3DCGで未来なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの3DCGで未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月20日の時点で一番の3DCGで未来なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.6 1 3DCGで未来なアニメランキング1位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (306)
1130人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「漂流教室」現代版

ネットフリックスにて全話視聴。谷口悟朗さんが監督ということで期待していましたが、正直今回は外れです。

SFとしては楳図かずおの「漂流教室」に谷口悟朗さんの「スクライド」を足して二で割った感じでしょうか。。

お得意の少年少女の漂流もの。。狭義の意味でのクローズドサークルといってもいいでしょう。

しかし、「無限のリヴァイアス」や「コードギアス」程のインパクトは愚か、「スクライド」のようなぶっ飛んだ設定もないので非常に中途半端な内容でした。

もしかしたら、来月公開の「コードギアス復活のルルーシュ」が本命で、こちらはつなぎ程度なのかもしれません。

その程度だったら逆に作らなかったほうがよかったのかも。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


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2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 47

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

主人公の言動を許容できるか否か?

この作品の評価は、この1点に尽きると思います。

登場人物の中に『不愉快な人物』が描かれる作品は、たくさんあります。
この作品にも、不愉快な言動を繰り返す人物が、主人公以外にも登場します。

問題点は『不愉快な人物を、主人公に抜擢すること』の意味。
ゴールは『主人公の成長』しかない。
そのために重要なのは、『成長のきっかけ』。

この作品は、タイムリープも含めて、この点が上手く描かれていたと思います。

だけど、物語の評価は☆3が限界。
前半から中盤の主人公の不愉快な言動の数々が、マイナス評価になってしまう。
主人公の姿を目にしただけでも生じてしまう嫌悪感がどうしても拭い切れない。

『不愉快な言動を繰り返す人物を、主人公に抜擢すること』のリスクを感じさせてくれた作品です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 53

78.6 2 3DCGで未来なアニメランキング2位
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1397)
7035人が棚に入れました
2039年、人類は温暖化に伴う急激な海面上昇により、地上での版図を大きく失った。
それに呼応するかのように、霧を纏う謎の軍艦群「霧の艦隊」が世界各地の海洋に出現、搭載した超兵器で人類の艦を攻撃し始めた。
人類は持ちうる戦力を投入し、最終決戦「大海戦」に臨むも、「霧」の圧倒的な武力の前に脆くも敗れ去った。
すべての海域、運搬経路を「霧の艦隊」によって封鎖され、政治経済は崩壊、人類は疲弊の一途をたどっていた―――――――
「大海戦」から7年。
士官候補生・千早群像の前に現れた「霧の艦隊」の潜水艦「イ401」。
敵であるはずの「イ401」、そのメンタルモデル「イオナ」との出会いは群像に、そして人類に何をもたらすのか?
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アルペジオ2周目の感想 & 「艦これ」との比較

(※アルペジオ劇場版が公開された2015年当時の投稿内容です。)

①1月末から総集編映画が公開され、その後に完全新作の続編映画の年内公開が控えていること(10月3日封切り予定)
②本作と同様に旧日本海軍艦艇をモチーフとした話題の新作アニメ『艦これ』がTV放送中であること(加えて両作はコラボしていること)
③最近視聴した、本作と同じ監督(岸誠ニ氏)&シリーズ構成(上江洲誠氏)の組み合わせのTVアニメ『結城友奈は勇者である』(2014年秋)が、予想外の良作で、このコンビの作品に俄然興味を持ったこと

・・・以上3つの理由から、本作品について2013年秋のTV放送時以来、2周目となる全話視聴を行い、レビューを全面的に書き換え、併せて「艦これ」とのコア・コンセプトの違いを考察してみました。


◆各回の評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- (2013年9-12月) =========
{netabare}
第1話 航路を持つ者   ★ 航海の目的、イオナとの出逢い
第2話 嵐の中へ     ★ 対タカオ戦
第3話 要塞港、横須賀 ☆ 軍との対峙
第4話 横須賀急襲    ★ 対キリシマ・ハルナ戦
第5話 人ならざる者  ☆ メンタルモデルと人の接触
第6話 ともだち    ★ メンタルモデルと人の接触(続き)
第7話 硫黄島      ★ コメディが面白い回
第8話 人形の家    ★ 兵器が「愉しい」という感情を持つな
第9話 決死の脱出行  ★★ 対コンゴウ戦1、ED後に急展開
第10話 その身を捧ぐ  ★★ イオナ・タカオに生まれる恋情
第11話 姉妹      ★★★ 対姉妹艦(イ400・402)戦
第12話 航路を拓く力  ★ 対コンゴウ戦2、余韻を残すラスト{/netabare}
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★★★(神回)1、★★(優秀回)2、★(良回)7、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3


※上の★表記のように、本作は外れ回が少なく(全12話で☆は2回)かなり濃い楽しみ方が出来ました。
※特に終盤の第8話後半から第11話までの展開は見事だと思いました。
※最終回(第12話)は本作としてはイマイチの感がありましたが、それでも悪くない出来と考えます。
※まとめると、現時点では自分にまだ上手く表現し切れない特有の面白さがある作品と考えますが、以下のように考察を進めて、なるべく明瞭に本作の美点と欠点を抽出していきたいと思います。

◇各話内訳
{netabare}
バトル回=計5話(第2/4/9/11/12話)
メンタルモデルと人との交流回=計5話(第1/5/6/8/10話)
その他の回=計2話(第3/7話)
{/netabare}

◇登場するメンタルモデル
{netabare}
※全部で以下の9体

大戦艦コンゴウ ※他のメンタルモデルとの間に感情発生
大戦艦キリシマ ※蒔絵との間に感情発生
大戦艦ハルナ ※蒔絵との間に感情発生
大戦艦ヒョウガ ※他のメンタルモデルとの間に感情発生

重巡洋艦タカオ ※群像との間に感情発生
重巡洋艦マヤ ※感情プログラムは実装されていない

潜水艦イ400 ※他のメンタルモデルとの間に感情発生
潜水艦イ401(イオナ) ※群像および他のメンタルモデルとの間に感情発生
潜水艦イ402 ※他のメンタルモデルとの間に感情発生

※その他にメンタルモデルを持たない艦艇が多数登場(ナガラ級軽巡洋艦、アイオワ級などアメリカ方面の霧の艦隊)
{/netabare}


◆内容考察

(1)本作の他にない美点
{netabare}
・フル3DCGIによる迫力の艦隊バトル描写
・バトル描写と並行して、メンタルモデル同士の謎空間での緊張した対話を描出している点(非常に斬新な印象を受けました)
{/netabare}

(2)明白な欠点
{netabare}
・メンタルモデル同士の対話の描写が秀逸なのに比較すると、人間とメンタルモデルの交流の描写が
 ①余り洗練されておらず、少し古臭い(蒔絵とハルナ・キリシマの交流)か、
 ②感動できるが、初見では分かり辛く、ハイライト(第10話)に後述するようにせいぜい半分程度の理解に留まってしまい、非常に惜しい(群像とイオナ・タカオの交流)こと
・シリーズ構成が甘いこと、特に
 ①第1話が分かり辛く、余り後の話に上手くつながっていない点
 ②軍との関係の描写がストーリー全体から見るとほとんど無駄になって浮いている点
 ③さらに最終第12話の盛り上がり方・まとめ方がイマイチで期待外れだった点
・ナノマテリアルが万能すぎて(それさえあれば、どんな物体でも自由に再生できてしまう)、設定の縛りの無さに時々白けてしまう点
・タカオ、マヤのギャグ設定までは良いとしても、ヒョウガのギャグ設定が作品に不必要に安っぽい印象を与えてしまっている点(ギャグが滑っていてこれもかなり白ける)
{/netabare}

(3)現時点で評価保留の点
{netabare}
・《論理思考ルーチン》に過ぎないメンタルモデルに、《論理》を超越した《感情》や《意思》が生まれてしまう、という《心身問題》を本作はどのくらいの深度で描いているのか、その深さや意味合いが自分の現時点の知識では掴めない点

※興味はあるけれども現時点では私には確り調べる意欲が欠けています→詳しい方がいたら簡潔に教えて欲しいところです(以下は参考サイト)

¶心身問題(mind-body problem)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E8%BA%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C

¶心の哲学(philosophy of mind)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E3%81%AE%E5%93%B2%E5%AD%A6
{/netabare}


◆本作のハイライト

※現時点では以下の2点と考えています(ただし今後、第12話も追加する可能性が高い)。

◇第10話『その身を捧ぐ』
{netabare}
10分過ぎ、艦内気温が低下し群像の呼吸が乱れているいることに気付いたイオナが、「私は擬似的に代謝機能を再現して体表温度を上げることは可能」といって自分の両掌(てのひら)を見つめて、その後、少し戸惑った表情で群像に視線を移し「だけど・・・」とつぶやくシーン
群像が、あれっと少し驚いた表情を浮かべて、それからフッと笑って「そうだな。エネルギーは節約すべきだ。救命キットからブランケットを持ってきてくれないか」

*つまり、イオナは自分が群像と抱き合えば、艦内気温を上げなくても群像の体を温めることが出来ることに気付くが、同時にそうすることを躊躇(ためら)う感情が彼女に生まれており、群像もそれに気付いて「ブランケットを・・・」と婉曲に彼女の行動を脇に逸らしている。
*イオナのこの躊躇(ためら)いは、メンタルモデルらしからぬ乙女の羞恥心ないし淡い恋情の発生と解釈できる。
*そして、これが、16分過ぎに来る「嫌(いや)。私は、私は一人になりたくない」というイオナの発言と行動につながっていく。

→しかし第1回目の視聴時は、私はそこまで気付かず、この後に来るタカオの群像への切ない恋情だけを認識できていた。

*タカオ「全く、本当にあんたってば。これじゃ・・・私の入り込む隙間なんて、どこにも無いじゃない」は、イオナの恋情のもたらした行動に気付いた彼女が意を決してつぶやいた言葉。
*「自らを犠牲にして他者を救う、それは本来、霧には有り得ない行動。まさかイオナ姉様がそんな選択をするとはね。そしてあんたも」(ヒュウガ)「それが艦長の、千早群像の望みならば」(タカオ)

→つまり、イオナに発生した群像への恋情(※但しイオナ自身はそれが恋情であるとは気付いていない)が彼女を自己犠牲へと向かわせ、そしてその行動がさらに、タカオの恋情を募らせて、その第二の自己犠牲をもたらした、と解釈できる。

*タカオの恋情はともかく、イオナの恋情は視聴1回だけでは分かり辛いと思うので、この回の評価を★★としました。
{/netabare}

◇第11話『姉妹』
{netabare}
20分近くで、イオナが姉妹艦を喪失してしまうシーン
*メンタルモデル同士の心理的なやり取りの描写が秀逸。
*ここの演出は第10話よりもずっと分かり易く優れていると思うので、この回の評価を★★★としました。
{/netabare}

※なお、第12話『航路を拓く力』は、現時点では残念ながら、第10話・11話に比べると内容が幾分雑で感動が少ないように感じてしまいました。
→本作の私の全体評価を、もう一つとした原因のひとつ。
→ただし、この回については、前記した◇(3)現時点で評価保留の点、に直接関係する箇所なので、時間を置いて再々視聴し、考えを整理したいと思っています(その際には評価が変わる可能性が高いです)。


◆『艦これ』とのコア・コンセプトの違い

・アルペジオの艦は、{netabare}
 ①旧日本海軍艦艇の艦容そのままの外形を保ちつつ、
 ②別に、メンタルモデルという人型の制御ユニットを持っている。{/netabare}
・このメンタルモデルは、{netabare}
 (1)「人間のような感情を持つことなど、兵器である自分には不要かつ異常である」と自己定義していたはずなのに、
 (2)人間ないし人間に感化された他のメンタルモデルとの接触によって次第に、「後悔」「恋慕」「憤怒」「愛惜」といった人間的な「感情」{/netabare}に目覚めていってしまう。
(※ここが本作の最大の注目点)

・これに対して、艦これの艦娘(かんむす)達は、
{netabare}その身にまとう艤装(ぎそう、船の装着物のこと)を別とすれば、最初から生身の人間と変わらない極めて豊かな喜怒哀楽の感情に溢れた存在{/netabare}として描かれている。
・ただし、艦娘たちは、
{netabare}あくまで「先の大戦当時に実在した軍艦の擬人化」であり、自身が軍艦であることを自明とする発言や行動をとっていて、なおかつ、先の大戦での個別エピソードに由来する悲劇的な運命を背負わされていること、{/netabare}がストーリーの端々(はしばし)から予感される描き方をされている。
(※ここがアルペジオとの最大の違い→アルペジオの艦は、{netabare}ただ単に日本海軍艦艇の外形を模倣しているのみであり、それとの内面的ないし運命的な繋がりは切断されている{/netabare})

・以上まとめると、『アルペジオ』も『艦これ』も、{netabare}
 ①先の大戦当時の日本海軍艦艇をモチーフとして、
 ②人間側ではなく、擬人化した艦側の《悲劇》を描き出す作品{/netabare}
と要約できると思いますが、
その描き出される{netabare}《悲劇》{/netabare}が
 ①『アルペジオ』の場合は、{netabare}艦(メンタルモデル)が人間的な感情に不可逆的に目覚めていく点{/netabare}にあるのに対して、
 ②『艦これ』の場合は、{netabare}艦(艦娘)が先の大戦でのエピソードを運命的に踏襲してしまう予感に満ちている点にある、{/netabare}
と考えます。

・このどちらに、より心惹かれるか(あるいは惹かれないか)、は個人の好みによると思いますが、私個人は現時点では、後者(艦これ)の側に、より強く心を惹かれています。

・いずれにせよ、1月末公開のアルペジオ劇場版総集編およびその後10月初めに公開予定の完全新作続編が楽しみです。


◆追記:続編映画の評価

(1)劇場版蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-DC   ★  4.0
(2)劇場版蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-Cadenza ★★ 4.5

※(1)は、約2/3がTV版の総集編、残り1/3(正味30分強)が新規の展開
※(2)は、フル新作で、TV版のコンセプトを引き継ぎつつ、この手の作品に求められる要件を十分に満たしてストーリーを完結させている。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 73

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

僕はストライク! マニアおすすめ!!

原作 漫画(2013年12月現在 既刊8巻) 未読

全12話

ジャンル:SF海洋アクションファンタジー


突如、世界各所に現れた、超兵器を搭載する“霧の艦隊”(正体不明の艦船群)と呼ばれるその軍艦群に人類は敗北を喫し、制海権を失う
“霧の艦隊”と戦えるのは、人類側についた“霧の艦隊”の潜水艦・イ401に乗る士官候補生の千早群像のみ。。。

霧の艦は、それぞれ自分の意思を持つ女性の姿(メンタルモデム)をしていて、
イコール艦艇のパーソナリティと言う設定。


“霧の艦隊”は、外観が第二次世界大戦時の艦艇を模しているので、海洋マニアにはたまりません。
だけど、中身は未来型なので現代の通常兵器では全く歯が立たない
そこで主人公が潜水艦のイオナ【イ401】の 艦長として霧と戦うんだけど、単艦で航行していく所が
自分の好きな漫画「沈黙の艦隊」によく似てるな~っと。

でも、あまりマニアックな専門用語が出てこないので、自分にはちょっと物足りなさを感じました。
もっと専門用語出てくれば、マニア心をくすぐられて、もっと良かったのにな~^^
でも、普通の人には、こっちの方がいいんだろうけどね。。。

話が進んでいくと、いろいろと突っ込み入れたくなる設定あったけど、海洋マニアな自分には、十分惹きつめられる魅力がありました。

それに、妙に納得できたのが
霧のメンタルモデルが皆 女性型なのは、「大抵の人類の言語で、艦船を指す場合に女性形で語られるから」って言う説明があったのでw
上手い事言うな~っと^^


キャラでは、ツンデレ タカオが好きかな ^^
一番 愛深き女性に感じました

それと「シャキーン」が可愛い 金髪ツインテール ハルナ

あと、コンゴウ役がユカナさんなんだけど、
「IS」のセシリアや「げんしけん」の大野さんの声のイメージが強いんですが、
コンゴウ役では、今までと全然ちがうキャラ声だったので、ちょっとビックリでした。^^;


映像綺麗だし、CGもそんなに違和感なかったです

OP&ED曲も良かった
特にOP曲、カッコいいですね!

