スパイダーおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのスパイダー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月25日の時点で一番のスパイダーおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.2 1 スパイダーアニメランキング1位
装甲娘戦機(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (95)
259人が棚に入れました
今日から私はスナイパー……!?日常を奪われ、その肢体に〝LBXユニット〟と呼ばれる戦術兵器を纏う5人の少女――〝装甲娘〟たち。選ばれし転移者である少女たちの使命は、多元世界をまたいで蝕み増殖し続ける金属生命体・ミメシスの掃討と殲滅。時空を超えて強いられた傭兵暮らし、それは世界の「希望」と「絶望」とを垣間見る命がけの修学旅行だった!

声優・キャラクター
逢田梨香子、村川梨衣、大西沙織、福原綾香、宮下早紀

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

かなり深刻な状況が描かれているのに、まったく悲愴感がない美少女SFメカアニメ

LBXユニットという兵器を身に纏った「装甲娘」たちの戦いを描く、美少女SFメカアニメ。全12話。いちおうダンボール戦機のスピンオフですが、本編を観ていなくても問題なく楽しめます。
物語は、時空震と呼ばれる超常現象によってそれぞれ別の並行世界から飛ばされてきた5人の少女たちが、世界を救うために、日本各地を移動しながらミメシスという謎の敵と戦っていく、みたいな感じ。描かれている状況はかなり深刻ですし、冷静に考えると主人公のリコたちも、とんでもなく酷い目に遭っているのですが、作風はほぼ完全にコメディ路線で、悲愴感がありません。おそらく方向性としては、バトルを見せることよりも、5人の装甲娘たちの友情を描くことのほうが主目的だったのでしょう。実際そういった意味では、なかなか悪くない作品に仕上がっていました。何か特定の感動エピソードによって友情をアピールするのではなく、なんてことのない日常描写を積み重ねていくなかで、気がついたら、いつの間にか強い絆で結ばれている、というような自然な描き方には好感が持てました。また、全体のストーリーとしても、それなりにいい話になっているのですが、いかにも感動させようというような大袈裟なところがなくて、全体的に「さりげなさ」が心地よかったです。
作画、音楽は、まあ普通くらい。キャラは、装甲娘だけでなく、ネイトやオタクロスなどの脇役にも親しみが持てました。
最後まで観終わって、明るく、楽しく、嫌味がなくて、そこそこ面白かったです。点数にするとあまり高い評価になりませんが、個人的な好き嫌いでいうと、結構好きなタイプの作品でした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 9

くらま さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

主人公補正無しが悪い方向に

がんばって6話目まで視聴。

一般人の異世界転生(転移)作品に対するアンチテーゼ、敢えての皮肉った脚本なのでしょうか。

主人公の言動、行動、性能、才能、成長。
多分、本来ならそうなんだろう、そう上手くはいかないよね、という設定、脚本。

とはいえ他の装甲娘達もパラレル世界からの転移者でありながら有能揃い。
主人公には転移者特有の世界設定補正(肉を焼くと上手い等)や主人公アゲアゲ補正は無く、どちらかというと迷惑キャラ。
本来は人知れず退場する数多のモブキャラに与えられる設定です。

たまの元世界の描写、設定が物語のキーになるでも無く、終始無駄な時間。

6話目で仲間達が力尽きる中、世界の受け入れ、自覚の芽生えいよいよ覚醒か?と思いきや、、、。

本人はLBXに対する愛着も無いので(例えば昔アニメで見た設定や改造、必殺技等)今後もそこがキーになって物語を動かす事は無いんだろうな、とか。

他作品で例えるのはアレなのですが、ガンダムビルド系アニメの3作品目に通ずるモノがあります。
・主人公の設定、背景を応援出来ない
・主人公の言動が不快
・主人公の成長を感じられない
・乗り物(プラモ)に愛着を感じられない
・上記が物語に作用しない、もしくはマイナスに作用する
300話くらいを想定しているのでしょうか?
何クールやろうとしてるのか知りませんが、この手の描写は3話が限界でしょうね。
何話もやられると娯楽の時間が台無しに。
脚本を書かれている方は、視聴者の期待を裏切りたいのだと思いますが。

