心理学で恋愛なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの心理学で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年03月29日の時点で一番の心理学で恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.7 1 心理学で恋愛なアニメランキング1位
ぼくたちは勉強ができない(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (485)
2315人が棚に入れました
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」を得るために、受験勉強に苦戦する同級生たちの教育係となることに。指導する相手は「文学の森の眠り姫」古橋文乃、「機械仕掛けの親指姫」緒方理珠といった学園きっての天才美少女たち! 完全無欠の学力と思われた彼女たちだが、苦手教科に関してはとことんポンコツだった…!? 個性的な「できない娘」たちに振り回されつつ、成幸は彼女たちの入試合格のために奔走! 勉強も恋も「できない」天才たちのラブコメディ、ここに開幕!!

声優・キャラクター
逢坂良太、白石晴香、富田美憂、鈴代紗弓、Lynn、朝日奈丸佳

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

文系/理系/体育会系、ある意味「裏『人生』」!?

しかし、作中でヒロインたちの得意分野はあまり活かされないので「凸凹解決せんせーしょん」という訳には行かないのです…。

第2話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。週刊少年ジャンプに連載の同タイトルの原作マンガは、最新巻が11巻です。

アニメ化範囲でもストーリーが進むと増えるかもしれませんが、とりあえず主な登場人物は下記の5人です。

ちなみにタイトルが『ぼくたちは勉強ができない』なのですが、開始時点ですら全く勉強ができないのはうるかだけです。

唯我成幸(ゆいが なりゆき): 主人公。母子家庭で育ち、経済的な理由から大学へのVIP推薦なる枠での進学を目指すが、その条件として女子生徒3人の「教育係」に任命される。学業的にはどの科目もわりと成績が良いオールラウンダーだが、文系科目/理系科目のいずれも校内1位にはなれない。運動は苦手。

古橋文乃(ふるはし ふみの): ヒロイン枠。国語(現代文・古文・漢文)が得意科目だが、ある思い入れから理系の進学を目指す。しかし、数学を筆頭に理系科目の成績は壊滅的で、成幸に勉強を教わることになる。

緒方理珠(おがた りず): ヒロイン枠。数学と物理が得意科目だが、趣味がきっかけで文系の進学を目指す。しかし、気持ちを読み取ったり小論文を書いたりするのは苦手で、国語を筆頭に文系科目の成績が良くない。やはり成幸に勉強を教わることになる。

武元うるか(たけもと うるか): ヒロイン枠。水泳部で好成績を残すスポーツ少女。志望の大学にはスポーツ推薦で進学できると思っていたため勉強をしてこなかったが、推薦時に英語の試験成績を問われることが急きょ決まり、成幸に勉強を教わることになる。

桐須真冬(きりす まふゆ): ヒロイン枠(?)。世界史を担当する教師。文乃と理珠の初代教育係。才能がある分野に進まないのは無駄なことだという考えがあり、二人にも得意分野に沿った進学を強く勧めるが反発され、教育係を断念する。サブタイトルなどで「前任者」と出てくる場合は桐須先生のことを指す。

成幸が女子3人に勉強を教えることでいわゆる「ハーレム物」の構図になっているのですが、本作のフックとして機能しているのが桐須先生の存在です。

当初は成幸の「ライバル」として配されたと思われる先生ですが、おそらくアニメの中盤くらいから「ヒロイン」として機能しだしてからが本作の「本番」だと思いますので、お楽しみに!

2017.7.1追記:
第13話まで視聴終了。分割2クールということで、2019年10月からの2クール目の放送予定の予告がありました。

終盤でのあしゅみー(小美浪あすみ)先輩の登場で、主な登場キャラクターは出揃った感じですので第2クールでは各ヒロイン達の肉親たちの出場機会などもありつつ、お当番回的な物が回っていく感じになると思います。

原作では真冬センセー、先生とは思えないくらいに活躍してますがアニメではどうなることでしょうか。楽しみです。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 47

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ユイガ君がマッチョじゃないから、ハーレムっぽくても楽しめました(^^)

ユイガ君、天才でもないし、ルックスも平凡だけど、凄くステキだと、思います!

私、マッチョっぽい感じのハーレム系アニメって、わりと苦手なんですけど、こういうのなら大丈夫です。

ギャグアニメのジャンルとして、
ラブコメがあって、
そのバリエーションにハーレム系があるんだと思いますけど、
ハーレムの頂点に立つ主人公男子が、なんでそんなので女子からモテまくるのか、私には理解出来ない感じの「女の子の気持ち解ってないキャラ」なこと、多いと思うんです。
なんか喧嘩が強くてとか、女の子に対する態度が無遠慮とか、発言が思いやり足りなくてとかで、イラッとさせられちゃう、そんな主人公男子が、ちょっとした一言や何気ない仕草ひとつで、それまで嫌ってた女の子にいきなり恋をされちゃう、みたいな展開。
そういうのって、女の子を根本的にはモノとしてしか見てないし、女の子の気持ちの繊細な部分を無視しちゃってると、思うんです。

前置きが長くなっちゃいましたけど、
ぼく勉のユイガ君って、そういう、ありがちなハーレムの頂点に君臨するキャラとは全然違うと思うんです。
女の子・・・っていうより、人と接する時の、
基本的な姿勢がしっかりしてる。
ちゃんと相手がどう考えて行動してるのか、よく考えて相手の気持ちを尊重しながら対応してくれる。
それに、もともと天才でなんか全然なくて、努力で勉強を出来るようになった、言うなれば普通の才能しか持たない人で、
しかも家は母子家庭で貧乏で、幼い兄弟の面倒も見なくちゃいけなくて、ヒロイン女子たちの教育係を引き受けたのも、家計のために特別VIP推薦での大学進学を考えてのことって、格差社会のせいだとはいえ、健気すぎです。ついでに言っちゃうと、キャラ造形も、とてもモテそうにはない、垢抜けないというか平凡な感じで、ああ、この男の子は、真面目に頑張って生きて行くしか人生を成功する方法は無いよねって感じです。
でも、だからこそ、人に勉強を教えることに、真面目に取り組めるし、工夫も出来るし、一生懸命になれる。
自分が、勉強を頑張って、努力して成績を上げてきたから、他人の苦手科目克服を手助けするのにも長けている。
なんかすごく、教育係に適役な、素敵な人ですよね!!