原作がまだ続いていようなので、2期が見たいです!

海洋マニアや、「艦これ」が好きな人にはオススメです!


OP:「SAVIOR OF SONG」(第2話 - 第8話、第11話)
歌 - ナノ feat.MY FIRST STORY

ED:「ブルー・フィールド」(第2話 - 第4話、第6話 - 第8話)
   歌 - Trident(渕上舞、沼倉愛美、山村響)
  「Innocent Blue」(第5話、第9話)
   歌 - Trident(渕上舞、沼倉愛美、山村響)
  「Our Story」(第12話)
   歌・作詞 - ナノ


PS:面白かったので、原作漫画 購入しようか検討中です ^^;

投稿 : 2024/04/20
♥ : 87

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

うれしい~♪♪♪蒼き鋼のアルペジオ、映画化なのです♡♡♡♡♡

今日、お昼休みに何気なくネットを見てたら・・・・
蒼き鋼のアルペジオ、映画化決定のうれしいニュースが!
ヽ(≧▽≦)ノ ワーイ ウレシイナ♡

発表は6月29日とのことで、千葉・舞浜アンフィシアターで開かれたイベントで発表されたとのことです(イキタカッタナ~)。

映画は2015年に2回上映で、最初がアルス・ノヴァの総集編、2本目が新作とのことでした。でも、こちらは都会じゃないし、近所の映画館ではあまりアニメは上映されませんので、そのときは遠征するしかないですよね。p(*^-^*)q

第1回目の総集編ではオリジナルストーリーも少し入るようですので、とても楽しみです。早く来年、来ないかな~


【2013/12/30】
最初見たときは淡々としていて、後半こんなに盛り上がるとは思いませんでした。

ハルナとキリシマあたりから面白くなって、10話ではタカオが~~~で、涙、涙でした。最終回、コンゴウを説得するイオナ、荒れるコンゴウの場面ではゆかなの演技が圧倒していました。
作品的にもクオリティが高く、2期もぜひ作ってほしいです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 76

76.1 3 3DCGで未来なアニメランキング3位
楽園追放 -Expelled from Paradise-(アニメ映画)

2014年11月15日
★★★★☆ 4.0 (886)
4645人が棚に入れました
われわれはどこから来たのか われわれは何者か

われわれはどこへ行くのか――。

地球はナノハザードにより廃墟と化した。

その後の西暦2400年、大半の人類は知能だけの電脳世界ディーヴァに生きていた。

電脳世界に住む捜査官アンジェラは、

闘力を誇るスーツ・アーハンを身につけ地上に初めて降り立った。

そして地上調査員ディンゴと共に地上のサバイバルな世界に旅立った。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

重力では好奇心には勝てない

オーソドックスな王道SF作品。

人口爆発と資源問題、
地上はナノハザードにより廃墟と化した。
地上を捨てた大半の人類は、
電脳空間ディーヴァに移行し、
恒久の平和を手に入れる。
{netabare}そのディーヴァに地上からの不正アクセス。
目的正体不明のフロンティアセッター。
不安に駆られるサイバースペースの住人。{/netabare}
捜査官アンジェラは地上に降り立ち、
世界の謎に迫ろうとしている。

世界観の作り込みとシナリオが、
上手にまとまっていて好感が持てる。
大切なのは物語なのでしょう。

相反する2つの価値観、
{netabare}進化の次のステージに進むこと。
肉体の檻の中で生きていくこと。{/netabare}
管理され制限された精神世界と、
空腹に疲弊し、病気になる地上の重たい肉体。

そう言えば草薙少佐も、人が人足り得るのは、
好奇心あってこそだと言っていましたね。

銀河の果てまで、旅立とう。
勇敢なるその一歩が新しい歴史を作るのだ。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 66

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

3DCGの進化と可能性・・・でも結局はアンジェラタンの尻!

2014年11月公開のアニメ映画。
監督は水島精二氏、脚本は虚淵玄氏、
劇場用フル3DCGアニメーション。

もし、あなたがアニメ評論家ならば
本作は絶対に視聴しなければならない作品でしょうw
というのも「3DCGの進化と可能性」というのは
現在必ずと言ってもいい程アニメ評論の俎上に乗せられるホットトピックだからです。
従って3DCGアニメーションの「蒼き鋼のアルペジオ」や「シドニアの騎士」の
視聴もマストですw いや、アニメ評論家ならではですけどねw

2014年現在今まさにアニメ業界は大きな変革期を迎えており、
私たち視聴者はその渦中を目の当たりにしている最中なのかもしれません。
それだけ3DCGの進化は著しいということなのでしょう。

もし本作のあるべきレビューなるものが存在するならば、
本作に照らし合わせて3DCGの技術論を語っていくというものなのでしょうが、
無論私にそのような知識はございませんw
なので、ここでは水島精二監督の言葉を引用したいと思います。

「いままでの現場だと、リスク回避のため2Dのアニメーターが
レイアウトとラフモーションを作り、
それを元に3DCGアニメーターが作業をするという手法を取っていた。
しかし、それだと3DCGアニメーターの実力も分からないので、2Dアニメーターを介さず、
直接3DCGアニメーターに画づくりをしてもらうことを提案した」

また、水島精二監督は本作の制作を通して確かな手応えを感じたのか
このような言葉も残しています。

「キャラクターの表情や表現も向上していて、
 今回の制作を通じて、3DCGで萌えアニメが作れる確信を得た」

新時代の到来を期待せずにはいられないお言葉です。

これは3DCGが2Dを駆逐するということではなく、
水島精二監督も相補的な関係を望まれているようです。
両者が相互に刺激を与え合うことによって、
作業の効率化、優秀な人材の確保、
そしてより質の高い作品の提供という循環が理想的なのでしょうね。

さて、このような予備知識を得てしまうと視聴前のハードルというのは
かなり高めに設定されてしまいますが、製作陣もそれは望む所なのかもしれません。

というわけで簡単なあらすじを(知っている方は飛ばしてください)。

西暦2400年、地上は荒廃化している中、
人類の98%は肉体を捨て自らをデータ化し、
電脳世界「ディーヴァ」で豊かな生活を謳歌していた。
ある時「ディーヴァ」へ地上からハッキングを受けるという事件が起こり、
ディーヴァ捜査官アンジェラ(CV:釘宮理恵)は
生身の体(マテリアルボディ)を纏い地上へと降り立つ。
地上調査員ディンゴ(CV:三木眞一郎)と共に地上のどこかに身を潜めている
ハッカー「フロンティア・セッター」を追っていくという話です。

で、感想なんですけど、あらすじを読んでもらえば分かるように
どこかで聞いたことがあるような話ですし、
最後まで観ても特段語るようなことはございませんw 
飽きずに最後まで楽しめましたけど「まぁおもしろかったです」で感想は終了ですw

ストーリー自体は凡庸かもしれませんけど見所は結構あります。

ディンゴ役の三木眞一郎さんは物語シリーズで貝木泥舟役を演じておられますが、
非常に人間味溢れるところなんかは貝木泥舟に通じるものがありますw
そんなディンゴとアンジェラ(くぎゅうううううう)のやり取りなんて
ニヤニヤしながら観てましたw
「か、勘違いしないでよね。別にあんたのことを認めた訳じゃないんだからね!(赤面)」
こんな台詞は多分なかったような気がしますが、まぁくぎゅってましたねw

人間味溢れると言えば自我を持った人口知能(CV:神谷浩史)なんてのも居て、
この辺りは「翠星のガルガンティア」を彷彿とさせます。
テーマも似通ったところがありますね。

利便性を享受するも実質的には電脳世界の運営に支配されながら生きていくのと
不便性を伴いながらも自らの生き方を自分で決めることができる地上での生活とでは
どちらが真に豊かなのか?
あるいは合理性、効率性のみを追求する人間と
遊びの心を持ち合わせている人口知能とではどちらが人らしいのか?
とかそんなテーマを投げかけてはきますが、
私感としてはあくまでエンタメの範囲内です。
特に哲学的な重厚な作品という印象は受けませんでした。
製作陣もライトなSFということは意識されていたようですけど、
その通りの作りになっていると思います。気軽に観れると思いますよ。

そしてやはり本作の注目ポイントはセルルックのフル3DCGアニメーション映画ということで、
キャラの表情などがどれだけ自然な出来なのかということになりますが、
これはかなり高いレベルで仕上がっていると思います。
前知識なしで視聴すればもしかしたら3DCGということに気付かないレベル
・・・というのは流石に言い過ぎかもですが、私がブヒるには十分でしたw
それでも気になる箇所というのは存在しましたし、
激情だったり鬼気迫る表情ということで言えば線がちょっと軽いですね。
「キルラキル」なんかは情念のこもったGペンタッチの線で迫力満点だったのですが、
まぁそれは極端な例とはいえ、あっさりし過ぎて迫力不足な点は否めませんでした。

戦闘シーンも爆発だったり構図やアングルはさすがに3DCGという出来なのですが、
建物が若干ジオラマっぽいなとか細かい所を観ていけば
まだまだ課題は残っているのかもしれませんね。

しかし、一番の見所はアンジェラタンの揺れる乳に、尻!尻!尻!尻!(尻の4カード)ですw
真面目なテーマを扱っているだけにこういう露骨なサービスカットが
必要なのかどうかは疑問符がつくところなんですが、
これも技術の進化を示す為には必要なことなのかもしれませんw

長々とした文章になってしまいましたが、
私が本作で最も印象に残っているのは結局「アンジェラタンの尻」ですw

とはいえ、「3DCGの進化と可能性」という観点で言えば
後々まで語られるであろうエポックメーキングな作品ということになるでしょう。
もしかしたら本作を劇場で観たという歴史の証人になれるチャンスかもしれませんよw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 64

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

色々な意味で魅力的なヒロイン

陳腐な表現だけど、すごいアニメを観ました。
これこそ、次世代アニメっていう奴?
専門的なことはわからないけど、CGが動くこと動くこと。
そして、メッセージ性が強烈で、シンプルなストーリー。
さらに、ヒロインアンジェラの露出度の高い臀部・・・
思う存分、楽しませてもらいました。

ヒロインの声が釘宮理恵さんということで、視聴を決定。
ツンモードのヒロインはまさに適役ですね。
その上、ややロリ容姿とナイスボディーに露出度の高いコスチューム。
私、ヒロインにメロメロになりました。
また、主人公ディンゴの声が良いですね。
三木さんの落ち着いた柔らかい声。
声に確固たる自信が満ち満ちています。
こちらはちょっとだけメロッとなりました。

内容と言えば、近未来にありそうなリアル物語。
人間の本当の幸福とは?を考えさせてくれます。
ヒロインが最終的に見せた、
使命感に満ちた表情、鬼気迫る真剣な表情、それにバカ話に笑い転げる表情が、
その答えでしょう。

釘宮さんの声がきっかけだったとは言え、収穫の多い作品でした。
こんなアニメ映画がもっと増えればいいですね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 43

71.5 4 3DCGで未来なアニメランキング4位
正解するカド(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (572)
2456人が棚に入れました
羽田空港上空に突如、正体不明の巨大な立方体が出現する。そこに出発予定だった飛行機が取り込まれてしまう。偶然その飛行機に乗りあわせていた外務省の外交官が、立方体の中でヤハクイザシュクナと呼ばれる正体不明の人?と出会い、日本政府と交渉をはじめるが、、、。

スタッフとして作家・野崎まど、アニメ演出家・村田和也、イラストレーター・有坂あこ、そして『楽園追放』のプロデューサーである野口光一の名前が並んでいる。

声優・キャラクター
三浦祥朗、寺島拓篤、M・A・O、斉藤壮馬、赤羽根健治、伊藤静、釘宮理恵、中博史、斎藤志郎、菊池正美、桐本拓哉、菅沼久義、阪口大助、後藤哲夫、小山剛志、半田裕典、甲斐田裕子、白石涼子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

真の道(正解)を見つけた、異方と人類

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
近年観ることがめっきり減った、本格派のSF作品。しかも、アニオリ作品のため、リアルタイム視聴ならネタバレがなく、かなり楽しめました。絵はCGの利点がよく活かされ、かなり綺麗な出来に。ストーリーは重厚で、様々なことを考えさせられます。

色々賛否あるでしょうが、私はわりと好きでした。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ヤハクイザシュニナ(異方存在)が求めた、「処理しきれないだけの情報」とはつまり、「主観」だったのかな、と。異方存在はどこまでも客観的で、人類は結局主観的です。主観とは、心であり感情であり経験です。ヤハクイザシュニナも、最後は「愛(主観)」を手に入れていました。

異方が去り、人類にもたらされたものは全てリセットされた、ではなくて、「進化へのモチベーション」が残ったというのは、かなり面白い結末だったと思います。

さて、作品全体を振り返ると、1話目~8話目までは、多分、シリアス好き、SF好きなら多くの人が賞賛する展開でしょう。9話目を境に評価が分かれるかと。もっとも、否定的な意見が多数派のようですが。

私は後半も楽しく観られました。色々言いたいことは分かりますし、私も、序盤~中盤の方が楽しめたのは事実です。でもじゃあ、「他にどんなラストにするの?」と問われればこれ以上は思い付かないし、「それとも、最後話まで異方の目的などには触れず、ただただ人類のリアルを描いていれば良かったか」と言われれば、それはそれで批判されていたでしょうし(オチなしで)。

序盤~中盤は、人類の愚かさというか、ありのままを描いていました。実際にワムが提供されたら、世界はどうなるのかな? という想像をさせてくれました。めっちゃ良かったです。ただ、あくまでそれは演出の1つであって、作品の本筋ではありません。作品を作品として完結させるとき、9話目以降の展開も必要だったと思います。そして、おそらく作者が描きたいのも、本当は9話目以降だったはず。

つまりはまあ、前座(社会検証)が大トリ(SF)を食ってしまい、爆笑をかっさらった故の悲劇という感じですかね。これは、前座の芸を素直に誉めるべきであって、大トリを貶めるのは、ちと可哀想かなという気もします。

ただ、ひとつだけ不満を言わせてもらえれば、「それでもやっぱり真道は死ななくて良かったのでは?」ということです。だって、サイヤ人理論(地球人との混血により強くなる)により、ヤハクイザシュニナを圧倒した真道幸花がいれば、力ずくで異方を排除できただろうし、彼女の存在だけで、「ヤハクイザシュニナをビックリさせる」という目的は充分に達成できただろうから、死ぬ意味はないです。(安っぽくはなるけど)瀕死か、幸花によって復活しても良かった気もします。

もし、真道が死ぬことに価値を見いだすのであれば、それは、ヤハクイザシュニナ(友達)に「愛」や「悲しみ」(感情)を教えるということだと思います。であるならば、例えば、「真道の死によって感情(人類の力・主観)を得たヤハクイザシュニナは、異方存在より更に高次元の存在へと進化し、自らが新たな特異点となったため、人類を異方に連れ去る必要がなくなり、地球が救われた(ヤハクイザシュニナは異方に帰った)」とかの方が納得がいきます。

