高齢化おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの高齢化成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月23日の時点で一番の高齢化おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.7 1 高齢化アニメランキング1位
サクラクエスト(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (930)
4258人が棚に入れました
主人公、木春由乃(こはるよしの)は、田舎から上京し短大の卒業を間近に控えた、いわゆる普通の20歳の女の子。
東京には何でもあって、きっと特別な何かになれるのではないかと夢みて、30社以上の面接を受けるも、未だに内定はない。銀行の残高は920円。このままでは、田舎帰って普通のおばさんになってしまう・・・と葛藤していたそんなある日、以前、一度だけ働いたことがある派遣事務所から、「地域の町おこしの一環で国王をやってほしい」との依頼がある。よくわからないが軽い気持ちで依頼先の間野山市に向かうことにした。
一時的に日本中でブームになるも、バブル崩壊に合わせて今ではほとんど見ることの無くなったミニ独立国。間野山市は、今なおミニ独立国を続けている、廃れて残念な残念観光地だった。
そんなこんなで、由乃の”普通じゃない”お仕事生活がはじまった。

声優・キャラクター
七瀬彩夏、上田麗奈、安済知佳、田中ちえ美、小松未可子、斧アツシ、伊沢磨紀、小西克幸、下野紘、濱野大輝、ヴィナイマーシー、森なな子、黒沢ともよ
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小さな拍手を大きな拍手に変える

P.A.WORKSが描くお仕事シリーズ第3弾。

全国でも様々な町興しが行われていますが、
その成功例は少ない。実際のニュースでも、
次々と観光名所が、営業中止しています。
これはタイムリーな話かもしれません。

町の将来を考える。
間野山観光協会に就職した主人公の奮闘記。
{netabare}地元のキャラ饅頭の売り込みや、
ゆるキャラグランプリへの参加、
工芸品木彫りの桜池ファミリア計画。{/netabare}
みんなの心に残り続ける何かを探す、
主人公と仲間たちの健闘に期待しています。

小さな拍手を大きな拍手に変える。
意味のある作品になれば嬉しいですね。

18話視聴追記。
教養アニメの資質もありますね。
{netabare} 16話~18話の下りで、
老人にタブレットを無料配布してSNSを教え、
デマンドバスなんて面白いアイデアであり、
土地に根差した独居老人への思いに、
考えさせられるものがありました。{/netabare}

最終話視聴追記。
知恵を得て変化を続け未来に想いを伝える。
{netabare}やけにあっさりとしたラストでしたが、
町を少しだけ元気にしたという意味では、
クエスト達成じゃないでしょうか。{/netabare}

間野山がそこに暮らす人々にとって、
憩いの場所でありますようにと願うばかりです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 85
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

昆布だしのようにジワジワと来る、P.A.WORKSにしか作れないかも?な《隠れた良作》

本作は多分、第1話を観終わって「何コレ、ちょっと面白いかも?」と思った人には最後まで楽しめる作品だと思うし、逆にその時点で「あんまり面白くないな」と思った人は無理して見続ける必要のない作品と思います。

とにかく本作は、展開が地味・・・というか、割と現実に起こりそうなことばかりしか起こらないし、登場キャラたちの情動も至って常識的なものに終始していて、ドラマチックさやロマンチックさは余り感じません。

これを肯定的にいうと、「ナチュラルな作風」ということになると思いますし、制作会社P.A.WORKSは元々そういう作風を得意としている会社ですが、それにしても本作は、同社のそれまでの制作アニメ、例えば、『花咲くいろは』、『SHIROBAKO』(※どちらも「お仕事系アニメ」という点で本作と類似)に比べても、その地味さが際立っています。

・・・というか、『花咲くいろは』の主人公(兼ヒロイン)の松前緒花が、結構自我が強くて面倒くさい性格だったり、『SHIROBAKO』の場合は、主人公は割と地味だけど、周りの人たちがいずれも一癖も二癖もある自信家・才能もち、もしくは奇人・変人ばっかりだったのに比べると、本作の場合は、主人公(兼ヒロイン)は「周囲の状況をよく見て、自分が譲れるところはなるべく譲って、みんなにとって最適なやり方をなるべく選んでいく」タイプで、その周囲の人たちも、ほんの一握りの人を除いて、そんなに押し出しは強くありません。

でも私は、松前緒花のような自我の強いタイプよりも、本作の主人公(木春由乃)のような「一歩引いてから考える」タイプのヒロインの方が断然好きなので、本作は第1話からほぼ最後まで、ずっと楽しめてしまいました。

あと、本作の題材については、「寂れつつある地方小都市の町興し」があると思いますが、視聴しながら、本作と似た題材を扱った作品として、『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』(2014年夏)を思い出しました。

一応、両作の違いを述べると、

(1) 『ろこどる』の方は、{netabare}女子高生が自分の地元である首都圏近郊の中規模都市の「ローカルアイドル」になって{/netabare}町興しをする話
(2) 本作は、{netabare}就職浪人をする羽目になった短大卒業生が、自分とそれまで余り縁のなかった地方小都市の「ミニ独立国の国王」(※実際には市観光協会の嘱託員)に任命されて{/netabare}町興しをする話

そしてまた、

(1) 『ろこどる』の方は、どちらかというと{netabare}「町興しを手伝うローカル・アイドル」{/netabare}というエンタメに振った緩い内容、
(2) 一方、本作の方は、{netabare}日本各地の地方小都市で実際に起こっているようなシリアス寄りの「田舎あるある」(※限界集落とか若者定住者確保への苦労とか都会からの婚活ツアー募集とか地元TV局のゴリ押し企画とか地元有力者同士のいがみ合いとか){/netabare}を、ヒロインの視点から視聴者が食傷気味になるくらい次から次へと描き出す内容、

・・・ということで、私は、『ろこどる』の方も ★ 4.2 と高めの評点を付けていますが、本作はそれよりも「町興し」に関しては数段深く踏み込んだ内容となっていると思うので、★ 4.4 という、私としてはかなり高めの評点にしました(※これは、『花咲くいろは-劇場版-』の ★ 4.3 よりも高い評価です)。

《まとめ》
ここまで地味な作風だと「人気が出ない」ことは、P.A.WORKSも元々承知の上での企画だったのかも知れません。
それでも、もう少し派手な他の作品で稼げるから、ここは採算を度外視して「地元(※P.A.本社のある南砺市が本作の舞台だそうです)の今」を確り描き出すメモリアルな作品を作ってやろう、という割り切りがあったのだとしたら、それはそれで大したものだと思います。

P.A.WORKS作品だと、個人的に評点が高いのは『凪のあすから』(※個人評点 ★★ 4.7)ですが、一番好きなのは『TARI TARI』(※個人評点 ★★ 4.6)、その次が本作かな。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
チュパカブラって何か聞いたことのある言葉だな、と思ったら『響け!ユーフォニアム』のサブキャラ(葉月ちゃん)が自分の楽器(チューバ)に名付けた名前だったんですね。
就職浪人の短大卒女子が、何かの勘違いで昔流行(はや)ったミニ独立国の国王になってしまい町興しに奮闘する話なんだね。
かなり強引な展開だけど、ラストの写真で最初に繋いだのは◎で急に印象が良くなる。
・第3話視聴終了時点
町を変えるのは「若者・馬鹿者・よそ者」の三拍子そろった者だって。
上手い語呂合わせだと思った。
・第7話視聴終了時点
P.A.WORKSらしいちゃんとした《感情描写系》作品と確定(初の★★(優秀回))。
・第8話視聴終了時点
冒頭の農作業にちょい違和感あり(7月に稲刈りは早すぎるので、もしかして麦?)。
・第9話視聴終了時点
「小麦が採れるから、素麺(そーめん)」…なるほど、やっぱり麦刈りだったんですね(6月が収穫期)。
・第13話視聴終了時点
チュパカブラ王国20周年記念建国祭(8/27)の大成功と、その後の厳しい現実にヒロインが初めて挫折感を味わってしまう注目回(2度目の★★)。
・第14話視聴終了時点
由乃の残りの国王任期について言及のある回
・第16話視聴終了時点
アルルカン(仏語 arlequin)は即興劇の道化役という意味(英語だと Harlequin)。
2017年から50年前というと、ビートルズ来日(1966年6月)から間もなくの頃で、全国でグループ・サウンズが流行した時代みたい。
・第17-18話視聴終了時点
こららの回は限界集落の問題を扱っていて、とっつきにくいのが難点(※でも、P.A.らしくて個人的には◎)
・第21-22話視聴終了時点
寂れて将来性の見込めない商店街と町から出ていきたい若者たちの問題を取り扱う注目回だけど、やはりとっつき難さは残念。
・第25話視聴終了時点
最後は綺麗にまとめてくれました。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         Alexandre S.D. Celibidache
監督         増井壮一
シリーズ構成     横谷昌宏
キャラクターデザイン BUNBUN(原案)、関口可奈味
音楽         (K)NoW_NAME
アニメーション制作  P.A.WORKS{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

==================== サクラクエスト (2017年4-9月) ==================

 - - - - - - - - - - OP「Morning Glory」、ED「Freesia」 - - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 魔の山へ ★ 20歳短大生・木春由乃の間野山行き、チュパカブラ王国新国王戴冠、観光協会との1年契約
第2話 集いし五人の勇者たち ★ チュパカブラ饅頭1000箱売り切り作戦(サイト構築・動画制作)、桜の季節まで
第3話 マンドレイクの叫び ★ 町の人々の意識、ヌルキャラ選手権、由乃の本気宣言、4大臣任命
第4話 孤高のアルケミスト ★ 5人の共同生活開、木彫りで町興し(いかきぼ計画)開始、香月早苗(WEBデザイナー)リタイア宣言
第5話 ユグドラシルの芽生え ★ サンダルさんの名デッサン、IT大臣・早苗復帰、間野山計画と“桜池ファミリア計画”開始
第6話 田園のマスカレード ★ 映画企画「ふたたびの森」、緑川真希の後輩女優(萌)の活躍
第7話 煉獄の館 ★★ 四ノ宮しおり(観光協会職員)の思い出の家、真希の代役志願、ロケ終了 
第8話 妖精のレシピ ★ C級グルメ料理選び、しおりの姉(さゆり)とフランス料理店シェフ(熊野)の再会、商店会との衝突、しおりの決意表明
第9話 淑女の天秤 ★ 商店会との合同企画(大そうめん博)、さゆり&熊野の勘違い解消・進展
第10話 ドラゴンの逆鱗 ☆ 青年会お見合いツアー、間野山踊りと織部凛々子の憂鬱
第11話 忘却のレクイエム ★ 続き、サンダルさんの町の縁、龍の歌(凛々子)
第12話 夜明けのギルド ★ 王国20周年建国祭(8/27)企画、町興しガールズ密着取材、地元TV局のバックアップ、商店会・青年会の協力取り付け
第13話 マリオネットの饗宴 ★★ 予想外の人手、クイズ大会、人気ロックバンド・コンサート、TV放送の違和感{/netabare}

 - - - - - - - - - - OP「Lupinus」、ED「Baby's Breath」 - - - - - - - - - -
{netabare}
第14話 国王の断罪 ★ 由乃の遅めの帰省(地元の祭り(安住祭))、それぞれの今後の思案
第15話 国王の帰還 ☆ UMA探査グループ(クリプティッド12)、桜池の池干し開始、丑松(観光協会長)の水難事件
第16話 湖上のアルルカン ★ 丑松・毒島・千登勢の50年前の黒歴史(ザ・ガレージ・バンド、神輿渡りのアクシデント)、瑞池(みずち)祭り復興計画
第17話 スフィンクスの戯れ ☆ 瑞池祭りの「三種の祭具」捜し、SNS導入、限界集落・蕨矢のバス路線廃止問題、国王人質になる(わらびや共和国独立騒動)
第18話 ミネルヴァの盃 ★ 続き、まのやまデマンドバス導入、元文化人類学者(鈴原)の死と遺産(日誌と「剣鉾」発見)
第19話 霧のフォークロア ☆ 12月、廃中学校舎探索(「吊太鼓」発見)、真希の進路の悩み
第20話 聖夜のフェニックス ☆ 映画オーディション失格(真希)、間野山第二中学校閉校式(真希脚本の演劇、由乃の「開放式」提案)、太鼓修理のサンタ
第21話 氷の町のピクシー ★ 鈴木エリカの家出騒動、シャッター商店街の内情、黄金の龍(シャイニング・ドラゴン)捜し
第22話 新月のルミナリエ ☆ 理想と現実、エリカの弟(杏志)行方不明事件、シャイニング・ドラゴン発見
第23話 雪解けのクリスタル ★ 第二中OBの人気洋菓子店「ベレン」出店申込、商店会解散話、8年前の夜逃げ事件、貸店舗決定、丑松&千登勢の和解
第24話 悠久のオベリスク ★ 隣市(富蔵市)との合併話、みずち祭への地元TV局タイアップ企画断り、祭り準備進行、由乃の誕生日祝い、祭り当日(神輿復活) ※姉妹都市話は唐突×
第25話 桜の王国 ★ ナイマン市長&由乃の家族来町、民話芝居&神輿の桜池渡りの成功、国王退任式・チュパカブラ王国解散、由乃の新しい着任先(沖縄の離島){/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)17、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

