心理学おすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの心理学成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月19日の時点で一番の心理学おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.2 1 心理学アニメランキング1位
オッドタクシー(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (634)
2106人が棚に入れました
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

声優・キャラクター
花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、昴生、亜生、ユースケ、津田篤宏、たかし、村上知子、高井佳佑、フェニックス、浜田賢二、酒井広大、斉藤壮馬、古川慎、堀井茶渡、黒田崇矢、汐宮あまね、神楽千歌、METEOR
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タクシードライバーが撃ったものは何か

原案脚本、此元和津也。

冴えないタクシードライバーを、
主人公としたサスペンスフルな群像劇であり、
登場人物は全て擬人化された動物である。
主人公が運ぶ乗客の、何気ない会話から、
やがて失踪中の一人の少女に繋がっていく。

かつてスコセッシ&デニーロは、
戦争で心に深い傷を負った青年を通じ、
虚飾と不正義が蔓延する都会の病巣を描いた。
ここでもそうなのだろうか?
少女の失踪事件が物語の骨子にあるが、
回を追うごとに乗客たちの関係性が、
主人公を通じ点から線へと変わっていく。

{netabare}人が持つ承認欲求、格差が生むもの、
婚活詐欺の裏側、乏しい自己肯定感、{/netabare}
形容しがたいこの有様の底にあるものを、
社会や心の闇とは簡易に片付けるのはよそう。
我々は自覚もないままに人間社会を形成している。
最大の謎は主人公小戸川本人である。
{netabare}彼だけが目にする世界があるのでしょうか。{/netabare}

最終話視聴追記。
まずは設定、演出に称賛を贈りたい。
{netabare}平凡な犯行動機ではあるが返って、
人間社会を生き抜く難しさを物語っている。{/netabare}
少年小戸川の回想が非常に効果的である。

練りこまれた勇敢な物語でしょう。
好みの題材とあり、ほんとに面白い。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 53
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

背乗りタクシー

原作未読

相乗りじゃないよ。
来たよ来た来た!ネタバレ厳禁系。時間延長も使わず1クール全13話で美しくまとめた良作。
タクシーをテーマにすると乗客とのやりとりに様々な人生ドラマを垣間見る秀作ができやすい。フランス映画『TAXI』シリーズみたいにコメディに振るも良し。だが今回のそれはデニーロ主演のマッドでサイコな『タクシードライバー』に近い。

 ふわっとどんな作品か雰囲気だけ
 視聴ハードルとなりそうな先入観

これだけ書いときます。

■ふわっとどんな作品か雰囲気だけ

①オッドだけにオットセイかと思いきやセイウチでした
 ⇒心地よく裏切ってくれます
②あ!?CV花江夏樹さんだったね。納得の最終回
 ⇒演技の幅広げるための意欲作っぽい出だしからの花江節が映えるラスト

月並みですが点と線が繋がる心地よさに身を委ねる作品です。


■視聴ハードルとなりそうな先入観

ずばり動物デフォルメものからくる先入観ですね。あくまで私基準での3類型が以下

1.制作会社/アニメーターや“ノイタミナ”“+ultla”などブランド枠で視聴を決断するやつ
 ⇒『Beasters』『B.N.A』等かっこ良さやメッセージ出てる系。すんなり入りやすい。
2.ケモナー御用達
 ⇒萌え需要供給役。『けものフレンズ』『シートン学園』とかかしら。これもすんなり入りやすい。

1.2.ともに需要はあるのです。私自身2.は興味ないですけど求める層が一定数いることを知っております。そしてこれらグループに入ってすらこないのが

3.みるからに低予算そうな見向きもされないやつ
 ⇒『ビジネスフィッシュ』『アフリカのサラリーマン』等放送した事実すら記憶に残らない系。

この3.に該当しそうなのが本作ではないかと。主要キャラが軒並みアラフォーと巷にあふれてる作品の主人公らより年齢が高い。制作会社聞いたことないし、CVに芸人さん入っててバーター臭ぷんぷんだし、どちらかというと事前の期待はナシですね。
ところがどっこいと掌を返すことなるわけですけど、外形だけでは視聴ハードル高そうなとこあるよねってところご留意ください。

集中して視聴することをお勧めします。早送り厳禁。
そして抑揚のない主人公の発声に眠気との戦いになることも助言しておきます。



※ネタバレ所感

■何を得たのだろうか?

{netabare}ミステリーキッス三矢ユキ殺人事件の真犯人は和田垣さくらということでした。
三矢失踪と内々で処理されたのと並行して後釜に抜擢された娘さん。いかにもな二階堂ルイ逮捕でのびつくり展開だったわけですがちょっと待て。

 デビューご破算じゃないの?

スポットライト浴びる目的での殺人ならその後うまいことスターダムに乗れたのかどうか気になります。背乗り目的の動機で殺人起こしてバレそうになって罪被せただけといえなくもなく、スケールちっさと思えなくもない。{/netabare}


メインの小戸川ストーリーは唸れましたので総じて満足しております。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.14 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 52
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アメリカ的な種の混沌

アニメーション制作:P.I.C.S.、OLM Team Yoshioka、
監督:木下麦、脚本:此元和津也、
キャラクターデザイン:木下麦、中山裕美
音楽:PUNPEE、VaVa、OMSB

絵の雰囲気、話の流れなど、
観るまでのハードルが高い作品かもしれない。
しかし、観始めると良質なシナリオと
連続する謎によって視聴者をグイグイ引っ張る。

登場人物たちが全員動物というのが、
普通のミステリーが得意でない人にも、
新鮮な気持ちにさせてくれる。
まさに私がそうだった。
正直、私はミステリー作品に完全に飽きているので、
そもそも、ほぼ興味が持てないし、
よほど良質なものでないと、
余計な思考ばかりが頭を巡って作品を楽しめなくなってしまう。
しかし、この作品の場合、動物のキャラクターが
そういうミステリー作品鑑賞時の弊害を
ある程度、無効化してくれるのだった。

この作品に興味を持ったことのひとつが、
アメリカの犯罪小説に影響を受けていると
想像できることだった。
日本の昔の犯罪小説やハードボイルドものだと
横溝正史や江戸川乱歩、京極夏彦たちに加え、
大藪晴彦や西村寿行、森村誠一、大沢在昌あたりが挙げられるが、
その影響は皆無に思える。
ところが、ハメットやチャンドラー、ロスマクなどの
アメリカのハードボイルド作品の雰囲気は感じられる。
それは主人公が内省的で気難しいところと、
多種多様な動物たちの絡み合い方に、
アメリカの小説っぽい雰囲気があるからだ。

登場人物がバラエティに富んでいるのも
アメリカっぽい。主人公はタクシー運転手で、
そのほかに看護師、医者、ヤクザ、ヤクザのボス、
悪徳警官、アイドルグループ、そのマネージャー、
キャバクラの店員、お笑い芸人、目立ちたい大学生、
頭の狂った犯罪者などなど。

これだけ多くのキャラについて
それぞれきちんと背景を見せながら、
物語に絡ませて、理由も描いていくのは、
いかにもアメリカの犯罪小説によくある展開といえる。

そのキャラのなかでも面白いのは「ドブ」という存在。
ヤクザの幹部であるゲラダヒヒという動物なのだが、
彼の生き方がとても興味深いし、この「ドブ」という名前が
いかにも社会の底辺をよく表している。

「ドブ」は、昔は街のなかにいくつもあった。
整備されていない下水溝のことで、
ゴミや汚水がいつも垂れ流されていたのだ。
社会の位置づけとしては肥溜めに近い。
最近は全国的にインフラが整備されたため、
「ドブ」は見なくなったのだが、
そんな名前のヤクザの幹部が重要な役割を果たす。
しかも、彼はヤクザとして、男として矜持を
持っているような部分が見え隠れする。

アメリカのブルースの巨星に「マディー・ウォーターズ」と
いう人物がいる。アメリカ音楽が好きなら
ほとんどの人が知っているほどの有名人だが、
彼の芸名を直訳すると「泥水」だったことをふと思い出した。
ボトルネックギターと体の奥底から響いてくるような
太く独特なヴォーカルが一度聴いたら忘れられないほどの
強烈なインパクトを残す。
昔よく使われていた音楽における「アーシー」という言葉は、
まさにマディのためにあるように思える。

私の勝手な想像では、
この作品はアメリカ的な要素に彩られている。
主人公が太っていて、理屈を話すときには
説得力があるのだが、いざ行動すると、
あまり役に立たないのも
アメリカハードボイルド小説の主人公像だったりする。

何だか関係のないことばかり書いてきた気もするが、
この作品は、そういう混沌を広げてみせながら、
緻密な伏線を張り巡らせて、それを1本の線に
上手くまとめていく面白さがある。
常にいくつかの謎が横たわり、想像力を刺激してくれる。
登場人物たちの過去を丁寧に掬い上げ、
ストーリーに組み込んでいく手法も優れている。
おそらく多くの人々がシナリオの展開の妙に
引き込まれていくだろう。

{netabare}この作品のそういう良さが上手く表現されているのが、
ラストの車の飛んでいくシーンだ。
誰もが心に何かを抱え、それぞれが細い糸でつながっている。
そんななか、小戸川が軽々と空を飛ぶ。
関係者は皆、近い場所にいて、その瞬間に直面する。
関係があるようでないような人々が、ある一瞬につながる。
これこそが世界の奇跡のひとつ。
美しい出来事といえるのだろう。
私がこの作品でいちばん気に入っているシーンだ。{/netabare}

人種の坩堝を表現しているような作風だけに、
反面、キャラへの描き方が浅く感じられるのがマイナス点。
ミステリーとしては捻りが足りないし、
そこのキャラの心情表現も描写不足を感じた。
特にドブとの決着については、
私が気に入っていたキャラということもあるが、
あまりにも簡単にまとめようとしているように
見えてしまった。

とは言え、多くの人々を魅了した作品であったことは事実。
4月には事件の裏側と続編を描いた映画
『オッドタクシーイン・ザ・ウッズ』が公開予定。
ローカル局とネット配信だけだった作品だが、
それだけ話題になったのは間違いない。

混沌の先に広がっている景色に着目したい。
(2022年2月5日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 50

76.3 2 心理学アニメランキング2位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (415)
1510人が棚に入れました
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。

声優・キャラクター
津田健次郎、細谷佳正、M・A・O、ブリドカットセーラ恵美、村治学、近藤隆、岩瀬周平、榎木淳弥、加藤渉、落合福嗣、西凜太朗、遠藤綾、島袋美由利、平川大輔、宮本侑芽、日笠陽子、蓮岳大、佐倉綾音、小林親弘
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

されど空の青さを知ったカエルちゃん

著名アニメーターのオリジナルアニメ


自分は存じ上げなかったのですが名前を聞けば、な監督と脚本さんとのこと。
そんな予備知識があれば心構えができたものをそうでないとちょっとしたトラップにかかるかも。

まず画が軽いです。主役がツダケンさん。軽い絵と渋い声のマッチングに違和感を覚えます。
次いで第2話まで終わってちんぷんかんぷんです。リアタイでは一挙2話放送でギリ踏みとどまりましたが下手すると離れちゃいますね。
トラップといったのは、 ここまでで"しっかり観よう”という意識が吹っ飛んじゃうかもしれんってこと。流し見ダメ、ゼッタイ!集中しないといかん作品でした。
私も何話か流し見てから、いかんいかんと最初からリピートした口です。

ざっと概要を追うと、
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。
頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。そんなクライムサスペンス。
ミステリと呼ぶにはそこにあまり重きを置いてないような感じがしました。犯人は誰だ?の謎解きもあっさりだし、深層心理にダイブした面々の心の機微がよりこちらの興味をひいてきます。
{netabare}※ジョンウオーカー本人以上に仲間の本堂町小春がぶっ飛んでて良い感じなのです。犯人が魅力的でないキャラ設定なのはわざとじゃないかしら。そこじゃないんだよ!というスタッフのこだわり。{/netabare}


視聴を進めていってなんのこっちゃな部分もおありでしょうが、私も一緒。純粋に視聴に求められる偏差値が高いんだと思います。

それでも推したい作品ではあります。茶目っ気というか遊び心というかクスッとさせる演出ありで、そんなのが見え隠れしてる作品に大外れはない印象。ご多分に漏れず本作もそうでした。例えば設定。

主人公酒井戸が“イド”に入った後、謎解きの重要なモチーフとして必ず死体が用意されています。その名を“カエルちゃん”。別のでも他人のでもイドにダイブすれば必ず会えるという皆勤賞ぶり。そこで誰もが思います。

 {netabare}あー『井の中の蛙(かわず)』ですね、と。{/netabare}

そのうち穴井戸だったり聖井戸だったり井戸尽くしの様相を呈してくる物語。

 {netabare}そんなカエルちゃんは大海を知りませんでした。{/netabare}

 {netabare}ついでにカエルちゃん笑ってくれないんですが胸をさすとげは消えないままだったり。{/netabare}

簡単な連想ゲームにクスッとなります。さらに殺人鬼メーカーのジョンウォーカー。

{netabare}ジョニーウォーカーを連想したのは私だけ?
言わずと知れたウイスキーの銘柄。“ウヰスキー”とも書いたりします。ヰと井。
販元の英ディアジオが韓国に工場を置いたためしばらく日本向けジョニーウォーカーやスミノフはmade in KOREAでした。文大統領が税金上げたもんで撤退みたいなニュースありましたが脱線はこのへんで。
ウイスキーは原酒を寝かせてナンボなわけでしてこちらも熟成熟成また熟成。この殺人鬼も用意周到でしたね。ちょっと類似点があります。{/netabare}

{netabare}それで主人公が“酒”井戸。組織は“蔵”。{/netabare}

{netabare}聖井戸さんだけが持つ“御代”という下のお名前。福井の地酒で「聖乃御代」ってのありましたよね?
脚本の舞城王太郎氏は福井の出身です。ウイスキー関係ないけどなんというかそういったところ。{/netabare}


シナリオとは関係ないところで遊んでみてもけっこう楽しめる。で本編のメインシナリオでも作り手が遊んでるんで素直に楽しかったです。
ホント序盤に軽い画を侮らないで真面目に観続ければいいことがあるんじゃないかと思いますよ。

ネタバレなしはここまで。『マイノリティレポート』『羊たちの沈黙』その他ちょっとでも触れると削がれるタイプの作品です。よろしければ現物を確かめてみてください。
端的に作品から受けた印象を申せば、

{netabare}『大海に出ることの叶わない井の中のカエルちゃんが空の青さを知りえて大海にでることを願う物語』{/netabare}

でございました。



※ネタバレ所感

■声優宮本侑芽のお仕事

飛鳥井木記(あすかいきき)の演者さん。代表作は言わずと知れた『SSSS.GRIDMAN』の宝多六花役。
覚えてますかね?新条アカネとのやりとり。

{netabare}諦観した時のやや強がりの入った演技がすこぶる良いんです、この方。{/netabare}

これまたどうでもいい脱線。
木記→キキ→kick it ! とくれば、Beastie Boys の 『Fight For Your Right 』しか考えられませんよね。えぇ私が好きなだけです。

 You gotta fight for your right. To party

ききちゃんが心から笑える日が訪れますように!


