高齢化おすすめアニメランキング 2

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早速見ていきましょう!

81.4 1 高齢化アニメランキング1位
サクラクエスト(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (900)
4139人が棚に入れました
主人公、木春由乃(こはるよしの)は、田舎から上京し短大の卒業を間近に控えた、いわゆる普通の20歳の女の子。
東京には何でもあって、きっと特別な何かになれるのではないかと夢みて、30社以上の面接を受けるも、未だに内定はない。銀行の残高は920円。このままでは、田舎帰って普通のおばさんになってしまう・・・と葛藤していたそんなある日、以前、一度だけ働いたことがある派遣事務所から、「地域の町おこしの一環で国王をやってほしい」との依頼がある。よくわからないが軽い気持ちで依頼先の間野山市に向かうことにした。
一時的に日本中でブームになるも、バブル崩壊に合わせて今ではほとんど見ることの無くなったミニ独立国。間野山市は、今なおミニ独立国を続けている、廃れて残念な残念観光地だった。
そんなこんなで、由乃の”普通じゃない”お仕事生活がはじまった。

声優・キャラクター
七瀬彩夏、上田麗奈、安済知佳、田中ちえ美、小松未可子、斧アツシ、伊沢磨紀、小西克幸、下野紘、濱野大輝、ヴィナイマーシー、森なな子、黒沢ともよ
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

田舎の問題を取り上げた異色のアニメ…ヒロインの成長とPAの絵を楽しむ良作

PAのオリジナル作品。いつの間にか「お仕事シリーズ」となってしまいました。花いろ、SHIROBAKO、個人的にツボをつく、本当に面白い作品だと思っています。この後を受けることになるわけで、期待せずにはいられません。どんな作品になるのでしょうか。

1話…始まりは強引に(PAらしい)
{netabare}就活30社全滅中の短大生、木春由乃。自分の出身地の田舎が嫌いで、どうしても東京で就職したいらしい。
とある日、バイトしていたモデル事務所から田舎の独立国の王になる仕事が舞い込む。バブルに建てられた独立国は寂れ、商店街はシャッター通りである。
一日だけの仕事かと思っていたら、一年盛り上げる契約だった…。逃げようとするものの、駅まで行くバスはなく、どたばたあって、結局残ることに。
王国の建物に行くと、十万人達成の記念写真を見つける。そこに写っていたのは由乃が幼い頃に十万人目のお客として王冠を被っていた姿だった。

相変わらずPAの初回は強引です。でも、そこがいい。作品の導入で、この作品の方向が分かるように作っているんですよね。なのですんなり受け入れてしまいます。
ミニ独立国か…懐かしい響きです。バブルの落とし物みたいなものです。今でいったら、ゆるキャラやふるさと納税みたいなものかなぁ…。いつの時代も地方を盛り上げようと必死なのですが、乗り遅れると二番煎じだし、流行りが終わると忘れ去られるし、本当に難しいです。
由乃の田舎が嫌いな感情、物凄く分かる…自分もそう思っていました。歳を重ねるとどうでもよくなってくることもあります。でも、本当に分かる。

PAの女の子キャラは可愛いです。似たり寄ったりですけど、安定して可愛い。でも髪の色はピンクじゃない方がよかったように思います。可愛さが下がる気がするんですが(個人的趣向か)

うん、面白そうです。長い目で見ていきたいと思います。 {/netabare}

2話…お土産(それは売れない…)
{netabare}国王として初の仕事、それは土産の饅頭を売ること。しかし、饅頭は誤発注に100箱のはずが1000箱届いてしまっていた。売り言葉に買い言葉、由乃は売り切ったら東京に帰るということで仕事を引き受けてしまった。
売るにはどうしたら良いか、真希や凛々に相談するも良いアイデアはでない。会議所に行くと、IターンしてWeb関係の仕事している早苗を紹介される。早苗に会い、ネット広告をしてみることに。が、甘くはなく売れない。ならばと動画配信で挑んでみるものの、やっぱり無理だった…。
賞味期限が切れ、販売は終了。反省会では5人が集まりそれぞれ反省するものの、何となく楽しそう。由乃ももう少し居ても良いかなと思い始める。

誤発注を互いに擦り付け会う会長と職員。さすがにアニメでもこれは遺憾。仮に1000円売り(消費税抜き)だとしよう。卸値が七掛けとして700円×1000=70万円だ。田舎の商工会なら(いなかでなくとも…)大問題だと想うが。しかも、助成金で1000万もらっているんだよね、これは遺憾遺憾。
2話にして5人が揃いました。それぞれに得意不得意がありそうで、力合わせればという感じでしょうか。足並み揃うことがあったり、バラバラになったりがPA作品。どう展開していくのでしょう。{/netabare}

3話…ゆるキャラ(もう時代遅れになってきているんだよね…)
{netabare}オープンカーで新国王の宣伝、もう市中引き回しである。東京から荷物が届く、由乃の荷物で、由乃は留まること決意したようだ。地元テレビ局のインタビューに答える由乃、しかし、間野山のことをよく分かっていない由乃は、アドリブの質問に答えられない。会長から叱咤を受け、間野山を巡る。しかし、住人からは良い答えが得られない。それどころか、みんなの意識は薄い。
腑に落ちない由乃、高見沢から変えるのは「若者、馬鹿者、余所者」と激励ともつかないことを言われる。そして、カブラ王国のこれまでを知る。
ヌルキャラ選手権に出場することになったチュパカブラ(中身は会長)と国王(由乃)。しかし、チュパカブラの頭が行方不明に。仕方なく直で顔にペイントするものの、気持ち悪いだけ。ピンチを知った凛々子はしおり、早苗、真希に相談、チュパカブラ以前のキャラであるカブラ君を探し、着替えてもらうことに。
会長から檄を受けて由乃は決断、チュパカブラとカブラ君のハーフ姿で登場。そして、演説をぶちまける。
ヌルキャラの反省会も込みの花見。ここで由乃は会長に残る宣言するが、それにはしおり、真希、凛々子、早苗と一緒に頑張れるならというものだった。

もはやゆるキャラも時代遅れ…何でもそうだけど、あれが流行ったらうちでも、良いのが見つかったら手を出してみる。そして飽和状態に、そして潰れると。最近だとふるさと納税がまさにそう。規制がかかるから来年には下火になるでしょうね。かといって、何もせずに埋没するのもダメと言うし、ほんと、むずかしい…
由乃、前向きになっているけど、緒花や宮森みたいに真っ直ぐ前向きという感じではないけど、どうなんでしょう。由乃が主人公だけど、ほかの四人も十分にスポット当ててほしいです。せっかく二期あるようなので。{/netabare}

4話…伝統工芸品(これがなかなか観光と結び付かないんだな…)
{netabare}早苗が古民家からシェアハウスへ引っ越し。その家の欄間を見た由乃は彫刻の素晴らしさに感動し、欄間彫刻が間野山の伝統工芸品であることを知り、これで町お越しができないか考える。
欄間が作られているのは木彫り村で、職人が集まる地区。そこへ出向くと若い職人の辰男と一志に出会う。二人とも間野山へやって来た職人だった。辰男は由乃たちの話を聞き、乗り気だが、一志は寡黙な職人だった。一志を見た早苗は何かひかれるものがあった。
どう木彫りを盛り上げるか5人で会議をするものの、良いアイデアは浮かばない。これまでも木彫りで盛り上げようとしたが、ことごとく失敗してきたらしい。早苗のアイデアでドク(天才発明家…たぶん)の開発したパワーアシストに木彫り彫刻を付けてみることに。しかし、うまくいかず、木彫りの地蔵で自販機をつくり、一志から一喝されてしまう。
この事で会長と凛々子の祖母が言い争い。祖母は伝統を重んじることを言い、会長は伝統だけでは食えないことを説く。早苗は一志に謝りに行くが、そこで間野山へ逃げてきたのではないかと言われる。

ドク、どう見てもあの「ドク」がモデルだよね。
伝統に縛られては廃れていくし、かといって、伝統の重さも理解できる。かなり難しい問題に突っ込んだなという感じです。一志が早苗に言い放った「逃げてきたのではないか」は真理だけど、早苗のこれまでを知ると同情的にもなります。続きものになった話しだけど、どう解決に導いていくのか、シナリオ大事です。{/netabare}

5話…伝統工芸品その2
{netabare}木彫り彫刻を何とかしたいという考えで、それぞれが彫刻のことを真剣に調べ始める(早苗を除く)。一志の言葉に考え込む早苗はふらりと駅に向かう。そこで辰男と会い、何気ない会話。
それぞれが持ち寄った情報をもとに、再び会議を開く。そこで由乃が出した計画案は「サグラダファミリア」計画で、壮大なものだった。当然のごとく会長に突っぱねられる計画案。「有名人の図案なら」という言葉にサンダルさん(実は知る人ぞ知る画家だった)に図案を描いてもらうことに。・
早苗はまだ悩んでいた。そんな時、辰男から彫刻を使ったサンダルはどうかと提案され、また、一志が彫っていた彫刻のことを聞く。
由乃と早苗の会話。早苗の悩みに由乃は真っ直ぐな回答をする。その言葉を聞いてすっきりする早苗だった。
あくる日、会議に早苗が加わる。早苗が持ってきた案は具体的で、背伸びのない良案だった。その最初の一歩としたのが一志の彫刻だった一志に思いを伝え、一志も理解を示す。

壮大な計画が、現実的な案になっていく過程を描くと同時に、早苗の悩みをほぐしていく回でした。
由乃が5回にしてすでに国王として前向きになっているのがPAの主人公らしいなという感じです。それと、抜群の回答能力。これならばすぐにでも就職できそうな感じもするだが・・・。あと、無鉄砲なところも。やっぱりみゃーもりと被ってしまう。もう親戚の設定にしちゃえよと思ってしまいます(笑)。{/netabare}

6話…映画のロケ地その1
{netabare}間野山で映画撮影が行われるという。そのロケの裏方として仕事をする由乃たち。しかし、真希は乗り気ではない。
助監督たちとロケ現場を視察するが、監督からはシナリオの変更など指示がきててんやわんや。ようやく監督が到着。ラストシーンのために用意した廃家は由乃たちが綺麗にしており、監督は気に入らない。ボロボロになった廃家を見つけ、これだということになり、持ち主もオーケーなのに、交渉したしおりが乗り気ではない。
撮影が始まる。出演予定だった女優が怪我でドタキャン、由乃が真希を推薦したというが、真希は怒る。休憩時間に主演ヒロインが真希を訪ねる。劇団の後輩だった。

