漂流で感動なおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月26日の時点で一番の漂流で感動なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.0 1 漂流で感動なアニメランキング1位
劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ(アニメ映画)

2013年4月20日
★★★★★ 4.1 (2596)
13577人が棚に入れました
「狂気のマッドサイエンティスト」を自称し、いまだ厨二病をひきずる大学生・岡部倫太郎。秋葉原の片隅、「未来ガジェット研究所」で偶然、過去へと送信できるメール「Dメール」を発明してしまったことから、彼とその仲間たちは世界規模の大事件に巻き込まれることになる。

「シュタインズ・ゲート」は、タイムパラドックスにより引き起こされる悲劇と、それに立ち向かう仲間たちの絆を描く物語である。

声優・キャラクター
宮野真守、花澤香菜、関智一、今井麻美、後藤沙緒里、小林ゆう、桃井はるこ、田村ゆかり
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

紅莉栖祭り!ヽ(=´▽`=)ノ

SG世界線に到達してからちょうど1年後の8月。
α世界線とβ世界線を漂流していた記憶がフラッシュバックする岡部倫太郎。
SG世界線とα世界線・β世界線との記憶が混在した岡部倫太郎は突如SG世界線から消失する。


*映画のDVDが12月3日に決定~★^^
*それまで待てません・・・!
*当然初回限定盤買いまふ♪


■劇場版
{netabare}
映画版、すごい迫力でした。
さすがの宮野さん(*´∇`*)
そしてフラッシュバックするα・β世界線での惨劇も迫力大です。

そしてそして、フェイリス・ニャン・ニャンの{netabare}「見つめながらまぜまぜ」 {/netabare}の破壊力は超絶www


映画版は、くりすが大活躍でした。アニメ版では、岡部がタイムリープして世界線を漂流しましたが、今回は立場が逆で、くりすがタイムリープして世界を変えようとしています。くりす派の私としお腹一杯です^^


岡部を取り戻す方法は{netabare}2005年にタイムスリップして岡部のファーストキスをくりすが奪う{/netabare}ことでした。


{netabare}鳳凰院凶真の設定を教えたのが、くりすということ{/netabare}になったので、「過去を変えずに結果を変える」という条件は満たせたか難しいところですが、結果として {netabare} 岡部=鳳凰院凶真{/netabare}は変わらないのでOK?


今回、岡部を取り戻す方法を見つけるのはかなり難しかったですね。


というのもアニメ版と異なり、{netabare} 「Dメールを送って過去を変えた結果、世界線が変わり、その結果、まゆしーが死んでしまう」というような因果関係{/netabare}がなかったからですね^^;


とはいえ、岡部が消えてしまった原因は {netabare} 未来から来た鈴{/netabare}があっさりと教えてくれたので、岡部を取り戻す方法は、 {netabare}①岡部の混線した記憶を消すか、②SG世界線の強烈な記憶を上書くか{/netabare}に絞られて、劇中では後者の方法をとることになったみたいです。


最終的にとった行動は {netabare} 2005年にタイムスリップして岡部のファーストキスをくりすが奪う{/netabare}ことでしたが、これは{netabare}①ファーストキスを奪われた=強烈な記憶を植え付ける、とともに②SG世界線をα・β世界線と異なる世界線として岡部にきちんと認識させる{/netabare}ことにもなってるんですかね。

というのも、{netabare} くりすが2005年に来ている{/netabare}ことは、α・β世界線では起こりえないはずだからですね^^


色々考えながら劇場版楽しめました^^
まだ原作やってないので原作買おうかなぁ
{/netabare}

■DVD
やっと発売されましたDVD。初回限定盤を買いました~^^
{netabare}
劇場版はニヤニヤ展開が多いですね^^
そしてアニメ24話分を知っているとグッとくるシーンが多いです。
やっぱり「目を見ながらまぜまぜ」は名シーンです(笑)^^

ドラマCD「現存在のアポステリオリ」でのダルと鈴羽の会話シーンは思わずクスリとしてしまいました。

劇場版以外にもたっぷり楽しめる特典版です^^
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 162

ももくさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この作品が批判される意味がわからない、本当にすばらしい作品です!!

レビューがあまり良くなかったので期待せずに観に行きましたが・・・

「すばらしい!」

観に行こうか悩んでいる人がいれば絶対に見たほうが良いと勧める!!!