やはり、真道が死ぬメリットは少なく、ただ、「なんか作品のラストを芸術的(悲劇的・印象的)にしたい」という、制作の意図によって殺されたのではないかなと、そんな邪推をしてしまいます。ラストの展開は概ね好きでしたが、その一点だけ、気になりました(交渉官なんだから、交渉で解決してほしいという思いもありましたし)。

私は、アニメであっても、人が死ぬのは嫌いです。そして、もし死ぬのなら、「意味のある死」を与えてあげて欲しいな、と思っています。

まあ、結果、今一番記憶に残っているのは、栗Tシャツだったりはするのですが(笑) なにげに、萌え要素も高い、謎の良アニメでしたねw
{/netabare}

【余談 ~真道とは、真の道。道の文化論~】
{netabare}
「我々(人類も宇宙も異方ですら)は、皆、途中(発展途上)」というのは、この作品の大きなテーマですね。

昔、文化論を研究している教授の講義で聞きましたが、これは、剣道を含めた、「道」(柔道・弓道・華道・茶道など)の文化と共通しています。

武道など、「道」の精神性の特徴は、「自分はいつまでも、未熟者」「常に道中にある」「完成はない」という部分にあり、それが、日本人の謙虚さや向上心、他の文化から学ぼうという寛容さの根元になっている、という趣旨の講義でした。

「真道」という名字は、そういう意味で、「自分を途中だと思うことが、真の正解」だということを暗に言っているのかもしれませんね。

そして、そんな日本人の精神性に無意識に惹かれたからこそ、ヤハクイザシュニナは、日本にカドを出現させたのかもしれませんね。
{/netabare}

【各話感想(アニオリのため、ここも本論)】
{netabare}
1話目
{netabare}
人物にはやや違和感があるものの、「カド」の感じを出すにはCGは良いでしょうね。政治家のスピーディー且つ良心的で適切な行動に、違和感w カドの角の上に立つの、超怖そうw 首相のキャラデザ、小渕さんっぽくない?
{/netabare}

2話目
{netabare}
超科学と、まともな交渉ができるだろうか。人質をとったのは、意図的なのか、偶然を活かしただけなのか。海外の国(特にアメリカ)との調整に、えらい手間取りそう。カドに触った瞬間に生体情報を読み取られ、それに類似した個体を精製、とかそんな感じ? なんか、「ライディーン」って感じ?
{/netabare}

3話目
{netabare}
ハルヒなら喜びそうな展開だな。自然現象を相手にするとは、うまい表現だな。ある程度共通する概念や価値観がないと、交渉は難しい。心の安定、確かに日本は最低生活水準が高いし、良くも悪くも画一的で良心的な考え方をする人が多いとは思う。なんか、「ただより高いものはない」展開になりそう。
{/netabare}

4話目
{netabare}
まあ、アメリカ含め、中東もロシアも中国も、絶対に黙っていないよね。使いすぎれば毒、ね。飛行機の中に1ヶ月は、気が狂うな。いくら国連でも、ここまでスピーディーに制裁決議できるかね。世界に落とす爆弾……次が気になりますね。
{/netabare}

5話目
{netabare}
何の制裁? という疑問を抱くような展開にし、世界の仕組みの理不尽さを表現している。マッドサイエンティストはSFでの必須ですな。道具はただの道具、問題は使う側。人類皆で考える。とことん綺麗事と正論の積み重ね。これは、爆弾だな~。ワムの拡散により、価値のあるものを無価値にする。需要に対して供給過多になれば価値は暴落するわけですから、資本主義を逆手にとったわけですね。ただ問題は、「ワムの供給が無限である」という根拠ですね。例えばワムの存在が前提になった上で全てのインフラを整えても、ワム依存になるだけで、ヤハクィザシュナが、「ワム没シュート♪」って言ったら、全ての秩序が再度壊れるわけで。人類がどこまで異方に依存し裏切られるか? なんて展開にならなければ良いけど。
{/netabare}

6話目
{netabare}
今回は正直微妙。カドの移動にたくさん尺を使ったけど、映像美はもう分かったからという感じ。それに、あの移動方法は、「カドの一部は接地」という条件で、私でもすぐに思い付いたけど、それをヤハクイザシュ二ナが即座に提案しないことに、違和感を感じた。カド接地時にドーンとしてたけど、カドって、質量あるのかな? 眠らない人間か。なんか、ヤハクィザシュ二ナの目的って、人類を異邦存在に作り替えることかな? 新堂母の「寂しくないのかな」が伏線になって。
{/netabare}

6.5話目(ちょっと考察)
{netabare}
総集編をやること自体は、決して褒められたことではないけれど、こういう「アニオリ」で「謎解き(考察)」の要素が強い作品なら一定の価値があるかも(最近なら、「けものフレンズ」とか、そういうアニメ)。基本的に、「総集編に残す」ということは、「今後の展開に関わる」重要なシーンだという確率が高いし、今になって気づけることも多い。例えば、ワム初登場時にヤハクィザシュニナが、「これは異方から電力を取り出す装置だ」と説明した時、他の人はポカーンとしているなか、品輪博士だけがノータイムで、「それってヤバくないですか!?」と反応できてることは、彼女の有能さを物語っている。細かいとこを観られるのは、「こういうアニメなら」良いよね。

次週予告、「私達」には、異方も含まれるのかな? 「カドケーキ」(笑)
{/netabare}

7話目
{netabare}
眠れない、でなくて、眠らないこともできる、ならホントにデメリットが少ないな。少なくとも、経済活動は盛んになるね。多次元世界? そこに干渉できるのが異方なの? だとすれば、寝てるだけの人生の自分もいるということ? 発展と幸福。これに関しては、「世界一貧しい大統領」として有名な、ウルグアイの「ホセ・ムヒカ」元大統領の演説が有名ですね♪ 多分、皆が不安なのは、異方側のメリットが示されていないからですね。まあ、根本的な概念が違いすぎるから、メリットデメリットで動くとは限らないけれど、やはり、人間って自分の尺度でしか相手をはかれないから。
{/netabare}

8話目
{netabare}
報道の自由と責任。最後は個人の判断。まあ、正論と言えば正論だけど、それは例えば、「リスクを説明すれば、危険ドラッグを流通させても良い。後は使う人の自己責任でしょ」と言っていることにはならないでしょうか、極論を言えば。そもそも、サンサンの効果やリスクは、異方側の一方的な説明と、たった3人の感覚というだけのもので、何の検証もされてないのに、「個人の判断」に委ねて良いのだろうか。判断の為の材料は本当に提示できているのだろうか。

テレビ番組風の構成はおもしろい。ちょっとだけ、「呪いのビデオ」感が出ていて、リアル視聴者の我々にも「番組を観ない」という選択肢が提示されているようだった。でも、生放送って、途中(サンサ登場)から見始めた人に対しては、どう責任をとるのだろう?

ヤハクィザシュニナから提示される四つ目は何かな? 「話さなくて良い」かな? 「真道と話したい」という、ヤハクィザシュニナの怪しい表情からも、ニュータイプ的な能力(テレパシー・相互理解)とみたw

もしかしたら、次回予告の「お前は神なのか?」から、生命創造的なこと、例えば「不老不死」「記憶を保有したままの転生」「クローン体の複製(と記憶の共有)」なんかかもしれないけれど、そうすると、サンサ(睡眠不要)の価値が薄れるから、それは無いかな。サンサはあくまで、「人間の時間が有限である」という視点に立った時にメリットがあるわけで、そこが無限にあるのなら、必要のない技術なわけだからね。

しっかし、栗Tシャツは笑えたし、萌えたw かなり硬派なSFをやっているのに、隙間隙間に萌えをぶち込んでくるのが良いですね♪
{/netabare}

9話目
{netabare}
違った~w 質量制御、ね。まあでも、こうやって、予想して発信し、外れるのもまた、アニオリ作品の適時レビューの楽しみ(笑) ここで初めて、異方側のメリットが提示されましたね。なんか少し安心したような、がっかりしたような。底が見えたというか。え~、超展開(汗) なんか急にファンタジーというか、安っぽくなったな。つまりはまあ、異方存在はSimCityで遊んでたわけですね、オートモードにして。
{/netabare}

10話目
{netabare}
前半のバトル&説明は、あんなにいらないな~。沙羅花が、「人類の母」的なポジションじゃなく、「人類のファン」というポジションなのは、なかなかに新しく、良い設定だった。沙羅花が、あざとく萌えさせにくるw 真道VS真道、になりそうな展開。これ、ヤハクイザシュニナが、デレるかどうかになりそうだな。
{/netabare}

11話目
{netabare}
なぜ品輪博士の拉致を、わざわざヤハクイザシュニナの前でやったのかな? ヤハクイザシュニナが、だんたん真道にデレてきたなw あれ? 私は「月がきれい」を観てたんだっけ?(笑) この短期間で、人造フレゴニクスだと? 人類の凄さと怖さですね。交渉の基本は、相手に得をさせること。ヤハクイザシュニナをびっくりさせてやる、という真道の視点は温かくて良いね!
{/netabare}

12話目
{netabare}
つまり、異方とは客観であり、人類とは主観である、ということかな。ヤハクイザシュニナが、デレてる(BL)w まあ、通用しないでしょうね、品輪博士の拉致を、ヤハクイザシュニナが笑って見てたから。人造フレゴニクス以上の手段を用意しているとは思ったけど、なかなかに面白い展開だった。サイヤ人の理論ですねw なるほど、異方が残したもの、人類の進化のモチベーションだね。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 57
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最終話 結局、正解はなんだったんだ?

今期のオリジナルでは一番期待している作品。映画や海外ドラマとまでは言わないが、つづきが気になるものを作ってほしい。


第1話 交渉する話かな
{netabare}
だれが主人公かわからなかったけど、たぶん、飛行機に乗っていた外務省の男だろう。凄腕の交渉官という設定なので、謎の存在と交渉して、地球を救うみたいな話かな。

”カド”は、立方体の名前らしい。このカドが謎の中心になるんだろう。このなかから人らしき者が出てきたときは、ちょっと冷めた。ありふれている感じがした。

作画は全部CGかな。キャラの動きが不自然なのであまり好きではないけど、ストーリーがメインなので気にしない。

いろいろ予想したくなるけど、材料が乏しい。気になるのはタイトル。交渉官が正解を出すならわかるけど、カドになっているのが謎。

少ないデータを頼りに予想してみた。
ネゴシエイターみたいな、かけひきがストーリーのメインになる。カドは地球を滅ぼす存在。これはありそう。人工知能のようなもので、地球についてわからないことを交渉官に尋ねてくる。カドが正解、つまり、地球を滅ぼさずに済むと結論づけるまでの話……第1話を見たところでは、こんなところ。
{/netabare}

第2話 過度な期待を持たなほうが正解かも
{netabare}
期待はしてもいいが、過度な期待はしないほうがいいかも。楽園追放を見てから考えを改めた。作画技術は上がっているけど、ストーリーは後退している気がした。

気になった点を挙げてみる。
まず、カド。ヤハクィザシュニナのような名称でないのは不自然。例えば、クワードゥみたいな感じ。立方体の概念がなかった時代にも出現して、カド(角)と呼ばれたとか。
ただ、人類の進化や文明の発展に寄与したみたいな設定はありふれているので、やめてほしい。

それから、カドにはコピー機能がある。真道が機内から出てきてヤハクィザシュニナが現れたから、真道に関係ある人物と似ている可能性はある。
真道が頭を抱えていたシーンは、大量の情報を頭に叩き込まれたか、もしくはその逆かな。

問題は謎の部分。たぶん、明らかになるのは終盤。真道はカドがなにをするのかわかっている節がある。真道が主人公だと、アンフェアな気もする。かけひきを主軸にするなら、謎は序盤で明らかにしたほうが面白くなると思う。
{/netabare}

第3話 つづきが気にならない
{netabare}
早く次回が見たい気持ちにならない。緊迫感がないせいかな。謎で固めすぎてるのもある。謎の真相→アニメの評価になるので、よっぽど面白い展開を用意してなければ、また低評価のオリジナルアニメになるだろう。

高次元(正確には違うが)の物って、人類では理解不能だと思う。理解できる物が出てきたのが不自然。ほかのアニメでも、ときどき、高次元って言葉が出てくるが、流行っているのか?
あのタマタマを巡って各国が争いながら、正しい使い道(正解)を導き出すっていう展開は、ありふれているかな。
そもそも正解を出すのが人類なら、カド=人類ってことになる。
{/netabare}

第4話 すごいぞ日本みたいになるのか?
{netabare}
各国が欲しがるタマタマを、日本が退けていく展開になるのかな、って思った。そこそこ面白いけど、進むのが遅いので、あきてしまいそう。

気になった点がひとつ。
タマタマを国連の管理下に置こうと各国が考えるのがおかしい。得たいの知れないカドから出てきたものを、なぜ便利な物として捉えてしまうのか。これでは登場人物たちがカドを信用していることになり、設定が矛盾してしまう。

「とりあえず、日本に置いててよ」となるのが正しいと思う。さらに、日本から出さないように厳戒態勢を敷く。使用してみて、日本が無事だったら、うちらも使ってみるかって、なるんじゃない。
カドが得体のしれない物であることを、もう少しきちんと描くべきだと思う。
{/netabare}

第5話 正解するかどうかの話ではない気がする
{netabare}
人類はワムを正しく利用できるか、それとも……みたいなアニメになってるけど、違う気がしてならない。理由は、アニメにするほどの内容ではないから。ワムをうまく使えるかそうでないかの結末で、面白いとは思えない。だから、ワムはブラフか伏線の気がする。

あと気になるのは、主役は交渉官なのに、ほとんど交渉していない。ヤハクは難題を出してはくるけど、交渉とは違う。

予想してみたいけど、データが少ない。品輪彼方(cvが釘宮さんのキャラ)のところに運んだのは、ただの鉄の玉なんだろう。それが簡単にワムになることをつきとめたのかな。総理に見せたのはその逆で、鉄の玉に戻るところ。

注目点はワムではなくカドだと思う。タイトルにもなってるから。カドは無線LANの親機みたいなもので、カドがあるから人類も異方とつながる、とか。
{/netabare}

第6話 眠くなった
{netabare}
カドを転がすだけの話。あんな単調なシーンを見せられたら眠くなるわ。
最後のセリフのとき、「寝てたよ」と突っ込みたくなった。

CG技術は上がってるけど、それを見せるばかりで、ストーリーがおろそかになってないだろうか。
キャラ同士のからみがあって、感動作や傑作は生まれると思う。このアニメは謎(カドやワム)に重きを置きすぎている。ラストで驚かせるのだろうが、それまでの過程をもう少し工夫するとか、キャラ同士のからみをもっと増やしたほうがいい。
{/netabare}

第7話 ひも理論かな?
{netabare}
今回見てて浮かんだのは、ひも理論。詳しくは知らない。
世界は10次元以上でできていて、我々がいる次元からは他の次元は認識できない。紙を広げると2次元だけど、丸めると3次元になるように、形を変えることで他の次元を認識できるとか、そんな感じでいいのかな(適当)。
人間が認識できない次元を認識させていく、そんなアニメかなって思った。

あとは、唯一?のヒロインのごくわずかな色っぽいシーンがあったくらい。さほどストーリーは進んでいない。取材班が来なくても、結局、映像で見せるしかないだろって、突っ込んだ。
{/netabare}

第8話 タイトルがオチ?
{netabare}
沙羅花のファッションセンスは人類のものではないね。きっと沙羅花は異方からきたんだよ(笑)。
すでに異方存在が紛れているという展開もありかなって、沙羅花の服を見ながら思った。

