P.A.WORKSで泣けるなおすすめアニメランキング 10

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのP.A.WORKSで泣けるな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月18日の時点で一番のP.A.WORKSで泣けるなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

90.5 1 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング1位
凪のあすから(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (6452)
25525人が棚に入れました
海と地上、そのどちらにも人が暮らす世界。中学が廃校になり、幼なじみと共に地上の学校へ通うことになった海村の少年・先島光が転校初日目撃したのは、大切に守ってきた少女まなかが、地上の少年と特別な出会いをした瞬間だった。

声優・キャラクター
花江夏樹、花澤香菜、茅野愛衣、逢坂良太、石川界人、小松未可子、石原夏織、名塚佳織、天田益男、間島淳司、清川元夢、鳥海浩輔
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

溢れ出る感情の波に幾度も心をかき乱されてしまう、感銘も感動も大きいが視聴に難儀する《名作》

(2019年3月) 制作情報等を追記

◆感情描写の濃度が桁外れに高い作品

私は、恋愛などの感情描写系アニメを視聴するときは、作品中に不意に差し込まれる微妙な心情変化を見逃さないようになるべく集中して視聴するようにしているのですが、本作の場合、多数の登場キャラたちのどんな目線の動きにも手足の仕草にも確りと意味が込められていて、そうした一つひとつの挙動に暗示される各キャラの感情推移を読み取るのに視聴中ずっと頭をフル回転させている状態が続きました。
そのため1話視聴する毎に物凄く疲れて、暫く頭を休ませてから次の話に行く、ということの繰り返しで、これまで本作を余裕を持って視聴できていなかったのですが、3周目を終えた時点で漸(ようや)く、そうした感情を読み取る作業を自分が納得いく程度に終えることができた感じを持てました。
そして念を入れて行った4周目の視聴で、やっと余裕をもって本作全体を楽しめ、かつ自然な感じで感動もできたように思ったので、それに合わせて本作の評価を ★ 4.3 → ★★ 4.7に大幅に引き上げました。
(※1~3周目も視聴中に感動はしていましたが、果たしてその自分の感動が辻褄の合った納得のいくものなのか確証がもてずに警戒しており、本作の総合評価を ★ 4.1~4.3と低めに据え置いていました)
だいぶ苦戦しましたが、頑張って繰り返し視聴して良かったと思いました。

◆起/承/転/結のはっきりしたシナリオ構成

本作は、純粋な日常系の恋愛作品ではなく、①ファンタジー設定と②セカイ系設定を上手く組み込んだ変則的な恋愛感情描写系作品ですが、よく見るとシナリオ構成の基本に忠実に、全26話を以下のように、【起】【承】【転】【結】に上手に振り分けていることが見て取れます(※詳しくは◆各話タイトル&評価へ)。

【起】第1~7話(計7話) {netabare}海村とウロコ様の存在というファンタジー設定が示される{/netabare}
【承】第8~13話(計6話){netabare}地上の異変と海村の冬眠・人の滅びの予告というセカイ系設定が示される{/netabare}
【転】第14~20話(計7話){netabare}5年後の世界に切り替わり海村の3人の冬眠からの目覚めが描かれる{/netabare}
【結】第21~26話(計6話){netabare}登場人物たちの錯綜した恋愛状況が世界の命運と連動しつつ収束していく{/netabare}

◆作品テーマ

ひとことでいえば、{netabare}恋愛感情をもつがゆえの苦悩とその最終的な肯定{/netabare}、を描き尽くすことにあると思います。
この作品テーマは、第5話(あのねウミウシ)での美海と光の会話によく現われます。
{netabare}
美海「もう、あんな悲しいお腹になるのは嫌だ。大好きにならなければ、あんなに苦しくならない。だから、だから美海・・・」
光「大好きにならなければ、好きにならなければ、辛くならない。確かに、そうかも知れねぇな。」
美海「え?」
光「なんか俺も人のこと言えねぇ。好きとか、なんないほうが、やっぱ楽なのかも知れねぇと、思う。だけどよ、誰かを好きになるの駄目だって、無駄だって思いたくねぇ。」{/netabare}

→この会話は最終話で見事に回収されます。

※なお、本作で最終的に肯定される「恋愛感情」とは具体的にどのようなものか?をさらに一歩踏み込んで考察すると本作を一層深く楽しめるようになるのではないか、と思います(※その点、◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理へ)。


◆制作情報
{netabare}
原作         Project-118
監督         篠原俊哉
シリーズ構成     岡田麿里
脚本         岡田麿里(12)、横手美智子(4)、吉野弘幸(4)、和場明子(3)、根元歳三(2)、西村ジュンジ(1)
キャラクターデザイン ブリキ(原案)、石井百合子
音楽         出羽良彰
アニメーション制作  P.A.WORKS{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得のいかなかった疑問回