最後に根幹の話し。
ダンボール戦記は知っていて、気になったLBXは購入した事もあります。
装甲娘もジ・エンペラーだけはジャケ買い。
そんなイメージが装甲娘だったのですが、本作の装甲娘のデザインがダサい、と思うのはわたしだけでしょうか。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 0
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

2話までの感想{netabare}
装甲娘ってPOPがデザインしてたやつだっけ?…って位しか知らない程度での視聴。
まずのっけから「あれ?」という違和感。
本作の売りだと思われるLBXについて、私は「MS少女」自体あんま好きじゃないながらも、その目線で考えると女の子とメカが別パーツ過ぎる。
面倒くさいメカ部分は背中に背負わせればいいってだけの雑なデザインで、公式に「戦術兵器を纏う5人の少女」と書かれてるが全然纏ってるように見えない。
原作はゲーム?キット屋は絡んでない?
キット屋がデザインに口出しできるくらいに出資してたらこんなデザインにはならないんじゃないかなー?
これじゃあ単独で背中のメカだけ作ったほうが面白い(ダンボール戦機のままでいい)とかになっちゃうよ、と思ったり。
まぁつまり、デザインからしてやっつけ感を覚えてしまって…。

でもって監督は元永慶太郎。
コンセプション→デートアライブ3→超可動ガール1/6、とTVシリーズの監督を立て続けに3期連続でやって「大丈夫か?」と思ったことがあるけど、作品一つ一つに対する入れ込みって浅いのかな?
実際1話の出撃シーン、バンクなのかね?それを機械的に連続でダラダラと続けた様は、やっぱり元永が監督を務めた“デジアドtry”と同じポカをやらかしたとしか…はっ、あれはポカだったと思ってない?
右から左へ作業をこなすだけで反省する暇なんて無い、であるなら仕事のし過ぎも良くないなぁと余計なことまで考えてしまったり。
ってか“超可動ガール1/6”をやったんだから「MS少女とはナンぞや?」みたいな拘りがあってもいいと思うのだが、先に書いたようにそんな物は持って無さそうで…あれー?

更に2話、各LBXがどんな属性か紹介するシーンをまだやってないのに、それより先に温泉シーン。
えっ、まだ誰が誰なのか分かってないのにそっち優先!?
「大変だ進行方向に巨大な岩が→オレニマカセロ」でパワー系のLBX(多分キョウカ)が出動するとか、無いのん?
精一杯譲歩して、プロポーションで個性を出す狙いならこのタイミングでの温泉シーンもギリギリ納得できなくもないが、そうでもなさそう。
攻めてるんだか日和ってるんだか…あっれー?

と文句めいたことを先に書いてしまったけど、前期やってた某作品で不満に思った部分がこっちでは解消されてるみたいでそこには期待。
って隠してもしょーがねーか、某作品ってのは“シグルドリーヴァ”ね。
こっちとスタッフが一部被ってるらしいが「シグルリは館山に忖度するって縛りのせいでヘンテコになってしまったのでは?」と睨んでる私としては、崩壊した街が描写されてるだけでホッとしてしまいまして。
更には通貨も崩壊してるみたいで、人類が追い詰められてる感はこっちのが良く描けてる…気がする、今んトコ。
こっちはこっちでサンポー食品とコラボしてるみたいでそれが作品にどう影響するか注視するのも一興かも、ゾンサガみたいに上手くマッチすれば良いですねぇ。
それとじゃんけんのシーンで掛け声がそれぞれ違ったことから、主要メンバーは全員別々の世界出身ってことでいいのかな?
あんま時空震時空震言うと「リコが特異点なんじゃね?」「オルソンまだー?」と思ってしまうが、ちゃんとオチは用意してあるのだろうか。{/netabare}

4話までの感想{netabare}
3話、「男キャラのCGモデルなんて作ってやるもんか」という強い意志を感じるw
回想シーンの装甲娘よりよっぽど登場シーン多かったよね?
…っていや待った、ひょっとしてCGと手描きの明確な使い分けラインを設けてたりする?LBXを装着するとCGになるとか。
というか…同期放送の“キングスレイド”を見てたせいもあるのかな?
CGと手描きの混在するアニメってメカ(武器や防具などの金属部分)をCGにすることが多いワケだけど、そこで手描きにする時はCGに合わせてなのかブラシで塗ることが多い。
メガネがLBX装着してる時のLBXもブラシで…なんか浮いてるというか、キングスレイドみたいにはできなかったのかなー?とは思ってしまう。
で、その装備、接収しないのか。
旅すがら装備を追加して増強していく展開をほんのりと期待してたのだけど、その可能性は消えた?

