2015年度の小説原作おすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2015年度の小説原作成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月25日の時点で一番の2015年度の小説原作おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.1 1 2015年度の小説原作アニメランキング1位
響け! ユーフォニアム(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3118)
13843人が棚に入れました
高校1年生の春。
中学時代に吹奏楽部だった黄前久美子は、クラスメイトの加藤葉月、川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行く。
そこで久美子は、かつての同級生・高坂麗奈の姿を見かける。
葉月と緑輝は吹奏楽部への入部をきめたようだったが、まだ踏み切れない久美子。
思い出すのは、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈との出来事だった。

吹奏楽部での活動を通して見つけていく、かけがえのないものたち。
これは、本気でぶつかる少女たちの、青春の物語。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、寿美菜子、早見沙織、茅原実里、石谷春貴、津田健次郎、小堀幸、藤村鼓乃美、山岡ゆり、日笠陽子、沼倉愛美、久川綾、櫻井孝宏
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Come on!Join us‼︎ & Bravo‼︎(余談3追記)

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原作 - 武田綾乃
監督 - 石原立也
シリーズ構成・脚本 - 花田十輝
キャラクターデザイン - 池田晶子
シリーズ演出 - 山田尚子
美術監督 - 篠原睦雄
色彩設定 - 竹田明代
楽器設定 - 高橋博行
撮影監督 - 高尾一也
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 松田彬人
音楽制作協力 - 洗足学園音楽大学
演奏協力 - フレッシュマン・ウインド・アンサンブル
音楽監修 - 大和田雅洋
アニメーション制作 - 京都アニメーション
製作 - 「響け!」製作委員会
放送期間 - 2015年4月 - 6月
話数 - 全13話

(以上Wikipediaより引用)

♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚♫彡。.:・¤゚♫


京都アニメーションの新作「響け!ユーフォニアム」

京都アニメーションならではの美しくて繊細な作画と
その中で生き生きと動くキャラクター達。
吹奏楽の魅力溢れる楽器の質感と演奏描写。
ホール特有の臨場感と緊張感。
そして合奏で生まれるダイナミックな高揚感。

アニメ視聴歴の短い私がこの様な事を言うのは大変おこが
ましいのですが、長年に亘って培ってきた京都アニメーシ
ョンの技術がいかんなく発揮されている印象を受けました。

京都アニメーション製作と聞きますと必然とでも言うの
でしょうかやっぱりその作画力に注目しちゃいます。
何気ない街の信号機の押しボタン、音楽室の備品らしい
楽器の傷や黄昏時の公園の背景、夕日や水銀灯が反射し
キラキラと輝く水面。演奏する時の息遣いや指の動き。
何秒も映らないシーンに対してのこだわりと言うので
しょうか、本当に細やかな描画が凄いと思います。
そしてその様な素晴らしい背景の中でそれぞれのキャラ達
が豊かな表情で丁寧に動いています。

私、京都アニメーションの横顔の描き方、けいおんやたま
ラブのレビューでも書かせて頂きましたが大好きなんです。
額から鼻そして唇、顎のライン、つい吸い込まれる様な瞳の
美しさにこの作品でも心を奪われました。
第1話から制作サイドのこれでもかと言わんばかりの熱意が
伝わってくる作画。
まるで映画かと勘違いしてしまうくらいのレベルを維持
しつつ圧巻の最終話までいきます。
凄いです!
ここまで作画に関して書かせて頂きましたが、是非その
目で実際に堪能して下さい。

次にストーリーなのですがお話としては、とある高校の
吹奏楽部の成長物語をヒューマンドラマを交えながら
描いた、ある意味では部活物の王道的なお話です。
しかし高校生ならではの憂い、葛藤、喜び、そして少し
ばかりの恋心を吹奏楽部の成長と共に全く手抜きの無い
リアルな描写で描ききってます。
そのリアルさに何度も心が震え、学生時代の楽しくて熱く
て切ない記憶が蘇りました。
特に吹奏楽部に対しての描き方は吹部在籍者もしくは
経験者も納得の内容だと思います。
そして1クールという短い時間の中でも出来るだけの楽器
の紹介や演奏、お手入れの仕方、吹部内のパート・編成の
説明、全国コンクールまでの仕組みなどの解説もあります
ので吹奏楽未経験の方でも凄く楽しめるかなと思います。
アイキャッチで毎回違う楽器が登場するので、
あっ、これなんだろ?
って興味を持つのも楽しいかもしれませんね。
尺の都合上十分ではないかもしれませんが吹奏楽未経験者
の方でも楽しめる様な配慮がなされている点が凄く嬉しい
です。

どうしても吹部というのは女子率が高いのでキャッキャ
ウフフ、はたまた女子特有のギスギスした関係等想像
するかと思われますが、体育会系並みの練習のキツさや
辛さ、顧問の先生または部員同士の確執、そして音を奏で
る喜びや音楽を通して築かれていく信頼関係や友情等も描
かれていますので学生時代に何か部活に打ち込まれた
方など特に共感出来る部分も多いのではないでしょうか。

アニメのタイプには非現実的でリアルではありえない事を
私達に擬似体験させてくれる楽しさと現実的でリアルで
あり得る事を共感しながら楽しませてくれる作品がある
と思います。
しかしどちらも同じアニメの醍醐味。
この作品は後者の良さが詰まった素敵なシンフォニーです。
少しばかり女の子同士のファンタジーもありますけれど。

胸を熱くさせるセリフの1つ1つ。
葛藤、友情、愛情、情熱のこもったストーリーを盛り上げ
る声優さんの演技もまた素敵です。
メインキャラを務める声優さんは私的に余り存じ上げ無い
方が多かったのですがその周りを固めるベテラン(年齢は
若いですが実力派の方を含め)の声優さんの演技が光って
ます。
エンドロールでおおっ!この人出てたんだ!ってなるのも
楽しみです。

そんな作画、ストーリー、声優陣のバランスのとれた
作品を盛り上げてくれるのが
OPの「DREAM SOLISTER」、EDの「トゥッティ!」
どちらもブラスバンドを取り入れていて、この作品の楽し
さと音楽を奏でる、みんなで合奏する楽しさが凄く伝わる
素敵な曲だと思います。

特に最終話のEDは…これは内緒ですね。是非!

最近視聴したアニメの中で最初から終盤までここまでの
期待感と緊張感を維持したまま視聴したアニメはなかなか
ありません。
ストーリー的な面白さもありますが、人間関係、心情、
音の対比の表現が素晴らしいと思います。

ボキャブラリーの少ない私には多くは語れません。
是非視聴して下さい。
そして感じて下さい。

とここまでなるべくネタばれ無しで感想を述べてみました
けれど、

上手く伝わるかなぁ…ちょっと不安。

でも、私自身初の5点満点の作品となりました

「響け!ユーフォニアム」

音楽とは聴く者の心を打ち震わせ、繋ぎとめる
世界共通の言語。

しっかりと心に響きました。ガチです!


【主要登場人物・出演者】

黄前久美子 - (CV:黒沢ともよ)
加藤葉月 - (CV:朝井彩加)
川島緑輝 - (CV:豊田萌絵)
高坂麗奈 - (CV:安済知佳)
田中あすか - (CV:寿美菜子)
小笠原晴香 - (CV:早見沙織)
中世古香織 - (CV:茅原実里)
塚本秀一 - (CV:石谷春貴)
後藤卓也 - (CV:津田健次郎)
長瀬梨子 - (CV:小堀幸)
中川夏紀 - (CV:藤村鼓乃美)
吉川優子 - (CV:山岡ゆり)
斎藤 葵 - (CV:日笠陽子)
黄前麻美子 - (CV:沼倉愛美)
松本美知恵 - (CV:久川綾)
滝 昇 - (CV:櫻井孝宏)


【主題歌】

オープニングテーマ
「DREAM SOLISTER」(第2話 - 第12話)
作詞 - 唐沢美帆 / 作曲・編曲 - 加藤裕介 / 歌 - TRUE

エンディングテーマ
「トゥッティ!」(第1話 - 第7話、第9話 - 第12話)
作詞・作曲 - ZAQ / 編曲 - 高田暁 / 歌 - 北宇治カルテット
[黄前久美子(黒沢ともよ)、加藤葉月(朝井彩加)、
川島緑輝(豊田萌絵)、高坂麗奈(安済知佳)]

メモリアルエンディングテーマ
{netabare}
「DREAM SOLISTER (Wind Orchestra Ver.)」
(第13話)
作曲- 加藤裕介 / 編曲 - 松田彬人
{/netabare}


【mio's café】
ここからはネタばれの感想となりますので未視聴の方は…
出来ればご遠慮ください。
それでもという方は…Come on!Join us‼︎

{netabare}
良かった、本当に良かったです。
最初はヒロインらしからぬどこかクールでちょっと
ネガティヴな主人公:黄前久美子ちゃんにこの子この先
どうなるんだろうって不安だったけど、見事に変わって
くれましたね。
周りに良き友人、先輩、先生に囲まれて葛藤しながらも
成長し、本当の自分の気持ちに気付いていく様は見事でし
た。
CV:黒沢ともよさんの演技も普段のクールでグタグタな
低音ボイスから気持ちが高揚した時のちょっと上擦った
感じの声まで凄くメリハリがあって素敵でした。
本当にリアルな女子高生らしさが出ていたと思います。

そんな久美子を序盤で支えたのが超ポジティブ思考の2人
のお友達。
加藤葉月ちゃんと川島緑輝(サファイア)ちゃんでした。
でもこの2人のポジティブさ微妙に違うんですよね。
そのあたりの細かい使い分けも凄く上手だったと思います。
葉月ちゃん演じるCV:朝井彩加さん、
緑ちゃん演じるCV:豊田萌絵さん。
多分初めて名前を見る方だったのですが凄くキャラの魅力
を引き出していて良かったと思います。

久美子と最初にお友達になった加藤葉月ちゃん。
序盤のチューバとの馴れ初めは笑っちゃいました。
こうだと決めたら突進するポジティブ要素の他に以外と
感受性が高くナイーブな感じ。
感動しやすく、お友達の為なら頑張れる女の子。
8話告白シーンでの後ろからのカメラアングルで瞬きする
所、橋の上での緑ちゃんと再開して涙が溢れ出すシーン。
切なかったですね。
逆に9話でヘコむ緑ちゃんを励ます姿が愛おしかったです。

そして川島緑輝ちゃん。
「命かけてます!」
「その言葉待ってました!」
なんと前向きなキャラなんでしょう。
あのちっちゃい体でコンバスってのも良いですね。
後ろは振り向かない前進あるのみの超ポジティブ思考。
事あるたびに久美子にハッパかけてくれます。
そんな緑ちゃんでもさすがに9話ではへこんじゃってちょっ
と心配しちゃった。
8話でのいきなり登場した妹の琥珀ちゃん。
「こりゃ、ヤバいね〜」
葉月ちゃんの言葉そのもの。かなりヤバかったです。

緑ちゃんが背中を押して葉月ちゃんがさりげなくフォロー
する。
タイプの違うポジティブキャラの魅せ方がとても印象に
残ります。

そんな2人に割って入るかの様に久美子の心を虜にした
高坂麗奈ちゃん(CV:安済知佳さん)。
凄いですね。
私の中で「高坂麗奈」という「戦場ヶ原ひたぎ様」に
勝るとも劣らないキャラが誕生しました。
第1話でのあの涙。
凄くわかるんです、あのダメ金の悔しさ。
吹奏楽は一人じゃないからこその悔しさ。
皆んなが1つにならなきゃ取れない代表の座、
だけど一つになっても取れない代表の座。
嬉しさも倍なら悔しさも倍だから…
麗奈の気持ち凄くわかるんです。
リアルですね。
(私が現役の時はダメ金という言葉が凄く嫌いでした。
あの評価方法自体今思い出しても酷だと思います。)

私がこの作品を見始めて凄く興味があったのが、いかに
して金に届くまでの吹部に育っていくのかという事と
第1話で訪れた久美子と麗奈の関係がいかに変わっていく
のかという事でした。
第5話が吹部としての大きなきな転換点、そして第8話が
久美子と麗奈の関係の大きな転換点だったと思います。
作画の美麗さに音楽が優しく重なり、私までなんだか
幻想的な夏の夜の夢を見ているようでした。
背後の夜景が透けて見える白いワンピース。
久美子の顔をなぞる麗奈の白くて細い指先。
「特別になる…」
ユーフォニアムとトランペットでの2重奏。
その曲名も

「愛を見つけた場所」…

背景、音楽、キャラのあまりの美しくしさに背筋が
ゾクゾク。
最後のEDまでドキドキしてました。
近年の京都アニメーションの中でも突出した出来だと
思います。
負い目を感じて後ろ向きだった久美子が麗奈の強くて
真っ直ぐな気持ちの虜になった第8話。
好きな人の為なら全てを敵に回しても構わないという覚悟
の第11話。
この2話に共通していた事が好きな人の為なら死をも厭わな
いという気持ち。
高校生にはちょっとオーバーとか百合展開とか思われる方
もいらっしゃるかと思いますが、私にはそう感じませんで
した。
憧れや人を尊び好きになる気持ちは男女の壁を越えたそう
いう物だから。
人生にそう何度もない出会いが高校生の久美子に訪れた
だけだと思います。

そして麗奈と同じ目線に立てた第12話への大きな導火線
だったと。

「悔しい…悔しくて、死にそう…」

第1話での麗奈と同じ言葉を発した久美子のシーンには
見ているこっちまで心が張り裂けそうでした。
自然と涙が溢れました。
久美子が駆け出すシーンからの作画は圧巻です。
この12話での作画に関してちょっと興味深いツイートが
ありましたので。
以前京都アニメーションでアニメーターとして活躍してま
した斎藤敦史さん(現在はフリーとしてSAO、アルドノア・
ゼロ、ガリレイドンナ等のメインアニメーターとして活躍
中)のツイートなんですが、ちょっと引用させて頂きます。

「ユーフォニアム12話、ちょろっとだけ観たけど
どうやったらこんなクオリティになるのか意味が
分からない。無理〜。
演出がどのぐらい手を入れてたのか気になる。」

凄いですね、プロで同業者しかも元京アニの方が見ても
この感想です。

やはり京都アニメーション、凄いです。

メインキャラとモブ的なキャラの区別がつかないくらい
それぞれのキャラが魅力を発揮するのも京都アニメーショ
ンの作品の特徴の一つ。
今回も沢山の魅力的なキャラがいましたね。
当初から私が注目していたのが
低音パートリーダー田中あすか先輩(CV:寿美菜子さん)
新任顧問の滝昇先生(CV:櫻井孝宏さん)
の2人でした。

最初はあすか先輩の弾けたキャラに魅了され(寿美菜子さん
の演技もまたぴったりです)ていたのですが、お話が進むに
つれて見え隠れする過去と影。
リーダーとしての資質を持ちながらみんなとは一線を画す
あすか先輩の本心というのがとても気になりました。

新任顧問として赴任してきた滝昇先生。
私的にはもう何と言っても櫻井孝宏さんの演技が大好きです。
櫻井さんの顔が滝先生になるくらい素敵でした。
クールで優しい仕草で語りかける言葉の中にある熱い
情熱。
時には残酷ともとれる指導方法をとりますが、大事な所
での言葉はさすがです。

色んな言葉がありましたが最終話でのチューニングルーム
からみんなを送り出す時の言葉は最高でした。

「では皆さん行きましょう、全国に」

これで頑張れないわけがありません。
演奏始まる前から私のアドレナリンが噴出しちゃいました。
吹奏楽に対する情熱と生徒への信頼が感じられる素敵な
先生です。
あんまり言うと麗奈に怒られますね。

でも最終話が終わってもあすか先輩と滝先生2人の中にある
過去というか事情みたいなのが一番引っかかりました。
2期あれば明らかになるといいな。

中世古香織先輩(CV:茅原実里さん)は何と言っても10.11
話での再オーディションのお話が胸に残りましたね。
周りをそして自分を納得させ気持ちよくコンクールに向か
えるように敢えての再オーディション。
最終話での麗奈のソロパートを聴くマリア様のような表情
が全てを物語っていました。

小笠原晴香先輩(CV:早見沙織さん)もいろんな葛藤があり
ましたけれど、お話が進むにつれての成長がとても良かった
です。早見沙織さんの独特の鼻にかかったような声が私的に
は高ポイントでした。

一人一人あげていくと大変なレビューになりそうなので
最後にこの人だけはというキャラを。
中川夏紀先輩(CV:藤村鼓乃美さん)です。
私的に最大のダークホースって言い方はおかしいかもしれ
ないけれど、お話が進むにつれて一番魅力的になりました。
ポニテ先輩最強です!
最初の頃はこの先輩なんだかなぁ〜って感じだったんです
けれど、自身の過去の辛い思い出や久美子のトラウマを
取り払い、再オーディションの時も関係修復の為に影で
支えていましたね。
優子ちゃんとの微妙な関係も凄く好きです。
屈託のない笑顔でコンクールに出場するみんなを支える
姿に癒されました。
最終話では感動する葉月ちゃんの肩にそっと手を回す
シーンに思わず涙。
やっぱポニテ先輩最強!そういえば最終話はポニテ祭りで
したね。
私も翌日、久しぶりにポニテしちゃいました。
影響されやすいタイプなので…