■殺意で狂う人間模様

印象的なシーンと置き換えてもいいかもしれない。なんか切ないのよね。

1.{netabare}井波七星{/netabare}

{netabare}“墓掘り”の相方の女です。彼女のイド内にて、森の中で夜に円環列車が走るのを上から収めたカットを最後に映すんですよ。
「資料によれば井波七星の母親は七星が14歳の時に走行中の電車に飛び込んで自殺。どうやらこの酒井戸が乗る電車が実際にその時母親を轢き殺したもののようです」
ループしてる彼女の心理はここまでで充分に説明されてるのに敢えてぶち込んでくるの切なかったです。

穴開きで1,2話。海外帰りの爆弾魔で3話。そして墓掘りエピソードで4,5,6話と中盤を締めくくって後半にブーストかける良い流れでした。{/netabare}


2.{netabare}名探偵の条件{/netabare}

{netabare}殺人者であること。そして自殺も殺人とカウントするってのが最初とっつきづらかったかも。
つまり殺人犯を口八丁で自殺に追い込んでく酒井戸のスタイルもれっきとした殺人ですよ、と。羊たちの沈黙でも囚人を自殺に追い込んでくのがありましたけどレスター博士のサイコな感じとは違うんですよね。切ない事情がありました。

別件で、熟練の松岡刑事が本堂町(=聖井戸)を送る時も哀愁を漂わせてました。
「ただ俺はお前を推薦しながら俺と他の同僚を守っただけだ」
渋めのおっさんは刑事モノには必要です。{/netabare}


3.{netabare}鳴瓢(=酒井戸)というよりツダケンさん{/netabare}

{netabare}10話が切ない。耐えられん。{/netabare}

4.{netabare}局長の声{/netabare}

{netabare}これ全然切なくないやつです。何だろう…アニメ的な発声にずっぷり慣れてしまったのだろうか。
声が軽くてラスボス感が全くしない。それに棒なんじゃないかと思うくらいひどかった気がする。これ減点要素です。{/netabare}


■最後に遊び心の話に戻るんだが…

遊びと言いきると不敬とも取られかねないのですがお手柔らかに。

{netabare}「違うだろ…君らがどこかに行ってしまったんだ!」
「現実にいるんだ。君のいない…椋もいない…現実に…」
「椋…今そこで君らと一緒にいられなくて…本当に悔しいよ…」

イド内イドで妻に娘に鳴瓢が振り絞るように吐いたセリフ。どんな場面かは完走した人は分かるはず。
悔しいと吐露する鳴瓢の心中いかばかりか。{/netabare}


そこで思い出したのが以下、


{netabare}「国の為重きつとめを果し得で矢弾尽き果て、散るぞ悲しき」

硫黄島守備隊の指揮官栗林忠道中将閣下の辞世の電報です。大本営に“悲しき”の部分を“口惜し”に変えられて世間に発表された逸話はご存知の方も多いでしょう。現代語訳すれば「悔しいよ…」ですね。
それから半世紀の時が流れて、1995年。{/netabare}

{netabare}「精根を込め戦ひし人未だ地下に眠りて島は悲しき」{/netabare}

{netabare}慰霊に硫黄島を訪れた現在の上皇陛下が、この"悲しき”という言葉を使われて御製を詠まれています。{/netabare}


序盤私が申し上げた妄想の類ではなくこちらはれっきとした言葉の繋がりを意識されたものです。
それで「聖乃御代」ってことは…絶対にありませんね。すいませんでした。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.10.10
《配点修正》-0.1 全体バランスを考慮


2020.03.25 初稿
2020.04.29 タイトル修正/修正
2020.10.10 配点修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 51
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

欠損した世界で生きる者たち

アニメーション制作:NAZ、監督:あおきえい、
副監督:久保田雄大、シリーズ構成・脚本:舞城王太郎
キャラクター原案:小玉有起、
キャラクターデザイン/総作画監督:碇谷敦、
音楽:U/S、原作:The Detectives United

無意識下の心の領域を示す精神機能のひとつを
フロイトは「イド」と名付けた。
つまり、本能的な欲求や生理的な衝動のことで、
「エス」ともいわれる。
この作品では「殺意」を生じさせた
無意識の世界を「イド」と呼び、
選ばれた人間が「ミヅハノメ」という機器に、
搭乗して探査する。
イドの世界では、搭乗者は「名探偵」となり、
殺人者のイドの情報を集めることで、逮捕につなげる。
イドを構築するためには、殺人現場などに漂っている、
殺意の思念粒子を「ワクムスビ」という機器で
採取しなければならない。
捜査を担当するのは、警察の内部組織「蔵」だ。

作品の土台となっている世界観に
それほど目新しさはない。
他者の思念に入り込んで探偵となる作品は、
筒井康隆原作の『パプリカ』が思い浮かぶし、
映画なら『インセプション』に通じる部分もある。
夢に潜ったり思念を感知するというだけなら、
扱っている作品は大量に存在する。
ホラー映画の『エルム街の悪夢』や『悪夢探偵』、
それを電脳に転化すれば『攻殻機動隊』や
『RD 潜脳調査室』も類似している。
残留思念なら漫画『サイコメトラーEIJI』もある。
しかし、そういう題材を用いながらも、
この作品の物語世界は、最初から最後まで
完全なオリジナリティにあふれている。

ミヅハノメによって殺意の世界に入り込んだ者は、
殺されている身元不明の「カエルちゃん」を目撃することで、
自分の名前と名探偵としての役割を思い出す。
イドに入った元刑事・鳴瓢(なりひさご)秋人は、
名探偵・酒井戸へと変わり、
カエルちゃんの死の真相を探る。
その様子を外部から観察する捜査員たちが、
酒井戸の思考やイド内での出来事から、
犯人につながる情報を掴んでいくのだ。

鳴瓢は過去に起こった事件で
心に大きな傷を負ったことが原因となり、
イドに入れるようになった。
イドに入るためのひとつの条件は、
殺意を持って人を殺したことがあることだった。

1話目から最終回までのシリーズ構成と脚本を
作家の舞城王太郎が担当していることもあり、
伏線などを含め、全体の完成度は高い。
謎が少しずつ視聴者に提示され、回を追うごとに
明らかになっていく。いくつもの展開の波が
計算されて用意されているのは見事。
ミステリーの要素があるので、犯人が誰かという
興味もあるが、この作品の面白さはそんな単純な部分ではない。
殺人鬼たちの心の問題と被害者たちの悲しみを
きちんと掘り下げて描いており、
その感情の一つひとつが心に響いてくる。

名探偵たちは、複雑な想いを抱えながら、
殺人犯たちの原風景のなかにある謎を
解き明かすために躍動する。

濃密で無駄のない脚本のため、
ちょっとしたシーンにも意味がある。
初見では分からない部分が出てくるかもしれないが、
物語を追っているだけでも十分に楽しめるし、
キャラクターたちが語る言葉の意味を考えるのも興味深い。
例えば本堂町小春が考える「欠損」についての思考は、
観る人によって、さまざまな意味をもつ。
本堂町と共通の感覚を抱える富久田との心の交流は、
マイノリティとしての喜びが表現される。

最も心を動かされたのは10話だった。
分かりやすい回ともいえるのだが、
やはり、そこまでの積み重ねが上手い。
鳴瓢が失ったもの、そして決意。
2度目の幸せを守ろうとすること。
しかし、戻ってこないものがある。
前に進まなければならないときがやってくる。

殺人鬼たちの物語でもありながら、
心地良さや厳しい現実を突きつける。
{netabare}福井県出身の作者が、ミヅハノメのメカニズムで
原発を意識させる設定は、明らかに狙ったものだろう。
飛鳥井木記=燃料棒で水に浸けて制御する。
燃料棒が露出した世界において、
人間は防護服がないと生きられない。
いつかは、なくさないといけないものだ。{/netabare}
世の中のジレンマ、見えない未来。
私たちにとって欠けているもの、
損なってしまったものがある。
しかし、そのなかで生きていかなければならない。
怒りと哀しみ、そして希望。
あらゆる感情があふれた世界に
ほんの少しの喜びがあって欲しいと思う。
(2021年2月27日初投稿)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 50
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

メタサイコロジー

監督あおきえい、脚本舞城王太郎。

奇想天外な世界観で魅了する、
舞城ワールド全開なSFミステリー。

殺人衝動を感知するミヅハノメなる、
アイテムを用い犯罪事件を捜査する組織。
{netabare}無意識の世界が推理の舞台となる。{/netabare}
犯人の深層心理に潜る名探偵酒井戸、
彼は井戸に潜り悪の記憶への回路を見つける。

{netabare}彼の過去とカエル殺害事件の真相、
悪意はそこかしこに潜んでいる。
連続殺人鬼ジョンウォーカーとは!?{/netabare}
その影を追い事件は真相へと近づく。

10話視聴追記。
技巧派・舞城ワールド炸裂である。
事件の核心が見えない、絞れない。
{netabare}飛鳥井の悪夢、世界の変容!?
飛鳥井はその力で鳴瓢の記憶を受け取る。
JWは鳴瓢の無意識の投影なのだろうか!?{/netabare}
本堂町が推理の鍵を握る。

最終話視聴追記。
活劇ではなく推理を主体とする犯罪劇では、
極めて良質なサスペンスが堪能出来る。
{netabare}計る者ものの尺度で変わる正義の形、
そして深層心理で繋がる不安定な心の形。
物語は余韻を残し事件は幕を閉じる。{/netabare}

心の病では些細な希望ですら光の道であり、
懸命にもがきながら苦しみが過ぎ去るのを待つ。

〇〇に幸せが訪れますように。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 48

71.9 3 心理学アニメランキング3位
ワンダーエッグ・プライオリティ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (313)
1001人が棚に入れました
「高校教師」「家なき子」「高嶺の花」ほか話題のドラマを多く世に送り出した、脚本家・野島伸司さんが初めてアニメ作品の原案・脚本を手掛けるオリジナルアニメーション。監督は「22/7 あの日の彼女たち」キャラクターPV、「僕はロボットごしの君に恋をする」アニメーションPVの監督他、数多くのアニメ作品に携わる気鋭の演出家・若林信さん、アニメーション制作は「空の青さを知る人よ」「約束のネバーランド」などのCloverWorksが手がける。2021年1月より日本テレビほかにて放送予定だ。

声優・キャラクター
相川奏多、楠木ともり、斉藤朱夏、矢野妃菜喜
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

卵をめぐる冒険

野島伸司原案・脚本。

学校で疎外される少女アイは、
深夜の散歩で出会った謎の声に導かれ、
不思議なエッグを手に入れる。
それはまた違う世界と繋がる鍵であった。

幾重にも謎が散りばめられているが、
その1つ1つをどう解釈するのか、
さすがは時代と格闘した作家でしょう。
思春期への問題意識や性の匂い、
社会的倫理への眼差しは健在である。

現実と非現実をファンタジーで繋ぎ、
キャラも美術も美しい描写が高水準で続く。
謎で牽引する物語への引きが抜群ですね。
{netabare}卵に書かれた数字の意味は!?
どのような条件で彫像化するのか!?{/netabare}

願わくば続々と才能ある方の、
アニメへの参入を奨励したいです。

最終話視聴追記。
もう語るべきものは語られている。
{netabare}死の誘惑にどう抗するかと言うことだ。
少女から大人への境界線上で、
脆くも躓く人たちに向けた優しい眼差しである。{/netabare}
繊細な題材を通して聖なるものを照射する、
相変わらず、ご健在で何よりです。

特別編視聴追記。
作家の問題提起に大いに共感が持てるが、
{netabare}その点に於いては達成されたものが、
安易に物語だけを語ると何も解決してはいない。
結末は少々、残念な印象ですが、{/netabare}
私としては肯定的な評価で終わりたい。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 51
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ふわふわ ふりーるー

オリジナルアニメ

タイトルですが … TKプロデュースとかなんとかで忙しそうでしたけど無事卒業はできてたみたいですね、、、良かった良かったと今更ながらの90年代。

そのTKのちょっとばかり前。触れた時期が10代か?20代それ以上か?はたまた後追いか?
時代を飾るアイコンが放つ光はまぶしく、とりわけ〝若者の闇”を捉えて一世を風靡した脚本家野島伸司氏がヒット作を連発してた頃に自分は多感な10代だったことを告白します。懐かしのメロディー。

 え!?アニメの脚本すんの?
 ポップな画には騙されません

素直に驚いたので中身云々よりも名前買いでよろしいのでないでしょうか。

 巨匠の処女作

日本語ヘンですが作品を一言でまとめるとこんな感じ。

なお、レビュータイトルは本作で強烈な印象を残したキャラさんからでございまして
これがまたディープインパクトなわりには結局なんだったのかしら?と疑問が残りまして
真夜中寝落ちしながら視聴してたからかところどころ理解追いついてなくて
さらにフリルだけでなく

・{netabare}小糸ちゃんが自殺した理由ってあれ!?{/netabare}
・{netabare}アカも裏アカもあい母の恋人さんもあれ!?{/netabare}
・{netabare}ねいるもよくわからん。脳がショートしそう{/netabare}
・{netabare}なんだかんだフリルは良いキャラだったと思います{/netabare}

ふわふわもやもやしていてよくわかりませんでした。起承転と順調にきて“結”でつまずいた感じ。
裏を返せばそこまでは楽しめるし、もう少し私の理解が進んでいれば景色が違ったかも。作画は綺麗です。野島氏らしく思春期の危うさ/生々しさはしっかりと感じられる。

『GREAT PRETENDER』での古沢良太氏なんかもそうですが、実写のヒットメーカーがアニメにも表現の場を広げていっての化学反応を見てみたいです。実写だと演出によっては予算青天井だし、コンプラ云々の声がうるさかったりしそう。
媒体の違いを面白がってもらって、同時に苦労してもらって、そして両名ともアニメでは手放しの賞賛とは無縁なデビューだったところからの巻き返しをぜひ期待したい。

そのうち2作め3作めと続いてったら本作も再評価されるかもしれませんよ。



視聴時期:2021年1月~(ちょい残し)~2021年7月 リアタイ   

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2022.05.28 追記
やはり地上波(実写)のコンプラ圧力から逃れて新天地を求めたきらいがあるようですね。まだアニメは自由がきくってことなんでしょう。どうかそのまま。ツヨシが言うところの『どうかアメリカに溶けないでくれ』ってとこです。


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2021.07.03 初稿
2021.12.12 修正
2022.05.28 追記

投稿 : 2024/04/13
♥ : 45

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

脚本: 野島伸司は当然仕事してるけど、これはプロデューサーが頑張ってるのかもしれません?(6/29に「特別編」が放送されました)

脚本: 野島伸司と言われれば当然気になるわけで、視聴のきっかけは間違いなくこれです。で、第2話まで観ました。

ストーリーに関してはティーンエイジに向けられたいじめとか部活指導時のパワハラとかをテーマにした話で、とにもかくにも主人公の大戸アイが並行世界的な謎の空間に入り、ガチャで購入した「エッグ」から出てきた子が怪物に襲われないように助けるために戦うというフォーマットで進むみたいです。

が、全部観終わったら別かもしれませんが今レビューとして書きたいのはそこじゃないです。

ということで、以下の話です。

私はアニメの製作体制について人並みにしか知りませんが、多分テレビでシリーズ放映される深夜アニメ作品の場合は作品自体のコンセプトを決めてるのは「総監督」って肩書きの人がいればその人、そうじゃなければ特定の個人ではなくぼんやりと製作委員会みたいな感じだと思っています。

肩書きが「プロデューサー」っていう人はスポンサー集めや放送局への売り込み、マルチメディア展開時の窓口とかの事務屋さんのイメージで、クリエイター寄りの仕事をしないわけではないでしょうが、そっちがメインという感じはあまりしません。まあとにかく企画の大枠は先にあって、その企画のための調整役としてプロデューサーが付くものなんじゃないでしょうか。

一方、テレビドラマではそんなことはなくて、企画内容について一番力があるのは局プロデューサーでしょう。もちろんスポンサーの意向を無碍にはねつけたりはできないでしょうが、「どんなドラマにしたいか」を大雑把に決めるのは局プロデューサーの仕事と思われます。

で、本作を観ていて「脚本: 野島伸司」の起用も含めて何かグループ合議だけではなくドラマとかにありがちな強めのプロデュース力を感じました。

普通テレビアニメでそんなことは気にして観ていませんが、公式サイトの「STAFF&CAST」を見てみると企画プロデュースの欄に「植野浩之」という名前がありました。別に名前を知っているわけではないのでググってみたらこの方は映画プロデューサーなのですね。

今回は日本テレビ側の局プロデューサーとして参加されているようで名前の横にあるフキダシをつつくと企画に当たっての言葉みたいなのが読めるんですが、それを読んで私が感じていた「プロデュース力」みたいなものに納得がいった次第です。

ということで、『GREAT PRETENDER』なんかもそうでしたが今後は映画やテレビドラマを作っていた人材がもっとアニメに流れてくるかもしれないなと思いました。

作品としての評価、特にストーリーは典型的な「終わってみないとわからない」タイプの話だと思いますが、気にはなるので視聴はたぶん最終回まですると思います。その時に何かあったら追記しますが、たぶん途中の各話でのレビュー更新はしないと思います。
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2021.3.10追記:
第9話まで視聴終了。上記の通りレビュー更新の予定は特にはなかったんですが、作中で「夢が記録できる」という話が出てきたので、日テレつながりですがだいぶん前に放送された『悪夢ちゃん』というドラマを連想しましたという記録です。

※『悪夢ちゃん』には「獏」という装置が出てきて、「夢札」という記録媒体に明晰夢を記録して後から夢の映像を見ることができるという設定がありました。

……でも、『悪夢ちゃん』の知名度は低そう(笑)。北川景子とか小日向文世とか優香とか、キャストはそこそこ豪華だった気はするんですが。

2021.3.31追記:
第12話まで視聴終了。「打ち切り」最終回みたいな形で終わりましたが、公式から6/29に「特別編」が放送されることがアナウンスされたので、事実上最終回を落としてしまい「特別編」が最終回ということになるんじゃないかと思われます。

ただあにこれの登録的にはそちらは別作品ということになりそうなので、本作の視聴状況としてはとりあえず「観終わった」となります。

ここまで面白かったんですが、「最終回」を観ないことには最終的なストーリーの評価はできないと考えるので、とりあえず評点は「3」にしておき、2021年冬作品1クール終了時の評価もここまでの視聴状況で付けようと思います。

2021.7.2追記:
特別編まで観終わりました。前半振り返り総集編+後半新作映像という2話分の時間を使った構成です。

アイは主人公だけどメインの4人の立場が比較的フラットなのかなとも思いがちでしたが、特別編前半の振り返りで「アイは特別」であること、そして特別編後半そんなアイにとって「ねいるは特別」であることが改めて示された感じでした。

でも本編だけでも「アイは特別」なのは描かれていたので、本編最終回は打ち切り最終回ではないし、特別編は本編の補強であっても新たな主張や問題の提示ではないんだなと思いました。
(たぶん本当の意味で「戦う力」を持ってたのは、アイと寿ちゃんだけ?)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 45

62.3 4 心理学アニメランキング4位
アニメで分かる心療内科(Webアニメ)

