恋愛おすすめアニメランキング 1108

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの恋愛成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年03月19日の時点で一番の恋愛おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.4 1 恋愛アニメランキング1位
聖女の魔力は万能です Season2(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (120)
410人が棚に入れました
ある日突然「聖女」として異世界に召喚された20代の会社員・セイ。元々の植物好きを活かして薬用植物研究所で働き始めるが、仕事人間ゆえの生真面目さに“聖女パワー”が加わり、セイは効果5割増しのポーションを次々と作り出す。 さらに、魔物討伐では凄まじい威力の浄化魔法を発動し、セイの評価は爆上がり!「聖女」であることも正式に認められ、スランタニア王国の救世主として、人々の尊敬を集めていく。 そんな彼女を見守り支えてくれるのは、研究所のヨハンやジュード、宮廷魔道師団のユーリ、そして、互いに惹かれ合いながらも、いまだ恋人未満な“氷の騎士様”アルベルトだった。 王国の最重要人物となってからも相変わらず研究三昧なセイだが、アルベルトとの仲は少しずつ深まって、恋模様にも新たな展開が――!?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

客観的には面白さは…ただ、ファンとしては美しく終わらせてくれてよかった。

 終わりよければすべてよし…とファンの立場からは言いたいところですが、面白さでいえば2期は1期から半減以下になりました。ファンて、何か月かに1度に出版される新作を楽しみにしますので、実際よりも作品を過大評価します。自分でもどこか冷静な部分で面白さが減っていることはわかってるんですけど、感情的にはそう思わないで面白かったと言うでしょう。

 でも、こうしてアニメで見せられるとその現実は明らかです。始まる前からなんとなくわかってましたけどね。

 ただ、ここのスタッフはそれでも演出と作画でがんばったと思います。リズとのお茶会のシーンなど上手く作ってました。そして終わらせてくれたのでなんとなく納得が行きました。

 まあ、これ以上は言いますまい。美しい最終回でした。

 評価は…オール3…で、作画だけ4.5。美しいですが動きに乏しいので。
 


1話 面白さは1期がピーク。それ以降も話のレベルは高いですが…

{netabare}  本シリーズはアニメ1作目の1話ですっかりはまってしまって、原作は小説・コミック・スピンオフは既読です。

 で、先に言えば私にとって面白いのは、1期までの部分です。カイルとアイラとエリザベスの3人の関係性が異世界転生ものの聖女シンデレラストーリー系ではかなり出来がよかったし、聖女の力の設定と物語がマッチしていました。ストーリーとキャラに力があったと言えるでしょう。キャラの心理に深みがありました。

 ですが、それ以降ですね。沼問題以降です。ホークとの関係は安定していますし、設定上ホークエンド以外の違う結論はないでしょう。そして、いい味を出していたカイルが退場していますので、人間関係が非常に単純化されて、その後の話の展開は一般的ななろう系に近づいてゆきます。2期1話目で早速「商会」が出て来たりします。
 そうはいっても、この原作者は筆に力があるのか、それぞれの設定やキャラ、エピソードは良くできているし、面白いことは面白いです。人によっては2期以降の方が見たかったストーリーと言えるかもしれません。
 何よりホークとの結末はわかっていても見たい、見せたいところでしょう。原作はまだ終わってないですが結末にどんでん返しはないでしょう。

 私は本作の2期以降は「魔法使いの嫁」と一緒ですね。ファンとして最後まで続けてもらいたいし楽しませてもらいます。でも、やっぱり1期を越えることが出来ず、つまり原作ももっと早い段階で畳んだ方がシリーズの深みは増したような気はします。その辺は人それぞれでしょう。

 アニメ1話目見ましたが、相変わらず異世界ものとしては非常にいい出来です。空気遠近法というのでしょうか。焦点の使い方が上手いですね。それと構図ですね。特に人の位置関係が秀逸です。

 と言うわけで、ファン心理としてあまり批判したくないけど、批判したい気持ちもあります。というジレンマがある作品なので残りのレビューは最終回後にします。{/netabare}


2話 尺伸ばしが感じられないスピード感がすばらしい。

{netabare} レビューは最終回後といいましたが、一言だけ。原作ストックを気にしない面白さ重視のスピード感と構成に制作者側のレベルの高さが感じられます。「俺ガイル」の原作者でもある渡航氏のシリーズ構成が素晴らしいのでしょうか?
 2期分割のマイナスを感じさせない上手な作品として「陰実」と本作は素晴らしいと思います。{/netabare}


6話 テンユウ編はちょっと気が抜けた?特に6話は構成とセイの顔に違和感が…

{netabare} 今のところテンポ良く話が進んで面白く見ていますが、6話でちょっとセイの顔のパーツのバランスと横顔の輪郭線が結構乱れたように感じました。アップはあいかわらず丁寧な気がしますが、引き画の時です。

 それと構成がテンポがいいのはいいんですけど、ちょっと今話はペース配分はどうかな?と思います。母との思い出を短くしても良かったのでは?

 ファンとして見ているので、いいんですけどちょっとテンユウ編は出来が他の話と比べてん?と感じてました。6話で特に感じたので一応。{/netabare}


6話追記 リンゴとハチミツかあ…まあ、カレーが食べたくなります。ネタ切れ感は隠せないですね。


7話 中間総括。ストーリーはやっぱり良くない。が、演出、構図、止め絵等々で素晴らしいシーンを作り上げました。リミテッドアニメの方向性が見える作品だと思います。

{netabare} 7話前半の女子のお茶会のシーン。良かったです。華やかさもそうですが、見せ方と各キャラの演技がとても良かったです。話の内容は凡庸なんですけど、アニメの力でかなり見られるシーンに仕上がっていました。
 だからと言って、派手な作画でヌルヌル動かしているわけでもエフェクトでごまかしているわけでもありません。そこは非常に良かったです。声優さんの演技も良かったと思うし。

 で、まあ、本作の中間評価ですが、やっぱり1期の話の作りの良さに比べると、尺伸ばしの為に差し込んだエピソード感はすごいですね。私のように本作1期が本当に好きで、且つ、コミックスの美しい作画に惚れて、原作をそろえている人間からしても、レベルダウンは隠しようがありません。

 ただ、この作品、そうはいっても比較的潔く終わるような感じもあります。つまり、シンデレラストーリーとしての結末です。そこを2期で綺麗に見届けられるなら、私としては本望ですので、それで良しとします。 {/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 16

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

聖女様の素敵な異世界生活

女性版チート無双アニメかな
最強になって敵と戦う男性主人公に対して多彩な才能で上手に生きる女性主人公のなろう系
結局無双することに違いはないけど、敵とチートで戦うアニメが多すぎて、そうじゃないってだけで少し有利な気がしますね

雰囲気はとてもいいけどスローテンポで単調なのは変わらず、2期になっても変わり映えしない展開に途中で飽きてきたけど
終わり方がとてもスッキリしていて見たかった結末が見れたのは良かった

セイに都合良すぎる感じはあるけど、周りのイケメン達もセイを巡ってガチの争いしたりドロドロしたりしない、聖人君子ばっかりで好きなことをやって優しいイケメン達に囲まれて、時々聖女様の仕事して、親友もできて充実した聖女様生活って感じだった

最初は「お前いたの?」みたいな盾の勇者みたいな不遇扱いされたセイが、すっかり充実した幸せな異世界生活送ることができていて、雰囲気良くストレスなく見れる安定したアニメでした

投稿 : 2024/03/16
♥ : 17

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ハッピーエンドで良かった!物足りない感じもしますが…。

 最終話(12話)まで観ました。2023.12.30

 主人公のセイさん、聖女としての役割を全うします。物語としての山は1期で終了しているので、後日談と言った所でしょうか。

 おぼこムスメがイケメン達を翻弄する様な話でしたが、本命をゲット出来たと言うことでOk?

 登場人物達が全員イケメンのモテ男なので、セイを巡って醜い殺し合いとかをしない所がノーストレス!任務中にライバル殺っちまうかとか考えない良い人だらけ!

 現実なら、お前が俺等の口説ける女で一番の上モノなんだよー!で男性構成員同士が険悪になりそうなヲタサーの姫プレイ突入ですが、イケメン動物園の住人は違いますなぁ〜。

 やってることは無意識サークルクラッシャーだけど、周りが良い人なので倫理的にもノーダメージクリア!ご都合主義ですが、これもありかなぁ…。

 女性主人公のハーレムモノは、ヘイトを集めず終わるのが難しいですね!誰も選ばずに何股もかけたり、逃亡する男主人公よりは良心的です。
………………………………………………………………………

 6話まで観ました。2023.11.09

 1期から観てきました。1期でもそんなにハラハラ展開はありませんでしたが、2期で聖女の地位はさらに盤石になりました。後の山はどのイケメンとくっつくか位です。

 万能ポーションもすぐに完成!もう6話にしてやること無いですね。人体実験とかしないんですね。まぁいいです…。

 ポーション頼みで生き抜きますに比べると、おとなしい主人公のセイ。

 淡々としており、悪くは無いですが、これが理想の女子なのか…。万能ポーション作れんぞ!とイキって天下に号令する気概が欲しい様な欲しく無い様な。

 野心溢れる士大夫の観るアニメでは無い様です。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 3

61.3 2 恋愛アニメランキング2位
道産子ギャルはなまらめんこい(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (50)
250人が棚に入れました
東京から北海道北見市の高校へ転校した四季翼は、真冬の氷点下でも生足&ミニスカな“道産子ギャル”の冬木美波に、道に迷っていたところを助けられる。 同じ高校へ通うことがわかると、美波は翼と一気にトモダチに! 距離感近めで、天真爛漫な美波に、翼のココロはドキドキしっぱなし。 でも、何も知らなかった北海道のことが、美波との毎日で、翼はどんどん好きになっていく。 やがてその気持ちは、ふたりの関係も変えていき……? なまらめんこい<とってもかわいい> ハイテンション道産子ロマンチックラブコメ開幕
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

見た目はギャルで軽そうなんだけど実は純朴

北海道北見市出身の伊科田海による原作漫画は、『少年ジャンプ+』(集英社)にて連載中(既刊12巻、原作未読)。
アニメは、『最近雇ったメイドが怪しい』と同じ監督と制作会社の組み合わせで、SILVER LINK.とBLADEの共同制作(10話まで視聴)。放送はテレビ東京系列。ちなみに、SILVER LINK.は、同時期に『佐々木とピーちゃん』も手がけており、この作品の湊未來監督が『道産子ギャル』の総監督も務めている。
非道産子の知人が「道産子」繋がりで私に勧めてくるので観始める。
(2024.3.12、一部更新。)

あらすじは、北見を舞台とした、東京から引っ越してきた男子高校生・四季翼(しき つばさ:CV.島崎信長)と、「道産子ギャル」の女子高校生・冬木美波(ふゆき みなみ:CV.佐倉綾音)、3話から登場するゲーム好きの清楚系美少女・秋野沙友理(あきの さゆり:CV.花守ゆみり)、6話から登場する翼の家の隣に住む高校の先輩・夏川怜奈(なつかわ れな:CV.上田麗奈)とのラブコメ。

美波は、ギャルだからなのか純朴だからなのか母親の影響なのか、翼に対してグイグイ行く。他のヒロインも押しが強め。
本作のメインヒロインである美波の魅力は、見た目はギャルで軽そうなんだけど実は純朴というギャップ萌えなところだと思う。

ただ、全体的に登場人物の背景描写が薄いので(例えば、{netabare} 翼がピアノが上手いことに対する伏線がない。あと、祖母が翼にとても厳しい理由など。 {/netabare})、その行動をとっている理由に説得力や深みがないというかなんというか…

個人的には、3人のヒロインの中だと、秋野沙友理が一番共感できるかな。


本作は、タイトルに「道産子」と入っているものの、ネイティブ的には、後述するように北海道弁の再現度のクオリティは微妙。

もっとも、観光地として海外でも大人気の北海道。本作は、そのご当地紹介も兼ねていて、誇張はあるものの「北海道あるある」ではあるので、方言などに違和感のない非道産子にとっては、観光案内としていいかも。


漫画原作者が同じ道産子なので応援したいのですが…、ラブコメ、道産子、ギャル、観光案内と強みとなる要素自体はあるんですけどね…。


【音楽】
OPのオーイシマサヨシによる「なまらめんこいギャル」(作詞・作曲・編曲:大石昌良)がキャッチー。


【本作の北海道弁について】
明確な方言指導の表示はなし。一応、美波役の佐倉綾音さんと元同じ事務所の同期でクラスメイトの松尾役で出演している松岡禎丞さんが北海道帯広市出身だけれど、ほぼ出番なし…
松岡さん、9話で出番が増え、一人ネイティブ過ぎてかえって違和感が(笑)
佐倉さんも少し上手くなってきたかもしれません。

細かいイントネーションなど全体的に北海道弁に寄せるというより、「なまら」、「したっけ」、「そだねー」、「ゴミを投げる」、「語尾の~しょ」、「よっかかる」といった単語のみ部分的に方言を使う感じ。

台本や制作側の指示通りのはずなので、声優だけのせいではないですが、ネイティブ的には、他の方も触れられている通り、方言のイントネーションや間の取り方、方言の使い方に違和感がある。

特に「なんもなんも」は、イントネーションが違うと不自然なので、セリフとして言わされてる感が出てきてしまう(10話の「なんもなんも」の方がリアルに近いかな?)。

もっとも、違和感があるのは日本の全人口の1割にも満たないので、方言のリアリティを追求するより人気声優の配役を重視したのかもしれません(海外の人も方言はわからないですからね)。

ただ、配役重視だとしても、本作の売りの1つは「道産子」だと思うので、他のアニメとの差別化としても、ふとした瞬間の感情の吐露として方言を用いると、シチュエーション的にも素がでやすいし効果的だと思うわけです。
(8話で焼肉を食べた美波が「なまらうまいっしょ」って言ってましたね。)

原作未読なので違うのかもしれませんが、原作通りのセリフなのだとしても、アニメでは、漫画と違って音声が付く。
「声」という漫画にはないアニメの強みを活かすためにも、もう少し「方言」にこだわった方が良かったのではないかと思いました。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 2
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

3話 ご当地ラブコメなのにキャラと映像表現の両方で駄目でした。

1話 お隣の美少女系?ご当地もの?ラブコメなら美少女作画はがんばりましょう。

{netabare} お隣の美少女系なんでしょうか?それとも街おこし?北海道あるある?主人公あるいはヒロインになにか成長課題があるのか、ないのか。

 題名がキャッチーなのでちょっと面白そうだなと思って見始めましたが、現状エロいギャルにドキドキする感じで終わっちゃうんでしょうか?

 うーん、お隣の美少女系はあまり好きじゃないカテゴリーだし、地域紹介にしては北海道の広大さとか言葉だけなんですよね。最近ラブコメのレベルが高い作品が増えてきたのでちょっと期待したんですけど。

 そして美少女ものはせめて人物の作画はがんばってほしい…女の子だけでいいから。ラブコメは主人公に感情移入するためには、視聴者もヒロインに惚れなければなりませんのでそこは重要です。
 制作はSILVER LINKかあ…異世界ものなら必要十分なレベルなんですけど、現代劇でご当地ものだとどうなんでしょう?佐々木とピーちゃんと並行で大丈夫なんでしょうか?

 数話見るかもしれません…いい方に期待はずれでありますように。{/netabare}
 

2話 ギャルであるヒロインの友達が描写されない不自然さは何かあるの?

{netabare}  話数の表示が「だい2わ」なのに気が付いて、ギャルの…というよりヒロインの知能をどう考えているのかわかります。EDの音楽も昔のギャル文化が好みそうな感じでした。その辺はステレオタイプかなという気がします。

 芋もちが出てきたときにはちょっとゲンナリしましたが、カツゲンがやたらリアルなので、ちょっと笑いました(なお1話にも出てますが気が付きませんでした)。それと焼きそば弁当ですね。EDを確認したら東洋水産、ポッカ、雪印メグミルクが協力してたので、あれ?もう1個なにがあった?と思って探したら、OPで「RIBBON NAPOLIN」という飲料がありました。どうやら北海道限定みたいですね。リボンといえばシトロンですが、こちらも現在北海道限定だそうです。

 ラブコメって、お隣の美少女系はうんざり…と思ってましたが、「高木さん」とか「グイグイ」とか「僕ヤバ」とか「インソムニア」とか、今期で言えば「ゆびさき」もそうですけど、スタートは結構、ご都合主義でスーッとやってしまう感じなんですね。もちろんそこにちゃんと説得力を持たせている作品もありますけど。
 その点では「スキップとローファー」は丁寧に描いていると思います。あと何期か前の義兄妹のやつとか学校の実験で疑似夫婦になるやつとかはかなり強引な設定で、そこから好意を持つプロセスでした。

 ですので最近流行の作劇法として、冒頭のご都合主義だけ保留して見ればいいのかなと。と、したときに本作が気になる点です。

 1つはなぜヒロインのギャルは一人でいるのか?ですね。いきなり主人公と弁当を食べはじめてビックリしました。この子は孤独なのか?と。ただ、その割にはスマホをずっといじっているので、そこは単なる描写不足?
 友達を大事にするギャルの生態としては2話時点で友人が描かれていないのは理由があるのでしょうか?友達がいないから距離感近いけど、実は友達としか思っていないということ?

 初めはヒロインの好意は東京から来た主人公への憧れで、話が聞きたいとか都会を感じたいからかと思ってましたが、その辺りの描写はないですね。

 それと主人公が引っ越してきた理由って説明ありましたっけ?イジメとか?両親が海外転勤とかいろいろあるかもしれませんけど…説明ありましたっけ?{/netabare}


3話 ご当地ラブコメなのにキャラと映像表現の両方で駄目でした。

 ヒロインは誰とも仲がいい描写はありませんでしたが、誰とでも仲がいいらしいですね。会話で言ってました。そして黒髪の美人キャラは何もがんばらないで何もできなくてコンプレックスって…それはストーリー上で説明しましょう。だって2話あったじゃないですか。
 1,2話で30秒ずつ使えば表現できたでしょう。そこはシリーズ構成で改変しましょうよ。

 それと冬の北海道のスキー場って行ったことがある人ならわかると思いますが、想像を絶する雪質です。初心者でも初級レベル、初級なら中級レベルの滑りができるくらいの凄さです。それは北海道の雪が寒すぎてほとんどくっつかない粉雪だからです。その雪の降らし方の映像表現が本土と同じな気がしました。スキー場の格好もそうですけど、北海道を本気で描く気がないのでは?と思います。

 人物の描き方と北海道の映像表現どちらも中途半端です。ご当地ラブコメとしての出来としては厳しいかな、と。これはどちらかといえばアニメ制作の問題な気がします。

 ここでやめておきます。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 6

ヤマナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ギャルとの欲望をかなえてくれるアニメ。

金髪、長いネイル、距離感近い、巨乳、露出、優しい
男どもこれが好きなんでしょ?を詰め込んだ主人公。
はい、好きです。でも後ろの黒髪の子のほうがタイプだな。

ストーリーなんてどうでもいい。
エロいシチュエーションにするためのストーリー。
おそらくこのシーン作りたい!、からストーリー作ったんだろうな。

ほんとに北海道とか寒い地域の子あの寒い中でもミニスカなのかな?
実物見たら心配になるな。少し前までへそ出してる子いたけど
おなか壊さないのか心配になってた。

まあ、予想通り可愛いヒロインを見るアニメ。

二話視聴
ストーリーもキャラも新鮮味がなく飽きてきた。
そして、今期は同ジャンルに強敵がいて比較するのもかわいそうだけでもどうしても見劣りしてしまう。
三話視聴
ついに、黒髪キャラでた。美人なんだけど人付き合い苦手、汗っかき、ゲーム好き、なんかむしろ主人公ギャルよりオタクの性癖を詰め込んだようなキャラで笑った。
いいと思う、ここまできたら願望アニメを突っ切ってほしい。
…あ、ストーリーはスキー皆で滑った。終わり。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 0

79.4 3 恋愛アニメランキング3位
スキップとローファー(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (354)
1001人が棚に入れました
地方の小さな中学校から、 東京の高偏差値高校に首席入学した岩倉美津未。 カンペキな生涯設計を胸に、ひとり上京してきた田舎の神童は、勉強はできるけれど距離感が独特でちょっとズレてる。 だから失敗することもあるけれど、その天然っぷりにクラスメイトたちはやわらかに感化されて、十人十色の個性はいつしか重なっていく。 知り合って、だんだんわかって、気づけば互いに通じ合う。だれもが経験する心のもやもや、チリチリした気持ち。わかりあえるきっかけをくれるのは、かけがえのない友達。 ときどき不協和音スレスレ、だけどいつのまにかハッピーなスクールライフ・コメディ!
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほんわか学園ストーリーのお気に入り☆

[見終わって・・]※最終話感想は一番下です。
ほんわかした雰囲気、ミツミのキャラに毎回和まされてました☀
能登の方言とかミツミの実家の雰囲気もほんわかしてて好きでした♡私もあそこでお昼寝したい。。
それから、出てくる子たちが悩んだり励まされたり前向きな気持ちになったりしてる姿がとても素敵で、毎回楽しみで仕方ありませんでした(^^♪
OPもEDもすごく良かったし、OPのダンスもEDのミツミが歩く姿やミツミネコも可愛かった。
人気も出たし、2期ありそうかなって思ってますけど・・
これからの展開はちょっと雰囲気変わったりするけど泣けるシーンもあるのでぜひぜひお願いしたいです。

[初回感想]
石川県から東京の高偏差値校に進学した岩倉美津未(いわくらみつみ)とクラスメートたちのほんわか学園ストーリー・・かな。(あえてラブコメとは言わない。。)

原作は月刊アフタヌーン連載中でコミックスは8巻まで既刊。原作既読です。
原作読んで「これ好きだわぁ。。」って思ってアニメ化をすごく楽しみにしてました☆

一応ラブコメ・・ではあるんだけど、私が感じたこの作品の魅力は他のところにあって。

主人公のミツミのまっすぐで天然なところにも和まされたし、周りのクラスメイトたちもそれぞれいろんなタイプの子がいるんだけど、{netabare} タイプの違う子たちがミツミを中心に仲良くなっていく{/netabare}ところもすごく好き♡
あー私も高校生に戻ってこんな風にミツミたちと友達になって学園生活したいなぁ・・なんて妄想しながら読んでましたw

で、期待ハードルを上げつつアニメ視聴!!
1話見た感じだと作画はやわらかい感じで綺麗で好印象☆
なかなか良い感じで、なんとなく久々に毎話感想書きたくなりました(^^♪

1話「ピカピカ」
{netabare} 石川の方言に癒される(´-ω-`)方言ってなんであんなにほんわかして癒されるんだろね。
イケメンに気に入られて友達になる展開はよくある展開ではあるんだけど、後ろの子とも素直に友達になってるところとか、ミツミいい子だな(*'ω'*)
遅刻しそうで思わず裸足で走ったり自己紹介まじめに考えて寝れなかったりとか、和むわ~。{/netabare}

2話「そわそわ うろうろ」
{netabare}人と人との距離感って難しいよね。
でもカンペキな正解なんてないし、ミツミみたいに考えすぎないで自然体でいくのが一番いいんだと思う。それで合わないんであればそれはそれだし。
志摩くんのこと、間違ってサトちゃんって呼んだとこ、私も中学生の時、音楽の先生がなんとなく母に似てて、間違って呼んでしまいすごく恥ずかしかったことを思い出しましたw{/netabare}

3話「フワフワ バチバチ」
{netabare}よく知らないから、見た目とかでその人を判断しちゃったり・・
この人私とはちょっとタイプ違うかなぁとか。
実際はちゃんと話してみたりすると印象が変わる人も結構多かったりするんだけどね・・
でも誠(まこっちゃん)みたいになかなか気軽に入っていけない気持ちとか、結月(ゆづ)みたいにタイプ違うって決めつけられたりする寂しさもなんかわかる。
だからまこっちゃんがスタバでみんなで撮った写真に嬉しくなって背伸びしちゃう気持ちも、メールもらってすごく嬉しいゆづの気持ちもわかるなぁ。
この作品のこういうとこ、すごく好きです♡{/netabare}

4話「ピリピリ カツカツ」
{netabare}兼近先輩に強引に頼まれたことを先輩なりに部活のために必死なんだと思う、と言ったりとか高嶺先輩のストイックなところに素直にすごいなってあこがれたり。
そんな、他人のいいところを自然と見るようにしてるミツミを見てると和みます☀
高嶺先輩も自分のスタイルに固執しないで、ミツミのマイペースなところに学んだりしてるとこもいいな。
この作品のおかげで毎週土曜朝はわたしの和みタイムになっちゃってます♡{/netabare}

5話「チクチク いそいそ」
{netabare}この話、原作読んだときから好きでした☀
心の許さじノートのシーン笑った。。
私がムカツク奴の名前を2つ覚える間に岩倉さんは親切にしてくれた人の名前を1つ覚えるんだ・・
このシーンも良かったけど
その後ミツミがミカに言った言葉がすごく良かった。人格的にはほめてないよもw
ゆづとまこっちゃんが何気ないしぐさとかで仲良くなってるのがわかるのもいいな。
みんなに浅漬け作ってくるというミツミのチョイス和むわ~{/netabare}

6話「シトシト チカチカ」
{netabare}シマくんが学校休んで心配するミツミだけど、他の女子の勝手な噂にちょっと気持ちが揺れて。
微妙にすれ違う二人の気持ち。
でもこういうのあるあるだよね。
本当の気持ちがちゃんと相手に伝わらないもどかしさというか。
ミツミがあらためてちゃんと自分の気持ちをシマくんに話して、お互いに気持ちが通じあって。
これって簡単なようでなかなかできないものだけど、ミツミらしいまっすぐさがちょっと眩しい。
逢いたいのに逃げたい
話したいのに言葉につまる
フミから聞いたそんな恋の気持ちと同じ気持ちになって動揺しちゃうとこ、かわいくて好き♡
あと、ミツミのはい゛とかおはよう゛とかの低音ボイスに笑っちゃいました。。{/netabare}

7話「パタパタ モテモテ」
{netabare}冒頭に流れるほんわかする音楽ですでに和まされちゃってるわたし。
努力して頑張ってる姿は誰かがちゃんと見てくれているものだ、ってよく聞くし、私もそうは思うけど、でもそれが報われることってなかったりすることも多いですよね。
兼近先輩の自分をさらけ出して他人を慰めようとするところ、かっこいいです♡
高嶺先輩のメモ帳、らしいなぁって思いながらも、自分をいい方に変えようってすごく努力してたりしてて、生徒会長からも学ぼうとするところも素敵だなって。
ほんと、この作品に出てくる子たちって精神的に大人な出来た子が多くて、いいオトナの私が毎回気づかされてます。。
あと、石川県産トモダチ100%にクスっと笑っちゃいました。
それから「のきゃ」にも和みました(^^♪{/netabare}

8話「ムワムワ いろいろ」
{netabare}女子4人のお泊り会🌙
4人それぞれの個性というか味が出てるところが見てて面白いし和む。。
変わりたいって頑張ってるけど自信が持てなくて傷つきたくない・・
昔の自分を懐かしく思い出しながら、ミカの背中を優しく押してあげるナオちゃんがカッコ良くて好き♡
4人で見てるホラー映画。まこっちゃんだけ平然としてるのに笑っちゃいました(^^♪{/netabare}

9話「トロトロ ルンルン」
{netabare}能登に帰省したミツミ。
空港からの懐かしい風景を見たミツミの表情。こういう細かいところも描いてるとこ好きです。
ミツミからもらったキーホルダーをさっそく付けてるお父さんとかも。
実家に帰ってお昼寝する気持ちよさ、わかる☀なんか落ち着くんだよね。
懐かしい同級生たちと方言で会話しながら花火したり。。和むわぁ。
嬉しいことをシマくんに無性に話したくなる気持ち・・それはもう恋ですね♡
シマくんの呟いた言葉からOPの眩しくて・・を思い浮かべました。{/netabare}

10話「バタバタ ポロポロ」
{netabare}文化祭!!
ミュージカルをやることになって準備に大忙しのみんな。
ミツミもあの調子で頑張りすぎてちょっと空回り。。
あーこの感じ、私も経験あるのでわかる・・
役のヨハンと自分を重ねてしまうシマくん。
ミツミの、まだ引き返せるって言葉に、起き上がるのムチャクチャ得意なんだからって言葉に勇気づけられて。
二人の即興ミュージカルすごく可愛かった♡{/netabare}

11話「ワイワイ ザワザワ」
{netabare}文化祭って昔の知り合いが見に来たりすることあるよね。
知り合いにゆづのことフォローしてるまこっちゃん見ててちょっと泣けた。。
「まだ半年って感じしないよね、私たち」ってゆづが嬉しそうに言うとこ、そしてそれを聞いたミツミがスキップするシーン、好きです。
「脚本のこととか考えていない自分が想像できない」って兼近先輩のセリフ、何気にかっこいいしうらやましい。
シマくんの弟くん、しっかりハキハキしてるように見えたのは周りに気を使ってたから。
でも身内の姿を見て安心して泣いちゃう気持ちはわかるなぁ。
とうとう次回は最終話。。{/netabare}

12話「キラキラ」
{netabare}コアリクイの威嚇ポーズ笑った。。
幼馴染って深くていいなって素直に思えるミツミがいい子で眩しい・・
文化祭が終わった後の達成感と高揚感と寂寥感と。。
それぞれの子たちの思い、悔しい気持ちも含めていい思い出になるんだろな。
ちょっぴりココロの鎧が取れて、ミツミからはいつもより子供っぽく見えたシマくん。
1期としてはいい終わり方だったと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 47
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【最終】モブ顔に騙された! →意外としっかり人物描写された青春群像劇

【レビューNo.66】((最終レビュー)初回登録:2023/6/21)
コミック原作で2023年作品。全12話。
正直1話の段階では切るか迷ったが、お付き合いあるレビュアーさんの勧めもあり
「癒し枠」位で保留の予定でしたが、2話で評価が一転。これは侮れない作品かも。

(ストーリー)
岩倉美津未は中学卒業を機に、石川県のはしっこから東京の高偏差値高校へ進学した。
(高校を首席入学する位成績は優秀)
理想に燃えて鼻息も荒く、胸躍らせて初日の登校を迎えるも、いきなり都会の洗礼を
受け道に迷う事態に。そこで同じ学校のイケメン男子・志摩聡介に出会い、無事ピン
チを切り抜ける。美津未の周りには聡介をはじめ、個性的な仲間が集まりだして・・・

(評 価)
・第1-2話:意外としっかりした青春群像劇の予感?!
 {netabare}・結構衝撃的なモブ顔の主人公
  率直な最初の感想がコレ。のちに美少女改変され、詐欺とまで言われた伝説のモブ
  顔「神のみ/小阪ちひろ」の再来かとwwwそんな容姿に加え、
  ・妙に気合が入っているが、どこか空回っている
  ・田舎育ちで純朴、天然なところがある
  ってことで、1話の段階ではこの美津未のドジぶりを愛でるような「緩い日常系癒し
  アニメ」かと思ったですが・・・

 ・意外としっかりした青春群像劇の予感?!
  ところが2話になって、美津未の周りの人間模様が急にきな臭くなってきました。
  OP映像を見た感じでは、美津未の他には聡介をはじめ6人位が物語の中心になりそ
  うですが、今回気になった人物をピックアップ。
  ●江頭ミカ
   実は1話で気になっていたのですが、後ろの席で美津未が話かけても無視だったの
   に、美津未が聡介とIDを交換した途端、急にすり寄ってきたんだよな。
   やはりあれは伏線だったようで、2話では露骨に聡介狙いで、聡介と妙に親しい美
   津未が気に入らないらしく、妨害工作や美津未をダシに聡介に近づこうしたりと、
   嫌なキャラが目に付く。(当初は「誰も傷つかない優しい世界」をイメージしてた
   だけに個人的には意外な存在)
  ●村重結月
   クールビューティ系で近寄りがたい雰囲気があるが、純朴な美津未のことは放って
   おけないのか、ミカのことなどフォローはしていた。根はいい子っぽい。
   ただ他の人とはまだ壁がありそうで・・・
  ●志摩聡介
   草食系イケメン男子で人当りはよい。初っ端からいろいろやらかしている美津未に
   自分にはない(あるいは失った)何かを感じているようで、美津未には好意的。
   でも触れられたくない過去がある描写がラストになされて・・・
  各キャラとも何かしら心に葛藤を抱えているような感じで、これらのキャラ達が純朴
  で真っすぐな美津未と関わることで、お互いが成長していく「青春群像劇」っぽい物
  語になっていきそうな予感?!
  (個人的には「特殊設定と熱量を抜いた『ReLIFE』」的なものをイメージ?!)