もうキャラ紹介だけのなんだかなレビューになっちゃい
そうですけど、それだけ魅力に溢れたキャラがいる作品
という事かな。

最初から最後まで右肩上がりで楽しめた当作品。
中でも特に好きだったのは第5話、第8話、第11話、
第12話、第13話でした。

私の視聴したアニメの最高評価は4.9というのが何作品か
あるのですがあと0.1点というのが今までの壁でした。
凄く面白かった、感動した、泣いたそれでも充分なんです
がこの作品を視聴してその0.1というのがわかりました。

「心が震える」

これが0.1点の答えでした。

最終話でこの答えが出るかどうか、緊張のスタートです。

コンクール当日の朝、いきなり画面から伝わる緊張感。
目覚ましより早く起きてる久美子がまずリアル過ぎま
した。
静かな朝だからこピリピリ張り詰めた空気感という
のが伝わります。
そしてお姉ちゃんとの微妙な感じ…
そんな空気を麗奈との肘の小突きあいで飛んでけぇ〜って
麗奈も緊張してるんでしょうね、ついほっこりほぐしてく
れました。
現在の私のアドレナリン充填率70%

淡々と準備が進みみんなの表情もどこか硬い…
そんな緊張をほぐすかのようにチーム「もなか」からの
プレゼント。
サブメンバーの屈託のない笑顔に癒されます。
またもやほっこり。
小笠原部長とあすか先輩の掛け声でいざ出陣!
それにしても滝先生のタキシード姿、滝シードでした。
かっこいい♡
私のアドレナリン充填率80%

会場に到着してますます高まる緊張感。
もう私までリアルで見ているかのような気持ちの高まり。
あのホール独特の匂いまで再生されました。

館内で流れるアナウンス、チューニングルームでの音合わ
せであたふたする様子、音に共鳴するペットボトルの水。
凄くリアル。
現在、私のアドレナリンの充填率90%

招集がかかりいよいよです。
そして滝先生の言葉

「では皆さん行きましょう、全国に」

先生と生徒の気持ちが一つになった瞬間でした。
私のアドレナリン充填率100% 一気に噴出…
心が震えました。
そうです、最後の0.1点がきたんです。
しかしこれは序章、「心の震え」第1波です。

緊張の演奏開始。もう合奏を楽しむよりも祈るような
気持ちです。
ライトに反射する細かいダスト。
引きと寄りのカメラワーク。
みんなの気持ちのこもった表情。
「全国に行くんだ」
セリフと共に映し出される久美子の表情。
獲物を狙う野獣のような表情に「心の震え」第2波が
来ました。
凄い、この子達…

譜面に書かれたメッセージ、
「絶対金賞‼︎来年一緒に吹くぞ‼︎」中川
「絶対絶対ゼッタイぜったい‼︎全国‼︎」加藤はづき
「久美子ちゃん。次は火星まで手を伸ばしましょう!
行きますよ‼︎」みどり
「全国、行こうね」麗奈
胸が熱くなります。

いよいよ麗奈のソロパート。あの伸びやかな演奏の始まり
私も緊張MAX…
でもその演奏を聴く香織先輩の表情に「心の震え」第3波が
来ました。
色々あったけど今彼女達は演奏を楽しんでるんだ。
充実しているんだ、良かった…

演奏も終盤、みんなの演奏にも力が入ります。
滝先生も渾身の指揮。
フィニッシュ。涙が溢れました…
みんな凄く良かった、本当に…

いよいよ各賞の発表。
この緊張感、凄いです。
湧き上がる歓声と悲鳴、凄いどこまでリアルなんでしょう
みんなの表情に「心の震え」第4波。

最大の関門、代表校発表。
そうですね、言葉は入りません。表情だけで充分です。
素敵な演出に「心の震え」第5波。

もう私、鼻水まで出てきちゃいました…
どうしてくれるんでしょうか…

言葉では言い尽くせない、感じて欲しい作品です。
素敵な演奏、素敵なドラマを見せてくれてありがとう。
彼女達と京都アニメーションに感謝しています。

最後の集合写真、
屈託のない笑顔の滝先生が印象的でした。

あっ最後に一つだけ、立派な音響設備があれば別ですが
最終話だけはヘッドホンかイヤホンで視聴して欲しいです。
是非‼︎



〜凄く余談〜吹奏楽コンクール〜
{netabare}
この作品を通じて吹奏楽に興味を持たれた方がいましたら
是非、近くの地区大会、支部大会等のコンクールに足を
運んで欲しいです。
7,8月に都道府県、8,9月に支部(関西、九州とか)、11月に
全国というスケジュールで毎年行われます。
日にちをずらして小、中、高、大、般という様にだいたい
行われますが、高校生以上の金を狙う方々の演奏の迫力や
美しさたるもの凄まじいものがあります。

そんな中で私が凄く思うのが小学生の部の演奏を聴いて
欲しい事です。
まだ吹奏楽を生で聴いた事が無いという方がいらっしゃい
ましたら、是非近くのホールに騙されたと思って足を運ん
で欲しいです。
小学生と侮る事なかれ、今の子供達のレベル凄いです。
どんなに小編成のバンドでも心に響くものがあります。
子供達の演奏する圧倒的な音楽を体で感じて欲しいです。
是非!

凄く余談でごめんなさい。
{/netabare}

〜凄く余談2〜リアルユーフォ二アム〜
{netabare}
ご存知の方も多いかと思いますが、昨年吹奏楽界に激震が
走りました。
何が激震なのかというと九州吹奏楽コンクールで長崎代表
の活水中・高等学校が全国コンクールの切符を手にしたん
です。
いゃ〜おめでたいではないですかぁ。
そうなんです。おめでたいんです。

ってそこではなくて、何が凄いかと言いますと、
この活水中・高等学校は九州ではほぼ無名、長崎県大会で
も好成績を残した実績も無く一昨年まで部員不足でコンク
ール出場すらままならない学校だったんです。

そんな学校に昨年の4月に革命が起きました。

九州を代表する吹奏楽の超名門校「精華女子高等学校」
を35年間指導されてきた藤重佳久先生が精華女子高等学校
の定年退職を期に長崎・活水学院の教授に就任。
大学での音楽講義、中・高等学校、大学の吹奏楽部の音楽
監督を兼任する事になりました。

音楽特に吹奏楽は指導者で大きく変わると言います。
私も実際にその様な学校はこれまで幾つも見てきています。

「わかりやすく楽しく、目標を共有する」という指導論を
軸に1980年頃からの創部間もない精華女子を指導し全日本
吹奏楽コンクールには過去19回出場、平成26年には8回
連続・通算10回目の金賞を獲得。マーチングに至っては出
場した15回全てにおいて金賞というまさに吹奏楽界のレジ
ェンド。

就任5カ月での全国出場。
地区大会1回戦負けの常連校がまさかの甲子園という感じで
しょうか?
もちろんこの5カ月の間色々な意識改革、厳しい練習があっ
たと思います。先生を慕って転校してきたり入学して来た
生徒もいるかもしれません。
私立の学校なので施設や楽器にお金をかけたかもしれませ
ん。

でも楽器がいいから、設備がいいから、いい生徒が集まる
からでいい音楽は奏でられないのが吹奏楽なんです。

無名の学校を短期間にここまで成長させハーモニーを作り
上げるのは並大抵の事では無いと思います。
これから毎年藤重先生の指導を受けたいという生徒が全国
から活水学院に殺到するかもしれませんね。

昨年の全日本吹奏楽コンクールは銅賞でしたが、精華女子
高等学校で一つの音楽を作り上げ、活水中・高等学校でまた
新たなる音楽を作り上げようとする藤重先生。

いつか九州吹奏楽コンクール鹿児島開催の時、新しい藤重
先生の音楽聴いてみたいです。
これから楽しみがです♬
{/netabare}

〜凄く余談3〜劇場版公開前に7回目の視聴〜
{netabare}
うん!
何回見てもこんなに心が熱くなれる作品、
やっぱりユーフォです。
何でだろう…
「DREAM SOLISTER」を聴いてるだけで胸が熱くなり
涙が溢れてくる…

やっぱり私にとっては最高の出逢い。

何回見ても感謝の言葉しかありません。

原作・武田綾乃さん、制作・京都アニメーションさん、
「響け!」製作委員会の方々。
制作に関わった数多くのスタッフ、キャストの皆さん。

劇場でまた北宇治吹部のみんなに逢えるのが楽しみです。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 199
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

青春アニメの完成形に立ち会う、という《高揚感》 

去年春に劇場公開された『たまこラブストーリー』は、約75分という上映時間のどのシーンにも無駄がなく、登場キャラの心情推移が素晴らしく説得力に富んでいるように私には見えたので、個人的な総合評価を4.9としましたが、本作では恐ろしいことに、それが1クール(13話)作品に更にスケールアップして実現されてしまったように感じました(本作の総合評価を、同じく4.9とした理由)。
以下のレビューは、聊(いささ)か冗長になってしまいますが、私の本作に対する《愛の告白》と思ってご容赦ください。


◆これは 《愛の告白》 - by 麗奈(第8話)& by 久美子(第11話)

{netabare}前記の『たまこラブストーリー』では、鴨川デルタの飛び石が告白の舞台となりましたが、本作では、同じ京都府の宇治市街を見下ろす大吉山展望台が、やはり印象的な告白の舞台となりました。

{netabare} 「私、特別になりたいの。ほかの奴らと、同じになりたくない。だから私はトランペットをやってる。特別になるために。」
 - 吸い込まれそうだった。私は、今このときなら、命を落としても構わないと思った。 - (※久美子モノローグ)
 「トランペットやったら、特別になれるの?」
 「なれる。もっと練習して、もっと上手くなればもっと特別になれる。自分は特別だと思ってるだけの奴じゃない。本物の特別になる。」{/netabare}

『たまこラブストーリー』で、もち蔵が告白したのは、同級生であり幼馴染のたまこへのシンプルでストレートな恋心でしたが、本作で縣(あがた)祭りの夜、そしてその後の展開の中で、「告白されたもの」が何であるのか・・・本作鑑賞上の肝となるこのポイントをまず考察していきます。

※メモ
「違う。これは、愛の告白」(第8話、麗奈→久美子) 
「だってこれは、愛の告白だから」(第11話、久美子→麗奈)

※二人が大吉山の高台で協奏するのは、『愛を見つけた場所』{/netabare}


◆すべての音楽は《恋》から始まる - by サファイア(第8話)

{netabare}「それはもちろん、すべての音楽は恋から始まるからです。愛と死は音楽にとって永遠のテーマ。全ての曲はそのためにあると言っても過言ではないのですよ、葉月ちゃん。」 (第8話、サファイア)

◇すべては麗奈の「特別」への願いから始まった

→麗奈の「特別」は、きっと「(滝先生の)特別になる」という夢であり願いのこと。
第9話で明かされるように、麗奈のトランペットへの情熱、もっといえば「特別になること」への情熱は、きっと、彼女の滝先生への想いから生まれたもの・・・と推測できると思います。
→そして、その麗奈の願いは、第1話および第13話を見る限り、決して脈のないものではない・・・ように見えました(後述)


◇麗奈から、久美子へと《伝染》する情熱

中学3年の夏の吹奏楽コンクール府予選で麗奈が見せた悔し涙に衝撃を受けつつも、その意味を測りかねていた久美子
→第12話で、見事に回収(アニメ・オリジナルの展開とのこと・・・だとすれば花田十輝氏の功績か)

「久美子ちゃんは月に全力で手を伸ばした」(サフィア)(第12話)
「私、ユーフォが好きだもん!・・・私、ユーフォが好き。ユーフォが好き・・・」
→音大に進学する訳でもないのに、と姉に指摘されて、久美子が思わず言い返した言葉
→穿った見方をすれば、
(1)麗奈の「愛の告白」の対象が、トランペットであり、特別への願いであり、その先に滝先生への想いがあるのに対して、
(2)久美子の「愛の告白」の対象は、ユーフォニアムであり、自分に「特別」への願いを吹き込んだ麗奈への想いがある、と言えるのかも知れません。


◇香織先輩(3年)-優子先輩(2年)の求めた《納得》

「先輩は、トランペットが上手なんですね。」
「上手じゃなくて、好きなの。」(第11話)

→好きだから、納得したかった。好きな気持ちを失くさないように。
→優子先輩は、本作中、一人で汚れ役を買ってしまった感じだけれど、悪くない。むしろ第11話を最後まで観たあとでは、個人的にかなり好印象となりました。
→第10話ラスト、香織先輩が挙手して立ち上がるシーンは鳥肌が立つくらい心を揺さぶられました。
→《麗奈-久美子》の想いだけでなく、その対抗軸として、《香織-優子》の想いを配置したのは秀逸でした。これによってストーリーに非常な厚みが出てきたように思います。


◇滝先生についてのメモ書き

最終第13話、吹奏楽コンクール府大会会場への出発を前に、タキシード姿の滝先生が一人職員室で取り出したアルバムの写真に浮かび上がるのは、「第36回クラシックコンサート」の冊子を抱える小学校低学年くらいの黒髪・蒼い瞳の少女(←どうみても麗奈)。
その写真を優しい目で見ていた滝先生は、「行きましょうか」とひとこと呟いて、歩き出す。

・・・そのワン・シーンが気になって、第1話を見直したら、気付きました。
宇治神社での滝先生初登場シーン(第1話)で、先生の携帯電話から流れ出したのは、大吉山北中学吹奏楽部演奏の「地獄のオルフェ」。
麗奈と久美子が去年の吹奏楽コンクール京都府大会(中学生部門)で演奏したときの録音だったのですね。

これは、もしかして脈ありですよ?麗奈さん。{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得のいかなかった疑問回

{netabare}※本作の要所要所で、麗奈のトランペットの音色が高らかに鳴り響く点に注目

第1話 ようこそハイスクール ☆ 「悔しい。悔しくって、死にそう」
第2話 よろしくユーフォニアム ☆ 音楽室でハプニング的音出し
第3話 はじめてアンサンブル ★ 校庭を見下ろす高台での『新世界より』独奏
第4話 うたうよソルフェージュ ★ 「滝先生、凄い人だから。馬鹿にしたら、許さないから」
第5話 ただいまフェスティバル ★★ サンフェス会場でハプニング的音出し
第6話 きらきらチューバ ☆ オーディション決定、屋外でソロ・パート個人練習(香織先輩も)
第7話 なきむしサクソフォン ★ 
第8話 おまつりトライアングル ★★★(神回) 大吉山展望台で久美子(ユーフォ)と『愛を見つけた場所』協奏
第9話 おねがいオーディション ★★ 
第10話 まっすぐトランペット ★★ 「好きっていってもlikeじゃないよ。loveの方ね」、香織先輩の挙手
第11話 おかえりオーディション ★★★(神回) コンクール会場で競奏、「1年でこの音・・・反則だよ」
第12話 わたしのユーフォニアム ★★ 「悔しい。悔しくて、死にそう」 ←第1話冒頭と繋がる
第13話 さよならコンクール ★★ コンクールでの独奏、それを支える久美子の低音パート{/netabare}
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 4.9

※まず第11話については、1周目から文句なしの神回と認定しました。
※また、それを前後する第10話({netabare}香織先輩の挙手シーン{/netabare})、第12話({netabare}久美子が麗奈の気持ちを悟るシーン{/netabare})で押し寄せる感動も大きなものがありました。
※第8話は初見時は今ひとつでしたが、繰り返し視聴し、その内容の理解度が増すにつれて、感動が大きくなりました(これも神回認定)。


◆登場キャラクターの整理

{netabare}※◎は物語中、特に重要な役割を果たし、強く印象に残った5人。
※滝先生のオーディションに、①文句なく受かるスキルを上級、②頑張って何とか受かるスキルを中級、③受かる可能性がゼロのスキルを初級、とそれぞれ措定し、その中をさらに上↑・中→・下↓に細分。


(1) 1年生
 ◎久美子(ユーフォニアム、中級↑)
 ◎麗奈(トランペット、上級↑、段違いのハイ・スキル)
  葉月(チューバ、初級↓、全くの初心者)
  緑輝(サファイアちゃん、コントラバス、上級↓)
  秀一(トロンボーン、中級↑)
(2) 2年生
  夏紀先輩(中川先輩、ユーフォニアム、初級↑~中級↓)
  梨子先輩(チューバ、中級↑)
 ◎優子先輩(トランペット、上級↓)
  後藤先輩(チューバ、中級↑)
(3) 3年生
  春香部長(バリトンサックス、サックス・パートリーダー、上級↓)
  あすか副部長(ユーフォニアム、低音・パートリーダー、上級→)
 ◎香織先輩(トランペット、トランペット・パートリーダー、上級→、麗奈の入部前は部一番の吹き手)
  葵ちゃん(テナーサックス、途中で退部、中級→)
------
北宇治高校吹奏楽部 計13人(女子11人+男子2人) ※他にも多数部員あり(総勢60名以上)