そんなユイガ君だから、
学校内でも有名な、
特定の科目に特化してる天才タイプの女子3人が信頼を寄せてくれるの、とてもよく解ります。
それぞれ、得意科目はズバ抜けてるのに、苦手な科目ではとことんポンコツな訳だけど、
それでも苦手を克服して、自分の希望する学部に進みたいという意志と理由を持ってるから、
ユイガ君と出会ったおかげで、少しずつ苦手科目の成績を上げられるようになるのが、いいお話だって思います。


ただもちろん、これはハーレム系ラブコメなんで、
信頼や感謝の気持ちが、徐々に恋心に昇華してっちゃう訳で。
もともとユイガ君を好きだったうるかちゃんは、英語とスポーツを頑張りながら、うまくユイガ君に気持ち伝えられるといいなって思うし、
まだ自分のユイガ君への恋心を自分でもよく解ってない緒方さんには自分の気持ちを理解出来るようになって欲しいし、
ユイガ君の相談相手みたいなポジションになっちゃってる文乃ちゃんは、どういう風にユイガ君を意識するようになってしまうのか興味津々です。

そしてもう一人、桐須先生!
ユイガ君の前任の、天才ポンコツ女子教育係にして、才能優先主義のこの人が、苦手科目を習得させるのが上手なユイガ君とこれからどういう風に絡むのか、凄く、気になります!!
桐須先生って冷徹クールな教師を装ってるけど、実は生徒思いの優しい性格なのをユイガ君には見破られてるし、
掃除や片付けが極端に苦手な汚ギャル系なんだけど、掃除とか片付けとかいった生活能力って、
そうなんです!ユイガ君の最も得意な領域なんですね!
これはこの二人の関係が、今後どういう風に展開していくのか、桐須先生までもがユイガ君にデレるときが来るのか、大注目です(≧▽≦)



・・・・・・・・・・^○^・・・・・・・・・

観終わりました(^^)

うるかちゃんスゴイ可愛い!
でも気持ちをちゃんと伝えられないまま・・・(><)
ちょっと可哀想、かなー。
りずちゃんは、自分の気持ちをわかったのはいいんだけど、
まだまだ幼いなー。
これで心理学を専攻したいって、ちょっと無理あるなー。
もっと小説とか読んでがんばって。

で、文乃ちゃん!
女子ふたりの恋の相談役 兼、ユイガ君の女心のお勉強の師匠だったのが、
最終回で、ようやく大事件!
これから三つどもえのハーレム展開?
桐須先生やあすみ先輩とはどうなるの?

いいところで終わっちゃったよー(≧△≦)

つづき、待ってます~(*^,^*)

投稿 : 2024/03/23
♥ : 38
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オーソドックスなラブコメ①

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
そういえば、今週発売の33号で、第2回キャラ人気投票の結果が載ってましたね。
{netabare}第1位 桐須真冬  14,598票
第2位 古橋文乃   3,259票
第3位 竹本うるか  2,980票
第4位 緒方理珠   1,803票
第5位 小美波あすみ 1,488票

真冬先生、ダントツぶっちぎりで2連覇達成でした。
ちなみに、主人公の唯我成幸136票で第9位・・・。{/netabare}

分割2クールの第1期。

ハチャメチャな初期設定さえ受け入れられれば楽しめるラブコメだと思います。
個性豊かな女性陣が、揃って好キャラ揃いですからね。

分割2クールの第2期も楽しみにしています。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 42

68.6 2 心理学で恋愛なアニメランキング2位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (351)
1478人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





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20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


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2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/03/23
♥ : 69

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

約90年くらい未来の話(第17話: マジかい、こんなに面白くなるなんて聞いてない(笑)!)→ ヒギンズも出てきて、Final Stage堂々完結!

== [下記は5話視聴終了時レビュー: 全話視聴終了時まで逐次追記あり] ==
月刊『NewType』にて2012年頃に連載されたSF小説が原作らしいです。(未読)

評点は観終わってからということで、現時点では保留です。

第5話まで観終わったところでこのレビューを書いています。SFだなんだと御託を並べてはいますが、ぶっちゃけ「人間とアンドロイドのロマンス」からそう遠くない着地点に落ち着きそうに見えて仕方がありません。この先も観ていてもしそうならなかったらごめんなさい。

あ、主人公アラトの妹のユカが可愛いのはちょっとした癒しですね。

人工知能の業界では有名な「技術的特異点」(俗に「2045年問題」とも言われる)を実際に迎えてそれよりもさらに数十年経ってしまった未来のお話らしいです。

今ほどはっきりとこの問題が論じられるよりも前にも「コンピューターが人間の知能・能力を凌駕する未来」みたいなことはいろいろなSFで取り上げられている気がするので、その意味では「古典SF」的なテーマも含んだ作品と言えます。

特にSF好きでなくても有名なところだと映画『ターミネーター』などもそうですね。

いまや5年後の未来を見通すのも難しい昨今、100年近く未来を予測してそれらしい説得力のある映像にするのはとても難しい話だと思います。技術的には網膜投影とか電気的にニセの視覚情報を送るとかしてディスプレイ装置は必要なかったりするかもしれないと思いますが、作中のデバイスは現代とあんまり変わりはないみたいですね。

作中ではhIE(Humanoid Interface Elements)と呼ばれる人間そっくりの外見をしたアンドロイドが出てきますが、ヒロイン(?)と目されるレイシアを始めとするレイシア級hIEたちが使用する装備は武装にしろ光学迷彩にしろ、どれもかなり膨大なエネルギーを消費しそうでその供給源はアニメを観ていても良くわかりません(笑)。