投稿 : 2024/04/20
♥ : 32
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

田舎の問題を取り上げた異色のアニメ…ヒロインの成長とPAの絵を楽しむ良作

PAのオリジナル作品。いつの間にか「お仕事シリーズ」となってしまいました。花いろ、SHIROBAKO、個人的にツボをつく、本当に面白い作品だと思っています。この後を受けることになるわけで、期待せずにはいられません。どんな作品になるのでしょうか。

1話…始まりは強引に(PAらしい)
{netabare}就活30社全滅中の短大生、木春由乃。自分の出身地の田舎が嫌いで、どうしても東京で就職したいらしい。
とある日、バイトしていたモデル事務所から田舎の独立国の王になる仕事が舞い込む。バブルに建てられた独立国は寂れ、商店街はシャッター通りである。
一日だけの仕事かと思っていたら、一年盛り上げる契約だった…。逃げようとするものの、駅まで行くバスはなく、どたばたあって、結局残ることに。
王国の建物に行くと、十万人達成の記念写真を見つける。そこに写っていたのは由乃が幼い頃に十万人目のお客として王冠を被っていた姿だった。

相変わらずPAの初回は強引です。でも、そこがいい。作品の導入で、この作品の方向が分かるように作っているんですよね。なのですんなり受け入れてしまいます。
ミニ独立国か…懐かしい響きです。バブルの落とし物みたいなものです。今でいったら、ゆるキャラやふるさと納税みたいなものかなぁ…。いつの時代も地方を盛り上げようと必死なのですが、乗り遅れると二番煎じだし、流行りが終わると忘れ去られるし、本当に難しいです。
由乃の田舎が嫌いな感情、物凄く分かる…自分もそう思っていました。歳を重ねるとどうでもよくなってくることもあります。でも、本当に分かる。

PAの女の子キャラは可愛いです。似たり寄ったりですけど、安定して可愛い。でも髪の色はピンクじゃない方がよかったように思います。可愛さが下がる気がするんですが(個人的趣向か)

うん、面白そうです。長い目で見ていきたいと思います。 {/netabare}

2話…お土産(それは売れない…)
{netabare}国王として初の仕事、それは土産の饅頭を売ること。しかし、饅頭は誤発注に100箱のはずが1000箱届いてしまっていた。売り言葉に買い言葉、由乃は売り切ったら東京に帰るということで仕事を引き受けてしまった。
売るにはどうしたら良いか、真希や凛々に相談するも良いアイデアはでない。会議所に行くと、IターンしてWeb関係の仕事している早苗を紹介される。早苗に会い、ネット広告をしてみることに。が、甘くはなく売れない。ならばと動画配信で挑んでみるものの、やっぱり無理だった…。
賞味期限が切れ、販売は終了。反省会では5人が集まりそれぞれ反省するものの、何となく楽しそう。由乃ももう少し居ても良いかなと思い始める。

誤発注を互いに擦り付け会う会長と職員。さすがにアニメでもこれは遺憾。仮に1000円売り(消費税抜き)だとしよう。卸値が七掛けとして700円×1000=70万円だ。田舎の商工会なら(いなかでなくとも…)大問題だと想うが。しかも、助成金で1000万もらっているんだよね、これは遺憾遺憾。
2話にして5人が揃いました。それぞれに得意不得意がありそうで、力合わせればという感じでしょうか。足並み揃うことがあったり、バラバラになったりがPA作品。どう展開していくのでしょう。{/netabare}

3話…ゆるキャラ(もう時代遅れになってきているんだよね…)
{netabare}オープンカーで新国王の宣伝、もう市中引き回しである。東京から荷物が届く、由乃の荷物で、由乃は留まること決意したようだ。地元テレビ局のインタビューに答える由乃、しかし、間野山のことをよく分かっていない由乃は、アドリブの質問に答えられない。会長から叱咤を受け、間野山を巡る。しかし、住人からは良い答えが得られない。それどころか、みんなの意識は薄い。
腑に落ちない由乃、高見沢から変えるのは「若者、馬鹿者、余所者」と激励ともつかないことを言われる。そして、カブラ王国のこれまでを知る。
ヌルキャラ選手権に出場することになったチュパカブラ(中身は会長)と国王(由乃)。しかし、チュパカブラの頭が行方不明に。仕方なく直で顔にペイントするものの、気持ち悪いだけ。ピンチを知った凛々子はしおり、早苗、真希に相談、チュパカブラ以前のキャラであるカブラ君を探し、着替えてもらうことに。
会長から檄を受けて由乃は決断、チュパカブラとカブラ君のハーフ姿で登場。そして、演説をぶちまける。
ヌルキャラの反省会も込みの花見。ここで由乃は会長に残る宣言するが、それにはしおり、真希、凛々子、早苗と一緒に頑張れるならというものだった。

もはやゆるキャラも時代遅れ…何でもそうだけど、あれが流行ったらうちでも、良いのが見つかったら手を出してみる。そして飽和状態に、そして潰れると。最近だとふるさと納税がまさにそう。規制がかかるから来年には下火になるでしょうね。かといって、何もせずに埋没するのもダメと言うし、ほんと、むずかしい…
由乃、前向きになっているけど、緒花や宮森みたいに真っ直ぐ前向きという感じではないけど、どうなんでしょう。由乃が主人公だけど、ほかの四人も十分にスポット当ててほしいです。せっかく二期あるようなので。{/netabare}

4話…伝統工芸品(これがなかなか観光と結び付かないんだな…)
{netabare}早苗が古民家からシェアハウスへ引っ越し。その家の欄間を見た由乃は彫刻の素晴らしさに感動し、欄間彫刻が間野山の伝統工芸品であることを知り、これで町お越しができないか考える。
欄間が作られているのは木彫り村で、職人が集まる地区。そこへ出向くと若い職人の辰男と一志に出会う。二人とも間野山へやって来た職人だった。辰男は由乃たちの話を聞き、乗り気だが、一志は寡黙な職人だった。一志を見た早苗は何かひかれるものがあった。
どう木彫りを盛り上げるか5人で会議をするものの、良いアイデアは浮かばない。これまでも木彫りで盛り上げようとしたが、ことごとく失敗してきたらしい。早苗のアイデアでドク(天才発明家…たぶん)の開発したパワーアシストに木彫り彫刻を付けてみることに。しかし、うまくいかず、木彫りの地蔵で自販機をつくり、一志から一喝されてしまう。
この事で会長と凛々子の祖母が言い争い。祖母は伝統を重んじることを言い、会長は伝統だけでは食えないことを説く。早苗は一志に謝りに行くが、そこで間野山へ逃げてきたのではないかと言われる。

ドク、どう見てもあの「ドク」がモデルだよね。
伝統に縛られては廃れていくし、かといって、伝統の重さも理解できる。かなり難しい問題に突っ込んだなという感じです。一志が早苗に言い放った「逃げてきたのではないか」は真理だけど、早苗のこれまでを知ると同情的にもなります。続きものになった話しだけど、どう解決に導いていくのか、シナリオ大事です。{/netabare}

5話…伝統工芸品その2
{netabare}木彫り彫刻を何とかしたいという考えで、それぞれが彫刻のことを真剣に調べ始める(早苗を除く)。一志の言葉に考え込む早苗はふらりと駅に向かう。そこで辰男と会い、何気ない会話。
それぞれが持ち寄った情報をもとに、再び会議を開く。そこで由乃が出した計画案は「サグラダファミリア」計画で、壮大なものだった。当然のごとく会長に突っぱねられる計画案。「有名人の図案なら」という言葉にサンダルさん(実は知る人ぞ知る画家だった)に図案を描いてもらうことに。・
早苗はまだ悩んでいた。そんな時、辰男から彫刻を使ったサンダルはどうかと提案され、また、一志が彫っていた彫刻のことを聞く。
由乃と早苗の会話。早苗の悩みに由乃は真っ直ぐな回答をする。その言葉を聞いてすっきりする早苗だった。
あくる日、会議に早苗が加わる。早苗が持ってきた案は具体的で、背伸びのない良案だった。その最初の一歩としたのが一志の彫刻だった一志に思いを伝え、一志も理解を示す。

壮大な計画が、現実的な案になっていく過程を描くと同時に、早苗の悩みをほぐしていく回でした。
由乃が5回にしてすでに国王として前向きになっているのがPAの主人公らしいなという感じです。それと、抜群の回答能力。これならばすぐにでも就職できそうな感じもするだが・・・。あと、無鉄砲なところも。やっぱりみゃーもりと被ってしまう。もう親戚の設定にしちゃえよと思ってしまいます(笑)。{/netabare}

6話…映画のロケ地その1
{netabare}間野山で映画撮影が行われるという。そのロケの裏方として仕事をする由乃たち。しかし、真希は乗り気ではない。
助監督たちとロケ現場を視察するが、監督からはシナリオの変更など指示がきててんやわんや。ようやく監督が到着。ラストシーンのために用意した廃家は由乃たちが綺麗にしており、監督は気に入らない。ボロボロになった廃家を見つけ、これだということになり、持ち主もオーケーなのに、交渉したしおりが乗り気ではない。
撮影が始まる。出演予定だった女優が怪我でドタキャン、由乃が真希を推薦したというが、真希は怒る。休憩時間に主演ヒロインが真希を訪ねる。劇団の後輩だった。

映画やテレビのロケ地というのがもたらす経済効果の話はバカにならないですよね。最近では当たり前になってきたアニメの聖地巡礼もしかり。観光協会にとっては全面協力のしがいがあります。が、これも当たり外れがあるわけで、当たれば鷲宮神社、秩父や大洗になるし、外れれば店先に看板が空しく立っているだけ。見極めは難しいのが本当のところだと思います。
さて、真希の回かと思ったら、意外にもしおりの話しも重そうです。しおりが曇った顔したの、初めてです。あの家に何があるんでしょうね…。

それにしても風景が綺麗なこと。やっぱりPAの描く田舎の風景は素晴らしいです。{/netabare}

7話…映画のロケ地その2
{netabare}映画出演する凛々子だが、もともと人前が苦手なためNG連発。それを救ったのは真希だった。
由乃はラストシーンで燃やす空き家探しで意外な事実を知る。その家はしおりの思い出がつまった家だったのだ。その事で交わらない意見を交わす二人だった。
一方で、子供ゾンビのシーンに付き合う真希。どうして役者になりたかったかを思い出す。
由乃としおりは和解した。しおりの思いをなにか残せないかと考える由乃。そしてラストシーン。監督の思い付きで主役が家に飛び込むことになり、真希がスタント志願して撮影は成功。由乃はエンドロールに家の持ち主だったおばあさんの名前を入れるようにスタッフにお願いしていた。

なんの映画かさっぱり分からない…。間違いなくB級映画だろうし、地域の宣伝にはならないだろうね…。
しおりと由乃の対立、どっちの意見をとるのか、人によって違うところが難しいです。真希の立ち直りについては、自分の選んだ道への問いということで、誰もが通りすぎる問題をこの作品なりに導いていいるところが共感できます。歩んできた道を振り返るシーンはPAの青春ものっぽさが出ていて、綺麗で良かったです。{/netabare}

8話…グルメイベントその1
{netabare}観光協会で行うことになったグルメイベント。しかし、日程が商店会主催の納涼祭と丸かぶりだったことが判明。商店会に謝りにいくも、会長と婆さんがまたしても対立。日程はずらせない中、しおりが「何とかする」と宣言したというのが本筋。
一方で、しおりの姉と同級生の熊野のちょっとした恋物語がサイドストーリー。

いくら対立しているからといって、日程被っていることに誰も気づかないのはあり得ない…。納涼祭って、毎年同じ時期に開催しているのだろうし、観光協会なら人呼ぶために町のイベントは絶対に押さえているはずだし、って、アニメの世界に突っ込んではいかんな…。
凛々子の婆さんが言っていることは間違いではないと思う。地元の食材を使わない町お越しは意味がない。かといって、会長の言っていることも間違いではない。人が多く来てこそ、活性化する。この作品は毎回、二つの対立する意見をぶつけ合うけど、どっちも言っていることは間違いではないというところがミソなんですよね。双方がぶつかって、落とし処を見つけるように進行していくところが面白いです。{/netabare}