======================= 凪のあすから(2013年10月-2014年3月) ====================

~~~~~~~~~~~~~~ OP「lull〜そして僕らは〜」、ED「アクアテラリウム」 ~~~~~~~~~~~~~~
     ※ まなか・ちさき・光・要・紡(中学2年)、美海・さゆ(小学3年)
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 【起】 第1~7話は、{netabare}海村の4人が陸村の中学に転入したことを切っ掛けとして、彼ら内部や彼らと陸村の人たちとの間に発生する心の揺れ動きを描出{/netabare}
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{netabare}第1話 海と大地のまんなかに ★ 海村の4人の転校初日、まなか・紡の出逢い
第2話 ひやっこい薄膜 ☆ 美海・光、さゆ・要の出逢い、あかりの恋愛事情
第3話 海のいいつたえ ☆ 海村の掟、あかりの男の事情、紡と海村の4人が打解ける
第4話 友達なんだから ★ お女子様の破損事件、さゆの要への思慕の始まり
第5話 あのねウミウシ ★★ ちさきの想いを知ってしまう紡・まなか、美海家出・光への思慕の始まり
第6話 巴日のむこう ★ 光・紡の水泳競争、ちさき・まなかの喧嘩~仲直り
第7話 おふねひきゆれて ☆ 海村と陸村の対立、あかり海村から離れ地上へ{/netabare}
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 【承】 第8~13話は、{netabare}地上の異変~海村の冬眠決定を契機とした海村の4人や陸村の人たちの決断・行動を描出{/netabare}
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{netabare}第8話 たゆたう想いのさき ☆ 美海・光・紡・まなか・ちさき町へ(プレゼント探し)
第9話 知らないぬくもり ★ 地上の異変、紡→ちさき「今のあんた嫌いじゃない」、廃校でハグ(光→まなか)
第10話 ぬくみ雪ふるふる ★★ 冬眠の準備、まなかの想いはウミウシへ、要の告白
第11話 変わりゆくとき ☆ お船引き決定~準備、あかりの決断(結婚・お女子様に)、ちさきの決断(光へ)
第12話 優しくなりたい ★★★ 廃校での告白(光→まなか、ちさき→光)、第1話のリフレイン(まなか・紡)
第13話 届かぬゆびさき ★★ 冬眠、お船引き、お女子様(あかり→まなか){/netabare}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ OP「ebb and flow」、ED「三つ葉の結びめ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ※ まなか・光・要・美海・さゆ(中学2年)、ちさき(看護学校1年)、紡(大学1年)
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 【転】 第14~20話は、{netabare}5年後の海村の3人の目覚め、彼らと地上に残された人たちの戸惑いを描出{/netabare}
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{netabare}第14話 約束の日 ★ 5年後の世界(主にちさき・美海の視点から)、光の目覚め
第15話 笑顔の守り人 ★ 光・ちさき再会、美海の光への思慕、紡→ちさきへの希望表明
第16話 遠い波のささやき ★★ 光とのデート(美海・さゆ喧嘩)、美海にエナ、要の目覚め
第17話 ビョーキなふたり ☆ 要・ちさと再会、さゆ・要再会、海村へ(美海・光・要) 
第18話 シオシシオ ☆ 冬眠中の海村の様子、まなか発見~救出
第19話 まいごの迷子の… ★ 大人になった事に気付くちさきと、紡・要の彼女への想い
第20話 ねむりひめ ★ まなかの目覚め(必死に手を尽くす光と揺れる美海の心){/netabare}
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 【結】 第21~26話は、{netabare}海神様とお女子様の伝承をリンクさせつつ、登場人物たちのそれぞれの想いの着地点を描出{/netabare}
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{netabare}第21話 水底よりの使い ☆ OP映像マイナー変更。まなかの異変、ちさきと光たちとの距離・紡との距離
第22話 失くしたもの ★ ウロコ様探し、まなかの失ったもの(人を好きになる心)
第23話 この気持ちは誰のもの ☆ ウミウシの石、紡・光の殴り合い、紡の想いがちさきに伝わる(紡にエナ、海村へ)
第24話 デトリタス ★★★ お船引き再び、ちさきの本心(要へ)、さゆ→要へ告白・完結
第25話 好きは、海と似ている。 ★★ まなかの本心(美海・紡へ)、紡・ちさき完結、美海失恋、お船ひき
第26話 海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~ ★ 美海の心を知る光・お女子様の心を知る海神様、光・まなか完結、ぬくみ雪やむ{/netabare}
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★★★(神回)2、★★(優秀回)5、★(良回)10、☆(並回)9、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.7


※このように本作は前半のラスト2話(第12-13話)・後半のラスト3話(第24-26話)にそれぞれクライマックスが来るように巧みに構成されていますが、その他の回も万遍なく楽しめる平均点の高い作品となっています。
(前半が詰らなくて後半がグンと面白くなく『とらドラ!』とは好対照)


◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理

私たちがラブストーリーを批評する場合、「きゅんきゅんする」「甘酸っぱい」「純情」というのは常套句ですが、そうした感覚的で曖昧な表現だけでは、恋心(恋愛心理)の分類としては舌足らずであり不明確だと思うし、また本作に描かれた恋を「青臭い」の一言で切り捨てるのはいかにも粗雑な感想だと思います(※もし「青臭い」と断言するならば、どこがどう青臭くて、それとの対比で「青臭くない」恋とはどんなものなのか?が具体的に示されないと説得力に欠けます)。

そこで、ここでは本作に描かれた恋愛模様をより具体的に考察するために、以下の分類を用います。

{netabare}<1> 出逢い方による分類

①幼馴染型 → 海村の4人の場合(光・要×まなか・ちさきの関係)
②ボーイ・ミーツ・ガール型 → 陸村と海村の出身者の間の場合(紡とまなか・ちさきの関係)
③年上への憧れ型 → 陸村の小学生と海村出身の中学生の場合(美海・さゆ×光・要の関係)

<2> 恋の回数による分類

①初恋 → この作品の大部分の恋
②2回目以降の恋 → 無意識のうちに進行してしまうちさきの紡への恋
③その他(既婚者との恋など) → あかりの美海の父への恋

<3> 恋愛感情の内容による分類

①趣味的恋愛感情(※相手の好意の獲得を目的とした駆引き的な恋であり、恋に恋して恋を自覚的に楽しんでいる状態)
②虚栄的恋愛感情(※ブランド品を見せびらかすように恋人を持ちたがること、また人の恋路に嫉妬して燃え上がる恋)
③肉体的恋愛感情
④情熱的恋愛感情(※説明が難しいが、本作で描かれるほぼ全ての恋愛感情はこれに当てはまる){/netabare}

このように本作は、都会から遠いファンタジックな小村(海村も陸村も)で生まれ育ち、世の波風にまだ汚されていない中学2年(13~14歳)の少年少女の初恋という設定に基づき、全26話を通して、①~③の要素をほぼ排除して、④情熱的恋愛感情の描出一本槍で突っ走るという、ラブストーリーとしては些(いささ)か稀な作品となっています。

また、本作で描かれる心理関係のほとんどが、幼馴染の間か、さもなくば年上への憧れとして発生していることも、彼らの④情熱的な恋愛感情に説得力を持たせています。

《一般的な恋愛作品との違い》

これがもし高校生以上の関係で、かつボーイ・ミーツ・ガール型の出逢いだったなら、いきなりの④情熱的恋愛感情の発生には余り説得力がなかったことでしょう。
例えば、あにこれでも高評価の恋愛アニメの代表格『とらドラ!』は、
{netabare}
(1)序盤から中盤にかけて、ヒロイン大河の北村君への恋のときめきや躊躇いを繰り返し描き出していますが、そうした大河の恋心は、実は「駆引きを通して相手の好意を獲得することを目的とする恋」つまり①趣味的な恋愛感情であって、
(2)第16話(すみれさん乱闘事件)を機に大河は自分の恋心の浅はかさを悟らざるを得ず、そして、
(3)第19話で、大河はとうとう自分の本当の恋心は北村君ではなく竜児にあることを自覚するに至り、なおかつ、この自らの恋の成就を目指すのではなく、これを秘匿し押し殺して竜児の恋の成就を密かに支援する側に廻ることを決意する、
{/netabare}
・・・という流れになっていますが、このように大河の恋心が、①趣味的な恋愛感情から、④情熱的な恋愛感情に移行してしまうストーリー展開の巧みさに『とらドラ!』の凄みがあって、それがこの作品が高評価を取っている本当の理由と私は考えています。

この『とらドラ!』の例のように、優れた恋愛作品というのは、アニメ・実写あるいは小説といった表現媒体に関係なく、

(1)①趣味的な恋愛感情、②虚栄的な恋愛感情、あるいは、専ら④肉体的な恋愛感情からスタートした心理的関係が、
(2)いつの間にか、④情熱的な恋愛感情に転換してしまい、本人の意思では簡単に逃れられなくなっている様

・・・を説得力をもって描き出している作品であるのが一般的だと思います。

※因みに、そのような説得力を持ったアニメ作品は、実は結構少ないと私は思っており、例えば、あにこれで「恋愛タグ」に高いポイントがついている作品であっても、その内容をよく見ると、①趣味的恋愛や②虚栄的恋愛の範囲内で終始していて、④情熱恋愛への転換を描くに至っていないものが幾つもあると思います(例えば、『CLANNAD』、『初恋限定』)。

《本作視聴の難儀さの理由と魅力》

そうした一般的な恋愛作品との比較から、本作はやはり、
{netabare}
(1)海村という閉鎖的な環境で自然に芽生えた幼馴染同士の恋という設定、また、
(2)小学3年生の少女の5歳年上の少年への憧れと、少年の5年間の冬眠状態~解除により、本来は恋愛が成立しないはずの関係が“成立し得る関係”に転換してしまう、という現実世界では在り得ない特殊設定
{/netabare}
を巧みに用いて、序盤から終盤まで一貫して、④情熱的な恋愛感情の進行過程の描出だけでストーリーを展開している点で、恋愛作品として特殊であって、

(1)その④情熱恋愛一本槍という特徴から、本作に独特の息詰まるようなナーバスさが発生し(※注釈)、
(2)その結果、私たちは毎話のように視聴に難儀してしまう羽目に陥るのですが、
(3)そのナーバスさ・難儀さは私たちにとって、懐かしくまた切ない感覚を伴ったものでもあって、
(4)結局のところ本作の最大の魅力は、そうした感覚を私たちに思いがけず(かつ繰り返し)惹起させてしまう点にある、

・・・と私は結論づけたいと思います。

(※注釈)もし本作に、①趣味的・②虚栄的・③肉体的な恋愛感情が一定量混在していれば、他作品によくあるように、それらが適度に陽気な冗談や下ネタやおふざけを作品中に呼び込んでいたはずです。

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◆(参考)過去に書いた感想・レビュー

※前述のとおり、私は3周目までは「自分が安易に感動させられてしまうこと」への警戒から本作に対して相当に身構えていて、本作から自分が受ける感動の性質を慎重に見究めようという批判先行の視聴姿勢を取っていました。
以下はその当時の感想・レビューの一部です。

2015.3.10 三回目視聴を完了。
各話評価を追記。総合評価を4.1→4.3に改訂。
1クールに上手く圧縮されていたなら私も本作を名作(総合評価4.5以上)と評価していたと思います。
ですが、2クールはちょっとやり過ぎ感あり(稀に見る美酒も味わい過ぎると食傷気味になってしまう感じ)。
そういう意味では、かなり残念な作品でした。

2014.7.19 二回目視聴を完了。
全体に遊びとかギャグ要素が非常に少なく、重く沈鬱な印象。
この作品は毎話毎話、ほんの一瞬のカットに感情の微妙な変化や発露を盛り込んでくるので、安直な気分で流し見するわけにはいかず、全26話を通しで視聴するのに今回もかなり時間がかかってしまいました。

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※以下は第1回目視聴直後の感想・レビューです。

《岡田シナリオのメタ分析》

{netabare}★岡田シナリオの基本パターン

このアニメのシナリオ構成・脚本を担当した岡田磨理という方のシナリオは、表面的には色々ヴァリエーションを取りながらも、大雑把にいえば、

==========
A子はB男が心底好きだ。
だがB男は、A子の親友のC子の方に恋をしており、A子にはそのことがよくわかる。
A子も親友のC子が大好きで、彼女の美点を沢山知っている。



A子は、自分がB男に恋しているのと同じように、B男もC子に恋をする権利があると考える。
A子は、B男の恋心を捕らえている親友のC子を羨ましく思い、そしてそのようにC子に嫉妬している自分の心に気づいて、自分を浅ましく醜いと思う。
A子は、B男のC子への恋が実ることが、自分が恋をしているB男にとって一番幸福なことだと思い込む。
こうしてA子は、自分の恋心を押し殺して、B男のC子への恋を実らせるために密かに行動を始める。



ところがC子は、ずっと以前から親友のA子がB男に激しく恋していることを知っており、A子のB男への恋を実らせるために、B男に対して無関心を装うどころか、B男ではなく全然関係ないD男に恋している振りまでして、B男の自分への恋心を挫こうとしている。
実はC子も本当はB男を恋しているのだが、親友A子の恋心を犠牲にしてB男の恋心を受け入れようと時折考える自分の心を醜く浅ましく思い、許せないでいる。



一方、B男は・・・
また、D男は・・・
==========

という複数の男女の恋心が錯綜しループして、それぞれの善意と誤解から軋みと混乱と和解とが繰り返され、こうしたカオス的状況の中から次第に着地点が現われてくる、というパターンを、凡そ踏襲しているように見える。

この「凪のあすから」という作品も、これでもかと畳み掛けるような感じで、こうしたパターンが集積して出来上がっているように見える。

さすがにここまでくると、ちょっと食傷気味で、私の個人的評価は低くしてしまいましたが、でも、やっぱり実際視聴してみたら、相変わらず面白いんだよね、これが。

逆に言うと、なぜ岡田磨理さん以外のシナリオライターが、こうしたワンパターンながら安定的に私たちの心を揺さぶるようなシナリオ・脚本を書けないのか?ということの方が疑問なくらいです。

★岡田シナリオとその他の人のシナリオの違いとは何か?

一言でいえば、登場人物たちが、根本的な部分で、自分の恋心の成就を望むか否か、の違いではないか。

上にも書いたとおり、岡田シナリオの登場人物たちは、

①自分は誰かに激しく恋しながらも、
②自分の恋の対象者は、自分と同じくらいの強さで別の誰かを恋する権利を持っており、あるいは、
③自分とは別の誰かも、自分と同じくらい自分の恋の対象者に強く恋する権利を持っている、

ということに何時も気づいて、結局

④自分の恋心を押し殺して、自分の恋の対象者の恋を成就させることが正しい、という結論に達し、
⑤そのために密かな行動に出て、かつその行動を決して誰かに悟られまいとする、

という行動パターンを踏襲する(しかも一方ではなくほぼ全員が)。

要するに、岡田シナリオの登場人物たちは、他の、言ってみれば趣味的な恋愛感情のやり取りをしている作品の登場人物とは全然違って、アニメ作品でありながら、かなりリアルな情熱恋愛的な行動パターンを取っている、ということになり、そこから岡田シナリオの独特の迫力が生まれるのではないかと考えます。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 161
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出会えました!心の底から感動した作品に

物語は海の人と地上の人がいる世界
ある日、海の中学校が廃校になり、光、まなか、ちさき、要の海村の幼馴染4人が地上の学校へと転校する...
海の人、地上の人。いがみあっていた別世界の人たちが出会いそこから物語が生まれていきます。

制作がP.A.WORKSということで映像が素晴らしい。風景、顔の表情、瞳の中に映る心の揺れに至るまで繊細に描いています。
映像を豊かに彩るサウンドを聴いてください、歌詞がまるで情景からあふれでたようです。音楽が醸し出す幻想的な世界に心惹かれます。

海はこの世界の美しさを強く表現しています。圧倒的な存在感で私の心を掴む。
沖へいくにつれて海の色は透明、水色、青、深い青…神秘的な程美しく、波の動きにあわせて太陽の反射した光がきらきら揺らめく、多彩に変化する光や波の表情を見てください。

出会い、友情や恋愛が生まれ、人の数だけ かけがえのない物語がありました。
{netabare}
自分の想う人は違う人を見つめている…
それに気づいていても諦めきれない
ちょっとした言葉に一喜一憂している自分がいて
気付いているからこそ何気ない自分への優しさが辛かったり
それぞれに想いをよせ、交差する気持ち

例えば好きな人が違う子を想っていたら・・
自分が身をひいて応援できますか?
私は、そんな風に思えないかもしれない
頭では分かっていても、きっと心が追いついてこない
心の中で何度「切ないね」って叫んだことでしょう...


一番感動したドラマティックな場面

踏み切りのシーン

さゆから要への告白

「あんたがいない間も、あんたはここにいた!ちゃんと、この真ん中にいた!」

電車が目の前を通り過ぎ、遮断機がゆっくりと上がる

踏切を挟んで、さゆと要

想いを全てぶつけた、さゆがそこにいた。

そして、あの要が涙をながす...
「そうか、僕は、さゆちゃんの中にいたんだね、本当は淋しかった・・・」

5年ごしの気持ちをストレートな言葉で伝え、それを受けとめた要。
心の底から感動しました。

切ないのも、苦しいのも、楽しいのも、全部大切な気持ち…恋なんですよね
{/netabare}
それぞれが想いを抱く恋する気持ち、葛藤、繊細な表現はどこまでも美しく、最後まで泣いたり笑顔になったり、感情を揺さぶられ続けました。
ストーリー、作画、デザイン、音楽、本当に素晴らしい。
この作品に出会えたことに感謝します。ありがとうございました。

最後に、またいつか皆に会えることを願っています!!

投稿 : 2024/04/13
♥ : 145
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

青い海のお伽話

陸と海、どちらにも人が暮らす世界を舞台に、
少年少女の揺れ動く、心情を描く恋愛模様。
壮大な物語と風景の美しさに圧倒されます。
語り継がれるであろう、美しい世界がここに。

交錯する一途で複雑な思い、
思春期の面倒くささが丁寧に描かれる。
{netabare}誰かを想えば誰かが泣く、
好きにならなければ苦しくはならない。
向き合わない恋のベクトル。{/netabare}

そして恋愛と並行して描かれる、
違う価値観を持った人々の諍いと交流。
{netabare}ここをメインテーマに語る選択肢もあった。
ファンタジー色の強い恋愛が苦手な私には、
こちらの選択肢もありでしたね。{/netabare}
名作の名に恥じない見応えのある作品ですが、
長所も短所も同じ場所にあるのではと感じます。

太陽が輝く地上への憧れ、
伝統と風習に敬意を払いつつも、
それに縛られない生き方をしてほしい。

「人を想うこと」
泣いたり笑ったり出来るのも、
誰かを想い、慕う気持ちあってのもの。

世界にはたくさんの想いが輝いている。
そんなメッセージが込められた青い海のお伽話。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 106

91.4 2 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング2位
SHIROBAKO(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (3716)
15354人が棚に入れました
水島努とP.A.WORKSによる新作オリジナルTVアニメ。

5人の夢を追う女の子を中心に白箱(関係者に配られる完成したアニメ作品が収録されたVHSやDVD)の完成を目指し奮闘するアニメ業界の物語になる。

声優・キャラクター
木村珠莉、佳村はるか、千菅春香、髙野麻美、大和田仁美、西地修哉、松岡禎丞、山岡ゆり、吉野裕行、茅野愛衣、松風雅也、中原麻衣
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

タイトルなし

仕事アニメってあんまり多くないけど、
仕事終わった後に仕事アニメ見るとなんか面白いです笑

