とは直接関係のないお話ですね。

本作はオリジナルテレビアニメです。作中年代はスタート時点で2002年で、2000年にシドニーオリンピックが開催され2004年にアテネオリンピックが開催されると言っているのは史実通りですが、登場人物は主人公の新垣城太郎も含めて架空の人ですね。

オリンピックのメダリストでありながら故障で成績が低迷して、コーチから引退を言い渡された主人公が再起を図ろうとするお話です。

ちなみに体操といえば『ガンバ! Fly high(フライハイ)』という作品がありますが、私は原作を読んだだけでアニメは観ていないので本作とのアニメ作品としての比較はできません。

主人公が子持ち(玲(れい)という名の娘がいる)のおっさんだったり謎の忍者かぶれ外国人レオナルドが現れたり、南野鉄男をはじめとする若手選手にろーとる扱いされたりと、地味ながらもわりと面白く観ています。

けっこうギャグっぽい感じもありますが、真面目に体操をしそうにも思われます。最終的にどっちに舵を切るんでしょうか?

作中の女子高生がたぶんPHSじゃないかと思われる電話を使っていたり、その電話で「ギャル文字」を使ったメールのやりとりをしてたりといったあたりは、2002年当時の世相を反映したものだと思います。(なお、城太郎はギャル文字を読めない模様…。)

そして、ビッグバードの知能レベルが謎…(笑)。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.12.22追記:
第11話(最終話)まで視聴終了。

基本的には一度は引退まで考えた主人公の新垣城太郎がもがきながら、城太郎に惹かれて来日したレオ、そして体操界の若手であり時代を背負って立つだろう南野鉄男に背中を見せるといった構図のストーリーです。

現実の世界では個人総合にこだわり続けた内村航平が種目別の鉄棒に活路を見出し現役続行を表明していたりしますが、結局のところ競技生活というのは誰かに言われてやめる物ではなく、自分がやめることに納得したときにやめる物ということなんでしょうね。

特に第一線で戦ってきた人々は、自分の思う通りのパフォーマンスが出ないからやめるという人もいれば「まだまだやれることはある」と思って現役を続行する人もいます。

競技は違いますがサッカーのカズ(三浦知良)選手なんて、いったいいつまで現役選手なんでしょうね。もうそのことがレジェンドという気がします。

作中描写では、競技が10点満点なのがちょっと懐かしい感じでした。ちなみに現在の体操競技は「満点」の天井がなく、技の何度や出来栄えで加点されていくと15点台が出たりします。

そういえば2週間ほど前でしたか、今年の全日本選手権もなかなか面白かったですよ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 39

67.1 12 2020年度の天才アニメランキング12位
いわかける!- Sport Climbing Girls -(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (218)
638人が棚に入れました
――「スポーツクライミング」。それは、頭脳と肉体を駆使し、己の身体一つで壁を登る競技。パズルゲームの天才・笠原好(かさはら・このみ)が偶然出会った、校内名物のクライミングウォール!まるで、色とりどりの「岩のパズル」のように見えた…そんな運命の出会いが、好の人生を一変させる!花宮女子高校クライミング部の仲間と共に頂点を目指して駆け上がれ…アツい本格クライミング・ストーリーが、今始まる!

声優・キャラクター
上坂すみれ、石川由依、鈴木愛奈、富田美憂、小松未可子、國立幸、植田千尋、御堂ダリア、Machico、田村ゆかり
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

クライミングをする女性たちの心を丁寧に描いた物語

この物語はスポーツクライミングに青春をかける女子高生たちの喜び・悩み・葛藤を描いた物語
主人公の笠原好(かさはらこのみ)だけでなく、ライバルや先輩たちの心を丁寧に描いています。


スポーツクライミングとは、制限時間内に壁を登るだけの一見単純そうに見えるマイナーな競技です。
ですが、これが結構奥深く、このアニメではそれを丁寧に説明しているため、いつの間にか私も興味を持ちました。思わずやってみたくなりました。