9話…グルメイベントその2
{netabare}しおりが国王代理としてイベントを取り仕切ることに。間野山ではそうめんが食べられていることに着目し、そうめんグランプリを開催することに。観光協会からもしおりが発案したとろろ昆布使ったそうめんを出品。イベントは大勢の客が来場し、成功を収めた。というのが本筋。
一方で、しおりの姉と熊野の話は、高校卒業後に会う約束が、姉の日程勘違いであったことが判明。改めて二人は良い仲に。というのがサイドストーリー。

この作品は気持ちいいくらいとんとんと話が進みます。SIROBAKOも花いろもそうだけど、PAの作品は2回見て「あぁそういうこと」とか「そこに伏線あったんだ」とか、後から見直すことを前提で作っているような気さえします。
五人娘は、とにかく全員ボケで全員突っ込みもできるというところが面白いです。かといって、それぞれに色をつけているので個性も強いですし、キャラが生きていてい本当に良いです。
それにしても、由乃の営業力はスゴい。もうどこにいっても(就職)大丈夫だと思う。{/netabare}

10話…婚活イベントその1
{netabare}観光協会で行うことになった婚活ツアー。しかし、応募は3人だけ。イベントの中身を任された由乃たちは、アイディアを出しあう。地域の伝統芸能である躍りを披露しようとするが、凛々子だけは乗り気ではない。
当日、3人の参加者がやって来て、婚活ツアーがスタート。ドタバタとしながらもイベントは順調に進んでいく。夜、バーベキューしながら、凛々子以外の四人は躍りを披露。凛々子はその場を離れる。その後、突然雨が振りだして…。

ツアー参加者のキャラデザインがかなり微妙…わざとなんだろうけど、いくらなんでもな気もします。
この手のイベント、本来、参加者少ないと5人組の誰かはほぼ強制参加させられていると思う。特に早苗あたりはうまく乗せられて参加させられるように思います。
さて、凛々子の回ですね。凛々子のように周りから浮いていると、田舎だと「変わった子」で括られてしまいがちです。凛々子がどう成長するのか。そう言えば、凛々子の両親は?{/netabare}

11話…婚活イベントその2
{netabare}婚活ツアーの二日目。由乃たちは裏方として付き添うが、凛々子は雨にあたり体調を崩していた。
サンダルさんの家族の話を聞く。なんと、曾祖母が間野山出身だったというのだ。また、凛々子の家族の話も聞く。凛々子の母親は都会の人で、間野山に馴染めず家を出てしまい、それを追いかけて父親も出てしまったものの結局離婚。父親の海外転勤に伴い、実家に預けられたというのだ。そのため、凛々子の婆さんは余所者を嫌っているのだとか。
竜の話が気になる凛々子は図書館で調べた。そこで、いままで知らなかった話に行き着く。その話をしようとイベント参加者のもとに向かうが、邪魔者にされてしまう。落ち込んで、さらに由乃に憎まれ口を叩く凛々子。由乃は凛々子の良い部分を伝え励ます。そこにサンダルさんが間野山では忘れられていた歌を歌ってやってくる。
最後の夜、凛々子はみんなの前で忘れられていた歌を披露する。この歌をずっと伝えていきたいと宣言して。

PAの話って、かなりご都合主義なところも多いのですが、今回はまさにその回です。サンダルさんの話がまさにそう。でもそこがアニメらしくて嫌いじゃないんですね。サンダルもすごく良いアクセントになっていますし。
凛々子の回。凛々子がどうしてこんな性格になったのか、その一端を見た感じです。由乃にどうして笑えるのかと問い詰めていたけど、最後の凛々子の笑顔で締めるなんて、良い演出です。
田舎の余所者嫌いか…いまだに残っているところはあるんですよね。これって、将来も残るところは残るでしょうね。日本の古くからある伝統なのかもしれない。{/netabare}

12話…記念イベントその1
{netabare}カブラ王国建国20周年記念イベントを開催することになり、準備が進む。が、金も人もなかなか集まらない。
テレビ局から取材依頼。何でも情熱大陸系のドキュメンタリーで、由乃を主人公にするらしい。ディレクターは他の四人はドラマ性があるが、由乃は普通すぎるという。
テレビ局が祭に人気バンドを呼ぶという。祭を盛り上げるため、商店会、青年会など各種団体に頭を下げる由乃たち。はじめは難色を示していたものの、これまで由乃たちと協力してきた人たちが協力を申し出て、全体で協力をすることになる。
イベント前日。由乃が見たのはイベントに前乗りしてきた大勢の客だった。

たぶん、ライブ聴きに来た客は祭に興味を示さないという展開だろうな…。そこをどう切り返すか、興味あります。
由乃たちを救ったのが熊さんはじめ、触れてきた人たちというのが熱いです。
それにしても、何度も言うようだが、いまの由乃ならばどこにでも就職先見つかると思う。それくらい良い人材だと思う。それが普通すぎると言われたら、見る目ないというしかない。が、やっぱり考え方が普通だと、短時間の面接なんかじゃ伝わらないか…。{/netabare}

13話…記念イベントその2
{netabare}間野山でのイベント準備が進む。テレビ局が仕掛けた人気バンドのライブ効果で、間野山には人が押し寄せる。
イベント開始。ライブ前の客が王国のイベントに参加する。商店会のブースも賑わい、忙しく働く由乃たち。ライブも盛況のうちに終わり、イベントは大成功に見えた。
由乃たちを追いかけたドキュメンタリーが放送される。それは編集によって歪められたものだった。イベントは一過性のものだったという現実にうちひしがれ、由乃は大きな荷物を抱え、バスに乗り込む。

イベント失敗すると思ったら大成功でした…。その後の捉え方が実にリアルで感心です。
こういった町興しイベントの最大の課題は「その後」です。大抵のイベントは一過性です。ここで考え方が別れます。一過性でも良いという人、その場かぎりでは何も解決しないという人。これはどっちも間違いじゃないから難しいのです。一過性でも盛り上がることが大事ですし、盛り上がったあとまで考えて行動しなければならないのも大事。ただね、特に日本人は一過性イベントが大好き。その後までうまくいく事例は少ないのが現実なのです。このあたり、本当によく捉えているし、このあとどう展開させるのか興味がありますq{/netabare}

14話…それぞれの夏休み
{netabare}由乃、早苗、真希はそれぞれ夏休みをとっていた。由乃は地元へ、早苗と真希はもといた場所へ戻っていた。そして、馴染みの顔に会い、なにか物足りなさとこれからをぼんやり考えていた。
一方、凛々子としおりは新たな町興しの策を考えていた。それは空き家を利用した民泊だった。

後半のスタート。それぞれ抱えていた過去やこれからのことの考えをぼんやりと見せていた回かなという感じです。終わりに向けたスタートの伏線だったのかもしれません。最後はみんな、それぞれの道を歩むことになるのではないか、そんな予感がします。{/netabare}

15話…民泊
{netabare}由乃が間野山に帰ってきた。「安産」軍団はUMA好きの連中で、チュパカブラの探索に来ていた外国人。間野山の人々とも交流し始め、池干しを見にさらに増えるという。宿泊施設が少ない間野山、そこで由乃たちは本気で民泊を考え始めていた。
池干しが始まる。しかし、会長はなにかシリアスで…。

松居棒はタイムリーすぎて…。凛々子が外について考え始めたのが気になります。やっぱり最後は外に出ていってしまうのだろうか…。
民泊の手続きとか、けっこう壁大きいんだよね。どう解決していくのか?と思ったら、金をとらない。なるほど、盲点だわ。{/netabare}

16話…祭の終焉
{netabare}池に落ちた会長が肺炎を引き起こした。それでも病院を抜け出し池に。池には会長の過去が有るらしかった。
会長の過去が明かされる。会長とドクと凛々子の婆さん、実は高校時代にバンドを組んでいた。なかなか理解してもらえず、東京へ行こうとするが、当日、会長は来なかった。以来、会長と凛々子の婆さんは仲違いしたままの関係だったのだ。
会長は東京へ行かず、東京行き決行の日に行われていた祭りを滅茶苦茶にした。水上に浮かべていた御輿を潰して落としたのだった。以来、祭りは行われなくなった。
池干しの賑やかな風景を見た由乃。廃れてしまった祭りを復活させたいと思う。そして観光協会でその事を話すが、復活には三種の祭具が必要だという。

日笠さんにベース…ただし、サウスポーではないのが残念。にしてもオリーブの可愛いこと。時って、いろいろ残酷でもある…。丑松の気持ち、古い時代の物語ではなく、今も抱えている人、けっこう多いのではないかと思います。人の気持ち、本当に難しい。
三種の祭具を探す、これがクエストになるわけか。ラストに向けて動き出す感じがいいですね。ここに来て由乃以上に気になるのが凛々子。この子の一人立ちがけっこう重要なのではないかと思います。{/netabare}

17話…田舎の課題その1
{netabare}三種の祭具を探すことにした由乃たち。間野山に住む文化人類学で著名な教授のもとを訪れるが、軽くあしらわれてしまう。その際、バス路線の廃止の話を聞き…。
教授から試されるように導かれたのは各家庭に配られたタブレットを年寄りに使わせること。由乃たちは使い方などを指導し、年寄りたちはいつのまにか使いこなしていた。しかし、教授の本当の狙いはここからだった。訪ねてきた由乃を確保し、ネット配信でバス廃止に反対を訴えたのだ。

現代社会の大きな課題が描かれた回です。交通手段の確保、地域コミュニティ、高齢化。これはどこの地域でも抱えたものであり、田舎、都会は関係ない問題です。これをこのアニメではどう答えていくのか、大変興味あります。にしても…エロじじい、けっこういるんだよね…平気でエロ話や体さわっちゃうじいさん。{/netabare}

18話…田舎の課題その2
{netabare}年寄りたちの反乱、その考えに同調して加担してしまう由乃。反乱といっても、それは年寄りたちの考えを広めることが目的で、実に楽しんでいた。中心人物である教授の本当の狙いは集落とここに住んだ人々を記録しておくことだった。
バス廃止の解決に高見沢と早苗が動く。その解決方法はデマンドバスだった。バスとタクシーの中間みたいなもので、この集落の年寄りたちはネットを使えるので実現可能となったのだった。予想以上の成果を喜んだ集落の人々は反乱を撤回。しかし、その夜に教授が…
三種の神器のひとつは教授の家に眠っていた。

デマンドもひとつの解決策ではあるけど、高い料金はとれないし、運転手の人件費はかかるし、出番もそんなに多い訳でないしと、けっこう難しい問題多いのですよね。でもやらないよりはよっぽどマシかもしれませんが。
それにしてもラスト…泣けました。まさかその展開とは考えもしなかったです。{/netabare}

19話…廃校の活用方法その1
{netabare}太鼓を探しに学校へ侵入する由乃たち。そこで真希の父親にばったり。取り壊しが決まっている廃校が心霊スポットになっていて見回りだったらしい。
祭りの開催に向けて動き出す観光協会。祭りをつぶした張本人である会長もいろいろ思いがあり動きに協力する。
真希が家に戻る。母親の誕生日だったからだ。父親も帰ってきて家族でおでんを食べるが、真希も父親もうまくいかない。その帰り、映画出演のオーディションの通知を受ける。
廃校を活用する方法を考える由乃たち。給食会を開催しようということになる。そして、真希はオーディションを受けに東京へ。

真希中心の話でした。なんだかんだで父親は娘をよく見てる(完全に親ばかだけど…)。祭りには会長の過去もあるから、このあたりをどう解決していくのか興味あります。{/netabare}

20話…廃校の活用方法その2
{netabare}真希はオーディションに落ちた…。給食会に顔を出す真希。そこでこの学校が閉校式をしていないことがわかる。
サンダルさんが絵を描く場所に困っていた。そこで由乃たちは学校の美術室を使ってはと提案する。学校を見て回ると次々とアイデアが浮かんでくる。いっそのこと、学校を地域に開放してはという提案にいたる。
閉校式が行われる。閉校式では真希が脚本、演出をする演劇が披露された。これまでにない笑顔の真希だった。
閉校式は一転、開放式となる。地域にこの学校を自由に活用してもらう宣言の式典だった。

廃校する学校をどう活用するか。アニメみたいにいくところもあれば、そもそも人がいないのに活用もくそもあるかとうところもある、。学校って、地域の核のひとつなんだよね。だからほかの施設と違って、多くの人が真剣に考える。
真希の答えが出たようだ。ちょっとずつ終わりに向かっているんだな…{/netabare}

21話…田舎って…その1
{netabare}しおりたちが車で走っていると、雪道なのにヒッチハイク、エリカだった…。エリカはどうしても間野山を出たいと家出してきたのだった。5人の宿舎に泊まることになる。
由乃と早苗は商店会などに祭りの協力をお願いする。商店会長は協力を受けるが、集まっていない商店主たちへ挨拶するように促す。
商店を回りながら、町の活気のなさに気づく由乃だが、前向きである。
間野山が大好きなしおり。エリカの気持ちは分からない。
アンジェリカで昼間から飲んでいる高見沢と金田一。三種の神器のひとつ、竜の飾り物を子供のころ、埋めたという。この二人と野毛の三人は小学校のころからの同級生だたのだ。そして探しはじめる。

