19世紀おすすめアニメランキング 12

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの19世紀成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月20日の時点で一番の19世紀おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.9 1 19世紀アニメランキング1位
プリンセス・プリンシパル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (979)
3926人が棚に入れました
舞台は19世紀末、巨大な壁で東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。伝統と格式ある名門、クイーンズ・メイフェア校には、5人の少女たちが在籍していた。彼女たちは女子高校生を隠れ蓑に、スパイ活動を展開。変装、諜報、潜入、カーチェイス……。少女たちはそれぞれの能力を活かし、影の世界を飛び回る。

「私たちは何?」
「スパイ。嘘をつく生き物だ」

声優・キャラクター
今村彩夏、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ、菅生隆之、沢城みゆき、山崎たくみ、土師孝也、飯田友子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

5人の少女たちのスパイ物語

最終話まで視聴。

東西に分断された架空のロンドンを舞台にしたスパイアクション物。
5人の少女たちが、各々の能力を活かしつつ、スパイとして活躍する物語。

ドロシーとベアトリス、ちせは、{netabare}父親がらみで{/netabare}トラウマを持つ少女たち。
アンジェとプリンセスは・・・。第8話を見て下さい!(笑)

【物語】
物語は、基本的に1話完結で分かり易い。
物語の時間軸と話数が、バラバラにシャッフルされているのも、何やら意味深で良かった。

【作画】
作画は終始安定。
背景の独特な綺麗さは絶品。

【キャラ】
主人公の5人がそれぞれ個性的でとても良かった。

【最後に】
第8話のプリンセスとアンジェの話は、とても良かった。
個人的に、第7話の洗濯屋さんの話は、物語として、とても面白かった。

何やら意味深な終わり方でしたが、第2期あるかな?
期待して待ちたいと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 75
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

女王陛下の007

舞台は19世紀末、
巨大な壁で東西に分断されたロンドン。
ここは諜報、謀略、銃撃戦、
各国のスパイが暗躍する影の戦争の最前線となる。

美少女スパイアクション、
産業革命を謳歌する古き良き大英帝国。
蒸気と硝煙に煙る、霧の都ロンドンは、
どの作品で見ても惚れ惚れしますね。
スチームパンクの世界観が最高です。

4話視聴追記。
{netabare}共和国と王国のケイバーライトを巡る攻防。
小型化に成功さえすれば、
大規模重力兵器の完成で、戦局は一気に傾く。
プリンセスの真意、動向も気になります。{/netabare}

中盤はキャラの過去が描かれ、
物語の背景に少しづつ厚みが増しています。
こうしてキャラに愛着が生まれる。

10話視聴追記。
{netabare}哀しい聖夜祭のプレゼント、
数少ない同期卒業生の物語ですね。{/netabare}

最終話視聴追記。
世界観と美術は圧巻でした。
単話形式の脚本ですが見所満載、
{netabare}続きがあれば植民地支配の物語でしょうか。{/netabare}

煙たい街の美少女活劇、
女王陛下の007の活躍はまだ終わらない。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 75

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

スチームパンク的世界観で「チャーリーズ・エンジェル」をやってみたい?(最終話+アンジェ・レポート視聴終了: 面白かったです!)

……というのが、第1回を観た時点での本作品に対する雑な理解です。

本作に派生してスマホゲームは作られるっぽいですが、たぶんストーリーとしてはオリジナルなTVアニメシリーズです。

キャラクター原案は黒星紅白さん。ポッピンQでもキャラクター原案を担当したイラストレーターの方ですね。アニメ用のキャラクターデザインは別な方がなさっているようですが、その黒星紅白さんのデザインらしい面影は残っていると思います。可愛くて良いんじゃないでしょうか。

メインキャラは女の子ばかりで諜報組織の工作員(= エンジェル相当)。

「L(エル)」と呼ばれる司令官的な人(= チャーリー相当: 顔出ししてるけど)がいて、その指示で女の子が様々な活動をするといった感じのお話です。

で、「スチームパンク」ですが(広い意味での)SFの一分野です。これは産業革命以降に蒸気機関が我々の知る歴史とは別の超発展をして、現在の科学技術とは別の超科学に発展しているという歴史if的な世界観の作品ジャンルです。

社会世相はイギリスが舞台だとヴィクトリア朝あたり、日本が舞台だと大正時代あたりがモデルにされる(例:『サクラ大戦シリーズ』)ことが多いです。本作では(国家名は違ってしまっていますが)ロンドンが舞台ということになっていますね。

アルビオン王国は大陸側にも広がってるみたいなので、これが後のストーリーにどう影響するのかは良くわかりませんけれども。

もちろん蒸気機関一辺倒ではテクノロジー的に厳しいのでスチームパンクには追加の謎テクノロジーが設定されることも多いです。サクラ大戦では「霊子機関」、本作では「ケイバーライト」といったあたりでしょうか。

共和国と王国、ロンドンの東西分断といった設定は単なる物語の舞台と割り切って、アクションシーンを楽しむことに徹すると楽しめるような予感はします。普通にアクションシーンは爽快感があったので、このまま観ていこうと思います。

ただ「プリンセス」の立ち位置が設定上微妙なので、ここにおそらく後のストーリー上の仕掛けはあるのでしょう。

2017.8.18追記:
ものすごくどうでも良い事なのかもしれないけど、メンバーの名前についてのメモ(英字の綴りは推定)。

Ange(アンジェ)
Beatrice(ベアトリス)
Chise(ちせ)
Dorothy(ドロシー)

プリンセス以外はA~Dのアルファベットで始まる名前にしたのはわざとだと思いますが、何か意味があるかどうかはわかりません。アルファベット1文字でメンバーが識別できた方が連絡や指示がし易いから?

2017.9.25追記:
最終回が「いい最終回だった」という言葉にふさわしいものでした。「プリンセス」と国家分断に関する設定は面白かったですね。モデルにされた国にもたくさんの植民地がありましたが、アルビオン王国も同様にたくさんの植民地を持つせっていでした。

作中で「カサブランカ」とか言っていましたが、アルビオン王国の版図が大陸にも広がっていたようですし、フランスにあたる国はあの世界には無くて、現モロッコも王国の植民地ってことだったんですかね?

女性の下着(ドロワーズ)とか水着とか、そして男性も服飾文化は確かに19世紀末っぽいのですが、ごく一部だけ超科学っていうのは絵的に面白いものがありました。2期目制作にも希望を残す終わり方でしたね。

面白かったです。

2017.9.27追記:
アニメ公式ページで配信されている時系列順総集編「アンジェ・レポート」が、本編最終回の翌週の同じ枠で放送されることになりました。

一応予備日程が取られていたものの、使わずに済んだので穴埋めということでしょうか?

2017.10.19追記:
本編最終回の翌週に放送された総集編「アンジェ・レポート」を観終わった後に更新するのを忘れていました。

プリンセスとアンジェの関係がわかりやすくまとめられたテレビ放送第1~8話についての時系列順の総集編でした。厳密に言うと幼少時の回想シーンは、第8話の内容ということで、終盤の内容となっています。

冒頭のナレーションによるロンドンの情勢の説明から始まって第8話のEDピアノ連弾バージョンでの締め、終盤を除いたストーリーの振り返りということで大変良い構成でした。

本編最終回が終わって視聴をやめてしまい見逃した方、まだYouTubeでBandai Visualが公式に配信しているので観られますよ。お見逃しなく!

2018.1.29追記:
『アンジェ・レポート』の公式での配信が終わってしまっていたので、情報更新。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70

82.5 2 19世紀アニメランキング2位
ジョジョの奇妙な冒険(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1688)
8318人が棚に入れました
古代メキシコで繁栄を遂げた太陽の民アステカ。

彼らには奇妙な 「石仮面」が伝わっていた。
それは、永遠の命と真の支配者の力をもたらすという奇跡の仮面。だが、ある時を境に歴史から姿を消すこととなる。

やがて時は過ぎ、19世紀後半。人々の思想と生活が激変していた時代に出会った、ジョナサン・ジョースターと ディオ・ブランドー。2人は少年時代から青年時代を共に過ごし、やがて「石仮面」を巡って数奇な運命を辿ることとなる――。

声優・キャラクター
興津和幸、子安武人、塩屋翼、上田燿司、川澄綾子、杉田智和、佐藤拓也、伊丸岡篤、田中敦子、井上和彦、藤原啓治、大塚明夫、乃村健次
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

荒木飛呂彦ワールドを堪能下さい!

原作 漫画 
週間少年ジャンプ連載まで読んでました。
ウルトラジャンプ以降未読
OVAは未視聴


全26話

ジャンル: アクションバトルファンタジー


世界的にもファンがいるみたいです。
最近では「ジョ女子」なんて言われる女性のファンが増えてるとか・・・(なぜ 今頃?)

1話見た感想

作画は、ジョジョ初期の絵に似せていますね~。
途中で出てくる独特の擬音を文字で見せる所は、個人的に良いと思った。
この特徴ある擬音は荒木飛呂彦ワールドならではなので、是非いっぱい出して欲しいですね。
あと、「ジョジョ立」などと云われる変わったポージング(これも荒木ワールド)も、是非見せて頂きたいです。
ファンには堪らないですからね~。^^

戦闘中のセリフも独特で、「無駄無駄無駄」「ウリリりー」「オラオラオラ!」などの連続のセリフも見所なんですが、(これは3部からだったかな?)アニメでも上手にやって欲しいな~って思ってます。^^

何にせよ、独特の世界観ですので、好き嫌いの激しい作品かもですが、正直、バトルが面白くなるのは第3部からのスタンド能力での戦いからです。
かと言って、第3部からアニメ化されても面白さが半減してしまいそうなので、この初代ジョジョから観て頂きたいですね!

この初代ジョジョを面白く感じれれば、絶対ファンになれると思います。
原作漫画をまだ読んでいないのでしたら、
是非、読んで頂きたいですね~^^

オススメです。
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最終話まで見た感想

初代ジョジョ、2代目ジョジョと、2部まで放送でしたが、素直に面白かったです。^^
正直、原作読んでたけど、コミックは持っていないし、大分昔だったので、1部2部のストーリーとか忘れてました。。。^^;
特に2部のラストなんて、全然記憶になかったw
{netabare}
私的には、3部から始まるスタンド編が好きなんですが、シリーズで好きなジョジョは、今回2部で出てたジョセフ・ジョースターです。
ピンチになっても、何かやってくれるキャラで、バトル見ててもワクワクできました。
特に、「お前は〇〇って言う!」って、相手が言うセリフを予言する所なんかは好きでした。



最終話のラストでは、多分3部の主人公になる空条 承太郎が、チラっと出てましたねw。
これは2期あるっポイのかな?
原作ストックは全然あるので、是非スタンド編の2期が観たいです。
{/netabare}

キャラデザは、劇画風で好き嫌いありそうですが、異能系アクションバトルが好きな人は一見の価値ありでオススメです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 61

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

さすが名作☆☆

ジャンプの名作です☆


とりあえずテンポがいいですよね♪♪

原作のあの絵をここまでクオリティの高いものにしたのは凄いですね(*^_^*)

見やすいですし、独特の作画もナイスッ!!♪

何より原作通りに進めてくれているのがいいです♪

演出も神がかってました☆ヽ(=´▽`=)ノ


それと、これだけ2期が確実と思える作品は久々です♪

3部もそんなに遠くないのでわ?(*^_^*)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 55

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

原作好きにも納得の面白さです♪

あらすじ

ジョースター一族と、邪悪な吸血鬼と化したディオやその後継者達が、
2世紀以上に渡って繰り広げる戦いを描く大河群像劇である。


Part1『ファントムブラッド』

舞台は19世紀末のイギリス。
英国の青年貴族である主人公ジョナサン・ジョースターと、
下層階級の出身ながら類稀なカリスマ性と野望の持ち主
ディオ・ブランドーの抗争劇。
「石仮面」や「波紋」を背景に、2人の成長や対立が描かれている。


Part2『戦闘潮流』
舞台は1938年のアメリカ。
再び世界大戦の足音が聞こえ始めた中で、
ジョナサンの孫のジョセフ・ジョースターも
ジョナサンと同じく「波紋」を身に付けていた。
そんな中、人類を遥かに凌駕する知的生物「柱の男」達が発掘される。
人類の脅威となりうる「柱の男」を倒すため、
ジョセフ達は各地を奔走する。


感想


(1部感想)

マンガも知っているのですが
あの世界観をアニメでできるのか?
と思っていたのですが杞憂でした
十分原作を再現できていました

毎回飛び出す名言の数々に
特殊な効果音の文字が出たりと
こう演出するのかと驚かされました

それになんといっても声優さんの演技が良かった
当たり前かもしれないけどみんな演技が上手かったです

ちょっと古いと感じるかもしれないけど
最近こういうアニメが少なかったので
僕はとてもうれしいです

これから2部が始まるので
今から楽しみです


(2部感想)

やはり2部も1部に負けず素晴らしい出来でした

OPは個人的には2部の方が好きでした
音楽はどれも凝っていて
その場面に合ったBGMが使われていたと思う

それに声優の演技がやっぱり凄いw
2部になってからさらにハイテンションになってる気がするw
原作読んでいるが声優の声はどのキャラも合っていたと思う

原作の表現して欲しい所を
充分表現していてスタッフの愛情を感じました

これは原作好きでも納得できるアニメになったと思います

それに2部のラストが
3部を期待させる作りになっていたので

これは2期で3部をやってくれるんじゃないでしょうか?
今から2期をやってくれるのがとても楽しみです!


そして3部アニメ化決定
おめでとうございます!
3部も好きなので楽しみです
早く見てみたいです

投稿 : 2024/04/13
♥ : 55

72.9 3 19世紀アニメランキング3位
異国迷路のクロワーゼ The Animation (TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (953)
4405人が棚に入れました
私ハ…このギャルリの家族ニナリタイ・・。
19世紀の仏蘭西、巴里――。 近代化の流れに忘れられた小さな商店街、ロアの歩廊に、 ある日、小さな日本の少女が足を 踏み入れました。彼女の名前は湯音。 長崎から一人、パリへ奉公にやってきたのです。 全く違う異国の文化や慣習に戸惑う毎日。 それでも一生懸命な湯音は、鉄工芸品店「ロアの看板店」で働きながら、店主のクロード、そしてパリの人々との温かな出会いを通じて、一つずつ、文化や言葉の違いを乗り越えていくのでした。優しい日差し差し込む、この時代遅れな商店街に 迷い込んだ日本人形。 いつか、ギャルリの家族になれるよう、少女は今日も奉公に励みます…。
ネタバレ

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

湯音がお人形さんのように可愛いのです

湯音ちゃん、私の家に奉公にきて~!!

◆この作品の概要は・・・
時は19世紀後半、長崎一の看板娘だった小さな女の子の湯音が家のしきたりによりパリへ行き、鉄工芸品店で奉公するというお話。

◆まず主人公の湯音が・・・
と~ても可愛いのです!
黒髪のおかっぱ頭でお人形さんみたいです!
第1話目のピンクの華やかな着物姿や、下駄をコツコツ音を立てて小走りに歩く姿を一目見た時からその可愛らしさに目を奪われました。
人の言いつけを必ず守りしっかり者、でも小さい小柄な容姿から危なっかしくて目が離せない。
また可愛らしい外見とともに、その仕草や豊かな表情がとっても微笑ましいです。
始めて体験する異国の文化や食べ物に戸惑うものの、好奇心旺盛。
微笑んだ顔・悲しそうな顔・驚いた顔・ふてくされた顔・泣いた顔など・・・。
ひとつひとつの表情にとっても癒されます。

◆声優陣は・・・
主人公湯音の声優の「東山奈央」は現在19歳の新人です。
しかし、綺麗な透き通った声でこれから大いに活躍が見込めるような声優さんではないか?と思っています。
そしてメインキャラであるアリス・ブランシュの声優は「ゴシックのヴィクトリカ」を演じた「悠木碧」。
このアニメの舞台が19世紀なのでゴシック感も漂うこのアニメでの「悠木碧」のキャスティングはとてもイキな計らいですね。

◆タイトルが示す通り・・・
日本では長崎一の看板娘でも、風習や文化が違うパリではいろいろ厳しい事が待っていると思います。
異国迷路というように、日本とは文化が全く違うパリで生活するというのは迷路に迷い込んだようなものです。
19世紀ヨーロッパの異国情緒あふれる舞台で、この可愛らしい日本人の小さな女の子がどのように過ごしていくのか非常に楽しみですね。

◆ストーリーは・・・
ストーリーはとてもゆっくりと進みます。
特に中盤あたりでは中だるみ感も感じられるかもしれない。
この作品は全12話(本編11話+TV未放送エピソード1話)。
原作1、2巻の内容を1クールで11話に納めています。
作品にもよるけど、原作がノベルやコミックからくるアニメはだいたい五巻~十数巻の内容を1クールで納めてしまう作品が多いのではないでしょうか?
原作2巻分の内容を1クールで描いているので、とても丁寧にゆっくりとした繊細なストーリーで仕上がっています。

◆なぜあのエピソードを放送しなかったのか・・・
最終話は屋根の上のお話。
原作を読んでいる人には、最終話にこの話を持って行った事に疑問を感じるのではないでしょうか?
パリに来た湯音の一番の見せ場?ともいうべきあのシーンが削られていたのは非常に残念でした。
ストーリー的にもハラハラさせられたシーンなのに・・・。
2期が制作されるのか?OVAに追加シナリオで制作されるのかはわかりませんが、せっかくなので内容を以下に紹介。
知りたくない人は回覧はしないで下さい。
{netabare}
百貨店を毛嫌いしているクロード、しかし百貨店に行きたい湯音の為に2人で行くことになります。
複雑な想いのクロードとは逆に湯音は興味深く周りを見て楽しみますが、2人ははぐれてしまう。
さらに湯音は百貨店の店員に盗人の疑いがかけられます。
そんな中、百貨店は火事に・・・。
お店の中は逃げ惑うお客達でごった返し。
大きな身体の外国人達の群衆にあの小さな身体の湯音が巻き込まれたらひとたまりないと焦るクロード。
そんな時に湯音がとった行動は・・・・。
{/netabare}
このエピソードに私泣けましたよ(゜-Å) ホロリ 。
興味ある人は原作をぜひ^^。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 70

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

湯音ちゃんの笑顔で癒されました(´ー*`)キラーン

■湯音ちゃんと出会ったときの日記(*^-^)
舞台は19世紀ヨーロッパ。フランスの古き良き街並みの雰囲気を丁寧に表現できている作画には圧倒されました♪
 
そんな素敵な背景の中でひときわ輝いていたのが、湯音(yune)でしたね(゚ー゚☆キラッ
艶やかな着物姿が一見ミスマッチと思われる背景に、不思議と溶け込んでいるのですよ♪
そして、湯音が歩くたびに、「こっぽり」「ぽっくり」 と舞妓下駄の奏でる心地よい音☆彡
まるで「こっちだよ」って呼びかけられている様な、素敵な音色がいつまでも耳から離れませんでした♪
 
湯音は小柄で、黒髪で、ショートカットで、献身的で、真っ直ぐな瞳で、環境の違う異国の地で、何を感じ、何を想い、様々な人と出会い、どんな風に日々を過ごして行くのでしょうねo(*^▽^*)o~♪
今後の展開にとっても期待が持てる第一印象だったのです!!
 
