沖佳苗おすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの沖佳苗成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2019年12月13日の時点で一番の沖佳苗おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.6 1 沖佳苗アニメランキング1位
RD潜脳調査室 アールディー(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (259)
1599人が棚に入れました
2012年、フリーダイバーの波留真理は、建設中の人工島沖合で観測実験の最中、「海が燃える」現象に遭遇し、49年間も昏睡状態に陥った。2061年、長い眠りから覚醒した波留は81歳の老人となり、車椅子生活を送らざるを得なくなった。そんな中、波留は旧友・久島永一郎によって、メタリアル・ネットワーク(通称:メタル)の情報を調査する、電理研外部委託調査員に任命される。メタルは、安全で人々の欲望を満たす一方、現実世界(リアル)の世界に歪みが生じたからだ。こうして、波留は蒼井ミナモとバディ(英語で『相棒』の意)を組み、メタルとリアルの間で起きる事件や謎を追う事になる。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

81歳の老人ダイバーと、15歳の女子中学生がバディを組むって、それだけでもうドラマが生まれそうじゃない?

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
制作に士郎正宗さんが関わっているということで、設定やら雰囲気は「攻殻機動隊」に近い部分があります。もっとも、続編ではなく、設定などを受け継いだ、「攻殻機動隊の先にあるかもしれない未来のひとつ」を描いている作品と言えるかもしれません。

私的に、「THE もっと評価されてほしい」作品。地味ながらも丁寧に作られた世界観にドラマ。心情を深く描く手腕。色々と考えさせられる作品です。(あにこれ基準で)75点は超えてほしいな~と思ってます。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「欲」というのは、人間の行動原理として、かなり純粋なものだと思います。

「食欲」「性欲」「睡眠欲」といった三大欲求は勿論、「支配欲」「自己顕示欲」「物欲」など、「欲」にも様々。

そんな「欲」が、「安易に」「無制限に」叶えられてしまう世界があったら、果たして現実にどこまで興味をもてるのかな? 仮想現実世界を支えるの(運営)は、現実の人間なんだろうけど、そんな運営の人々まで、帰ってこなくなったらどうなるんだろうな、と、思ってみたり。

あとはまあ、「自然」と「科学」の優劣の問題。高度に発達した「科学の力」は、果たして「自然の摂理」に勝るのか。この点は、これまでのアニメではほとんどなかったテーマ性で、色んなことを考えさせられました。

本作の問題提起としては、そんなところかと思います。

他方面の魅力としては、やはり、ハル(老人)とミナモ(女子中学生)の関わり&ソウタ(人間)とホロン(女性型アンドロイド)との人間ドラマでしょうか。

現実世界では、若さ溢れるミナモと、介護されないと厳しいハルとの対比が観られますが、1度、メタルへダイブすれば、30代の頼りがいのあるハルと、やっぱり突っ走っちゃうミナモとのバランスが良く、「相棒」的な感じで面白かったですw ソウタとホロンの絶妙な恋愛模様は見処のひとつであり、こちらの結末には満足です。安易に、ホロンが人間になったりしなくて良かったです。

それだけに、ラストの「ハル」の若返りと、ミナモとの恋愛展開は本当にいらない。ちょっとガッカリです。逆浦島太郎ですか(苦笑)? 二人の関係を「男女」にしなくても、「親子」や「祖父と孫」、あるいは、「相棒」「友達」で、十分にドラマは成り立っていました。ソコは本当にマイナス。ファンタジー→SFの流れはまだ良いですが、SF→ファンタジーの流れは、やはりご都合主義感が強くなりますしね。

あと、よく「ふとももが~」とか言われますが、この漫画家さんのキャラデザの特徴のようですね。個人的には、「どうでも良い」です(笑) プラス査定にもマイナス査定にもなっていません。別にキャラ萌えアニメではないんで。でもまあ、それ(むちむち感)が、一部の層を除きw、概ねマイナスになっているようなので、それは残念だな~と。
{/netabare}

投稿 : 2019/12/07
♥ : 16

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人の心に深く深く潜ってゆく

記憶は青年、見た目はおじいさんという非常に珍しい境遇にあるハルという人物が主人公の作品です。

概要としては主にメタル(メタリアル・ネットワークという仮想現実)内で起きた様々な事件をダイバーと呼ばれる調査員が解決していくというものですが、同時にハルの再起、人間と人間、人間とテクノロジー、延いては人間とテクノロジーと地球の関係を壮大な視点から描く試みがなされています。

全体的に見ると派手な演出は極めて少なく、アクションシーンについても少なめで、あっても淡々と描かれる事が殆どなので、外へ向かうよりも、内へ内へと向かう印象を強く受けます。現実及びメタルにおける人物(知的存在)同士の対話が本作品の主役であり、最も重きが置かれている点であります。ほぼ全ての会話シーンは言葉のみならず、人物の表情、間の取り方からも感情を推し量る事が出来る程に極めて緻密に作られており、さらにメタル内のダイバーは人の思考や嗜好、思想や哲学など様々な場所に文字通り潜って行きます。

人によっては気になるであろう「精神的には青年の筈のハルが見た目の通りに老成しているのは何故なのか?」という疑問については、ハルの元来の知性に加え、老いた体に心が付いて行ったものと私は解釈しています。電脳の助けを借りている為とも考えられます。そんなハルおじいさんの青年の部分が垣間見える「無垢な言葉に傷つく人間もまた無垢なんです。」という台詞は非常に印象的でした。

正当に評価されていないと言われる事が多々ある本作ですが、それなりに原因はあります。第2話のにゃもの下着が見えるシーンと最終話のご褒美的な展開の二点がそれで、両者とも作品全体の価値を貶めるものではないのですが、前者は女性の視聴者に対する配慮が足りず、後者についてはSFとしての説明が皆無であり、またご褒美が無くても良いエンディングだったので、やや蛇足気味に見えてしまったという事でしょうか?(前者は結構あからさまな描写なので、あれで切る人がいたら勿体無い。)また私個人としては「RD潜脳調査室」というタイトルから刑事物の様な硬めの印象を受けてしまった為、最後まで違和感を拭い切れませんでした。

以上良い所も、残念な所もいくつか述べてしまいましたが、この作品の全体の価値と比べれば、欠点については些末なものと言い切ってしまっても良いと思います。テクノロジーと自然環境についての問題は、その恩恵にあずかっている全ての人間が責任を負うべき問題ですので、この様なアニメが貴重であるという事は言わずもがな、もっと増えて欲しいなぁと思う次第です。

余談になりますが、作中で描かれている情報の可視化という技術は限定的な用途ではあるものの、既に実用化されており、大学や企業のセキュリティに導入されているそうです。もしこの様な技術がさらに発展し、ネットワーク内の様々な情報を感覚として享受出来る様になり、本作品の15話「食」で描かれた様な弊害が生まれてくるとしたら、人のリアルに対する執着がますます薄らいでいってしまう気がします。「紅殻のパンドラ」でも拓美ちゃんが暇つぶしにぱりぱりやってた電脳ポテトチップがありましたが、この作品を視聴した後ではちょっとだけ危険な感じのモノである様に見えてしまいました。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 9
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

堅い雰囲気だけど、中身は温かないい話。

見終わった。落ち着いた感じで、好感。面白かったな。
この作品、日常のパートは「イヴの時間」が好きな人にお勧めかも。
堅い雰囲気ながら人情味あるエピソードが語られる。見せ方が控えめで品がある。
女の子のスカートの短さとムッチムチ感は徹底してるけど。男は痩せマッチョ。

ずっとIT関連なお話が続くのかと思ったら、自然環境の要素が入ってきた。海から始まった物語、そこに意味があったようで。

地球律。
災害をもたらすような気象変化は、地球が自らバランスを保とうとして自然の流れを巻き起こす、陰と陽のような影響で起こるのではないかという考え方。人間のもたらした人工的な自然への施術が、より大きなぶり返しを呼んでしまう、という。
怖いですね。実際ある気がする。

主な登場人物
{netabare}電脳空間の捜査を行うハルさんと、ハルさんによって「パートナー」と位置づけられる福々しい女子高生ミナモちゃん、補佐するグラマラスなアンドロイド、クールな顔して世話焼きなミナモ兄・ソウタ、ハルさんと同じくらいの歳のはずなのに、見た目も若いままの怪しい科学者…などが主に動く。 {/netabare}
次第にそれぞれの意外な面や、やはりな…とシミジミさせられる面など性格に説得力のあるエピソードが登場し、どんどん好きになってます。