タイトルがオチになってそうな気はする。人類に正解を出させているのに、タイトルはカド。人類=カドだとすると、カドが人類を集約した物体になるのか。それも変な気がするなあ……。
{/netabare}

第9話 予想通り(笑)
{netabare}
やっぱり沙羅花のファッションセンスは人類のものではなかった。感性の違いをあのTシャツで示したんだろう。わかりにくい伏線だった。

宇宙の初期設定(だったかな?)あたりの説明をしているときは、SF風でよかった。目的が情報集めなのはイマイチ。ネットの時代に考えつきそうなオチだった。人工知能を搭載した宇宙船でも飛ばしておけば情報を集められそう。

硬派なSFアニメと見ていたけど、沙羅花が変身して突っ込んで、低次元なバトルアニメになりそう。沙羅花は人類の生活に感化された、みたいな展開なんだろうけどベタすぎる。人類を利用してなにかを集めるというのも、某魔法少女アニメのほうがいい。
{/netabare}

第10話 トワノサキワ'とは?
{netabare}
冒頭部分の説明。
まず、I-年は、インフレーションのIかな。ビッグバンのまえだから、描きようがない。
そのあと、暗くなってから光るのがビッグバン。
ビッグバンから38万年後に”宇宙の晴れ上がり”。
7億年後に最初の銀河ができて、92億年後に太陽系ができる。98億年後の特異点は生命のことかな。
以上、ネットで調べただけなので正確かわからない。

『トワノサキワ'』は、異方存在の便宜上の名前のように思えた。
ビッグバンになるまで、”ワ”と”キ”しかいない。"ワ"は、沙羅花で、"キ"は、ザシュニナか?
よく見ると、菱形と輪っからしきものがある。指輪をはめていたところからも"ワ"が沙羅花だろう。
"ワ"と"キ"が、自他を意識するみたいな会話があり、六つの物体が突入?していく。これが『トワノサキワ'』か?
解析したところで、それがなに、って感じなんだけど。

沙羅花は魔法少女なのか。変身が解けたら裸になるなんて、だんだんひどくなっていく、このアニメ。
真道がいなくなって、ザシュニナが寂しいみたいになっていたような……。
沙羅花の指輪が異方との境界で、ザシュニナはカド。そうなると、正解するのは、ザシュニナの可能性もある。
あと、カドは変形するような気がする。
{/netabare}

第11話 視聴者を驚かせてほしい
{netabare}
カドが巨大化するのは許容範囲だろう。もう少し驚かせてほしかった。
沙羅花が魔法少女になるまでは面白かった。まだ総評には早いけど……。
なぜバトル展開にしたのか、いまだに疑問。

物理学者の品輪彼方だけは進んで異方に行きそう。名前からしてそんな感じもするし。
あとは、タイトルの意味がどういうオチなのか、それが楽しみではある。
{/netabare}

最終話 結局、正解はなんだったんだ?
{netabare}
驚いたけど、めちゃくちゃ。
下町の工場で作ってくれたものはなんだったんだ。こっそり子作りしてそっちが正解なんて……。
異方の力が遺伝されるのもご都合主義と言いたくなる。
沙羅花が魔法少女になった時点で、なんでもありだったから、面白い一発芸を見たって感じ。

タイトルについて考えてみる。
英語では、KADO: The Right Answerとなっている。訳すと、カド:正解となる。カドが正解を出すとはなっていない。
:の記号を=と考えれば、カド=正解。カドの目的が正解と取れなくもない。つまり、人類を異方に連れて行くこと。これがタイトルの意味と解釈して、モヤッとした気分を解消した。どうせなら星界のカドってするほうがかっこよかった。


総評
沙羅花が魔法少女になるまではSFしててよかった。それ以降はアニメらしい展開。つまらないというより、もったいない。せっかくの設定を生かせなかった。
沙羅花は異方のものに異を唱えていたから、人類としては異質な存在になっていた。それを異方存在にしたために、普通になってしまった。人類だからこそ、変なTシャツを着ていて面白かったんだと思う。

伏線を張っていないので驚かせても一発芸で終わり、印象に残らない。最初からもう一度見るという気持ちにもなれない。第3話で沙羅花が子作りを考えていた伏線があったら、評価は変わっただろう。アニメが始まった時点で結末を考えていなかった、そんな気すらした。

視聴者を驚かせはしたが、楽しませるという点では正解は出せなかったと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この名作なりうる雰囲気を堪能せよ。。。(!)

敢えてコメントはネタバレで隠します。
でも是非観てほしい作品。感想お待ちしております。

{netabare} いわゆるズッコケ作品です!!すごいよこの終盤のギャップ!!
序盤、OP、ED超合格点。 終盤残念。。

最後まで観て。
まずは是非2期又は劇場版の終結でやって欲しかったと思います。
1期で終わらせるのに強引な感じが見えました。
いろいろあると思いますがオリジナルアニメだし2期構成なら、じっくりとまた、違う結末を迎えたのではないでしょうか。。。

後半のザシュニアは人間の感情を出しているところに違和感。
最後まで興味がない表情で行くほうがザシュニアらしいのでは。
あとは後半の"いきなり"尽くし。
沙羅花が異方であることもいきなり
異方対決もいきなり
真道が亡くなるのは理解できるけど、
切り札の娘もいきなり登場
そしてあっという間にザシュニアとやっつけちゃいました。
序盤の物語のスピードは非常に観てて心地よかったですが
後半は猛スピード!
設定世界の中ですが、ここまで世界を巻き込んでおいて
なかったことにもできるわけないでしょう
全て話数の足りなさから生じていると思いたいです。。。。。

以下、序盤レビュー


あらすじは述べません。
1話目からのインパクト。4話まで来てもとても良い流れです。
0話も見ごたえアリ。
ここまできて、このアニメかなり期待値高いです。
他に類似なく、先が気になるアニメ。
1クールでも、是非素晴らしい完結を期待します。
久しぶり「名作の予感」 裏切らないで欲しいです。


ひきつづき毎週楽しみに観ていますが、心配点。
6.5話の前半の振返り。 {netabare}こんなことやってて収束できるのかなぁ{/netabare}
7話「サンサ」。{netabare}また大きな風呂敷。回収できるのかなぁ{/netabare}
でも、久しぶり「名作の予感」は引き続き感じております。
 裏切らないで欲しいです。
「ヤハクィザシュニナ」「ノヴォ」「ワム」「ロトワ」「ナノカ」「テトロク」「エクワリ」「サンサ」
言葉の関連はあるのでしょうか。最後に判るかな。{/netabare} {/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 55

68.8 5 3DCGで未来なアニメランキング5位
ID-0(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (264)
1033人が棚に入れました
Iマシン―― それは極限環境での作業を行う大型ロボットの総称である。
連盟アカデミー学生のミクリ・マヤはIマシンを使用中に事故に巻き込まれるが、
Iマシンに乗り海賊同然のオリハルト掘削を行うエスカベイト社の宇宙船に助けられ、
その一員として働かされるはめになる……。
かつて『無限のリヴァイアス』『スクライド』を生み出した
『コードギアス 反逆のルルーシュ』の谷口悟朗監督と、
『機動戦士ガンダム00』の脚本・黒田洋介が再びタッグを組んだ『ID-0』は、
深宇宙の彼方を舞台にした、かつてないロボットアクションだ。
 アニメーションキャラクター原案は『LAST EXILE』の村田蓮爾、
メカニックキャラクターデザインは『機動戦士ガンダム00』の海老川兼武が手がける。
制作はセルルック3DCGの表現で高い評価を得るサンジゲン。
フル3DCGで表現される、キャラクターとIマシンの魅力、
誰も見たことのない深宇宙のスペクタクルな風景は本作の見どころだ。
 一癖も二癖もあるメンバーの中で過ごしながら、マヤは“人間”とは何かを知っていくことになる。

ー失くした記憶に潜むのは、希望か絶望かー

声優・キャラクター
興津和幸、津田美波、松風雅也、大原さやか、小山力也、金元寿子、小澤亜李、皆川純子、上田麗奈
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シドニア以来の本格的なSFを期待してましたが……

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
う~ん、評価が難しいです(すごく好きで楽しめたけど、なんか、こう惜しいというか)。

私はこのアニメのレビュータイトルを、途中までは「本格SFをライトな作風で」としていました。その頃(7話目くらいまで)は評価を4にしていて、その後、下げてしまいました(その時点でサンキュー下さった方、申し訳ありません)。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
エバートランサーやIマシンといった設定は面白く、また、SFにつきもので、もはや説明すらいらないような「ワープ」を「ミゲルジャンプ」と呼称し、それが「武器」「運輸」など様々なことに応用され、「経済」を支えているという設定は素晴らしいです。正に、「世界を創造」しているなと感心しました。これだけいろんな事柄をカチっとリンクさせ、しかもそれを説明臭くならないよう、エンタメの中で魅せられる手腕には脱帽していました。本当に、力があるスタッフが集まったのだな~と。

……だからこそ、終盤のドタバタには残念さを感じてしまいました。

SFアニメにおいて、大きな展開で始めて、小さな展開に落ち着いてしまうのはどうも苦手です。

イド(主人公)の正体、は確かに作品のストーリー上の縦軸で、それが宇宙の謎や危機と繋がっているのは王道なんですが、なんかこう、ケイン有栖川の部分に踏み込んでから(8話以降)は人間ドラマになってしまい、それをこんな本格的なSFを背景で行うのはもったいないと感じました。

イドの正体とか過去の贖罪とかよりも、普通に「格好良い宇宙海賊が世界を救う」というエンタメの方が観たかったかなと。そのぐらい、キャラが良かったとも言えます(リックとか特に)。

終盤は特に駆け足で、いったい、何がどう解決したのやら。

最終的に頭に残っているのは、子安さんの「怪演」っぷり(まあ、私の中で子安さんと言えば、ガンダムWのゼクスなんで、もっと落ち着いた格好良いイメージなんすけどw)と、謎の「ソーラン節」なんですよね(汗) もっとも、各所で話題沸騰、主に不評のソーラン節ですが、超個人的には好きでした。というのも、なんか「ターンAガンダム」を思い出したので、違和感が少なかったからだろうと思います。男の作業というか、なんか「太古感」「壮大さ」「芸術的センス」は感じましたよ。ただ、「色々ぶち壊し」という意見は理解できるし、客観的に観ればそうだよな~と共感できます。あれは、素晴らしいED(やはり影山さんはレベルが違う)とのギャップが悪い方に出たんだな、と。

とにかく、このアニメ、惜しむべきは一期の尺しかなかったということですね。この優秀なスタッフならば、あと12話あれば、各キャラの背景を更に掘り下げつつ、設定や世界観をカッチリ説明し、イドの人間ドラマと世界の危機を、もっとドラマチックに演出出来たはず。多分このアニメ。制作が表現したいことの半分も出しきれなかったのかな、でも我慢して、プロ集団らしく、きちんと完結までもっていったのかな、と、そう思います。

う~ん、名作の予感は感じてたんだけどな~……。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
{netabare}
ご丁寧に、世界観の説明から。最終的には、宇宙の神秘とか人類の存続の危機に立ち向かいそう。深みありそうなSF設定にライトな作風、テンポも良いし。なかなか期待できるな。途中のクイズは笑えた、銀河英雄伝説パロw Cパートにサービスシーンあり。
{/netabare}

2話目
{netabare}
これ、エスカベイト社の面々、実際の身体を失っている感じなんですね。気になるのは、MTSし、iマシンが壊れた時、その間の恐怖の記憶が「失われる」というもの。失われた記憶はどこへいくのか。ひょっとすると、それが純粋な記憶の塊になり、宇宙を漂い、どこかに蓄積され……とかね。途中に見えた記憶が、イドのものなのか、オリハルトに蓄積された誰かの記憶なのか。やはり、クイズは面白いw
{/netabare}

3話目
{netabare}
あれ? 世紀の迷作「コメットルシファー」的な展開ですか(笑)? ボブソンジャンプ連発ですねw ずいぶんペラペラと説明してくれる親切な敵キャラw あの隕石群を操ってるのはあのネコミミ少女だろうね。今回はエヴァパロで〆w
{/netabare}

4話目
{netabare}
お~、物理シールド、逆に新しいw 中尉さん、完全に仲間になる流れだ~(もしくは軍に戻って間接的に協力するか)。それぞれの能力を最大限に活かしてのチームワーク、胸熱だね。Cパート、団体芸w
{/netabare}

5話目
{netabare}
たまにある、ちょっとしたサービスシーンはなんだろう(笑) イド、格好良いな(他にも知りたがってる奴がのクダリ)♪ なんか、リック、最後はアマンザを守って逝くのかなぁ、スレッガーのように……。人間だから出来ること、Iマシンだから出来ること。Cパート、グレイマン可愛いなw クイズはシュール系w
{/netabare}

6話目
{netabare}
なんか、あんまり人間ドラマにはもっていってほしくないというか、世界を狭めてほしくないな。と、思ってたが、イドの過去とセカイのヒミツが良い感じに交わりそうだね!
{/netabare}

7話目
{netabare}
リックの格好良さが際立っていましたね。なんか、謎の真相に触れた感じ。大きい要素(SF)と、小さい要素(仲間との絆)を同時に深めていく、良いアニメを展開ですね。
{/netabare}

8話目
{netabare}
戦闘シーンもなかなか面白かったです♪ 裏切り、あるのかな?
{/netabare}

9話目
{netabare}
なんか、人間ドラマになってきたな。あまり世界を小さくしてほしくないんだけどな。同じエバートランサーでも、事情は四者四様ですね。
{/netabare}

以下、書いたのに、保存前に消しちゃった(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 35
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正解するイド

4話までの感想
{netabare}最初はダイバージェンスイヴみたいに難しい話なのかな?と思ったらそうでもないみたいでひと安心。
そして見続けること第三話でちと違和感が。
なし崩し的にマヤは海賊に協力することになってしまったけど、3話目にしてナビ?役をやってて馴染むのが早すぎのような?
もしこれが枠を4クール取っていたら、マヤは軍に保護されるのを目論んで海賊たちを裏切ろうとするエピソードを入れたハズ。
う~ん、けど他に描きたいネタは山積みみたいだし、そっちを優先させて泣く泣くカットしたんだろうなぁ…と思うとマイナスポイントにしてしまう気にはなれない。
と思ってたら次の4話、捕虜としたアマンザ中尉がその位置に。
おお、やっぱりコレだよ、「協力してもらう分には心強いけどいつ裏切るか分かったモンじゃない」、イデオンでいうギジェ的ポジションが同乗してこその犯罪宇宙船モノよね~。
といいつつ通信可能宙域に出たらすぐに下船しそうではあるけど。

とりあえずマヤが海賊に馴染むまでの間をスッ飛ばしてでも描きたかったであろうエピソードはこれから。
イドや謎の少女の正体やら敵の目的やら、それとニューリンク…じゃなくてトランスシステムだっけ?それも単に人命の安全ってだけではなさそう。
ちゃんと風呂敷畳んでくれればいいけど、果たしてどうなるのかなー。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
面白かった。
面白かった、が、雰囲気で誤魔化されて細かい部分の理解は不十分のままだったり。
一番分からないのはアリスの病気、意識が拡散するとかなんとか、どういうこっちゃ?
それとこの世界におけるクローン+マインドトランスによる個の不死化は完全ではないらしい。
普通の人間は記憶の継承が30%落ちるそうな。
それを理由に(劣化しない記憶継承方法の研究を名目に)アダムスはスポンサーを得てたっぽい。
これは人間の意識を抽出(データ化・バックアップ)する段階で100%ではなくなるのか、ツルツルの脳味噌(または別個体)に意識を乗せる時に「馴染まない」のか。
リックはどうやら前者っぽいのだが、ケインの場合は肉体が特別(常人とは違う天才の脳味噌と解釈してる)で劣化を起こさないみたい。
ど、どっちなんだ?
10話でイドがケインの肉体(クローン体)に戻された時に記憶を一部戻したので両方?
これが分からないのであらすじめいたものを書こうと思ったけど無理だと諦めました。
スタッフはちゃんと考えてるし調べれば分かるんだろうけど、あくまで作中からの情報のみで理解したいところなので調べる気力沸かない…。