(4) 教師
 ◎滝先生(顧問)
  松本先生(副顧問)
(5) その他
  久美子の姉(大学生、元吹奏楽部、トロンボーン)
  梓ちゃん(立華高校1年、久美子・麗奈と同じ中学で吹奏楽部だった、トロンボーン)
------
以上、物語に絡んでくるキャラクターは 計17人{/netabare}

※これだけ多数のキャラを登場させながら、一人ひとりの個性をキャラブレせずに確りと描き分け、かつ◎の5人を始めとする個々のキャラの要所要所での感情の襞(ひだ)を過不足なく描き切った点は実に見事でした。
→その結果として安っぽさがほぼゼロの格調高い名作に仕上がっていると評価します(キャラブレしまくり&安っぽいギャグで誤魔化すシーン多すぎで評価を下げた『四月は君の嘘』と好対照)。
※1年生の仲良し3人組+2人(麗奈、秀一)だけでなく、2年生・3年生の側の事情や感情推移も抜かりなく描き出している点も見事で、好感度が高くなりました。


◆総評

◇内容要約

{netabare}本作は、一見して、

(1) 表の主人公=久美子(視点人物)のどこか冷めていた心に、ユーフォニアムそして吹奏楽への情熱の炎が灯り、それが次第に熱く燃え上がっていく様子を描き出す青春部活もの作品なのですが、それと同時進行で、

(2) もう一人の主人公=麗奈に宿る、トランペットそして吹奏楽への情熱の炎の源が、次第に明かされていく物語でもある

・・・ように私には見えました。{/netabare}


◇京アニの実力なら、本作と同水準の作品は今後も幾らも制作可能

{netabare}・本作は、現実の高校生の《心の揺れ動き》をそのまま活写したかのようなリアリティに富む作風で、好感度が凄く高く本当にどこにも文句の付けようのない素晴らしい出来だと思いました。
・それはまるで、京都アニメーションというアニメ制作会社を通して、青春アニメの完成形に立ち会っているのではないか、と錯覚してしまうような《高揚感》を伴ったアニメ視聴体験でした。

・京アニ作品では、本作や前記の『たまこラブストーリー』のほか、同じくファンタジー設定のない青春ものとして、2012年放送の2クール作品『氷菓』も、私は総合点数を4.8と高評価しています。
・つまり、音楽系部活もの(本作)・純恋愛もの(たまラブ)・ミステリーもの(氷菓)というジャンルの差異はあるとはいえ、等しく高校生男女の比較的等身大の青春模様を描き出す作風のアニメは、この京都アニメーションという制作会社によって、原作ないしシナリオ原案が確りしていれば、という限定条件つきですが、完成形がほぼ確立されてしまった感がしました。

・この原作ないしシナリオ原案が確りしていれば、という点が実は曲者で、本作や『氷菓』は、やはり原作小説が内容のある良作だったのだろうと推測します。
・で、ここで注目すべきは、このクラスの小説なら、昔から1年に5本程度は発表されているのではないか?ということです。
・つまり、そうした確りした内容があり感動がある原作を、事前にきちんと選びさえすれば、京アニの実力だったら本作と同等クラスのアニメ作品を、これからも幾らでも制作できる、ということに論理的には当然なるかと思います。{/netabare}


◇最後の課題は、《青春アニメ》というジャンル自体の限界を超えること

{netabare}・これを裏から見ると、もともと優秀な原作が一層引き立つ、秀逸なアニメを制作する京アニの技術の完成度は本当に凄いけれども、そうして制作されるアニメは、結局のところ原作のサイズ(=青春もの、という限定されたジャンルでのシナリオ構成)を大きくは逸脱できない、ということに論理的にはなるのではないか、と思います。

・本作についていえば、登場キャラたちへの《共感》は物凄くありましたが、《憧憬》は、余りなかったように個人的には思いました→『魔法少女まどか☆マギカ』との違い(=原作ないしシナリオ原案の限界)
・それが、私が本作の総合評価を5点満点にしなかった、たぶん唯一の理由です。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 119
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

「本気」が伝える力の大きさ

世界観:7
ストーリー:9
リアリティ:10
キャラクター:9
情感:8
合計:43

高校1年生の春。
中学時代に吹奏楽部だった黄前久美子は、
クラスメイトの加藤葉月、川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行く。
そこで久美子は、かつての同級生・高坂麗奈の姿を見かける。
葉月と緑輝は吹奏楽部への入部を決めたようだったが、まだ踏み切れない久美子。
思い出すのは、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈との出来事だった。
(公式HPより)

リアルタイムに近い作品を見るのは久しぶりのこと。キャッチしている方の評価が高いので、大物かもしれないと思って視聴しました。

吹奏楽部の話ですね。楽器の略称や業界用語的なものが出てきたり、主人公がナレーションで説明をしてくれることから、吹奏楽をやっていた方、無縁だった方、双方とも楽しめる内容だと思います。

私は、おそらくあまり例のないケースでしょうが、その中間的存在で、高校三年時、最後の演奏会にのみ参加をした経験があります。ヘルプとして参加しただけで、特に楽器経験もなかったためパーカスでしたが、トライアングル、カウベル、ウイップ、シロフォン、シンバル、ゴング(銅鑼)など多種の楽器を奏でました(今思えば、大胆すぎる配役ですね、これ)。

真っ暗な会場の中、自分たちの側にあたる照明、塵で少しきらめく光。
テンポが落ち着いた時に見渡し直した会場、仲間たちと一緒に「合奏」することの感動。
この時の体験はなかなかに衝撃がありました。

当時の自分もそれなりに頑張ったと思うのは、演奏した曲目を今でも諳んじられることですが、流石にパート練(板打ちする日々)のことや、チューニングその他の音、演奏会会場への楽器運搬、舞台裏での準備などは、これを見るまで記憶の彼方に飛んでしまっていました。

と、個人的な話をしてもしょうがないですね。私が伝えたいのは、経験者から見てもおそらく、リアルな作りになっていることです。その上、13話と短い回数でストーリーがまとまっていて、ドラマ性もあり、人間もしっかり描かれています(多々のシーンで言葉になっていない登場人物の言葉が聞こえてきます)。

作画について、流石は京都アニメーションと思えるもの(キャラデザは氷菓のほうが好みですが、もちろん良質な部類)。音楽についても、吹奏楽部の物語ですから、当然各所で良い演奏シーンがありました。

最初から良いフィーリングのアニメ(第3話終了時で3.7点(あにこれ4.4点相当))でしたが、化けてきたのは{netabare}お祭り回の第8話。

「でも、わかるでしょ。そういう、意味不明な気持ち」
「私、特別になりたいの」

このシーンは、この作品のターニングポイントであり、麗奈自身はもちろん、作り手の本気を感じさせてくれました。

情熱のある人・作品に触れることは、いつだって刺激的ですね。
{/netabare}久美子もここから変わっていったと思いますし、これを見ていた私も「やるべきことをやらなければ」と、本気で熱くなりたいという思いが強くなりました。

このような前向きな影響を与えてくれる作品を、自分は大切にしたいです。
そして、多くの人に触れてもらいたい。
未視聴の方は是非、ご覧ください。

追記
この作品は日常系では完璧に近い内容と考えていますが、それでもまどマギの壁を越えられませんでした。配点上、世界観(設定)に独自性や工夫があり、感動もできる作品が求められますので、今後は設定ものを中心に見てみようかと思います(つくづく、SAOがもっと丁寧に作られていれば…)。

一期完結でも満足しており、関係者の皆さまに感謝します。

<追記2015.8.4>
良い作品というものは繰り返し見てしまうもので、視聴後もその世界に浸っていたいものですが、この作品もそのレベルでした。
当初はアニメっぽくて明るすぎると思っていたOP/EDもいつの間にかかなり聴いていますし、いずれハイレゾのサントラも購入したいと思っています。

作品の中身については、他の皆さんが丁寧に書いているので私が改めて書く必要もないですが、2周目で気付くところもありますし、ヒューマンドラマと合奏が良いので後半は何度見ても良いです。{netabare}特に、香織が挙手をする10話、悪役に見えていた優子先輩の気持ちを理解できる11話、本気になったものの挫折を味わった久美子が1話の麗奈の思いを知る12話、コンクール会場の雰囲気と情熱を伝えきった13話、全て優良回でした。{/netabare}

本作を気に入った方には必ず見てもらいたいのがYoutubeにUPされている聖地巡礼の動画。ここまで描き込まれていたことに、新たな感動を味わえると思います。これは巡礼者が訪れて町おこしになるレベルかとw

課題曲プロヴァンスの風は実際に2015年の課題曲のようで、それ関係の動画も結構UPされていました。

<追記2015.9.18>
そういえば、書いていなかった点として、{netabare}百合的な表現がありましたが、麗奈は滝先生のことが好き(likeじゃなくてlove)だと言っているし、中学~高校くらいまでは親友とベタベタする場面があっても全然違和感はないので、自分は抵抗なかったです。久美子の告白返しの場面も、綺麗に笑顔で流してます。ちょっと危うさを感じさせるスパイスになっていて、巧いなぁという印象です。{/netabare}

<追記2015.11.7>
第二期が決定したそうですね。当初、商業的な成功の有無にも左右されるため、日常系で萌えも抑えたこの作風では難しいかもと思っていましたが、朗報です^^ 第一期の完成度が高いので、評価的にはどうなるか心配ですが、楽しみです。

追記2016.4.26
劇場版についていくつかのレビューを拝見し、GW中に観に行くことにしました。sugoi japanでは最終発表の5位までに入らないという残念な結果でしたが、自分にとっては2015年のベスト。応援したい作品ですからね!

<追記2016.9.28>
いよいよ来週から2期が始まりますね! この作品、5.0点を付けただけあって、いまだに見直しています。主に8話のBパートなのですが、この回だけ藤田春香さんという方が演出をされているのですね。この回を神回と評価するブログなど回ってみて、やはり良いよなと頷いたところです。2期の演出者も注目して視聴したいと思います。
(参考)http://studiodomo.jp/wordpress/enshutsu-harukafujita/

<追記2016.11.2>
先日、ハイレゾのサントラを購入。好きな曲を組み合わせてリピートする日々です。いくつかの曲は2期でもそのまま使われています。
また、一通り見直してみると、7話でみぞれが廊下で練習している、2期を連想させるカットがあったり。大した場面でなくても色々込められているんだなと思います。

<追記2017.6.24>
2期の終結とともに、原作の状況からも当面オワコン状態になるかなと思っていましたが、2期の総集編的な映画『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』の公開(9月30日)、さらに、2018年には「みぞれと希美」と「2年生になった久美子たち」の物語を描く、完全新作映画の公開が決定したとの情報が。2年生エピソードは原作者との関係で大丈夫なのかと心配になりつつも楽しみですね!

<2018.5.7追記>
リズと青い鳥を鑑賞し、久しぶりに響け!ユーフォニアムの世界に戻って色々なサイトや動画を見たり、通勤の音楽も久しぶりにユーフォのサントラから選りすぐったリストを再生していました。(昼寝のお供には、時々使っていましたが)

なお、そのリストは、「31 DREAM SOLISTER TV SIZE」、「01 はじまりの旋律」、「19 意識の萌芽」、「50 愛を見つけた場所」、「26 微かな光」、「27 一途な瞳」、「28 重なる心」、「29 去来する想い」、「52 プロヴァンスの風」、「54 三日月の舞 麗奈ソロVer.」、「55 DREAM SOLISTER(Wind Orchestra Ver.)」、「56 トゥッティ!(Wind Orchestra Ver.)」で構成しています。

今更ながら、評価推移も記録しておきましょうか。
(参考評価推移:3話4.4→8話4.7→10話4.8→12話4.9→13話5.0)

<2022.6.5追記>
昨日、ついに、
「「久美子3年生編」TVシリーズ放送決定&「アンサンブルコンテスト編」Blu-ray発売・劇場特別上映決定!!」
の情報が公表されました。

久美子3年生編の制作は2019年には既に公表されていましたが、あの事件があってからは、どうなるのだろうかと思っていました。
そして前回の公表時には劇場版なのかTVなのかも不明だったところ、今回、3年生編がTV版で制作されるとのこと。2年生編が劇場版で短く感じてしまい、3年生編はTV版で作ってもらいたいと強く思っていましたので、今回のニュースはとても嬉しいです!

アンサンブルコンテスト編は、『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話』に収録された話からのようで、原作未読なのでこちらも楽しみです。

当面の日常の励みになりそうですね♪

<2023.6.2追記>
アンサンブルコンテスト編の予告PV見たら、オーメンズオブラブじゃないですか!
数少ない私が演奏に加わった曲で、テンションが上がってしまい久しぶりに書き込みしました。いや~楽しみ楽しみ♪
通知は自重しておきます。。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 149

66.1 2 2015年度の小説原作アニメランキング2位
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (802)
3505人が棚に入れました
森博嗣の『S&Mシリーズ』が原作。

映像化するのは、「エルフェンリート」の神戸守監督とA-1 Picturesのタッグ!


理系の女子大生の西之園萌絵と工学部建築学科准教授の犀川創平が難事件に挑むサイエンスミステリーとなる。

声優・キャラクター
加瀬康之、種﨑敦美、木戸衣吹
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

感覚の病的な鋭さ

森博嗣メフィスト賞受賞の本格ミステリー。
多くの続編を生んだ傑作シリーズの始まり。

混乱を覚えます。
すべての言葉が意味をなさないのではと。
{netabare}事件を丁寧に描いてくれていますが、
事件の全貌が見えてくると同時に、
犯人の動機がとても繊細で、
観念的な方向へ進むからです。
そして告白しなければいけません。
その動機をどこか「理解できる」のです。{/netabare}
極めて理性的で合理的な方、
真反対に精神薄弱の方にはお勧め出来ません。

ここでは劇中で交わされた、
印象的なある独白をピックアップして、
皆さんの判断を仰ぎたいと思います。
物語の根幹に通じる独白ですので、
少しでも興味のある方は開かないで下さい。

{netabare}子供の頃は誰でも1つの人格ではなかったはずだ。
常に矛盾し今よりもっと多様な考え方をしていた。
それが成長するにつれて矛盾を統合し、
1つの人格になろうとする。
大人になるとは1つの精神、肉体に縛られることだ。
ただ解き放たれたい、その為の儀式である。{/netabare}

問いかけに立ち止まるのが人間だと思う。
束縛と寄り添って歩むのが人生だと思う。

もしどこかで出会えたら、
聞いてみたいことがたくさんあるな。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 77

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

日間賀島じゃなくて妃真加島だったんですか・・・^^;

この作品の原作は未読です。個性のあるキャラデザとノイタミナ作品・・・という事で視聴を決めました。
物語の進展に伴い、「ヒマカ島」という地名が登場しました。「日間賀島」は愛知県の沖合にある島でタコとフグの里海として知られています。個人的に私も行ったことのある島だったので、俄然興味を持って視聴に臨みました。

この物語の主人公は、大学の助教授である犀川創平(さいかわ そうへい)。
彼は研究室に出入りしているヒロインの西之園萌絵(にしのその もえ)と一緒に、真賀田研究所に行くこととなります。
真賀田研究所には優秀な人材が揃っており、その研究所のトップが現存する最高の天才と名高い真賀田四季博士・・・ですが彼女は過去に人を殺めた事から、研究所の一画に長期に渡って隔離されていました。

そして、いざ博士と面会しようとすると博士の部屋の中から奇妙な物体が姿を表し・・・ミステリー作品として物語が動いていきます。

・・・完走しましたが正直難しい作品でした^^;
一言で表すと「完全密室殺人事件」になるわけですが、その手口の巧妙さ・・・色んな事象が細い線で繋がっていましたが、その細い線は私にとって「見えない線」でした。
関係する事柄が多い上に一つ一つが複雑なので、一つ一つのピースがしっかり嵌った感触が全容が明かされてもイマイチ無いんですよね^^;
きっと物的証拠だけではなく、時間・空間・暗号といった因子を折り込み固定概念を排除したその先の事象を見る必要があるのかな・・・
でも、そこは私の考えられる範囲の遥か彼方でした^^;

この事件の犯人は凄い人・・・
この手口を暴いた人も凄い人・・・
そして、この物語を考えた著者は凄い人・・・
これ初見で犯人を暴ける人っていないんじゃないでしょうか^^;?

