2020年度の神様おすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2020年度の神様成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月24日の時点で一番の2020年度の神様おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.5 1 2020年度の神様アニメランキング1位
神様になった日(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (749)
2203人が棚に入れました
高校最後の夏休み、大学受験を控えた日々を送る成神 陽太の目の前に、ある日突然「全知の神」を自称する少女・ひなが現れる。「30日後にこの世界は終わる」そう告げるひなに困惑する陽太だったが、神のような予知能力を目の当たりにし、その力が本物だと確信する。超常的な力とは裏腹に天真爛漫であどけないひなは、なぜか陽太の家に居候することが決まり、2人は共同生活を送ることになる。「世界の終わり」に向けて、騒がしいひと夏が始まる。

声優・キャラクター
佐倉綾音、花江夏樹、石川由依、木村良平、桑原由気
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

神様の変容

酷評されてはいるが、一般人の感覚では十分楽しめる作品だったと思う。

聞くところによると、本作では「原点回帰」が目指されていたとか。
ゲームをしない自分は、Keyも麻枝准もよくは知らず、
アニメも「Charlotte」「Rewrite」くらいしか観ていないので
「原点」の意味するところは分からないのだが、素人の想像を逞しくすると
あるいは初心に帰って、シンプルで明快なテーマ性をもった人間ドラマを作ってみる、
そんな意図だったのかとも思う。本作には時間を生きる人間の自然な姿が描かれていて
幸福とは何かという、重要なテーマへのシンプルな答えも織り込まれている。

「麻枝准=泣かせ」といった予断を一旦クリアして
ごくありふれた、平凡なヒューマンドラマとして本作を観た場合、
一貫したテーマとして追求されているものが何であるかを考えてみた。


{netabare}ひな、陽太、伊座並さん。
この三人による恋愛コメディが展開される前半パートは
第五話の伊座並さん回で締め括られ、それに続く後半パートでは
ひなと陽太の二人に焦点が絞られるが、テーマ的な次元では前半部と連続している。

キーワードはおそらく、「変化」である。

前半部のひなは無闇矢鱈に周囲に変化をあおる存在だ。
世界の終わりが目前に迫っていることが直接の理由だが、
彼女自身、生まれて初めて普通の生活を手に入れることができた
その限られた時間を謳歌するためには立ち止まっていられないのだ。

ストーリーの軸となる恋愛では、子供時代からの固定した関係を変化させるに至らず、
実は陽太自身もそれほど強くは変化を望んでいなかったふしもある。
むしろそこから派生的に生じたエピソードに「変化」というテーマが濃厚に表れてくる。
ラーメン回などもこのギャグバージョンとして観られそうだ。
勿論、テーマが凝縮されているのは伊座並家をめぐる変化と再生の物語であって、
この第五話は後半への布石と見なすことができる。それは、この回で追求されたテーマが
後半部の陽太とひなの関係の中で再現されているからだ。
そのテーマとは、「苦しみながら変化を受け容れる」というものである。


後半、陽太は変わり果てたひなと再会する。

ひなを連れ帰るために自分たちのことを思い出させようとする彼の懸命の努力は
ひたすら空回りする。この部分のかなり誇張気味の描写が意図するものはおそらく、
まさに神レベルとも言える、ひなのドラスティックな変化を受け容れることができず、
逆に強引に元の関係を受け容れさせようとする陽太の苦悩の表出ではないだろうか。
本来の彼は高い受容性をもっている。それが時間の制限による焦りに加え、
ひなへの感情がすでに恋愛のそれに変わっていることから来る切実な想いが
この醜態を招いてしまっているように思う。


そして、陽太が強制的に退去させられる問題の場面。

ひなの記憶が戻るのはおかしいという点について自分はこう考える。

記憶が戻ったというのとは多分違うのだろう。
レビュアーさんの一人がいみじくも書いておられるように、
脳ではなく心に刻まれている感覚のようなものを想定してみたい。
記憶を失った人でも、特定の恐怖心などで以前の反応を示す場合があるように、
精神ではなく身体的な次元に残存する何かがあるはずだ。

このシーンが第九話の(反転した)再現であることに注意したい。
連れ去られようとしているひなを陽太が必死に追いかけようとした
あの時と同じく、陽太と引き離されて二度と会えなくなる不安をひなは感じていて
その時の恐怖と悲しみの感情がとっさに甦ったと考えられるのではないか。
だから、その同じ瞬間に陽太に対して抱いていた気持ちが同時に反復されて
「ようたすき。」という言葉がこぼれ落ちたのではないか。

「残ってたんだ、あの時の気持ちが。僕たちは今も想いあっているんだ。
 そんな気持ちもわからずに、そんな想いも僕は気づかずに・・・」

彼の自責の念は要するに、ひながとっくに彼を受け容れていたにもかかわらず
自分の方がそれに気づかずにいたということだ。だがそれも無理はない。
ひなにはもはや持続的な自我はなく、断片的な反応を示しているだけなのだから。
それでも、一個の人格の統合性は精神のみではなく、存在全体に関わるものである。
ひなは確かに、自分の存在のすべてを傾けて陽太を受容した。


記憶は失われても想いだけは消えずに残っていてほしい。
それはひなの最後の願いでもあった。
連れ去られる直前にひなはこう言い残していた。

「貴様と過ごしたこの夏は消えてなくなるが、今感じているこの気持ち、
 せめてそれだけは残っていてほしい。そう願うわしがおる。」

ここでさらにもう一つ、重要な要素がテーマに加えられる。
変化を受容すること。それが出来るのは、変わらないものがあるからなのだ。
そして、変わらないものを心に保つことは、さらに変わってゆくためでもある。
伊座並さん父娘にとってのお母さん、それから鈴木少年の束の間の学校生活。
それぞれがかけがえのない思い出を抱きながら変わっていこうとしている。
ひなにもまた、永遠に変わらない宝箱のような奇跡の夏の思い出がある。
作品冒頭で出会ったのは、それらの日々を回想しながら永遠の幸福感に包まれている
心象の中の現在のひななのだろうか。


人生の本質的な相貌である、「変化」の肯定。
これがヒューマンドラマとしての本作が内包するメッセージだろう。

無事帰宅したひなの変化を周囲は自然に受け容れる。
そもそも友人たちのほぼ全員が、直近に変化を経験している点がポイントだ。
陽太はさらに、ひなの変化をまるごと自分の人生に受け容れる決意によって
自分が変わるきっかけをつかむ。

だが、これは決して感動的な結末ではないように思う。
「奇跡は一瞬だから強く光り輝いて見える」とひなの父も言った。
神様ではなくなったひなには、この先の変化はもはや望めない。
陽太はその奇跡をもう一度起こすために自分の人生のすべてを賭ける決意をする。
これはある意味、ひなの父の予言が的中した事態とも言えるのではないか?
二人で夜景を眺めながら陽太がひなにかけた言葉は、ほぼ完全に
プロポーズになっていることに気づいてはっとした。そして見方によってはこれが
慄然とするような残酷なエンドであることを改めて理解したのだ。

終末の風景の中にただ二人だけがいて、荒涼とした世界と向かい合っている、
映画のこのエンディングは、二人の未来を暗示しているようにも思える。
あるいはゲーム原作者らしく、二つのルートのエンドを並置してきたのだろうか。
だとすればこれがこの作品の本当のエンドだと言っていいのかも知れない。
{/netabare}

(初投稿:20021.1.8)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 21

御宅 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

何をしたかったのだろうか

この作品はあまりにも物語が逸脱しすぎていて、何がしたかったのか皆目見当がつかなかった。突然にして分かる主人公とヒロインの恋愛関係であったり、伏線臭を漂わせていた発言などは一切回収せず、「ヒロインは何者なのか」といったところがおざなりになっていた。また、キービジュアルにも使い重要人物臭を出しておいたハッカーがシリアス回の駒役というありさま。

ギャグ、シリアスの両方ともに中途半端。

麻枝さんの脚本はもう厳しいと思います。10年前から言われているように、麻枝さんに関しては曲だけ制作していてほしい。曲だけは本当に素晴らしいです。

キャスト陣も役柄に合っていないような感じがしました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

君には期待してない

ある夏の日。突然「30日後に世界は終わる」と告げる一人の少女が現れてのすったもんだ。
こういったへんてこなツカミは大歓迎。多少アニメを観てる層にはおなじみの『KEY×P.A.WORKS』のゴールデンコンビ。独特なクセの強さにハマるとこのコンビが翼くんと岬くんに見えてくるわりと業界でも成功しているカップリングでございます。
当然のように2020年秋期を牽引することを期待されてた作品だったといえましょう。


さっそくの結論。感想は“つまらない”であり、端的にその理由を述べると主人公がダメ。
その前提で以下長々と失礼します。


keyはわりとプロトコルがきっちりしていて前半のドタバタとおおむね3分の2終わったあたり(8話近辺)での超展開。救いなさげなネタを投じてからのやや前向きな内容で終幕。音楽は独自性ありで映像は綺麗。演出面で秀でてるなと感じるところ。
今回も手順は同様でした。悪い意味ではなく、笑点をマンネリだと眉を上げないのと一緒です。

そのため過去の自身の立ち位置が参考になります。これまでの評価は以下

 クラナド3.9
 アフター4.6
 kanon 3.9
 Air 4.2
 AB 4・0
 シャーロット3.9

面白い/普通の分水嶺を4.0に置いており多くがボーダーライン上なのです。アフターストーリーが突出してプラス。見方を変えればムラがないともいえる実績。
完走し良いほうに転ぶと前半のドタバタ劇は「あの時は平和だったよね」となり、パッケージ全体で落ち着くところに落ち着くのですが今回はそうはいきませんでした。
高い要求レベルを求めるとそもそもクールで一つはある4.3点以上の評価に届かないKey作品群。

 共通する弱みはなにか?

