民主主義で艦隊なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの民主主義で艦隊な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月17日の時点で一番の民主主義で艦隊なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.4 1 民主主義で艦隊なアニメランキング1位
銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (280)
865人が棚に入れました
数千年後の未来、宇宙空間に進出した人類は、銀河帝国と、自由惑星同盟という“専制政治”と“民主主義”という2つの異なる政治体制を持つ二国に分かれた。 この二国家の抗争は実に150年に及び、際限なく広がる銀河を舞台に、絶えることなく戦闘を繰り返されてきた。長らく戦争を続ける両国家。銀河帝国は門閥貴族社会による腐敗が、自由惑星同盟では民主主義の弊害とも言える衆愚政治が両国家を蝕んでいた。そして、宇宙暦8世紀末、ふたりの天才の登場によって歴史は動く。「常勝の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラムと、「不敗の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリーである。ふたりは帝国軍と同盟軍を率い、何度となく激突する。(銀河英雄伝説公式ポータルサイトより)

声優・キャラクター
宮野真守、鈴村健一、梅原裕一郎、梶裕貴、諏訪部順一、小野大輔、中村悠一、川島得愛、三木眞一郎、石塚運昇、水内清光、藤原貴弘、楠見尚己、竹内良太、ふくまつ進紗、目黒光祐、櫻井トオル、畠中祐、小野友樹、下山吉光
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファイエル!!

ProductionI.G制作、原作田中芳樹。
ファーストシーズン全12話、
セカンドシーズンは全3章劇場公開予定。

不朽のスペースオペラ。
短尺の制限の中で最大限のクオリティを維持し、
3DCGで描かれる宇宙での大迫力の攻防と権謀術数。
CGが上手に戦闘をナビゲートしてくれます。
美麗なブリュンヒルデ号に感激ですね。
主題歌は澤野弘之、荘厳なOPです。

西暦2801年。人類は広大な銀河に進出し、
アルデバラン系第二惑星テオリアに政治中枢を移す。
同年を宇宙歴元年とし、銀河連邦成立を宣言する。
やがて連邦は、強固な専制体制の独裁を生み、
貴族を中心とした銀河帝国軍と、
帝国の圧政に抵抗する自由同盟軍に分かれ衝突。
戦争は長きに渉り膠着するも、
2人の天才の登場で歴史は大きく動き始めます。

今ある技術で名作を観てみる。
熱狂的なファンの方は言いたいこともあるのでしょうが、
これで良いのではと思います。
新たな標準になってくれればと期待しています。

最終話視聴追記。
願わくば一気見を推奨します。
{netabare}シナリオもキャラクターも世界観も、
その方が容易に入ってくるでしょう。
同盟軍寄りの描写が多かった分、
私としてはそれなりに楽しめました。{/netabare}

長い尺で考える作品だろうなと感じます。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 47

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

とある名作初体験者のつぶやき

2018.07.01記


原作未読 旧アニメ版未視聴

古典ですね。2018年春期は銀英伝はじめキャプテン翼、水野良原作グランクレスト戦記とおじさんホイホイなラインアップでした。銀英伝、現役当時は触れる機会がなかったので、せっかくだと思い視聴決定。

流麗なグラフィック、重厚な声優陣、軍事戦略と政治が絡むストーリー展開、1クールものとしてはそこそこ良かったと思います。
一方で1クールであった故の説明不足や、プロセスが端折られたと思われる場面も散見されるのでなんとも惜しい部分もありました。

総じて初見の私にとっては銀英伝の導入として楽しく鑑賞できる内容でした。


政治が軍事作戦に及ぼす影響の強さ
民衆心理の推移
戦地へ向かう者と残された者の物語
用兵術

ある程度納得感の得られる仕上がりになってます。
そして、どうして名作と呼ばれているかの匂いも感じとることができました。
なぜかと言うと、対立する両軍の将(参謀含めて)どちらも魅力的ですから。


これを機に原作や旧版に手を伸ばしてみようと思えるような佳作だったと思います。



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2018.12.01追記
《配点を修正》


銀英伝といえば小説版の印象が強い私(読んではいない)。「銀河英雄伝説」「グインサーガ」「アルスラーン戦記」のシリーズものが書店に並んでいましたが、手に取ることはありませんでした。当時中学生。だってどれも長いんだもん。