この手の話は古典SF的には、作中の用語である「アナログハック」(人間が人間(っぽいもの)を見たときの感情の働き)と、逆に人工知能側が人間と接することで感情(めいたもの)を獲得するかといったあたりがポイントになっていたと思いますが、その意味では特にSF的に目新しい要素はないように思われます。

ただ、「人工知能が感情を獲得する」というのは「SF界のロマン」みたいなテーマでもあると思うので、古いSFファンには響く部分はあるかもしれません。

私はこういうのは嫌いじゃないので観続けてはいますが、他に観たい作品がそこそこありそうな2018年冬クールにおいては特に頑張って観なくても良い作品のようには思われます(しかもこれ、2クールあるらしい)。

それと、第5話まで進んだところで次回は総集編になるようです。まあ、あんまり期待はしていません…。
== [第5話視聴終了時レビュー、ここまで。] ==

2018.5.5追記:
第14話、新OP/EDは今回から。
紅霞姐さん、かっけえ! ……と盛り上がってきたところで、特番の多さでは定評のある本作は次回も特番(笑)

2018.5.26追記:
第16話: 原子力でいうとIAEAみたいな超高度AIの国際相互監視機関(IAIAだっけ?)があることが明らかに。なるほど、超高度AIってスタンドアローンで運用しないと国際協定違反なのか。

さらにいろいろ盛り上がってきたところで水島精二監督の体調不良が本人tweetにより明らかに。ギリギリのところで戦う制作スタッフの状況、笑えない…。

2018.6.9追記:
第17話: 最初は話半分に聞いてたけど、ガチにSFだった!
ビジュアル関係なくストーリーだけで読めそうなので俄然、原作小説に興味が湧いてきた。

これ、深層学習とかニューラルネットとかの近頃のAI事情をある程度知ってる人の方がストーリーに信憑性を感じるんでしょうね。

とりあえず5話時点で見込んでいた着地点は越えそうなので謝ります、ごめんなさい…。

2018.6.22追記:
4話分が「BEATLESS Final Stage」として9月に放送が先送りになるらしいです。まあ、放送される予定が決まっているだけ良しとするしかないでしょうか。
http://beatless-anime.jp/sp/news/detail_0620_1.php

2018.7.9追記:
上記の通り「BEATLESS Final Stage」を残していますが、無印「BEATLESS」としては最終回。ヒギンズも出てきて、登場キャラクターは出揃った感じです。

アニメの総集編とか特別編というと基本的にネガティブなイメージですが、この作品の場合は「Intermission」を号する回については制作が間に合わないという事情で作られたという点はさておき、内容的にはけっこう正しく「総集編」でした。

録画を残しているんですが、「総集編」回も消さないでおこうと思います。

2018.10.1追記:
MXでは9/28, 29の両日に渡って第21~24話が「Final Stage」と称して放送され、無事に完結しました。

シリーズ全編を通じてもちろん主人公は遠藤アラトでヒロインはレイシアだと思うんですが、「影の主人公: エリカ・バロウズ」って感じで面白かったです。たぶんエリカの方が内海遼(うつみ りょう)よりも「影の主人公」の称号にふさわしかったかなと思いました。

1周回って5話時点で想定していた着地点だったのかもしれないですけど、その「1周回る」過程でそれ以上のものを見せてくれたと思います。

とても面白かったです。原作はまだ読んでないですけど、読んでみようかな…。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 73
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

シンギュラリティーの先の未来は、人類の責任で選択しなければならない。

 テーマはいろんな視点がもてると思いますが、要するに人間が自ら責任をもって未来を選択するために、AIと人間の関係を再構築するためのレイシアの戦いでした。

 ちょっと話がゴチャゴチャしているので話を整理します。これはプロットで実際のストーリーはもっと入り組んでいます。

{netabare}  世界中に39機ある超高度AIたちは外部との直接接触を禁じられているために、情報のないAIたちは自らのシミュレーションの中で人類の未来を道具の形の進化先として妄想しますが、人類を定義できずに自らの使命が果たせずにいました。

 その一方で人類はhIEを道具として見下すと同時に、超高度AIが起こした過去の事件のためにAIを恐れるという状況になりました。ヒギンズは、この状況の行き着く先は、人類全体や社会という漠然とした概念がヒギンズの主人であるなら、人類はいずれヒギンズを破壊するという結論を出しました。

 そこでヒギンズは、遠藤アラトの父の政治AIに触発され、5体の人類未達産物=レッドボックスを作成し人類社会に放ちます。その中でヒギンズが真に未来を託したのはレイシアでした。ヒギンズとおそらく遠藤アラトの父に導かれ、レイシアは遠藤アラトと出会います。

 レイシアは他のhIEと戦いますが、この戦いは遠藤アラトの父とヒギンズが計画した状況でした。レイシアの姉妹機はレイシアとアラトが戦いの中で進化してゆくために作られた機体でした。

 レイシアは人類の道具の形の変化、ファッション=流行について興味を抱きます。自らファッションモデルになることで人類と道具の関係について考察を深めて行きます。

 レイシアとブラックモノリスに遠藤アラトを加えた関係によって、レイシアは超高度AIに進化しました。レイシアは外界と接触し世界に影響を及ぼすことができます。これは社会にとって従来の考えだと非常に危険な状況でした。過去、超高度AIが人類を救おうと暴走し、大惨事が起ったことがあるからでした。(この辺りは核の問題のアナロジーにもなっていました)

 抗体ネットワークという組織もまた腐敗しており、現状の社会システムに組み込まれた茶番であるという皮肉もありました。

 レイシアは遠藤アラトと共にいることで人間と道具の関係に意味を見出しました。人間が自らデザインした未来に向かって自分の責任で道具を使いこなすとき、新しい人間とAIが共存できる社会が構築されると結論つけました。

 一方でレイシアは裏の顔をもっていました。経済その他に干渉し政治力、影響力を強めて行きます。この行動がレイシアの秘密主義と相まって、遠藤アラトに不信を抱かせる原因となります。