主人公がんばってて好感ですね~^^
とりあえず、「しゃーす」禁止笑

第19話は神回★

■第4話
{netabare}
ずかちゃん、よかったぁ
このメンバーの、社会人になってからの
集まってからの飲みっていいですね~
みんな揃ってアニメ作るシーンが早く見たい!
{/netabare}

■第12話
{netabare}
杉江無双回でしたね。
今までさっさと帰ってた人があんな胸アツな
展開を作ってくれるとは・・・!
引き続き2クール目も楽しみです。
{/netabare}

■第13話~16話
{netabare}
みゃーもりは順調に出世してますね♪
タローはすっかりダメ社員が定着してます(笑)
ヅカちゃん先輩なかなか仕事苦戦してます。。。
今クールで全員そろってひとつのアニメを作るのかなぁと
期待したのですが、まだまだ道長し!ですね^^
{/netabare}

■第19話
{netabare}
第19話「釣れますか?」は神回でした!
自分の夢を再確認した武蔵野動画でのシーンは
うるっときましたね。
よかったなァ^^
{/netabare}

■第23話
{netabare}
カントク大活躍でした!
最初から原作者と話とけよって感じですが、やっぱりああいった
展開はアツくて好きですね^^

そしてここにきて
ずかちゃん先輩キターーーーーーーー!!!!

この展開をだいぶ前から待っていた人は多かったのではないでしょうか。
みゃーもりの号泣シーンにもらい泣きです。
{/netabare}

■第24話
{netabare}
最後まで安定した、良いアニメでした^^
高校時代の仲間たちと、ほんの少しだけど
同じアニメを作って最終回を迎えることができました。

「やりきった!」って感じはするけど
今期で最も続編を期待しているアニメです♪
{/netabare}

■ニコ生一挙1期_20150509
{netabare}
ニコ生一挙もこれで何度目かですが、
何度見ても面白い!^^

序盤第3話は、あるぴんのシーンのリテイク。
2話後半からリテイクの話で盛り上がってからの
3話でのリテイク完成シーンは印象深いですね!
ED直前でリテイク完成版をもってくる演出好きです^^

中盤はみーちゃん、ずかちゃんを中心に
将来の進路に悩みながらも前向きに進んでいく回。
みゃーもりの答えは2期までお預けですが、とても
共感できる内容ですよね。

そしてラスト!
カントクの最終話絵コンテ完成のアツイ展開からの
杉江レジェンド発動!!
アツイ展開からさらにアツイ展開へ!
これはニクイですね~。
最終回にピッタリの内容です。

5/10に2期の一挙放送やってますが、
タイムシフトで来週見ます^^
{/netabare}

■ニコ生一挙2期_20150510
{netabare}
1クール目以上にアツイ展開の2クール目!
Bパートのラストは毎回毎回ニクイ演出の連続です。

個人的に好きなのは第19話「釣れますか?」
武蔵野動画の過去回想で、若かりし日の社長や大倉さん
杉江レジェンドの制作風景からの、みゃーもりの
アップシーン
泣ける。。。

第22話はまさかのタロー回
平岡の苦労話と、タローの「表彰状シーン」はスバラシイ!
タロー株ストップ高!

そして第23話のラストはずかちゃん先輩が
ついに!
第1話から見ていた人からすると、ようやっと、ずかちゃん先輩が(泣)
まさに号泣!!

そしてまさかの、一挙放送アンケート記録更新来ました!
とてもよかった:98.6%!!!
1期の一挙放送(1回目)が98.4%で記録持ってましたが、
自己記録&最高記録更新!!!

何度見てもやっぱりSHIROBAKOは面白いですね^^
第2期ぜひ見たいです^^
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 144
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

アニメ好きなら見ておくべき作品

アニメ制作にかかわる、いわゆるお仕事系の作品。

アニメ制作に『本気で』携わっている全ての人々の想いが詰まった作品です。
前半はオリジナルアニメ、後半は原作ありアニメの制作現場が、笑いあり、涙ありで描かれています。

実際の現場はこんなに綺麗ごとでは済まないんだろうなぁと思いつつ、引き込まれるように視聴しました。

主人公の5人組が、それぞれの立場で、巧みに一つの作品に関わっていくストーリーはやり過ぎかとも思いましたが、23話でおいちゃんと一緒に号泣してしまい、納得の高評価。

登場人物が多いので、度々、肩書と名前が描かれている所は、分かりやすくて高評価。

作品の性質上、作画と音楽は言うまでもなく高評価。ここがイマイチではお話になりませんからねぇ。

タローの{netabare}無責任・おバカ・仕事できない{/netabare}キャラと某編集のキャラが作り過ぎかと思ったので、少しマイナス評価。
だけど、こういう人物が一人混じっているところが、逆にリアルなのかもしれないですけどね。

こういう作品を見ると、見事に作画崩壊した「あの作品」や静止画を多用した「あの作品」、クール中に総集編をぶち込んだ「あの作品」などの評価がより厳しくなってしまうかも(笑)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 137

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アニメ制作に携わっておられる方々の奮闘努力に感謝

この物語は、アニメーション会社の新入社員、宮森あおいとその仲間たちが、アニメの完成を目指して奮闘努力する群像劇です。
私たちが普段なにげに見ているアニメをつくるために、こんなに多くの人たちが奮闘努力しているとは、今まで私は知りませんでした。

アニメ制作に携わっておられる方々、ありがとうございます。


宮森あおいは、高校時代、アニメ同好会で4人の仲間と一緒に自主製作アニメーションを作成しました。そして「卒業後、いつかもう一度集まり一緒にアニメーションを作成しよう」と、仲間たちと誓いをたてました。

それから2年半後、あおいはアニメーション会社で多忙な日々を送ります。
高校時代のほかの仲間たちも、東京へ出てきて、不安を抱えながらも、あのときの誓いを実現すべく、奮闘します。

彼女らは、制作、原画、脚本、声優、3Dクリエーターと、それぞれの道を進んでいます。
各自がそれぞれの分野で腕を磨くことで、いつかきっと一緒にアニメーション制作ができる。彼女たちは皆、その信念を持っています。
これは、仲間を信じないと決してできないことです。彼女たちの信じ合う心に感動しました。

そして、私が特に注目したのは、声優を目指して頑張っている坂木しずかです。

彼女は何度も何度もオーディションを受け、そのたびに不採用となります。
友達は皆、夢に向かって進んでいますが、彼女だけがまだ夢への入口にも到達していません。
しずかは何度も心が折れかけます。

でも、彼女には夢があります。だから、何度も何度も挑み続けます。

そして23話目、私は思わず涙を流してしまいました。
あおいとしずかとの会話は一切なく、あるのはアイコンタクトだけ。
でも、それだけでお互いの気持ちが十分にわかります。とても素晴らしい内容でした。



夢をかなえるために努力している人たち全てが、必ず夢がかなうとは限りません。
でも、夢をかなえるために努力している人でなければ、決して夢はかなえられません。

私たちが使用しているアルカリ蓄電池、それはエジソンが発明しました。
でもエジソンは、蓄電池をつくるのに約5万回も試作を繰り返したそうです。

多くの人は、エジソンを『ひらめきの天才』だと感じています。
しかし、彼は『ひらめきの天才』ではなかった。彼はまさに『努力の天才』でした。
彼は失敗を恐れずに何度も何度も挑戦を続けていったのです。


この物語では、あおいたちの懸命な努力を見ることができます。
私たちも、あおいたちに負けないように、懸命に努力し、生きていきましょう。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 119

88.9 3 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング3位
さよならの朝に約束の花をかざろう(アニメ映画)

2018年2月24日
★★★★★ 4.2 (650)
3470人が棚に入れました
一人ぼっちが 一人ぼっちと出会った

出会いと別れが紡ぐ永遠の一瞬

少女はその時 愛にふれた

『あの花』『ここさけ』の岡田麿里、初監督作品。

声優・キャラクター
石見舞菜香、入野自由、茅野愛衣、梶裕貴、沢城みゆき、細谷佳正、佐藤利奈、日笠陽子、久野美咲、杉田智和、平田広明
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いのちを紡ぐ

P.A.WORKS制作、
岡田麿里、監督・脚本作品。

人里離れた土地でヒビオルと呼ばれる布に、
日々の出来事を織り込みながら静かに暮らす。
10代半ばで、外見の成長が止まり、
数百年の寿命を持つイオルフの民の物語。

幻想的な世界でありながら、
緻密な構成と書き込みの密度が高く、
臨場感あふれる世界観に圧倒されます。
見た目はさほど変化せず悠久の時を生きる、
イオルフの少女マキアは運命に翻弄されて行く。

愛すれば、やがて1人になる。
この道はきっと「孤独」に繋がる。
{netabare}肯定されるべき感情がここではそうならない。
死なない身体とはそういうことだろう。
多くの別れを見送って、
それでも時は立ち止まらずに進んで行く。{/netabare}

いのちを繋ぐこと、紡ぐこと、
懸命に生きる人々の呼吸に満ちている。
愛すると言うこと、子を育てること。
{netabare}躊躇いはやがて尊い「生」の肯定へと至る。
生きるということはそれ自体が学ぶことだ。{/netabare}
きっと物語は終わらないだろう。

そうだ、愛して良かったのだ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 86
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

時の流れが織りなす母子の愛と別れの物語

世界観:9
ストーリー:8
リアリティ:9
キャラクター:8
情感:10
合計:44

【あらすじ】
人里離れた土地に住み、ヒビオルと呼ばれる布に日々の出来事を織り込みながら静かに暮らすイオルフの民。10代半ばで外見の成長が止まり数百年の寿命を持つ彼らは、“別れの一族”と呼ばれ、生ける伝説とされていた。
両親のいないイオルフの少女マキアは、仲間に囲まれた穏やかな日々を過ごしながらも、どこかで“ひとりぼっち”を感じていた。そんな彼らの日々は、一瞬で崩れ去る。イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる古の獣に跨りメザーテ軍が攻め込んできたのだ。
虚ろな心で暗い森をさまようマキア。そこで呼び寄せられるように出会ったのは、親を亡くしたばかりの“ひとりぼっち”の赤ん坊だった。少年へと成長していくエリアル。時が経っても少女のままのマキア。同じ季節に、異なる時の流れ。変化する時代の中で、色合いを変えていく二人の絆――。
ひとりぼっちがひとりぼっちと出会い紡ぎ出される、かけがえのない時間の物語。
(公式サイトより抜粋)

【視聴経緯】
特に好きなシリーズとかではなかったものの、あにこれでの評価が良かったので劇場まで足を運んできました。もう少し後ならリズと青い鳥が観れたのにと思ったタイミングでしたが(あまり自由が利かないので)、結果的には本作を劇場で観ることができて本当に良かったです。

【未視聴者に向けて】
個人的にもこの評価点は劇場版の尺での最高値ですし、滅多に超えない4.7のハードルを越えているので、私の評価点に概ね共感を持たれている方は、おそらくは楽しめると思います。なので、特に先入観を入れることも必要なく見ることをおすすめしたいと思います。

【ネタバレなしでいくつか見どころや注意点を教えてほしい方に向けて】
(ネタバレはありませんが、何も情報はいらないという方のために閉じておきます)。
{netabare}作画の水準が非常に高いのがまずは見どころです。ヒビオルの塔の内装、様々なシーンの空と雲や、雪景色、煙の出ている町の風景、などが特に印象に残っています。

映画の2時間の間に、たまに飛び飛びで時が流れます。テロップなどはないので、言葉等で気づく必要があります。国家間の戦争等も描かれますが、中心は主人公マキアと縁あって育てることとなったエリアルとの母と子の愛情、人間関係の変遷がむしろ中心として描かれているのが一番の見どころです。

女性のほうが感動できるかもしれないと思うのと、男女共通で、それなりに人生経験のある大人のほうが感動できると思います。

劇場版となると、観客を笑わすコメディが入ることがありますが、本作は皆無。ひたすらシリアスなので、シリアスが苦手な方は楽しめないかもしれません。

注意点としては、若干、専門用語があります。ヒビオルが代表例でしょうか、織物のことと思って見ていると、違った表現をされたりします。織物にメッセージのようなものを記録できるようで、それが広めの言葉として使われることがあるように思いました。イオルフは主人公の種族(エルフ的な)、レナトは竜のことです。

また、最初は、マキア以外のイオルフのキャラの見分けがつきにくくて混乱するかもしれません。紛らわしいのはレイリア、長老、クリムの3人でしょうか。長老は序盤以降は出てきませんので、女性はレイリア、男性がクリムと思えば多分大丈夫かと。{/netabare}

【ネタバレを含む感想】(視聴した方のみどうぞ)
{netabare}
本作の表面上のテーマはプラスティック・メモリーズに近いように思いました。プラメモはギフティア(人間そっくりのロボット)の寿命のほうが短く、ギフティアとの間で思い出を作る意味があるのか、というテーマでしたが、本作は主人公のほうが何百年の寿命を持つイオルフであり、別れの一族と呼ばれ、人を愛せば本当の独りになるという教えに背いて、人間を愛することに意味があるのか、という話と捉えれば、その類似性がわかると思います。

プラメモは設定が甘すぎで、作品としては泣けるラブコメ萌えアニメ(私はお気に入りですが)といった感じでしたが、本作は壮大なファンタジー世界で重厚さがありました。時代としては中世~近代をモデルとしつつ、大きな破綻は見当たらず、無理なく世界に入っていけました。

ちょうど、今シーズン(2018冬)ではヴァイオレット・エヴァーガーデンが放映されていますが、京アニの大作と比較しても、作画面でも劣っていないどころか、個々の画では上回っていますし、戦争の表現とキャラクターの乗せ方はこちらのほうが自然で成功しています。

外見の成長が止まる(老いない)という点も、声優の声や演技を変えなくて良い、主人公の外見の美しさを維持できるという面で非常に優れた設定と言えるでしょう。

ストーリーは、2時間映画で描き切るにはそもそも大きな物語なので、若干駆け足になったところや、最終盤の東京マグニチュードを想起させる回想シーンは少し強調しすぎだったように思いました。時の流れを使った表現は、P.A.WORKSの得意技で、もちろん良いシーンではあったのですが。

それから、リアリティ面にも響いたのが、レイリアの飛び降りシーン。ようやく我が子と対面して、直前では子供を抱きたいと言ってクリムを拒絶していたこともあったのに、なぜスルーなんだと。竜に助けられたのも見ていた時には全く偶然と思いましたしね。後から考えると、レイリアは「あなたたちのことはヒビオルに織らない」と生きることを前提の発言をしているので、レイリアにはマキアが竜で助けにきてくれたのが見えていたと解釈するのでしょうね。それでも、竜に乗れる保証はない状況で飛び降りれるレイリアは凄すぎです。

母子の愛情は、母からの無償の愛にも感動しましたが、子の側のその受け取り方、成長に応じた関係性の変化なども心情描写とともに細やかに描かれていました。お互いの思いの行き違いで、エリアルは、マキアのことを母親とは思っていないなどと言って、家から出ていってしまいます。そして、仕事に就き、結婚もして父親になるというところで二人は再会。

マキアが何て呼ばれてもいいと言った後の、エリアルが「母さん!」と叫ぶシーンは、本作屈指の名場面だったと思います。母親でいることを貫いてきたマキアにとって、本来は嬉しい言葉ですが、相手は父親になった大の大人。子離れをしなければならないと思ったのか、複雑な表情をして別れを選びます。

情感面の話、実は中盤まではそこまで盛り上がりがありませんでした(ほっこりの状態が長かったのですが、その時点でも近くの男が泣いている様子で、今の泣きポイントだったの? と思っていました←後から考えると2回目とかだったのかも)。しかし、終盤は怒涛の追い上げで、結果的には久しぶりに涙腺崩壊しました。

エリアルの死期に立ち会ったマキアは、いまだ妖精のような美しさで神々しかったです。生活感もしっかり感じさせる地に足をついた物語でしたが、最後に神話になったような、充足感に満ちた作品に映りました。

タイトルの約束の花はタンポポで、タンポポの花言葉には「真心の愛」などあるのですが、綿毛は「別離」。別れは、現在の場所から巣立っていく人に贈る前向きな言葉にもなります。マキアの最後のシーンの言葉にも表れていましたが、別れを力強く肯定することがこの作品のメッセージと受け取りました。

岡田麿里氏の初監督作品というのも話題でしたね。同氏が脚本を手掛けた作品では、あの花、ここさけ、(全話でなければ、)とらドラ!、さくら荘、絶園のテンペスト、凪あす、花咲くいろは、など見てきていますが、個人評価を調べてみると、3.8~4.5と凡作はゼロ、並作すらほとんど出さない優良クリエイターさんです。スタッフに恵まれたことももちろんあるでしょうが、いきなりこのレベルの作品を送り出してくるとは…。今後のご活躍を期待しています。{/netabare}

【ネタバレを含む感想2】(2回目鑑賞後)
{netabare}同じ映画を2度も劇場で見たのは初めてです。自身で高評価をつけながら、調整すべきか考えていたのと、1度ではわからない場所があったので。

情報を何も入れずに見た初回と比べると、かなり理解できました。疑問点や新たな発見について、箇条書きにしてみます。

<なぜレイリアはダイブしたのか>
{netabare}初見時の一番の疑問点でした。直前まで、子供に執着を感じさせる発言をしていたので。
まず、ダイブ直前にマキアが「レイリア、跳んで!」と叫んでいて、建物と思える白壁に大きな影が動く描写がありました。レイリアがそれを確認できていたかはまだよくわかりませんでしたが、それに気づいていて、死のうと思って跳んだわけではないのでしょう。

一瞬のうちにメドメルと別れを選んだ理由は容易に消化できるものではないですが、成長の早さを見て、既に子供の成長過程において、自分の存在が意味を持っていない(ヒビオルに織られていない)ことを悟ったということでしょうか。事実、メドメルは母が飛び去っても泣きもしなかった、そういう関係性になってしまっていたわけで、自分だけが一方的に子供に依存する関係になりたくないと思ったのではないでしょうか。

「私のことは忘れて! 私も忘れるから」と気丈な発言をしながら、レナトの上では忘れられるわけないというマキアの言葉に涙する形で締められていましたから。{/netabare}

<イオルフの一族はどうなったのか、レイリア以外の捕らえられた女性は?>
{netabare}レイリアとマキア以外の女性がどうなったのかは描かれていません。

メザーテ軍が襲撃時に「抵抗するならいっそ切り捨てて構わない」と言っているので、抵抗して殺された者も多数いたのではないかと思います。連れ去られた他のイオルフたちは、あえて描かなかったのだと思います。

エンドロール後に一枚絵で、滅んでいないことを示していました。{/netabare}

<クリムについて>
{netabare}本作で一番救われないキャラクターがクリムでしょう。しかし、時の流れがあらゆる関係性を変えていく本作において、その変化に抗った存在として仕方のない結末でした。初見時にはマキアに恨み節を吐いたり、レイリアと心中しようとしたりする、仲間とは思えないキャラでしたが、2回目では、彼があらゆる手で恋人を奪還しようとしていて(別の作品であれば、イオルフの正義のヒーローとして描かれたでしょう)、美しい悲劇に同情します。{/netabare}

<シーンが飛び飛びでわかりにくい>
{netabare}2回見るとほとんど違和感がなくなりました。初見時はマキアを連れ去ったのが誰なのかわかりませんでしたが、クリムでしたね。でも、そこからマキアの髪を切るまで何をしていたのかはいまだによくわかっていませんが。

初回で全て理解するのは難しいのは減点要素ですが、劇場の尺まで徹底的に無駄を削ったのも、芸術性を重視する私にとっては良かったです。必要なシーンは描けていたと思うので。{/netabare}

<バロウが長老の子どもである説について>
{netabare}「外の世界で出会いに触れたなら、誰も愛してはいけない、愛すれば、本当のひとりになってしまう」とマキアに話していた長老。イオルフの掟だと思っていましたが、レイリアかクリムの言葉では、よく長老が言っていたことという表現だったと思います。

そして、イオルフの集落にいなかったイオルフであるバロウ。彼はマキアのことを知っていて、その後、メザーテでマキアのことを助けてくれ、ラシーヌと呼ぼうとした後に長老と言い直したり、最後にも登場します。

そこで、バロウは長老の子どもという説があります。直接的に描かれている場所はありませんが、裏設定としてその可能性は十分にあると思います。長老の愛した人は悲劇に遭い、子供もイオルフの集落に受け入れられなかったことを想像すると、より深い物語性を感じられます。{/netabare}