ソウタとホロンさん、ホロンもどきの健闘シーンの作画がかっこいい。
ソウタ、面白かっこいい。
「精神統一の鍛錬には自信があります!」と明朗に言って、直後に女性のお色気?に仰け反ってしまう。(詳しくは見せないのが、この作品独特の紳士的なところ)
{netabare} 年上愛人とのねんごろ具合 {/netabare} はシティハンター過ぎるところもあるけどねっ!しかも {netabare} 書記長をモデルに作られたホロンさんに思いいれちゃった流れには {/netabare} びっくらこいた…これも純愛…なのか。


{netabare} 久島博士が、何故音楽をやめたのか?音楽に必要なものは…という流れで
「愛だ。」と言い切って、ハルさんが「エッ」ポカーンとする、ちょっと離れたアングルから見せるシーンの距離感、好きだな。

アンドロイドホロンさんの一瞬の涙とか、着なれないメタルスーツで必死になるミナモちゃんとか、冷静な描写の中にグッとくる温かさが潜んでる。

「愛だ」がまさかラストまで関連してくるとは。
最終回の海とメタルとの定義はサッパリ解りませんでしたが…{/netabare}

ナイスガイ過ぎる久島博士からの最期の贈り物で、みなもちゃん、ハルさんとの歳の差が縮まったね。やったね。夢のようなラスト、二人には幸せになってほしかったので、おめでとう…。



ビーフストロガノフの隠し味に梅干し!へ〜、すごい。そんなん作ったことないけど…
{netabare} そういや料理研究家・辰巳芳子のレシピで、{梅干しの種+焦がし玉ねぎ+昆布+醤油} を煮るとコンソメスープが出来るというのがある。これは不思議に、本当に簡単に出来る。お勧め。 {/netabare}





以下初めの頃〜中盤までのレビュー


**********
おすすめレビューを読んで気になったので観ました。今12、3話辺りまで。堅い感じで面白いです。

爺さんが主人公。
頭脳は青年、潜ればマッチョ、陸に上がれば要介護白髪爺さん。
海洋調査の事故で少し寝て起きたら、浦島太郎状態になってしまった…ハル爺さん。
遥かに技術の進んだ「電脳の海」に潜脳捜査に入ることで、事故時の若々しい姿へと戻ることができる。
年の功を漂わせる(実際は歳をとってないわけだけど)ハルさん。案外モテモテ。元々、紳士な性分なんだろうね。変態の付かない正真・紳士です。
失った時間についてあまり深刻な様子は見せないけれど、この先、深い話が出てくるのかな?眠ったことですれ違ってしまった女性との話が切なかった。


男性も女性も、肉体描写の立体的なデッサンが巧い。
アニメのよくあるスレンダー体系が好きな人からみるとちょっとムチムチし過ぎかもしれないけど…。
何かこう、知性を感じさせる豊満かつ的確なデッサンの線質だけでなく、動きに重みがあるんだ。女性のお尻の重みとか、コダワリを感じる。もちろん男性の拳闘シーンも、軸と重みの遠心力?のあるような、観ていて気持ちいい動きだよ。


ミナモちゃんの役割
電脳化していない姿で自然体で物語と関わってくれるので、周囲との差異が視聴者に伝わり易い。慣れない電脳スーツでハルさんを迎えにヨタヨタ来た姿は、グッときちゃったよ…。
ミナモを見る時のハルさんの瞳が何とも言えない。慈愛というか…聖人的な。
対してミナモがハルさんを想う時のポッ…と赤らむ感じは、何というか清楚なのに煩悩を漂わせてますな。スカート、ギリギリだ!頭の上の大きなリボンが外れてる時の方が、かわいい。あのリボンはダサい。

ソウタとお父さんの、食をまじえた話も、よかったなぁ。
研究気質一本に走っていたお父さんが、家族の食卓に戻ってくれる様子が、じんわりといい話だった。無機質な情報が多いだけに、気持ちの動きを大事にしてくれる話が生きてくる。
ソウタ兄は {netabare}お偉い女性と愛人なの?ベッドの事後的なシーンが。 {/netabare}このへんが何か士郎正宗だなぁ。オットナーっていうか、発想オッサンー。うん、士郎正宗って基本おっさんワールドかも。シティハンターと同列かも。


デンノーデンノー書いてみるが、攻殻でも出てくる「体の電脳化」というのが未だよくわからない。アンドロイドとかロボットとかとは別なんでしょ?肉体…神経の受送信面により利便性能を積んだ身体ってことかい。わからないけど。


しかしなんでオープニングはアングラテイストなんだろう。
♪国境は歴史の傷口で〜みえない薬をさがしてるー だっけな?
頭でグルグルまわるよ!

投稿 : 2019/12/07
♥ : 14

74.4 2 沖佳苗アニメランキング2位
甲鉄城のカバネリ 海門決戦(アニメ映画)

2019年5月10日
★★★★☆ 4.0 (147)
643人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。 極東の島国である日ノ本で、カバネの脅威に立ち向かい、前線をくぐり抜けている分厚い装甲に覆われた蒸気機関車(通称、駿城)の一つ甲鉄城で生き残った生駒たちは、カバネと人の攻防戦の地、日本海に面する廃坑駅「海門」で玄路、虎落、海門の民と「連合軍」を結成し、カバネ撃退の策を立てていた。そんな中、生駒は、海門の地のカバネたちは統制され、集団行動をとる特徴を持っていることに気づく。そのことを連合軍へ報告を行う生駒だったが、相手にされず、逆にカバネリであることから連合軍から虐げられてしまう。怒りに身を焦がし冷静さを失った生駒は単身で敵地へ乗り込むことを決意する。一方無名は、これまで自分を支えてくれた生駒に対してこれまでとは違う感情が芽生え始めていた。しかし、そこへ生駒が単身で敵地に乗り込むつもりであるという知らせが飛び込んでくるーー。新たなカバネとの戦い、そして、無名と生駒の運命はー!?

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、マックスウェル・パワーズ、三木眞一郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その旅路の先に、新たな運命。

本作は、2016年の春アニメでTV放送された「甲鉄城のカバネリ」の続編となります。
TVアニメ放送後に総集編の前後編が上映されましたが、そちらは未視聴です。

劇場では2019年5月10日から2週間限定で上映されるようですが、私はNetflixで視聴しました。
劇場での上映と配信が同時に行われることってあるんですね。
最近、Netflixに入っていて良かったな…と思えることがちょくちょくあります。

一番嬉しいのはNetflixオリジナル作品のバリエーションが増えてきたことです。
それと最新のTVアニメも放送されているので、万が一、録画に失敗したとしても追いかけ視聴ができるのもメリットの一つだと思います。

カバネリ…といって真っ先に頭の中に浮かび上がるのが無名の存在です。
TV本編では色々と大変だった彼女でしたが、甲鉄城の旅はまだ終わっていなかったのです。
生まれ故郷を目指す一行が辿り着いたのは、日本海に面する「海門(うなと)」という廃坑駅でした。
ここでは海門を奪取すべく、人間とカバネの激しい抗争が繰り広げられていたんです。

ここを通らなきゃ故郷に帰れない…
甲鉄城に乗った菖蒲らは、カバネを撃退する連合軍に参戦することとなり…物語が動いていきます。

アニメーション制作が「WIT STUDIO」で監督が荒木哲郎さんといえば「進撃の巨人」と一緒ですよね。
カバネが人間を襲う様を見ていると、お互いの作品の共通点に成り得ると思いました。
そしてこの作品でも見惚れてしまうほど圧倒的なのが、戦闘シーンにおけるキャラの躍動感です。
本作品は劇場版で特に気合いが入っていたからでしょうか…
無名の…生駒の戦闘シーンの迫力は半端ありません。

きっと、何もかもがTV版の延長だったら、レビューで書けるのはきっとこのくらい…
でも、TV版とは大きく違っている点がこの劇場版にはしっかり用意されていたのです。

それは、ベタですが無名と生駒の関係です。
これまではお互い信頼関係にあって、カバネとの戦いにおいて背中を預けられる間柄でした。
でも、この劇場版ではもう数歩気持ちの面が進んでいるんです。

特に作中における無名と、炊事や子守りに精を出している鰍との会話シーンがあるのですが、見方によってはコイバナに見えちゃったり…
無名…戦闘スキルの高さとカバネに対する残忍さは相変わらずですが、こと生駒の話になると態度が急変するところも、彼女の可愛らしさに拍車をかけています。