2015年2月13日
★★★★☆ 3.5 (331)
1471人が棚に入れました
うつ・ED・認知症~えっちなお悩みまでわかりやすく解説する臨床心理士・療と、突飛な方向へ誤解しがちなナース・あすながお届けする最先端のメンタル治療!? 心療内科にて扱う症例をテーマに、"笑えて学べる"異色の心療内科ギャグアニメ。

声優・キャラクター
三木眞一郎、遠藤ゆりか、日笠陽子、内田真礼、緒方賢一

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

下ネタ警報発令中

ショートアニメ、全20話。
ショートアニメとしては結構なボリューム。
そして、笑いが下ネタに偏向しています。

精神疾患を茶化しながらも、意外と専門的。
心療内科で扱われる病気について巧みに解説しています。
しかし、このアニメはもちろんそこじゃありません。
人のかなりの部分を占める性に焦点を当てています。
ということで、下ネタの雨あられです。

主人公は、心療内科の先生と助手。
そして助手の姉たち、および個性派?クライアントが脇を固めます。
ツッコミの大半は先生ですが、先生もストレスが溜まっている模様。
先生暴走時には、助手が丁寧にツッコミます。
姉たちwithクライアントも、もちろん病的。
テンポのよい下ボケの大乱舞です。
下ネタ大好きの私としては、大笑いの嵐でした。

ある日、隣の部屋で大笑いしていると、
嫁「何がおもしろいの?」
私「アニメ」
嫁「ラブライブよりも?」
私「ある意味」
何故ラブライブ?
そこは深くツッコミませんでした。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35

おその さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

クスっと…

メンタルクリニックを舞台にした下ネタとわりと真面目なメンタル処方

下ネタ系にしてはちょっとパンチが軽い感じ
どちらかと言えばノリツッコミのギャグが多い

全20話のショートアニメなのでサクッと見れます

下ネタはやっぱり笑えてこそだよね!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 32

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

アニメで分かる・・・分かる!?のか本当に・・・

原作:ゆうきゆう、作画:ソウによる漫画を原作とする

ショートアニメです。全20話、原作未読


心療内科で扱う様々な症例を登場人物のやり取りを通して

解説する(きっと)というギャグ作品です。

登場人物たちがどうも変な方向に(主に下ネタ)話を持って

いこうとする中で三木さん演じる心内療がツッコミながらと

いうのがメインの流れでした。

ためになるのかどうなのかは個人の感覚次第という事にして

おいて、下ネタアクセル全開のギャグアニメとして私は楽しく

視聴しました。

実際のところ私は下ネタはあんまり好きではありません。

ですがこの作品に関しては特に何も感じなかったです。

たぶんショートアニメでそんなこと思う暇もなかったのかな

と思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

69.8 5 心理学アニメランキング5位
PERSONA5 the Animation(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (252)
1218人が棚に入れました
えん罪から保護観察の身になってしまった蓮が、心の力「ペルソナ」に目覚めた仲間たちとともに「心の怪盗団」を結成し、大都会・東京の平和を守るべく、悪党たちの悪しき心を盗み出していく姿を描くピカレスクロマン。蓮は、私立秀尽学園に通いつつ、「心の怪盗団」メンバーの中でもいち早くペルソナを発現させたリーダー「ジョーカー」として仲間たちを率いていく。

声優・キャラクター
福山潤、宮野真守、水樹奈々、大谷育江、杉田智和、佐藤利奈、悠木碧、戸松遥、保志総一朗
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

亡霊のジレンマ

CLOVERWORKS制作。

とある事件から前歴が付き、
1年間保護観察処分を受ける雨宮蓮。
新しい学校での生活が始まるのですが、
同級生とともに奇妙な力に目覚める。
鉄格子の向こうのベルベットルームは、
デヴィッドリンチの世界。
何やら陰鬱とした不穏な空気が漂っています。

高校生として日常生活を送りながら、
{netabare}夜は心の怪盗団として、
悪しき歪んだ欲望を抹殺していく。{/netabare}
仮面の怪盗団がフェティッシュ、
ペルソナ能力も想像力を刺激されます。

最終話視聴追記。
ペルソナ、それはもう1人の自分であり、
認知世界、心が形となり全てを決定づける場所。
この世界観と相性が良いので楽しめました。

年末特番「DARK SUN」視聴追記。
{netabare}拘置所に響いた裏切りの銃声から、
いよいよ黒幕の存在が語られる。{/netabare}
怪盗団は世界を再構成できるのだろうか!?

後編「STARS&OURS」視聴追記。
特番構成自体に不満が残るも安定の締め。
{netabare}ヤオダバルト、聖杯、大衆の集合的無意識、
メメントスを舞台に怪盗団最後の戦いが始まる。
衒学的で現代的な主題で終結しました。{/netabare}

最後にイゴールは田の中さんの声ですよね。
うん、粋な演出に喝采です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 57
ネタバレ

ポル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ペルソナ5面白いじゃん!

ゲームの宣伝アニメ?たいしたことないかもと思って避けてましたが、なかなかに濃い物語なのでは?事件解決させるたび仲間もどんどん増えていき面白いです。
何故か逮捕されて(・ー・)オワッタナ・・・状態の主人公。こうなった謎はラストまでの秘密ってところも話の続きが気になる良い伏線にもなっていると思います。
戦闘シーンなど、見てて恥ずかしい(/ω\*)中二病っぽいカットインしょぼいwとは思いましたが気にせず慣れてくる、物語全体を見ていくと意外と面白いです。OPやEDはスタイリッシュでカッコイイですね。

1~26話見終わって、つぶやき↓
{netabare}
色々な問題を解決するごとに仲間が増えてくのは見てて楽しかったです。

ふと思った疑問、あの猫、何者なんでしょうかね。ゾロ呼び出す謎のしゃべる猫ちゃんw

最初の尋問室で追い詰められてる主人公、どうしてこうなったかがわかってきたわけですが、明智がゲスぃ顔をして主人公にトドメ!!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?
バッドエンドかww

ちょっと…( ゚д゚)( ゜Д゜)( ゚д゚)ポカーンっとなってしまったッス!
明智あやしいとは思ってましたが、主人公Vs明智で決着つけるんだと勝手に思ってただけに、この終わり方にはビックリです。ってまだ終わりじゃないんだっけw
{/netabare}

放送期間が空くと熱が覚めるというか一気にみたいものですね。話忘れそうになるよw
追記~ラスト27話目見終わってのつぶやき
{netabare}
明智の本性に気がつき罠をはってたというオチw
ははーんwなるほどねぇw悪徳政治家も改心してキレイに解決か・・・と思いきやまさかの続編告知w
え?これまだ続くの?もうお腹いっぱいだよw
キレイにこれで終わりでいいじゃないと思ってしまったw
まあ楽しみにしてるけどねw
{/netabare}
2019年3月続編でるっぽい?まだ続くんかい(゚Д゚)ノ

投稿 : 2024/04/13
♥ : 20

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

4話あたりでいったん断念後10話から再開(10話まで視聴して)(レビュー修正あり)。

※★の評価は暫定的なものです。最後まで見終えてから再度つけなおす予定です
 PS4ゲーム版クリア済です←(物語や世界観は大好きでした)。

>1話まで視聴して
ゲーム版はとても楽しませてもらいました!。
(←ただ物語は中盤がピーク(最高っ♪)で、終盤は少し微妙・・だったかな?。
 ダンジョンは四角の2Dベースで奥行きがなく、作業要素が大きかったのが難点。
 なんか疲れたので、周回プレイはとてもする気が起きない・・)。
ゲーム製作の段階からアニメ化も見据えていたようだったのでとても楽しみにしていたのですが
ちょっと過度な期待をしすぎてしまっていたようです><。

ゲーム内で、ある程度ストーリー進行が固定されているので
アニメ版はそういった固定シーンの”継ぎはぎ作品”のように感じてしまいます><。
アニメだとシーンがブツ切りで繋がれていて
(ゲーム版ではその間にプレイヤーに多大な苦労があるw)
ゲーム未プレイ者さんには唐突で意味不明な感じに映るのでは??。
これはこれまでのシリーズ作品アニメ化の際にもず~~~~~~~~っと感じてましたが
今回も「やっぱりか・・・・・」といった印象です。
物語の評価が低くなってしまっているのはこれが原因です・・(ゲーム版の物語評価は★4あたりです)。

4コマ漫画作品から30分アニメ作品を作る場合は
コマとコマの間をいやがおうにも作らざるをえなくなると思いますが(そこで出来が大きく左右される?)
本作のようなゲーム版からだと
固定シーンと固定シーンの間を作るのが逆に難しくなってしまうんでしょうね・・
(自由度が少なくなってしまって)。
もしくは作らなくてもカタチとしては成立できてしまう?・・(悪い意味で)。

ストーリーの入りや演出、表現、セリフ、ロゴやカットイン?等についても
”ゲーム版そのまんま”じゃなくて”アニメ版ならでは”的な自然な流れを期待していましたが
やはりそれも過度な期待だったようです・・><。


せっかくの福山さんも、あまりセリフ増やしてもらえそうにない気がしてしまいます・・><。
せめて”心の声”みたいな感じでもっとセリフ入れてくれたらいいのになあ・・・と。
(たまにルルーシュっぽく感じてしまうところを個人的にニンマリしながら楽しませてもらおうと思ってます)


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>4話あたりでいったん断念後10話から再開
4話あたりで我慢できず、いったん断念してました・・。
・・が、某まとめサイト様の記事で「序盤より出来がよくなってきている」という意見を見かけ
間の話数が飛んでますが10話を視聴してみました。

あ、確かにテンポ良くなってる♪。
BGMも的確だし、全体的な雰囲気がゲーム版独特の良さに近い^^。
話が進んでメイン・サブともに主要キャラが増えてきたことも大きい。
個人的には真の登場が何より大きい!!。

これだったらここからまたしばらく継続視聴できそうです。
だって真と、ここからさらに増えるメインキャラ2人が自分の推しキャラですから^^。


(ED後半の動画はどうにかならないんでしょうか・・。
 まだ止め絵を数種類変えてくれる方がマシな気が・・・
 せっかくの歌が勿体なくない?・・・・・・)


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>9話→4話と逆行視聴してw
意外に見れました^^。
戦闘シーンはあからさまにイマイチ・・(大苦言w)ですが
本編・サブキャラコミュ含めて物語はまずまずうまく進行させてる感じ。
Cパートもうまく使ってる♪。

ゲームクリアしてからもう半年以上経つので
少し記憶からなくなりかけていた細かいところを思い出させてくれて案外悪くないな^^。

ただやっぱりペルソナシリーズがアニメ化される際の個人的共通残念ポイントですが
ゲームではプレイヤーが主人公であるため
主人公のキャラ主張が弱く作られてしまってるんですよね・・。
本作でもゲーム発売前に福山さんが主人公であるということを知り
個人的に異常なまでの期待をしてしまってたのですが
蓋をあけてみるとゲーム内での福山さんのセリフはごくごく限られたセリフにとどまり
(←ココ重要!!(残念ポイント;;))
逆に、それを補うように宮野さんがしゃべりまくってくれていますww。

自分は宮野さん福山さん双方のファン(特に宮野さんファン)なので
宮野さんのキャラ主張が強くなってセリフ増えるのは大歓迎でしたが
(なんかこれの影響??で、ゲーム版の時から世間的に
 竜司がウザキャラ扱いされてるのは我慢できませんでした・・
 ・・・いいキャラなのに。⇒アニメ版でも竜司(宮野さんの演技)の良さは全開でした!!)
やっぱ福山さんのキャラ付けももっと強くしてほしかったというのが本音です・・。
アニメ化に伴い福山さんもがっつりアドリブ入れてくれたりするのかな~って
密かに期待してましたが、今のところはやっぱ極力抑えられてるようですね・・><(無念)。


今日、ひさしぶりにP5のゲーム版を起動してみたのですが
やはりOPの動画や戦闘時のUI等最高でした!!(スタイリッシュ!!!)。
いっそのことアニメ版での戦闘シーンって
手書きでふにゃふにゃした感じになってしまうくらいであれば
いっそのことCGでもよかったのでは??。
P5の良さの1つはやっぱ「スタイリッシュさ」ですよね?。
ゲーム内でのそれは最高にcool!でしたが
アニメ化に際してそれらはかなり弱体化していませんか??。
加えて、ペルソナシリーズは悪魔キャラの魅力も大きなハズせない要素であるハズなのに
アニメ化に際してそれらが犠牲になっていませんか??><。

とはいえ、前述の理由でゲーム版を周回プレイする気になれないので
せめて今後のアニメ版に期待してしまっています。
でも一番お気に入りの双葉ルート、春ちゃんルートのところは
丁寧にアニメ化してほしいな~と願うばかりです。ペコリ(o_ _)o))

投稿 : 2024/04/13
♥ : 15

63.4 6 心理学アニメランキング6位
Caligula -カリギュラ-(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (180)
667人が棚に入れました
「理想(きみ)を壊して、現実(地獄)へ帰る――。」


街中に響き渡る美しい歌声。
絶大な人気を誇るアイドル「μ」に見守られるように、
この街では穏やかな日常が流れてゆく。

式島律は、宮比市立吉志舞高校の1年生。
スポーツに勉強そして友達にも恵まれ、
青春真っ只中の充実した高校生活を送っていた。

時は経ち、2年生として迎えた入学式。
新入生代表として壇上に上がった少年は、
本来そこにいることがありえない人物で――

声優・キャラクター
沢城千春、上田麗奈、武内駿輔、梅原裕一郎、細谷佳正、村川梨衣、小澤亜李、高橋李依、田中美海、渕上舞、下田麻美、蒼井翔太、新田恵海、花守ゆみり、中村繪里子、斉藤壮馬、内田雄馬、大坪由佳
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

μとゆかいな仲間たち 略して!・・・略しません乙

2018.06.26記


ゲーム未プレイ。

途中断念しても良かったのですが惰性で最後まで観ることに。
全てにおいて説明不足かと思います。

第一話主人公の心理学語りがまずダメ{netabare}(ドヤ顔で披露したのが『ジョハリの窓』とか陳腐だなぁ、と){/netabare}で、のっけから線を引いてしまったかもしれません。
気を取り直して、独特といわれる世界観を解釈しようと思いましたが、仕掛けや展開はそこそこ興味を引くものの結果的にはついていけませんでした。
なにせキャラの名前と顔が一致しない。そんなに数が多いわけでもないのにです。棲み分けもなされてるのかなされてないのか、とにかく魅力に乏しいキャラ達でした。

{netabare}高校の友人たちの様子がおかしいぞ{/netabare}
{netabare}ん!?お母ちゃんと食事にまつわるトラウマがあるん?{/netabare}
{netabare}μの歌が洗脳装置っておもしろいねぇ{/netabare}

うーん、設定は悪くない気がするのに。
キャラデザは嫌いではないのでそこだけ加点しときます。

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最終話観て追記
思ったよりきれいにまとまった。よかったよかった。
『幸せはいつも自分の心が決める』byみつをさん
{netabare}メビウスと現実世界はパラレルワードでしたよ、っと。{/netabare}

{netabare}帰宅部メンバーが現実世界で抱えていた闇。共感できるかどうかは置いといて、一度は目をそむけた厳しい現実に逃げずに向き合っていこうという姿を見せてのエンドは悪くない。そして世の矛盾を抱えて消えていったμの存在がほろ苦い余韻を残して終幕です。{/netabare}

あ、それと最終話でも『ジョハリの窓』出たよ



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2018.11.22追記
《配点を修正》


余談になりますが、その μ の周囲を固める“楽士”と呼ばれる取り巻きのうち一人にCV新田恵海さんが配置されてるんです。少なくとも私が観てる作品ではラブライブ以来でした。レアだと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 39
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

神の座

ペルソナ×サクラダリセット。

主人公は通学中、ユング心理学を読み、
書店でアリストテレス、霊魂論を注文する少年。
幸せだと感じるほど充実した高校生活を送るが、
暗闇の中、不思議な声を聴いたことをきっかけに、
日常が不条理な方向へ、変化していく。

前情報をまったく知りません。
初回を見た素人の推論なので記載させて頂く。
{netabare}これは創作物のキャラが自我を持ち始める話?
或るは涼宮ハルヒはストレスから、
亜空間を創りますがそういった中での話でしょうか?
模範的な理想の回答が出るまで、
延々と高校生活をリセットされる話でしょうか?{/netabare}
その場合「神の座」には誰がいるのだ。

唐突にインサートされる暗い部屋と錠剤。
時間軸は平行線を失い、
気付き始めたものは混乱の渦へ。

最終話視聴追記。
{netabare}ここにあるのは現実世界で、
自己実現出来ない者たちの悲しいユートピアだ。{/netabare}
物語は可もなく不可もなくでしょうか、
意外に真面目に制作されています。

お時間のある方はぜひどうぞ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

君は夜行列車に乗って、本気で新たな世界に行けますか?