そして、この物語には多くの人物が登場します。
その中の一人、好(このみ)の先輩である杉浦野々華の悩みには思いっきり感情移入してしまいました。

どんなに努力したってできないものが世の中にはあります。
それは本人のせいでは決してないのですが、そのせいで敗北者になる悔しさは、悔しくて悔しくて…思わずこぶしを握り締めてしまいます。

また、ライバル校の部長の藤田真澄(ふじたますみ)やルーキーキラーの内村茜(うちむらあかね)の心模様は見ごたえがありました。

更に第十話は、感動しながら思わず笑ってしまいました。
{netabare}
「スピード」でタイムが短縮できない好は、うじうじと悩んで涙を流していました。それを見かねたライバルの大場久怜亜(おおば くれあ)が、思わず好の頬を叩きます。
そして告げるのです。
「なんてことをさせてくれたのです。私は人様を叩いたことなんてなくてよ。大事な指なのに傷がついたら大変ですわ」
{/netabare}
久怜亜は、好をライバルとしてずっと意識し続けており、泣き言をいう好を見たくなかったのです。好を元気づけたかったのです。
好は、久怜亜の真意を直ぐに理解して、頬を叩かれたにもかかわらず
「ごめんなさい」と言ってしまいます。初心に戻って頑張ろうと決意します。


どんな偉い人にだって悩みや挫折の経験はあります。
登場人物一人一人に感情移入して、そのときの心細さや泣きたいほどの悔しさを疑似体験してください。
そして、応援してくれる仲間がいることを知ったときの心強さ、ありがたさを感じてください。
さらには、目標を達成したときの喜びと爽快感を味わっていただければ…

あなたもきっと見て良かったと思うはずです。
第五話あたりからだんだん面白くなってきますよ(^_^)

最終話は、最高でした。私は6回以上も見直しました。
決勝戦で好が登るシーンでは、軽快なピアノのBGMと好の心理描写とが見事にFitしています。

好が自分の実力以上の力を出せたのは、きっと多くの人の思いを受け継いだため。みんなの応援のおかげだったのでしょう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 48
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

登ったとき気持ちいい mont-bell

原作未読

♪高ければ高い壁の方が♪

この後に続くことばを名実ともに実感するために頑張るおはなし 


いいと思うんですよ

良くいえば“相乗効果”悪くいえば“便乗”なんでしょうがこうやって狙いにいくことは経済活動や競技普及の観点で極めて正しい。もちろん延期になった東京五輪関連銘柄のことです。

 サービス加点

皆さんいかがでしょうか?
これまで知見の無かったマイナー競技やアクティヴィティを映像つきで説明を受けることで無理なく自身の知識が蓄えられていく喜び。雑談のネタは増えますよね。

 {netabare}内容の如何問わず完走することを決めてます{/netabare}

今期でいえば『体操ザムライ』もそんな好奇心をくすぐる作品のひとつ。振り返れば“釣り”“競技かるた”“アパレル”“筝曲”“レトロゲーム”“ボードゲーム”“筋トレ”“ショパンコンクール”“箱根駅伝”“体細胞”“ダイビング”“バドミントン”“ビーチバレー”“キャンプ”…知識の翼を広げてきたわけです。

本作の題材は『スポーツクライミング』
“壁のパズルを解く”という概念はアニメで指摘されて気づきを得た考え方です。
競技やってる人に「アレけっこう頭使うんでしょ?」と話を振れるスペックが身についただけで充分!と欲のない私です。


そんな前提で以下レビュー

 競技がどういうものなのかわかるか? ⇒ YES
 この競技ならでは心の動きがわかるか? ⇒ YES

高校入学してクライミングを始め、同じ学校の仲間と一緒に全国を目指す!みたいなお話です。
ついでに上記の“2つのYES”以外はわりと雑なので“個人的なサービス加点”がなかったら不満が溜まってたと思います。