アニメもネット登場前の時代で地方在住となると、Newtypeやアニメージュで特集されてるタイトルのけっこうなものが「だって映んねーじゃん」、それが当たり前でした。

当時銀英伝が視聴可能な環境だったかどうかはとんと覚えてませんが、リメイクとはいえ若かりし頃に単語だけはインプットされて素通りしてしまったものにこうして触れられる期会があることは幸せですね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 37
ネタバレ

NEOたちばな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

物足りないなぁー。これじゃプロージットできん!

祝!再アニメ化!

1番好きなアニメはもちろん銀河英雄伝説
1番好きなキャラはファーレンハイト
旧作に対する想いはいつまでたっても変わらない
再アニメ化でもっと色々な人に銀河英雄伝説を知ってもらえることが素直に嬉しい

-数話視聴してザックリ思ったこと-
単純に絵は綺麗、というか感動した
艦艇とか艦隊戦とかすごい!!!
物語も再アニメ化ということだから旧作と大きな差異はなさそうだし良かった
キャラデザは・・・
まぁ自分の持ってるキャラクター像とハマるかハマらないかだよね
旧作よりおじさんキャラ達がイケメン化されてるね、これはじわるw
声も問題なし!旧作で演じてた声優へのリスペクトを感じる

-各話感想-
1話-永遠の夜の中で-
{netabare}ファーレンハイトが無骨な武人って感じすぎるね、彼の華奢で優男風な容姿が好きだったから残念
声はファーレンハイト以外は意外と大丈夫かな、思ったよりしっくり来てる
特にキルヒアイスいいね、けどキャラデザはねぇー
キルヒアイスと言ったら赤毛の天パじゃないと笑
全体的にキャラデザは腐女子に寄せすぎか、黒子のバスケみたいだね
艦艇および艦隊戦のCGはめっちゃ綺麗、ブリュンヒルトの曲線は甘美そのもの
あと理屈倒れのシュターデンさん健在で安心した笑
そしてみんな大好き「ファイエル」が聞けたことに感動
{/netabare}
2話-アスターテ会戦-
{netabare}まず思ったのが、ヤンが想像以上にヤンだ!!!
パエッタ中将とかパストーレ中将(空気)が相変わらずの無能で逆に安心したw
幕僚のラオ少佐…旧作にもそんな人いたかな?
ブリッジ攻撃されたときのダメコン描写で「銀英伝が新しくなったんだなー」ってしみじみ
フィッシャーが微妙にイケメンになっててワロタw
全体的におじさんキャラがイケメン化してるよね笑
いつ反転迎撃からの轟沈でエルラッハ死ぬんだろうと思って楽しみ(不謹慎)にしてたんだけど死ななかったね!
こういう細々したシーンが楽しみだったりするんだけどね!
最後の最後にフリードリヒ4世が旧作より少し若返ってて笑った
※ガムンダさんよりラオ少佐の詳細を教えていただきました、ありがとうございます!
{/netabare}
3話-常勝の天才-
{netabare}今回はラインハルトとキルヒアイスの前日譚的な話ね
冒頭のナレーションが思ったよりいい感じだと改めて実感、下山さんいいよいいよ
フリードリヒ4世の声が軽すぎない?なんか若すぎるよー!個人的にはもっとヨボヨボでしゃがれた声が希望だね…
オーベルシュタインいいぃー!
レジェンド塩沢兼人さんを彷彿させるね諏訪部さん、ハマってるぅー!
そうだそうだ思い出した、これは「歪曲した」姉弟愛と「歪曲した」友情の物語だったね笑
血統主義なんてクソ食らえ!能力至上主義こそが絶対!ってのが銀英伝って感じするね
ただ、いざ自分のおかれてる状況にあてはめて考えてみると自分に能力があるかどうから甚だ疑わしい…かなしいなぁー
{/netabare}
4話-不敗の魔術師-
{netabare}今回はヤンの前日譚的な話ね
ジェシカのビジュアルが格段にアップしてる笑
模擬シュミレートのワイドボーン戦がめっちゃリアルで綺麗になってる!!!
旧作では座ってポチポチしてただけだったよね笑
たしかワイドボーンってラインハルトと戦って盛大に戦s…おっと失敬
きたきた、エルファシルの英雄!
えらいサクッとしてたね、こうゆうところで時短…!?
コーヒーより紅茶のシーンきたきた、将来のおよm…おっと失敬
{/netabare}
5話-第十三艦隊誕生-
{netabare}ユリアン…えらいイケメンなったなぁー。
トリューニヒト…お前は無駄にイケメンになったなぁー。あんたの如何にも胡散臭いペテン師っぽいツラが好きだったよ…