それと2話冒頭のケインのプレゼンシーンでは「(意識データは)移送前にバックアップしてるので万が一アイマシン(ロボ)を失っても意識データを消失することはありません、作業中のちょっとした記憶が失われるだけです」と言ってるのだが、それを生かした展開(ロボが破壊されてそっちの方で取得してた記憶が飛ぶ)はありませんでした。
てっきりやると思ったんだけどね。
そうそう、やらなかったといえば「危機的状況からの脱出策をマヤが思いつくとイドも同じことを考えてた」って展開が序盤繰り返されるので、じゃあ最後はイドも思いつかない作戦をマヤが打ち出すのかな?と思ったらそれも無し。
マヤはあくまで「この世界で何が起きてるのか」の傍観者であり主役ではなかった…視聴者の代わりとしてそういうキャラが配置される作品もあるのは知ってはいるけど、それにしちゃあ前半妙に中心っぽく扱われるので紛らわしい。

と、先に不満に思う部分を書いてしまったけど、逆に言えばツッコミどころはその程度で、全体からしたら非常に良作です。
一番感動したのは最後、イドがラジーブ側の世界に行きかけたのを「お前はケインじゃない」とアダムスに否定されて戻って来れた所。
自分的にはマヤの呼びかけよりもそっちのが決定打に感じて…否定されることで(イドとしての)アイデンティティが確立するとか、なかなか粋じゃな~い?
それと先に分からない所を書いたけど、複雑な設定の割には理解しやすいように気を使ってたのも感じます。
10話なんて前半は記憶を戻したイドと情報の刷り合わせとして、後半はマヤを目撃者として子安が丁寧に丁寧に解説してくれます。
何もそこまで…と感じなくはないけど、こうでもしなきゃ12話に収まらなかった事情もあったのかも?
あとキャラの声は人格に合わせて声優を充ててました。
複雑にしようと思えば肉体準拠にすればいいし、むしろそっちのが自然だと考えると、これも気を使ってくれたんじゃないかなーと思ったり。
逆にこれだけ親切に尽くしても先の2例(アリスの病気とクローン継承の件)の解説は詰め込めなかったかー。

やっぱり記憶喪失ネタをやるのであれば、喪失前の人格と喪失後に新たに形成された人格、両者には違いがあってそれが明らかになった時、本人や周囲はどう戸惑うか・葛藤するか、そして納得させるかを見せるのは重要だと思います。
これはそれがちゃんと描かれてたんじゃないかな。
一応書いておくと記憶喪失前のイド…ケインはオリハルトには物凄い危険性があると予知しつつも研究を優先してそれを隠していた。
そのうちオリハルトは人類の生活には欠かせないまでに普及したところで研究仲間のアダムスに危険性とそれを隠してたことを知られる。
その危険性とは人類の90%が死ぬって内容で、なんで隠してたんだとアダムスに問い詰められてもケインは「90%死ぬ程度いいじゃないか」と返すマッドサイエンティストっぷり。
更にはアリスはアダムスにとってはお荷物としか感じてないだろうと思ってたり、まぁ兎に角極悪人、ってかサイコパスっていうの?
一方、そんな人間が記憶喪失起こして(させられて)新たに形成された人格のイドは仲間思いのイイ奴…なハズ。
かつて助けられる確率7%で「見捨てられても仕方ねーや」ってところを助けに行ったことがあるらしく…なんだけど、このエピソードのせいで余計にマヤの存在理由が薄くなってしまったような?
マヤと会ってから真人間になった訳ではなくなってしまうので。

アダムスは性格破綻者のケインに激怒しつつもその才能に嫉妬というか羨望してる部分があって、更には英雄志向持ち、これはケインに対する劣等感からそうなったのかも?
オリハルトの危険性を知りながら人類を何とも思ってないケインに、当時はまだ研究段階だったマインドトラストを行ってケインを流刑送りにする。
ケインはケインで「万が一のために」意識を避難させるIマシーンを秘密裏に作ってて、それがのちのイドのボディとなる。
このボディの制作秘話みたいな話も見てみたかったなぁ…何十年も前のロボなのに現行の軍のロボと性能は遜色無いみたいだし、設計すればあとは勝手に機会が組み立ててくれるのかエンジニアは必要なのか…後者だったら口封じに始末したのかな?とか。
ここら辺の「え、掘り下げずに先行っちゃうの?うわぁ勿体無い」と思わせるのは同監督が次に作った“リヴィジョンズ”に通じる。
そういうハッタリを利かすのが上手いだけなのかも知れないけど、2クール以上かけてじっくり描写して欲しかったと思わせるのが上手い。

最後はラジーブ(既に滅んだ異星人文明の置き土産、オリハルトを回収せよとプログラミングされててそれを実行してるだけ)のプログラムを身と呈して書き換えて英雄にならんとするアダムスに対し、別の回答、映画ウォーゲームみたいに学習させて手を引かせる方法を示すイド。
繰り返しになるけど、ここでアイデア出しするのがマヤだったらもっと良かったと思うんだけどなぁ。
よく突っ込まれてるソーラン節だけど、自分は本当はヨイトマケの唄のような炭鉱夫の歌を入れたかったけど権利だなんだでダメで渋々差し替えたのかな?と思ってて。
ってことで自分は良いとも悪いとも言えない感じ、真相は知らないけどねー。
けど漁の歌ってのはやっぱりなんか違う気がする、いくらラジーブが最後サザエみたいな形になったからといっても、ってかソーラン節に合わせてサザエ型になるように設定したように見える。


総評
リヴィジョンズを見た後、そういえばこっちの感想が途中までだったわと見返したのだけど、やっぱり共通する部分多いですね。
リヴィジョンズの主人公の性格はアダムスと通じるんじゃないかな?ってかアダムスをより深刻化させたのがリヴィジョンズの主人公か?
そして一番強く感じた共通点は「2クール以上やってくれよ」。
掘り下げたら面白そうな設定が沢山あるのに、それをスルーして話を完結させられた印象。
完結しないよりは全然良いのだけど、どうしても勿体無いって感情が湧き上がる。
ホント勿体無い…悪く言えば設定過多になるのかな?
SF好きなら見て損は無いかと。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

オリハルトとかいう鉱物…(ちゃんとSFだった)

アレ、絶対なんかアカン奴や…!
設定とストーリーに、古典SFっぽい匂いを感じる。これは、観よう!

2017.4.19追記:
2話目まで視聴。この、直接的な説明じゃなくて会話の内容や絵で設定が見えてくる感じは凄く良いですね。作画で「けものフレンズ」がダメだった人にも大丈夫そうだし。事前チェックはしてなかったけど、次回が楽しみで仕方がない(笑)!

…まあ、あんな風に流行るわけではないと思いますが。

2017.6.26追記:
久しぶりに「SFアニメを観た」という満足感を得ました。わかりやすい異星文明との接触ではありませんでしたが、広い意味で「ファーストコンタクトもの」でしたね。ううむ、宇宙は広い…(笑)。

一部のIマシンのデザインがやや痛々しかった気もしますけど、それはストーリーにはあんまり影響しないのでまあいいです(笑)。

Iマシンの設定としてMT技術を前提にしている以上、人型ロボットであることにも必然性はありましたしね。

本当の意味で危機が去ったんだか去らなかったんだかはハッキリしないという終わり方も、その後のストーリーを想像する余地や続編を作る可能性を残していて良かったです。

本編とは直接関係ないはずなのですが、Blu-ray&DVDの宣伝という名目(笑)のあの謎のクイズ形式CMは面白かったです。円盤の映像特典に「PV&CM集」って書いてあるから、あれも入ってるのかな…?

ハヤカワ文庫JAからノベライズ版も出てるようですが、これはアニメだけ観れば満足ですかね…。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 40

66.8 6 3DCGで未来なアニメランキング6位
青の6号(OVA)

1998年10月25日
★★★★☆ 3.5 (184)
992人が棚に入れました
近未来。地球の人口は膨れ上がり、環境は劣悪を極めていた。世界各国は人類最後のフロンティア=「海」に希望を求め、新たな世界を築こうとしていた。そのために設立されたのが、会場及び海中の安全を守る超国家組織「青」。各国は協力して自国の潜水艦を「青」に派遣することになった。日本の自衛隊から「青」に送られた潜水艦も6号艦として「青」の任務に就くことになった。しかし、そんな折、海洋開発のリーダーでもある天才科学者ゾーンダイクが突然反旗を翻し、凶悪なテロで世界を恐怖に陥れる。海洋テロ結社を築き、人類殲滅を宣言したゾーンダイクの野望とは?ゾーンダイク率いるキメラ兵器たちと、それを阻止せんと立ち上がる「青」の潜水艦隊。人類の存亡を賭けた戦いの火蓋が、今、切って落とされた!
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

花と銃と知性を携える それが平和への道しるべ

原作はなんと、1967年の連載だったそうだ。
思えば、戦後まだ20年程だったからこその物語だったと言える。

舞台は劣悪な環境を極める近未来。
海へと希望を見出した人類は、新たな世界を築こうとしていたが、
海洋開発のリーダーであり天才科学者ゾーン・ダイクが反旗を翻し、
世界を恐怖に陥れる・・・そんな冒頭から始まるお話。

まず、アップテンポの音楽が小気味良い。
特に気に入ったのが、YUKARIEが歌うEDの『みなそこに眠れ』
しっとりした雰囲気と囁くようなヴォーカルが、人魚を連想させる。
タイトルも面白いよね・・「皆 そこに眠れ」なのか「水底に眠れ」なのか
きっとどっちもなんだろう?なんてクスッと笑える。

そして潜水艦をはじめとする3DCGIがとても美しい。
海面なんて実写かと思うほどリアルで、リアル以上に光沢が綺麗。
艦内の赤、海中のさまざまな青、蒼、碧、藍の濃淡。
また静の間合いと、動の迫力ある戦闘シーンのバランスがいい。
そのほか、幽霊船や高速艇の凝ったデザイン、
巨大な鯨のような生体兵器ムスカなども、独特の世界を作り上げている。

人類の未来をかけた青の作戦に、一躍買うのが主人公の速水。
{netabare}
敵側であるミュータントを助けたことも、後々彼を助けることになり
その事実からまたさらに、奥深く広がっていく展開。{/netabare}
原作をご存知の方からは、不満の声もあるようだが、
全4話と短いながら、なかなか見応えある作品だったと思う。

ゾーン・ダイクやムスカ、速水の言葉がとても深く考えさせられ、印象的。
{netabare}
「なぜ 私たちに知性を与えたのか」

これは、知性があればお互いの言葉が理解できるじゃないかという
深い思いから投げかけられた一言に違いない。

「陸を歩くもの、海を行くもの、対立する2つの殺し合い。
 だが、未来を変えるのは俺達次第だ」

「言葉を交わせ。まず会話をしろ。言葉がわかるのだから」

「俺達は 互いに理解しあえる隣人だ」

「いつも海では、助けられてばかりだ」 {/netabare}

これらはどれも、隣人を助け、助けられるという揶揄。
知性を持ち、言葉を交わし、理解し合い助け合う。それこそが平和。
これが、この作品の一番のテーマなんだと思う。

取っ組み合いのケンカ程度で済んだ両者の憤りの後、
速水がつぶやいたセリフも、すごくいい。

{netabare}
「今までいろんな場所で戦い、人を手に掛けてきた。だけど
 明るいところで正面から対話して闘った。初めてだった」 {/netabare}

戦闘モノかと思って観た作品だったけれど、実はいかに戦争などせずに
どう平和であるべきか・・ということがテーマだった。

ラスト近くで、すごく心に残ったのは、
黄色い花と銃と書物が、地面に並べられていた映像。
花を愛でるやさしい心、大切なものを守るためにある銃、
そして知性の象徴である書物。これらがおそらく、
平和のための3種の神器ということを言いたいのかもしれない。
観て本当に良かった!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 49

あーるぐれい さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

みなそこに眠れ。

人為的な環境変動で荒廃した未来を舞台に、
人類と狂科学者と、彼が作り出したミュータント達を巡る物語。
全4話構成なので、設定やストーリー展開を描ききれていない部分があるのが残念なところです。

一番の魅力はフルCGで描かれた潜水艦戦でしょう。
近未来的デザインの『青の6号:りゅうおう』と、高速艇グランパス、
『幽霊船:ナガトワンダー』、鯨のような生体兵器ムスカなどなど、
作りこまれたCG潜水艦が、水没したビル街で、南極の氷の下で、
ぐりぐり動くバトルシーンは素直にカッコイイ。

EDの「みなそこに眠れ」は、色っぽいヴォーカルにサックスとパーカッション、ベースが絡み合うアダルトな名曲。ぜひ聴いてみて下さい♪

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

GONZOの名を世に知らしめた名作

観始める前はSF・艦隊と聞き、ハードボイルドで哲学要素があり、社会に問いかける攻殻機動隊のようなイメージを連想していたのですが、小難しい話はなく、抽象的な世界を徐々に明らかにしていき最後に大きなテーマを抱えて待ち構えている構成で見ごたえがありました。

映像に関しては、1998年の作品と言うことですが、デジタル制作なので映像が観やすく、絵柄も落ち着いた感じなので古さは全然感じませんでした。
それどころか、優秀なアニメーターさんたちが携わっていることもあり、話数が進むにつれてどんどん迫力のある映像になっています。
今見ても見ごたえのある映像になっているかと思います。


物語
前述したように、抽象的な世界から始まり徐々に情勢が明らかになっていくので1話はよくわかりません。
2話は状況説明が主となります。
丁寧に世界を構築したおかげで3話4話の惹き込みはすごいです。
難しい話になりそうだったのでメモを取りながら視聴していたのですがいつの間にかメモを取ることを忘れていましたw

1話BLUES
あらすじ
戦いに飽きて隠遁生活を送る身勝手な主人公速水は、戦艦"青の6号"の乗組員である紀之真弓を助け操舵手に復帰する。そして久々の出撃で人類の敵である半獣達の一人、赤い目のミーティオを助けたのだった。

タイトルBLUESは憂鬱な気持ちを歌で表現する突飛なメロディの曲です。
ということは、キャラが憂鬱な気分に浸っていたということでしょう。
まずはヒロインの紀之真弓。青の6号の命令で速水を探しに来ましたが、身勝手な彼の態度はさぞかし憂鬱になったことでしょう。
次に主人公の速水、戦いに飽きたというそぶりでしたが、出撃時には前へ出るなど、案外隠遁生活にも退屈していたのかもしれませんね。

もちろんEDや挿入歌のブルース?ジャズ?な音楽にも注目です。

2話PILOTS
あらすじ
{netabare}基地に戻った青の艦隊たち。そこで行われたミーティングにより切り札として核爆弾を使うことが提案される。
その後速水は基地内で敵につかまり獣人に改造されてしまった昔の仲間と遭遇する。敵への復讐心を強めた彼は命令を反し一人で出撃、あえなく撃沈される。{/netabare}

1話では殆ど良くわからなかった敵の全貌、見方の内情が分かります。
タイトルのPILOTS、複数形ですから意味は
操舵手、艦長、種火、案内棒辺りが入るかなあと思います。
タイトルが物語にしっかりと食い込んでいるのがすごいです。