 
■最終回を観終わって(・ω・)ノ
(〃´o`)=3はひーって感じで体の隅々まで癒されちゃいました♪
最初から最後まで湯音ちゃんの魅力を存分にひき出す演出は秀逸でした。
フランスの情緒溢れる雰囲気を引き立てるBGMと、スクロールやズームの仕方でゆっくり流れる時間を演出したカメラワーク。
さらに、さりげなく耳に残るドアの開閉の鈴の音や下駄の音などの音響効果や、やわらかい光の差し加減で優しいほんわかした雰囲気作りなど、癒し系の作品のお手本となるようなハイクオリティな作りは作画だけで考えればARIAを超える出来栄えだったと感じました♪
 
そんな雰囲気の中、湯音ちゃんの生き生きした表情や仕草がとっても魅力的で、アリスお嬢様が湯音ちゃんに抱きつきたくなっちゃう気持ちが良くわかります♪
健気でいつも一生懸命な湯音ちゃんだけど、たまに見せる頑固な一面は、今のNOと言えない日本の政治家にも見習って欲しいくらいです( ゚ー゚)( 。_。)ウン♪
 
 
■総評
遠い異国の地、日本から来た湯音ちゃんの魅力が、ギャルリ・ド・ロアやブランシュ家の人達に少しずつ変化をもたらす様子が本作品の一番の見所だったのだと私は思います♪
頑固で不器用なクロードさえも、ちょっとずつ湯音ちゃんのペースに振り回されてだいぶ考え方も変わってきたように見えましたね♪
 
また、湯音ちゃんが失敗したり戸惑ってたりした時に、さりげなく声をかけるオスカーさんも素敵でしたね♪
ときに「魔法」と表現するくらいに湯音ちゃんにとっては、オスカーさんの言葉って心の支えになってるんだなって感じられました(*^-^)
 
ブランシュ家のカミーユ姉さまは地味な役回りでしたけど、妹のアリスちゃんの事を愛し、とっても大事に思っているのが良く伝わってきましたね♪
アリスちゃんに少しでも自由に過ごさせてあげたい気持ちや、クロードとすごしてた幼少の頃の思い出や、貴族としての立場など、複雑な心情をさりげなく描写してましたね♪
 
とにかく、本作品「THE ANIMATION」では湯音ちゃんと街の人達との触れ合いから、次第に第2の故郷となりえる場所となるまでの心温まるストーリーでしたけど、是非2期を見てみたいですね♪
2期では、各キャラ毎の掘り下げたストーリーや、今回は変化がなかったカミーユとクロードの関係を是非見たいなぁって思ってます♪
 
こういう癒し系の作品は、つまらないと言う人もいると思います。
ただ、人生の中でいつかいいなって思える時期が来るのもこういった作品だと思うのです♪
なので、つまらないと思ってもそっと覚えておいて欲しい作品です(o*。_。)o
σ(・・*)アタシみたいに癒し系大好きな人はたくさん観ましょうね♪
 
 
■MUSIC
OP曲『世界は踊るよ、君と。』
 歌:羊毛とおはな
 アコースティックギターの音色が心地よい、温かいサウンドです♪
 
ED曲『ここからはじまる物語』
 歌:湯音(東山奈央)
 湯音ちゃんの声優さんが歌ってくれてるだけで、ほのぼのしちゃいますね(*^-^)
 
ED曲『遠く君へ』
 歌:アンヌ(中島愛)
 4.5話を思い出す曲ですね♪やっぱりランカちゃんだねw
 
ED曲『Tomorrow's Smile』
 歌:A.m.u.
 カミーユお嬢様全快の8話限定のED曲でしたね♪
 優しくしっとり歌ってくれてます♪名場面を思い出させてくれる歌声です(*^o^*)
 
 
2011.07.07・第一の手記
2011.07.08・一部言い回しを修正
2011.09.21・第二の手記(追記:■最終回を観終わって■総評■MUSIC)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とっても癒されるアニメ。L面に墜ちそうになった……

原作未読。


時は19世紀。
湯音(ゆね)という少女が奉公の目的でパリへ渡る。
ギャルリ・ド・ロアという商店街にあるアンセーニュ・ド・ロアという看板店に住み込みで働くことに。
当初は右も左も分からない湯音。
彼女がギャルリ・ド・ロアになじむまでのストーリー。


笑顔になれる癒しアニメです。
日常系ではありません。
ストーリーはしっかり進みます。

主要人物は以下。

・湯音 → 日本からパリに奉公に来た13歳の少女。ロリッ子
・クロード → アンセーニュ・ド・ロアを経営する青年。ツンデレ
・オスカー → 湯音を日本からパリへ連れてきた老人。いい歳をしてプレイボーイ
・アリス → ギャルリ・ド・ロア全体を管理する大富豪の少女。高飛車だけど湯音にぞっこん


湯音の行動は日本人なら大いに納得できるものです。
しかし、パリでは不自然に見えます。
クロードがそれをどう扱うかが、話の軸です。
したがって、湯音よりもクロード目線のストーリーと言ったほうがいいかもしれません。
そして、間を取り持つのがオスカーじいさんの役割です。

オスカー「日本では~」

と、毎回解説してくれます。


また、湯音にとっては異国で右往左往するストーリー。
しかし、それはクロードにとっても同じこと。
異国から来た少女をどう扱っていいか分からず迷走します。
異なる方向に歩いているふたり。
迷路のように、あちらこちらに行ったりしながらも、クロワーゼ(交差点)で出会います。


演出面では、キャラクターの細かいしぐさにこだわりを感じました。
湯音が危ない行動をしたら、おろおろしたり、はらはらしたり。
また、舞台がパリなので、湯音はカタコトでしゃべります。
これがかわいいんだな(*´д`*)
……L面に墜ちそうになりました。


いざこざは起きますが、毎話のようにニコニコできます。
癒しのツボをしっかり押さえていると思います。

「クロワーゼ・レ・ドワ(うまくやれますように)」

十分うまくやれていると思います。
毎回とってもいい気分で見られました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 53

78.2 4 19世紀アニメランキング4位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (580)
3126人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『ブルーウォーター』はアニメOPの金字塔

2018.07.26記


現在ではおそらくもう作られないであろう要素がてんこ盛りの古典。最近のアニメとは違った風に吹かれてみたいと思ったなら手を出すのは一興です。

個人的には思い入れの深い作品です。リアタイで衝撃を受け、2012年の地上波再放送と20年ぶりの視聴でも普通に完走できました。思い出補正があったとしても、作品に魅力がなければ無理だった話でしょう。

とかく「エヴァ前夜」的文脈で語られがちな作品であり、たしかにファンが目を細める描写もありますが、ジョジョ以前のバオー来訪者や、幽々白書以前のてんで性悪キューピッドのような扱いでは決してなく、独立した作品として白眉ものの出来かと思います。

同様に「ラピュタ」の亜種という側面も、出自を考慮すればそれも納得するわけで、決して劣化コピーではありません。


【物語】
大筋は、ブルーウォーターという宝石を巡って繰り広げられる冒険奇譚といったところでしょうか。海洋を舞台にした冒険活劇と言い切れないのは長丁場の作品の最終盤でこれまでの伏線を回収し一気に哲学的、宗教的昇華をみせるからかもしれません。
前半ラピュタの後半エヴァとは言いえて妙とは思うものの、できれば先入観を廃してフラットな視点で作品に向き合えるといいんでしょうね。

30年前の作品とは思えないほど今でも使える数々の仕掛けとそれでも少し埃を被った古典の味わいと両方を堪能できるハイブリッドアニメです。


【キャラ】
主役はナディアとおそらくジャンもそうなのかな。彼ら彼女らを中心に、グランディス一味(グランディス、サンソン、ハンソン)、マリー、キング、ネモ船長、エレクトラさんなど個々にファンがいるほどの魅力的なキャラ達が脇を固めます。敵役{netabare}ガーゴイル{/netabare}も充分憎たらしい役回りを担ってくれてます。彼らの掛け合いの中にも心揺さぶられる明言が多い。

ヒロインのナディアは今でいうところの「ツンデレ」。だがしかしそこは30年前。PDCAサイクルを経てある意味様式美と化した現在のテンプレには該当しません。水戸黄門ばりの様式美を期待してると裏切られたと感じるかもしれないし、逆手にとってとても新鮮と感じるかもしれません。
当時、雑誌アニメージュの人気投票において、マンガ連載中という地の利を活かし数年王座を守っていたナウシカからトップを初めて奪ったのがたしかナディアだったと記憶してます。そしてしばらく1位2位をこの二人で争ってたような。それだけ魅力あるヒロインだったんですね。


【声優】※評価というより思い出話
ジャン役日高のり子さん。浅倉南の爪痕が生々しい当時に少年役とはびっくらこいた記憶があります。
ナディア役鷹森淑乃さん。正直これ以外存じ上げないのですが、最近は進撃の巨人エレンのお母さん役で安否を確認できました。お元気そうで何よりです。{netabare}ネモ船長に「生きろ」と言われた後、一世代を経て今度はエレンに「生きるのよ」と。命のバトンを繋げております。 {/netabare}
{netabare}少しだけ演技に言及すると、フェイトさんの最期とか、「裏切りのエレクトラ」回のエレクトラさんとか演技で魂震えてたような気がする。{/netabare}
それと、マリー役水谷優子さんですね。同時期に放送開始したちびまるこのおねえちゃん役と声全然違ってたものですから、私が「声優ってすげーな」と思った最初の声優さんだったと記憶してます。つくづくもうお声が聞けないのは残念でなりません。

それでレビューを書くにあたりあらためてキャストを見ると、当時人気だったり実力のある方たちで固めていたようですね。どうりで感情移入しやすかったわけだ。


【作画】
メカやキャラデザは素晴らしく、物語中盤の作画崩壊?については他の方のレビューにもあるとおりなので特にここでは詳しく言及しません。
今でも鑑賞に耐えうる作画といいますか、30年後の今のクールでもナディア未満の作画はけっこうあることを考えれば上出来じゃないでしょうか。
特筆すべきは、海だし宝石の名前だしと青色を基調とした絵が多い作品における青の表現でしょうか。OPアニメーションの色合いなんて味わい深いものですよ。
{netabare}「島編」のカオス作画だって、当時における「外注することの対価としてどういった代償を払ったか?」ですとか、はたまた「今ではマシになった韓国からの納品物がいかばかりのものだったか?」と歴史遺産であるとの見方をもって楽しむと・・・いやムリか・・・
でもこれ勢いでNHKのゴールデンタイムで流してたわけですから、イケイケドンドンのバブル時代ならではだったからなのかもしれません。{/netabare}


【音楽】
OPED 森川美穂さんのシングル買いました。サントラだって買いました。
鷲巣さんの劇伴、今でもたまにバラエティで使われたりしてます。印象的な曲が多かった。
OPブルーウォーターのイントロが流れた時、「1週間お待たせ!いざ開幕!」のワクワク感は当時たまりませんでした。突き抜ける高温&ビブラートは心地よく、EDのロッカバラード的な曲調に静かに余韻に浸ったものです。
森川さんについてはバブル全盛期の見た目上等!の世相の中で、ボーカル一本で勝負するぜという潔さに痺れて憧れてましたね。確か自分で作詞作曲はやらずにいただいた曲をボーカリストとしてどう向き合うかに必死です的なインタビューを読んだ気がします。間違ってたらごめん。



■閑話休題 ※そこそこネタバレします
{netabare}
放送年度が1990年。前年にパリ万博100周年、フランス革命200周年とことフランスに焦点が当たった翌年に放送されたアニメです。物語の舞台設定は1889年、まさに万博開催中のパリにて興行中だったサーカス団の花形少女ナディアが事件に巻き込まれるところからスタートします。同じく巻き込まれてしまったジャンと一緒に、ブルーウォーターを狙うグランディス一味からの手に汗握る逃避行。ガキンチョだった自分がワクワクしないわけがないのであります。

私は1986年のラピュタに感動して冒険ものが好きになり、そうこうしてNEXTラピュタが登場するのを待ってたきらいがあったと思うのですが、ラピュタ以降でやっと心震える冒険ものに出会った気がしたのがナディアでした。NHKではこの数年前に「心っに冒険をぉ~」とのりピーが歌ってたアニメもあるにはあったのですが、実際のところ「冒険」感は控えめでした。やっとです。

放送の数か月前にはドラクエⅣが発売し、ミネアとマーニャというエキゾチックな女の子も魅力的だなと思ってた矢先に、ヘソ出し褐色の少女が主役のアニメに出会ってしまったのが運のつきでしたね。

世間一般の評価の一面として視聴率は悪かったと思います。18:00か19:00のゴールデンの時間で5%いったかいかなかったくらい。今よりもっと多くの人がTVを観てた時代、これは致命的に悪い数字です。
ナディアを機に購入し始めたアニメージュでの凄い盛り上がりとは対照的にクラスの友達に話を振ってもあまり観てるやつがおらず反応が薄いという状態。これまで北斗の拳やキン肉マンでは一緒に盛り上がれてたのに、と断絶を感じた瞬間でした。
{/netabare}


NHKという制約があったものの、丸々1年間の猶予期間を与えられた庵野秀明監督を筆頭とする当時のGAINAXの面々が思いっきり好きなことをやったらこんなん出来ました、という傑作です。


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2019.01.17追記
《配点を修正》


思い出補正しときます

投稿 : 2024/04/13
♥ : 45
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

いとしのナディア

アニマックスで視聴。
以前エヴァ好きの兄に熱烈に勧められ1話視聴したけれど、
何故か1話だけ観て満足してしまいそれっきりだった。
スカパーでHDリマスター版が放送されたので、録画して少しずつ観ました。

色んなアニメとの関連性やオマージュを見つけるとワクワクしました!
夢と冒険と格好良いノーチラス号やメカ・・それにキュートな女の子(?)キャラ。男のロマンたっぷりで男の子が好きそうな感じのアニメですね!
キャラクター1人1人の個性や生い立ちが強烈で心に残っています。

<私の中で好きなキャラのグランディス嬢>
{netabare} 最初はイマイチ物語に入り込めなくて、私は11話辺りからハマりました。
ネモ船長に恋するグランディスちゃんが可愛すぎます・・!
特に彼女、本当に苦労しているんですよね。過去の回想シーンで思わず感情移入しました。
普段はまさに姐さん!って感じがネモ船長の前では恋する乙女に変わるところツボです。
特に、エレクトラさんとの恋愛バトルやネモ船長が「チョウチンアンコウのグランディス風ラブコール」を見た時の表情が忘れられない(笑){/netabare}

<ジャンとナディア>{netabare}
ジャンはメカの天才ではあるけれど、意外と不器用で嘘をつけないほどの正直者。
ナディアは感情の起伏が激しく、気難しいところがあり、しかも頑固で意地っ張り。
普通「可愛げがないなぁ」で終わってしまいますが、
一目惚れを一途に貫き通したジャンに拍手を送りたい。

島編での二人の初めてのキスシーンが非常になめらかで自然だったのでドキドキしてしまいました・・っ
ナディアがジャンにキスした後、明らかジャンを異性と意識して優しくなったりデレてみたり、「これがツンデレの魔力か・・」と思わずナディアを可愛いと思ってしまいました。
ジャンがその前のファーストキスを覚えてなかったという事でナディアは相当怒ったんでしょうね。
そしてアフリカ編で他の男の子に一目惚れしたけれど失恋して、ジャンの想いに改めて気づく流れがリアルな恋愛らしいと思いました。{/netabare}

<アフリカ編>
島編は作画崩壊酷かったですが、ドタバタっぽさやナディアのデレが見れたのでそこそこ楽しめました。
ですが、アフリカ編の34話が許せなかった。
キャラソンと謎のMVと尺稼ぎ。作画外注のせいですね・・これはひどい。
全自動ウクレレ演奏機を私は忘れない。

まさに、この気持ちをわかりやすく表現したら・・
この間電車に乗って、向かいの座席に座る女性が「綺麗だな」とチラッと眺めたら目の前で凄い表情で携帯見ながら鼻に指をinしてTreasure Hunt始めたのを見てしまった衝撃的な気持ちと(見てはいけないものを見てしまった)

小さい頃好きで買ってたパンケーキを久しぶりに買い、添えてあるマーガリンの成分を見たら上の方に「シリコン」と書いてあって「今までシリコン食べてたのか」と言う気持ちが入り混じったような残念な気持ちです。
忙しい母もナディアにハマったので、島編の一部とアフリカ編ほぼ削って(34話なんてなかった)見せることにしました。

<最終回>{netabare}
最終回のストーリーと作画の気合いが凄かったですw
ネオ皇帝の最後は衝撃的だった。ナディアの心にも深く残ってしまったんだろう。
ジャンの死に方が音もなく、くたっと・・あっけなくて。
しかも受け身を取らずに打ち方が悪くて、頭から大量の血で床が染まる描写が無意識に残ってます。
他に死の描写で気になったのは、死の恐怖に耐えきれなくなって泣き叫びながら死んでいったフェイトさん。
フェイトって英語でFate=運命、宿命と言う意味を改めて感じさせられました。
ネオ皇帝にジャン(ジャンは生き返ったけど)フェイトさん。皆、綺麗な最期ではなくて生々しいのは庵野さんがコメントしているように
「死を美化することへのアンチテーゼと、ジャンに科学は万能でなく物事に二面性があることを知って欲しかった」らしい。
物語に生と死のリアルさが出ているのはこのせいだろうか。

さて、あの時ブルーウォーターをネモ船長に使いたい所、ナディアにジャンを生き返らせるように進めるなんてエレクトラさんは成長しましたね。
中盤でネモ船長に激情をぶつけてた時とは明らかに違う。

今更気づきましたが、ネモ船長髪伸びるの早いですね。
キャプテンハーロックにどこか似ているような・・?気のせいか。

ネモ船長の最期の時、エレクトラさんがお腹さすってて、
「この二人付き合ってたんだ!・・この描写、NHKやるなぁ・・。」と思いました。その瞬間のグランディスの表情がまた・・。

一番驚いたのが、サンソン×マリー。
23歳差でしかもデキ婚なんだぜ・・ウィキペディアを見ると「美しく成長したマリーの初恋と、マリーに惹かれるサンソンの苦しみを描く物語」を描く書籍の「ふしぎの森のマリー」があるらしい!みたい!!