ふむふむ、順調に憂国騎士団が荒ぶってるねぇー。
でもさ、アスターテ会戦の慰霊祭ってこんな感じだっけ?
ヤンは慰霊祭に出席しなくて一人で荒ぶったジェシカをヤンとアッテンボローが助けに行って、そしてトリューニヒトとヤンが交渉するみたいな感じだったよね…?
ここの描写がないってことは後々にも結構な影響があるような気が・・・
あと、クリスチアン大佐が憂国騎士団でしかも慰霊祭にも登場するとはね…これは意外すぎる
旧作との意外な違いも楽しめますね!
{/netabare}
6話-イゼルローン攻略【前編】-
{netabare}もっさいユリアンをかえせー!
童貞感モロ出しのユリアンをかえせー!
で、なんやこのムライは!?!?!?
これがムライなのか…眼鏡やし髪の毛チリチリやしこれが「歩く小言」なのかよ
グリーンヒルはいかにもアニメキャラっぽくなってしまったのぉー、ムライよりグリーンヒルの方がコレジャナイ感が強いかな
シェーンコップは超絶イケメンやしビュッコクはめっちゃスリムやしアニメキャラって感じになっちゃった
密命を帯びた味方部隊って怪しさMAXやけど本当に味方だったら見殺しにすることになるし中々難しい判断だよね
{/netabare}
7話-イゼルローン攻略【後編】-
{netabare}イゼルローン要塞の液体金属の質感がすごいリアル!
帝国は刺青だめなんだ…危ない危ない
ボディーチェックのハイテク感よ、過剰なまでのハイテクぶりちゃう笑?
前作同様あっけなく司令室占拠しちゃったね
トールハンマーの発射描写めっちゃリアルで見応えあるぅー
ルビンスキーのモミアゲが思ったよりギザギザでワロタ
やっぱりオーベルシュタインはハマってる
{/netabare}
8話-カストロプ動乱-
{netabare}マクシミリアンさんすごい無能でボンボン感が漂う容姿してる…前作のカストロプ星系の人はほぼ裸だったよね笑?
おぉー、バルバロッサかっこいい!
ちゃんとビューローもベルゲングリューンもいる!
ちょっw
マクシミリアンさん部下ぶん殴りすぎやろw
前はアステミスの首飾りに頼ってたけど、今作は部下を掌握出来ずに反乱?みたくあっけなく終わったね
オーベルシュタインのピンチをチャンスにっていう考え方は好きよ
フリードリヒ4世は治世者としては暗愚だったかもしれないけど、結構大胆な考え持っちゃってるし物事を達観してるし中々の人物ですよね
{/netabare}
9話-それぞれの星-
{netabare}【悲報】ジョアン・レベロもホワン・ルイも完全に別人の件
うーん…トリューリヒトの没個性化がやっぱり残念
「戦争」というキラーフレーズに負けるのが政治屋だよね、どんな世界でも一緒だ
グリーンヒル大将「君が優等生のユリアン君か」→ユリアン「はい!はじめまして」って謙遜しろよユリアン!!!
ボルテックの謎の老化も気になるw
タイトルの「それぞれの星」…深いねぇーシミジミ
歴史は1人1人が創るもの
「history」はhis story=彼の物語
{/netabare}
10話-幕間狂言-
{netabare}「増長させておけばいいでしょう」なんと無責任な助言だ、それで納得する方も大概だがw
ロボス元帥の顔がいかにも昼寝しそうな顔になってる笑!
でたでたフォーク准将、なんかただのイケメン
そして迷言「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に」
フォーク准将のマスタベーションはやっぱり(逆に)すごい
タイトルの「幕間狂言」が的確すぎてワロタ
負けると分かってて戦うのは嫌だね、それなら僕は負けると理解できない脳筋でありたい
{/netabare}
11話-死線【前編】-
{netabare}焦土作戦にまんまとハマった同盟軍
旧作にあった占領星の地主の娘と兵士との恋物語は丸々カットですかね?
きたきたプロージットからのグラスぱりーん、人生で1度はやってみたいことベスト3に入るね笑
ブリュンヒルトの出港シーンかっこいい!
躍動感が違うね、荘厳だぁー
{/netabare}
12話-死線【後編】-
{netabare}おぉー、ここにきて初の空中戦?というかドッグファイト
ビュッコックの的確な指示ステキヤン
疾風ウォルフきたー、相変わらずのそうr...おっと失敬
オイゲン久しぶりだなぁー、元気だった笑?
ウランフさんはミサイル全部発射できたかね…?
ロボスはなんちゅー顔で報告聞いとるんや{/netabare}

