「とある科学の超電磁砲S(TVアニメ動画)」

総合得点
88.8
感想・評価
3550
棚に入れた
20694
ランキング
96
★★★★☆ 4.0 (3550)
物語
3.9
作画
4.1
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

御坂美琴の孤独な戦い

 原作は未読。
 印象度では全話の3分の2近くを占めるシスターズ編に尽きるかなあ。
 話自体は既に「とある魔術の禁書目録」の1期で描かれたものであるため、展開は判って
いるのだが、単純に作画は良くなっているし、尺も長くなったため、顛末はより詳細に、
キャラの心情はより深く、といった感じで描かれているのが嬉しい。
 また、シスターズを巡る話は御坂 美琴の物語と言っていいような話であるため、本作の
ように御坂視点を中心として描いた方がしっくりくる感じがあった。

 序盤は穏やかな日常の光景の中にシスターズの存在をほのめかすような描写が散りばめられて
いるが、平穏なシーンの中に次なる事件の予兆が描かれているのは1期でも見られたもので、
モダンホラー系にあるような徐々に闇が忍び込んでくる演出は相変わらずいい。

 こうして不安感を煽っておいて、いざ登場した御坂妹達はとぼけた味わいを持つ存在という、
このギャップ感が面白い。
 この御坂妹のぼけた感じの独特のノリは可愛らしく、コミカルなものを感じさせるが、この
ノリは実験のために生み出された存在ゆえに現れたものであるところがある意味哀しさを
感じさせる。更にこのノリのまま承知で死地に赴く様は空恐ろしくもある。

 自身のクローンの存在を知った御坂は孤独な戦いを始める。
 これは発端が自身のDNA提供によるものという責任感もあるし、敵が単なる犯罪者ではない
ために仲間を巻き込みたくないというのもあったのだろう。
 私見だが、「とある魔術・・・」は各キャラが勝手に動いていて、利害が一致する時に共闘
する印象があるのに対して、「とある科学・・・」はレギュラーキャラが一致団結して事に
当たる印象が強い。これは白井 黒子と初春 飾利が公的機関であるジャッジメントの一員である
ことが大きいように思えるが。
 それだけにシスターズ編における御坂の孤独さは一層印象深いものがあった。
 しかし、この御坂の孤軍奮闘は彼女が動けば動くほど、新たな絶望が現れるといった感じの
もので、観ている側としても辛いものがあった。
 まあ、延々と鬱々とした展開ばかりでも気が滅入るためか、シスターズ編の中盤の山場と
呼ぶべき対アイテム戦などはいいアクセントになっていたように思える。

 御坂の絶望が自身の死を引き替えにする考えまでに至るところで上条 当麻が登場して解決。
 御坂の絶望が大きかっただけに溜飲が下るし、御坂が惚れてしまうのも納得。いい締め方
だったんじゃないかと。
 あと御坂にとっての御坂妹が、当初は自身の罪を具現化した忌むべき存在であったのが、
護るべき妹達に変わっていく過程もなかなか良かった。

 後半3分の1?を占めるフェブリを巡る話に関しては、正直なところ設定や展開はうーんと
いったところ。
 フェブリやジャーニーが計画のために生み出された存在であるところなどはシスターズと
一緒だし、御坂達が出会った者(フェブリ)と強く結ばれた者(ジャーニー)が救うべき対象で
ありつつ、事件を引き起こすキーであるという設定は、1期における春上 衿衣と枝先 絆理に
似ており、あまり新鮮味はない。
 ただ、御坂を中心に皆の協力で事件を解決していくという本来の「とある科学の・・・」の
テイストはこちらが持ち合わせているもの。
 更にシスターズ編での反省を踏まえた結果の御坂の行動が観られたり、シスターズ編で
救われなかった布束 砥信が救われる話であったりと、話の存在意義自体はそれなりにあったり
する。

 最後は「とある科学・・・」オールスターズ登場といった感じで、更に1期のOP曲も
劇中歌で流すなど、ある意味あざとい展開や演出ではあるのだが、それなりに乗せられて
盛り上がってしまうものはあったかなあ。

投稿 : 2014/08/19
閲覧 : 249
サンキュー:

8

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