 個人的には2話で評価が一転、俄然面白くなってきたという印象ですね。 
 正直今の段階ではなんとも言えないですが、ミカのようなキャラだったり、聡介が最後
 に見せた厳しい態度だったり、単に「緩い」とか「爽やか」だけでは終わらない感じで
 すね。意外と厳しい「インコース攻め」とかもあるかも。
 これは来週も楽しみです。{/netabare}

・第3話:作品の輪郭が見えてきたかな
 {netabare}・「ReLIFE」とは少し異なる青春群像劇
  やはり本作は、美津未と関わることで、お互いが成長していく「青春群像劇」とい
  うのが基本路線のように思いました。ただ前回
  >「特殊設定と熱量を抜いた『ReLIFE』」的ものをイメージ?!
  と書きましたが、少しアプローチは異なるようですね。
  ・ReLIFE:主人公たちが状況改善のために動いたりして、直接的にぶつかり合って
       お互いを理解し合いながら、成長していく。
  ・本作:美津未の純朴で真っすぐな部分に触れ、自分の心のわだかまり等に気づき
      内面と向き合いながら、第一歩を踏み出していく。
     (美津未がわかりやすい形で動くわけではない?!)
  まあ当然、全くぶつかり合いもなく全てが丸く収まるとか、そんなご都合主義の人
  間関係だけではないでしょうが、両作のキャラの魅力からすると、やはり方向性等
  は異なるんだろうなっと。

 ・今回も気になった人物をピックアップ 
  ●村重結月
   >ただ他の人とはまだ壁がありそうで・・・
   意外にもグループ内で上手くやっており、その辺りの空気を読んだコミュはきちん
   取れる模様。ただ自分のようなタイプを嫌う一定層がいることも理解している感じ
   で、やはり心に影がありそう。
  ●久留米誠
   今回の新キャラ。自分に陰キャという強い思い込みがあるようで、陽キャに対しコ
   ンプレックスを抱いている模様(結月や聡介は苦手なタイプ)。ただそういう自分
   を変えたいという思いも持っているようで・・・
  ●江頭ミカ
   美津未や誠に対し「引き立て役」と優越感に浸ったり、結月に「劣等感」を抱いた
   りと常に他人との比較に苛まれていたり、計算高さ等が垣間見れる。やはり作中で
   は、今のところ嫌なキャラ描写が目に付く。
   しかし彼女のもつ毒が、この作品の「緩さ」を上手く引き締めている感がある。

  終盤には、美津未に影響された誠が結月に「歩み寄りたい」という意思を表示、結月
  もそれに応える様が描写され、今後どういう関係になっていくのか楽しみですね。
  こうなるとやはり気になるのがミカ。一癖あるキャラだけに、美津未とどう近づいて
  いくのかが、今後の見どころになりそうですね。
  まだ3話ですが、予想以上に人物描写がしっかりしており、更に作品に対する好感度が
  上がりましたね。{/netabare}

・第4話:美津未はアインズ様?! なんか「オバロ」の”お約束”を観ている感覚
 {netabare}・前回から少し気になっていたんだが、
  ・久留米誠
   ・美津未:塩味とキャラメル味のポップコーンをほおばる。
    → 食わず嫌いで人の1面しか見ていない自分に気づく。多様性を認めることの
      大切さを理解する。
  ・高嶺先輩(生徒会のストイックなキャラ)
   ・美津未:バスの時間を気にせずマイペースな振る舞い
    → スケジュールに追われ周りを見ていなかったことに気づく。もっと心に余裕
      を持つことの大切さを理解する。
  なんかこの構図って「オバロ」の”お約束”
  ・アインズ:その場しのぎ等特に深い意味のない言動
  ・側近たち:「さすが、アインズ様。これにはこういう狙いがあるのですね!」
  ・アインズ:(えっそうなの?!)
  を見ているような感覚なのは私だけ?!
  よくいえば「美津未の飾らない自然体の振る舞いが、周りに好影響を与える」ってこと
  なんだけど、やってることがポップコーンを食べるとか、猫を拾ってくるとか、ホント
  くだらないことなんだよなあwww。むしろそこから学びを得る周りのキャラの方が、
  「お前らどんだけ優秀やねん!」って感じなんだがw
 ・高嶺先輩との絡みは、美津未の「先輩への一片の曇りのない尊敬の念」が彼女らしくて
  とても微笑ましく、また「正反対のキャラを組み合せることで起こる笑い」は王道なが
  らも丁寧に描いていたので楽しませてもらいました。

 正直思っていたものと違ってきたので「??」ってところはありますが、作品としては微
 笑ましく観れているので、今後の展開に注目ですね。{/netabare}

・第5話:ようやく王道展開、ミカ目線から美津未の人間性を語る演出は〇
 {netabare}・>やはり気になるのがミカ。一癖あるキャラだけに、美津未とどう近づいていくのか
  懸案だった「美津未×ミカ」回きましたね。
  ・美津未の方からミカにバレーボールの指導をお願い
   → ミカ「どうして村重さんじゃなく、私に頼んだの?」
     美津未「今まで嘘はいってないし、江頭さんの方が忌憚ない意見をいってくれそう。」
  だから、これが本来のあるべき姿でしょ。前回までの
  ・美津未:ポップコーンをほおばる →誠「私変わらなきゃ!」
  ・美津未:猫を拾ってくる →高嶺先輩「私変わらなきゃ!」
  って、一体何なんだよwww
  それと最後の「人格的にはそんなに褒めてないよ」はオチとして秀逸で、美津未の意外
  な一面も見れて面白かったなとw
 ・今回ミカのモノローグ等が多かったですが
  「私が嫌な人の名前を2つ覚える間に、彼女は親切にしてくれた人の名を1つ覚えるのだろう」
  「メンタル強!結局あの選択ができるんだから羨ましいよ。」
  「志摩君にないものは、ああいう子が持ってたりっするのかなって。」
  ミカ目線から美津未の人間性を語る演出はかなりよかったですね。
 ・ミカは「浮かないように周りに合わせていた自分」にコンプレックスがあったようで、
  それとは正反対の「素のままで周りに受け入れてもらえる」美津未に嫉妬や嫌悪感の
  ようなものを抱いていたようです。
  今後2人の距離がどこまで縮まっていくのかに注目ですね。
 ・あと「美津未×聡介」も流されるままに聡介の善意に頼っていた今の関係を見つめ直す
  描写もあり、こちらも美津未の今後の動向が気になりますね。

 正直3.4話の「アインズ様」展開は「??」な感じだったのですが、今回は「美津未×ミカ」
 「美津未×聡介」で正統な青春像群像劇っぽい感じはよかったかなっと。{/netabare}

・第6-7話:第1部(?)終了、新たなる展開の中盤へ
 {netabare}5話で「美津未×ミカ」を描いたことで、美津未との関わりが不透明だったキャラが一旦
 整理され、6話からは中盤に入ったのかなって印象ですね。
 やはり「ReLIFE」のような「熱さ」ではなく、日常系のような緩さやほっこり感もあるが、
 それでいて、この作品らしくしっかりとこの年頃の「葛藤」や「成長」を描いていくって
 感じの青春群像劇なのかなっと。

 ●×聡介
  ・美津未は「恋愛ビギナー?」らしく、聡介への気持ちが「恋なのか別のものなのか」
   混乱している模様。でも少なくても友達の一人として大切だと認識しているのは確か。
   一方の聡介も、「美津未は今までの女友達とは違う特別な存在」と認識しているが、
   それは「恋愛感情」かは不明です。
  ・あえていうなら「名前のない感情」みたいな?!
   でもそれがこの作品らくしていいのかなっと。最近の学園モノは「恋愛至上主義」的
   な作品ばかりな感じなので、こういう「恋か友情か曖昧ながらも、まずは『お互いに
   大切な存在』として、その気持ちに素直に従う」という関係性はある意味心地よさを
   感じますね。無理に恋愛を前面に押し出さず、「青春の1コマ」として自然体で扱う。
   そんな感じが、この作品にはちょうどいいのかなっと。
 ●×ミカ、×結月
  ・ミカは前回のモノローグで、美津未に対するわがたまりは大分氷解したように感じま
   した。ただ作中では、
   ・皆と打ち解けて仲良くしているようで、「夏休みの女子会予定」に自分も入っている
    ことに戸惑い(?)を見せる。
   ・6話で「聡介×美津未」を応援する描写をしながら、7話で2人で動物園に行く話を
    聞いて面白くないような描写もある。
   まだ複雑な心模様を見せています。ある意味ミカのキャラをよく表しているといえば、
   そのようにも感じられるところですね。
   美津未の相談に(いい意味で)少し毒を含んだアドバイスを返すなど、この「優しい
   世界」の中では少し異質なところが、個人的には嫌いではないですね。
  ・一方結月は始めから美津未に好意的だった分、ほとんど掘り下げされていないんです
   よね。(彼女だけが美津未に関するモノローグがない)
   でも前述した通り、「自分に一定数のアンチが存在する」ことを理解しているフシが
   あるので、今後その辺りからの掘り下げがあるかもしれません。
 ●×生徒会
  ・美津未は生徒会・書記に任命されたようで、活動も本格化した模様。
   生徒会といえば高嶺先輩ですが、生徒会長選挙で敗れたことにショックを受けている
   感じ( 現在副会長)。
   ただそこから彼女なりに立ち直り、(先輩への一片の曇りのない尊敬の念の)美津未
   の態度は相変わらずで、結構いいコンビですね。
  ・一方生徒会長の座に就いたのが、風上先輩。
   ・イケメンで陽キャなので、他生徒からの人気が高い。
   ・生徒会長になったのは「点数稼ぎ」と友達には話してた。(なので本心は不明)
   今後の生徒会活動の中でその辺りの掘り下げがあるのか、尺の都合でほぼ今回だけの
   キャラなのか。正直個人的には、どう受け止めたらいいのかわからんキャラですねw

 7話のラストで、聡介の知り合いのモデル梨々華が登場したり(何か一波乱あるのか?)、
 物語は夏休みに入るのでプライベートでの友達とのイベントや(石川への)帰省も予定し
 ているようで、今後の展開が楽しみな半面、(この辺でどの位尺を使うかによりますが)
 上記で中盤といいましたが、意外とキツキツな状況かもと少し気になるところですね。
 (「ReLIFE」は夏休みENDでしたが、夏休みENDにするにはちとエピソードが足りない
  感じがするので、2学期入りするのかなあ?そうなると尺がどうなのかと・・・){/netabare}

・第8-9話:予想に反し、あっという間に夏休み終わったな
 {netabare}>そうなると尺がどうなのかと・・・
 前回尺が心配と書いたのだが
 (8話)
  ・動物園
  ・女子会
  ・聡介×梨々華
 (9話)
  ・石川への帰省
  と一気にイベントを消化したので、いい感じの尺配分になったという印象ですね。

 ●美津未×聡介
  2人で動物園ですが、行く前はラブコメ展開を匂わせながらも、いざ始まってみるとな
  んか恋愛より友達モードって感じでしたね。まあそこが本作の良さでもあるのですが。
  ・途中で帰ることに申し訳なさを感じる美津未
   → 聡介「またくればいいじゃん」
  ・帰り際に聡介の弟のことで、複雑な家庭環境を思わせる描写(お土産を渡しづらい)
   → 美津未「志摩君からもらうから嬉しんだよ!」
  今は友達として、お互いを思いやる関係が心地いい感じですね。

 ●ナオちゃん(美津未の叔父(?)で東京での保護者的存在)×ミカ
  動物園尾行や女子会等、ミカは自分の感情が上手くコントロール出来ていない行動が目
  につきましたが、ナオちゃんが大人の目線からいろいろとアドバイスするという新しい
  名コンビが誕生した感じですね。
  たしかにナオちゃんのアドバイスは、美津未らには出来ない内容ですし、ここでナオち
  ゃんが美津未以外のキャラと絡むのは、物語の幅を広げる上でもいい展開だと思います。
  今後も「ナオちゃん×ミカ」の絡みがあると面白いかな。まあ直接会えなくても、スマ
  ホでやりとりなんかでもいいですし。

 ●×結月、×誠
  女子会でついに結月の掘り下げきましたね。でも意外とあっさり終わった印象。やはり
  その容姿等から恋愛のイザコザに巻き込まれる等があり、中学では空気を読んでばかり
  だったようで、その反省から高校では肩に力が入り、少し近づきにくい雰囲気はそれに
  起因していたようです。なので今の友達関係が心地いいと。
  それにしても誠は、マイペースで意外と強心臓だな。女子3人がおしゃれの話をしてても
  、興味なしで会話に入る素振りすらなかったしな。一番この友達関係を謳歌してるのは
  意外とか彼女かもw
  (それにここ2話は「僕ヤバ・山田」ばりに、やたらお菓子を食ってた印象w)

 ●聡介×梨々華
  子役の頃から付き合いがあり、その頃梨々華が大きく炎上する事件が起こったのだが、
  その原因を作ったのが聡介であると、梨々華はずっと根に持っており、聡介もどこか負
  い目を感じている描写がみられます。
  この辺りも今期のうちに何か好転する流れになるのでしょうか。

 ●×帰省・2学期
  帰るとやっぱ方言が出るようですね。家族に会って、文乃をはじめ中学の同級生に会っ
  てと思ったら、半分で夏休みは終わり、早くも2学期開始ですか。でも視聴して納得。
  2学期は頭から文化祭一色。そして美津未のクラスは演劇に決まり、戸惑う聡介・・・
  この引きに合わせて構成した感じですね。

 ということで、残りで聡介の「過去との決別」的なものを描いて、綺麗に1クールで纏
 まりそうな感じですね。
 美津未の純朴で真っすぐな振る舞いが「聡介×梨々華」にどんな形で影響していくのか。
 最後にいつまでもウジウジしてる都会っ子どもに「石川県産・天然モノ」(本人は自称
 シティガールだがw)の眩しさをバシッとかましてやってもらいたいものです。

 (2023/6/2追記)
 個人的には、「聡介×梨々華」は夏休み中に決着するのかな、予想してたので・・・
 でもたしかに、文化祭の演劇に絡め、1期ラストの見せ場の構成の方がずっと面白いですね。
 なるほど、これはやられました。(まだ確定じゃないけどねw)
 これでラストが一気に楽しみになりましたね。{/netabare} 

・第10-11話:文化祭という舞台装置の中で、それぞれの心理を巧みに描写 
 {netabare}文化祭準備〜当日ということで
 ●美津未×聡介
  ・文化祭準備で空回る美津未をそっとフォローする聡介。彼は彼女に傷ついて欲しくな
   いと願うのですが・・・
   「私は多少ド派手に転ぶ人間だけど、その分起き上がるのもめちゃくちゃ得意」     
   そんな彼女を見て、「美津未ちゃんは美津未ちゃんだ」と思い直す聡介。
   また聡介はモノローグで「君がいて高校生活がちょっと楽しくなった」と語っており、
   やはり美津未は特別な存在のようです。

 ●誠×結月
  ・文化祭に来てくれた誠の友達を結月に紹介するも、友達は結月が苦手そう。以前自分
   がそうだったことを思い出し、友達に必死に結月のことをフォローする誠。そして結
   月にも友達のことをフォローして・・・
   最近お菓子を食ってる印象しかなかった誠でしたが、半年で人間的に大きく成長した
   様が伺えるいい演出でしたね。

 ●聡介×弟
  ・聡介の弟の迷子騒動。気丈に振舞っていた弟ですが、聡介の顔を見た途端張り詰めて
   いたものが切れたように泣き出して・・・
   聡介のもうひとつの問題「家庭環境」ですが、どうも再婚だったようで、自分の立ち
   位置が分からず、塾や友達の家に逃げ場を求めていたようです。そして弟との距離間
   も掴めずという感じでしたが、それは弟も同様だったようです。
   山田曰く「兄弟だと分かるわー、『気遣いい』良くも悪くもw」
   弟にとってはこの迷子のことだけでなく、今まで溜まっていたものを全て吐き出した
   という面があるのかも。
   本音を見せた弟との関係が一歩進みそうな、こちらもいい終わり方でした。
   全体的に文化祭を上手く使いつつ、それそれの心理を巧みに描写していた印象ですね。
   
 女子たちは美津未に影響を受け、好転していく描写が見られる中で、聡介だけが今だいろ
 いろなものに囚われて変われずにいるという・・・
 聡介は他の人に比べ、子供の頃からいろいろな体験をしすぎて(ある意味自分を守るため
 に)良くも悪くも一足先に大人びてしまってる印象がありますね。
 しかし、家庭の問題も好転の兆しが見えてきました。次は子役時代の過去との因縁ですが、
 梨々華も現れ役者はそろいました。どういう展開をみせてくれるのか、また美津未がどう
 関わることになるのか、来週も楽しみですね。

 あと個人的にツボだったのは演劇部の兼近先輩ですかね。自ら「借金取りのチンピラ役」
 で主演とか、高校生で何ちゅう脚本書いてんだよwwwしかも「後半の伏線回収が凄い」
 (友人評)とかどんな話か気になるじゃねーかw(原作ではどうなってるんでしょうね){/netabare}

・第12話:皆が少しずつでも前を向いて歩き出せそうな、成長を感じさせるラスト
 {netabare}●聡介×梨々華
  ・聡介は梨々華に対し
   ・破滅的なことはやりたくないが、前向きになることなら何でも協力する。
   ・今は学校が楽しい。
   ・梨々華「自分だけ幸せになりたいから、許して欲しいといっての?」
    → 肯定
   という、過去との決別を宣言します。
  ・それに対し梨々華は、
   ・「好きにしろ、その代わり2度と顔を見せないで!」といいつつも
   ・本当は「聡介だけが悪いのではない」ということも分かっている。
  今までは負の連鎖で、過去のしがらみから抜け出せずにいた2人ですが、聡介が第1歩を
  踏み出したことで、聡介だけでなく、梨々華もいずれ前を向いて進めそうなそんなエピ
  ソードでしたね。
   
 ●風上先輩×高嶺先輩
  これまで自分のことを語ることがなかった風上先輩ですが、
  ・エリートの家系に生まれ、部活も2年までと決められていた
   → 怪我で退部することに
  ・でも高校生らしいことを何かしたいと思った
  それで生徒会長に立候補したようで、またそれで高嶺先輩が生徒会長になれなかった
  ことに多少の負い目を感じていたようです。(彼女の強い思いを知っていた模様)
  彼もいろいろと思うところがあったようですね。

 ●美津未×聡介
  聡介には「スマートで大人っぽい男の子」というイメージを持っていた美津未でしたが、
  今日の聡介はなんだか子供もみたいで、それがちょっと嬉しく感じられて・・・
  前回書きましたが、やはり聡介はどこか大人の仮面を被っていたようで、それを脱ぎ捨
  てたことで、彼もようやく素顔が出せるようになったのでしょうか。
  そのきっかけを作ったのは、他でもない美津未なのですが・・・
 
 万事綺麗に解決したわけじゃないですが、それでも皆が少しずつでも前を向いて歩き出せ
 そうな、成長を感じさせるラストだっとと思います。{/netabare}

(最 終)
上述の通り、衝撃のモブ顔(笑)から一転、意外としっかりと人物描写された青春群像劇
だったなと。
前半は女子たちの心に抱えた葛藤と美津未との交わりにより変化していく様を描きつつ、
終盤は美津未に何かを感じながらも、なかなか一歩が踏み出せない聡介のドラマを魅せて
いくという、1クールの構成もよかったと思います。
それに「恋愛至上主義」の作品が多い中で、そこを下手に堀り下げなかった点も〇。
個人的には青春群像劇というとやはり「ReLIFE」と比較してしまうのですが、本作を観て
「『ReLIFE』って意外と『理』で描かれた作品だったんだな」
と、改めて気づいた次第ですね。
逆にいうと、本作は結構「感性優先」で描かれているのかなっと。
そういう意味では、本作は原作者なりの「人物描写」が見どころだと言えるのかも。

ただ個人的な好みの問題で、観ているときはそれなりに面白かったが「後日見返したい」
と思えるレベルではなかったかなっと。
何というか、少し深みが足りていないという印象ですかね。
(あと、ちょっと「優しい世界」すぎたかなっと) 

投稿 : 2024/03/16
♥ : 33
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ナオちゃんは女の子??

●君に届かなかった、物語

本作は恐らく「君に届け」のオマージュ作品なのでしょう。

美津未と志摩君は「君に届け」の主人公=通称貞子と風早君を意識しているとしか
思えないところが多分にあります。

貞子は{netabare}キャラが濃く、かなり存在感がありまして、それ故なのか
このキャラと人間関係を構築するにも相応の胆力が求められることになったのであります。

見た目は呪いの人形みたいな人見知り根暗女子ですが、見た目に反して意外な一面も
あるということで、要は濃厚接触しないとどういう女の子なのか理解できない感じの
人間性を秘めていたのであります。

そんなわけで貞子が主人公である「君に届け」はスローテンポで進行する物語だったのですが
それに比べると本作は、主人公を取り巻く登場キャラが多い割に、兎に角
ハイペースでサクサク進むという点では、対照的な物語であったようにも思えます。

尺の都合とか色々あると思いますが、「君に届け」と比較して本作について言えることは
圧倒的な「心理描写のスキップ」でありまして、一言で言えば人間関係が薄味
ということになるように思います。

上級国民が集う進学校の主人公取り巻きたちは、皆精神年齢が高く、
ある種の優等市民でありまして、基本スペックは軽く平均値を凌駕しています。

しかし如何に優等市民であっても人間なので、それぞれ短所はあるだろうということになるのですが、
それを巧いことフォローするのがエリート官僚を目指す主人公の美津未の出番というわけであります。

主人公と取り巻き達のキャラ設定は適切と言いますか、理にかなっているとも言えるのですが
むしろ噛み合い過ぎなところがあり、いくらエリート官僚候補とは言えども
まるで事務処理みたいに友人関係をサクサク処理していくのは、テンポ良すぎて
人間関係の心情面の味わいが不足しているような印象を受けたのでございます。

本作の長所はテンポがいいということになりますが、故にさっぱりし過ぎて
心には刺さらず、熱意的なものが、届かなかったように思います。

美津未が着ていたスタッフトレーナーの【8、5、13】の暗示はクラスの出し物の評価ではなく、
どうやら志摩君との関係性が深まるというものだったようであります。{/netabare}

●キャラ設定

本作に登場するキャラは進学校だけのことはあり、偏差値が高いのはもちろん
高校生という割に大人じみたところがあり、精神年齢が極めて高い傾向が見みられます。

登場キャラが多い割にテンポよく物語がサクサク進行するのも、
キャラの精神年齢の高さが関係していると言えるかもしれません。

{netabare}聞き分けの無いキャラいないことにより、イライラしなくていいというのは
ある種の本作の強みとも言えますが、本来高校生とはもっと精神年齢は幼く
人間関係の測り方がそこまで巧くないのが本分と言うべきでしょう。

主人公の美津未にとって一番重要な立ち位置にあるキャラ志摩君は、兎に角
精神年齢が高く、社交的で、その上美形男子でありますので、それこそ
高校生女子にとっては理想的なモテ男子ということになりますが、設定面で
盛り過ぎたために、高校生の物語に単に不釣り合いなだけでなく、美津未にとっても
ただのいい人でしかなく、スマート機能搭載型彼氏特有の行動規範の制約により
美津未に対してシナジー効果を与えるような要素が皆無というのが彼のキャラ性の
致命的欠陥であると言えるように思います。

恋愛物語であれ友情物語であれ、パートナーとの関係性は「50:50」であるのが理想なのですが
アドバイザーとして優秀過ぎる志摩君には、付け入る隙がなく、少なくとも同世代には
自分の弱みを見せず、あまり多くを他人に求めないポリシーの人であったりします。

進学校に通うある意味エリートなので、そういう生き方はむしろ適切と言えるわけですが
初期設定でレベル99のハイスペックキャラの冒険物語にスリルのような
ドキドキ感を期待できるかと言えば、クエストをあっさりこなして
最短コースでシナリオを消化するだけに終わるだろうという話であります。

レベル1のキャラ同士でパーティー組んで経験値を積みつつ
成長する物語こそが王道展開であると言えるでしょう。

高校生なのに敢えてスマート機能搭載型彼氏をメインキャストに登用するならば
その設定の意図するところが問われてしかるべきであります。


文化祭で美津未が着ていたスタッフトレーナーには
【☆】=【五芒星】が7つに、「13R」のロゴがプリントされています。

【☆】は「5」という数字を示し、それが7つなので
5×7=35→3+5=8

つまり【8、5、13】の法則の発動でありまして
「R」はアルファベット18番目の文字ですので【18】の暗示ということになります。

【18】=【6+6+6】
【666】は契約成立の証ですので、「※願い事」が叶うという暗示であります。

文化祭でのクラスの出し物が評価され表彰されるということなのかもしれません。{/netabare}



●「上級国民」は【獣】の種族

風早2世のような爽やか美形男子の幼馴染までもが、 {netabare}モデル業に携わっていて
如何にも上級国民らしいオーラが出まくっており、どいつもこいつも
「六本木【野獣】会」のメンバーか!?と思えるくらいにキャラ構成に
偏りを感じずにはいられません。

まるで【推しの子】の恋愛リアリティーショーを再現しているような面子にお似合いの
バイアスのかかったわざとらしい空気感が漂っているような印象を受けます。

一番わかりやすいのは生徒会長のキャラ性であります。

ある意味彼も爽やか男子でありますが、人の上に立つのが自分の宿命と自覚して
生徒会長に立候補している辺りが、完全リアルな上級国民そのものであり、
【優生思想】が滲み出てるあの独特な感じの描写も見事に決まっていたように感じました。

「六本木【野獣】会」とは、昭和時代に話題となった、六本木を拠点に芸能人などの
上級国民に属する若者たちが中心となり結成した、遊び人サークルであります。

所属メンバーには、すぎやまこういち、田辺靖雄、峰岸徹、中尾彬、大原麗子、
小川知子、井上順、ムッシュかまやつ などがおり、芸能界の勝組だらけの集まりであります。

「六本木【野獣】会」には「ナベプロ」などとの太いパイプがあり、メンバーは
当たり前のようにスカウトされ、当たり前のように「スター」になります。

芸能界とは完全なるコネ社会でありますので、上級国民は勝つべくして勝つのであります。

上級国民は世の中の仕組みを知っており、なので【ハンドサイン】の意味も熟知し
勝ち組の証として【ハンドサイン】を頻繁に世に晒します。

「【野獣】会」の最年少メンバーであった井上順はTVCMをきっかけに
【ピースサイン】を日本に大流行させました。

【ピースサイン】は【コルナサイン】の一種であり「角」を表現した【ハンドサイン】であります。

【ピースサイン】=【Vサイン】を考案したのは秘密結社「黄金の夜明け団」に所属する
【アレイスター・クロウリー】という名の【黒魔術師】であります。

【ピースサイン】というのは、「【ガンド】アーム」の【ガンド】であり
「幽遊白書」の浦飯幽助が使う「霊丸」に同じく、【呪術】の手法であります。

【ハンドサイン】は【ガンド】であり、【呪術の術式】であるのですが
(例えば「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」という「九字切り」も)
その意味を知っているのは上級国民だけということになります。

本作に登場するキャラも【ハンドサイン】をさり気なく使ったり、
LGBTに対する寛容性が強かったりと上級国民の設定固めに余念がない状況であるが
故に見ていてドン引きしてしまうわけでございます。{/netabare}


●キャラ設定に秘密が?

本作に対する謎の低評価工作員が湧いていますが、何が狙いなのでしょうか??