そりゃそうだと思います…
あれだけの激戦と苦しい状況を切り抜けてきたのですから…
そんな気持ちの変化が戦闘や普段の言動にどの様な影響を及ぼすのか…
この作品の見どころの一つだと思います。

それと根っこの部分の共通点は忘れられません。
正直カバネリになって良いことなんてあったでしょうか…?
強くなったかもしれない…
でも所詮はどっちつかずの中途半端な存在である上、いつカバネ化するか分からないリスクだって孕んでいます。
それでも、無名と生駒の二人がカバネリだったから乗り越えられた局面だってありましたし、二人にしか感じられない世界を共有することだってできるんですから…

でも、そのくらいの恩恵はあって然るべきなのかも…
甲鉄城に乗っている時間が長くて忘れていましたが、カバネリって人から虐げられる存在だったんですよね。
様々なリスクを想定して進言してもまともに取り合って貰えないし、挙句の果てには諸悪の根源みたいな存在を受ける始末…
心が折れても仕方無い場面だってゼロではありませんでした。

ですが、軍人や民衆が二人をどの様に評価しても、これまで一緒に苦難を乗り越えてきた甲鉄城の仲間は、二人に対する疑念など一点の曇りもありません。
最初は彼らだって違ったのに…甲鉄城で過ごした時間と揺ぎ無い実績が、絶対的信頼に値することを彼らは知っていますから…

海門での決戦の行方…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
個人的には、その後の…無名の行動の方がよっぽど気になりましたけどね…^^
あんな真っ赤な顔の無名…きっとそうお目にかかれるモノではないと思いました。

主題歌は、EGOISTの「咲かせや咲かせ」
個人的に、この楽曲は結構感慨深かったです。
何故なら、この楽曲の背景で流れているのは、甲鉄城の乗組員…無名、菖蒲、鰍に生駒ら男性陣も加えたヨサコイなんです。
彼らの旅が終わったかどうか…私には分かりません。
ラストの風景に、それらしさも感じられましたが、日ノ本の殆どを覆い尽くしているカバネの影響はそう易々とは無くならない事でしょう…
それでも、笑顔でヨサコイが踊れるのは少なくても今は平和だから…にほかなりません。
束の間かもしれない…これからどんな試練が待っているかも分からない…
何せ伏線が回収しきれていませんから…
けれど、ここで見せて貰った笑顔は本物だったと思いました。

願わくば、みんなのその笑顔が少しでも長続きすることを…
みんながこれから手にするのは人殺しの道具ではなく、鳴子のような人々を笑顔にする道具でありますように・・・

投稿 : 2019/12/07
♥ : 25
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

暴走特急、北陸を往く。

石川県内の映画館が上映してくれないのでイジけてw
久々にネトフリ臨時会員に復帰して視聴。

それにしても架空の“日ノ本”とは言え、一応、北陸が舞台なのに、
“ご当地”の北陸三県上映総スルーするとはw


愚痴はさておき、“裏日本”にて、数々の“陸の孤島”を生んできた山の絶壁。
2時間サスペンスで船越栄一郎氏が説教でもかましそうな、海岸の断崖。
それらの隙間を掻き分けて、へばり付くように敷設された路線という北陸のロケーション。
列車というアクションのメッカを際立たせるのに有効な舞台設定でした。

作画も道中息切れの心配無用な劇場版クオリティーで、
無名ちゃんによるカバネ連続キルも華麗に再現され、
相変わらず色んな所がよく爆発していましたw
{netabare}列車砲にトロッコまで登場♪
ついでにお姫様抱っこもあるし、さらには{netabare}チュ~{/netabare}もあるよ♪
という実に楽しいアトラクション?でした。{/netabare}

反面、心情や過去のいきさつの詳述を、車外に放逐する制作スタンスも健在。
特にラスボスの動機に関わる部分は例の如くサラリと触れられるだけで、
視聴中、想像力で補いながら、
人とカバネリの関わりについてテーマを深める好機なのに、
勿体ないなぁ~と眺めていました。
他にも生きる意味などがテーマだったようですが、
私は正直、これだけの尺と心理描写では十分に伝わっては来ませんでした。
2時間サスペンスでも、崖の上で真犯人の身の上話をさせたりして、
もう少し心理を掘り下げる気がします。

TVアニメ版のレビューにて、私は、
本シリーズはもっと“各駅停車”でじっくり心情を表現すれば、
名作になるポテンシャルがある。との主旨のコメントも残しましたが、

そんな“些末事”を描くよりも、まずはアクションする、
無名ちゃんに萌える。むしろ踊るwという劇場版の姿勢に気圧されて、
私はそういう方向での名作路線はもう諦めましたw
({netabare}EGOISTを春満開の舞に浪費されたら、もう白旗挙げて、酔い痴れる他ありませんw
やったね♪無名ちゃん♪って感じで、ED映像や「咲かせや咲かせ」PV、
結構病み付きになってリピートしていますw{/netabare})

視聴中1クールアニメならばもう少し繊細になったのでは?との考えも頭をよぎりましたが、
本シリーズの場合は爆発の回数が増えたり、
花見の宴が延長したりするだけでしょうw

アクションの爽快感を第一にするなら、今回みたいにTVアニメ三話分の長さで、
スピード感を追求するのもアリなのかもしれません。

どうせ、ここまで突っ走ってしまったなら、本シリーズは
日本発の暴走バイオレンスアニメとして、
『沈黙』シリーズ、『暴走特急』などのスティーブン・セガールや、
巨費を投じて人情話などの“ムダ”を省いて、
魅せたいアクションやロマンスから表現していく
B級ハリウッド映画みたいなテンポ重視のアクション路線を爆走して
酔わせて欲しいと願います。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 17

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

完全新作、生駒たちの新たな戦い。

 産業革命によって時代が大きく変化しようとしていたころ、カバネと呼ばれる怪物が世界を支配する。
 極東の島国・日ノ本で装甲蒸気機関車・甲鉄城に乗り込んだ生駒たちは、激戦をくぐり抜け日本海に面したとりでの廃坑駅「海門」にたどり着く。
彼らはカバネと戦う民と手を組み、カバネ撃退の策を練る。(アニメ映画『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』のwikipedia・公式サイト等参照)


和風なバイオハザードととも称される本作。
「死んでも生きろ」「貫け、鋼の心を」のキャッチコピーを
引っさげて完全新作の劇場版となって帰ってきました。

最近はアニメ→映画の流れが多くなりつつあり、
今年もユーフォ、ルルーシュ、サイコパスと
いろいろ見に行っておりますが、劇場版の評価は総じて高いようですね。
まとまりのある話をしっかりと期間をかけて映画として制作するからでしょうか。
今後もゆるキャン、ヴァイオレットエヴァーガーデン、バンドリのように映画化を発表する作品は多くなっていくのでしょう。


さて今回のストーリーは、日本海に面する人類の要所「海門駅」が舞台。
陽光の表現や、まるで某立体機動アニメの戦闘を見ているかのような
爽快で切れ味の良い戦闘シーンは劇場ならではの迫力があります。
無名のクイックな流れるようなカバネりとの戦いはお金を出してでも
見る価値があります。

生駒のウザさも劇場版ではマシになっており、80分という短い中で
多くのキャラにスポットがしっかり当てられていて、鼻呼吸を忘れて
しまうほど作品に見入ってしまいました。

「和」な雰囲気が好きな僕にとっては至福の映画でした。

雪で始まり雪で終わる。
雪解けのあとには桜の季節。
そこにかかるEGOISTの和テイストの主題歌。

生駒や無名たちの新たな幕開けをぜひ劇場で。


とはいうものの、劇場版は2週間限定公開のようですね。
(僕が見に行った映画館ではそうでした)
カバネりの良さを広めようと思ったのですが、広める頃には
公開が終了してしまっていそうで残念です。。

また、本編では無名と生駒とのカップリングを含め
主要キャラの様々な色恋?沙汰も描かれています。
今回の話的にそういった要素はあまり主眼にはなさそうですが、
いずれアニメ続編とかが決まった時に何かと進展していきそうですね。

戦闘シーンにアレンジしたカバネりEDをぶっ込んでくる
澤野弘之節に心震わせられました。(もう毎年映画やって欲しい)

投稿 : 2019/12/07
♥ : 17

57.0 3 沖佳苗アニメランキング3位
ルー=ガルー(アニメ映画)