尺不足だと考えます。閉じてない群像スタイルの合う作風でキャラの増加は妥当。超展開を支える骨子の説明に時間を割くのも妥当。
そうするとどうしてもキャラの深掘りはできず説明不足に陥ります。ただしこれは構成上やむを得ない二律背反。超展開止めたらそれこそブーイングの嵐でしょう。工夫は見てとれ、尺を使うキャラの“心情掘り下げ”よりも、キャラの持つ“クセの強さ”でのインパクト狙いにやや軸足置いてますよね。

充分すぎる尺をとった『CLANNAD』や1クールなら登場人物を絞り気味だった『AIR』の評価が高いためより一層そう思ってるところがある私です。


 キャラの心情描写に期待してない
 1クールでそこそこまとめてくるだろう


そんな高すぎない私の期待値すら下回ったのは、ひとえに主人公陽太くんのキャラクター性に負うところが大きい。これは好みではないかと。
私が嫌いなタイプ

 {netabare}やる気のある無能{/netabare}

そのまんまでした。花江さんこういうのやらせるとほんとに上手ですよね。さらにさらに、好き嫌いはしょうがなくても作品評価に直結してしまったのには別の理由があります。

それは大黒柱の性格。好き嫌いじゃないですよ。これまではいくらメイン/サブ問わず歴代ヒロインがぶっ飛んでいても、♂は堅実に狂言回しするタイプを配置してたんだと思います。

【歴代♂】
 岡崎朋也(CV中村悠一)
 国崎往人(CV緑川光)
 相沢祐一(CV杉田智和)
 音無結弦(CV神谷浩史)
 乙坂有宇(CV内山昂輝)

下衆いの一人{netabare}(乙坂くん){/netabare}混ざってますがそんな彼すら当時それほど気にならなかったのは、みんな一歩退いてたり、やや皮肉屋だったりどこか冷めてるところが共通していて既視感があったから。
それが本作では前に出てくるタイプへと変貌を遂げて、バランス崩壊の決定打となりました。

いくら「そう来るか!」のびっくり要素がきても
終盤の泣き要素をかぶせてきても


※ネタバレ
{netabare}ひと夏の恋で廃人の人生を背負うと決意し行動するのが意味不明。{/netabare}
{netabare}ひな父のスタンスが至極真っ当できちんとそういった人も描けているのにどうしちゃったんだろう?{/netabare}


茶番劇にしか見えなかった此度のKEY×P.A.WORKSでした。
プロトコル変にいじっちゃって途端につまらなくなっちゃった例になるのかしら。
おそらく大喜利の特番なんかで座布団運びを山田たかおじゃないアイドルにやらせちゃったことで感じる「コレジャナイ」感に近しいもの。
なんだかんだいつもながらの壮大なマンネリを強く期待してたのは私だったのかもしれません。



※ネタバレ所感

■強く擁護する

腹を抱えて笑いました。牛乳飲んでる途中でなくてほんとよかった。

{netabare}第4話麻雀回。
「二色同順」「ドラ隣」「途中まで通貫」「喰い七対子」で腰を抜かす。
アガられるか?のピンチでスキップとリバース。UNOかよ!
やってることは無茶苦茶でルールを無視したゲームは成り立たないのは承知の上で、「二色同順ドラ隣ドラ隣(2300点)」でドヤられたのが心地よかった第4話でした。{/netabare}


■絆(余談)

10年前に感じた嫌悪感。覚悟無き善意の押しつけと言ったら妥当だろうか。

{netabare}奪還するために施設に乗り込むのは構わないんですけど、普通なら施設で療養を続けるべき事案です。
そんなのを超越する情が芽生えるにはひと夏の恋で説明するには強引と思うのは既述のとおり。
後日譚が描かれることはありませんしできません。単独での介護は不可能で必ず家族を巻き込む未来が見えてます。仕事の選択も限られるし仕事中誰が面倒みるの?とかそもそも高校生は養うための収入がありません。子犬を拾ってきてもおかんに「誰が世話するの?」となるわけだし、おかんに怒られるかもと拾う時に迷うものですが、そんなの描いてたら成立しない物語となってます。

リアリティはないし、ファンタジー路線ですら寓話にもならないんですよね。
キャラクターの弱みがもろに出てました。繰り返しますが“やる気のある無能”なんです。10歳満たない子供が同情心から衝動的に捨て犬を拾うことはあるかもしらんし、「毎日僕(私)が散歩に連れてく!」くらいの言い訳は用意するだろうに、それすら微塵も感じさせない高校生というのが自分には致命的でした。しかも犬ではなく人間だもの。

これは覚悟無き善意の押しつけです。
覚悟の定義にもよりますが、気合だけで思慮のない浅い行動をとることを覚悟とは言いませんよね。考えた形跡がなくヒロイックな気分に浸って酔ってるようにしか見えませんでした。{/netabare}


さらに10年前ということで刃をあなたにも突きつける。


{netabare}「絆」「私たちにできること」という機運が生じた10年前。
震災がれきの受け入れを拒否した人少なくなかったですよね。測定して数値がほぼゼロだったと言おうががれき撤去が進まず復興が進まないと言おうが、測定値が信じられないとか漠たる不安とかやらない理由をあげつらった善意の市民。
当時の東京都知事石原慎太郎が四の五の言わず「受け入れる」と決定したのに反感をもった方々もまあ同じ穴のナントカでしょう。文句言うだけの楽な商売です。某体操選手が言ったように「どうやったらできるかを考えてほしい」の数段前にいながらこういうのに限って似非ヒューマニズムをまき散らす。非を認めず他に責を求める。ついでに感謝の意を示さないと怒る。なんで被災した身ながらお前らの感動ポルノに配慮しなきゃいかんのよと思いましたね。
いまさら掘り返して怒る気もないし、日本全国動揺しまくってた時期だとの情状酌量もあるので「当時私はそう強く思ってた」というそれ以上でも以下でもないです。{/netabare}


同情が欲しいわけではなく関心寄せるなら適切な行動を取ってくれという事案。
身近なものなのに身近なものとして捉えることを拒否したアニメ作品と身近なものになった途端逃走した現実の出来事。
災難だったり不幸を目の前にして当事者意識がないのは一緒なのですよ。


プロトコルの変更(主人公♂)で生じたメッセージ(善意の押しつけ)への非共感で沈んだ一品です。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2021.01.31 初稿
2021.09.28 修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 57

75.4 2 2020年度の神様アニメランキング2位
虚構推理(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (572)
2319人が棚に入れました
怪異"たちの知恵の神となり、日々“怪異"たちから寄せられるトラブルを解決している少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異"にさえ恐れられる男だった!?そんな普通ではない2人が、“怪異"たちの引き起こすミステリアスな事件に立ち向かう[恋愛×伝奇×ミステリ]!!2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

声優・キャラクター
鬼頭明里、宮野真守、福圓美里、上坂すみれ、浜田賢二、佐古真弓、下山吉光、本山かおり、塙真奈美、後藤ヒロキ、宮田幸季、前田玲奈、飛田展男、大南悠

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2020年冬クール開始前から期待の一作、出だしは好調! 第3話後半より「鋼人七瀬事件」に突入!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話を観ました。評価は暫定です。

放送開始前から楽しみだった一作です。作品ジャンルは「伝奇ミステリー」とかそんな感じ。

きっちり1話を使って妖たちの間での岩永琴子の立ち位置であったり、桜川九郎の能力であったりを説明してなおかつ1つの「事件」を次に引きずることなく解決する。でも九郎が何者なのかはハッキリとは明かされず次話への興味を引っ張るという、シリーズ物の第1話としてはかなり上出来なエピソードでした。

琴子のビジュアルと、声や性格のギャップは人気を得る要素になり得そう。視聴継続の判断を1話できっちりとできそうな感じでとても良かったと思います。
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.2.3追記:
第3話後半から「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」編に入っています。第1話が原作1巻プロローグ部分をコミカライズ時に膨らませたもの、第2話~第3話前半が原作短編集に含まれていた1エピソードだったのに対して、「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」は原作小説ほぼ1巻全部に相当するので結構話数を必要とするはずです。

作中でアイドル七瀬かりんのSNSアカウントや、「鋼人七瀬まとめサイト」が出てくるのですが、これらをわざわざ作成しているこのアニメの制作スタッフは良い意味でアホです(笑)。