3話HEARTS
{netabare}あらすじ
撃沈された小型機から脱出した彼を助けたのは、以前助けたミーティオだった。速水はミーティオや巨型の人工生物ムスカと接するうち、獣人を作り戦を始めたユング・ゾーンダイクの真意を確かめたくなる。

HEARTSの意図について
最初はミーティオの恋心だけかなあと思っていたのですが、観ているうちに紀之真弓の恋心と、ゾーンダイクの心の内と言う意味でも使われているかもしれません。

海と陸それぞれのヒロインと共の立場から観てきた速水はいったいどんな結論を出すのか楽しみです~
ミーティオは魚を加えて速水に差し出すシーンが可愛いですね

それから、速水が海では助けられてばかりだということを繰り返し言っていましたが、振り返ると結構助けたシーンも多いです。ここは共生というテーマにもつながっているのかもしれません
{/netabare}

4話MINASOKO
{netabare}あらすじ
青の艦隊はいよいよ切り札の使用に乗り込む。
しかし、切り札を使ってしまえば敵だけでなく見方も巻き込んでしまう。そこで戻った速水はユング・ゾーンダイクの元へ赴き、真意を確かめたうえで実行してほしいと青の6号の艦長に頼み込む。
見方の援助のおかげで無事ゾーンダイクの元へたどり着いた速水は争いでは何も解決しないと悟り、ゾーンダイクからも希望を託され、青の艦隊に停戦を求める。
そして、獣人側の指揮をとっていたベルグと話し合いをして敵側も収めたのだった。

MINASOKO
水底に沈んだ銃が哀愁を漂わせています。
そして敵は人間を憎んでもゾーンダイクが帰ることはないと悟り、落胆して海の中へ消えました。
悲嘆にくれるベルグと速水への恋心を抑えベルグと共に海へ戻ったミーティオちゃんが気がかりですね。
戦いは終わっても共存は実現していないテーマの深さが浮き彫りになりました。{/netabare}


作画
1話ずつ制作しているみたいなので、最初はOVA初のデジタルアニメで手探りという感じだった作画が、話数を追うごとにグレードアップしていくのが目に見えて面白いです。

中でも一番の成長を感じたのはエフェクトでした。

1話の爆発はゲームの一マスに生えた草みたいで面白い形をしていたのですが、2話3話とナチュラルになり、形も変えてきているので話毎に見比べるのが面白かったです。

水の描写はかなり綺麗でした。場所によってはCGを使われているところと、手書きにエフェクトをかけたところがあったのかな?
1話の廃ビルから見下ろした水の景色がとても綺麗でした。

動きはCG手書き共に良かったですね。
CGでは2話の小型船が水面を滑走するシーン、迫力がありました。
手書きでは、ベルグがはやみんに殴り掛かるシーン、迫力があります。
ゾーンダイクがシャツのボタンをはずすシーン
それからベルグが沈んだ後、はやみんが「イーストセブンからイリアンジャヤ、何人も手にかけてきた、だけど、だけど初めてだったんだ。明るいところで、正面から」フッと笑いながら震えるシーン、そんなはやみんを紀之真弓がそっと抱きしめるシーン芸が細かいです。

音楽
主題歌の「みなそこに眠れ」
ジャズ?ブルース?な独特なテンポと色気のあるウィスパーボイスがいい味を出しています。
戦闘BGMも基本的にこんな感じです。
ピンチなシーンでもアップテンポな曲が流れるので、やや緊迫感にかけますが、カウボーイビバップでも同じような使われ方をしていますし、そういうテイストが楽しめる方は同様に楽しめると思います。


正直こんなに楽しめる作品だとは思っていませんでした。
あにこれの評価も賛否両論ありましたし。
残念なところはなくはないけれど、それ以上に良さが詰まった作品だと思います。
不朽の名作との呼び声の高さは妥当ではないでしょうか。

全4話、1話辺り30分ほどのアニメですので、是非見てみて下さい。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12

66.8 7 3DCGで未来なアニメランキング7位
Infini-T Force(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (130)
460人が棚に入れました
ガッチャマン――世界征服を目論む悪の組織ギャラクターと戦った、5人の少年少女からなる特殊チーム「科学忍者隊」の頼もしきリーダー。キャシャーン――人類に反旗を翻したロボット軍・アンドロ軍団から人々を守るため、自らの肉体を捨てて「新造人間」となった孤高の戦士。ポリマー――正体を隠して探偵事務所に身を置き、街にはびこる悪人たちに正義の鉄槌を下す、「破裏拳」流の使い手。テッカマン――滅亡の迫る地球から人類を新天地へと導くため、装甲を纏い宇宙からの侵略者ワルダスターに挑んだ「宇宙の騎士」。平和のために戦った4人のヒーローが、時空を超えて現代の渋谷に集結。その目的は世界と――1人の少女を救うこと。伝説のヒーローたちの新たなる戦いが、いま再びはじまる。

声優・キャラクター
関智一、櫻井孝宏、鈴村健一、斉藤壮馬、茅野愛衣、安元洋貴、平川大輔、花澤香菜、斧アツシ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「あなたは自分の世界を取り戻したくはないですか」

<2017/12/27追記>
最終回観終えました。

CGはカッコ良いです。アニメっぽいCG。
他に個人的に好きだったところ。
・変身前のヒーロー4人のキャラがよく立ってる
・テッカマンのボルテッカーがカッコイイ
・フレンダーが有能でさらに癒し機能も搭載
・ジョージ(テッカマン)の見た目が櫻井孝宏に寄せすぎ
・ヒロインの尻がいやらしい

個人的にダメだったところ。
・ヒロインのキャラ
・ヒーロー4人が弱っちく感じたところ
・シナリオ
・演出
・ストーリー

でも二期(映画か)出てBS、CSでやってたら観るかも。




<2017/10/5初投稿>
・・・これ好きだわ

タツノコの昔のヒーローに多少なりとも思い入れがある人であれば。

こてこてのフルCG。

それが今のところ違和感薄いです。

<2017/11/19追記>
評価デフォルト3にしてましたが、今期も半分超えたので評価値付けてみました。
現時点では3.6。
確かにテッカマンやらキャシャーンやら良かったんですが、お話の方が今のところ盛り上がりが感じられず。
あとヒロインさんは何かの病気なんでしょうか?
と言いたくなるぐらい不自然に人に心を開かない。
不自然なのでただのわがままに見えてしまう。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 24
ネタバレ

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

タツノコプロ55周年記念作品

私は「破裏拳ポリマー」、「新造人間キャシャーン」、「宇宙の騎士テッカマン」は観てない、「科学忍者隊ガッチャマン」も全編は観てなくて少し知ってる位です。

物語、1話凄くないですか、声優さんに仕事させない、耳に説明せず観せる序盤、全編構成としてもこの1話を1クールに膨張させた感じ。

声優さんとキャラ、問題ないですね、良く合ってました。

音楽はワクワクするOPに軽快なEDも良い、さらに特出はBGM、選曲は鉄板でinタイミングが抜群!でした。

作画もしっかり動き、表情など十二分細かに表現出来ていたと思います。

アニメーションにおいてどの作画技法を使って何を動かすかは作成者側のカラーであり、古いからダメ新しいから良いとかではなく、どう動かしどう表現するかだけじゃないですかね、その点で問題なし、大満足です。

皆さん低評価で寂しいので私一人くらい高評価でもいいでしょう。
日本のアニメに捉われないタツノコらしいアニメーション作品でした。

{netabare}
あ、あと「ヤギ」さんは何かの伏線になってると思い込み、映る度に凝視してたのは内緒(^-^;
{/netabare}

漫画「Infini-T Force 未来の描線」も読んでますが、原作という位置付けではなく、キャラやストーリーなど結構違う味付けとなっており、別の作品と思ってもいい感じ、漫画も面白いです。



2017.10.04 17:25----------

初回視聴しました。

1話はパーフェクト!

「たぁけぇしぃ」中毒注意報発令

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

劇場版前提ではこんなものなのかなぁ

1話感想
{netabare}始まる前→これ梅津泰臣関わってないなんてことはないだろう
始まって→い、居ない…だと?フルCGとはいえ、せめてアクション監修としてでも…
他アニメ(ダイナミックコード)見て→「キャラデザ:梅津」ええええええ

な、泣いていいですか、ってか泣きたい。
なんでこっちじゃなくてネタアニメ?の方やってるのさー。
うう…ま、まぁそんなこと言い出したら天野喜孝呼ばなきゃナランって人も出てきて収拾がつかなくなるか?
エアギアのアニメは当時結構苦痛だったような…。

それにしても普通に面白くて困惑。
なにより…これは勝手な印象だけど、CGでアクションってな~ぜか暗がりで戦闘するのが多い気がする。
今は平気だけど以前使ってたモニタはゲームやっても真っ暗で、どうもそこら辺でイ~な印象が染みついてます、実相寺じゃねーんだから。
で、これの1話はお天道様の元、明るい日差しの中で戦闘してくれて非常に好印象。
今後暗がりでの戦闘になるかも知れないけど、カラーリング覚えるためにも最初くらいはちゃんと自然光で戦って欲しい、他のアニメも見習うべき。

それにしても…テッカマンはペガス、キャシャーンはフレンダー同行してるのにガッチャマンは一人だけってのはなんか寂しい(ポリマーは…まぁ)。
今後助っ人が登場するってことはあるのかね?{/netabare}

2話感想
{netabare}さっすがヒーロー、全員性格が「いい人」ばかりで違和感…じゃないな、なんて言えば良いんだ?
すっかりダークヒーロー系に慣らされてしまって忘れかけた原点を思い出させてくれた。
これが本来のヒーローだよ、うん。

その一方、後半まで両陣営を行き来して話をかき回す役だと思ってたダミアンが正体表したり、最後まで伏せると思ってたゼットの正体が明かされたりで、あれ?こんな展開早くて大丈夫?
まさか全4話で終わりとかでもあるまいし…この調子で展開してくとネタも尽きて仲違い方面に進むんじゃないかという不安が。
名アリの敵キャラの数も少ないよね…どうするんだろこれ、ちょっと先の展開が読めない。
ダミアンはベルクカッツェの系統だと思うのだが、早々に退場させるのは勿体無い気がするし、まだなんかウラがあったりするんだろうか。{/netabare}

3話感想
{netabare}重症の中ダミアンを探そうと家を出ようとするポリマーを止める残りのヒーロー達←わかる。
特にキャシャーンの「痛いってのは生きてる証拠、それを失いたいのかアァン?」みたいなセリフはグっときた。
が、その後…ダミアンTV登場して隕石落下を宣言。
みんなで防ぎに行くぞ、ポリマーもな←!?
あれ、重症の件はどうした?
ケガそのものよりも独断専行を咎められてたってことかな?
ちと分かりづらいっていうか…解釈間違っちゃわない?

そうはいいつつやっぱ普通に面白い、なにより展開早っ。
ダミアンvsポリマーはこれで終わりかな?
殺してはいないので後半助けに駆け付けてくるとかそんなんありそう。
ポリマーの考えはクラウズのゲルサドラー的に思えなくもないが、まぁ目を瞑ろう。
そして展開早いと思わせる理由に、テッカマンが妙にケースの詳細に詳しいってのがあることに気付いた。
ガッチャマンは何が何だか分かってないのにこの違いは?ゼットはテッカマンの世界を滅ぼすのには苦戦したとかそんなんだろうか?
先の展開が全然分からないので…まさかテッカマンが裏切るってことは無いよなぁ、いちいち謎として伏せといても面倒臭いってだけだと思うが。{/netabare}

4話感想
{netabare}え、マジで?これでベルリンの話は終わり?3話くらいかけると思ったのに??
凄いな、滅茶苦茶展開早い。
早いと言ってもダイジェスト感になってるでもなく、押さえる所は押さえてて非常に子気味が良い。
滑り台上でのエミへのビンタ、あの位置関係でビンタは難しいんじゃ?
ベルリンは次元移動の際親切にペガスも連れてきてくれた?等、思うことはあるけどまぁ些末なこと。
テンポ遅い作品(レクリエイターとかバージンソウルとか)でこういうことされると気になってしまうけど、この作品においては気にならない、ってかワザとやってる?
ゼットの願いってひょっとして娘に笑顔を取る戻させるとかそんなんかな?
エミの「そんなにケースが欲しければあげちゃえばいい」って考えも、前回隕石の軌道を変えたことから「おいそれとヘンな奴に渡すのはヤバい」と考えを改め始めてるって感じかな。
ここまで素晴らしいテンポではあるのだけど…まだ話数かなり残ってるんだが、どうなるんだ?
ちと気になったのが↑でも書いた様にガッチャマンが1人で他の科学忍者隊が居ないというのは何か寂しい。
「(元の世界に)仲間達が~」みたいなことを言ってたが、その姿は現在回想シーンですら一切出てません。
まさか…マリアと同じように存在を無かったことにされてたりして?
「元の世界の仲間が…あれ、仲間って居たっけ?」なんて展開になったりして。
失われた大切なものを探しに行くとかそんな感じの展開になるのかなぁ?あくまで想像ね。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}ありゃ、ダミアンやベルリンはもう懲りたってことだと思ったら相変わらず敵対して来るのか。
…って、6話でテッカマンが誘い込まれた部屋にあったルービックキューブ…ええ?名前忘れたけどガッチャマンクラウズに出てたヤツ!?
(ってかあのシーンでデッカマンが追い込まれた理由はなんじゃらほ?情報過多で処理が追い付かなくなったってことだと思うのだが分かりにくい気が)
クラウズってタツノコヒーロー的には異質なので別件扱いして考慮に入れてなかったんだけど、まさか突っ込んで来るとは(それともクラウズ以外の何かでルービックキューブ出てたりするんかな?)。
インサニティとインフィニティで発音が似てるなんてぜんっぜん考えもしなかったわ。
そういや次元移動の時のエフェクトはテッカマンのOP意識してる?
しっかしこうなってくると映画キャシャーンとかスマップガッチャマンなんかのネタも来るのかも知れない…自分全然ワカランぞ?