映画やテレビのロケ地というのがもたらす経済効果の話はバカにならないですよね。最近では当たり前になってきたアニメの聖地巡礼もしかり。観光協会にとっては全面協力のしがいがあります。が、これも当たり外れがあるわけで、当たれば鷲宮神社、秩父や大洗になるし、外れれば店先に看板が空しく立っているだけ。見極めは難しいのが本当のところだと思います。
さて、真希の回かと思ったら、意外にもしおりの話しも重そうです。しおりが曇った顔したの、初めてです。あの家に何があるんでしょうね…。

それにしても風景が綺麗なこと。やっぱりPAの描く田舎の風景は素晴らしいです。{/netabare}

7話…映画のロケ地その2
{netabare}映画出演する凛々子だが、もともと人前が苦手なためNG連発。それを救ったのは真希だった。
由乃はラストシーンで燃やす空き家探しで意外な事実を知る。その家はしおりの思い出がつまった家だったのだ。その事で交わらない意見を交わす二人だった。
一方で、子供ゾンビのシーンに付き合う真希。どうして役者になりたかったかを思い出す。
由乃としおりは和解した。しおりの思いをなにか残せないかと考える由乃。そしてラストシーン。監督の思い付きで主役が家に飛び込むことになり、真希がスタント志願して撮影は成功。由乃はエンドロールに家の持ち主だったおばあさんの名前を入れるようにスタッフにお願いしていた。

なんの映画かさっぱり分からない…。間違いなくB級映画だろうし、地域の宣伝にはならないだろうね…。
しおりと由乃の対立、どっちの意見をとるのか、人によって違うところが難しいです。真希の立ち直りについては、自分の選んだ道への問いということで、誰もが通りすぎる問題をこの作品なりに導いていいるところが共感できます。歩んできた道を振り返るシーンはPAの青春ものっぽさが出ていて、綺麗で良かったです。{/netabare}

8話…グルメイベントその1
{netabare}観光協会で行うことになったグルメイベント。しかし、日程が商店会主催の納涼祭と丸かぶりだったことが判明。商店会に謝りにいくも、会長と婆さんがまたしても対立。日程はずらせない中、しおりが「何とかする」と宣言したというのが本筋。
一方で、しおりの姉と同級生の熊野のちょっとした恋物語がサイドストーリー。

いくら対立しているからといって、日程被っていることに誰も気づかないのはあり得ない…。納涼祭って、毎年同じ時期に開催しているのだろうし、観光協会なら人呼ぶために町のイベントは絶対に押さえているはずだし、って、アニメの世界に突っ込んではいかんな…。
凛々子の婆さんが言っていることは間違いではないと思う。地元の食材を使わない町お越しは意味がない。かといって、会長の言っていることも間違いではない。人が多く来てこそ、活性化する。この作品は毎回、二つの対立する意見をぶつけ合うけど、どっちも言っていることは間違いではないというところがミソなんですよね。双方がぶつかって、落とし処を見つけるように進行していくところが面白いです。{/netabare}

9話…グルメイベントその2
{netabare}しおりが国王代理としてイベントを取り仕切ることに。間野山ではそうめんが食べられていることに着目し、そうめんグランプリを開催することに。観光協会からもしおりが発案したとろろ昆布使ったそうめんを出品。イベントは大勢の客が来場し、成功を収めた。というのが本筋。
一方で、しおりの姉と熊野の話は、高校卒業後に会う約束が、姉の日程勘違いであったことが判明。改めて二人は良い仲に。というのがサイドストーリー。

この作品は気持ちいいくらいとんとんと話が進みます。SIROBAKOも花いろもそうだけど、PAの作品は2回見て「あぁそういうこと」とか「そこに伏線あったんだ」とか、後から見直すことを前提で作っているような気さえします。
五人娘は、とにかく全員ボケで全員突っ込みもできるというところが面白いです。かといって、それぞれに色をつけているので個性も強いですし、キャラが生きていてい本当に良いです。
それにしても、由乃の営業力はスゴい。もうどこにいっても(就職)大丈夫だと思う。{/netabare}

10話…婚活イベントその1
{netabare}観光協会で行うことになった婚活ツアー。しかし、応募は3人だけ。イベントの中身を任された由乃たちは、アイディアを出しあう。地域の伝統芸能である躍りを披露しようとするが、凛々子だけは乗り気ではない。
当日、3人の参加者がやって来て、婚活ツアーがスタート。ドタバタとしながらもイベントは順調に進んでいく。夜、バーベキューしながら、凛々子以外の四人は躍りを披露。凛々子はその場を離れる。その後、突然雨が振りだして…。

ツアー参加者のキャラデザインがかなり微妙…わざとなんだろうけど、いくらなんでもな気もします。
この手のイベント、本来、参加者少ないと5人組の誰かはほぼ強制参加させられていると思う。特に早苗あたりはうまく乗せられて参加させられるように思います。
さて、凛々子の回ですね。凛々子のように周りから浮いていると、田舎だと「変わった子」で括られてしまいがちです。凛々子がどう成長するのか。そう言えば、凛々子の両親は?{/netabare}

11話…婚活イベントその2
{netabare}婚活ツアーの二日目。由乃たちは裏方として付き添うが、凛々子は雨にあたり体調を崩していた。
サンダルさんの家族の話を聞く。なんと、曾祖母が間野山出身だったというのだ。また、凛々子の家族の話も聞く。凛々子の母親は都会の人で、間野山に馴染めず家を出てしまい、それを追いかけて父親も出てしまったものの結局離婚。父親の海外転勤に伴い、実家に預けられたというのだ。そのため、凛々子の婆さんは余所者を嫌っているのだとか。
竜の話が気になる凛々子は図書館で調べた。そこで、いままで知らなかった話に行き着く。その話をしようとイベント参加者のもとに向かうが、邪魔者にされてしまう。落ち込んで、さらに由乃に憎まれ口を叩く凛々子。由乃は凛々子の良い部分を伝え励ます。そこにサンダルさんが間野山では忘れられていた歌を歌ってやってくる。
最後の夜、凛々子はみんなの前で忘れられていた歌を披露する。この歌をずっと伝えていきたいと宣言して。

PAの話って、かなりご都合主義なところも多いのですが、今回はまさにその回です。サンダルさんの話がまさにそう。でもそこがアニメらしくて嫌いじゃないんですね。サンダルもすごく良いアクセントになっていますし。
凛々子の回。凛々子がどうしてこんな性格になったのか、その一端を見た感じです。由乃にどうして笑えるのかと問い詰めていたけど、最後の凛々子の笑顔で締めるなんて、良い演出です。
田舎の余所者嫌いか…いまだに残っているところはあるんですよね。これって、将来も残るところは残るでしょうね。日本の古くからある伝統なのかもしれない。{/netabare}

12話…記念イベントその1
{netabare}カブラ王国建国20周年記念イベントを開催することになり、準備が進む。が、金も人もなかなか集まらない。
テレビ局から取材依頼。何でも情熱大陸系のドキュメンタリーで、由乃を主人公にするらしい。ディレクターは他の四人はドラマ性があるが、由乃は普通すぎるという。
テレビ局が祭に人気バンドを呼ぶという。祭を盛り上げるため、商店会、青年会など各種団体に頭を下げる由乃たち。はじめは難色を示していたものの、これまで由乃たちと協力してきた人たちが協力を申し出て、全体で協力をすることになる。
イベント前日。由乃が見たのはイベントに前乗りしてきた大勢の客だった。

たぶん、ライブ聴きに来た客は祭に興味を示さないという展開だろうな…。そこをどう切り返すか、興味あります。
由乃たちを救ったのが熊さんはじめ、触れてきた人たちというのが熱いです。
それにしても、何度も言うようだが、いまの由乃ならばどこにでも就職先見つかると思う。それくらい良い人材だと思う。それが普通すぎると言われたら、見る目ないというしかない。が、やっぱり考え方が普通だと、短時間の面接なんかじゃ伝わらないか…。{/netabare}

13話…記念イベントその2
{netabare}間野山でのイベント準備が進む。テレビ局が仕掛けた人気バンドのライブ効果で、間野山には人が押し寄せる。
イベント開始。ライブ前の客が王国のイベントに参加する。商店会のブースも賑わい、忙しく働く由乃たち。ライブも盛況のうちに終わり、イベントは大成功に見えた。
由乃たちを追いかけたドキュメンタリーが放送される。それは編集によって歪められたものだった。イベントは一過性のものだったという現実にうちひしがれ、由乃は大きな荷物を抱え、バスに乗り込む。

イベント失敗すると思ったら大成功でした…。その後の捉え方が実にリアルで感心です。
こういった町興しイベントの最大の課題は「その後」です。大抵のイベントは一過性です。ここで考え方が別れます。一過性でも良いという人、その場かぎりでは何も解決しないという人。これはどっちも間違いじゃないから難しいのです。一過性でも盛り上がることが大事ですし、盛り上がったあとまで考えて行動しなければならないのも大事。ただね、特に日本人は一過性イベントが大好き。その後までうまくいく事例は少ないのが現実なのです。このあたり、本当によく捉えているし、このあとどう展開させるのか興味がありますq{/netabare}

14話…それぞれの夏休み
{netabare}由乃、早苗、真希はそれぞれ夏休みをとっていた。由乃は地元へ、早苗と真希はもといた場所へ戻っていた。そして、馴染みの顔に会い、なにか物足りなさとこれからをぼんやり考えていた。
一方、凛々子としおりは新たな町興しの策を考えていた。それは空き家を利用した民泊だった。

後半のスタート。それぞれ抱えていた過去やこれからのことの考えをぼんやりと見せていた回かなという感じです。終わりに向けたスタートの伏線だったのかもしれません。最後はみんな、それぞれの道を歩むことになるのではないか、そんな予感がします。{/netabare}

15話…民泊
{netabare}由乃が間野山に帰ってきた。「安産」軍団はUMA好きの連中で、チュパカブラの探索に来ていた外国人。間野山の人々とも交流し始め、池干しを見にさらに増えるという。宿泊施設が少ない間野山、そこで由乃たちは本気で民泊を考え始めていた。
池干しが始まる。しかし、会長はなにかシリアスで…。

松居棒はタイムリーすぎて…。凛々子が外について考え始めたのが気になります。やっぱり最後は外に出ていってしまうのだろうか…。
民泊の手続きとか、けっこう壁大きいんだよね。どう解決していくのか?と思ったら、金をとらない。なるほど、盲点だわ。{/netabare}