そんなことより4話ですよ4話。
戦闘シーン無し。
しかも3話の後、何度も戦闘を切り抜けてきたってところからのスタート。
ええ…。
2話感想でも触れた、どの機体がとんな性能でどんな活躍(戦い方)ができるかをまだ見せてないと思うのだが、一番見たかった部分がカットされちゃった気分。
一応各キャラの性質を口で説明してたけど、まさかこれで紹介を果たしたと思って…ま、まさかぁ?
玩具メーカーがスポンサーなら毎回ロボットプロレスを入れろというお達しがあるもんで(最近そうでもないのもあるけど)、そうじゃないからって自由過ぎるというか、代わりとばかりにサンポー食品を義務的に画面に入れるのは…そういうネタなのかなぁ?
でもって2話に引き続き温泉シーン。
優先順位が滅茶苦茶というか…ある意味ハッキリしてはいるんだけど、何をそんなに生き急いでるんだ?と思わずにいられない。
アドバイスを受けてパワーアップ(成長)したみたいなノリで、どう強くなったのかは次回以降…やってくれる?大丈夫か??
まぁやったところで強くなる前の不便っぷりが描写されてないのでピンと来ない予感がバリバリするけど…どうなんかなぁ。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

計測不能 2 スパイダーアニメランキング2位
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(アニメ映画)

2023年6月16日
★★★★★ 4.2 (8)
22人が棚に入れました
前作『スパイダーマン:スパイダーバース』に続く三部作シリーズの第二作となる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヒーローに運命を課すのはヴィランか?私たち鑑賞者か?

【物語 4.0点】
シリーズ3部作の2作目。溜め回としては抜群の手応え。
完結編の着地が決まればさらなる評点上乗せもあり得る。

が、提示された方向性はメタフィクション的な波乱も予感させ、
鑑賞者に挑戦状を叩きつけるような内容で好みは分かれる。

“普通のヒーロー物”を求める層にとっては、何を言わんとしているのか?
シナリオの価値すら分からないまま終わる、苦痛に満ちた2時間半になりかねないでしょう。


前作レビューにて私は多様なのは分かったけど、
多様性で何を描きたいのか分からないとの趣旨のコメントを残しましたが、
本作にてテーマを深めるための題材としての多様性の活用法がより明確に。

スパイダーマンは正体を明かしてはならない葛藤に苦しみ、
やがで誰かと恋に落ちるも結ばれず、大切な人たちを亡くす悲劇に終わる。
どれだけ多元宇宙(マルチバース)を巡っても、
“カノンイベント”を経て、運命的に収束していくヒーローのテンプレート。

本作にもまたバイクに跨る妊婦、レゴ、実写、インド人、猫
など実に様々なスパイダーマンが登場しますが、
どれほど多様でも、最後、ヒーローの運命に抗うことはできない。
多様性を主張する人々が、“自由で多様な彼ら”という型を求めて、多様性が極まらない。

黒人少年主人公への是非についても、
{netabare} マイルスが敵役(ヴィラン)だった“本来の?”次元世界の提示も交えて、
マイルスが異次元“アース42”の蜘蛛(これも黒人初メジャーリーガーのジャッキー・ロビンソンを想起させ意味深)に噛まれたマルチバース最初の異分子であること{/netabare} が明示。
どんなに黒人が社会進出し多様化しても、欧米白人社会が内心、黒人には譲りたくない見えない一線をも、
テーマ深化のために取り込もうとする貪欲さ。
多様性のジレンマがスパイダーマンが辿る運命に苦味をスパイス。

本作は、そんな運命に抗うマイルスの意志を表明して締めくくられます。
それはスパイダーマンの物語世界、すなわちマルチバース崩壊のリスクをはらむ。
さらにそれはヒーローのテンプレ提供を求めて来た私たちへの反抗でもあります。