「君に届け」は許容出来て何故本作には抵抗を感じるのか?についての理由が判明しました。

もしも本作が完全なるフィクションならば、{netabare}「共感できない」で終わっただけなのですが
少なくとも官僚を目指す主人公についてはとても理解ができるのが厄介でありました。

偏差値が高い進学校に通う勝ち組=上級国民のキャラ設定が相応にリアルであり、彼ら特有の
独特のオーラが放たれてる感とかも巧い事描写されているために、ある種の拒絶反応が
自分に出てしまったという結論に至るわけであります。

本作は「人生の勝ち組を描いた物語」であり
それは「庶民の知らない物語」であります。

租税負担率が社会主義国並みの重さでのしかかり、生活は苦しくなるばかりの庶民の日常

それでも現実世界では、「They live」
という真実を本作は示しているのであります。{/netabare}


●人生勝ち組ランカーにおける逆転劇

本作の主人公が「君に届け」のサダコに{netabare}雰囲気が似てるため、相応の学生友情物語が
展開されることは予想できましたが、何か引っかかるものを感じます。

確かに風早君は爽やか青年でありましたが、仮に本作がオマージュ作品としても
何処か?何かが?ズレているような印象を受けてしまいます。

「異世界でチート能力を手にし~無双する」という異世界転生系の作品がありますが
ある意味ご都合主義過ぎるまでに勝ち組人生を送ることとなったその主人公と
本作に登場するクラスメイト達のポジションがどことなく似ていると言いますか
異世界転生ものだからこそ許されるご都合主義と同じレベルの学生生活が本作でも
繰り広げられているような、そんなデジャヴ感にちょっとした戸惑いを覚えるわけであります。

フィクションなので学生生活の多少の美化は許されるべきなのかもしれませんが、
本作OPのダンスシーンにしても、フィルタリング掛け過ぎで、所詮はまだ子供に過ぎない
はずの高校生の不純物やノイズみたいなものが完全除去され、高校生と言うよりも聞き分け
のいい純粋無垢なる大人のクラスの物語みたいなことになっているように思えてしまいます。

学生生活の思い出に浸りたがるのは大人特有の病であると言えるのかもしれませんが
これをやたら美化したがるのはある種の病的な現実逃避の傾向があるようにも思えます。

進学校で容姿が美しく個性的なキャラをできるだけ多く展開させようとし
しかも美しい学生生活の物語を描こうという八方美人的な考えに基づく
ストーリー設計にそもそも無理があると言えるのかもしれませんが、完璧主義者故に
必然的に出てしまう粗が物語の根本に穴をあけ兼ねない懸念を感じる次第でございます。


恰も犯罪係数アンダー10以下のシビラシステムに選ばれたような、まっさらなメンタルの
学生たちには「天国大魔境」の施設で育成される子供たちのように、何とも言えない
不自然な空気を感じてしまいます。
{/netabare}

●ハンドサインが凄い!?上級国民作品

3話まで視聴した本作の印象は要するに雰囲気アニメであります。

官僚を目指す主人公のキャラ性は悪くないと思いますが、{netabare}「君に届け」の劣化版のような感じで
高校生の日常を描いてるのが何とも言い難く、ギャップ効果よりもミスマッチ気味なものを
大いに感じてしまいます。

上級国民のような選ばれしセレブたちが通う進学校の高校生の日常は、案外普通の高校生と変わらない
ものなのかもしれませんが、セレブな美形男子や美形女子に混じり戯れる主人公の人間関係性に
何かを見出せるかと言えば、普通の高校生でも成り立ったのでは?という素朴な疑問が
頭をよぎるばかりでございます。

高校生にして官僚を目指すという明確なヴィジョンを持てるような意識高い系の人種は上級国民
以外にあり得ず、庶民とは思想性が全く違うからこそ、子役として活躍したり、ある種のカリスマ
モデルのような振る舞いが自然とできるわけであります。

上級国民とは【優生思想】に毒され、人の上に立つのが当然と信じている人種でございます。

そして【Ⅴサイン】だとか【666】の「OKサイン」だとかのハンドサインの意味を熟知しており
これを公衆の面前で然るべきタイミングで多用する習性があるのが彼らの特質であります。

「ナオちゃん」というLGBTを当たり前のようにぶっ込んでくる時点で思想性に偏りがあることは
明白でありましたが、案の定カラオケ回では「3時間600円」コースなどの表示をさり気なく背景に
忍ばせたりしていました。

サリンジャー著作の「バナナフィッシュにうってつけの日」でも【6】に
特別な意味を持たせるとともに【6】にLGBTを絡ませておりました。

3×6=18=【666】
これを【獣の刻印】と言いまして、【ソドム】の住人にもこの刻印が記されており
【ソドミー】の罪故に【ソドム】は滅んだのでありました。

【666】の刻印を持つ種族はLGBTを許容します。
LGBT自体がどうであるよりも思想的な意味をこれに見出している種族がいるという話であります。

思想的に偏りがある特別な種族による普通の高校生の日常を見せられても
微妙であるというのが当方の結論であります。{/netabare}



見ていて一番気になったのはナオちゃんでありましたのでwikiで調べて
みました。

{netabare} やはりLGBTでしたね。{/netabare}
いつも通りゴリゴリ来てます。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 5

63.4 4 恋愛アニメランキング4位
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (113)
352人が棚に入れました
加島龍斗(リュート)は冴えない陰キャ男子、もちろん16年彼女ナシ。 そんなリュートの憧れは、白河月愛(ルナ)。学年一の美少女ギャルで、恋愛経験も豊富。 遠くから見ているだけで十分だと思っていたけれど......、なんと付き合うことに!? 恋愛経験ゼロの陰キャ男子と経験済みなギャル、住む世界が違いすぎる二人が織りなす凸凹だけど、ピュアでリアルでドキドキがつまった極上青春ラブストーリー!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ピュアでリアルでドキドキがつまった極上青春ラブストーリー開幕!

この作品の原作は未読ですが、さおりん成分が目一杯吸収できる作品なので視聴を楽しみにしていました。
さおりんといえば、一時期体調不良で仕事を一部制限するとの事でしたが、もう治ったのでしょうか。

個人的にはさおりんボイスは大好きなので、声を耳に出来るのは素直に嬉しく思います。
ですが、健康あっての仕事だと思いますので、留意頂ければと思います。
まぁ、そんなの私に言われなくてもって感じだとは思うんですけど、1ファンとして心配くらいさせて下さい。
そのくらいのことしかできませんので…^^;


加島龍斗は冴えない陰キャ男子
もちろん16年彼女ナシ

そんなリュートの憧れは、白河月愛(ルナ)
学年一の美少女ギャルで、恋愛経験も豊富
遠くから見ているだけで十分だと思っていたけれど……
なんと付き合うことに!?

恋愛経験ゼロの陰キャ男子と経験済なギャル
住む世界が違い過ぎる二人が織りなす
凸凹だけど、ピュアでリアルでドキドキがつまった
極上青春ラブストーリー


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

いやぁ、さおりんボイスをメッチャ堪能させて頂きました。
振り返ってみると、さおりんが主要キャラを演じている作品の視聴コンプリートしていました^^
大好きなキャラはたくさんいますが、その中でも今回の月愛ちゃんや最近視聴した「夫婦以上、恋人未満。」の渡辺星役を演じている時の声質が抜群に好き…というより色々持っていかれちゃいましたよ^^;
月愛ちゃん、星ちゃんに共通している事ですが、楽しそうなときの弾んでいるお声が堪らないんですよね~(〃ノωノ)

あのお声を毎日聞ける人は幸せ者だと思いますっ!

さて、経験済と経験ゼロと括られていますが、きっとこれからの人生の方が沢山の初めてが経験できると思いますよ。
高校生のできる経験って、どんなに背伸びをしても限度がありますからね。
でも、それが同じ高校生同士だと異次元ほどの違いを感じてしまうのも理解できます。
遥か昔に自分も感じた感情ですから…^^;

一方、あおちゃんこと古賀葵さんが演じる黒瀬 海愛(マリア)は、リュートと中学生時代に面識があったようですが、なんと月愛ちゃんとも関係があったようです。
今気付きましたが、月愛(ルナ)と海愛(マリア)って読み方は全然違いますが、どちらにも「愛」という文字が入ってるんですね。
こういうところに親御さんの愛情を感じるのは、きっと私だけじゃないと思います。

名前の漢字って決める時に色々考えますよね。
苗字や名前の字画や総画による姓名判断とかだって気になりますし…
そういう字画の辞書みたいな本も売ってるくらいですから、ソコソコ人気があるんだと思います。

高校生の揺れ動く気持ちを等身大で描いた作品だったのではないでしょうか。
少なくても私の学生時代は色恋沙汰より部活で汗を流す機会の方が圧倒的に多かったので、今となっては時間の経過が大き過ぎて心に響くモノはありませんが、これを学生時代に視聴していたら、人生が変わっていたかもしれません。
い、いや、変わるまで無くても相当リュートを羨ましがっていたと思います。

一方、リュートと月愛の恋心はしっかり描けていたと思いますが、友人の方は少々物足りなかったかな。
尺の関係で振らざるを得なかったのは理解できるんですけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、まややんによる「ラブ・ユー・テンダー!」
エンディングテーマは、AliAさんによる「あいことば」

1クール全12話の物語でした。
さおりんボイスを満喫できて耳が幸せになる作品でした。
さおりん、早く全快するよう陰ながら祈念していますね^^

投稿 : 2024/03/16
♥ : 9
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

想像よりもちゃんとしたラブストーリー。ヒロイン可愛い。

 なるほど…そういう結論にしましたか。思ったよりもいいラブストーリーだった気がします。特に後半の…まあ、サバゲ―はちょっと横において、気持ちのちょっとした食い違いみたいなところは、ノーストレスの「隣にいる女子」系の話より内面に切り込んでゆく分、最後のカタルシスにつながってきます。

 もちろん、まだまだ表面的な部分もあるし、性行為そのものに特別な意味を持ちすぎる気もしますが、高校生って自分では当時大人のつもりでしたが、今見ると相当幼い感じです。そう考えると確かにヒロインの経験人数は一つのドラマにはなるんでしょう。
 ある意味このフレッシュさは大切なんでしょう。主人公側も変に純情ぶらないで、ちょっと期待しているところがなかなか青春でした。

 それと主人公ヒロインだけでなく、ギャル3人の視点があったのも効果的でした。草食化の時代です。性行為をヒロインのマイナスとして否定的にとらえない本作はとてもいいと思います。それがあるから彼女の魅力になっているというところがもうちょっと強調できればもっと良かった。

 途中ちょっと中だるみして4話~8話くらいまで集中して見てなかったので、正月にもう1回見直してもいいかも、と思います。

 で、原作者なんですけどやっぱり男だろうな…という気はします。女性視点ならこうはならないでしょう?というやっぱりどこか処女厨的なマインドを感じました。はずれたらごめんなさい。
 
 話はちょっと間延びはあったものの1クールで落とすところに落としたので、いいと思います、4。キャラは主人公もヒロインも作品に合わせてちょっと作りすぎかな。もうちょっとナチュラルに動いてくれた方が良かったかも。でも初々しくて良かったです、4。

 作画は止め絵が多いし高級な部類ではないですが、さほど悪く感じなかったので3.5。声優さんはヒロインのモノローグというか語りがちょっとうるさい感じもしましたが、今時の標準なんでしょうか、3.5。音楽は…普通過ぎるくらい普通で3。



以下 視聴時のレビューです。

1話 純愛がいいという結論なら凡作。性に関する新しい提案ができるか?

{netabare} 設定そのものは興味深いです。実は「その着せ替え人形は…」とか「長瀞さん」でこの設定を明確に打ち出してくれたらもっと面白そうだったのに、と思っているということもあります。

 それで見始めたのですが…うーん。結果的に純愛がいいという結論?それってどうなんでしょう?新しい性と愛情の関係の提示とかまでいかないのかな?

 日本では処女厨と呼ばれるシンドロームがあるようです。江戸の儒教教育なのか、明治以降の家制度と言う観点からの貞操観念教育なのか、柳田國男的な穢れ思想から言って他人の体液に対する忌避が日本人にはあるからなのか…まあ、実際には日本の性は近代になるまでかなりおおらかで、村における夜這いの習慣とかあるので、裏と表はあるのでしょう。

 それがバブル期には高校生で処女とか恥ずかしいというような時代(実際「俺ガイル」で由比ヶ浜結衣はこのセリフを言っていました)を経て、今ですねえ…近代史上もっとも貞操観念が極端に処女厨に振れているのが今じゃないでしょうか。性交の経験率が極端に下がっています。
 バブルからバブル崩壊後にJK=ブランド信仰=金必要=援助という図式で、性の商品化が進んだことへのアンチテーゼなんでしょうか。それともハラスメントとか権利とか言い過ぎて男がルサンチマンを発揮しているのでしょうか。
 あるいは実存主義からのウーマンリブ運動、そして…という文脈かもしれません。

 そういうバックグラウンドを持って、この作品を描いているなら面白いですよね。ギャルもののコミックとか「目黒さん」「こういうのがいい」なんかが同時期に沢山出ているということは性の認識に関して、問題意識が出始めて、変革の時期に来ているということでしょうか。
 性行為の経験の豊富さやそれを楽しんでいることと、人間性や人格は関係ないまで行き着けるかどうか。

 本作は今の推移のままだと、所詮は処女厨…ではないけれど性行為=愛情表現で終わってしまいます。どれくらい突っ込んだ新しい男女の性行為と恋愛の形が描けるかがポイントでしょう。{/netabare}


3話 テンプレ感はあるけどキャラの描写が丁寧なので面白いです。

{netabare} 隣の女子系のご都合主義だけでなく相手を理解しようとする努力がなかなか好印象な感じです。
 女子に理屈で説明してしまうとか、相手の会えない時間の行動を考えて悶々とするところなど、ギャルと付き合うというあるあるを上手く拾えていると思います。こういうところがタイトルの回収にちゃんとなっているかなと思います。

 今のところ性体験云々よりも、ギャルと非モテという印象のストーリー展開が面白さにつながっています。何より新キャラ「昔振られた彼女」ですねえ…いいですねえ。「俺ガイル」の八幡も折本という昔振られた女性の存在でかなり苦しんでましたが、それを乗り越えられるかどうかで男を見せるという展開は嫌いじゃないです。

 なお作画…もったいない。美少女ギャルに恋をする疑似体験が重要なのだから、そこは止め絵でもいいから美しく描いて欲しいなあ。

 ということで、キャラ達にちょっとテンプレ感がありますし、展開はありきたりになる雰囲気もありますが、しかし、ちゃんとストーリーと心理描写がある作品なので面白いです。{/netabare}



7話 悪くはないが処女厨の妄想に…ヒロインの過去を肯定するなら押し倒せ!

{netabare}  言いたい事はわかる。まあ、経験済みな娘と童貞の恋愛話なら、こうなるよね、ということは良ーくわかります。そして、その初々しさとヒロインの涙もやりたい事は分かります。
 ライバル登場も対比として面白いし、他人のモノは欲しくなるという心理はわかります。
 スタートがルッキズムなのも私はいいと思います。その後、付き合ってみて理解しあうというのも、今の時代大事な考えだと思います。スタートはテンプレ(とはいってもアダルト系?)に近いですが、悪くはなかったと思います。

 が、これは思春期の男子が見る妄想だよなあ、という気がします。彼女の過去を肯定してあげるなら、ここは8話で「GO」でしょう?上書きしてあげてください。そのタイミングでいけないのはヘタレすぎですし、それが無いと結局処女信仰の逆張りになります。童貞パワーで真の愛そしてセックスの美しさを教えてあげてください。
 まあ、そこはティーン向けとしてのチューニングかなあ…高校卒業を待ってとかなるんでしょうか?

 一応、8話冒頭を確認しますが、まあ、押し倒さないでしょうねえ。来週押し倒さなければ断念で。

 ラブコメというほどコメじゃないので、一種の思春期ラブストーリーでしょう。性愛に関するもっと突っ込んだ内容になるポテンシャルはあるシチュエーションだけに勿体ない気もしますが、それが望まれているストーリーでしょうし、作者の何かのドロドロした深層が透けて見える感じは悪くはないかもしれません。
 それを逆転するのが8話冒頭です。是非是非、最高のシーン、お願いします。それが出来ればラブストーリーとしての超名作になる可能性があります。

 評価は…ストーリーはそうはいっても悪くないので3.5,キャラはヒロインが可愛いので4です。主人公は駄目ですけど、がんばってるからいいとしましょう。
 作画はちょっと今時にしてもなあ…アップばっかりでごまかしが多いし、2.5。声優は悪くないけど、よくもないです、調整込みで3。音楽も同様で3。

 来週押し倒したら、思いっきり加点します。押し倒さなければ、ストーリーを2.5、キャラを3.5にして断念でお終いにします。


追記 ちょっと気になって原作者調べたら「長岡マキ子さん」でした。うーん…女性なの?意外すぎる…絶対男性マインドの話なんだけどなあ…ネカマとかじゃなくて? {/netabare}



11話 後半から急に面白くなる。サバゲ―始めたときはどうしようかと思いましたが。

 いいですね。受験がからんで…男は恋愛とくにセックスを受験期に覚えると悲惨な目にあいます。ちょうど盛りの18歳であれを覚えたら受験勉強に手はつかないでしょう。イケメンモテ男君だからこそそれを自覚的に抑えられるというのはなかなか面白いです。

 サブキャラでいろいろ言いたい事を表現しているみたいだし、いいんじゃないでしょうか?もう少し話を整理して恋愛とセックスに踏み込んでくれると、もっと何かが浮き上がってくる気はします。
 高校生という時代だからこそのことです。正直大学…とは言わないですが20歳過ぎてくる、やって当たり前になります。この問題を描くならたしかに高校生の物語でしょう。

 で、やっぱり理屈っぽくはあります。最近僧侶枠を見て思ったんですけど、女性は気持ちを大事にしますので、貞操云々よりも感情とスキンシップだと思うのですが…男の理屈でやらないってある意味ちょっと相手を信用していない気もします。

 というところまで考えられる話に近づきつつあります。初めは童貞妄想ストーリーかと思ってましたが、なかなかのところに来ましたね。最終回は次? 簡単にハードルを越えないで悩んだ末に結ばれるなら、1クールかけた意味はあると思いますが、どうなるでしょう?楽しみにしています。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 14

ヤマナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

いい人風、陰キャ風男子と都合のいい女子。

いい人風な男の子とギャルが普通に付き合うお話し。
あまり好きではないかな?
この手の作品って主人公やヒロインに、こんな欠点あるけどこんな素敵なところがあるよ!ってのを見せて好感や共感を誘えるかで深みが決まると思うんだけど、それが薄い。
ヒロインは可愛くて経験豊富ですぐ身体を許しちゃう。
けど迫ってこない主人公君に疑問を抱きながらも少しずつ好意を...。
で、いままでの軽はずみな行為を後悔したりってのはまあいい。
でも、主人公が好感度ポイントがない。
すぐに体を求められなかった!って今までの彼氏がおかしいだけで男全員が猿みたいにすぐ襲うわけじゃない...よね?
彼女思いで一途ってわけでもない。
不安定な時期に不安要素と二人でいすぎだろって思うし、何を一緒に帰ってんだよ。結局合わないほうがいいって判断も女の子にさせて自分は悪くないですよってか。
ポスターだって好きな人が考えたデザインが今までの趣味と違っても好みになるもんじゃない?こおいうデザインもいいな!って。
君が好きになるまで待つよ。って優しい雰囲気出してるけどこれも結局彼女に決断丸投げでいいひと気取り。

見せ場的場面もセリフもなく、いい子に出会えてよかったね。
しっかりしろよって思う作品。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 0

90.5 5 恋愛アニメランキング5位
凪のあすから(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (6450)
25515人が棚に入れました
海と地上、そのどちらにも人が暮らす世界。中学が廃校になり、幼なじみと共に地上の学校へ通うことになった海村の少年・先島光が転校初日目撃したのは、大切に守ってきた少女まなかが、地上の少年と特別な出会いをした瞬間だった。

声優・キャラクター
花江夏樹、花澤香菜、茅野愛衣、逢坂良太、石川界人、小松未可子、石原夏織、名塚佳織、天田益男、間島淳司、清川元夢、鳥海浩輔
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

溢れ出る感情の波に幾度も心をかき乱されてしまう、感銘も感動も大きいが視聴に難儀する《名作》

(2019年3月) 制作情報等を追記

◆感情描写の濃度が桁外れに高い作品

私は、恋愛などの感情描写系アニメを視聴するときは、作品中に不意に差し込まれる微妙な心情変化を見逃さないようになるべく集中して視聴するようにしているのですが、本作の場合、多数の登場キャラたちのどんな目線の動きにも手足の仕草にも確りと意味が込められていて、そうした一つひとつの挙動に暗示される各キャラの感情推移を読み取るのに視聴中ずっと頭をフル回転させている状態が続きました。
そのため1話視聴する毎に物凄く疲れて、暫く頭を休ませてから次の話に行く、ということの繰り返しで、これまで本作を余裕を持って視聴できていなかったのですが、3周目を終えた時点で漸(ようや)く、そうした感情を読み取る作業を自分が納得いく程度に終えることができた感じを持てました。
そして念を入れて行った4周目の視聴で、やっと余裕をもって本作全体を楽しめ、かつ自然な感じで感動もできたように思ったので、それに合わせて本作の評価を ★ 4.3 → ★★ 4.7に大幅に引き上げました。
(※1~3周目も視聴中に感動はしていましたが、果たしてその自分の感動が辻褄の合った納得のいくものなのか確証がもてずに警戒しており、本作の総合評価を ★ 4.1~4.3と低めに据え置いていました)
だいぶ苦戦しましたが、頑張って繰り返し視聴して良かったと思いました。

◆起/承/転/結のはっきりしたシナリオ構成

本作は、純粋な日常系の恋愛作品ではなく、①ファンタジー設定と②セカイ系設定を上手く組み込んだ変則的な恋愛感情描写系作品ですが、よく見るとシナリオ構成の基本に忠実に、全26話を以下のように、【起】【承】【転】【結】に上手に振り分けていることが見て取れます(※詳しくは◆各話タイトル&評価へ)。

【起】第1~7話(計7話) {netabare}海村とウロコ様の存在というファンタジー設定が示される{/netabare}
【承】第8~13話(計6話){netabare}地上の異変と海村の冬眠・人の滅びの予告というセカイ系設定が示される{/netabare}
【転】第14~20話(計7話){netabare}5年後の世界に切り替わり海村の3人の冬眠からの目覚めが描かれる{/netabare}
【結】第21~26話(計6話){netabare}登場人物たちの錯綜した恋愛状況が世界の命運と連動しつつ収束していく{/netabare}

◆作品テーマ

ひとことでいえば、{netabare}恋愛感情をもつがゆえの苦悩とその最終的な肯定{/netabare}、を描き尽くすことにあると思います。
この作品テーマは、第5話(あのねウミウシ)での美海と光の会話によく現われます。
{netabare}
美海「もう、あんな悲しいお腹になるのは嫌だ。大好きにならなければ、あんなに苦しくならない。だから、だから美海・・・」
光「大好きにならなければ、好きにならなければ、辛くならない。確かに、そうかも知れねぇな。」
美海「え?」
光「なんか俺も人のこと言えねぇ。好きとか、なんないほうが、やっぱ楽なのかも知れねぇと、思う。だけどよ、誰かを好きになるの駄目だって、無駄だって思いたくねぇ。」{/netabare}

→この会話は最終話で見事に回収されます。

※なお、本作で最終的に肯定される「恋愛感情」とは具体的にどのようなものか?をさらに一歩踏み込んで考察すると本作を一層深く楽しめるようになるのではないか、と思います(※その点、◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理へ)。


◆制作情報
{netabare}
原作         Project-118
監督         篠原俊哉
シリーズ構成     岡田麿里
脚本         岡田麿里(12)、横手美智子(4)、吉野弘幸(4)、和場明子(3)、根元歳三(2)、西村ジュンジ(1)
キャラクターデザイン ブリキ(原案)、石井百合子
音楽         出羽良彰
アニメーション制作  P.A.WORKS{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得のいかなかった疑問回