16話…祭の終焉
{netabare}池に落ちた会長が肺炎を引き起こした。それでも病院を抜け出し池に。池には会長の過去が有るらしかった。
会長の過去が明かされる。会長とドクと凛々子の婆さん、実は高校時代にバンドを組んでいた。なかなか理解してもらえず、東京へ行こうとするが、当日、会長は来なかった。以来、会長と凛々子の婆さんは仲違いしたままの関係だったのだ。
会長は東京へ行かず、東京行き決行の日に行われていた祭りを滅茶苦茶にした。水上に浮かべていた御輿を潰して落としたのだった。以来、祭りは行われなくなった。
池干しの賑やかな風景を見た由乃。廃れてしまった祭りを復活させたいと思う。そして観光協会でその事を話すが、復活には三種の祭具が必要だという。

日笠さんにベース…ただし、サウスポーではないのが残念。にしてもオリーブの可愛いこと。時って、いろいろ残酷でもある…。丑松の気持ち、古い時代の物語ではなく、今も抱えている人、けっこう多いのではないかと思います。人の気持ち、本当に難しい。
三種の祭具を探す、これがクエストになるわけか。ラストに向けて動き出す感じがいいですね。ここに来て由乃以上に気になるのが凛々子。この子の一人立ちがけっこう重要なのではないかと思います。{/netabare}

17話…田舎の課題その1
{netabare}三種の祭具を探すことにした由乃たち。間野山に住む文化人類学で著名な教授のもとを訪れるが、軽くあしらわれてしまう。その際、バス路線の廃止の話を聞き…。
教授から試されるように導かれたのは各家庭に配られたタブレットを年寄りに使わせること。由乃たちは使い方などを指導し、年寄りたちはいつのまにか使いこなしていた。しかし、教授の本当の狙いはここからだった。訪ねてきた由乃を確保し、ネット配信でバス廃止に反対を訴えたのだ。

現代社会の大きな課題が描かれた回です。交通手段の確保、地域コミュニティ、高齢化。これはどこの地域でも抱えたものであり、田舎、都会は関係ない問題です。これをこのアニメではどう答えていくのか、大変興味あります。にしても…エロじじい、けっこういるんだよね…平気でエロ話や体さわっちゃうじいさん。{/netabare}

18話…田舎の課題その2
{netabare}年寄りたちの反乱、その考えに同調して加担してしまう由乃。反乱といっても、それは年寄りたちの考えを広めることが目的で、実に楽しんでいた。中心人物である教授の本当の狙いは集落とここに住んだ人々を記録しておくことだった。
バス廃止の解決に高見沢と早苗が動く。その解決方法はデマンドバスだった。バスとタクシーの中間みたいなもので、この集落の年寄りたちはネットを使えるので実現可能となったのだった。予想以上の成果を喜んだ集落の人々は反乱を撤回。しかし、その夜に教授が…
三種の神器のひとつは教授の家に眠っていた。

デマンドもひとつの解決策ではあるけど、高い料金はとれないし、運転手の人件費はかかるし、出番もそんなに多い訳でないしと、けっこう難しい問題多いのですよね。でもやらないよりはよっぽどマシかもしれませんが。
それにしてもラスト…泣けました。まさかその展開とは考えもしなかったです。{/netabare}

19話…廃校の活用方法その1
{netabare}太鼓を探しに学校へ侵入する由乃たち。そこで真希の父親にばったり。取り壊しが決まっている廃校が心霊スポットになっていて見回りだったらしい。
祭りの開催に向けて動き出す観光協会。祭りをつぶした張本人である会長もいろいろ思いがあり動きに協力する。
真希が家に戻る。母親の誕生日だったからだ。父親も帰ってきて家族でおでんを食べるが、真希も父親もうまくいかない。その帰り、映画出演のオーディションの通知を受ける。
廃校を活用する方法を考える由乃たち。給食会を開催しようということになる。そして、真希はオーディションを受けに東京へ。

真希中心の話でした。なんだかんだで父親は娘をよく見てる(完全に親ばかだけど…)。祭りには会長の過去もあるから、このあたりをどう解決していくのか興味あります。{/netabare}

20話…廃校の活用方法その2
{netabare}真希はオーディションに落ちた…。給食会に顔を出す真希。そこでこの学校が閉校式をしていないことがわかる。
サンダルさんが絵を描く場所に困っていた。そこで由乃たちは学校の美術室を使ってはと提案する。学校を見て回ると次々とアイデアが浮かんでくる。いっそのこと、学校を地域に開放してはという提案にいたる。
閉校式が行われる。閉校式では真希が脚本、演出をする演劇が披露された。これまでにない笑顔の真希だった。
閉校式は一転、開放式となる。地域にこの学校を自由に活用してもらう宣言の式典だった。

廃校する学校をどう活用するか。アニメみたいにいくところもあれば、そもそも人がいないのに活用もくそもあるかとうところもある、。学校って、地域の核のひとつなんだよね。だからほかの施設と違って、多くの人が真剣に考える。
真希の答えが出たようだ。ちょっとずつ終わりに向かっているんだな…{/netabare}

21話…田舎って…その1
{netabare}しおりたちが車で走っていると、雪道なのにヒッチハイク、エリカだった…。エリカはどうしても間野山を出たいと家出してきたのだった。5人の宿舎に泊まることになる。
由乃と早苗は商店会などに祭りの協力をお願いする。商店会長は協力を受けるが、集まっていない商店主たちへ挨拶するように促す。
商店を回りながら、町の活気のなさに気づく由乃だが、前向きである。
間野山が大好きなしおり。エリカの気持ちは分からない。
アンジェリカで昼間から飲んでいる高見沢と金田一。三種の神器のひとつ、竜の飾り物を子供のころ、埋めたという。この二人と野毛の三人は小学校のころからの同級生だたのだ。そして探しはじめる。

神器探しのラストがまさかのところからとは。三人の夢、ある意味叶っているというのがなんともいえません。子供ころの夢って、なんだったけか?
エリカの東京へ出たいという気持ち、ものすごくよく分かるわ…。実際自分もそうだった。でも、今は残っている。よかったかのかどうか、いまだに分からない…。対比するようなしおり。この話はしおりの話でもあるんだな。{/netabare}

22話…田舎ってその2
{netabare}流の置物を探す野毛たち。しかし、子供のころに書いた暗号が解けずに苦戦。
エリカの気持ちが治まらない、その気持ちをしおりにぶつけてしまう。そんな時、エリカの歯に痛みが。乳歯が抜けるようだ。痛みが治まらないエリカ。凛々子がばあさんに連絡すると、薬屋を手配した。町の薬屋さんは融通が利いた。
アンジがエリカを探して行方不明になったという。昼間に野毛たちの話を聞いて、竜を探しにいったのだと考え、公園へ。そこにサンダルから連絡が。サンダルがアンジを確保しえいたのだった。アンジのやさしさと思いを知ったエリカは家に戻るのだった。
野毛たちが竜を探し出す。しかし、隠した竜はおもちゃだった。淋しくなっていた商店街。しおりがひとつのアイデアを出す。吊灯篭だった。夜間、商店街に灯る吊灯篭、それを見た野毛たちは気持ちを新たに進むのだった。

30分が短い、詰まった回でした。エリカとしおりと、野毛と、いろいろ考えがあって、さらに商店街のいいところの発見。いろんな問題、先の見通せない難しさ。このアニメはどのように答えを導いていくのだろう。{/netabare}

23話…空き店舗の活用
{netabare}間野山を徘徊する不穏なスーツ連中。しおりと由乃は有名な洋菓子屋の社長と面会。祭りの協賛になってくれるという。しかも、間野山で店を開きたいと。この社長、間野山出身だったのだ。
商店会の意見を伺いに向かう。今度は会長も一緒だ。千登勢からは協力を取り付ける。空き店舗を探すが、いっぱいあるのになかなか貸し手が見つからない。最後に秋山という商店を閉じた爺さんを訪ねるが…。
商店会の会合に呼ばれた由乃。商店会の会合で千登勢は商店会を解散してもよいのではと提案する。喧々諤々となる会合。秋山に店舗を貸すように迫る商店主たち。しかし、秋山には苦い思い出があったのだ。
洋菓子屋の出展問題も解決し、祭りに向けてさらに動き出したとき、会長から間野山が合併でなくなるかもしれないという話を聞く。

空き店舗はある、やりたい人もいる、が、進まない。う~ん、田舎の元中心地にはよくある問題ですね。人もこない、どうやってか活気を戻すのか、たぶんこれから先、50年くらいは続いていきそうな問題に感じます。
急な合併話。でもこれって、観光協会に真っ先にはこないよね。どうがんばっても役所経由で来る問題だと思う。けっこう強引だよね。さて、最終回に向けて最大の問題が現れた。どう解決する?{/netabare}

24話…祭り、そして…
{netabare}合併の話、これ協議会へ参加の打診だった。悩む会長。それでも祭りの準備は進む。そんな時、ときときテレビから祭りを取り上げる代わりに祭りの目玉になっている舞台へローカルアイドルをあげろという提案が。打ち合わせに来たディレクターを一喝する会長。
祭りまで盛り上げようとする間野山の人々。ネットを通して宣伝も盛んに行われる。準備のさなか、由乃の今後を問う早苗たち。まだ答えは見つかっていないけど、前向きになっている由乃。そんな由乃の誕生日、観光協会のみんなに祝われる。
そして祭りが始まる。この様子を見た会長は守っていきたいと思うようになる。そして、サンダルの祖先の話を聞き、サンダルの出身地と姉妹都市を結んではどうかと思い立ち、偶然にも日本に来ていたサンダルの出身地市長の元へ向かう。

由乃の成長、1話から見続けているから本当に良かったと思います。お仕事シリーズの基本、それは登場人物の成長です。この作品でもしっかり描いたなと思います。なんだろう、何気ない日常の風景なのに、すごくグッと来てしまいます。
会長もここに来て「大人」になったということなのか、やっぱり若いころのままの「馬鹿者」なのか、どっちでもいいのかな、この人は。
あぁ、もう最終回だ…かなり寂しい。{/netabare}

25話…旅立ち
{netabare}祭りは盛り上がりを見せる。会長は金沢に向かい、なぜかSNS上で話題に…市長に会うことができた。
舞台が始まる。ビーフは間に合い、ドクとオリーブと50年前の約束を果たす。そして祭りは盛況のうちに終える。
五人の打ち上げ。それぞれの今後を話す。由乃は間野山を出て行く決心をする。
由乃の一年の契約を終える日が来た。国王退任の日、会長は王国の解散を宣言する。
由乃の出発。これまで出会った人々たちに見送られる由乃。それは涙と笑顔が混じったものだった。会長が叫ぶ「ここはおまえの街だ、いつでも帰ってこい!」と。
それぞれがそれぞれの道を歩む。由乃はとある南の島にたどり着く。それは間野山で学んだものを活かす仕事だった。