七瀬かりんtwitter: https://twitter.com/karin7se
鋼人七瀬まとめサイト: https://www.kojin7se.com/

第4話に出てきた、作中ドラマ『青春!火吹き娘!』のOP主題歌も力が入っていますね。

2020.3.29追記:
最終話まで視聴終了。

結局、「鋼人七瀬事件」で終わりましたね。原作は短編集も含めて文庫3巻分しかないので、それほど潤沢に原作エピソードがあるわけでもないということを「こんなものか」という気もしますが、1クールのアニメ作品として見ると「鋼人七瀬事件」に尺を使いすぎてテンポが良くないという見方もあると思います。

私の場合はそこは置いて映像化自体を喜んでいた口ですが、合わない人もけっこういたんじゃないでしょうか。

作画は画が崩れたりはしないのですが、なめらかでない動きなどもあって手放しに「良い」というほどでもないです。(それでも最近だと良い方かも?)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 55
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

観終わった

5話までの感想{netabare}
えっ、監督後藤圭二なのか、何故か自分は勝手に経営側に回って現場は退いたのだと思ってた、トンだ勘違い、ホント何でだろー?
じゃあキャラデザは門之園?と思ったらそうじゃないみたい、けど門之園の雰囲気がする、名前変えて参加してるのか?そこんところよく知らんから参る。

でもって内容。
どうしても自分は「人間がアヤカシの類とおいそれと関わってはマズい」という価値観が染み付いてて、もっと言っちゃえば関わってる間に人間ならざるものに段々と変容してしまうんじゃないか?という思想が根底にありまして。
一体何の影響だろう、ゲゲゲ?
ということで1話見た時点では「そうそう、こうだよこう」と妙に納得。
そういえば“かくりよの宿飯”では幼い頃にアヤカシから食い物の施しを受けて「あれ食ったのはヤバいんじゃないか」とよもつへぐい的な印象を持ったのだけど、全然そうじゃなくて「あれー?」となったのを思い出したりもしたり。
自分はやっぱこっち(なにかリスクがある)の方がシックリ来るなぁ。
と、1話の感触は上々だったものの2話で方向性がよく分からず困惑、そして3話でやーっとこの作品の方向性が分かった気分。
人間から見たらアヤカシの価値観なんて道理が違いすぎて理解し難い、それはアヤカシから人間を見た時もそうだろう、琴子はそれの間を取り持つ──事実はどうあれ納得させる屁理屈をでっち上げる──のがこの作品のテーマかな?と。
ってか3話Aパートまでが2話の続きで構成が変則的だねぇ、2話終わった段階で「え、まだこの件続くの?」と思いかけてたくらいで、Aパートで終わってよかったんだけどさ。

が、4話から再び戸惑うことに。
また続くんかい!ってかアイドルのPVシーン思い切り監督の趣味だろwww
そんなんで時間稼ぎして引っ張って、なんかイヤ~な予感がするんだけど…。
そして5話、予感的中。
人の噂話などの集団心理が具現化してアヤカシになるって…怪奇モノやオカルト系では超メジャーじゃない?それこそよもつへぐいよりも。
題材にするのは構わないのだけどそこまで引っ張るほどのネタかなー?
同期放送の“自縛少年花子くん”なんか第二話の中でサラっと触れてサラっと解決してたし…もうひと捻りあるのかな。
ってかホラ、大蛇の件でも触れてたじゃない?人からの信仰が薄まって弱くなった、みたいなの。
鋼人七瀬も同じじゃん?
大蛇の時点で「この作品世界ではそういう法則なのねー」ってのは出来上がってて、5話は伏線どころか公開した設定を謎のトリックにしただけで…なんだコレ?
なにより大して驚くようなネタでもないのに話が長い、アクションも冗長、あっるぇ~?

…と思ったら、アニメは原作と順序が違うらしい。
あらー、じゃあアニメスタッフが順番入れ替える際に調整ミスしたってことか?
とにかく妙に引き伸ばし感を感じる、ヘタに引っ張らなければ気にしなかったのに…。
「原作のここまでをアニメにする」ってのを決める時、かなり巻数が少なかったとか?{/netabare}

6話感想{netabare}
6話は終始「ああもう分かった、分かったから話進めてくれ」って感じ、朝礼の校長挨拶かな?
噂が力を与えてるので別の噂を流しましょうってだけの話で、「想定される問題」は実際に問題にブチ当たってから説明すればいいよ、もう。
ってか簡単な話を簡単に説明するのと簡単な話を難しく説明するの、どっちが賢いんだろう?
難しい話を簡単に説明できるのが最も賢いと思うので、その正反対は?と考えると…うん。
ところで、単純な事件をゴチャゴチャとかき回してズルズルと時間を引っ張るのをネタに昇華したギャグ作品で、実写だけど“33分探偵”ってのがありまして。
なーんかこれ見てたらそれを思い出して仕方なかった、「なんやかんや」の部分をアヤカシに置き換えてつまらなくした感じ。

ま、まぁこれはね、↑でも書いたけど“自縛少年花子くん”と放送時期が被ってるせいかもしれない。
あっちはあっちでオガメグとツダケンが何喋ってるのか聞き取れなくて困ったことになってるけどw{/netabare}

8話までの感想{netabare}
話は置いといて絵について。
派手なアクションがあるでもなしキャラ数が多いワケでもなし、絵を描く側としてはそれなりに余裕があるのだろうか。
ってことなのか、六花の「痩せギスっぷり」はよく描けてるんじゃない?
自分はそうじゃないけど、世の中には枯れ木のようなガリガリのヒョロヒョロが好みって人も居て、そこら辺のフェチは感じたw
他のアニメでこういうキャラは大体目の下にクマがある程度かもしくは極端にブサイクに描かれて、ここまでガリガリに描いておいて美女ってのは珍しいと思う。
さすが絵描き上がりを監督に就けただけはある、と言っていいのかな?(話は置いといてね)
しかも六花は人魚肉食って不死、見た目ああでも多分健康には問題無くて、痩せギス好きには理想に近いんじゃなかろうか。
そりゃ九郎も惹かれるわw
それと同期放送の“異種族レビュアーズ”が対極的にムチムチした肉感的(時にはデブ)なのが大々大好きなうのまことが大暴れしてて引き立ったせいもあるかも?
(逆に、果たしてレビュアーズは痩せギスを描けるのか?ってところも興味湧いてきたり)
↑で書いた様に“花子くん”とネタ被りしてツイてないなぁと思ってたけど、レビュアーズと被ったのはラッキーかも?{/netabare}

9話感想{netabare}
ネット世界のイメージ映像、ナデシコのルリやキディグレイドのリュミエールを思い出した。
ああ、これで後藤監督を起用だったのか?

ただ…こればっかりはどうしようもないのかなぁ、ディテールが現実に対しチト古い、作中時代は一昔前だっけ?
今だったらネット上の主張合戦は掲示板だけでなく動画投稿が大きなウェイトを占めるんじゃないかな、ゆっくり辺りに喋らせたヤツ。
原作を発表してヒットして、アニメ化が決まって作って、放送されるまでのタイムラグは避けようがないか。

で、もしコンクリブロックで撲殺したなら鑑識でバレるんじゃない?ってツッコミはまぁ、推理モノではまぁ…。
あくまでイメージで、便宜上コンクリなだけで「紐で縛れて重くて固くて直撃したら死ぬ」の条件を満たせば『なんでもいい』のだろうけど…だったらもっとこう、モヤ~っとした物質にはできなかったかな?
↑で挙げた“33分探偵”では「鈍器のようなもので殴打」のイメージ映像は壷のようなボーリング玉なようなモヤっとした物質で、「鈍器のようなものって何?」という突っ込みに「鈍器のようなものは鈍器のようなものです!」と返してたのを思い出した。
というかそういった強引な態度で「でっち上げの推理」を押し通すのがウリの作品だった訳だけど…なんか“虚構推理”を見てると33分探偵を思い出して仕方ない。
しかも33分探偵は33分で事件が解決する一話完結モノ、そもそも5分で解決する事件を33分に引き伸ばす内容で、こっちの数週間に渡って鋼人七瀬の話をしてるのはさすがに「引き伸ばしが過ぎる」と思わずにいられない。
ってかさぁ、パク…パロとは言わないけど、着想の一部に33分探偵があるんじゃない?
「正直そっちを見た方…がゲフンゲフン」なんてことにならない展開には期待してるけど…。{/netabare}