神器探しのラストがまさかのところからとは。三人の夢、ある意味叶っているというのがなんともいえません。子供ころの夢って、なんだったけか?
エリカの東京へ出たいという気持ち、ものすごくよく分かるわ…。実際自分もそうだった。でも、今は残っている。よかったかのかどうか、いまだに分からない…。対比するようなしおり。この話はしおりの話でもあるんだな。{/netabare}

22話…田舎ってその2
{netabare}流の置物を探す野毛たち。しかし、子供のころに書いた暗号が解けずに苦戦。
エリカの気持ちが治まらない、その気持ちをしおりにぶつけてしまう。そんな時、エリカの歯に痛みが。乳歯が抜けるようだ。痛みが治まらないエリカ。凛々子がばあさんに連絡すると、薬屋を手配した。町の薬屋さんは融通が利いた。
アンジがエリカを探して行方不明になったという。昼間に野毛たちの話を聞いて、竜を探しにいったのだと考え、公園へ。そこにサンダルから連絡が。サンダルがアンジを確保しえいたのだった。アンジのやさしさと思いを知ったエリカは家に戻るのだった。
野毛たちが竜を探し出す。しかし、隠した竜はおもちゃだった。淋しくなっていた商店街。しおりがひとつのアイデアを出す。吊灯篭だった。夜間、商店街に灯る吊灯篭、それを見た野毛たちは気持ちを新たに進むのだった。

30分が短い、詰まった回でした。エリカとしおりと、野毛と、いろいろ考えがあって、さらに商店街のいいところの発見。いろんな問題、先の見通せない難しさ。このアニメはどのように答えを導いていくのだろう。{/netabare}

23話…空き店舗の活用
{netabare}間野山を徘徊する不穏なスーツ連中。しおりと由乃は有名な洋菓子屋の社長と面会。祭りの協賛になってくれるという。しかも、間野山で店を開きたいと。この社長、間野山出身だったのだ。
商店会の意見を伺いに向かう。今度は会長も一緒だ。千登勢からは協力を取り付ける。空き店舗を探すが、いっぱいあるのになかなか貸し手が見つからない。最後に秋山という商店を閉じた爺さんを訪ねるが…。
商店会の会合に呼ばれた由乃。商店会の会合で千登勢は商店会を解散してもよいのではと提案する。喧々諤々となる会合。秋山に店舗を貸すように迫る商店主たち。しかし、秋山には苦い思い出があったのだ。
洋菓子屋の出展問題も解決し、祭りに向けてさらに動き出したとき、会長から間野山が合併でなくなるかもしれないという話を聞く。

空き店舗はある、やりたい人もいる、が、進まない。う~ん、田舎の元中心地にはよくある問題ですね。人もこない、どうやってか活気を戻すのか、たぶんこれから先、50年くらいは続いていきそうな問題に感じます。
急な合併話。でもこれって、観光協会に真っ先にはこないよね。どうがんばっても役所経由で来る問題だと思う。けっこう強引だよね。さて、最終回に向けて最大の問題が現れた。どう解決する?{/netabare}

24話…祭り、そして…
{netabare}合併の話、これ協議会へ参加の打診だった。悩む会長。それでも祭りの準備は進む。そんな時、ときときテレビから祭りを取り上げる代わりに祭りの目玉になっている舞台へローカルアイドルをあげろという提案が。打ち合わせに来たディレクターを一喝する会長。
祭りまで盛り上げようとする間野山の人々。ネットを通して宣伝も盛んに行われる。準備のさなか、由乃の今後を問う早苗たち。まだ答えは見つかっていないけど、前向きになっている由乃。そんな由乃の誕生日、観光協会のみんなに祝われる。
そして祭りが始まる。この様子を見た会長は守っていきたいと思うようになる。そして、サンダルの祖先の話を聞き、サンダルの出身地と姉妹都市を結んではどうかと思い立ち、偶然にも日本に来ていたサンダルの出身地市長の元へ向かう。

由乃の成長、1話から見続けているから本当に良かったと思います。お仕事シリーズの基本、それは登場人物の成長です。この作品でもしっかり描いたなと思います。なんだろう、何気ない日常の風景なのに、すごくグッと来てしまいます。
会長もここに来て「大人」になったということなのか、やっぱり若いころのままの「馬鹿者」なのか、どっちでもいいのかな、この人は。
あぁ、もう最終回だ…かなり寂しい。{/netabare}

25話…旅立ち
{netabare}祭りは盛り上がりを見せる。会長は金沢に向かい、なぜかSNS上で話題に…市長に会うことができた。
舞台が始まる。ビーフは間に合い、ドクとオリーブと50年前の約束を果たす。そして祭りは盛況のうちに終える。
五人の打ち上げ。それぞれの今後を話す。由乃は間野山を出て行く決心をする。
由乃の一年の契約を終える日が来た。国王退任の日、会長は王国の解散を宣言する。
由乃の出発。これまで出会った人々たちに見送られる由乃。それは涙と笑顔が混じったものだった。会長が叫ぶ「ここはおまえの街だ、いつでも帰ってこい!」と。
それぞれがそれぞれの道を歩む。由乃はとある南の島にたどり着く。それは間野山で学んだものを活かす仕事だった。

こんな終わり方、本当に安心します。ひねりも何にもない、まるで青春ものの爽やかな終わり方。このような作品はこれでいいと思います。泣けたし…。
サンダルさん、作中はジョーカー的な存在だったけど、サクラクエストの絵本、泣けた。ほんと、いい作品だったと思います。{/netabare}

PAのお仕事シリーズ、第3弾は正直、地味な内容です(なので、あまり高い評価はされないかもしれません)。しかも、どこの地域にでも起こりうる…というか、起こっている問題を取り上げて、解決方法はないに等しい、とても難しい話題でしたし。そこを笑いあり、涙あり、成長物語あり、実にまとまっていたと思います。
難しい問題ではあったけど、決して脚本家の押し付けで通さなかったのが良いと感じました。こういう作品(実写ドラマ含め)は、作家の考えとかを押し付けてしまいがちで、つまらなくなってしまうのが有り勝ちです。そこを我慢したのかどうかは分かりませんが、こんな方法もあるのでは?という重くしないところ、そして、無理やりまとめない点、流れで通す点、そこが気に入ってます。

5人のヒロイン、個性的で、みんな悩みがあって、みんなが成長して、ちゃんと次へ進む。SHIROBAKOもそうだったけど、このシリーズが続くのであれば、この基本は踏襲していってほしいと思います。それにしても、間野山の独身連中、こんなにもかわいい子が揃っていながら、誰にも手を出さないなんて…(笑い)。それから丑松と千登勢とドクの関係性と個性もとても気に入っています。ドクは…作中の開発品はどこからでも引き合いになりそうなものだが、特にパワードスーツ、これ、売れるなんてものじゃないと思うが。

作画は安定のPA。やっぱり景色がきれい。1年を通しているから四季の描写が本当に良いです。それと、ヒロインたちの服装も四季に合わせて変えているんですよね。細かいところもPAだなと感じます。

PAのお仕事シリーズ第3弾、個人的には本当にお気に入りです。PA好きな人はもちろんのこと、日常系のドラマが好きな人に合うのではないかなと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 64

69.6 2 高齢化アニメランキング2位
老人Z(アニメ映画)

1991年9月1日
★★★★☆ 3.7 (212)
1036人が棚に入れました
看護学校に通うハルコはボランティアで高沢老人の介護を行っていたが、高沢が最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれ、お役御免となってしまう。見舞いに行った先でチューブだらけになった高沢の姿を見てショックをうけたハルコは高沢を助け出そうとするが失敗。実習先で知り合ったハッカー老人らに助けを求めるが…

声優・キャラクター
松村彦次郎、横山智佐、小川真司、近石真介、辻谷耕史

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

浅薄だがおもしろい、そんな歪なアニメ映画

1991年公開のアニメ映画。
監督:北久保弘之氏、
メカニックデザイン:大友克洋氏、キャラクターデザイン:江口寿史氏
作画を担当しているのも、今敏氏、沖浦啓之氏、黄瀬和哉氏、井上俊之氏
鶴巻和哉氏、松本憲生氏等々数え上げればキリがない程超豪華スタッフです。

「簡単なあらすじ」
看護学生の三橋晴子がボランティアで看護している寝たきり老人の高沢喜十郎は、
ある日突然日本政府の推進する最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれる。
体中チューブだらけの高沢に胸を痛める晴子。
そんな中介護ロボットは暴走していくことになる・・・。

*現在においては看護と介護の違いは明確化されていますが、
ここではほぼ同義語として取り扱います。

さて、私が本作を観終えた直後の率直な感想を述べると、
アニメーションとしてはおもしろいと思う・・・
けれども、一体何なのこの作品? 何が言いたいの? そもそも何の為に作ったの?
と狐につままれたような気分になりましたw

本作を視聴する前は当然介護問題を取り扱った作品だろうと想定しているわけです。
劇中でも「愛のある看護でなければいけない」的なことを晴子が発言していたので、
ああ、そういうメッセージ性の作品なんだと思っていたんですけど、
テーマ性、ストーリー性、舞台設定、キャラ造形、さらには話のオチに至っても、
その全てが浅薄極まりなく、もうペラッペラですw
本作を観終えて、「介護問題について深く考えさせられた」なんて言われた日には
真顔で「は???」と聞き返してしまうレベルw

高齢化社会が進んだ現在において介護問題は当時とは比較にならない程深刻化しています。
家族の認知症介護の経験者、あるいは現在介護している立場の方からしたら、
本作は極めて不愉快なものに映るかもしれません。

高沢をどこか小馬鹿にしたかのような描写、
高沢の願望の為に介護ロボットとして暴走し、周りに迷惑をかける描写、
劇中にアーパーギャル(死語)などという言葉が出てきましたが、
晴子含めアホな学生たちの軽佻浮薄な言動、
ご都合主義にも程があるだろうという登場人物の存在等々
本作の欠点は数え切れない程ありますし、
見る人によっては不謹慎だなんて言う人もいるかもしれません。

しかし、アニメーションとしては結構おもしろいw
何故ゆえにこんな歪な作品が出来上がったのかその背景に興味をそそられました。
それで、ちょっと調べてみたんですけど、
「アニメ監督・北久保弘之氏、『老人Z』の当時のエピソードを語る」という
Twitterのつぶやきがありました。興味があれば是非ご覧になってください。

この北久保弘之氏のつぶやきを要約すると、
飲み屋で酔っ払った北久保弘之氏と大友克洋氏がノリと勢いで作った企画を、
プロデューサーに持ちかけたら、よもや企画が通ってしまって、それで作るはめになったとw
売れる企画って何だ?→売れるといったらロボットものでしょ!!
→最強のロボットの操縦者が逆に寝たきり老人だったらおもしろくね?
→可愛いお姉ちゃんも必要でしょ→じゃあ、江口寿史さんに描いてもらっちゃう?(笑)
こんな感じだったのでしょうねww
それで、集められたスタッフは(もちろん今振り返るというのは考慮しても)超一流揃いだったので、
出発点がバカ企画とは思えない本格的なSF作品に仕上がってしまったとw

制作動機も不純ですし、見る人によっては不快感を与えるかもしれません。
前述したように不謹慎と捉える人もいるでしょう。
こういったブラックユーモアはエンターテインメントとして成立しづらいのが、昨今の風潮です。
それは、多少不謹慎だろうとおもしろければなんだっていいじゃん!という、
当時は当たり前のように受容されていた往年の❍ジテレビのようなノリが
もはや時代錯誤ということなのでしょう。

個人的にはこの程度のブラックユーモアなら許容できる範囲だと思いますし、
現在のあまりに行き過ぎた規制の掛け方は、表現する側にとっても窮屈でしょうし、
なによりも業界から活気を奪うので、如何なものかという思いはあります。

ちょっと話が逸れましたが、
本作を楽しむには、テーマ性? キャラ造形? 
そんなもんおもしろければなんだっていいじゃん!という
ある種バブリーなノリが必要なのかもしれませんね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 34
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

気分はもう戦争

北久保弘之監督、原作大友克洋、
キャラクターデザイン江口寿史、
錚々たる制作チームで送るSF活劇。

高齢化社会により独居老人は増える一方で、
ペンダント式新緊急通報体制はパンク状態。
厚生省は明るい長寿計画を謳い、
次世代の新事業として自己増殖機能を持つ、
第6世代コンピューターを介護に導入した。

老人介護をテーマにした活劇ですが、
独居老人と取り巻く環境をコミカルに描き、
社会風刺でありながらその軽薄さも浮き彫りにする。
{netabare}やがて女子大生やマスコミを巻き込み、
バイオコンピューターが暴走を始め大事件に。{/netabare}
怒涛のメカアクション・デザインは匠の技です。

あまり考えなくて良いのです。
コメディとしては十分の出来でしょう。
破天荒な物語ですが、
軽快な構成ですのでサクッと見れます。

空虚で軽薄な時代の空気も良く表れている。
全てを真に受けてはダメなのだろう。

老人Z、世界を粉砕してくれ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 42

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

介護、その真の意味は・・・?