粗を探すとキリがないとまでは言いませんが悪目立ちしてたのが以下

{netabare}・主人公が引きこもりだった設定。好きよねこれ
・経験者(じゅんちゃん)が未経験の入部検討者に突っかかる小者ぶり
・経験者(他校の皆さん)が執拗に新人つぶしに動く
・競技人口少ないとはいえ見事な成り上がりっぷり
・ライバルキャラの描かれ方。蜘蛛女とかちょっとファンタジーが過ぎやしませんか?
・「くるくるすー」は田村ゆかりだから許される{/netabare}

「こういうやりとりはないよね」「この展開は強引だよね」はあると思っといてください。上達のプロセスもぐちゃぐちゃしてた気がします。我々が目のいくところってこういうところだからしっかりしておいて欲しかったポイントでした。


【花宮高校スポーツクライミング部】
笠原好(CV上坂すみれ):1年。未経験の主人公。バレエ経験者で身体が柔らかいパズルゲームマスター
上原隼(CV石川由依):1年。ガチ経験者。クライミングにストイック。人付き合いが苦手な眼鏡っ子
四葉幸与(CV鈴木愛奈):2年。部長。超実力者なのときちんと部長している
杉浦野々華(CV富田美憂)2年。経験者。ムードメイカー。ちびっ子というハンデがあるのよ

これはこれでいいバランスでした。ライバルとなる他校生らが揃いも揃って残念な娘さんだったのもあって、主人公周辺のキャラ相関がまともだったのは救い。
競技の性格からして相手とのボディコンタクトなくひたすら自分と向き合うタイプのスポーツですから、ライバルのキャラ設定が適当でも致命傷とまではいかなかったのかもしれませんね。

マイナー競技をエンタメしきるまでには至らず。
それでも競技そのものと競技者の心の動きはわかる佳作でありました。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2020.12.23 初稿
2021.09.23 タイトル修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 47
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

マイナー競技×初心者(天才)女子高生枠(笑)

皆さんご指摘の通り、
1回目から・・・というより、
オープニングアニメーションが既に、
心配一杯な作画品質ですw

でもこのジャンル、と言っていいのか分からないけど、
マイナー競技系JK部活作品、
好きなんですよね~^ ^

お約束っぽいストーリー展開とか、
これまたお約束っぽいライバルキャラの配置とか、
普通に考えれば減点要素いっぱいなんですけど、
なんと言っても、競技自体がマイナーだから、
隠れた才能をもった子が突然出現して来ても、
「全然アリだよね!」って思えちゃうのが、
いいって思うんです。

きらら枠じゃないから、
男性向けのサービスカットが少ないかもって思うし、
そういう作画の方が観ていて嫌な気分にならないし。
(と言いつつ、けっこうクライミングシーンのウエアは、
 そういうのが好きな人向けに無駄にがんばってますけどww)
そもそも今期は、きらら枠では、王道っぽいJK集団同居生活作品がちゃんとあるから、
お好みの方はそっちに行っておけばいい訳でw


「いわかける!」は、
作画は凄く頑張っていたけど、キャラ全員の設定が病んでる独特の演出に辟易させられた「はねバド」みたいにはならないと思うし、
反対に作品の世界観が破綻?というか無視されて?というか、
どうでもいいやって感じで制作されてしまって、
女性キャラの色気というか身体の線の描写だけがウリの、サイドカーレースとか架空のボートレースとかオートバイ部活とかみたいな酷いことにはならないで、
しっかりと真面目な競技展開してくれそうだし・・・


「ちはやふる」みたいな傑作の誕生は望めないとしても、
「はるかなレシーブ」ぐらいのレベルになってくれるといいなーって、
そんな感じで、応援しています。


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

いよいよ次で最終回!
競技は盛り上がってます!
{netabare}部長が怪我のために出場できないこととか、
スピードに特化した新出現ライバルのこととか、
花宮高校にとってはいろいろな不安要素を織り込みながら、
ついに全国高校大会。