10話感想{netabare}
原作は未読、先の展開は全く知らない。
知らないからこそ素っ頓狂な妄想(願望?)すると、最後は「なんでこんなことに夢中になってたんだろう」と掲示板連中の興味を失わせるオチだったりして?
デマって大抵そうじゃない?
で、その可能性がある限り…感情移入?自己投影?なんていうんだ、掲示板のメンバーになったつもりで話に耳を傾けることができない。
とこか冷めた目で「バカみたいなことゴチャゴチャ言ってんなー」って感じで…。
と思ったら、あ!この感覚ってガッチャマンクラウズだw
クラウズがダメってことじゃなくて、{netabare}暴走した集団心理は説得なんて通じなくてもう冷や水ぶっかけるしか手段が無い{/netabare}って内容で…私は発想がそっち寄りだなぁ。
逆を言っちゃうと、本作は「よく話の通じる連中ばかりなことで」と違和感を拭えない。
当然クダンの力のお陰って説明はあるものの、掲示板であんなやりとりってリアイリティとしてどうなんだろう。
いやホント掲示板の連中よくこんな奴真面目に相手できるなぁ、と。
「長文ウザい、3行で」って言われないのか。
仮説だと断ってたクセして言葉の最後を「~なのである」「~であるからだ」と断定口調で締めてるのもキツい、結構イラっと来るw
「まるで見てきたかのようだな」って突っ込みは入らないのか。
それらもオチに向かっての仕込みなら構わないのだけど、果たしてどうなんかな~?{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
鋼人七瀬パートが長すぎ、ってのは私が言わなくても他の方も指摘してるでしょう。
で、冗長なだけでもアレなのに、その内容も…全然共感できないから困りモノ。

ネット上のデマ関係なんて、それこそ最近ではNHKの京アニ報道だとか、ちょっと前ならスマイリーキクチとか色々あって(コロナ関係はノーコメント)。
更には個人的に…そこまで追求はしてないけどボーっと眺める程度には追っかけてる騒動とかもあったりして。
それで感じるのは、現実のネット民ナメ過ぎな気が…。
少なくとも上記の例だけでも、誘導されやすい系って過度な正義感に燃えてる人が多い気がする。
言い方変えれば、被害者でもないのに加害者を設定してそれを叩く自分正しい、みたいなのにすっごい食い付きが良い。
そこら辺考えると“ガッチャマンクラウズ”の方が良くできてたのかな?と思ってしまう…というか“アンパンマン”だってそれをテーマに据えてる訳で(ゲストキャラにバイキンマンが「えーん、アンパンマンに酷いことされたよー」と嘘を吹き込んで「それは酷い、よーしボクが成敗してやる」って話が多い、非常に多い)。
この作品では「人間の興味なんてそんなもの」で片付けようとしてたけど、実際は好奇心より正義感のが勝るんじゃないかな?ネットだと特に。
もし誘導したいのなら正義感をくすぐるような餌をバラ撒けばいいのに…とずっと思ってて、だけどそれはやらず淡々と理屈並べるばかりで、多分それで考えを二転三転する人ってそう多くない気がする。

でもって肝心の理屈が…冗長なうえに説得力を欠くから困ったもので。
これはアニメスタッフの責任になる…のか?
琴子のでっち上げの推理部分、「空想による再現映像」だけど、それが詳細に描(えが)かれ過ぎ。
文章だけならなんとなくボヤーンで済ませるところをハッキリと絵で描いてしまって、そこに更に琴子の断定口調が加わって「まるで見てきたかのよう」と思ってしまう。
立てかけたあった鉄骨を蹴って上手いこと被害者の上に倒すとか、そこは「なんやかんやして鉄骨を落とした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
寺田刑事が懐中電灯で気絶させられるのも、「いい感じに手ごろに鈍器のようなものがあってそれで不意打ちした」とボヤかせばいいのにハッキリと描いてしまった。
「あの状況で気絶させた」の条件を満たせばいいだけなので、もしかしたら色仕掛けで隙を突いたでもいいワケで(作家によってはそこを頑張って書くだろう)、あそこまで詳細に描く必要は無い。
大雑把でいい部分を事細かに自信満々で断定するものだから、どうしても「なにをもってそうだと断言してるの?」と疑問の範囲がデカくなってしまう。
その結果琴子の推論に賛同できないし、まんまとノセられてる掲示板の参加者がアホに見えて仕方なくなる。
「あくまでイメージ映像です」ってことで参加者は文章で聞かされてるだけなんだと思おうにもそこまで感情移入はなかなか辛いって、原作未読でアニメでしか知らない人は特にそうじゃない?
要は詐欺の手口の話なので「曖昧なまま気付かれないようにしれっと流す部分」があるのは構わないハズ──場合によっては屁理屈よりそっちの方が腕の見せ所かも──なのに、アニメではそれを律儀に詳らかにしてしまって詐欺師の言い分のおかしい箇所を明かしてしまっている。

正直言ってこれ…原作者が一番頭抱えてそう、「なんでそこそう描いちゃうかなぁ」と。
{netabare}と、これも所詮アニメスタッフを加害者・原作者を被害者に設定したロジックで、ここまで読んで「うんうん、アニメスタッフ酷いよね」と思った方は…まぁそういうこと{/netabare}

本編の大半が鋼人七瀬編なのでそっちに関して先に書いてしまったけど、それ以外の部分は良かった。
「人間と怪異は交わるものではない」は何故か私もその価値観で、というかそういう前提でタブーに踏み込む感じこそが妖怪モノの真骨頂かな?とも思ってて。
なのでもし人間が怪異と交流しようとするなら肉体や精神がマトモでいられない(琴子)、ましてや妖怪の肉なんて食べたら只では済まない(九郎)、そこんところちゃんと踏まえてるのは安心する。
(それが普通だと思うのだけど、最近そうじゃないのがあってね…)
果たして想像の上とはいえ七瀬かりんや寺田をオモチャにするような真似はどうなん?ってのも、怪異と係わりすぎて価値観が真っ当な人間とは違っちゃってる、と考えればそこまで酷いとは思わない。
琴子のシモい性格だって、妖怪(土着信仰?)なんてお下劣なのが多い訳で、それに染まってりゃああもなるんじゃない?とも。
だから尚更「七瀬パートなんていいからもっと短編やってよ」みたいな不満が溜まる…参ったねw

それと最終回で出た花、最初ペンタスかな?と思ったけど葉っぱが違う。
じゃあ何かなーと思ったら…あっ、キョウチクトウか?(自信弱め)
植物に興味無くてもミステリー好きな方ならトリカブトと並んで有名なんじゃないかな、最後の最後でそれ出すかw
「これミステリー作品っスよ、忘れないでね」と慌てて念を押してきたみたいで微笑ましいというかなんというか。
もしくは「これ出しときゃミステリーの体になるだろ」という乱暴さというかw

ってことで総評
原作がどうあれアニオリエピソードでいいのでキャラそのままで1話か2話完結話を続けて欲しかった。
“シティハンター”で例えると一つの依頼を解決するまでに何ヶ月もかけられてもちょっと…ねぇ。
鬼太郎とあんま変わらなくなっちゃう?{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小粋な言葉遊びをできてただらうか

原作未読


どっからみても小説っぽいです。小説とミステリの相性は基本的に良いものかなということで特に抵抗もなく視聴に至る。

“虚構”そして“推理”。
ジャンルはまんまミステリかと。お化け・妖怪・怪奇現象。この作品では“怪異”という表現を使ってます。『夏目友人帳』『物語シリーズ』未視聴のため適切な比較は不可能ですが、この世ならざる者とのやり取り混じりの推理物ということになります。

一概に推理物といっても捻りが加えられていてそこが本作の面白みでしょう。
なんでも目的というものがありましょうが、例えば“犯人捕まえるぞ”“真実はこうだ”というノリは皆無です。本作の主人公らの目的は、“怪異の世界と人間世界とに保たれている秩序の維持”。そのバランスが崩れそうになる、または崩そうという力が働く時に秩序をキープするために最適解を導き出す。そんなお話です。まぁ口八丁でなんとかする手合いですね。

構成は大胆というかある意味リスキー。一話完結または二~三話完結という当初想定とは全く違うものでした。私は好意的に受け止めてます。
{netabare}ルール説明的な第1話。同じくチュートリアル的なエピソードで第2話。その後第3話のBパートからはひたすら“鋼人七瀬(こうじんななせ)”でした。レビュー書きながら知ったのが、あまりエピソードストックが無かったのでそうせざるを得なかったかなということ。実際のところ、鋼人七瀬は5話分くらいあれば十分だったことでしょう。{/netabare}

岩永琴子(CV鬼頭明里)と桜川九郎(CV宮野真守)が主人公になるのでしょうか。ホームズとワトソンの関係ともちょっと違うパートナー。九郎の元カノ弓原紗季(CV福圓美里)も絡んできて賑やかになってきます。
物語構成と同じく好意的に受け止めてるのが紗季のキャラ設定。主役を引き立てるために周囲にはやや愚鈍というか暗愚なキャラを置いてバランスを保っても良さそうですがそれがない。本作でいえば岩永を際立たせるために同性の紗季をやや落とす手法を取らない。
{netabare}岩永と六花が両方ともぶっ飛んでいるというか情に薄いため、常識人の紗季がオアシスのようでした。常識人かつ聡明さがあるので救われておりました。{/netabare}


推理物なのでこのへんくらいにして。
わりとミステリの変化球のようにして臭みがない作品ではありました。そこそこ楽しめた佳作です。



※袋とじ

■岩永

{netabare}なんというか真顔で卑猥なことをたまに言ってくる琴子さん。鬼頭明里さんになんてこと言わせてるんだとこっそり喜んでました。{/netabare}

{netabare}ただし鬼滅の刃から流れてきたちびっ子が観たらダメなやつです。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----