秀作中の秀作。
1991年にこのストーリー・・・。本当に今敏監督は天才以外の何者でも無いです。

一番評価したいのは作画と物語。昭和の雰囲気をそのまま出した作画は最近のアニメと違って逆にリアルです。
アニメだからこそ出せる「アニメ内での真実」というものを上手く表現しています。
ストーリーのベースとなる、時代、季節、キャラクターなどを選択するのは製作者の自由なんですが、一度設定してしまえばその設定に、その雰囲気を突き通さなければいけない。
それが「アニメ内の真実」です。

今作品は1991年と言う当時のそのままの風景を設定にしてあります。無駄に近代化もしてなければレトロにもしてない。
で、作画のタッチもその昭和の雰囲気を表現するに相応しい、薄くて輪郭がぼやけながらも、活気みたいなものを視聴者に無意識化で伝達するような感じになっていてその世界観にずるずる引き込まれます。
似ているのは「かみちゅ!」です。「かみちゅ!」でもぼやけた輪郭が焦点が合わさっている物をより強調する効果を持っていたのと同時に懐かしいような雰囲気を醸しだしていました。

で、その作画だけでも素晴らしいのですが、一番興味深いのはその「THE 昭和」にコンピューターネタを持ってくることです。
しかもそのアイデアそのものは2012年の今でも通用する、「意思の介入」というもの。
一般家庭にパソコン自体普及していないような時代にこのネタは本当に天才としか良い様がありませんね。まさに圧巻です。

最近の同じネタとして扱った作品として挙げられるのは「サマー・ウォーズ」です。
ラブ・マシーンという探究心を持ったプログラムがOZという架空世界でどういった行動を起すのかを描いていました。


実は、私はコンピューターネタとしては今作品、「老人Z」の方が一枚上だと考えています。
「サマー・ウォーズ」との一番の違いは現実世界か架空世界か、です。
そして、現実世界でコンピューターが意思を持つということの方が作品として描くのが難しいと私は思うんですよね。
なんせ、現実世界には(老人Zでは昭和の神奈川付近)現実世界のルールがある。それは本編でもよく描かれていました。
マスコミなどは、本当にそのもので、これだけでもオススメしますよw
で、その現実世界のルールの従いながら、または破りながらどう矛盾無く視聴者をその世界観に引き込むか。
架空世界だと製作者側でどうにも変えられますからね。


物語は単純明快でして、しかも世の中の有様を非常によく表しています。
特に厚生省や国際情勢などの詳細な説明はありませんでしたが、そこは普段からニュースを見ていたら分かります。というより、分かりすぎて面白いww
1991年からマスコミや政府は変わっていないことが良く分かりますよw

例えばマスコミ。初めのロボットを厚生省が発表を記者会見でする時、こんなセリフがありました。
「そのロボットの原動力はなんなんですか?」
「ミニ原子力です!」
「え?そんなの大丈夫なんですか?放射線が洩れて患者の容態が悪くなる可能性は?」
「大丈夫です。万が一の場合はロボット自体が緊急信号を発信します」
「成る程!それなら大丈夫だ!」

ってな感じで、ホント厚生省の発言を鵜呑みにするマスコミ報道陣。もっと調査報道しろっての!

他にも1991年に製作されたにも関わらず、今の日本と通ずつシーンがチラホラ。
そういう点は非常に共感できるのと同時に面白いです。


ちなみに、この作品の一番の焦点は「介護」であって、コンピューターが意思を持つということではありませんのど、そこだけは気をつけてください。

コンピューターが、ロボットが意思や探究心を持つなどと言った作品は他にも沢山ありますし、もっと深いところで問題提起する作品もあります。
というより、今作品では第六世代コンピューターというものの、基礎チップ(多分CPUのことだと思う)がバイオテクノロジーで作られているということしか記されていなくて、それがどう探究心に繫がるのかは曖昧でした。

対照的に「介護」は物語の全体を通して上手く描いていました。
介護とは人の体を清潔に、とか出来るだけ手間を省いて効率良くとかじゃなくて、如何に患者に負担をかけずに、患者の気持ちを汲んで幸せにするか、だということです。

こういう点はサービス業とリンクして、花咲くいろはで出ていた幾つかのセリフを思い出しました。

物語は簡単ですが、そのメッセージ性は独特かつとても強調的でダイレクトに心に響きます。
何度目か分かりませんが、本当に1991年とは信じられない。
いや、むしろ1991年だからこんなにも輝いているんだと思います。
時間がある人も無い人も是非見てください^^

投稿 : 2024/04/20
♥ : 17

79.5 3 高齢化アニメランキング3位
スキップとローファー(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (366)
1039人が棚に入れました
地方の小さな中学校から、 東京の高偏差値高校に首席入学した岩倉美津未。 カンペキな生涯設計を胸に、ひとり上京してきた田舎の神童は、勉強はできるけれど距離感が独特でちょっとズレてる。 だから失敗することもあるけれど、その天然っぷりにクラスメイトたちはやわらかに感化されて、十人十色の個性はいつしか重なっていく。 知り合って、だんだんわかって、気づけば互いに通じ合う。だれもが経験する心のもやもや、チリチリした気持ち。わかりあえるきっかけをくれるのは、かけがえのない友達。 ときどき不協和音スレスレ、だけどいつのまにかハッピーなスクールライフ・コメディ!
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほんわか学園ストーリーのお気に入り☆

[見終わって・・]※最終話感想は一番下です。
ほんわかした雰囲気、ミツミのキャラに毎回和まされてました☀
能登の方言とかミツミの実家の雰囲気もほんわかしてて好きでした♡私もあそこでお昼寝したい。。
それから、出てくる子たちが悩んだり励まされたり前向きな気持ちになったりしてる姿がとても素敵で、毎回楽しみで仕方ありませんでした(^^♪
OPもEDもすごく良かったし、OPのダンスもEDのミツミが歩く姿やミツミネコも可愛かった。
人気も出たし、2期ありそうかなって思ってますけど・・
これからの展開はちょっと雰囲気変わったりするけど泣けるシーンもあるのでぜひぜひお願いしたいです。

[初回感想]
石川県から東京の高偏差値校に進学した岩倉美津未(いわくらみつみ)とクラスメートたちのほんわか学園ストーリー・・かな。(あえてラブコメとは言わない。。)

原作は月刊アフタヌーン連載中でコミックスは8巻まで既刊。原作既読です。
原作読んで「これ好きだわぁ。。」って思ってアニメ化をすごく楽しみにしてました☆

一応ラブコメ・・ではあるんだけど、私が感じたこの作品の魅力は他のところにあって。

主人公のミツミのまっすぐで天然なところにも和まされたし、周りのクラスメイトたちもそれぞれいろんなタイプの子がいるんだけど、{netabare} タイプの違う子たちがミツミを中心に仲良くなっていく{/netabare}ところもすごく好き♡
あー私も高校生に戻ってこんな風にミツミたちと友達になって学園生活したいなぁ・・なんて妄想しながら読んでましたw

で、期待ハードルを上げつつアニメ視聴!!
1話見た感じだと作画はやわらかい感じで綺麗で好印象☆
なかなか良い感じで、なんとなく久々に毎話感想書きたくなりました(^^♪

1話「ピカピカ」
{netabare} 石川の方言に癒される(´-ω-`)方言ってなんであんなにほんわかして癒されるんだろね。
イケメンに気に入られて友達になる展開はよくある展開ではあるんだけど、後ろの子とも素直に友達になってるところとか、ミツミいい子だな(*'ω'*)
遅刻しそうで思わず裸足で走ったり自己紹介まじめに考えて寝れなかったりとか、和むわ~。{/netabare}

2話「そわそわ うろうろ」
{netabare}人と人との距離感って難しいよね。
でもカンペキな正解なんてないし、ミツミみたいに考えすぎないで自然体でいくのが一番いいんだと思う。それで合わないんであればそれはそれだし。
志摩くんのこと、間違ってサトちゃんって呼んだとこ、私も中学生の時、音楽の先生がなんとなく母に似てて、間違って呼んでしまいすごく恥ずかしかったことを思い出しましたw{/netabare}

3話「フワフワ バチバチ」
{netabare}よく知らないから、見た目とかでその人を判断しちゃったり・・
この人私とはちょっとタイプ違うかなぁとか。
実際はちゃんと話してみたりすると印象が変わる人も結構多かったりするんだけどね・・
でも誠(まこっちゃん)みたいになかなか気軽に入っていけない気持ちとか、結月(ゆづ)みたいにタイプ違うって決めつけられたりする寂しさもなんかわかる。
だからまこっちゃんがスタバでみんなで撮った写真に嬉しくなって背伸びしちゃう気持ちも、メールもらってすごく嬉しいゆづの気持ちもわかるなぁ。
この作品のこういうとこ、すごく好きです♡{/netabare}

4話「ピリピリ カツカツ」
{netabare}兼近先輩に強引に頼まれたことを先輩なりに部活のために必死なんだと思う、と言ったりとか高嶺先輩のストイックなところに素直にすごいなってあこがれたり。
そんな、他人のいいところを自然と見るようにしてるミツミを見てると和みます☀
高嶺先輩も自分のスタイルに固執しないで、ミツミのマイペースなところに学んだりしてるとこもいいな。
この作品のおかげで毎週土曜朝はわたしの和みタイムになっちゃってます♡{/netabare}

5話「チクチク いそいそ」
{netabare}この話、原作読んだときから好きでした☀
心の許さじノートのシーン笑った。。
私がムカツク奴の名前を2つ覚える間に岩倉さんは親切にしてくれた人の名前を1つ覚えるんだ・・
このシーンも良かったけど
その後ミツミがミカに言った言葉がすごく良かった。人格的にはほめてないよもw
ゆづとまこっちゃんが何気ないしぐさとかで仲良くなってるのがわかるのもいいな。
みんなに浅漬け作ってくるというミツミのチョイス和むわ~{/netabare}

6話「シトシト チカチカ」
{netabare}シマくんが学校休んで心配するミツミだけど、他の女子の勝手な噂にちょっと気持ちが揺れて。
微妙にすれ違う二人の気持ち。
でもこういうのあるあるだよね。
本当の気持ちがちゃんと相手に伝わらないもどかしさというか。
ミツミがあらためてちゃんと自分の気持ちをシマくんに話して、お互いに気持ちが通じあって。
これって簡単なようでなかなかできないものだけど、ミツミらしいまっすぐさがちょっと眩しい。
逢いたいのに逃げたい
話したいのに言葉につまる
フミから聞いたそんな恋の気持ちと同じ気持ちになって動揺しちゃうとこ、かわいくて好き♡
あと、ミツミのはい゛とかおはよう゛とかの低音ボイスに笑っちゃいました。。{/netabare}

7話「パタパタ モテモテ」
{netabare}冒頭に流れるほんわかする音楽ですでに和まされちゃってるわたし。
努力して頑張ってる姿は誰かがちゃんと見てくれているものだ、ってよく聞くし、私もそうは思うけど、でもそれが報われることってなかったりすることも多いですよね。
兼近先輩の自分をさらけ出して他人を慰めようとするところ、かっこいいです♡
高嶺先輩のメモ帳、らしいなぁって思いながらも、自分をいい方に変えようってすごく努力してたりしてて、生徒会長からも学ぼうとするところも素敵だなって。
ほんと、この作品に出てくる子たちって精神的に大人な出来た子が多くて、いいオトナの私が毎回気づかされてます。。
あと、石川県産トモダチ100%にクスっと笑っちゃいました。
それから「のきゃ」にも和みました(^^♪{/netabare}

8話「ムワムワ いろいろ」
{netabare}女子4人のお泊り会🌙
4人それぞれの個性というか味が出てるところが見てて面白いし和む。。
変わりたいって頑張ってるけど自信が持てなくて傷つきたくない・・
昔の自分を懐かしく思い出しながら、ミカの背中を優しく押してあげるナオちゃんがカッコ良くて好き♡
4人で見てるホラー映画。まこっちゃんだけ平然としてるのに笑っちゃいました(^^♪{/netabare}