難点としては、最初の頃からでしたけど、
多くのキャラクターたちが、
変な髪型とかウサ耳カチューシャとか、
変なしゃべり方の人が多すぎるとか、
競技コスチュームが露出度多すぎだったり身体の線強調しすぎてたり胸の谷間アピール多すぎたりっていうのが、
ちょっと嫌かなって思いますけど。
その反面、きらら的お風呂サービスとか水着回とかは結局無しで、
合宿風景らしきサービス画像もエンドロールだけで本編には描かれなくて、
そのあたりの品位の保ち方にはひと安心ww

ストーリー展開では、
最初の頃は、「ボルダリング」にフォーカスしていたのが、
終盤に向けて、「スピード競技」に焦点当てているのが、
作画的にも動きがある分、面白くて、観ていて熱くなれます!{/netabare}

そして、ついに最終回をむかえました・・・
{netabare}結果は、予定調和的ではありますが、
個人成績では叶わなかったけど、
団体では見事、花宮高校女子クライミング部優勝パチパチパチパチ
ボルダリング→スピード→と来て、最後の締めが「リード競技」だったの、
すごく効いていたと思います。
コノミの最後のトライで、最後のポイントへ向けて集中するシーン、
マイクに超接近での上坂さんの息遣いだけの演技、
25秒も使うんですけど、
胸が痛くなりました!{/netabare}
なんか、競技系アニメの醍醐味が詰まっていて、
最高に気持ちよかったって思います!!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 38

61.1 13 2020年度の天才アニメランキング13位
恋とプロデューサー~EVOL×LOVE~(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (53)
150人が棚に入れました
亡き父の跡を継いだわたしは、小さな映像会社「キセキエンタテイメント」の社長兼プロデューサーとして、TV番組『奇跡発見!』を盛り上げようと日々奮闘していた。そんなわたしの前に現れたのは立場も性格も違う4人の『Evolver(超進化人類)』。天才科学者として知られるシモン。人気絶頂のアイドルであるキラ。警官としてEvolver犯罪対策局に勤めるハク。そして、わたしの会社の出資者であるファーレイグループCEOのゼン。彼らEvolverと出会うことで、わたしは父の死の真実と、自分が失った記憶、そしてその裏に潜む巨大な陰謀へと巻き込まれていくことになる。わたしと彼らが全力で走り続けた先にたどり着く真実とは…。

声優・キャラクター
杉田智和、柿原徹也、平川大輔、小野友樹

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

プロデューサーって、そっちなの? キャスト一覧で主人公が「わたし」の表記は斬新(笑)!

第1話を観ました。とりあえずいわゆる「乙女ゲーム」原作のアニメのようです。評価は一応保留にしていますが、作画や声優に関してはけっこう好印象でした。

特に予備知識なしに視聴したのですが、どうやらストーリー的にはタイトルからは想像しにくい「異能バトル」的な物が予定されているようです。

女性主人公が仕事の過程で男性キャラクターたちとの関係を深め、かつストーリー進行にバトル要素を伴うという意味では『ニル・アドミラリの天秤』とかが類似作になるんでしょうか。「ニル・アド」の舞台は大正時代で、こちらは現代ですけれども。

タイトルの「プロデューサー」ですが、ゲームやアニメにありがちな芸能プロダクションにおけるそれではなく、主人公の仕事は「テレビ番組制作会社の制作プロデューサー」ということのようで、この設定は少しばかり目新しいかもしれません。

作中で「社長」と役職名で呼ばれたり、「君」、「お前」、「あなた」といった呼ばれ方で固有名詞で呼ばれない主人公ですが、アニメ公式ページを見るとキャスト一覧には「わたし:金元寿子」とあるので、なんと人名自体が公式に設定されていないようです。アニメなので主人公に声を付けないわけにはいかずキャスティングされたということでしょう。