シリーズ1作目英題『~Into the Spider-Verse』。キャッチコピー“運命を受け入れろ。”
2作目『~Across the Spider-Verse』。キャッチコピー“運命なんてブッつぶせ。”
そして3作目は『~Beyond the Spider-Verse』と告知されています。

マルチバースの法則を打ち破ったマイルズたちは、
スクリーンから飛び出し、私たちの頭上を通り越すように、
私たちが抱くヒーロー観をも超越して行くとでもいうのか?
今から答え合わせが楽しみでなりません。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・ソニー・ピクチャーズアニメーション

作画と背景美術が一体となり表現を追求するトレンドの最先端にして最高峰を行くCGアニメ。

前作までの各スパイダーマンたちの各世界に応じた作風の使い分け、
爽快スパイダーアクションの追求のため単純に背景描き込みの密度を上げるのはもちろんのこと、
葛藤するヒーローに呼応して、ブルー系を多用していくなど、
色彩設定も漫然とリアリティをなぞるカットが一つもありません。

さらに絶望するヒーローと共に、水彩画タッチに簡素化していく所属宇宙の街並みなど、
心情表現の面でも価値あるアニメーションを構築。

そして冒頭からロゴの表記揺れなど、多発する映像の乱れが、映画内世界の破壊と新生を示唆する野心的なメタフィクション表現。


前作レビューにて、私は生意気にも、マイルスがこのマルチバースで何を成したいのか?
信念と映像が一体化した瞬間こそが満点を付ける時と吹かしましたが、
完結編を待たずして、ここで5.0点満点付けざるを得ません。


【キャラ 4.0点】
ヒロイン・グウェン・ステイシーことスパイダーウーマン。
本作は、グウェンの深掘りを通じてスパイダーマンを呪縛する“カノンイベント”の運命を紹介するプロローグ約20分+本編2時間という構成。

{netabare} ささくれだったグウェンがバンド脱退して、最後また新たなバンド結成を宣言する。{/netabare}
グウェンに始まりグウェンで終わる。スパイダーウーマン目当ての私は大満足♪


スパイダーマンの子を持ってしまった両親の葛藤も深まった本作。
やっと子育てに自信を持ちかけた所で、
大きくなった子供は正体はスパイダーマンという誰にも明かせない秘密を抱えていて、
親から見れば何を考えているか全く訳が分からない。

子供が想定しない方向に飛び出さないように躾で縛ろうとする。
家族の愛情は子供の可能性を閉ざす悪手なのか?

全ての子供は宇宙。
ハイスクールの三者面談で飛び出した教師の発言は、
コメディのようで核心を付いています。

思わぬ子供の変化を受け入れるため、親もまた成長せねばならないのか?
親子関係というサブテーマがクライマックスを牽引し、
既存のヒーロー像の打破というメインテーマとも共鳴しています。


ヴィランとして新登場したスポット。
空間に穿った次元穴に自分のケツを蹴り込むネタキャラと思わせておいて、
彼こそが過去、{netabare} “アース42”の蜘蛛で異次元越しにマイルスをスパイダーマンにした張本人であることが示唆。
さらにスポットはマイルスが将来出会いたい量子力学の権威であり、一連のマルチバース騒動の起点となる可能性も予想されます。{/netabare}
スポットは、空間だけでなく過去と未来、時空をも行き来するヴィランだと言うのか?
ループシナリオへの受け身も準備しつつ解答を待ちたいです。


【声優 4.5点】
日本語吹替版を劇場鑑賞。

主演・マイルス役の小野 賢章さん。
{netabare} “アース42”にてヴィランとしてのマイルス{/netabare} にも対応せねばならず、
光と闇の振れ幅がより大きくなりましたが、
この声優さんならむしろ得意な芸当。

ヒロイン・グウェン(スパイダーウーマン)役の悠木 碧さん。
運命に心が押し潰されそうになる役柄に悠木さんの濁声は極上の相性。
父親でありスパイダーウーマンを問題視する警官であるジョージとの会話シーン。
{netabare} 「一瞬だけでも警官辞めてパパとして話を聞いてくんないかな」{/netabare}
と涙声で絞り出す吹替とか堪りません。