作品的には難しいですが、だからといって視聴できない訳ではありません。
全然検討もつかない方向から突然手がかりが降ってくるので、意外性とその内容の深さに触れるだけでも面白さは感じられると思います。

でも作品の中で気になったのが一つだけ・・・
犀川先生は極度の愛煙家で、所構わず煙草を吸っていましたが、今の時代こんなにプカプカ吸えるところはきっと無いと思います。
と、思える位喫煙シーンを多く見たような気がします。
犀川先生の喫煙はきっと何か意味があったのかもしれません。
ですが、何に繋がっていたのか・・・正直今でも分かってません^^;

オープニングテーマは、KANA-BOONさんの「talking」
エンディングテーマは、シナリオアート/CHRYSANTHEMUM BRIDGEさんの「ナナヒツジ」
この作品・・・歌は格好良いのですが、実際に歌おうとすると難易度が高かったです^^;

1クール11話の作品でした。
ラストは意味深なシーンで終幕しました。
今回登場した主要登場人物である3人(犀川創平、西之園萌絵、真賀田四季)は、著者森博嗣先生に執筆する他の作品にも登場しているようなので、その布石だったのでしょうか・・・
あと1話位タネ明かしをして貰えたら、もう少し事件への理解度が高まったかもしれません。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 34

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

「ぼくの考えた天才」に逃げている、意識高い系ミステリ

●原作小説
原作のS&M(犀川&萌絵)シリーズは全て既読。ただしかなり昔です。
本作はS&Mシリーズの一作目で、シリーズ中では最も面白い作品です。というか、S&M全体がそれほど面白くないんだけど。
私は本作がまあまあ面白かったのでまた面白くなるのかなと思いながら惰性で読んでいましたが、最終巻のあまりのつまらなさに森博嗣作品を読むのは止めました。
年に10冊も長編小説書く才能があるならもっとプロットを練れよ! (ただの嫉妬)


●事件が1件だけ
1クール使って一つの事件のみを扱うのは、「虚構推理」をも上回るスローペースです。犀川先生のタバコ吸いながら無言のシーンがやたらと多いので、このダメ准教授に禁煙させたら1クールでS&Mシリーズの半分は入ったんじゃなかろうか。


●キャラデザ
安易な萌え絵にせず、主人公すらぱっとしない見た目にしたのは評価できます。犀川が美青年だったら速攻見るのを止めたでしょう。
ただしヒロインの萌絵は、「誰もが振り返るほどの美人」の設定ですが、奇抜なファッションに思わず振り返ってみたら微妙に可愛くない「見返り不美人(byボ・ガンボス)」もしくは「木村カエラを意識した勘違い女」という造形であり、ちょっとかわいそう。


●天才
レベルは違えど、真賀田四季、犀川、萌絵と三人の天才が出てきて思考実験を繰り広げます。
犀川は原作者自身を投影したキャラクターだと思います(当時実際に名大准教授)が、そんな犀川を「天才」として作中で扱うのはいかがなものか。言ってて恥ずかしくないのか?。 (ただの嫉妬)
四季は、天才犀川をも凌駕する天才として描かれていますが、やはり天才じゃない人が天才を創造することは難しいですね。
頭が良いんだろうけど、それ以上に頭がおかしい方が目立つ残念な人になっちゃっています。


●理系ミステリ
原作の発表当時から理系ミステリと呼ばれていますが、「理系」なのはコンピューターが関連したトリックくらい。
「ミステリ」要素は、最後に犯人が判明する、というだけで、本格ミステリのような謎解きのカタルシスはあまりない。
ということで正しくは「理系ミステリ」ではなく「劣化SFサスペンス」ではないかと思います。

ちなみに原作の2作目以降、更に「理系」と「ミステリ」の要素はなくなっていき、犀川先生は事件が起きたらすぐに犯人が分かってるっぽいけどタバコばっか吸って物語の終盤にやっと種明かしをする。そしてなぜ犯人が分かったのかイマイチ理解できない。
不十分な証拠しか提示してないのに、犀川が天才だから、で論理的な推理が誤魔化されているように思える(実際にはそうでもないかもしれないけど、斜に構えたカッコイイ台詞(笑)に翻弄されてしまう)。いくら旧帝大とはいえ工学部の准教授止まりで天才ぶってんじゃねーよ! (ただの嫉妬)


●西之園萌絵の車
アニメではアルファロメオの4Cに乗ってますね。原作でも萌絵はマニュアルのスポーツカーが好きな描写があります。なお、4Cは2ペダルMTなので萌絵の趣味には本当は合いません。

原作のシリーズ前半はアルファロメオの2シーターに乗っていますが、後半はポルシェのボクスターに乗り換えます。
この辺りは、金持ちじゃない人が想像したお金持ち像みたいですね。アルファが好きな人がボクスターとか乗らないよ! そもそもアルファって高級車っていうほどでもないし、金持ちがポルシェ買うならボクスターじゃなくて911にしろよ!(ただの嫉妬)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10

61.7 3 2015年度の小説原作アニメランキング3位
乱歩奇譚 Game of Laplace(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (662)
3147人が棚に入れました
「その日、初めて退屈じゃなくなったーー」

とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。
異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。
次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、高橋李依、山下大輝、小西克幸、チョー、日笠陽子、子安武人、藤田咲、山口勝平

ろれ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

コバヤシ少年が気持ち悪すぎる

このアニメつまんないです。
が、それ以上にコバヤシ少年というキャラが気持ち悪すぎて見るに堪えなかった。

常にへらへらしていて何を考えてるのかわからないのが怖い。
ノリノリで女装して「似合うでしょ」的な発言もするし気持ち悪い。
コバヤシがくっつく度に頬を赤らめるハシバも気持ち悪い。
とにかく描写があざとい。

アルドノアゼロの主人公も大嫌いなんですけど、こういう何考えてんだかわからない主人公は苦手みたいです。

物語の評価は2.0にしましたが、実際は3.0くらいはあると思います。
とにかくキャラがキモくて集中できませんでした。

音楽は良かったです。OPかっこいいです。
特にEDが素晴らしかったです。
曲自体も良かったのですが、EDの入り方が秀逸で余韻に浸れました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

うなたまごはん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

何だこれ

1話完結もので、探偵もの、好きなやつだ!見るしかない!
と期待して見ました。
でも5話まで見て断念しました。

何を魅せたいのかわからないです。
すべてが中途半端だし、メインキャラの魅力が全然発揮されなかったです。
推理らしい推理もなく事件が解決するし、アクションシーンもあんまりなくて、あってもショボいです。
残酷な殺し方だけが印象に残りました。これがメインなの?

事件や殺し方の説明になると突然スポットライトに単純な背景で舞台みたいになるのですが、それがまた流れや雰囲気をブチブチ切る感じになってしまいます。
あえてそうしているのかもしれませんが、あまり奥行きを感じられない背景が多くて、閉塞感を感じます。

OPがすごく雰囲気があって、「おおーこれは面白そうな予感!」て思ったのですが、、良かったのはそこだけでした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

うぐいす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こういうのBLっていうのか

結構ベタなストーリーだと思うが、突飛な登場人物や演出によって特殊効果を出している。
声が高橋李依でこのキャラデザだと女の子にしか見えないし、ハシバ君の気持ちも分からんでもない。
とにかく小林君が可愛くて明智君がかっこよい。
小林君が単に明智君側の人であるという位置づけなのだろうが、もう少し小林君自身を掘り下げても面白かったのではないか。
小林君の価値観の元を知りたい。
闇落ちや多少のグロがある。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

74.3 4 2015年度の小説原作アニメランキング4位
アルスラーン戦記(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1087)
5920人が棚に入れました
東西を結ぶ陸路の中心地・エクバターナを王都に掲げ、各地からの人や物資、そして豊かな文化が集まる強国パルス。この国の王太子として生まれた少年・アルスラーンは、幸福のうちに国を引き継ぐはずだった。土煙が舞う平原に、パルスの誇る騎馬隊が葬り去られるその日までは……。パルスの豊かな領土を狙って、異教徒の国・ルシタニアが侵攻を開始。初めての直面する本物の戦いに、不安を隠しきれない"気弱な"王太子・アルスラーン。彼の不安が的中したかのように、戦場には不穏な空気が渦巻き始める。敵の策略にはまり、これまでにない脅威を感じるパルス軍と、混乱する戦況に翻弄されるアルスラーンの父王であるアンドラゴラス三世……。駆けつけた「戦士の中の戦士」の異名を持つ騎士・ダリューンとともに、次々と襲いかかる敵、そして過酷な運命へと立ち向かうアルスラーン。運命という名の嵐が吹き荒れるなか、彼は信頼できる仲間たちとともに"王太子"として最初の一歩を踏み出す!

声優・キャラクター
小林裕介、細谷佳正、浪川大輔、花江夏樹、KENN、坂本真綾、梶裕貴、菅生隆之、田中敦子、津田英三、大川透、安元洋貴、三宅健太、小西克幸、桜井敏治、子安武人、斎藤志郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

少年は、やがて王となる・・・「ヤシャスィーン!」

私はこの作品に触れるのは今回が初めてですが、1991年〜1995年の間に劇場版アニメやOVAが制作されていたようですね(wikiより)
正直最初は視聴を迷った作品でした。物語の大筋が、2014年の秋アニメから2クールで放送された「暁のヨナ」と被っていると思ったからです。
しかもヨナは、お気に入りの棚序列22位の作品(2015年10月時点)・・・同じ系統の作品だとどうしても見劣りして映ってしまう・・・そんな懸念が頭の中で生じていました。
そこで、数話見てどうするか決めよう、と思い視聴を始めました。

この物語の主人公はパルス王国の王太子アルスラーン・・・パルスは国王アンドラゴラス三世が戦で無敗を誇っていることも手伝って発展した豊かな国・・・その様な中で、両親から疎まれながらも臣下と剣の稽古をしたりしながら過ごしてきました。
アルスラーンが14歳の時、侵略してきたルシタニアを向かい打つべく初陣に臨むのですが、味方の裏切りと敵の策略によってパルス軍は大敗を喫してしまうのです。

戦場ではぐれたアルスラーンは、絶体絶命の危機を迎えてしまうのですが、戦士ダリューンに助けられ九死に一生を得る事ができました。
ここから14歳の王太子アルスラーンに課せられた「パルス奪還」に向け、壮大な物語が動き出すのです。

振り返って見るとヨナとは背景こそ一部かぶっている部分がありましたが、物語の展開は似て非なるモノだったと思います。最初の心配は稀有だったようです^^;

この作品の見どころはアルスラーンの人柄に惹かれ、彼の周りに協力者が少しずつ集まっていくところです。最初は小さなさざ波でしかなかったアルスラーン一行が大きなうねりに変貌していく様は迫力があります。
それは、アルスラーンが臣下を身分や経歴にこだわらず、己の力全部をアルスラーンに貸してくれる人物を選んだからにほかなりません。

当然甲冑で身を包んだ戦士もいますが、流浪の楽士、女神官、山賊を生業とするゾット族の娘、同盟国の部下など、何もかもバラバラな彼らがアルスラーンの側近なのですが、アルスラーンを守りパルスを再興するという目標に対しては誰もが同じ・・・熱い気持ちを持ち合わせています。

それにしてもアルスラーンはまだ14歳なのに・・・他人の心を掴む事に関しては天才的です。
優しさや救いといった施しだけが人の心を動かすのではないという事を本能的に理解しているんでしょうね^^;
機会を与えること・・・許すこと・・・目線を合わせること・・・
きっと時と場合に応じて正解はいくつもあるのだと思いますが、アルスラーンの選択には感心するばかりでした^^

物語は悲願の道半ばで終わってしまいました。物語の行方は当然気になるのですが、一人だけ特別に気になる人がいます・・・それはエステルです。
ルシタニアの騎士を目指した彼女は、熱心なイアルダボート信者・・・
信仰自体は決して悪いことではありません・・・でも異教徒だかといってを相手を皆殺しにする教えは本当に正しいと言えるのでしょうか・・・だって相手は人間なんです。
過去信仰上の違いから歴史上何度も人は同じ過ちを繰り返してきました。
そこに立って前に進むのは自分と自分の意志・・・例え道を違えたからといって神さまはゼロクリアになんかしてくれません・・・だから自分の行動に対して責任を取るのも自分・・・だと思うんですけれど^^;
エステルがアルスラーンを始めとする異国の民族や文化に接し・・・何を感じるのかは気になるところです^^

オープニングテーマは、
UVERworldさんの「僕の言葉ではない これは僕達の言葉」
NICO Touches the Wallsさんの「渦と渦」
エンディングテーマは、
藍井エイルさんの「ラピスラズリ」
Kalafinaさんの「One Light」
カラオケで「僕の言葉ではない これは僕達の言葉」を歌ってみましたが撃沈^^;
エンディングはどちらも格好良かったです(こちらはカラオケで何とか^^;)

2クール計25話の作品でした。
よりテレビのCMで「少年は、やがて王となる・・・」と流れていたので、きっと続編はあるものだと思っていますが・・・良いんですよね^^;?

投稿 : 2024/04/20
♥ : 30
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

王道のお手本

<全25話観終えて>
全話通していつも地に足が着いた脚本で、
偉人伝の王道の、「王となる道程」が
ブレずにしっかりと描かれてましたね。
ラストシーンのオーケストラも雄大で素晴らしかった。

特に不満や中弛みを感じることもなく、
1話から最終25話まで童心に返って楽しめました。

大河ドラマのような展開だったと思います。
フィクションにありがちな刺激的な急展開などあまりなく、
ゆっくりと詰将棋を楽しむような感覚が心地好かったし、
あたかも実話を基にした伝記のようなリアリティを感じられた。

時折、ナルサスの絵画ネタとか、
ギーヴとファランギース、エラムとアルフリードとの絡みなど
真面目な戦記物なのに、クスッと笑えるシーンを
さりげなく挿入するセンスもいい感じ。

また、最初から最後まで素直に楽しめたのは、
原作やOVAにはノータッチで、
白紙の状態のまま完走したためかもしれません。


★最終話:第二十五章「汗血公路」感想
{netabare}
明らかな続編を前提とした構成。
いわゆる俺戦エンド。
でも制作の、続編に対するやる気と前向きさが伝わる
いい締めくくりでした。

2クール最後でも王都奪還までいきそうもないのは、
毎回の丁寧な話の運び具合から大方の察しがついていたので、
これはこれであり。

最終話なのに、ひとつの戦いの事後処理をひたすら丁寧に描いてました。

結果、王子の魅力がしっかり伝わった点を評価したい。

<玉座にはそれ自身の意志はない>
25話で一番印象的だったファランギースとエトワールの会話。

ファランギースが劇中、
アルスラーン王子の魅力を端的に表現してくれました。
坂本真綾さんの含蓄ある演技も素晴らしかった。

長台詞ですのでほんの一部だけ抜粋します。
エトワールは、アルスラーンについてファランギースに問う。

エトワール
「なぜ皆、あのような青二才の王太子に忠実に仕えておるのだ?」

ファランギース
「(前略)王太子殿下はいつも努力しておられる。
そのことが、仕える者の目には明らかなだけなのだ。」

この作品が好きになれたのも、ファランギースと同じ観点で
アルスラーンに惚れこめたからだったので、
このシーンはかなりグッときました。

学問、武芸、あらゆる精進努力怠らず、進歩すること、
これこそが聖人君子の基本中の基本。

夕刻の、川の辺のシチュエーションも象徴的。
淀みなき川の流れこそアルスラーンに相応しい
というメッセージともとれる。
流動なくば腐ってしまう水の如く、
指導者たる者、努力怠り成長が止まると、
欲にまみれて道を誤るのは世の常ということでしょう。

<エトワールの、不器用だけど健気な魅力が最終話で開花>
そして、1話から始まったアルスラーンと彼女の因縁も、
最終話で相応の決着があり、
この後も、さらなるドラマが生れそうな展開が好い。

続編があれば、ツンデレ展開まで期待できそうな雰囲気でした。
戦乱殺伐した中で咲く一輪の恋バナになるならなるで
それもあり、と微笑ましかった。

エトワールは、コミカライズ版とアニメ版の設定と、
小説原作版の設定がかなり違うようようですが、
とても愛すべきキャラでした。
彼女もこの戦乱を最後までぜひ生き延びて欲しいな。

そして一番気になったこと。
時折登場した、エルメスの背後の控える黒魔術系の魔法使い?の存在、
最後まで全く正体不明のままでしたので、続編は必ずあると信じたい。
{/netabare}

ヒルメスの闇はどこまでも深い。
アルスラーンたちは、その闇を討ち砕き、
王都を奪還し、奴隷制度を廃し、
希望に溢れる王政を実現することができるのか。

続編が生れることを切に願います。

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以下は、初投稿時のレビューです。(2015/08/10)
ネタバレがあるわけではないですが、長いのでタグで閉じます。
{netabare}
2015年の8月現在、放映中のTVアニメは10本以上視聴中ですが、
ワクワクして非常に次回が待ち遠しい作品は、これとGATEの2つのみ。

自分は基本的に、アニメ、ドラマ、映画は鑑賞する前に
監督や脚本家をチェックした上で作品を選びます。
どんなに原作が素晴らしくとも、
自分に合わない制作の映像作品はがっかりすることが多いので。

全366話もあった「BLEACH」で
監督を一貫して務めあげた阿部記之さんと
シリーズ構成を上江洲誠さん担当の今作。

開幕当初よりOVAも原作も知らずとも期待値大でした。

特に上江洲さんは、個人的に大好きなクリエイター。
放映済みの18話中、9話分の脚本も上江洲さんが自ら執筆されてます。

阿部監督、「BLEACH」は一部しか観ていませんし
「幽☆遊☆白書」(全112話)や「GTO」(全43話)など
他の阿部監督作に触れる機会もなく今迄、全くのノーマークでしたが、
今作の安定した面白さに大きく貢献してるのは間違いなさそうです。
ベテランの匠の味わいがあり流石。
4クール以上の作品を数多く務め上げた実績は伊達じゃない。
長丁場でもダレさせないコツをよくご存知な印象。
派手さはなくても、一本一本のまとめ方と話の盛り上げ方に
監督としてのセンスの良さを感じます。

18話まで視聴済みの現在、
期待を裏切らない面白さで右肩上がりが止まりません。

奇を衒うこともなき王道ストレートな偉人伝に素直に感服してます。

キャラ描写も丁寧。
状況変化に応じての裏切り、恭順、忠誠など
人の心の移り変わりもリアル。
敵役のヒルメスでさえも、回を追うごとに憎めなくなる。
主人公の王としての成長の描き方も上手い!