-見終わり後の総評-
{netabare}・物語:アムリッツァ星域会戦までのダイジェストみたいな感じで物足りなさを感じた
・作画:すごーい!めっちゃリアルやし、スピード感のある艦隊戦には感動した
・声優:いいんじゃないでしょうか(あんまり詳しくないし)
・キャラ:これはダメだ…
・音楽:いいんじゃない(適当){/netabare}

旧作を知ってる人は「こんなシーンあったねー」・「このキャラ懐かしいなー」って思いながら観れるから楽しいと思いますよ♪

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34

74.8 2 民主主義で艦隊なアニメランキング2位
銀河英雄伝説 外伝(OVA)

1998年2月1日
★★★★★ 4.1 (137)
740人が棚に入れました
銀河英雄伝説シリーズの外伝。銀河系宇宙を舞台に、英雄たちの群像劇を壮大なスケールで描く。銀河帝国幼年学校を卒業し酷寒の惑星・カプチェランカに赴任したラインハルトたち。ベーネミュンデ侯爵夫人は彼らの抹殺をヘルダー大佐に指示する。

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

銀河の歴史がまた1ページ。

アニメーション制作:ケイファクトリー
OVA外伝第1期 — 全24話(1998年2月 - 1998年)
OVA外伝第2期 — 全28話(1999年12月 - 2000年7月)


銀河英雄伝説本伝の前日談にあたる物語で全部で52話にも及びます。

銀河帝国で後に“金髪の英雄”として知られるラインハルトと、
彼の忠実な腹心にして“赤毛の親友”キルヒアイスが未成年だった頃の話。
彼らが如何に活躍して出世の階段を登っていったのか?

片や“エル・ファシルの英雄”となったヤン・ウェンリーが新たな任地に赴任し、
事件に巻き込まれたり、後の人生で関わることになる人達との出会いがあったり。

本伝では歴史を眺めるといった具合なのに対して、
外伝では登場人物の更なる掘り下げが行われている気がします。

本伝では既に艦隊を所有して、更には元帥府を開き、
後には最高権力者にまで登りつめてしまうラインハルトしか観られないので、
艦長やら司令官やら上官に敬礼する中間管理職なラインハルトが新鮮ですね。

そこでは下級兵士など様々な立場の人間に直に接することにより彼らの気持ちを知ることもあり、
孤高ではあるが、足もとを疎かにして前を向いて走ることしか知らなかったラインハルトが、
帝国の腐敗と問題点を認識する上で中々に重要なエピソードなのかもしれません。
(ラインハルトの圧倒的な才能と最高のパートナーのキルヒアイスの補佐で危機を切り抜けられますけどね)

にしてもオリジナルエピソード3部作は波乱万丈な気もしますがw

アニメオリキャラの美幼女伯爵令嬢(CV.大谷育江)が出てきたり、
某侯爵の娘(CV.榎本温子)が美少女だったり、
銀英伝にも萌えの時代が来たのか?という驚きが…w
ふたりとも、碌でもない父親に似てなくて良かったですねえ。

おおよそ、原作外伝に存在しているエピソードが中心なのですが、帝国サイドが殆どですね。
なかでもいちばん嬉しいのは本伝では第1部で退場したキルヒアイスの出番が主役並に多い事ですね!
本作品の中では人気の高い魅力的な人物であり、キルヒアイスファンにはたまらないことかと思います。
実際にキルヒアイスが主役のエピソードもありますしね!