こんな終わり方、本当に安心します。ひねりも何にもない、まるで青春ものの爽やかな終わり方。このような作品はこれでいいと思います。泣けたし…。
サンダルさん、作中はジョーカー的な存在だったけど、サクラクエストの絵本、泣けた。ほんと、いい作品だったと思います。{/netabare}

PAのお仕事シリーズ、第3弾は正直、地味な内容です(なので、あまり高い評価はされないかもしれません)。しかも、どこの地域にでも起こりうる…というか、起こっている問題を取り上げて、解決方法はないに等しい、とても難しい話題でしたし。そこを笑いあり、涙あり、成長物語あり、実にまとまっていたと思います。
難しい問題ではあったけど、決して脚本家の押し付けで通さなかったのが良いと感じました。こういう作品(実写ドラマ含め)は、作家の考えとかを押し付けてしまいがちで、つまらなくなってしまうのが有り勝ちです。そこを我慢したのかどうかは分かりませんが、こんな方法もあるのでは?という重くしないところ、そして、無理やりまとめない点、流れで通す点、そこが気に入ってます。

5人のヒロイン、個性的で、みんな悩みがあって、みんなが成長して、ちゃんと次へ進む。SHIROBAKOもそうだったけど、このシリーズが続くのであれば、この基本は踏襲していってほしいと思います。それにしても、間野山の独身連中、こんなにもかわいい子が揃っていながら、誰にも手を出さないなんて…(笑い)。それから丑松と千登勢とドクの関係性と個性もとても気に入っています。ドクは…作中の開発品はどこからでも引き合いになりそうなものだが、特にパワードスーツ、これ、売れるなんてものじゃないと思うが。

作画は安定のPA。やっぱり景色がきれい。1年を通しているから四季の描写が本当に良いです。それと、ヒロインたちの服装も四季に合わせて変えているんですよね。細かいところもPAだなと感じます。

PAのお仕事シリーズ第3弾、個人的には本当にお気に入りです。PA好きな人はもちろんのこと、日常系のドラマが好きな人に合うのではないかなと思います。

投稿 : 2022/12/03
♥ : 64
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

もっと評価してほしい。

端的に言うと、地方創生、地域振興。PAWorksの本社は富山にあるから、舞台は富山のようだ。南砺市かな?
実際はこの作品のように上手くはいかないし、どこの自治体も人口減少を食い止めて、移住者を増やすための苦労は多いだろう。でも、この作品のように若い女性5人が市政だったり、町政だったりに参加してアイデアを出すだけで結構、効果はあるかもしれない。田舎に行くほど政治とか行政はおじさんばかり。これじゃ変わらない。そこへのヒントがこのアニメの中にはあるかもしれないと感じさせてくれた。
ネットが発達した現代では都会に住まなければ何もできないというわけではない。地方では高齢化問題への対策が急務だし、交通の便も悪いが、人酔いすることはないし、家賃とか土地代も安い。自分が田舎者だからだろうけど、いまいち都会に住むメリットを理解できない。しっかりと目的意識を持って住むなら何でも手に入れやすい環境の都会は良いだろうが、憧れだけでは主人公の木春由乃みたいに都会においてだけだが、陳腐な存在に。都会でおばさんになっても、田舎でおばさんになっても、大差はない。

5人は役割分担ができている?ようでITを駆使したり、お芝居を初めてみたりと町おこしに貢献している。リアルでも若い女性が地方で行政に携わることができる環境ができれば、もとい興味を持ってくれれば、地方創生を促進するきっかけになるかもしれない。

この作品の評価がお仕事シリーズの中では低いけど、自分は興味を持って見てたから面白いと感じた。

OP
Morning Glory 歌 (K)NoW_NAME:NIKIIE
Lupinus 歌 (K)NoW_NAME:Ayaka Tachibana
ED
Freesia 歌 (K)NoW_NAME:Ayaka Tachibana
Baby's Breath 歌 (K)NoW_NAME:NIKIIE
挿入歌
はじまりはいつもミステイク 歌 椿由乃[(K)NoW_NAME:eNu]
thyme 歌 (K)NoW_NAME:NIKIIE
龍の唄 歌 織部凛々子(田中ちえ美)
Alcedo Atthis 歌 Ptolemaios[(K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki]
gravity 歌 Ptolemaios[(K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki]
Ptolemaic system 歌 Ptolemaios[(K)NoW_NAME:Makoto Miyazaki]
薔薇が咲きやがった 歌 門田丑松(江口拓也‎)& 織部千登勢(日笠陽子‎)
瑞池祭「龍の唄」演劇 -急- 歌 織部凛々子(田中ちえ美)

作中の音楽は全て(K)NoW_NAMEが手掛けている。使われた歌の数も中々多い。Ayaka Tachibanaの歌声は結構好きだったので、また、どこかで彼女の歌声を聴けたらいいなあ。


主人公、木春由乃は、田舎から上京し短大の卒業を間近に控えた、いわゆる普通の20歳の女の子。東京には何でもあって、きっと特別な何かになれるのではないかと夢みて、30社以上の面接を受けるも、未だに内定はない。銀行の残高は980円。このままでは、田舎帰って普通のおばさんになってしまう・・・と葛藤していたそんなある日、以前、一度だけ働いたことがある派遣事務所から、「地域の町おこしの一環で国王をやってほしい」との依頼がある。実際は{netabare} ベテラン女優の椿由乃と間違えられただけだが。{/netabare}よくわからないが軽い気持ちで依頼先の間野山市に向かうことにした。一時的に日本中でブームになるも、バブル崩壊に合わせて今ではほとんど見ることの無くなったミニ独立国。間野山市は、今なおミニ独立国を続けている、廃れた残念観光地だった。そんなこんなで、由乃の”普通じゃない”お仕事生活がはじまった。

アマゾンプライムから引用のあらすじ。サンダルさん風のあらすじ。
1. 魔の山へ
あるところにチュパカブラ王国という名前の小さな王国がありました。昔は栄えていたというその国も、 今ではすっかり寂れてしまっていました。そこへ都会から少女がやってきました。先代の国王の命令により少女は寂れてしまった王国を救うため、新しい国王になることになりました。少女は国王として、一年間頑張ることになりました。一日と勘違いしていた 国王は逃げ出しました。でも、逃げられませんでした。

2. 集いし五人の勇者たち
逃げられなかった国王に与えられた最初の試練。それは饅頭1000箱を1週間で売り切ること。あの手この手で頑張りますが、結局ほとんど売れませんでした。国王の最初の試練は失敗に終わりました。でも饅頭は美味しかったのです。

3. マンドレイクの叫び
試練に失敗した国王は、半信半疑で1年間国王を頑張ることになりました。今日の仕事は、間野山のぬるキャラ、チュパカブラくんをテレビでアピールすることです。でも国王になったばかりなので、上手に話すことができませんでした。国王は反省しました。そして、町の人たちに色々聞いてみることにしたのです。ぬるキャラ選手権地方大会の当日、チュパカブラくんの頭がありません。色々あって、国王は怒りました。すっきりした国王は改めて4人の仲間と一緒に1年間頑張ると決心したのでした。

4. 孤高のアルケミスト
仲間になったIT大臣が国王と同じ家に住むことになりました。みんなで引っ越しの手伝いをしている時、とても素晴らしい欄間を見た国王は、彫刻を王国の繁栄に活かせないかと言い出しました。IT大臣が最先端の技術と伝統工芸を融合する案を思いつきました。でも、やってみたら伝統を馬鹿にしてるのかと、色んな人に怒られました。IT大臣は謝りに行きますが、都会から逃げてきたことを指摘され、図星だなと思い、中途半端にかかわるのは駄目だなとも思い、落ち込み、やめてしまいました。国王は悲しみました。

5. ユグドラシエルの芽生え
悲しんでいるわけにはいかないと、国王たちは彫刻の歴史を勉強しました。勉強した結果、国王は彫刻を使った巨大建造物を作るのはどうかと思いつきました。たくさんのお金を集めるために、とある画家に建造物の絵を描いてもらうようにお願いしました。国王は落ち込んでいたIT大臣を励まして、再び仲間になってもらいました。元気になったIT大臣が、国王の思いつきを良い感じに修正することになりました。駅を彫刻で立派な建造物にすることになって、怒っていた人たちも協力してくれることになりました。駅は町の玄関です。電車に飛びのっても、そんなに簡単に靴は脱げません。

6. 田園のマスカレード
国王のところに、間野山をロケ地に映画を撮りたいという依頼がきました。間野山を知ってもらうチャンスです。やってきたロケ隊と一緒に撮影場所をまわる国王たちでしたが、いつの間にか台本が変わっていました。人情モノだった作品がいつの間にかホラーモノになっていました。ドンドンわがままな監督に振り回されてしまいます。その他にも行き当たりばったりなことが次々と起こります。ドタキャンしてしまった女優の代わりを、ちょうど良いと合点大臣にお願いしたら、なぜか逆に怒られました。IT大臣は合点大臣に「みっともない」と言って去って行きました。ヒロインの娘が個人的にはとってもタイプです。

7. 煉獄の館
映画の撮影はトラブルが続きます。綱渡りながらも国王たちは乗り越えていきます。そんな中、撮影に使う空家の持ち主となかなか連絡取れません。国王が持ち主に電話をしてみると、OKの返事はしていると言われました。連絡を任せていた仲間は嘘をついていたのです。でもその家は、仲間にとって思い出がたくさん詰まった大事な家でした。そのことで国王は、仲間とケンカをしてしまいました。そしてガテン大臣は燃えている家に飛び込んだのです。でも、夏の虫ではありません。スッキリしたそうです。国王の粋なはからいもあり、みんな仲良くなりました。

8. 妖精のレシピ
チュパカブラ王国の限定メニューを作るために、C級グルメの発表会をしようとしていました。自分たちだけで考えていても、良いアイディアが出ないということで、フレンチの修行から帰ってきた熊野さんに色々教えてもらいました。準備を進めていたら、商店会の会長に怒られました。商店会がやろうとしていた納涼会と同じ日に発表会をやることになっていたのです。国王たちは謝りました。でも許してもらえません。責任をとって発表会をやめる決断をしようとした国王でしたが、仲間の一人が代わりに発表会を仕切り、みんなが幸せになるアイディアを出しますと言い出しました。彼女は国王を必死に守ったのです。