9話「トロトロ ルンルン」
{netabare}能登に帰省したミツミ。
空港からの懐かしい風景を見たミツミの表情。こういう細かいところも描いてるとこ好きです。
ミツミからもらったキーホルダーをさっそく付けてるお父さんとかも。
実家に帰ってお昼寝する気持ちよさ、わかる☀なんか落ち着くんだよね。
懐かしい同級生たちと方言で会話しながら花火したり。。和むわぁ。
嬉しいことをシマくんに無性に話したくなる気持ち・・それはもう恋ですね♡
シマくんの呟いた言葉からOPの眩しくて・・を思い浮かべました。{/netabare}

10話「バタバタ ポロポロ」
{netabare}文化祭!!
ミュージカルをやることになって準備に大忙しのみんな。
ミツミもあの調子で頑張りすぎてちょっと空回り。。
あーこの感じ、私も経験あるのでわかる・・
役のヨハンと自分を重ねてしまうシマくん。
ミツミの、まだ引き返せるって言葉に、起き上がるのムチャクチャ得意なんだからって言葉に勇気づけられて。
二人の即興ミュージカルすごく可愛かった♡{/netabare}

11話「ワイワイ ザワザワ」
{netabare}文化祭って昔の知り合いが見に来たりすることあるよね。
知り合いにゆづのことフォローしてるまこっちゃん見ててちょっと泣けた。。
「まだ半年って感じしないよね、私たち」ってゆづが嬉しそうに言うとこ、そしてそれを聞いたミツミがスキップするシーン、好きです。
「脚本のこととか考えていない自分が想像できない」って兼近先輩のセリフ、何気にかっこいいしうらやましい。
シマくんの弟くん、しっかりハキハキしてるように見えたのは周りに気を使ってたから。
でも身内の姿を見て安心して泣いちゃう気持ちはわかるなぁ。
とうとう次回は最終話。。{/netabare}

12話「キラキラ」
{netabare}コアリクイの威嚇ポーズ笑った。。
幼馴染って深くていいなって素直に思えるミツミがいい子で眩しい・・
文化祭が終わった後の達成感と高揚感と寂寥感と。。
それぞれの子たちの思い、悔しい気持ちも含めていい思い出になるんだろな。
ちょっぴりココロの鎧が取れて、ミツミからはいつもより子供っぽく見えたシマくん。
1期としてはいい終わり方だったと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 48
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【最終】モブ顔に騙された! →意外としっかり人物描写された青春群像劇

【レビューNo.66】((最終レビュー)初回登録:2023/6/21)
コミック原作で2023年作品。全12話。
正直1話の段階では切るか迷ったが、お付き合いあるレビュアーさんの勧めもあり
「癒し枠」位で保留の予定でしたが、2話で評価が一転。これは侮れない作品かも。

(ストーリー)
岩倉美津未は中学卒業を機に、石川県のはしっこから東京の高偏差値高校へ進学した。
(高校を首席入学する位成績は優秀)
理想に燃えて鼻息も荒く、胸躍らせて初日の登校を迎えるも、いきなり都会の洗礼を
受け道に迷う事態に。そこで同じ学校のイケメン男子・志摩聡介に出会い、無事ピン
チを切り抜ける。美津未の周りには聡介をはじめ、個性的な仲間が集まりだして・・・

(評 価)
・第1-2話:意外としっかりした青春群像劇の予感?!
 {netabare}・結構衝撃的なモブ顔の主人公
  率直な最初の感想がコレ。のちに美少女改変され、詐欺とまで言われた伝説のモブ
  顔「神のみ/小阪ちひろ」の再来かとwwwそんな容姿に加え、
  ・妙に気合が入っているが、どこか空回っている
  ・田舎育ちで純朴、天然なところがある
  ってことで、1話の段階ではこの美津未のドジぶりを愛でるような「緩い日常系癒し
  アニメ」かと思ったですが・・・

 ・意外としっかりした青春群像劇の予感?!
  ところが2話になって、美津未の周りの人間模様が急にきな臭くなってきました。
  OP映像を見た感じでは、美津未の他には聡介をはじめ6人位が物語の中心になりそ
  うですが、今回気になった人物をピックアップ。
  ●江頭ミカ
   実は1話で気になっていたのですが、後ろの席で美津未が話かけても無視だったの
   に、美津未が聡介とIDを交換した途端、急にすり寄ってきたんだよな。
   やはりあれは伏線だったようで、2話では露骨に聡介狙いで、聡介と妙に親しい美
   津未が気に入らないらしく、妨害工作や美津未をダシに聡介に近づこうしたりと、
   嫌なキャラが目に付く。(当初は「誰も傷つかない優しい世界」をイメージしてた
   だけに個人的には意外な存在)
  ●村重結月
   クールビューティ系で近寄りがたい雰囲気があるが、純朴な美津未のことは放って
   おけないのか、ミカのことなどフォローはしていた。根はいい子っぽい。
   ただ他の人とはまだ壁がありそうで・・・
  ●志摩聡介
   草食系イケメン男子で人当りはよい。初っ端からいろいろやらかしている美津未に
   自分にはない(あるいは失った)何かを感じているようで、美津未には好意的。
   でも触れられたくない過去がある描写がラストになされて・・・
  各キャラとも何かしら心に葛藤を抱えているような感じで、これらのキャラ達が純朴
  で真っすぐな美津未と関わることで、お互いが成長していく「青春群像劇」っぽい物
  語になっていきそうな予感?!
  (個人的には「特殊設定と熱量を抜いた『ReLIFE』」的なものをイメージ?!)

 個人的には2話で評価が一転、俄然面白くなってきたという印象ですね。 
 正直今の段階ではなんとも言えないですが、ミカのようなキャラだったり、聡介が最後
 に見せた厳しい態度だったり、単に「緩い」とか「爽やか」だけでは終わらない感じで
 すね。意外と厳しい「インコース攻め」とかもあるかも。
 これは来週も楽しみです。{/netabare}

・第3話:作品の輪郭が見えてきたかな
 {netabare}・「ReLIFE」とは少し異なる青春群像劇
  やはり本作は、美津未と関わることで、お互いが成長していく「青春群像劇」とい
  うのが基本路線のように思いました。ただ前回
  >「特殊設定と熱量を抜いた『ReLIFE』」的ものをイメージ?!
  と書きましたが、少しアプローチは異なるようですね。
  ・ReLIFE:主人公たちが状況改善のために動いたりして、直接的にぶつかり合って
       お互いを理解し合いながら、成長していく。
  ・本作:美津未の純朴で真っすぐな部分に触れ、自分の心のわだかまり等に気づき
      内面と向き合いながら、第一歩を踏み出していく。
     (美津未がわかりやすい形で動くわけではない?!)
  まあ当然、全くぶつかり合いもなく全てが丸く収まるとか、そんなご都合主義の人
  間関係だけではないでしょうが、両作のキャラの魅力からすると、やはり方向性等
  は異なるんだろうなっと。

 ・今回も気になった人物をピックアップ 
  ●村重結月
   >ただ他の人とはまだ壁がありそうで・・・
   意外にもグループ内で上手くやっており、その辺りの空気を読んだコミュはきちん
   取れる模様。ただ自分のようなタイプを嫌う一定層がいることも理解している感じ
   で、やはり心に影がありそう。
  ●久留米誠
   今回の新キャラ。自分に陰キャという強い思い込みがあるようで、陽キャに対しコ
   ンプレックスを抱いている模様(結月や聡介は苦手なタイプ)。ただそういう自分
   を変えたいという思いも持っているようで・・・
  ●江頭ミカ
   美津未や誠に対し「引き立て役」と優越感に浸ったり、結月に「劣等感」を抱いた
   りと常に他人との比較に苛まれていたり、計算高さ等が垣間見れる。やはり作中で
   は、今のところ嫌なキャラ描写が目に付く。
   しかし彼女のもつ毒が、この作品の「緩さ」を上手く引き締めている感がある。

  終盤には、美津未に影響された誠が結月に「歩み寄りたい」という意思を表示、結月
  もそれに応える様が描写され、今後どういう関係になっていくのか楽しみですね。
  こうなるとやはり気になるのがミカ。一癖あるキャラだけに、美津未とどう近づいて
  いくのかが、今後の見どころになりそうですね。
  まだ3話ですが、予想以上に人物描写がしっかりしており、更に作品に対する好感度が
  上がりましたね。{/netabare}

・第4話:美津未はアインズ様?! なんか「オバロ」の”お約束”を観ている感覚
 {netabare}・前回から少し気になっていたんだが、
  ・久留米誠
   ・美津未:塩味とキャラメル味のポップコーンをほおばる。
    → 食わず嫌いで人の1面しか見ていない自分に気づく。多様性を認めることの
      大切さを理解する。
  ・高嶺先輩(生徒会のストイックなキャラ)
   ・美津未:バスの時間を気にせずマイペースな振る舞い
    → スケジュールに追われ周りを見ていなかったことに気づく。もっと心に余裕
      を持つことの大切さを理解する。
  なんかこの構図って「オバロ」の”お約束”
  ・アインズ:その場しのぎ等特に深い意味のない言動
  ・側近たち:「さすが、アインズ様。これにはこういう狙いがあるのですね!」
  ・アインズ:(えっそうなの?!)
  を見ているような感覚なのは私だけ?!
  よくいえば「美津未の飾らない自然体の振る舞いが、周りに好影響を与える」ってこと
  なんだけど、やってることがポップコーンを食べるとか、猫を拾ってくるとか、ホント
  くだらないことなんだよなあwww。むしろそこから学びを得る周りのキャラの方が、
  「お前らどんだけ優秀やねん!」って感じなんだがw
 ・高嶺先輩との絡みは、美津未の「先輩への一片の曇りのない尊敬の念」が彼女らしくて
  とても微笑ましく、また「正反対のキャラを組み合せることで起こる笑い」は王道なが
  らも丁寧に描いていたので楽しませてもらいました。

 正直思っていたものと違ってきたので「??」ってところはありますが、作品としては微
 笑ましく観れているので、今後の展開に注目ですね。{/netabare}

・第5話:ようやく王道展開、ミカ目線から美津未の人間性を語る演出は〇
 {netabare}・>やはり気になるのがミカ。一癖あるキャラだけに、美津未とどう近づいていくのか
  懸案だった「美津未×ミカ」回きましたね。
  ・美津未の方からミカにバレーボールの指導をお願い
   → ミカ「どうして村重さんじゃなく、私に頼んだの?」
     美津未「今まで嘘はいってないし、江頭さんの方が忌憚ない意見をいってくれそう。」
  だから、これが本来のあるべき姿でしょ。前回までの
  ・美津未:ポップコーンをほおばる →誠「私変わらなきゃ!」
  ・美津未:猫を拾ってくる →高嶺先輩「私変わらなきゃ!」
  って、一体何なんだよwww
  それと最後の「人格的にはそんなに褒めてないよ」はオチとして秀逸で、美津未の意外
  な一面も見れて面白かったなとw
 ・今回ミカのモノローグ等が多かったですが
  「私が嫌な人の名前を2つ覚える間に、彼女は親切にしてくれた人の名を1つ覚えるのだろう」
  「メンタル強!結局あの選択ができるんだから羨ましいよ。」
  「志摩君にないものは、ああいう子が持ってたりっするのかなって。」
  ミカ目線から美津未の人間性を語る演出はかなりよかったですね。
 ・ミカは「浮かないように周りに合わせていた自分」にコンプレックスがあったようで、
  それとは正反対の「素のままで周りに受け入れてもらえる」美津未に嫉妬や嫌悪感の
  ようなものを抱いていたようです。
  今後2人の距離がどこまで縮まっていくのかに注目ですね。
 ・あと「美津未×聡介」も流されるままに聡介の善意に頼っていた今の関係を見つめ直す
  描写もあり、こちらも美津未の今後の動向が気になりますね。

 正直3.4話の「アインズ様」展開は「??」な感じだったのですが、今回は「美津未×ミカ」
 「美津未×聡介」で正統な青春像群像劇っぽい感じはよかったかなっと。{/netabare}

・第6-7話:第1部(?)終了、新たなる展開の中盤へ
 {netabare}5話で「美津未×ミカ」を描いたことで、美津未との関わりが不透明だったキャラが一旦
 整理され、6話からは中盤に入ったのかなって印象ですね。
 やはり「ReLIFE」のような「熱さ」ではなく、日常系のような緩さやほっこり感もあるが、
 それでいて、この作品らしくしっかりとこの年頃の「葛藤」や「成長」を描いていくって
 感じの青春群像劇なのかなっと。