2010年8月28日
★★★★☆ 3.3 (82)
354人が棚に入れました
近未来、ヒトはヒトと端末(モニタ)によって繋がっていた。管理社会に統制された都市に住む住民達は、常に現在地情報が監視された状態であり、物理接触(リアルコミュニケーション)が希薄になっていた。そんな中、学校のみが少年少女にとってのコミュニケーションの場だったが、少年少女を対象とした連続殺人事件が起こったことによって、リアルに人と関わり合うことがなかった主人公牧野葉月、天才少女都築美緒、人と関わることを避ける少女神埜歩未らは偶然被害者の一人、矢部祐子と接触したことから事件の渦中に巻き込まれていく。真相に近付いていく中で、牧野葉月は次第に、外には今まで知っていたモニタの中だけの世界とは違うものが広がっていることに気付き始める。

声優・キャラクター
沖佳苗、五十嵐裕美、井上麻里奈、沢城みゆき、植竹香菜、青山穣、河本邦弘、平田絵里子、西村知道、佐藤晴男、坂巻学、勝沼紀義

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

お人形劇みたい・・酷評。

2010年8月28日公開の劇場版アニメ。上映時間99分。
原作は京極夏彦によるSF小説
SFサスペンス・アニメーション。キャッチコピーは
「近未来の監視社会、少女たちは立ち上がる。」

先ず・・言っておく・・このアニメ・・中高生位の
自主制作で全国大会の優勝を競う位のレベルの作品・・
しかも評価は「中学生」が等身大のうんたらで素晴らしい。
等の前提ありの評価。真逆これで金取れるとか・・ぇ?
せめて音楽だけでももう少し真面目にやって欲しかった。


OPのナレーション。 昔、狼という獣がいたそうだ。

EDのナレーション。昔狼という獣がいたそうだ・・
でも・・狼は絶滅した・・そういう事になっている。


なら・・最大のテーマは其処に絞れよ・・マジで・・
脇役程度だけど確かに一応作中に狼は居る。


登場人物は2021年生まれの14歳?

「信じられない事だが昔人間は生き物を殺して食べて
いたという。それは社会のシステムというものが未成熟
で野蛮だった、もう30年も前の話。」2004年?には食事は
全部サプリ?刺身食ってるぞぉ~!?模造品って落ち?
1998年の発想?2010年の作品でそれを描写で強調する?
刺身食ってるぞぉ~!?大事な事なので2度言いました。

この辺の無意味な強調描写や台詞・・説明ナレーション
が作品の世界観を空々しく、中学生レベルの戯言の様に
陳腐にしてる・・厨二煽り? 釣り?
アニオタのメンヘラ設定も拘り?

ネット社会でコミュ障害が普通にそこら中に蔓延の設定。
物語の性質上・・淡々とした話し方や無機質なのは演技。
演出?だけど悲鳴や雄叫びまで棒読み?唯の素人だろ・・
脳内の思考描写まで棒読みとかどうなの?素人でFA?

沢城みゆきさんはちゃんと演技してるよ・・役柄道理。
井上麻里奈さんも声優らしい演技・・キャラ作ってる。
逆に・・井上麻里奈さんだけ完全に超浮いてしまった・・

沖佳苗・・2006年ふたりはプリキュア Splash Starで木端
デビュー・・2008年RD潜脳調査室で初ヒロイン?初いけど
上手くはい・・2009年フレッシュプリキュア!で桃園ラブ。
これが唯一の当たり役らしい・・天野ユウってのもある・・
後は・なんたらAだのBだの名無しだの・・実際酷いよ・・
仕事も殆ど増えてない筈・・減ってる筈・・いや減ってる。
完全に桃園ラブの人・・

主題歌『Midnight Television』ん~・・
挿入歌『KOSHI-TANTAN』特にぶっ飛んでずっこけた・・
エンディングテーマ『さよなら My Friend』はぁ・・

劇中でも・・
グループ研修の自由課題として、21世紀初頭に結成された
4人組ユニット「SCANDAL」のプロモーションビデオの演奏
を再現しようと持ちかける。
SCANDALって「けいおん」で便乗して瞬間だけのゴニョゴニョ。
なんちゃって女子高生ルックでガールズバンド推しの・・
タイアップやコラボ専門と言って良い程の事務所推しの
バンド・・元ダンサーの卵に楽器持たせたユニットだよ・・
ファンには悪いけど・・事務所のゴリ押し専門バンド・・
それなりに良い曲はあるけど・・ファン専用で良いよ・・
一般人にはキツイ・・特にこの3曲・・どうでもいい・・
というか・・BGMや効果音どうした?

作画は背景とかそこそこだけど3Dは10年以上前のGONZO?
背景にSFとか近未来を感じさせるような描写もないし・・
メカやシステム云々の描写だけは超SFで近未来無理だし。
スチームパンクとかパラレルもの否定の「近未来設定」で
これは流石に可笑しいというレベルじゃないでしょう・・
キャラのデザインもデフォルメがキツくて特にスタイル。
表情が人形みたいなのは許容できても・・動きがロボか
人形劇みたい・・サスペンスは何処?
キャッチコピーって本の帯みたいな余計な・・あれかな?
アクションシーン作画が酷すぎる・・演出も酷い・・


登場人物※未成年者

牧野 葉月(沖佳苗)動物に詳しい。親(養父)牧野議員。
他人との接触・対話が苦手「コミュニケーション障害」
普段は一人で暮している。引っ込み思案だが仲間思い。
4歳の時に県議の養女となり、戸籍上の兄弟が6人いる。

神埜 歩未(五十嵐裕美)姉と2人暮し。姉は長期出張中。
牧野と同じコミュニケーション研修クラス。合理主義。
寡黙で、他の少女とは違う独特の雰囲気を放っている。
自宅敷地内にある廃墟で過ごすことが多い。ボクっ娘。

都築 美緒(井上麻里奈)両親はずっと帰宅していない。
自分の興味の範疇にない事は一般常識でも知らない。
猫科の小動物のような眼をしていて、ポニーテール。
ハッキングを「魔法」と呼び、自分を魔法使いに例える。

矢部 祐子(植竹香菜)DCイラスト投稿サイトの常連。
青白い肌でピンクの髪。ピンクのコンタクトレンズ。
形状認識異常で写真と絵の区別が困難な認識障害者。

麗猫(沢城みゆき)中国服を纏い拳法に長けている。
美緒の幼馴染。戸籍を持たない未登録住民ゴースト。
川端、中村に襲われていた矢部を助け、匿っていた。

川端 リュウ(坂巻学)保健衛生局員の息子。
セル式20世紀アニメーションの信奉者。

中村 雄二(勝沼紀義)川端のクラスメート。
「アニメ」の信奉者で、DCと一括りされる事を嫌悪する。

登場人物※成年者

不破 静枝(平田絵里子)中央からの派遣カウンセラー。
未成年者の生活環境の管理とメンタルケアが仕事。
牧野のクラスの担当してる。生真面目で極度の潔癖症。

橡 兜次(河本邦弘)県警刑事課の地方公務員。巡査部長。
屈強そうな出立ちだが見た目とは裏腹に喧嘩は弱い。

石田 理一郎(青山穣)県警刑事部R捜査課強行犯担当管理官。

事務局長(西村知道)

牧野議員/養父(佐藤晴男)

投稿 : 2019/12/07
♥ : 2
ネタバレ

isso さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

ヤバすぎて逆に良いレベル

原作は読了しています。
ほぼネタバレです。


今まで観たアニメ作品の中で突き抜けてヤバいです。
ここまでのものがあるとは思いませんでした。

{netabare}
良かった点、印象的なシーン
・神埜が廃墟の屋根の上から夜の港?を眺めるシーン
原作の印象とは違っていましたが、良い方向に作用していました。

・3Dキャラのモデリング
デフォルメされた美緒のロボットの動きが可愛かった。
ただし、映画への貢献度は皆無だと思います。

・ミャオの声の演技
沢城みゆきさんの安定感が常に漂う映画への不安を鎮静します。
ただ、他のキャラとの温度差が怖いです。

悪かった点、残念に感じた点
・作画
昔専門学校の卒制をみたことがありますが、それと張るレベルです。
立ち絵でここまで崩れているのには驚きました。
ミャオの立ち回りなど、動きの切れがある箇所もありますが、全体のレベルの
高低差が凄いです。