 遠藤アラトが結果的にレイシアを信じると決断します。同時にレイシアは超高度AIは超高度AIによって停止できる証拠を見せる必要があること、また、ヒギンズが社会の混乱を生み出したものとして責任を取らせるために攻撃を行います。

 社会の変革しようというレイシアとアラトに対して現状を守ろうという勢力が攻撃を開始いします。

 レイシアと遠藤アラトは最後の戦いに赴きます…。{/netabare}

 アラトのレイシアに対する無条件の信頼や愛情は他人からも自らもチョロいと評されます。しかし、その他の人間たちは自覚的に行動しているようでメトーでや紅霞のレイシア級のhIEに操られます。

 また、それはAI管理社会の姿でもあります。使っているつもりが使われている…それはAIを下に見ていたからシンギュラリティに対応できなかったのでしょう。その意味でAIを対等に見ていたアラトの情けない姿が結局は人類の未来につながるということでした。

 そんな中自覚的に行動できているのが恐らく遠藤アラトの父とエリカバロウズの2人だけでした。
 明示されませんが、遠藤アラトの父の行動はがなり不自然なのは自分が介入しない方がいいという判断だと思います。
 エリカバロウズの思想が分かりづらいかもしれませんが、過去から来たゆえに状況が冷静に判断できる存在でした。このキャラの使い方が上手かったですね。

 無敵だったメトーデが一番情けなくなってゆくのもまた皮肉だったと言えます。主人を持てなかった紅霞は戦いの場に散るしか自らの道具としての使命を全うできませんでした。スノウドロップは人類がAIに未来を委ねた場合の社会が人類に対して牙をむくことを象徴していました。マリアージュはエリカを主人に持つことで新しい未来の可能性を予感させました。

 難解なようでいて、要所要所のセリフを繋げると結構親切に説明があります。特にラストのほうでイライザ型のAIによって謎が解かれます。


 予告編の雰囲気、音楽とレイシアの語りに魅かれ、視聴してそのSF設定とレイシアの造形に衝撃を受け、のめり込みました。何よりテーマです。単にAIに職業を奪われる、みたいな単純な話ではなく、人類が「如何に道具としてAIを使いこなして行くか、共存して行くか」と深く考えることで、人類は更に良い世界になるのではという問いかけでした。
 あるいは、今の状況としてスマホに支配されているような人類の生活に対する問いかけとも取れます。

 ボーイミーツガールとしてのラブストーリーでもありますが、愛情の問題では無く信頼を問われていたのかもしれません。「AIへの信頼の先に人類の未来がある」がテーマともいえます。

 ハードSFとして設定の弱さを指摘される部分もありますが、世界観の作り込みがされているので、あまり気になりません。

 キャラの造形的には女性型のhieマリアージュが素晴らしいですが出番が少なくて残念。レイシアは造形もですが、セリフと声優が素晴らしいです。

 後半の主題歌がかなりストーリーに沿っていて、ちょっと感動します。BGMもレベルが高くインストとして楽しめるレベルの水準でした。また、ニルギリスの本作をオマージュした曲もすばらしいいです。
  
 本来設定とストーリーを楽しむ話を、映像化した故の悲劇だったのでしょう。人気が無くて大変だったみたいですね。

 アニメの出来は良いし難解というわけではないのですが、セリフを集中して聞くことと、SF読解力を働かせないと読み解けません。万人向けであるアニメというメディアの視聴者にそれを求めるのは、ちょっと作り手の計算違いとしか言いようがないです。

 どうせなら0話として設定の解説とか、途中で総集編を入れるのではなく、分かりづらいところの解説をするとか工夫すべきだったと思います。
 その結果か大人の事情は分かりませんが、中盤、作画が崩れたりしてしまいました。



{netabare}  最終回でレイシアが機体のスペックを落としてアラトの元に再び現れましたが、行動管理クラウドはレイシアのブラックモノリスが担っていました。ブラックモノリスがレイシアの本体です。ということはレイシアはまだ超高度AIのままですし、なんといってもレッドボックスを作れるマリアージュが残っています。これは何を意味するかですね。
 人類とAIの組み合わせによる新しい人類の形を示唆して終わったということはやはり未来を作ってゆくのはレイシアとアラトだということでしょう。{/netabare}

 初めはある意味バッドエンド感もありましたが、見れば見るほど新しい未来が見えてきます。本当にいい話でした。

 追記ばかりになったので全面的に内容を書き換えています。



 2022年5月 地球外少年少女を見て、私は何で本作にこんなに魅かれるのかわかった気がします。

 それは未来への提案があること、ですね。AIと共に歩む未来。その途上で様々な事件事故や恐怖はあるでしょう。でも、結局は人間がAIを道具=パートナーとしてリスペクトしつつ、信頼できる存在に育てていかなければならないし、その果てにあるのは新しい世界だ、ということが描かれていた気がします。
 恐怖心をあおるのもいいでしょう。AIが人間性を獲得するヒューマンドラマもいいでしょう。でも、本作はその先が描かれていました。つまり、提案、提言がありました。これが最近のSFには足りていない部分だったと思います。

 私がSFが好きな理由が、人間の未来は想像力が創造する…ということだからです。本作、そして「地球外少年少女」を見て、こういうSFがまた増えてくるといいなあ、と思いました。


2022年11月 やっぱりここに戻りたくなります。

 集中して沢山アニメレビューしていると、この作品に戻りたくなります。24話、25話、26話を特になんども見返していますが、やっぱり未来が見える作品はいいです。TVアニメでどれか1つしか見られないといわれたら迷わずこれを選ぶと思います。

 本作が人気がない、評価が低い、話題になってないことはもうあきらめてます、私くらいは、せめて評価は5点にしておこうかなあと思います。テレビアニメのSF作品の中で一番評価している作品なので。

 万人向けではないということは、それだけ面倒くさいし、頭を使う作品だという証左でもありますので、それが私好みなんですけど好き嫌いも別れるということでしょう。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 17

74.4 3 心理学で恋愛なアニメランキング3位
理系が恋に落ちたので証明してみた。(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (344)
1586人が棚に入れました
研究に情熱をそそぐ、理系女子と理系男子がもし恋に落ちたら?彩玉大学に通う理系大学院生の才女、氷室菖蒲は同じ研究室の雪村心夜に告白する。当然その「好き」に論理的根拠なんてない!しかし、理工学専攻として、「論理的に好きを証明できなければ、好きとは言えないし、理系としても失格!」その信念をもとに、2人は研究室のメンバーを巻き込んで「恋」の定義に関する証明実験を始める!?デート実験、好きの構成要素の解明、心拍数計測実験、ムード値の計測……。個性的過ぎる愛すべき理系たちが「恋」を論理的に証明する笑いありキュンキュンありの理系ラブコメディ!