2020.04.08 初稿
2020.10.15 修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 58

75.6 3 2020年度の神様アニメランキング3位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (456)
2090人が棚に入れました
冒険者たちが未知へと挑み、神々が興奮に沸き返る、世界で最も熱き街――迷宮都市オラリオ。その中心に鎮座するは、都市に限りなき富と栄華をもたらし、数多の混沌が潜む大穴――『ダンジョン』。その深淵にて、生まれ落ちた一体の怪物。「……ここ……どこ……?」人語を話す竜の少女をめぐり、都市はかつてない 異常事態に巻き込まれていく。人と怪物。漫然と存在する価値観、常識は破壊され、冒険者ベル・クラネルと、女神ヘスティアに、決断の時が―― これは、少年が歩み、女神が記す、ダンジョンの謎に迫る【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、千菅春香、早見沙織、大西沙織、日高里菜、水中雅章、高田憂希、稲田徹、福島潤、浪川大輔

のか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

意見を通したければ強くなれ・・・ですか

原作未読 全12話

あらすじ
3期なので割愛(爆笑)


では感想を
今度の話は人間らしい感情を持つモンスターとの絡みですか
内容自体は物凄く深いお話しだったと思います

が・・・私の心には何も響いていません
と言うのも、ベル君の考え、行動が私にはかなりイラついたからですwww

弱く、実力も権力もないベル君たち(ヘスティアファミリア)
誰に何を言っても聞いてくれるわけがありません

で、あの結末
その場しのぎで何も解決していませんよね

この3期がこれから先の伏線かもしれません
なので、4期がある事を切に願うだけです

視聴して満足感はあったんですけど、胸の中にモヤモヤが残る作品でした
(個人的感想ですよ)


作画はちょっとだけ気になるとことがありました
人によっては気にならないかもです

声優さんは普通
良いと思いますが、3期でレベルアップしたとは感じず

音楽はOP、EDとも普通
DLはしないと思います

キャラはモンスター側で色々たくさん出てきました
視聴すると分かりますよ


こうやって感想を書いていてもやはり納得はいかず

視聴している最中、やたらこの言葉を思い出しました
大捜査線(TVドラマ)で故・いかりや長介さんがやっていた役の言葉

「正しい事がしたければえらくなれ」

あの場面、もし回復不能な怪我人が出ていたら
もし死人が出ていたら
家を失い路頭に迷う人がいたら

ベル君たちは責任は取れていたのでしょうか?


ベル君たちの行動が正しいかどうか
視聴してご自分で判断してください

まあ、アニメなんでそこまで考えてないと思いますけど(爆笑)

完走出来るレベルです
安定して面白いと思います

ダンまちファンなら見るべき作品だと思います

これから視聴する方は必ず1期から視聴してください
伏線とか張っていますので、順番でねwww



では最後に一言
絶望した~!なんとなく気持ち悪い3期に絶望した~!
主人公だから人間は殺さないんですかね?
主人公だから即死レベル攻撃を耐えられるんですかね?
主人公だったら最後の戦いは勝って終わるべきじゃないんですかね?
主人公だから一般人に手の平くるくるされるんですかね?
もう~~~モヤモヤしか残らないアニメに絶望した~!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

それでも暇を持て余した神々は遊び宣う

リリース順で一通り視聴してから楽しまれることを推奨

①『ダンまち1期』⇒②『ダンまち外伝』⇒③『オリオンの矢』⇒④『ダンまち2期』

①④は必須。②も準必須。スピンオフ③は劇場版82分尺だからさくっとGO!って感じでしょうか。①と②は同じ時間軸の並行した物語ですので可能なら日を空けないほうがよいです。

そして此度の3期を迎えます。一気に視聴してあっという間に感じる満足っぷりでした。

 {netabare}帰ってきたダンまち or ダンまちリターンズ{/netabare} 

ヘスティアが胸の大写しで登場するのはご愛嬌。いつも通りの風景に安堵しつつ、それ以上に冒頭ダンジョン潜入から始まるのがよろしい。ついでに潜入したダンジョンで“出会って”いるのも原点回帰の感があります。
②外伝ではロキ・ファミリアといったヘスティア・ファミリア外に焦点を当てたことでファミリア一つ一つに諸般の事情があることを意識づけさせました。だから“ヘルメス”や“ガネーシャ”のファミリアにも固有の事情があるんだろうとも想像できますし、ロキ・ファミリアが大きく取り扱われる本編の後半には感慨深さすら覚えます。
④2期ではヘスティア・ファミリアに集う眷属たちに焦点を当てたことで「リリ」「ヴェルフ」「命」「春姫」各々への思い入れを強くさせました。奴隷同然だった“リリ助”や生贄前提の“春姫”と同業者やエルフから向けられる嫉妬や怨嗟を身に受けてた日陰者の“ヴェルフ”。そんな彼らだからこそ世界を敵に回すようなベルくんの選択を支持できるのです。

このように3期でしっかり②も④も機能してはいることを評価しつつ、いかんせんエンタメ的な面白さは控えめでした。なにせほぼ潜ってない。
来たるべきダンジョン潜入に向けた地固めを経ての3期とは言い過ぎでしょうか。ダンジョン場面の大幅増加もさることながらダンジョンに住まう者が中心のお話です。

良くも悪くも1期がシリーズの印象を決定づけます。
紐神の見ためやハーレム展開。主役が松岡さんなのでしょうがない(それでいいのか!?)あれやこれや。そんなのに隠れて古き良きダンジョンRPGそれこそ『ウィザードリィ』的ななにかに魅かれた私であります。紐神様もベルくんの旗色が悪い時こそ迷いなく彼の側に立つ振る舞いに感動すら覚えます。

 {netabare}なんかそれを久々に目の当たりにしました{/netabare}

【ヘスティア・ファミリアの面々】
 ヘスティア(CV水瀬いのり)
 ベル・クラネル(CV松岡禎丞)
 リリルカ・アーデ(CV内田真礼)
 ヴェルフ・クロッゾ(CV細谷佳正)
 ヤマト・命(CV赤﨑千夏)
 サンジョウノ・春姫(CV千菅春香)

メンバーは増え賑やかになりました。それでいて原点回帰の面白さ。これからダンジョンの深淵に手を届かせんとするのでしょうか?
小説も既刊で本編16巻、外伝12巻とボリューミー。スマホゲームアプリ『ダンメモ』も好調のようですし続けてほしいですね。“やっときた”感ある良作です。



※ネタバレ所感

■そして輝く11話!ヘィッ!

“漢”を“おとこ”と呼ぶようになって久しい。
第11話のサブタイトルは「決戦」。これでウルトラソウルと読むらしいです。

余計な説明を省いて、B'zの曲を脳内再生しながら11話を観るとベルくんの心境にぴったりで笑えます。


■モンスターって?

「ウィーネって10回言ってみて」からの「盾の勇者の成り上がりのロリ声ペットは?」でフィーネって答えそう。語感も似てて声優も一緒だし同じ想像したのは私だけではあるまい。
日高里菜さんの声だとかわいらしさを強調してしまってそっちに目がいきがちなんですけど…

{netabare}モンスターかわいいじゃん…とは決してならないわけです。“許されざる存在”の世界観と“モンスターにも事情が”と思う視聴者とでギャップがありそう。
たしか神様たちが地上に降りてくる前の時代、地上に開いた大穴からモンスターが溢れ出して人間を絶滅させかけてたかと。神様から恩恵も授かっていない生身の人間では太刀打ちできなかったというのがモンスターと人間の歴史。太古の昔から忌むべき存在。
だから、普通に考えて意思疎通可能な知性あるモンスターを見つけたら共存より恐怖が先行しそうです。例えば人間より強い羆が本能でなくトラップを仕掛けて知恵比べしてきそうとか、新型コロナが知性を持って人間を先回りして進化してきそうとか、まじめに想像すると恐怖でしかありません。
生理的にってことならコオロギ食べるとかゴキブリ飼うような感覚に近いかもしれませんね。異端児(ゼノス)の皆さんがいくら太陽の見える青空を目指してるからといって
 
 生まれたところや皮膚や目の色で 一体この僕の何が分かるというのだろう

みたいなピースフルな段階には一段も二段も足りてないとこで物語は繰り広げられているわけでして。
街の人が悪者なのではなくベルくんが超のつく異端である、と腑に落ちてるとわかりみがいいです。{/netabare}


■そして輝く11話!2ツー! ※余談

その“モンスター=人非人”みたいな構図って大なり小なり世の中にはあるわけでして。

この回のベルくんの筋の通し方って…
{netabare}同盟国ドイツの苛烈なツッコミに耐えながらユダヤ人を満州経由でアメリカへ逃がす実務指揮をとった樋口季一郎中将と被るのよね。もちろん独りの男気だけでなんとかなるわけでもなく公のバックアップも欠かせなかったわけですよ。
前段として、日本国政府は板垣征四郎陸相草案の「ユダヤ人保護」を閣僚決定し、満州に接するオトポール駅にひしめいていた2~3万人の難民を、「助けてやれ」と指示したのが関東軍参謀長東條英機であり、特別列車を仕立てて助けたのが満鉄総裁の松岡洋右でした。近現代史に造詣ある方ならこの三名がどういう方々かピンとくるでしょう。