サンソンは初登場時「気障なキャラだな」と思ってたら、
グランディスへの片思いとネモ船長への嫉妬。実は怪力で力が強くて、信念も格好良いと気づいて、後から惚れ惚れしました。
この二人は超絶幸せになって欲しいですね!好きなカプです!
最期のEDに繫がる描写と演出に思わず笑顔になってしまいました!{/netabare}

ふしぎ海のナディアは、今観ても新鮮でロマンたっぷりの作品でした!
(ただしアフリカ編を除く)
ノーチラス号での「その人の役割」「人との関わり方」を作中で表現していて、子供の役割と大人の役割について考えさせられました。
ジャンやナディアの思春期特有の気持ち、不安定さもいつしか愛おしく感じて、
主役二人の年代の頃の気持ちを思い出しながら、楽しく視聴できました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

Smog さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1990年代の代表作。今の話題作と比較して見るという楽しみ方ができる作品。

SF小説が原案。
全39話。原案未読です。

19世紀後半のヨーロッパが舞台のSF作品。
過去の代表作として興味を持ったので視聴しました。
元はNHKと宮崎駿が企画したものとして有名ですね。
ラピュタと設定や世界観が似ているのはそのためだそうです。

一番の見所は、序盤と終盤のストーリーでしょう。
序盤と終盤は、「この先どうなっちゃうんだろう」という引きの強さが素晴らしかったです。
人の死について切なく扱っているところにも好感を覚えました。
序盤と終盤のシリアスパートは今の作品と比べて遜色はなく、一見の価値有りだと思います。

中盤はゆるい雰囲気やギャグパートが中心でした。
良く言えば序盤の暗い雰囲気を和らげ終盤に向けて息抜きができる展開、悪く言えば中だるみ感が目立ってしまった展開という印象でした。
メインの登場人物に感情移入させるための内容だったのでしょうが、今からするとちょっとあざとい感じがしました。

音楽について、OP/EDが印象的でした。
言わずと知れた名曲ですので、懐かしくてついつい毎話聴いてしまいました。
作品をきちんと見たのは初めてだったのですが、当時耳にすることも多かったので記憶の片隅に残っていたのでしょうね。

作画について、22年前の作品ならではの味わいがありました。
セル画による作画のなつかしさが楽しめました。

今となってはご都合主義な設定や展開が多々あり、ありがちと感じる部分もたくさんあると思います。
しかし、1990年当時にかなりの人気があったということを考慮し、今の人気作と比較して楽しむことができる作品だと思いました。
例えば、律儀に毎話30秒以上時間をとって、あらすじナレーションを入れる丁寧な作りは、1990年ならではの演出でしょう。
過去作はこういった楽しみ方ができるのも魅力ですね。

2012年4月からNHKでデジタルリマスター版が放映されています。
ちょうどクライマックスに入るところのようです(2012年11月26日現在)。
毎話、丁寧なあらすじナレーションがありますので、途中から見ても楽しめると思います。
気になる方はご覧になってはいかがでしょうか。

ナディアという単語が少しでも気になった方、過去の話題作が気になる方にオススメしたい作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 41

61.6 5 19世紀アニメランキング5位
魔界王子 devils and realist(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (355)
2164人が棚に入れました
名門貴族のウイリアムは、類いまれなる頭脳の持ち主。パブリックスクールでも、家柄のこともあり、話題の中心でもあった。しかしそんなある日、叔父が事業に失敗したことで財産を失ってしまう。名門の名に傷がつくことを恐れたウイリアムは自宅に戻り、家令と共にお金になりそうな物を探す。屋敷で見つけたのは、先代が出入りしていた地下の部屋。そこには魔法陣があり、意図せずウイリアムは悪魔を呼びだしてしまう。呼びだされた悪魔、ダンタリオンはウイリアムに告げる。「ウイリアムは魔界の代理の王を選ぶことのできる選定公である」と。それゆえに、自らを王に選べと迫ってくるのだが…。果たして魔界の代理王は誰になるのか!?

声優・キャラクター
江口拓也、寺島拓篤、松岡禎丞、柿原徹也、福山潤、高城元気、鳥海浩輔、斎賀みつき、小野友樹、安元洋貴、山本和臣、鈴木裕斗

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

魔界王子というより、学園王子という感じですね

原作未読 全12話

悪魔の中から代理王となるものを選べる選定公という血筋を受けついでいる主人公 ウイリアム・トワイニングが、ひょんなことから召還してしまった悪魔 ダンタリオン・ヒューバーなどの代理王候補との争いに巻き込まれていくお話です。

悪魔と天使と人間が出てきます。良くあるパターンですねw

主人公がいる学校も男子校で全寮制ということもあり、女性キャラが少ないです。
ほとんど学校でのお話がメインです。悪魔達も戦うこと以外は、学校の中に溶け込み、いがみ合いはあるものの普通の学生生活を送ってます。コミカルに描いてますね。

とにかく、主人公本人はリアリストで、悪魔や天使など真っ向から否定しますので、中々話しが進みにくく、各話でそれぞれのエピソードはあるものの、悪魔世界の部分が余り語られていないので(このお話では魔界の代理王を決める選定公というお話が軸ですから)バランスが悪く、最後も唐突な終わり方なので私にはあまり合いませんでした。

キャラやコメディ部分の相性が合えば観てもいいかも知れませんね。

最後に、緋色の欠片みたいにエンディングの後、各キャラが語りかける場面がありますが、こういう場面はいつ観ても苦手ですねw

投稿 : 2024/04/13
♥ : 30
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

選定公設定等活かされていないです…。

リアリストで頭脳明晰、名門貴族のウイリアムが魔界の代理王を選ぶ選定公に!
そして王になりたいダンタリオンが現れ果たしてどうなる?ってストーリー。

最近の魔王ものアニメってなかなか面白いです。
気にしてなかったけど、ひょっとして魔王が好きなのかもな。

※1話感想 {netabare}
今回の成分 選定公2:破産2:バトル2:魔界2:貴族1:現実主義1

普通あれだけの事を目の当たりにしたらリアリストと言えども
魔界の事を信じてしまいそうだけどきっとそうは行かないのでしょうね。
ウィリアムとダンタリオンのやり取りが楽しくなってきそうです。

学費はダンタリオンが払ったのかな? だとしたらもう既に賄賂の様だけど…魔界だしアリか。
期待できそうな感じで次回も楽しみです。
ただ女性キャラが全く出て来ないのは少々気になりますが。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
今回の成分 堕天使4:奨学金2:現実主義2:召還1:指輪1

女性キャラ登場!っと思ったらあれで男なのか…。
なんだか宝塚っぽさもUPしました。
演技が誇張され舞台向けな感じに聞こえてくる。
個人的にはこれはこれで面白味は感じますが好き嫌いは出てきそうです。

今のところコメディとシリアスを混ぜていて無難な感じですが
この作風だとコメディはあまり向いてないですし
このまま進んでも器用貧乏な感じで終わってしまうと思いますので
もう少しシリアス路線を強めて欲しい気はしています。
{/netabare}

【総評】
出だしは面白くなりそうな要素を感じたりもしていたのですが…。
ストーリーに厚みがなく今までの伏線や設定関係なしに魔界無双で締める内容。
1クールで締めたいのでしょうけどコレは無いです。
キャラクター付けも薄く皆似たり寄ったりの色男で個性が出ていないです。
また掘り下げも浅く感情移入のしようがないので、
最終的に美男子の魔法レーザー撃ち合うバトルをただ眺めていただけでした。
単調だし使い回しの絵は多いし迫力無くワクワクもしませんでした。

主人公のリアリストという設定は悪くはないですし悪魔も性格や使える魔法に
もっと個性が出ていれば特徴ある作品になれたかもしれませんが
全て控えめになっていて面白味も魅力もない作品となってしまっています。
ストーリー物にもコメディ物にも成りそびれた印象です。
一部でも突き抜けるキャラが居れば違ったと思いますが…。

個人的には全く楽しめず無為な時間となってしまいました。
登場キャラクターの中に見た目ストライクだと思える者がいる人は
もしかして楽しめるのかも知れませんけど、お勧めは出来ません。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21

ARENO さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

原作絵柄好み・キャラ良し・声優良し・・・あーでもストーリー惜しい

・☆・英国×悪魔×天使×学園×ファンタジー×バトル×女子向け

・☆・「きゃらびぃtv」で発見し、あっ面白そう♪と友人と騒いで放送を楽しみにしていたこの作品。一言でいえば、ちょっと残念・・・
※以下批評含みます


・★・概要・★・
魔界王子は、『コミックZERO-SUM』にて連載された漫画原作、2012年12月にテレビアニメ化が発表され、2013年夏季まで放送された。舞台は19世紀イギリス。ひょんなことより悪魔を召還してしまったウイリアムと、彼を魔界の代理王にしたい悪魔たちとの波乱に満ちた日々が始まる!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うーん・・・
どうも惜しいんですよね。キャラ的には女子受けしそうですし
雰囲気や魔界的要素を取り入れてくるところなど、
いい要素は沢山揃っているのに、扱いきれていない。
・・・みたいな。


個人的にはとても期待していたので、これから
面白くなるだろうと楽しみにみてたのですが、
結局ストーリーも大きな盛り上がりには
欠けたままゴールイン←これも結構強引に。



なにが足りないんだろうと疑問を持ちながら、
この前録画整理ついでに見て思ったことが。



→描写不足
英国学校に笑い要素、バトルに選帝侯決定戦、魔界
など様々な要素を描き切れていないのが1つ。
殊に魔界においては最後まで中途半端だったように
思われます。少しコメディ方向に傾きすぎたかな。

→ストーリーの盛り上りが欠ける
ウィリアムが超現実主義というあの性格が災いしたか、物語が
新キャラ→魔界関連→バトル→しかし意思は曲げないウィリアム
といったようにパターン化してしまってるんですよね。
つまり、だいたい先が読める!
とあと、最終回まで大きな進展が特にあるわけでもない
ので、これはその時その時でのコメディ部や
キャラを観て楽しむのがいいと言えますかね。



まあ、お話としては私にとっては少し残念であり、
最終回も不完全燃焼な感じがしてならなかったのですが
(↑もしかして、二期への…だったりして)
そこを求めなければ、登場人物やOP、舞台・作画など
楽しめる要素もあったのかな~と♪

英国/学校の組み合わせはツボでしたw
ハリポタの影響ですかね~(笑)でも、イギリスの
雰囲気とか良かったな。思えば、イギリスと言えば
ホラーやオカルトティックなものがポピュラー
なので、そういうところも意識されたんでしょうか。


あとはキャラ。個人的にはシトリーがお気に入り♡
可愛いですw ダンタリオンも嫌いじゃないし、切り離せば
ウィリアムも堅物悪くないです(切り離せばというのは
BLあまり好きではないので汗汗)
ただ、ウィリアムに最後の方でもう少し心境の変化が
あったりという場面が見れればよかったのにな~と。
始終「現実しか信じん!」なキャラで終わって
しまいましたね。そこを面白さととるかも
人によって分かれるところだと思います。


それにしても、こういう女性向けアニメは
やはり豪華男性声優を採用されてますよね!
➡ 主人公は江口くん、ダンタリオンは寺島さん、
  シトリーは松岡くん(ああ、キリコw) カミオ役
  柿原さん(かっきーって呼びたい笑)ケヴィン福潤
です。一部省略すみません汗
そして彼らがOPEDまでも歌ってしまうとは!
ファンには嬉しい(*´▽`*)
どちらもお気に入りです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とまあ、このように突っ込みどころも多いアニメですが
聞くところによると原作の方がお薦めという声も。

いづれにせよ、ストーリーは流れをつかむくらいで
キャラやバトル、コメディを目的とすれば
それなりには楽しめる作品だと思います(^^)/

投稿 : 2024/04/13
♥ : 18

76.6 6 19世紀アニメランキング6位
ロミオの青い空(TVアニメ動画)

1995年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (253)
1383人が棚に入れました
スイスの小さな村、ソノーニョ村に少年ロミオ11歳が生活していた。 平和に暮らしていたロミオ一家にある日村にやってきた人身売買人、死神ルイニの魔の手が襲い掛かる。 ロミオの父ロベルトは、頑なに息子ロミオを売り渡す事を拒み続けるが、遂に病に倒れてしまう。 それを見たロミオは医者を呼んで父を救うため、自分の身を売る事を決意する。 こうして、ロミオは煙突掃除夫として、ミラノの街へ旅立つのであった。

声優・キャラクター
折笠愛、藤田淑子、岡村明美、川村万梨阿、安西正弘
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あなたは、どんな状況でも正義を貫きとおせますか?

この物語の舞台は19世紀のイタリア、ミラノ。人身売買が公然と行われていた時代。
主人公ロミオが、どんなに不幸な状況でも自分の信じた正義を貫きとおす物語です。
全33話です。最初は不幸の連続ですが、最後はハッピーエンドとなるので、安心して見られます。

当時は煙突掃除夫として、多くの人身売買された子供が作業していました。
煙突の中にたまった煤を取り除く作業です。

体が小さくなければ、煙突の中に入れません。
だけど煙突の中での作業は、足を滑らせれば大怪我をします。
それでなくとも、煤だらけの劣悪な環境です。
作業する子供達の多くは喘息、肺炎となり、やがて亡くなります。
このことは歴史上の事実です。決して物語ではありません。


主人公のロミオは、スイスの小さな村に住んでいましたが、
父が病気となり医療費が払えないので、自ら「死神」とあだ名されている人身売買商人に買われます。
そしてミラノで煙突掃除夫として働くのです。

ロミオは心の優しい少年です。
そして、バカがつくほどの正義感があり、しかも正直者です。
{netabare}
ミラノに行く途中、嵐の中で船が転覆して死神が溺れます。
死神が死ねばロミオは自由になるのですが、ロミオは命の危険を顧みず、死神を救助します。
ミラノでは、雇い主からあらぬ疑いをかけられて警察に突き出され投獄されそうになりますが、雇い主を危機から救います。
雇い主の命を救う行為は、言い換えれば自分が投獄されることを覚悟しての行動でした。
{/netabare}
ロミオは自分の損得よりも、人間として正しいと思ったことを最優先します。
それはロミオの純粋な心を表していました。

また、どんなときでもロミオは希望を失いません。
そんなロミオの明るい顔を見ると、思わず元気が湧きます。

そして、ロミオの親友であるアルフレッド。
頭脳優秀で統率力のあるアルフレッドが、この物語をさらに味わい深くしています。
アルフレッドは数奇な運命に翻弄された少年。ある意味、ロミオよりも魅力的です。
彼の生きざまは、多くの人の心に残るでしょう。


オープニングは笠原弘子さんが歌う「空へ…」 とても美しい歌です。
一度聴いてみてください。澄み切った青空が見えてきますよ。(^_^)


ところで、天使は英語でAngelです。
女性用の接尾辞 ”~etta” は「小さな」、「かわいい」を意味しています。
Angeletta(アンジェレッタ)は「小さな天使」、「かわいい天使」を意味します。
ロミオがミラノで出会ったアンジェレッタは、まさにかわいい天使でした。(^_^)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

まさに、世界”名作”劇場

世界名作劇場。子供の頃に見ていた人も多いだろうけど
自分はまともに見た作品は一つもないんですよね。 
名犬ラッシーを見た記憶がおぼろげにあるぐらいで。

本作「ロミオの青い空」は知名度こそ低いものの
一部から絶大な支持を受けており、高評価されている作品ということで観てみました。

まずOPが名曲すぎる。もうイントロ部分からジーンと来ますね。
煙突の中を登っていき、青い空がパッと開けてタイトルが出る映像演出が実に素晴らしい。

ストーリーは、村に住む少年ロミオが、とある事情でミラノの煙突掃除夫として働くことになり
その中で、煙突掃除の子供達により結成された「黒い兄弟」の結束であったり
家族間の心温まるエピソード、無二の親友であるロミオとアルフレドの厚い友情などが描かれます。

キャラクターが本当に魅力的で、メインキャラのみならず
陽気なお調子者だけどどこか達観してる感もあるダンテ、
ロミオの仕事の親方であるロッシ、不良グループのリーダーで厨二病全開なジョバンニなど
脇を固めるキャラもいい味出してます。そしてヒロインが皆可愛い!(重要)

ただ不満というか、物足りなかった点もあります。
それは「煙突掃除」という仕事の過酷さや危険性に対する掘り下げが浅かったこと。
スタッフの狙いは分かるんですよ。原作をだいぶ改変してるとのことですが
名劇は子供向けだし、話が重くなり過ぎないように配慮するのは懸命な判断だと思います。
後半以降、感動・友情路線を強調するのも悪くないし
不覚にも何度も涙ぐまされた身としては文句も言いづらいんですけどね。

{netabare}アルフレドの死因は親方から過酷な労働を強いられた結果だと推測できますが
そもそも煙突掃除という仕事自体が相当に危険を伴うもので
落下による怪我や火傷、そして煙突内の大量の煤を吸い込むことによる肺病の恐れがあります。
狭い煙突内を移動できるのは小柄である子供だけですが
だからと言って子供にこのような仕事をさせるのは異常としか思えない。
(実際、イギリスでは1875年に煙突掃除夫法が議会を通過して児童労働が禁止になったとのこと)

煙突掃除夫として働くことがいかに過酷であるかをもっと描写していれば
アルフレドの夢をロミオが受け継ぎ、新たな時代を切り開かんとする流れも
最終回ラストのナレーションも、もっと心に響くものになったかと思います。
もちろん、子供達の煙突掃除夫としての誇りは決して否定されるべきものではない。
初めて煙突から屋根に登った時の「煙突掃除の少年だけの世界」は
観ているこちらにも伝わってくる感動的な光景でしたし。{/netabare}

いずれにせよ、本作が素晴らしい傑作であることは間違いない。
どんな困難にもめげない、勇敢な心を持ったロミオ達のたくましい生き様に胸打たれ、
観終わった後は心の中に青い空が広がるような澄んだ気持ちにさせられます。
老若男女問わず、もっと多くの人に観てもらいたい作品です。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「世界名作劇場」の看板に偽りなし!!