ヴィラン・スポット役には鳥海 浩輔さん。
ネタ面でもシリアス面でも、変則的な能力とイカれた外見の自虐も交えた軽口で翻弄するキーキャラクターを好カバー。

劇場鑑賞当時、ちょうどTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』でも、
玉壺役で気色悪いツボ芸を披露していた鳥海さん。
その独特な演技ともリンクして、スポットの穴芸はツボにハマりましたw
鳥海さんは今後こういう芸風を極めていかれるのでしょうかw
ベテランの域に入った彼のアフレコが醸す珍味に期待します。


本来、映画ファンならば本場の俳優がアフレコに参加した字幕版から行くべきなのでしょうが、
吹替声優に魅力が多過ぎるので、完結編も私は吹替版から行きたいので、
吹替版の4D、ドルビーシネマ&アトモスへの対応拡大をお願い致します。


【音楽 4.0点】
ED主題歌「Calling」などをプロデュースしたメトロ・ブーミン氏を始め、
引き続き黒人文化を想起させるヒップホップがサントラを構成。
一方で、今回は特にシリアスなシーンでのシンセ和音による重厚SF風味の演出、
運命への苛立ちと突破の意志をこめたロックサウンドの起用も目立ちました。

吹替版では日本語版主題歌としてLiSA「REALiZE」も流れました。
運命を打ち破ったマイルスが示すヒーロー像が具現化する未来を、
本邦のロックヒロインはしっかりと捉えています。
あと、You Tube公式等で公開されている本編映像を活用したリリックビデオが中々優秀です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

アートとエンタメの奇跡のマリアージュ!。続編どうなるか心配だが、結局今年の殿堂入り映画でした。

 ネタバレしないようになので歯に絹を着せた話になっちゃいますがご容赦を。なんとなくバレてんじゃねぇか!みたいなのも勘弁して下さい。ネタバレありで多少思ったことはコメント欄に後で書きます。
 

 とりあえず、掴みのグエンのパートだけで100点満点!。この部分だけで他の作品を遥かに引き離してるくらい素晴らしい。感情と映像をシンクロさせるような表現は今までもあったかもだが、これほどの表現力と完成度に至ったことはなかっただろう。このパートの表現は革新的だが、感情を揺り動かす演出の地に足のついた的確さでここだけでかなり満足してしまった。


 ただ、最近の傾向なのかもだが大きなシリーズやコンテンツだと色んな要素を詰め込み過ぎてスッキリとイケない、モヤモヤするてんやわんやがあって前作ほどの神っぷりにはなれなかった。ネタバレになるから遠回しな表現になりますが、ちゃんと宣伝しないのは不誠実に感じます。


 正直今回の目玉だったスパイダーソサエティーが足を引っ張ってたように思える。割いてる尺もそれほどでもないし、障害としてはスポットや最後に出てきた×××のが遥かに興味深いし、新スパイダーマンたちもそんな掘り下げられなくて勿体無い。顔見せは余程のオタクじゃないと上がらない。


 普通に新スパイダーマンはミゲルと数人くらいで、前作のスパイダーマン達で全然良かったのでは?。彼等の再登場と掘り下げの方が遥かに上がる展開が作れただろう。スパイダーマン同士が共闘するのは良いが、インドの彼いる?。ペニーパーカーのアースでも良かったんじゃない。パンクなスパイダーマンは割とえがったが、ノワールでもやれたかもだし。シビルウォーもだったが、やはり内輪もめ的な展開は上がりずらくて微妙。この部分から設定の説明と、そのための展開な匂いがして前半に比べて地に足がつかなくなってしまったかな。


 ただ、今回は親と子の関係を中心に置いてて、その部分はみんな最高!。モラレスの親だけでなく、グウェンの親の部分も強調されて、今回はグウェンがもう一人の主役といってもいいぐらい輝いてる(これは吹き替えで悠木さんの演技を見なくては)。ピーターBパーカーも勿論良いんだが、やはりソサエティーに尺を取られちゃったのが勿体ない。


 まとめると全体的に表現の革新性と演出の的確さという前作から受け継いでより強化されたような部分は最高!だが、シリーズものとして続けるための要素入れすぎが少々足を引っ張っている。ただ、これだけで評価を確定できない作品だし、レベルは他とは隔絶してる凄さだからやはり必見どころか、二度見三度見くらいすべき今年を代表する一本て間違いなし。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5
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