逆に残念だったのは富山敬さんが亡くなられて、主役の一人のヤン役が変更されていることでしょうか?
二代目の声優の郷田ほづみさんも十分に実力のある方ですし、郷田さんの声も好きですけどね!

そういえば、ヤンが主役の捕虜収容所のお話以外ではヤンの出番が少なかったような?

同盟サイドではシェーンコップの出番が多かったですね。陸戦部隊の出番が多めですので、
コンバット物が好きな人には、ちょっと嬉しいかもしれませんね。

とりあえず本伝110話を視聴済みで、こっちをまだ観てない方には是非とも観ることをおすすめします。
時系列順に各話の関連性がありますが、それぞれを独立したエピソードとして楽しむことが出来ますしね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 36

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

白銀の谷('16.5.2視聴) 第三次ティアマト会戦('16.5.5視聴)そして壮大なる叙事詩の幕が上がる・・・

銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
⇒(2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
 (9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」

前作OVA「螺旋迷宮」は、自由惑星同盟のヤンを主人公として物語が描かれていましたが、本作「白銀の谷」は、銀河帝国のラインハルトが主人公の物語です。
これで自由惑星同盟と銀河帝国の主人公がそれぞれ出揃った訳ですが、両者がぶつかるのはもう少し先の事のようです。

ラインハルトは元々下級貴族の長男として生まれ、5歳年上の姉であるアンネローゼがずっと面倒を見てくれてきました。
ラインハルトは友達を作りませんでしたが、それでも隣の家に住むジークフリード・キルヒアイス(以下、キルヒアイス)がラインハルトの唯一無二の親友でした。

清楚で気品があり、そして優しく温かい微笑みを二人に向けるアンネローゼは、二人にとってとても大切な存在・・・アンネローゼの作ってくれるおやつは絶品で、こんな時間がずっと続けばいい・・・きっとみんなそう思っていたのだと思います。

でも事はそう上手くは運びませんでした・・・アンネローゼが皇帝フリードリヒ4世の後宮に召されてしまったんです・・・
皇帝を激しく憎悪するラインハルト・・・精神的ショックで打ちのめされたキルヒアイス・・・
これまで何もかもが上手く回っていた歯車が音を立てて崩れ去ったよう・・・

ここで二人は誓い合います・・・現王朝を倒し帝国の現体勢を変えてアンネローゼを取り戻す事を・・・
二人はその誓いを最短で叶える事のできる軍人への道を選び・・・物語が動いていきます。

現王朝も帝国軍も規律から大きく逸脱していたのが実態で、元々下級貴族の生まれであるアンネローゼが皇帝に見初められたこと・・・皇帝の後宮を姉に持つラインハルトが特別待遇で少尉から軍歴を始めること・・・これら全てが面白く無い、と思う輩も少なくなかったのです。

今は150年にも渡る戦乱の真っ只中・・・優先事項は限られている筈なのですが、何故人間は面白くないと人の足を引っ張るのでしょう・・・^^;?
思いがけない出世を羨む事はあって良いと思います・・・同じ目標に進んでいるライバル同士なら尚更です。
でも、そこで迷惑をかけて恩恵を受ける人なんて、ひと握りだけなんです。
そのひと握りのために尊い犠牲を厭わないんじゃ、勝てる局面も勝てなくなってしまいます。

そんな渦中に放り出されたラインハルトとキルヒアイスですが、どんな逆境にも毅然と立ち向かいます。
彼らには誓いがありますから・・・それを成就するまで負けられませんから・・・
二人の行動と事の顛末は、是非本編をご覧下さい。
約束と純愛が随所に感じられる作品だったと思います。

視聴前のキャラデザから、個人的にはヤンの方が好みかと思っていましたが、この作品を視聴して軍配がどちらに上がるか、全く分からなくなってしまいました^^;