ネタバレを避けたいので・・・ぼんやりと。

良い点は

◆物語がアニメ版同様きちんと練られている◆

アニメを見たときからストーリーが神だと思っていたので、その部分が劇場版でも劣っていなかったから良かった~!話の運び方もアニメと似てる気がするなー


悪い点は

◆説明が足りて無さ過ぎる◆

難しめの話なので私は理解するのに時間も説明ももっと必要だなぁ・・・。映画見て時間経ってから理解が徐々に追いついていくのは私が馬鹿だからなのか・・・??





笑いあり感動あり絶望あり(!)のシュタゲらしい作品。
とりあえず「すばらしい!」の一言に尽きる。
とある魔術のインなんとかさんの映画の100倍面白いw

もう一回観に行きたいなー。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

プロットはすごく良かったと思うのですけどぉ・・・

まず注意したいのが原作やテレビシリーズを知らない人が観ても1ミリの得にもならない仕様であることです
オカリンと共に壮絶なループの繰り返しを経てその先に待つシュタインズ・ゲート世界線へと辿り着いた者だけが観ることを許される映画だということをご承知下さい










2011年8月
Dメールやタイムリープマシンを巡る事件から1年、秋葉原の未来ガジェット研究所では帰国した牧瀬紅莉栖を迎えるパーティーが開かれていた
しかし事件の真相をただ一人記憶する特異点、「リーディングシュタイナー」の持ち主である岡部倫太郎は、1年前の壮絶な時間旅行の経験からなのか、かつて体験したいくつもの世界線の様子が突然フラッシュバックする異変に苦しんでいた
初めは妄想か白昼夢だと気を落ち着かせる岡部だが徐々に現実との区別がつかなくなっていき重症化してしまう
しかしそれは虚構などではなく並行するいくつもの世界線が見せた別の現実
それらが特異点である岡部に負荷となって集中し、「岡部のいない世界=r世界線」へと岡部を強烈に引き込もうとする力だった
リーディングシュタイナーの片鱗である「デジャヴ」という形で別の世界線での体験を記憶していた牧瀬紅莉栖はただ一人異変に気付き、封印されていたタイプリープマシンを完成させ岡部の消失を喰い止めるべく孤軍奮闘する・・・










と、プロットだけなぞるとすごくwktkモノの傑作
特にオカリンの人格形成にまつわる過去のターニングポイントに、実は某人物が関わっていたことが明かされるところなど良く考えたものです
ただ残念に、単に映画として雑だったと感じてます


前半はオカリンのモノローグで始まっておきながら、後半では主人公はすっかり紅莉栖へバトンタッチしてしまっており、のめり込み感を削いでいる
尺が90分もあった割りに肝心要のオカリンの過去への伏線の弱さ
オカリンと紅莉栖以外のラボメンの出番が少ないなど


ハッキリさせたいのですが、多くの方が心配なされている蛇足だったか?という点は否定しておきます
ただ結局シュタゲの面白さって伏線の回収、回収、また回収ってところだったじゃないですか?
2年近く待たされていることと劇場版であるということもあって期待値が高かっただけに、落胆する部分も多々あったというのが正直な気持ちです


ええ、ですがギャグパートはよかったですよw
それと紅莉栖と鈴羽のやりとりも聞き所


ファンなら必視、というほど大袈裟な言い方も出来ないのですが「完全新作オリジナルストーリー」と大見得切っただけあって先にも言った通りお話のプロットは悪くなかったです
でも先日ぱるたんに「花いろ、AURA、シュタゲ、観るならどれ?」と聞かれた時「花いろ観ろ」と即答してしまいましたw
暇なら是非全部観てあげて(爆

投稿 : 2024/04/20
♥ : 54

78.2 2 漂流で感動なアニメランキング2位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (580)
3126人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『ブルーウォーター』はアニメOPの金字塔

2018.07.26記


現在ではおそらくもう作られないであろう要素がてんこ盛りの古典。最近のアニメとは違った風に吹かれてみたいと思ったなら手を出すのは一興です。

個人的には思い入れの深い作品です。リアタイで衝撃を受け、2012年の地上波再放送と20年ぶりの視聴でも普通に完走できました。思い出補正があったとしても、作品に魅力がなければ無理だった話でしょう。

とかく「エヴァ前夜」的文脈で語られがちな作品であり、たしかにファンが目を細める描写もありますが、ジョジョ以前のバオー来訪者や、幽々白書以前のてんで性悪キューピッドのような扱いでは決してなく、独立した作品として白眉ものの出来かと思います。