[文量→小盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
わりと普通に観られる、厨二感の強いバトルもの。自分の中の「闇(病み)」と向き合う物語。

ちょっとだけ、キズナイーバーを思い出した。なんか皆、語るな~~~、と(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
登場人物がみんなイタイな~。と思っていたけど、そもそも、イタイ人しか来られない世界なんだもんね、と思ったり(笑)

最初の何話か観たときは、「良くも悪くも疲れるアニメだな」という印象でしたが、中盤以降は、「良くも悪くも普通のアニメだな」という印象に。これは、良くなったのか、悪くなったのか(笑)

まあ、どうでも良いのだが、自分の中の「本当の自分」を見つけることが出来ると、武器を具現化できるとか、ね。もう卍解にしか見えなかったっす(笑)
{/netabare}

【余談~ 私のカリギュラ効果w ~】
{netabare}
カリギュラ効果→禁止されるとなおさらやってみたくなること。

う~ん、分からなくはない。パッと思い至ったのは、小学生の時のこと。

うちの町はクソ田舎で、隣町もクソ田舎で、でも、ちょっとだけ隣町の方が栄えていた。ゲーセンとかもあったし。でも、うちの小学校には、「子供だけで隣町に行くのは禁止」という校則があった。

そりゃ、行くよね(笑)

普通に国道を走れば、チャリで10分くらいで隣町に行けるんだけど、わざわざ山道を迂回して、40分かけて行ってたw まあ、冷静に考えれば、移動時間が伸びれば見つかるリスクも増えるし、てか、山道を爆走する小学生軍団なんて、端から見たら怪しすぎたことでしょう。

当然、奴等(昔の剣道部達)は気づかない。アホだからね(笑)

でも、それがたまらなく楽しかったのは、事実。

先生方の車のナンバー覚えて、店に入る前に(駐車場にあるか)手分けして確認したりだとか、店でばったり先生(やクソ真面目な同級生)に会った時の言い訳を考えたりだとか、もしも見つかっても、決して仲間は売らない、鉄の掟を作ったりだとか(笑)

中学生になり、「子供だけで隣町に行くのがOK」になった。そりゃあ、最初は喜びましたよ。ようやく国道通れるしw

でも、なんか楽しくなかった。すぐに飽きた。

あんなに楽しかった隣町は、何にも魅力がない町に変わっていた。現実的には、隣町もただのクソ田舎なんだしね。

多分、これがカリギュラ効果なのだろう。奴等は、隣町に行きたかったのではなく、「大人が禁止しているところ」に行きたかっただけなのだ。

さりとて、荷物をまとめて、夜行列車に飛び乗るだけの覚悟も根性もない。

つまりは、一般的なガキんちょだったということ。

本作の登場人物達も同様に、ガキんちょだったのかな。私にとっての隣街は、彼らにとってのメビウスだ。彼らはメビウス(理想的な仮想世界)までは来られた。でも、メビウスより先(理想の世界の実現)にたどり着くだけの覚悟も根性もなかった。そういう、弱い自分の直視、あるいは脱却が本作のテーマなのだろう。

なぜ、カリギュラ効果と聞いて、小学生の時のことを思い出したかというと、おっさんになった今、とんと具体例がないことに、気づいたからだ。

世の中は、ある程度、理知的・合理的に作られていて、禁止されていることには、禁止されるだけの理由やリスクがある。

そういう、「社会のシクミ」が分かることが大人になるということだし、年をとるということは、色んなモノを背負っていくということで、責任も増していく。すると、「リスクを背負ってまで、禁止事項を破る必要あるか?」と、物分かりが良くなったり、妥協できたりしてくる。

いや~、最近、ホントにルール破らなくなったな。あ~ぁ、小さくまとまってしまった(笑)

カリギュラ効果とは、子供に許された特権なのかもしれない。本作の登場人物は、一様にガキ臭い。けれど、純粋でもある。

まあ、大人も楽しいから、戻りたいとは思わないけれど、たまにはムチャしてみたくもあるなと、思って、剣道部は今日も(肝数値を気にしつつ)酒を呑む(これが今の私のカリギュラ?)w

さあ、皆さんのカリギュラ効果は?
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
よく分からんアニメだな。予想外にバトルものなの?

2話目
つまりはSAO系なわけね。

3話目
なんか、女の怖さの集結w SAOというより、18ifみたいな感じなのかな? デブを全否定w

4話目
鬱々しいな~。小森君は、ようは、女子とお弁当食べたかったのか(笑)?

5話目
ん? 話、飛んだ? ギャグテイストは、なんか合わないな。と思ったら、シリアスに? DVの許容?

6話目
なんか、卍解って感じだな(笑) ジョジョ(笑) 闇堕ち。

7話目
シリアスものの日常回は、なぜか鍋ってイメージだよなw 難しくてわかんな~い、って、視聴者の言葉を代弁してるのかな(笑)

8話目
崩壊するメビウス。世知辛さが出てきたら、夢の世界じゃないわな。自傷行為。顔でいじめられたとか?

9話目
やられたらやり返せ、、、倍返しだw

10話目
蜘蛛の糸、的な皮肉だな。トラウマトーク。確かに、男にとって体のデカさってわりと大切なんだよな、思春期はとくに。ラスト、手榴弾て(笑)

11話目
まあ、制作者だろうとは思ってたけどね。バトルなんだけど、武器による工夫がなくて(苦笑)

12話目
よく分からんが、ハッピーエンドなんだろう(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 22

68.6 7 心理学アニメランキング7位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (352)
1480人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

約90年くらい未来の話(第17話: マジかい、こんなに面白くなるなんて聞いてない(笑)!)→ ヒギンズも出てきて、Final Stage堂々完結!

== [下記は5話視聴終了時レビュー: 全話視聴終了時まで逐次追記あり] ==
月刊『NewType』にて2012年頃に連載されたSF小説が原作らしいです。(未読)

評点は観終わってからということで、現時点では保留です。

第5話まで観終わったところでこのレビューを書いています。SFだなんだと御託を並べてはいますが、ぶっちゃけ「人間とアンドロイドのロマンス」からそう遠くない着地点に落ち着きそうに見えて仕方がありません。この先も観ていてもしそうならなかったらごめんなさい。

あ、主人公アラトの妹のユカが可愛いのはちょっとした癒しですね。

人工知能の業界では有名な「技術的特異点」(俗に「2045年問題」とも言われる)を実際に迎えてそれよりもさらに数十年経ってしまった未来のお話らしいです。

今ほどはっきりとこの問題が論じられるよりも前にも「コンピューターが人間の知能・能力を凌駕する未来」みたいなことはいろいろなSFで取り上げられている気がするので、その意味では「古典SF」的なテーマも含んだ作品と言えます。

特にSF好きでなくても有名なところだと映画『ターミネーター』などもそうですね。

いまや5年後の未来を見通すのも難しい昨今、100年近く未来を予測してそれらしい説得力のある映像にするのはとても難しい話だと思います。技術的には網膜投影とか電気的にニセの視覚情報を送るとかしてディスプレイ装置は必要なかったりするかもしれないと思いますが、作中のデバイスは現代とあんまり変わりはないみたいですね。

作中ではhIE(Humanoid Interface Elements)と呼ばれる人間そっくりの外見をしたアンドロイドが出てきますが、ヒロイン(?)と目されるレイシアを始めとするレイシア級hIEたちが使用する装備は武装にしろ光学迷彩にしろ、どれもかなり膨大なエネルギーを消費しそうでその供給源はアニメを観ていても良くわかりません(笑)。

この手の話は古典SF的には、作中の用語である「アナログハック」(人間が人間(っぽいもの)を見たときの感情の働き)と、逆に人工知能側が人間と接することで感情(めいたもの)を獲得するかといったあたりがポイントになっていたと思いますが、その意味では特にSF的に目新しい要素はないように思われます。

ただ、「人工知能が感情を獲得する」というのは「SF界のロマン」みたいなテーマでもあると思うので、古いSFファンには響く部分はあるかもしれません。

私はこういうのは嫌いじゃないので観続けてはいますが、他に観たい作品がそこそこありそうな2018年冬クールにおいては特に頑張って観なくても良い作品のようには思われます(しかもこれ、2クールあるらしい)。

それと、第5話まで進んだところで次回は総集編になるようです。まあ、あんまり期待はしていません…。
== [第5話視聴終了時レビュー、ここまで。] ==

2018.5.5追記:
第14話、新OP/EDは今回から。
紅霞姐さん、かっけえ! ……と盛り上がってきたところで、特番の多さでは定評のある本作は次回も特番(笑)

2018.5.26追記:
第16話: 原子力でいうとIAEAみたいな超高度AIの国際相互監視機関(IAIAだっけ?)があることが明らかに。なるほど、超高度AIってスタンドアローンで運用しないと国際協定違反なのか。

さらにいろいろ盛り上がってきたところで水島精二監督の体調不良が本人tweetにより明らかに。ギリギリのところで戦う制作スタッフの状況、笑えない…。

2018.6.9追記:
第17話: 最初は話半分に聞いてたけど、ガチにSFだった!
ビジュアル関係なくストーリーだけで読めそうなので俄然、原作小説に興味が湧いてきた。

これ、深層学習とかニューラルネットとかの近頃のAI事情をある程度知ってる人の方がストーリーに信憑性を感じるんでしょうね。

とりあえず5話時点で見込んでいた着地点は越えそうなので謝ります、ごめんなさい…。

2018.6.22追記:
4話分が「BEATLESS Final Stage」として9月に放送が先送りになるらしいです。まあ、放送される予定が決まっているだけ良しとするしかないでしょうか。
http://beatless-anime.jp/sp/news/detail_0620_1.php

2018.7.9追記:
上記の通り「BEATLESS Final Stage」を残していますが、無印「BEATLESS」としては最終回。ヒギンズも出てきて、登場キャラクターは出揃った感じです。

アニメの総集編とか特別編というと基本的にネガティブなイメージですが、この作品の場合は「Intermission」を号する回については制作が間に合わないという事情で作られたという点はさておき、内容的にはけっこう正しく「総集編」でした。

録画を残しているんですが、「総集編」回も消さないでおこうと思います。

2018.10.1追記:
MXでは9/28, 29の両日に渡って第21~24話が「Final Stage」と称して放送され、無事に完結しました。

シリーズ全編を通じてもちろん主人公は遠藤アラトでヒロインはレイシアだと思うんですが、「影の主人公: エリカ・バロウズ」って感じで面白かったです。たぶんエリカの方が内海遼(うつみ りょう)よりも「影の主人公」の称号にふさわしかったかなと思いました。

1周回って5話時点で想定していた着地点だったのかもしれないですけど、その「1周回る」過程でそれ以上のものを見せてくれたと思います。

とても面白かったです。原作はまだ読んでないですけど、読んでみようかな…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 73
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





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20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


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2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/04/13
♥ : 69
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

エリカ・バロウズの孤独

【概要】
 2017冬-2018春、長谷敏司の近未来SF小説を原作とするディオメディア初の2クール作品。全24話…なのですが制作が遅れに遅れ、最終4話はBEATLESS Final Stageとして秋に放送されました。キャッチフレーズは「モノとヒトのボーイ・ミーツ・ガール」。新装文庫版を購入済み。

 舞台は今から100年後の日本。人工知能が人間の知性を超えた後、いわゆるシンギュラリティ以降の世界でのヒトとAIとの新しい関係性を提示するSFストーリーです。

 本作の問題点としてビジュアル的にパワー不足で未来感に乏しいこと、要素を色々詰め込みすぎて理解しづらいこと、主人公のアラト君に共感しにくいこと等が挙げられます。ただこれらの欠点は他の方が既に指摘しており今更感があるので、すでに気合で完走された方向けに、いまひとつ理解されていないように思えるBEATLESSの内容について若干補足をすることにします。といってもSFやAIに詳しい方には退屈な話かもしれませんが。

【シンギュラリティ】
 コンピュータは毎年約2倍の速度(※)で性能を向上させ続けている。この年に2倍の速度でコンピュータが性能を向上させ続けるという法則をムーアの法則と言います。このムーアの法則に従えば、2045年には汎用人工知能(本作では"超高度AI"と呼称されている)が人間の英知を超えた新しいコンピュータやロボットを開発し、加速度的な技術進化が起きるであろうという予測がある。これは一般に技術的特異点、あるいはシンギュラリティと呼ばれます。BEATLESSは2051年に超高度AIが誕生したという設定であり、そこからさらに50年経過した世界のお話です。

 現在は第三次AIブームとされ、ディープラーニングに代表される機械学習の技術革新がありAI開発が世界で加速しています。Googleの開発したAI、DeepMindが囲碁の世界チャンピオンを破ったことは記憶に新しい。すでにAIはGoogle翻訳やSiriなど身近な所で活用されています。かつては空想に過ぎなかったシンギュラリティも現実味を帯び始めているわけです。

 その一方でAIが人間を超える知力を獲得した先には、我々がAIを制御することができなくなり、主従関係が逆転し暴走したコンピュータが人間を支配するような危機的状況が訪れるという懸念もある。人工知能の開発は人類を破滅に導く危険性があると、ビル・ゲイツやイーロン・マスク、今年亡くなられたホーキング博士などの著名な人物が警鐘を鳴らしています。AIによって人間が支配されるディストピアな未来!もあながちSF好きの誇大妄想として片付けられない事態になりつつあるといえます。

 話を戻すと、BEATLESSはこのシンギュラリティ問題、すなわちAIが人間の知能を超えてしまったときに私たちヒトはそのようなモノをどう扱えばよいのか?を問いかけている作品だといえます。

 普通に鑑賞すると新藤アラトとレイシアの物語からひとつの回答を得ることができます。ただ残念ながら僕はアラト君(+妹ちゃん)があまり好きではないのです。彼に対して言いたいことは山のようにあるのですが、彼の悪口を延々書き連ねても仕方がないのでそちらには触れず、裏口から本作を語ることにします。影の主人公ともいえる少女、エリカ・バロウズにまつわるお話です。

 おそらく原作を未読の方は彼女の存在意義も行動原理も理解しづらかったのではないでしょうか。実はエリカはその特殊な出自を背景にして21世紀の現在と22世紀の未来を接続する非常に重要なキャラクターで、ただの解説役ではなかったのです。

※ 正確には半導体の集積度が18ヶ月で2倍になる

【エリカ・バロウズ】
{netabare}
 1クール中盤から登場する褐色の肌にプラチナブロンドの少女、エリカ・バロウズは世界有数の資産家であり、メディアグループ「ファビオンMG」の代表を務める才女です。彼女は「ハザード」と呼ばれる超高度AIが引き起こした大災害で家族を全て亡くし、広大な屋敷にたった一人で暮らしている。屋敷に人は一切寄せ付けず、身の回りの雑用は全てhIEにさせている。またエリカはアンティークの家具に囲まれて暮らし、アラトと出会ったとき紙の名刺を渡したように、あらゆるモノが電子化された22世紀でもあくまで21世紀の風習にこだわる。第16話では現在の人間の世界が「大ッキライ」と声を荒げて言い放つ。

 彼女はなぜこの世界の人やモノ、文化を徹底的に嫌うのか?自身を好奇の目で見る人間や、一人で引き継いだバロウズ家の資産に群がる輩にうんざりしているだけではない。それを読み解くキーワードは実は第1話からさりげなく提示されている。それがhIEの行動管理を行いレイシアたちを制作した企業(ミームフレーム)の社名の一部にもなっている言葉、「ミーム」です。

 「現代の眠り姫」との異名を持つエリカは私たちと同じ21世紀に生まれました。彼女は幼い頃に難病にかかり、当時の医学では治る見込みがなく、冷凍睡眠で未来の技術進歩に託されることになります。そして100年の時を経て、未来技術ナノマシンの力によって全快したのですが、目覚めたとき彼女には友達も家族もいなかった。そして、「目が覚めたらそこらじゅう気持ち悪いものに囲まれていた。」

 BEATLESSで描く22世紀の世界ではhIEと呼ばれる、人間と見分けのつかない外見を持ったアンドロイドが普及し社会を支えています。hIEには人間に気に入られるような表情や動作パターンが組み込まれていて、クラウドシステムからデータを受け取り人間が好感を持つように誘導する。この技術が作中でたびたび登場する「アナログハック」というやつです。

 実はエリカはこの世界にあって「アナログハック」が全く通じない人間なのです。hIEの行動管理は22世紀の人間から収集したデータをベースにしており、100年前の価値観をそのまま引き継いでいるエリカを心地よくさせてくれることはない。人間は習慣・風習・文化といった情報を人から人へとまるで遺伝子のように伝達して積み上げてきた生き物です。これをミームあるいは模倣子といいます。エリカの中には21世紀のミームがそのまま残されており、22世紀の人・文化・風習あらゆるものが愛せない。それが彼女がまとう厭世観、あるいはシニシズムの根源なのです。

 しかし、このエリカ・バロウズという少女は只者ではありません。聡明な彼女はこの構造を完全に理解した上で行動に出ます。ならば自分の力で22世紀のミームを破壊し、更新してやろうと。ミーム産業であるファッション業界を牛耳るべくファビオンMGを買収し、モデルにhIEを登用します。そしてhIEに恋する少年アラトに興味を持ち、ボーイ・ミーツ・ガールというコンセプトでプロモーションする。22世紀であってもやはりヒトがモノに恋愛感情を抱くのは馬鹿げているという見方が強い。エリカはその価値観を変えてやろうと企んでいるわけです。

 第12話。エリカは超高度AIヒギンズが作り出した5体のレイシア級hIEをバロウズ邸に呼び集め、hIE同士の争いをオープンにしようと提案する。この意図はAIが人間の知能を遥かに超えてしまった時代に、超高度AIをスタンドアロン運用するなどして人間が必死に守ろうとしている聖域を破壊し、22世紀の人間の持つミームを切り崩すことにあるのです。彼女の勝利条件は戦いに勝つことではなく、未来が変わりゆく様をこの目で見る事。hIE同士の抗争を焚きつけておきながら彼女が自宅に引きこもり、戦いに直接関わらなかった理由も以上で理解できるかと思います。

 エリカを見ているとかの名台詞、「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進めることはできる。」を思い出す。過去に執着するのではなく、財力と知力、そして最も汎用性の高いhIEであるマリアージュの能力を使い力づくで未来を変えようとするエリカのスケールの大きさと気高さ。ダークヒロインとしての魅力に溢れているキャラです。どこかのチョロい少年よりも、本作はエリカを主人公にしたほうが面白かったのではないかと思う。
{/netabare}

【総論】
 この結局アニメが言いたかったことは、例えシンギュラリティが現実のものとなりAIが人間を知能を超えてしまったとしても、私たちはミームの進化によって乗り越えることができる。だからフランケンシュタイン・コンプレックスに怯えることなくテクノロジーを進歩させていく、それが正しい未来観であり、私たちの歩むべき道なんだということなのでしょう。

 この考え方自体に疑問や批判もあると思います。「私達は原子力の力すら持て余しているのに、汎用人工知能をコントロールできるとは思えない」という反論は当然ある。作者もそれを承知しているから後半の展開は福島原発事故をモチーフとしているのでしょうけれど、果たして十分な説得力があったのか意見が分かれるところかな。

 ただ、本作が訴えかけていることが理解されないまま「総集編を4回やってなお放送延期した2クールクソアニメ」と不名誉な称号を与えられるのも不憫ですので長文レビューを書かせていただいた次第でして、意外と骨太なSF作品じゃないかと思います。

 まぁでも、チョロくて主体性がないアラト君に共感できないという意見には僕も同感でして、強くお勧めはできない作品なんですけど。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 43

76.8 8 心理学アニメランキング8位
ぼくたちは勉強ができない(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (489)
2319人が棚に入れました
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」を得るために、受験勉強に苦戦する同級生たちの教育係となることに。指導する相手は「文学の森の眠り姫」古橋文乃、「機械仕掛けの親指姫」緒方理珠といった学園きっての天才美少女たち! 完全無欠の学力と思われた彼女たちだが、苦手教科に関してはとことんポンコツだった…!? 個性的な「できない娘」たちに振り回されつつ、成幸は彼女たちの入試合格のために奔走! 勉強も恋も「できない」天才たちのラブコメディ、ここに開幕!!