======================= 凪のあすから(2013年10月-2014年3月) ====================

~~~~~~~~~~~~~~ OP「lull〜そして僕らは〜」、ED「アクアテラリウム」 ~~~~~~~~~~~~~~
     ※ まなか・ちさき・光・要・紡(中学2年)、美海・さゆ(小学3年)
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【起】 第1~7話は、{netabare}海村の4人が陸村の中学に転入したことを切っ掛けとして、彼ら内部や彼らと陸村の人たちとの間に発生する心の揺れ動きを描出{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}第1話 海と大地のまんなかに ★ 海村の4人の転校初日、まなか・紡の出逢い
第2話 ひやっこい薄膜 ☆ 美海・光、さゆ・要の出逢い、あかりの恋愛事情
第3話 海のいいつたえ ☆ 海村の掟、あかりの男の事情、紡と海村の4人が打解ける
第4話 友達なんだから ★ お女子様の破損事件、さゆの要への思慕の始まり
第5話 あのねウミウシ ★★ ちさきの想いを知ってしまう紡・まなか、美海家出・光への思慕の始まり
第6話 巴日のむこう ★ 光・紡の水泳競争、ちさき・まなかの喧嘩~仲直り
第7話 おふねひきゆれて ☆ 海村と陸村の対立、あかり海村から離れ地上へ{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【承】 第8~13話は、{netabare}地上の異変~海村の冬眠決定を契機とした海村の4人や陸村の人たちの決断・行動を描出{/netabare}
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{netabare}第8話 たゆたう想いのさき ☆ 美海・光・紡・まなか・ちさき町へ(プレゼント探し)
第9話 知らないぬくもり ★ 地上の異変、紡→ちさき「今のあんた嫌いじゃない」、廃校でハグ(光→まなか)
第10話 ぬくみ雪ふるふる ★★ 冬眠の準備、まなかの想いはウミウシへ、要の告白
第11話 変わりゆくとき ☆ お船引き決定~準備、あかりの決断(結婚・お女子様に)、ちさきの決断(光へ)
第12話 優しくなりたい ★★★ 廃校での告白(光→まなか、ちさき→光)、第1話のリフレイン(まなか・紡)
第13話 届かぬゆびさき ★★ 冬眠、お船引き、お女子様(あかり→まなか){/netabare}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ OP「ebb and flow」、ED「三つ葉の結びめ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ※ まなか・光・要・美海・さゆ(中学2年)、ちさき(看護学校1年)、紡(大学1年)
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【転】 第14~20話は、{netabare}5年後の海村の3人の目覚め、彼らと地上に残された人たちの戸惑いを描出{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}第14話 約束の日 ★ 5年後の世界(主にちさき・美海の視点から)、光の目覚め
第15話 笑顔の守り人 ★ 光・ちさき再会、美海の光への思慕、紡→ちさきへの希望表明
第16話 遠い波のささやき ★★ 光とのデート(美海・さゆ喧嘩)、美海にエナ、要の目覚め
第17話 ビョーキなふたり ☆ 要・ちさと再会、さゆ・要再会、海村へ(美海・光・要) 
第18話 シオシシオ ☆ 冬眠中の海村の様子、まなか発見~救出
第19話 まいごの迷子の… ★ 大人になった事に気付くちさきと、紡・要の彼女への想い
第20話 ねむりひめ ★ まなかの目覚め(必死に手を尽くす光と揺れる美海の心){/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【結】 第21~26話は、{netabare}海神様とお女子様の伝承をリンクさせつつ、登場人物たちのそれぞれの想いの着地点を描出{/netabare}
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{netabare}第21話 水底よりの使い ☆ OP映像マイナー変更。まなかの異変、ちさきと光たちとの距離・紡との距離
第22話 失くしたもの ★ ウロコ様探し、まなかの失ったもの(人を好きになる心)
第23話 この気持ちは誰のもの ☆ ウミウシの石、紡・光の殴り合い、紡の想いがちさきに伝わる(紡にエナ、海村へ)
第24話 デトリタス ★★★ お船引き再び、ちさきの本心(要へ)、さゆ→要へ告白・完結
第25話 好きは、海と似ている。 ★★ まなかの本心(美海・紡へ)、紡・ちさき完結、美海失恋、お船ひき
第26話 海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~ ★ 美海の心を知る光・お女子様の心を知る海神様、光・まなか完結、ぬくみ雪やむ{/netabare}
----------------------------------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)5、★(良回)10、☆(並回)9、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.7


※このように本作は前半のラスト2話(第12-13話)・後半のラスト3話(第24-26話)にそれぞれクライマックスが来るように巧みに構成されていますが、その他の回も万遍なく楽しめる平均点の高い作品となっています。
(前半が詰らなくて後半がグンと面白くなく『とらドラ!』とは好対照)


◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理

私たちがラブストーリーを批評する場合、「きゅんきゅんする」「甘酸っぱい」「純情」というのは常套句ですが、そうした感覚的で曖昧な表現だけでは、恋心(恋愛心理)の分類としては舌足らずであり不明確だと思うし、また本作に描かれた恋を「青臭い」の一言で切り捨てるのはいかにも粗雑な感想だと思います(※もし「青臭い」と断言するならば、どこがどう青臭くて、それとの対比で「青臭くない」恋とはどんなものなのか?が具体的に示されないと説得力に欠けます)。

そこで、ここでは本作に描かれた恋愛模様をより具体的に考察するために、以下の分類を用います。

{netabare}<1> 出逢い方による分類

①幼馴染型 → 海村の4人の場合(光・要×まなか・ちさきの関係)
②ボーイ・ミーツ・ガール型 → 陸村と海村の出身者の間の場合(紡とまなか・ちさきの関係)
③年上への憧れ型 → 陸村の小学生と海村出身の中学生の場合(美海・さゆ×光・要の関係)

<2> 恋の回数による分類

①初恋 → この作品の大部分の恋
②2回目以降の恋 → 無意識のうちに進行してしまうちさきの紡への恋
③その他(既婚者との恋など) → あかりの美海の父への恋

<3> 恋愛感情の内容による分類

①趣味的恋愛感情(※相手の好意の獲得を目的とした駆引き的な恋であり、恋に恋して恋を自覚的に楽しんでいる状態)
②虚栄的恋愛感情(※ブランド品を見せびらかすように恋人を持ちたがること、また人の恋路に嫉妬して燃え上がる恋)
③肉体的恋愛感情
④情熱的恋愛感情(※説明が難しいが、本作で描かれるほぼ全ての恋愛感情はこれに当てはまる){/netabare}

このように本作は、都会から遠いファンタジックな小村(海村も陸村も)で生まれ育ち、世の波風にまだ汚されていない中学2年(13~14歳)の少年少女の初恋という設定に基づき、全26話を通して、①~③の要素をほぼ排除して、④情熱的恋愛感情の描出一本槍で突っ走るという、ラブストーリーとしては些(いささ)か稀な作品となっています。

また、本作で描かれる心理関係のほとんどが、幼馴染の間か、さもなくば年上への憧れとして発生していることも、彼らの④情熱的な恋愛感情に説得力を持たせています。

《一般的な恋愛作品との違い》

これがもし高校生以上の関係で、かつボーイ・ミーツ・ガール型の出逢いだったなら、いきなりの④情熱的恋愛感情の発生には余り説得力がなかったことでしょう。
例えば、あにこれでも高評価の恋愛アニメの代表格『とらドラ!』は、
{netabare}
(1)序盤から中盤にかけて、ヒロイン大河の北村君への恋のときめきや躊躇いを繰り返し描き出していますが、そうした大河の恋心は、実は「駆引きを通して相手の好意を獲得することを目的とする恋」つまり①趣味的な恋愛感情であって、
(2)第16話(すみれさん乱闘事件)を機に大河は自分の恋心の浅はかさを悟らざるを得ず、そして、
(3)第19話で、大河はとうとう自分の本当の恋心は北村君ではなく竜児にあることを自覚するに至り、なおかつ、この自らの恋の成就を目指すのではなく、これを秘匿し押し殺して竜児の恋の成就を密かに支援する側に廻ることを決意する、
{/netabare}
・・・という流れになっていますが、このように大河の恋心が、①趣味的な恋愛感情から、④情熱的な恋愛感情に移行してしまうストーリー展開の巧みさに『とらドラ!』の凄みがあって、それがこの作品が高評価を取っている本当の理由と私は考えています。

この『とらドラ!』の例のように、優れた恋愛作品というのは、アニメ・実写あるいは小説といった表現媒体に関係なく、

(1)①趣味的な恋愛感情、②虚栄的な恋愛感情、あるいは、専ら④肉体的な恋愛感情からスタートした心理的関係が、
(2)いつの間にか、④情熱的な恋愛感情に転換してしまい、本人の意思では簡単に逃れられなくなっている様

・・・を説得力をもって描き出している作品であるのが一般的だと思います。

※因みに、そのような説得力を持ったアニメ作品は、実は結構少ないと私は思っており、例えば、あにこれで「恋愛タグ」に高いポイントがついている作品であっても、その内容をよく見ると、①趣味的恋愛や②虚栄的恋愛の範囲内で終始していて、④情熱恋愛への転換を描くに至っていないものが幾つもあると思います(例えば、『CLANNAD』、『初恋限定』)。

《本作視聴の難儀さの理由と魅力》

そうした一般的な恋愛作品との比較から、本作はやはり、
{netabare}
(1)海村という閉鎖的な環境で自然に芽生えた幼馴染同士の恋という設定、また、
(2)小学3年生の少女の5歳年上の少年への憧れと、少年の5年間の冬眠状態~解除により、本来は恋愛が成立しないはずの関係が“成立し得る関係”に転換してしまう、という現実世界では在り得ない特殊設定
{/netabare}
を巧みに用いて、序盤から終盤まで一貫して、④情熱的な恋愛感情の進行過程の描出だけでストーリーを展開している点で、恋愛作品として特殊であって、

(1)その④情熱恋愛一本槍という特徴から、本作に独特の息詰まるようなナーバスさが発生し(※注釈)、
(2)その結果、私たちは毎話のように視聴に難儀してしまう羽目に陥るのですが、
(3)そのナーバスさ・難儀さは私たちにとって、懐かしくまた切ない感覚を伴ったものでもあって、
(4)結局のところ本作の最大の魅力は、そうした感覚を私たちに思いがけず(かつ繰り返し)惹起させてしまう点にある、

・・・と私は結論づけたいと思います。

(※注釈)もし本作に、①趣味的・②虚栄的・③肉体的な恋愛感情が一定量混在していれば、他作品によくあるように、それらが適度に陽気な冗談や下ネタやおふざけを作品中に呼び込んでいたはずです。

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◆(参考)過去に書いた感想・レビュー

※前述のとおり、私は3周目までは「自分が安易に感動させられてしまうこと」への警戒から本作に対して相当に身構えていて、本作から自分が受ける感動の性質を慎重に見究めようという批判先行の視聴姿勢を取っていました。
以下はその当時の感想・レビューの一部です。

2015.3.10 三回目視聴を完了。
各話評価を追記。総合評価を4.1→4.3に改訂。
1クールに上手く圧縮されていたなら私も本作を名作(総合評価4.5以上)と評価していたと思います。
ですが、2クールはちょっとやり過ぎ感あり(稀に見る美酒も味わい過ぎると食傷気味になってしまう感じ)。
そういう意味では、かなり残念な作品でした。

2014.7.19 二回目視聴を完了。
全体に遊びとかギャグ要素が非常に少なく、重く沈鬱な印象。
この作品は毎話毎話、ほんの一瞬のカットに感情の微妙な変化や発露を盛り込んでくるので、安直な気分で流し見するわけにはいかず、全26話を通しで視聴するのに今回もかなり時間がかかってしまいました。

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※以下は第1回目視聴直後の感想・レビューです。

《岡田シナリオのメタ分析》

{netabare}★岡田シナリオの基本パターン

このアニメのシナリオ構成・脚本を担当した岡田磨理という方のシナリオは、表面的には色々ヴァリエーションを取りながらも、大雑把にいえば、

==========
A子はB男が心底好きだ。
だがB男は、A子の親友のC子の方に恋をしており、A子にはそのことがよくわかる。
A子も親友のC子が大好きで、彼女の美点を沢山知っている。



A子は、自分がB男に恋しているのと同じように、B男もC子に恋をする権利があると考える。
A子は、B男の恋心を捕らえている親友のC子を羨ましく思い、そしてそのようにC子に嫉妬している自分の心に気づいて、自分を浅ましく醜いと思う。
A子は、B男のC子への恋が実ることが、自分が恋をしているB男にとって一番幸福なことだと思い込む。
こうしてA子は、自分の恋心を押し殺して、B男のC子への恋を実らせるために密かに行動を始める。



ところがC子は、ずっと以前から親友のA子がB男に激しく恋していることを知っており、A子のB男への恋を実らせるために、B男に対して無関心を装うどころか、B男ではなく全然関係ないD男に恋している振りまでして、B男の自分への恋心を挫こうとしている。
実はC子も本当はB男を恋しているのだが、親友A子の恋心を犠牲にしてB男の恋心を受け入れようと時折考える自分の心を醜く浅ましく思い、許せないでいる。



一方、B男は・・・
また、D男は・・・
==========

という複数の男女の恋心が錯綜しループして、それぞれの善意と誤解から軋みと混乱と和解とが繰り返され、こうしたカオス的状況の中から次第に着地点が現われてくる、というパターンを、凡そ踏襲しているように見える。

この「凪のあすから」という作品も、これでもかと畳み掛けるような感じで、こうしたパターンが集積して出来上がっているように見える。

さすがにここまでくると、ちょっと食傷気味で、私の個人的評価は低くしてしまいましたが、でも、やっぱり実際視聴してみたら、相変わらず面白いんだよね、これが。

逆に言うと、なぜ岡田磨理さん以外のシナリオライターが、こうしたワンパターンながら安定的に私たちの心を揺さぶるようなシナリオ・脚本を書けないのか?ということの方が疑問なくらいです。

★岡田シナリオとその他の人のシナリオの違いとは何か?

一言でいえば、登場人物たちが、根本的な部分で、自分の恋心の成就を望むか否か、の違いではないか。

上にも書いたとおり、岡田シナリオの登場人物たちは、

①自分は誰かに激しく恋しながらも、
②自分の恋の対象者は、自分と同じくらいの強さで別の誰かを恋する権利を持っており、あるいは、
③自分とは別の誰かも、自分と同じくらい自分の恋の対象者に強く恋する権利を持っている、

ということに何時も気づいて、結局

④自分の恋心を押し殺して、自分の恋の対象者の恋を成就させることが正しい、という結論に達し、
⑤そのために密かな行動に出て、かつその行動を決して誰かに悟られまいとする、

という行動パターンを踏襲する(しかも一方ではなくほぼ全員が)。

要するに、岡田シナリオの登場人物たちは、他の、言ってみれば趣味的な恋愛感情のやり取りをしている作品の登場人物とは全然違って、アニメ作品でありながら、かなりリアルな情熱恋愛的な行動パターンを取っている、ということになり、そこから岡田シナリオの独特の迫力が生まれるのではないかと考えます。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 161
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出会えました!心の底から感動した作品に

物語は海の人と地上の人がいる世界
ある日、海の中学校が廃校になり、光、まなか、ちさき、要の海村の幼馴染4人が地上の学校へと転校する...
海の人、地上の人。いがみあっていた別世界の人たちが出会いそこから物語が生まれていきます。

制作がP.A.WORKSということで映像が素晴らしい。風景、顔の表情、瞳の中に映る心の揺れに至るまで繊細に描いています。
映像を豊かに彩るサウンドを聴いてください、歌詞がまるで情景からあふれでたようです。音楽が醸し出す幻想的な世界に心惹かれます。

海はこの世界の美しさを強く表現しています。圧倒的な存在感で私の心を掴む。
沖へいくにつれて海の色は透明、水色、青、深い青…神秘的な程美しく、波の動きにあわせて太陽の反射した光がきらきら揺らめく、多彩に変化する光や波の表情を見てください。

出会い、友情や恋愛が生まれ、人の数だけ かけがえのない物語がありました。
{netabare}
自分の想う人は違う人を見つめている…
それに気づいていても諦めきれない
ちょっとした言葉に一喜一憂している自分がいて
気付いているからこそ何気ない自分への優しさが辛かったり
それぞれに想いをよせ、交差する気持ち

例えば好きな人が違う子を想っていたら・・
自分が身をひいて応援できますか?
私は、そんな風に思えないかもしれない
頭では分かっていても、きっと心が追いついてこない
心の中で何度「切ないね」って叫んだことでしょう...


一番感動したドラマティックな場面

踏み切りのシーン

さゆから要への告白

「あんたがいない間も、あんたはここにいた!ちゃんと、この真ん中にいた!」

電車が目の前を通り過ぎ、遮断機がゆっくりと上がる

踏切を挟んで、さゆと要

想いを全てぶつけた、さゆがそこにいた。

そして、あの要が涙をながす...
「そうか、僕は、さゆちゃんの中にいたんだね、本当は淋しかった・・・」

5年ごしの気持ちをストレートな言葉で伝え、それを受けとめた要。
心の底から感動しました。

切ないのも、苦しいのも、楽しいのも、全部大切な気持ち…恋なんですよね
{/netabare}
それぞれが想いを抱く恋する気持ち、葛藤、繊細な表現はどこまでも美しく、最後まで泣いたり笑顔になったり、感情を揺さぶられ続けました。
ストーリー、作画、デザイン、音楽、本当に素晴らしい。
この作品に出会えたことに感謝します。ありがとうございました。

最後に、またいつか皆に会えることを願っています!!

投稿 : 2024/03/16
♥ : 145
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

生活感のある景色が綺麗。優しく熱い青春。(全26話)

見れば見るほど背景の描き込みがガツガツしてて面白い。
デザインが凝ってるし、ライティングも時間帯に合わせて美しく変化する。
海の中の木造家屋のアールの入った柱や砂壁、作り棚とそこに乗る荷物、廃校の青い空間、丸窓の電車、サビサビハゲハゲした港町、地上の学校のカラフルな時間割表…
(多分そう何回もは映らなそうな)お葬式シーンの式場の建物まで、現実の生活感と、現実はちょっと違うニュアンスなデザインに丁寧な経年描写が加わえられていて、よく作られた町になっている。


主人公のヒカリ君、高血圧なの?ってくらいキーキー怒りっぽくて、ちょっとなと思ってたんですが

3話で、海での当たり前の暮らしと、地上の人に惹かれてしまった海の人間たちがぶつかる辛い壁について考えた時。
姉ちゃんの気持ち、アイツの気持ち…「きっと本人の方が、オレよりモヤモヤしてるんだろうな…」と思いやる所が、なかなか良かった。


各話 ダラダラとした感想
{netabare}
4話
青春〜な優しく熱いお話。
誰かを思ったがための些細な寄りかかりと、偏見に対する身構えとで、皆でこんがらがってしまって。
守ってくれた存在がいたから、今度は彼らを守りたくて、間違えたところからまたはじめる勇気を、各々持って…。

うーん。河原で殴りあいの末にお前やるな…!的な、熱さ。
EDがなんか演歌っぽくて(違う?)ムーディで素敵ね。

公式によると初めはエラを持ったデザインだったけど若い層に受け入れられにくく、胞衣(エナ)の設定を考えたらしい。童話的に海の中でも何でもアリとのこと。

5話
今回も背景が素晴らしい。
漁港の水面の、日向と日陰の照り返し具合。
海辺の古い喫茶店の、くすんだ壁。
アカリ姉さんがかけてた電話ボックスの、丸っこいデザインと錆感。
ヒカリんちの障子、破れを直してあるんだけど(よくある花形に切った紙を貼るやつ)、ヒトデの形のが貼ってあるの!!きっとアカリ姉さんが直したんだよね。
なんて丁寧な描き込み。

ヒカリとアカリのお父さんの無骨さが、自分、不器用なんでって感じで。不器用な父ちゃんと乱雑そうなヒカリだけになったら、こんなに可愛く修繕してあるお家も荒れてくるんだろうか。

みゆな、ちっこいのに我慢しちゃったんだね。大好きな家族にそばにいてほしい、失うのはもう怖い、それだけだった。

ちさきは何か色っぽいなあ。触ったら花弁が落ちそうな感じで。


6話
皆に当たられてばかりのマナカ。
「まなかはみんなの真ん中なんだな」
かなめは要、ひかりは光、つむぐは紡ぐ、ちさきは?先に行っちゃうの?

「言いたいことは、最後まで言うべき」はまっとうで納得。

スノードームのような不思議な景色からエンディングへ、美しい…。

7話
陸海共同おふねひきを実現させるためにやっきになるヒカリ。
時折、失恋の痛みを受けとめる表情。
またしても大人のけんかを見守る子供たち。

「陸のモンは女までとっていきやがる…」
そうねぇ。陸から海へは、身体的に無理なんでしょうか。

「陸の者と海の者は、言葉が通じるからこそ、伝わらないこともあるんだ」
「個人の、あたしたちの話をしているのに、父さんはいつも、陸と海の話にしてしまう。そこが違う。」

わかっているはずの言葉がわかってない。
今日、理解したことがあるんだ。
プールでの「先生のストライクゾーンは」発言が、私はうまく聞き取れなかったんだ。

せんせいのすとらいくぞーんはドタカメ

ドタカメ?クサガメとかイシガメとかワニガメの仲間かな…
凪の世界オリジナルなウミガメかもしれないな…
デバガメとは関係ないよな…
先生、ちょっと内向的な柔和さだもんな。
亀を愛でてるんだな。
いいんじゃないかなストイックで。
こまめに掃除して生き餌あげてるんかな。ウェルかめ思い出すな〜ザザーン。

そんなホノボノとした納得を越えた今日、発覚した。

ドタカメ=ド高め

フランスで女性の旬の年齢はかなり高いというが、先生フランス式なんか。

***************

ここでまた理解してなかったことが発覚したんだ。
{netabare} 某レビュアーさんと凪の話題で

某「あの建設途中の橋ゲタは、なんの伏線かな?」

私「ん?アレは、シオシシオの神社に続く鳥居じゃないの?」

某「…見返したけど、どーみても高架道路の柱だよ。」

がーん。
見えてるはずなのに見えていない。理解できてない。
そんな要素がここにも…!?
左右非対称なんて、変わったデザインの鳥居だな〜っなんて思ってたよ!!( ゚д゚)
道路や橋の柱にしちゃ書き方細っこいよーな。
最近近所に出来てる北陸新幹線の柱なんか、へらべったくてぶっといぞ。
{/netabare}

しかしそりゃあ、伏線ぽいですねェ。
ウロコ様が気がかりにしているような、何か物事の限度が近づいてるようなこと、ここに通じるのか?

8話
「彼シャツ」って要君、どこで覚えてくるんだい。

みゆなん家、アパートだけどやっぱり内装に味があるね。
何か昭和っていうか…
「おーへやは きたむき くーもりのガラス」って感じの生活感。
海から上がったら陸世界がハイテクでどこもかしこもコピペしたようなコンクリルームだったら、さぞかし味気なくてホームシックになってしまうでしょうね。

今回は街へ行ったので、色んな意匠がてんこ盛りで風景見るのがさらに楽しかった。あの看板などの丸っこい字体、デザイナーが凪用にこしらえたのかな?
シオシシオ、潮鹿生って書くんだ。スガシカオみたいだね


9話
子供たち、海も陸もいい子達…。
そして要も紡も、女の子に絶妙な声かけをするんですね…何故にそんなに大人っぽいのだ。

割烹着のまなか可愛い。

降り積もるぬくみゆきが海の町を白く変えている。
人の姿もなく。
海の生活が危機なのかと思ったら、陸にはもう戻れない危険が…?

10話
壮大な話になってきたー。しかし子供達の不安や抗いの気持ちも細やかに丁寧に語られて。面白くなってきたー!
エンディングの唄が感慨深く響いた。

紡のおじいさん達観している。人間にとっては災いかもしれない海の異変でも、どこかにそれによって得をしたり助けられたりする生き物のしくみもあるのかもしれない。バランスですね。

陸と海のケンカで、女のとりあいの話になった時、海から陸へは行けても、陸から海へはエナがないから行けないから一方的に減るばかりだと感じた。海の新聞記事にも「止まらない人口減少」とあった。それが今回は、エナがあるおかげで生命維持レベルで助かる道がでてきたという。やっかいなネックと思ったものが反転する妙。


12話
眠る前に、伝えたい想い。
みんなかわいいなぁ、今日もちさきはいろっぽいなぁ。
しかし
「私わかっちゃったの、まなかのことが好きなひーくんが好きなんだ、って。」
ちさきさん、不倫してる女みたいなセリフですよ…。奥さんのいるあなたが好きなの的な。
ズブン、こんな年頃時分に恋愛沙汰になった記憶ないんで、いまいち、どうなりたいのかがわからないわ…要くん。
眠ってしまうその前に確かめたい?一歩踏み込みたい?でも人と人の関係は〆切に焦って何ができるんだろう。
旗をうまくかっこよく振ってみたくてがんばる、今はそれくらいのことが大事だよね。

14話
五年間。五年間のもたらした変化と、変化しないものと。
ちさきがエロいのはもっと前からの定説ですよ、サヤマートの若。
そうだったの…一人戻れなくなってたの。水面下に戻れなくなる、そういうものだったの?
みんな成長し大人に近づき、おじいちゃんは歳をとり(>_<)…
先生が変わらずホッとする。

そしてやはり背景の美しさったら。

15話
変わってない?変わった?って話だけど、ヒカリは一話の頃からしたらずいぶんイイ感じになってるけどねェ。
みうな(notみゆなと他の方のレビューで知った^_^;)の旗ふり、グッときちゃったよ。旗をふる、って不思議な懸命な行為だね。すごいきれいな旗、補修したんだね。こういうとこ細かい。
紡の、人との間合いの妙な親密さは何でしょうね。人の秘密に触れがちな。要よりも、誰とでも恋愛関係に発展しうるかのようなスペック持ちだぜ…。

16話
みうな弟のあきら、カワイイ。お喋りは単純な単語のみなのね。あかりの夫イタルさん、結婚前は「いたらねぇー」というツッコミのはいってたイタルさん。いたるようになって。出来る夫な落ち着きぶりですね。
みうな、水の中に落ちて…息?!むむっ??
見つからない制服、あの旗入ってたあたりにないのかい?
近頃家の鍵をなくした私にもわかるわぁ、その探し物心。
ヤツも裸で起きてきた!ナチュラルに裸が似合う雰囲気で。
5年ともなると、布地が持たないのでしょうか。


18話
ちょいホラーな回。
埃かぶった眠るオヤジ前で待ち合わせ。そりゃあー怖いよ!ヒカリくん‼
オジョシ様の残骸も…´д` ;何が出てくるかわからないー。
ウロコ様はいけずですな〜。
みうながなでなでしてた、シオシシオのお家の玄関前のウミウシの焼き物の飾りがかわいかったな。シーサーみたいに飾ってあった。

19話
オープニング観てるのが歯がゆかった!
そしてちさきのコスプレ回かっ?!(≧∇≦)
レトロな看護師さんっ!小さくなった制服!パジャマ!団地妻(平素)!
つむぐんちの、夜の砂壁(魚の紋様入り)の情景とか、おじいさんの病室の窓辺の照り返しの景色とか、ハッとさせられるような描き込みがあって、今回も美しかったです。

失って得てプラマイゼロじゃウシシ、みたいなことをウロコ様が呟いていたので、まなかの代わりにみうなをとられるのか?ちさきか?とドキドキしていましたが、そういう人柱なことではないのかな…?

20話
海から上がったちさきの色っぽさにニヤニヤしてしまった自分が気持ち悪かった。

おふねひきの唄を聞かせれば…と漁協にかけ合いに行くから、
すわ、眠るまなかのまわりをふんどしの男衆に取り囲ませて唄わせるつもりか!?とハラハラ。
(そして漁協のホワイトボードに「ゆるキャラ名前案 うみうっしー ウミウシくん」…。)
で、録音ね。はーびっくりした。カセットテープね。カセット…カセットォーー?やっぱりどこか昭和でいいですなー。

本当に切実に想いやってあげられるのか?自信を持てないみうな。裏表じゃなくて、色んな思いが同居するよね…って紡が共感するたぁ思わなかった。
「俺みかん好きなのに誰もわかってくれないんだ。みかんよくね?まじで。この喉ごし。オレンジじゃダメなんだよ。みかんだろ日本人なら。あの薄皮の奥ゆかしさ…手のひらに乗る小ささ。酸味と甘みのまろやかな混ざり具合。追いかけても逃げるようなたおやかな味わい。そう、まるでアイツのような…」
などとは一切語らず、水平線を見据えてみかんジュースを飲む紡であった。


25話
紡…。ちさきが俺のことを好きなのは、間違いない。どう言えば認めるのかを、考えてる。
この色男は驚愕だ。
かなわねぇよぉ〜、要くん。

ひーくんが好き。
この物語は「好き」がどうしてこうウェットに哀しくなってしまうんでしょう。好きは温かくて嬉しいものでもあるはずですよ、若人たちよ。だのになぜ 歯を食いしばり 君はゆくのか そんなにしてまでー

エンディングへと浸るように移るところは鳥肌ですね。この見据えるような音色がとても生かされている。

26話
オラに力をわけてくれ
…的なところもありましたが、大団円。
起きて来た父ちゃんたちが、子供達同様に真っ裸…では なかった、不思議な法則。カワイイ若人の衣服しか、経年劣化しないのじゃ。コレもエナの力なのじゃ。

それにしても海神さまは、とんだコンコンチキな独りよがりですな。オジョシさまは幸せだったんだよォ〜(T ^ T)がっかりしないように記憶とるなんて、余計なお世話な乱暴でしてよ。

終わった後に、まなかとひかり二人だけの落ち着いた時間が流れている様子を見せるところがほほえましかったです。そーかそーか。そう収まったか。{/netabare}



*************
総評

変わる想いと、変わらない想いと。そして人の想いと実際の想いの差異。
眠りのブランクの時間を挟むことで、時の流れの感覚を感じさせた作りでした。
子供達がそれぞれ成長しながらも、みんなの事を考えられる性格で偉いなぁと思いました。
背景や暮らしの描写の仕方がリアルにありそうで、かつユーモラスなアイデアが添えられ、見ごたえありました。美しいものを描きたい!て熱意を感じました。最後数話はエンディングに入るところが鳥肌たつようにハラハラさせられました。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 88

94.6 6 恋愛アニメランキング6位
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1796)
7625人が棚に入れました
思春期症候群―― 多感で不安定な思春期だけに起こると噂される、不思議な現象。 たとえばそれは、 梓川咲太の目の前に現れた野生のバニーガール。 彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩だった。 魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映らない。 謎の解決に乗り出した咲太は、 麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知って...... 次々と咲太の周囲に現れる、“思春期症候群”を抱えたヒロインたち。 空と海が輝く町で、心揺れる不思議な物語が始まる。


声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

なるほど、酷評をする人はコレがパクリに見えるわけですね、その価値観を変えるのは出来んのでしょうが、コレがゼロ年代ヲタク文学への愛のあるアンサーであることは明白!

『さくら荘のペットな彼女』を手掛けた鴨志田一先生と溝口ケージ先生が再タッグを組んだライトノベルが原作の全13話のSF、略称は『青ブタ』
『さくら荘』が学園青春ラブコメだったのに対し、長く続いた『さくら荘』でファンの年齢層も上がったことだろうということで、お二人は担当編集の反対意見を押し切り(笑)意図的にターゲット年齢層高めのSF作品にすることで切り返しを計っています
制作はA-1高円寺ことCloverWorks
監督は増井壮一で構成と脚本は横谷昌宏ということで奇しくも“さくら”繋がりの『サクラクエスト』コンビが手掛けました


梓川咲太(あずさがわさくた)はニヒルな高校2年生
梓川サービスエリアの梓川に、花咲く太郎の咲太で梓川咲太