声優のキャスティングも絶妙。
特に、坂本真綾さん演じるファランギースと
浪川大輔さん演じるナルサスが大好きです。

荒川弘さんの作画に準拠したキャラデザも好みですし、
作画も全体的にレベル高いと思います。
カーペットなどの調度品。
職人芸を感じられる柱の色使い。
異国情緒たっぷりです。
城壁のウエザリングなども写実感あり。
空模様の描き方など、自然描写も丁寧。
この作品の世界に素直に入っていきやすい。

BGMもオーケストラの壮大さを上手く活用してて好き。

肝心の原作小説が未完ということで、どういった結末を迎えるのか。

期待と不安の両方の気持ちを抱きつつ最後まで見届けるつもりです。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 28
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

王道な面白さ

【6話まで見て 何となく、内容修正】
原作未読。
田中芳樹を読んだこと無し。アニメ銀英伝は全部見た。

吉川三国志、横山三国志に心躍らせ、
角川スニーカーのロードス島シリーズを発売日を心待ちにしながら読み、
富士見ファンタジアのスレイヤーズの発音し難い敵キャラにツッコミを入れ(※黄昏よりも暗き存在、に反応してしまう恥ずかしさ)、
ドラゴンランスの読みにくさに100ページ位で投げ出し、
ファミコンドラクエ1で街の人に話しかけるには東西南北の方角指定をしなければならなかったことをリアルタイムに経験し。
そんな私の感想。

【6話まで見て ベタな王道を楽しむ】
{netabare}そんな訳で始まったアルスラーンを見てるんですが、いやー、面白いですわ。

出自に訳ありそうな、ちょっと頼りない亡国の王子の元に、すげぇ能力を持った個性派揃いのメンバーが集い、国の奪還を目指して旅するヒロイックファンタジー
という、あらすじ。
頼りないが相手の心をドンと突いてくるカリスマ主人公
一騎当千の猛者
偏屈な切れ者賢者
常識的で小間使いなスナイパー
弓から剣戟までOKなオールラウンダー吟遊詩人(仲間になるんだよねぇ?)
という登場人物。

どんだけお約束なんだよ。どんだけベタなんだよ。どんだけコッテコテなんだよと。
だが、それがいい!
上記のような原体験をしてきてる私にとって、このコッテコテベッタベタな内容は、心がビビットに反応せざるを得ないのだ。

なんていうのかな。
名の知れたラーメン屋さんに初めて行って、中華そばを頼んでみたら、チャーシューメンマネギナルトがのった、ほんのり縮れ麺の、ちょっと焦がしネギの風味を効かした醤油ラーメンが出てきて、一口食べて「あー、これだよ、これ」ってなる感覚。
でも、チャーシューにシットリ感がなかったり、最近はやりの炙りじゃなかったりで、「旨いけど、もうワンパンチ欲しいなぁ。でも、これがいいのかっ」みたいな感覚。
余計に分かりにくいか。

もうちょっと、戦闘や攻城兵器の迫力が欲しいなぁ、とも思うが、なんとか及第点。
ベタをベタでいくからこそ、ヘタな小手先に頼らず、このままドッシリと魅せていって欲しい。

ED画のアルスラーンの性別不明っぷりは、
「よかったら、これ、入れてみてください」
とか言って、妙な後入れ調味料を持って来られたようなですが、このご時世ですからね。いろんな方面から客を取り込まないといけないので、ご愛嬌ってことで。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

70.0 5 2015年度の小説原作アニメランキング5位
櫻子さんの足下には死体が埋まっている(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (934)
4966人が棚に入れました
北海道の旭川を舞台に、抜群の美貌とスタイルを持っているのに美しい骨を愛でるのが大好きなお嬢様の九条櫻子と、そんな彼女に振り回される平凡な高校生の館脇正太郎の2人が、骨にまつわる事件にかかわっていく物語。

声優・キャラクター
伊藤静、榎木淳弥、今村彩夏、磯辺万沙子、高橋広樹、石田彰、柿原徹也
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

あの世に持っていけるもの

TROYCA制作。

舞台は北海道旭川市、
風光明媚な描写が美しい。
過去に生きた人たちを愛しむ人がいる。
九条櫻子である、
良家のお嬢様にして骨愛ずる姫君。
単話形式で送る秀逸なサスペンスドラマ。

生きた証としての骨、
語らない骨が教えてくれるもの。
犯人探しが目的ではなく、
その骨に関係する人たちの、
心理描写や環境設定に主軸を置き、
心温まるエピソードも多い。
作画も終始素晴らしかったですね。
お薦めは夏に眠る骨/お祖母ちゃんのプリン。

死に際してあの世に持っていけるもの。
{netabare}それは誰かを愛した記憶、
大切に想い、大切に想われた記憶、
そして共に過ごした時間であろう。{/netabare}

食物連鎖の大きな生命の輪の中で、
私たちは支え合って生きているのだ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 64

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とりあえずここで終わるしかないよな…

原作(角川文庫刊)はアニメ視聴時に既読。

原作は巻の通し番号がふられていないので、後から既刊分を読もうとすると面倒くさいですね。サブタイトル見ても順番はわからないですし。角川文庫の公式サイトとかで刊行順を確認してから読むと良いです。

2017年4月から(~7月まで?)フジテレビ系列で同タイトルのドラマを放送していますが、あのドラマは登場人物の名前以外の設定はかなり原作から変更されているのであまり本作品を観る参考にはならないと思います。

主人公は櫻子さんの近くにいることで事件に巻き込まれる館脇正太郎(たてわき しょうたろう)くんなのですが、櫻子さんもヒロインというよりは正太郎くんとのW主人公的なポジションです。

ジャンル的には一応「ミステリー」ということなんだと思います。骨格標本士であるところの櫻子さんが、骨や死体に関係する知識によって事件の真相を暴いていきます。つまり職業的には探偵ではないのですが、櫻子さんの作中での役割はほぼ「探偵」ですね。

アニメ化されたのは1~4巻くらいの内容+7巻収録の「アサヒ・ブリッジ・イレギュラーズ」(ただし、作中の季節は原作の冬から夏に変更)です。

それと12話はドンピシャ原作にあたるエピソードはないのですが、内容的には6巻「白から始まる秘密」の再構成みたいな感じですかね。アニメを観てから原作を読むという方は、6巻までを一つの目安とされると良いと思います。

一応1話もしくは前後編で各話が完結する形式になっていますが、原作では3巻ないしは4巻あたりまで読む、あるいはアニメだけを観ていても1~12話通して観ればシリーズとしての大きなストーリーが存在することはわかるかと思われます。

アニメ化にあたっての原作からの大きな変更は1~4巻原作の内容よりも百合子が推されてよりヒロインっぽく描写されている点、原作では準レギュラーっぽい薔子さんが「呪われた男」(後編)以外でスルーされている点、原作を読んだらわかる「在原さん」がアニメではほぼ影も形もない点といったところでしょうか。

あとは警官が出てくる必要があるときには原作では別の警官だった場合でも、アニメでは全部内海さんになっている辺りですかね。ただ内海さんは原作でも5巻以降準レギュラーっぽいのでこれはあんまり気にはならないです。

たぶんシリーズ構成的に12話だとここで終わるしかないという感じの最終回ですが、10~12話あたりまで付き合うと続きはとても気になるかもしれません。

ですが、原作も完結していないのでアニメ化範囲は妥当だったと考えますし、2期目は作りたくてもしばらく作れない気がします。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 47
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

氷菓のような評価をされたかった作品?

[文量→中盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
リアル路線のミステリーアニメ。本格的なミステリーもの、推理ものと考えてしまうと、やや物足りないが、変な特殊能力とか使わないだけ、まともにおもえる。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
冒頭の、桜舞い散る学園やそこに流れる雰囲気は明らかに、ライトミステリーの名作「氷菓」を思わせる。

ただ、氷菓との決定的な違いは、「キラキラしていない」という点だろう。むしろ、推理面では氷菓よりも納得できる点が多く、ミステリー小説としては面白いのかもしれない。ただ、「キラキラ」していない。「ワクワク」しない。「ドキドキ」しない。

この作風なら、むしろ実写で連続ドラマ化し、火曜なんちゃらとか木曜なんちゃらで放送した方が良かったのでは? キャストによっては数字とれたと思う。タイトルにもインパクトあるし。

まあ、アニメは嗜好品だから、色んな種類があって良いし、それを好みに合わせて我々視聴者が選べば良いんだろうけど、個人的にはやっぱり、心が温かくなったり熱くなるものが好きだな。折角の現実逃避だからね。

最後まで視聴ができたのはただの一点、第1話で紹介された、「梶井の小説がどう生きてくるか」を見たかっただけである(まさか最終話で、はっきり言っちゃう&本当に死体が埋まっているとは思わなかったがw)。
{/netabare}

【余談~ 梶井基次郎 桜の樹の下には と本作の関連性(文学部的レビュー) ~】
{netabare}
この作品を語る上で、梶井基次郎の「桜の樹の下には」を念頭に置くことは避けられないだろう。

なんで、まずは「桜の樹の下には」を全文掲載します(青空文庫より)。少し長い詩ですが、興味があれば読んでみて下さい♪ 難解ですがね(汗)
{netabare}
桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!

これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

どうして俺が毎晩家へ帰って来る道で、俺の部屋の数ある道具のうちの、選(より)に選ってちっぽけな薄っぺらいもの、安全剃刀の刃なんぞが、千里眼のように思い浮かんで来るのか――おまえはそれがわからないと言ったが――そして俺にもやはりそれがわからないのだが――それもこれもやっぱり同じようなことにちがいない。

いったいどんな樹の花でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。それは、よく廻った独楽(こま)が完全な静止に澄むように、また、音楽の上手な演奏がきまってなにかの幻覚を伴うように、灼熱し生殖の幻覚させる後光のようなものだ。それは人の心を撲(う)たずにはおかない、不思議な、生き生きとした、美しさだ。

しかし、昨日、一昨日、俺の心をひどく陰気にしたものもそれなのだ。俺にはその美しさがなにか信じられないもののような気がした。俺は反対に不安になり、憂鬱になり、空虚な気持になった。しかし、俺はいまやっとわかった。

おまえ、この爛漫(らんまん)と咲き乱れている桜の樹の下へ、一つ一つ屍体が埋まっていると想像してみるがいい。何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。

馬のような屍体、犬猫のような屍体、そして人間のような屍体、屍体はみな腐爛(ふらん)して蛆(うじ)が湧き、堪らなく臭い。それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。桜の根は貪婪(どんらん)な蛸(たこ)のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚(あつ)めて、その液体を吸っている。

何があんな花弁を作り、何があんな蕊しべを作っているのか、俺は毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、維管束のなかを夢のようにあがってゆくのが見えるようだ。

――おまえは何をそう苦しそうな顔をしているのだ。美しい透視術じゃないか。俺はいまようやく瞳を据えて桜の花が見られるようになったのだ。昨日、一昨日、俺を不安がらせた神秘から自由になったのだ。

二三日前、俺は、ここの溪(たに)へ下りて、石の上を伝い歩きしていた。水のしぶきのなかからは、あちらからもこちらからも、薄羽かげろうがアフロディットのように生まれて来て、溪の空をめがけて舞い上がってゆくのが見えた。おまえも知っているとおり、彼らはそこで美しい結婚をするのだ。しばらく歩いていると、俺は変なものに出喰(でくわ)した。それは溪の水が乾いた磧(かわら)へ、小さい水溜を残している、その水のなかだった。思いがけない石油を流したような光彩が、一面に浮いているのだ。おまえはそれを何だったと思う。それは何万匹とも数の知れない、薄羽かげろうの屍体だったのだ。隙間なく水の面を被っている、彼らのかさなりあった翅(はね)が、光にちぢれて油のような光彩を流しているのだ。そこが、産卵を終わった彼らの墓場だったのだ。

俺はそれを見たとき、胸が衝かれるような気がした。墓場をあばいて屍体を嗜(この)む変質者のような残忍なよろこびを俺は味わった。

この溪間ではなにも俺をよろこばすものはない。鶯(うぐいす)や四十雀(しじゅうから)も、白い日光をさ青に煙らせている木の若芽も、ただそれだけでは、もうろうとした心象に過ぎない。俺には惨劇が必要なんだ。その平衡があって、はじめて俺の心象は明確になって来る。俺の心は悪鬼のように憂鬱に渇いている。俺の心に憂鬱が完成するときにばかり、俺の心は和なごんでくる。

――おまえは腋(わき)の下を拭ふいているね。冷汗が出るのか。それは俺も同じことだ。何もそれを不愉快がることはない。べたべたとまるで精液のようだと思ってごらん。それで俺達の憂鬱は完成するのだ。

ああ、桜の樹の下には屍体が埋まっている!

いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり見当のつかない屍体が、いまはまるで桜の樹と一つになって、どんなに頭を振っても離れてゆこうとはしない。

今こそ俺は、あの桜の樹の下で酒宴をひらいている村人たちと同じ権利で、花見の酒が呑のめそうな気がする。
{/netabare}

、、、梶井といえば、「檸檬」が代表作である夭逝の作家である。作家というより、詩人。私はむしろ内面的には女子だと思っている。

梶井は、武骨な外見とは裏腹に、とても繊細で移り気(感覚的)な人物だ。

梶井の友人として有名なのは川端康成。一方、梶井の作品と近い性質(デカタンス)を持つのは芥川龍之介である。私はこの二人を、「日本文学史上、最も優れた天才作家」だと思っている。現代ではNo.1の評価を受けている村上春樹ですら、裸足で逃げ出すほどの才能だ(と、勝手に思っている)。

川端、芥川の対比は面白い。これはウチのゼミの教授の受け売りだが、川端は「醜なるものに美を見い出す作家」であり、芥川は「美なるものに醜を見い出す作家」である。例えば川端は、遊女や孤児などをよく書いたが、いわゆる社会の中で低く見られている人々に対し、僅かながらの光や輝きを見ようとしている。一方芥川は、上流階級の女性や優しき人間を書きつつも、そこに必ず醜さを見いだしている(基本的に人間が嫌いなのだろう)。

梶井に関しては、この美意識が作品ごとに変わっている印象がある。その辺が感覚的な作家であるという評価に繋がっているのだろう。

梶井の代表作である「檸檬」に関しては、川端的な「醜なるものに美をみる」姿勢が見られるし、「桜の樹の下には」芥川的な「美なるものに醜をみる」姿勢が見られる。

梶井は、桜の木の下に死体が埋まっていることを「妄想」と認めている。しかし、この妄想が完成するまでは、爛漫と咲く桜に対して、「ひどく陰気な」心を抱いている。それは、自らが深刻な健康被害を被っていた故の、生命への畏れだろうか。それとも、完璧な美が存在するのなら、自らの文学が価値を失ってしまうということへの恐れだろうか。

おそらく梶井は、「純粋に、無邪気に、存在そのものが美しいもの」を無条件には信じられないのだろう。美しいものには、美しい為の理由がある。それを解き明かせないかぎり、梶井にとってその対象物は恐怖の対象(得たいの知れないもの)になるのだ。

日本人は桜が大好きだ。桜は美しい。皆が口を揃えて言う。にも関わらず、なぜ桜が美しいか、桜を好きなのかをはっきり説明できる人は少ない。

ピンク色だから? 散るから? 期間限定だから?