声優・キャラクター
逢坂良太、白石晴香、富田美憂、鈴代紗弓、Lynn、朝日奈丸佳
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

うるかにしてください

お静かに!って意味合いではもちろんございません。
原作は週間少年ジャンプ連載中。いつもながら未読です。

努力型秀才である貧乏男子高校生が、大学進学に係る費用の一切合切を学校に賄ってもらえる “VIP推薦” をエサに同級生女子に勉強を教えるというお話。
主人公男子は貧乏であるにこしたことはありません。トキワ荘以来の伝統芸能です。
同級生女子は二名。得意科目はほぼ満点だが苦手科目はてんでダメというのと、進路希望・将来の夢の観点だと苦手科目を超絶レベルアップさせないと進学もおぼつかないという点が共通する二人です。

 「お勉強」 + 「ラブコメ」

あらすじや第1話からそんな話かなぁという出だしでしたが、これがまた絶妙につまらなかったです。
少し経って{netabare}(第2話){/netabare}からもう一人、武元うるか(CV鈴代紗弓)が投入されて、元からの二人である古橋文乃(CV白石晴香)、緒方理珠(CV富田美憂)の三名体制となり屋台骨が出来たことで好転していきました。

 「ラッキースケベ」 +「ハーレム」 featuring「お勉強」

早々に路線変更です。真面目に言うようなことでもありませんが、、、路線変更です!


実際にお勉強要素の配分が多いまま、まっとうに学力向上を目指す内容でしたら視聴継続はしんどかったでしょう。リアル志向でもエンタメ志向でもなくガバガバの設定でしたので。
・学校側が生徒の学力向上と進路指導の責任を放棄してる時点でOUT!(これ大事)
・文乃と理珠の出来ないっぷり描写にもいろいろ言いたいことはある
設定もそうなんですがいまさら英語の構文や数学の公式にお付き合いするのもなんだかねぇ。

{netabare}「Don't you kiss someone , NARIYUKI?」(6話)
意訳) あんた成り行きでキスまでしたんとちゃう?成幸だけに(嘘)
   {netabare}しかもあんたの名前を音読みしたら・・・きゃーっ(もっと嘘){/netabare} 

これ文法だとanyoneが正解じゃなかったっけ? うるかが必死こいて覚えた構文を頑張って使ってみたけどちょいミスがあってかわいいじゃん、と普通なら思うところなんですが、ここに至るまでに、「この作者(編集含む)は絶対まともに勉強したことなさそうだな」の説得力ない描写が連発してましたので、素直に受け取れません。なお現場ではanyだろうがsomeだろうが通じるっちゃ通じます。{/netabare}


いざラッキースケベハーレムアニメとの立ち位置が固まってしまえば、お作法に則ってすんなり観ることのできる普通の作品でした。
小学校高学年ないし中学入学したての芽生えの時期にお世話になった(かもしれない)少年誌の『お色気マンガ』の佇まいです。

 {netabare}※注)『お色気マンガ』と『エロマンガ』は違うからね。{/netabare}

ヒロインの裸を見たり接触する程度の描写に留まるのが通例で、また、何かしらのトラブルに巻き込まれてサービスカットを披露する「お約束」のアレです。

肉体関係ありの最近のマガジン案件(あれはあれで良い)と違い、こちらジャンプ案件はきちんとお色気止まりにしているのが良いですね。なんとも懐かしい香りがしていて、その雰囲気を楽しむような感覚。
自分の場合このへんのルーツは連載終盤の『やるっきゃ騎士』(※ナイトと読む)でしょうか。
少年の夢と希望とスケベ心が詰まったこういう品は、健全な少年が親に見つからないようにどきどきしながら観てほしいタイプの作品です。


最終話で3か月後の2期放送が発表されました。
私の視聴優先順位としては低いです。少し懐かしい匂いを堪能したところでややお腹いっぱいかしら。自分にとってはそんな位置付けでした。



■オマケ1
どうせなら健全なお色気ものだったらよかったのに。
{netabare}ブラコン妹が登場して、兄のふとんをくんかくんかしてましたが、アニメ向けアレンジでしょうか?
視覚的なお色気どまりだったほうが健全な気がしていて、フェチまで踏み込むと大人向け指数がアップしちゃいます。なんかもったいない。{/netabare}

■オマケ2
球技大会にクレームw
{netabare}自分が高校生の時だったら、和気あいあいの男女混合なんてありえんと思ったでしょう。
勝ちにいきたいのに遠慮が入っちゃうから。クラス対抗ならなおさら負けるわけにはいかないのです。
当方の高校時代は、クラス対抗の雌雄を決するガチ系イベントだったので男女くっきり別れてました。混合だと体力面で劣る女性がやりづらくはなかろうか。イチャコラなんて別途いくらでもできるし。
このアニメに限らずいつも思うのですが、学園ものの校内イベントって文化系の目線で描かれてることが多いですよね。自分が知りえなかった高校生活を疑似体験できるのをもって良しとすればいいのかもしれません。だがしかし、なんとなく腑に落ちないのです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~2019年6月

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2020.02.06 追記

後半2クールめのほうが好み。


2019.07.02 初稿
2020.02.06 追記
2020.07.24 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 59

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

文系/理系/体育会系、ある意味「裏『人生』」!?

しかし、作中でヒロインたちの得意分野はあまり活かされないので「凸凹解決せんせーしょん」という訳には行かないのです…。

第2話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。週刊少年ジャンプに連載の同タイトルの原作マンガは、最新巻が11巻です。

アニメ化範囲でもストーリーが進むと増えるかもしれませんが、とりあえず主な登場人物は下記の5人です。

ちなみにタイトルが『ぼくたちは勉強ができない』なのですが、開始時点ですら全く勉強ができないのはうるかだけです。

唯我成幸(ゆいが なりゆき): 主人公。母子家庭で育ち、経済的な理由から大学へのVIP推薦なる枠での進学を目指すが、その条件として女子生徒3人の「教育係」に任命される。学業的にはどの科目もわりと成績が良いオールラウンダーだが、文系科目/理系科目のいずれも校内1位にはなれない。運動は苦手。

古橋文乃(ふるはし ふみの): ヒロイン枠。国語(現代文・古文・漢文)が得意科目だが、ある思い入れから理系の進学を目指す。しかし、数学を筆頭に理系科目の成績は壊滅的で、成幸に勉強を教わることになる。

緒方理珠(おがた りず): ヒロイン枠。数学と物理が得意科目だが、趣味がきっかけで文系の進学を目指す。しかし、気持ちを読み取ったり小論文を書いたりするのは苦手で、国語を筆頭に文系科目の成績が良くない。やはり成幸に勉強を教わることになる。

武元うるか(たけもと うるか): ヒロイン枠。水泳部で好成績を残すスポーツ少女。志望の大学にはスポーツ推薦で進学できると思っていたため勉強をしてこなかったが、推薦時に英語の試験成績を問われることが急きょ決まり、成幸に勉強を教わることになる。

桐須真冬(きりす まふゆ): ヒロイン枠(?)。世界史を担当する教師。文乃と理珠の初代教育係。才能がある分野に進まないのは無駄なことだという考えがあり、二人にも得意分野に沿った進学を強く勧めるが反発され、教育係を断念する。サブタイトルなどで「前任者」と出てくる場合は桐須先生のことを指す。

成幸が女子3人に勉強を教えることでいわゆる「ハーレム物」の構図になっているのですが、本作のフックとして機能しているのが桐須先生の存在です。

当初は成幸の「ライバル」として配されたと思われる先生ですが、おそらくアニメの中盤くらいから「ヒロイン」として機能しだしてからが本作の「本番」だと思いますので、お楽しみに!

2017.7.1追記:
第13話まで視聴終了。分割2クールということで、2019年10月からの2クール目の放送予定の予告がありました。

終盤でのあしゅみー(小美浪あすみ)先輩の登場で、主な登場キャラクターは出揃った感じですので第2クールでは各ヒロイン達の肉親たちの出場機会などもありつつ、お当番回的な物が回っていく感じになると思います。

原作では真冬センセー、先生とは思えないくらいに活躍してますがアニメではどうなることでしょうか。楽しみです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 47
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オーソドックスなラブコメ①

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
そういえば、今週発売の33号で、第2回キャラ人気投票の結果が載ってましたね。
{netabare}第1位 桐須真冬  14,598票
第2位 古橋文乃   3,259票
第3位 竹本うるか  2,980票
第4位 緒方理珠   1,803票
第5位 小美波あすみ 1,488票

真冬先生、ダントツぶっちぎりで2連覇達成でした。
ちなみに、主人公の唯我成幸136票で第9位・・・。{/netabare}

分割2クールの第1期。

ハチャメチャな初期設定さえ受け入れられれば楽しめるラブコメだと思います。
個性豊かな女性陣が、揃って好キャラ揃いですからね。

分割2クールの第2期も楽しみにしています。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

74.4 9 心理学アニメランキング9位
理系が恋に落ちたので証明してみた。(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (346)
1589人が棚に入れました
研究に情熱をそそぐ、理系女子と理系男子がもし恋に落ちたら?彩玉大学に通う理系大学院生の才女、氷室菖蒲は同じ研究室の雪村心夜に告白する。当然その「好き」に論理的根拠なんてない!しかし、理工学専攻として、「論理的に好きを証明できなければ、好きとは言えないし、理系としても失格!」その信念をもとに、2人は研究室のメンバーを巻き込んで「恋」の定義に関する証明実験を始める!?デート実験、好きの構成要素の解明、心拍数計測実験、ムード値の計測……。個性的過ぎる愛すべき理系たちが「恋」を論理的に証明する笑いありキュンキュンありの理系ラブコメディ!

声優・キャラクター
内田雄馬、雨宮天、原奈津子、大森日雅、福島潤、置鮎龍太郎、麻倉もも
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

理系あるある早く言いたい

原作未読


渋谷デートについて一言!

「そのまま東急百貨店本店を左手方面に向かい路地に迷いこめばOK!」


第4話あたりできつくなってきました。
遡ることあらすじ。好きになったので好意を定義し証明しようとするおバカな話。理由は理系だから。

共通のコミュニティで通じる“あるある”を飲み屋で悪ノリして大喜利大会始めるのに似てます。飲み放題の上限、二時間くらいでガスが切れることでしょう。
“あるある”繋がりでRGワンマン2Hを想像してみよう。もはや執行猶予なしの懲役2時間です。

「大喜利である」「RGライブである」仮説は証明できませんよ。だっておいら文系だもん。
ただし、つまんない理由は証明できるかもしれません。文系だけど。


ということでさっそく“ラブ”について。タイトルに“恋”使ってますんでね。
ラブストーリーとラブコメディ等“ラブ”が絡むネタで登場人物の心情への共感は肝です。ただこの作品は土台からしてそこで勝負してません。あくまでコミュニティで通じる“あるある”への共感となるわけで似て非なるもの。

 「惚れてまうやろ~」

な行動やセリフは残念ながらありません。ただし、

 「あ、それあるあるだわ」

な行動やセリフは満載です。

そうなると“ラブ”度数は一段下がってキャラの見た目勝負に移ります。かわいいとかかっこいいとかそんなとこ。イケボなんかも含んどきます。このへんは私専門外。
仮に見た目勝負も降りることになっちゃえばラブ度数をさらにもう一段下げて、

 笑えるか?

ギャグ振りしてればラブコメディの範疇には収まるでしょう。で、この作品ここがいけませんでした。
タイプ的に二つの方向性を辿ることができたと思うのですが…


■方向性其の一 ストイックに

中途半端なところで二人ともデレちゃうので流れが止まるんですよ。二人とも辛抱が足りません。
実験→失敗の途方もない繰り返しが理系の真骨頂でしょう。ストイックであればあるほどそこに常識とのギャップが生まれて笑いが生じるのに。せっかく“理系”という万人共有可能なパブリックイメージのある素材なのに活かせてないです。
“○○の定理”が意味する上澄み部分をかすめるに留まっていたため、結局のところ内輪の“あるある”的面白さの範囲を超えないのです。
内輪ウケも最初は仲間内の強固な結束を生みますが、持続可能か?と問われれば疑問符がつきます。{netabare}飽きがくるから、漫画家投入したり水着回でお茶濁してたでしょう?{/netabare}


■方向性其の二 名脇役を投入

本人たちの“ラブ”への向きあい方が無茶苦茶(笑)つまりラブポンコツで戦力として使えない分、ツッコミ役や道化役、狂言回し役が周囲にいないとアウト!
「いいからとっととくっつけよ」な視聴者の思いをかわして騙して目くらましてくれるほどの熱量が舞台役者には必要です。

同じ研究室の奏・棘田・虎輔らが主役の二人(雪村・氷室)にツッコめてません。操縦できてないと言い換えてもOK!マッチョ教授も役不足。みんな観察者もしくは並走する伴走者どまりなのです。福島潤の無駄使いですね。

{netabare}藤原書記と石上会計が仕事をしない『かぐや様は告らせたい』みたいなもんでしょうか。{/netabare}



ふるいにかけてったら、どうやら自分のふるいの目が粗かったようで全部こぼれ落ちちゃいました、という私の結果です。

1段階  ラブでないのでキャラへの共感に薄い
2段階  見た目勝負は自分にはノーカン。皆さんいかがでしょうか?
3段階-1 ズレや違和感で生じる“笑い”ではなく内輪ウケなネタ
3段階-2 ツッコミ不在。狂言回しの不在。

別に素数山手線ゲームで盛り上がってもらって結構ですし、理系をアゲてるように見えてディスってるのもおもろいんですけど、きっちり主人公カップルを転がして欲しかったですね。
理系とか関係なく飲み会で盛り上がった“あるある”ネタもラストオーダー後のロスタイムいれて3時間弱が限度ということだったのでしょう。

{netabare}第7話がほぼ限界でした。9話で漫画家投入。10話で水着回ですもんね。賞味期限切れです。{/netabare}




★とどめかも

三島由紀夫VS東大全共闘の公開討論の映像見たことあります?
立派な方を数多く輩出されてる最高学府ですが、むしろ鳩山由○夫がここ出身だったなという事実に納得できる映像になってます。
で、ここの学生たちのコミュニケーションの特徴が、

・意味不明な文言をぶつけて相手が言い淀んだらこっちの勝ち
・「ソースよろ」をぶつけ続けて相手が回答に窮したらこっちの勝ち

古代ギリシャにソフィストと呼ばれる人達がおりまして、
真理の探究よりも、いかに相手を論破するかということに力を注いだので、詭弁に陥る傾向が強かったという程度の低い連中です。国も傾きましたね。
わざと

 “コミュニケーション不全”

を起こしてマウントを取る行為。イラッとくるでしょ。主人公男にその気(け)があったのですよ。

{netabare}飛行機の中でイチャつこうとしたのを止められて「なぜだ?」でその証明を相手に求めてみたり。{/netabare}


コミュニケーションの究極(と私が思ってる)恋愛行為と、コミュニケーション不全を狙ったかのような主人公らの行動が水と油に見えました。


ここから見えてきたこと。
ラブ要素を一切廃してみればこのジレンマも味あわずに済んだことでしょう。つまり“あるある”だけ楽しむという本作王道の堪能方法。


彼ら見てたら、作中では悪く描かれていたナンパ小僧のほうがまだ健全だと思いましたよ。拙いだけで女性に対しては一生懸命でしたもん。



※ネタバレ所感

■最終話について

{netabare}名探偵の推理が始まり犯人をあてるも「○○しかいない」の根拠が薄弱というかそれ憶測。そこ理系放棄したらだめじゃん。
で最後は気持ちが大事!みたいな。徹頭徹尾ロジカルお化けだったら面白くなっただろうに。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.03.28 初稿
2020.10.13 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理系が文系に挑んだら、こんな素敵おもろいラブコメに(笑)

[文量→中盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
ジャンルは、ラブコメ。ガチの理系男女が、互いに完全両思いのくせに、「好きとはなにか?」「私はあなたが好きなのか?」を理論立てて説明しようと奮闘する話。

頭が良いバカで、みんな素敵です(笑) OPも好きだな~。

かなり変わった設定なので、アニメをたくさん観てきた層にもウケそうな作品ですね♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ラブもコメも、きちんとレベルが高いな~。

序盤から中盤まではコメディ全開で長し、終盤にややシリアス、そして最終話は恋愛で思いっきり萌えさしてくる。

スゲェ良い最終回で、単話☆5をつけました!