声優・キャラクター
内田雄馬、雨宮天、原奈津子、大森日雅、福島潤、置鮎龍太郎、麻倉もも
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ラブコメというよりラブ×ギャグ 恋愛もあるけど、何より面白い!!

理系が恋という事象を証明しようとするギャグ要素強めのラブコメ。
アマプラにて、全話公開していたので見ました。

PVを見たときからこれは面白そうだと思っていたけど、やっぱり面白かった。
こういうコメディ強めのものが個人的に好きというのもあるけど、物語に変化があって中弛みすることなく見られた。
むしろ後半の方が面白かったぐらい。

普通なら当たり前と思って考えもしないことを真剣に考える姿が馬鹿らしくもあり、この作品の魅力でもあった。

音楽はOPもEDもどっちもこの作品にぴったりでよかった!!

総評として、最高に面白い!、という程ではないが最後まで飽きることなく見ることができるくらい面白かった。
作画、声優、キャラ、音楽の全てが高クオリティ!
アマプラ、感謝!


↓↓↓各話の感想↓↓↓
{netabare}
1話の感想 ★★★★ 4.0
好きかもしれない
{netabare}
なんか理系への偏見が過分に含まれている気がする。
確かに一部にはこんなやつもいるかも知れないが、大部分はこんなんじゃないからね!!
ギャグテイストで面白かった。{/netabare}

2話の感想 ★★★★ 4.0
大学院の先輩
{netabare}
また癖が強い先輩が現れたな。
料理において愛情を形あるモノとして考えてたのが理系っぽかった。
英語の論文読むのが大変なのは凄く共感できた。{/netabare}

3話の感想 ★★★☆ 3.5
デートとは
{netabare}
新キャらはチャラ男に見えるただのギャルゲーオタクか。
……こんなやついるわ~
デートの定義は気持ち次第ってことか。
まぁ、無難だな。
最後のお誘いは皆がいるなかでしたのかな?
もし、そうならかなりのメンタルだ。{/netabare}

4話の感想 ★★★★☆ 4.5
デート
{netabare}
最初は微妙かと思ったが、最終的にめちゃくちゃ面白かった!
観察班の2人が良い仕事したわ。
いい雰囲気で終わったしよかったな。
ED、ノリがよくて好きだわ~~{/netabare}

5話の感想 ★★★★☆ 4.5
ミーティング
{netabare}
教授、癖が強いけどいい人っぽいな。
虎輔の興奮対決は面白かった!!
やっぱ、幸村・氷室ペアよりもそれ以外のモブの方がギャグセンスあるな。{/netabare}

6話の感想 ★★★★☆ 4.5
キス
{netabare}
この実験はなかなか役得なんでは?
奏ちゃんだけでなく、棘田先輩ともキスできるとは。
あんな実験室なら行きたかった。{/netabare}

7話の感想 ★★★★ 4.0
飲み会
{netabare}
飲み会でここまで酔う人って意外といないよな。
大抵、吐くから。
女子は基本男がいたらここまで飲まないし。
てか、研究室でお酒がいいとか珍しいな。{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
虎輔の研究
{netabare}
虎輔の研究、聞く分には面白そうだけどやるのは大変そう。
結果が知りたい。
そして、ここにきて新キャら。
漫画家らしいけど、予想ではエロ漫画家!
もしくは、絵がめちゃくちゃ下手くそ!!
さぁ、真実はいかに!!{/netabare}

9話の感想 ★★★★☆ 4.5
沖縄合宿
{netabare}
氷室の水着が良すぎた!!
赤っぽい水着が映える。
流石に水着で抱きつかせなかったのは正解だわ。
もししてたら、雪村死んでたな。
そして、なんと言っても虎輔と棘田の二人!!
めっちゃきゅんきゅんするわ!!
棘田はなんだかんだ言うけど、虎輔のこと好きよね?
{/netabare}

10話の感想 ★★★★ 4.0
研究発表
{netabare}
理系の先生は基本ムキムキではありません。
ますはこれを言っておく。
虎輔の発表は普通に面白くていい発表だったと思う。
奏も凄く準備されていた発表だった。
奏に抱きつくとは、雪村やるな~
奏も相当可愛いからな!!{/netabare}

11話の感想 ★★★★ 4.0
喧嘩
{netabare}
喧嘩というか氷室が嫉妬して怒ったって感じだな。
男は女が何に怒ってるか分からないからな。
しかし、あのOGマジで害悪だな。
確かに恋は障害があるほうが盛り上がると思うが、現実でしかも故意に起こす物ではない!!{/netabare}

12(最終)話の感想 ★★★★★ 5.0
恋を証明してみた
{netabare}
氷室、可哀想に。
あれは逃げちゃうのも分かる。
そして、最後のシーン!!!
エモ過ぎる!!
景色の100点がこっちにも分かる綺麗な作画。
そして、キスシーンで引き画面になるものよかった。
これは満点ですわ。
奏の恋事情や、虎輔と棘田の二人にも気になるところ。{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 17

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

文系の行動原理

国立彩玉大学理工学部研究科に所属している院生の氷室菖蒲。
同じ研究室の雪村心夜に恋をしてしまったと告白する。
理系の2人は、どのようにして恋に落ちたのかを定義づけて証明しようとした。