9. 淑女の天秤
国王を守った彼女は、まだ震えています。必死でした。アンジェリカさんのお店で、食事をしていた時に、この国の人たちみんながそうめんを食べていました。故郷の味だったのです。色々と考えた結果、参加型の「大そうめん博」を思いつき、地元の物産展も同時に開催することで、商店会の会長からもOKも出ました。人が来るのか心配で心配でしたが、「間野山大そうめん博」にはたくさんの人が来て、国王は「流されそうめん」されていました。とても楽しそうでした。彼女は国王からとりもち大臣の役職を任命されましたが、すぐに辞任しました。本音を言い合える仲間っていいですね。

10. ドラゴンの逆鱗
国王のところに、青年会のひとたちからお願いがありました。都会の女のひとが、この国の男のひとと結婚してくれるようなツアーを考えて欲しいと言うのです。国王たちは色々な案を考えて、メインイベントとしてこの国に伝わる間野山踊りをやろうということになりました。でも、UMA大臣はその踊りを踊りたくないのです。みんなと違う感性をもっているUMA大臣は、ずっとそのことを悩んでいました。無理はしなくていいよと仲間たちはフォローします。ツアーは、なんだかんだ順調に進み、国王たちが間野山踊りを披露することになります。UMA大臣は遠くから見ていることしかできません。ふと気づくと、UMA大臣の姿がありません。外は、たくさんの雨が降ってきました。

11. 忘却のレクイエム
UMA大臣は、帰り道、雨に濡れて風邪をひいてしまいました。龍の伝説にシンパシーを感じたUMA大臣は、風邪の身体をおして間野山踊りの言い伝えを調べることにしました。調べると、悲しい言い伝えとは別の解釈と、龍の魂に捧げる鎮魂歌が存在していたことがわかりました。勇気を出して、他のひとたちにそのことを伝えようとしましたが、怖がってしまい聞いてもらえませんでした。悲しくなったUMA大臣は、勢い余って国王にひどいことを言ってしまいます。でも国王は、すべてを受け入れ、励ましました。国王に勇気をもらったUMA大臣は頑張って、蛍が綺麗な池の畔で「龍の唄」を歌いました。みんな良い笑顔になりました。

12. 夜明けのギルド
国王たちは、チュパカブラ王国ができてから20周年の建国祭を計画していました。 前国王が突然TV局のひとたちを連れてきました。国王たちのことを密着取材したいと言ってきたのです。取材をされながら準備をしていく国王たちですが、メインのクイズ大会の予算が全然足りません。TV局のひとがロックバンドを呼んでくれることになって、国王たちは喜びました。イベントは大きくなり、人が沢山来るチャンスです。国王たちは、繰り返し間野山に観光客が来てもらうことが重要だと、商店会や街のひとたちを説得して、みんなで建国祭を盛り上げることになりました。建国祭の前の日の夜、たくさんのひとたちがテントを持ってやってきました。明日はすごいことになりそうです。

13. マリオネットの饗宴
建国祭の日になって、たくさんのひとたちがこの国にやってきました。商店街の出店も盛り上がっています。国王はメインのクイズ大会がいよいよ始まります。池向こうの特設ステージでは機材のトラブルでライブの開演が遅れてしまいました。なんとクイズ大会の開始時間とライブが被ってしまったのです。ライブに人が流れていってしまいますが、国王たちは頑張ってクイズ大会をやり遂げました。建国祭が終わり、TVの放送を見た国王たちはびっくりしました。この国に繰り返し観光客が来てくれるために頑張っていたのですが、建国祭の前と何も変わっていないのです。国王はショックを受けました。大きな荷物を持って駅行きのバスに乗りました。でもこの物語は続きますので、安心してください。

14. 国王の断罪
建国祭でたくさんショックを受けた国王でしたが、心機一転、夏休みということで自分の故郷に帰ってきました。IT大臣とガテン大臣は東京に行きました。前国王の命により、とりもち大臣とUMA大臣は、この国の宿泊施設不足の反省を踏まえ、民泊について調べていました。国王は久しぶりに地元のお祭に行きました。神輿を担ぐ人たちや、美しい街並み、祭を楽しむ人たちの笑顔がありました。いままで地元には何もないという理由で嫌いだった国王でしたが、改めて帰ってこられる場所、集まれる場所っていいなと思ったのでした。心を充電して、また頑張るのです。

15. 国王の帰還
国王と、大臣たちが帰還しました。チュパカブラ王宮がなんだか賑やかです。中で宴会をしている外国人や他の大臣たちを見つけました。外国人たちはクリプティッド12と言って、日本で唯一チュパカブラの目撃情報のあるこの国にしばらく泊まりたいと言いました。国王たちは、せっかくはるばる来てくれた外国人の方々の宿泊先を手配するため、空き家の家主と掛け合ったりします。そんな中、桜池の水を抜く池干しが70年ぶりに実施されることになりました。誰が言い出したわけでないのに自然と人が集まってきます。夜になり、誰かが池で溺れていました。それは前国王でした。寿司桶につかまって助かりました。

16. 湖上のアルルカン
国王たちは前国王が桜池で溺れたを理由を探ることにしました。若い頃の写真に一緒に写っていたドクなら何かを知っているかもしれません。ドクに話を聞いた国王たちは、前国王が桜池から引きあげようとしていたものや、50年前まではこの国にあった「みずち祭り」の存在を知りました。そして国王は、自分が見た地元の景色を思い出して、祭を復活させようと考えたのです。しかし、まず国王たちに与えられた試練は、祭りに受け継がれていた三種の祭具を見つけ出すことでした。信楽さんが初めてしゃべりました。

17. スフィンクスの戯れ
三種の祭具、「剣鉾・吊太鼓・黄金の龍」を探すことになった国王たちでしたが、50年も昔のものなのでなかなか見つかりません。そこで、何か手がかりが無いかと山奥の蕨矢集落に住む元大学教授の鈴原さんに会いに行くことにしました。集落の蔵のどこかにあるという噂を聞いた国王たちですが、蔵と言っても数が多くて大変です。そこでIT大臣は、お年寄りたちにタブレット端末の使い方を教えてSNSで呼びかけて探すことにしました。作戦は順調でした。ある日蕨矢集落の路線バスが廃止になることがきまり、鈴原教授をはじめとした老人たちは怒ってしまいます。老人たちは、チュパカブラ王国からの独立宣伝をし、在宅のままクーデターの映像を流します。画面の端をよく見たら国王が人質になっていました。

18. ミネルヴァの盃
国王が人質になりました。クーデターといっても実際は、ほぼ宴会でした。人は楽しそうなところに集まると教授は言います。国王を迎えにきたはずのガテン大臣も参加することになりました。蕨矢集落には間野山から沢山の差し入れが集まりました。鈴腹教授の本当の目的は、もうすぐ消えてしまうであろう集落の文化をデジタルアーカイブとして残しておきたかったことだったのです。老人たちもインターネットを使いこなせることになったことで、IT大臣と路線バスの運転手の高見沢が協力し、予約制のデマンドバスを考え、試験運行することになりました。集落のお年寄りたちも喜び、独立宣言を撤回したのです。こうして鈴原教授の試験に合格した国王たちは、教授が残したヒントから三種の祭具である「剣鉾」を探し出すことができたのでした。

19. 霧のフォークロア
年の瀬も迫ってきたある夜、「吊り太鼓」を探すため、廃校になった間野山第二中学校の廊下を歩く国王たちは、この国に伝わる都市伝説「血まみれサンタ」の話をした直後、怪しい人影が近づいてパニックになってしまいました。でもよく見ると、それはリュックを背負ったガテン大臣の父・厳でした。国王たちは、厳に案内されて体育倉庫で吊り太鼓を見つけます。でも、太鼓は壊れていたので、修理が必要でした。そんな中、国王はガテン大臣の弟・浩介から、東京での映画のオーディションにガテン大臣を行かせるのに協力してほしいとお願いされました。そしてガテン大臣は、父や国王に背中を押され、意を決し、東京に向かったのでした。紙芝居は渾身の出来でした。

20. 聖夜のフェニックス
国王たちは、廃校になった校舎を使って給食会を開いていました。そこに、東京でオーディションを受けたガテン大臣が帰ってきました。誰も来ないので、スタッフで美味しく給食をいただきました。ガテン大臣から中学校に関心が薄い理由を聞いた国王は、閉校式をしようと考えました。閉校式のメインイベントとして「血まみれサンタ」の劇をガテン大臣制作総指揮でやってもらうことにしました。色々準備するガテン大臣はとても楽しそうでした。当日、劇は成功して、国王は学校を文化の発展拠点にしましょうと演説しました。そして、ガテン大臣はこの場所に劇団を立ち上げ、みずち祭りで「龍の唄」の劇をやることにしました。

21. 氷の町のピクシー
雪景色の間野山を車で移動していると、道端にヒッチハイカーを見つけました。それは、東京に出るために家出をしたアンジェリカの娘・エリカでした。家に帰りたがらないエリカを王国寮に連れ帰り、大臣たちは東京の話をすることで、なんとか引きとめることに成功しました。そして国王は、商店街の人たちにみずち祭りのお願いをしていました。祭りの準備は進んでいますが、三種の祭具の最後の一つ「黄金の龍」はまだ見つかりません。ひょんなことから昔高見沢たちが公園に埋めたシャイニングドラゴンの話になります。ひょっとしたらそれが「黄金の龍」かもしれません。掘り出そうとしたのですが、場所を特定するためには暗号を解かなくてはいかない感じでした。

22. 新月のルミナリエ
暗号を解こうとする国王や高見沢たちでしたが、なかなか解けません。その頃、大臣たちに宥められていたエリカが突然の歯痛に襲われました。この国には夜遅くまで営業しているお店はありませんが、千登勢のおかげで商店街の薬屋さんがお店を開けてくれました。雪が吹雪く夜、今度はエリカの弟・杏志がいなくなってしまったと連絡が入り、みんなで探しまします。偶然通りかかったカバ公園にいたので、交番に連れて行きました。杏志はエリカに東京に行ってほしくなかったのです。そんな杏志を見て野毛も思い立ち、廃校の教室でブックカフェを始めました。なんだかんだで暗号は解けてシャイニングドラゴンを掘り出しました。あと、とりもち大臣のアイディアで商店街全体を明るくするため各商店主に吊灯篭を配布しました。商店街も日々、生きているのです。