<マキアとエリアルの恋愛感情について>
{netabare}これも、人によって全く捉え方が違うようです。私は両者とも恋愛感情に至らなかったと思っています。酔っぱらったエリアルがキスをせがむシーンはありましたが、子どもの頃にしていたのはおでこのキスなので。お互いにお互いの関係性がよくわからなくなってきていたことの表れのひとつと捉えています。{/netabare}

他にも、ラングやイゾル視点でも心情描写がされていたり、2回見ても満足できる作品でした。{/netabare}

(参考評価推移:5.0→5.1)
(2018.3劇場にて鑑賞)

<2018.7.28追記>
遅ればせながら、上海国際映画祭におけるアニメーション最優秀作品賞(金爵奨)の受賞、おめでとうございます!

本作は円盤購入を考えていますが、10月26日発売とのこと。結構引っ張りますね…。
映画のパンフレットがすぐに売り切れになってしまい、後日、P.A.WORKSのネットショップで追加販売されたようですが、私が気づいた時(数日で)には完売とどっぷり嵌ったファンが多数いるようで。かく言う私もその一人でして、円盤購入(縮刷版劇場パンフレット)でゲットしようかなと思っています。

<2019.1.9追記>
2018作品ランキングの1位にした作品で、レンタル開始後に視聴された方の評価を見るに過大評価だったかなと思ったりもしましたが(私は作品の芸術性を評価しているので、物語が完成された作品(短いほうが有利)が点数は高くなりやすい)、やっぱり本作は大好きでして。115分でこれだけのものが創作されたこと、マリーをはじめ制作陣に感服です。

テーマはわかりやすいし、ストーリーも言葉にすれば単純で、ラストがどうなるかもすぐに予測できるものです。しかし、登場人物の人間関係の変化や、マキアとレイリアの対比等を巧みに使った設定があり、演出も全体的に素晴らしいです。

心情描写の好きな方や、シリアスな作品が好きな方におすすめ。私は感動をウリに宣伝するつもりがありません。{netabare}最終盤の回想シーン{/netabare}により涙を強要してくる作品と言われる節がありますが、そんなところは付随的な部分で。

例えば、{netabare}幼児のエリアルに当たってしまい(育児における悩みあるあるです。もぞもぞ虫遊びの使い方も良かった)、出て行ったエリアルを探して見つかった時の安堵(大雨で水嵩が増した水路を映すシーンでマキアの恐怖を共感){/netabare}といった場面だけでも込み上げるものがあります。

初見の方の多くは{netabare}レイリアのダイブが理解不能となっていそうですが、自分が思い続けてきた子の中に、自分が存在しないことがわかる場面なんて容易に想像できないし、仮にあれが身投げであったとしても、説明できなくはないかなと。{/netabare}

ファンタジーが舞台ながら、人間にとって普遍的なもの(「愛」が当てはまると思いますが、尊く重たいもの)を扱っていて考えさせられつつ、視聴後に心が洗われるような作品。いや、あまり視聴のハードルを高めたくないので、むしろ感動できるよ!と軽く薦めるべきなのか(笑)

本作は視聴者が少ないのが残念でもったいないので。

<2019.1.28追記>
今回は、購入していた円盤を最近視聴したことに加え、以下のレビューを読んで思うところがあったので追記します。既に視聴している方は参考に読まれてはいかがかと思います。

「ナナメ読みには最適の日々」
⇒http://ishimori-t.hatenablog.com/entry/2018/03/16/085105

{netabare}私が理解したところを大まかに言うと、本作は「物語についての物語」であり、物語の語り手であるイオルフが語られる側の人間と関りを持つ構造になっている、というレビューなのですが、結構説明できていて、こんな見方があるのかと唸ってしまいました。

本作は物語を創る職業である脚本家の岡田麿里氏が、全てを出してほしいと言われて監督を志願し、創り上げた作品です。物語の語り手を暗に登場させている可能性はあり得ますし、作者は世界の生みの親ですから、それが親子の関係により描かれるのは自然です。ついでに、クリエイター側に共感できる私が惹かれた理由の説明にもなっています。

まず、ヒビオルについて。本作は色々と独創的なモチーフがあって、流し見しようものならすぐについていけなくなる危険があるのですが(このわかりにくさが評価を下げる一因となっている)、その最たるものがヒビオルです。これを削らず、ネーミングも一般的にせず、物語で何度も登場させ、エンドロールでヒビオルを織るシーンを流した作者の意図は考えられるべきでしょう。

ヒビオルは単なる美しい布というだけではなく、言葉を織り込むことができます。縦糸は流れゆく月日(時間)、横糸は人の生業(出来事)ということで、日々を紡いでいくという設定です。初見時の感想において、私はヒビオルをイオルフそれぞれの「日記」(自分史)のようなものと受け取りましたが、これを脚本家(P)それぞれの「物語」と訳してみます。

高値で売れるので、イオルフの民はこの機織りを生業としているように描かれていますが、ヒビオルと同様の織物がイオルフ以外に作れない説明はないですし、教えればエリアルのように人間にも織ることが可能です。

この点、脚本家は物語の語り手であり、物語ることを生業としている。物語の世界とは一線を画し、当然、物語世界の住人よりも長く生きることができると当てはめて解釈することができ、前述のレビューのとおり、禁忌との関係で捉えることも可能です。マキアの神出鬼没さも、語り手側ゆえかもしれません。

マキアはエリアルと出会い、彼を私のヒビオルと言います。初見時の解釈(=日記)ではここを理解できず、大事な物という意味もあるのだろうとうやむやにしましたが、マキアにとっての物語と読むとスムーズです。その後、マキアが織物であるヒビオルを織るシーンは削られておりほとんどなく、エリアルが成長するまでの時間を共に過ごし、終盤手前の再会時に、自分を織りあげたのはエリアルだと言います。

ここを訳すと、マキアのヒビオル=エリアルを主人公とした物語=マキア自身、となり、物語の作者は、自らが生み出した物語によって、作者自身が作り上げられているという関係性を表わしていることになります。岡田氏がそのような意図を込めていたかはわかりませんが、岡田氏にとって自身が創った物語は自身の人生の一片であり、そこに関係した存在(物語世界を含む)への感謝を作品に乗せていることは推察されます。

ヒビオルのエンドロールは、この作品が物語の物語であることの暗喩であるとも、この物語が続いていくことを単に表現したとも、視聴者も各自の物語を紡いでくださいというメッセージとも、自由に捉えられるように思いました。

様々な視点で解釈ができる作品ですね。個人的には、結局のところ脚本家にとどまらず、視聴者自身が自分の人生における物語をヒビオルに当てはめて視聴することを許容している作品だと思います。

ついでにレナトという名の竜について。これも、単に竜などの名称を使わなかったことに意味があるはず。

レナトは、「生まれ変わる、再生する」を意味するラテン語「レナトゥス」に起源を持ち、古代ローマ初期よりキリスト教徒が用いてきた名前から連想され、古代から神聖とされた存在の象徴として命名されたとも考えられます。
{/netabare}

<2019.3.8追記>
今週月曜に有楽町のマルイで開催されているさよ朝展を見てきました。一部、撮影可能だったので美しい背景美術等、カメラにおさめてきました。
劇場では完売していたグッズなどの販売もあって、クリアファイルを購入させていただきました。

さて、ネット上のレビューで私が最も共感したもののリンクを掲載して、取りあえず本レビューは終了としたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。(リンク切れだったので修正しました(2019.9.16))

「『さよならの朝に約束の花をかざろう』を観て、「"物語"とは何か」について考えた」{netabare}
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886369977/episodes/1177354054886374977
{/netabare}

<2020.3.20追記>[New!]
公開から2年以上経ちましたが、いまだに予告編PVを見たり、Yahooのリアルタイム検索で「さよ朝」を検索しています。遅れて視聴した方の反応は概ね良好で、ドリパス(リクエスト投票数が多くなった映画を劇場で上映するもの→https://www.dreampass.jp/m361183)では今年2月に上映を達成したところ、既にまた7位まで上がってきています。
劇場で鑑賞したい方はお見逃しなく(本作は劇場をおすすめします)。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 78
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

時を越えて君を愛してみた

岡田麿里初監督作品 / 劇場版オリジナルアニメ


ふと映画を観たくなったもので。
『あのはな』地上波再放送中。2019年夏期『荒ぶる季節の乙女どもよ。』でシリーズ構成担当中。新作映画『空の青さを知る人よ』も控えてる。氏の作品の露出が多くなってる最中で手を出してみました。

映画は引き算の作業。TVシリーズと比べ尺の関係で観客に解釈を委ねるものが少なくありません。こちらは想像と妄想の翼をいくらでも広げることができますし、鑑賞にあたってはフラットな視点で楽しむことが肝要かと思います。
とりわけ、「泣ける」「感動した」との評は処し方が難しい。「泣ける」「感動した」は感想を持ちよって共有するのに適していて、鑑賞前の指標とするのはあまり得策ではないと個人的には思ってます。想像と妄想の翼が上手く広がらなくなる恐れがあることが理由です。
なんのことはありません。要はこれまでよく失敗をしてきましたよ!ってことです。ハードル上がりまくってませんか?これw


そして『さよ朝』は劇場版の良いところである “ 説明がうるさくない ”ことを満喫できた作品です。
これからの方は、“めっちゃ綺麗な映像”“物語を邪魔しない劇伴”“キャラに合う声優の選択”。この3点において高いレベルの作品である、を理由に鑑賞の優先順位を上げて良いと思います。


中身はファンタジー。イオルフという長命種族の少女マキア(CV石見舞菜香)とその息子で人間のエリアル(CV入野自由)を中心とした物語です。
親子の愛。愛あるが故の葛藤に心を揺さぶられますが、おそらく監督が描きたかったかもしれない


 “ 時間は有限であるからこその尊さ ”


に説得力を持たせるには齢400年余のファンタジー設定は不可欠でした。ゴリゴリのCG使った実写でも不可能ではありませんが、アニメだからこそ成立し得る傑作といって差し支えないかと思います。

丁寧に親子の感情の揺れを綺麗な映像に落とし込みながら、私達が無為に過ごしているかもしれない“時間”について思いを馳せるところまで踏み込んだ内容となっています。

大切に想う者同士を隔てるもの。それは互いの残された時間の差。


 あなたは先逝く者にどんなことを伝えたいのだろうか?
 あなたは先逝く身としてどんなことを伝えたいのだろうか?
 あなたは残される者として何を自分に留めておくのだろうか?
 あなたは残される者へのどんな想いを胸に抱き旅立つのだろうか?


けっして軽くない題材を扱いながらわりと俯瞰的に捉えた抑えめ演出だったことが意外であり印象に残りました。あの岡田さんがってやつです。


ファンタジー大作。とりわけ実写だとアクロバティックにドラマティックになりがちなわけで、もし『さよ朝』が仰々しい演出全開だったら持ち味がだいぶ削がれてしまったことでしょう。
そんな繊細なバランスの上に成り立った115分。お薦めです。





※以下ネタバレ所感

“ 時間 ”に絞って本編の良かったところ


■機を織る民

{netabare}中島みゆき『糸』。ap bank bandがフェスでカバーしてブレイクしたあまりにも有名なこの曲。映画冒頭で脳裏をよぎった人は私だけではありますまい。
「縦の糸はあなた 横の糸は私」と二人の繋がりを唄い、ハッピーエンドを示唆して閉じる名曲です。
これだけでも深みはあり一本映画ができそうですが、…といってたらホントに2020年に『糸』から着想を得て一本封切られるみたいですw

本作ではさらに

{netabare}「縦糸は流れ行く月日 横糸は人のなりわい」{/netabare}

時間軸の要素を入れて織り成し加減が複雑になります。というより「あなたと私」を見せてさらに「時間と私たち」を見せる仕様。筋が通ります。
長老ラシーヌ(CV沢城みゆき)がメザーテ軍人イゾル(CV杉田智和)に対し「布を織り日々を織る単調な繰り返し」と言ったイオルフの生活はいわば

“縦糸は日々を織る 横糸は布を織る”

とも置き換えられるでしょう。布=人のなりわいです。“ヒビオル(布)”がマキアにとってどれほどの意味を持っていたのか察して余りありますね。
ヒビオルがいろんなとこで暗喩的に使われてました。いいっす。まじいいっす。{/netabare}

そしてよく115分に纏められたなというくらいの壮大さ。



■体感時間の差異

物語のテーマが“流れゆく月日と人のなりわい”だとしたら、その時間と人を描くための主たる要素となったのが“体感時間の差異”でしょう。

{netabare}レイリア(CV茅野愛衣)とクリム(CV梶裕貴)の行き違いなんかがそう。

レイリアの意に反して交わらざるを得なかった人間だ、とのクリムの見立ても間違っていません。同一種族でまた平和なあの頃にと思う彼を責められはしないのです。
レイリアが経験してクリフが経験できなかったこと。それは自分より寿命の短い人間つまり娘メドメル(CV久野美咲)を愛するという体験です。

映画冒頭から劇中の時間はおおむね20年経過してた頃合いでしょうか。イオルフと人間との間には時間の捉え方にずれがあります。
イオルフ、ここではクリムにとっては瞬間であったろう20年間。目の前で最愛の人をさらわれたのはついこの間という感覚のまま、そしておそらくレイリアの心境の変化を理解できぬまま斃れたクリムがただただもの悲しいのでした。
人間のライフサイクルさえ知っていればレイリアへの声のかけ方も違うものになってたでしょう。{/netabare}


{netabare}イオルフのレイリアは人間の子を宿しました。
イオルフのマキアは人間の子を育てました。
人間のディタ(CV日笠陽子)は人間の子を産み育てました。

3つの異なるタイプの母親が登場します。ずっぷり関わったマキア。娘を拠り所に孤独を慰めたレイリア。私たちとおんなじディタ。

異なる体感時間を持ってようが、いくら孤独を恐れようが、母から子への眼差しはとことん暖かいことに普遍性を感じます。
イオルフに感情の起伏がないように見えたのは寿命の長さが関係しているはずですね。時間は限りあるからこそってやつです。{/netabare}



■別れが来るから 情が移るから

{netabare}愛する人を必ず先に見送らなければならない(単身者向け)

我が子を必ず先に見送らなければならない(家族持ち向け)

彼女もいない俺はどうすりゃいいんだー(・。・; ・・・という話ではありません。
出会いがあれば別れがあるわけであります。
そのつらい別れを自分が経験することが確定しているとわかりきってるのに踏み込みますか?踏み込めますか?を突きつけられる作品でもあります。

作品で出された答えは明快です。

 A 踏み込むでしょう!

時間は有限であるからこそ人は一生懸命生きるのだよ、ってね。{/netabare}

{netabare}そのメッセージは明快かつ前向きです。
ハーフのバロウ(CV平田広明)さんの締めが良い!

「(長老は)笑うだろうよ。おまえが苦しいだけじゃない別れを教えてくれたことが嬉しくってな。」{/netabare}





繰り返し観たいと思える作品でした。

 感動したか? 
 泣けたか?

いにしえのドラゴン“レナト”よろしく赤目病に罹ったかのように目を真っ赤にはらしてたかと。
こういった時間という縦軸で魅せる作品に自分はめっぽう弱いのです。






■オマケ
・ヒビオルは高級品に納得

{netabare}エリアルと出会った時に彼を包んだヒビオルを時は流れて看取る時にかけてあげてましたがものすごく耐久性良いですね。{/netabare}


・配役ミス?

杉田さんが出てくると真面目なところもそうでなく見えてしまい残念な気持ちに。沢城さんと掛け合うとさらにその思いを強くしますね~



視聴時期:2019年9月

--------
2020.03.18
≪配点を修正≫ +0.1



2019.09.15 初稿
2020.03.18 配点修正
2021.08.14 修正

投稿 : 2024/04/13
♥ : 74

90.1 4 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング4位
Angel Beats!-エンジェルビーツ!(TVアニメ動画)

2010年春アニメ
★★★★★ 4.2 (14630)
48138人が棚に入れました
森に囲まれた丘陵地にある、生徒総数2000名を越える全寮制のとある学園。一見するとごく普通の生徒らが生活を送っている学園だが、そこは死後の世界だった。現世で理不尽な人生を体験し、青春時代をまともに送れずに死んだ者はこの世界に送られ、あらかじめ用意されたエキストラの生徒達と共に学園で楽しい青春時代を過ごす内に未練を無くし、消滅(成仏)し、転生する。しかし、転生することを拒む人々がいた。少女・ゆりをリーダーとする「死んだ世界戦線(以降、戦線)」は、理不尽な人生を強いた神への復讐を目的とし、死ぬことのないこの世界で、学校の秩序を守る「天使」と日夜戦いを繰り広げていた。生前の記憶を失った少年・音無は、戦線のメンバーと行動を共にするが、次第にこの世界の真実を知ることとなる。

声優・キャラクター
神谷浩史、櫻井浩美、花澤香菜、喜多村英梨、木村良平、水島大宙、高木俊、斎藤楓子、牧野由依、増田裕生、Michael Rivas、徳本英一郎、小林由美子、東地宏樹、沢城みゆき、松浦チエ、阿澄佳奈、加藤英美里
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

感動したが2クールならもっと良くなったと思う!

あらすじ

森に囲まれた丘陵地にある天上学園は
生徒総数2000名を越える全寮制の学校。
一見するとごく普通の生徒らが生活を送っている学園だが、
そこは死後の世界だった。

現世で理不尽な人生を体験し、
青春時代をまともに送れずに死んだ者はこの世界に送られ、あらかじめ用意されたエキストラ(NPC)の生徒達と共に
学園で楽しい青春時代を過ごす内に未練を無くし、
「消滅」(成仏)し、転生する。

しかし、転生することを拒む人々がいた。
少女・ゆりをリーダーとする
「死んだ世界戦線(以降、戦線)」は、
理不尽な人生を強いた神への復讐を目的とし、
元々が死後の世界であり「死ぬ」ことのないこの世界で、
学校の秩序を守る「天使」と日夜戦いを繰り広げていた。

生前の記憶を失った少年・音無は、
戦線のメンバーと行動を共にするが、
次第にこの世界の真実を知ることとなる。



感想


10話が一番おすすめです!泣けました
音楽もとても良かったですよ!
特に「1番の宝物」がとても良かったです

相変わらず麻枝さんの脚本は泣かされていまいますね
でもやっぱり1クールという間じゃ
麻枝さんの良さが出し切れてはいないと思う

キャラも個性的なキャラが多く出てきて
魅力的なのだとは思うが
やっぱり1クールでは尺が足りず
キャラ一人一人の掘り下げが足りないと思った

掘り下げとかできていないので
基本中心となる最後に残った5人以外は
過去のトラウマというかなんでこの世界が来たのかの
理由が明かされてないので感情移入がしにくいです

2クール以上でそこらへんも描くことが
出来ていればもっと面白く
感動できる作品になったと思う

ストーリーも急な展開もあり
少し分かりずらいかもしれません

前半はほとんどギャグでしたね
ギャグも面白くて好きでした
特にテストの時のやつとかがw

オーディオコメンタリーも面白かったので
DVD借りて見てみて欲しいですね


でも最後の方の展開はやっぱり
早すぎたかな?(^-^;
1クールだけだから仕方ないと思うが
やっぱり最後別れる時に一人一人
しっかりとしたストーリーがあって(ゆいのように)
その後で別れた方がもっと良かったとは思う

あと一人一人がどういう気持ちで
消えることを選び消えたのかの
心理描写が少ないのでやっぱり
少し残念な感じだな~

2クールでゆっくり作って欲しかったな~!
そうしたらさらに感動することができたと思う
好きな作品だからこそ、本当に残念でした

後ゲーム化が決定したそうなので
そっちで話しが掘り下げられるのを期待しておきます♪
楽しみです♪




ここからは解説というか
謎な部分を考察をして
書いておこうとおきます

{netabare} ~


最終回も終わったにも関わらず、依然として残された謎の多いAB!ですが、
その中でも最も大きそうな謎である
「AngelPlayer(AP)の制作者は誰?」ということについて
書いていきたいと思います。

大きな鍵となるのは、もちろん12話で出てきた
NPCの第二コンピュータ室にいた彼の証言なんですが、
彼の証言そのままでは誰も当てはまらないような気がするんですよね。

「AngelPlayer制作者はかなで説」を提唱してみます。
結構シンプルに考えられるんじゃないかと思ってます。