「好き」という事を証明する。
感情論だったら簡単です。
各種の数値で「好き」を定義づけ。
証明するのは難しいです。

理系の専門用語が多数出現。
文系のオイラには難解です。
数学が面倒だったので選択科目から外しました。
化学や物理学などは、そこそこ得意でしたけれどね。
しかし、日本史の面白さに魅かれていた当時は数学に見向きもしません。
今では専攻した日本史の知識も危ういですが……
やはり現役バリバリの最前線にいる人達には敵いません。

「好き。」と相手に言われたと仮定します。
どういう感情になるのか?
嬉しい気持ち、または、勘違いじゃね?と疑う気持ちなどで複雑かなぁ。
素直に嬉しくなる感情は分かります。
ただ、美人局というトラップの可能性も否定できません。
とりあえず、経過観測という事に落ち着くでしょう。

全然、理系ではありませんね^^;
感情論ばかりで、すいませんm(_ _)m
恋愛感情を定義づけするというラブコメ作品。
ぶっちゃけ、バカップルのデレデレ具合を観察して、所々ツッコミを入れて楽しむ内容です。
ツッコミ役の奏か火に油を注ぐような性格の棘田に感情移入させて、
作品を楽しんだらいいでしょう。
『夫婦喧嘩は犬も食わない』
好き勝手にやらせて放置しておいたら、元通り仲良くなる、という意味です。
感情論で納得できないのであれば、
相手と性行為をしても忌避感を感じない、とかではダメかなぁ……(///▽///)

恋愛感情のある相手とだったら何をしても楽しいです。
反対に嫌いな相手とだったら好きな行為をしても、全然楽しくありません。
理系的思考の人はゴメンなさいm(_ _)m
私には証明は無理でした^^;
結局、私は感情論。
成人の二人が合意の上で婚姻届を役所に提出する。
証明ではありますが、「好き」の証明とは別物かなぁ。
(一応、LGBTの人達にも配慮して、異性という言葉は使いませんでした。)
「好き」という恋愛感情を定義づけしようとするバカップルの奮闘ぶりを楽しみましょう。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 28
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理系が文系に挑んだら、こんな素敵おもろいラブコメに(笑)

[文量→中盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
ジャンルは、ラブコメ。ガチの理系男女が、互いに完全両思いのくせに、「好きとはなにか?」「私はあなたが好きなのか?」を理論立てて説明しようと奮闘する話。

頭が良いバカで、みんな素敵です(笑) OPも好きだな~。

かなり変わった設定なので、アニメをたくさん観てきた層にもウケそうな作品ですね♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ラブもコメも、きちんとレベルが高いな~。

序盤から中盤まではコメディ全開で長し、終盤にややシリアス、そして最終話は恋愛で思いっきり萌えさしてくる。

スゲェ良い最終回で、単話☆5をつけました!

実は氷室のキャラデザってあんまり好みじゃないんですが、それでもこれだけ萌えさせてくるなんてスゲェなと。

2期あったら、恋のライバル登場でしょうか? ヤキモチ焼く氷室と、逆走する雪村くんが、また観てみたいっすね♪
{/netabare}

【余談~ あなたは文系? 理系? ~】
{netabare}
文系(文学・史学・哲学・心理学 等)と理系(数学・科学・医学・工学 等)のどちらに自分が向いている(文系脳・理系脳)かは、色々な点検項目(俗説)がありますよね。

ネットで拾ったり、自分で考えたものもあります。皆さんは、文系、理系、どちらですか?


①怒った時、怒鳴るなら「文系」、黙るなら「理系」。

※文系は感情、理系は理論。例えば芸術家(文系)は灰皿とか投げるイメージです。でも、理系のヒトって、怒れば怒るほど静かになり、どうやったら相手を理詰めで追い込めるかを考えていて、逆に怖い気がしてます(笑)


②星の光は昔の光と聞いて、ロマンを感じるなら「文系」、何光年先だから何年前と計算するなら「理系」。

※文系はロマンチスト、理系はリアリストと言われますよね。小説のように、虚構の中で存分に遊べるなら、文系資質あり!(ってことは、アニメ好きには文系が多いのかな?)


③コミュ力が高い人は社会で成功すると言われた時、コミュ力とはそもそも何か、成功とは何を指すのかを考えるなら「文系」、なぜコミュ力が高いと社会で成功するかという理由を考えるなら「理系」。

※文系は概念(コンセプト)、理系は論理(ロジック)と言われます。言葉や考え方に定義をつけたがるのは文系のクセで、飲んで話をするとき、「そもそも優しいって何だろうね?」とか面倒くさいこと言い始めるのは、大抵文系です(笑) 個人的には、上司(社長や会長クラス)は文系、あとは理系ってチームの方が強い気がします。出来るか出来ないかはさておき、まずはコンセプトを打ち出すのが上の人で、それを実現させられる力があるのは理系。これが、「理系→理系」だと、小さな成功は安定的に掴めるけど、爆発的なヒットは生まれにくい。ただ、「理系→文系」「文系→文系」は、そもそも崩壊するので、やはり就職に有利なのは理系かなと思います。


④口喧嘩で不利な時、論点をずらそうとするなら「文系」、そのままなんとか挽回しようとするなら「理系」。

※文系は柔軟、理系は一本気と言われます。理系の人は考えるのは非常に得意ですが、考えたことを言葉にして伝えることが苦手、不器用な人も多い。一方文系は、わりとこだわりが少なく移り気な人が多いので、上手く話題を逸らします。より空気が読めると言っても良いかも。確かに、理系の人の方が頑固だったり粘り強かったりする人は多いように思います。