 ●×聡介
  ・美津未は「恋愛ビギナー?」らしく、聡介への気持ちが「恋なのか別のものなのか」
   混乱している模様。でも少なくても友達の一人として大切だと認識しているのは確か。
   一方の聡介も、「美津未は今までの女友達とは違う特別な存在」と認識しているが、
   それは「恋愛感情」かは不明です。
  ・あえていうなら「名前のない感情」みたいな?!
   でもそれがこの作品らくしていいのかなっと。最近の学園モノは「恋愛至上主義」的
   な作品ばかりな感じなので、こういう「恋か友情か曖昧ながらも、まずは『お互いに
   大切な存在』として、その気持ちに素直に従う」という関係性はある意味心地よさを
   感じますね。無理に恋愛を前面に押し出さず、「青春の1コマ」として自然体で扱う。
   そんな感じが、この作品にはちょうどいいのかなっと。
 ●×ミカ、×結月
  ・ミカは前回のモノローグで、美津未に対するわがたまりは大分氷解したように感じま
   した。ただ作中では、
   ・皆と打ち解けて仲良くしているようで、「夏休みの女子会予定」に自分も入っている
    ことに戸惑い(?)を見せる。
   ・6話で「聡介×美津未」を応援する描写をしながら、7話で2人で動物園に行く話を
    聞いて面白くないような描写もある。
   まだ複雑な心模様を見せています。ある意味ミカのキャラをよく表しているといえば、
   そのようにも感じられるところですね。
   美津未の相談に(いい意味で)少し毒を含んだアドバイスを返すなど、この「優しい
   世界」の中では少し異質なところが、個人的には嫌いではないですね。
  ・一方結月は始めから美津未に好意的だった分、ほとんど掘り下げされていないんです
   よね。(彼女だけが美津未に関するモノローグがない)
   でも前述した通り、「自分に一定数のアンチが存在する」ことを理解しているフシが
   あるので、今後その辺りからの掘り下げがあるかもしれません。
 ●×生徒会
  ・美津未は生徒会・書記に任命されたようで、活動も本格化した模様。
   生徒会といえば高嶺先輩ですが、生徒会長選挙で敗れたことにショックを受けている
   感じ( 現在副会長)。
   ただそこから彼女なりに立ち直り、(先輩への一片の曇りのない尊敬の念の)美津未
   の態度は相変わらずで、結構いいコンビですね。
  ・一方生徒会長の座に就いたのが、風上先輩。
   ・イケメンで陽キャなので、他生徒からの人気が高い。
   ・生徒会長になったのは「点数稼ぎ」と友達には話してた。(なので本心は不明)
   今後の生徒会活動の中でその辺りの掘り下げがあるのか、尺の都合でほぼ今回だけの
   キャラなのか。正直個人的には、どう受け止めたらいいのかわからんキャラですねw

 7話のラストで、聡介の知り合いのモデル梨々華が登場したり(何か一波乱あるのか?)、
 物語は夏休みに入るのでプライベートでの友達とのイベントや(石川への)帰省も予定し
 ているようで、今後の展開が楽しみな半面、(この辺でどの位尺を使うかによりますが)
 上記で中盤といいましたが、意外とキツキツな状況かもと少し気になるところですね。
 (「ReLIFE」は夏休みENDでしたが、夏休みENDにするにはちとエピソードが足りない
  感じがするので、2学期入りするのかなあ?そうなると尺がどうなのかと・・・){/netabare}

・第8-9話:予想に反し、あっという間に夏休み終わったな
 {netabare}>そうなると尺がどうなのかと・・・
 前回尺が心配と書いたのだが
 (8話)
  ・動物園
  ・女子会
  ・聡介×梨々華
 (9話)
  ・石川への帰省
  と一気にイベントを消化したので、いい感じの尺配分になったという印象ですね。

 ●美津未×聡介
  2人で動物園ですが、行く前はラブコメ展開を匂わせながらも、いざ始まってみるとな
  んか恋愛より友達モードって感じでしたね。まあそこが本作の良さでもあるのですが。
  ・途中で帰ることに申し訳なさを感じる美津未
   → 聡介「またくればいいじゃん」
  ・帰り際に聡介の弟のことで、複雑な家庭環境を思わせる描写(お土産を渡しづらい)
   → 美津未「志摩君からもらうから嬉しんだよ!」
  今は友達として、お互いを思いやる関係が心地いい感じですね。

 ●ナオちゃん(美津未の叔父(?)で東京での保護者的存在)×ミカ
  動物園尾行や女子会等、ミカは自分の感情が上手くコントロール出来ていない行動が目
  につきましたが、ナオちゃんが大人の目線からいろいろとアドバイスするという新しい
  名コンビが誕生した感じですね。
  たしかにナオちゃんのアドバイスは、美津未らには出来ない内容ですし、ここでナオち
  ゃんが美津未以外のキャラと絡むのは、物語の幅を広げる上でもいい展開だと思います。
  今後も「ナオちゃん×ミカ」の絡みがあると面白いかな。まあ直接会えなくても、スマ
  ホでやりとりなんかでもいいですし。

 ●×結月、×誠
  女子会でついに結月の掘り下げきましたね。でも意外とあっさり終わった印象。やはり
  その容姿等から恋愛のイザコザに巻き込まれる等があり、中学では空気を読んでばかり
  だったようで、その反省から高校では肩に力が入り、少し近づきにくい雰囲気はそれに
  起因していたようです。なので今の友達関係が心地いいと。
  それにしても誠は、マイペースで意外と強心臓だな。女子3人がおしゃれの話をしてても
  、興味なしで会話に入る素振りすらなかったしな。一番この友達関係を謳歌してるのは
  意外とか彼女かもw
  (それにここ2話は「僕ヤバ・山田」ばりに、やたらお菓子を食ってた印象w)

 ●聡介×梨々華
  子役の頃から付き合いがあり、その頃梨々華が大きく炎上する事件が起こったのだが、
  その原因を作ったのが聡介であると、梨々華はずっと根に持っており、聡介もどこか負
  い目を感じている描写がみられます。
  この辺りも今期のうちに何か好転する流れになるのでしょうか。

 ●×帰省・2学期
  帰るとやっぱ方言が出るようですね。家族に会って、文乃をはじめ中学の同級生に会っ
  てと思ったら、半分で夏休みは終わり、早くも2学期開始ですか。でも視聴して納得。
  2学期は頭から文化祭一色。そして美津未のクラスは演劇に決まり、戸惑う聡介・・・
  この引きに合わせて構成した感じですね。

 ということで、残りで聡介の「過去との決別」的なものを描いて、綺麗に1クールで纏
 まりそうな感じですね。
 美津未の純朴で真っすぐな振る舞いが「聡介×梨々華」にどんな形で影響していくのか。
 最後にいつまでもウジウジしてる都会っ子どもに「石川県産・天然モノ」(本人は自称
 シティガールだがw)の眩しさをバシッとかましてやってもらいたいものです。

 (2023/6/2追記)
 個人的には、「聡介×梨々華」は夏休み中に決着するのかな、予想してたので・・・
 でもたしかに、文化祭の演劇に絡め、1期ラストの見せ場の構成の方がずっと面白いですね。
 なるほど、これはやられました。(まだ確定じゃないけどねw)
 これでラストが一気に楽しみになりましたね。{/netabare} 

・第10-11話:文化祭という舞台装置の中で、それぞれの心理を巧みに描写 
 {netabare}文化祭準備〜当日ということで
 ●美津未×聡介
  ・文化祭準備で空回る美津未をそっとフォローする聡介。彼は彼女に傷ついて欲しくな
   いと願うのですが・・・
   「私は多少ド派手に転ぶ人間だけど、その分起き上がるのもめちゃくちゃ得意」     
   そんな彼女を見て、「美津未ちゃんは美津未ちゃんだ」と思い直す聡介。
   また聡介はモノローグで「君がいて高校生活がちょっと楽しくなった」と語っており、
   やはり美津未は特別な存在のようです。

 ●誠×結月
  ・文化祭に来てくれた誠の友達を結月に紹介するも、友達は結月が苦手そう。以前自分
   がそうだったことを思い出し、友達に必死に結月のことをフォローする誠。そして結
   月にも友達のことをフォローして・・・
   最近お菓子を食ってる印象しかなかった誠でしたが、半年で人間的に大きく成長した
   様が伺えるいい演出でしたね。

 ●聡介×弟
  ・聡介の弟の迷子騒動。気丈に振舞っていた弟ですが、聡介の顔を見た途端張り詰めて
   いたものが切れたように泣き出して・・・
   聡介のもうひとつの問題「家庭環境」ですが、どうも再婚だったようで、自分の立ち
   位置が分からず、塾や友達の家に逃げ場を求めていたようです。そして弟との距離間
   も掴めずという感じでしたが、それは弟も同様だったようです。
   山田曰く「兄弟だと分かるわー、『気遣いい』良くも悪くもw」
   弟にとってはこの迷子のことだけでなく、今まで溜まっていたものを全て吐き出した
   という面があるのかも。
   本音を見せた弟との関係が一歩進みそうな、こちらもいい終わり方でした。
   全体的に文化祭を上手く使いつつ、それそれの心理を巧みに描写していた印象ですね。
   
 女子たちは美津未に影響を受け、好転していく描写が見られる中で、聡介だけが今だいろ
 いろなものに囚われて変われずにいるという・・・
 聡介は他の人に比べ、子供の頃からいろいろな体験をしすぎて(ある意味自分を守るため
 に)良くも悪くも一足先に大人びてしまってる印象がありますね。
 しかし、家庭の問題も好転の兆しが見えてきました。次は子役時代の過去との因縁ですが、
 梨々華も現れ役者はそろいました。どういう展開をみせてくれるのか、また美津未がどう
 関わることになるのか、来週も楽しみですね。

 あと個人的にツボだったのは演劇部の兼近先輩ですかね。自ら「借金取りのチンピラ役」
 で主演とか、高校生で何ちゅう脚本書いてんだよwwwしかも「後半の伏線回収が凄い」
 (友人評)とかどんな話か気になるじゃねーかw(原作ではどうなってるんでしょうね){/netabare}

・第12話:皆が少しずつでも前を向いて歩き出せそうな、成長を感じさせるラスト
 {netabare}●聡介×梨々華
  ・聡介は梨々華に対し
   ・破滅的なことはやりたくないが、前向きになることなら何でも協力する。
   ・今は学校が楽しい。
   ・梨々華「自分だけ幸せになりたいから、許して欲しいといっての?」
    → 肯定
   という、過去との決別を宣言します。
  ・それに対し梨々華は、
   ・「好きにしろ、その代わり2度と顔を見せないで!」といいつつも
   ・本当は「聡介だけが悪いのではない」ということも分かっている。
  今までは負の連鎖で、過去のしがらみから抜け出せずにいた2人ですが、聡介が第1歩を
  踏み出したことで、聡介だけでなく、梨々華もいずれ前を向いて進めそうなそんなエピ
  ソードでしたね。
   
 ●風上先輩×高嶺先輩
  これまで自分のことを語ることがなかった風上先輩ですが、
  ・エリートの家系に生まれ、部活も2年までと決められていた
   → 怪我で退部することに
  ・でも高校生らしいことを何かしたいと思った
  それで生徒会長に立候補したようで、またそれで高嶺先輩が生徒会長になれなかった
  ことに多少の負い目を感じていたようです。(彼女の強い思いを知っていた模様)
  彼もいろいろと思うところがあったようですね。

 ●美津未×聡介
  聡介には「スマートで大人っぽい男の子」というイメージを持っていた美津未でしたが、
  今日の聡介はなんだか子供もみたいで、それがちょっと嬉しく感じられて・・・
  前回書きましたが、やはり聡介はどこか大人の仮面を被っていたようで、それを脱ぎ捨
  てたことで、彼もようやく素顔が出せるようになったのでしょうか。
  そのきっかけを作ったのは、他でもない美津未なのですが・・・
 
 万事綺麗に解決したわけじゃないですが、それでも皆が少しずつでも前を向いて歩き出せ
 そうな、成長を感じさせるラストだっとと思います。{/netabare}

(最 終)
上述の通り、衝撃のモブ顔(笑)から一転、意外としっかりと人物描写された青春群像劇
だったなと。
前半は女子たちの心に抱えた葛藤と美津未との交わりにより変化していく様を描きつつ、
終盤は美津未に何かを感じながらも、なかなか一歩が踏み出せない聡介のドラマを魅せて
いくという、1クールの構成もよかったと思います。
それに「恋愛至上主義」の作品が多い中で、そこを下手に堀り下げなかった点も〇。
個人的には青春群像劇というとやはり「ReLIFE」と比較してしまうのですが、本作を観て
「『ReLIFE』って意外と『理』で描かれた作品だったんだな」
と、改めて気づいた次第ですね。
逆にいうと、本作は結構「感性優先」で描かれているのかなっと。
そういう意味では、本作は原作者なりの「人物描写」が見どころだと言えるのかも。

ただ個人的な好みの問題で、観ているときはそれなりに面白かったが「後日見返したい」
と思えるレベルではなかったかなっと。
何というか、少し深みが足りていないという印象ですかね。
(あと、ちょっと「優しい世界」すぎたかなっと) 

投稿 : 2024/04/20
♥ : 33
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ナオちゃんは女の子??