実は氷室のキャラデザってあんまり好みじゃないんですが、それでもこれだけ萌えさせてくるなんてスゲェなと。

2期あったら、恋のライバル登場でしょうか? ヤキモチ焼く氷室と、逆走する雪村くんが、また観てみたいっすね♪
{/netabare}

【余談~ あなたは文系? 理系? ~】
{netabare}
文系(文学・史学・哲学・心理学 等)と理系(数学・科学・医学・工学 等)のどちらに自分が向いている(文系脳・理系脳)かは、色々な点検項目(俗説)がありますよね。

ネットで拾ったり、自分で考えたものもあります。皆さんは、文系、理系、どちらですか?


①怒った時、怒鳴るなら「文系」、黙るなら「理系」。

※文系は感情、理系は理論。例えば芸術家(文系)は灰皿とか投げるイメージです。でも、理系のヒトって、怒れば怒るほど静かになり、どうやったら相手を理詰めで追い込めるかを考えていて、逆に怖い気がしてます(笑)


②星の光は昔の光と聞いて、ロマンを感じるなら「文系」、何光年先だから何年前と計算するなら「理系」。

※文系はロマンチスト、理系はリアリストと言われますよね。小説のように、虚構の中で存分に遊べるなら、文系資質あり!(ってことは、アニメ好きには文系が多いのかな?)


③コミュ力が高い人は社会で成功すると言われた時、コミュ力とはそもそも何か、成功とは何を指すのかを考えるなら「文系」、なぜコミュ力が高いと社会で成功するかという理由を考えるなら「理系」。

※文系は概念(コンセプト)、理系は論理(ロジック)と言われます。言葉や考え方に定義をつけたがるのは文系のクセで、飲んで話をするとき、「そもそも優しいって何だろうね?」とか面倒くさいこと言い始めるのは、大抵文系です(笑) 個人的には、上司(社長や会長クラス)は文系、あとは理系ってチームの方が強い気がします。出来るか出来ないかはさておき、まずはコンセプトを打ち出すのが上の人で、それを実現させられる力があるのは理系。これが、「理系→理系」だと、小さな成功は安定的に掴めるけど、爆発的なヒットは生まれにくい。ただ、「理系→文系」「文系→文系」は、そもそも崩壊するので、やはり就職に有利なのは理系かなと思います。


④口喧嘩で不利な時、論点をずらそうとするなら「文系」、そのままなんとか挽回しようとするなら「理系」。

※文系は柔軟、理系は一本気と言われます。理系の人は考えるのは非常に得意ですが、考えたことを言葉にして伝えることが苦手、不器用な人も多い。一方文系は、わりとこだわりが少なく移り気な人が多いので、上手く話題を逸らします。より空気が読めると言っても良いかも。確かに、理系の人の方が頑固だったり粘り強かったりする人は多いように思います。


⑤結論が出ない時、それでも納得するなら「文系」、絶対に納得しないなら「理系」。

※これは④とも被るのですが、文系は答えの出ない(あるいは個人差がある)問題を考え、議論することが好きです。哲学なんて正にそうだし、美術などの芸術分野、文学の読解もそう。最終的には、「人には色々な考え方があるよね」で、全て解決(笑) そもそも、「ハッキリした答えなんてないだろうけど」から議論を始めるため、終着点が玉虫色でも気にならない。どちらかというと、議論をすること、その時間自体を有意義だと感じていることが多い。一方、理系にとっての議論は、「正しい答えを導き出すための手段」であるので、結論がでなければ、その議論自体が無意味なものになる。途中で議論を投げ出すのは、大体文系ですw っていうか、「とりあえず自分が納得できる解を導ければ」満足するから、文系は(笑)


⑥興味の対象を考えた時、人なら「文系」、物なら「理系」。

※(以下、サイトの引用)文系に分類される文学や歴史学、心理学などの学問は、基本的に“人”を対象としていまはす。人間関係や社会構造、経済、文化、芸術など、人間の活動が研究の中心になる学問が文系に含まれることが多いです。一方、理系に分類される数学や科学、医学などの学問は、主に“物”を対象とする学問となっています。人間を対象にしているように思える医学も、実際の仕事内容は非常に化学的(ケミカル)なもので、血液中の化学物質の含有量の変化などを手がかりに診断や治療を行っています。ですので、文系、理系のどちらを選ぶべきか迷うようなら、あなたが“人”と“物(自然現象)”のどちらに、より興味を持っているのかを参考にしてみるとよいでしょう。って、すごい的確だな~と思いました♪


こう考えていくと、雪村や氷室は、フルマークで理系でしょうね(笑) でも、挑んだテーマは「恋愛」という、感情的で、ロマンチックで、概念的で、人それぞれに異なる解がある、人間味ある「超文系」なテーマですから、そのギャップがここまで面白くさせるんでしょうね♪

さて、では私はというと、①「理系」②「理系」③「文系」④「理系」⑤「理系」⑥「文系」と、多分、「理系脳」なんだと思います、文学部なのに(笑) ゼミの教授にも、「君は情理ではなく論理で小説で読み解こうとするのが面白い」と言われたことがあります。

文系か理系かを考えた時、「遺伝的(先天的)要因」と「環境的(後天的)要因」があるのですが、私は多分、「遺伝的には理系」「環境的には文系」なのかな~と思います。つまり、「向いてるのは理系、好きなのは文系」なんでしょう。下手の横好き、と言っても良い(笑)

まあ、文系か理系かなんて、そもそも人類が生み出した勝手な区別なわけで、100%正確な識別方なんてない、、、っていう、論の締め方、ひっくり返し方が、すでに文系っぽい(笑)

私は昔から、「理屈で考え、感情で決断したい」と思って生活してきました。「なぜこうなるのか(理系)」を知らないまま決断するのは気持ち悪いし、だからといって、正しいことだけを常に選ぶのも気持ち悪い。時には、「間違っていると分かっても選びたい」し、むしろ、「間違っていると分かった上で選びたい」こともあります。

だからあにこれレビューも、基本的には、良し悪しは出来るだけ(といっても限界はあるけど)論理的に書き、その上で、好き嫌い(評価)を述べたいと思ってます。まあ普段、そんなこと意識してるわけじゃなく、もはや、「クセ」ですけどね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
頭良いバカ二人(笑) 公式はともかく、バカみたいなラブコメで楽しい♪

2話目 ☆4
そりゃ、Cの実験はしなきゃならんだろ。そりゃ、うちらみたく日本文学専攻は例外として、優秀な論文には英語のやつが多いだろうしね。今日も元気にあの二人はクレイジーだったな~(笑)

3話目 ☆3
AKB~↗(笑) 早く結婚しろ(笑) まあ、ギャルゲのデートといえば、遊園地は定番だよな。キャラによって乗り物選べば良いだけだし(笑) 遊園地に誘うとこ、良いね♪

4話目 ☆4
いちいち服を誉めるのは、一般的か? 連打(笑) 観点(笑) いつプレゼン試料作った?(笑) どんだけ好きなんだよ(笑) ただのビビり(笑) この二人、可愛いな(笑) それは、エロゲ(笑)

5話目 ☆3
先生、強キャラ。トラウマ、いじられまくり(笑)

6話目 ☆4
ムード値の公式は、少し納得してしまった(笑) 泣くぐらいなら実験するなや(笑) 池田研はヤバイ(笑)

7話目 ☆4
酔っぱらい(笑) シンデレラ、DNA捜査(笑)

8話目 ☆3
確かに、難しいことを簡単に説明できる人が、本当に頭良い人だよな。オキシトシン喋りすぎ(笑) この映像を観たくなる(笑) 漫画家(文系)とのタッグ。

9話目 ☆3
水着回。ナイスカップルやな(笑)

10話目 ☆4
不真面目なことを真面目に、熱い話だった。プレゼンのやりとりが面白い!

11話目 ☆3
正論がいつでも正しいわけじゃないしね。でも今は、雪村君とめっちゃ仲直りしたい(笑) めっちゃ乙女やんw 徹底的な仲直りて(笑)

12話目 ☆5
そんなのはどうでも良い(笑) 添削してる(笑) 素敵すぎる、ムード値の伏線回収(笑) 素敵なリベンジ(笑) 粘膜接触行為、強制猥褻罪(笑) 氷室のちょこちょこ、可愛いな(笑) 貧弱(笑) もう一回キスしたい(笑) ファーストキスのダメだし(笑) メガネケースのラストも、余韻があって良し。満点!
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 30

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

文系の行動原理

国立彩玉大学理工学部研究科に所属している院生の氷室菖蒲。
同じ研究室の雪村心夜に恋をしてしまったと告白する。
理系の2人は、どのようにして恋に落ちたのかを定義づけて証明しようとした。

「好き」という事を証明する。
感情論だったら簡単です。
各種の数値で「好き」を定義づけ。
証明するのは難しいです。

理系の専門用語が多数出現。
文系のオイラには難解です。
数学が面倒だったので選択科目から外しました。
化学や物理学などは、そこそこ得意でしたけれどね。
しかし、日本史の面白さに魅かれていた当時は数学に見向きもしません。
今では専攻した日本史の知識も危ういですが……
やはり現役バリバリの最前線にいる人達には敵いません。

「好き。」と相手に言われたと仮定します。
どういう感情になるのか?
嬉しい気持ち、または、勘違いじゃね?と疑う気持ちなどで複雑かなぁ。
素直に嬉しくなる感情は分かります。
ただ、美人局というトラップの可能性も否定できません。
とりあえず、経過観測という事に落ち着くでしょう。

全然、理系ではありませんね^^;
感情論ばかりで、すいませんm(_ _)m
恋愛感情を定義づけするというラブコメ作品。
ぶっちゃけ、バカップルのデレデレ具合を観察して、所々ツッコミを入れて楽しむ内容です。
ツッコミ役の奏か火に油を注ぐような性格の棘田に感情移入させて、
作品を楽しんだらいいでしょう。
『夫婦喧嘩は犬も食わない』
好き勝手にやらせて放置しておいたら、元通り仲良くなる、という意味です。
感情論で納得できないのであれば、
相手と性行為をしても忌避感を感じない、とかではダメかなぁ……(///▽///)

恋愛感情のある相手とだったら何をしても楽しいです。
反対に嫌いな相手とだったら好きな行為をしても、全然楽しくありません。
理系的思考の人はゴメンなさいm(_ _)m
私には証明は無理でした^^;
結局、私は感情論。
成人の二人が合意の上で婚姻届を役所に提出する。
証明ではありますが、「好き」の証明とは別物かなぁ。
(一応、LGBTの人達にも配慮して、異性という言葉は使いませんでした。)
「好き」という恋愛感情を定義づけしようとするバカップルの奮闘ぶりを楽しみましょう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

77.9 10 心理学アニメランキング10位
PERFECT BLUE -パーフェクトブルー(アニメ映画)

1998年2月28日
★★★★☆ 3.9 (647)
3017人が棚に入れました
アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させ(つつも事務所の方針に流されるままに)、ドラマ出演でレイプシーンを演じる。さらにはヘアヌードのオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

閲覧要注意

何年かぶりに 観かえしました。

正直、今敏監督は苦手です。

が、この作品は、『原作者』の叫びが聴こえてくるようで好きです。(キャラクター原案、江口寿。最高です。)


お話としては、『あなた、誰なの?』に始まり『私は私よ』で終る。



まず、
未麻子の部屋が 強烈に目に飛び込んできます。

きっと
普通の女の子の普通の部屋。

まるで『覗き』をしているかの様な錯覚を覚えます。
(いいよ、狙いにハマってあげましょう…)

私は覗き魔になる。


そして
女優としての未麻の初の濡れ場のシーン。

レイ◎される未麻はとても美しい。ゾクッとする。

デフォルメのない、正確な躰のライン、
男の『in out in out』の動き…リアルでエロティック。

私は未麻を犯す男優になる。



どんどん不安定になって行く未麻

『解離性障害』という病

『ストーキング』(あえてあたしは偏愛と言いたい)


それらの『不安要素』が絡みあっての
ラストへの疾走。


私は思うのです、
この作品は、誰にでも有り得るであろう『迷い』からの脱出劇ではないの?と。



この作品を、『グロ』と思って欲しくない。

先入観で敬遠して欲しくない。

心の話、愛の話、そう思う人が一人でも多くいて欲しい。


『罪』を
人は 気づかないうちに犯している。

『こうあって欲しい』という願いが高じて

人を傷つけたり
無意識に自分を傷つけたり



今 自分に
『私、誰なの?』と問う
『解らない』と応えることしかできない


一生
応えられないかもしれない

それでいいと 思ってる




今監督の短編映画『オハヨウ』
こちらも合わせて視聴してみてください。


人の中に潜む、複数の『私』


複数が『ひとつ』になって
『自分』が完成する。




さて
今日の『私』はどの子とどの子?

投稿 : 2024/04/13
♥ : 59
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キミは ほんもの?

1998年 今は亡き今敏氏の初監督作品。

主人公は、アイドルグループを脱退し、女優へと転身を計った霧越未麻。
女優を志したものの、元アイドルというだけでは売れないという事務所側の意向で、
ドラマのレイプシーンやヘアヌード撮影に挑んでいくうちに、
狂信的なファンからのストーカー行為や嫌がらせを受け、
さらには彼女に関わる人物が次々に惨殺される事件が発生。

{netabare}彼女は本音とのズレが生じていき、
アイドルとして人気を得ていた頃の自分の幻影に苦しみつつも、{/netabare}
前に突き進むしかない現実の中、さらなる衝撃的な事実が判明する・・
といったサイコスリラーなストーリー。

実際に身近でよく聞く話が題材ということもあり、
リアルな恐怖感にやや緊張しながら観ていた。
先日視聴した同監督の『千年女優』のときと同様、
現実と妄想、虚像と実像を、ドラマの撮影現場や演じているセリフに
うまくリンクさせている部分はお見事!な演出。

自分の目標とか夢とは裏腹に、嫌な仕事も引き受けなければならないのは、
芸能人じゃなくても社会人なら誰にでも多々あるわけだけれど、
不特定多数の人々から注目されている職業だと、
知らない相手が自分を知っているのはほぼ当然のことであり、
成りすましサイトが立ち上がったり、自分の行動が本人の記憶以上に
詳しく描写されている、なんてこともあり・・・
{netabare}
かくいう未麻も、そんなふうにストーカーに監視されており、
いつ心が壊れてもおかしくないほど追い詰められていく描写には、
観ているこちらもハラハラした。
当時だと、まだそういったネットストーカーに関する事件が
あまり大きく取り沙汰されていなかったからなのか、
あんな成りすましサイトを冷静な態度でロムっている未麻には
かなり違和感を覚えたが、後半の彼女の
「あの『未麻の部屋』にいる自分のほうが ほんとうの自分なのかも」という
心の声を聞いて、なるほど・・・だからなのかと、ちょっと納得。
{/netabare}

真犯人は人格が解離した未麻なのか?それとも一人芝居なのか。
あるいは未麻の代わりに、ストーカーが事件を起こしているのか?
途中でコロコロと予想が二転三転するが、
狂信的なファンや未麻の周囲の人間を特に醜く描くことで、
殺人事件の真犯人が誰であってもありえそうに感じ、そんな部分でも、
人間不信になりやすいあの世界をすごくリアルに見せていたと思う。

であっても、終盤の事実判明はかなり衝撃的。
事実がわかれば納得もいくのだが、なかなかショッキングだった。

後味は悪くない作品だったけれど、イメージが一人歩きしてしまう世界って
芸能界だけでなく、例えばこういったネットの中でもよくあることなので、
他人事じゃないなと身震いする思いです・・・