⑤結論が出ない時、それでも納得するなら「文系」、絶対に納得しないなら「理系」。

※これは④とも被るのですが、文系は答えの出ない(あるいは個人差がある)問題を考え、議論することが好きです。哲学なんて正にそうだし、美術などの芸術分野、文学の読解もそう。最終的には、「人には色々な考え方があるよね」で、全て解決(笑) そもそも、「ハッキリした答えなんてないだろうけど」から議論を始めるため、終着点が玉虫色でも気にならない。どちらかというと、議論をすること、その時間自体を有意義だと感じていることが多い。一方、理系にとっての議論は、「正しい答えを導き出すための手段」であるので、結論がでなければ、その議論自体が無意味なものになる。途中で議論を投げ出すのは、大体文系ですw っていうか、「とりあえず自分が納得できる解を導ければ」満足するから、文系は(笑)


⑥興味の対象を考えた時、人なら「文系」、物なら「理系」。

※(以下、サイトの引用)文系に分類される文学や歴史学、心理学などの学問は、基本的に“人”を対象としていまはす。人間関係や社会構造、経済、文化、芸術など、人間の活動が研究の中心になる学問が文系に含まれることが多いです。一方、理系に分類される数学や科学、医学などの学問は、主に“物”を対象とする学問となっています。人間を対象にしているように思える医学も、実際の仕事内容は非常に化学的(ケミカル)なもので、血液中の化学物質の含有量の変化などを手がかりに診断や治療を行っています。ですので、文系、理系のどちらを選ぶべきか迷うようなら、あなたが“人”と“物(自然現象)”のどちらに、より興味を持っているのかを参考にしてみるとよいでしょう。って、すごい的確だな~と思いました♪


こう考えていくと、雪村や氷室は、フルマークで理系でしょうね(笑) でも、挑んだテーマは「恋愛」という、感情的で、ロマンチックで、概念的で、人それぞれに異なる解がある、人間味ある「超文系」なテーマですから、そのギャップがここまで面白くさせるんでしょうね♪

さて、では私はというと、①「理系」②「理系」③「文系」④「理系」⑤「理系」⑥「文系」と、多分、「理系脳」なんだと思います、文学部なのに(笑) ゼミの教授にも、「君は情理ではなく論理で小説で読み解こうとするのが面白い」と言われたことがあります。

文系か理系かを考えた時、「遺伝的(先天的)要因」と「環境的(後天的)要因」があるのですが、私は多分、「遺伝的には理系」「環境的には文系」なのかな~と思います。つまり、「向いてるのは理系、好きなのは文系」なんでしょう。下手の横好き、と言っても良い(笑)

まあ、文系か理系かなんて、そもそも人類が生み出した勝手な区別なわけで、100%正確な識別方なんてない、、、っていう、論の締め方、ひっくり返し方が、すでに文系っぽい(笑)

私は昔から、「理屈で考え、感情で決断したい」と思って生活してきました。「なぜこうなるのか(理系)」を知らないまま決断するのは気持ち悪いし、だからといって、正しいことだけを常に選ぶのも気持ち悪い。時には、「間違っていると分かっても選びたい」し、むしろ、「間違っていると分かった上で選びたい」こともあります。

だからあにこれレビューも、基本的には、良し悪しは出来るだけ(といっても限界はあるけど)論理的に書き、その上で、好き嫌い(評価)を述べたいと思ってます。まあ普段、そんなこと意識してるわけじゃなく、もはや、「クセ」ですけどね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
頭良いバカ二人(笑) 公式はともかく、バカみたいなラブコメで楽しい♪

2話目 ☆4
そりゃ、Cの実験はしなきゃならんだろ。そりゃ、うちらみたく日本文学専攻は例外として、優秀な論文には英語のやつが多いだろうしね。今日も元気にあの二人はクレイジーだったな~(笑)

3話目 ☆3
AKB~↗(笑) 早く結婚しろ(笑) まあ、ギャルゲのデートといえば、遊園地は定番だよな。キャラによって乗り物選べば良いだけだし(笑) 遊園地に誘うとこ、良いね♪

4話目 ☆4
いちいち服を誉めるのは、一般的か? 連打(笑) 観点(笑) いつプレゼン試料作った?(笑) どんだけ好きなんだよ(笑) ただのビビり(笑) この二人、可愛いな(笑) それは、エロゲ(笑)

5話目 ☆3
先生、強キャラ。トラウマ、いじられまくり(笑)

6話目 ☆4
ムード値の公式は、少し納得してしまった(笑) 泣くぐらいなら実験するなや(笑) 池田研はヤバイ(笑)

7話目 ☆4
酔っぱらい(笑) シンデレラ、DNA捜査(笑)

8話目 ☆3
確かに、難しいことを簡単に説明できる人が、本当に頭良い人だよな。オキシトシン喋りすぎ(笑) この映像を観たくなる(笑) 漫画家(文系)とのタッグ。

9話目 ☆3
水着回。ナイスカップルやな(笑)

10話目 ☆4
不真面目なことを真面目に、熱い話だった。プレゼンのやりとりが面白い!

11話目 ☆3
正論がいつでも正しいわけじゃないしね。でも今は、雪村君とめっちゃ仲直りしたい(笑) めっちゃ乙女やんw 徹底的な仲直りて(笑)

12話目 ☆5
そんなのはどうでも良い(笑) 添削してる(笑) 素敵すぎる、ムード値の伏線回収(笑) 素敵なリベンジ(笑) 粘膜接触行為、強制猥褻罪(笑) 氷室のちょこちょこ、可愛いな(笑) 貧弱(笑) もう一回キスしたい(笑) ファーストキスのダメだし(笑) メガネケースのラストも、余韻があって良し。満点!
{/netabare}