 つまりは、待った時間があまりに長すぎたために
プログラムを適用した、という部分が、
実はかなで自身にAPを適用したってことを
示唆しているんじゃないかと思うわけです。

「My Soul,Your Beats!」の歌詞を見てみましょう。
この歌詞はかなで自身のことを歌っているものだという
前提があるからではありますが。

個人的には「あたしの中の時は止まってるのに」と
「あなたに手を引かれてた」の部分が気になりました。
時が止まっていたり日常を繰り返しているのは、
つまりはNPCとして日常を繰り返しているだけで
進んでいかないことを示唆していますし、
手を引かれてたってところは、
音無に手を引かれた釣り回を思い起こさせます。

つまりは音無に呼ばれたことで、失われた記憶が呼び覚まされた、
あるいはNPCだったのに時が流れ始めた、
ということを言っているようにも思います。
「幾千の朝を越え」という部分は、
この世界にかなでが長く居ることを示していますよね。

かなでがこの世界に長くいたり、
NPCだったことを示す証拠はいくつもあるんですよね。
例えば、麻婆豆腐が好物だということを忘れていたというあたりとか、
マーボー豆腐に夢中で校則違反を忘れていたところとかは、
まさにNPCだったことで記憶が止まっていたのか、
あるいは長い時の中で本当に忘れてしまっていたのかどちらかでしょう。

ついでに言えば、その前にテスト回で
いじめられていたところの最後の場面で、
生徒会長を解かれたかなでが一人で食堂に行き
マーボー豆腐の食券を買ってましたが、
あれもNPCとして、夜はマーボー豆腐を食べるという
プログラミングが為されていてたからこそ行った不自然な動き、
とすれば説明がつきます。
それ以前は「生徒会長」という属性があったために
ガルデモライブを止めようとした、とも考えられますし、
会長という属性が無くなったためにガルデモライブを止める、
というルーチンが働かなかったんじゃないか……と考えています。

かなでの部屋にあったAngelPlayerのマニュアルも、
NPCは記憶を蓄積できないのだとしたら、
毎回思い出すことは不可能という感じになると思います。
そうした場合、何か残るものとして残しておけば……となると、
NPCになる前にマニュアルを残しておいて、
NPCになった後でもプログラムを触れるようにしたのでは……? 
と考えられるわけです。

音無を一突きにしたのも、
APに入れられたプログラムという見方はできるんじゃないかと思ってます。
殺しても死なない世界ということで、
心音を直接聞くのよりもああいう形のほうがこの世界では
自然に心臓を調べられるからなんじゃないかとか考えていたりもします。
そういえば、ハーモニクスの赤い目の天使だって、
戦線メンバーに対しては心臓を一突きでしたよね。
PCに対してはそう攻撃する、というプログラミングされていると
見て間違いないようです。
ゆりっぺだけは違うんですが……。

そして、もしAP制作者がかなでだとしたら、
音無は一度死んでこの世界でかなでに愛され、
かなでとは別に成仏して、また死んで戻ってきた、
ということになります。
最大限に都合よく解釈すれば、
かなでは音無を一旦見つけて感謝の気持ちを伝えようとしたものの、
音無が勝手にかなでのことを好きになって成仏してしまい、
そしてまた、かなでは長い時間この世界で待つ間にAPを制作して
自身に適用してNPC化した、ということにもなります。

この説も穴は大きいです
。MSYB!の「待ってる気がした 呼んでる気がしたんだ」というのは、
かなでが音無に呼ばれていることを示しているものと思います。
でももしそうだとしたら、かなでがAP制作者っていう前提は
NPCの彼の発言からは崩れることにもなるんですよね

でも、NPCの彼の証言がどこまで信用できるかってことでもあります。
何せ、どちらにしても片方の一方的な考えや
記憶しか引き継いでいないと思われますので。

もちろん音無がAngelPlayer制作者説も
あるんですがこっちはどうも
矛盾が多い気がするし
個人的にかなで説の方が
好きなんで、かなでかな?とw

どうも卒業していくべき場所だから、
愛が芽生えたら影を創りだしてNPC化していく、というのが、
音無の行動と相反するような気がするんですよね

はっきりしたことはわからないし、
もしかしたらその辺を曖昧にしているだけなのかもしれません
どの考察も結局は推察の域をでませんね

原作もないのでこれ以上考えることも
今の所不可能でしょう
ゲームが発売されるとのことなんで
そのあたりのことも
細かく描写してくれて
わかるようになってくれると嬉しいんですが
発売が待ちどうしいですね!

{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 289

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

死後の世界がこういう感じだったらいいのに…

まずこの物語の舞台が「死後の世界」で
そこに人生に悔いを残し若くして死んだ
少年少女たちがこの世界にある学園で青春を謳歌し、
幸福感や達成感に満たされることで成仏し、転生する。
という幻想的で、でもどこか身近に感じるような
物語に心引かれました。

今までに誰もが多かれ少なかれ一度は思ったことのある
「死んだ後ってどうなるんだろう?」という
不確かで絶対に知ることのできない疑問を
そういう先入観に囚われず
このエンジェルビーツ!という形で
死後の世界が具現化されて
例えその世界が嘘偽りだとわかっていても
もし自分が死んだ後こんな世界に行けたら
どれだけ楽しいだろうか…と切実に
思わされてしまいました。

内容としては
シリアスなとこはじっくりと深く
コメディなとこはたっぷりと笑い
感動的なとこはがっつり泣かせられる
とてもメリハリがあり、さまざまな感情が
このアニメの中で一度に味わえる作品です。

ただ個人的にはもっとサブキャラクターである
椎名やTKや大山など一人一人のエピソードを
細かく盛り込んで欲しかったのが正直な感想です。

「死」についてあまり深く考えたことも
ありませんでしたが実はとても身近にあることなので
「死」についてこのアニメを通して
楽観的に触れてみるのもいい機会だと思いました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 139
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

とにかく泣ける物語です

アニソンオタの私は、神曲と言われるOP・ED曲や、数多くの挿入歌に誘われるようにこの作品を視聴しました。

バンド・バトル・恋愛・コメディなど様々な要素を含みつつ、後半は感動の嵐でした。
{netabare}
最終話・音無生まれ変わりと思しき男性が、かなでちゃんの生まれ変わりと思しき女性に声をかけようとする場面を見て、ものすごく救われた気がしました。
{/netabare}

ただ、私がkey作品でハマったのはこの作品だけなんですよ。なんでだろ?

投稿 : 2024/04/13
♥ : 127

90.0 5 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング5位
花咲くいろは(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★★ 4.1 (6270)
26902人が棚に入れました
突然の夜逃げ、突然の告白、そして突然の別れ――。今までとは違う自分になりたかったという夢は、急に現実となりました。私、松前緒花の平凡な日常は1日にしてドラマチックな展開を迎えたのです。通い慣れた、それでいてあまり愛着のない街を出て、話したことや会ったこともない祖母の元で暮らすのです。大正浪漫あふれる温泉旅館・喜翆荘(きっすいそう)。そこで出会う人たち。花の芽が地上に出て新たな世界を知るように、私も、今までとはまったく違う、新しい生活を始めます。それは辛いことかもしれません。でも、めげても、くじけても、泣きじゃくっても明日は来るんです。だからこそ私は頑張りたいんです、そして輝きたいんです。太陽に導かれるよう咲く花のように。いつか大輪の花を咲かせられるように……。


声優・キャラクター
伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子、梶裕貴、本田貴子、久保田民絵、浜田賢二、間島淳司、山口太郎、恒松あゆみ、諏訪部順一、チョー
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

丁寧な作画と無駄のないストーリー。花咲く色は?

P.A.WORKS原案のオリジナルアニメ。

喜翠荘(きっすいそう)という温泉旅館。
主人公の緒花(おはな)は、母親の夜逃げの末、喜翠荘の仲居見習いとして、住み込みで働き始める。
そこで働くメンバーたちが織りなすヒューマンドラマです。


まず、惹かれたのはその作画です。

淡い色彩のキャラクターデザインと、質感のある小物や背景がよくマッチしています。
また、透明感のある物、例えば、水、ガラス、水滴や露などは、驚くほどリアルですね。

光の使い方も手を抜いておらず、日光の反射や、走行中の車の中に差し込む街灯の明かりなど、細かいところも丁寧に描かれています。
{netabare}
毎回のように入ってくる、「日光」と「水」が大事な意味を持っていたんですね。
花が咲くためには、光と水が必要。
だからこそ、ここまでこだわりを見せたのかもしれません。
{/netabare}

また、キャラクターの動きも丁寧です。
細い線に、淡く暖かみのある色調、しぐさの細かさ。
表情、つま先から、手の指先まで、しっかり描かれています。

カメラワークも絶妙です。
涙に濡れたキャラクターの視点など、カメラワークにもこだわりがあります。

それにしても、緒花がかわいすぎる!!
よく動く表情、座り方、しぐさ。
考ちゃんちょっとそこ代われ。


さて、温泉旅館の日常を描いていますが、最初は、よくあるドラマ展開に見えるかもしれません。
しかし、それは一瞬のことです。
個性的なキャラクター、シュールなギャグ、アニメならではの演出が、そんなドラマ展開をさらに先に一歩先の世界へと進めてくれます。

テーマは「挑戦」。

何かに挑戦するのはいいことですが、闇雲に突き進んでいくだけではだめ。
だからといって、じっくり動かずにいるとチャンスを逃してしまう。
その絶妙なバランス加減が大切です。

ストーリー構成はお見事。
一見何でもないような出来事や言葉が、後々の重要な伏線になっています。

ドラマチックな展開の中、緒花を含めた喜翠荘のメンバー達が、徐々に影響しあっていきます。
その変化がなければ解決しなかった問題も、変化したからこそ解決する。

そして、全ての伏線が回収されたときには「やられた!!」という気持ちでいっぱいでした。
{netabare}
「ドラマチックが止まらない」のは、計算通りなんですね。
緒花「色んな人が集まって、必死にぼんぼってれば、色んなことが起こって当たり前で……」
そう、みんながぼんぼれば、日常はドラマに変わるんです。
{/netabare}
ちょっと大人な青春物語。
温泉旅館をテーマにした珍しい作品ですが、その挑戦はどうやらうまくいったようです。
話や描写に無駄がなく、とてもよくまとまった作品だと思います。

{netabare}
皆が居場所や夢を見つけ、巣立っていく。
でもその中心には喜翠荘がある。

そして、ラストシーンの一コマ。

季節は冬、太陽を見上げ、飛び立つ青鷺(あおさぎ)。
緒花が、修学旅行のバスで歌った「青鷺慕情冬景色」そのままですね。

青鷺はコウノトリ科の鳥です。

冒頭の発言。
皐月「緒花さ、子供の作り方知ってる?」
緒花「コウノトリ方式のほうが幾分好み」

青鷺は「始まり」を象徴していたのだと思います。
「いろは」が「いろはにほへと」の始めの3文字を示すのと同様に。


そして、初めてぼんぼり祭りの話を聞いた時、緒花の瞳に映った、色とりどりの光。
淡い色調の中、鮮やかで、ひときわ輝いていていました。

緒花「今はまだ……きっとつぼみ。だけど……だからこそ、高く高い太陽を見上げる。喉を鳴らして水を飲む。私は、これから咲こうとしているんだ」

花咲く色は、何色なのでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 150

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

のぞみ札に書いた事「みんな幸せになれますように♪」(o^∇^o)ノ

●「花咲くいろは」ってどんなアニメなの(*゚・゚)ンッ?
本作品はアニメ制作会社のP.A.WORKSが手掛けた、オリジナルアニメーションなのですね!
そんでもって舞台は石川県湯涌温泉なのです♪
そういえば、10年以上前に立ち寄ったことがあったけど、街並みは殆ど覚えてないですね・・・残念(。>0<。)
でも、「花咲くいろは」を観たら絶対に行きたくなる事間違いなしですですね♪
 
ちなみに、P.A.WORKSが初めて制作元請でオリジナルアニメ(正確にはオリジナルストーリー)の「true tears」もお隣の富山県が舞台だっのですけど、作画の綺麗さに感動したのを覚えています(*^o^*)
もちろん本作品「花咲くいろは」も湯涌温泉の街並みを忠実にかつ、より温かみのある美しく魅力的な作画に仕上がっていて、さすがだなぁって改めて肝心されられちゃいました(´ー*`)キラーン
 
ところで、まだ「花咲くいろは」を観ていない人には、是非知っておいて欲しいの事があるのです♪
それは『ぼんぼり祭り』っていうお祭りがストーリーの中で描かれる場面があるのですけど、
アニメの中だけの架空のお祭りが、な・ん・と・・・!?
地元自治体と番組関係者の協力のもと2011年10月9日に開催すると言うではないですか(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
祭りの内容も素敵で、神無月(10月)って一年に一度、全国の神様が出雲大社に集まって会議をする月なのですけど、おそらく湯涌の神様が出雲に出向く際の送り道を「ぼんぼり」で照らし、その「ぼんぼり」に「のぞみ札」と呼ばれる札に自分の願い事を書いて自分の願いと共に出雲に送り出してあげるお祭りなのです♪
って解釈が違っていたらごめんなさい(^▽^;)
 
そんな湯涌温泉街の旅館の一つ、喜翆荘(架空の旅館)を中心に描かれるヒューマンドラマなのです♪
女将さんの孫娘で「松前 緒花(matsumae ohana)」がある家庭の事情から、学校に通いながら住み込みで喜翆荘で働く事になる訳なのですけど、東京育ちで今風の緒花ちゃんが喜翆荘で一緒に働く仲間達と出会い色々な経験をして視聴していく物語なのです♪
 
 
●総評
朝ドラ・昼ドラの様なアニメって印象は確かにあると思います。
でもσ(・・*)アタシって朝・昼ドラってあんまり好きじゃないんですよね゚。(*^▽^*)ゞ
お馴染みの俳優・女優さんって演技がうまい人ならまだいいですけど、いかにもお芝居ですって感じの人もいますし、特に声色を使い分ける人も殆どいないので、新鮮味に欠けるのでダメなんですよq(T▽Tq)
対照的に、アニメの場合は、キャラデザは作品ごとに違うし、声優さんの声だけで感情を表現出来るってすばらしいなって思うし、作品に躍動感と自由度があるので全然違うと思ってます♪
だから、アニメが好きなんですけどね(*^o^*)
 
とにかく、「花咲くいろは」って緒花ちゃんを中心に各キャラの心理描写が丁寧に描かれていたと思います。
仕事柄、年齢層が幅広く設定されているので、それそれの年代に相応しい目線での意見や口調や考え方をちゃんと描写できていて、そんな視点から時にはぶつかりあったり、お互いに認める所もあったりで前半はストーリーが進んでいきましたね♪
後半にもそういった切磋琢磨があるのですけど、年齢の垣根を取り払った描写が多く見られるようになってきた印象です♪
あまり、カチッと型にはめないで、比較的自由にキャラを動かしていた感じも受けたので、ちょっとストーリーとしてブレた様に感じる箇所もありましたけど、逆にリアリティーの追求の結果なのかなぁと思いつつ、私にはこのほどほど感が心地よかったりしました(*^-^)
 
正直主人公の緒花ちゃんって1話で見た時はちょっと苦手かもって思ってたのですけど、やっぱりだんだん好きになっていっちゃいましたね♪
本当に、みんちと一緒に「ホビロンヾ(`Д´*)」って何回つっこんであげたかった事かw
緒花ちゃんの本質が理解出来てくると、可愛くなってきちゃうんですね♪
それにしても、徹さんは緒花ちゃんの事が好きだったのかなぁ?結構恋愛に関するところはあっさりしていたのでそんな疑問も沸いて来ちゃいました!
 
個人的には大好きな作品になりましたし、第一回のぼんぼり祭りには行けそうにないですけど、今後このお祭りが湯涌温泉の毎年の行事となるのであれは、必ずいつか足を運んでみようと思ってます♪
そして、喜翆荘に戻ってきた皆の姿を2期として観たいので期待して待ってようかな♪
 
 
●「花咲くいろは」特殊用語φ(*'д'* )メモメモ
・ホビロン
 ほんとに びっくりするほど 論外!&生理的に受け付けないし無理!(ホビロン料理の見た目から)
・ぼんぼる
 ⇒ぼんぼり祭りでのお願い⇒願いをかなえるために自分でがんばるの意味
 
 
●MUSIC
OP曲『ハナノイロ』
 歌:nano.RIPE
 JUDY AND MARY を彷彿させるようなノリの良いロックなナンバーですね♪
 
OP曲『面影ワープ』
 歌:nano.RIPE
 ハナノイロよりもアップテンポでこっちの方がアタシσ(゚-^*)好み♪
 nano.RIPEの曲はしばらく聞いてそう♪
 
ED曲『Hazy』
 歌:スフィア(声優ユニット:戸松遥・豊崎愛生・寿美菜子・高垣彩陽)
 なこち&ゆいなの歌声でお届けする、しっとりポップなさわやかなナンバーですよ♪
 
ED曲『細胞キオク』
 歌:nano.RIPE
 可愛らしい歌声で優しい気持ちにさせてくれるような柔らかい曲です♪
 
ED曲『はなさくいろは』
 歌:クラムボン
 ジャズっぽい軽快で自由なリズムとハスキーで奥行きがある歌声のポストロックのナンバーです♪
 
※「nano.RIPE」の曲はどれも良いので省略ニャンo(^・x・^)o♪
 
 
★『ぼんぼり祭り』行って来ちゃいましたヽ(*⌒∇⌒*)ノ::・'゚☆。.::・'゚★。.::・'゚☆。
第一回目のぼんぼり祭りは行けないかなって思っていたのですけど、行きたい行きたい言ってたら連れてって貰える事になりました(*'ー'*)ふふっ♪
東京から車で移動すること7時間位かな・・・目が覚めたら石川県でした♪
とりあえず湯桶温泉の街並みを事前調査って事で真っ先に向かってみたところ・・・
なんと・・・車両規制で車の乗り入れが不可になっていました!
とりあえずぼんぼり等のアイテムを購入後、これはすごい事になりそうだねぇ~って思いつつひとまず一時退散ε=ε=ε=ε=ε=(;-_-)/
とりあえず前田利家ゆかりの地、加賀100万石の歴史を満喫しようと兼六園へいざ出陣!!
さすがに、ご年配の方が多かったですねぇって思いつつも、綺麗に手入れされた兼六園の雰囲気を味わった後、いきなり何を思ったのか能登有料道路の景色が良い場所にレッツゴーなのでした♪
 
そんなこんなで石川県を満喫しつつ、時間は夕方17時をまわった頃に金沢大学のぼんぼり祭り臨時駐車場に到着~♪
当日限定の往復チケットを購入して、いざ湯桶温泉へ・・・って思ったのですけど!!
バス停に人がいっぱいwww
ここで45分くらい待った後、20分くらいかなぁ?バスに揺られてやっと湯桶温泉街に足を踏み入れることが出来たのでした(*^-^)
 
バス停にある足湯でちょこっと疲れを癒してから、温泉街を探索したところ・・・『湯桶稲荷神社』発見!!
早速のぞみ札を購入して願い事を書いたあとしっかりお参りしてきました♪
しばらく自由気ままに湯桶を満喫していよいよぼんぼり祭り開催の時刻に!!
どっから集まったのこの人達ww
地元の人もこんなに大勢の人で溢れているのは初めてだって言ってましたよ♪
着物を着た4人の小さな女の子がのぞみ札をお炊き上げする場所まで先導するのですけど、人がいっぱいで一瞬しか観れなかったですw
そんな雰囲気の中、無事?お焚き上げ・・・・って人多くてよく見えなかったので雰囲気だけ味わってきましたw
物品売り場の特設スクリーンで見たほうが良かった気もしましたけど、ぼんぼり祭りで流れていた音楽やぼんぼりの淡い光、お焚き上げの炎の光やパチパチと聞こえる音を聴きながら最高の雰囲気を味わえたのでとっても満足できましたよ♪
 
こういう地域密着のイベントは今後も続けて欲しいものですね♪
来年も是非ぼんぼり祭りを開催出来ることを祈っております(o^∇^o)ノ
金沢市長頑張ってねw
 
2011.09.27・第一の手記
2011.10.13・第二の手記(追記:★『ぼんぼり祭り』)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 137
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

湯涌ぼんぼり祭りに行ってみたい(82点)

全26話。
テレビアニメオリジナル作品。

個人的満足点:82点
アニメ系統:朝ドラ風

石川県を舞台にした温泉旅館での物語り。
主人公緒花が急遽祖母の経営する温泉旅館へ行くことになり、
そこで旅館の人達と繰り広げる人間模様を描いている。

この物語は朝ドラのような感覚。
あえてアニメにする必要があったのかと言った意見も
聞こえてくるのだが、私個人としてはありだと思う。

また、主人公緒花があまりにも真っ直ぐな性格のため
そこを受け入れられるかも分かれ目になりそう。