同様に「ラピュタ」の亜種という側面も、出自を考慮すればそれも納得するわけで、決して劣化コピーではありません。


【物語】
大筋は、ブルーウォーターという宝石を巡って繰り広げられる冒険奇譚といったところでしょうか。海洋を舞台にした冒険活劇と言い切れないのは長丁場の作品の最終盤でこれまでの伏線を回収し一気に哲学的、宗教的昇華をみせるからかもしれません。
前半ラピュタの後半エヴァとは言いえて妙とは思うものの、できれば先入観を廃してフラットな視点で作品に向き合えるといいんでしょうね。

30年前の作品とは思えないほど今でも使える数々の仕掛けとそれでも少し埃を被った古典の味わいと両方を堪能できるハイブリッドアニメです。


【キャラ】
主役はナディアとおそらくジャンもそうなのかな。彼ら彼女らを中心に、グランディス一味(グランディス、サンソン、ハンソン)、マリー、キング、ネモ船長、エレクトラさんなど個々にファンがいるほどの魅力的なキャラ達が脇を固めます。敵役{netabare}ガーゴイル{/netabare}も充分憎たらしい役回りを担ってくれてます。彼らの掛け合いの中にも心揺さぶられる明言が多い。

ヒロインのナディアは今でいうところの「ツンデレ」。だがしかしそこは30年前。PDCAサイクルを経てある意味様式美と化した現在のテンプレには該当しません。水戸黄門ばりの様式美を期待してると裏切られたと感じるかもしれないし、逆手にとってとても新鮮と感じるかもしれません。
当時、雑誌アニメージュの人気投票において、マンガ連載中という地の利を活かし数年王座を守っていたナウシカからトップを初めて奪ったのがたしかナディアだったと記憶してます。そしてしばらく1位2位をこの二人で争ってたような。それだけ魅力あるヒロインだったんですね。


【声優】※評価というより思い出話
ジャン役日高のり子さん。浅倉南の爪痕が生々しい当時に少年役とはびっくらこいた記憶があります。
ナディア役鷹森淑乃さん。正直これ以外存じ上げないのですが、最近は進撃の巨人エレンのお母さん役で安否を確認できました。お元気そうで何よりです。{netabare}ネモ船長に「生きろ」と言われた後、一世代を経て今度はエレンに「生きるのよ」と。命のバトンを繋げております。 {/netabare}
{netabare}少しだけ演技に言及すると、フェイトさんの最期とか、「裏切りのエレクトラ」回のエレクトラさんとか演技で魂震えてたような気がする。{/netabare}
それと、マリー役水谷優子さんですね。同時期に放送開始したちびまるこのおねえちゃん役と声全然違ってたものですから、私が「声優ってすげーな」と思った最初の声優さんだったと記憶してます。つくづくもうお声が聞けないのは残念でなりません。

それでレビューを書くにあたりあらためてキャストを見ると、当時人気だったり実力のある方たちで固めていたようですね。どうりで感情移入しやすかったわけだ。


【作画】
メカやキャラデザは素晴らしく、物語中盤の作画崩壊?については他の方のレビューにもあるとおりなので特にここでは詳しく言及しません。
今でも鑑賞に耐えうる作画といいますか、30年後の今のクールでもナディア未満の作画はけっこうあることを考えれば上出来じゃないでしょうか。
特筆すべきは、海だし宝石の名前だしと青色を基調とした絵が多い作品における青の表現でしょうか。OPアニメーションの色合いなんて味わい深いものですよ。
{netabare}「島編」のカオス作画だって、当時における「外注することの対価としてどういった代償を払ったか?」ですとか、はたまた「今ではマシになった韓国からの納品物がいかばかりのものだったか?」と歴史遺産であるとの見方をもって楽しむと・・・いやムリか・・・
でもこれ勢いでNHKのゴールデンタイムで流してたわけですから、イケイケドンドンのバブル時代ならではだったからなのかもしれません。{/netabare}


【音楽】
OPED 森川美穂さんのシングル買いました。サントラだって買いました。
鷲巣さんの劇伴、今でもたまにバラエティで使われたりしてます。印象的な曲が多かった。
OPブルーウォーターのイントロが流れた時、「1週間お待たせ!いざ開幕!」のワクワク感は当時たまりませんでした。突き抜ける高温&ビブラートは心地よく、EDのロッカバラード的な曲調に静かに余韻に浸ったものです。
森川さんについてはバブル全盛期の見た目上等!の世相の中で、ボーカル一本で勝負するぜという潔さに痺れて憧れてましたね。確か自分で作詞作曲はやらずにいただいた曲をボーカリストとしてどう向き合うかに必死です的なインタビューを読んだ気がします。間違ってたらごめん。