投稿 : 2024/04/13
♥ : 52

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「本当の私とは」「なりたかった自分とは」

1998年の作品で故・今敏監督の監督デビュー作です。
まずこの作品を観終わって一番感じたことは「分かりやすい!!」です。
どういうことか説明する前にあらすじを紹介します(知っている方は飛ばしてください)

事務所の方針により霧越未麻はアイドルグループを脱退し、女優へと転身を計るも
アイドル時代には想像もつかないような仕事を強いられ
描いていた理想と過酷な現実との間でもがき苦しむ。
さらに脅迫やストーカーといった様々なストレス要因により
ついにはアイドル時代の幻影が見えるようになるまで追い詰められてしまう。
「本当の私とは」「なりたかった自分とは」
徐々に未麻のアイデンティティが崩壊していく中で不可解な事件が発生していく。

ジャンルはサイコサスペンスでしょうか。
私はこの作品を視聴する前に同監督の「妄想代理人」を視聴しています。
こちらは映画でなく1クールのアニメですが、
ジャンルはこの作品と同じサイコサスペンスで話の内容も非常に似ており、
不可解な事件の発生→事件の真相が明らかにというものなのですが、
「妄想代理人」は非常に分かりにくいのです。
1回の視聴では「え?つまりどういうこと?」とかなりの謎が残りました。
すべての謎を解き明かすには相当の考察を要する作品だと思います。

比べてこの作品は非常に分かりやすいです。
事件の真相を知って「あ~なるほど」と綺麗に納得できるので
物語を観終わった後も十分に余韻に浸ることができました。

大衆娯楽として分かりやすいこの作品の方が受けはいいと思います。
監督初作品ということである程度大衆受けを狙って
分かりやすく作ったのかななんて思ったり思わなかったり。
(これは本筋の話であり、考察が必要なシーンはたくさんあります)

とは言えR-15指定ということもあり、
かなり過激な描写も多く、
テーマや内容を鑑みても挑戦的な作品であるのは間違いないです。

個人的には多少くどいかなと思いましたが、
夢か現か幻かを表現するカット割りも今敏監督ならではのものですし、
不気味さや恐怖感を存分に煽ってきます。

このアングル・カット割りは
アカデミー監督賞にノミネートされた「ブラック・スワン」の監督
ダーレン・アロノフスキーに多大な影響を与えているというのは有名な話です。

アニメ好きならこの作品は決して避けては通れない作品の1つです。
敢えてお勧めですとは言いません。
明日なのか何年後なのかは分かりませんが、
いつかは観るべき作品ですとここは言い切っちゃいましょう。
そしてその期待に十分に応えてくれる名作です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 49

72.1 11 心理学アニメランキング11位
パプリカ(アニメ映画)

2006年11月25日
★★★★☆ 4.0 (829)
3934人が棚に入れました
医療研究所が開発した他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”。だがそれが盗まれ、悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するように。一体、犯人の正体は? そして目的は何なのか?事件の解明に挑む美人セラピストの千葉敦子は、クライアントの夢の中へ容姿も性格もまったく違う夢探偵“パプリカ”となって入っていくが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていたのだった…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐、古谷徹、大塚明夫、山寺宏一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

バイキャメラルマインド

今敏監督作品、原作筒井康隆。

他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー、
{netabare}DCミニが研究所から盗まれる。
人々は奇怪な夢を見始め暴走する。
夢が現実世界にも影響を及ぼし始めた。{/netabare}
夢探偵パプリカの追跡が始まる。

夢を共有し分析する精神治療の新地平、
誇大妄想患者の夢、壮大なブリキのパレード。
アニメ史に残る平沢進の狂乱のパレード。

やがて恐るべき未来が来る、
君の安易な行動のために。
いちいち気にすることはない、
既に手遅れなのだから。

コンラッドは「闇の奥」に記し、
マーロンブランドーはそれを恐怖だと震える。
フロイトが語った、心の底にあるものを、
エドガーポーはその50年も前から知っていた。

本当の悪夢とはどんなものだろう。
{netabare}心が2つに割れ、2つが4つに割れ、
やがて砂粒のようになり流れ落ちるが、
粒1つ1つにも意識が宿っているのならば、
いったい、いつ人の意識は死ねるのだろう? {/netabare}

今こそ凱旋の時だ、勇敢にも進軍の時だ。

外にも内にも、豊潤な物語である。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 60
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

Don't think . Feel .  …でいってみよう

そういえば原作既読。内容はうろ覚え。


地上波でたまたま流れた『東京ゴッドファーザーズ』を皮切りに~の今敏監督アニメ映画視聴マラソンもこの『パプリカ』でひとまず完走。物理的にもこれ以上これ以外走り続けることはできません。

゛難解な作品” ゛人を選ぶ作品“ ゛芸術性の高い云々”

氏の作品には枕詞のようにこれらの修辞表現が付き纏います。うむ。確かにそんな面はあるかも。でも敢えて私はこうも思うのであります。

{netabare}いいんだよ。そのまんま感じればいーじゃん。テヘッ{/netabare}

絵画におけるレゾネやクラシック音楽の解釈やらもそう。一枚の心奪われる絵を目の前にした時、情感揺さぶる音に触れた時、言葉は蛇足となることがあります。
私のような素人目にもわかる映像表現。強烈なインパクトを残すキャラクター達。{netabare} そして現実世界でのハッピーエンド。{/netabare}
とかく難解だと敷居を上げなくても、娯楽作品として観たまんまで楽しめるアニメ映画だったと思います。凝ろうが凝らまいがあとは受け取る側の判断でしょう。面白いか?面白くないか?それが全てです。

なぜ?そんな当たり前のことを?

氏の作品の多くはどれも90分程度と視聴にあたってのどっこいしょ感がなく、とりあえず4作品鑑賞してどれも粒揃いだったので、できれば多くの方に触れてほしいですし、下手な先入観は持っていただきたくないなというのがその理由です。


さて本作『パプリカ』です。
゛虚構” と ”現実” が入り乱れる秀作を次々と輩出してきた監督の遺作です。今回は 《夢》 。
他人と夢を共有できる゛DCミニ”というデバイスがある。心理療法の次の一手であると臨床試験を重ねていた矢先、DCミニが研究所から盗まれて、という導入。研究所員であるサイコセラピスト千葉敦子/パプリカがヒロインです。
キャッチコピーは「私の夢が、犯されている―」「夢が犯されていく―」。新たな試みはメリットと同様に副作用が付き纏います。DCミニもご多分に漏れず欠陥がありまして、その隙をついてあれやこれやが巻き起こる物語です。

夢の言葉上の定義は

1 睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。
2 将来実現させたいと思っている事柄。
3 現実からはなれた空想や楽しい考え。
4 心の迷い。

と辞書にあります。 夢って何だろう?と突き詰めた形跡が見て取れます。

根幹となる部分はもちろん1。そこに2~4を想起させるキャラがもう一つもう二つとストーリーラインを重ねていくような物語でした。誰がどうかはネタバレ直結なので隠します。

2は{netabare}ヒロインの敦子さんが代表格。もっとも奥にしまってた感情に気づいたということですが。。{/netabare}

3は{netabare}乾精次郎理事長が代表格。現実から逃げ妄想に囚われました。{/netabare}

4は{netabare}粉川刑事。そしてストーリーのもう一つの柱。トラウマに向き合って克服します。{netabare}映画からは前向きなメッセージを受け取りました。{/netabare}{/netabare}
他の登場人物たちも多かれ少なかれこの類型に分類されるのかな~という見立てです。


処女作『PERFECT BLUE』では《劇中劇(虚構)》と《現実》
二本目『千年女優』では《劇中劇(虚構)》と《回想》と《現実》と場面が増えて入り乱れました。
三本目『東京ゴッドファーザーズ』は置いといて(笑)
本作『パプリカ』では《夢(虚構)》と《現実》に夢をモチーフにした登場人物たちが入り乱れました。

作品を重ねる毎に表現の幅を広げていき、本作で集大成、または集大成にならざるを得なかった良作でした。

概念的な話なのでどちらかというと視聴済みの方向けの私の見解となります。
新たに鑑賞される方は先述の通り、そのまんま観ていただければよろしいのかと思います。


そして、゛ならざるを得なかった” の理由。
それは本作のラストを見届けるとその思いが強くなります。


※ラストのネタバレ有
{netabare}映画ラストで監督の過去3作品が背景で流れて粉川刑事が映画館に入っていく。タイトルは『夢見る子供たち』です。

{netabare}なんかの予言だったのでしょうか?
《虚構》と《現実》行ったり来たり。そして溶け合う今敏監督がこれまで手掛けた作品をイメージさせて未来へと繋がるであろう to be continued。{/netabare}
{netabare}次の作品で夢うつつシリーズの完結を構想してたのかもしれませんね。これは私の妄想です。いわばホップステップジャンプのステップ段階で早世されたのかと。{/netabare}{/netabare}

最後の演出は、客観的に作品を楽しむ現実世界の観客を、虚構の世界にいざなう監督の最後の大仕掛け。といったら感傷的過ぎるでしょうか。

例えが妥当かは知りませんが、過去作を上手いこと継承しながらエンタメ作品として爆発的なヒットとなった2016年の映画のようなのが次回作品で来てたかもしれませんね。
それで「俺たちの○○はどこへ行ったんだ?」とオールドファンをやきもきさせたり、一方で新規のファンが出来てたり。
そして、作風をガラッと変えてまた新たな実験を試みたり、と。


夢にはもう一つ。5番目の意味があります。

5 はかないこと。たよりにならないこと。

冒頭でひとまず完走と述べましたが、気分としてはハーフマラソンを走り終えた感じでしょうか。まだ半分、もっとイケる。なんならウルトラマラソンでも構わないのに!

少し、クールダウンしてからいつの日か『妄想代理人』を堪能することにしようと思います。


■雑感
一周しかしてないので、もう一回観たら感想変わるかも



-----
2019.08.04追記

二周めいってみた!
たまに触れたくなるクセになる感じがありますわ。



2019.02.19 初稿
2019.08.04 追記修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 47
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

誰かの夢に自分の夢が入り込んだら・・

原作である筒井康隆氏の同名長編小説を、
故 今敏監督が映画化した2006年の作品です。

まず、原作と違う点は多々あるようですが、元々かなりの長編ですし、
90分以内のシナリオに収めるというのは大変な作業だったと思います。

主人公であるパプリカというのは、
千葉敦子というサイコセラピストが使用する、
夢を共有する装置DCミニの中での呼び名なのです。
そのDCミニを発明したのは同僚である時田浩作という巨漢の男性で、
彼は凄まじい大食らい・・・というところが実はミソだったりします。

ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、
それを悪用して他人の夢に強制介入し、
悪夢を見せて精神を崩壊させる事件が発生。
研究所内部の人間達が次々襲われていく中、犯人の正体と目的は何なのか?
また、この悪夢から抜け出す方法はあるのか? というお話です。

本来、夢というものは自分自身でさえ把握できないもので、
目覚めた後、記憶に残っている断片でさまざまな心理分析はできるものの、
他人の夢の中に入り込んで直接的に何らかの問題を治療する、というのは、
現実的にはまだ実験段階なのですよね。

でも、この作品ではそれをやってくれちゃう。
しかもその夢をあんなにも鮮やかに、映像化してしまった。
サーカスの空中ブランコからいきなりターザンになって、
ジャングルをすり抜けたと思ったら列車の中のギャングになってたり、
カップルを撮影するカメラマンになったと思ったら、どこかのホテルの廊下で。
場面と場面は鮮明なのに。繋ぎ目が定かじゃないところなんて
まさに実際の夢そのもので・・・もう、お見事としか言いようがありません。
今監督の映画はこれまでも、こういった手法を得意とされていたけれど、
この映画内容には特にピッタリでした。

数々の人形やぬいぐるみ、おもちゃのロボット、古びた冷蔵庫や招き猫、
家電製品から鎧を身に着けた武者人形やどこかの国のお土産品まで、
カラフルな紙ふぶきの舞う中、ゾロリゾロリと練り歩く、
奇妙でノスタルジックなパレードの光景も圧巻です。

また、いつもながらの数々の映画のパロディも健在。
さまざまな夢の中だけでなく、今回は、映画街のシーンでも、
今監督作品である『東京ゴッドファーザー』や『千年女優』
『パーフェクトブルー』などの看板をチラッと見ることができ、
思わずクスッと笑わせてくれます。

他にも、パプリカが孫悟空やピノキオ、人魚姫、
果てはピーターパンに登場する妖精ティンカーベルに扮したり、
研究所の同僚に監禁される蝶の標本だらけの部屋のシーンでは
ウィリアム・ワイラー監督の古い映画『コレクター』のパロディが・・
さらにポスターや雑誌の表紙、部屋の壁に貼ってある写真などにも
ビックリするくらい細かな演出がされており、
映画好きの自分は、これだけでもう嬉しくなってしまったほどでした。

さて・・・黒幕など後半のことはネタバレになるので
あまり詳しくは書けませんが、
黒幕が言う言葉も、ちょっと考えさせられました。
{netabare}
「夢たちは慄いている。科学によって安住の地が奪われてしまう。
 非人間的現実世界にあって、唯一人間的なものの隠れ家が夢だというのに」
{/netabare}

確かに、科学のめざましい進歩は喜ばしいことである反面、
どんどん人間の内面が暴かれていくという複雑な想い・・・
そこだけは、ちょっと共感できる部分でした。
{netabare}
さて、黒幕を倒すための最終手段ですが・・・
見ようによってはかなりお粗末にも感じてしまいますが、
あれはおそらく、パプリカと誰かさんの想いが合体し
夢=願いを共有したことで可能になったのかなと。
そして赤ちゃんが夢を食べながらみるみるうちに大人へと変貌していく
あの光景は、人間の夢そのものを感じさせてくれました。
{/netabare}

夢の中の、またその夢の誰かさんの夢の中を垣間見て、
パプリカである千葉敦子はきっと決心できたのかもです。
何を決心したのかは、しっかりラストで描かれているので、
観た人だけのお楽しみです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 43

66.1 12 心理学アニメランキング12位
空中ブランコ(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (267)
1406人が棚に入れました
不眠症を患うサーカスの空中ブランコ乗り・山下公平は、着ぐるみを着た謎の精神科医、伊良部(いらぶ)一郎の診察を受けた。
それからというもの往診と称し公平につきまとう伊良部だが、公平のもとを訪れるヘッピリ腰の区役所職員やスキーゴーグル着用のヤクザといった、ちょっと変な人々をおもしろがってばかりいた…。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、朴璐美、杉本有美、森川智之、三木眞一郎、浪川大輔、平田広明、入野自由、高橋広樹、岩田光央、羽多野渉、置鮎龍太郎、古谷徹

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全てのカナリアの声を

全11話
オムニバス形式で心療内科の患者と
症状で構成されてるのだけど
面白い。

精神科や心療内科って、実際は白かったり落ち着いた雰囲気。
でも、この病院はとってもカラフル。
モノノ怪の監督とキャラデザの方がやってるからか
演出も構成も色使いも凝ってるんだよね。

人の心ってカラフルだから病院もカラフルなのかなって思ったり
モノトーンが病状醸し出してる感じだったり
病状も、一般的にかかりやすい病気を扱っていて
真面目に作ってる事が伺える。

伊良部先生が3パターンで登場して
パターン別に応答が違ってるのも見所だし
一話ずつ話数を重ねていくと
他の話の人がちらっとうつって
全部繋がっていたりして
上手いなぁって思った。

10話と11話が好きなんだけど

子供はみんなカナリアだよ
家族にとって
もっと見てよ
話してよって
思わず言いたくなっちゃった。
良い作品だと思うよ。
押し付けがましくもなく。

おしゃれにポップに作ってあるし
敬遠されがちかもしれないけど
それで判断してみないのは勿体ないなって思う。

行動療法・認知療法・暴露療法など
手軽にできる治療法をやってるのにも好感もてるし

普通の人が一番の下りは云々と思わず頷いてしまった。
大事な人のカナリアの声は
聞き逃さずにしたいものです。

OP・ED共に電気グルーヴで拘りがかんじられました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 49

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ヤブ医者なのか、名医なのか

少し変わった精神科医と様々な悩みを抱えた患者達が織りなす
一話完結のコメディ作品。 全11話です。

まず、この作品の最大の特徴でもある実写が入り混じった
アニメーションなんですが、自分は正直苦手でした。
いや... 気持ち悪くて嫌いだったかなw

見てるうちに慣れてくるけど、最初はとっつきにくかったし、
作品自体が既に独特というか奇抜なので、わざわざ実写混ぜて
さらに個性を出す必要があったのかな!?って思ってしまう。

まぁ内容としては、メンタルな病のお話なんですが、お堅い話でもないし、
重くもないので気楽に見れましたw
無邪気で能天気な伊良部のキャラのおかげでもあるのかなw

それに、患者の症状は多種多様なんですが、強迫神経症や携帯依存症など、
わりと身近な精神病を扱ってるので、「これに近い人周りにいるな~」とか
「こういう症状もあるんだ」とか、なかなか興味深くて楽しめましたw

あと、最終話もメンタルな部分を扱ったこの作品に相応しい話で
すごく良かったと思います。
『こういう患者じゃない、普通の人が一番厄介なんだよね』って
精神科医 伊良部の言葉がとても印象的でした。

まぁ絵柄は少し抵抗がありましたが、内容自体は結構面白かったですw
興味のある人は、1話見れば合うか合わないかは大体分かるので、
とりあえず、1話見て判断すれば良いと思います!!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 27

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あるあるメンタルヘルス、悪趣味なハイブリッドアニメーション

精神科医、伊良部一郎と彼のもとに訪れる患者を描いた作品
実写とアニメーションを織り交ぜた「ハイブリッドアニメーション」なる作品らしい
好き嫌いがはっきりと分かれるのは確実です。

実写を使ったアニメーションには個人的にさほど抵抗はないのだけど
サイケデリックな色彩と独特な演出で、内容までも地味にえぐいため
見てたら脳が少々疲弊してくる・・・。
ここまで来たらスタイリッシュを通り越して悪趣味ですね。
評価が真っ二つに割れると言われるのも、頷けるアニメでありました。

個人的にこういった実験的アニメは好きなんですけど、
この作品はあまりにも癖が強すぎるので、最初はすんなりとは受け容れられなかった。
無駄と思われる過剰演出が目立つので、見ていてとにかく疲れる。
ただ全部見終えた感想としては、案外悪くなかったかもなぁ・・・・?