第1話によれば「わたし」は大学在学中に父を亡くし、若くして弱小番組制作会社の社長を引き継いでいるようです。

作中では異能を持つものは「Evolver(イボルバー)」と呼ばれます。原作ゲームのシステムでは、番組制作会社の社長として社の業績自体を上げないといけないようですが、アニメでも会社経営自体の問題と「Evolver」を巡る事件での両輪でストーリーが進むようです。

特に放送前からマークはしていませんでしたが、少なくとも第1話を観た限りでは意外と面白かったので、しばらく視聴を継続してみるつもりです。
==

最終話まで無事完走。そんなに期待しないで観ていましたが、けっこう面白かったです。真面目にツッコもうとするといろいろアラは出てくるんでしょうが、そういういじめはしたくなくなる良さはありました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 19

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

特殊能力者バトル

原作未プレイ 全12話

恋愛シュミレーションゲームが原作の作品のようなのでタイトルから、番組か何かのプロデューサー(男)とタレント(女)が恋に落ちるふわふわしたお話かと思いましたが、全然違いましたねw

EVOL(イボル)という遺伝子をを持つ特殊能力者のイケメンたち4人のEVOLVER(イボルバー)と映像会社のプロデューサーで主人公の「わたし」が、全人類をEVOLVERとして進化させる組織「BLACK SWAN」(ブラックスワン)との対決を描く作品です。

主人公に名前がないのもゲームらしいですね。

4人のイケメン同士に繋がりはなく、主人公の「わたし」と一対一というシーンばかりです。

ブラックスワン(ネーミングが凄いwですが)との対決がメインで、タイトルに恋とついていますが、守ってあげたいぐらいの感じであまり進んでいないですね。

キャラやバトルシーンなどの作画は綺麗でした。

一区切りというところで終わりましたが、続きを思わせるような終わり方だったので、それぞれ頑張っていますって感じでしたね。

良くもなく悪くものない、何となく観たような作品でした。

OPは三浦祐太朗さん、EDは鈴木このみさんが歌っています。

最後に、EVOLと聞くと乾電池を思い出しますね〜 それはエボルタですw

投稿 : 2024/04/13
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

その運命に、抗え…

この作品の原作は、中国発のゲームだったみたいですね。
全世界合計で、9000万ダウンロードを超えているとか…
原作は中国発のゲームでも、今回のアニメ化はオール日本だったようです。
アニメーション制作はMAPPAさん…
2020年に入り、毎期2作品ずつ制作しています。
相当体力のある会社なんでしょうね。


「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」~赤の女王仮説~

亡き父の跡を継いだわたしは、小さな映像会社「キセキエンタテイメント」の社長兼
プロデューサーとして、TV番組『奇跡発見!』を盛り上げようと日々奮闘していた。

そんなわたしの前に現れたのは立場も性格も違う4人の『Evolver(超進化人類)』。
天才科学者として知られるシモン。
人気絶頂のアイドルであるキラ。
警官としてEvolver犯罪対策局に勤めるハク。
そして、わたしの会社の出資者であるファーレイグループCEOのゼン。

彼らEvolverと出会うことで、わたしは父の死の真実と、自分が失った記憶、
そしてその裏に潜む巨大な陰謀へと巻き込まれていくことになる。
わたしと彼らが全力で走り続けた先にたどり着く真実とは…。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

原作は、女性を対象とした恋愛シミュレーションゲームですが、今回完走できた最大の原動力は、主人公である「わたし」のCVがひーちゃんだったから…
それに、キャラデザが綺麗で作画が崩れなかったのも加点ポイントでした。

最初は興味が先行していたと思います。
タイトルに起用されている「EVOL」は、「アクエリオンEVOL」を彷彿させてくれました。
だから、「まさか、合体するんじゃ…?」などとも考えてしまいましたよ^^;
蓋を開けたら全然作風が違いましたけれど…

公式HPで気になったことが1点あります。
「わたし」と、わたしを取り巻く4人のイケメン以外の登場人物に全くスポットが当たっていないことです。
物語を動かす鍵という立ち位置ではありませんでしたが、物語を作っていたのはその5人だけじゃなかったので…