あにこれに来てからもうすぐ3年になりますが、
レビューというのはコンスタントに書いていないと、
書くのが億劫になってきますw
「別に俺が書かなくてもいくらでもいいレビューを書く人はいるし。。」
「書こうにも何も思いつかないからまた今度気が向いたら書こう。。」
このように思いつく限りの言い訳を並べているのが現在の私の状況なんですけど、
この作品のレビューはなんとか書かなきゃいけないと思ったのが、
本作、「ロミオの青い空」です。

1995年に「世界名作劇場」枠で放送。全33話です。
ある程度アニメに精通しているアニメファンの中では、
その評判は知れ渡っていますし、
私も以前から「いずれ視聴しなければ」とチェックしていました。
そして実際に視聴したんですけど、
まさに「世界名作劇場」の看板に偽りなし!!という出来でした。

古い作品ですし、知る人ぞ知る名作なので未視聴の方も多いと思います。
そういった方たちになんとかこの感動を伝えたいと思ったので、
もうレビューの書き方なんて忘れかけている私が今一度筆を執った次第であります。
重大なネタバレは回避しますが、若干のネタバレ有りです。
事前の情報を一切遮断したいという方はこれ以上は読まないでください。


{netabare}「大まかなあらすじ(知っている方は飛ばして下さい)」(wiki参照)
スイスの小さな村、ソノーニョ村に住む少年ロミオ(11歳)が家族の為に
人身売買人である死神ルイニと契約して身を売ることを決意するが、
それはイタリアのミラノで煙突掃除夫として過酷な労働を強いられることを意味する。
ミラノへ向かう道中、同じく煙突掃除夫として売られた少年アルフレドと出会う。
一旦は離れ離れになるもアルフレドとミラノで再び出会い、二人は親友となる。
ミラノでは過酷な重労働、そして不良少年ジョバンニ率いる狼団等
ロミオたちに幾多の困難が立ち塞がる。

まず、本作はキャラクターが良いです。
素直で快活、強さとやさしさを併せ持つロミオ。
才能・見識・人格とすべてが優れていて、まさに貴公子と呼ぶに相応しいアルフレド。
不良少年で狼団のボスであるジョバンニは、アルフレドをライバル視してますが、
狼団の仲間がアルフレドに卑劣な罠を仕掛けたことを厳しく咎めます。
正々堂々と勝負して勝たなければ意味がない。まるでどこぞの誇り高きサイヤ人の王子のようですw
狼団のメンバーである少女ニキータもよかった。
近年の瞬間的に性格が豹変する情緒不安定なツンデレでなく、古き良きツンデレでしたw

私は本作を、ロミオを中心として、
幾多の困難を乗り越え如何にキャラが成長していくのかという成長物語として観ていたのですけど、
ロミオの性格というはある意味完成されているんですよね。
素直で快活、強さとやさしさを併せ持っているわけですから、
成長の余地は残されているのかと視聴途中は疑問を抱いていたのですけど、
その心配は杞憂でした。
様々な人たちとの出会いや別れを経てロミオは様々なものを得てきました。
狼団に対抗すべきアルフレドと共に結成した黒い兄弟の仲間たちとの絆もその1つでしょう。
また、最初文字を読むこともできなかったロミオはミラノで大学教授のカセラ教授と出会い、
これをきっかけとして書物に触れ、知識の海へ泳ぎ出します。
この描写が本当によかった。最後まで本作を観終えた後に、
最初と比べてロミオは人間としてひと回りもふた回りも大きくなったと強く実感できて、
成長物語として気持ちよかったです。実に清々しい気持ちでした。
ところで、本作の悪役として登場するキャラのほとんどはとことん悪ですw
ロミオを煙突掃除夫として買い取った親方の息子のアンゼルモもその1人です。
なにかとロミオを虐め、そのやり口も陰湿極まりないもので、
性根が腐りきっているんですけど、
個人的には彼が改心し、成長することを期待して観ていました。
まぁ、どうなんでしょうねw 彼も少しは成長したのかもしれませんねw

本作と言えば、ロミオとアルフレドの熱い友情、そして黒い兄弟の仲間たちとの絆です。
ロミオはアルフレドを崇拝していて、
アルフレドには何をやっても敵わないと思っていますが、
アルフレドはそうは思っていません。
本当に凄いのはロミオの方だと。本当の強さを持っているロミオを心から尊敬しています。
こうした二人の思いは様々な台詞に滲み出ています。ぐっときます。
人間関係において最も大切なことは、信頼関係を築くことだと思います。
様々な苦楽を共有し、築いてきた人間関係というのは何ものにも代えがたい宝物であると
本作を視聴して改めて感じました。


(おまけ)

無粋なのは承知の上でなんですけど、
煙突掃除夫として売られた子供たちは二度と帰ってこれないというのはなんだったのかw
序盤こそ煙突掃除夫としての過酷な労働状況を示す場面はありましたが、
中盤くらいから結構余裕あるなこいつらと感じずにはいられませんでしたw
カイジの地下の強制労働くらいの絶望感は覚悟していたんですけど、
これだとかなりきついけど稼ぎはいい出稼ぎなのでは・・・
まぁ本作の性格や放送時間を考慮したらあれくらいが丁度いいのかもしれませんねw{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 31

71.4 7 19世紀アニメランキング7位
天晴爛漫!(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (261)
864人が棚に入れました
19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代・・・天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、凄腕だが臆病な侍『一色小雨』はある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、クレイジーなライバルと競い合い、アウトローや大自然から身を守り・・・果たして二人は過酷なレースに優勝し、賞金を手に入れ故郷へ帰ることができるのか!?

声優・キャラクター
花江夏樹、山下誠一郎、悠木碧、雨宮天、斉藤壮馬、折笠富美子、櫻井孝宏、杉田智和、興津和幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

迷わずいけよ いけばアンダスタン

P.A.WORKS制作によるオリジナルアニメ

全13話完走してなお、時代設定いつ頃だろうと悶々としてました。

新政府とか言ってるから明治にはなってるよね
新右衛門さん帯刀してるし廃刀令前の明治期1870年頃か?
モブの発明王がフィラメント閃いてるっぽいし1880年頃か?
あれ!?それ{netabare}(飛行機){/netabare}って20世紀だったような…

すいませんあらすじに書いてました。以下の通りだそうです。しっかり読もう前情報!

 19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代…


変わり者の科学小僧・空乃天晴(CV花江夏樹)が主人公。人情の機微を知らない偏屈科学者タイプです。となると横で振り回されるキャラが欲しくなるわけで、剣術道場の真面目そうな倅・一色小雨(CV山下誠一郎)がお目付け役となります。小雨は『一休さん』の新右衛門さんに見た目も雰囲気も似たお方。天才を引き立てる凡人代表です。
巻き込まれた一騒動から逃れるどさくさで船に揺られてロサンゼルスへ到着。アメリカ横断ウルトラク…大陸横断の自動車レースに挑むってお話です。

天晴(あっぱれ)が小っちゃい頃に蒸気船を見て目覚めちゃったというのが根っこなので、エンジニア奮闘記みたいなのをレースを題材にしてやるんだろうなぁと期待。偏屈な天晴と凡人小雨のキャラ配置は盤石そうです。
そうして楽しめたのが中盤まで。味変が生じて好みが別れそうな終盤が待ち受けてるのでお楽しみを。


味変1:キャラ変
{netabare}天晴には最後まで自己中な偏屈小僧でいって欲しかった。豆腐メンタル化して萎えた。{/netabare}

味変2:??
{netabare}レースそっちのけになっちゃった。こちらはまあOK。{/netabare}


あまり気をてらわない王道らしい作品かと思います。
早々にキャラを勢揃いさせて固定メンバーを深掘りしていくスタイル。起承転結の転があってきちんと与えられた尺で完結する。画も崩れちゃったら何言われるかわからないブランド制作会社です。バトルアクションも背景も砂ぼこり舞うレースシーンもいい感じですよ。
このルート66っぽい導線や先々の経由地で物語が動くことから『イージーライダー』的なものを想像しました。かなりおちゃらけてますがね。

ただし、エンジニア奮闘記を期待してた私はちょっと肩透かしを食らって影を落とした感じです。わりとご都合だったのであまり気にせず臨まれることをオススメします。
総じて…良さげなパーツを揃えているんだけど作り始めるとしっくりこなくて、それでもなんとか完成品の体裁を整えた感じ。でこぼこならそれで尖らせればよかったのに、となんとも惜しい作品です。



※ネタバレ所感

■新しい時代の幕開け

{netabare}自動車レースの妨害については、自動車の台頭を快く思わない鉄道王っぽいおっさんの依頼をもとにギル(CVツダケン)は動いていたわけでした。新しい時代の胎動そして抵抗。
それであっさりおっさんを殺しちゃってるわけで、そうするとレース妨害する理由がなくなるわけで、それでもレースの邪魔を続けるわけで、そこで持ってきたのが

 力が支配する世界をきぼんぬ!

だそうです。時代設定がそうだからって世紀末救世主伝説に寄せなくても良かったのにと思いますけど、あまり理由は重要視してなかった模様。まあむき出しの暴力が支配する西部劇世界の終焉という見方もできますが、それにとって代わるのが科学技術というのもピンときません。
時代に取り残された徒花って設定も嫌いではありませんがそういうわけでもなさそう。動機づけが弱かったです。{/netabare}

{netabare}レースを楽しむでもエンジニア奮闘記でもなく、“レース仲間VS悪いやつ”にシフトしていくのは構わないのでラスボスは憎たらしい悪役らしい悪役にさせて欲しかったですね。
ホトト、シャーレン、アル、偽ギル兄弟、ディラン、そして杉田…じゃなかったTJと各々いい感じで掘り下げられていました。そこに天晴と小雨も加えたレース仲間たちの魅力と釣りあいを持たせることは至難だったかもしれませんが、ここさえよければレースそっちのけでも評価上げてたと思います。{/netabare}


■なんか気になった些細なこと

1.{netabare}レース実況役の平田真菜さん。『ケンガンアシュラ』でもリング実況でした。{/netabare}

2.{netabare}シャーレン(CV雨宮天)がストⅡの春麗っぽい。一瞬スピニングバードキックのカットいただきました。{/netabare}

3.{netabare}本作MVPはシャーレン雇い主のおっさん。かっこよさが群を抜いてました。{/netabare}

4.{netabare}いやアルのお付きソフィア(CV折笠富美子)かも。テキーラをショットでいける女性には惚れる。{/netabare}


■いいよね!近現代

100年前くらいの設定。場所はアメリカ。街並み背景が楽しいです。このちょっと昔ってのがやっかいで、大昔なら山村の田舎を想像しながら文明の利器を排除すりゃOKで済むのがそうはいきません。
同じP.A WORKSの『天狼』では昭和初期でした。こちらも背景画が楽しかった作品。しっかりノウハウ溜めてると思うので、この“ちょっと昔の世界”で大作つくらないかしら?とひそかに期待してます。
いい脚本家呼んでくださいね。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.26 初稿
2020.11.02 タイトル修正
2021.06.16 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャノンボール(チキチキマシン風味)? → では、ありませんでしたね…。

「北アメリカ大陸横断レース」っていうのは、たびたび物語の題材にされますよね。映画『キャノンボール』しかり、漫画『スティール・ボール・ラン』しかり。

何で移動するかは時代設定によりいろいろありますが、本作では時代はガソリンエンジン自動車黎明期ということで、蒸気自動車もしくはガソリンエンジン自動車ということのようです。

一度春アニメとして4月スタートしてから新型コロナウイルス禍で中断、7月から再スタートということでここまでまだ新しい話数の放送はないのですが、放送された分の作画に関してはとても安定していると思いました。

第1話でのドタバタで図らずも地元から逃げて不法出国(?)して太平洋を横断してしまった明治維新から間もないころの発明家である天野天晴(あまの あっぱれ)、それに巻き込まれた形で許嫁を日本に残して付いていくことになってしまった一色小雨(いっしき こさめ)といった辺りをメインにお話は進んでいきます。

第1話冒頭ではレースにエントリーしている各車のスタートシーンがありますが、作中設定で「ビッグスリー」的な自動車メーカーがあるらしく、おそらくそれらの製造した自動車はわれわれが「クラッシック・カー」としてイメージするそれのデザインですが天晴の作った車の色物感は際立っています。

スタートシーン以降は、ここまでの3話ではまだレース本番は開始されておらず出場までへの経緯が描かれている感じですが、レースが始まってしまえばロードムービー的な要素も出てくると思われ楽しみですね。

登場キャラクターの男女比的に女性に偏っていない、というかむしろ男性が多いようなのでその辺りにも期待しています。
==

2020.9.28追記:
最終話まで観終わっていましたが、レビューの更新が遅れていました。

チキチキマシンのような参加者同士での妨害という流れから、レース開催そのものへの妨害という事態に至り、たぶん視聴者が(勝手に(?))期待したような作品にならず「裏切られた」という気持ちになった方も多かったのではないでしょうか。

個人的にはこの展開は「なし」とは思わないのですが、それでももっと全体的に常に楽し気な空気の作品を自分もどこかで期待してしまったせいか、ちょっとガッカリな部分もありました。

ちょっともったいない感じもします。観て後悔したということはないのですが、他人にはあまりお勧めしないかな…。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

A級が作るB級アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
P.A.WORKS制作のアニオリ作品。20世紀初頭、西部劇のような世界観の中で、アメリカ大陸横断レースに参加する侍と天才技師という、かなりとっちらかった、B級感溢れる作品。

それを、(私の中では)A級制作会社のP.Aが意図的に作っているというのが興味深かった。

私の評価は、☆4(高評価)に近い☆3(普通)です。車は加速しましたが、アニメ自体は後半に失速したように感じたので。レビューでは、その辺の原因と、本当はどんなアニメになることを期待していたかを書きたいと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤~中盤はB級感を漂わせながらも熱いシーンがあって、シンプルに楽しめた。

しかし、終盤、ギルが登場してからはやや失速。

その理由は明らかで、「レースもの」が「バトルもの」になったから。

後半のレースなんて、かなりオマケくさい。あれだけ延期や変更、修理を繰り返していたら、もはやレースとしての体を成していない。

その上、「じゃあメインになったバトルはどうなの?」といえば、こちらも中途半端。なんのドラマもなく、ギルがディランとTJに普通にボコされて終わりという肩透かし感。ギル、急に弱くなったけど(苦笑)

ラストのトランクのクダリも、ギルの悪行に対してギャグで流すのは、なんか違う感じがした。

勿論、良いところもたくさんあるアニメ。

5話までの仲間集めや車作りはワクワクしたし、天晴が次第に成長し、人間らしくなる描写には上手さを感じた。毎回の小雨の「予告を途中で切られるオチ」にはセンスの良さを感じたし、11話のシリアスで「P.Aが本気出せばこれだけ雰囲気変えられるぜ」って感じも痺れた。

だからこそ、「もったいなさ」を凄く感じる。

私は、もっとレースを観たかった。

本作に最初期待したのは、大陸横断レースを通し、「天晴は車をどんどん(トンデモ)進化させ」「それを(仲間になると思っていた)シャーレンが操り、男レーサーどもをぶっちぎる」。「ホトトが地元の知恵で近道を探したり自然現象を味方にしながら」「小雨が、暴力に訴えてくる敵をバッサバッサと切り捨てる」。

そういう、「足りない部分を補いながら、この過酷なレースを勝ち抜き、それぞれが成長していく、大エンターテイメント作品」を、私は期待していました。

その中で、魅力的なライバルや、厄介なサブキャラを深めていってもいいし、鉄道対自動車の政治的な駆け引きの中でのイザコザや、小雨とシャーレンのラブコメなんかもみたかった。

汽車を車で止める、悪を正義が止める、というラストも確かに熱いかもしれないけど、それより、「切磋琢磨してきたライバル達の、純粋なレースとしての決着」の方が、熱いと思うんだよな~。

P.A.WORKSは大好きな制作会社で、アニオリを連発する挑戦的な姿勢は応援したい。「true tears」から始まり、「Angel Beats!」「花咲くいろは」「TARI TARI」「凪のあすから」「有頂天家族」「SHIROBAKO」「サクラクエスト」など、「小さな世界を丁寧に描く力」が物凄く強く、上記の作品はいずれも面白い。

それが、「クロムクロ」あたりから違和感を感じ、「Fairy gone フェアリーゴーン」、本作もそうだか、「大きな世界を壮大に描く」作品は、そこまでの魅力を感じない。

勿論、先を見据えて、色々分かった上で色んなジャンルに挑戦しているのだろうけど、「餅は餅屋」というので、P.A.さんにはそろそろ、元の路線に戻ってほしいと、いちファンとして思っている。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
作画は安定し、キャラクターも掴みやすい。ちゃんと出来ることの範囲でムチャしている。とりあえず、流石のP.Aかな。地味だけど(笑)

2話目 ☆4
仲間が集まる過程は面白い。シンプルな天晴。不可能への挑戦。保守的な小雨と、革新的な天晴。バランス良いよな。メカニック、ドライバー、護衛と、キャラの配置もバランスよし。

3話目 ☆4
更に、ナビゲーターか。なるほど、天晴も正しい(納得した)アドバイスにはすぐに従うのか。え?➡え?(笑) セグウェイじゃねぇか(笑) アル、格好いな。

4話目 ☆4
再開おめでとうございます! レースというより、レース後が熱かった。

5話目 ☆4
イロモノしかいねぇな(笑) キュウリの早切り(笑) そして、1話に戻る。

6話目 ☆3
絶対にホトトの仇だよな。天晴、格好良い。偽物なのは分かりやすいが、いい人っぽく描かれるのも違うと思う。

7話目 ☆3


8話目 ☆3
あまりにもB級な展開で、ちょっと寒い。

9話目 ☆3
平和な日常回。ハイブリッドエンジンは、和洋折衷の比喩かな。

10話目 ☆4
圧倒的な暴力。まさか、小雨が死にはしないだろうが。

11話目 ☆4
急なシリアス。冒頭の小雨フザケもなし。作画の力の入れ処もよい。あとは、天晴の感情移入の度合いか。小雨ドッキリ(笑) 医療技術が暴力を超える。レースが中止になっても勝手にゴールする。確かに。あそこで医師を誉める天晴が素敵。

12話目 ☆3
さすがに、何じゃこりゃはふざけすぎ(苦笑) カンフーバトルは格好良かったけど。

13話目☆2
なんかかなりアッサリ終わったな。からの~(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34

61.7 8 19世紀アニメランキング8位
スチームボーイ - STEAM BOY(アニメ映画)

2004年7月17日
★★★★☆ 3.4 (174)
804人が棚に入れました
『スチームボーイ』(STEAMBOY)は、大友克洋が監督した2004年公開のSFアニメ映画作品。
【ストーリー】舞台は19世紀のイギリス。科学技術が目覚しい発展を遂げていた時代。
マンチェスターに住むレイは、オハラ財団に出向したため渡米している発明家の祖父ロイドと父エドワードと同じく、発明が好きな少年だった。

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

博士の異常な愛情

大友克洋監督、脚本村井さだゆき。
総製作費24億円、空想科学冒険活劇。

科学に夢を託した19世紀のイギリス。
人類の科学技術は目覚ましい発展を遂げ、
蒸気の力が世界を変えた。
舞台は万国博覧会が目前に迫るロンドン。
発明家の家系である主人公レイのもとに、
超高気圧のエネルギー「スチームボール」が届く。

90年代中頃に、
デジタルエンジンプロジェクトとして構想するも、
中核である「スチームボーイ」の製作期間は9年。
完成があまりにも遅すぎました。
企画段階では実現不可能だった映像も、
ソフトウェアの技術革新により楽々と更新され、
物語の終盤は作家も熱意を失ったのかと思う。