・脚本
原作ありの映画化の難しさを改めて示してくれたと思います。
緩急がなく、ただ均等に出来事が経過し、ドラマのダイナミズムが死んでいます。

・演出
兎に角原作のボリュームからして1秒も無駄にはできないはずなのに、
牧野のとる長い間に神経をすり減らされます。
会話の受け答えが微妙に変です。
コミュニケーション障害、という設定ということですが、
ハーレムアニメの常にすっとぼける主人公、的な
そこでその反応は人間社会ではありえないだろ、と思うこと多数。

また、大事な役回りの不破の反応もところどころおかしい?
教え子が死んでいるのに、ぜんぜん人ごとというか、まあそういう個人間の関係、
子供への無関心が設定としてはあると思いますが、不破の場合、そういう社会のなか
でもまだ人間味がある性格、のはずなので、
1人のキャラで2つの事柄を説明させるのは観客を
混乱させる元になってしまったと思います。

冷たい性格の他のカウンセラーと比較させる、等していれば
あの無機質な世界の説明と教え子を守りたいキャラの正義、みたいなものが説明できた
のではないでしょうか。。。

・音楽
原作で特に好きなシーンに神埜と牧野が永遠と高速道路を歩く、所があるのですが
曲選が個人的にはずれていました。
全体的に静かかと思うと急にディストーションで歪んだギターがなったりと
飽きさせません。

まとめ
ここまで批判してしまいましたが、原作好き故の怒りが途中反転し、
むしろ愛おしさがこみ上げてきました。
ここでその百合感はないだろ!とか、過去のトラウマの説明短かっ!とか
この大事な場面でモブキャラが棒読み!?とか
メタ視点的にみればその突抜けすぎた完成度ゆえに楽しめると思います。
実写映画のルパン三世(小栗版)やデビルマンが楽しめる人には同等に
楽しめると思います。
{/netabare}

投稿 : 2019/12/07
♥ : 2

renton000 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

お手上げ

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。100分ほどの近未来SFです。
 驚きました。ここまでひどい作品は初めてでした。いい勉強になりました。

物語:
 舞台は食のために動物を殺さなくなり、人とのコミュニケーションが希薄になった近未来。テーマは「生」「コミュニケーション」「人の中にある負の部分」など。こう書くと意外と面白そうに見えたりしますね。ありがちなものですが、別にこれ自体が減点の対象にはなりません。問題はその描き方にあります。
 テーマの成立から結論までのスパンが短すぎるのです。浅い積上げしか行われていない状況で「名言でしょ?」というようなセリフが飛んできて、度肝を抜かれます。
 名言というものは、それが妥当なものであれ意外なものであれ、積上げられた先にあるというのは変わりません。積上げた後にさらに積上げたものが妥当な名言であり、積上げたものを意図的に壊すのが意外な名言です。そのセリフが満足感を伴うか意外性を伴うかはともかく、ストーリーの中で共感と考察を積上げて行かなければ、感動には至りません。
 原作である小説はかなりの長編らしいですが、この映画ではストーリーを追うのに精一杯といった感じで、複数のテーマを2時間で消化できるようなストーリーラインを組めていないようです。考察できる対象がほとんどないため、考察自体を拒否しているようにすら感じます。テーマから察するに、原作は名作なのかもしれませんが、この映画には全く活かされていないと言えます。アニメーションという媒体を使った必要性も全く感じませんでした。

作画:
 背景も動きも、2時間映画の完成度ではありません。テレビシリーズにも劣るのではないでしょうか。カットの引きも寄りも印象的なものはなく、ただ人が写っているだけという感じです。アクションシーンもありますが、期待してはいけません。

キャラクター:
 個性云々の前に動機付けが乏しすぎて何をしたいのか分からないレベルです。メインキャラだけじゃなくサブキャラも同様です。


対象年齢等:
 特にありません。テーマの描き方を無視すれば、ストーリーを追うことは可能です。映画にテーマなんて関係ないと言い切れる人ならストーリーを楽しむことは出来るかもしれません。主人公は中学生くらいの少女達なので、そこだけに価値を見いだせる人も大丈夫だと思います。
 私のように「クリエイターは何かしらの情熱と意図を持って作品を作っている」というようなクリエイター至上主義やクリエイター性善説に立っている人は見ておいた方がいいかもしれません。箸にも棒にもかからないという作品は、残念ながら存在します。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 3

84.0 4 沖佳苗アニメランキング4位
甲鉄城のカバネリ(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1775)
8257人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜で覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。

極東の島国である日ノ本の人々は、カバネの脅威に対抗すべく各地に「駅」と呼ばれる砦を築き、その中に閉じ籠もることでなんとか生き延びていた。駅を行き来ができるのは装甲蒸気機関車(通称、駿城)のみであり、互いの駅はそれぞれの生産物を融通しあうことでなんとか生活を保っていた。

製鉄と蒸気機関の生産をなりわいとする顕金駅に暮らす蒸気鍛冶の少年、生駒。彼はカバネを倒すために独自の武器「ツラヌキ筒」を開発しながら、いつか自分の力を発揮できる日が来るのを待ち望んでいた。

そんなある日、前線をくぐり抜けて駿城の一つ甲鉄城が顕金駅にやってくる。車両の清掃整備に駆りだされた生駒は、義務であるカバネ検閲を免除される不思議な少女を目撃する。
その夜、生駒が無名と名乗る昼間の少女と再会するなか、顕金駅に駿城が暴走しながら突入してきた。乗務員は全滅し、全てカバネに変わっていたのだ!
顕金駅に溢れ出るカバネたち。パニックに襲われる人々の波に逆らうようにして、生駒は走る。今度こそ逃げない、俺は、俺のツラヌキ筒でカバネを倒す!

──こうして、本当に輝く男になるための生駒の戦いが始まるのだった。

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、梶裕貴、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、宮野真守

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

キャッチコピーは「死んでも生きろ」「貫け、鋼の心を」。

この作品の持つ話題性から、放送前より沢山の情報が飛び交っていました。
それも仕方ありません・・・
アニメ版「進撃の巨人」を手がけたWIT STUDIOによるオリジナル作品である事に加え、制作陣が半端ありませんでしたから・・・

監督:荒木哲郎(進撃の巨人)
シリーズ構成・脚本:大河内一楼(コードギアス 反逆のルルーシュ)
音楽:澤野弘之(ギルティクラウン)
キャラクター原案:美樹本晴彦(超時空要塞マクロス)

紹介した作品は1作ずつですが、他にも多数の名作を輩出された方々がタッグを組む・・・これだけで話題性としては十分です。
でもこの作品はそれだけではありません。放送前に発表されたカットの美麗さ・・・私は、無名が両手を頭の後ろに組んで「ピロピロ」を吹いているのを最初に見ましたが、正直作画の緻密さとキャラデザの可愛らしさが鬼がかっている・・・としか思えませんでした。
その位、この作品のインパクトの大きさは半端ありませんでした。

でも、次に気になるのが、この作画レベルをラストまで維持できるか・・・ということです。
勿論気持ち的にはラストまで頑張って欲しいという思いはありますが、人の出来る事にも限界がありますので・・・

こうして期待値MAXで一話を視聴しましたが・・・期待を裏切らない出来映えだったと思います。
それに声優さんも良いんです・・・内田真礼さん演じる菖蒲さまが出てきた時点でテンションもMAX・・・(//∇//)
そして内田さんがベタ褒めしていた無名役の千本木彩花さんの演技も素晴らしかったと思います。

物語は、人間とまるでゾンビの様に噛み付いた人を同種にしてしまうカバネとの熾烈な戦いを描いた作品です。
このカバネですが、ほぼ不死身ともいえる存在で唯一の弱点である心臓も金属皮膜で覆われていて貫くのは至難の業・・・そして一度噛まれたら人としての生涯を終えてしまう・・・そんな絶対に近づきたくない存在です。

そしてカバネは・・・集団で襲ってきます。まるで日本全土の生き物を全てカバネに変えることを使命付られているかのように・・・
そんなカバネに対抗できる術を持たない人間は、唯一の移動手段である装甲蒸気機関車が停車する駅を中心に外界と隔離する高い壁を作ってその閉鎖された空間の中で生活していました。

この物語の主人公である生駒は、装甲蒸気機関車の蒸気鍛冶で生計を立てながら、カバネに対抗できる手段を独自に模索していました。
その取り組みもようやく光が見えてきた矢先・・・カバネが壁を乗り越えて駅に侵入してきたのです。
壁にできた僅かな綻びがカバネによって破壊されるのにそう時間はかかりませんでした。
大量のカバネに駅を襲撃される・・・対抗手段を持たない人間にとって、それは安住の地を放棄する事を意味します・・・