じゃあ、なぜピンク色だと美しいんだろう? 散るのはなぜ美しいのだ? と、なっていく。

無条件に皆に好かれる存在は、恐怖だ。

例えば、クラスメイトにそんな人はいなかっただろうか? 特別に何が秀でているわけではないのに、なぜだかみんなに好かれている存在。みんなが口を揃えて「あいつは良い奴だ」と言う奴は、なんだか不気味だ。でも、もしそいつに何らかの短所や欠陥を見つけられたら、そいつのことを本当の意味で好きになれないだろうか?

桜の木の下には、死体がある。桜は、死を吸っているから、生を謳歌できる。桜だって、完璧ではない。醜さを内包している。

そう妄想することで、梶井は初めて「あの桜の樹の下で酒宴をひらいている村人たちと同じ権利で、花見の酒を飲めそうな気がする」のだ。

……頭が良すぎる人ってのは、花見ひとつするにも大変だねぇ(笑)

さて、櫻子さんの話である。櫻子さんは、死体(骨)が好きだ。しかし、死が好きなわけではない。むしろ、死を嫌悪している。櫻子さんにとっての死体とは、生の裏返しであり、生を語るものだ。

櫻子さんは、生を無条件には信じられない。死体を見て初めて、「あぁこの死体は生きていたのだな」と感じることができる。これは梶井が、桜の木の下に死体があることを妄想して初めて、「あぁ桜の花はきれいなのだな」と感じられる感覚に似ている。

梶井は深刻な健康被害を抱え、常に死を身近なものと感じていた。自らが死を内包しているからこそ、普通の人なら見逃してしまうような、身近な景色や出来事にも価値を見い出だすことができたのだ。だからこそ、「何の代償も払わないような、無邪気な、無条件な、美や生」には懐疑的だったのだろう。

櫻子さんも、(弟の)死を抱えていた。だからこそ、「ただそこにある生」を感覚的に素直には受け止められず、そんな生にも価値を見いだせない。一見すると冷たく、非人道的な人間のように描かれていた。でも、良く考えると可哀想な人間である。

やはり、頭が良すぎるというのは、大変だな。

もしくは、これは正太郎から見た櫻子さんへの感想なのかもしれない。櫻子さんの正体不明な美しさを説明するための比喩として、「死を吸っているから」としたのか? いや、正太郎はそんな考え方をする子じゃないな。ということはやはり、第三者的な視点で、櫻子さんの本質を言い表していると考える方が自然か。

正太郎は冒頭で、作品の舞台である旭川のことを、「時間が停滞している」「この街には過去の記録がひっそりと優しく息ずいている」と、評している。それは、櫻子さんが死体に抱く感覚と同じではないだろうか。

死を見ることで生を感じる。つまりはそういうアニメである。

この一点において、梶井の「桜の樹の下には」が有効に生かされている。が、多分その一点以外においては、関連性は見られない(ひょっとすると、タイトルのインパクトだけで流用し、小説の中身までちゃんと生かしていないのかもしれない)。まあ、文学部的なレビューの結論としてはそんなところかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 42

65.0 6 2015年度の小説原作アニメランキング6位
<harmony/>(アニメ映画)

2015年11月13日
★★★★☆ 3.7 (269)
1410人が棚に入れました
優しさと倫理が支配するユートピアで、3人の少女は死を選択した。13年後、死ねなかった少女トァンが、人類の最終局面で目撃したものとは?

声優・キャラクター
沢城みゆき、上田麗奈、洲崎綾、榊原良子、大塚明夫、三木眞一郎、チョー、森田順平

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

現代医療の在り方に対する危機感を掻き立てられた作品。政治思想的レビューです。

2015年放送の劇場版アニメ 120分

原作 伊藤計劃 監督 なかむらたかし マイケル・アリアス 脚本 山本幸治
制作 STUDIO 4°C

原作は2008年にハヤカワSFシリーズとして刊行された伊藤計劃の長編小説。

2019年に起こった大災禍「メイルストロム」(世界戦争と未知のウイルスの蔓延)により、
世界は新しい統治機構によって医療経済社会が築かれた。
全ての人類が社会のために健康・幸福であれ、がこの社会の名目である。

舞台は新世界確立から50数年後の日本やバグダッドやチェチェン。
主人公は
霧慧トァン CV沢城みゆき
御冷ミァハ CV上田麗奈

監督のマイケル・アリアスと制作会社は鉄コン筋クリートのスタッフ。

さて、この作品は本格SF小説のノイタミナ系アニメ化と言うことで、
地味に話題になってそれなりの動員は記録したようです。
日本のアニメファンのレベルの高さが証明されて嬉しいことです。

病気の無い幸せな世界と言われれば、同じノイタミナ枠で放送された、
犯罪の無い幸せなはずの世界「サイコパス」を思い出しました。
世界の設定が少し似ていますが、こちらの原作が先発なので参考にされたと思われます。

感想としてはサイコパスを観ていなければ設定の緻密さに驚いたであろうと言う程度です。
現代から続く世界的組織WHO(世界保健機関)が独裁的ではないにしても、
強大な権力を持っていて、「メイルストロム」のような危機に備えています。

医療経済社会に関しては現在進行形なので警告を発する作品かと思いましたが、
それほどのメッセージ性は感じられませんでした。

現代日本に例えれば、国民保健を値上げすることで、絶対多数の下層階級から金を巻き上げ、
癌などの無駄な医療で医療機関に金を回し、一部だけの景気を上げる。
国民保健医療機関は脱税が不可能なので、財務省に金が入り、
下層階級のなけなしの金は医療と言う名のもとに国に吸い上げられているのです。
それでいて日本の医療は先進国中最低レベルです。
金が入るタイプの医療にしか興味が無いからです。
サイコパスにおいても厚労省の肥大化が描かれましたが、現在進行形です。

日本が貧乏になった理由は原子力と医療に金を吸い上げられたため、
資格が紙切れになったのは医師免許に権力が集中したためです。

このSFアニメを観ればこういった日本の現状が思い浮かびますが、
それだけで、作品によるメッセージは見当たりません。
当然ですね、権力が集中しつつある医療には逆らえないからです。

日本は抗がん剤の実験場になっていますが、だからと言って海外諸国がまともとも思えません。
癌の治療法を開発したシモンチーニ博士は抗がん剤マフィアに命を狙われ、
現在はイタリア軍の厳重な保護下にあります。
これただの重曹治療でですよ。

WHOが厳重に摂取を抑制させようとしている「塩」は癌予防薬です。
エイズや新型インフルエンザをばらまいたのがどの組織なのか、
知識人なら常識ですね。

このアニメはストーリーよりもこのような会話をしたくなる作品です。
利権を持っている者、医療関係者や公務員は必死の攻撃を始めます。
それは現代のファシズムと言ってよいでしょう。

癌センターや指定病院を現代のアウシュビッツと呼ぶ人も居ます。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 22

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

すばらしい新世界-Brave New World-

2015年11月27日記載
さっそくレビューを始めていきたいと思います。
今回は伊藤計劃『ハーモニー』の映画を観てきました。
私の個人的感想を徒然と書いていくので、よろしければご参考までにどうぞ。

まずは世界観説明から
2019年のアメリカ合衆国で暴動が起こりました。
それをきっかけとして全世界で戦争と未知のウィルスが蔓延
人類の多くが死に絶えたそれは「大災禍(ザ・メイルストロム)」という名前で後に語られ、その反動か、従来存在していた政府と言う概念は崩壊し、新たな統治機構「生府(ヴァイガメント)」の下で高度な医療経済社会が築かれる世界が誕生します。
そこに参加する人々自身が社会のために健康・幸福であれと願う世界が構築された、優しい牢獄の世界
これはそんな社会に反抗し続けた少女達の物語なのです…

さて、ここからは私の感想を書いていきたいと思います。
今回、正直言ってこのアニメはレビューを書こうかどうか大変迷いました。
伊藤計劃作品は全部レビューしていこうと、前回の『屍者の帝国』を観てから固く誓ったのですが、この作品を見てからはちょっと決心が揺らいだ位です(笑)
これは自分の個人的価値観のせいでもあるのですが…
まあ、その理由については下記の方で書いていきたいと思います。
なので、フォローも交えて説明していきますが、今回の『ハーモニー』のアニメ映画に好感を持てた方、百合というよりレズ描写、グロ描写が大好きな方、原作未読の方はもしかしたら納得できない部分も多々あるかもしれません。
なので、この先を閲覧するかどうかは自己判断でお願いします。





では、これより説明していきたいと思います。
大まかな理由として
1.理解する事と共感する事は違うという事
2.レズ描写の増加
3.小説から映画への転換と2に伴って起こる原作改変
この3つが挙げられます。

まず、1から
私は原作既読なのですが、正直に言って、原作を読んだ時は生命主義体制(ライフイズム)もミァハの思想も共感できるものではありませんでした。
何と言うか、ひどく極端なんですね…
生命を社会的公共財として捉える生府(ヴァイガメント)の理念も、ミァハの生命主義(ライフイズム)に対して行うテロ行為も客観的に見たらとても横暴なんですよ。
勝手な考えで人々を動かしているのはどっちも変わらないじゃんと最初に読んだ時は酷く冷めた目で感じていました。
なので、今回の映画で何か心が傾く要因となる物が出てくるか、少し期待して観に行ったんです。
観に行った結果として、私が揺り動かされる事はありませんでした。
むしろ、逆に横暴だと言う自分の考えがさらに強固になった次第です(笑)
うん、やっぱりどっちにも理解は出来るけど共感は出来ない。
しかし、この映画を見てどちらかに共感する人は必ず出てくると思います。
人間の考えは千差万別です。
むしろ当てはまらない自分みたいな奴が異端なのだと思います(笑)
なので、この映画を見てどう感じるか
生府(ヴァイガメント)の理念に共感できるか、はたまた、ミァハの理念に共感できるか、もしくはどちらの意見にも共感できないか自分の眼で見極めてほしい。
その為にもまだ観ていない方は是非、1度は映画館や後に出てくるであろうレンタルなどで観てほしいと私は思いました。

次は2について
単刀直入に言います、原作よりレズ描写が明らかに多いです。
原作では普通だった箇所もレズっぽくなってます。
また、新たに作ったのか、はたまた私が忘れているのか分かりませんが、自分の知らないレズシーンまでありました。
私は随分前に見た某アニメのおかげで、女同士の恋愛に対しては嫌悪感を覚えるまでのトラウマを抱えてしまったので、正直観ててつらかったです…
小説でも百合を1つの土台としてはいるものの、地の文と組み合わせて淡々と表現しているので、そこまで悪寒はしなかったのですが、映像化するとなると恐ろしいですね…改めてそう感じました(笑)
また、グロシーンも結構すごいです。
『屍者の帝国』よりも気持ち悪く感じました、精神的にきます、驚きます、血がドバドバ出ます。
これらが嫌いな人は少し覚悟して観た方がいいでしょう。
ああ、勿論大好きな方はどうぞ期待して観てください。

最後に3について
これがこの映画で1番納得できない部分でした。
1や2については主に私だけの個人的問題なのでいいのですが、この3だけは原作既読の方でも納得できない人は多いかと思います。
端的に説明していきましょう。
まず、説明セリフのオンパレードです。
未読の方はこの映画だけを観て理解できるのか、少し分かりませんね…
あまりにも喋っている場面が多いので、聞き逃すとストーリーが把握できなくなるかもしれないです。
映画として表現するにあたっての工夫があまり感じられないような気がしました。
ただ、小説をそのまま映像化しただけのような…
まあ、これは原作自体が説明の多い小説ですし、演出を吟味した結果なのだとしたらしょうがない事なのでしょう。
次に重要なシーンが結構抜かれています。
最初に上映した『屍者の帝国』も重要なシーンは抜かれていますし、映画では登場していない人物も数多くいました。
しかし、あの映画は再構成と言う形で未読の方にも分かりやすく伝わるよう工夫した結果、牧原亮太郎監督版『屍者の帝国』として生まれ変わったのです。
この点に関してはただ、素直に拍手を送りたいです。
さて、『ハーモニー』の映画はそれとは逆に原作を忠実に作りました。
ただ、その結果、フォローの回りきれていない部分があったように思います。
最初の物体は何なのか?
意識が消失すると言う細かい意味とは?
最後に登場した人物は一体誰なのか?
あんなにキャラクター達が喋っているのに、説明不足な点が多いですからね…
改めて、映画化するにあたっての難しさを感じたような気がします(笑)
まあ、しかし、やはり原作全てを映像化するのは不可能な事
2時間で収めるならば、所々カットしなければいけない箇所もあるかと思いますので、これもまた、しょうがない事でしょう。

しかし、これだけは言わせてください。
ラストシーンを変えたのは流石にどうでしょうか?
原作では霧慧トァンという1人の女性が御冷ミァハという女性の影をある種の執念で追い続け、最終的にはミァハからの独立、明確なトァンという1つの個へと至る物語でした。
しかし、この映画では最初から最後までトァンはミァハの事しか考えていません。
その結果、ミァハという自分に指針を与えてくれた親の如き存在から離れ、前に進んでいくトァンの成長というカタルシスがろくに感じられなかったのが心残りでした。
そして、最後に彼女はミァハに対して自分の答えを出す為にある行為をします。
その行為をした理由となる答えも原作とは変えられ、しかも原作の方が好きだったので、これもまたちょっと心残りでしたね…


以上を持ちまして、個人的感想を終了したいと思います。
ここまで長々とした駄文を読んでくださってありがとうございました。
今回は少し毒の強いレビューとなってしまったので、ちょっと残念です。
しかし、ここで1つ言っておきたいのですが…
この『ハーモニー』映画の全体的出来としては決して悪い訳ではありません。
上手く原作をまとめているなあと感じる部分もありましたし、改変でよかった箇所もありました。
恐らく、この作品は映画と小説、両方見て初めて完成する作品なのだと思います。

「事実は小説よりも奇なり」と言う言葉があります。
現実に起こる出来事は、作られた物語の中で起こる事よりも不思議で面白いものだという意味の諺です。
正直、私自身にとってみればあまり実感のない言葉でした。
その意味についても本当にそうだろうか?と首をかしげている普通の一般的な現代人です。
現実よりも小説の方が面白く感じる時もあるし、そんな考えに至るには、毎日、充実した日々を過ごすしかない。
だが、そんな幸福に溢れた生活などあり得ないと、その言葉を最初に学んだ時は斜に構えた眼で見ていました。
しかし、この映画を見てから、その諺の意味が少しだけ理解出来たような気がします。

よく考えてみると、この諺は決して現実と物語を分けてはいません。
物語は現実と断絶して存在している訳ではない。
確実にそれは読者にも何かしらの影響を与え、その結果、変わらない日常が変化していく人も中にはいます。
「影響」と言う言葉で片付けるにはあまりにも強い力
ゲーテの『若きウェルテルの悩み』を読んで自殺者が急増するように
坂口安吾の『堕落論』を読んで若者が新たな価値観を植え付けられるように
物語に感化された御冷ミァハから影響を受けた霧慧トァンのように
そして、伊藤計劃という個人の作品に没入している私達のように……
その結果、彼らは、私達はどのような方向へ導かれていくのか?
それは誰にもわかりません、歴史もしくは観ている我々、傍観者が判断するしかない事でしょう。
ただ1つだけ言えるとするならば
その力こそが現実を面白くさせる1つの起爆剤になるのではないかという事

それはこの映画からも同じことが言えます。
あなたは『ハーモニー』を観て、どんな影響を受けるでしょうか?
もしくは何も感じずに終わるでしょうか?
しかとこの目で確かめる為にも、この映画1度は見るべきかと存じます……

ここまで読んでくださってありがとうございました!!