しかし、偶然手に取る機会があり、
何気に10年振りに視聴したのですが、
意外にも記憶以上に面白く反省しきりです。

美術や背景の驚異的な書き込み、
群衆もここまで動くのかと躍動感に感動します。
きっと世界観を楽しむアニメでしょう。

お時間ある方はぜひ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 47

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

続編が見たい

酷評が目立ちますが、映像も音楽も一級品でお話以外は完璧でした。
世間で言われてるほど酷い作品ではないと思いますが・・・当時見た時は確かにガッカリしました。
お話が陳腐すぎる上に、エンタメとしても微妙でしたから、大作揃いの2004年アニメ映画では最も期待はずれでした。

エンタメとして面白いかどうかは、主人公が重要と思いますが
今一つ本作の主人公はピリッとしないキャラでした。科学大好きと言う事以外これといった個性がない。意志の強さが感じられず、終盤になるまで迷いまくってましたね。あまり主人公らしくない。
逆にスカーレットは魅力的で際だっていたが、主人公の薄さはやはり残念なところ。
まぁ感嘆するようなもの凄いシーンの連続ですが、クライマックス長すぎてむしろ疲れる。

科学への妄執なんて扱う辺り陳腐ですが、「スチームボール」にはワクワクさせられました。平和利用と軍事利用の表裏とか・・・原発問題で紛糾してる今公開されていれば、エネルギー問題と武器輸出問題を関連して扱っている作品として、それなりの評価は受けていたかもしれません。
しかしこういうのは真面目に見ても白けるだけなので・・・・

やはり単純にブラックユーモア全開の方がもっと分かりやすくて面白いと思います
勢いはあったものの、「おふざけ」が足りなさすぎて、毒も足りなさすぎたなと。
アホ親子の大喧嘩をもっと馬鹿馬鹿しく見せてほしかった、そしたら傑作になってたかも。

本編よりエンドロールの方が非常に面白そうだったので、続編作ってほしいですね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 12

三毛猫メリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

スチームボーイ

2019.6.1視聴完了。

実際に起こっていても不思議じゃないそんな話でした。
こことは違う世界線の話とすれば
受け入れやすいのかもしれない。

それでもかなり突っこみ所の多い作品です。
いろいろ突っこみながら見るのもありです。
甚大な被害が出ているはずなのに、そこは描写されず
視聴者の想像力任せいうのが個人的には不満。
被害の残酷さは描いてほしかったな。


ここのところドラクエ10(オンライン)に
はまっていて、アニメにさく時間が減っています(笑)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 9

67.7 9 19世紀アニメランキング9位
フランダースの犬(TVアニメ動画)

1975年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (123)
632人が棚に入れました
ベルギーのフランダース地方の小さな村。ネロ少年は、牛乳運びの仕事をする祖父ジェハンを手伝いながら、貧しいながらも幸せに暮らしていた。彼のささやかな夢は、絵を描くことと、いつかルーベンスの絵を見ること。ある日、ネロは主人に酷使され捨てられた犬、パトラッシュを介抱し、共に暮らすようになる。

声優・キャラクター
喜多道枝、一龍斎春水、桂玲子、及川ヒロオ、大木民夫、中西妙子、駒村クリ子、菅谷政子

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

泣けるアニメは数あれど

ラスト、ほんとに泣ける

号泣とかじゃなく、じんわりポロリと泣けてくる(;;

現代の子供に見せたいアニメのひとつです。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 42

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

最終回を一緒に観た人の言葉が忘れられない

十数年前に、

「フランダースの犬」を編集し
数時間程度に収めた特番を観た時にあった話。


主人公ネロと愛犬パトラッシュの一生を
ナレーション解説とともに送る番組。

私は視聴済みだったので他のことをしながら
懐かしんで「うんうん…」なんて頷いてました。


一緒に居た人が興味をもったようで、

「これは誰?…へぇーそうなん?ほなコッチは?」

なんて風に私に色々聞きながら観ていたのですが


その日はポカポカ陽気のお昼で、

隣に居た人はいつの間にかウツラウツラとして
中盤くらいからは寝てしまっていました。


そして物語も進み

わたしがラストシーンに少し涙ぐんでいると

「ハッ!」と起きたその人が一言。


「…あ~っ……

“ネロ ネロ”言うから寝てもーたわ!」



そう言って、もう一度眠り始めました。



あの時どうツッコんだらよかったのか

いまだにわかりません。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

多分、ラストシーンだけ観た人と、全話観た人の差が日本一のアニメ(笑)

やはりこの時代にしては、子供向けアニメで(ネタバレで隠すのもなんだがw){netabare}主人公死亡エンド{/netabare}にしたのは、新しかったのかな? 今の深夜アニメなら全然有り得る展開だろうし、逆に、今の子供向けアニメなら絶対に許されない展開だろうね。

内容は多分誰も興味ないだろうから、トリビアをw

①原作では、ネロは15歳のイケメンで、女の子からもモテモテなプレイボーイ→だから、娘に手を出されたくなくて、コゼツ(アロアの父)はネロにツラく当たってたらしいです。

②「フランダースの犬」のパチンコ版があったらしい。その時の確変演出が、例のラストシーンだったため、パチンコしている人達から{netabare}「逝け! ネロ、死ね!」{/netabare}という言葉が聞かれるようになり、あまりに酷いので、その後は世界名作劇場はパチンコ化はされなくなったとか(てゆうか、よくフランダースの犬もOK出したよねw これが母を訪ねて三千里なら、確変演出も問題なかったかもw)。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 23

67.7 10 19世紀アニメランキング10位
レ・ミゼラブル 少女コゼット(TVアニメ動画)

2007年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (84)
478人が棚に入れました
フランス革命以降、いまだ混乱のなかにある19世紀前半のフランス。ファンティーヌは3歳の娘・コゼットとともにパリ郊外の村・モンフェルメイユにやって来る。ファンティーヌはそこで出会ったひと組の母娘の微笑ましい光景を見つける。それはこの村で宿屋『ワーテルロー亭』を営んでいるテナルディエ夫人と娘のエポニーヌ、アゼルマの母娘が遊ぶ姿だった。その風景にファンティーヌは安心し、夫のテナルディエにも丸め込まれたこともあり、金を払って夫妻にコゼットを預け、仕事があるというモントルイユ・シュル・メールに旅立つ。

声優・キャラクター
名塚佳織、松元環季、菅原正志、萩原えみこ、松山鷹志、小林由美子、勝杏里、笹本優子、大塚友稀、間宮くるみ、鎗田千裕、矢部雅史、堀越真己、かないみか、小村哲生、島田敏、竹本英史、岸祐二

ななりす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

隠れ過ぎている名作!涙なしでは観られない感動ストーリー、もっと多くの人に観てほしい

全52話
ジャンル:感動
テーマ:人は変われる、親子愛

世界名作劇場シリーズとして、BSで4クール1年かけて放送された作品。このアニメはとにかく何度も感動して涙が出ました。4クールと少し長いですけど、凄く良いストーリーです。

物語は19世紀のフランスが舞台。当時の貧困に苦しむ人々の生活を中心に描かれています。前半はとにかく観るのが辛い。まるで同じ世界名作劇場シリーズの「小公女セーラ」を彷彿させる展開。理不尽過ぎて、もうやめてあげて~!と言いたくなる。それに鬱な展開もあってブルーな気分になりますが、とにかく前半は辛くても我慢が必要で、コゼットの健気さに心を打たれます。

この作品はうまく丁寧に伏線を回収していくので、その伏線を回収していく中盤からが特に面白いです。途中群像劇が楽しめ、私の好きな「MONSTER」を観ているようなのがとても良いです。その中でニアミスやすれ違い多数で楽しめ、私はもうハラハラしっぱなしでした。

ジャヴェールという刑事が「MONSTER」のルンゲ警部のように、キレ者で職務に忠実かつ信念を曲げなく、執念深いような所が凄く似ていて良い味を出しています。もう一人、テナルディエというキャラがいるのですが、こいつは終始イライラさせられます。でも、物語を盛り上げる良いキャラだったような?気がします(苦笑)。私はエポニーヌがコンプレックスを持って人間らしさを持った良いキャラだったと思う。前半は嫌いなキャラだったけど、中盤から後半は感情移入してしまいました。38話とかかなり見所だと思います。

また、前半から後半まで人生観を変えるような名言が沢山出てきます。もう良い言葉ばかりで一つ一つに感動を覚えました!次に恋愛もあって、「ロミジュリ」みたいに胸キュンな純愛に描かれています。あるキャラのおかげで恋愛作品によくあるような甘酸っぱく切なく描かれているのも特徴。想いが中々伝えられないとか凄く切ないです。

前半から最終話まで親子愛も丁寧に描かれていて、私の心に凄く響いてきました。優しい愛に包まれている感じが凄く伝わってきます。人と人との繋がりや絆も描かれていて感動しました。全体的に運命的な展開が面白く、とてもドラマチックな内容で、また心温まる作品でした。特に後半は涙が止まらない。あにこれに登録していなければ観ることのないようなアニメだったので、偶然の出会いに感謝しています。少し長いですけど子供から大人まで楽しめるアニメで、ストーリー重視で感動したい人は是非観てみてください。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 17
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

桜井弘明監督より、現代の子供達とビクトル・ユゴーへ捧ぐ名作

2007年放送のTVアニメ。全52話。
原作は小説『レ・ミゼラブル』。言わずもがな、1862年ヴィクトル・ユゴー執筆の名著。
原作未読です。

以前から本作は気になってはいたのですが今年NHKで放送したTVドラマ(2018年イギリス・アメリカ制作)が良かったため、本作の視聴を開始しました。
※このレビューで比較する場合は2018年TVドラマ版となりますのでご承知置きください。

【物語】
筋立てはさすが名作の貫禄で、アニメ化にあたり細やかな改変がなされた世界名作劇場の名に恥じない子供向け作品。
本筋がある程度わかっているため、細かな部分に集中して見られて良かったです。

余談ですが子供向けの本作でさえ次回への引きが暗くてちょっと疲れたので、時代と共に私自身の感性も変わったのだなと。原作小説どうしようかな…。

【声優】
キャスティングも素晴らしかったですし、演技も自然で作りすぎておらず親しみやすい。皆さん名演技でした。
公式サイトのインタビューを読んだところ、あまり作らず自然体でやっていこうという方向性だったようです。

【作画】
キャラクターデザインとても良かったです。毎回の作画班も力のある人たちで、芝居付けがとても丁寧でした。
街の人達やアベセーの友の若者達、兵士や御者が何人も出てくるシーンの顔立ちの描き分けが素晴らしかった!子供達もコゼットも生き生きしていて愛があって良かったです。

【音楽】
OP,EDは共に名曲でアニメーションもとても好きです。
勿体無い…というか好みの問題だけど、BGMが主張しすぎると感じるシーンが多かったです。楽曲そのものではなく、使い方の問題ですね。
作画でしっかり表現できているからこそ音楽は少な目でも良いだろうと思うのですが、もしかしたら贅沢な文句かも(苦笑)。

【キャラクター】
少女コゼットは子供向けとしてレトロながらだいぶコミカルやほのぼのがあって、長い尺を活かしてキャラクターの掘り下げもしっかりしています。
オリジナルキャラクターや少ししか出ない人物も、作品内での役割と活躍を与えられています。
子供視聴者のため、作品のテーマのため、キャラクターの言動と描写を念入りにコントロールするという辛抱強い仕事をこの作品のスタッフは全52話やりきりました。素晴らしかったです。

{netabare}
ジャンの慈悲深さがずっとぶれなかったのが特に素晴らしかった。アベセーの友のアンジョルラスとの語らいは特に胸に来ましたね。
コゼットは活躍の場が少ない主人公ではありますが、ジャンの人生の見届け人でもありますし、マリウスと共に父の志を引き継ぐという一番大切な役割を担っていました。夜の庭で語り合うシーン、静謐な雰囲気が好きでした。


あとは変更点が多かったキャラクター達について少し。

・ガヴローシュとシュシュ
テナルディエ一家に虐められるコゼットの辛さを緩和する役でした。
TVドラマだとガヴローシュは特に仲良くしませんし、シュシュもいません。鍛冶屋に奉公に出ることもなくて家族には蔑ろにされるばかりですが強く生きています。原作だと子犬は死んでしまったし、ガヴローシュも革命のさなかに命を落とします。
本作ではガブローシュとシュシュを生存させることで、コゼットの生活が重苦しいだけにならないよう工夫しているんですよね。
ストリートチルドレンとして逞しく生きる姿は原作にもあるそうですが、その後幼い二人の少年を世話することでガヴローシュもまた誰かに何かを「与える」側として描いています。

・アラン(オリジナルキャラクター)
マドレーヌ市長に救われた男の子ですが原作にはいません。もちろんTVドラマ版にも。
彼は幼い甥姪のためにパンを盗んだ若き日のジャン自身でもあるでしょうし、モントメイユ・シュル・メールでは最も視聴者の視点に近い登場人物です。アランがいることで市長は孤独な人物ではなくなり、ジャンが救うことができた者の代表でもある。
市長が姿を消した後、市長代理としてモントメイユ・シュル・メールを守っていると知ることができます。市長が急にいなくなって大丈夫?という不安が解消されたのが私は有難かったですね。
そしてコゼットやマリウスと同じくジャン・バルジャンの志を受け継ぐ者でもあることが、49話で描かれます。

・エポニーヌ
子供向けとしての改変を入れたことで、エポニーヌが可哀想すぎる印象に…。でもこればっかりは仕方ないんですよ…。
エポニーヌは両親の影響によって性格が歪み、誰かに何かを与えることなく生きてきた少女です。TVドラマ版では(おそらく原作でも)彼女は犯罪に加担することに抵抗のない娘に育ってしまっています。
そのエポニーヌがマリウスへの純粋な恋心で変わっていき、マリウスに全てを与えて命を落とす。この役割は彼女にしか果たせないし、この作品には必要なのだと思います。
エポニーヌ、毎回作画班に愛されてましたね(泣)。いやこれは仕方ないって。依怙贔屓じゃなくてせめてもの手向けですわ…(´;ω;`)


ジャベールとテナルディエの顛末については原作既読の人には賛否ありそうだけど、日本的な感性と視聴者層と本作で新たに加わったテーマを考えれば必要な変更点かと。

・ジャベール
ジャンの信念「人は変わることができる」へのアンチテーゼ「人は変わらない」という信念の持ち主。TVドラマ版(及び原作)ではジャンを逮捕せず、自身の信念を失ったことでセーヌ川へ飛び込んで自殺します。
本作ではアンチテーゼの役割を勤め上げた上で、本人も考えを変え自殺はしませんでした。ジャンが「変えた者」と言っても良いかもしれません。
橋の上で朝日が差してくる演出、綺麗でとても好きなシーンでした。

・テナルディエ
同じくジャンへのアンチテーゼ「変わらない人間、変わろうとしない人間」そのもの。TVドラマ版ではマリウスが最後に父を救ったテナルディエと知り、礼として金を渡し、テナルディエは姿を消します。
本作ではマリウスが金を与えるのはもっと早い段階であり、最後はジャベールに逮捕されます。ジャンが「変えられなかった者」でもあるのでしょうし、ジャベールのような人が存在する理由とも言えます。
テナルディエは「世間を喰ってやる」と言っていて、エポニーヌやガヴローシュとの対比が凄いなって思った。多分唯一誰にも何も与えない人だったなあ。{/netabare}


【原作の主題を守りつつ、現代の子供達に伝える工夫】
原作の辛い描写をただマイルドにするだけでなく、オリジナルのキャラクターや設定を追加・変更し、それを使い尽くすことで新たなメッセージ性を加えた点は評価が高いです。
{netabare}
TVドラマ版ではジャン・バルジャンの献身がなかなか報われずファンティーヌの死に方も凄惨なので、見ていて結構辛いんですよね。ジャンがいかに運命に翻弄されても良心を保てるかを、私達も見届けなければならないような部分がある。
けれど、それは今の時代で子供向けとしては少々辛すぎるでしょう。
本作ではコゼットが主人公として健やかさも可能な限り描かれ、ジャンは報われることも増えています。
特に顕著なのは27話で、コゼットとファンティーヌによく似た境遇の母娘を助けることになる。この回でジャンは過去の後悔を少しだけ払拭し、貧しい人のために働くことを再度誓う。コゼットは母親の娘を想う心に触れてファンティーヌの気持ちを少しだけ理解し、母娘の再会を喜ぶ。この回はシリーズ構成の金春智子さんが手掛けた完全オリジナルエピソードなんですね。


誰かに何かを「与える」ことも一貫されたテーマだと思っています。
ミリエル司教が銀の燭台を与えたのに始まり、ファンティーヌの苦労、ジャンとファンティーヌのためにシスターサンプリスが嘘をついたこと、ジャンの社会貢献、アベセーの友が民衆のために命を懸けたこと、エポニーヌがマリウスを守ったこと。
顔見知りでもそうでなくても、金銭でも行為でも、様々な「与える」行動が見られたなと。

子供向けとして誠実だと感じた事柄として、社会支援があります。
ジャンの行う支援には短期的なもの(食料や金銭を配る)と長期的なもの(労働の確保や学校の設立)がありそれらを同時に行っているのがとても良い。ガヴローシュのように貧しくても子供達の面倒を見ている様子も、お金が無くても出来ることはあるよと言っているようで好きなんですよね。
それでも、最終的にガヴローシュもブレソールもユーグも、ジャンやコゼットと家族として暮らしながら学校に通うことになるのがさらに良い。

また、世代を超えた継承の物語でもあると思います。
ジャンからコゼットとマリウス、アランに受け継がれた志は特にわかりやすく描かれました。
マリウスがコゼットからジャンの志を知ることが革命への原動力になり、アベセーの友が残した遺志がマリウスに様々な決断をさせる。
ファンティーヌがコゼットに尽くした行為がモントメイユ・シュル・メールに託児所を建設させる。
そしてコゼットが我が子を純粋に愛し育てる。
現代と当時の共通した普遍的な問題と、世代を超えて受け継がれるものを描くことで、現代の子供達へも身近に感じられるようにする狙いもあるのではないでしょうか。
だから「人は変わることができる。人類も同じだ」というスケールの大きな言葉で物語が締めくくられたのだと思います。{/netabare}



【ジャベールが最後に呟いた詩について】
{netabare}
「彼ここに永眠す。数奇な運命にもかかわらず、彼は生きた。天使を失うや、彼はみまかった。死はひとりでに訪れた。さながら昼が去り、夜が来るように」

これは原作ではジャンの墓石に木炭で書かれていたとされる詩なのだそうで。{/netabare}
この作品、原作リスペクトも相当行き届いているのではないでしょうか。
とても素敵な作品だと思います。


【視聴中のメモなど】
メモやらツイッターへの投稿やら混じってるので雑多で読みにくいですが、纏めきれなかった内容も残っているのでお暇ならどうぞ。
{netabare}
序盤で、自力で何とかしようとしすぎて自分を追い詰めてしまったファンティーヌと、何人かの大人に頼ることで自分らしさを保ったコゼット、上手く対比させた所が良かった
ファンティーヌが唯一頼ろうとしたのが市長で、そこですれ違ったことが次第にファンティーヌが人間不信になっていく切っ掛けになってしまうのとても良かった