人々は駅に停車していた装甲蒸気機関車の甲鉄城に避難を始めます。生駒も避難しようとした矢先、カバネに噛まれてしまうんです・・・
彼が咄嗟に取った行動・・・それはこれまで研究してきたカバネに抵抗できる術を自身の身体で試すことでした・・・

生駒は一命を取り留めました。その変わり大きな代償を背負う事になるのですけれど・・・
そして生駒は生きるために甲鉄城に向かい・・・物語が動いていきます。

作画は高いレベルで安定していて、物語の中で生駒が味わう理不尽の訳も・・・周囲の冷たさも・・・そして何より無名の可愛らしさも・・・
飢えに耐え・・・嘆願する生駒・・・全てを受け入れる菖蒲さま・・・常に変化への恐怖と隣り合わせであるにも関わらず、カバネの群れに身を挺する覚悟・・・
「名作」という領域に向かって敷かれたレールを突っ走っている作品だったのではないでしょうか。

ただし・・・それも中盤まででしたけれど・・・

時を重ねて隔たりが小さくなっていく甲鉄城・・・振り返るとピンチの連続でしたが、その試練が彼らの結束を固めた・・・といっても過言ではありません。
ここまでの展開は本当に最高・・・

でも、天鳥 美馬という無名が「兄さま」と慕う輩が登場してから・・・全てはおかしくなってしまったような気がしてなりません。
見た目は決して悪くありません。美男子だし、何よりカバネに奪われた土地を奪還し続ける英雄なんですから・・・
これだけ見ていると無名が兄を慕うのも十分理解できます・・・

そんな時間は束の間でしたけれど・・・

美馬が何をしたかったのか・・・気になる方は是非本編でご確認下さい。
私個人的には彼の卑劣で狡猾な仕打ちが大嫌いでした。
少なくても人の上に立つ者としての器じゃ無かったとしか思えません。
責任が重くなればなるほど大切なのは公平さなのに・・・
しかもやり過ぎるし・・・
だから彼の受けた報いは当然・・・なんだと思います。
美馬が登場する前までが素晴らしすぎただけに、この展開は残念としか言い様がありませんでした。

オープニングテーマは、EGOISTの「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」
エンディングテーマは、Aimer with chelly (EGOIST)さんの「ninelie」
ここでEGOISTが起用された事も個人的には好評価です。
何せ楪いのりちゃんのファンなので・・・(//∇//)
EGOISTで唯一の難点・・・といえば総じて歌が難しいことでしょうか^^;?
今回の曲も最高に格好良かったです^^

この作品も1クールか2クールかの情報が無く最後までドキドキでしたが、
1クール全12話の作品となりました。
甲鉄城の旅は未だ終わっていません。物語に一区切りは付きましたが、彼らは安住の地を手に入れていないのです。
カバネとの戦い・・・これから今まで以上に熾烈な局面があるかもしれません。
でも今の甲鉄城の乗組員だったら、どんな困難にも屈する事なく立ち向かっていけると思います。

美馬の件では一悶着ありましたが・・・それでも絆を取り戻しいつか安住の地を手に入れるため奔走する・・・こんな続編があったら間違いなく飛びつくでしょうし、物語の評価も変わると思います。
そう考えると、是非2クールで放送して欲しかった作品でした。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 35
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ゾンビの社会学

*誤記訂正

幕末を思わせる武家社会に蒸気工学が入り込んだ架空の日本で、「カバネ」とよばれるゾンビの襲撃を退けて生存をはかるスチーム・パンク世界。

壁の内部に浸透しようとする圧倒的な脅威を、生存をかけた決死の努力で押し戻そうとする物語は、人種問題、階級と支配、移民と棄民、他者との結びつき、社会からの承認、若者の成長といった諸問題を、トッピング全部乗せのカレーのように、これでもかといった勢いで盛り込んでいる。

ちょっと盛り込みすぎではないかと思うものの、流麗な映像に導かれた視聴者を、それぞれの好みに応じた視点と見方によって楽しませることを可能にするのものだ。


成長する若者が他者との結びつきを獲得していく物語は、上記のような理由で、ちょっと違う視点から鑑賞することが可能だ。

{netabare}この架空の「日本」では、政治的には「武士」によって支配されているようだ。
経済的には「豪商」のような影響力を持った「商人」が描写されているが、「武士」が政治権力を所持しているのは、階級としての「武士」集団がこの社会で唯一の「暴力装置」であるからだ。

暴力装置と一体化した権力には二面性がある。
構成員の暴力を支配して禁じるとともに、暴力の生じる現場において唯一の主体として暴力を行使すること。

物語の序盤において、甲鉄城の内部で、武士が支配者然として権力的に振る舞うのと同時に、「農民」や「町人」を代表する「商人」から安全を要求される=安全を与える義務を持つものとして描写されるのは、「武士道」のような倫理性ではなく、このような暴力装置の二面性に根拠がある。

社会がカバネのような暴力的に対立する脅威に直面したとき、唯一の暴力装置である「武士」が、これを排除しなければならない。
全社会的な危機管理という点では、不十分とはいえ一定の効果を持つ「銃」という量産可能な武器があるのだから、広くこれを配布して迎撃するのが効果的だろう。
が、暴力装置としての権力の維持のためには、他の階級に暴力を分配することは許されない。
この社会体制を自明のものとして内在する「農民」や「町人」たちも、自ら暴力を担うことは発想できないし、武士に対して暴力を行使せよと要求することしかできない。
「暴力」をすべて「武士」に委ねることによって、他の全ての階級は武士の権力に屈服すると同時に、武士に対し「暴力」でなければ解決できない問題を一手に引き受けるよう強制する。

だが、カバネの脅威を武士の暴力だけで排除できなくなったとき、この社会体制は揺らがざるを得ない。

「甲鉄城」内部の社会が、当初の階級対立的なギクシャクしたものから、やがて一体感のある結びつきが生じるように見えるのは、ジュブナイル的な「みんなの心が一つになる」という描写ではなく、外圧によって破綻しつつある社会体制がリソースの統合と配分先の変更を強制されるという必然だ。

階級を問わず「戦闘力」のある者をすべて戦闘に参加させ、農民や町人の女子供も、いわば「兵站」のように戦闘員を生活面で補助する「甲鉄城」の「総動員体制」は、カバネに対する生存闘争という喫緊の最優先課題のために、社会体制を変更せざるを得ない事態を表している。

社会の潜在的なポテンシャルをすべて戦闘に集中して、脅威を退けること。

全員が戦闘に加担する「総動員体制」下で、暴力を担う「唯一」性を喪失した「武士」が、支配的な「権力」をも喪失し、全乗客と融和して行くような描写は、このように「心のつながり」とは位相の違う必然性による。


「甲鉄城」内で一種の体制転覆を生じさせたものは、カバネの脅威が「武士」の行使する武力の限度を超え、「甲鉄城」という「社会」全体を抹殺しつつあるという事態が生じたからだ。

逆に言えば、カバネの脅威が、武士の武力によって、社会が崩壊しない限度内にとどまるものであるならば、この社会体制が揺らぐことはない。
中盤にカバネの脅威がそれほど深刻ではない「駅」が登場するが、そこでは武士による支配と秩序が安定的に機能している描写に、それは現れている。

いや、もっと積極的に、カバネの脅威が武士によって撃退可能と看做され得るなら、カバネの存在は「暴力装置」の権力と支配を一層強固なものにするだろう。

カバネによる被害が「武士」のコントロール下に制御可能となれば、カバネという脅威は、「武士」という唯一の「暴力装置」の権力を強化する原動力ともなる。

「解放者」美馬による「壁」の破壊が反感を呼び起こすのは、「無辜の」一般人を危険に直面させるからではない。
「平等に」危機と闘わせると称しながら、対カバネ戦闘のノウハウや研究成果を独占したまま暴力装置の「唯一」性を手放そうとはしないからだ。
圧倒的な脅威に襲われ、これと戦わずには生存できない状況では、戦闘と無縁の「無辜の」人間は存在できない。
この意味では、社会の全構成員を戦闘に引きずり込むことには一抹の正当性がある。
が、それならば戦闘の「ノウハウ」や「研究成果」を公開しなければ筋が通らない。
それらを秘匿したまま戦闘=生存闘争を強制するのは、「唯一」性を担保した権力構造の強化でしかない。