でもってエミは絶対死ぬウーマンだったのか。
正確には親父と接触したら死ぬ運命が決定付けられてるウーマン。
なので親父はケースの力で強引に死なない宇宙(本来は存在しない可能性の宇宙)を作り出して、その維持ために別次元を滅ぼしてる、と。
で、こういう設定であるならやっぱり気になるのは「他の平行宇宙に別のガッチャマン達は居ないの?」ってことなんだけど、どうやらそれに関してはゼットの見立てでは「イレギュラー」ってことらしい。
う~ん、なんかウラありそう。
無理やり存在しない可能性の宇宙を維持し続けたらそのうちエラい反動が来るんじゃないか?ってことを考えてしまうが、ヒーロー達はその前振りだったりして。
自動次元修復機能みたいな?
というかね、ポリマーはダミアン、テッカマンはベルリン、キャシャーンはラジャカーンと対比することで元作品を知らない人にも重たい過去を背負ってると分かる説明がなされたが、ガッチャマンだけは9話まで進んでも何を背負ってるのかの描写は無し。
数多の修羅場をかいくぐり、それで行き着いた・もしくはそれでも曲げなかった「正義論」なんだろーなーって想像は容易にできるけど、具体例はナシ。
ゼットを対比キャラにしてそのうち語られるんだろうか。{/netabare}

10話感想
{netabare}9話までの感想で書いた「設定の確認」に対しての答え合わせみたいな回でした。
ああ良かった、自分の解釈間違ってなかったっぽい。
ってかこれ…ゼットがエミに余計な接触図らなければそのままゼットが大勝利だったんじゃ?
う、う~ん…こっち側(ヒーロー側)の行動丸っきり関係なく、敵側の勝手な自爆行為に救われるってのはどうなんだろう。
せめてヒーロー側の行いが自爆行為を誘発させる結果に繋がったってくらいはできなかったんだろうか。

ところでちょっと自分語り。
あんまり関係ない話になるので畳んでおきます{netabare}
「デッキ開発おじさん」って知ってますか?
自分もそんなに詳しくないので説明しづらいのでググってくれれば有難いんだけど、若い頃色々やらかして現在生きた屍のようになってる「架空のキャラ」。
そのデッキ開発おじさんそのものの台詞ではないと思うんだけど、デッキ開発おじさん調の語りをするゲーム実況動画を見たことがありましてん、正確にはゆっくり解説付きのパズルボブル3RTA動画。
で、その発言の一つに「敷かれたレールがあるうちはまだ勝ち組なんだ」ってのがありまして…。
一方、賭けグルイってアニメがありましてん、そこで賭けに負けた人は「人生計画書」なるものを渡されてその通りに生きていかなければならないって設定がありまして。
ただ、その計画書って決して悪い人生ではないって内容でして…。
でね、リアルの友人(おっさん)が賭けグルイ見て言ったんですよ。
「人生計画書なんて最高じゃないか、それを嫌がる意味がワカラン」とね。
冗談だか本気なのかは不明なんだけど、まぁ自分は「血気盛んな高校生がそんなこと思うワケないじゃん。お前はデッキ開発おじさんか」と冗談めかして返しましたさ。
…。
うん、もうね、そういう境地にイっちゃってる人ってどれくらい居るんだろ?
インフィニTに話戻すと、エミの考えに共感する人・ゼットの考えに共感する人、比率どんなもんなんだろう?ってのが気になったり。
タツノコヒーローだし見てる年齢層も高そうだし、案外デッキ開発おじさん寄りの人って多かったりして…。{/netabare}

んで最後ヒーロー達が戻って来たけど、やっぱりガッチャマンの他メンバーの姿はナシ。
ええそうなーん?完全にナシとして期待しない方がいいのかな。
「バードミサイルをブチ込んでやる」聞きたいなぁ~。{/netabare}

総評・↑と重複しおた文相も多いためこれだけ読めば良いかも?
{netabare}序盤の盛り上がりも後半一気に失速、ラジャカーンがチャイム鳴らす所がピークかな。

よく指摘されるエミの性格、個人的には気になりませんでした。
というのも…別作品を例に挙げるとイセスマの主人公や、同期に放送されてたのだったらディエスイレの司狼が同じタイプなんじゃないかな?
神だか作者だかに庇護されてて、なにやってもヤバいことにはならない・死なない──もしそんなことになったら“死よりも辛い退屈な日々を送ることになる”だろう、ってのはちょくちょく思ってまして。
エミは一話が始まる前から「それ死ぬだろ」って目に遭い、その度に親父の用意した「絶対死なない世界」のお陰で奇跡的に無傷ってのを経験してたんじゃないかな。
一回だけなら奇跡でも、何度もそんなことがあったら「なんか嘘クセー」と感じ(頭では理解してなくても無意識のウチにそう感じ)、全てが空虚なものとなり笑顔も願いも持たなくなり、自棄・自殺願望めいた精神状態となってしまった、ってのは頷ける。
但し、これは結構好意的解釈を広げての解釈なので、そう思わせるだけの充分な描写があったか?と言われればそうでもないので、エミの性格が嫌って言う方の意見もよく分かる。

で、一話はそんな自殺願望状態からスタートで、最終回までになんやかんやあって最後は自分で未来を決めるとして親父を撃退(絶対死なない世界を否定)し、それでいて「やっぱり死にたくない」という“願い”を持つに至った、ってところでエンド、って感じでしょうか。
ただそんなエミの心の成長がこの作品のテーマだとしたら…一番影響与えたのはタツノコ4ヒーローじゃなくてラジャカーンのような?
あれ?それでいいのか?
また、ゼットを撃退できたのはそれまで接触を避けてたゼットがわざわざエミとコンタクト図ったせい。
それまでゼットの思惑通りにコトが進んでて、今まで通り遠くから見守ることに徹してたら大勝利だったワケで…10話のゼットが描いたエミの未来設計図、「黙ってりゃいいのに」とどうしても思ってしまう。
(というか血気盛んな高校生にあんなのを見せたら反発するに決まってるって)
で、そんなゼットの自爆行為のお陰で4ヒーローが復活して逆転勝利…4ヒーローはなにか努力したでもなくただボケーっと棚ぼたを拾っただけ(テッカマン曰く「そういうことなんだろう」)なのでどうにもカタルシスを感じない。
さながらイッパツマンの「イマイチだな」ってノリ…ギャグならともかくシリアスでこれはどうなんかな?え、この作品ってギャグだったりする?
9話のケンとゼットの対話により、ゼットに焦りが生まれたってことならまだ納得できるんだけど、そんな描写あったっけ?
あっるぇ~?
でもって4ヒーローの中で最もエミに説教してたケンだけど、4ヒーローの中で最も過去(元の世界はどんなだったか)について語られていない。
おかげで一番言葉に説得力が無いというか…。
「そんなの元のガッチャマン知ってりゃ必要ないじゃん」ってことなのかなぁ?
むしろ他の化学忍者隊に思いを馳せるとかも全然無いため「元のガッチャマンとは別モノ」ってことをアピールしてるように感じてしまったり。
ゴッドフェニックス無しで火の鳥やったし。
おっやぁ?

そして一番の問題は、エミの“絶対死ぬウーマン”の呪縛は解除されてないやん?という点。
最終回はこれが投げっ放しのまんま通常エンドに突入してポカ~ンとしましたよ。
一応Cパートにて、親父の置き土産のケースの力で危機に遭う度に回避するってことかいな?ってことを匂わせたところでケンが再登場。
ケンの居る宇宙だか別の宇宙だか知らんけど騒動が起きててエミの力が必要だ、と。
果たしてこの騒動がエミの“絶対死ぬウーマン”の呪縛解除に関わりのあることなのかどうかまでは不明だけど、騒動解決に向けて旅立つところで真エンド。
多分劇場版に続くってことなんだろうけど…制作分かってるよね?
まさかTV版だけでエミの絶対死ぬウーマンは「完全解決した」と思ってるならズッコケもいいところで…そこら辺に一抹の不安が。


序盤ポンポンポンとテンポよく敵を倒してく話が続いたため、このペースなら後半の話もテンポよく纏めてくれるだろうと期待したのに、蓋を開けてみれば中途半端に投げっ放しちゃった感。
まぁ劇場版が控えてるからそれ前提で話を組み立てるとこんな感じなのかねぇ?
ってことで総合的には劇場版を含めてでないと評価は難しい出来となりました。
じゃあ見に行くか?って言われたら、う、う~ん…。
ってか劇場版の内容全然知らず、「きっとTV版の続きをやるんだろう」と勝手に解釈してるんだけど、これで劇場版はTV版の続きではないって内容だったらどっと笑い。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

70.1 8 3DCGで未来なアニメランキング8位
GODZILLA 決戦機動増殖都市(アニメ映画)

2018年5月18日
★★★★☆ 3.8 (62)
284人が棚に入れました
「ゴジラ」シリーズ初のアニメ作品として製作された劇場3部作「GODZILLA」の第2章。ゴジラに蹂躙された地球を取り戻すため決死の戦いに挑んだハルオをはじめとした人類だったが、地中深くから現れた真のゴジラ=ゴジラ・アースに敗退。ハルオは、かつての地球人類の生き残りと目される「フツア」と呼ばれる民族の少女ミアナに助けられる。フツアもかつてゴジラに敗れたと言い伝えられていたが、彼らの持つ金属のナノメタルが、21世紀に対ゴジラ決戦兵器として開発されたメカゴジラを構成する物質と同じものであることが判明。メカゴジラの開発プラントがいまだ残されていることが明らかになり…。

http://godzilla-anime.com/

声優・キャラクター
宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴、諏訪部順一、小野大輔、三宅健太、堀内賢雄、山路和弘、中井和哉
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

さよなら人類

NETFLIX世界配信。
ポリゴンピクチュアズ制作。
静野・瀬下監督、脚本虚淵玄。

シリーズ第2弾。
前作以上に怪獣映画の趣も少なく、
ハリウッドSF映画に近い。
人類の英知の結集が未知なる生物に挑む。
良く知るゴジラとして見ると寂しいかな。

ただここからは個人的な意見ですが、
昨今の映画に倦怠と停滞しか感じないので、
手にするのは決まってB級路線なのですが、
{netabare}未知との遭遇、冒険、謎の巨大生物、
原始のインカ文明のような都市など、
何がこの惑星で待ち受けているのか!?
生物はどのように進化または退化しているのか!?{/netabare}
そういったものに反応できる方にはお勧めです。
楽しみ方は、人それぞれですから。

無機質なゴジラに納得いきませんが、
高品質な作画と音響効果を持つ娯楽大作。
あまり期待していなかった分、
前作よりは冒険心が煽られて好きです。

人類の武器は知恵しかない。
進化の頂点は強さでも賢さでもなく適応ですから、
さてどうやって絶望から抜け出せるのか、
最終章を待ちましょう。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 40
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

怪獣退治のジレンマ

ポリゴンピクチュアズの3DCG作画×原案・虚淵玄氏などの陣容でお送りする、
“アニゴジ”三部作の二作目。


そもそも怪獣とは何か?
人知を越えた存在。
人類の力では太刀打ちできないからこそ、怪獣なのではなかろうか。

こうした視座から見た場合、怪獣打倒を決意した時点で、
人類は人間であることから逸脱せねばならないのではないか?

事実、この2万年間、生態系の頂点にゴジラが君臨するこの地球は、
生きとし生けるもの、環境含めて、
ゴジラへの奉仕を前提に、各々生存するため“ゴジラ化”、怪物化し
人類が生誕の地を放棄する前とは大きく変容している。

ましてやゴジラからこの星の主の座を奪還するとなれば、
人類も原型を留めない程の進化が必須なのではないか?

だが、そうやって勝利を手にした所で、
怪獣の如く変貌した人類は、元通り人間の文明を取り戻せるのだろうか?


人類と三種族共同戦線を張る異星の人型種族。

感情を排し論理的思考と合理主義を徹底する黒肌のビルサルド。
宇宙が一心となる予言と宗教的価値観を確信する白肌のエクシフ。

確固たる信念を持つ二種族の狭間で、
故郷奪還戦でも軸を持てず、感情に振り回され、
ブレない決断がなかなかできない地球人類。

大体この星を覆う怪獣自体、地球人の業が生み出したものだと言う……。
ゴジラ殲滅戦でも人間性は見失わないと人類は豪語するが、
そもそも人間らしさとは何なのか?


こうした問いをゴジラ映画をSF設定等で再定義しつつ提示していく。

二作目では、主にビルサルドの合理主義が突っ走る最中で問答が繰り広げられ、
シリーズのテーマや方向性が明確化されて行き、
私の中で俄然、面白くなって来ました。

相変わらず怪獣映画ファンとしてのメンタルは木っ端微塵に打ち砕かれますが(苦笑)
最終三作目も是非、SF映画ファンとして劇場鑑賞に挑みたいと思います。


……ただ、SFと割り切る!と決意していたとは言え、
やはりゴジラへの怪獣映画としての期待は本作でも早々捨てきれるものではなく……。

だって……{netabare} 「人類最後の希望〈メカゴジラ〉が、起動する」とか煽られたら、
残されたビル群なんかを舞台にしたゴジラVSメカゴジラの熱い取っ組み合いとか、
期待しちゃうじゃないですか。

で、蓋を開けてみたら……、
{netabare} 頭部のみの残骸となって尚、ゴジラ打倒の命を捨てなかったメカゴジラ自体が
増殖する〈ナノメタル〉等の活動により決戦“都市化”するという
予想の斜め上を行く超SF展開w

売店に並んでいた、都市じゃない方のメカゴジラグッズとか、
一体何のつもりだったのでしょう(苦笑)
(恐らくはメカゴジラがまだ機動兵器だった前日譚設定の具現化だとは思われますが……){/netabare}

ここまで鮮やかに怪獣映画への期待を裏切られると、
驚きや呆れを通り越して、清々しい笑いすらこみ上げて来ますw


で、次作ではついに……、

{netabare} ゴジラ最大のライバル・ギドラがこのSF問答に巻き込まれるようで……。

さらにはゴジラ映画にて、伝承を受け継ぐ種族とかによく祭られている、
例の飛行怪獣の羽化及び乱入なんかも大いに予想されます。

ただ、ギドラも告知映像を観るに、一応、ギドギドでキングな金色ですし、
ちゃんと三本、クビとか頭とかがあるようですが……。
現状、胴体とかが見当たらない?辺り、{/netabare}
早くも不安でジワジワと笑いがこみ上げて来ますw{/netabare}


私も捨て切れない怪獣映画へ憧れに片脚を突っ込んだ
優柔不断な精神を抱えたまま、
揺れる地球人たちの行く末と導き出した答えを見届けたいと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 21
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

絶望からの起死回生なるか?

  まさか、平日昼間、初日観れるとは思わなかったです。

 「GODZILLA 怪獣惑星」の続きのお話です。前回、ゴジラを倒したと思っていた矢先、さらに巨大な筋肉ムキムキゴジラの襲撃に合いハルオ達、壊滅させられたように見えた展開からどうなるのかなぁ?です。あの謎の少女は一体?です。

 この映画の画像や劇場CM、ビラなどでも公にされている通り、ハルオ達何とか生きているです。
 その真相、あの少女とのつながりは、見に行ってのお楽しみです。
{netabare} あの少女を通して、前作序盤の歴史で出動もままならないまま、ゴジラに破壊されたメカゴジラ??とその施設???にたどり着くことになるのです。それはどういうことなのか?です。あれからどうなっているか?、{/netabare}驚きビックリ展開は、ハルオたちに何をもたらすのだろうか?です。

{netabare} このアニメを見る前、前作で見たメカゴジラが復活してゴジラと戦うのかなぁと想像して見に行ったです。勝手に思っていたけど、想像との違いに驚かされたです。

 メカゴジラに似ているかもしれないロボット出てきたりしたけど・・・・想像とかけ離れてたです。{/netabare}

 圧倒的な力を見せるゴジラをハルオ達は、目のあたりにしたです。その後、偶然なのか?必然なのか?思わぬ力に出会い、なおもゴジラ倒すために団結するハルオたちです。このアニメのタイトルを正に象徴する意味が、そこから始まるのです。
 ゴジラを倒す共通の目的を持つ仲間の間に何が、起きていくのか?です。

 ゴジラを倒すチャンスがきたとき、信じられない選択を迫られるです。「これでいいのか?」を問われたとき、ハルオの最後の最後の選択で、何を取るのか?が、最大の見どころだったです。その結果、凄まじかったです。
 強力な装備による前作以上にもみえる作戦で、ゴジラを追い詰める戦闘も迫力あったです。

 この続き{netabare}が2018年11月公開予定の「星を喰らう者」へになるけど、有名な何かが出てくるかも???しれないです。モスラかなぁ?何かなぁ?ゴジラより強いのかなぁ?{/netabare}その時が来る頃、分かると思うです。

 

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

67.5 9 3DCGで未来なアニメランキング9位
GODZILLA 星を喰う者(アニメ映画)