「フィクションには、本には、言葉には、人を殺す事のできる力が宿っているんだよ、すごいと思わない?」
伊藤計劃『ハーモニー』p.224,早川書房


2016年1月24日追記
いまから語るのは、
〈declaration:calculation〉
〈pls:敗残者の物語〉
〈pls:脱走者の物語〉
〈eql:つまりわたし〉
〈/declaration〉 [ハーモニー]
と言っても、この映画については1年前に概ね語り尽くしましたね…
今作の批評も、今思えば感情に任せて書いた文章でございます。
しかし、よく考えたらそのスタンスは現在の自分と未だに変わっていないというか、未だによく行っている事に書いていて気付きました。
自分の理性的であり合理的な部分を占める成長は、この先「闇」しかないのかもしれません(笑)

しかし、この『ハーモニー』と言う映画
観ていてつくづく考えてしまうのは、社会を構成していく難しさです(ディストピア小説なので当然と言えば、当然の話なんですが)
より良い社会に住みたいと思う事は万人において普遍的な共通性ですが、しかし、その社会的「善政」が万人に良い効果をもたらすとは限らない…
構成員である人々誰もが「善性」であれば、社会は幸せになるのか?
『ハーモニー』と言う作品はそんな問いにも深く言及しているようです(まあ、私が1番好きなキャラはキアンなんですけど(笑))
しかし、社会は無理でも世界なら…
2人ぼっちの世界なら…
-----------------------------------------
彼女が死んでいく間、私は誓った。
天国とまではいわないけれど、できるかぎりここを、この場所を良くしてみせるよ、と。
彼女はそれを聞くと、にっこり微笑んだ。
そうね、天国とはいわないけれど、天国の隅っこくらいまではたどり着きたいわね、と。
それが彼女の最後の言葉だった。
伊藤計劃『The Indifference Engine』「フォックスの葬送」より
-----------------------------------------

さて、前作『屍者の帝国』から始まり、今作で分岐点を迎えた長いプロジェクトは来月の「終わりの始まり」を上映する事によって、遂に終焉を迎えます。
ここまで至る道は1年以上に亘った大変長い物でしたが、何、なんて事ありません。
人間の魂に及んだ解答が1年と少しで解明されたんです、こんなに短い物は無いでしょう…
しかも、どうやら深夜に『屍者の帝国』と『ハーモ二ー』が放送されるそうですね、こんなに嬉しい事は無いでしょう…
私も深夜放送で「終わりの始まり」に至るまでの雄姿をもう1度拝見し、それから最後の戦場、ジョン・ポールとの戦いへ臨みたいと思います。
そして、「伊藤計劃」の全てが揃ったその時はもう1度全体を観るとしましょう、読みましょう!!
「物語…それは死してなお、この世界にあり続ける技術」

-----------------------------------------
さあ、行進しよう、とぼくは穏やかに呼びかけた。
のろまも、せっかちも、思い思いに。
足並みなんてばらばらでかまわない。
のっぽも、ちびも、僕らは歩く。
丘を下って。
人の営み、生活の匂い
それを運ぶ涼やかな風の上方へと。
伊藤計劃『The Indifference Engine』「The Indifference Engine」より
-----------------------------------------

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

中々に重いお話ですぞ

HTML書式風味?で始まる未来の光景からは
想像つかない程にラストは濃厚。
脳医学ちょっとかじってれば
理解できると思うけれども、別に知らなくても
他に見所は沢山あるので問題無し。

中1の時の自分の思考や言動をなぞっているようでしたよ
ミァハ

思考停止
いわゆる考えるのをやめた☆
ようなちょっと想像するとラストは怖いのですが

憎しみ・恨み・怒りのエネルギーというのは絶大なもので
生きる力に変換できるほどの威力を持っています。
相手を殺すか自分が死ぬかの二択と思われがちなのですが
実は3の道があります。
これがベリーハードモードで
死んだがマシと思えるほどの苦痛

脳みそって良くできていて
失った機能をサポートしてくれる場合もあるのね
シナプスが勝手につながる感じ?
これがミァハの言うところの意識の覚醒だと思うんだけど
痛みも苦痛も意識下で認識してないと
認識してないととるわけ
何も感じない訳でもなく緊急避難的に
なかったことにするか自我を殺して
何も感じないようにもできるわけ。
すごいよね、脳みそ。

葬式があるだけマシというか
健全なのかな
死をまだ身近で感じられる分
そんな事を考えながら見ていたのでした。

マイケル・アリアスとSTUDIO4℃
鉄コンコンビですね。
「Ghost of a smile」
主題歌は EGOIST

意識に思いをはせられる哲学的な一品です
カテゴリーはSFになるんだろうけど。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 23

57.6 7 2015年度の小説原作アニメランキング7位
ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン(Webアニメ)

2015年4月1日
★★★★☆ 3.3 (130)
529人が棚に入れました
ニンジャ殺すべし!
ニンジャ抗争で妻子を殺されたサラリマン、フジキド・ケンジ。
彼自身も死の淵にあったそのとき、謎のニンジャソウルが憑依。
一命をとりとめたフジキドは「ニンジャスレイヤー」――ニンジャを殺す者となり、復讐の戦いに身を投じる。
近未来都市ネオサイタマを舞台に、 ニンジャスレイヤーvsニンジャの死闘が始まった。
マッポーの世に救いは無いのか? 走れ、ニンジャスレイヤー、走れ!  

文葉 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

見終わった感想(修正済)

ドーモ 注意事項デス。
1.原作(書籍版読んでいます)重篤な忍者ヘッズ(ニンジャスレイヤーファン)
2.ニンジャスレイヤーが好き過ぎて書きたかった。書いてしまった。
3.忍殺語が溢れいています。重点。いいね?

『ニンジャスレイヤー』は
ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズの
アメリカ人コンビによる妻子を殺され忍者になった主人公の復讐劇をメインに
アクション、SFにボーイミーツガール、コメディホラー要素もある奥ゆかしい小説。
翻訳チームが翻訳後Twitterで連載して
物理書籍版(ダレン・シャンやハリポタ並に分厚い本。時として武器にも使用可能)や漫画が発売された。
2-3年前に兄に第一巻「ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上」を貸してもらい、
小説の文の7割がカタカナでクレイジーな世界観にハマった。
現在、第3部の連載が行われているが、私はキョート殺伐都市舞台の今第2部
「マグロアンドドラゴン」迄読んでいます。
仕事が落ち着いたら・・早く第3部も読みたい・・。

当時、書籍版の告知を見てアニメ化すると聞き、
「アイエエエエエ?ニンジャ・・アニメナンデ?」と
ニンジャリアリティショック(NRS)起こしている自分に混乱しました。
アニメ版で特にお気に入り回は
「スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ」
シルバーカラス=サンとヤモト=サンの切ない話と「少し明るい海」です。

OPはSouth Park Let's Fighting Loveを思い出すような映像とROCK。
最近になって上の方に英語歌詞の字幕があることに気づいた。
作画はアメリカのカートゥーンと90年代を混ぜた感じで時々FLASHっぽい。
まさにチャージマン研と鷹の爪混ぜたような感じ。
格ゲーのようにいきなりスライドして登場するのはずるい(笑)

動きがFLASHみたいだったり、あえて雑なところは
小説では首がサヨナラしたりグロが多いのであえての自主規制かもしれない。
古事記?にも書かれている通りにアイサツするシーンと
ニンジャスレイヤーの戦闘シーンは気合が入ってる模様。
爆発四散して「サヨナラ!」するシーンだけ声優の本気が見えた

実際そんな感じだけど、ヤモト=サンとナンシー=サンのカワイイヤッター!な姿が見れたので
それだけで私は幸せです。何も言うことないです。
だけど、一つ言うとしたら、実写パートはいらない。
翻訳チームの趣味だと思うけど、まさに哲学だと思う。

<補足>
アニメ版はついに最終回を迎え、2016年 春に地上波TVシリーズ
(スペシャル・エディシヨン版)放送が決定された。
原作ストックは山ほどあるし、大いに楽しみ。備えよう。
このアニメを観て「原作も見たくなりました」という
ニュービーはなかなかいないと思うけど、もし見るなら
Twitterでも連載されているし、物理書籍版もあるし
たくさんエピソードがあるけど、時系列バラバラなので好きなところから見て
内なるカラテの高まりを感じニンジャリアリティショックを受ければ良いと思います。(*´∀`*)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 47

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本語がさらに好きになる作品です

いい最終回でした(汗)

ラストのインガオホーの山焼き、一瞬でしたが最高のビジュアルでした。
ワッショイ!の連呼で殴り合うラオモトとフジキド、アツかった・・・

色使い・テキトウさを逆手に取った動きのバカっぽさ・80年代のニンジャ映画ブームの妙な盛り上がりを思い出させる台詞の数々、ほんとスバラシイです。何が面白いのかを言葉にするのは難しいですが楽しかったですw
因みに私は内容は全く頭に残ってません(汗)

/////////////////////////////////////////////////
25話観ました。総集編とサブタイトル付いてました。

私は原作読んでないですし、この作品自体が物語が記憶に残らない類の代物なので私の大きな勘違いかもしれませんが、

ぜんぜん総集編じゃねぇ(滝汗)

もうね、目に余るヒドサに拍車がかかってます。
真面目な人は既に脱落してるでしょうが、私的にはタマランです。
//////////////////////////////////////////////////
昨晩、15話をたまたま目にしてしまったわけですが。
どうも気になって仕事に身が入らないのです。
あの叫び、あの動き、あの色使い、あの言葉遣い・・・・
出会わなければ、こんな思いをすることも無かったものを。

という事で、結局続き見てます(汗)
癖になります。
/////////////////////////////////////
たまたまニコ動で目にしてしまいました。
イア゛ア゛ア゛ァ~イア゛ア゛ア゛ァァァ~ってなんか斬ってるし(汗)
耳に残ってしょうがないんすけど。
ダイナマイトの信管というか導火線目にも留まらぬ早さでブチブチむしってるし・・・
なんか観てはいけないもの観てしまったような気がします。

昔のピットファイターとか初代モータルコンバットを思い出しますね、コレw
すごく観たいけど、コレに人生の貴重な時間を使う事は何か間違ってる気がします(汗)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

サツバツ! ネオンサイン煌々と輝くマッポーの世に舞う赤い影 ドーモ、ニンジャスレイヤーです。

アメリカ在住の※1ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズの二人による合作小説「ニンジャスレイヤー」のアニメ化作品。


クリスマスの夜、謎のニンジャ抗争に巻き込まれ、妻と子供を失い、自らも死の淵をさまよった平凡な"サラリマン"フジキド・ケンジ。彼は正体不明のニンジャソウル「ナラク・ニンジャ」に憑依され地獄から蘇えった!! 復讐の戦鬼ニンジャスレイヤーとして!!

ニンジャを殺すニンジャ、すなわち"ニンジャスレイヤー"となったフジキドは怒りと悲しみをその身に宿し、血で血を洗うイクサの世界にその身を投じていくのだった!!

上のあらすじを読んでスポーンとかゴーストライダーみたいなアメリカンコミックスの定番ダークヒーローものを連想された方もいるかも知れませんが、本作の方向性は概ね左斜め上(笑)、シリアスと言うよりはシュール、殺伐と言うよりは荒唐無稽という言葉がぴったりで、加えて、エロやスプラッタ描写も随所に見られるので、雰囲気はどちらかと言うとZ級映画、あるいは視聴年齢制限ありの「※2ミュータント・タートルズ」という趣です。

原作ジャンルは「サイバーパンク・ニンジャ活劇小説」との事(笑)

そんなワケで、ニンジャを始め、ヤクザ、さらりまん、サイボーグ手術から電脳空間まで、サイバーパンク小説の金字塔「ニューロマンサー」ネタがそこかしこに盛り込まれています。奇妙な組み合わせではありますが、実の所、忍者とサイバーパンクの繋がりはかな~り古いものなのです。

物語の構成は至ってシンプル。ニンジャスレイヤーがソウカイヤニンジャと死闘を繰り広げるだけのバトルものの体裁をとっており、ドラマらしきものは無きにしも非ず(笑)

異色なのは女子高生ニンジャ、ヤモト=サンが主役となるお話。バトルパートは相変らずですが、こちらはややシリアス色が強く、涙を誘うシーンもちらほら。友情や師弟愛などがしめやかに描かれています。

作画については「天元突破グレンラガン」から脈々と続くTRIGGERらしいダイナミックな表現全開なシーン2に対して、格闘ゲームに出てきそうなキャラの立ち絵を紙人形劇みたいに動かしたり(お辞儀の時は斜め30度、倒れた時には90度傾けるとか)ズームしたりするだけのシーンが1くらい。過剰表現(これはお約束?)や執拗な焼き増しシーンの連発などのお遊びなんかもあったりして、のびのびと自由に制作されている様です(笑)

また、あくまでも古典TVゲームレベルですが、人体切断や血の表現がややきついので、苦手な人は注意されたし。周知の事かも知れませんが、ニンジャにとって飛び蹴りやチョップ、スリケン(手裏剣)等で首をはねる事などたやすい事なのです。何のフォローにもなっていない気もしますが、※3血の色は設定上、緑である事が多い様です。一応(汗)

90年代の残虐格闘ゲーム「モータルコンバット(米)」というのが家庭用に移植された際にも、わたしはこの緑の血というものを見た事があるのですが、生身の人間から得体の知れないヘドロの様なものが噴き出す図は、それはそれで別の意味でキモチワルイものがありました(汗)何となく本作との繋がりを感じずにはいられません。日本人のわたしには緑ならOKという※4CERO的なヨクワカラナイ感覚に対する皮肉の様にも見えてしまいました(汗)
{netabare}
皮肉と言えば、クローンマッポ(警官)とクローンヤクザが同じ工場で生産されている描写があったり、マッポがサラリマンを暴行するシーンがあったりと、けっこーやりたい放題。現在の純日本製アニメだったらまず実現不可能? いずれも「天才バカボン」の目玉のお巡りさんのピストル乱射並みに危険なシーンな気がします(笑)
{/netabare}
バトルとスプラッタでゴリ押しするアニメと思って、一度は切ってしまった作品でしたが、珍妙な言葉"※5ワザマエ"だけは頭から離れず、後に読んだ「紅殻のパンドラ(漫画版)」内でもこの言葉が積極的に引用されていたので(笑)それに後押しされる形で視聴再開に至った次第。

するとどうだろう‥ゴウランガ!! あれよあれよという間に、この奇妙奇天烈にして狂気渦巻くニンジャ世界に中毒めいた陶酔感を覚えていく様ではないか! これをサイオー・ホースと言わずして何と言おうか!

なお↑みたいな色々と間違った解説(CV:ゴブリンさん)が劇中にちょくちょく差し挟まれるんですが、その中に散見されるコジキ、ハイク、ミヤモトマサシ?等からの引用もほぼデタラメなので、笑って聞き流す事を推奨します(笑)

視聴に際しては※6ニンジャリアリティ・ショックへの気構えを忘れずに!

カラダニキヲツケテネ!

サヨナラッ!


※1~6
{netabare}
※1:作品理解の一助となるかも知れないので、2010年8月にTwitterにアップロードされた二人の原作者のインタビュー記事を引用。↓

「最初に生まれたのは言葉だった。ニンジャスレイヤー。ニンジャを殺す。知っての通り、ニンジャ達は日本という国を支配する半神のような存在。それを殺すなんて、なんたる反骨の精神か、とね。そこから全て始まった」byブラッドレー・ボンド

「私たちは物事をシンプルにしたかった。ネット化され監視の目が光り続け、政府や経済ではなく、大衆自身がIRCとBBSで自らの首に巻きつけようとする見えない首吊り縄を、カウンターする為である。社会は悩み進歩すべきだが、個々人がセプク(切腹)してはいけない。」byフィリップ・N・モーゼズ

始まりから間違ってる(笑)モーゼズ氏の方はまともな事を言っている様だけど‥。ボンド氏はニンジャ神話(古事記?)と北欧神話の類似性をいち早く指摘した事でも有名な人らしい。ニンジャ神話!?

※2:原作はアメコミ。正式にはティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ。怪しい液体を浴びて亀から亀人間へと変身した4人が、ネズミ忍者スプリンター先生と共に悪の組織の野望に立ち向かうアニメ。第一シリーズ(テレ東で放映されてたやつ)の悪役シュレッダーの台詞(日本語吹替版)のノリは本作とどことなく通ずる所がある様な無い様な‥スプリンター先生の掛け軸「アニメ道」とかも(笑)

※3:原作小説(Twitterで連載中)では、バイオ血液は体内では緑色だが空気に触れると赤く変色するという事になっている(汗)

※4:家庭用ゲームやパソコンゲームの表現規制、対象年齢表示を独断と偏見で定め、取り仕切っている非営利団体。詰るところ検閲みたいなもの。

※5:使用例は「お見事なワザマエです。」とか。腕前の誤植っぽい(笑)

※6:作中にて、ニンジャとの遭遇により引き起こされるパニック症状を指す語。失禁、失神、心停止などに見舞われる。アイエエエエ!!
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20

61.3 8 2015年度の小説原作アニメランキング8位
少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (76)
401人が棚に入れました
小説『少年ハリウッド』の15年後の世界を舞台としている。

原宿にある劇場・ハリウッド東京で活動するアイドルユニット・少年ハリウッドの夢と成長を描くオリジナルストーリーの第2シーズン。

ライブ三昧の日々を送っていた少年ハリウッド。しかし、初代の頃のような大繁盛というわけではなかった。そんな中、控え室のメンバーはマイペースだった…。

声優・キャラクター
逢坂良太、柿原徹也、山下大輝、蒼井翔太、小野賢章、新田将司、浪川大輔、浅沼晋太郎、保志総一朗、鈴木裕斗、鳥海浩輔、阪口大助、岸尾だいすけ
ネタバレ

沙祈 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

少年ハリウッド

少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-の続き。
相変わらず面白い。23話から不穏な雰囲気だったけど最後は涙なしじゃ観られなかった。

15話はキャットが喋る!(字幕が出る)
19話はトミー出演の「渡り鳥のコップ」ドラマが観られる。
最終話は勿論ライブ回!
相変わらず女性キャラはあまり出ないけども22話でキラの初恋が!