個人的には真っ直ぐな緒花は大好きである。

そんな朝ドラ風の舞台に真っ直ぐな緒花。
毎話まわりを巻き込んでいく物語はべたではあるが好感がもてる。
そして、笑いあり、涙ありの物語にどんどん引き込まれる。

登場キャラも個性があって○
それぞれの描写もしっかりしてい非常に良かった。
どのキャラも憎めない作り。

作画は非常に綺麗で美しい景色などを表現。
温泉街の描写、祭りの描写、旅館の描写など
美しさにちょっとしびれた。
キャラも可愛くかけている。

声優も豪華。
皆大好き能登さんも出演w
豊崎さん、伊藤さん、戸松さんなどなど。

曲も初期OPの第一印象は劣化ジュディマリか?
と思ったのが正直な感想なのだが、非常にいい曲だと思う。
全体的に音楽も良かった。

このクオリティは普段アニメを観ない方にもお勧めできる。
深夜アニメである必要はまったくないと言える。

また、町おこしにも一役買っていて
モデルとなった湯涌で実際に10月9日にぼんぼりまつりが
開催されることになったようだ。
参考URI
http://www.yuwaku.gr.jp/event/2011/20110702.html

花いろファンであれば是非行ってみたいものである。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

いつか、また、皆に会えるよね?


-----------------------------------------------------

以下、毎話後の感想である。
ネタバレを含むため未視聴の方は
スルーすることをお勧めする。

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{netabare}
1話視聴。
祖母の旅館に住むことになり、旅館の手伝いをする。
厳しい女将にそれをとりかこむ人々。
1話見た限りではありきたりな展開?
とにかくしばらく様子見といったところ。

2話視聴。
面白くなってきた。
これは3話にも期待。

3話視聴。
ちょ(笑)
いきなりぶっとんだ。
少しのお色気シーン(笑)
まあ、それはさておき
女将がいい味だしてる。
「ホビロン」はやるかね?(笑)

4話視聴。
ちょ、そうくるのか。
なんという引き。
ミンチの恋心の行方はどうなるのか?
来週も目がはなせない。

7話視聴。
何、このギャグ回w
今までとかなり違う回だった。
腹いたいwwww
巴ねえさん、最高でした。

8話視聴。
蓮さんに吹いたwww
緒花がすてきでした。
すごく応援したい。
がんばれ緒花。

9話視聴。
緒花がんばった。
孝ちゃんがちょっとかわいそう。
徹カッコイイよ、マジかっこいい。
ほれそ・・・あわわわわ、そんな趣味はないですよw
ん~ほっこりした。

10話視聴。
ありきたりの話だが
すごくほっこりした。
こういうのはベタだけど大好き。
さて、残すところもあとわずか
どうなるのかな。

11話視聴。
緒花ぼんぼれ。
ちょーぼんぼれ。
毎週、緒花応援したくなる。
今週は切なかった。
やっぱりこのアニメ好きだわ。

ちなみに1クールと勘違いしてた。
全26話予定らしい。
まだまだ色々ありそうで楽しみ。

12話視聴。
まっすぐな緒花。
ぐっとくる。
おかんも今回で少し見直した。
最悪のおかんかと思ったが。
なんか色々と胸にくるね。

13話視聴。
なんだかんだ言っても
やっぱり親子なんだね。
親の愛情を感じずにはいられなかった。
今回の女将さんは良かった。

しかし、緒花www
ジュースで酔うなwww

14話視聴。
今回からOPED共に一新。
なんといってもOPの巴さんがいかすw
曲も絵もなかなかいいよ。

そして、物語は結名回&水着回wでした。
結名は個人的には性格が好きではないのだが
最後のセリフにはちょっとドキドキした、色んな意味でw

ん~青春ですなあ


15話視聴。
今回も非常に良かった。
緒花爆発w
1人で突っ走り、いつの間にか回りに人が集まる。
皆熱いよ。
個人的には好物展開。
胸熱である。
結名も少し考えが変わったかな。
結名は個人的には嫌いなのだが、今回で少しだけ好きになった。
がんばる子は応援したくなる。

16話視聴。
急展開。
これはすごい宣伝になりそうだが、
どうなっていくのだろう。
ハラハラドキドキの展開。
蓮さんに吹いたwww
蓮さんは時々やってくれるw
最後の電話が気になる。

もっと気になるのは、透けたTシャツなのだがw

17話視聴。
そうこなくては。
あのまま行ったらどうしようかと思ったよ。
この方がドラマがあっていいよね。
しかし、最近、結名が可愛いんだが。
段々、好きになってきた。
嫌いは好きに変換可能とはこのことかw

18話視聴。
今回はなこち回だった。
話自体はいい話だったが、なぜこのタイミングでなこち回か疑問。
もっと序盤でいいような気がするんだが。
まあ、なこちが可愛かったから許すw

19話視聴。
何か、ここ2週日常回だね。
オムライスな回。
今一盛り上がりにかける。
ここらで一旦だれて最後の盛り上げにいくのかな。
このまま失速しないことを願うばかり。

20話視聴。
前回の続き。
オムライスに決着。
ちょっとミンチが可愛かった。
ついニヤニヤしながら見てしまったw
青春だねえw
そして来週なにか事件が起こりそうだが、
これは楽しみだ。

21話視聴。
いよいよラストに向けて動き出したかな。
この結婚式を通じてどう物語が展開するのか。
オハナとミンチはどうなるのか。
最後の盛り上がりに期待したい。

久しぶりに巴姉さんと蓮さん光ってたw

22話視聴。
いやー今回は皆光ってた。
ミンチ良かったねえ。
巴姉さんも蓮さんもマメじいもwww
そして最後の女将さん。
衝撃の展開!
残り4話。
さあ、どう締めくくるのか楽しみだ。

23話視聴。
うむう、しらさぎちょっと違った気がするんだがw
まあそんなことは置いておいて、まあドラマだね。
べったべたのドラマ展開だった。
最後の歩道橋はべたすぎるw
さて、残り3話。
こうちゃんとはどうなるのか?
旅館はどうなるのか?
最後まで目が離せない。

24話25話
緒花良かったね。こうちゃんとうまくいきそうで。
なんか青春してるなって思った。
しかし、かーちゃんこのタイミングで援護射撃とかw
なこちのセリフ光ってた。
皆を気づかせたなこちがMVPだね。

かーちゃんの仲居姿が実にいい!
そして、女将、かーちゃん、緒花が3人で歩いてるシーンは
個人的にすごく良かった。
来週最終話。
どんな終わり方するのか楽しみ。

26話視聴。
いい最終回だった。
自分まで一緒にすごく寂しくなったと同時に
いつかまた皆に会える日を信じたくなった。

エニシ頼むよ。
いつか旅館を再開してくれ。

そして、P.A.WORKSさん。
いつか2期ってのもやって欲しい。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 115

88.5 6 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング6位
TARI TARI(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (4473)
20677人が棚に入れました
「TARI TARI」今夏放送開始 制作:P.A.WORKS、キャスト:高垣彩陽、瀬戸麻沙美、早見沙織 ほか

声優・キャラクター
高垣彩陽、瀬戸麻沙美、早見沙織、島﨑信長、花江夏樹、浜田賢二、大原さやか、木下浩之、能登麻美子、田中敦子、宝亀克寿

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

音楽系の青春アニメは本当に癒されます♪

夏アニメの中で一番好きなアニメかな♪

舞台は江ノ島沿岸。白浜坂高校の合唱時々バドミントン部で、音楽をメインにして高校生たちの成長を描いた青春アニメです♪

合唱や声楽といった分野なので、某有名音楽アニメとは違って癒し系の音楽が多いです♪

恋愛に関してはそんなにありませんが、さり気なく描かれていたりするので、そこが良いかもしれません♪

笑いあり、涙ありで本当に感動したアニメです♪

主人公が一番目立つといった感じではなく、合唱部のメンバー全員の成長が濃く描かれているので飽きは来ませんよ♪

音楽が好き、癒されたい、笑顔になりたい、感動で涙を流したいという方にオススメのアニメです♪

私も中盤のシリアスな部分では泣きましたし、最後は感動で癒されました♪

やっぱり、こういうアニメが無いとダメですね(*´ω`*)♪



紗羽ちゃんカワイイヾ(*´∀`*)ノ♪♪♪♪

投稿 : 2024/04/13
♥ : 133
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

実は私も合唱部だったり

P.A.Worksのオリジナルアニメーション。
安心の絵のキレイさです。

高校での合唱を通じて、仲間と触れ合い成長していく青春物語。
切なくもさわやかな話です。
恋愛をほとんど絡めていないのも特徴ですね。


実は私も高校時代、合唱部でした。
いろいろ思い出しますね。

・筋トレがきつかった! 特に腹筋。案外筋力いるんですよ。
・一人でメロディを口ずさんで練習した。歌っていると気持ちがいいんです。まわりなんて気にならない。
・コンクールに出て、緊張で足が震えた。落ち着こうとしても、自分では止められないんですよね。
○みんなと一緒に過ごせて、みんなと一緒に歌えて楽しかった。

「音楽」は「音」を「楽しむ」って書く。
「音学」じゃなくてよかった。
「楽」という漢字を当てた人は偉大だと思います。


閑話休題。


序盤は若干駆け足気味。
ちょっと内容がつかみにくかったです。

ただ、「リフレクティア」が流れたのにはびっくり(「true tears」のOP曲です)。
また、同じく序盤で「心の旋律」という曲が流れます。
これが、すごくいい曲なんです。
アップテンポで、悲しいことやつらいことを希望に変えてくれます。

中盤から物語が大きく動きだします。
ひとりひとりの抱えている思い、そして目標。
ぶつかったり、泣いたり、怒ったり、笑ったり。
まさに青春物語!

……かといって、何話も引きずるようなドロドロした展開はありません。
テンポがよかったので見るのが苦になりませんでした。
時折入るギャグも、空気を和ませてくれます。

{netabare}
直接会えなくても「歌(音楽)」を通じてつながっていける。
そしてその記憶を残していける。
そのとおりだと思います。

「音楽はやめられない。音楽はいつもともにあるもんだ」

私は習ってもいないピアノを、今でも弾いています。

みなさんもそうだと思うんですが、音楽を聴くと、そのときの風景、心情などがよみがえってきますよね。
それが自分の内部から出た音ならなおさらのこと。
音の力って偉大だと思います。
{/netabare}

音楽がテーマなだけあって音楽の使い方がいいですね。
EDテーマが話数を重ねるたびに変わっていくのも特徴。
{netabare}
1話:潮風のハーモニー・2人
2話:心の旋律・2人
3話:潮風のハーモニー・4人
4話:潮風のハーモニー・4人
5話:潮風のハーモニー・4人
6話:心の旋律・全員
7話:潮風のハーモニー・5人
8話:潮風のハーモニー・5人
9話:潮風のハーモニー・5人
10話:潮風のハーモニー・5人
11話:潮風のハーモニー・5人
12話:潮風のハーモニー・5人
13話:潮風のハーモニー・EDバージョン

最後に和奏(わかな)作り上げた歌は「radiant melody」というタイトル。
直訳すると「光輝く歌」「晴れやかなる歌」。
雨が上がり、日が差し込んだところで流れるのにぴったりの曲でした。
それを今まで対立していた合唱部・声楽部が一緒に歌う。
「心の旋律」のメロディに似たフレーズがところどころに入っているのも、母親、そして町のみんなとのつながりが感じられて感動しました。
{/netabare}

不満点を挙げるとすれば、サブキャラクターがステレオタイプすぎたこと。
もう少し個性を出して欲しかったかな……。

また、来夏(こなつ)のキャラが強すぎです。
主人公の和奏(わかな)を食っちゃってます。
正直、最後まで来夏が主人公だと思ってました。

あ、でも{netabare}パパ達やママ達のキャラはよかった!
みんな、とても優しいんですよね。
そして、最後の校長、マジ主人公。
痛みに耐えてよく頑張った!!{/netabare}

それにしても、声優さんってすごいですね。
演技しながら外国語、歌、全部こなしちゃっている。

そしてラスト。
{netabare}
「何もかもがうまくいったわけじゃないけど、最後に自分を出し切ることができた」

もうちょっと盛り上がってもいいかなとは思いましたが、歌をモチーフに一貫したストーリーを作り上げているので、それほど気になりません。
完全なハッピーエンドではなく、未来へ向けての希望を残した終わり方、好きですね!
{/netabare}

誰にでもお勧めできる万人向けの内容だと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 123
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

音楽は人をつなぎ 心をつなぐ 【12月20日 聖地 江の島訪問の日記追加】

そのすべてがキラキラしていて とっても眩しかった…

メロディーは私の耳に心地よく響いて…
歌声のハーモニーは胸の奥まで届いた…

それは、やさしい何かに包まれていくような…
…不思議な感覚?

言っておきますが覚悟してくださいね♡

この物語にはいっぱいいっぱい、これでもかと青春が詰まっているので ...

青春時代のまばゆさはまるで太陽みたいにキラキラで、空を見上げたら思わず目をつぶっちゃうような…

歌うこと楽器を演奏をすることが好き!
そんな「音楽」が大好きな合唱部の5人が部活動を通じて共に成長していく姿を描きます。

舞台ですが神奈川県の江の島界隈。
青い空と海がとっても印象的で、その青さが私の身体の中をも晴れさせてしまうようなそんな街…
よく訪れる馴染みの場所ばかりなので、なんだか近しく感じてしまいます。

高校最後の夏
学生時代の不安定な空気、思春期の強い感受性と繊細さがしっかりと表現されています。

その一瞬一瞬はいつしか かけがえのない輝きの時となり彼らの青春に刻まれることでしょう。

仲間たちとの友情を、優しい時間で描いています。

その 時の流れがとっても心地よくて...
流れるピアノの音色と合唱の歌声に魅せられました...

「心の旋律」

風 新しく緑を駆ける


どこまでも遠く澄み渡るよ


今軽やかに光は回る


全てをやわらかく照らすだろう


合唱曲の独特なメロディーラインをきいて
ふと思い出す当時の光景。
学生時代を曲と共に思い出しました。
その当時の記憶や感情までもが蘇る...音楽のチカラはすごいですね...

皆の心と音がひとつに重なって生まれた合唱に魅了されました。
それは、明日からまた頑張ろうと思うエールみたいに聴こえた....

部の仲間と思い悩み抜いた時間こそ、まばゆいくらいの爽やかな青春...

海と、空と、唄声があふれる素敵な作品!!

最後に・・・・
青春とは永遠♡


※ネタバレは一切ありませんが聖地訪問のため閉じます。

【2015年6月28日(日) 江の島】
{netabare}
タリタリの皆の生活エリアにお邪魔しました♪

江ノ島はそんなに遠くないので、ときどき天気の良い日は海沿いにドライブ♡

そんな感じで聖地巡礼とは違うかな?

この日は留守番してもらったけれど・・江の島にはよく一緒についてくる子がいます。

紹介します。愛犬チワワのcoco(ココ)女の子です♪
一緒に入れるお店が多いのを知ってのことか外出前にいつもわたしから離れなくて大変っ!
今日はごめんね。。と言いきかせ出発しました。

この日の湘南エリアですが・・・
晴れ渡る空!青い海!燦々と輝く眩しい太陽!
晴天に恵まれ絶好のドライブ日和でした♪

わたしの目に映るのはきらめく海。弧を描く海岸線。

海沿いを走行。爽やかな風を感じます...

気付けば隣には江ノ電が並走。ちなみにわたしは緑の江ノ電がすきです♡(茶色とか走ってます)

江の島着。江島神社の参道からスタート!このレトロな町並みに癒されます...
青葉が輝く季節です豊かな自然 そんな心安らぐ素敵な場所です

この日は行かなかったけれどLONCAFE(ロンカフェ)はよくいきます。美味しいフレンチトースト、見た目もとっても可愛いんですよ♡ 是非行ってみて下さい♪

山を降りてきたら「えのすぱ」こと江の島アイランドスパへ。
湘南の広がる海を眺めながら温泉に入ってトリートメントスパを堪能!日常を忘れる休息タイム♪

スパを出たら響き渡る潮騒をききながら近くを散歩。
楽しい会話。ゆったりのんびり時間をかけて楽しんで...そんな休日でした♪

海をいつも身近に感じられるこのエリアは本当に魅力にあふれています
もしかしたらここは沢山の人の思い出の重なる場所なのかなぁと思うのです... {/netabare}

【2015年12月20日(日) 江の島】
{netabare}
穏やかに降りそそぐ太陽の光があたたかな冬の日でした。
タリタリの皆の生活エリアである江ノ島界隈に到着。
この街並みって訪れる度に、あまり人には教えたくないようなヒミツの素敵な場所を発見できちゃうんです。
それは、お店だったり、路地裏だったり…ね*。♬

湘南の街並みを颯爽と走行する緑の江ノ電。
紗羽がサブレ(馬)で疾走していた道路や、OPで5人が楽しそうに駆け抜ける江ノ島弁天橋etc
空を見るだけでみんなと繋がれてる気がして、5人の存在を感じて心の中ではいつもこっそりワクワクしてしまいます♪

今日はまず、、
正面に海が広がる黄色の一軒家イタリアンレストランへ、前から気になっていたのですが今回初めての訪問です。
地元で揚がる旬の魚介がふんだんに使われたお料理をいただいてハッピーな時間。
テラスは眺めが素敵そう。次はあたたかい季節かな♪

そして移動…
散策していたらいつのまにか夕暮れにさしかかっていました。
今は冬。空気が澄みわたり風景がきれいに見える季節ですね。
冷たい潮風が顔に当たって私の身体を冷やします…

でも平気…
この時期、この季節だけのきれいな夕焼けが目の前に広がっているのだから…
江ノ島弁天橋から望む真っ赤に染まる優美な富士

空と海と富士山をめいっぱい感じれたのでした

…そして橋を渡った先が本日一番の目的地です。
江ノ島イルミネーション
シーキャンドルライトアップ
…その点灯する瞬間を見るためしばしの待ち時間。
そしてついにその時が

*・゚*。✧「点灯」✧*。.:*・゚
想像以上のきれいさに「わぁ~」って思わず声が…
園内がイルミネーションに彩られ光に包まれます。
日常を離れたとてもロマンティックなひとときへと

時間帯によって色々な表情を見せた江ノ島のメインディッシュ。
楽しい一日でした。

今度はあたたかい春になったら電車を乗り継いで、江ノ島へ行こうかな.:*。♬
{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 116

80.8 7 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング7位
花咲くいろは HOME SWEET HOME(アニメ映画)

2013年3月30日
★★★★★ 4.1 (1280)
7231人が棚に入れました
美しい北陸の四季を背景に、祖母の経営する温泉旅館に住み込みで働くことになった東京生まれの女子高生の成長を描いたTVアニメ「花咲くいろは」(2011年4~9月放送)の劇場版。温泉旅館「喜翆荘(きっすいそう)」での住み込み生活にも慣れた松前緒花は、次第に変化していく自分に気づきはじめていた。そんなある日、緒花のクラスメイトでライバル旅館「福屋」のひとり娘・和倉結名が、女将修行のため喜翆荘にやってくる。自由奔放な結名に振り回されながらも、面倒をみていた緒花だったが、物置の中であるものを見つけて……。監督の安藤真裕、脚本の岡田麿里、アニメーション制作を担うP.A.WORKSほか、TVシリーズのスタッフが再結集。

声優・キャラクター
伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子、梶裕貴、本田貴子、久保田民絵、浜田賢二、間島淳司、山口太郎、恒松あゆみ、諏訪部順一、チョー
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

親の心子知らず 

本編 67分

アニメ版を観てからの視聴をオススメします

総集編ではなくて、緒花の母 皐月が高校生だった頃~のエピソード等を含む、完全新作です。



ネタバレ感想
{netabare}
この作品を見る以前から、この作品のCMで「うっせーババア!」って言う、多分 緒花の母だろう?女の子が 凄く印象に残ってました
んで、この本編を観始めたら、導入から「うっせーババア!」ってセリフから始まり・・・
案の定 緒花の母が高校生だった時の皐月でした  ^^;
直ぐにスッキリでしたw


それぞれのキャラも、いい演出してましたね!

緒花は、皐月と同じで「輝きたい」と、もっとぼんぼる決意を!

今時の軽くて天然の結名は、相変わらず悩みなんかないだろうな~って感じだったし 
以外と仲居の神様がついている!? ^^

みんこは、結名の天然に触発され「佃煮 プリティー」とかで、一人ハズイwww ^^
それに、久しぶりに「ホビロン」聴けて満足でした

菜子は・・・
ほんと良い子やな~(〃ω〃)
お母さん代わりに妹達の面倒みて、
麻奈を探し見つけたデパートの屋上でのシーンは、油断してて思わず泣いてしまった
(yTДT)y  

巴さんは、おばさんキャラでギャグ担当にされてて ちょっと不憫でした^^;