彼はある日の休日、野生のバニーガールに遭遇する
その正体はかつて国民的人気を誇った芸能人で今は休業中の同じ高校に通う3年生、桜島麻衣(さくらじままい)
彼女は有名人でありながら他人から存在を全く認知されなくなった“思春期症候群”と言われる不可思議な都市伝説に巻き込まれているという
思春期症候群に遭遇した経験を持つ咲太は麻衣先輩から「忘れなさい」と忠告を受けるも麻衣先輩が美女であることを含め放っておけず、思春期症候群の世界に首を突っ込み始める
やがて咲太のざっくばらんな性格や隠されていた誠実さに麻衣先輩も心を開き始める…
主人公の咲太を取り巻く6人の美少女と彼女達の身に起きる不可思議現象を紐解いていく青春SFストーリー


今作、正直2018年のテレビアニメの【最高傑作】と言って過言では無いでしょう
放送当時、あまりにも仕事が忙しくて視聴をかまけていたのですが、ラジオ番組でライターの前田久さんが紹介されてるのを機に、完結篇になる劇場版ももうじき公開されることだし、ってことで一念発起して半年遅れでイッキ観してみました


いや、本当に面白い
なんでもっと早く教えてくれなかったんだよ!w
何話が面白いとかじゃなく、全話捨てるとこ無し!
そもそもよく原作をここまで短く纏めることが出来たと思います
横谷さんの一人脚本すっご


あにこれでも2019年4月現在、放送時期ランキングでアレほど話題を集めた『SSSS.GRIDMAN』や『ゾンビランドサガ』や『若おかみは小学生』を抑えてベスト1に輝いています
こーゆー名作をちゃんと評価する辺りが、オイラがあにこれの皆さんを信頼する理由ですねぇ
しかもその内訳が「大絶賛」してる人と「大酷評」してる人に真っ二つに別れているwww
その上での1位って王道中の王道じゃないですかw
『エヴァンゲリオン』かってのw


まずアニメやラノベに詳しい人ほどこの作品に漂う既視感に絶えられないという批評が多いようです
が、その認識は間違っていないと思います
鴨志田先生はハッキリとお答えになったわけではありませんが、この作品は鴨志田先生の青春であり、我々の青春でもあるゼロ年代(2000年~2009年)のヲタク文学への鴨志田先生なりの愛とリスペクト、そしてアンサーが詰まった作品に仕上がっているんですよ
具体的に言うなれば『AIR』『Kanon』『涼宮ハルヒの憂鬱』『化物語』といった作品群へのオマージュが満載なのです
これらの「パクリだ」と声を荒げるのは簡単なのですが、SFなんだけども既存SFファンからは白い目で見られていたこれらゼロ年代ヲタク文学作品達に、愛と敬意と科学的根拠を用いた解答を提示したのが今作なんですね
つまり『青ブタ』とはゼロ年代ヲタク文学の総決算だということです!


例えば有名人であるが故に周囲に溶け込もうと周りとの関係を断ち、周囲も無視を決め込んでいた末に他人から存在を認知されなくなった桜島麻衣先輩の症状
これは観測する事で存在が確定する“シュレディンガーの猫”で説明が出来、誰にも観測されなくなった麻衣先輩は存在が消滅するのだという展開に広がるのです


これSFかー?って批判もある事でしょうw
でもそれまんま『涼宮ハルヒ』の頃に世間で錯綜していた批評感なんですよねw
歴史は繰り返すw


田村里美さんのキャラデザや高田晃さんの作監もあって画面クオリティは凄く高いです
高田晃さんの顔の内側にまつげを描くと『青ブタ』のキャラっぽくなる、という発見は流石のお仕事ですb
2~3話に一度クライマックスを迎える構成なので結構泣くシーンが頻繁に登場して画面からは目が離せない
6話で何度も通り雨を印象付けた上で泣くシーンに合わせて雨降って→雨上がる、って構成と演出もズルいですねぇ、素晴らしいですねぇ


画面が良く出来ているので音響面の演出は抑え目にしてリアリティを追求した、と岩浪良和監督は仰ってました
会話劇なのでセリフを聴かせようということですね
劇伴なんかも控えめです


例えばパク音と言われる咀嚼音がありますが、キャラが飯を食う時に声優に「はむっ」って言ってもらうアレです
今作では食事シーンが多く出てくるのでリアリティ追求の為にあえてパク音はやらなくていいよ、と岩浪監督は指示したそうです
「はむっ」とか言いながら飯を食う人間は現実にはいませんからね
ところがよく聞くと梓川かえでというキャラだけはこのパク音、わざらしく言ってるんですねーw






























いやー、伏線は張られていたー!
怖い怖いw
そもそも久保ユリカさんがシリアスな芝居をしている時点で察しが着きそうですw
あの久保ユリカの説得力の無い声(笑)でシリアスな役を演っているんですよ!?
つまりソコには意味があるわけです
いやはや恐れ入った;


9話と10話で麻衣先輩とは全くの別人を演じ分ける瀬戸麻沙美さんも凄い
岩浪監督曰く、瀬戸さんと石川界人さんは特に指示しなくてもなんでもこなせて若いのに凄いらしいです


あとは双葉理央の孤独感を出す為にアフレコ現場では種崎敦美さんにわざと声を掛けず、孤立するように仕向けたって話も好きですw
種崎さんが可哀想w


そして妙にしっとりとした劇伴
最初に観始めた時にオシャレだけどなんか引っ掛かるなーというか違和感というか異化効果を感じていました
そしてあのEDテーマ…


裏拍を打っている…!コレはジャズか…!


ってなって背筋ゾクってなりましたわ
fox capture planといえばドラマの劇伴なんかで最近よく目にするようになりましたがアニメを手掛けるのは恐らく今作が初
いやまた凄い人達を連れて来ましたね
個人的に増井監督作品はしっとりとしたEDが多い印象です
『すてプリ』とか『サクラクエスト』とか


さて、完結篇となる6月の新作劇場版が今から楽しみで仕方ない
最近『グリザイア:ファントムトリガー』のクリスとムラサキを足して割ったようなキャラがもしいたら最高なんだけどな~、って思った矢先に観始めた『青ブタ』で双葉理央を発見してしまったので好きが止まりませんw
以上、双葉理央の作ったカレーを食べたいけみかけでしたー


「流石けみかけ、ブタ野郎だね」

投稿 : 2024/03/16
♥ : 41
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「もてあましてるフラストレーション」の具象化 

2019.01.05記


原作未読


You've got an easy day …と直ぐ脳裏に浮かんだ方は立派な“かつての青少年”です。

前評判の高さが視聴動機。
ラノベってもう少しタイトルなんとかなりません?家族共有HDDに2018年秋期に並んだタイトル…
「青春ブタ野郎・・・」
「エロマンガ先生(地上波再放送)」
「幼女戦記(同じく地上波再放送)」
言い訳するのがたいへんなのです。


峰ヶ原高校に通う2年生、梓川咲太(CV石川界人)が目を覚まし、自分では見覚えのない一冊のノートに目を向けると、そこには信じられない事が記されていた――。
「5月6日、野生のバニーガールに出会った。」

で始まる本編。思春期特有の不安定な精神状態が引き起こす不思議な現象“思春期症候群”が引き起こすトラブルを巡り繰り広げられる青春ドラマです。
『思春期症候群』もちろん架空の現象です。クラスメイトや家族など人間関係のひび割れ、本人の内なる心の葛藤、確かに思春期にぶつかりそうな問題を引用してヘンテコな現象を仕立てあげてます。その理論的支柱役を咲太の同級生リケジョ双葉理央(CV種崎敦美)が担います。支柱といってもTHE中二感を出すための柱。「人と話すのが嫌い。性格も暗いし、中学の頃は友達もできなくて、一人でずっといた」ような子ですが、彼女の口から「ブタ野郎」と言われるとご褒美以外のなにものでもないですね。
そして先述の野生のバニーガールが本作のヒロイン桜島麻衣(CV瀬戸麻沙美)さん。「桜島麻衣の桜島に、桜島麻衣の麻衣」と自己紹介するくらい自分に自信をもってますが、けっこうな頻度で咲太に赤面したり恥じらったりする典型的!?ツンデレさん。年不相応・年相応な振る舞い、両面性ある魅力的な女子です。なにより咲太をすごい好きなのが良い。

鴨志田一原作で手堅く、数話ひとまとまりのオムニバスで進むストーリーはテンポもよく見易いです。原作1巻につき数話を使い、、、こんな感じ↓

{netabare}1-3話  第1巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
4-6話  第2巻「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」
7-8話  第3巻「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」
9-10話  第4巻「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」
11-13話 第5巻「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」{/netabare}

各エピソード毎に別のヒロインを立てる仕様となっており各々これがまた魅力的です。手堅い作風はなにかしら既視感を生むようですが、ベタなものとはそんなもんでしょう。
どのエピソードも、当番ヒロインの魅力とほどよくエモい脚本で飽きません。むしろいい話ばかりなり。ED「不可思議のカルテ」を当番ヒロインが務めたりとこのへんも鉄板でありベタな演出です。
ベタについて、その昔『くりぃむ○ちゅーのたりらリラ~ン』という番組で“クイズよくあるパターン ベタの世界”という名物コーナーがありました。アンケートに基づいて作られたベタなドラマを観ながら次の展開を予想するクイズコーナーです。
そのドラマの完成度がこれまた高くて、ベタとはわかりつつ涙腺が緩む回答者多数。TVの向こう側のこちらも似たようなものでした。私の既視感を挙げるとしたらこんな感じです。


本作が好感なのは、野生のバニーガールが物語の進行上必然性があって“タイトル詐欺”になってないこと。それに咲太と麻衣のカップリングの柱に揺るぎがなく安易なハーレムになってないこと。当番ヒロインに流れることなく作太は麻衣さんが好きで、麻衣さんも埋没せずに要所で顔を出してきます。
ベタな中にも筋を通していることで、数多の類似作品より頭一つ抜けてる感がします。変態的なタイトルは置いといて、サクッと観ることができる良作です。
なんやかんやで桜島麻衣のヒロイン力の高さを満喫した全13話でした。


■余談
{netabare}お前とこのグラウンドで高校生が大声で叫ぶアニメだぞ、とモデルとなった七里ヶ浜高校出身の知人に{/netabare}

{netabare}お前とこが毎度破壊されるアニメだぞ、とグリッドマンでのモデルとなった都立井草高校出身の知人に{/netabare}

このクールは知人の出身高が相次いで登場しました。ウチの母校もそのうち出ないかしら。敷地の広さと雰囲気なら「やがて君になる」の舞台とそう変わらないと自負しとります。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ視聴

-----
2020.03.27
《配点を修正》+0.1 麻衣先輩が最強だから(リピート視聴後修正)

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2020.09.22追記
劇場版視聴済み。TV版を気に入った方はわりと必見だと思われる。


2019.01.05 初稿
2020.03.27 配点修正
2020.09.22 追記

投稿 : 2024/03/16
♥ : 118

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

何でこんな避けられそうなタイトルにしたかと思っていましたが…。(「おるすばん妹」の破壊力、原作既読でもヤバい…。劇場版も楽しみです!)

原作がシリーズを重ねていくうちに「まあ、これで良かったのかも」と思えてくる、そんなタイトルですよね。

OP主題歌で、いくつかの原作タイトルに使用されている文字の組み合わせがランダムっぽくチカチカと入れ替わって表示された上で最終的にアニメとしてのタイトル『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』となります。

ということで、ここでタイトルの使われた原作は全部アニメ化されるのかもしれません。
(↑え、マジで…!?)

アニメでは、「バニーガール先輩」以外のシリーズのヒロインも早めにわりと多く画面には出していく感じに見えます。

……と、2話まで観たところでこの後は2話くらい放送時には観られない予定なので取り急ぎ書いておきます。このアニメ化には期待しています!

2018.10.26追記:
第3話目まで視聴完了。原作でいうと1巻目の終わりだったのと話数から考えると、原作1巻に対して3話のペースで1クール=原作4巻分のアニメ化でしょうか。

劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のアナウンスもありましたね。こちらも楽しみです。

2018.10.29追記:
劇場版のタイトルと円盤の収録話数も踏まえて、おそらく下記のようなシリーズ構成になるっぽいです。

※話数が進んだので対応する原作の全タイトルをを記載
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない: 1~3話(先輩:桜島麻衣)
青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない: 4~6話(後輩:古賀朋絵)
青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない: 7~8話(ウィッチ:双葉理央)
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない: 9~10話
青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない: 11~13話

なお、劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は原作シリーズ6、7作目の内容になることは公式にアナウンスされていますね。原作は以降も続いていますが内容的にもここでひと区切りという感じなので、シリーズ構成的には妥当だと思います。

2018.12.10追記:
第9、10話でシスコンアイドル編終了。づっきー(広川卯月(ひろかわ うづき))役に雨宮天さんがキャスティングされてました。

公開予定の劇場版以降がさらにアニメ化された場合、そこそこ重要なサブキャラになるはずなのであんまりいい加減なキャスティングはできないとは思いましたが、天ちゃんでしたか…。

残る「おるすばん妹」編は原作でもかなり好きなエピソードなので、楽しみです!

2018.12.23追記:
原作既読であの展開を知っていてももヤバかった、12話ラストのシーン。視聴者(読者)も、ここまで時を積み重ねてあのキャラクターへの愛着が生まれていますからね。

思春期症候群的なエピソードは抑え気味でも、原作の『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』は、読んでて終盤はけっこう泣きそうになってました。

…ということで、最終回を待て(笑)!

2018.12.30追記:
第13話(最終回)まで視聴終了。これまた本編からシームレスに劇場版の予告があったのですが、この作品については劇場版まで込みのシリーズ構成だったと思うので、まあこれもアリだな。モハメド・アリだ。(邪神ちゃん並感)

咲太くんは高校生としてはかなり大人で良い人なんですけど、その咲太くんも麻衣さんの助け、支えがないと誰も救えないんですよ。そして翔子さんも…。

原作通りなら劇場版で翔子さんの正体について衝撃の事実が明らかになりますので、こちらについても乞う、ご期待!

しかし、1クールで良くここまでアニメ化しましたね。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 100

87.7 7 恋愛アニメランキング7位
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(アニメ映画)

2019年6月15日
★★★★★ 4.1 (540)
2856人が棚に入れました
空と海が輝く街“藤沢"に暮らす梓川咲太は高校二年生。先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、水瀬いのり、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この映画無くして『青ブタ』は語れない_眠れない_トロイメライ_今作に携わった全ての人達に「ありがとう」「がんばったね」「大好き」を伝えたくて(おまけ追記)

まだ記憶にも新しい2018年秋期に全13話のテレビシリーズが放送された『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(以下、『青ブタ』)
テレビシリーズの中では紐解かれなかった主人公、梓川咲太の胸の傷の謎と咲太の初恋の相手、牧之原翔子の秘密を軸に描かれるシリーズの完結篇となる89分の劇場作品
「思春期症候群」と呼ばれる不可思議現象を発端に描かれるSF青春ドラマです
基本的にテレビシリーズ全話で張られていた全伏線の全回収でありつつ、尺の都合であらすじ等も全てカットした上で矢継ぎ早に展開が進んでいくのでテレビシリーズを最初から最後まで把握していないとさっぱり着いていけないと思います


3年前、小学4年生の牧之原翔子ちゃんは将来のスケジュールという学校の課題を書けずに思い悩んでいた…
実は翔子ちゃんは心臓移植を受けないと治らない病に侵されており、中学の卒業を待たずしてこの世を去る運命にあるのだという
3年後の12月8日、花楓の人格と記憶が元に戻る騒動が落ち着いた梓川家に来訪者が現れる
それは梓川咲太の初恋の人であり、咲太に心の支えが必要なここぞという時に現れる大人の姿をした牧之原翔子さんだった
無理矢理に梓川家に居候する翔子さんと、それを良しとしない現・彼女の桜島麻衣さんの間で火花が散る
そんな修羅場も落ち着かないまま、咲太は病院で中学生の姿の牧之原翔子ちゃんと出くわす
翔子ちゃんから幼い頃から入退院を繰り返している事や心臓移植に関する話を打ち明けてもらった咲太は、翔子ちゃんと翔子さんが同時に存在するのは翔子ちゃんの未来への不安が起こした「思春期症候群」の一種だとして解決策を模索する
やがて翔子さんは移植手術を成功させた未来からやってきた事、そしてその心臓は咲太の心臓である事が明かされていく
翔子ちゃんを救う為、咲太は自分の命を捧げるべきなのか困惑する…


テレビシリーズのレビュでも書きましたが、このシリーズは【ゼロ年代ヲタク文学の総決算】です
○○の“パクリ”と見下すことは簡単なのですが、その一言では片付けられない高尚な、ヲタク文学への愛とリスペクト、そしてSFへの昇華が込められてる作品だと思うのです
その上で今作では2010年前後に隆盛を極めた作品の要素も補完する方向にシフトしています
具体的にオイラが思い浮かべたのは『Angel Beats!』『CLANNAD』『STEINS;GATE』『アスラクライン』辺りです


また、主題に“生命の選択”や“人は何の為に生きていくのか”という普遍的な内容を孕んでいる為、今後新たに世に出てくるであろう無数の作品達と今作を比較してみるのも面白いと感じました
つい昨日も『響けユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』(「がんばったね」のくだりについて)や『ミュウツーの逆襲』や『トイストーリー4』や『ニノ国』(生命の選択や自己犠牲を美化するか否か)に絡めて『青ブタ』の方が上手く纏められてるのでは?とか、そんな話ばっかをぽ~か~さん達と話してましたw
アニメだと自己犠牲って美談として描かれがちですが、冷静に考えて17歳の少年が自分の命を捧げる、なんて事が良い話なわけがない
クライマックスまで観ていただければお解りの通り、今作は自己犠牲を否定する作品なんです


もちろん本編の全体の出来栄えがとにかく素晴らしい
ざっくり言って“お涙頂戴モノ”ですのでハッキリと苦手な人の方が多い内容だとは思います
でも面白くなかったらオイラだって計11回も劇場に足を運びませんからねw
人生で一番多くリピートした映画になりましたよ
テレビシリーズから順当に考えると今作は“翔子のお当番回”と考えたくなりますが、これまでもヒロイン達を救う為に必死になってきた咲太が、遂には翔子の為に自らの命を捧げなければいけない、とまでに追い詰められます
そしてこの絶体絶命の咲太の助けとなるのがテレビシリーズで咲太に助けられたヒロイン1人1人だというのがアツい
この辺のくだりは涙を誘う展開と熱量を感じる展開が交互に繰り返されて非常に滾るものがあります
そして広い意味で今作をもってしてシリーズ全体の“咲太の物語”に一区切りが着くことに気付くと思います
咲太を演じた石川界人さんは今作を持ってして完結とするのが一番幕引きに相応しいのでは?と、今後続篇があるとは思っていないようです


それにしてもこれほどの内容を89分に纏め上げた横谷さんの脚本力、それをテレビシリーズ終了から僅か5ヶ月弱で実現した増井監督率いるスタッフの手腕、そしてキャストによる渾身の演技、どれも大変素晴らしいです
先日、スタッフトークショーに参加してきましたが89分という尺は予算の都合上の絶対条件だったそうです、本当にお疲れ様でした
逆に濃密に内容が詰まったテンポ感こそ『青ブタ』だと思うのでこの選択は結果的に正解だと思いますb
最近、アニメ映画にタレントキャストは必要なのか?という話題を度々目にしますが、逆に考えればプロ声優の底力を感じる映画こそがこの『青ブタ』なんだとも思いますね
それにテレビシリーズからこんなにも早期に映画化の企画が為されたにも関わらず、キチンとした作品を完成させたことは本当に賞賛されるべきことだと感じます
完成が遅れて延期に次ぐ延期とか、そもそも企画された枠の中に納まらずお蔵入りとか、完成したものが極端に低クオリティ…とかいう作品も蔓延っているのが現代のアニメ業界の現実ですからね


唯一失敗と言える事を強いて挙げるのであれば、テレビシリーズ放送前から映画化が決まってたので作品人気の度合いが計り知れず、ファーストランの上映館が経ったの31館しか稼げなかった事でしょうか
おかげで連日満員、入場特典はおろかパンフすら瞬殺
あんなバズり方をするアニメ映画は至極久々です


ところで『青ブタ』の場合、テレビシリーズから一貫していた内容を短い尺に詰め込むことや、音を減らしてセリフを聴かせる、といった演出類が“映画だから”と奇をてらわずに実行されてるのが褒め称えたい
特にエンドロールでいつも通りのエンディングテーマ『不可思議のカルテ』で締め括るというのが感無量


オイラの一番お気に入りのシーケンスは12月31日の晩、ICUの前で寝てしまう咲太がこれまでの全ての出来事が走馬灯のように振り返えられていくフラッシュバックで時間が巻き戻る様を表現したカットですね
あの場面に合わせて作った、というfox capture planのBGMのピアノリバースがバッチリとハマっているのが気持ち良いです


正直いまは何の映画やアニメを観ても『青ブタ』との対比になってしまうwという我ながらメンドクサイ状態に陥っていますw
それほど今作を心の底から好きになれているのです
とにかくいま言いたいことを要約すると、今作に携わった全ての人達に
「ありがとう」
「がんばったね」
「大好き」
を伝えたい
これに尽きると思います


はなまる頂けましたかな?w


【おまけで追記】
双葉の髪型がポニーテールとナチュラルロングが日によって変わっていることに気付いた方もいると思います
何か法則があるのかと思い、テレビシリーズ含め"双葉の髪型のみ"を注視して鑑賞した結果を報告します
ずばり日付の末尾が奇数か偶数かで交代してることに気付きました!
…なんだそれだけかって?
基本的に日付の末尾が奇数だとナチュラルロング、偶数だとポニーテールになってました
これはテレビシリーズ8話で2人の双葉が融合した後の9月1日以降、両方の双葉がお互いを尊重し合っている、というメタファーなのでは?と受け取ってます
もちろん髪型以外の性格描写には変化は見受けられません
ちなみに映画劇中で咲太が「大人の梅ソーダ」を呑んだ際に一度リセットされ、奇数日がポニーテール、偶数日がナチュラルロングになってます
その後の大晦日から年明けに掛けて再リセットが起こり、ラストシークエンスの1月6日、つまり偶数日にはポニーテールに戻っています
何が言いたいのかって?
どっちも可愛いので両方交互に出て来てお得感凄い!制作スタッフGJ!って話がしたいだけですよw


【備忘録】
新宿バルト9で5回、川崎チネチッタLIVE ZOUNDで1回、川崎チネチッタ5番スクリーンで1回、ユナイテッドシネマアクアシティお台場で2回、EJアニメシアター新宿で2回、下北沢トリウッドで1回、立川シネマシティ シネマツーcスタ極上音響上映で1回
合計13回劇場で観て名実共に最も映画館でリピートしてる映画です
スタッフトークショーの増井監督、キャラデの田村さん、木田Pのサイン色紙持ってます

投稿 : 2024/03/16
♥ : 31

E=mc² さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「ありがとう」 「頑張ったね」 「大好き」 を大切にして生きていく

期待しかない!!

めちゃくちゃ楽しみにしてた作品、やっと見ることができました。
真っ先に出てきた言葉は「原作読んでてよかった…」
尺とストーリー上仕方ないのかもしれないが、ざっと小説2巻分を1時間半に収めているので兎にも角にも時系列を追うのが大変すぎる。
その中でも上手くまとめられてはいたと思うが、鑑賞前でも後でも良いので原作を読むことを強くお勧めします。
後作画が放送時に比べてちょっとお粗末な感じで、若干声優さんが声を忘れてる?(今までとは空気が違うので仕方がない?)といった感じです。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 10
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初日舞台挨拶にも行ってきました

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶に行ってきました~・~・~・~・~

第一希望の上映後舞台挨拶は落ちて
上映前舞台挨拶に行ってきました

上映前ということはつまり
これから見る人に向けたメッセージですから
原則ネタバレ無しということです

本当はネタバレありで面白い裏話をたくさん聞ける
上映後舞台挨拶の方が好きなのですが
まだ観ていない大多数の方にも
ネタバレなしでトークの内容をお伝えできる点は
いいかもしれませんね

原作は現在読んでいる途中で
まだ劇場版相当部分に辿り着いていませんが
映画の内容は原作の6巻と7巻にあたるようです
TVシリーズは
1巻バニーガール先輩
2巻プチデビル後輩
3巻ロジカルウィッチ
4巻シスコンアイドル
5巻おるすばん妹
までを中心に
最終話で6のエピソードを少し添える形で
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
という題名で放送していましたが

今回の劇場版は
6巻ゆめみる少女
7巻ハツコイ少女
の二つを
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
というタイトルでアニメ化しています

1~5巻がそれぞれ
麻衣、朋絵、理央、のどか、かえでの話なので
舞台挨拶に行くまではゆめみる少女という題名から
翔子がメインの話だと思っていました
しかし舞台挨拶でこれから見る人たちに向けて監督から出た言葉は
「TVシリーズはそれぞれの女の子達の話でしたが
劇場版は咲太の話です」
というもの
そして実際翔子が重要な役割を担って入るものの
咲太が自身に起きている思春期症候群を解決するため奔走する話であり
TVシリーズで少しずつ蒔いてきた伏線を
がっつり回収する構成になっています

したがってTV版見てないよ!という方は
これを観る前にTV版を見てくるか
原作小説を5巻まで読む必要があります

逆にTV版を観たのであれば
ぜひ劇場版もセットで見るべきだと思います
TV版とは独立したエピソードというよりは
TV版の完結編とでも言うべき作品なので
(原作はそこで完結せずにそのまま続いていますが)
これを見ることでTV版の評価も変わるんじゃないかと思います

一般公開前ということもあり
内容に関してのより突っ込んだ話は控えることにして
一般公開後に原作読了状態で
再び劇場に足を運ぶ予定なので
そのあとでまたレビューしようと思います

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ無し)

{netabare}監督:増井壮一

4日前まで今日が何曜日かもわからないような
忙しい生活を続けていた
ふらふらと入ったコンビニで
ちょうど青ブタコラボをやっていて
コラボ商品をぼんやり眺めながら思ったのは
「へぇ・・・青ブタ映画やるんだなぁ」

あんたがボロボロ二なりながら作ってるやつだよ!

梓川咲太役:石川界人

作品の見どころを聞かれて

「人間の限界を越えようと頑張ったけど
実際には全然できてなかった
あれは山寺宏一さんにしかできないやつだと思う」

簡単に説明するとテンションの違う二人の掛け合いを
一人芝居でこなさなきゃいけないシーンがあるんですね
実際には無理だったということなので
おそらく2度に分けて録ったのだと思います

彼は山ちゃんにしか無理と言っていましたが
君嘘フィナーレにおける朗読劇では花江夏樹が
公生と黒猫の一人芝居を見事に生で演じきっていましたよ?(・x・;

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

水瀬「アフレコがだいたい・・・2月くらいだったと思うんですけど」
瀬戸「あれ?3月じゃなかった」
石川「いや4月だったような気も・・・」
瀬戸「それはないよ!4月じゃ昨日じゃん!」

いや・・・昨日ではないと思うよ?
というかそこはそんなに掘り下げ必要かなw?

牧之原翔子役:水瀬いのり

事前情報の無いサプライズ登壇でした
水瀬「この後でみんながツィッターとかにあげて
私のファンが悔しがるやつですよ(にやにや)」
石川「でも、絶対欠かせない役だし、水瀬さんのイベントスケジュール確認して、サプライズ目当てでここにきてるファンもいるかもしれませんよ?」
水瀬「・・・」
司会「今日水瀬さんが来るのを予想してここに来た人っていますか?」
ぱらぱらと手が上がったのを見て、心の底から嫌そうに
水瀬「怖っ!!」

ファンにそういう態度とってるとまた換金所のババァって言われちゃうよw

思春期症候群の話になって
それぞれどんな思春期を送っていたかという質問になりました

監督:増井壮一

「高校の時は勉強とか全然してなかった
数学の二階建ての公式が覚えられなくて
こんなもの覚えて俺の将来に何の役に立つのか?
と先生に訊いたけど
『とにかく覚えろ!』しか言わないから
それ以来勉強するのをやめた」

まぁ勉強なんかしなくてもほかの手段で食べていけるなら
それはそれでいいと思いますねw

梓川咲太役:石川界人

石川「高校生くらいの頃は・・・周りに誰もいませんでしたね」
司会「それはぼっちというやつでは?」
石川「人の傷をえぐらないでください(悲)」
石川「まぁ・・・人間が嫌いでしたからね・・・」

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

瀬戸「高校に入って知り合いが全然いない環境になったのをきっかけに
いわゆる高校デビューってやつで
クールな一匹狼キャラになろうと思った
そういうのがカッコいいと思ってた
でも入ってすぐにクラスの子に話しかけられて
すぐ仲良くなって部活とかにも入って
全然そういう感じにならなかったw」
石川「( ゚д゚)<・・・」

一匹狼がカッコいいとか言い出した時は
石川君のフォローしてあげるのかな?
とか思ったんですが最終的には
石川君のぼっちぶりが際立つ方向にw

牧之原翔子役:水瀬いのり

水瀬「高校生くらいの頃は
大人のどこがえらいのか?
ちょっと30㎝くらい大きいだけで
なんでそんなに偉そうなのか?
オーデションに行っても
お前ら私を評価するとか何様のつもりだよ!?
って思ってました」
瀬戸「評価してもらうために自分からオーディションにきて
評価されたくないって矛盾してますねw」
水瀬「ほんとその通りですよね
まぁそれでたくさん炎上したりもしました・・・」
瀬戸「自分からほじくり返さないでいいからw」

どうやら炎上の件を多少は気にしている模様w
{/netabare}

~・~・~・~・~公開記念舞台挨拶にも行ってきました~・~・~・~・~

原作をしっかり読んだうえで初日舞台挨拶に行き
その翌日に3回目をあにこれメンバーといってきました

これでもかというくらいぎゅうぎゅうに詰め込んだ作品なので
原作からはいろいろ削られてる部分があったり
地の分の説明が無くなってわかりにくくなっているところがあったり
原作で補完してから見た方がより引き込まれる作品でした

実際初見のときより原作読んでから見た2回目の方が
一人一人の細かい心情まではっきりとわかって倍くらい泣けた
というか上映時間の半分くらい泣いてた気がします(つдT)

おまけ:舞台挨拶雑感(ネタバレ込み)

{netabare}司会(天津向)