精神病患者の症状をコミカルかつリアルに描いてる点は結構面白かったです
携帯依存症やらパニック障害、強迫神経症、自己愛性パーソナリティ障害等々
そういった数々の症例というのは、現代人であるならば誰しも少なからず経験しうることなので
内容自体はなかなか興味深い。(詳しい人に言わせればツッコミどころはあるだろうけども)
一話完結方式ながらも、各話とリンクしながら話が進むのも非常に面白かった。
実写を使った演出や毒々しい色彩も、なかなかマッチしていた部分もあったと思う。

ただ、やはり意図がよく分からない演出は見る上ではストレス
特に福井アナウンサーがいちいち出てきて解説するのは、煩わしいとしか言いようがない
中盤までこぎつければ、そこそこ慣れてきて内容を楽しむことが出来るのだが・・・
ともあれ一長一短のある演出で、なかなか評価の難しい作品ではあると思うが
後味は悪くないアニメではあるし、ちゃんとメッセージ性も放つ良作ではあると思います

「モノノ怪」のように現実離れした話であるならば、奇抜な演出も効果的なのかも知れないけど
「空中ブランコ」はかなり現実感のある真っ当な内容なので
もっと演出を抑え気味にしても良かったんじゃないかなぁ・・・と思ってしまいますね

投稿 : 2024/04/13
♥ : 20

66.4 13 心理学アニメランキング13位
PERSONA trinity soul -ペルソナ・トリニティソウル(TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (472)
3018人が棚に入れました
本作は2006年に発売されたPS2用の人気ゲームソフト『ペルソナ3』の10年後を描いたテレビアニメ。
ただし、ペルソナ3をそのままアニメ化したものではない。世界設定をペルソナ3と共有するものの、登場キャラクターや物語はまったく新しいものになっており、タイトルも「トリニティ・ソウル」(三位一体の魂)とされている。キャラクター原案は原作同様に副島成記が担当。
日本海に面した"綾凪市"に住む3人の兄弟が主人公で、謎の猟奇事件に巻き込まれたことで「ペルソナ能力」に覚醒していく。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

バトルよりも人間ドラマに力を入れた、深みのある作品

舞台は富山県。

東京の親類の家に預けられていた主人公・神郷 慎(かんざと しん)と
弟の神郷 洵(かんざと じゅん)が
10年ぶりに富山の実家に帰ってくるところからスタート。
ちょうどその頃、怪事件があちこちで発生しており
警察署長である兄の神郷 諒(かんざと りょう)は秘密裏に事件を追っていた。
慎の学校でも被害者が出て、慎も洵も友人らと共に事件に巻き込まれていく中
さまざまな事実が明らかになっていく・・というお話。

今まで『ペルソナ4』のアニメ版は観たことがあったものの、
原作のゲームは未プレイなので、予備知識もほとんどなく視聴。

まず、OPやEDだけでなく、OST全体通して音楽がとても良かった。
全26話のうち、13話までの前半では「くじらのはね」という絵本や、
「影抜き」という危険な遊びにはまっていく学生達など
随所に伏線らしきものが張られていく。
しかしそのわりに、どこかで事件が起きても、ハッキリしたことがわからないまま
物語が進み、やや間延びして感じてしまったのは否めない。

それが14話からは一転、シリアスな人間ドラマの展開で
どんどん引き込まれていった。

登場人物それぞれの家庭事情など、子どもの頃の回想を交えながら、
親子、夫婦、兄弟の絆や愛情、強い想いと事実が描かれ
それらにはけっこう泣けてしまった。
また、心情描写も細かく、とある人物達には
さらなる悲しい事実が隠されていたりしてつらかったし、
研究という名のもとに失われるたくさんの大切なものに、ものすごく胸が痛んだが
単純なバトルものではない深みがあったのには好感持てた。

しかし、ペルソナ同士が戦闘するシーンが度々ある以上、
半透明に見えるそのデザインを、もう少しハッキリ見せるとか、
バトルシーンの立ち回り方にも、力を入れて欲しかったし、
各人のペルソナがどんな特徴を持って、強さはどれほどか、など
原作を知らない視聴者への説明が足りなかった気がする。
無気力症についても同じく・・・
あと、鳥のくちばしのような鼻を持つイゴールが
チラッとしか登場しなかったのは、ちょっと残念。

けど、背景の景色はとてもリアルで美しかったし、
特に雪の情景は印象深く、余韻の残る作品だった。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 39

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

だんだん惹かれていく不思議な作品!!

ペルソナシリーズ、私が初めて観たのはペルソナ4でした☆
ペルソナ4を観てはまって、ペルソナ4のゲームを買いました!
そしてペルソナ3に入り、あにこれのみなさんのレヴューを観て
PERSONAtrinity soul を知り興味をもち見始めましたヽ(*´∪`*)ノ"

設定はペルソナ3の10年後の世界だとか・・!

最初は正直影抜きとかって遊びとかがはやったりで、
あんまりおもしろくなくて、退屈に感じました。くじけそうになりましたっw
ペルソナの作画も半透明に描かれています。
ペルソナ4とかの世界観に慣れていたのでなかなか受け入れられず・・でした。

でもでも!!だんだん惹かれていき
ストーリー展開も途中からすごく気になる展開になったり
キャラの魅力とかも感じてきてよかったと思いましたd(>ω<*)☆
いつのまにかこの世界観に入り込んでいて、私この作品好きです!
好きになりました♡


特に・・
23話の とあるキャラの死。

24話の家族の過去はとても悲しくてうるうるしてしまいました。
諒お兄さんの背負ったものの大きさを強く感じました。

25話の慎が見た(自然と想像?した)世界(夢)は
こうなるであろう、なってほしい
そんな神郷家の未来だったのかなと思いすごく切なかったです。

そして最終話・・感動です!!

これ観はじめたらぜひぜひ最後までがんばって欲しいです。

あ、ゲーム上でしか私知らなかったんですが、真田さんでてくるんですね!
ゲームではなんとも思わなかったキャラですが
アニメの真田さんめっちゃかっこいいw


この作品途中でくじけかけたけど本当に最後まで観てよかったと思いました!
みなさんのレヴューのおかげです。
ありがとうございました★o(´▽`*)/♪Thanks♪\(*´▽`)o゚★

投稿 : 2024/04/13
♥ : 30

だわさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

本来のペルソナ的世界観とは異なりますので別物ですが(@_@;)

全26話。
原案ペルソナ3プレイ済み。

暗めの世界観で微グロでしょうか。
一応苦手な人はご注意をv

原案であっても原作では無いので、
ペルソナ3の10年後という世界設定であるものの、
全く異なる世界観と登場人物で物語が進みます。


先に良いと思ったことを!(^^)!
物語のクオリティーが高いと思います。
中盤まではかなりワケがわからないし、けっこうグダグダなんですが、中盤以降終盤まで一気に謎説きが進みます。
そこにはペルソナらしさを感じましたし、純粋におもしろかったし、通算2,3回泣けました(>_<)!
泣ける場面を盛り込みつつクライマックスに持っていくあたりのバランスがいいと思いました(^-^)


次に、残念なところを。
正味な話、ペルソナの名を借りる意味無いと思います。ペルソナ3の特徴のペルソナ「召喚器」すらありません。
ただ出すだけですね。
作画が違えばジョジョのスタンドをモチーフにしました。って言われても大丈夫なくらいで…((+_+))

そもそも、普通に通常の時間軸空間において
ペルソナを発動できる設定に違和感が…^^;
あと、序盤のイゴールが意味不明な上空気すぎるので
いらないのではないかと・・・(鼻の長いオサーンねv)


原作ファン向けには、
ちょっとしたBGMや真田サン登場でご機嫌を取った形です。
真田サンはわたしのP3初プレイ時の最終パーティのメンバーでしたし、声優にちゃんと緑川さんを起用していてくれたのは嬉しかったですw
あと、オルフェウス好きなのに一番役に立ってねええ!


2011秋、ペルソナ4とは「原案」でなく、「原作」
なので、もっとちゃんとペルソナしてくれるはず!
という期待を込めてトリニティレビュー書いてみましたv

投稿 : 2024/04/13
♥ : 24

66.1 14 心理学アニメランキング14位
インサイド・ヘッド(アニメ映画)

2015年7月18日
★★★★☆ 3.9 (59)
320人が棚に入れました
『トイ・ストーリー』ではおもちゃの世界、『モンスターズ・インク』ではモンスターの世界、『ファインディング・ニモ』では海の中の世界と、ユニークな世界感を表現してきたディズニー/ピクサーが、最新作で描くのは"人間の頭の中"の世界。主人公は、11歳の少女ライリーではなく、彼女の頭の中にある"5つの感情"、ジョイ(喜び)、アンガー(怒り)、ディスガスト(嫌悪)、フィアー(恐れ)、サッド(悲しみ)となっている。

本作の"世界"となる、とても明るく幸せに育った少女ライリーは、父親の仕事の都合で、今まで育った田舎から、都会のサンフランシスコに引っ越すことになる。ライリーが新しい生活に慣れようとする中、"感情=キャラクター"たちは、それぞれ彼女の幸せを守ろうとぶつかり合う。そして、彼らの行動はライリー自身の感情となり、大事件を巻き起こすことになる。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

【解剖学と心理学に裏打ちされた圧倒的説得力と自然な感動】これはあなたの物語【ピクサー最高傑作の謳い文句に偽り無し!】

ホントはもっと早く書いてあげたかったんですが完璧過ぎてなんの文句も無かったのでむしろ書き辛かったですw


公開前から「トイストーリー3を超える最高傑作」だとか「ドリカムが日本版主題歌を担当」などの煽りがウザくてあんま期待してなかったというのが本音
まず本当にピクサー映画史上最高傑作なことはオイラが胸を張って保証します(お
それに例の日本版主題歌は本編前にPVのように掛かる仕組みなので、本編とは一切無関係、どうしても駄目って人は寝てていいです(お


物語はライリーという少女が生まれた日から始まる
全ての人(ゆくゆくは全ての生き物)の頭の中には5つの感情を擬人化したキャラクターがいて、我々が取る言動のひとつひとつは全て彼らが指示を出して行っているものとされている
ヨロコビ(JOY)
イカリ(ANGER)
ムカムカ(DISGUST)
ビビリ(FEAR)
そしてカナシミ(SADNESS)


5つの感情たちに共通していることはライリーを心から愛しており、常にライリーのためを想っているということ
時にそれらは悪態や憤怒や涙というカタチで出てしまうものの、ライリーは優しい両親や友人や生まれ育ったミネソタの自然のおかげもあって真っ直ぐで、明るくて、ユーモアのある女の子に育った
特にヨロコビはライリーにいつも笑っていて欲しい、という想いが人しきり強く感情たちのリーダーシップを取る
しかし11歳のある日、ライリーの一家はミネソタからサンフランシスコへの引越しを余儀なくされ、全ての歯車はそこからズレ始める・・・


まず断っておきたいのが凄く悲惨な話や深刻な話ではないということです
引越しを機にアンラッキーなことが続いてしまい、それが頭の中でポジティブなヨロコビとネガティブなカナシミの対立を生んでしまう
誰の身にも起こりうる、端から見れば全然大それたエピソードではないのです
が、“実は頭の中では壮大なスペクタクルが繰り広げられていた”というのが素晴らしい


ヨロコビとしてはライリーにいつもハッピーでいて欲しいのに、それをカナシミが邪魔してしまう
なぜカナシミが必要なのか?
ここが映画ではキーポイントになるんですが、セリフで説明するのではなく表情と仕草と音楽だけでクライマックスに持っていく様は説教臭くなく、自然な感動を誘います
オイラなんかビンボンのくだり以降ずっと泣きっぱなし(T_T)


それに解剖学と心理学に基づいた“頭の中の世界”の描き方が丁寧で物語の説得力を倍増させています


冷たいものを頬張ると頭が痛くなるアレはなにか
記憶はドコにしまわれていてどうやって取り出しているのか
アイデアはどこからやってくるのか
サブリミナルはなぜ起こるのか
忘れるとはなにか
空想のキャラクターは頭の中で何をしているのか
アートはどうやって生まれるのか
夢はどこで作られているのか
そして、性格は誰が作ったものなのか


頭の中ってホントにこーなってんだ、って思わせてくれる納得のいく完成度
上手いですね


記憶が陳列されている棚が大脳皮質のシワの形をしていたり、感情たちがいる司令塔と呼ばれる建物がシナプスの形をしていたりと、モチーフがハッキリとしていて世界観の描写だけ観ていても凄くwktk出来る


爆笑してしまったのは物語の悪循環が始まる引越し先が“サンフランシスコ”だってことすかねw
だって半年前に『ベイマックス』がサンフランシスコは良い街だってあんなに推してたのに今作は「ミネソタの方が良かった・・・」とサンフランシスコをこれでもか!ってぐらい徹底的にディスりまくってるw


ああ、オイラは年間の映画のランキング表を作ってるんですが、、、心の何処かで一番は「日本のアニメであって欲しい・・・」などと甘いことを考えてました;
いい映画でした‐‐b

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

頭の中には、あなたの幸せを願う5つの感情が住んでいる――。

2015年公開の
ピクサー長編アニメ15作品目。

人の頭の中を舞台とした物語。

ファンタジーだけど、あってもおかしくなさそう!な
夢ある設定がおもしろかったです♪

90分ほどの作品です。


● ストーリー
ミネスタ州で生まれたライリーという名の少女。

彼女の頭の中で最初に生まれたのは、ヨロコビ。
次に生まれたのは、カナシミ。

そしてイカリ、ムカムカ、ビビリが生まれた。

ライリーの作る思い出の中でも、
特別な思い出は、彼女の性格を作る特別なもの。

しかし、サンフランシスコに引っ越したことをきっかけに
ライリーも不安定になる。

そして“特別な思い出”とヨロコビ、カナシミが
記憶保管庫に吸い込まれてしまった。

司令部へ帰るためにヨロコビとカナシミは、
迷路のような長期記憶保管庫を歩く。


頭の中にいる5つの感情が行動をつかさどり、
特別な思い出が宿主の性格を作る。

日々の思い出はガラス玉のような形をしていて、
どんどん保管されていく。

頭の中には他にも様々な働きをする場所があって…。

ありえないファンタジーだけど、
でもそうだったら楽しいな♪と思えるような、夢ある設定♪

頭の中のいろいろな場所を冒険していくのは、
わくわくしました^^


≪ ヨロコビだけじゃ生きられない ≫

ヨロコビはチームの中心であり、
ムードメーカーでもある。

だけど、ヨロコビだけあれば人生が幸せなのかといえば、
そうではないことに、ヨロコビ自身が気づく。

そこにこの作品のメッセージが込められているのだと思いました。

大人からしてみれば、まあそうだよなと思える話ですが、
子どもが見ると、新たな人生観につながりそうですね。

大人が見ても子どもが見ても楽しめる。
さすがピクサー♪


● 音楽
【 主題歌「愛しのライリー」/ DREAMS COME TRUE 】

この作品のために書き下ろされた曲。

主人公のライリーの名前も入ってる!

両親が語りかけるような、
優しい歌詞がすてきですね^^


● まとめ
頭の中のいろいろな場所を冒険する、というのは
夢があっておもしろかったです♪

私達の頭の中にも5人の司令塔がいたら楽しいのにな^^笑

あり得ない話だけど、
そうだったら夢があっておもしろい。

そんな気分にさせてくれるのは、さすがです♪

投稿 : 2024/04/13
♥ : 15

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

子供時代の終わり、そして悲しみの意味

ピクサーの歴史に新たな傑作がまた1ページ…。

色とりどりのキャラクター、楽しい世界観、アクション、サスペンス、ユーモア、感動、まさにエンターテイメント作品に必要な要素を完璧な程に揃えている。


 それだけでも凄いのに、ちゃんと深いメッセージまであるのだから真の傑作たるゆえんである。


幼年喜の象徴の消失を経ての成長、悲しみもまた共感や愛情には欠かせないのだ!。


 ただ、カナシミが魅力的過ぎて他の感情たちが少し弱くなってしまったかも。ラストにみんなの感情がそれぞれの役目をはたして大団円だったら、生涯ベスト級だったのだが。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9
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