例えば、キセキエンタテイメントに勤めているユイ役は古賀葵さん、アンナ役はサトリナなんです。
それに本渡さんや福圓の名前だってクレジットに載っているんです。
それなのに、どこにも名前が掲載されていないのは違うんじゃないかと思ったので、ここで掲載させて頂きます。

一方、物語の方はEVOLという超能力のような特殊能力持ちが様々な事件を巻き起こしていくので超展開の連続ですが、声優さんが良いとスルリと視聴できてしまうから不思議です。
個人的にはずっとひーちゃんを追いかけながら視聴していた気がします。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、三浦祐太朗さんの「鈍色の夜明け」
エンディングテーマは、恋とプロデューサー featuring Konomi Suzukiさんの「舞い降りてきた雪」
鈴木このみさん、2020年夏アニメでは3作品の楽曲を担当されていました。
今期も大活躍ですね♪

1クール全12話の物語でした。
1クールの尺の中で綺麗に纏まった作品だとは思いました。
でも、最後に気になるシーンが入っていたんですよね…
あの「ニヤリ…」の正体は何だったんでしょう?
もしかして2期の布石…!?
総じて楽しめたので、結果オーライというところでしょうか。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 7

66.7 14 2020年度の天才アニメランキング14位
秘密結社 鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (34)
90人が棚に入れました
元祖クソアニメにして新感覚ピカレスク・ギャグ・ロマン、ウィズコロナ仕様で堂々復活!悪の秘密結社『鷹の爪団」は、たった一言で人間を意のままに操れる太古の呪文“ゴールデン・スペル"を蘇らせることに成功する。「これさえあれば、念願の世界征服もステイホームしながら簡単にできる!」と、はりきって“便意スペル"など様々な効果のゴールデン・スペルを開発するが、何者かによって“スペル"を開発プログラムもろとも全て盗まれてしまった!“ゴールデン・スペル"が悪意ある者の手に渡れば、世界は大変なことになる。盗まれた“スペル"を取り戻すため、調査を開始する鷹の爪団。しかし徐々に巨大な陰謀に巻き込まれていき…守れ!世界とソーシャルディスタンス!

声優・キャラクター
中田譲治、FROGMAN

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界征服企んでいるのに応援される秘密結社

 毎度おなじみ、鷹の爪団のアニメです。

 個性的なキャラだけど、キャラそのままで口は動くけど、動作がかなり少なく、言葉の多さ特徴です。
 言葉で人間を支配するスペルにおける悪用を食い止めるために、立ち向かう鷹の爪団のお話です。

 鷹の爪団主演の途中CMが面白いです。
 また、人気声優の演じる敵味方キャラも個性的で、お話にアクセントがあったです。
 話すこと、やることなすこと面白いです。

 EDも人の演奏を面白く撮影して、曲とマッチしすぎてたです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 4

pikotan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

コラボCMが面白い

本編も面白かったのですが、毎回流れる日清食品とのコラボCMの方がより面白かったかもしれないですね。
特に最終話で行われた日清食品の宣伝部長や声優の中田譲治さんらが出演した生CMは、日清ラ王を食べたくなるゴールデンスペルとして中田さんらがスタジオで日清ラ王をすするのですが、あの音を聞いたら堪らずコンビニに走った人もいたことでしょう。
最終回に強力なゴールデンスペルが発動されたと思ったら翌週に外伝が放送され、アニメ後半で全く出番の無かったデラックスファイターが鷹の爪団を逆恨みしてアジトに文句を言いに来たところ、なぜか全てのCMを一緒に観るという流れに。
今回もすべり気味のギャグと吉田君のメタ発言や毒舌の数々を楽しませてもらいましたが、観終わって感じることはCMの印象の方が強いということ。
個人的には日清食品さんとのコラボCMは大成功だったと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 2
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