歴史もそうであるように人物の見方も光100%と闇100%はありえません。ここではなんかのかけ違いでヘスティア様やファミリアメンバー、そしてベルくんたちが歴史の大罪人となるリスクを負いながら大事を為したものと素直に称賛をしたいところです。{/netabare}



■暇を持て余した神々の遊び

意味合いと語感の良さで1期からこのフレーズをレビュタイに引用しとります。やや懐かしい響き。
翻って“神々の暇つぶし”なる設定はどこまでいっても変わらず、とブレはありません。

{netabare}ソーマ(CV内山昂輝)なんて分かり易くて秘酒づくり以外興味が無い神。彼みたいに没頭するものがあれば人間に興味を持つことなんてないし、興味の対象が人間でないからこそリリ助に酒を飲まして試すようなこともできたりするわけでした。呑んでも心狂わなければ抜け忍していいよってやつでしたよね。

 神は自分で責任を取りません

今期のお騒がせ神イケロス(CV福島潤)も根っこは暇つぶしです。ディックス(CV:浪川大輔)には何かやらかすことを期待しているわけです。2期のアポロンなんかもそうでしたが、様々な退屈しのぎの方法がある中での彼らの選択がオラリオの秩序を乱すものだから処分されたわけで、あくまで他の神々たちの暇つぶしネタを奪っちゃいかんよってのが基準であり罰則の対象となってたわけです。
味方に見えるヘルメスやウラノスもクズマ…じゃなかった追放された神々と大差ありません。特にベルくんへの態度なんかそうですけど自分が責任取るような行動は絶対しない。眷属でないからってのもありましょうが、前に出てくることはない神々です。
ただね、、、本気で遊んでるのは分かります。ベルくんは想定外を引き起こす存在ですからね。フレイヤを筆頭に神々たちが興味津々な理由も

 退屈しないから

というのは押さえておきたいポイントです。
リトルルーキーだ英雄願望だと煽てられてても神々の暇つぶし道具の範疇を出ないという哀しみ。どこまでいっても鉄砲玉。振り返るといつもヤバい橋を渡らされてるベルくん。{/netabare}

よって

{netabare}そんな神々と眷属との関係を一線越えてそうなヘスティアとベルくんの今後が気になるのです。
具体的にはどういうお別れをするのか? だいぶ先でしょうけど避けがたいことですからね。{/netabare}


いろいろご都合が鼻につくのはつくのです。
{netabare}・娼館で囲われてたのに乙女だった春姫さんとか(2期)
・なんでウィーネさくっと生き返るの?とか(第8話) そもそも死なせる必要あった?{/netabare}

それでも神の掌の上で踊らされている人間といいますか眷属たちの行く末が気になるので今後も継続して観るつもりです。続編あるならですよ。

そういえばヘスティア様…
{netabare}ヴァレン何某さんのことをきちんと呼べてましたね w{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ視聴

-------


2020.12.21 初稿
2021.10.15 タイトル修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 46
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

英雄にあこがれて

制作J.C.STAFF。

女神ヘスティアと冒険者ベルクラネル。
彼らのファミリアは急速に成長の途を辿り、
オラリオに於いても存在感を増し続けている。
その折、偶然救出した少女は怪物であった。
言葉を解する怪物、これは異端を巡る物語。

ダンジョンで今、何が起きているのか!?

面白さは人それぞれでありますが、
格段に物語の骨子は追いやすくなっている。
{netabare}理知を備える怪物たちはどこへ向かうのか。
人と怪物、異端との共生の物語である。{/netabare}
英雄としての資質が試されているのでしょう。

声優陣はさすが、ヘスティアは当たり役だ。

最終話視聴追記。
古い価値観と新たな価値観、
現実にも通じる主題であったのでしょう。
多様な生を認めるのは難しい。
{netabare}いっそ愚者であるのはどうだろうか。
愚者こそが掛け替えのないものに、
届く可能性を秘めているのかも知れない。{/netabare}

ベルクラネルとは愚者の生き様である。
英雄への道程はまだ遥か先にありそうです。

まずまず楽しめました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 42

66.4 4 2020年度の神様アニメランキング4位
神達に拾われた男(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (314)
1185人が棚に入れました
ブラック企業にシステムエンジニアとして勤めている39歳の独身サラリーマン竹林竜馬はひとりアパートであっけない最後を遂げる。天界に召された竜馬だったが、創造神、愛の女神、生命の神に協力を求められ、子どもの姿で異世界へ転生!?深い森で一人、のんびり暮らし始めた8歳のリョウマは、魔法でテイムしたスライムたちの研究にのめり込みながら新しい人生を謳歌する。やさしい人たちに囲まれて毎日が楽しい、まったり異世界スローライフファンタジー!

声優・キャラクター
田所あずさ、桑原由気、小野大輔、高野麻里佳、清川元夢、井上喜久子、小市眞琴、安元洋貴、古川慎
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

地味すぎて、すご~く、損してますね。

こういう癒し系の異世界×日常ファンタジー、
完全に、アニメ好きな人の中で、
市民権?というか、存在価値を認定されたって思います。

思いますけど、
今回は、タイミングが悪すぎ(>_<)


何故かというと、ほぼ完全にジャンルがかぶっている「くまクマ熊ベアー」が、
同じ時期にオンエアされてるから!

完全に損してるって思います。


{netabare}くまクマが、VRMMORPGからのスリップで、
主人公がひきこもりのミドルティーン凄腕デイトレーダーで、
アバターでなく素顔になっちゃったとか、
やって来た世界で無敵でいられるためには、
クマの着ぐるみ着ていないといけなくて、それが可愛いとか、
抒情性はいさぎよく排除して、テンポとキャラで押しまくってるとか、
レベルが違い過ぎてイージーモードで魔獣を退治しまくってギャグ展開にしてるとか。

そういう魅力的な要素、というか楽しい仕掛けいっぱいのくまクマに比べて、
完全に負けてしまっていました。
まず。
主人公は、ブラック企業で働いていて、就寝中に死んでしまった成人男性。
神様の気まぐれで子供になって異世界転生。
異世界で一人引きこもって、スライムを大量に従えて、
スライムの特性に合わせた仕事をさせている。
そこで知り合った、侯爵家の冒険者を助けた縁で、
街に出てきて、地味な仕事を地味にこなして、地味に仲間と賛同者を増やし、侯爵の庇護の下で暮らしながら独立を考えて。
獣人女子キャラを多数配置しながら存在感なく、メインキャラのお嬢様も魅力なく、
抒情性を大事にしようとして、テンポが悪くてキャラのキレがない上に、
魔法も使うけど、基本的にスカッとするようなバトルは無し。


神拾が悪い訳じゃないけど(正直言うとよくもないけど)、
作品にもキャラにも構成にも作画にも、魅力が乏しすぎて・・・
独立のために開業したクリーニング屋さんは繁盛しているけど、
ここで主人公が気にしてるのが、従業員の福利厚生とかって・・・
(まあ元がブラック企業勤めのおじさんだからしょうがないけどw)

なんか話の展開が地味すぎて、最後まで切れが無さすぎでした。
TV-CMで見てる限り、原作はもっとキレがいいんじゃないかな?って思ってしまいます。{/netabare}


気軽に観れる内容だったから、最後まで視聴しましたけど、
くまクマよりこっちが好き!って断言できるのって、
ショタ属性持ちでギャグノリが苦手な方以外、いないんじゃないかなって、
思ってしまいます。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 26

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

良く言えば、優しい世界、悪く言えば・・・。

原作未読。最終話まで視聴。

いわゆる異世界転生モノ。
主人公最強というよりは、スライム最強系?
だけど、初期値は無双みたいなので、やはり主人公最強系なのか?(笑)

良く言えば優しい世界。
主人公は子供なのに、子ども扱いせずに接してくれる大人たち。
ゴブリン退治にしても、グロさゼロ。
洗濯屋さんの従業員もイイ人ばかりで問題が起こらないし‥。
とにかく優しい世界で、安心して見ていられる。

だけど、悪く言えば・・・。
大人たちが揃いも揃って気持ち悪い。
ひたすら主人公を称賛する大人たち・・・。
かなり違和感を感じてしまう。
せっかくハーレム要素を消しているのに、これではハーレムと何ら変わらない。


同時期に『くまクマ熊ベアー』が放送されていたのも災難でしたね。
系統が似ているのでどうしても比較されてしまう。
時期がずれていたら、もう少し評価が変わった気もする。
これはこの作品のせいではないけど(笑)。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 30

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

授業参観風異世界労働者生活

サラリーマンが不運な理由で死亡して少年の姿で転生する異世界転生アニメ
主人公はチートだけど自身が戦うことはほとんどなく、元社畜なだけあって、オーバースペックな能力をモンスター討伐ではなく労働に活用していて、ほぼ冒険者ではなく労働者

神様達だけでなく美形ぞろいの貴族ファミリー、優秀な護衛、各ギルドマスターに冒険者。
みんなから好かれて見守られているので、まるで生徒が主人公しかいない授業参観のよう
「見てみて、あの子すごいわねえ」「本当に優秀だねー」「おかげで助かったよ」「あんなにできるようになったね」「俺にはできねえなー」
みんなで寄ってたかって頭なでなでしてくれる
この世界の住人(神様含む)は、孫大好きなおじいちゃんおばあちゃんが転生してきたのかな?