23. 雪解けのクリスタル
国王たちのところに、隣の富蔵市にある人気の洋菓子屋さんから、みずち祭りに協賛したいと連絡がありました。しかも間野山にも支店を出したいということで、商店街でお店を貸してくれそうな人を探すお手伝いをすることにしました。でも、お店を貸してくれる人はなかなか見つかりません。空き家となっている物件を色々あたってみたところ、秋山のことを知りました。でもなぜか秋山は首を縦に振ってくれません。商店会全体の会合を開きみんなで話し合いました。途中、ひやひやしましたが、なんとか無事にお店を貸してくれる人が見つかりました。そして、みずち祭りの実行委員会へ商店会が参加してくれることが決まったのです。国王は、見つからない「黄金の龍」の代わりに、シャイニングドラゴンを祭具として使うことにしました。全部そろって喜んでいましたが、前国王が急にビックリすることを言うもんだから、思わずビックリしました。

24. 悠久のオベリスク
みずち祭り開催に向けいよいよ準備も大詰めとなった国王たち。そんな中、前国王は間野山市がなくなるかもしれないことにたくさんショックを受けていました。そんなある日、TV局の人がやってきて、龍の唄のお芝居にTV局発のアイドルを出して欲しいと提案してきました。祭りを広く知ってもらうためには、無下にもできないと迷う国王でしたが、前国王は、問答無用にTV局の人を追い返しました。その姿を見て国王は安心しました。来る祭りに向け、国王たちは龍の石碑のある祠を掃除していました。そこで桜池を建設した時の功労者たちの名前が彫られた石碑を見つけました。それを見た放浪の画家が、自分のルーツをやっと見つけたと言いました。国王へのサプライズも大成功して、いよいよみずち祭りの当日、前国王が石碑を見て、外国の都市との姉妹都市を結ぶ計画を思いつきました。もしかしたら合併の話を有利に進められるかもしれません。

25. 桜の王国
職質を経て前国王は金沢でナウマン市長と合流できましたが、戻ってくる途中にガス欠でエンストしてしまいました。前国王を迎えに行こうとしますが、祭りのため交通規制があり、車が停めてある観光協会まで人ごみをかき分け、とりもち大臣は走ります。そこへ高見沢がデマンドバスで駆けつけ、ナイスなドライビングテクニックで送り届けます。無事に「龍の娘」の舞台が始まり、UMA大臣も「龍の唄」を精一杯歌います。この国の人々の気持ちが一つになり、祭りは大成功しました。翌朝、国王と前国王は王宮でこれからのことと、お互いの決意を固めます。ついに退任式となり、国王はこの一年間の想いを立派に演説します。前国王も、これからのこの国のことを真剣に考え、答えを出したのです。五人は、それぞれの未来を語り合い、一本の桜をこの国の記念樹として植えました。こうしてこの町をちょっとだけ元気にした国王は、自分もたくさん元気になったのでした。

投稿 : 2022/12/03
♥ : 13
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

「働く女の子」というより「女の子のサークル活動」のほうがしっくりする。

今作は、P.A.WORKS.制作の働く女の子シリーズ第3弾。
因みに個人的には、第1弾とされる『花咲くいろは』は数年前に観て佳作、
第2弾とされる『SHIROBAKO』(以下『白箱』と記す)は
リアルタイムで観て傑作の評価だった。

今作は2クールで『白箱』より1話多い全25話。

働く女の子シリーズという名称は、
『白箱』放映中は影も形もなかったと記憶してる。
ピーエーワークスの、新作を過去の成功作と結び付け、
注目アップさせるマーケティング戦略はしたたかでちゃっかりしていたが
自分にはそれは評価上のマイナスになった。

キャラの欠点を鬱陶しいと思うか、共感が得られるかで
この作品の評価は大きく分かれるのかもしれない。

あと、この脚本家たちのギャグセンスで笑えるか否かもそうだろう。

※ 以下は、酷評9割以上。
本作のファンは読まない方がいいだろう。
{netabare}
<最終第25話まで観て>

自分にとっては、まあまあ面白かったのは初回くらい。
後は非常に残念。

『白箱』が非常に面白かったので
期待値はかなり高くなってしまった反動もあり
2話以降、評価はだだ下がりのまま最終話に向かった。

丑松役のキャストのTwitterによると今作の準備を、
毎週10時間の脚本会議で丸2年掛けたらしい。
それでこの出来とは、スタッフの人選を誤ったとしか思えなかった。

<脚本家と自分の相性が最悪だった>

一番の問題点は、キャラたちのめんどくさい部分ばかりが
不自然なほど強調され長所が見えにくく、
キャラへの感情移入が最後まで阻害されっぱなしだったのが大きい。
後半、かれらの長所が表れ始めても時すでに遅く、
一度抱いた印象は拭えず。

特に丑松というキャラの、あまりに嘘くさく、
あざといバカさ加減にうんざりしたのがきっかけで、
以降、すべてのキャラもそれに準ずるように魅力を感じなくなっていった。

ユーモアのセンスも自分の感性とは全く噛み合わず
面白いとはお世辞にも言えない状況のまま最後までいってしまった。

アルバイトの気安さが常につきまとい、
仲良しサークルのボランティア活動としか思えなかったのも残念。
「働く女の子シリーズ」という括りがないほうが
まだ受け入れられたと思う。

リアルとエンタメの融合の中途半端さから
話の粗も気になって仕方なかった。

<同じ制作会社の『クロムクロ』と同じ印象を覚えた>

『クロムクロ』と本作は舞台に富山県という
会社の地元を絡めアニメオリジナル企画ということが共通点。

両作とも、計算されたフィクションが妙に鼻につくし、
キャラもいかにも受け狙いな行動をとる。
アイディアを無暗に投入し過ぎで話の練りこみが足りない。
内輪だけで盛り上がってる気がする。

その結果として、かなり不自然でご都合主義感強く
ギャグ描写も全く笑えないことが多い。

キャラが物語を作っていくのではなく
脚本家にいいように振り回されているようにしか見えない。

<『白箱』が傑作に思えるのはなぜか>

・センスのいい遊び心が巧く嵌っていた。

『白箱』は、話の中にすっと入っていけたし、笑える場面が多かった。
監督の水島努氏は、自らのセンスに忠実。
プロデューサーとか上の立場の意見に振り回されずに
強烈な自我を押し通される方とお見受けしている。
サービス精神旺盛でセンスも個性的で天才的。

その結果の作品の完成度だったと思う。

水島監督のアイデアが、シビアな仕事描写にいきなり現れる意外性。
ありえないカーチェイス、ヒロインの妄想の映像化、
映画パロディの脱出&突撃描写...

リアルなお仕事アニメには、本来は浮いてしまい不似合いなはず。
確かに始めは若干戸惑ったが、水島氏らしい、とすぐに慣れて
ギャグとして受け入れられた。

・人間描写が絶妙な脚本家の起用

水島氏と信頼関係の強い、気心知れた、相性の良い
横手美智子氏や吉田玲子氏といった
脚本家を起用できたことも成功の大きな要因だろう。

本作の監督と脚本家は、
まともに周りの意見を受け入れすぎる傾向にあるのではないか?
ネタの取捨選択が下手で、ユーモアのセンスにも問題あると思われる。

<町おこしを描くことを働く女の子シリーズで括ってしまった弊害>

PAW代表取締役の堀川憲司氏は、制作の現場出身らしく
会社経営のみならず、企画から自社の作品制作に大きく関わられる方で、
ほとんどの作品にプロデューサーとして名を連ねておられる。
(本作では珍しくプロデューサーとしては関わっていないよう)
そのため、それらの作品群には、
ご自身の趣味嗜好がかなり反映されると思われる。

例えば、PA作品は『凪のあすから』のようなファンタジーでも
人間描写はリアルなのがひとつの売りと思うが
そういうところも堀川氏プロデュースの個性と思う。

それはこの物語でも伝統として根付き、
リアル志向でキャラも等身大。
しかし今作に限っては、これが作品を堅苦しくしてる要因の一つに思う。

<今作を観て『白箱』の良さ再確認>

『白箱』は、アニメ制作会社が舞台という
ものづくりをテーマにしたことがよかった。

納期が明確でキャラと共に締め切りにハラハラドキドキできたし、
プロの想いやノウハウが新鮮で興味深かった。

声優やCG制作など様々な業種まで話が及び、
様々なアニメ制作現場の描き方もリアルで
非常にキャラに感情移入しやすかった。

今作では、逼迫した締め切り効果もあまりなく
成功への確実なノウハウもなく、頼りになるプロの指導者もいない。

お仕事アニメは、その道の大先輩がいないと締まらないんじゃないか。

『花咲くいろは』だって主人公の祖母である女将の存在があればこそ
ヒロインや他の登場人物がどんなに未熟でも安心して観れた。
お釈迦様の掌からは決して飛び出せない孫悟空を見るが如く...

よほど才能ある監督と脚本家に恵まれない限りは
町おこしなんて難しいテーマを正面から取り組むのは、
実写ドラマにでもまかせておけばいい。

このような重いテーマを題材とするなら、
アニメならいっそのこと、
世知辛さは最小限にしたほうがいいと思う。

キャラをもっと自由に明るく、閉塞感漂う町に活気を与え、
もっと飛んだり跳ねたり、コミカルでファンタジーで
あり得ないほど楽観的な夢ある作風のほうが
もっと視聴者に愛されるんじゃないか。

らしくないので、
この会社がこの方向性で制作することはまずないだろう。
でも観てるとそんな感想が浮かんできてしょうがない。

と書いたら、本作の2クール目の14話終了後に
「アクションヒロイン チアフルーツ」が始まった。

当に自分が妄想した方向性で、1話を観た限り、
アニメで町おこしならチアフルーツの方が
断然面白くなりそうでワクワクした。
(ついでに書くと、サクラクエストが最終話を迎えた時点では
あちらは第10話視聴完了となったが全く対照的な感想。
キャラに愛着もわいて次回が非常に待ち遠しい。
パロディの豊富さとギャグのセンスと間合いが素晴らしい。
リアルは置いておいてエンタメに徹し切ってる制作陣にかなりの好印象。)
{/netabare}
★ 第3話まで観て
{netabare}
性格は至って真面目なヒロインが、始めは不本意ながら
仲間との出会いで徐々に意識が変わり
与えられた職務をやり遂げようと変化する様は
実に微笑ましい。