■閑話休題 ※そこそこネタバレします
{netabare}
放送年度が1990年。前年にパリ万博100周年、フランス革命200周年とことフランスに焦点が当たった翌年に放送されたアニメです。物語の舞台設定は1889年、まさに万博開催中のパリにて興行中だったサーカス団の花形少女ナディアが事件に巻き込まれるところからスタートします。同じく巻き込まれてしまったジャンと一緒に、ブルーウォーターを狙うグランディス一味からの手に汗握る逃避行。ガキンチョだった自分がワクワクしないわけがないのであります。

私は1986年のラピュタに感動して冒険ものが好きになり、そうこうしてNEXTラピュタが登場するのを待ってたきらいがあったと思うのですが、ラピュタ以降でやっと心震える冒険ものに出会った気がしたのがナディアでした。NHKではこの数年前に「心っに冒険をぉ~」とのりピーが歌ってたアニメもあるにはあったのですが、実際のところ「冒険」感は控えめでした。やっとです。

放送の数か月前にはドラクエⅣが発売し、ミネアとマーニャというエキゾチックな女の子も魅力的だなと思ってた矢先に、ヘソ出し褐色の少女が主役のアニメに出会ってしまったのが運のつきでしたね。

世間一般の評価の一面として視聴率は悪かったと思います。18:00か19:00のゴールデンの時間で5%いったかいかなかったくらい。今よりもっと多くの人がTVを観てた時代、これは致命的に悪い数字です。
ナディアを機に購入し始めたアニメージュでの凄い盛り上がりとは対照的にクラスの友達に話を振ってもあまり観てるやつがおらず反応が薄いという状態。これまで北斗の拳やキン肉マンでは一緒に盛り上がれてたのに、と断絶を感じた瞬間でした。
{/netabare}


NHKという制約があったものの、丸々1年間の猶予期間を与えられた庵野秀明監督を筆頭とする当時のGAINAXの面々が思いっきり好きなことをやったらこんなん出来ました、という傑作です。


-----
2019.01.17追記
《配点を修正》


思い出補正しときます

投稿 : 2024/04/20
♥ : 45

セシウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

エアトンさん声優代わりすぎw

 平成初期の代表的なアニメ作品ですね。当時アニメと全く縁がない生活をしていた私も名前とヒロインのビジュアルだけはどっかで見て知っていました。
 メインストーリーは、発明好きな少年が美少女と出会っていろいろ冒険するというありふれたものです。しかしその他の要素として、19世紀末の帝国主義時代、褐色のヒロイン、3人組の泥棒、スーパー潜水艇、古代文明の遺跡、無人島、宇宙戦艦といったものをごちゃごちゃにつっこんでそれらをうまく纏め上げて一本のストーリーにしています。またパロディ要素もたくさんあって、昭和な人は更に楽しめると思います(笑

 制作予算が足りなかったという裏話が公然の情報になっていて、途中作画がメチャクチャになります(笑 しかし各キャラクターが生き生きとしていて私は終始楽しめました。

 ヒロインが黒人で、とても魅力的に描かれています。性格が怒りっぽく自己中心的で苦手だという人が結構いますが、実際外国人の女の子はあんな感じの態度が主流だったと思いますし、嫌なものは嫌とはっきり言う子の方が個人的には好きです。その他ハガネのようなメンタルを持つ主人公や、もの凄くクレバーな妹分の孤児、主人公たちの良き兄貴分・姉貴分である泥棒一味など登場人物が本当に魅力的でした。

 音楽は多彩です。OP曲は有名ですが、劇中にかかる音楽はシン・ゴジラのような迫力とノリがありました。あ、作っている人たちが同じでした(笑

 大感動するような作品ではありませんが、庵野秀明氏とその仲間たちが作ったエポックメイキングな作品として一度見てみる価値のある作品だと思います。
 
 最後にラストシーンで「もうこのような戦いは起こらないで欲しい」とある女性キャラがつぶやくのですが、世界が大戦争時代に突入する幕開けのタイミングなので、最後まで皮肉がきいているなと思いましたw

 

 
 

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ナディアの存在を受け入れられるかどうかで、評価が大きく変わってくる

この作品は、庵野秀明氏が監督を務めたTVアニメのひとつである。
ジュール・ヴェルヌが手掛けたSF小説『海底二万里』及び
『神秘の島』を原案となっているようだが、
よくよく調べてみると一部の名前や設定を除き
別物であることが分かった。