(かかとの角質 硬くなるよね~ ^^;)
巴さんには幸せになって欲しいです。
癒しボイスの能登さんでしたが、お笑い担当キャラだったので、癒し成分が少なかったのが残念でした><

緒花の母の皐月は、自分が親になって初めて女将の生き様に気づきます
「自分に負けられないんだ」と・・・
親の心、子知らず でしたね。。。
「うっせーババア!」と「負けられっか くそババア」のセリフが忘れられません ^^
{/netabare}


自分が この作品を見終わって感じたのは、「家族愛」

自分は子供もいるので、どうしても親目線でした
女将の気持ちも分かるし、
菜子と、菜子の妹が泣く所は 堪らなく切なかったです 
(仕事も大切だけど、家庭が第一だよね)

観る人によって、見方、感じ方は様々だろうけど、
自分はTV版も良かったけど、こっちの話のが好きかな・・・?


心が暖まり、ぼんぼりたくなれた作品でした。(@´ー`@)
オススメです!


主題歌
「影踏み」 歌 - nano.RIPE


PS:喜翆荘の様な、お客を大切にする老舗旅館なら行ってみたいですね!
(*´ー`*) 

投稿 : 2024/04/13
♥ : 76
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

佃煮プリティ~!

時系列はTV版20話~21話の間の話。

この劇場版では緒花の母・皐月の過去話が主軸として描かれます。
「花咲くいろは」という作品は
皆が何かに向かって一生懸命、悩んで迷って成長していく物語であるわけですが
皐月に関しては、TV版ではそういうキャラとして描かれていなかったので
今回あの皐月にもこんな過去が・・・といった感じで掘り下げてくれたのが良かった。
初登場となる父との馴れ初めや、緒花の名前の由来なども明らかに。

{netabare}偶然発見した業務日誌を通じて、皐月の過去を知ることになる緒花。
そして興奮を抑えきれず夜中にジャージで全力疾走ww{/netabare}
本作の象徴とも言える「走る」シーンは、劇場版でも健在でしたね。
上手く言葉にできない感情の発露。見ていて気持ちがいいし、テンション上がります。

皐月-緒花の話と並行して描かれる、ミンチや菜子のエピソードも良かったです。
66分という短い尺の中で多くのキャラの見せ場をしっかり作って
それぞれ中途半端になることなく、きっちり纏め切っています。
各エピをリンクさせて最終的に一大テーマへと昇華させていく構成も見事。
ラストでTV版のOPのシーンが出てくるとこも良かった。こういう演出には弱いですホントw

生々しいエロネタも健在で、冒頭シーンからやってくれました。
良くも悪くも岡田麿里脚本。そういう意味でやはりTARITARIとは違いますねw

TV版をリアルタイムで観て以来、久々に本作の雰囲気に触れたことで
「花咲くいろは」ってこんな作品だったよな~って見ながら思い出しました。
パンフにも書いてあったけど、それがスタッフの狙いでもあるようです。
というわけで、本作は完全にTVシリーズのファン向けに作られていますが
ファンなら観て損はなし!非常に満足できる内容に仕上がっていると思います。


※余談
上映前の「変態仮面」の宣伝うぜええええええ
劇場マナーCMでも迷惑行為や違法行為の禁止を訴えていたけど
まずはお前の変態を禁止するべきだ、と突っ込みたくてしょうがなかった。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 65

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

HOME SWEET HOME ( ,,ÒωÓ,, )

P.A.WORKSによる、TVアニメ『花咲くいろは』の劇場版。
アニメ本編をチェックしてからの視聴をオススメします。

キャッチコピーになっている『私、もっと輝きたいんです……!』
これを約60分でギュッとまとめた作品です(´ー`)
本編と変わらずの丁寧で綺麗な風景、背景をバックに
いつものキャラクターが生き生きと描かれていました。

メインストーリーは母娘愛。
緒花が母・皐月の過去を知ることからお話が展開します。
緒花と皐月、皐月とスイ、それぞれの母と娘の想いが
交差していく様子が描かれています。
親の心、子知らずとはよく言ったものですが
親も子供の本心を理解できている訳ではありません。
そんな揺れる母と娘の想い、関係が上手に描かれていました。

また、メインヒロインの1人である押水菜子の家族愛を
扱った作品でもあり、見所の一つになっています。

それにしても60分は短か過ぎると思いますw
よくまとまってはいるものの、せめて90分でしょ( >_<)
というのが1ファンのワガママ、正直な感想ですかねw
若かれし頃の綾人と皐月の出会いや緒花の出生に関わる
お話が見れたのは良かったです♪


本編を視聴済みの方にはぜひ視聴して貰いたい1本です。
視聴後、温かい満足感を得られると思います!


《キャスト》

松前 緒花(CV.伊藤かなえ)
鶴来 民子(CV.小見川千明)
押水 菜子(CV.豊崎愛生)
和倉 結名(CV.戸松遥)
輪島 巴(CV.能登麻美子)
四十万 スイ(CV.久保田 民絵)
四十万 縁(CV.浜田 賢二)
宮岸 徹(CV.間島淳司)
助川 電六(CV.チョー)
次郎丸 太郎(CV.諏訪部順一)
松前 皐月(CV.本田貴子)
松前 綾人(CV.竹内良太)


《主題歌》

『影踏み』/nano.RIPE


【2014 08/17 レビュー投稿】
【2017 05/12 レビュー加筆】

投稿 : 2024/04/13
♥ : 65

87.3 8 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング8位
true tears[トゥルーティアーズ](TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (6152)
26365人が棚に入れました
絵本作家を目指す高校生「仲上眞一郎」は、仲上家に引き取られてきた同じ高校に通う「湯浅比呂美」、そして両親の4人で暮らしている。眞一郎の母は、ある理由から比呂美につらく当たっていた。
 ある日、眞一郎は学校の裏庭で、木に登って降りられなくなった少女「石動乃絵」と出会う。彼女は過去に起こったある出来事がきっかけで、涙が流せなくなったのだという。眞一郎は彼女との出会いをきっかけに比呂美、親友「野伏三代吉」、幼馴染み「安藤愛子」らとの関係や、自分自身との向き合い方に変化を生じさせていく。彼らはそれぞれに悩み、すべきことを模索し、成長していく。

声優・キャラクター
石井真、高垣彩陽、名塚佳織、井口裕香、吉野裕行、増田裕生、渡辺智美、藤原啓治、高橋理恵子、土倉有貴
ネタバレ

うい さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

true tears 3周年記念ソングもでるよ

タイトル『true tears』のとおり涙をテーマにしたアニメ
主人公、眞一郎が、ヒロインである乃絵、比呂美、愛ちゃんとの関係の変化や自分の生き方に悩みながら成長していく話です


個人的には、電波キャラと思っていた乃絵が自分と友達になりたいと言う比呂美の嘘を見抜いたシーンぐらいから引き込まれました。
このシーンって見る人によって比呂美は嫌な奴とも取れるし好きな人に近づく子が気になるのは当たり前と受け取る人もいるのかな?
こういう人のマイナス部分が見えるあたりでこのアニメが合うか合わないかが判断できそうです。(キャラの好き嫌いは別ですw)
未視聴の方はここまでお試し視聴することをオススメ
{netabare}
物語はメインの4人に加えて、眞一郎の母、親友の三代吉達それぞれが抱える想いが複雑に絡み合いながら進んでいきます。
それにしても眞一郎が優柔不断ですねw
比呂美の事が好きなのに、別に好きな人がいると知って後押しみたいなことしたり、乃絵の方に流れたり。でも比呂美も忘れられないっていう
男ってそんなもんです

終盤、バイク事故をきっかけに眞一郎の本当の気持ちを知る乃絵...乃絵の気持ちを考えると見るのが辛かったです。
兄弟の疑惑も晴れ、比呂美と眞一郎の仲も急接近するかと思ったら、また眞一郎がはっきりしない。女性に後押しされないと動けないのかって。女性強しです!!
最後はちゃんと決断出来ましたが…

最後のシーンですが、乃絵はきっと涙(大切な人の幸せを願う涙)を流せたのだと信じてます。表情を映さないことで、余韻を残しながら終えられいい終わり方だったなと感じました。
乃絵は人間として、比呂美は女の人として成長できたんじゃないかな?{/netabare}

評価はどの人物に感情移入するかで大きく変わってくると思いますがそれだけ人物の気持ちの描写がしっかりしていたからだと思います。
2度目でしたが、前回とはまた違った見方ができました。一度見たという方も、もう一回見てみるとまた新たな発見があるかも

ちなみにドラマCDが出てて、登場人物のその後が描かれています。興味のある方は聞いてみては?

放映から3年経っても、聖地巡礼が絶えないそうで、一度自分も行ってみたいな(^。^)

:追加・
3周年記念ソング/eufonius「プリズム・サイン」がyoutubeの公式でちょっと聞けます。発売を機になんかして欲しいなーtrue tearsファンの方はぜひ聞いてみては

投稿 : 2024/04/13
♥ : 98
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ラストは賛否が分かれそうだが作画・音楽・構成は素晴らしかった

富山を舞台に、晩秋から冬、春までの間の青春群像劇。(全13話)
恋愛をベースにしてはいるが、テーマは「真実の涙」

【登場人物】

*代々続く酒蔵の一人息子だが絵本作家を目指している高校生の主人公・眞一郎。
*両親を亡くし、眞一郎の家に引き取られることになった同級生・比呂美。
*学校の裏庭で出会う、天真爛漫ながら勘の鋭い同級生・乃絵。
*眞一郎より1つ年上の幼馴染で眞一郎の親友・三代吉の彼女でもある、愛子。
*一見、お調子者だが恋には一途な眞一郎の親友・三代吉。
*女子には人気があるが、それには興味を示さない乃絵の兄・純。

物語は以上の6人の高校生を中心に展開していく。

【総評】

各人物の心情を本当にきめ細かく描いていたし、冬の富山の落ち着いた景色の中
バスケ部やお祭りの躍動感、眞一郎の心情を揶揄する絵本のストーリー、
美しくリアルな空や海の作画など、メリハリある見どころがたくさんあった。
そして、ガラスの雫のような、まさに涙を思わせる透明感のある音楽も良かった。
しかし個人的には、ラストに少々納得いかないものがあった。
詳しくは以下の【感想】に書いておくので、視聴された方や
ネタバレOKな方は読んでみていただきたい。

つかみどころのない、幼女のようなあどけなさが第一印象の乃絵と、
絵本作家を目指してる眞一郎はお似合いだと思ったけれど、
単純な話、眞一郎は色々と鈍感すぎる上、自分から行動できないことが多い。
そんな彼の想いを洞察力の鋭さで引き出していく乃絵は、まるで天使。
離れていても同じこと想っていたりと、心は繋がっているのに
眞一郎が乃絵に見せる愛情は希薄に思えた。

一方、おしとやかで容姿端麗な自分の魅せ方をかなりわかっていて
か弱さや腹黒い部分を出す比呂美は、芯の強さを感じさせる。
視聴者の好き嫌いが分かれるキャラだと思うが、ある意味すごく人間臭い。
この作品を観ながら、かなり昔に観たドラマ『東京ラブストーリー』を思い出した。
{netabare} 主人公は当然・・完治、乃絵は赤名リカ、比呂美は関口さとみだ。{/netabare}

愛子もまた、実はとても裏腹でドロドロしているし、
乃絵の兄・純の、妹への想いは、純粋すぎて泥沼だったりするのだが、
客観的に観ればわからなくもなくて。
でも、それだけ人間臭い人物を揃えた上で真実の涙について考えていく物語は、
透明感のある純愛を期待していた僕にとって、なかなかヘヴィーだった。

【感想】
{netabare}
本当に大切な人のために流す涙じゃなく、本当に大切な人を想う時に流れる涙。
じゃ、本当に大切な人は誰?

登場する女の子たち、いずれも魅力的な部分がそれぞれにあり、
眞一郎でなくても確かに、誰を選ぶか悩むかもしれないけれど
最終話で彼が出した結論に対して、個人的には解せなかった。
性格は乃絵が一番好みだったが、現実的に考えた場合
必ずしも誰かとくっつく必要はなかったのではないかと。

それに、眞一郎の母親が言ったことを鵜呑みにして事実確認もせず
他の人とつきあってみちゃう浮ついた者同士が、
「ほんとうに大切な人」を想って涙を流すなんて共感できないのだ。
むしろ乃絵や純の潔さ、退き方のほうが共感できるし、彼らの涙のほうが納得いく。
雪解けのあと、眞一郎が乃絵に対して告白した時の小石が
散らばっていることに時の流れを感じて、せつなくなったし
あの時の乃絵の涙は、失恋で悲しいとかそういう涙じゃなかったはず。

でも自分が主人公だったら、「選べずにいる」⇒「あえて選ばない」に変化し、
「選ばない」という強い意思ををハッキリ相手に示した上で、
絵本作家になることに全力投球したと思う。
それが「飛ぶこと」であり、優柔不断や自信のなさや親からの自立であり、
恋心を糧にしたとしても、まずは恋愛から離れて
そこで「真実の涙=true tears」を流すほうがいい。

でも眞一郎の場合は、元々、相思相愛だったのだし、
「彼女の涙をぬぐいたい」という子どもの頃からの彼の気持ちが、
絵本作家を目指すきっかけになっていたのだったとしたら、
彼女のほうを先決することのほうが、大切だったのかもしれない。
だったら三代吉のように初志貫徹しろよっ!と思うのだ。
まぁ、それができない、煮え切らない奴っていう設定だから仕方ないけれどね。
でも突っ込んだ妄想してみるに、比呂美よりも乃絵を選んだほうが、
断然・・いい絵本作家になるんじゃないかと思う。
とかいっても、考えてみればまだ高校生。
あんな感じで充分なのかもだね。

眞一郎への想いにケリをつけた乃絵は、人の助けを借りずに
自分で木から降り、彼を想うことでようやく涙を流せた。
愛子も純も、いろんな意味で飛ぶことはできた。
引き込まれる構成や演出、音楽などは素晴らしかった。
だけど物語自体には深く感動することができなかったのが残念でならない。
{/netabare}

ちなみに一番、僕が共感できたのは、一貫して軸がブレなかった三代吉。
ルックスや口調は脇役だから仕方ないにしても、彼が対比させられることで
作者が本当は眞一郎寄りじゃないと思えたことが、救いだった。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 81

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1クールでちょうどよかった♪

聞いたことのないタイトルだったけど評価が高かったので観てみました。

内容はちょっとドロドロした感じだったけど
1クールですごく詰め込まれたストーリーだったので見応えありました(o゚∀゚)ノ
ただ、1クールだったから物語の良さが感じられたのかなとも思いました。
2クールだったら、ドロドロな物語がきっとだらだら
続いたかもなんて・・勝手に思いました。

乃絵がすごく不思議な女の子だなって思いましたヽ(*´∪`*)ノ"
こういう子なかなかいないですよね?
個人的には乃絵のお兄さんが好きだなー♡


軽すぎず重すぎないアニメでオススメ範囲内かなと思います。
もっと評価されるべきアニメとしても納得です☆
時間があったらぜひぜひ観て欲しいアニメですd(>ω<*)☆


読んでくださりありがとうございました人´Д`*)

投稿 : 2024/04/13
♥ : 73

82.3 9 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング9位
有頂天家族(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1676)
8062人が棚に入れました
京都には人間と狸と天狗が住んでいる。下鴨神社・糺(ただす)ノ森に暮らす下鴨家。狸界の頭領であった父・総一郎は、ある日何の前触れもなく狸鍋にされたのだが、その経緯は今も謎に包まれていた。残された四兄弟のなかでも偉大な父の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎は「面白きことは良きことなり」をモットーに、生真面目だが土壇場に弱い長兄・矢一郎、蛙の姿で井戸にこもっている次兄・矢二郎、臆病ですぐに尻尾を出してしまう末弟・矢四郎、そしてタカラヅカ命の母に囲まれて暮らしていた。隠居中の大天狗・赤玉先生の世話を焼いたり、神通力を得た人間の美女・弁天に振り回されたり、はたまた五山送り火の夜空で宿敵・夷川家と空中決戦を繰り広げる日々の果てに、突如下鴨家を襲う絶体絶命の危機! 父が鍋にされた真相が明らかになるなか、固い絆で結ばれた一家の運命はいかに!

声優・キャラクター
櫻井孝宏、諏訪部順一、吉野裕行、中原麻衣、能登麻美子、井上喜久子、石原凡、佐倉綾音、梅津秀行、飛田展男、西地修哉、畠山航輔、樋口武彦
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おもしろき こともなき世を おもしろく

原作未読。


主人公は下鴨矢三郎(しもがも やさぶろう)。
タヌキの名家である下鴨一族の三男坊。
彼は「面白く生きる」ことをモットーに生活していた。
その言葉どおり、彼のまわりにはひとクセもふたクセもあるタヌキや人間やテングが。
そんな中、タヌキ鍋にされて亡くなった父、総一郎(そういちろう)の死の真相にせまっていく。


あらすじだとミステリーっぽく聞こえるかもしれません。
しかし、実際は「家族」を扱ったハートフルコメディ。
そこそこ笑って、ちょっとほっこりできるアニメです。

テーマ性はレビューのタイトルに書いたとおり。
OPの歌詞の中によく似たフレーズが含まれています。

これは、高杉晋作の言葉とされています。
下の句を含めると、

「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり」

世の中は望もうと望まないと無常に過ぎていくもの。
面白いどうかは、その人の心のあり方によって決まる。
それなら、楽しい方向にとらえないでどうすると。
どうでもいいことだって、見方を変えれば面白いものになります。

それを表現するように、随所にばらまかれた小ネタの数々。
やっていることはハチャメチャなのですが、それを面白く見せるマジックが効いています。
特にセリフの選び方が上手ですね。
面白さの半分は言い回しでできていると思います。
{netabare}
また、どうでもいいことに変に力が入っていたりしますよね。
赤玉先生の風呂のシーンでうまいこと前を隠したり、芸が細かいw
{/netabare}

キャラクターの存在感もポイントです。
下鴨一族はみんなそれなりに個性的で愉快です。

・子供思いの母親
・責任感たっぷりな長男
・ニートな次男
・通称アホだけど機転の利くの三男
・臆病でかわいらしい四男

敵役もどこか憎めません。
じいさんも妙にかわいい。


この「ほどほど感」がクセになります。
1~2話では見えてきませんが、回を重ねるごとに魅力が増してきました。

とにかく何事も深追いはしない。
おかげで疲れとは無縁です。
見ていて時間の経過を忘れました。

この「疲れない」ってのがポイントですね。
日常系ではないのにまったり見られます。
それでいて次回が気になるんです。

和やかな気分で笑いながら見たいけれど、日常系には飽きた。
そんな人に向いている作品だと思います。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 69
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今期一番まとめが完璧だった!(最終話まで

全13話。原作小説未読。

京都を舞台に、狸と天狗と人間が入り乱れて繰り広げる波瀾万丈のハイセンスコメディドラマ!


●関連URL
・番組公式サイト:http://uchoten-anime.com/
・番組公式Twitter:http://twitter.com/UchotenAnime


※相関図
http://p.twpl.jp/show/orig/wjOMs


最初はたぬき合戦ぽんぽこ的なジブリ風のアニメになるのかなぁと想像していたんですが、まさかの四畳半風味!
なんか主人公のセリフ回しが凄く四畳半っぽい。
四畳半凄い好きだったので期待値8/10。
絶対最後まで見る。


原作未読の人向け、ネタバレ無し補足説明

・主人公・矢三郎はタヌキ
 天下の大ダヌキ・下鴨総一郎の息子四兄弟の三男

・赤玉先生は天狗
 4兄弟のもと先生。赤玉ポートワインが好物。弁天にベタ惚れ。昔は名を馳せていた凄い天狗だった

・弁天(鈴木聡美)
 天狗の赤玉先生にさらわれてきた、もと人間
 修行の末、ほぼ天狗になった
 大人になったのか、もともとの性格なのか、先生をほったらかしで遊び回っている

・金曜倶楽部
 京都の重鎮たちのよりあい。月イチで宴会をする。メンバーを七福神の名で呼び合う
 忘年会で毎年タヌキ鍋を食うのがなわらし


○総評
いやぁ実に良いアニメだった。
弁天キャラが全然好きになれなかったので途中で見るのを放置していたが実に良いアニメだった。
この辺で断念した人もいるのではなかろうか?惚れた理由は結局明かされなかったって言うか最初のあれでって事なのかな。
最後まで魅力は感じなかったが。
しかしこのアニメ弁天の話が中心ではない。人間と天狗と狸の三つ巴の話なのである。
