兄弟愛おすすめアニメランキング 1

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71.1 1 兄弟愛アニメランキング1位
劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[後編]僕は君を愛してる(アニメ映画)

2022年7月22日
★★★★☆ 3.8 (18)
96人が棚に入れました
これは、ある兄弟妹と、突然やってきたペンギンと、
この世界の過去と未来についての物語である——。

病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す
高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。
自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。
新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。
大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。

彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。

あれから10年——
かつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた…。

謎の赤ちゃんペンギンに導かれるままに巨大な本棚で埋め尽くされた
不思議な図書館へたどり着いた冠葉と晶馬。
「ようこそ、運命の子供たちよ!」
突然、本棚が割れて、ペンギン帽をかぶった少女が二人の前に現れる。
「それはあなたたちの物語」
図書館の司書を名乗る荻野目桃果は一冊の本とともに”大切な使命”を二人に授ける。
「きっと何者かになれるお前たちに告げる。己のなすべきことを見つけ、この世界を救うのだ!」
果たして冠葉と晶馬は何を見つけるのか…!?
ネタバレ

ソース さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

愛 し て る。 ほんのりとした優しさを感じる。

まず正直言うと、自分はこの劇場版に「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」のようなぶっ飛び具合を密かに期待していた所があったので、封切り前の期待値を上回ったかと言われると肯定しかねる部分はある。(まぁ総集編としての枠は飛び越えれてないよね)

しかし、純粋にTVアニメの際でも盛り上がった後半の部分を総集編としている為、前編よりも濃密なものに仕上がっている。そして前編同様、挿入歌などもいい感じにリニューアルされていて新鮮であった。そして {netabare} 運命の乗り換えのときの苹果の「私も...!」 {/netabare} というセリフ追加は秀逸。悲しい別れであるが愛を伝えられた!言えたじゃね〜か〜!

新作パートでは、自己犠牲否定でいくのかなと思っていたのだが、違った。私の見識が甘かった。{netabare} 自己犠牲,TVアニメラストの展開を認めながらの希望を感じさせる優しいエンド。冠葉達がこれから何者になっても、幸せになるのだろうな,大丈夫だろうな {/netabare} と感じさせてくれた。TVアニメラストよりも明るい雰囲気を漂わせていた。 {netabare} ペンギン眞悧そっちのけで「俺たちは陽毬のお兄ちゃんだ!」 {/netabare} のシーンは爽快だった。まぁ正直もっと先の未来を見せて欲しかった感はある。




あと 「少年よ我に帰れ」を流すタイミングが完璧だったぞ〜...とも言っておく(小声)





順当に良質な総集編でした。
幾原邦彦監督の今後のご活躍に期待をしております。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 2

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場版の意味は?分かりやすくした?東日本大震災を受けて?

 TV版と主題は同じですが、若干分かりやすく修正されていました。ただ、前半よりは後半の方がTV版の再編集の印象は強かったです。

 テーマとしては、全体としては宮沢賢治的な利他・生命の循環というテーマ。家族とは家族愛とは?という子供に必要なのは愛であり、誰からも必要とされないと感じると透明になるという親による精神的虐待・ネグレクトを含むテーマ。
 そしてそう言うものが生み出した破壊衝動というか破壊に向かわざるを得なかった社会が生み出した悪意のようなモノです。

 こうやって見ると、例の宗教テロ事件をモチーフにしたというよりも宗教テロ事件とサカキバラ事件に着想を得て、その原因となった親と家族・教育問題を描きたかった、と見る方が自然だったかも、という気付きはありました。が、どちらが先でもいいと思います。

 後半は結末の修正でTV版よりも子供ブロイラーと透明な存在についてが分かりやすく描かれたこと、ピングドラムが生命の循環でありペンギンは陰陽の象徴であることが、分かりやすく描かれていた気がします。一方でオープンエンディングで余韻だった部分を見せてしまったのは、あまり関心しませんでした。

 悪意の象徴である渡瀬眞悧と善意の象徴である桃果の対の表現が、チビペンギンにより直接表現されたものの、一方でその対立が希薄になっています。全体的に悪意というか悲惨な出来事が省略されて一旦どん底に落ちる部分がマイルドだったのでカタルシスは弱い気がします。あわせて日記の方のピングドラムがちょっと希薄になったかなという気がします。

 例の白黒のクマがいる空間で鏡が割れていて、そこを歩くと傷がつくというのはそう考えると分かりやすいアナロジーで、あの空間は生きるということそのものだったのかもしれません。

 で「かえるくん、東京を救う」を入れた理由ですねえ…うーん。本作の舞台が2011年で、重要な出来事が95年。本作のTV版が7月からだったらしいので、おそらく東日本大震災は入れられなかったのでしょう。

 重要な震災2つの年と絡みながら、それを描けなかったことを修正しようとしたのかもしれませんし、家族・疑似家族の絆と愛情の問題より、広くとったほうが利他とか人間には誰にでも役割ある、みたいなことがが分かりやすくなるし、桃果と眞悧が活きてくる気がしたのかもしれません。
 ですが、ここは教育・親問題→子供ブロイラー→疑似家族で愛と承認と命の輪廻の話で良かった、気がします。大衆が人形みたいな理由はそこからわかりますし。

 となった時に、名作のテレビ版を越えたか、ですね。

 こうしてみると蛇足感はあります。面倒ではあってもテレビ版で十分言いたい事を言いきった感じでした。ただ、やっぱり2011年の東日本大震災問題です。
 ここで起きた創作上のパラダイムシフト…人間の間の悲劇よりあらがえない惨劇を経験しました。平穏な生活はいつでも破壊される。その現実の上で日本人は生きているという事実です。
 これがあるから新海3部作のともすればハッピーエンドは内容が無いと言われながらもそうしたのは、マーケティング的な思惑は別にして東日本大震災後に悲劇の在り方が変わったのでは?と思うからです。現実は悲惨だ。だったらせめてハッピーエンドを目指して生きようよというメッセージが必要になったと思っています。

 そうなったとき、この作品の最後に希望を持たせるためにこの作品が出来たと考えることはできます。それを想起させるための「かえるくん、東京を救う」を入れたのかな、と思わなくはありません。

 一方で大衆特に若い人がストレス耐性がなくなったから、バッドエンド・作品上のストレスに耐えられないという言説を聞きます。まあ、そういう面も必ずしも否定しませんが、そうなった原因にこの作品の主題である、親・教育・社会と子供の乖離が考えられます。子供は蝶よ花よで育てられて、ネグレクトというよりもスポイルされているからでしょう。その意味で新しい問題かもしれません。

 バッドエンドが駄目なのか?東日本大震災とストレス耐性などを含めて考えてみると、このリメイクに意味があるとするとそこかなあ…という気がしなくはないです。

 それとダブルHを登場させた意味がやっぱりちょっと消化不良だったかなあ。友情というには薄いですよねえ。TV版のEDを考えると運命論の話なんでしょうか?ここはやっぱりわかりませんでした。

 更にいじわるな見方をすると「RE:cycle of the PENGUINDRUM」の「RE:cycle」はリサイクルです。つまり、中古品を見せられている可能性はあります。お前らわからないみたいだから、中古品でもう1回分かりやすくしてやんよ?かもしれません。

 評価は…うーん、難しい。正直第一印象はTVでいいじゃん、ではあります。が、冒頭とラストの変更ですねえ。難しいので、取り敢えず保留の意味でまた、オール4にしておきます。

 テレビ版をまた見るかなあ…






 

投稿 : 2024/03/16
♥ : 4
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