どうも!司会のムカイオサムでーす

へー・・・天津の向って下の名前おさむだったんだね
とか思ってたら

梓川咲太役:石川界人

石川「どうも梓川咲太役の向井理です」
向「それさっきダダ滑りだったから!
  傷口に塩塗り込まないで!
  大体やったらバカウケだよって煽ったの君らでしょ!」
石川「いやー・・・面白かったですよね?」

観客に同意を求めるもまばらな拍手

向「義理の拍手すら最低限じゃん!」
瀬戸「そろそろ挨拶してもいいかしら?」
向・石川「…」

初日の映画のヒットの話になって

石川「僕いつもエゴサしてるんですけど・・・」
周りがみんなかわいそうな目で見るのを受けて
石川「エゴサ位したっていいだろぉぉぉ」
周り「・・・」
石川「エゴサして全部のツイート読むようにしてるんですけど
  #青ブタがトレンド入りして
  読んでも読んでも読み切れなくなってる
  嬉しい悲鳴」
水瀬「皆さんこれ終わった後タグ付けてつぶやけば
  もれなく石川さんに読んでもらえますよ!」

たぶん客層的にいのすけに読んでほしいオタクの方が多いと思うんだw

桜島麻衣役:瀬戸麻沙美

「初日舞台挨拶ももう4回目
朝から初日舞台挨拶してきましたが
ようやく初日なんだなぁって実感がわいてきました!」

いやもう夕方だよ!
これ最後の舞台挨拶だよ!
初日の上映終わっちゃうよ!

牧之原翔子役:水瀬いのり

「最初にタイトルを聞いたときに受けたイメージとは全然違ってすごく素敵な話だった
みんなが自分を犠牲にしてでも誰かを救いたいっていう
すごく優しい世界だった」

青ブタは本当にタイトルで損してる作品だと思う・・・

古賀 朋絵役:東山奈央

「キグルミの咲太はどういうつもりで飛び込んだのかすごく気になってます
結果的にはとってもいい結末を迎えたわけだけど
ああいう風になるって事前にはわからなかったわけじゃないですか
私の考えでは咲太はあの時代の咲太を助けて死んで
自分の心臓を翔子ちゃんにあげて
麻衣さん含めた全員を助けるつもりだったんじゃないか?
って思ってます」

なるほど・・・確かにあの結末は結果論で
最悪はねられた方の咲太に収束して
何一つ解決しない可能性もあったわけだなぁ

さすがインテリ声優目の付け所が違う!

双葉理央役:種﨑敦美

(見どころを聞かれて)
「全部が見どころ
見どころが思いつかないんじゃなくて
見どころしかないんです
私もう3回見てるんですけど
見るたびにどんどん序盤の何でもないようなシーンが好きになっていって
後半のいろんなシーンも含めて
全部が見どころだと思ってます」
・・・というようなことを
たどたどしく断片的に
あの独特の話し方でしゃべっていました
しかしそれだけ引っ張っても最後には
「踏切で最後に理央が小声で感情を吐き出すところ」
と無理やり見どころを吐かされていましたw{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 30

78.7 8 恋愛アニメランキング8位
五等分の花嫁∬(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (472)
1988人が棚に入れました
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。林間学校での様々なイベントを通し、さらに信頼が深まった風太郎と五つ子たち。そして今度こそ、五つ子たちの赤点回避をすべく家庭教師業に邁進しようとした矢先にトラブルが続出。さらに風太郎の初恋の相手である“写真の子"が現れ・・・!?風太郎と五つ子の新たな試験が幕を開ける──!!

声優・キャラクター
松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

中野家に行こう!!

原作未読

こっちのGOTO分は中断せず完結までやる気ですね。放送終了後に「続編制作決定!」です。
五つ子のキャストが豪華だといっとき話題になったマガジン発ラブコメの第2期。続きもんです。

 うえすぎくん

といえば五つ子よりも双子を真っ先に思い浮かべる世代の私。少なくともサンデーではやらなさそうなアクロバティックな設定といいますか正統または王道にはなれない飛び道具みたいな作品の位置づけかと思います。一人に対して恋敵が多すぎるのです。
そんな飛び道具らしい尖りを魅力と捉える向きがある一方で、多くは“ラブ”に期待できないまま、1期の電波ソング『五等分の気持ち』や豪華キャスト&ハーレム司令塔松岡さんに見られるキャラ先行作品と嫌がって離れた方も多かったのではないかと思います。1期終わって自分はややネガティブ寄りでした。そんな入りからの2期でしたがややポジティブ寄りでいったん完走です。なぜか?

“強み”を自覚したからではないかと思います。
ひとつは“キャラ”。画が安定したことで声優陣おんぶに抱っこから脱却をはかれたと思います。
二つめは“花嫁レース”が始まったこと。各馬紹介の1期から発走した2期だったと言えましょう。

嫌な言い方すると「ラブゲーム」or「ラブストーリー」に期待できないし、大きな流れで捉えると矛盾だらけになるから、刹那のキャラの輝き(かわいい、良きセリフ)に頼るしかないのです。そのポイントが底上げされた感じ。そこにもう一つのスパイスをかけます。射幸心を煽る本作の売り

 誰が花嫁になるの?

競馬ファンは事前情報でも楽しめますが、素人は発走してからが本番です。
ケアすべきところをケアすることで作品としてきゅっと締まったといってもいいでしょう。ポジショニングの鬼イニエスタ加入で変わったヴィッセル神戸みたいなもんです。ラブコメリーグの最高峰サンデー(仮想バルセロナ)だろうが極東リーグ的なマガジン/ジャンプ(仮想ヴィッセル)であろうが要所を抑えれば試合になるってことです、、、たぶん。
ちなみに自分は五人ともOKです。裏を返せば誰でも良いとの鬼畜回答。
{netabare}1位③ドベ①が模範解答かもしれませんが、逆張りでなく良し悪しトータルで五十歩百歩な気がします。③は意思疎通に難がありすれ違いが頻繁に起こりそう。いざ付き合って壁が取れたら豹変する未来が見えます。逆に①をフォローすると母親死亡時の⑤を見て“姉”を演じざるを得なくなるなど調整役と言い聞かせてきた半生から転じて、それでも賭けに出るほどの自分の意志を示そうとした勇気はなかなかできるものではないと思います。{/netabare}
{netabare}それでもキャラ描写が分散しちゃって、各々好きになる理由が希薄だったり♂が朴念仁なのもあって男女間のやり取りの妙は皆無でございました。{/netabare}


なおラブストーリーに期待できない理由は1期レビューにて。基本評価は変わらずです。

 物語性に蓋をするからこそ成立する

少なくとも登場人物の気持ちに寄り添ったり心情を重ねるなんてことはありませんよね?
なんだかんだ乗り切れない理由も挙げておきます。以下敬称略

{netabare}⑤なんですけど大好きなお母さんの職業(教師)を目指すは良いとしてそんな家庭環境だったらもう少し成績マシだと思います。揃いも揃ってという作品の根幹部分が不思議でなりません。{/netabare}
そもそも通う学校や居住場所も同じ。年齢も同じ。顔は一緒だと言いながらそこはさすがに差をつけてはいたものの化学反応させるための素材が似たり寄ったりなため、“性格”と“声”に我々の意識が集中せざるを得ないのです。

もったいないとは感じません。求められてる役割はこなしていると感じる佳作でした。
続編視聴は微妙です。



※ネタバレ所感

■フォルテッシモ!?

2期のタイトル。パッと見た感じ2期を表す記号は単なる“Ⅱ”とは違います。音楽用語でいう“フォルテッシモ”かと思いましたが積分記号“インテグラル”って見方もあるようですね。

{netabare}賞レースの鍵を握る少女レナの正体が⓸だと確定し、先行①②③に⓸が入ってくる終盤の流れでした。前者は消えた感あります。思えばどんな時でも姉妹優先で動いてきたことで他4人からの祝福を最も受けやすい存在になってたりします。{/netabare}
{netabare}でもそれミスリードなんじゃないかしら。⑤が捨てがたい。そこで“ff”、伊語はラテン系です。
レナは“RENA”“LENA”ってことになるわけでラテン語系で“LE”は“ル”と読みます。すなわちレナ=ルナ(月)。①にとって刹那の七並べが大事な思い出だったこと同様に、フータローにとってのレナとのクライマックスエピソード部分を担っていたのが実は⑤のレナでした、なんてことがあったら面白いかも。1期第1話しょっぱなは⑤から始まったしあとあと納得しそうです。{/netabare}

完結作品の予想なんて意味ないでしょうが私マンガ読んでないのでこの点まだまだ楽しめそう。


■みかたを変えれば…

前述“性格”と“声”で差をつけるしかない制約大な本作品。
実際良し悪しでして、インパクトありそうなことを思いつきでやってるような進行のためお世辞にも物語としてOKかは微妙なんです。
ただ頑張ってるなと個人的に思ってるとこもあって、、、
三角関係つまり3~4以上プレイヤー増やすほどにパズルは精緻さを求められるわけです。せいぜい2:3か3:3が限界値で本作のように1:5なんて土台無理。あまり踏み込まず俗に言う“ハーレム”でお茶を濁す以外ないのに、これけっこう踏み込んでるんですよね。
たぶん描き始めて作者は後悔したんじゃないかしら。敢闘賞を送りたい作品でもあります。



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ視聴

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2021.03.31 初稿
2022.02.10 修正

投稿 : 2024/03/16
♥ : 35
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かわいさは5乗。シナリオは5等。

2期なので1期を視聴してからご覧ください。
シナリオとか設定は結構酷いが、キャラクターは本当に可愛くて良いですね!
どの子も強い部分と弱い部分があって、一生懸命やっているのに、夢も勉強も恋愛も一筋縄ではいかないところが、魅力的に感じます。
想いの強さに比例して、うまくいかない時のつらさも増大するのでしょうね。

1期は作画が度々崩壊していたが、かなり改善されましたね。

1期から疑問に思っていることだが、五つ子の髪の色はアニメだから分けてるんだろうけど、少なくとも髪型と髪飾りはみんな違うし口調も違うのに、何故それでも見分けつかないのか? 風呂上りで髪をおろしているわけでもあるまいに。

五つ子ネタが異常に多いのはこの作品の個性としてまあいいが、ふうたろうは人をバカだバカだと言う割に、バカの一つ覚えみたいなくどい言い回しを多用するのは何故なのか?
例えば、長女は・・・だがバカだ。次女は・・・だがバカだ・・・。三女は・・・だがバカだ。と5人分繰り返す。
五つ子の長女・・・、五つ子の次女・・・・。などわざわざ同じ言い回しを繰り返すくどさが気になる。

かなり展開が急であまりシナリオについては丁寧に作っている印象はない。
原作は読んでないのでわからないが、無理やり1クールに収めたかもしれないですね。
いくらタイトルが五等分だからと言って、シナリオまで5等にするのはやめていただきたい。どうせならシナリオでも1等を目指してください。

シナリオはあまり良くないが、キャラクターの可愛さはその欠点をカバーして有り余る魅力がある。

ちなみに私はミク推しだったが、ニノもかなり好きになった。
色々と文句はあるが、みんな可愛かったので満足。

3期も制作されるようなので、今度こそ1等をとれるようなシナリオを期待したい。

3話について
{netabare}
5年前のレナのエピソードを聞いて号泣するニノの様子からニノは思い出の女の子ではないようですね。これでニノだったらすごいな。

それから、ボートの時に「私はもう二度と会えないから」と言っていました。
このシーンはこの時のレナが過去の女の子と同一人物なのかそうじゃないのかで意味は変わってくる。

同一人物なら、過去の私に縛られないで今の自分を見てというメッセージともとれるし、違う子を応援したいから自分は身を引くという意味かも、違う子ということなら、思い出の女の子に気持ちが行ってしまうのを防ぐために妨害工作に出たのかもしれませんが、それなら結構ドロドロしてますね。

この時、五つ子それぞれのことをコメントした後、レナは照れた感じでした。
つまり正体は、照れるようなコメントをされたキャラでしょうか?
長女、根気だけはある、次女は今はよくわからない、三女は近頃は生き生きしていて安心している、四女はやる気もあってたよりになる、五女は本当はやれるやつだこのままじゃ勿体ないというコメントをしている。
照れるコメントはどれかって考えたら、三~五女の誰かか?

ただ、思い出の彼女と、この時のレナが同一人物だとは限らないどころか、違う人物の可能性のほうが高いと見ています。
なんでかと言うと、五つ子で見分けつかない、小さい時の想いでの彼女。
この設定でなりすましとか入れ替わりネタをやらないわけがないからです。

ただ、思い出の彼女もこの時のレナも、どっちにしろニノではないようですね。ニノだったら色々とおかしいでしょう。

{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 32
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんて読むんだ?長S二つ

五つ子ラブコメの続編です。
慣れたせいかもしれませんが、今回はインパクトを感じませんでした。
それにコメ要素が減り、ラブバトルの様相が顕著になってきたような。
{netabare}でもまあ、ラストは和解してハッピーハッピー。{/netabare}

それはともかく、2期もまた私的五つ子ランキングです。

目立ってたのは圧倒的に一花です。
{netabare}策略を巡らせ、逆に墓穴を掘るなんて。{/netabare}
だから評価は急降下、五位です。

二乃もねえ。
気が強くて、我がままで、ちょっとついていけません。
よって、四位です。

今回もっとも不遇だったのは、五月でしょう。
目立たないし、登場回数も少ないし。
消極的な理由から、三位です。

株を上げたのは四葉です。
姉妹想いで、どんなときも明るいし、気づかいもできる。
一位でもいいけど、三玖には勝てず二位です。

やっぱり、なんてったって三玖です。
想いの強さは一番。
純粋で真っすぐな三玖が優勝です。

えっと、まだやるきですか?
もう、三玖でいいじゃないですか?
異論は認めません。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 20

82.9 9 恋愛アニメランキング9位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (561)
1841人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!

街路灯 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

志倉千代丸氏の観点からの考察

タイムリープもの。タイムリープといえば「シュタインズ・ゲート」シリーズが押しも押されもせぬ金字塔。その作者であった志倉千代丸氏の才能やいかばかりか、と思ったものであるが、その後の氏の活躍としては、もちろん全て網羅しているわけではないが、あまりにあまりにシュタゲの印象が強すぎて、あまりぱっとしない印象である。「この世の果てで恋を唄う少女」は、シュタゲのそれこそデジャヴュのようなシーンが多くみられ、展開が唐突すぎて最後はついていけなかったし、「ISLAND」は、作画こそ綺麗だったものの、前半と後半の差が激しすぎてこれも同印象。最近でいえば、「賢者の弟子・・」であるが、これは音楽だけの参加か?まぁ、こういうポップな軽い音楽も作れるのね、というところの印象しかなく、ちょっと残念な気がしていたが、さてこの「サマータイムレンダ」では、久々に重厚感・重層感のあるストーリー展開が期待できそうである。考えてみれば、複数の世界線、という発想はストーリー展開の自由でが高く、作り手にとっては便利な手法なのかもしれないが、きちんと伏線を回収していく仕組みを作らないと、展開が拡散して収拾がつかなくなる(視聴者がついていけなくなる)リスクがあるので、いずれにしてもこれからに期待です。終わってみて、「やはりシュタゲは偉大だったなぁ、という感想もそれはそれでアリではありますが、それ以上のものを期待したいです。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 3
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

最終話 視聴の仕方を間違えた気がします。追記 あれ?Dアニに???

 HDD録画が出来ない環境なのでTVerで視聴。1週間しか見られないのでちょっと細かくメモを入れます。あの配信サイトなのでウーン、という感じです。2クールと教えていただいたので、もう1つ独占があるので、6月と9月(7月と10月?)だけ加入かなあ。

 なお、アニメの作品として非常にレベルが高い作画ですが、少年ジャンプということでSF的な深さはそこそこの気がします。構造は非常にテンプレですし。この私の偏見を裏切って欲しいところです。

1話 複製人間の正体は?

視聴メモ
{netabare} レンダの意味がRENDERなのかレンダリングなのか。レンダーなら与える報いる返す。元の意味は形作るという意味です。レンダリングなら3DCGを画面処理するプロセスで良く聞きますね。数字データを画像化すること、でしょうか。

 冒頭のシーン スマホの時刻11;07 Sunday July 22 そして葬儀に帰って来たというセリフの時の日時が7月22日

 通常の視覚から金髪の娘に何かされるとノイズが入りました。手を当てられた前後でVR世界に入る、時間か空間が入れ替わっているなどが起っているのでしょうか。夢から目ざめますので、不連続な何かを感じます。
 プレゼントとは画面の感じから言ってオッドアイですから目の事?なんでしょうねえ。何かを見る力なのか。

 知っている人が知っている人ではない感じですから、人の入れ替わりものでしょうね。寄生獣みたいなものを連想します。

 OPの感じ…巴紋が出ますので神社が関係する。3つ巴なので3人同じ人がいるということ?影とか再生という文字もありました。人のコピーとか再生みたいな絵だったので、やはりそれを裏付けます。2周目3周目という文字とタイムテーブルがあるので、これが謎解きと関係するんでしょうね。

OP文字>>
 〇ルコ様、雁切真砂人、学校4年、島の…成り立ち、天沼矛、天沼、…呂島、紙垂彦、那由他、ハイネ、千代、正子
6;00 品川 新幹線乗る→8;36新大阪着 10;05和歌山着 南海…13;00

7月22日(日)は2周目?11;25、11;18 …フェリーで失礼…
1周目が7月21日?
漁、…ヶ島沖…、木材、…炭…、…漁師
影 ピカー、コピーA
影、コピーA、人間A 右上に首を絞めて殺しているような絵

1945(終戦時?)、髪、和歌山

21;00 南雲先生 境内へ 3周目 ループ 4周目へ

 主人公が銃で自殺するようなシーン。ループを確かめるために何かするんでしょうね。

 主人公 10年前に両親を亡くしコフネ家に引き取られる。
 ウシオの死体はちゃんとある。子供の頃の写真。島を出る日にカレーを食べたがる。葬式が神道。三巴紋だがちょっと違う?ウシオは潮。

 しおりちゃんは目の表現から言ってこの時点で偽物?

 あのおっぱいのお姉さんは何かの組織感がすごいですね。ミオちゃんがいきなり2人ですか。

 この時点で偽物っぽいミオとテンガロンハットの警官(駐在さん)が合う。ああ他殺ですねえ。吉川線というのは自分でつけた引っかき傷なので、誰かに首絞められた跡もある?シオリちゃん溺れる助けに飛び込む。
 貝殻のネックレスは何か個人を特定するギミックになりそう。ミオは殺した奴とはっきり言う。

 7月23日 主人公の偽物もいるみたいだし、行方不明に警官のチッですね。ミオの偽物にやられた?もう入れ替わりが随分進んでいるんでしょう。小早川家全員消えた。借金。しおりちゃんそっくりな女の子、見られている気がする。

 影の病。ヒルコ様…が影への対抗?矛が関係する?神社が対抗手段?
 お姉ちゃんの偽物。で、画面にノイズのようなものがあるので光学的な何かが仕掛けということ?

 やっぱり神社でましたね。そしておっぱいのお姉さんが…最後の演出からいってタイムリープかVRということでしょうか。冒頭のプレゼントの意味ですね。ウシオからもらった能力?あの迷路状の文様が何を意味するか。古代なのか迷い路なのか。{/netabare}

 仕掛けそのものはテンプレですけど、SFでそれを言ってはお終いです。論理性で見せるか、驚きポイントを作るのか。組み合わせでセンスオブワンダーとなるのか。楽しみな1作です。


2話 影 メモ

{netabare} 記憶は残る。スマホは同じく22日11:18。後ろ姿の男の作画はちょっと気になる…けど考えすぎな気も。

沼男 南雲竜之介 画面の文書を読む限り扼殺された男の小説らしい。絞殺と扼殺云々という文章からウシオにつながる?作中は2週間遡って7月10日なので7月24日の話?「鷺森」「親水」公園。電車の作画があるので、やはりタイムテーブルもの?
 これをわざわざ作画したということは何か関係がある?

OPはざっと見ると先週と変わらず。

 ミオちゃん突っ込んでくるのは一緒。ブレーキ切れてる。(先週の作画見たいけど…)、同じことの繰り返し。目の奥がチカチカする。ミオが警官を?つまり他人でも影は他人でも殺してOKのルールらしい。
 カレー喰ってるのが7時50分くらい。ストロボ状態のモノは…なるほど警官の姿形を移す手続きらしい。つまり光学的な処理ということ。
 消去したあとにあとが残る?記憶もコピーできる。思っていたより単純なルールだけど、タイムリープの主体は関係ない?俯瞰…タイムリープ。やっぱりウシオに何か能力を貰った?ソウからの電話でばれる。
 タイムリープのポイントが船内ではなく港到着時になる。

 刺された記憶と意識が残る。いや、あの自転車事故は大けがだろう。死なないの分かっているのに…

 眼鏡のお姉さんの通信。13:02 新大阪 取材0720は日付?
警官に働きかけ。嘘の通報。録画。
眼の色が違うことにここで気が付く。
キャミとタオルの色も位置も一緒の気がする。ただ、この作画が丁寧だしなんども見せるのはなぜ?
 録画は成功。影の話はミオから聞いたけど、「影の病」って1回目でもうちょっと後に爺さんに教えてもらったのでは?

 結果として小説の中身と、洗濯機の上のキャミソールが気になりました。{/netabare}

3話 忌中に夏祭り?大丈夫か?思ったより浅い??

{netabare}23日の8:10にコバマート 影で消される 床を殴った跡 シオリの後ろに大きな影。
俺は影の病に感染した?ストロボ状の光をあびると??影の病の定義は???影の人格というか性格とコピーであることは関係ないということ??
トツムラはもとのまま。
ウシオのスマホ…預かる。
明日(11月24日)夏祭り
ソウ 合言葉 山 メソポタミア文明 
ポスターなおしたのはなぜ?演出?
ミオからシンペイにネックレス渡す。

11月24日 ソウ、トキコ、ミオ、シンスケで夏祭り
調べたい事…忘れてくれ?

 なお、まだ死んで間もないのに、夏祭りで霊が戻ってくるみたいな話はないと思うけど。そもそも喪中…というか49日前の忌中で祭りに出ていいのか?というか親しい幼馴染とか姉とか死んだのに綿あめ喰って笑ってるのってどうなの???そういえば定食屋もやっているし…

 恋愛にしても、そもそもウシオとの関係どうなのよ?人の心理描写が不自然というか甘すぎる?

 パズルだけなんでしょうか?考察するのに値するんですよね? {/netabare}


4話 やっぱりウシオは死んでいたんですね。

 忌中云々の問題がありますがそれをさておいて、ウシオが死んで葬式をやって直ぐに祭りに出て告白するでしょうか。特に若い身内の事故死ですから、普通は喪失感で立ち上がれないと思うんですけど。

 それとパズルが複雑なのはいいんですけど、終盤に新しい設定が明らかになって設定で解決、にはならないですよね?進撃の〇人みたいに。
 新事実ならまあ許せますけど、新しい設定を後半に付け加えないでいただきたい。シラケますので。ちゃんと伏線を見せておくように、それだけはお願いします。

メモ

{netabare}  で、影の他に複製がいる、ということですよね。それがOPの文字でしょうか。影とコピー、オリジナル含めて3人いるということでしょう。そしてタイムリープ(ループ)。
 生きているウシオが何なのか、というのがパズルでしたね。貝殻のネックレスと記憶。

  このあたりはOP映像からいって隠す気はないみたいですね。問題は1話冒頭のシーンになりそうですね。あれはいつ、どこで、なんのウシオなのか。

 影はデジタルノイズのようなエフェクトが入ります。そしてウシオの影は以前には存在したのは振り返りの場面でありました。
 今登場しているウシオは影ではないのは確定です。
 
 オリジナルかコピーということですね。1話冒頭のセリフの記憶がありません。ウシオの登場の仕方からいってどうもオリジナルの雰囲気ですが、ただ、時間軸的に水着のまま何日か飛んでますので保護されていたか、やはりコピーじゃないと辻褄があいません。新しい後付け設定が出てこない限りコピーと思っていたほうがいいでしょう。
 1話冒頭は、本来存在してはいけないコピーが海に帰る場面でしょうか。つまり海でコピーは作られるという感じですね。コピーウシオが自分の真実に気が付いてシンスケに何かを教えて飛び込んで海に帰っていった?つまり最後の方までたどり着いた時間軸が以前あったということの気がします。

お母さんという敵ですが、神社は敵(影)なのか味方(コピー)なのか。

 小説の南雲龍之介という小説家の名前が出てくるのが2回目です。絞殺と扼殺云々という文章が何か関連するんだと思いますが、もちろんウシオの死因でしょうねえ。どうつながるんでしょうか。 {/netabare}


5話 ひぐらしの鳴く頃にのリメイク?マルチエンディングは難しいですが。

{netabare}  南雲龍之介はそうきましたか。これは驚きました。性別と名前を捩じりましたか。そしてあの赤い光の「母」までなら設定として許容しましょう。目の秘密がありますからね。

 でも、あとはキャラとしてあの老人と医者が何者か、南雲の姉とは。そしてウシオの影…あるいはコピーがどういう存在か、ですね。
 設定では神社の設定ですね。何より影の設定の説明にまだまだ何か追加されるか、どうか。

 これから設定がまだ小出しになるんでしょうか。2クールだとしてもキャラと設定過多になりそうです。もし謎解きものならそろそろ謎の考察に集中させてほしいかなあ。

 これ以上キャラと設定を重ねられると飽きてきます。考察の意味がなくなりますので。まあまだ5話なのでいいですけど、影の力を早めに見せられてしまったので、神秘性とかドキドキ感がここで一気に減ります。正直思ってたよりも謎の深さが足りない感じがしてきました。

 ですので、ここからの展開が勝負でしょう。どこに面白さが見いだせるか。

「ひぐらしのなく頃に」を思い出しますね。ディテールは違ってもマインドは似ています。本作はひぐらしに非常に影響を受けている気がします。あれもキャラが小出しで出てきますが、ゲームのマルチエンディングをアニメ化できた非常に秀逸な例です。あれは「ヒトコワ(人怖)」でしたし、敵の正体が最後まで見えなかったのが良かったので、影を先に見せた場合はどうなるんでしょうか。

 次回は軌道共鳴ですか。タイムループする間に事象が干渉して新しい何かが起きる的なことなんでしょうね。それがウシオのコピー?分かりませんけど。 {/netabare}

追記 あーなるほど、舞台と雰囲気、設定はひぐらしのなく頃に、話はシュタインズゲートという感じでしょうか。もちろん本筋となる謎に意外性があればいいですけど、意外性は奇抜さではないです。ウシオが世界線を動かす感じ?SFの類似性は否定しませんし、有りだと思いますが、仕掛けにセンスオブワンダーがあるか、ですね。今のところちょっと心配になってきました。


6話 影のボスが出た後なので、何に注目すればいい?巨乳の主張は何のため?。

{netabare}  一旦影のボス的なのが出てきているので謎の持ち方がどこにあるのか。あのボスを出さないようにするのがゴールイメージ?となるとやっぱりひぐらしかなあ、という感じです。

 小説家の南方…ひづると言ってましたね。過去龍之介という人物に何かあったようですが。
 そして吉川線の定義は誤解がないみたいですけど、索状痕等が無いのに吉川線だけつくんですかね?司法解剖してないなら怪しいのは医者一択じゃんと思ってたらやっぱり怪しそう…にみせて実は…って感じでしょうか。この辺ちょっと気になります。

 あとヘラヘラ笑っている神主。ああいうキャラは闇墜ちが定番ですから多分…だと思いますけどどうでしょう。

 それにしても南雲先生の巨乳が気になります。なんであの服?巨乳を誇ってる?でそして逆さまになるのは影対策?そして最後の推論が牽強付会じゃないことを願います。来週この辺りの謎解きで本作の方向性が見えてくるんでしょうか。 {/netabare}


7話 視聴は継続します。が、シュタゲとかひぐらしと一緒で考えてもしょうがないですね。本作のレビューは…休みます。

{netabare} 基本的に考察の組み立てではなさそうですね。タイムテーブルとか人の動きや出来事を組み合わせて、回避策を考えて解くみたいな展開になったら見る気もするんですけど…この辺やっぱりシュタゲ+ひぐらしですね。
 頭使わないでミステリーホラーの雰囲気を大人しく見ているほうが良さそうな気がしてきました。{/netabare}


9話 ウシオに注目すると面白い話になりそう。

 レビュー休むといいましたが、ちょっとだけ。9話に至るまでウシオが取って付けたような感じで「キャラ」ではなく「設定」にしか見えませんでした。が、この9話でウシオに焦点が当たり出しました。これが良かったです。ウシオの内面が描かれる構成になると物語的に悲しい話になる心配はありますけど、面白そうですね。2クールかあ…感情移入しすぎると最後は泣くかなあ。

 影のボスの能力は示唆されていましたので、これは展開に期待がもてそうです。 



10話 古事記の国造りかあ…妄想したくなるなあ。刑事の不自然なフェードアウトはなに?

{netabare} TVerで視聴中、刑事が警察手帳だしたあと非常に不自然なフェードアウトがありましたが、あれは何?セリフをぶった切った?


 10話で仕掛けが明示されましね。古事記かあ。OPに矛(ほこ)みたいな絵がありました。ヒルコ様ってイザナギイザナミの子供でヒルみたいな恰好だったらしいですね。ヒルコ様=蛭子様ですね。これって日都ケ島が、古事記の国造りのオノゴロ島と関係があるっていうか明示ですね。もうここまで露骨に見せると。

 また、神さまはいろいろくっついたりしますので、エビス様ってヒルコ様と同じってことになってます。オオクニヌシ=大黒様の子供と言うことで、この辺、古事記との関係は民間で流布されているうちに、一緒になってますけど。

 つまり、日都ケ島は古事記の国造りのオノゴロ島のことで、影の親玉=ヒルコ様なのか、ヒルコ様をコピーしたのが影の親玉なのか、影の親玉と対立するのがヒルコ様なのかわかりませんが、舞台の仕掛けとして日本の国造り神話がモチーフということですね。

 これは1話とOP見たら読めたなあ…うまく煙に巻かれました。なかなか面白いストーリ-展開です。


ここから先は妄想です。
 日都ですから、ヒトですね。ヒトの歴史の始まりまで話が行くのか、ヒトガシマはなんとなく鬼が島の対比みたいに見えます。瀬戸内海は桃太郎伝説です。最近だと香川県の島だと言われてますが、以前は岡山でした。当然和歌山にも桃太郎の話はあります。串本でしたっけ?

 ヒンズーの神である恵比須様、古事記のヒルコ様とオノゴロ島、そして考えすぎかもしれませんが、ヒトヶ島と対立する桃太郎の鬼が島?{/netabare}


20話 思っていたよりスケールが小さいし、タイムリープと設定でいろいろ見せられているだけだなあ。

{netabare} 結局タイムリープ…タイムループと設定で、あとはパズル…それも事柄を見せられているだけですし。

 作画とスク水ヒロインが出ずっぱりなのは、すごいとは思います。冒頭数話の期待感も大したものです。ただなあ、話のスケールがこじんまりしていて300年前とか言われてもなあ…宇宙隕石かあ…

 南雲先生の小説というのもあんまり生きてこないし、人間ドラマにテーマ性があるわけでもないし。歴史ミステリーでもなかったし。想像したより頭使わない系で、そうですね、12話くらいから飽きてきて後は惰性でした。

 一応最終回は確認しますけど、想像よりも5分の1くらいの面白さでした。やっぱりストーリー系って、期が終わってからレビューした方がいいのかもしれません。本作は徒労感が…{/netabare}



最終話 20話以降はまとめて見ました。本作の視聴の仕方を間違えた気がします。

 本作の見方は、人物がどう動くか、を見てワクワクするのが楽しいのでしょうね。あまり裏に意味性とか壮大な歴史とか考えないのが正解でしょう。伏線らしきものを考察する努力はやめて、単純に人物を追う。それが正解だと思います。
 なぜ、瀬戸内海和歌山なのか、南雲先生の小説の中身、ヒルコと大黒天の歴史的つながり。釘=鉄と7と言う数字の歴史的意味性、冒頭のシーンにトリックがあるのでは、などというものを脇において、死んでは戻り、工夫して戦って、死ぬ。その展開を楽しめばいいのでしょう。