12話、ここでガブローシュをコゼットから引き離すんだ…ガブローシュがいたらジャン・バルジャンが迎えに来てもコゼットは躊躇うんじゃないかと思ってたから上手くかわしたなあ

オリキャラの追加も適切だなって思う
市長が救った万引きの少年アランが子供向け作品に必要な役割を沢山担ってくれてて、アランは子供の視聴者に近い視点を持ってるし、マドレーヌ市長の人間性を引き出してくれるのがとても良い

エポニーヌの個別エピソードがあって、憎たらしいだけにしないの好き
エポニーヌとアゼルマは親の影響でああなってしまっただけで、根はごく普通の女の子。コゼットを羨んだりいじめたりするのは良くはないけど、普通に抱いてしまう感情だと思う
こう言うのも何だけど女の子はこういう所があるのは当然だと思うので

コゼットとガブローシュの別れもちゃんとやってるよこのアニメ!どんだけ丁寧なんだ…
ていうかアニメスタッフ、自分たちが作った設定全て使い倒すつもりだこれ

コゼット、TVドラマでも黒い服だったんだけどこれ原作からそうなのかなあ…似合うけど明るい色の方が好きだなあ、それこそ第1話みたいなピンク色とか
って思ってたらコゼットの黒い服は喪服なんだろうかと思い至る

うん…追悼の旅なのは解ってたけどね…泣かないコゼットが逆にキツイんですけど…ていうかこれまだ受け入れられてないよね…コゼット…
EDこれなの反則だよね…一気に追悼の歌になるじゃん?先がわかってるのに地味につらい
次回予告がちょっと面白い系のノリなの絶対わかっててやってるよね…
ここでちょっとでも癒されてくださいってことですか?笑えないよ…いや面白いしよく出来てるんだけども

16話めっちゃ良いな…コゼットはファンティーヌとの思い出を追ってきちんと心の整理を付けて母親の死を受け入れる、で自然に「お父さん」て呼べるようになるの本当に綺麗な流れ


修道院での様子もほのぼのする
マドレーヌとフォーシュルヴァンのコゼットを想うやり取りも好きだし、本物の監獄や外の世界の事を知ってるマドレーヌ(ジャン・バルジャン)はコゼットの事を思えば修道院内で生きて行って欲しい
でも最終的に子供の決断を認めることになる

元々子供向けではないから大人の世界の描写が多くなるのは当然ではあるけど、子供を物語の中心に据えるために色んな工夫をしてるのが良い
マリウスの祖父にしても悩む様子が色々描かれていてフォローが行き届いてる

この作品血が繋がってない親子の方が見てて和む
ガブローシュが鍛冶屋出るときの会話好きだなあ

23話
未だ出会わないコゼットとマリウスの新しい生活が始まり、他界した親に思いを馳せる二人の対比が上手いなあと
エポニーヌ、アゼルマ、ガヴローシュも顔見世してるけど時の流れが彼らをどんな風に変えたのかすごくわかりやすい
あと、家政婦のトゥーサンがかないみかさんで、この年齢の女性を演じるのがなかなか無いのでそれだけでも希少な作品だなと、シスターサンプリスもかないさん
このアニメのキャストはイメージ通りなのに普段あまり演じないような役をあてている気がするのでたまに驚く

25話の動画が繊細で眼福だった!エポニーヌが一番力入ってる気がするなあ
話の流れも綺麗に整理されてて、色んな誤解やら何やらですれ違うのが上手
ジャンとユリウスの関係がどんな風に展開するのか気になる

少女コゼット、やっぱり27話はオリジナルなんだ
話数が潤沢+子供向けとして削らざるを得ない内容があるために余裕が出来た尺にこういう単発の小品を入れてくれるのがとても良いし、暗い作風にしないよう気を使ってるの凄く感じる
ジャンにとっては禊、コゼットにとってはお母さんの様子を想像させる経験

この作品富める人も貧しい人も「与える」ことがめっちゃ多くて、父親と同じ家に住んでいるエポニーヌさえ育てた花はマリウスやコゼットが心を寄せる存在になっていて(叶わぬ恋の象徴だとしても)、貧しいかどうかは関係ないなあと
だからテナルディエが世間を喰う(奪う)と言うのがホント皮肉

34話
貧しくとも逞しく生きるガヴローシュが小気味良くて、しかも小さな子供達に生き延びる術を教える
協会で配られているパンは病気の人やお年寄りのためのものと言えるのが凄いな…
テナルディエのような父親を持ったからこその矜持なのかな

ストリートチルドレンを哀れに描かない、お金が無くても弱い人のために出来ることがあるというのをやってるのがとても好き

富める者として慈善活動を行うジャンとコゼット、パンを配って今目の前にある命を救うと同時に長い目で見て人を救う学舎を作ろうというのが凄く良い
短期的な支援と長期的な支援を描くのが子供向けとして誠実な作品だと感じる

そして27話の少女のことやコゼットから伝え聞くジャンの生き方から、マリウスは真剣に社会問題に向き合う
マリウスとコゼットの逢瀬が清廉に描かれてて、監督とシリーズ構成の采配が素晴らしいと思う

今や聖女のようなコゼットとボロボロで彷徨うエポニーヌ、こうなるのは仕方ないけどギャップが悲しい
TVドラマ見た限りでは、エポニーヌは犯罪に荷担するくらいでないとバランス取れないんだなと思ってしまう
何一つ他人に与えなかったエポニーヌが愛する人のために…というのが原作の肝なのかなって

39話
コゼットとエポニーヌの会話とても良かった
ファンティーヌとコゼットはよく似てるけど、エポニーヌアゼルマは母親に全く似ていないのも狙い通りなのかなあ
ガヴローシュの生活をしっかり描いてるのも好き

クールフェラックの「奴には奴の人生がある」という言葉がこの作品の一面を言い表している気がするなあ

ファンティーヌとコゼットは顔立ちが面長で上品、エポニーヌとアゼルマは童顔気味で素朴と、キャラデザも良く出来てる
コゼットは子供の頃にあったお茶目な所が修道院にいたからか無くなって少し寂しい気もするけど、エポニーヌの女性らしい妬みと一途さも見ててちょっと悲しくなるというか(´・ω・`)


エピローグに尺を割いたのはキャラクター達の「これから」を意識したからなのかなと。

そして少女コゼットは本来想定されていない子供のための作品。
ジャンが守り導いた若者はコゼットにとどまらず、アランというオリジナルキャラクターを設定したのに顕著だけれど、世代と時代を越え志と行為が継承される。52話という長さで丁寧に積み重ねた描写がそれに説得力を持たせた。
{/netabare}

【公式サイトより自分用メモ】
概要と監督インタビュー。興味があればどうぞ。
{netabare}
原作はフランスの文豪ビクトル・ユゴー作「レ・ミゼラブル」(邦題:「ああ無情」)。

貧しさゆえに一欠けらのパンを盗んだ罪で19年間も投獄され、出所後、ミリエル司教との出逢いにより良心に目覚め改心を誓うが、その過去によりその後も波乱の人生を送る主人公のジャン・ヴァルジャン。ナポレオン失脚後の王政復古・市民暴動に激しく揺れる19世紀初~中期のフランスにおいて、貧しき人々が運命に翻弄されながらもたくましく生きる姿を素晴らしい筆致で描ききる大河小説です。

経済が発達しグローバル化が叫ばれて久しい現代においても、社会の歪み、矛盾、人心の荒廃などといったユゴーの描くテーマは今も我々に問いかけられている普遍のテーマです。虐げられた人々、世間の片隅に追いやられた人々を愛情こもった目で見つめながら、社会の矛盾や悲惨を描写すると同時に、個性豊かな、魅力的なキャラクターたちがドラマチックな展開で我々を夢中にさせます。

この不朽の名作を、弊社の代表作である“世界名作劇場”の新たなる第一歩として取り上げ「少女コゼット」に視点を当てるという新たな切り口で現代によみがえらせる意義は大きく、広く世の人々に訴えかける良作であると確信します。{/netabare}

【桜井弘明監督インタビュー一部】
レビュータイトルはここから。

「原作はバァーン!ってあるんですけれど、時代が何しろ19世紀に書かれた物語ですし、今21世紀の皆さんに見てもらうためには少し時代に合うように変えないといけない部分もありますし、変えてはいけない部分もちゃんと見据えて、ビクトル・ユゴーの墓前に「これができました!」って持っていってもいいようなものにしたいという心構えでいます。」

(2020.10.31)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 13

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

フランス文学を代表する原作力 もっと視聴されるべき、不朽の名作 

-----物語-----

普段アニメばかり観ているという人でも、
この作品の名前くらいは聞いたことある人は多いはず。
かくいう自分もどういう物語かは知らずに視聴しましたが、
原作やその他の媒体からアニメへ、という流れで視聴するよりも、
まずアニメからこの物語を知ることができたことは、本当に良かったと思います。

世界名作劇場の原作は、実際そこまでメジャーなタイトルではないものもありますが、
こちらの原作はフランス文学を語る上では、それ抜きにしては語れない、
ヴィクトル・ユーゴー作「レ・ミゼラブル」
世界中でこれまで数えきれないほど舞台化され、
映画やドラマ化もされている有名な原作ですが、
(最近では英BBCが制作したドラマ全8話がNHKで2020年春に放送された)
名作劇場のタイトルは副題が「少女コゼット」となっており、
このサイトのパッケージイラストも母ファンティーヌとコゼットになっていますが、
実際の原作の主人公はジャン・バルジャンというおっさんです。

アニメ化に際してコゼット視点を中心に描くことで、
硬くシリアスに振りすぎないよう(通常のアニメとしては充分過ぎるシリアスさではある)
ある程度の子供からでも観れるよう、
原作をアレンジし観やすくバランスを取っているように思いますが、
本来の主人公がおっさんなので、
内容がシンプルかつ明確なメッセージを持っているのが特徴である、
他の多くの名作劇場の作品に比べると、数多くのテーマを扱い、
また何よりその内容が濃く奥深いものとなっているのが特徴と言えます。

その他、終盤にかけては原作者自身が体験したという、
実際の歴史上の事件を絡めて描いている点も特筆すべき点ですね。
原作は5部に別れており、アニメも52話とかなりのヴォリュームですが、
ある程度簡略化し、オリジナル要素も取り入れて解り易く構成されています。
描かれる時間の経過と共に舞台も移して、一言でいえば、まぁ〜ほんとに大作ですね。
よくこれだけの物語を考えたもんやなと…ただただ凄いとしか言えません。

〜これから観る人へ〜

物語は全編通してシリアスですが、
特に序盤のコゼットの幼少期、母ファンティーヌのエピソードは悲惨で辛いです。
コゼットの常に味方であるガブローシュやシュシュは居るものの、
悪役のテナルディエ夫妻たちやファンティーヌの周りの人間のせいで、
かなり胸糞悪いし哀しいです。
(それでも原作よりかなりマイルドとのことですが…)
でも、何とかここを耐えて観続けてほしいですね。
哀しみの中にも心温まる感動の名場面もあるので。
実際のところ序盤はコゼットを主人公に描くためのオリジナルが多いようです。

中盤以降コゼットの存在感がやや薄れてくるにつれ、
スローペースになる印象も受けますが、
後半〜終盤にかけてはどんどん目が離せなくなってきます。
すべてはラストに向けての必要な展開で、しっかりとオチも付けており、
視聴後には何ものにも代えがたい大きな感動と余韻を貰えることでしょう。

〜既に観た人への感想〜
(ネタバレではありません)

当時思想家でもあった原作者は死刑廃止論者であり、
作品の根底にはキリスト教的な赦しの思想があると思いますが、
キリスト教徒ではない一般的な日本人の思想とはやや異なるかなという気がします。
自分にとってはこれが良い意味で考えされられるものでした。

ジャン・バルジャンの「人は変わることができる」という作品内の名言に関して、
とても感銘を受けましたが、自分は100%の共感はしていません。
テナルディエのような根っからの悪党が、
ジャン・バルジャンほどのレベルにまでは決して変わらないでしょう。
なので、ジャベールの信念や葛藤にも共感できる部分があります。
罪を償ってまともな人間になったとしても、
それが本来の普通であって、過去のマイナスを帳消しにして、
プラスに転じるまでのことをやる人間なんて、実際どれだけいるでしょうか。
だからこそジャン・バルジャンの行ったことに胸を打たれるんですが。

作品を観た後で自分が言葉を付け足していいなら…
「人は変わることができる(かもしれないけど、よっぽどのことが無ければ変わらない)」と。
ジャン・バルジャンはよっぽどのこと(ミリエル司教との出会い)があったから変われたけど、
そもそもジャン・バルジャンは小さな罪を己の優しさから犯したのであって、
元々は善人だったと思います。
貧困や弱さ、世の中の不条理が人を変えてしまうということを、
作品を観て改めて痛感されられました。

-----声優-----
アニメより吹替などの仕事が多いせいか、
ジャン・バルジャンを演じた菅原さんの低音で落ち着いた声が新鮮で渋かったです。
自分にとってはスカパー!内での釣りビジョンで以前から聞き馴染みがあったので、
アニメで実質的な主役をやってたのが驚きではありましたが、
できればまたアニメの仕事もやってほしいなと思いました。

コゼット演じる名塚佳織さんも声優として充実期を迎えるタイミングでの抜擢とあって、
少女役なんかは年月を経た今となってはなかなか新鮮ですね。
その他登場人物がそこそこ多いながらも、
やはり名作劇場で起用される方々の演技は安定しており安心感がありました。
今では人気声優の沢城みゆき、戸松遥さんがちょい役で出ているので、
注意していれば気付けるかもしれません。

-----キャラ-----
名作劇場に出てくる主要キャラはそもそも聖人的なタイプが多いものですが、
この作品に出てくるジャン・バルジャンは元徒刑囚という設定が特筆すべき点です。
彼の波乱万丈かつ激動の人生を通じて、
その言葉や行い、苦悩や葛藤から本当に大きな感銘を受け、
人生に於ける人として大事な事を学ばせて貰ったように思います。
因みに彼にとっての運命的な出会いである、ミリエル司教とのエピソードは、
本編では過去の出来事として、そこまで掘り下げられてはいませんが、
小学校での道徳の授業でも取り上げられているほど素晴らしいもので、
この部分だけで1話使っても良かったと思えるほどです。

登場人物は結構な数になりますが、本当にドラマチックで、
序盤からのキャラを殆ど使い捨てにしていないのが凄い。
ジャン・バルジャンやコゼット、マリウスとの関わりを、舞台や時間が経過しても、
絡み合う運命、宿命ともいうべき描かれ方で見事に繋げています。
途中で正直もうお前は出てこんでエエわ、と思うこともありましたが笑
終盤に見事なオチがついているので納得できます。

原作とは異なるオリジナルキャラや死ぬはずの人間が生きているなどの改変がありますが、
原作未読でアニメから観た自分には全く違和感なく、
むしろこちらの方が良いのでは?と思える良アレンジになっていると思います。
これが原作を読んでアニメを観た人だと、相違にケチをつけたくなるかもしれませんから。

-----作画-----
名作劇場は長らくセル画で作られていましたが、
10年の中断期間の間に制作環境も変化し、
本作がデジタル化されてから初めての作品となっています。

大きく変わった点として、キャラデザインがこれまでの作品とは異なり、
コゼットの幼女時代など、やや萌えを意識したものになっているのは、
以前の名作劇場の作品と比べると賛否両論あるかもしれませんが、
昨今のアニメ事情を鑑みれば、特に違和感はないかもしれません。

デジタル化して以降の作画レベルとしてみれば、あまり高度なものではないとは思いますが、
(普通に考えて52話途切れずハイレベルな作画を続けられるわけがない)
セル画時代から受け継がれている、味わい深い背景描写は健在です。

-----音楽-----
OP,ED共に斉藤由貴が歌っていますが、
これは日本で「レ・ミゼラブル」のミュージカルが1987年に初上演された際に、
彼女がコゼット役を演じていたことに関係しているようです。

自分は先に曲を聴いて直感で視聴するかどうかを決めましたが、間違いなかったですね笑
OPアニメーションも同様に感動的なものです。
物語のラストにOPの2番が初めて流されますが、涙なしには観れません。
また、挿入曲として名塚佳織さんが歌った「夢であおうね」と、
44話のクライマックスでのみ流れた「私にできること」も共に胸が締め付けられるもので、
名場面を彩る極上のものとなっており、こちらも感涙必至です。

名作劇場で一番力を入れていると個人的に思うのがBGMですが、
本作も同様に本当に素晴らしい楽曲の数々です。
曲数もさることながら、オーケストレーションメインで、
アコースティックな生音の温かみが感じられ、
サントラが欲しくなる、とても素晴らしい仕上がりだと思います。
ややドラクエっぽいところがあるなと思って後で調べてみると、
これまでにすぎやまこういち氏と共同でゲーム音楽などを制作されている方のようで、
なるほどと納得しました。

-----最後に-----
世界名作劇場が地上波での放送を終了して10年という月日が流れ、
BS枠になって復活した際に放送された作品ということもあってか、
名作劇場の作品群の中でも世間的にはあまり認知されていないように思います。
実際「ロミオの青い空」などと比べると「あにこれ」におけるレビューも少ないですが、
ここまで素晴らしい作品が隠れた名作として埋もれているのは本当に勿体ない。

本当に素晴らしい物語を観たいという人へ、
52話は確かに視聴をためらう長さですが、
中途半端な作品を5本観るより、よっぽど価値がある内容だと思います。
なぜこの物語が不朽の名作として時代を超えて世界中で愛され続けているのか、
ぜひ確かめて頂きたいですね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 7

67.9 11 19世紀アニメランキング11位
小公女プリンセスセーラ(TVアニメ動画)

1985年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (108)
444人が棚に入れました
バーネットの『小公女』が原作の「世界名作劇場」シリーズ第16作。“いじめ”が問題となる世相を反映し、本作では大富豪の令嬢から使用人へと転落した主人公セーラの受難の日々を描いた。ロンドンのミンチン女学院に入学した資産家の娘セーラ。だが突然の父の死のため身寄りも財産も無くなった彼女に対し学院側は今までの態度を一変させて、セーラを使用人として扱うのだった。使用人仲間のベッキーたち一部の人々に支えられつつ、セーラは必死に生きる。

声優・キャラクター
島本須美、山田栄子、一龍斎貞友、中西妙子、八百坂万紀

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

世界名作劇場

かなり前の作品ですが再放送とかで何度も見て今でも心に残っています

ある日突然、お嬢様から使用人に転落して、けなげに強く生きていく物語り
ラストも感動できるいい作品です

時代設定もあるんだろうけど、手のひら返しってほんと怖い。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 45
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

胸の奥にこの花あるかぎり…その6 (完)

観てたなぁ。子供の頃。
〜お金持ちのお嬢さんが没落して、陰鬱な目にあいながらも健気に耐えて、最後は逆転倍返しハッピーエンド〜 だったよなぁ確か、と、何回目かの再放送をしているのを見かけたので見た。

暗い話だから、色彩設定だけは明るくしたかったのか、すっとんきょうなビビッドカラーがあちらこちらに。目が痛いよセーラ。
こちらも今回は顔文字多めでお送りします。ネタバレ開くとそれぞれ長いです。


*召使いなるかそるかのお話
{netabare} すでに没落化しているセーラ。
寄宿舎でお手伝いさんになっている、元特別室の生徒、セーラ。
お手伝いさん仲間は優しい。かつて親しかった友達や、町で出会うなじみの子達やお店屋さんの大人達も、セーラの行く末を心配げに見守り、応援している。

高飛車なお嬢様キャラが、セーラを目の敵に。かつてのみんなの憧れの的がこき使われるだけでなく、彼女が持っていたもの全てを自分のものにしなくちゃ、気が済まない!!幸い、セーラんとこと違ってお父様のお仕事は順風満帆。アタシの時代がきたんだわ!攻めていくわ!o(`ω´ )o

ある休日、特別なお客様のための準備や掃除にセーラは奔走する。「特別室に入る生徒」がやってくるらしい。かつて自分の過ごした優雅な特別室に、自らの足で買いに出たお花を美しく飾るセーラ。
やがて、例のお嬢様とそのお父様、スネ夫のママンみたいな「ざあます」お母様もノリノリでやって来た。

(`ω´ )「今日からわたくし、ここで暮らすことになりましたの。それでね、お父様、お願いがありますの。わたくし専用のメイドを付けてくれませんこと?そこにいる…セーラがいいわ。」

宿舎のセンセイ
(゚o゚;「そ、それは…その…、モゴモゴ、聞いてみませんと…」
頼りにならないセンセーイ( ;´Д`)
(゚o゚;;「セーラ、あなたの、気持ち次第なんですよ。嫌なら、断わっても構わないんですよ…」

お嬢様のパパ
(^ω^)「そうだな!本人に聞かなくてはな。どうかな?うちの娘のメイドになってはくれないかな?」
そんな〜目の前で迫られたら断わりづらいよ〜ヽ(´o`;

ああ、憐れセーラ、こうして芋づる式に、苛烈な奉公が始まるんだ…あんな事やこんな事を…(/ _ ; )


ときっと誰もが思った時。セーラの放った言葉は。
さあ、あなたなら何と答える?!