主人公の能力が高いし便利すぎるスライムに過保護な神様と貴族様。
悪い人もいないし、痛い目にも合わない
カワイイヒロインもいて、何一つ不自由のない順風満帆の異世界生活
彼なら転スラのリムル様とも契約できるかな?
「優秀な洗濯屋か、有益だな、よし今日からジュラの森大同盟改め、ジュラ・ガラの森大同盟だ!」
「リムル様を綺麗にするのは私の役目です!!」
ダメだ、喧嘩になりそう

クリーナースライムは洗濯物の汚れだけでなく、視聴者の汚れ切った心まで綺麗にしてくれるようで、ストレスなく視聴できるところが良い
ベリーイージーな異世界生活眺めても退屈だなんて言わず、心の洗濯をしてみるのもいいかも!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 27

66.6 5 2020年度の神様アニメランキング5位
戦翼のシグルドリーヴァ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (261)
733人が棚に入れました
――突如、地球上に現れ、あらゆる生命の脅威となった『ピラー』。打つ手もなく追い込まれていく人類に手を差し伸べたのは、自らを『オーディン』と名乗る神の存在だった。 オーディンはピラーに対抗する術として、戦乙女『ワルキューレ』と、彼女たちの翼となる英霊機を人類に授け、反撃を宣言した。それから数年――人類とピラーとの戦いが続く空、戦翼を纏った戦乙女たちが、そんな戦乙女たちを支える男たちが、世界を救うために命懸けの空を翔けている。 ここ日本も例外ではない。霊峰富士にそびえし巨大なピラーと対峙する、 3人の戦乙女。いずれも腕は確かだが、揃いも揃って問題児ばかり。そこに、欧州から訳アリのエースパイロットがやって来ることになり……。「さあ、反撃の時だ、人類。来るべき決戦の日――ラグナロクの時は近い」シリーズ構成・脚本に『Re:ゼロから始める異世界生活』の長月達平、キャラクター原案に『魔法少女リリカルなのはViVid』の藤真拓哉、世界観設定・設定考証に『ガールズ&パンツァー』の鈴木貴昭と、強力スタッフ陣で贈る新たなる空のミリタリー、開幕。

声優・キャラクター
山村響、稗田寧々、M・A・O、菊池紗矢香、平田広明、堀江由衣、日高里菜、上坂すみれ、中村悠一、杉田智和、マフィア梶田、千葉繁、茅野愛衣、小松未可子、上田瞳

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

「聴いたことある単語を意味深に並べやがって・・・」

タイトルは作品中でとあるキャラクターが言った
「聴いたこともない単語を意味深に並べやがって・・・」のオマージュですw。

見始めた最初の感想は・・・、
「ダメだこれは、完走できんかもしれん・・・」でした。
状況説明はあるものの、根拠が不明確、というか元々荒唐無稽系なのでそこをとやかく言っても仕方がないのですが・・・。
どこかで観たような設定、どこかで観たようなキャラ、どこかで観たようなシチュエーション、どこかで観たような敵、どこかで観たような言い回し。
そして、その言い回しが・・・、なんともカッコよく見せようとしてダサいという(お子様にならウケるのだろうか?)。

てな感じでした。
それでも、まぁ、まぁ・・・観れたのはそこそこキャラの力ですかねぇ(おぃw)

結論から言うと、一応最終話までは観ました。
面白かったかというと、まぁまぁ・・・普通・・・。

自分的にはやはりキャラクターに魅力的な娘が何人かいたこと、
ポイントポイントで私の琴線に触れるような演出が何か所かあったこと、
好きなタイプの演出がいくつかあったこと(かぶってるかw)
が観続けられた理由でしょうか。

でも、やっぱり、
かわいらしい娘を何人か出しとけば・・・、
らしいセリフらしい演出を出しておけば・・・、
航空機と女の娘、いけるんじゃね・・・、
なんか、かっこいい神話系の用語とか話とか盛り込んどけばいいんじゃね・・・、
的な、いわゆる厨二が喜びそうなとこ盛り込んどけばいいやろ感が最後まで抜けませんでしたね。


それに、主人公?なんですかね。
クラウディアの歌う歌が肌に合わなかったなぁ・・・、残念。


ああ、ちなみに私の好きな演出っていうのは、
自己犠牲的な演出の事で、昨今はあまり流行りませんよね。
でも、私的には泣けるというか、究極の信頼関係というか好きなシチュエーションなんですよねぇ。
特に「残る仲間に未来を託して・・・」とか「お前のためなら命くらいくれてやる」とか「ジジイが若者の為に・・・」とかってのは特にやばいです。
この作品には、上記のような演出、シチュエーションが全種類?盛り込まれていて、それだけでポイント追加したいくらいです。
(あくまでもアニメ、映画、ドラマ≒フィクションの中で好きという事ですからね)

・・・これは、幼少期に観た「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」の影響かなぁ、と自己分析をしています。


色々、書きましたが・・・、
悪くはないと思っているんですよ、良くもないと思っていますが。

そうですねぇ。
あえて・・・、あえて言ってしまうならば、
「・・・これなんてインディペンデンス・デイ?」って感じですか。
ああ、言ってしまった・・・苦笑。


私的には珍しく低めの評価かもしれませんが、何人かのキャラクターは活き活きとして観ていて楽しかったです。

機会とお暇があればぜひご覧くださいませ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 19

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

パパンがパン! ……いったい我々は何を見せられているのか(笑)?

[総評]
終盤で、作中でオーディンが言う「ラグナロク」の内容やそこまでの戦闘の背景が明かされるわけなのですが、聞いても「はい、そうですか」という感じであんまりインパクトはなかったです。

西部劇風の曲調をちょっと暢気にしたような「勝ち確BGM」は楽曲としては結構気に入っています。これがかかってドヤ顔しているときの宮古の頼もしさといったらなんとも…(笑)。

宮古のキャラに引っ張られてワルキューレ達のカワイさで最終話まで視聴はできたのですが、それほど「面白い」という感じでもなかったです。

まあ、なんだかんだでシールド隊の三馬鹿は今クールに爪痕は残しましたね。

== [下記は第4話視聴終了時のレビュー] ==
第4話まで見たところで、このレビューを書いています。

『Re:ゼロから始まる異世界生活』の作者、長月達平先生が脚本・シリーズ構成をやっているアニメ作品です。

読んでませんが、直接の原作ではなく「戦翼のシグルドリーヴァ」を冠するライトノベル作品が何作か出ているみたいです。

「ピラー」という人類の通常兵器では倒せない謎の敵と戦うために、オーディン(自称: 本当に北欧神話のオーディンなのか知らんけど)がワルキューレを遣わしその乗機である英霊機を授けたという説明が第1話でありました。

ワルキューレに関しては、作中で詳しくは描写されていませんが人間として生まれた上で力を授かっているようでうすね。

まあ、「謎の敵に対抗できるのは少女と特殊な武器だけ」というよくある奴です。「とりあえず女の子と戦闘機をウリにしておけ」という空気は感じます。もういいやって感じで観るのはやめちゃった人もいそうですね。

「英霊機」についてはなぜか外観的にはレシプロ戦闘機です。しかし対ピラーで現代のジェット戦闘機(シールド隊: ワルキューレをサポートする部隊)と一緒に戦っている様子を見る限りどう見てもジェット戦闘機よりも空戦性能は高いっぽいです。

作品全体のトーンはコメディ・タッチで明るめなのですが、ときどきシリアスや悲観的な状況がわかる描写が割り込んできます。

そんな中での第4話の「パパンがパン!」とか水着でウォータースライダーしたり戦闘機に乗ったりするのは完全にギャグに振り切った回でしたが、脚本担当も脚本担当なので、きっとどこかで暗い話が出てくるんだろうなあ…。

ウリのひとつといえる「女の子」に関しては、そこそこキャラも立ってるしカワイイのでそれで視聴は続けられるという面はあるかも。

たぶん、大ヒットはしません…。
== [第4話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

投稿 : 2024/04/20
♥ : 37
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

観終わった

2話までの感想{netabare}
“ストライクウィッチーズ”が放送される期にコレってどうなんだ?もう何度も言ってるけどこれだけ作品数が多いとネタ被りは仕方ないにしろ、同期に同じようなのは避けるように協議したりって無いのかね。
とついつい思ってしまうのだけど、コロナでズレ込んだとか色々あるのかなぁと思うとそこまで突っ込むのも悪い気がしてしまう。
“ガーリーエアフォース”や“コトブキ”と被らなかっただけ良かったと思うべきなんだろうか。

なんてことを思ってたら、いやこれって“Z/X”の方が…ひいては“アサルトリリィ”の方が近い?
単に藤真拓哉のせいだろう、考えすぎだろうと気にしない様にしてたら…アサルトリリィの2話エンドカードが藤真拓哉で爆笑。

開き直ってる?