 私はその点で間違えました。キャラはヒロインと南雲先生、シデが強烈で後はかすんでしまいますが、全体的にキャラ造形は出来ていたと思います。その意味では作品の作りもいいのでしょう。

 ただ、25話ありますので、見方を変えて再視聴は、ディズニーの契約をどこまで続けるかによりますけど。

 ということで低評価はつけ辛いですね。まあ、OPとか初めの数話の雰囲気と演出から、ミスリードされた気もするので作品のせいと言えなくはないですけど、結果的に正しい見方をしていなかった気がするので、第1印象の評価は3.1でしたけど、物語は評価できずの意味で3点、キャラは作画とヒロインで4点をつけておきます。一応観終わったにしますが、断念と紙一重くらいの視聴後感です。

 作画がいいのは認めるところですが、24話後半の作画というか画面の雰囲気、良かったですね。あそこの作画は線の感じが良かったと思います。


追記 いつのまにDアニに…うーん。まちがってディズニーの年間に入ってしまった私の立場は?まあ、スターウォーズとか3Dアニメとかあるのでいいんですけど。


 

投稿 : 2024/03/16
♥ : 21
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイムリープ連打

原作未読 全25話

離島を舞台に、都会に上京していた主人公が幼馴染の死をきっかけに離島を訪れ、色々な疑念が出てきます。離島に伝わる「影」の存在、失踪していく島民たち、その真相を追って解決していくお話です。

残酷で悲しいお話で、最初は絶望と恐怖しかありません。何かのホラー映画を観ているような気分になりました。
{netabare}
影、怖かったですね〜 無表情に人を殺すところ、最初の村祭りで村人がどんどん殺されていくところは絶望的でした。
{/netabare}
タイムリープを繰り返して次第に光明を見出していくのですが、敵もなかなか曲者、簡単に光を届ける展開にはなりません。
{netabare}
シデはなかなか尻尾を出さなかったですね。ハイネとの話はおぞましかったです。
{/netabare}
最後はHappyEndで終わりますが、少し切なさが残るお話でした。
{netabare}
結局、あのタイムリープや激闘の記憶は慎平の心の中にわずかに残っているだけで、他の人には分かち合えないのは少し寂しい感じがしましたね。
{/netabare}
最後までドキドキハラハラするお話でしたね。2クールと長いですが、しっかり最後まで描いています。オススメです^^

OP は亜咲花さん、EDはcadode さんが歌っています。

最後に、福岡にも有名な能古島(福岡内で有名)や離島ではありませんが志賀島に久しぶりに行ってみたいですね。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 18

66.7 10 恋愛アニメランキング10位
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (334)
1080人が棚に入れました
「君は真の仲間ではない──」最前線での戦いについていけなくなってしまった英雄・レッドは、仲間の賢者に戦⼒外を⾔い渡され勇者のパーティーから追い出されてしまう。「──はぁ、あんときは⾟かったなぁ」レッドが抜けた事で賢者達が⼤パニックになってるとは露知らず、当の本⼈は辺境の地で薬草屋を開業しようとワクワクした気分で過ごしていたのだが・・・・・・「私もこのお店で働いていいかな︖住み込みで︕」突如かつての仲間であるお姫様が⾃宅まで訪ねてきて!?"のんびり楽しい薬屋経営"、"お転婆姫とのイチャイチャ⽣活"、報われなかった英雄による素晴らしき第2の⼈⽣がはじまる︕

声優・キャラクター
鈴木崚汰、高尾奏音、大空直美、雨宮天、八代拓
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

なろうの弱点。構成ができないから最終回が「転」になってしまう。

最終話まで見て。なろう系の小説原作でいつも思うのですが、連載ものの難しさで小説として構成が厳しいです。
 本作は妹の勇者が合流してからの展開が見たいところです。したがって、通常の作劇法なら12話までの部分を半分以下…できれば3話くらいに圧縮して勇者である妹のキャラと並行して、何かを描けばと思わなくはないです。
 勇者のシーンが無い訳じゃないですけど、結局、描いているのは勇者TUEEE、眼鏡くん無能くらいですからね。なろうの見せ方として工夫がある方だとは思いますが、しかし、それでも冗長感は否めません。

 逆になろう連載時なら細かく積み重ねが読者にあるので、感情移入もできるしキャラも謎も機能するでしょう。そこがなろう原作をアニメ1クールにするときの最大の弱点かなあという気がします。

 と、いうのも12話までは平凡ではありますが見られるレベルでした。過去の経緯や能力が説明的ご都合主義すぎるので高い評価はできませんけどヒロインは可愛いです。そして13話は気になる展開がありましたよ?つまり、起承転結の転の頭くらいの部分、つまり中間点が13話にある感じです。

 この作品の「原作」の真価は恐らくこれからなのでしょう。が、残念ながら私が見たのはアニメであり、13話以降を知ることが出来ません。なので12話までは低めの評価です。13話である程度うまくまとめた点と今後の期待感がある点を踏まえて評価すると平均3点…に最終話の妹勇者の設定の良さをで加点して3.1点くらいかなあ。


以下 12話の感想です。

{netabare} 12話です。スローライフじゃねー、という裏切りは予想できたような、出来なかったような…まあ、どちらでもいいかなあ、という程度のお話ですね。13話があるんですかね。

 正義マンなんですよね。主人公が。こういう強くていい人…うーん。異世界ものの弱点の一つ、ですよね。主人公のキャラ造形。まあ、日常系の性格造形もテンプレ化しているので、必ずしも類型化はネガティブだけではないんですけど、まったり癒しではなく恋愛や裏切りなど人の内面が肝心なストーリーですから、ちょっとこの主人公だと厳しいでしょうね。

 あとは、なんですか、12話の作画。なんか機械的な文明のところとか…手抜き?初めの数話はそれなりに見られただけに、もうちょっとなんとかなったのでは?という感じです。

 評価としては、つまらない。アニメの出来としても見るべきところはありません。{/netabare}


以下 異世界日常系についてです。

 本作でちょっと思ったことなんですけど、我々は日常系、たとえば「けいおん」「ゆるキャン△」をどうみているかです。
 私は女子たちがキャッキャうふふしているのを外から眺めるのがいいと思ってたんですけど、本作を見ているうちに、仲間になりたいというニーズがひょっとしたらあるのかもしれないと思いました。

 で、現代日本が舞台だった場合、男、特におじさんが女子たちの日常に入ろうと思うとこれは無理があります。自分自身をそこに置いてしまうと、願望を満たしてくれる反面、素の自分では本当は仲間になれないという現実を突きつけられます。
 本作では転生してませんが、本作の主人公のように若くて、容姿もそこそこ、みんなが頼る能力と実績かがあれば、女性たちの日常の仲間に入れます。

 で、仲間になりたいという願望については、同性としてか、異性としてか。
 同性なら孤独を癒してくれるということなのかもしれません。異性として仲間になりたい場合、性的な欲求を満たしたいという願望なのか、草食系のラッキースケベ的な世界なのか。これはラブコメとしてのチューニングの問題になります。
 本作の場合は2人で生活してるのに、今のところやってないですよね。性行為というものあれはあれでいろんなストレスがありますので、日常系ではそれもノイズなのかもしれません。
まあ今後の展開ですが草食系からの純愛でしょうね。ハーレムに行くか…まあ行くでしょうけど。

 主人公の立ち位置です。実は昔強かったけど、理由があって一般人として韜晦しながら大人しく暮らしている…スポコンとかヤンキーであるパターンですね。実力がある=劣等感がない、だけど苦労しないし皆から承認される。承認ということはスクールカーストのポジションの問題かもしれません。パリピになりたい願望でしょうか。

 いやパリピではないですね。追放というストレスがわざわざ入るのは、本当の自分を分かってくれる人だけが周囲に集まるという舞台設定なのでしょう。これも一つの承認欲求ですよね。つまりカッコつけてイエーイとやるのも陰キャの我々からすると面倒なわけです。素のままの好きな事をしている自分を承認してくれる人が集まればいいと。

 薬屋がやけに多いのはポーションとかFF的なアイテムとして扱いやすいのもあるでしょうが、魔法の代替=万能、人を助ける、唯一性等いろんな要素があるでしょう。魔法以外で未開な文明の中で突出した存在になるにはちょうどいい職業なのでしょう。悪い言い方をすると無知な住民にマウントが取れます。ひょっとしたら小売業は楽だ、という変な誤解があるのかもしれません。

 これで平穏×ラッキースケベ的ハーレム×好きな事で暮らせる×承認という世界が生まれました。
 つまり、精神性としては、日常系もラブコメもスポコンその他の話も本質的には異世界と変わらないということでしょう。

 こうやって考えると、異世界かそうでないかという区分けは実は意味がない気がしてきました。特になろうの異世界ものはデータベース的に共通認識があるので、投稿主が設定を考えなくてもいいので、気軽に小説にできるということでしょう。
 つまり、異世界とはマインクラフトとかRPGツクールとかと同様のフォーマットであるという事だと思います。なろう型の異世界とはプラットフォームということです。難しいことを考えなくていいですよ。自分の好きな世界を気軽に表現してみましょう、と。だから、類似性や模倣がなろう小説では問題にならないのだと思います。
 で、題名が説明的なのと、タグやあらすじが重要なのは、なろう異世界は好み願望を仮想で楽しむ小説なので、読むまで内容がわからないのでは意味がないということですね。


 本作の内容はこんな感じではないでしょうか。裏切ったもの後悔や懺悔があれば最高ですね。復讐にはしないと思います。それをやると日常系ではなくなりますから。
 つまり、このチューニングに会えば面白いし、私の場合は日常系で仲間になりたいと思わないので、薬屋系が苦手なんだと思います。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 18

イムラ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

タイトル見てやめようかと思ったけど9話まで見ました。で、やめました

<2021/10/6 初投稿>
原作知らんです。
見始めなので評点はデフォルトの3.0

この手のいかにもなろうなタイトルはタイトル見ただけでやめようかと思うんですが、それでも念のため3分は見てみようと思って、3分見てサヨナラするのが慣例になってます。

いつも通り3分見ました。

あれ?
なんか引き込まれるような気がしないでもない。

どうなんだろ?

オレ強えだし、拗らせてる感はあるし
でも、何か惹かれる
奥ゆかしさ?

なんだろうな?

よくわかんないです。

というわけで数話見ます。

<2021/11/19 追記>
7話まで見ました。
ここまでは
「いちゃいちゃいちゃいちゃちょっと不穏いちゃいちゃいちゃこらちょっと不穏いちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃこらいちゃいちゃちょい不穏?いちゃいちゃいちゃこら・・・(以下、略)」

感想としては
・加護という設定がちょっと面白いかも
・でもヒロインがそんなに可愛く見えないなー
・演出がちょっとなんというかぎこちない?お話がスッと頭に入ってこないところあり(100万の命より入ってきづらい)
・そういえば町(村)や社会、敵(悪魔?)や勇者、英雄の設定もなかなか馴染めない。いっそゲームの世界と言ってもらった方がまだ理解できそう。
・ウゲウゲさんが気になる

やっぱりよくわかんないなー

なのでもうしばらく見てみます。
評点付けられるのは全部見終えてからになりそう。

<2021/12/2 追記>
9話まで見ました。
最後まで見ようかと思ってましたが無理でした。
ここで断念。

原作に難があるのか、アニメの作りの問題なのか。
それとも私の感性の問題なのか。
話が進んでも設定もキャラもストーリーも頭に上手く入ってきませんでした。

無条件で良かったのはOP曲とED曲
2曲とも穏やかで統一された世界観を感じさせる良曲でした。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 23

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

困ったな・・・。

一応、通して全話視聴したんだですが、あまり印象に残った点が無く・・・。

ああ、いつもの某アベマなTVで一気見の機会がありましてw。


無いなら、酷評になってしまいそうなので、何も書かないという方がいいような気もするのですが・・・。

材料は良かったような気がするのですが、
料理の仕方が、もう少し良ければ・・・。
加護に捕らわれた勇者を含めての登場人物の悲喜交々をもう少し上手にピックアップできれば・・・。

主人公レッドとリットのラブラブ路線が・・・目障り。
最終盤でルーティの加護に捕らわれていた哀しみを際立たせるための伏線(材料)としては、見せつけ度合いが長すぎます。
何故かあまり、背中がくすぐったくなる様な事もなく、冷めた目で観ていました(私自身の感性の問題かもしれません)

物語のたたみ方ももう少し・・・。
ちょっと最終盤、雑な印象を受けてしまいました。

作画も普通・・・か、ちょい下くらい。
主要キャラクターはそこそこなのですが、他になるとちょっと差が出てきますねぇ。

キャラクタも中途半端で、魅力に欠けた気がしました。
コレも「好みじゃないの?」と言われたらそれまでなのですが、一番印象に残ったのが中盤以降に登場したティセというアサシンの女の子かなぁ。
ルーティも苦悩が氷解していく過程のあたりは最初の目つきの悪い、こええ感じからのギャップがはっきりとしていて印象に残ったかなぁ。
って感じくらいで、どうにも・・・。


私にしては、珍しいくらいの酷評回になってしまったかもしれません。
甘々査定の自分としては珍しいと自分でも思っています。
虫の居所でも悪かったかなぁ。

まぁ、ホントに、料理次第では面白くなりそうな要素は持っていると思うので、少々、残念でした。
スローライフっていうポイントも私の思ったのと違っていた感があったのかもしれません。

機会がありましたら、ご覧になってご判断くださいませ。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 20

72.5 11 恋愛アニメランキング11位
薬屋のひとりごと(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (169)
921人が棚に入れました
大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

21話 突然のラブコメ回でした。あと数話かな?

1クール目総括。キャラは良いですが話全体でみるとどうなんでしょう?

{netabare}  1クール目総括。かなり面白い作品だと思いますが、どうも物足りない作品です。さすがに26話じゃないですよね?話的にも24話の半分で折り返しなのでしょう。毎週日曜日の朝の楽しみにするくらいに出来が良かったと思います。

 キャラとしての猫猫が壬氏込みで面白い話かと思います。推理については実は初めからあまり期待していなかったのでそこは逆にまあまあ雰囲気を作っていたのではないでしょうか?
 残念なのは後宮や花街という場所での政治やヒューマンドラマがもっとドロドロした一貫性のある事件があるのかと思っていたので、そこが物足りなかったです。
 下手をすると学園の派閥ものみたいなちょっと緊張感がないストーリーになっちゃったかも。そこが肩ひじ張らずに楽しめた点でもあるんでしょうけど。

 本作で同じ原作でもスタッフで面白さがこんなに変わるのか、という気付きがありました。脚本なのか絵コンテなのか演出なのか、それが全部なのかわかりませんが。4話が出色の出来で次いで10話です。この2話は本当にアニメとしての出来が良かった。
 逆に11話12話の気が抜けてたかなあ…12話の横顔の作画も安っぽかったし。宴会のシーンと最後の方は良かったですけど。

 中間として評価すると、実は難しいです。キャラはいいと思います。人物の背景が見えてこないので満点はつけ辛いですが4.5。ですが話ですね。
 設定とエピソードは悪くないですが、一貫性があるストーリーが物足りない気がします。その点では4でも過大評価でしょう。3.5でいいですが、エピソードの出来で話は4…かな。ここが迷いどころです。一気に見たときの印象は今より悪い気もします。

 作画は、安定性にかけると言うべきか個性が出たと言うべきか…背景は悪くなかったですが、うーん、分からないので4にしておきます。

 音楽はOPの雰囲気が余りにストーリーに合ってなくてかえって面白かったです。猫猫が花になるのかな?と思ったらそんな気配もないですが、今後どうなるんでしょう?暫定で3.5。声優さんは猫猫良かったですので4。

 これって2クール目レビュー別建てになるのかな?わからないので「今観てる」ままにしておきます。 {/netabare}


以下 1クール目の視聴時レビューです。

3話 なぜこのビッグタイトルの作画がこのレベル?

{netabare} 疑問なのですが、本作のラノベ原作売り上げは1200万部で無職転生やオバロ、リゼロより上です。そして、コミカライズは2種類あって、700万部と500万部でやはり1200万部で、すべての合計2400万部です。

 そのアニメ化なのになぜこの水準のアニメ?3話一挙同時をやるレベルじゃないでしょう。もっとお金かけていいんじゃない?という作画レベルでした。これは本当に残念です。

 また、本作は2つ同時のコミカライズで、両方売れているという珍しい作品です。アニメ版は小説準拠なのかもしれませんが、展開や演出を見る限りスクエアエニックス版のねこクラゲ氏に近い印象です。そして私は興味があって両方ある程度読みましたが、ねこクラゲ氏の方が出来が良く面白いと思いましたので良いと思います。
 ただ、2話の部隊の食事で毒云々はどちらのマンガにも出てません。小説版は未読なのでそちらの話かもしれません。

 内容です。この作品、なんちゃって中華もので時代は判然としませんし、人間関係がフランクすぎて後宮内がちゃんと描かれているとも思えません。「後宮の烏」と同じと考えればいいと思います。

 世界観が判然としない、キャラ・エピソードありきなのは少女マンガ的で原作の日向夏氏の性別はWIKIに載ってませんが女性作家で間違いないと思います。

 ただ、エピソードとキャラありきではありますが、ぼんやりとストーリー性はある感じです。その行く末は気になる作品でです。
 ですが、出来でいえばストーリーよりもキャラで特にヒロインに注目すると面白いと思います。あの、長髪の男とのやり取りが面白いですが、胸キュン的なものはあまり感じない気がします。

 まあ、やはり言いたいのは、なぜこのビッグタイトルの作画がこのレベルなの?という疑問です。本当にアニメ業界の分からないところです。{/netabare}


4話 冒頭の毒見のシーンとか表情の変化とかの作画良かったです。

{netabare} 作画は過小評価だったかもしれません。前半の毒見のシーンの作画は良かったです。毒見ってそういう動きになるのかという説得力がありながらコミカルな感じがよかったです。
 として見ると何かに気が付いた時の表情とか瞬きとかが結構丁寧に作画されていました。食事のシーンを初め手の動きはとても素晴らしかったです。近年見たアニメではトップクラスの食事シーンでした。止め画が減ってよく動いていた気もしました。カメラワークもちょっと不思議なためがあるというか、動きがなんとも言えませんでした。

 ビッグコンテンツなので「無職転生」とか「鬼滅の刃」と並ぶ動きを期待していたのですが、考えてみれば話の内容からいってある程度止め画でも成り立ちます。

 それとヒロインの服の作画の複雑さ(線の数とか陰影)がイマイチ安っぽいなあと思ってましたが、皇帝とか妃はある程度の水準なので、猫猫のクルクルと表情を変えるところとかコミカルな動きのために単純化したのなら、キャラ萌えの作品なので、それはそれでいいかなあと思いました。

 話それ自体にテーマ的な深みはないけど、エピソードとキャラが面白い話です。1話完結のようでいて、つながりがある結構秀逸な作品だと思います。アニメのレベルが4話の水準なら、いい作品になる予感がします。


 なお、気になって作画の人調べたら「もああん」さんと言う方で「着せ替え人形」の8話の人でした。江ノ島の砂浜の独特な作画のシーンの有った回ですよね?なるほどなあ、と思いました。参加作品調べたらすごい作品ばかりでした。
 さすがだなあ、と思います。この人の作画なら納得です。


追記 演出と動きが素晴らしいです。それがシリアスさとコミカルさを両立しています。面白過ぎて何度でも見たくなります。4話だけ3回目見てしまいました。

 毒見のシーンとか食事のシーンも素晴らしいですが、手がちゃんと演技しているところとか、ビンタのシーンの迫力とかとにかく素晴らしい。テンポやカットもいい。これが今風のアニメの最高峰でしょう。

 やっぱりアニメはCGのモデリングではなくて、演出と動きです。それでこそ原作の良さが楽しめるというものです。本当に素晴らしいアニメの出来でした。{/netabare}



5話 アラを含めて広い心で見れば、かなり面白いので視聴継続ですね。

{netabare} 4話の出来が良く、本作全体を感情的に受け入れましたので、もう多少の欠点はOKになりました。となって本作を見ると、レベルは高いほうなのかなあという気がしてきました。背景の凝り方と料理などはいいですね。
 それと作業が多いせいか手の作画は1~5話通して良い気がします。ということで話は面白く見られるようになってきました。

 ついでなので、少々アラを指摘しておきます。まず、シューマイにグリンピースをのっけたのは横浜の崎陽軒が始まりです。それに松茸を喜んで食べる文化は日本以外にありませんし、そもそも大陸の松茸は土瓶蒸しで喜びが感じられるような品質ではないです。土瓶蒸しも日本起原でかなり近代に近づいてからです。多分細かく見て行けばいろいろあるのでしょう。

 ただし、です。これこそが本作は「なんちゃって中華」ものであり、考証をするのが無粋ということでもあるのでしょう。

 言葉がそもそも滅茶苦茶なのはもう完全に開き直っていますよね。本作は、大まかに時代的には明の前半、14世紀のイメージかなと思いますがそこを考えすぎるのはやめています。

 で、更に深読みすると、シューマイとか松茸のアラってワザとやってる?言葉はワザとですよね?それも考証ギャグなのかな?…うーん考えすぎかな?バズるのを狙ってなら、面白いですけどね。有名な食品に関する「あるある」なので…中華のテーブルが回るのもタンタンメンも日本が発祥というのと同じ感じ?

 ということで、視聴継続ということで、4話のようなサプライズが無い限り、レビューはこれくらいにします。
 本作は「アラ」も含めて猫猫のキャラと壬氏とのやり取り、妃のエロ綺麗なのを楽しめばいいのでしょう。


 そうそう猫猫といえば今週の声優さんの演技が前半完全にターニャでしたね。そんな感じでしたっけ?{/netabare}


6話 作画は止め画が多いお休み回ですね。内容も続き物の前半っぽい感じ。クレしん笑いが猫猫のキャラに合っているかも。

{netabare} 今週はアニメ作画的には止め画オンパレードの動かない回でした。良くはないですがシリーズ通じた予算もあるでしょう。続き物の話みたいなので来週力が入ってのことならいいのですが。

 それにしても猫猫の「クレヨンしんちゃん」笑い…いいですね。あれの発明すごいなあ、と思います。目を見せないで笑うという、クレしんの中では厳格に守られているルールです。
 ダーク(というよりブラック?)な感情を表すのにこんなにすごい表現って、ちょっと他に類例がないですよね。そしてこのクレしん笑い、猫猫のキャラに合っているかも。

 6話ということで、中間?でそろそろ分析的なレビューもと思ってさっきググったら2クールものらしいですね。ちょっと本筋的なものが見えないので文句を書こうかと思ったら2クールの構成なら良いと思います。別に尺伸ばしというわけでなくテンポは悪くないですので。

 なお、食物アレルギーの歴史とか、サバやフグの食の歴史も興味が出て調べました。面倒なので書きませんが。{/netabare}


7話 前半と後半で面白さが全然違った気がします。1クールの半分ということでちょっと総括です。

{netabare} まず、この7話ですが前半の説明臭いちょっと退屈な進行に比較して、後半の方が面白いし展開にメリハリがあった気がします。

 それはいいとして、7話ということで中間での総括です。結論から言って面白いです。
 猫猫のキャラと周囲の掛け合いが「コメディ」という点でなかなかのレベルです。そして、シリアスパートの各種陰謀も後宮という場のそれぞれの女性の立場が上手く機能して興味深い話になっていると思います。「毒」という猫猫の特異体質と頭の良さがそれを補完しています。

 で、作品全体をほんのりと貫いている「猫猫とはどういうキャラか」という謎ですね。これが今週動きそうな感じで終わりました。この引きも良かったですね。

 こうしてみると、コメディ、後宮(女性たちの悲喜こもごも)と陰謀、そして猫猫のキャラと謎が上手く絡み合って、見ごたえのある作品世界を作り上げています。
 ただ要素が沢山ある分、若干薄まっている点があるので、今後どこまで深くなって行くか、がポイントでしょう。
 もう未読の部分になっていますので今後が楽しみです。1、2話完結のエピソードでの進行でも面白いとはおもいますが、全体を貫く何かは残しておいてほしいなあ。

 それと、4話の演出と作画。もう1,2本やって貰えませんかね?あれは衝撃でした。そういえば、各話に結構、絵コンテ・演出とか作画のクセがそのままのこってる気がします。それも楽しみになっています。(ヤマノススメの4期はそれが見辛かったのですが、本作は毎話の楽しみになっています) {/netabare}


8話 美少女の入浴シーンなのにエロも色気を感じないのはキャラ造形の妙でしょう。

{netabare} シリアスとコメディの混ざり具合が絶妙なのと、猫猫の俺TUEEE的な博学と後宮のルール的なものに対する無知のギャップに萌える。そこに絡むラブコメ要素という面白さが、上手く出た回でした。
 美少女設定なのに入浴シーンがこれほどエロくもないし色気がない、ということは猫猫のキャラの作り方がかなりレベルが高いということだとも言えます。

 キャラのそれぞれの内面というか言動はやっぱりなろう的なテンプレ感からは逃れてないです。推理も時代考証もガバガバです。

 が、確かに面白いとはっきりと言える作品でしょう。いろんな要素の組み合わせの妙なので、どこが?と問われると困りますが、見て素直に面白いという作品なのは間違いないと思います。{/netabare}


9話 不思議な美術演出とMVの回。10話の予告の映像が良かったです。

{netabare}  面白さで言えば4話がピークかな?全体としてキャラ芸で面白さは保っていますが、冷静に考えると面白い回はあったものの、そう高いレベルのアニメ作品としては評価できないと思います…今のところは。
 猫猫のキャラと生い立ちにどれだけ深さがあるかが気になっているのに、そっちが進みません。

 で、8話に続いて9話も前半は少々退屈でした。で、後半の不思議なMVというか心象風景です。あの赤い小さな実が成っている木のCGは面白いですが、なんでしょうね?流れ的には毒があるんでしょうか。楽しめたかと言えば、アニメとしては変わった映像演出だなという興味くらいです。
 ただ、引っ掛かりはあったので、映像に何か気付きがあれば評価は変わるでしょう。もう1回、2回は見たい回でした。

 合わせて水に沈んでゆく女性は随分丁寧な描写でした。9話は話とか作画と言うより美術とエフェクトに妙に変な力が入った回でした。


 で、今回見るべきは10話の予告ですね。気のせいかもしれませんが作画がなかなか良くて演出も面白そうで、力が入っているのではないでしょうか。
 本作はこれ以降の話で、あと1、2回でも4話並みの演出とかその他面白い回があれば、秀作に入るかもしれません。10話はなんとなくそういう回になるのでは?と楽しみです。{/netabare}


10話 女子が美しい作画でした。演出もいいし面白かった。

{netabare} 予告編で楽しみにしてましたが、やっぱり面白かったです。いい演出なのが大きいと思いますが、作画が良かった。動きないですが、女性の作画滅茶苦茶美人だったと思います。顔の線がシャープでした?手の動きや液体を躊躇なく画面に入れていて、本作のアニメのレベルの高さを味わえました。

 本作のEDですが、キャスト声優の前に「脚本、演出、絵コンテ」の話・演出の主要3人がクレジットされます。たまにありますが、本作は明らかに「違いを楽しんでください」という意図が見て取れます。昔のオタク的な楽しみ方ができる非常に良いコンセプトではないかと思います。加えて、作画・美術も個性を重視している感じがします。

 「ヤマノススメ」4期でも似たようなコンセプトでしたが、キャラの同一性や一定の水準の演出を保ちながらやっている本作のレベルの高さがうかがえます。

 今年は「おにまい」の作画が際立って良かったですが「僕ヤバ」「インソムニア」「グイグイ」などラブコメを中心に作画レベルが急に上がった気がします。
 コロナが終わったからか、CGの使い方がこなれてきたからか、海外のアニメータの習熟度が上がったからかわかりません。が、アニメなので画面が進化するのはとてもいいですね。
 本作は話も面白いですが、演出と作画技術の違いを1話1話見比べると面白いと思います。


 なお、本の虫干しで直射日光に当てるのはいかがなものかと思います。なんちゃって中華であるというのは皆分かっていますので、歴史考証は必要ありませんが、さすがにそこは猫猫も出来るという侍女頭も間抜けに見えるので気を付けてほしいなあ。 {/netabare}


11話 脚本、演出、作画…あんまりよくない回でした。

{netabare}  今週は紙芝居みたいな止め絵ばっかりでした。演出も凡庸だし、面白みに欠ける回でした。それと、結末で「母の様だった」で一瞬里樹妃が?と思いましたが、彼女は先帝の妃だったことを思い出せば「ああ、そうでした」とわかりますけど。ちょっと視聴者に不親切な感じはしました。

 あと9話後半で亡くなった下女ですけど纏足で自分で壁を登れないんじゃなかったでしたっけ?それと壁を登ろうとして爪が云々というのがありました。覚悟の…だったら、そういう前提と合わない気もします。あの大げさなCGの演出はなんだったんでしょう?

 ただ、2クールなんですよね?こういう回もたまにはあるとは思います。が、せっかく人気があるのでがんばってクオリティを上げる方向でお願いします。 {/netabare}


2クール

15話 第2クールになってゴチャゴチャした話が続くなあ

{netabare}  11話で壬氏がどうやら皇帝と阿多妃の子どもではないかという思わせがあり、13話冒頭で皇帝とサシで飲んでいました。また、身体ががっちりしているという表現もあったので壬氏は宦官でないこともわかります。

 また12話ではっきり壬氏の猫猫に対する執着が描かれましたので、第2クールは壬氏にまつわる話と皇帝になって猫猫を妃にする話とかかなと思っていました。また、モノグラスの男が絡んできましたので、その妨害か猫猫の出生の秘密を知っていて、壬氏との間に障害があるとかそういう話かなと思っていました。

 簡単な考察で外れていても驚きませんが、壬氏、猫猫、モノグラスの3人あるいは皇帝と新登場の楼蘭妃と緑青館をめぐる話で、1本筋が通った話になりそうだと思っていました。

 が、なぜか第2クールはとっ散らかった話が3話続きました。うーん、1話1話は面白いからいいんですけどね。特に15話は面白い演出でした。オロオロオロも良かったですし(毒が効かない体質なら、薬も効くはずはないんですけどそこはご都合主義ということで)。しかし、特に15話はゴチャゴチャした話でした。何がしたいのかわからない話でした。

 最後まで見るつもりなのでいいんですけどね。もうちょっと何か幹が欲しいなあ…まあ、あのモノグラスの男が絡むのは間違いなさそうですけど…{/netabare}


16話 見たことがあるトリックですが保留。細かい話が続きますが何かはありそう。

{netabare}「すべてがFになる」のシリーズ作品「封印再度」のトリックにそっくりですねえ。本作はトリックがメインじゃないし誰がオリジナルかわからないので何も言いませんけど。金魚鉢もありきたりだし、兄弟もののが仲良くなる様遺言で工夫するのは沢山ありそうです。推理系の話は既視感だらけで出来は良くなかったです。

 あの3男の手の作画に染みがありましたし、医者を紹介していたので父親と同じく鉛中毒なのはわかります。祭具云々とは何でしょう。モノグラスの男がらみで何かありそうですね。

 まあ細かい話が続くよなという印象は変わりませんが、しかし、何かが動いている感じはあるので様子見ですね。{/netabare}