OVA全4話の物語でした。
もう少し視聴を進めたらキャラに対する見方に深みが出てくる事を期待しながら、次作の「叛乱者」を視聴したいと思います。

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あにこれに作品が登録されてなかったので、第三次ティアマト会戦のレビューをここに記載します。

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
 (2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
⇒(9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」 (1) 「螺旋迷宮」

この物語はタイトル通り第三次ティアマト会戦が描かれた作品です。
「ティアマト会戦」は特に自由惑星同盟軍にとっては、思い入れのある戦いです。

ブルース・アッシュビー・・・士官学校を主席で卒業し、たくさんの輝かしい戦績を残した彼が僅か35歳の大将として挑んだ戦いが、先の第二次ティアマト会戦だったんです。
ですが、ブルース・アッシュビーはその戦いで自艦に被弾して戦死してしまいました。
生きていれば36歳で元帥という過去に類を見ない早さで昇進する筈だった彼は、今でも英雄として称えられています。

3度目のティアマト会戦・・・この戦いがどういう意味を持つか・・・国民が期待しているのは何か・・・
幕僚関係者には分かりすぎるくらい理解しています。
これまで帝国軍と同盟軍の戦いは一進一退の繰り返し・・・150年という戦争の歴史が、戦争の目的自体を「相手に勝利する」事ではなく「戦争を続けること」に変わってしまったのでは・・・と思えるくらい膠着状態が続いているんです。
そんな中、国民の苦しい生活を強いられているのでしょう・・・そんな国民が抱くのは「英雄の再来」による明るい希望そのもの・・・

でも、そんなにポンポン英雄が出て来る事なんて有り得ません・・・ブルース・アッシュビーが没してまだ4,50年しか経っていないんです・・・
それでも、同盟軍の荒ぶる獅子のごときポーランド中将がティアマトでの作戦を提案し・・・通算300回目の幕が上がっていきます。

第3次ティアマト会戦・・・ここでの教訓は、集団行動を行う時には仲間と蜜に連絡を取りつつ、常に余裕を持った行動をする事・・・だったと思います。
文字にすると、子供でも分かる簡単な事です。

でも、世の中にはその判断を鈍らせるトラップが張り巡らされていて、得てして気付けない時があるんですよね・・・^^;
「予想以上に上手く事が運んでいる時」なんかは最も典型的だと思います。
物事が一番見えていないのは当事者自身で、事が上手く運びすぎるとつい自分を過信してしまう・・・それが敵の罠かもしれないのに・・・
これを常に肝に銘じておき、人の話をちゃんと聴く耳を持っていればそんなトラップには引っかからないのですが・・・

今回の会戦で一番得をしたのは、殆ど働いていないラインハルトでした。
戦いにおけるポイントをしっかり押さえた結果だったので当然と言えば当然ですが・・・
第三次ティアマト会戦の具体的内容については、是非本編でご確認下さい。

OVA全2話の作品でした。そろそろラインハルトとヤンの直接対決の雰囲気が色濃くなってきましたが、一方で外伝と劇場版も残すところあと僅かです。
もしかしたら二人の真剣勝負は本編に持ち越しなのかもしれません・・・
OVAとしての続編は「汚名」になるようですが、時系列的には間に劇場版「わが征くは星の大海」が間に入るようなので、次は劇場版を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 14

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

よっしゃー。これでコンプリート?

本編を観た勢いでこちらもコンプリートなう!
いやー、長かった、長かった。外伝なのに何時間あるんだよ…

■アニメとしてはこっちのほうがベタな意味では出来がいい

 アニメとしては、こちらのほうが「普通」のアニメになっていたな、というように思います。というか、キャラクターの人格表現や、話の盛り上げ方とかは、こっちの外伝のほうが、オーソドックスな意味ではよくできいた、と言ってもいいように思います。基本的に2話~12話完結の短編がオムニバス方式で並べられているものなので、起承転結が短いターンでよくできてたな、っていう印象が残りました。
 ラインハルトとか、もはやただのツンデレじゃないかとか、キルヒアイスとラインハルトはどんどんとやおいネタ一直線じゃないかとか……まあ、そういう配慮もこちらでは前面に押し出されつつ。
 ラインハルトや、ヤン・ウェンリーの人格的な統一性は、こっちをみたほうが本編をみる前にはよかったね。