(´-`)「 {netabare} お引き受けします。


もしも、もしもお嬢様が…
かつての級友を召し使いにと、そうお望みと、仰られるのならば…。 {/netabare} 」

ハッと言葉に窮したパパ。
身を翻すと、お嬢様のもとへツカツカ…パッシーン!!

えーーーΣ(・□・;)

( *`ω´)「知らなかったとはいえ、なんと恥知らずなことをする所だったんだ。おまえに召し使いはまだ早い‼」
「そんなァ、おとーさま〜(つД`)」

あれ?いじめ一直線じゃないの?
なんという機転のきく堂々とした回避でしょう。セーラの誇り高さに軍配が上がった!

しかも夜半に皿洗いしながら
(´-`).。oO「わたし、気が回らなくて、あんなきつい言い方しか考えられなかったの…ダメね…」と内省する素振りすら見せる。すごいよセーラ…。

記憶の中の小公女セーラって、かなり受け身な印象になってしまっていたけれど、結構やるもんだなあと見直した回でした。

しかししかし!
意地悪小娘ごときに運命の歯車は回させやしないとばかりの、怒涛の不運攻撃はこれからだったのだ…。 {/netabare}



*空腹の空想のお話
{netabare}

厨房にいるコックと下女が、顔つきもゴテっとしているんだが話し方も言う事も素っ気なく、セーラに対して優しくないんだ。
ある日のセーラ、お使いに行って帰ってきたらお小言を喰らう。

(♯`∧´)「どこで道草食ってたんだい!今から使ったんじゃ間にあいやしないよ!」

(._.)「ごめんなさい…あの、靴が壊れて歩けなくなってしまって、直してもらっていたものだから…」

(♯`∧´)「言い訳するじゃないよ!まったく、夕飯は抜きだよっ!」

メイド仲間(゚O゚)
「そ、そんな…セーラ様は、お昼ごはんも抜きだったんですよ…」飯抜きは日常茶飯事なんでしょうか。飯だけに。

コソッ(( (^_-)「セーラ様、残りパンがあります。紅茶に浸して食べてください。」(´-`)「ありがとう…」

地獄耳→(♯`∧´)「そこの残ったパン!始末しちまいなー!」

Σ(゚д゚lll)(´-`)「そんな…っ!」

夜半。皿洗いで夜は更けて。くたくたになって屋根裏部屋へと上るセーラには、暗い階段が長い長い急坂のよう。
やがて抜き足差し足、廊下を忍ぶメイド仲間の姿があった。
(^_-)ウフフ「セーラ様への差し入れのミートパイを作って差し上げたわ。きっと、お腹が空いて眠れないでいらっしゃるでしょう。コッソリお届けしよう…」

ガチャッ(`_´)ゞ院長
「何をやっているんです?それは何ですか!」

Σ(゚д゚lll)「はわわわ…これはソノ…アメリア先生が、いつもお夜食をと、今夜も頼まれているのですぅ〜。」

W(`0`)W「うそをおっしゃい!!アメリアは今夜は親戚の家で留守です!誰に頼まれてそんなもの作ったんです!さ、言うんです!」

(>_<)ヒィェー「あのっ、わたしが、食べようと。お腹がすいて…本当ですぅ〜」

W(`0`)W「んまーっあきれた!おまえのようないじきたない子は許す訳にはいきません!」

→ミートパイは寮長が没収、寝床で食べてむせる!ムゴッ(◎×◎;)

セーラの元へ来たメイド。
そこには、かつて仲良く過した級友2人もベッドを抜け出し、談笑しにきていた。
(´・_・`)ぶたれた頬をおさえ、何も差し入れられない非力さを謝るメイド。
級友は、セーラたちが腹ペコだと、彼らの無下な扱われ方を想像だにしてこなかったことに気づいた。その配慮の無さを詫び、クッキーを取りに部屋へと戻った。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( >人<)┘そーっと!
ここはミンチン学院伏魔殿。クッキーを手に再び部屋を後にした姿を見守る、禍々しい影 |-| があった…。

屋根裏部屋の女子会はじまる。
皆で食べるせっかくのクッキー♡
テーブルを飾って、心ばかりのお食事会を開きましょうよ。
セーラのテーブルセッティングにみんなもノッてきて、いろいろ工夫をほどこします。
(=´∀`)人(´∀`=)人(=´∀`)人(´∀`=)
ストールをひいて、華やかなナプキンの代わりに紙を並べて、ハンカチを織り込んでかざって、ほら花束のようじゃなくて?まぁ素敵ー!
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
おままごとしてないでさっさと食っちまえば良かったんだ。そんなことはみじんも考えず、ただこの親しい者たちと善意に満ちた夜を分かち合い、味わい尽くしたくて、終わってしまうなんて考えたくもなくて、セーラの楽しい妄想は暴走。

*・゜゚・*:.。..。.:*・(´-`).。oOよくって?ここはヴェルサイユ宮殿の大広間よ。間も無く招かれた貴族たちがやってくるわ。

(宮廷の侍女になりきろうと慣れない想像をするメイド友(~_~;)、プルプル具合に笑いがおこる。みんなすっかり宮廷気分、画面描写も宮廷風味に埋没。)

テーブルの上にはたくさんのお皿、温かなお料理が盛り沢山よ。
お料理を載せてあるお皿は、全て金でできてるの。床にはフカフカの絨毯。天井にはシャンデリア。私達は美しい侍女なのよ。さあ、大広間のほうへ。上は丸天井、吟遊詩人の歌う舞台があって〜、美しいろうそくのあかり…かしの木の燃えている大きな炉もある…
おつきのものたちが分厚い扉をひらくと、さあ、国王とマリーアントワネットが現れるわ…!
*・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・*

ギギギギギィ…

バターー[ \(♯`∧´)/ ]ーーン!!

「なーにをしているんです!!あなたたちィ!!」
強烈な後光とともに登場したのは、ある意味この宿舎の王女、ミンチン院長。

Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(´-`)光速でユメから醒める四人

ψ(`∇´)ψ背後でほくそ笑むのは、セーラを敵視するお嬢様。リークしてやったり!あたくし、寝たふり得意でしてよ!

阿鼻叫喚、言い訳も聞き入れられず、部屋へと連れ帰られる親友たち。全てはセーラのそそのかしと問答無用の判決。
(♯`∧´)「あなたへのお仕置きは追って考えます。今まで優しくし過ぎたようですね。いいですね、おまえは明日の朝も昼も夜も、食事抜きです!」
捨て台詞とともに全ては去った。クッキーの欠片も残さず片付けられ、一転していつもより暗さの増した屋根裏部屋に取り残されたセーラ。独り、ユメの残り火をすくいあげてみる。

_| ̄|○…ブツブツ…「炉は赤々と燃えていることにする…テーブルの上には…温かい、温かい、食事。美しい柔らかいベッド…触り心地のよいクッション…それから…それから…」
もう、眠りましょう…
眠ってしまえば…お腹がすいていることも、気にならないわ…ねえ、エミリー?

お人形を抱いて眠りにつくセーラ。
。・゜・(ノД`)・゜・。

妄想をこれでもかと華やかに盛りに盛り、バターン!!で落とす、オーソドックスとわかっていても、徹底してやられると清々しく逆に快感。ミンチン院長…。ミンチンて名前も怖い。 {/netabare}



*お人形をおよこし、のお話
{netabare} ある夜、途中から見たセーラは
どうも例のワガママお嬢様に
(¬_¬)「アンタの人形をよこしなさいよ。その人形、召使いにはもったいないわよ。アタイがかわいがってやんよ。」
と、カツアゲされそうになっていた。

このお人形、セーラにとって大切なパパママとの思い出。つらいとき、部屋に戻って誰にも言えない気持ちを打ち明けられる、たったひとりの家族。ジュモーのビスクドールだから高価でもある。

どうするの、セーラ。
メイド仲間にも心配され、しかし、人形を抱いて部屋から出るセーラ。
きゅっと結んだ口、沈んだ瞳、小さく固い背中。思いつめた表情で、ドアを開ける。
(´-`)
お人形をしっかりと、赤子のように抱きしめて廊下を進む。
階段を一段一段、降りる。

どこへ行くの?セーラ。
考え込んでいる。考えがあるの?
誰かに預けるとか…
隠すとか…
売ってしまうとか…
わーたしの かーわいい にーんぎょお〜♪
十二国記の祥瓊さんの歌声が頭の中で回るよ。

踊り場で、外を見やると、学院の少女たちが遊んでいる。
中心にいるのは、例のお嬢様。
でっかい車輪の自転車にまたがって、取り巻きにブイブイ言っている。じぃっと見下ろすセーラ。
(´-`)
なに考えてるの。

再び足を進めるセーラ。
お人形と一緒に体を固くしたまま、外へ出てきた。
めざとく目をつりあげるお嬢様。
o(`ω´ )o「あ〜ら、ついにソレをあたくしに渡す気になったってわけね。いいわよ。もらってあげるわよ。」≡3≡3
うつむいたまま、何も言わないセーラ。
(´-`)
イラつくお嬢様、お人形を取り上げる。o(`ω´ )o高々と、戦利品を手に。
まだ何も言わないセーラ。
(´-`)

その時、少女たちの中から、セーラを「ママ」と慕うちびっ子が猛烈な勢いで駆け寄って来る。

∑(゚Д゚)「ダメよーーーっ!!その子はセーラママの、たいせつなおともだちよぉーー!!」

o(`ω´ )o「なによアンタ。うるっさいわね。セーラがあたくしにどうしてもって、言ってるのよ?」

騒ぎに振り返る少女たち。

その中から、おとなしいセーラの親友も、勇気を出して身を乗り出した。

(´・Д・)」「うそよ!そんなはずないわ。セーラにとって、たったひとつの宝物のはずよ。それを取り上げるなんて、ひどいじゃないの!!やめなさいよ!!セーラに返してあげて!ひどいことしないで!!」

o(`ω´ )o「なっ…雑魚が…あんた、あたしにそんなこと言って、ただで済むと思ってんの…」


しかし、遠まきに聞いていた少女たちから、さざめきのように同調の声が上がり出していた。
「そうよそうよ!かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ

ウッ…Σ( ̄。 ̄;ノ)ノ
かわいそコールに、さすがにたじたじのお嬢様。うつむくセーラの前にちびっ子がかばい、お嬢様が人形を高くあげ、親友が止め、もう決定的に悪役の構図。

小公女「プリンセス」セーラ、大勢の目の前でこれを繰り広げたのがポイントね。民意を試して沙汰を待ったのか!!
公共の場でなければ、この結果にはならなかったはず。
すごいよ、セーラ…。

(`_´)ゞ「な、なによ!!こんなキッタナイ人形、そもそもそんなに欲しくなかったわよ!フンッ!!かえせばいーんでしょかえせば。ホラッ!」
ポイッと投げられた人形…ビスクドールだから割れちゃうよ〜(゚o゚;;

セーラとちびっ子がナイスキャッチ、最悪の事態は避けられた。

ササーっと逃げるお嬢様
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
追いかける数名の取り巻きヽ(´o`;ヽ(´o`;

ここで面白いのが、
「よかったねー」ってセーラに抱きついているちびっ子や親友の暖かいゾーンを、ゾロゾロと通り過ぎて院へと戻る、その他の小女たち。
もう何事もなかったかのように、別の談笑をしながら、セーラたちを気にもとめない。
民意のとりとめのなさを表しているのか、妙な真実味のある光景だった。

うん、途中からみてもこんなに面白いんですよ!
起承転結と間がとても劇的でわかりやすいし。 {/netabare}



*セーラも私も泣けた(ノ_<)のお話

{netabare} 第35話

嵐で屋根裏部屋の窓の掛け金が壊れ、枯葉と雨水の入り込んでくる中、濡れた床をふくセーラ。バタンバタンバタンバタン開く窓を、もう閉めることもせず、雨が降り注ぐ中、床を拭き続けるセーラ。どこか行動がおかしいような。大丈夫なの?服が濡れ、傍らのベッドも毛布もビショビショ。悪い夢みたい。
メイド仲間が「おはようございます」と入って来て、惨状に驚く。
朝なのコレ?寝てないのでは…セーラ。

しかも(´-`)「寒気がするの」
なのに働かなくてはならない。ゾッとする。

学院の外に石炭運びの馬車が止まって、業者の人が道路より地下になっている勝手口付近の通路に樋のようなものを下ろす。もう一本樋を下ろして継ぎ足す。これを滑り台のようにして、道路からガラガラ〜〜と石炭を流し込んでお届けする。「ほほー、そうやって運ぶのか!」と面白く見ていたのも束の間。
(゚Д゚)「早くしねぇと石炭がぬれちまうぞ!」調理場のコックが山盛りの石炭にスコップ投げて去る。
学院の石炭置き場へと、バケツとスコップで手動で運ぶのは、セーラひとりの仕事…斜めの雨風が吹きすさぶ中。
石炭なんかもう濡らしときなよ。板でも上に置いとくとか。風邪で雨なんだし休ませなよ。子供だぞ。

石炭で学院のストーブに火を入れておくように言われたセーラ。
少しは濡れそぼった身体を暖められるかな…?
心地よい炎を前に、猫とともにウトウトするセーラ…(_ _).。o○
悪いことに、このお部屋は意地悪お嬢様のお部屋。
案の定、やってきたよ奴さん。いつものお供を連れて。
眠りこけているセーラをみて(−_−#)
セーラが寄りかかっているバケツを力一杯蹴り上げる。衝撃に驚いて目を覚ましフラフラ謝るセーラを、罵倒しだす。
お嬢様よ…暖房つけるくらいの季節なのになんでひとりだけ半袖なんだよ!小学生か!「ママに買ってもらったパリ仕立ての新作」だとか。そしてコレが、今回のワンポイント☆アンラッキーアイテム☆

セーラと寝ていた猫にまで、お嬢様たちの虐待の手が伸びる。(ノ_<)ひどすぎる。追いかけ回しているうちに…猫の蹴り上げたインク壺がお嬢様にビシリ。
(♯`∧´)「〜〜〜!?セーラ‼あんたのせいよ‼」
さすがのセーラも(; ̄ェ ̄)みたいな顔でとばっちりを受け止める。「シミ抜いとけよコラ!元通りにしないと、許さないんだから!」とまたご無体な。え〜〜。インクシミって消しにくいよね…(´・_・`)

横風の雨の中、カゴをもって買い出しに出るセーラ。傘が役に立たない。また服も身体も濡れていく…歩きにくい。嵐だよ。そんな日は家にいたらいいんだよ。体調悪いんだし。みんな残り物でも食べてしのげばいいんだよ。
案の定、市場すらお休みで途方に暮れるセーラ。屋根のある商店街の通りに入って行くと…

(抗えない天候の激しさと身体的なキツさ辛さが伝わって来て、見ていてセーラの今までで一番つらかったよ。うう、自然と涙がでた…なんでこんなんで泣いてんだろ私(/ _ ; )
心理的な意地悪より、空腹ネタよりもくるのはなんでだろう。)

しかしここで今回のアンラッキーアイテムが★ラッキーアイテム★に変わる出来事があったんだ。そこでセーラは、つらさをつらいままに涙を流すことができている。学院で涙を見せた事はないのに。

裕福だった頃、お父様と買い物に入った洋服店。ショーウィンドウにうつるセーラの姿は、今や襟も裾もほつれ、着どおしの汚れた質素な服になってしまっているけれど…。
店のご主人は、セーラのことを覚えていた。セーラの様子を見ると、邪険にすることなく
(´・ω・`)「一口では言えない事が、起こったようですね?」
気をほぐすような優しい声かけ。
セーラが身なりを顧みず入って来た訳を…「お友達」の服の染み抜きについて相談すると、
(^ω^)「大丈夫、わたしが直してさしあげますよ」。安心して涙が流れるセーラ。(;_;)
やがて曇りなくきれいに直された服。(^ω^)「これで、文句なんか言われやしませんよ?」
状況を察し、これまでの事情を聞かれ、心配してくれる紳士を前にさらに涙が止まらないセーラ( i _ i )ドドドド

しかし院に戻らねばならないセーラ。紳士は直した服を丁寧に油紙で包み、せめて十字を切りながら小さな背中を見送ることしかできないのであった…。


戻った先ではお嬢様によるミンチン先生への告げ口。
( ̄Д ̄)ノ「セーラさんがぁ、ワタシに嫉妬してインクを投げつけたんですぅ。それで染み抜きさせて欲しいって、言い出したんですぅ。」
W(`0`)W…ワナワナ… ←ミンチン院長