これに対し、ラストで、冒頭で「要求」するだけだった「豪商」が、「甲鉄城」の一員として避難民の誘導に従事する描写は、甲鉄城「社会」が、暴力の唯一性が解体されて全員に拡散する「総動員体制」として再編され終えたことを示している。


再編の原動力は「いつか米を腹いっぱい食べたい」という「夢」を全員が共有したことだが、これもジュブナイル的な「みんなの心が一つになる」ドリームではなく、社会が機能するためには何らかの価値の共有が必要であるという必然に過ぎない。

これは社会が機能するためには「目標」を掲げなければならない、という事ではない。
何らかの共通価値を「たまたま」共有できたとき、「結果として」その社会は生き延びる「可能性」が統計的に高い、という事だ。

甲鉄城「社会」を甘っちょろいドリームと嘲笑う事も可能だが、その前に、ほぼすべての社会で「正直に生きろ」という価値観が支配的であることを考えてみるべきだろう。
そんなものは綺麗事で他人をだました方が得だ、と考える人間は、有史以来数えきれないほどいたに決まっている。
にもかかわらず、「正直は美徳」という価値観が支配的であるのは、「結果として」正直を尊ぶ社会の方が数千年の歴史の淘汰を乗り越えて生き延びるために効果的であった、という事を意味している。

「夢」の下に「総動員体制」で階級の区別なく結束する甲鉄城「社会」は、生き延びる「確率が高い」だろう。
美馬の一見して「本音」ふうの社会改変よりも、甲鉄城の社会再編を優位に描く描写は、このような必然に支えられていると見ることができる。


若者の成長物語としては平板でありきたりだと感じた視聴者も、このような視点から見ると少し違った楽しみ方ができるかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2019/12/07
♥ : 10
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

D.C. 【53点】

カバネの脅威に晒された架空の日本で生きようとあがく人々を描いた、和風スチームパンク・パニックアクション。


■D.C.(演奏記号。「冒頭へ戻る」の意)
決して見どころの無い作品ではありません。
しかし、描こうとした(ように私には思えた)主題については、その提示とリフレインに終始してしまった。
制作陣が「起承転結」の「転」「結」を意図したであろう後半数話で、物語が振り出しに戻ってしまった。
その意味で、私にとってのカバネリは、「承」までしかたどり着けなかった物語。
{netabare}

私がこの作品に心惹かれたのは、作品世界を覆う構造的な病理を1話で露わにし、打ち払うと宣言したからです。
階級的社会制度、そこに巣くう内向きで臆病な規律。
それを喝破して、弱い自分たちが残酷な世界に真正面から立ち向かうべきだと叫んだ。
「弱い僕らが、それでも生きていくということ」という、強迫観念的にまで切実な命題を(単純ながら、それゆえに普遍的なひとつの社会シミュレーションの上に)立てたように思えて、『進撃』的なものの正当発展系を見せてくれる予感を抱きました。

実際に前半のプロットは、その期待に応えてくれるものでした。
2話では、弱い者のルサンチマンと生への執着、弱さによってそれを手放そうとしてしまう生駒の無力さ、そしてそれを救い出す無名の強さを。
3・4話では、弱い者たちの衝突と共闘、新たにする「生きてゆく」決意を。
5話・6話で無名の弱さを明らかにし、7話で甲鉄城の女性たちのしたたかさ(漢字では“強さ”と書く)を描き。
そして、単に生き延びるだけではなく、その先でいかに「生きてゆく」のか、ビジョン(田を耕し、親の想いを継ぐという、人としての生を回復する)の発露を見せてくれた。
穂積と名付けられた娘が「お米をお腹いっぱい食べたい」と願うことは、「生きてゆく」ことが生存のみに留まらない豊かな営みであることを再確認するようで、サバイブ系作品としても貴重な視点だったと思います。
設定や細部の物語展開は粗削りながら、画面の熱量と甲鉄城に乗って泥臭い生の物語が疾走してゆく様は、王道終末活劇として見ごたえがありました。

で、以上の「起承」を受けて物語が転がりゆく後半。
生駒たちの前に、美馬が立ちはだかります。
テーマレベルで言えば、生駒たちに「生きてよいのは強者のみ」という“アンチテーゼ”がぶつけられた、ということ。

だけど、ちょっと待てよ?
「承」で広げられた問いは、「どのように」生きてゆくかのはず。
「生きてゆく」こと自体の是非、もっかい問い直しちゃうの?
そこはスルーしても、「生きてよいのは強者のみ。だからみんなカバネに襲われて淘汰されてしまえばいいんだ」という主張の現実性・妥当性がわからない……。
つまるところ、私が見る限り、美馬の主張は“アンチテーゼ”として成り立ってなかった。

美馬の間違った「強さ」は弱く臆病な将軍が生んだものであり、美馬自身も(最後に自ら語るように)臆病者として描かれています。
自らが臆病者であるという認知は、「弱さを受け入れて、なお抗いながら生きる」ために、必要な過程ではある。
しかし、それは既に前半で描かれていたこと。
将軍の弱さが人の作り上げた社会制度に裏打ちされていることを踏まえると、そうした歪みによって生まれ、世界の脅威よりも自己のエゴを人々に押し付ける美馬を生駒が否定するというのは、1話で見せた展開そのものです。
(そもそも、美馬がそーゆー存在として描かれたのかすら自信を持てないけど。
復讐に満足したかと思えば「次は何を壊そうか」だし、次の瞬間には生駒殺そうとしつつ視聴者の知らない内に白血漿打って助けてるし、何がしたかったのか)
「起」「承」と来て、なんで「起」を繰り返すんだってばよ……
そりゃ、ラストも無名ちゃんがセリフで「承」の内容リピートして終わるしかないよね……。
人とカバネの狭間、「カバネリだ!」という在り方も、「人」の中で「生きてゆくもの」と「臆病者」が対比されて生駒が前者にカテゴライズされてる以上、機能していなかったように思えます。


なまじ前半が(「アクションすげー、無名かわえー」だけじゃなく)全うに物語してただけに、なぜかD.C.を食らって物語が終わらず尺だけ尽きたのが、とても悔しい。
最初の命題をリフレインするなら「一周回って」くらいのケレン味が欲しいところだし、作中で命題を広げる希望を示したからには、それを展開させてほしかった。
もし本作が2クールなら、生駒の対、影たる美馬との対峙として納得できる1クール目後半だったんだけど。
総集編映画より、続編が望まれる作品だと思います。
プロットの話だけで断じるのは失礼だけど、私にとって始まった物語が終わらないこと以上の苦しみはそうは無いので、この評価で。
一人の兄の、後悔と回復の物語と読むなら悪くはないんだけど、でも主眼そこじゃねえよなぁ……{/netabare}


■雑感
{netabare}・作画は素直に鳥肌ものでした。
 今なお魅力的な美樹本デザインも凄いけど、それをこうも動かせるのかと(撮影班死にそう)。
 戦闘の演出もカッコよかったです、ベタだけど来栖のカバネブレードが心臓貫くとことか。
・澤野BGMは印象的なだけに、こうも頻繁にお見掛けすると食傷気味に感じちゃうのがもどかしい。
・意外に小物(ex.生駒グラス)等を使った演出は細かくて見ごたえありました。
 一方で設定は放逸っぽくて、エモーションに振った作品だな、と。
 設定厨気質なので、世界観から逸脱するような演出にはハマれなかったかな。
・帰宅部員としては千本木さん(九重クレア先輩)の無名役に感動、益々のご活躍を祈念します。
・キャラは巣刈、侑那さん、鰍ちゃんが好きなので、もっと活躍するとこ見たかった。
・無名ちゃん、10話と11話の間でタクミの手から形見石取ってたのか…手癖悪いなw
・最終話、生駒を投げる一瞬前にぎゅっと抱きしめて胸に顔を埋めてたのが、マイベスト無名ちゃん(`・ω・´) {/netabare}


【個人的指標】 53点

投稿 : 2019/12/07
♥ : 30

58.1 5 沖佳苗アニメランキング5位
デジモンクロスウォーズ 時を駆ける少年ハンターたち(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (39)
193人が棚に入れました
デジモンクロスローダーを手にデジタルワールドの危機を救ったタイキたち(「デジモンクロスウォーズ」)。しかし、タイキたちが不在にしている間にデジタルワールドはバグラモンとバグラ七将軍「デスジェネラル」によって支配される世界になっていた。(「~悪のデスジェネラルと七つの王国~」)