3期やって欲しいアニメ。

各話感想↓
14話 永遠のど真ん中
{netabare}風邪まっきー。
埃ってどこから出るんだろう。
あれ、よ…4人。夢か。OPかと思った。
海苔人気。パリッといい音。
フクロウもミミズクも変わらない気がする。1期の途中までフクロウだと思ってたキャット。
厳しいシャチョウ。
自分の事をネットで検索するのをエゴサ!
まつ毛を挽回。
相変わらずテッシーがお母さんみたい。{/netabare}

15話 守り神が見たもの
{netabare}キャットが凄く可愛い冒頭。キャット字幕。
ほぼ満席だった。
若さだけでかろうじてアイドル。
キャットの昔の姿小さくてめちゃくちゃかわいい。
初代少年ハリウッド解散…。
テッシー…切ない。ゴッドが帰ってきた!
ライブ後の握手会。
みんなのスカウトシーン。
EDめちゃくちゃかわええ。何この愛らしい生物。
いつもコオロギ…ポケットにしのばせてって…ひぇぇー。

16話 本物の握手
{netabare}いつでもできる握手より偶然の握手…か。
原宿をうろつきながら、握手。
トイレだけはハリウッド東京に。アイドルはトイレ行かないもんね!
ファンのイメージと実像は違うのね。
もう高校三年生のカケルくん。アイドルが習い事…?
カケルのファンいい事言う。
シャチョウの握手こっわ!{/netabare}

17話 僕は君のアイドルだから
渡り鳥コップのドラマに出演。気にするトミー。
アイドルは薄情。
緊張トミー。表情が固い。
キラの謎のツボ。こんがらがーる。
イエローパンチを狙ってたキラ。カットされたキラのイエローパンチ。最後に出て来た。
トミー先輩!ごり押しだった先輩。
こんがらがーるのブームが過ぎたキラ。
キラの中におっさん説。
全員でこんがらがーる。{/netabare}

18話 サプライズケーキは想像外
{netabare}衣装着てるのにこぼすマッキー。
調子に乗るシュン。
シュンが反抗期。
春風ボイスって何だ。
ランさんって誰かと思ったら先輩だったか。
シュンの自己紹介が…。観てるこっちが恥ずかしい。
フォローができるようになったマッキー。かっこいい。
びっくりするサプライズ。
世界が開けたシュン。
みんなサングラス。{/netabare}

19話 渡り鳥コップSP ~水辺の警察学校番外編~
{netabare}渡り鳥コップの番組を観る3人。そして視聴者。
なんだかホラー…。
キャットに驚くマッキー。やっと2人到着。
360度…?トミーが間違えた?
もやもやする。
数年前のシリーズの犯人の逮捕…。{/netabare}

20話 僕たちの延命
{netabare}マッキーが何言ってるか分からない。シュン凄い。
マッキーだけ汚いロッカー。
また出待ち。
キラがスイッチ入ってる。
テッシーの偵察が…。
センター獲得キャンペーン中。
キャットのシュン好きを認めたマッキー。
慣れって怖い。
カケルくんセンター。OPでセンターだもんね。
表情細かい。
失って気付く事。{/netabare}

21話 神は自らの言葉で語るのか
{netabare}家族に愛されてるカケルくん。
キャットって何で逃げたりしないんだろう。
超絶ポジティブ解釈記者。
カケルくんファンレター多い。
ツインテキラママ。
ハードル高すぎ!
みんな仲間思い!
マッキー押しな妹。{/netabare}

22話 ファンシーメルシーブラックコーヒー
{netabare}冷蔵庫が壊れたキラ家。 
サンドイッチ屋のお姉さんを見つめるキラ。
ラップと輪ゴムが怖いシャチョウ。
サンドイッチ買いすぎ!マニアックなチョイス。エコ的な観点。
ゴボウ&バンバンジー人気ないのか。どんな味なんだろう。
察するマッキー。ストーキング マッキー&カケル。
必死なキラ。
うらやましいマッキー。急に冷静になるマッキー。そして盗撮。婚約指輪…。
いきなり告白するキラ。
涙もろいマッキー。瞬間移動。
ブラックコーヒーさん。{/netabare}

23話 正しさと正しさの狭間で
{netabare}シーマさん登場。買収!?
マッキーあほ。
冷房と暖房の話、難しいな。
最強アンテナ野郎。嬉しいのか。馬鹿にされてるような感じがするけども。
落差凄い。
初代も務めたイメージキャラ!
シーマさんの力添え。
みんなで話し合い。
貸し切り遊園地。
シャチョウ…行っちゃうの!?{/netabare}

24話 まわりっぱなしの、この世界で
{netabare}シロート君。態度悪い。シャベッター。
笑顔で毒を吐くみんな。
毒舌が人気なシロートくん。中の人などいない!
リュウでした。
シーマ社長。
籠城アイドル。キャットも締め出された。
シーマさん怖い。
停電。怖がりなシュン。
綺麗な客席。演奏なしの歌。雨音の拍手。
初代版のED。1人1人の絵が素敵。{/netabare}

25話 瞳を閉じる日が来ても
{netabare}OPなし…。
シャチョウ!
キャットの歌。なげーよ。
マッキーアイマスク。
ディナーショー。ちゃんとやるキラ。
モノマネ回。凄く面白い。設定が細かい。
キャットの声似てないよ、シュン。キラのモノマネ面白い。少年ハリウッドのモノマネ。いい紹介。
シャチョウとシーマが見ていた。試されていた。少年ハリウッド全員から託された。
テッシーも知らなかった。
目を瞑って歩く…なんか危ない。ツッコミ遅い。{/netabare}

26話 HOLLY STAGE FOR YOU
{netabare}初代と新生少年ハリウッドのサインの入った旗。
ライブ!動きが凄い。踊りのシーンのアニメーション何枚描かれたんだろう…。
地味にずれてる動きが凄い。
突然のサプライズ。新規カット多めで豪華。初ライブの映像。
涙声の歌。
本当に面白かった。笑いあり涙ありのアイドル物語。続きはまたいつの日か…。{/netabare}

2015/08/26 ニコ生15~20話上映会視聴 アンケート↓
とても良かった:98.8%/まぁまぁ良かった:0.6%/ふつうだった:0.4%/あまり良くなかった:0.2%/良くなかった:0.0%

2015/08/26 ニコ生21~26話上映会視聴 アンケート↓
とても良かった:98.1%/まぁまぁ良かった:0.6%/ふつうだった:0.4%/あまり良くなかった:0.0%/良くなかった:0.9%

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

サブタイトルが「-HOLLY STAGE FOR 50-」になりました^^

この作品は「少年ハリウッド-HOLLY STAGE FOR 49-」の分割2クールの後期に位置する作品です。
物語に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

前期では、新生少年ハリウッドの5人組みが結成され、アイドルとしての階段を登り始めた・・・というところまで描かれていましたが、後期はその続きである程度認知度も上がり、ステージに足を運ぶお客さんが増えたところから始まります。

前期はアイドルである事が精一杯で周囲の状況が良く分かりませんでしたが、今期は彼らがアイドルとして自覚した言動を撮り始めると共に、彼らを取り巻く環境が少しずつ明るみになっていきます。
この様な状況の中で彼ら5人がアイドルとして高みを目指すために悩んだり、色んな生き方に触発されたり・・・と成長する様が描かれています。

彼らはまだ16〜19歳の少年です・・・
そんな彼らに対し社長はアイドル活動を通して人としての成長を促しています。
そんな社長の出した課題に対して真剣に向き合う彼ら・・・
何となく持っていたモノでも失くすと悔しいという事や、物怖じしない強い気持ちの必要性、そして仲間意識の大切さなどを知り、気付いていきます。
ネガティブな展開が殆ど無いため、ある意味安心して見ていられる作品だったと思います。

特に印象に残ったのは2つ・・・
最年少である佐伯希星の淡い想いに高校生らしさを・・・
物語の終盤に訪れた危機に対する皆んなの言動に少年ハリウッドの一員である事に対する誇りを感じました^^

前期は殆ど女性は出てきませんでしたが、今期は前期より出ていたと思います。
前期の潔さには関心しましたが、華があるとやっぱり違いますね^^;

前期のレビューでも記載しましたけれど、サブタイトルの「-HOLLY STAGE FOR 50-」前期の49から1つ数字が増えていますが、この理由はやっぱり分かりませんでした^^;
何故49という中途半端な数字から始まるんでしょうか???
全員の年の合計でもないし、持ち歌の曲数でも無いし・・・

それと最終話のエンドテロップも気になりました・・・
「その声は、きっと届く・・・OLLY STAGE FOR 51へと」

これは、続編の可能性があるという事だと思います。
その事実は嬉しいのですが、ここでもまた数字が1つだけ増えているんですよね^^;
原作読めば分かるのでしょうか・・・^^?

後半は1クール13話で前期と合わせると全26話の作品でした。
キャラデザが綺麗なのと、この作品のノリに慣れてきたのもあって男性ばかり登場する作品でしたが、抵抗無く視聴できたと思います。
原作は全1巻で終わっているようですが続編・・・あるのでしょうか?

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みんなの「少年ハリウッド」

原作未読 全13話(1期と合わせて全26話)

少年ハリウッドの2期です。1期から観ることをオススメします。

劇場「ハリウッド東京」で活躍するアイドルグループ「少年ハリウッド」のメンバーのお話です。前回はデビューするまでのお話でしたが、今回はデビューしてからメンバーの悩みや危機などをみんなで乗り越えていくお話です。

現在の少年ハリウッドの前には初代「少年ハリウッド」がいて、そのメンバーが現在のメンバーに色々なかたちで絡んでいきます。

舞台でのメンバーたちの振る舞いにはちょっとついていけない部分(演じているので仕方がないですが)が多かったですが、舞台裏のメンバーのお話は色々と素の部 分が見えて面白かったです。最終話は良かったですね。

キャラデザが気にならないければ、結構面白い作品だと思いますので気になる方は観てくださいね。

曲はOP・ED以外にもアイドル作品だけあって覚えきれないほどたくさんありました。

最後に、舞台でのメンバー紹介は観ていてこちらが恥ずかしくなりましたw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 24

57.6 9 2015年度の小説原作アニメランキング9位
探偵チームKZ事件ノート(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (63)
353人が棚に入れました
友だちや家族、また成績に、なやみやコンプレックスを感じている
小学6年生の立花彩。

あるとき、塾で出会った超・個性的な男子4人と「探偵チームKZ(カッズ)」を組むことに!!

個性豊かな「探偵チームKZ」が、事件にまきこまれ、時にぶつかり合いながらも、それぞれの特技、専門知識を使い、協力して、事件を解決にみちびきます!


声優・キャラクター
巽悠衣子、斉藤壮馬、寺島拓篤、西山宏太朗、市来光弘

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「探偵チームKZ事件ノート」←毎回この台詞から始まる構成が何気に好きでした^^

この作品の原作は未読ですがNHKEテレで放送されること、キャラデザが好みだった事から視聴を決めた作品です。

ポンポン視聴する作品を増やしていくとどうなるかは理解しているつもりです・・・でも、一度気になっちゃうと視聴せずにはいられないんです^^;
そして第1話・・・私好みのキャラデザの登場人物が可愛らしく登場した時、「あぁ、視聴を決めて良かったな^^;」と心底思いました。

この物語の主人公は小学6年生の立花彩・・・引っ込み思案で周りの視線が気になって仕方ない彼女は、友達と呼べる人もなく、独りで過ごす時間の多い女の子です。
勉強や運動も決して他人よりできる訳ではありませんが、唯一国語が得意なのが彼女の取り柄になっていたようです。

「一芸に秀で、その芸で身をたてる」
はちょっと言い過ぎかもですが、国語の得意な彼女は塾で特殊クラスに入れることになったんです。
そして、そのクラスには「サッカーチームKZ」の4人のメンバーが在籍していたんです。
KZのメンバーといえば女の子の黄色い声が飛び交う超人気者です。
かかわり合ったら人の目が・・・
現状の自分の立ち位置を理解している彼女でしたが、KZのみんなはそんなの全くお構い無し・・・

そんなある日、KZのメンバーの一人である若竹の自転車が盗まれるというトラブルが発生するんです。
「絶対犯人を見つけてやる!」
それぞれ得意分野を持つKZに国語の得意な彩が加わり、「探偵チームKZ」の物語が動いていきます。

探偵とはいえ彼らは小学生・・・扱う事件も身の回りにおける些細な出来事なんですが、これが結構面白いんです。
時折小学生には無理なんじゃ・・・という設定も無いわけではありません。
でもそこはフィクションという枠の中でKZのメンバーが輝ければ問題無いと思います。

物語は大きく4つについて描かれています。
①消えた自転車は知っている
②卵ハンバーグは知っている
③裏庭は知っている
④バレンタインは知っている

どれも題材は身近ですが、タイトルから内容が想像できないところに面白さがあるのかもしれません。
そしてこの作品は謎解きと同時にチーム内のキャラを掘り下げています。
この掘り下げがあるから、チーム内での言動やつかず離れず・・・だけど自分の得意分野でしっかり事件を解決へと結び付けるお互いの役割で繋がっているのが分かります。

引っ込み思案だった彩ちゃん・・・探偵KZでの活動を通してどの様に変わっていくのかが見どころです^^

でも私の中で唯一分からない事があります。
何故16話という半端なタイミングで終わってしまったのでしょうか^^;?
1クール12〜13話なので、14話目の放送を知った時・・・嬉しかったんだけどな^^;
まさかそこからあっという間に終わってしまうなんて・・・

作品が放送されていたのは平日の夕方・・・小学生もたくさん視聴していると思います。
でも内容的に実際の小学生が真似できるモノではないから実害も無いと思いますし・・・
少しwikiを見てみたら原作のストックもまだありそうですし・・・

主題歌はダイアナガーネットさんの「難解!ミステリー」
楽曲を購入するまで歌い手がアメリカ人だったとは想いもよりませんでした。
日本語がとても上手でビックリでした。
これからの活躍に期待しています^^

全16話の作品でした。
この作品の様にお互いの長所を発揮しながら仲間と一緒に事件を解決していくスタイルは、正に一昔前の日本の仕事の仕方と重なります。
高度経済成長期に私達の先人達が編み出した業務スタイルですが、私達はだいぶかけ離れてしまいました。
現在、当時の日本の成長の秘密や法則を学んだ外国人が様々な著書を出版しており、今の私達が現状を打開するためにその著書で勉強しようとしている・・・なんて皮肉なモノです^^;
こんな堂々巡りをするなら、もっと先人の教えをもっと貫いていれば回り道すること無かったのに・・・と思ったりしています。
今の私達に足りないモノを教えてくれる・・・そんな作品だと思いました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 17

buon さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

出しゃばっちゃダメ絶対

割とね、好きだった。
けど、来期忙しそうだから切ります。ガン○ムが2クールだし。

さて、この作品はある意味○ナンくんより悪影響を及ぼしそうな気がします。
もっと大人を頼りましょう。

内容は小中学校でちょこっとした出来事から芋釣り式で大きくなって、
「あ、あかん」って大変な感じなのにちびっ子(?)が解決してきます。

あやちんはまあまあかわええ、それはOK。
けどね、男、男共、
おまえら何やってんだよ!
もっと輝けよ!!
もっとキュンキュンさせてくれよ!!!
「えっ、そ、そんな、こんな気持ち、は・じ・め・て♪」って慄かせてよ!!!!
キャラデザも作画ももっと気合い入れろよ、もっと熱くなれよっ!!!!!

これ、原作の方が面白そう。
なんか小説かなんだかそれっぽいのらしいけど。

逆ハーレムのときは、男がもっとがんばりましょう、以上。

【2015/11/18】おーる3っていうか多分、未評価

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

ねるる さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

典型的な同性に嫌われるタイプな主人公

友達が出来ず浮いてる主人公が、人気者の男子達で結成されている探偵チームKZ(カッズ)に入り、身近に起こる事件を解決していくお話。雰囲気は〇研ゼミとかに入ってくる漫画みたいな感じ。今もあるのかな?

正直つまらないアニメだった。

とりあえず主人公が自分のことしか考えていないキャラなので不快でした。そしてそれを何故かチヤホヤする男友達という構図なので、絶対女子に嫌われるやつだと思いながら見ていました。特別いい所ないのに強気だし、全く魅力がない主人公でしたね。

事件も、中学生なのにどこでその情報手に入れてきてるの?みたいな事ばかりだし、結果倒産とか逮捕とかされる割に本人たちはケロッとしてて、なんだかなーと思ってました。

声優だけは豪華だけど、豪華でも全然見る価値ないアニメでした。久しぶりにこんなにつまらないアニメを見た。何もいいとこないです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1
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