しかし面白いかと問われれば微妙。
{/netabare}
★ 第6話まで観て
{netabare}
この時点で物語評価を3.0から2.5に下げた。

<テーマが重いだけに、普通人ばかりじゃつまらない>

マネージメントの天才を主人公として設定するか、
さもなくばその代わりのキャラが一人いて欲しい。

例えば、目上キャラの中に、ドラマ「ナポレオンの村」の
主役のスーパー公務員、浅井栄治のような楽観的で飄々と、
意外なアイディアでヒロインをサポートしてくれるような存在が
一人でもいてくれたら、全体を覆う暗さも随分と緩和されるし
意外な展開も期待できるだろうに。

<全体的にキャラの魅力が足りなさ過ぎる>

主要キャラは平凡で真面目さが取り柄。
それだけでは世知辛さだけがクローズアップ。
そこでアンジェリカ、サンダルさん、ドクといった
変人&個性的なキャラを配し、
小ネタでクスッと笑わせ和ませようとする努力は認めるが
どうにも小ネタのセンスがわざとらしくダサく感じる。

さらには、他のキャラの面倒くささのほうが上回り
到底和むにいたらない。

特に観光協会の門田丑松会長は寒すぎる。
キャラに魅力が感じられないと
犬猿の仲設定の商店会長、
凛々子の祖母とのいがみ合いも目障りに感じる。

お仕事シリーズとして前2作のように
等身大で平凡な人々による群像劇を売りにしたいんだろうか。

それならそれでいいのだが、
意外性もなく閉塞感ばかりの展開が続きっぱなしで非常に退屈。

全体の1/4が終わり先はまだ不透明。
しかし退屈さからは、早く脱却させてもらいたいところだ。
{/netabare}
★ 第11話まで観て
{netabare}
この時点で物語評価を2.5⇒2.0他
平均満足度では3.1⇒2.8に下げた。

作画とOP&ED楽曲、BGMが優秀だとは思うので
作画と音楽評価だけは高めのままだが、
話と音楽のレベルの差が音楽を浮つかせてる印象。

一応最後まで観るつもりだが、この時点で話に期待するのはもう諦めた。

<ファンタジーの世界観のメイン&サブタイトルと話の不協和音が甚だしい>

毎回、あざとく笑いを狙ってくるし、
感情移入させるためにキャラの欠点を浮き彫りにする演出が
どうにも性に合わない。

6,7話と続いた映画撮影編は、とんだ茶番だった。
8話、郷土グルメの探求はありきたりでつまらない。
熊野とさゆりの恋バナも落ちが見え見えでしっくりこなかった。
9話の、とろろ昆布の件や10話の伝統の踊りのシーンは、
郷土紹介のPVにしか見えなかった。

ここまでくると確実に自分とは合わない作品と思える。
よほどのテコ入れでもない限り評価は覆らないだろう。

<町おこしのための彼女たちじゃなく、
彼女たちの成長のための町おこし活動に見えるはまずい>

主要5人の奮闘は一所懸命であっても肝心なところでゆるさや甘えが目立つ。
ゆえにこれを仕事と言うにはおこがましい。
彼女らの活動は、結果として大学のサークル活動にしか見えないのが痛い。

由乃は期間契約で給料もらってる。給料の財源は税金。
ここまで観て、地方公務員への反感に似たものを感じてきた。

丑松も、一個人の趣味だけで国王を選んだり、
売れもしない饅頭の大量発注、過去の不毛の特撮ドラマ制作と、
予算の無駄遣いばかりが目立つ。

民間だったらよくて左遷、
場合によっては解雇されてもしょうがないだろう。

丑松という現会長が未だ権限を持って大きな顔してることが、
ここの自治体の一番の問題なのではなかろうか。

また、観光協会の女性職員のしおりは業務の一環だから別として、
それ以外の3人は、由乃を手伝うことに
全くのボランティアというわけにもいかないだろう。
そこらへんはどう設定してるんだろうか。

<由乃のアイデアのセンスが門田会長なみに酷いのが悲しい>

由乃は、初めからずっと残念なセンスの持ち主だとは思っていたが
9話のそうめん博での由乃のアイデアは一番ドン引き。

彼女の発案でドクが作成した体感ゲーム機
「流されそうめん5DX」は設定が雑で無理があり過ぎ。
汁や麺が飛び散り周りが大迷惑。
食べ物を粗末に扱ってる感が寒すぎる。
いい話の部分もすべて吹き飛ぶほどだ。

ドクのCVが山路和弘さんとは贅沢だが
今回ばかりは声優の無駄使い感も湧いた。

10話のサンダルさんの言動も意味不明で魅力を感じられない。
とうもろこし持って何言ってんだか...。

11話、強引に龍神伝説と絡めた結果、
オチがしょぼくてがっかり。
大したネタでもないのにホラー風味で
視聴者を釣ろうとするのはセンスないと思う。
{/netabare}
★ 第16話まで観て
{netabare}
同期放映中だった「アリスと蔵六」の
紗名流に言わせてもらうと、もしゃもしゃする。

16話も掛けて、メインのヒロイン5人が一段落したら
今度は会長他、別世代のキャラまで描いた。

その都度発生するイベントや問題。
ゲストのキャラたちの設定。
それらは、その回がターンとなる間野山キャラのために
脚本家が考えた浅はかな、その場限りのものとしか感じられない。

全体評価2.8⇒2.6に下方修正した。

<「間野山」というより間抜けの「野山」>

キャラクターが自らの意思で動いてるというより
脚本家の受け狙いの意図のために動かされてるとしか思えない。

この脚本家はキャラクターに対する愛情が足りないと思う。

脚本家がちゃんと愛情を注いだキャラは
欠点も愛すべきものとして伝わるものなのに
本作にはそれがないのでいかにも作りものっぽくて嘘くさい。

<一体いつまで丑松の尊敬できる側面、人間的魅力を描かないのか>

バチが当たった人生?
神仏をないがしろにしてはいけない。

ずっと一貫して脚本家におもちゃにされてるとしか見えない丑松は
ここまで情けないと嫌いを通り越して哀れになってくる。

ハチャメチャ過ぎて行動原理が意味不明。

ロックを愛する私からすれば
あんなものをロックと言うつもりならとんだ茶番だ。

過去の遺物に対する執着。
せめて自己保身ではない動機が欲しかったが
自己中としか見えないので全く共感も同情も出来なかった。

<ようやくの作品タイトルに相応しい展開>

とは言え、16話でようやく具体的な目標となる
メインイベントとなりそうな
「3つのアイテムを揃えて祭りを復活させよ」といったクエストが発生した。

この流れなら食傷するキャラ描写も一段落になると淡い期待。
次回以降、いい加減にいい方向に行けばいいのだが...。
{/netabare}
★ 第25話(終)「桜の王国」
{netabare}
<由乃はフリーター街道一直線?>

最後の最後で由乃が新たな町おこしに飛び組む〆は勘弁してほしかった。
努力家ではあっても凡人の彼女を、普通の職業に就かないせいで、
彼女の未来に明るさを感じられないではないか。

ここで由乃は、クエスト(町おこし)に魅入られた者として見て取れた。
契約期間満了後、無責任にその任を終える日々を
彼女の若さで与えることは人生のプラスになるとは思えない。
一歩間違えると彼女の将来はゲーム廃人と同等になりかねない。

それ以外は、1~24話で積み重ねたものに魅力を感じられたなら、
なかなか上手いまとめ方だと思うが、その点ダメダメだったので
感動もなしだった。
{/netabare}

投稿 : 2022/12/03
♥ : 30

69.6 2 高齢化アニメランキング2位
老人Z(アニメ映画)

1991年9月1日
★★★★☆ 3.7 (203)
1013人が棚に入れました
看護学校に通うハルコはボランティアで高沢老人の介護を行っていたが、高沢が最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれ、お役御免となってしまう。見舞いに行った先でチューブだらけになった高沢の姿を見てショックをうけたハルコは高沢を助け出そうとするが失敗。実習先で知り合ったハッカー老人らに助けを求めるが…

声優・キャラクター
松村彦次郎、横山智佐、小川真司、近石真介、辻谷耕史

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

介護、その真の意味は・・・?

秀作中の秀作。
1991年にこのストーリー・・・。本当に今敏監督は天才以外の何者でも無いです。

一番評価したいのは作画と物語。昭和の雰囲気をそのまま出した作画は最近のアニメと違って逆にリアルです。
アニメだからこそ出せる「アニメ内での真実」というものを上手く表現しています。
ストーリーのベースとなる、時代、季節、キャラクターなどを選択するのは製作者の自由なんですが、一度設定してしまえばその設定に、その雰囲気を突き通さなければいけない。
それが「アニメ内の真実」です。

今作品は1991年と言う当時のそのままの風景を設定にしてあります。無駄に近代化もしてなければレトロにもしてない。
で、作画のタッチもその昭和の雰囲気を表現するに相応しい、薄くて輪郭がぼやけながらも、活気みたいなものを視聴者に無意識化で伝達するような感じになっていてその世界観にずるずる引き込まれます。
似ているのは「かみちゅ!」です。「かみちゅ!」でもぼやけた輪郭が焦点が合わさっている物をより強調する効果を持っていたのと同時に懐かしいような雰囲気を醸しだしていました。

で、その作画だけでも素晴らしいのですが、一番興味深いのはその「THE 昭和」にコンピューターネタを持ってくることです。
しかもそのアイデアそのものは2012年の今でも通用する、「意思の介入」というもの。
一般家庭にパソコン自体普及していないような時代にこのネタは本当に天才としか良い様がありませんね。まさに圧巻です。

最近の同じネタとして扱った作品として挙げられるのは「サマー・ウォーズ」です。
ラブ・マシーンという探究心を持ったプログラムがOZという架空世界でどういった行動を起すのかを描いていました。


実は、私はコンピューターネタとしては今作品、「老人Z」の方が一枚上だと考えています。
「サマー・ウォーズ」との一番の違いは現実世界か架空世界か、です。
そして、現実世界でコンピューターが意思を持つということの方が作品として描くのが難しいと私は思うんですよね。
なんせ、現実世界には(老人Zでは昭和の神奈川付近)現実世界のルールがある。それは本編でもよく描かれていました。
マスコミなどは、本当にそのもので、これだけでもオススメしますよw
で、その現実世界のルールの従いながら、または破りながらどう矛盾無く視聴者をその世界観に引き込むか。
架空世界だと製作者側でどうにも変えられますからね。


物語は単純明快でして、しかも世の中の有様を非常によく表しています。
特に厚生省や国際情勢などの詳細な説明はありませんでしたが、そこは普段からニュースを見ていたら分かります。というより、分かりすぎて面白いww
1991年からマスコミや政府は変わっていないことが良く分かりますよw

例えばマスコミ。初めのロボットを厚生省が発表を記者会見でする時、こんなセリフがありました。
「そのロボットの原動力はなんなんですか?」
「ミニ原子力です!」
「え?そんなの大丈夫なんですか?放射線が洩れて患者の容態が悪くなる可能性は?」
「大丈夫です。万が一の場合はロボット自体が緊急信号を発信します」
「成る程!それなら大丈夫だ!」

ってな感じで、ホント厚生省の発言を鵜呑みにするマスコミ報道陣。もっと調査報道しろっての!