2018年11月9日
★★★★☆ 3.7 (53)
212人が棚に入れました
アニメーション映画『GODZILLA』(通称:アニゴジ)がついに最終章を迎える。

二万年後の地球で繰り広げられた、<ゴジラ>とそれに抗う人類の物語。最終章『星を喰う者』では、超科学が生み出した<メカゴジラシティ>をも焼き尽くし、地上の覇者となった究極の生命<ゴジラ・アース>と高次元怪獣<ギドラ>が相まみえる。

『アニゴジ』の誕生は2017年。これにより『ゴジラ』は新たな領域へ足を踏み入れた。同年11月公開の第一章『GODZILLA 怪獣惑星』はゴジラ映画史上初の3DCGアニメーション作品であり、その映像体験は大きな驚きと称賛をもって迎えられ、第二章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』は、アニメーションならではの<メカゴジラ>の新解釈で観客を圧倒した。

そして最終章では、虚空の神<ギドラ>と破壊の王<ゴジラ>がついに激突。戦いの果てに待つのは、人類への啓示か。

監督は、昨年公開の劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』で邦画年間興行収入ランキング1位を獲得し、確かな演出力を遺憾なく発揮する静野孔文と3DCGの第一線で培われた手腕を『シドニアの騎士 第九惑星戦役』、『亜人』、『BLAME!』で磨きあげ、余すことなくその魅力をフィルムに焼きつける瀬下寛之が務め、両者の最高のコンビネーションは最終章でも見事に発揮されている。ストーリー原案・脚本は、『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』などで知られる虚淵玄が担当。観る者全てを出し抜く突破力抜群のアイデアに今作でも驚かされるのは間違いない。

制作は米国エミー賞最優秀賞(デイタイム・エミー賞アニメーション番組特別部門最優秀賞)を4度受賞を果たし、直近では「スター・ウォーズ」シリーズの最新アニメーション作品「Star Wars: Resistance」を手掛けるなど、国内外から高い評価を得ている3DCGスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズ。


声優・キャラクター
宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴、小野大輔、堀内賢雄、中井和哉、山路和弘、上田麗奈、小澤亜李、早見沙織、鈴村健一
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ゴジラ』が食い散らかしたテーマをSFとして総括した力作。

人類&ビルサルド&エクシフの三種族共同戦線が、
怪獣化した地球の奪還を目指してゴジラに戦いを挑む“アニゴジ”三部作の最終章。

昨今の世界における怪獣映画の再興については、
童心に戻って怪獣を楽しむ気持ち半分、斜に見る気持ち半分。
そんな捻くれた私にとっては、『ゴジラ』映画が繰り広げて来たお祭りの中で、
怪獣とは?怪獣退治とは?ゴジラに通用するのは科学か?伝承か?人類はどうあるべきか?
等々、整理されぬまま散乱したテーマを、硬派なSFの枠組みで、
角度を変えて諸要素を考察したりして、再構築を試みた本劇場版シリーズは、
有意義な思索に耽ることができた刺激的なSF映画鑑賞でした。

最終章はバトルそっちのけで時に心象世界も交えた
哲学的な問答が応酬される場面が特に多かったのですが、
私は食い入るように見入ってしまいました。


ただ、やはり明快な怪獣映画として観るのは全くオススメできません。
だって三部作通じて例えば……
{netabare}ビル群や名所を破壊するゴジラの勇姿が観たい。
都市じゃない二足歩行のメカゴジラが観たい。
この世界の物理法則に則った、首だけじゃなく、ちゃんと胴体もあるキングギドラが観たい。{/netabare}
こんな『ゴジラ』ファンとして求めて当たり前の権利すらSFに蹂躙されるw

第一部・人類の知恵と勇気、第二部・マッドな狂気を含んだ科学と
ゴジラに立て続けにぶつけて、
特に第三部に至っては、カルトな狂信を含んだ宗教が出張って来るわけです。

私としては、カルトじみた宗教の描き方にしても、
人類文明が説明できない現象をカルトと断じるのは、
人類がその現象を理解できるレベルにないからである。
さらに進歩した文明は神への信仰による奇跡をも数学的に説明できる。
などとキチンとSF設定として組み上げられており、
それらを骨組みにして具現化した脅威(即ち{netabare}ギドラ{/netabare})には、
背筋が凍る迫力を感じました。

けれどSFに興味ない方にとっては、怪獣プロレス見物に胸躍らせて劇場に足を運んだら、
怪しげな宗教勧誘ビデオを見せられたwといった感じでトラウマにすらなりかねないので、
鑑賞の際は、自らの視聴動機と本SF映画との
折り合いの目処を立てて行くのが必須だと思います。


本三部作を展開した時期も尚早だと感じました。
例えば、魔法少女が消費し尽くされ、ブームも底を打った所へ、
諸要素を逆さに見たり、SFも交えて再構築してみたりすれば、
それはブレークスルーになり得ます。

が、『ゴジラ』の場合は、2014年に二度目のハリウッドリメイクが成功し、
2016年に日本で『シン・ゴジラ』の大ヒットがあって、
2019年公開予定のハリウッド版続編『~キング・オブ・モンスターズ』と
再興した怪獣映画の収穫期へと向かう上り坂の途上。

そこでゴジラの周辺に転がった諸々のテーマをSFとして冷静に振り返っても、
ゴジラに熱狂していく人々にとっては水を差されかねないタイミング。
私も怪獣バトル要素が悉くお預けにされて、
これは興行的には上映前に予告編が打たれた『~キング・オブ・モンスターズ』が
全部持って行くパターンかな?と苦笑してみたりw


とは言え、再興した『ゴジラ』ブームもやがて踊り場に至り下り坂に向かうでしょう。
パーティーの後で、取り残された人々の耳元に、
実はこんな渋いSFゴジラもあるんですよ♪と囁いてみる。
本作はそう言うポジションの映画だと感じますw

だから私としては本作を良作SFとして評価し語り継ぎつつ、
来たるべき終焉の時を待ちたいと思いますw
(但し怪獣映画ファンの端くれとしては、ブームの終わりは勿論来て欲しくないので、複雑な心境ですw)


以下、一部、時事ネタや私見も交えたキワドい感想&考察長文。

{netabare}人類文明の過ちが怪獣を生んだのではない。
そもそも人類は怪獣を生み出すための前座に過ぎなかったのではないか?

冒頭から虚淵玄氏&ニトロプラスとその一味による
逆からテーマを再構築する伝統の捻り技に脳汁を分泌させられた最終章。

前作で提示された決して倒せないからこそ怪獣という視点も交えつつ、
加速するSF設定はやがて、文明とは興隆と栄華の果てに
怪獣を生み出し滅び去ると言う宇宙観に到達。
主人公は無敵のゴジラとの死闘に加え、
エクシフの信仰や宇宙観から滅びの運命を受け入れ、心地よい終焉を迎えるよう迫られ、
心身共に過酷な状況に追い込まれる。
次第に、主人公はゴジラ相手に単純な勝ち負けとは異なる道。
敗北する運命との向き合い方等を自問するようになり……。


世界にとって普遍的な文明論を投げかける一連の流れの中で、
私が異彩を感じたのは、主人公とエクシフの司教が心象世界で対峙する中で、
やがて破滅する運命にある文明のイメージとして、
“ヒロシマ”や“ナガサキ”を連想させる入り組んだ島国と思しき地形に炸裂する
原子爆弾のキノコ雲と言う、ローカルな題材が提示されたこと。

日本人にとっては“ヒロシマ”や“ナガサキ”は確かに進化し過ぎた文明がもたらす
悪夢や破滅の代表的なイメージです。
ところが世界にとっては、ある人は“ヒロシマ”や“ナガサキ”の悲劇の詳細なども知らなかったり、
原爆など大きな爆弾程度の認識だったり……。
さらに一部の戦勝国(と思っている方々も含む)にとっては、かのキノコ雲、
特に日本に上がったそれは勝利確定や解放の祝砲だったりもします。
先日も、キノコ雲に抱くイメージの相違に起因する騒動が持ち上がったばかり……。

さらに本作はエクシフの司教への抵抗として、
モスラがエノラ・ゲイと思しき重爆撃機を撃墜する、
一部米軍遺族等にとっては噴飯物?のイメージも展開。

そして葛藤の末、披露されたラストの、
美化された特攻映画の如き?ゴジラへの単機突撃。

こんなローカルな日本のネタや思考法で、
普遍的なテーマをNetflixを通じて世界へ発信しても、
一体どれ位の方が理解してくれるだろう?と訝しんでいた私ですが、
やがて『ゴジラ』は日本のローカルな土壌から生まれた作品だと、
スタッフは暗に主張したかったのでは?との仮説も芽生えて来ました。


そこで私が思い出すのは初代『ゴジラ』
水爆実験による第五福竜丸・被爆事故から着想を得たという製作エピソードの流布により、
進歩した人類科学文明による環境破壊への怒りを具現化した
反核怪獣映画とのイメージが一般化している初代『ゴジラ』

ですが私がもう一つ重視するのは昭和二十九年という製作・公開年代。
米軍の焼夷弾により東京が焼け野原と化してから間もなく十年。
東京の街を眺めると一見綺麗で、戦後復興も順調に進んでいるように見える。
けれど敗戦の記憶は未だ人々の心に燻り続けている。

どうにか心の荒廃をなだめて、取り繕った東京の街並みが、
ゴジラによって再び破壊され火の海となる惨劇。
展開される地獄絵図はまさに十年前の大空襲の再来!?

これはもう日本人は敗北や喪失に対して狂気するか、達観するか、墜ちるか。
もはや悟りでも開くしかない、いたたまれない心境。

この敗北感の二段重ねもある点こそが、
私が未だに『ゴジラ』映画は初代が原点にして頂点と信じる理由の一つ。

当時鑑賞した900万人超の日本人がゴジラに抱いた原点の絶望感を説明し切るには、
敗北を重ね、追い打ちをかけられたと言う、
二次大戦での敗戦経験も含めた日本人のローカルな心情の表現が欠かせないのではないか?

こうした視点に立った場合、
一度ゴジラに敗れて地球を追われた人類が再戦を挑んでは跳ね返される。
という敗北を重ねる基本設定の上に、
敗れ続ける人々の心境を日本人特有の?敗北感や死生観も交えて、
ラストに向けて最大化させていく構成は、
これも、ある意味、『ゴジラ』の原点をリスペクトして
世界に向けて誤解や白眼視も恐れず発信した、
勇気ある試みだったと私は受け止めています。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 25

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

あっけない幕切れ

このアニメ映画は、ゴジラシリーズで初の長編アニメーション映画
として制作された作品である。ちなみに、このアニメ映画は3部構成と
なっており、今作はその三作目にあたる。
地味に、専門用語が多いので、それの事前知識を踏まえたうえで
視聴したほうが、比較的スムーズに理解しやすいと思われる。

前作のラストから続いているので、あらすじは省かせていただく。

全体を通した感想だが、今までの2作を全て台無しにしている
としか思えない中々酷い出来だった。ゴジラよりも人間に焦点を
当てていることはひしひしと伝わってきたのだが、
結果として悪い方向へ進んでいったようにしか思えなかった。

良かったところを挙げるとするならば、ギドラのデザイン位だろうか。
かなりスタイリッシュなイメージがあるが、ゴジラアニメにおいては
これで正解だったと言える。

前作よりも明らかに、ゴジラの出番は少なくなっていた。
怪獣バトル要素はほぼ皆無といっていい。一応、戦闘シーン
は用意されているが、非常に味気なく、見所は一切ないので
睡眠時間に利用する視聴者が続出しても不思議ではない。

私自身劇場で見てはいないが、仮に隣の席に座っていたおじさんが
爆睡をしていたとしてもサイレン並みにうるさいいびきを
かいていない限りは起こすことはしないだろう。

なんせ、ギドラに至っては、ただゴジラの体に巻き付いている
だけなのだ。ゴジラvsビオランテでも似たようなシーンが
あったが、特に違和感なく視聴でき作品に没頭することが出来た。
今作のギドラ戦においては何の感情もわいてこない。
任天堂のゲーム、ポケットモンスターに登場するウツボット
による巻き付きの方がよっぽど怖いように見えるのは私だけだろうか。

(一応)痛そうな雰囲気は伝わってくるが、見方を変えれば
マッサージをしているようにも見えるので、誤解を招く
可能性もある。ギドラがゴジラへ向けて、直接光線を放てば
その点は払拭されるのだが、その辺りは議論しなかったのだろうか。
予算が足りなかったという事でいいのかな?

人間ドラマに関してだが、魅力的なキャラクターがいない上に
掘り下げが全くと言っていいほどされていないため、没頭するのは
困難を極めた。そもそも、冒頭から眠気を誘われる会話が
延々と続くので、人によっては眠眠打破などといった
眠気覚ましドリンクを常備する必要が出てくる。

前作では割と好印象だった主人公だが、今作はそこまで惹かれる
ものがない。最後のシーンも共感しづらいものがあったし。
終始コメディアンを貫くことは難しかったから、あの判断
を下したのかな?と自らを納得させることにした。
要は只のこじつけである。

今後も、虚淵氏脚本のゴジラ映画を作る予定はあるのだろうか?
もし上層部内に一人でもその気があるのなら、止めたほうが良い
とだけ告げておく。
この様な作風を求めているゴジラファンは、相当限られている上に
二度も同じ手が通用するとは到底思えないからだ。
一定のファンはつくだろうが、今まで以上に酷評が
溢れかえるリスクの方が高い。

そうなった時どのような対処をするのか、興味本位で見て
みたくはあるが、今後のゴジラ作品に悪影響を及ぼす
可能性がある。ここで手を引くのが賢明な判断だろう。
虚淵ゴジラはこれっきりにしてもらいたいというのが私からの想いだ。

良くも悪くも虚淵色が非常に強いゴジラアニメとなっているため、
虚淵ファン以外は観ないことを推奨する。
今までのゴジラアニメを心の底から楽しんでいる人なら
特に問題なく見れる作品だと考えている。
私からは無理に勧めない。

先にゴジラキングオブモンスターズを見たのでそっちの感想も。
2014版のゴジラよりも明確なバトルシーンが増え、臨場感ある
仕上がりとなっていた。当然のことながら、こっちのギドラは
光線をきちんと吐いてくれるので戦闘面で
退屈することはなかったように思う。初代のオマージュとも
いえるシーンが挿入されているのも大きなポイントとなる。
やはりゴジラはこうでなくちゃ。

冷静に思い返せば、ストーリーは少しばかしおかしなところがあったが、
それを差し引いても心の底から楽しめるゴジラ映画であった。
機会があればまた一度視聴してみたいものである。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

召喚するか、ドアを開けるか

NETFLIX世界配信。
ポリゴンピクチュアズ制作。
静野・瀬下監督、脚本虚淵玄。

シリーズ最終章。
総評としては怪獣映画ではなく、
未知の巨大生物に挑むサイエンスフィクション。
宗教・哲学・科学を交え人類の苦闘が、
称賛すべき映像と共に描かれています。

物語の軸は一貫して「生命論」であり、
この点に於いては一定の評価をしたいのですが、
最終章だけに、論説ばかりが先行して、
スペクタクルな活劇としては物足りないです。
{netabare}ギドラ・モスラ、ほとんど見せ場がない。{/netabare}
やはり娯楽怪獣映画としては厳しいでしょうか。

人類は興味深い観察対象であり、
ゴジラという究極の生命体の前座である。
{netabare}驚くべき進化、生命力で人類史を蹂躙する。
エクシフが仕掛ける、人類史への功名な罠が、
神と崇める、高次元怪獣ギドラを召喚させる。{/netabare}
ゴジラとは人類の傲慢さへの「罰」なのでしょう。

撃退するのか、全滅するのか、
力強くも悲劇的なメッセージと共に、
金色の終焉の翼は天高く舞い上がるのです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 24
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