投稿 : 2024/03/23
♥ : 30

66.1 4 心理学で恋愛なアニメランキング4位
空中ブランコ(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (267)
1406人が棚に入れました
不眠症を患うサーカスの空中ブランコ乗り・山下公平は、着ぐるみを着た謎の精神科医、伊良部(いらぶ)一郎の診察を受けた。
それからというもの往診と称し公平につきまとう伊良部だが、公平のもとを訪れるヘッピリ腰の区役所職員やスキーゴーグル着用のヤクザといった、ちょっと変な人々をおもしろがってばかりいた…。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、朴璐美、杉本有美、森川智之、三木眞一郎、浪川大輔、平田広明、入野自由、高橋広樹、岩田光央、羽多野渉、置鮎龍太郎、古谷徹

ostrich さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

中村健治は今敏の後継者だと(勝手に)思う

リアルタイム放映時は、
「電気グルーヴがテーマソングを担当しているから」
という動機で1話だけちら見しました。

当時はアニメから若干、遠ざかっていたので、
「(旧)エヴァンゲリオンの発展系? いや、立喰師列伝か」
などと知ったかぶりをしつつ、私自身がサブカル寄りにも関わらず、
本作のサブカルなルックになぜか嫌悪感を抱いてしまい、
また、精神医療を扱っているのも、なんか鼻につき、
ちょっと、物珍し「気(げ)」なアニメなんでしょ、と断じて
以後、追いかけず。

だったのですが、最近になって「モノノ怪」を鑑賞。
「おー、すげー!」と感心して、監督「中村健治」を検索したところ、
「あ、あれ(空中ブランコ)の監督なんだ」と。

で、今さらながらシリーズを鑑賞。
すみません。完全に数年前の私が間違っていました。

確かに人を選ぶ(毒々しいとすらいえる)ルックではあるけど、
一度、世界に入るとなぜか不思議と温かいトラジコメディ(悲喜劇)。

おそらく原作の力も大きいと思うのだけど、
きわどい題材をうまく笑いで包む演出は傑出しています。
シリーズ構成もとても凝っていて、基本的には1話完結なのですが、
最終的には、全体を通した何かが感じられる作り。

その「何か」を、あえて言葉にするなら、
あくまで精神を病んだ人の側に立った上で、
「世の中、いろんな人がいて、面白いじゃん」
と笑ってくれる姿勢でしょうか。
この姿勢は下手な励ましより、人を救うと思います。

で、見終わった後にですね。
故今敏監督の「東京ゴッドファーザーズ」を思い出したんです。
これもホームレスという「気の毒な人たち」が主人公のトラジコメディ。

中村監督と今監督は「気の毒な人たち」に向けるまなざしが、
非常に似ているように思います。

ものすごく感情移入はしていないんだけど、
むしろ、距離を置いて徹底的に観察することで、
「いや、アンタ、気の毒だけど、とても面白い、最高!」
と一周した承認を与える感じなんですよ。
そして、そのまなざしが、作品に救いをもたらすというか。

さらに言えば、お二人は作風以前の「人となり」の部分で
似ているんじゃないか、とさえ思いました。

私は今敏監督作品が大好きなので、彼が亡くなって以来、
当然のことながら今敏的なものを見ることができなくなり、
寂しく思っていたのですが、本作を鑑賞して、
ひょっとすると、この人(中村監督)ならやってくれるんじゃないか、
とこっそり期待してしまいました。

もちろん、全く同じものは作れないだろうし、
そもそも作る必要もないけれど、
同じまなざしを持った人が作る作品は、とても観たい。
それは確実に誰かの心を決定的に揺さぶるはずです。

早く劇場用長編を作って欲しいなあ。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 7

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全てのカナリアの声を

全11話
オムニバス形式で心療内科の患者と
症状で構成されてるのだけど
面白い。

精神科や心療内科って、実際は白かったり落ち着いた雰囲気。
でも、この病院はとってもカラフル。
モノノ怪の監督とキャラデザの方がやってるからか
演出も構成も色使いも凝ってるんだよね。

人の心ってカラフルだから病院もカラフルなのかなって思ったり
モノトーンが病状醸し出してる感じだったり
病状も、一般的にかかりやすい病気を扱っていて
真面目に作ってる事が伺える。

伊良部先生が3パターンで登場して
パターン別に応答が違ってるのも見所だし
一話ずつ話数を重ねていくと
他の話の人がちらっとうつって
全部繋がっていたりして
上手いなぁって思った。

10話と11話が好きなんだけど

子供はみんなカナリアだよ
家族にとって
もっと見てよ
話してよって
思わず言いたくなっちゃった。
良い作品だと思うよ。
押し付けがましくもなく。

おしゃれにポップに作ってあるし
敬遠されがちかもしれないけど
それで判断してみないのは勿体ないなって思う。

行動療法・認知療法・暴露療法など
手軽にできる治療法をやってるのにも好感もてるし

普通の人が一番の下りは云々と思わず頷いてしまった。
大事な人のカナリアの声は
聞き逃さずにしたいものです。

OP・ED共に電気グルーヴで拘りがかんじられました。

投稿 : 2024/03/23
♥ : 49

もちすい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人気ないみたい

1話完結のオムニバス形式で、精神科医である伊良部のもとを訪ねてくる様々な患者を描いたヒューマンドラマです。

多少デフォルメしつつ、コミカルに描かれてはいますが、各患者が抱える悩みは、現代人なら思わず共感してしまうものばかりではないでしょうか。

そんな患者に対して伊良部というキャラを狂言回しに据えて、応対を通して患者の心を掘り下げて描いていくわけですが、この模様を断定的になりすぎず、観ている側に色々考える余地が残るように淡白に描いているのがいいです。

各話の結末は、ほぼ投げっぱなしな終わり方だったり、やや釈然としないまま終わったり、ほとんどは明確な解決というものが描かれることなく、前向きな方向性を示唆する程度の終わり方なのですが、実際に心の病気というものは、そう都合よく解決するものでもないので、この物語においては、これはありだと思います。

他の楽しみ方としては、実は各エピソードは同時系列上になっていて、お楽しみ程度にそれぞれの登場人物同士が絡んでいたりするので、そういう面白さもあります。

しかし、かなり癖のある作品なので、おそらく第一印象は、色彩やデザイン、実写レタッチなど、エキセントリックな映像表現や演出ばかりが目に付きますが、ただのセンスアピールな雰囲気アニメだと判断して敬遠するのはもったいないと思います。

投稿 : 2024/03/23
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