ただでさえ今期はシリ構ふでやす作品が4本(もっと増えるかも?)あったりで、一時期に集中して「どの作品見てもこの人の名前見るなぁ」ってよりも、長期に渡って分散した方のが良いと思うんだけどなぁ。
と考えると“アサルトリリィ”の方がズレ込んだのかな?こっちが先だとリゼロと被るし。
けどそうすると“アサルトリリィ”が“ラピスリライツ”と被る?…ああもう訳ワカラン。
別にアラ探しの如く似たトコ探ししてるんじゃなくて、数年後に思い出そうとした時にこんがらかってしまうことを危惧してまして、ええ。
今となっては“落第騎士”と“アスタリスク”がもうどっちがどっちだか記憶が混ざり合ってしまってます、こういうのって不幸じゃん?
あとこういうのはリアルタイム視聴ならではの感想だとも思うので…当時の印象ってのは重要だと“ひぐらし”を見て強く感じたこともあったり。


と前フリ長くなったけど本編感想。
レシプロなのは構わないが、神機でないとネウロイに対抗できないっていう説得力がイマイチ弱い気がする。
そのうち“ストライクウィッチーズ”でのウォーロック({netabare}ウィッチーズ(女性)しかネウロイに対抗できないのを男社会の軍上層部は快く思ってなくて、ウィッチ達を出し抜こうとして秘密裏に開発した対ネウロイ兵器。ある意味友軍が主人公達を裏切るという展開{/netabare})に該当する機体が出るんだったら面白くなるかもだけど果たしてどうだろう?
そういう意味ではオーディンが何を企んでるかがカギな気がするのだけど、単に思わせぶりなセリフ言ってるだけで最後まで有耶無耶のまま行ってしまいそうな雰囲気もあって安心できない。
ってかそこら辺期待して裏切られたことがもう多くて多くて…“Z/X”然り“戦×恋”然り“ガーリーエアフォース”然り。
それらは原作アリだから仕方ない?
であるならオリジナル作品のこれにはついつい期待してしまう、というか「ちゃんと完結するのかどうか」のことばっかり気になってしまう。
「人気が出たら続編出そう→続編出すことになっても問題ないように中途半端に終わらせよう」という作りに見飽きてることもあるかな?
頼んますよホント、完結してくれ~。

ところで、ひょっとして“ラピスリライツ”でやってたように各話なんらかのパロ入れるって縛りをやってたりするのかな?
1話「うおっまぶし」2話「大丈夫だ、問題ない」があった気が…“ラピスリライツ”と被るワケだけど、リゼロ繋がりで“グランベルム”の悪夢が蘇るのでこっちではあんまりやらん方が良いような…。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
4話本編の感想の前に戦闘シーンについて。
“コトブキ”が素晴らしかったかどうかは分からんけど、それよりも劣る気がする…というか結構テキトー?
2話の段階で「ん?」とは思いつつも様子見してたんだけど、同期に“ストライクウィッチーズ”があるせいってことだけではなさそう。
2話、トンネル内を飛行機で突っ切るシーン、現実的にできるかどうかは置いといてエンタメ的にもっとカッコ良く見せることができそうなのに妙にアッサリ。
また、敵が衝立状のバリア張ったら「スペシウム光線も八つ裂き光輪も効かない→すわ流星キックだ」という段取りがあるモンだと思うのだけど、アッサリと「上空から攻撃だ」で、じゃあそれに踏み切るまでに溜めがあるかというと、無い。
4話も不時着のシーンが妙にアッサリで…うーん?
演出になるのか?アクション得意な人がやってるのではない?なんかエンタメ性が薄い。
と思ってたら4話のアレですよ。

3話で仲間が危篤で寝不足なのを美談にしといて4話で寝不足を咎めるのってどうなん?と思わなくもないけどそれはまだいい。
おっさんギャグがとっても寒い。
いやでも待って、ストパンでも同じような話あったじゃん?そっちでは不快に思わなかったのにこっちと何が違うんだろう?と考えてみたら…。
ああ、あっちは悪フザケするのはあくまでルッキーニやハルトマンで「ハハ可愛いね」で済まされてるんだ。
大の大人のオッサンが悪フザケして少女の方が至って真面目だと寒いのかな?
または、当人は至って真面目だけどハタから見るとヘンって訳でもない、明らかにフザケてるよね?
ってか単純に戦乙女連中にトラブルメーカー的なキャラが居ないよね。
一応4話最後が新キャラ投入みたいな流れだったので、それに期待か?{/netabare}

総評(これだけ見ればいいかも){netabare}
話についていけなかった。
特に「えっ?」となったのは4話…ではなく5話だか6話の富士ピラー。
突然沸いてきた設定にしか感じなくて、富士ってそんなことになってたの!?っていう違和感バリバリ。
だって館山ではのほほんとしてるし、そこから逆算して(前任の日本駐在ネームドが死んだとはいえ)1話で死線を越えたクラウに「ちっと休め」という意図、もしくは損耗率99.9%なので最前線から退けられた=“激戦区ではない”日本へ飛ばされたんだと思ったので…。
日本も激戦区だった?ってかそうであるなら廃墟化した山梨や静岡の街を映してくれよって話で…無いよね?そういったシーン。
また、そういうのを先に見せてくれれば大変な中気丈に明るく振舞ってるって好意的に解釈できそうなシーンも多々あったのに…特に4話なんてフザけてる場合かよと。
あくまで「激戦区ではない」って前提で気にしないでいたからなぁ。
更には富士ピラーの中は異空間で今まで撃墜されたワルキューレの機体が山積み&バイド化した深海棲艦が居るらしく、じゃあ世界各地のピラーは中で繋がってるのかな?と思ったがそうではないらしい(最終回、富士ピラーは滅ぼすことができたが他の地域は残ったままらしいので)。
ということは富士ピラーにオーディンやトールも居たの?ってことで、激戦区中の激戦区じゃんってことになって、益々館山ののほほんとした空気が意味不明に。
ぶっちゃけ、日本は人間が住めない土地になっててもいいくらいだと思う…「日本中のピラーが富士に集まってる」ってシーンがあったと思うのだが、あれで全滅でしょ。
それとフェイトの令呪みたいな3回だけ使える大技らしきものがあったハズなのだが、それを使うことなく一旦富士を敗走したのもよく分からん。
都合よく沖田指令だけ死ぬのも“ヤマト2202”で艦長席にだけ都合よくピンポイントでガレキが落ちてきたのを思い出す、あっちは昭和アニメのリメイクってことで「タライかよw」と指さして笑えたけどこっちは…呆れた。

ってかバイド化した元友軍との白熱した戦闘シーンってあったっけ?令呪をここぞという見せ場を用意した使い方ってしたっけ?
どうせ鳥の羽根を生やせるんだから飛行機の片翼くらい吹き飛ばしも構わんと思うのだが、これといった破損シーンも無いよね?「メインカメラがやられただけだ」みたいなの無いよね?
生身の人間じゃないんだから、ぶっ壊れても修理すればいいってのが「メカに乗る」ことの醍醐味だと思うのだが。
ピラーは生命エネルギーを狙って~で赤ん坊がどうこうっていうのも、だったらパイパー・ルウを囮に使ったり「いくらなんでも早すぎる」ってやつ、無いのん?
まぁ何が言いたいかというと、あれこれ設定盛り込んだ割にはそれが生かせてない、「死に設定」が多い。
設定を口で語れば視聴者は全て納得すると思ってるのかな?いやいや、描写が無いと無理だよー。
この世界は北欧神話が伝承されてないイフ世界ってのも、だから何?って感じで(※)…ってかレムが存在の力を食われたのとネタ被ってない?

で、繰り返しになるけど、個人的に一番描写が足りてないと感じたのは廃墟や破壊された街が描写されないことで、これのせいで緊迫感が無い、人類がどれだけ追い詰められてるのか分からない。
のほほんとした館山を映せば映すほど違和感が増した。
おっかしいなぁ、アニメーターには廃墟好きが沢山居るって印象なんだけどなぁ。
…。
まさか、館山とコラボしたせいで街を破壊するシーンにNGかかったとか?
そんなことあるのかな?けどそう穿って見てしまう。
けどよう、もしそうだったらよう、地方協賛のアニメはアカンね、戦争モノをする上では。
ってかソウル市を火の海にした(後で元に戻るが)韓国アニメの“ゴッドオブハイスクール”以下じゃないか。

※印の部分、目一杯の好意的解釈としては、ストパンのネウロイが終始目的不明で、それと差を出すためにどうにかして敵に動機を持たせようとした結果なのかも知れない。
どこかの感想で書いたけど「地球を襲う謎の侵略者」の目的が“モスピーダ”のインビットみたいなのだと果てしなくガッカリな訳で、それに比べればまだマシなのかなぁ?とも。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15
ページの先頭へ