他にも1991年に製作されたにも関わらず、今の日本と通ずつシーンがチラホラ。
そういう点は非常に共感できるのと同時に面白いです。


ちなみに、この作品の一番の焦点は「介護」であって、コンピューターが意思を持つということではありませんのど、そこだけは気をつけてください。

コンピューターが、ロボットが意思や探究心を持つなどと言った作品は他にも沢山ありますし、もっと深いところで問題提起する作品もあります。
というより、今作品では第六世代コンピューターというものの、基礎チップ(多分CPUのことだと思う)がバイオテクノロジーで作られているということしか記されていなくて、それがどう探究心に繫がるのかは曖昧でした。

対照的に「介護」は物語の全体を通して上手く描いていました。
介護とは人の体を清潔に、とか出来るだけ手間を省いて効率良くとかじゃなくて、如何に患者に負担をかけずに、患者の気持ちを汲んで幸せにするか、だということです。

こういう点はサービス業とリンクして、花咲くいろはで出ていた幾つかのセリフを思い出しました。

物語は簡単ですが、そのメッセージ性は独特かつとても強調的でダイレクトに心に響きます。
何度目か分かりませんが、本当に1991年とは信じられない。
いや、むしろ1991年だからこんなにも輝いているんだと思います。
時間がある人も無い人も是非見てください^^

投稿 : 2022/12/03
♥ : 17

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

浅薄だがおもしろい、そんな歪なアニメ映画

1991年公開のアニメ映画。
監督:北久保弘之氏、
メカニックデザイン:大友克洋氏、キャラクターデザイン:江口寿史氏
作画を担当しているのも、今敏氏、沖浦啓之氏、黄瀬和哉氏、井上俊之氏
鶴巻和哉氏、松本憲生氏等々数え上げればキリがない程超豪華スタッフです。

「簡単なあらすじ」
看護学生の三橋晴子がボランティアで看護している寝たきり老人の高沢喜十郎は、
ある日突然日本政府の推進する最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれる。
体中チューブだらけの高沢に胸を痛める晴子。
そんな中介護ロボットは暴走していくことになる・・・。

*現在においては看護と介護の違いは明確化されていますが、
ここではほぼ同義語として取り扱います。

さて、私が本作を観終えた直後の率直な感想を述べると、
アニメーションとしてはおもしろいと思う・・・
けれども、一体何なのこの作品? 何が言いたいの? そもそも何の為に作ったの?
と狐につままれたような気分になりましたw

本作を視聴する前は当然介護問題を取り扱った作品だろうと想定しているわけです。
劇中でも「愛のある看護でなければいけない」的なことを晴子が発言していたので、
ああ、そういうメッセージ性の作品なんだと思っていたんですけど、
テーマ性、ストーリー性、舞台設定、キャラ造形、さらには話のオチに至っても、
その全てが浅薄極まりなく、もうペラッペラですw
本作を観終えて、「介護問題について深く考えさせられた」なんて言われた日には
真顔で「は???」と聞き返してしまうレベルw

高齢化社会が進んだ現在において介護問題は当時とは比較にならない程深刻化しています。
家族の認知症介護の経験者、あるいは現在介護している立場の方からしたら、
本作は極めて不愉快なものに映るかもしれません。

高沢をどこか小馬鹿にしたかのような描写、
高沢の願望の為に介護ロボットとして暴走し、周りに迷惑をかける描写、
劇中にアーパーギャル(死語)などという言葉が出てきましたが、
晴子含めアホな学生たちの軽佻浮薄な言動、
ご都合主義にも程があるだろうという登場人物の存在等々
本作の欠点は数え切れない程ありますし、
見る人によっては不謹慎だなんて言う人もいるかもしれません。

しかし、アニメーションとしては結構おもしろいw
何故ゆえにこんな歪な作品が出来上がったのかその背景に興味をそそられました。
それで、ちょっと調べてみたんですけど、
「アニメ監督・北久保弘之氏、『老人Z』の当時のエピソードを語る」という
Twitterのつぶやきがありました。興味があれば是非ご覧になってください。

この北久保弘之氏のつぶやきを要約すると、
飲み屋で酔っ払った北久保弘之氏と大友克洋氏がノリと勢いで作った企画を、
プロデューサーに持ちかけたら、よもや企画が通ってしまって、それで作るはめになったとw
売れる企画って何だ?→売れるといったらロボットものでしょ!!
→最強のロボットの操縦者が逆に寝たきり老人だったらおもしろくね?
→可愛いお姉ちゃんも必要でしょ→じゃあ、江口寿史さんに描いてもらっちゃう?(笑)
こんな感じだったのでしょうねww
それで、集められたスタッフは(もちろん今振り返るというのは考慮しても)超一流揃いだったので、
出発点がバカ企画とは思えない本格的なSF作品に仕上がってしまったとw

制作動機も不純ですし、見る人によっては不快感を与えるかもしれません。
前述したように不謹慎と捉える人もいるでしょう。
こういったブラックユーモアはエンターテインメントとして成立しづらいのが、昨今の風潮です。
それは、多少不謹慎だろうとおもしろければなんだっていいじゃん!という、
当時は当たり前のように受容されていた往年の❍ジテレビのようなノリが
もはや時代錯誤ということなのでしょう。

個人的にはこの程度のブラックユーモアなら許容できる範囲だと思いますし、
現在のあまりに行き過ぎた規制の掛け方は、表現する側にとっても窮屈でしょうし、
なによりも業界から活気を奪うので、如何なものかという思いはあります。

ちょっと話が逸れましたが、
本作を楽しむには、テーマ性? キャラ造形? 
そんなもんおもしろければなんだっていいじゃん!という
ある種バブリーなノリが必要なのかもしれませんね。

投稿 : 2022/12/03
♥ : 34

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

単純なAI機械批判ではない、介護老人として生きる意味とは?

 マトリックスが1999年。本作が1991年です。機械文明の中で生きるということはどういうことかと、考えさせる作品です。攻殻機動隊の初出が1989年でコミック発売が1991年です。アニメ映画ですから準備に2年かかるとすると、おそらくは同時に進んだんでしょうね。シンクロニシティともいえるし、時代がそれを考える時期に来ていたということでしょう。

 本作は、超高齢化社会における機械とコンピュータによる介護を一見チャップリンのモダンタイムス的にとらえて、批判的に見ることは出来ます。ヒロインのハルコさんとの生身のつながりを描くことで、やはり人間による介護が必要だという結論になるのかな、と思ってしまいます。

 が、結果的に主人公?となる老人はAIで再現された疑似人格の元妻によって救済を得ます。そして、老人の逃亡を手助けしたのは、ネットワークでつながった別の老人の支援でした。人間がバーチャルに拡張することでボケた老人に生きる意味が生まれるのでは、という可能性もありました。

 私ごとになりますが、私は機械で介護されたほうが気が楽です。人間関係や生身の生活は今までの蓄積がありますので、この先がバーチャルでも何の問題もありません。むしろ、生命維持の呪縛から解放してくれるならこのアニメの介護機械を選択すると思います。もちろん、機械を信用するにたる安全性の担保は欲しいですけどね。

 では、この老人は何のために生かされるか、ですね。ここが資本主義の不思議なところで、経済成長のためには、消費し贅沢し浪費し蓄財したいと思う理由が必要になります。人間の価値は将来は機械につないでも生かされることになります。つまり、マトリックスの世界ですね。


 本作のヒロインにより物語は進行しますが、彼女の思想はおじいちゃん可哀想ということと看護担当としての使命感だけです。本作のテーマ性はヒロインには見えてきません。
 感情移入は、ボケてしまった老人に将来の自分の姿を重ねることができるかどうか、になってくると思います。

 この時代にそこを考えていたかわかりませんが、人の出会いと思い出が老人には必要です。最期に誰を想うか…まあ、そこはネタバレなのでいいませんが、老人になることについて深く考えさせる非常に良い作品でした。


 で、本作の面白さですが、面白いです。古さはありますけど、テンポよく話が進みますし、映像のカットが凝っているので見ているだけで飽きません。
 それに、物語はかなり時系列的には単純に進行しますが、展開が早くて日常から荒唐無稽な世界にどんどん移行してゆく中、ヒロインを中心にキャラがよく動きます。

 メカやAIのイメージも秀逸です。1991年にしては、というカッコ書きはつきますが、作画のレベルが非常に高いので安っぽさはないですし、むしろ映像的な面白さは新鮮です。AKIRAで培った技術がはっきり生きていましたね。まあ、ここは二番煎じ的ではありますが、大友カラーともいえます。

 ヒロインの可愛さは秀逸です。大友克洋の美少女苦手と江口寿史の美少女しか描けないが組み合わさって、各キャラが個性的な造形で、ヒロインは非常に可愛かったです。萌え絵感はまったくありません。看護婦姿(死後でNGワードですがどうしてもこの言葉を使いたいです。正しくは女性看護師)最高です。作画も素晴らしいです。
 目が後半の方が大きかった気もしますが、後で確認します。

 SF設定、センスオブワンダー、テーマ性。「当時としては」というカッコ書きをつけたくなりますが、良く考えると2022年だからこそ更にテーマが身近になっているとも言えます。

 上述の文中に挙げた各作品に劣らない名作でした。話のスケールが小さいのでSF大作に見えませんが、立派な作品だと思います。


 点数では、85点/100点ですかね。ヒロインの内面がもうちょっと見えると良かったかな。それとキャラが今風からいえばちょっとくどいですね。ただ、作画キャラデザは素晴らしいです。
 テーマ性、SF設定は秀逸。センスオブワンダーはまあ及第点という感じです。
 音楽はあまり見るべきところがなかったかな?



追記 美術設定、原画に今敏さんが参加していました。映像的には最高のメンバーでしたね。

投稿 : 2022/12/03
♥ : 7
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