主軸は要するに勢力争い見たいな話。なのでちょっと話がややこしいので一気見とかの方がお勧めかも?
キャラの名前や誰が何処の勢力かとか覚えてないと分かり辛い話かもしれない。
簡単に言うと大人版たぬき合戦ぽんぽこ?ジブリ?みたいな感じw
萌え路線のアニメにうんざりした人やジブリ好きにはお勧めの作品です。
あと化物語っぽい会話劇も特徴かな。じっくり話聞いてないとわからなくなる感じがあるかも。


各話感想
{netabare}2話
ママンの話かな。なんで主人公はいつも女装してるんだろう。
アニキはカエルに化けてるのね。
招き猫はさっきの双子が化けたのかな?
何故口が動かないんだ。手抜きなのか化けてるから動かないのか。
虎でけぇ!なんか妖怪大戦争みたいになってきたw
何処噛んでるんだよw
結局オカッパ双子も狸だったのね。
兄さん絶望先生っぽいなwさすが同じ作者のデザイン。
母上なんで狸になっているんだろう。
母上また人間に化けたか。
父上は弁天に食われたのか?金曜クラブに食われたのか?
うーんそのうち鍋にされて食われちゃいそうな予感がしてきた。
弁天はやっぱ敵なんだな。何故惚れたし。


3話
うーーん弁天が本当に良くわからない。なんで惚れたんだ?
なんか漂うビッチ臭が気に入らない。
しかし相変わらず背景の映像が綺麗だなぁ。良くも悪くもジブリっぽい。
クジラのしっぽが引っ張ってみたいとか意味がわからない。

弁天にイラっとしてから見てなかったが再開。


4話
母上はなんでいつも宝塚の格好なんだろう。
先生入り口で何してんだwなんともへそ曲がりなじいさんだw
弁天キャンセル多いなw
ちらし寿司食べたくなってきた。なんとも便利な茶釜エンジン。
たんぽぽくらいの毛玉って随分ちっちゃいんだな。
蔵馬天狗vsヤクシボウ&父上って事か。偽如意ヶ嶽事件。
なんかホント弁天イラっとするキャラだなぁ。
なんという花火戦争w
風神の扇子かなんかなのかな?
貴重な燃料ワインを飲むなw
風神雷神の扇無くしちゃったのか。
逃げの弥三郎w


5話
金曜クラブのトップは弁天なのかな?
お茶飲んでる相手は誰なんだ。今日も牛丼かw
なんで慌てているのか。ダルマに変身したか。
箪笥の引き出しに入ってるのは金角と銀閣の妹だったのか。
あぁそういやあの空飛ぶ家壊したらって約束してたっけ。
ってか胸が口元と一緒に動いてるw
すき焼きうまそうだ。ホテイさんと肉の取り合いw
この集まりは人間の集まりなのか。
この弁天の上から目線な感じがうざいなぁ。
ホテイさん見とれすぎだろw
狸は雑食なのかな?雷を怖がるってもしかして母上か?
食べちゃいたいほど好きなのだ。なんだこの人もかw
弁天ホント嫌なキャラだなぁ。わがまますぎる。まるでバブル女だな。


6話
連れ去っちゃったのかよw師匠となった赤球を蹴り落としたとか何がどうなってんだw
ホテイさん無理し過ぎだろw
父上が食われた夜にホテイさんは惚れたのか。
ん?弁天泣いてるのか?
葉巻のポイ捨てかよ。まぁフィルター無いから問題無いか。
なんで握り飯と酒持ってんだよw
焼きおにぎりはうまいよなぁ。味噌焼きオニギリが好きだ。
一風変わったと言うより一昔前のバブル女じゃないか。
毒の入ったものでも食うもんなぁ人間は。発酵食品だの腐ったもんでも食うしな。
なんか銀の匙みたいになってきた。
狸に食われるのが良いだと?ホテイさん上級者すぎて付いて行けない。
昔そう言った狸がいたって父上か。やっぱりか。
立派な狸だからおいしいって理論はおかしいだろ。
やっぱり母上を救った人だったのね。
キスしただけで惚れたとかって理由なら実に下らないな。まぁよくある話でもあるけど。
弁天はなぜ泣くのだろう?


7話
酒は飲めるうちに飲んでおくことだ。良い事言ったように見せかけてそうでもない罠。
弟可愛いな。先生天狗風を吹かすって天狗じゃないのかw
香水ってファブリーズ?w先生力が無くなってるww
なんともうまい流れを作ったもんだ。ちゃんと風呂行くきっかけを作ったわけか。まるで秘書とか官僚みたいだ。
それでも先生なかなか入る気無いのかww子供か!w
どうしようもないエロじじいだなぁまったくw
おい股の手ぬぐいで殴るなきったねぇww
今度は風呂に使ったら出ないのかよwwまったくどうしようもない大人の子供はこれだからたちが悪いw
何気に弥三郎を気にかけてるのな。
なんだなんだここは両国の風呂なのか?夷川親衛隊とはなんだ?タダ飲みの愚連隊なのか。
まーた金角と銀閣か。相変わらず弱いこの小物感が実に良いキャラしてるw
誇大広告って四文字熟語じゃねぇw前の樋口一代もあれだったがw鉄のパンツってなんだよw
いやいや兄上おまえが風呂に放り込んだんだろwアッー水風呂はやめたげてw
捕まった日誰かとぐでんぐでんになるまで飲んでいたのか。一体誰と…弁天か?
なんとカエル兄貴と飲んでたのか。
もしかしてカエルから戻らないのも責任を感じてとかかな?
酔っ払った父上をほったらかしにしたのか。やっぱりそれで責任を感じて井戸から出ずにカエルから戻らずにいるのか。
生きている限り必ず別れはやってくるからな。ある程度一線置いて事前に受け入れておかないと辛いものになってしまうんだよね。
あれなんか深い話になってきたかな?


8話
おや兄さんえらくゴキゲンの悪い声だ。
元気そうだね阿良々木君、何かいいことでもあったのかい?を思い出した。
京都で一番やる気のない狸とは誰の事だ?カエルの兄様か。
弥三郎の許嫁に恋しちゃったのか。えびす川カイセイ…
父上になんでも相談してたんだな。人間ならそうそう無いだろうなこういうの。父親と仲良くやっている友人を見た事が無い(男限定だが)。
うーむしかし酔っ払っている風ではなかったよなぁホテイさんの話だと。
勝手に勘違いして責任感じちゃってる感じかな。なる程ねぇ。
しかし間々で入ってくる絶望先生風?のMOBがシュールw
乳ではなく父だろw何がそんなにおっぱいに魅力があるのかわからない。おっぱいよりケツだろ!
父上に最後にあったのは先生だったのか?化けられる身ではないとはいかに?
え?死んだ後の話なのか?それとも先生の妄想なのか?それとも死ぬ事を覚悟しての発言なのか?
母上だったのかこの人。変身するとわけわからんな。
カイセイが好きだった事を言っちゃうのか。なんだ母上は知ってたのか。
弥一郎(´;ω;`)ブワッ
「1つの大きなさよならが残された者達をつなぐこともある」名言(/_;)


9話
なんかややこしくなってきた。カイセイの名は父が考えたのか。
ちょwホテイさんバームクーヘンどんだけ重ねてるんだよw
なんという大食いw一口で飽きるわこんなのw
後三週間で狸狩りが始まるのか。
あぁなるほど双子の妹ちゃんがカイセイだったのか。未だ姿を見せないから覚えられない。
弁天の前だと化けれないってどういう事?魅了されちゃってって事なのかな?
さてどちらが後釜になるのやら。師匠に託しちゃうんかいw
女の子はオシリを冷やすと子宮に影響があるからなっておいお前は男だろw
先生相変わらず動かないのなwきっかけ作るんだろうなまたwなんともツンデレであるw言い換えれば不器用ってとこか。
実にうまく交渉したもんだな。
だからなんでそんなシリを温めたいのよwカイセイの声!?いい加減姿を表したらどうなんだ…
なる程女湯から話してたのかw割りと可愛かったw
妹ちゃん兄貴をバカアニキと言いつつも慕ってるんだな。
生天狗か。まぁ狸の天敵だもんな。
元許嫁だったのかよ。今は違うのか。あれ?そういやどっかでそんな話あったような…
謝罪のコメントはなんだったんだろうか。


10話
偽えもんを決める日がやってきたか。
父上に憧れていたのか兄貴。夷川が何か企んでるのか。
父の死んだ日だったのか。兄貴気をつけろよってなんか死亡フラグな気がしてくる…
弟ちゃんまた騙されてるのかよ。やっぱり閉じ込められたか。
ヤジロウはほっとけばいいって完全にフラグだよな。
フライドチキンを食べるカエルってなんかシュールだな。歯が無いのにw
父上の最後の言葉…
何か大変嫌な事が起こりそうなのか。雷神が来たのか。
風神雷神の扇拾った奴は誰なのか。
恐らく金曜クラブに拐われたか…?
鍋にされるのかやっぱ。おじさまを鍋にしたのは私の父だと!?妹ちゃん姿現すの初めてじゃないか。
なる程妹ちゃん変身したまま話聞いてたのか。弁天…
なんで兄弟を売ったんだ。そしてまたこいつの策略か。


11話
弁天は味方になるのか。弁天うぜぇ…
都合よく天狗だの人間だの言いやがって。ツンデレかよ。
淀川教授なんで変身して店員になったんだ。母上まで捕まってたのかよ。
なる程薬を混ぜるためだったのか…って金閣銀閣だったのかよ。
あーあ皆捕まっちまったか。完全に悪代官w
なんだよその鉄のおむつw
そういやカエルの兄さんだけか捕まってないの。
なんだ妹に弱いのかよw
卑怯極まりないな夷川。まるで天狗や人間のする事…
ドナドナドーナードオナー…
おっ妹ちゃん赤色灯に気付いたか。見つかるの早っ!何故巴投げw力つええw


12話
カエルの兄ちゃんまた変身出来るようになるのかな?電気ブランで燃料投下か!?
キタ━(゚∀゚)━!
なんつう酔っぱらい運転w逆に捕まえたかwなんだこいつらが扇持ってたのか。
「おもしろきことはよきことなりー」
自転車は押して歩きましょう。ってのがシュールw
電車の外の背景が永遠ループしてるんだが…やっぱりか。
なっいつの間に電話をしてたんだ!おいおいET並に空飛んでるなw空飛べるのかよwww
そーっと所じゃねぇwwwぶっ飛んだぞw
檻を開ける作画省きやがった。
母上の事か…潜入捜査かよwなんだ弁天さっきの耳打ちで告げ口したのかと思ったら違うのか?それとも…
選挙のほうがせまってきているのか。先生ナイスタイミングwwしかも泥酔状態w間に合ったか。
うわっ金曜クラブも来たのか同じ所に…何か大変なことになりそうだな。
うおー凄い盛り上がり方が良い!遂に次回最終回!


13話
人間と狸と天狗の三つ巴。さてどう結末が着くのだろうか。
むしろ弁天が何を企んでるんだ…
あっそうだ!ホテイさんそういえば母上助けたんだったっけ…鳥肌立った。
遂に鉢合わせたかw
ん?なんでそこまで夷川が母上に固執するんだっけ?
さすがホテイさん!w待ってました!いいぞもっとやれ!w
まぁ矛盾があるのが人間だよな。さぁて弁天どう動く?
っと思ったら師匠www何してんのww浮気の現場wうまいなw
アッー!全部ふっとんだーw先生激おこプンプン丸w
師匠相変わらずちょろいなww
あれそういやカエルの兄さんもう変身戻れるのにw
ヤジロウ兄さんとお母さんの会話でなんか泣けた(´Д⊂ヽ
ホテイさんと話してる時の後ろで弟の仕草が可愛いw
カイセイちゃんマジヒロイン!
最終的にこのセリフに落ち着くな。「おもしろきことはよきことなり」
いやぁ今期最高にうまいまとめだったのではなかろうか?実に良いアニメだった。
本当に面白かった。{/netabare}

投稿 : 2024/04/13
♥ : 63

にゃっき♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

an enterprising fool needs little wit

作品世界では、古都京都では昔から天狗やタヌキが人に紛れて暮らしています。
タヌキたちは普段は人間に化けていて、化ける力にも個人差があり、驚いたり苦手なものや怖いものに出会ったりするとすぐに化けの皮が剥がれてしまうタヌキもいますが、檻に閉じこめられると、どのタヌキも化ける力を発揮できないようです。
タヌキの名門である下鴨家の、四兄弟の三男である弥三郎を主人公に、四季折々の風情溢れる京都で繰り広げられる人情喜劇は、どこか落語を眺めているような気分で、予想を遥かに越えた素晴らしい作品でした。主人公の父親はタヌキの一族を束ねる「偽右衛門」だったのですが、金曜倶楽部のタヌキ鍋にされてしまい、次の偽右衛門をめぐって、一家の復権を願う長男の矢一郎と叔父の夷川早雲との対立が引き起こす、トラブルやその行く末など、ちょっとシリアスなエピソードもありますが、最後まで楽しんで視聴できました。

必ず忘年会ではタヌキ鍋を食べるという、タヌキの天敵のような金曜倶楽部は、それぞれが七福神を名乗る人間の名士の集まりで、「食べることは愛することだ」という大学教授など、メンバーは風流で浮世離れしていて、それぞれの人生を謳歌しているようでした。特に、天狗の赤玉先生を恋の虜にして、飛行術を身につけ、天狗のアイテムを貢がせたメンバーの弁天は、気まぐれでつかみどころのない妖艶な魅力に溢れる女性で、タヌキにとって敵か味方かもわかりません。何をするか予想のつかない彼女が絡むことで物語全体に緊張感が生まれ、魅力ある作品になったのは間違いないと思われます。

阿呆の血の赴くままに面白く生きるという主人公は、残念な事に周囲の起こした騒動に巻き込まれてしまうようなケースが多く、もう少し自ら率先して阿呆な言動をやらかして欲しかったように思いました。
それにしても阿呆レベルが横綱クラスの従兄弟の金閣と銀閣や、その妹で以前は主人公の許嫁であったのを親の都合で破棄され、決して主人公に姿を見せようとしない海星など、周囲をかためるキャラが素晴らしく、作画も丁寧につくりこまれた出会えて良かったと思える傑作で、久しぶりに京都に出かけてみたくなりました。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 62

66.2 10 P.A.WORKSで泣けるなアニメランキング10位
Another OVA 『The Other -因果-』(OVA)

2012年5月24日
★★★★☆ 3.7 (457)
2089人が棚に入れました
TVアニメ『Another』のOVA。アニメ本編では描かれなかった見崎鳴のこれまでを、完全新作のオリジナルアニメーションで綴るファン必携のアイテム。

エウネル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

本編を見た人は見るべき。

これは本編より時間軸が前の話です。つまり0話と言うのが正しいですね。面白いかどうかは正直微妙です。ですが本編の内容的に見た方がいいです。ストーリー上かなり大事なシーンがあります。

0話なので本編より先に見ても問題はありませんし、こっちから先に見たほうが良いと言う人もいます。ですが僕は本編を見てから0話を見るべきだと思います。本編はミステリーホラーと言える内容なので0話を見るとかなりネタバレになってしまうように思えます。本編で全て話が終わってから0話を見て納得する。そういう見かたのほうが楽しめると思います。

あらすじを簡単に言うと、この作品のヒロインである見崎 鳴(みさき めい)と双子の姉妹である未咲(みさき)の話です。複雑な事情があり二人の苗字は違います。その二人は会うことを基本的に許されていませんが、その二人がこっそり会い遊びに行く話です。その間に本編で重要になってくるシーンがたくさんあります。

本編を視聴していない方はそちらを先にどうぞ。

投稿 : 2024/04/13
♥ : 37

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

鳴と未咲の双子のお話

アナザー0話です。
アナザー本編のヒロイン見崎鳴と双子である藤岡未咲が亡くなるまでのお話。

親の問題で別々になってしまったけど、すごく仲良しの双子。
この時の鳴はとてもよく笑う子でしたヽ(´∀`*)ノ

0話では鳴の家にお泊りに行って、
次の日に遊園地に行く。
ところどころ親の話や、もしも逆だったらとか
過去の話や経緯を語っています!

鳴の目は4歳の頃腫瘍により失なった左眼に霧果さん(鳴をひきとったお母さん)の
つくった青い瞳の義眼をはめています。(wikiより一部抜粋)
その左眼では相手に死がせまると?死の色が見えるみたいで。
お泊まりの夜に美咲に死の色がっかってるのを鳴が見てしまいます。

どうやって美咲が亡くなるのか。。。
後半美咲が死ぬまで意外と展開が早かったです。
ネタバレ防止のため死因は一様ふせます。

アナザー0話双子の2人がとても可愛いです!!
アナザー本編見てからでも問題なしです♪

読んでくださりありがとうございましたヽ(*´∪`*)ノ"

投稿 : 2024/04/13
♥ : 36
ネタバレ

はなび@虹色 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り

わたしの、「Another0『The Other -因果-』」の楽しみ方

「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」

わたしの、総評です。

見崎鳴、藤岡未咲の2人の姉妹のおはなしです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの『つながり』を描いています。

Anotherはこのおはなしを含めて、全13話だと思っています。
そして、中でも、この0話がいちばん好きです。
そのくらい大切で、明るくて、哀しくて、つらくなるおはなし。

本編に含めて放映してほしかったって気持ちはあります。
ミスリードが成立しなくなるので、難しかったのはわかりますけど・・。

そのため、「Another」本編を見た後に、見ることをおすすめします。

さらに、0話を見た後に本編を見返してみると、
鳴ちゃんに対して、物語全体に対しての印象が、だいぶ変わります。
それまでとは、また違う視点で楽しめると思いますよ^^


「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
{netabare}
前半は、仲良し姉妹の日常を描いた、明るい内容になっています。

この「見崎鳴の明るい日常」って、
本編では描かれることがなかった場面なのですよね。

現象によって、未咲ちゃんを失わなければ、
鳴ちゃんも、本来の、明るくて、よく笑う普通の女の子でいられたのに。

現象さえ起らなければ、他の3年3組のクラスメイト達だって、
中学校生活を満喫する普通の男の子や女の子でいられたはずなのに。

「普通の日常」を描くことで、現象の理不尽さがより際立ちます。

後半は明るい日常から一転して、現象の恐怖に突き落とされます。

大切な人を理不尽に奪われることへの怒り、哀しみ。
日常から、死の恐怖に常に怯える毎日に突き落とされる落差。

日常と現象を同時に描いていることは、
この物語の中で重要な意味を持ってきます
{/netabare}

「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
{netabare}
この0話はAnother全体から見てもとても密度が濃いです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの気持ちや想いが詰まっています。
双子の姉妹のつながりを描いたおはなしです。


見崎鳴
{netabare}
姉妹としても、親友としても、
本当に、未咲ちゃんのことを大切に想っていたのでしょうね。
だからこそ、未咲ちゃんのことを何としても守りたかった。

未咲ちゃんがいたからこそ、本当のお母さんともつながっていられた。
未咲ちゃんを失ったことで、お母さんとのつながりも断たれてしまった。

ひとりぼっちになってしまった。

それがもう見ていて、本当につらかった・・。
{/netabare}

藤岡未咲
{netabare}
好きな人もいて、やりたい夢もあって、
おしゃれにも興味があって、家族を思いやる優しさもあって、
本当にかわいらしい女の子。

なんで未咲ちゃんなの!?って、
見ていて本当につらかった、哀しかった・・。
やっぱり、こんなのひどい・・理不尽だよ・・。
{/netabare}
{/netabare}

「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」
{netabare}
たった1人の双子の姉妹であった未咲ちゃんが、
現象によって、「4月の死者」となってしまった。

未咲ちゃんのことを何があっても守るって思っていた、
鳴ちゃんはその時、ものすごい葛藤をして苦しんだと思います。

3年3組に入りさえしなければ、死なずに済んだのかもしれない。
死の色が見えていたのに、何もできなかった。助けられなかった。
でも、なんで未咲が、死ななくちゃならないの!?、って。

未咲ちゃんが亡くなったあと、
鳴ちゃんが眼帯を外し、鏡の前で怒りをぶつけるシーンがあります。

私にとって、このシーンはアニメ版Anotherでいちばん好きなシーンです。

鳴ちゃんのくやしさ、無力感、そして、怒りが一気に流れ込んできて、
涙がぼろぼろと溢れてきました。Another本編ではいちども泣かなかったのに。

この出来事のあと、物語はAnother本編へと入っていきます。

{netabare}
でも、未咲ちゃんを救うことができず、お母さんとのつながりも断たれ、
学校ではいないものにされて、哀しみに毎日を過ごすしかなくなって、
鳴ちゃんは心を閉ざすしかなかったんじゃないかな・・。

そんな、鳴ちゃんが本当にかわいそうで、痛々しくて、見ていられなかった。
{/netabare}

この0話を見た後だと、Another全編を通して、
鳴ちゃんの印象はとても大きく変わります。
そして、未咲ちゃんが「4月の死者」であることが、
本編で重要な伏線となっていきます。

0話を見て、改めて思います。

鳴ちゃんが経験した、くやしさ、無力感、怒りって、
実は、3年3組の生徒全員に言えることなのかなって。
{/netabare}

わたしなら、こんな方に「Another 0『The Other -因果-』」をおすすめ!!

「Another 本編をすべて見たことがある方」(←これが前提条件です)
「Anotherの物語をより深く知りたいと思う方」
「本編では描かれなかった鳴、未咲姉妹の伏線を知りたい方」

投稿 : 2024/04/13
♥ : 34
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