「たっぷりお仕置きしておやんなさい!!」といつものセリフを吐きかけられ、下女に調理場へ投げ込まれるが…体調の悪かったセーラ、もう腰が立たない。ついに倒れる…? {/netabare}
つづく


*セーラ流魔法の受け取り方。セーラの秘密を暴け!のお話
{netabare}第38話
ややあって隣人からの「魔法」の差し入れが始まる。
35話から病に倒れ、生死の境をさまよった間、姿の見えない「屋根裏の少女」を隣のお屋敷の主人と召使いたちが気にかけていたのだ。そして密かに贈り物をすることに。夜明け前が一番暗かったのだ。
いまや、夜半に疲れ果てた少女達が屋根裏部屋へ帰ると、暖かくしつらえられた食卓が待っており、美しいマクラや毛布も用意してあるのだ。空腹の時にセーラが夢想したみたいに。
(背景素材の都合上なのか、食後の皿の上のチキンが毎回ぜんぜん減っていないのが気になる…いじきたないアタイであった。)
これが朝になると仕事にでている間に、お隣の有能なインド人ハウスキーパー達がテキパキお片付けしておいてくれる。おかげで昼間のミンチン院長の抜き打ち検査にも【魔法 : 非検出】で事なきを得た。

魔法に慣れたようなセーラと、まだソワソワ感が止まらないメイド仲間。
(≧∇≦)「ああ〜、私達がこんなにありがたがっていることを、魔法使いさんにお伝えしたいですぅっ!!」
と興奮やまないメイド仲間に対し
(^ν^)「大丈夫よ。私達がどれだけ感謝しているかは、きっとわかってくれているはずよ。だってそれが魔法使いさんですもの?」
さすが、プリンセスセーラ。与えられた幸運を享受する時も優雅に動じない。

しかし滲み出る幸せオーラ。「あの娘なんだか綺麗になったみたい。恋してる…?!」的な鋭さで、セーラの異常を感知する院の魔物たち。

(¬_¬)( ̄3 ̄)「いやに血色がいい。きっと盗み食いでもしてるんだよ」と残り物チェックをする下女とコック。

(*`へ´*)「あんなに顔色がよく元気だなんて、おかしい。」
と訝しむミンチン院長…子供がはつらつとしてたら怪しむ学院って、教育機関として相当終わっています。

どこまでもセーラの屈強な面の皮を引っぺがしたいと夢欲する鬼どもの追っ手は止まらない。
プリンセスセーラ。アイドルとは人に夢を魅せるもの。汚れた奴らの見たい歪んだ夢すら映してしまうのか…。
いじめられても、(´-`)「はい、ミンチン先生」(´-`)「おはようございます、○○さん」(´-`)「わかりました。○○さん」と、爽やかな挨拶の後ろに名前をつけることを忘れないねセーラは。コレちょっとイライラする。

しかしついに、魔法発動中の夜間のガサイレが入ってしまうのだ…
魔法が暴かれた時も、食卓でセーラお得意の「こんな時こそ余裕で夢想享受」が披露されていた。ナプキンとフォークで人形を作ってダンスさせ( ´ ▽ ` )ノ「ランランランランランラーン♪」
そこへバターン!悪鬼どもの蹂躙…

メイド仲間の土下座も虚しく(´Д` )
ミンチン院長は(◎_◎;)「オトコ(街の少年ピーターのこと)に盗みをさせて貢がせたんですね!」とあさってな勘違いにワナワナ震え、
コックはしつらえを横取りに片しながらご馳走の匂いを(@ ̄ρ ̄@)クンカクンカ嗅ぎ、
下女は(♯`∧´)(´-`)セーラを引っつかんで馬小屋へ連れて行く。

こうしてセーラの馬小屋生活が幕を開けた…(´-`){/netabare}


*馬小屋生活始まる、のお話
{netabare}
ここは小公女だった時代に、セーラのお馬さんが繋がれてた小屋。今はからっぽの、藁だけが残る隙間風ふく小屋。そこに主人が暮らすとは。そしてその事をいじわるお嬢様にグリグリいじられる。本当に十二国記の姫様並にトコトンいくよどこまでも。
そして、一番暗い夜が明けたあともまだ次が。甘ーいもの食べさせた後でしょっぱいのがくるよ〜。
展開が早くて激しいので、文章にしても何だか伝わらない。こんないかがわしいまとめよりも観ていただきたいものだ。

学院でハロウィンパーティが開かれる。アメリア先生が子供達と色んな遊びをするんですが、この様子が楽しい。遊びの中で一手間かけてまでセーラを陥れようと頑張ってた、いじわるお嬢様( *`ω´)。しかしちょっとしたラッキーがセーラのもとへ。あらっ(^ν^)☆彡って感じに対して、キリキリキリ…( *`ω´)
アメリア先生は生徒達にも自然に親しまれてるし、この前の話あたりでセーラに申し訳ない心中を吐露してたし、妹さんのポスト院長色がひたひた濃くなってますぜ、ミンチン姉さん。そうとは知らなミンチン先生は基本コドモキライなので自室でくつろいでいた。( ´Д`)y旦~~

やがて夜が更け、パーティ気分が終わらない少女たちのちょっとしたイタズラが、馬小屋で火をおこしてしまう。燃え上がる小屋の中で人形を抱いて立ちすくむセーラ。
助かったものの、勿論とばっちりはセーラに…。

\(♯`Д´)/=3=3=3「おまえという子は…!身よりも家もないおまえを親切心からここへ置いてやったものをつけあがって…」云々のミンチン先生のお小言に、今回ばかりは毅然として言い切るセーラがいた。
(´-`)「ミンチン先生は、私に親切だったことはありません。そして、私はこの学院を家だと思ったことはありません。」
ミン(;゜0゜)チーン
「ンナッ、おまっ……でておいきー!!」 {/netabare}


*逆転倍返しはじまる、のお話
{netabare} すんなり意に従い出て行く訳ですが、ここから見ていられないのはセーラよりもミンチン先生。
出て行ったセーラを、(本当は心配なのか?院の評判が落ちるのを懸念しただけなのか?)呼び戻すよう妹に言いつけたり。
セーラに贈り物が届いたことで、実は金持ちのパトロンが居るのでは?という臆測に今度はすがりついて、o(;`ω´ )o「セーラさんっ」と丁寧に呼び出したり。
セーラの姿が見えずお隣へ行ったと聞いたときのムカッ腹から、学院にいる猫を生徒達の目の前で足で蹴り上げたり。(>_<)

そしてやっと、「おお、この子だ!」の回。隣の屋敷の主人が探していた「友人のダイヤモンド鉱山の遺産を相続する娘」が実はセーラだと判明した時の、ミンチン先生の脱力錯乱ぶりはもう穏やかじゃないね。
((((;゚Д゚)))))))は…はわ…はわわわ…っ
胸にダイヤモンドを飾り、厳かに階段上に登場した小公女セーラに、
( ゚д゚)「セーラ…さん…」
(´-`)「はい、ミンチン先生。」
膝叩いちゃうね。こんな時までセーラは丁寧な応答+名前呼びの「はい、○○さん」徹底してる。むしろこの時のためだったのかとさえ。

昔のモノクロ映画だったらここで失意の先生はミンチン学院じゃないナントカ院にドナドナ送られちゃうんじゃないのかという不穏さが漂う。妹アメリアから鬱屈されていた怒りにまかせて責められるだけで済んだのだけども、子供むけアニメにしてはかなり怖いと思う。しかしそれだけの事はしてきた、ミンチン院長。それだけの事を面白く見てきた私も、彼女が腰も立たず雪の中這いずって院に戻る姿を見届けるしかない。 {/netabare}


*最終話 小公女ラビニアに関する考察
{netabare}
いじわるお嬢様ラビニアとの握手が見もの。
セーラとお隣のご主人が弁護士を連れて学院へ乗り込んでくる。
意気消沈していた院長、更に訴えられるのかとガタガタ震えながら((((;゚Д゚)))))))出迎える。
一体何事かと見守る少女らに、ラビニアが( *`ω´)「たぶんこの院を買占めにやってきたのよ。ありあまるダイヤモンドで復讐のために、ね?」
こんな混乱も面白くてたまらないって端的な口調。

やがて学院への寄付にミンチン院長の声色は高く弾んで復活。セーラは懇意にしていたメイド仲間を自分に召し上げるとも公表し、涙の再会。
これを見守るラビニアの瞳がどこか寂しそうに見える。
小公女復帰を祝う少女たちに取り巻かれるセーラを、真っ直ぐな瞳でぐっと遠巻きに見守るラビニア。
鋭く小賢しく若々しい顔つき、シュッと通ったまつげ。見ていると似顔絵描きたくなる。嫌な子なのに、なんとも美しいんですよね。よく「性格の悪さは顔に出る」っていうけど…どこか魅力があるのは何ででしょう。ミンチンにはない、高い気位があり、劇的な面白さ(残酷であっても)を見抜く貪欲なところがあるからでしょうか。物事や人間同士の表面のみは見ていない。
胸の握り拳にどんな感情を押し殺したのか、やがてセーラへと踏み出し、友情締結を申し出る。

( ̄+ー ̄)「おめでとうセーラ。私、あなたさえよければ仲良しになってもよくってよ?」
(´-`)「ありがとう。私、本当を言うと、この学院にきたときから、あなたと仲良しになりたいと思っていたのよ。」←この子本心よーめーなーいーわー~_~;

この時ラビニアが何を飲み込んだのかは謎だけど、セーラの幸運大逆転の姿を見て「今はこれはセーラのターンだ」と悟ったのかもしれない。これまで何度か、好機はお互いの間を行ったり来たりしてきた。人生なんてこの先知れないのは誰も同じ。「だとしたら今は私は私の役を演じ切る。ミンチン先生のような醜態を晒したりしない!ぶれない!」という決意で踏み出したのかもしれない。オープニングで唄われる「胸の奥にこの花あるかぎり」の花の矜持は、ラビニアの中にも咲いていた…のかも?!

やがてセーラはインドへ、このお嬢様もアメリカへ旅立つことになる。
( *`ω´)「もう二度と会えないわね。」
(´-`)「きっといつかまた、会えるわ?」
( *`ω´)「フフン。何十年後かには会えるかもね…その頃あなたはダイヤモンドプリンセスからダイヤモンドクィーンになっているんでしょうけど?そしたら私は…、アメリカ大統領夫人になっているかもしれないわよ!」
同じ土俵では戦えなくなるけれど、この娘が私のライヴァルであることには変わらない。セーラが掴み取った幸せと競いあえるくらい、自分もきっと輝いてみせる、そういう「面白くなってきたわ。」っていう諦めの悪さがお嬢様の心の中では根強く育っていて、それを育てたのは、天性もあるだろうけど、打っても打ってもちっとも懲りた顔を見せなかったセーラのおかげではないかな。うらやましい、この2人の懲りなさ。もー自分、競うとか耐えるとかあらゆる面において面倒に生きてるので、どんな土俵にもチンとしとられんのでうらやましい。
セーラの言うとおり、お互い影響を与えあえる(セーラは影響受け取ってるのか微妙だが)関係になれるのかもしれない。

ミンチン先生は反面教師過ぎたね。ミンチンの中には花は咲いていなかったのだろうか。かつては咲いていたけれど、いつの間にかなくなっていたのだろうか。あんな大人になりたくないって、子供たち皆心に刻んだことでしょう。妹さんがいいアドバイス訳として腕を振るうようになるのかな。 {/netabare}

あなたの心の中に花は咲いていますか?

(¬_¬)( ̄3 ̄) (´・Д・)」(♯`∧´) ( *`ω´)(´-`)(´・_・`)
悪ノリな長文に、お付き合いいただきありがとうございました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 28

おみや さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ハッピーエンドの最高峰。

この作品はレンタルで観ました。(遥か昔)
まあ原作からして有名ですからねぇ。(でも読んでなかったりして)

簡単に言うとどえらいイイとこのお嬢様がある日突然、家族の消息が
わからなくなり、お金も無くなりで学園(住み込み)の生徒から
使用人へドーンと落ちる訳です。

そんでもって生徒には仲間がいるものの(いじわる娘もね)
学園長や他の使用人からこれでもかっていう位つらい目にあわされる
ことになるんです。

毎話こういうの観る訳ですからそりゃあつらいです。
でも観はじめちゃったもんだから止める訳にもいかない。

なんとか最後に幸せになってもらいたい。

そんな思いでレンタルのVHSを観ていたんですが、なんと!その店の
最後の巻、最後の1つ前じゃん!!

いやあ、何件他のレンタル店まわったことか、、、、、
当時はまだツタヤ無いし、今ほど店舗無かったですからねぇ。
インターネット?何それ?っていう時代。
一週間かけてあっちこっち探し回ったんですわ。
そんでぇ、5件目位だったと思う。
 
「あったぁ!!!!!」

なんかその時にもう泣いてた気がする。

ええ、もちろん最終話、感動のエンディングでしたよ。
(涙腺崩壊しまくり)


という訳で、レビューと言うより思い出話になってしまいました。
すいません。

自信もって言える良い作品です。(とくにお子様にはオススメ!)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 21

67.4 12 19世紀アニメランキング12位
愛の若草物語(TVアニメ動画)

1987年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (53)
222人が棚に入れました
「世界名作劇場」第18作。19世紀中期の南北戦争時代のアメリカを舞台とした、オルコットの小説『若草物語』が原作。ペンシルバニア州に住むマーチ家には、長女メグをはじめとした仲良しの4姉妹が住んでいた。そんな中、一家のもとに北軍に従軍中の父が一年ぶりに帰宅するとの報せが入る。父が帰って大喜びの姉妹だったが、南軍の影は自分たちの町にも接近。やがて一家は叔母のいるマサチューセッツ州へ疎開することに…。

声優・キャラクター
山田栄子、潘恵子、荘真由美、佐久間レイ、中西妙子

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

世界名作劇場第13作目。アメリカ名作文学のアニメ化作品。

Amazonプライムで視聴。世界名作劇場シリーズの1つですね。
世界名作劇場は大体海外の名作の文学作品を原作にしています。
この愛の若草物語はタイトルからもわかる通りルイーザ・メイ・オルコットの「若草物語」が原作です。原作未読です。
1987年放送作品です。全48話のアニメ。

作画は当時のクオリティなのですが、アニメーションはよく動いていました。
お話も当時の南北戦争時代のアメリカを描いているのかなと思いました。
主人公はマーチ家4姉妹の次女のジョーことジョセフィンマーチです。
そして家族は長女のメグ、3女のベス、末っ子のエイミー、そして母メアリーと南北戦争に行っている父フレデリック。

当時のアメリカの暮らしぶりがわかるお話でした。
やはり世界名作劇場はクオリティ高いですね。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 10

R子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

日常系アニメここに極まれり

原作はあまりにも有名だが、四部作まで出版されている。
マーチ家の四姉妹を中心とした日常を描く物語である。

しっかりものの長女メグ、男勝りな次女ジョオ、ピアノが好きで心優しい三女ベス、大人びた性格の四女エイミー。
どんな逆境も母の大きな愛と、四人それぞれの強さで乗り越えていく。

この物語のスパイスとなるのは、なんといっても末っ子エイミーの愛らしい性格であろうと思う。語りもエイミーを中心に行われるが、声優さんもエイミーの大人びた口調に非常にマッチしている。

内容は、とある一家の何気ない日常を描いたもので、もしかしたら退屈に想えるかもしれない。
しかし、自分たちを取り巻く環境が変わっても信念を曲げず、誠実に相手と向き合っていくうちに徐々に周囲の家族へ向ける目が変わっていく様子は、見ていて清々しい気持ちになる。(ポルフィなどと比べてしまうが・・・)
四姉妹それぞれのエピソードが描かれるが、ベスと老人の話やそれぞれの恋愛模様も目が離せないところである。

このアニメには続編があり、舞台は変わるがこれもまたいい話である。
最後までこのアニメを観れば、絶対に観たくなるはずである。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 8

Tnguc さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

夢見る四姉妹の日常アニメ

~
世界名作劇場のひとつで、マーチ家の四姉妹が織りなす日常アニメ。
本作では、四姉妹を中心とした賑やかな日常が描かれています。彼女達には大なり小なり夢があって、その夢を抱えて毎日を過ごしているのがポイントです。そんな彼女達の夢を主軸に物語は展開されていくのですが、基本的にワンマンプレーなので四姉妹の姉妹愛は意外にも薄かったです。しかし、四姉妹のキャラクターはどれも明確に造形されているので、とても面白く映し出されていました。心情が手に取るように伝わってくるので、何気ない会話の中でも十分に感情移入することができます。
世界名作劇場には大きく分けて二種類のジャンルがあって、一つは「小公女セーラ」や「ロミオの青い空」のような劇的な作品と、もう一つは「あらいぐまラスカル」や「名犬ラッシー」などの日常的な作品があります。「フランダースの犬」のような複合的な作品も中には存在しますが、本作は完全に日常寄りの作品です。初めこそは戦争の雰囲気が漂う展開でしたが、それを除けば極めて平凡な物語で、これが48話で構成されています。終始一貫して日常的な描写なので物語性は低く、悪く言えば平凡。物語のカタルシスも殆ど存在しませんでした。更に1話の中に小話を詰め込んだ構成なので起承転結が雑然としていて没入感もあまりありませんでした。そもそも日常アニメにドラマ性を求めるのが変な話かも知れませんが、せめて名劇である以上は道徳的なメッセージ性を持たせて欲しかったなと思います。それと、原作では第二部へと続くのですが、本作の場合は第一部で終わってしまうので打ち切りの様な最終回になってしまいました。本作の中だけでもアレンジを加えてキッパリと終わらせるべきだったなと思います。したがって、視聴後の満足感は他の名劇作品と比べて少し薄い印象となりました。
全体的に評価が低めとなってしまったのは、単純に日常モノが自分の肌に合ってないだけであって、作品自体は賑やかに描かれていたので誰でも十分に楽しめると思います。要は四姉妹のサクセスストーリーなどに期待するのが間違いであって、彼女たちの日常を覗くスタンスで視聴するのが正解だと思います。しかし、そのためだけに48話を今さら視聴するのは大変だと思うので個人的にはあまりオススメしません。マーチ家の日常は見ていて面白かったし、現に自分も飽きることなく完走することができましたが、四姉妹を通して得られたモノはあまりありませんでした。

物語:★★☆☆☆
・日常モノとしては良作だと思うけど、名劇的には凡作だと思う。南北戦争の緊張感が四姉妹の日常とミスマッチしていたが、ローリーが登場する辺りから急に面白くなります。
作画:★★★★☆
・人の仕草が記号化されてなくて自然体に描かれていました。
声優:★★★★☆
・エイミー役の佐久間レイが良い味してました。
音楽:★★☆☆☆
・新田恵利が歌うOPとEDが音痴すぎて酷い…。途中から別の曲に差し替えられてました。笑
人物:★★★★☆
・キャラクターが生き生きとしていました。ある意味で「サザエさん」のような作品。

個人的評価:★★★☆☆ (3.5点)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 5
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