■本編の異質さがあらためて際立った

 なんか、こっちを観たことで、逆に本編の話の構成のさせ方の異質さがあらためてきわだって感じられた、という気もしました。
 本編のほうって、ヤン・ウェンリーとかは「名言」がとても多いのだけど、それが物語構成上のクライマックスにはなってないんですよね。つまり「民主主義における軍隊というのは云々~」とか、いくつかの名言は、物語においてクライマックスが登場したあとに、解説のようにして付け加わる。
 でもこれって、ベタな物語作法から言えば、クライマックスを盛り上げるために、主人公たちがどういうジレンマを抱えているかを先に書いたほういいわけですよ。
 本編ではいくつかのジレンマがあるけれども、ジレンマがクライマックスにいたる前の「仕込み」として、ジレンマ状況を説明するための認識って示すのが普通なわけですよ。でも、クライマックスが終わったあとに「解説」として言葉を付ける。何なんだ、これが、ということを思うわけです。
 一応図式化しておくと

 【ジレンマ状況の説明】→【対立のクライマックス】
 
 というのが普通の物語作法。この方法によって、クライマックスのときに、登場人物たちが何に歯ぎしりしているのかを視聴者は共感して見ることができるわけです。

 【対立のクライマックス】→【ジレンマ状況の説明】

 という形を、銀英伝の本編はとっています。

■銀英伝は、物語作法ではなく、論説文の作法を採っている

 まあ、クライマックスの前の説明がないわけじゃないんだけれども、クライマックスが終わった「後」の解説がふつうの物語よりもかなり多いのですよ。
 この「ジレンマ状況の説明」が「ヤン・ウェンリーの名言」なのですよ。これは、けっこう不思議な構成で、物語のなかのポジションとしては、エピローグみたいなところに入るのが普通でしょう。これって。なんだけれども、エピローグに入り込ませられるべきものが、本編のなかの途中途中で、入り込むことになっています。
 「ジレンマ状況の説明」を、クライマックスの前ではなくて後にもってくるという作法は、物語作法というよりも、エッセイとか論説文を書くときのノウハウ。物語を最初に紹介することで、そのあとに続く抽象度の高い議論を理解するための補助線にする、というのはエッセイとかではよくやる技法です。
 これは、ヤン・ウェンリーが歴史学者としての側面をもっているキャラだからこそ…というのもあるのでしょうけど、物語が終わった「後」に説明をするからこそ、何か抽象度の高い議論にもみえるし、銀英伝は分析的な思考をかきたてるのにも、面白い物語になっているのでしょうね。

■各シリーズごとレビュー

螺旋迷宮:★★★☆
ヤンがエル・ファシルの英雄として帰還してからの14話。某老人の人格描写はちょっとおもしろかったかな。

白銀の谷:★★★
極寒の地で生き延びろ!ラインハルト少尉!のはなし。お前ら強すぎだろう。

叛乱者:★★★★
宇宙船からの生還だ!ラインハルト中尉!の巻。これは、クライマックスの作り方がうまかった。物語技法的には、一番ベタにしっかりとしていた。銀英伝そのものの良さとは別方向だけれども、エンタメとしては出来がよかった。

決闘者:★★★
今度は決闘だ!ラインハルト!の巻。なんかハウス食品劇場もののアニメを観ているような気分になった。ラインハルトせんせい、つよすぐるよ…w

奪還者:★★★☆
今度はスパイだ!ラインハルト!の巻。これは外伝全体のなかでは三番目ぐらいによかったかな。こういう話は比較的好きですよ。

朝の夢、夜の歌:★★★
今度は探偵だ!ラインハルト大佐!の巻。なんかベタな探偵物だった。

千億の星、千億の光:★★★
今度は地上戦だ!ラインハルト少将!の巻。銀英伝らしいかんじのはなし。これは本編の雰囲気と比較的連続性がたかいと思う。

第三次ティアマト会戦:★★★☆
今度は艦隊船だ!ラインハルト中将!
これは、本編+αといえる内容。組織の無能なやつへのいらだちの表現とか、よかったですよ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 11
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