それに加え、元々は『海底世界一周』という企画
を宮崎駿氏がNHKに持ち込んだということも判明。
当初から天空の城ラピュタを思い起こさせるシーンが
多いなーと感じてはいたのだが、これですっきりした。

内容に関してだが、(先ほどの理由から)天空の城ラピュタとの
共通点が多いので、天空の城ラピュタについて書かれている
他の方のレビューを参考にして頂けると幸いだ。

ちなみに、ナディアの酷評も含まれているため
彼女に思い入れのある方は見ないことを推奨する。

まず良かったところから。

(ラピュタと類似しているというのもあるが)
序盤から引き込まれるストーリー構成だった。
OPを見た限りではほとんど明るい作風で進むのかと
思いきや、5話のベルデ諸島マハル回や15話の有毒ガス回など
息が詰まるような話もあり驚かされた。
また、そういった出来事を通じ、たびたび衝突する場面を
描くことで緊張感を生み出すことに成功している。

キャラクターが発する台詞で考えらせられることも多かった。
ただ、中盤から後半ににおける無人島編においては
到底褒められたものではなかったが。これに関しては
後で後述することにする。

主人公陣営で印象的だったのはグランディス一味。
序盤ではナディアの敵ではあったが、中盤以降は頼もしい
味方として力を発揮してくれる心強いキャラクター。

グランディス、サムソン、ハンソンの3人がいるのだが、
主人公のナディアとジャンにそれぞれアドバイスをくれたり、
時には叱るといったよきサポート役を担っている。
当初の段階では、早くにそのまま消失してしまうのではと
思っていたが、今思い返すと終盤まで彼らを登場させたの
には大きな意義があったのだと考えを改めた。

個人的な意見ではあるが、悪の首領であるガーゴイルは
この作品にはなくてはならない存在だと思う。
自分をアトランティス人の末裔と称し、人間を愚かな生物と
見下す傲慢な人物だ。また、古代アトランティス人の
科学技術を崇拝視する科学崇拝者としての側面を
持っており、傲慢さを助長している。

目的達成のためならば、人々をためらうことなく残虐する
だけに留まらず、部下を切り捨てる非情さも
持ち合わせている。正に外道。

ちなみに、指示の合図にフィンガースナップを
多用するため、指パッチン大好きおじさんグループの
仲間だったりする。
例の衣装が、ハウス食品のスナック菓子でお馴染みの
とんがりコーンを思い起こさせるような気がするが、
それは私だけだろう。哀れな最期を遂げるが、その時まで
自分の役割を果たしている点は高く評価したい。

気になるところもいくつか見受けられた。
確か23話から34話だったと思うが、無人島編辺りから
急にテンポが悪くなった。一応物語の進展はあるが、
非常にむず痒い気分にさせられたのは事実。

特に酷いのは34話。いわゆる回想回にあたるのだが、
本当にくどい。対して面白くない上に、途中で曲を
4.5曲ほど挿入してくるので気持ちが萎えてしまったのだ。

34話まで我慢して見ていたが、この回だけは流石に
製作スタッフへバベルの光を放ちたくなるレベル。
どっかのお侍さんが見ていたら、「うおっまぶしっ」と
発するに違いない。ぶっちゃけ、食事休憩や風呂の時間に
費やした方が良いと思われる。

無人島編における脚本も相まって、ナディアへ好感を
持つことが極めて困難になってしまった。
序盤から我がままで疑り深い性格ではあったが、
「最初だしこんなもんだろうなー」と温かい目で見てきた。

だが、無人島編に入ってからもそれが続くようなら話は別。
何かあれば「どうしてなの?」
動物に助けてもらえなかったら「どうして私を助けてくれないの?」
の繰り返し。他の仲間たちから心配されてもお構いなし。

ジャンに対しての扱いは酷いもので、見ているこっちから
すれば足を引っ張る足手まといという印象でしかない。
ジャンの純粋さや辛抱強さに救われたのは言うまでもない。
心の中では、他にもっといい女性を見つけたほうが良い
のになーと思ったが、それでは物語が破綻してしまうもんね。
だれか、ジャンの開発が実用化されるまで費用を
投資してあげてください。

ガーゴイルが終盤において語るアトランティス人の秘密や
戦闘シーンなど目を見張るものがあったが、手放しで
褒められない部分があったのも事実。
少なくとも庵野秀明氏を語る上では重要な作品で
あることに変わりはない。個人的には良作だと思う。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 21
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