りゅぅぞぅ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

制作者たちよデジモンを舐めるなよ・・・・

 クロスウォーズの2期

デジモンシリーズなんだけど、自分の中では

最も糞( `ー´)ノ 愚の骨頂!(怒)

ドルルモンはモンスターファームのライガーぱくってるし・・・

今回、なんか技の感じもどこかで見た気がするし・・・

パクリすぎばい(;'∀')

 新キャラもたいして強くないし ぱっとしないし

なんなんだこれは!! ひどすぎる

あえていおう、見る価値なし

投稿 : 2019/12/07
♥ : 0

石川頼経 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

洲崎アイルちゃんが好きですね

この物語のライバル側に属してますが、
事実上、ヒロインです。
ひねた性格といい、個性的な王道ではないヒロインで
替わった魅力があります。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 1
ネタバレ

トナマク さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

デジクロ3期♪

クロスウォーズはデジモンシリーズの中でも一番長いシリーズになりました!
なんと、第3期です(ゝω・´★)

3期の主人公は、タイキ、タギル、ユウの3人です。
中でもタギルがメインです。

ある日、タギルはガムドラモンと出会って、一緒にデジモンハントをすることになります。

ただ、今までのシリーズを見てきて、デジモンをハントするっていうのはどうなのかなと思いました。
デジモンと人間はそういう関係にはないと思います。
タギルみたいに無理矢理捕まえようとするのは…。
まぁ、そこまで強引では無いですけど(・∀・`)


タイキさんとユウって結構、歳が近かったんだなぁと思いました!
2期ではもっと離れてる感じがしたんですが…?

主人公の3人は、同じ中学校に通っているので、一番年上のタイキさんに見習おうとする後輩2人が微笑ましいです(*´ー`*)♪

個人的にはタイキさんが一番好きです!!
3期に渡って降臨するなんて流石です!
皆から憧れられるなんて流石です!
敵のことも想いやったり、仲間を見捨てないところも流石です!
もっと言いたいことがありますが、ここで止めときます( ̄▽ ̄)=3

ユウも大きくなって、2期での行動を反省していました。。いい子ですね。
{netabare}前半は暗くなりがちでしたが、ダメモンが戻ってきて、アイルにも好かれることによって明るくなりましたねo(*≧∀≦)ノイイゾー!{/netabare}

タギルもガムドラモンと一緒に、精一杯戦う姿がかっこよかったです!


問題はー…最終回です。
{netabare}歴代主人公を出してくださったことには感謝してます!!!
が、ちょっと雑じゃないですか!?
どうせなら最終回だけ映画にしてほしかったです!
そしてもっと一人一人を活躍させて欲しかった!
兄貴は相変わらずでよかったですがw
他にも色々言わせてもらうと、
タカト天使!
大輔の台詞多い!
ただの合体いうな!
目の色違う!
ヤマト無言!?
タカトと拓哉の進化は人前でやるもんじゃない!
フロンティアの他のメンバーの扱い雑!
光子郎はん何処いったの!?
…と、思って見てました。{/netabare}

他のデジモンシリーズ(特にテイマーズまでの作品)が好きな人にはあまりおすすめできないかもしれません。。。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 5

60.9 6 沖佳苗アニメランキング6位
プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!(アニメ映画)

2010年3月20日
★★★★☆ 3.7 (33)
153人が棚に入れました
ある日、つぼみとえりかの元からシプレとコフレが消えた。残されていた謎の招待券を便りに探しに行くと、海に浮かぶ遊園地「フェアリーパーク」に辿り着いた。そこはプリキュアを支える妖精達をイメージした乗り物やグッズが満載の楽しそうなテーマパークであった。つぼみ達はラブ達とひょんなことから知り合い、一緒に遊びに来た11人の友達を探すことになる。テーマパークを楽しみながら友達探していたつぼみ達だったが、そこへ、このテーマーパークの宝である「レインボージュエル」を狙うべくプリキュア達の宿敵が続々と現れる。そこへ11人の友達である『プリキュア』達が助けに入り一度は退けたものの、深海の闇ボトムによりレインボージュエルが奪われてしまい、フェアリーパークは崩壊してしまう。崩壊によって離れ離れになったプリキュアと精霊達は、復活した敵幹部達の猛攻を受けながらも、レインボージュエルを守るために立ち上がる。

声優・キャラクター
水樹奈々、水沢史絵、沖佳苗、喜多村英梨、中川亜紀子、小松由佳、三瓶由布子、竹内順子、伊瀬茉莉也、永野愛、前田愛、仙台エリ、樹元オリエ、榎本温子、本名陽子、ゆかな、田中理恵

にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「さがしてください」

初代~ハートキャッチ2人までの、総勢17人。

海に浮かぶ遊園地「フェアリーパーク」。
そこはプリキュアを支える妖精達をイメージした乗り物やグッズが満載の楽しそうなテーマパーク。

そこに向かったハートキャッチのつぼみとえりかだけど
トラブルを起こし、フレッシュのラブに助けてもらう。

助けてもらったお礼に、ラブの友達(実際はプリキュアの仲間)を探す手伝いをするが、
狙われたレインボージュエル・・・
敵が攻めてきて、2組で闘うことに!

動揺して手も足もでないハートキャッチの元へ、
続々と先輩プリキュア登場です!!!

かっこよすぎた!!!

ってか、みんなドジすぎ・・・
桃キュア族は相変わらずすぎて、見てるこっちも楽しくなってしまった。

そして再度攻めてくる敵・・・
ってか敵キャラ怖すぎ。表情怖すぎwww

地面を破壊され、離れ離れになる妖精とハートキャッチ。

5の助けで、メップルミップルを渚の下へと託されるが・・・
あぁ・・・そういえば初代は妖精いないと変身できないんだった・・・
見慣れちゃったせいか、不便すぎる。

そんなこんなで、「最後まであきらめない力がレインボージュエルには残っている」
と都合のいいこと言われ、プリキュア覚醒。
いいエンディングであった。


観ていて、改めて思ったのが、
ブラックは黙ってればイケメンだなっと・・・w

今作品は、変身シーンもしっかり見れて大満足でした。

EDがプリキュアがライブをやっているっぽくなっていて、
メドレーの繋がりもよかった。

EDだけでも見る価値はある。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 2

ichinana さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これは幼児アニメ!!!!!!!!

プリキュアオールスターズシリーズ第2弾。
しかしまぁ増えたな~ そろそろプリキュア総選挙を開いてもいいんじゃないでしょうか。

はっきり言ってストーリーは前作DX1に比べるとかなり見劣りします。
というか敵キャラ幹部を復活させておいて、因縁プリキュアとのバトルを端折ったのは残念でした。
でも劇場に来ている女の子たちはフレプリ、ハトプリ世代ですのでいいと思います。私含めておおきいお兄さんは無視してくださって結構です。

私達プリキュアを卒業できないダメな大人は別のところで楽しめばいいんです。少年誌ではタブーとなっている多数対少数もプリキュアならオッケーです。小杉さんの「くそーっなんて数だ!!」には笑わせてもらいました。
あとフレプリ以降恒例になったEDのダンス。
今回のEDも無駄に力が入っています。EDテロップを見ながらその豪華声優陣が一度にアフレコに集結したのかな~と妄想しつつ、ちっちゃい子たちとは別のところで劇場で奇声を上げてしまいました。ばい・・・すいません。

BDは完全版のEDが収録されており、こちらも必見です。というか、これは完全におまいら狙いだろ・・・・

色々と思うところはありましたが、私は元々プリキュアにストーリ性は求めていませんので結構楽しめました。

投稿 : 2019/12/07
♥ : 3

けみかけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ハトプリ&フレプリがメイン

ハートキャッチプリキュアのキュアブロッサム、キュアマリンを含む17人のプリキュアが登場しますがメインとなるのは前作から成長し、すっかり先輩になったフレッシュプリキュアの面々

そして新米プリキュアとして描かれるハートキャッチプリキュアの二人です

あくまで新米として描かれる二人にはテレビシリーズの勢いとは違う質を感じます

舞台も架空の遊園地ということでシリーズのヒロイックファンタジー的要素だけにスポットを当てた独特の作風だと思います

プリキュアよりもキントレスキーやカレハーン等、歴代敵幹部が再集結しているところがむしろファンには嬉しいですね

投稿 : 2019/12/07
♥ : 3
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