●君に届かなかった、物語

本作は恐らく「君に届け」のオマージュ作品なのでしょう。

美津未と志摩君は「君に届け」の主人公=通称貞子と風早君を意識しているとしか
思えないところが多分にあります。

貞子は{netabare}キャラが濃く、かなり存在感がありまして、それ故なのか
このキャラと人間関係を構築するにも相応の胆力が求められることになったのであります。

見た目は呪いの人形みたいな人見知り根暗女子ですが、見た目に反して意外な一面も
あるということで、要は濃厚接触しないとどういう女の子なのか理解できない感じの
人間性を秘めていたのであります。

そんなわけで貞子が主人公である「君に届け」はスローテンポで進行する物語だったのですが
それに比べると本作は、主人公を取り巻く登場キャラが多い割に、兎に角
ハイペースでサクサク進むという点では、対照的な物語であったようにも思えます。

尺の都合とか色々あると思いますが、「君に届け」と比較して本作について言えることは
圧倒的な「心理描写のスキップ」でありまして、一言で言えば人間関係が薄味
ということになるように思います。

上級国民が集う進学校の主人公取り巻きたちは、皆精神年齢が高く、
ある種の優等市民でありまして、基本スペックは軽く平均値を凌駕しています。

しかし如何に優等市民であっても人間なので、それぞれ短所はあるだろうということになるのですが、
それを巧いことフォローするのがエリート官僚を目指す主人公の美津未の出番というわけであります。

主人公と取り巻き達のキャラ設定は適切と言いますか、理にかなっているとも言えるのですが
むしろ噛み合い過ぎなところがあり、いくらエリート官僚候補とは言えども
まるで事務処理みたいに友人関係をサクサク処理していくのは、テンポ良すぎて
人間関係の心情面の味わいが不足しているような印象を受けたのでございます。

本作の長所はテンポがいいということになりますが、故にさっぱりし過ぎて
心には刺さらず、熱意的なものが、届かなかったように思います。

美津未が着ていたスタッフトレーナーの【8、5、13】の暗示はクラスの出し物の評価ではなく、
どうやら志摩君との関係性が深まるというものだったようであります。{/netabare}

●キャラ設定

本作に登場するキャラは進学校だけのことはあり、偏差値が高いのはもちろん
高校生という割に大人じみたところがあり、精神年齢が極めて高い傾向が見みられます。

登場キャラが多い割にテンポよく物語がサクサク進行するのも、
キャラの精神年齢の高さが関係していると言えるかもしれません。

{netabare}聞き分けの無いキャラいないことにより、イライラしなくていいというのは
ある種の本作の強みとも言えますが、本来高校生とはもっと精神年齢は幼く
人間関係の測り方がそこまで巧くないのが本分と言うべきでしょう。

主人公の美津未にとって一番重要な立ち位置にあるキャラ志摩君は、兎に角
精神年齢が高く、社交的で、その上美形男子でありますので、それこそ
高校生女子にとっては理想的なモテ男子ということになりますが、設定面で
盛り過ぎたために、高校生の物語に単に不釣り合いなだけでなく、美津未にとっても
ただのいい人でしかなく、スマート機能搭載型彼氏特有の行動規範の制約により
美津未に対してシナジー効果を与えるような要素が皆無というのが彼のキャラ性の
致命的欠陥であると言えるように思います。

恋愛物語であれ友情物語であれ、パートナーとの関係性は「50:50」であるのが理想なのですが
アドバイザーとして優秀過ぎる志摩君には、付け入る隙がなく、少なくとも同世代には
自分の弱みを見せず、あまり多くを他人に求めないポリシーの人であったりします。

進学校に通うある意味エリートなので、そういう生き方はむしろ適切と言えるわけですが
初期設定でレベル99のハイスペックキャラの冒険物語にスリルのような
ドキドキ感を期待できるかと言えば、クエストをあっさりこなして
最短コースでシナリオを消化するだけに終わるだろうという話であります。

レベル1のキャラ同士でパーティー組んで経験値を積みつつ
成長する物語こそが王道展開であると言えるでしょう。

高校生なのに敢えてスマート機能搭載型彼氏をメインキャストに登用するならば
その設定の意図するところが問われてしかるべきであります。


文化祭で美津未が着ていたスタッフトレーナーには
【☆】=【五芒星】が7つに、「13R」のロゴがプリントされています。

【☆】は「5」という数字を示し、それが7つなので
5×7=35→3+5=8

つまり【8、5、13】の法則の発動でありまして
「R」はアルファベット18番目の文字ですので【18】の暗示ということになります。

【18】=【6+6+6】
【666】は契約成立の証ですので、「※願い事」が叶うという暗示であります。

文化祭でのクラスの出し物が評価され表彰されるということなのかもしれません。{/netabare}



●「上級国民」は【獣】の種族

風早2世のような爽やか美形男子の幼馴染までもが、 {netabare}モデル業に携わっていて
如何にも上級国民らしいオーラが出まくっており、どいつもこいつも
「六本木【野獣】会」のメンバーか!?と思えるくらいにキャラ構成に
偏りを感じずにはいられません。

まるで【推しの子】の恋愛リアリティーショーを再現しているような面子にお似合いの
バイアスのかかったわざとらしい空気感が漂っているような印象を受けます。

一番わかりやすいのは生徒会長のキャラ性であります。

ある意味彼も爽やか男子でありますが、人の上に立つのが自分の宿命と自覚して
生徒会長に立候補している辺りが、完全リアルな上級国民そのものであり、
【優生思想】が滲み出てるあの独特な感じの描写も見事に決まっていたように感じました。

「六本木【野獣】会」とは、昭和時代に話題となった、六本木を拠点に芸能人などの
上級国民に属する若者たちが中心となり結成した、遊び人サークルであります。

所属メンバーには、すぎやまこういち、田辺靖雄、峰岸徹、中尾彬、大原麗子、
小川知子、井上順、ムッシュかまやつ などがおり、芸能界の勝組だらけの集まりであります。

「六本木【野獣】会」には「ナベプロ」などとの太いパイプがあり、メンバーは
当たり前のようにスカウトされ、当たり前のように「スター」になります。

芸能界とは完全なるコネ社会でありますので、上級国民は勝つべくして勝つのであります。

上級国民は世の中の仕組みを知っており、なので【ハンドサイン】の意味も熟知し
勝ち組の証として【ハンドサイン】を頻繁に世に晒します。

「【野獣】会」の最年少メンバーであった井上順はTVCMをきっかけに
【ピースサイン】を日本に大流行させました。

【ピースサイン】は【コルナサイン】の一種であり「角」を表現した【ハンドサイン】であります。

【ピースサイン】=【Vサイン】を考案したのは秘密結社「黄金の夜明け団」に所属する
【アレイスター・クロウリー】という名の【黒魔術師】であります。

【ピースサイン】というのは、「【ガンド】アーム」の【ガンド】であり
「幽遊白書」の浦飯幽助が使う「霊丸」に同じく、【呪術】の手法であります。

【ハンドサイン】は【ガンド】であり、【呪術の術式】であるのですが
(例えば「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」という「九字切り」も)
その意味を知っているのは上級国民だけということになります。

本作に登場するキャラも【ハンドサイン】をさり気なく使ったり、
LGBTに対する寛容性が強かったりと上級国民の設定固めに余念がない状況であるが
故に見ていてドン引きしてしまうわけでございます。{/netabare}


●キャラ設定に秘密が?

本作に対する謎の低評価工作員が湧いていますが、何が狙いなのでしょうか??


「君に届け」は許容出来て何故本作には抵抗を感じるのか?についての理由が判明しました。

もしも本作が完全なるフィクションならば、{netabare}「共感できない」で終わっただけなのですが
少なくとも官僚を目指す主人公についてはとても理解ができるのが厄介でありました。

偏差値が高い進学校に通う勝ち組=上級国民のキャラ設定が相応にリアルであり、彼ら特有の
独特のオーラが放たれてる感とかも巧い事描写されているために、ある種の拒絶反応が
自分に出てしまったという結論に至るわけであります。

本作は「人生の勝ち組を描いた物語」であり
それは「庶民の知らない物語」であります。

租税負担率が社会主義国並みの重さでのしかかり、生活は苦しくなるばかりの庶民の日常

それでも現実世界では、「They live」
という真実を本作は示しているのであります。{/netabare}


●人生勝ち組ランカーにおける逆転劇

本作の主人公が「君に届け」のサダコに{netabare}雰囲気が似てるため、相応の学生友情物語が
展開されることは予想できましたが、何か引っかかるものを感じます。

確かに風早君は爽やか青年でありましたが、仮に本作がオマージュ作品としても
何処か?何かが?ズレているような印象を受けてしまいます。

「異世界でチート能力を手にし~無双する」という異世界転生系の作品がありますが
ある意味ご都合主義過ぎるまでに勝ち組人生を送ることとなったその主人公と
本作に登場するクラスメイト達のポジションがどことなく似ていると言いますか
異世界転生ものだからこそ許されるご都合主義と同じレベルの学生生活が本作でも
繰り広げられているような、そんなデジャヴ感にちょっとした戸惑いを覚えるわけであります。

フィクションなので学生生活の多少の美化は許されるべきなのかもしれませんが、
本作OPのダンスシーンにしても、フィルタリング掛け過ぎで、所詮はまだ子供に過ぎない
はずの高校生の不純物やノイズみたいなものが完全除去され、高校生と言うよりも聞き分け
のいい純粋無垢なる大人のクラスの物語みたいなことになっているように思えてしまいます。

学生生活の思い出に浸りたがるのは大人特有の病であると言えるのかもしれませんが
これをやたら美化したがるのはある種の病的な現実逃避の傾向があるようにも思えます。

進学校で容姿が美しく個性的なキャラをできるだけ多く展開させようとし
しかも美しい学生生活の物語を描こうという八方美人的な考えに基づく
ストーリー設計にそもそも無理があると言えるのかもしれませんが、完璧主義者故に
必然的に出てしまう粗が物語の根本に穴をあけ兼ねない懸念を感じる次第でございます。


恰も犯罪係数アンダー10以下のシビラシステムに選ばれたような、まっさらなメンタルの
学生たちには「天国大魔境」の施設で育成される子供たちのように、何とも言えない
不自然な空気を感じてしまいます。
{/netabare}

●ハンドサインが凄い!?上級国民作品

3話まで視聴した本作の印象は要するに雰囲気アニメであります。

官僚を目指す主人公のキャラ性は悪くないと思いますが、{netabare}「君に届け」の劣化版のような感じで
高校生の日常を描いてるのが何とも言い難く、ギャップ効果よりもミスマッチ気味なものを
大いに感じてしまいます。

上級国民のような選ばれしセレブたちが通う進学校の高校生の日常は、案外普通の高校生と変わらない
ものなのかもしれませんが、セレブな美形男子や美形女子に混じり戯れる主人公の人間関係性に
何かを見出せるかと言えば、普通の高校生でも成り立ったのでは?という素朴な疑問が
頭をよぎるばかりでございます。

高校生にして官僚を目指すという明確なヴィジョンを持てるような意識高い系の人種は上級国民
以外にあり得ず、庶民とは思想性が全く違うからこそ、子役として活躍したり、ある種のカリスマ
モデルのような振る舞いが自然とできるわけであります。

上級国民とは【優生思想】に毒され、人の上に立つのが当然と信じている人種でございます。

そして【Ⅴサイン】だとか【666】の「OKサイン」だとかのハンドサインの意味を熟知しており
これを公衆の面前で然るべきタイミングで多用する習性があるのが彼らの特質であります。

「ナオちゃん」というLGBTを当たり前のようにぶっ込んでくる時点で思想性に偏りがあることは
明白でありましたが、案の定カラオケ回では「3時間600円」コースなどの表示をさり気なく背景に
忍ばせたりしていました。

サリンジャー著作の「バナナフィッシュにうってつけの日」でも【6】に
特別な意味を持たせるとともに【6】にLGBTを絡ませておりました。

3×6=18=【666】
これを【獣の刻印】と言いまして、【ソドム】の住人にもこの刻印が記されており
【ソドミー】の罪故に【ソドム】は滅んだのでありました。

【666】の刻印を持つ種族はLGBTを許容します。
LGBT自体がどうであるよりも思想的な意味をこれに見出している種族がいるという話であります。

思想的に偏りがある特別な種族による普通の高校生の日常を見せられても
微妙であるというのが当方の結論であります。{/netabare}



見ていて一番気になったのはナオちゃんでありましたのでwikiで調べて
みました。

{netabare} やはりLGBTでしたね。{/netabare}
いつも通りゴリゴリ来てます。

投稿 : 2024/04/20
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