19話 現状では後出しジャンケンで伏線になっていない。もう1段の深さを期待します。

{netabare}  やけにとっ散らかった話が進むのと、壬氏の素性についての思わせは、薬草畑の女性が伏線だったということですか。悪くない構想だと思います。

 ただ、今見えている話をつなぐだけだと、単なる壬氏暗殺計画です。祭具の関係者だとわかる種まきがその時のエピソードでありましたっけ?キセルの時に何か目撃証言とか。見返してないので、今の印象だと全部が繋がっていたとしても、トリック上の工夫を後出しジャンケンしただけですので、まっとうな推理上の伏線とは呼べません。

 それだけ?という気がしなくものないので、何か深みが欲しいところです。更に言えば、前半1話目からつながる何か1本筋が通った後付けではない仕込みに驚きがあればと期待します。
 後半だけならまあ工夫したね、というレベル止まりでしょうね。モノグラスの男がどう絡むのか、あるいは新しい妃の登場が回収されていないのでそこなのかな?{/netabare}


20話 十戒違反で推理の体裁は放棄?となると最後に残るのは猫猫の狂気?

{netabare} ノックスの十戒という推理小説におけるルールがあります。ただし広く周知されていますが、あくまで個人の意見です。10個のルールがあるわけですが、その4番目に「未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない。」と言うのがあります。
 あと8番目の「探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない。」が2クール目のつながりに関しては感じるところです。見返してみると仕込みがあるかもしれませんが、どうなんでしょう。

 今週の薬もそうですが合金も同様ですね。あの熱で溶ける金属はねーよと思わなくはないですが、未知の金属として伏線で語っていますので、それほどアンフェアな感じはしない気もしますが…
 どうせなら、薬も以前のエピソードで実験の話を入れておけばよかったのにと思います。2クール目で死んだ人たちの祭祀祭具に関わる関連とかつながりがほのめかしでもあれば、ちゃんと推理になったのに…と思わなくはないです。

 それと壬氏の素性は伏線はずっとありました。モノグラムの男、新しい妃などは、それほど驚きはないですよね。話の本筋は宮廷の陰謀なのかもしれませんが、後付けで「実は…」と言われてもおも驚きはないのでどこに着目する作品なのでしょうか?

 キャラ萌えで終わってしまうのでしょうか。ですが、今週でキャラ萌えもちょっと放棄した感じです。最後に残るのは猫猫の狂気?{/netabare}


21話 突然のラブコメ回でした。

 紙のところで出てきた妹とか宮廷御用達とかが伏線に回るのか?とちょっと期待していたら、突然のラブコメ回でした。あと数話なのにいいのか?と思わなくはないですが、まあ、いつものクリフハンガーでしたので、一応の何かはあるのだと思って見ています。

 さて、1クール目の途中から原作マンガ未読なので、興味が持続している感じです。裏を返せば次週が楽しみになる水準で面白くできているんでしょう。
 ただ、2回目を見て伏線の出来栄えの確認や考察までやる気が出ないので、そこそこかな、という気がします。もし、原作を読んでいたらそこまで感じたかは微妙かもしれません。

 ということで、今時の2クール目は長く感じますが、少なくとも毎週欠かさず見てこられました。2期はほぼ間違いないと思いますが、制作のOLMのスケジュールが結構詰まっているようですので、10月以降でしょうか?世間は飽きやすいので気を付けてください。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 16
ネタバレ

大貧民 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今期覇権候補のもう一角。

原作は小説で、コミカライズ版は二種類ある、超人気作。
コミカライズをサンデうぇぶりで連載中の方を読んでいます。
地域の関係か先に視聴している人も多いようで、作画のクオリティが高くないという評価があってとても心配していたのですが、放送を見て安心。
漫画版よりも演出が一層密度が上がっているようで見応えがあります。

中華風で後宮が舞台。そしてミステリー物。「後宮の烏」に比べるとあちらはファンタジー色が強く、こちらはファンタジー性はほぼ皆無です。
主人公は薬師だが嗜好的な毒マニアで、廓育ちの為か根性も座っている。
なかなか主人公が人格的に面白くて魅力的に思えます。

猫猫と壬氏がポイントポイントで作画に力が入っており、男性ファン女性ファン共に押さえているように思います。
もちろん、架空の世界のファンタジーなのですが、風俗ファッションなどは唐代辺りをイメージしているそうですが、文化や技術的には16世紀、場合によってはストーリーの都合で19世紀のものも使っているとか。
今後出てくる(であろう){netabare} 銃 {/netabare}などは、当然、唐の時代には無い物です。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 2

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

女衒のヴェノムの成り上がり

女性向けオレツエーなろう。
小説と漫画2種合わせて合計2400万部ですって。

異世界を後宮にした女性向けオレツエー。イケメンになびかないこのオレで知識で権威に切り込むこのオレってないつものどうしてこうなった系やれやれ主人公の味変でしかないのにここまで売れる手腕はさすが。これが筆がうまいというやつか。各要素の落とし込みが抜群に上手く唐突感がない馴染ませかた。設定の勝利もあるが数多のなろう駄作群とは構成力が段違い。キャラも立ってるし展開でも魅せてくる。売れる作品はやはり両輪揃ってこそ。ジエンドさんはあまりイキってない普通っぽい曲のほうがいいですね。

04
SUGEEEEEEEEEE!ゴイスー!ゴイスー!

すさまじいなろう感。いや痛快とか爽快感と言うべきなのか。ここまで凄まじいイキリをやってなお人気なのがこの作品の凄いところ。ポーションは現実に照らすと犯罪になるので仕方ないにしてもMYGOみたいな中学生日記レベルで不快とかカフェテラス程度で暴力ヒロイン呼ばわりされてしまうアニメで、少女がパイセンにビンタしても不快ダーどころか好意的に称賛される。これが…筆の力というものか。

今や剣と魔法の異世界自体がハンデというかデメリットになりえるかと思えるが「フリーレン」や「誰が勇者を殺したか」なんかも現在売れてるのでそういうわけでもなさそう。可哀想要素を舞台側にして可哀想な人々を救うこのオレにすれば女性主人公の嫌味も消えるということなのか。女性キャラで無職やリゼロみたいな可哀想なオレにすると生々しくなるが売れる作品には可哀想要素は不可欠。美味しい要素を詰め込みながらもツギハギ感もなくシームレスに見せる手腕には素直に脱帽する。上手い。これは上手いわ。こういうやれやれしながら権威に認められていく成り上がりストーリーってよく考えたら以外と少ない。だから盾も人気なのか。

スカッとジャパンとか半沢直樹みたいなのが好きな人にはたまらんのでしょうね。そりゃあ売れるわ。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 3

73.7 12 恋愛アニメランキング12位
わたしの幸せな結婚(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (238)
739人が棚に入れました
この嫁入りは黄泉への誘いか、奇跡の幸運か―― 名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。 嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。 数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。 斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。 初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく――。 これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

【最終】「なろうが『純愛成分』多めで創ったら、こんなんになりました」

【レビューNo.86】((最終レビュー)初回登録:2023/9/26)
小説原作(なろう発の模様)で2023年作品。全12話。
元々新規アニメの中では一番期待していたので、どのタイミングでレビュー書
くかってところでしたが、終わってからだとテンション下がっているかもなの
で、先にポイントを整理しておこうかと。

(ストーリー)
この嫁入りは黄泉への誘いか、奇跡の幸運か―― 名家(斎森家)に生まれた美
世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。 嫁入りを命
じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。 数多
の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。 斬り
捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の
薄い美貌の男。 初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもでき
ず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく――。 これは、少
女があいされて幸せになるまでの物語。
(作品情報より)

(評 価)
・1-2話:ここまでは順調(期待以上)
 {netabare}・レベルの高い作画・所作の描写
  いやービックリする位作画が綺麗ですね。いきなりOPからこのレベルって
  感じだし、桜なんかは「京アニ?!」かと思わせる繊細で趣ある作画でし
  たし。あと美世の手先が水仕事でボロボロになっている辺りも細かいとこ
  ろまでこだわっているなっていう仕事ぶりですね。
  それに時代的(明治大正を思わせる架空の時代らしい)に形式ばった所作
  が多いのですが、そういう動作も本当に綺麗に描いているなっと。
 ・丁度良い斎森家での冷遇具合
  美世は異能の家系にあって「無能」であったこと、また再婚で生まれた異
  母の妹香耶が異能に目覚めたため、斎森家での立場を失い使用人以下の扱
  いで虐げられて育ったのですが、
  ・ここの描写が弱いと物語の説得力がなくなってしまう
  ・さりとて過剰表現すると逆に引いてしまう。
  ということで、その匙加減が難しかったと思いますが、個人的には美世に
  思い入れが出来て嫌悪感もギリ抱かずちょうどいいラインだったかなっと。
  この辺りも脚本がよかったように思います。
 ・ゆり江さん
  嫁入りした久堂家のお手伝いさんで、久堂家は当主の清霞とこのゆり江さ
  んの2人だけのようです。(ゆり江さんは住み込みではなく通い)
  このゆり江さんが早々に美世の味方についたのは、物語的に大きかったと
  思います。清霞がはじめは冷血漢で美世とギクシャクするのがわかってい
  たので、「この展開まだ続くの?!」はちょっとしんどいかなっと。
  ゆり江さんがいることで安心して物語を楽しめるようになりましたね。
  見た目の割に声が若い気もしますが、作品の鬱めいた暗い空気を考えると
  バランス的にこれ位がちょうどいいのかも。
 ・美世
  今までの境遇から仕方のないところですが、自己卑下が過ぎる点がちょっ
  と観ていて辛いですね。ただ2話終わりから好転の兆しがみられたので、少
  しづつでも上向きになってくればいいですね。
  正直現状維持で引っ張られるとちょっと辛い・・・{/netabare}

・今後の見所
 {netabare}シンデレラストーリーということで、コケようがない反面他の作品とどう差
 別化していくのかに注目ですね。
 ・清霞
  冷酷無慈悲の根底には今までの女性不信があるようで・・・
  とはいえ、この辺もテンプレ感がありどう差別化していくのか。
  清霞の心がどういうきっかけでどう動いていくのか、シナリオや演出の魅
  せ方に期待。
 ・異能
  正直「普通のピュアラブストーリー」だと思っていたので、「異能」とい
  う謎要素には驚かされましたね。異能については美世にも隠し玉があるよ
  うで、わざわざ物語にぶっ込んできてる点に注目ですね。
  ・物語を輝かせる最高のスパイスとして機能するのか
  ・ただ奇をてらった不発弾で終わるのか
 ・斎森家
  ・凋落してざまあ展開?!
  ・改心して美世との和解?!
  ある意味2人の結婚については、タイトルで結末がはっきりしているだけに、
  こういうところをどうみせるかが結構重要な気がしますね。
 ・幸次さん
  美世と想いあっていたのに無理やり妹香耶と政略結婚させられるなど、男の
  視聴者からすると放っておけない存在ですね(笑)。
  ・美世の結婚が上手くいくほど、嫉妬等に苛まれて「闇堕ち」するのか
  ・斎森家の凋落(するのか知らんけどw)に巻き込まれてしまうのか
  正直あんまりいいイメージが浮かばないので、救われてほしいのですが。

 事前情報から(始めは)地味で重い話になるだろうというのはあったのです
 が、制作陣が丁寧な仕事をしており、上手く魅せてるなという印象ですね。
 作画のことを考慮すると期待以上の滑り出しですかね。{/netabare}

・3-4話:う~ん、なんか思ってたのと違う
  {netabare}・久堂清霞はもう少し気難しい方で、ギクシャクしながらも2人の距離を縮め
  ていく3,4話かと思いきや・・・
  結局2話の「毒でも盛ったか」以降、距離が縮まるってレベルでなく、完璧
  な「王子様ぶり」ですやんw
  正直この変貌ぶりに何が何だか分からないのですが?!
 ・今までの金や権力目当ての婚約者が酷すぎたのか
  ・「冷酷無慈悲」の評判はなんだったのか?
  ・穿った見方をすれば、今までの婚約者とは違う美世にそんなに逃げられ
   たくないんかいって位の手のひら返し?!
   → 何が清霞の琴線に触れて、美世を愛おしく想ったのかがよく分から
     なかったのだが。
  何か女性作家さんの妄想「『理想の王子様』を描きたかっただけなんかい」
  って臭いがしてきましたね。
 ・結局不幸要素は「虐げられて育った」美世の「自己卑下が過ぎる性格」の
  問題で
  ・そこにつけ込むように、香耶や辰石家が暗躍。
   → 清霞様が「俺tueee」でスカッと展開!
    → 美世「私みたいな女がこんなに大事にされていいの?!」
  的な「結局『なろう』やったんかーい!!」で終わらないか心配になってき
  ましたね。
 ・「俺tueee」といえば、清霞に一方的に攻められ追い込まれていた「斎森家」
  も何なんやと。お前らも一応有力な名家じゃなかったんかい!

 「清霞×美世」の関係性が深まっていく過程(特に清霞が変わっていく心理描
  写)はもっと丁寧にやって欲しかったですね。
 とりあえず美世の「秘めたる異能」と幸次さん(「闇堕ち」展開ないかな?!)
 は気になるので継続視聴しますが、こういうところをしっかり魅せないと、本
 当に、美世のピンチに「俺tueee」を見せつける「清霞様劇場」で終わってしま
 いそうな・・・{/netabare}

・5話:(視聴前)「幸次さんかわいそう」→(5話視聴後)「こいつ単なる無能やん!」
 {netabare}・正直今回、幸次と香耶の評価が変わったかな。
  ・香耶
   後妻で入った香耶の母親が「斎森家」で認められるには、美世よりも自
   分の産んだ香耶が圧倒的に優れていることを証明しなければならない訳
   で、そんな母親の歪んだ欲望を一身に浴びて育ったのが香耶なのかなっ
   と。ある意味彼女も狂った一族の犠牲者の一人なのかも。
   結局彼女も親からの過剰な圧力から、美世を貶めることでしか自分を保
   てない、そんな生き方しか選べなかったという感じですかね。
  ・幸次
   ついにブチ切れて父親に異能バトルを挑むも一蹴、そして父親のセリフ
   「異能者としてロクに訓練もしていない未熟者が!」
   え―――どういうこと?!
   異能の家に生まれて「ロクに訓練していない」って意味がわからんのだ
   が・・・兄がいたから弟の幸次はあんまり期待されていなかったってこ
   となのか。今まで何をしてたんや?!
   これじゃ幸次さんだたのドラ息子じゃん!!!!
   しかもこんな無能を婿にもらう「斎森家」はそれでいいんか?!
   もう辰石家と繋がりができ、「種馬」として跡取りさえ作ってくれれば
   それでいいやって感じなんか?
   チャラい兄に代わり、辰石家ではそれなりに期待されてたのかと思いき
   や、異能も兄の方が随分格上のようだし、結局自分に力がなかったから、
   父親の操り人形になってたんか―い!!って感じですね。

  次回は美世を救い出す「清霞様劇場」でしょうか。
  もう清々しい位に辺り一面を「炎の海」と化してもらいたいものです。
  異能者としての格の違いを見せつけてやれば、幸次さんも美世のことも潔
  く諦めがつくでしょう。{/netabare}

・6話:「なろう」と頭を切り替えた方が楽しめそうだな
 {netabare}>次回は美世を救い出す「清霞様劇場」でしょうか
  さあ、ご期待の「清霞様劇場」の開幕です!
  ・チンタラ斎森家の門を叩いてるだけの幸次さんを下がらせると、問答無
   用で門の建屋ごと吹っ飛ばす。
  ・立ちふさがる「辰石×斎森」親父コンビとの異能バトルを一蹴。
  ・なおも追いすがる辰石親父の炎の攻撃にも微動だにすることなく、雷撃
   で撃沈。しかも「気絶する程度」だと手加減を見せる余裕ぶりです。
  ・そして香耶の戯言に耳を貸すことなく、一喝すると颯爽と美世を助け出
   す王子様演出。
  >もう清々しい位に辺り一面を「炎の海」と化してもらいたいものです。 
   ・(前回の期待通り)辺りは炎の海となりましたが、その原因が清霞様
    ではなく、まさかの辰石親父だったとは・・・
   ・清霞様にも「こんなとこで炎を使うとは、どこまでも愚かな!」と呆
    れられる始末ですが、これってこの機会に
    「どさくさに紛れて斎森家にダメージ与えとけ♡」
    っていう、辰石親父の陰謀論を私は主張したいですねwww

  >「幸次さんかわいそう」→(5話視聴後)「こいつ単なる無能やん!」
   ・で、幸次さんですが、
    ・己の力のなさを自覚し、美世の安全を最優先に(プライドを捨て)、
     清霞様に助けを求めにいったところは株を上げましたが、救出劇では
     力がないため空気感がハンパない。
    ・美世と清霞様が上手くいきそうになると、香耶母娘に「もうお前イラ
     ネー、それより清霞様♡」とあっさり乗り換えられる。
    もう「清霞様への咬ませ犬」っぷりがハンパないですね。ある意味美世
    より扱いが酷いキャラなんじゃないかとw
    そして本人も、香耶の身を案じて助けるのかと思いきや
    「一番は美世。こんなお前でも死んだら美世が傷つく!!」
    って、これも結構酷くないか?!
    それにこの機に及んでまだ「一番は美世」とか?!清霞様相手に勝ち目
    「0」だろうに、幸次さんどうすんのって感じですね。
   ・それと「斎森家親父」も辰石親父と自分の妻娘の暴走に巻き込まれて
    ・訳が分からないまま異能バトルに強制参加させられるw
     (さらに清霞様の心象も悪くなっただろうし。)
    ・挙句の果て、辰石親父の愚策(?)で屋敷が丸焼けにw
    まあ今までの前科や、周りの動きに気づかない監督不行き届き等の問題
    もあるでしょうが、本人のセリフ「何故、こんなことに・・・」はまさ
    に彼の心中そのものなんだろうなっとwww 
   今後新展開が始まる感じもあり、「斎森家ざまぁ展開」はこれで終了でし
   ょうか?それとも更なる追い打ちがあるのか。幸次さんの今後を含め、ち
   ょっと気になるところ。
   (香耶は(前回レビューで書いたように)歪んだ母の育て方でああいう人
    間になったところがあり、それに気付き改心すれば「幸次×香耶」の幸
    せルートもワンチャンありそうですが)

 ・で、今回の騒動には真の黒幕がいたとw
  「辰石の役立たずめ。このままでは薄刃の血は久堂のものではないか!」
  と「陛下」と呼ばれるご仁の描写が・・・
  このシーンを観ると辰石親父は、陛下の命に従って動いただけのようだが、
  それ以上に辰石親父はノリノリだったような?!
  まずは美世を自分の手中に収め、この親父なりに今後の策略があったので
  しょうか?
  「あるべきものをあるべき場所へ」
  ついに陛下の家臣が動きだす模様。

 2話までは「ピュアラブストーリー」を期待していましたが、3話で清霞様が
 突然デレ出してから雲行きが怪しくなり、正直
 「2人の純愛なんて、もうどうでもいいやw」
 って感じになってきましたね。さすが安定の「なろう展開」といったところ
 でしょうか。
 そして作画や演出等無駄にレベルが高いのが、今となってはなんとも・・・
 私の中では「なろう作品」として頭を切り替え、「ゆり江さん」を魅力的に
 描いてくれればそれでいいや感じですかね。
 もうゆり江さんだけが「この作品、最後の良心」って気がしてきました。{/netabare}

・7話:面倒になってきたので、思い付くまま雑記
 {netabare}●斎森家親父
  美世に対しては「名門:斎森家」ぶって強く当たっていましたが、清霞様
  や辰石親父と絡むと途端に小者感がハンパない「超内弁慶」描写が哀愁を
  誘うw
 ●幸次さん
  自分の力のなさを痛感し出直しを誓っていましたが、だから異能の家に生
  まれがらロクに訓練もせず、今まで何をしてたんやと?!
  最後の美世との会話もしっかりトドメを刺されて、もう清霞様の引き立て
  役になるためだけに作られたのではないかと勘繰りたくなるほどの見事な
  咬ませ犬っぷりだったなw
 ●清霞×美世
  ・清霞様:「毒でも盛ったか」の最初だけ
  ・美世:「私みたいな女が」という強い自己卑下だけ
  で、後は周りが2人を引き裂くために騒いでるという、ラブストーリーとし
  てはいろいろお粗末だったかなっと。
  今後も結婚に向けての障害は、異能を巡る「陛下」の介入等外部要因頼みで
  、肝心の2人の間になにかすれ違い等が起こるわけでもないんだろうなっと。
  まあ「デレてる清霞様に萌え~」みたいな原作者の「私の理想の王子様」的
  な作品になりそうですね。
 ●清霞姉・異形(妖)
  ・「美世ちゃん大好き~お持ち帰りしたい♡」の清霞姉
  ・異能者を祀る墓(オクツキ)を荒らすことで現れた新たな異形(妖)
  一段となろう臭が加速しましたね。まあ前回ぐらいから頭を切り替えたので
  「ネタアニメ」として楽しませてくれれば、それでいいんですが。
  あと最近ゆり江さんの出番が少ないので、ちょっと寂しい・・・{/netabare}

・8話:清霞様、森の中で豪快に炎をぶっ放すwww
 {netabare}前回の墓荒らしで解放された「オクツキの異形」の回収率は20%程度で、
 被害者も出ている模様。
 本来は秘密主義の「宮内省(?)」も、泣く泣く「帝国陸軍」に協力を
 依頼してきた模様。
 今回も人物を中心に書いていくことに。
 ●鶴木新
  ・「陛下」と呼ばれる者のそばにいた今回の黒幕と目される人物。
  ・本職は貿易商らしいが、高い交渉能力が買われ「宮内省(?)」と
   「帝国陸軍」との連絡係として、清霞様に接触。
  ・ラストではついに美世との接触も果たす。
  自分で騒動を巻き起こしておいて「マッチポンプやんけ!!」って感
  じですが、順調に計画は進行中の模様。
  {netabare}なんとなく「薄刃家」の関係者(従兄等)の匂いがしますね。もしそ
  うなら美世を使って「薄刃家復興!」といったどんでん返しを画策し
  てる可能性もありそう。{/netabare}
 ●清霞×美世
  ・清霞様は「オクツキの異形」退治で忙しそうです。以前に不満を漏
   らした部下に「いつ如何なる時も備えが必要」と気を引き締めてい
   ましたが、その成果が試される時が来ましたね。
   → で、現れた異形に清霞様が炎を浴びせますが、森の中で豪快に
     炎をぶっ放すとか山火事大丈夫なんか?!
     以前「斎森家」で「辰石親父」が炎をぶっ放した際「どこまで
     も愚かな!」と呆れていましたが、これはセーフでしょうか?
   → それに今回は尺の都合で他の部下達の活躍は不明ですが、ちゃ
     んと部下は役立っているのでしょうか。
     その辺りただの「清霞様劇場」で終わるのか描き方に注目!
  ・一方美世は
   ・昼間は清霞姉・葉月の「淑女教育」。
   ・夜は悪夢にうなされる。
    → 隠れた異能という内的要因か誰かの術等外的要因かは不明。
   ちょっとお疲れの様子。
   「清霞×美世」は次のパーティーか美世に危機が訪れるかしか見せ
   場がない感じ(2人の心の機微といったものは描く気なさそうだし)
   なので暫し一休みという感じでしょうか。
 ●辰石一志(幸次さんの兄)
  ・父親の失脚により新当主となった一志ですが、
   ・(帝の第二皇子)堯人様に清霞様達と共に謁見、上手く立ち回る。
    (TPOをわきまえない服装は相変わらずですがw)
   ・(失敗したが)墓荒らしにかけられたに呪いの解術に呼ばれた。
   等それなりに新当主として頑張っている模様。

 帝都に未曾有の危機が迫っているらしく(あんまりその辺は伝わってこ
 なかったがw)堯人様の天啓によると「清霞×美世」にも新たな試練が
 訪れるようです。
 ラブストーリーとしては観るべきところがなくなった感がありますが、
 異能モノとしては、黒幕「鶴木」が表舞台に出てきたので注目という感
 じでしょうか。
 あと今回もゆり江さんほとんど出番なかったなw
 (すっかり葉月に持っていかれた感じですね){/netabare}

・9-10話:清霞様まさかのNTR展開?!
 {netabare}●清霞×美世
  9話で2人のすれ違い
  ・自分の気持ちを分かってもらえない苛立ち
  ・相手の考えていることが分からないもどかしさ
  っぽい描写があり、おっと思いましたが、本来ラブストーリーを描くなら
  こういうところを3-4話で丁寧にやって欲しかったんだよな。
  それが早々に清霞様が「理想の王子様」になっちゃったんで、「何やねん
  この作品は?!」って話になるわけで・・・
  その後はこの期に及んでも、美世の性格が面倒くさいのがなんとも・・・
  まあ、もうラブストーリーとして観てないんでどうでもいいですがw
 ●鶴木=薄刃家
  >なんとなく「薄刃家」の関係者(従兄等)の匂いがしますね。
  まあこの辺は予想通りでしたね。
  ・しかし、新も「とりあえず清霞様の悪口言わせておけばいいやろ」的なw
   なんというか、この作品のキャラって全体的に
   ・清霞様の凄さや美世の薄幸ぶりを際立たせるための引き立て役
   ・物語を進めるための駒扱い
   って感じで、他のキャラに全く魅力がないのが致命的というか、役割を終
   えたら使い捨てって感じで、そもそもキャラ造形やる気ないやろw
   ゆり江さんですら「葉月が来たからもうお前イラネー」扱いだし。
  ・また美世の「隠れた異能」の凄さも明らかになりましたが、
   「あるべきものをあるべき場所へ」
   ・「陛下」への忠誠
   ・「薄刃家」の野望のための「切り札」
   「薄刃家」の真の狙いは何かはちと注目ですかね。
   しかし美世の性格を考えると、本人には「無用の長物」で、むしろその力
   を求めて有象無象が群がってくることを考えると「迷惑この上ない」って
   感じだなw
  ・あと美世が今まで「無能」だったのは、美世の母・澄美の封印によるもの
   とのこと。
   次回澄美が斎森へ嫁ぎ、封印に至るまでが語られる模様です。
   個人的には封印よりも、実は器が小さく小者ぶりが際立つあの斎森親父の
   元に何故嫁いだかの方が気になりますが・・・
   (強力な異能を隠すための隠れ蓑に都合がよかったとかw)
 ●異能バトル
  いやあ、やっぱり「なろう」らしくこういうのやってくれないとw
  「美世を賭けて」の清霞様VS新の異能バトル勃発www
  ・「『薄刃の異能』は『異形』と戦うためでなく、『異能者』を倒すためのもの」
   っで、分身や美世の幻といった姑息な手段で清霞様を幻惑しますが、肝心
   の攻撃は拳銃って、ただの物理攻撃やんけwww
   いっそのこと、美世の裸とかの幻覚攻撃した方が効果あったんじゃないかw
  ・「勝負に勝って試合に負ける」
   異能では新を圧倒していましたが、姑息な手段にハマり敗北してしまった
   清霞様。だから森を薙ぎ払うような強力な炎を人の家の庭でぶっ放すのは
   やめろやwww
   「オクツキの異形」の方は、個別→群れをなして動き始めたと事態の深刻
   化を憂いていましたが、清霞様の桁外れの異能なら一網打尽にできそうで
   むしろ好都合ではw
  バトルシーン自体は作画もよく見応えがありよかったのでは。

 清霞様まさかのNTR展開?!
 最初の新の「間男ぶり」から始まり「ネタアニメ」としては面白かったかな。
 次回は美世の出生の秘密も語られるようで、そこも楽しみですね。{/netabare}

・11話:「黒」新さん、謎の茶番で「白」新さんに変身www
 {netabare}美世の母・澄美の過去がついに明かされるなど物語も終盤、かなりいろいろ
 ぶっこんできましたね。
 ●澄美×斎森家
  ・鶴木(薄刃)家が商売の失敗で傾いていたため、澄美が「薄刃の血」と
   引き換えに独断で斎森家に援助を取り付けた。(以降自ら連絡も断った)
  ・「薄刃の異能」が期待される中、待望の美世が誕生。でも母はすぐに美
   世に強力な「夢見の異能」があることに気付き、斎森家に悪用されるこ
   とを防ぐため、美世の能力を封印。
  って話なんですが、ん?!この話を聞くと
  ・鶴木(薄刃)家当主がこの援助のおかけで盛りかえすことができたと語
   っていることから、斎森家は約束通り相応の援助を行った。
  ・で、その見返りの「薄刃の異能」はというと
   ・澄美は美世を産むと2人目を作ることなく他界。
   ・残された美世は澄美の封印のため「無能」
  ちょっと待て!!斎森家丸損やんけwww
  そりゃ斎森家親父からすると、美世への当たりも強くなるやろ!!
  何か1話の風景が違ったものに見えてくるのですが・・・
  本来なら母の思い出や美世への深い愛情等に共感したりする場面かもしれ
  ませんが、上述理由により別の感情が芽生えてしまうわw
 
 ●新×美世
  隙あらばNTR、新の執着ぶりが止まらないw
  ・薄刃家に代々伝わる「夢見の巫女」のための特別な服の着用を強要。
   → 清霞様から贈られた桜色の着物を没収。(巫女コスプレ?!)
  ・清霞様に逢いたいという美世を恫喝。
   → 俺が美世をどれだけ待ち望み、幸福を感じているか。
     美世(夢見の巫女)を守ることこそが自分の使命。
     しかも美世の伴侶を兼ねてwww
  新さん略奪する気満々じゃないですか―――――!!
  薄刃の一族は裏の世界に生きるために、親しい友人や恋人を作ることを禁じ
  られている等厳しい掟があるようで、それで欲望が歪んでしまったのかと新
  がヤバイ奴にしか見えないんですが・・・

 ●清霞様
  ・「オクツキの異形」退治は順調でほぼ討伐完了。えっそんなあっさりと?
   「帝都に未曾有の危機が迫っている!!」とは一体何だったのか?!
   ・・・と油断してたら、清霞様が部下を庇い、まさかの異形の毒牙に!!
   異形に襲われたものは、呪いにより前回・辰石一志でも解術できなかった
   深い意識不明状態に陥ることに・・・
  ・その知らせは薄刃家にも届きます。
   当然美世は駆けつけたいと懇願するのですが、ここでも新が立ちはだかり
   ます。
   → 伝家の宝刀「帝との取引」
     ・薄刃家の悲願「夢見の巫女の奪還」に陛下が協力。
     ・その代わりに他の異能者との接触を一切断ち、その存在を秘匿せよ。
      (陛下の狙いは不明の模様)
     命に背けば、関係者にどんな罰が下るのか・・・
   もうなりふり構わずって感じで緊張感が走ります。
  ・しかし薄刃家当主が(文字通り)ケツを叩くと、態度を豹変?!
   とたんに新が協力的になりますw
   で、薄刃家当主
   「全く敵わんな、大事な孫たちを応援するのは祖父の役目だ」
   え―――何やねん!!この茶番は!!!!!!
  ・2人で清霞様の元に駆けつけると、新曰く
   「美世の『夢見の異能』なら彼を覚めさせることができるはずだ」

 ついに美世の「夢見の異能」が発動か?!
 しかし、ここまで美世に執着してた「黒」新さんが、謎の茶番で「白」新さん
 に変身とか・・・3話の清霞様もそうですが、何故唐突に豹変しちゃうのか?!
 原作の問題なのか、アニメ化のカットの都合なのか・・・
 それに斎森家の大恩を仇で返す澄美さんとか、もうツッコミどころ満載でしたね。
 まあ個人的には「ネタアニメ扱い」なので、今回も十分楽しめましたがw{/netabare}

・12話:面倒なので割愛
 なんかもういいやって・・・それより総評頑張ろうかなっと。

(最 終)  
・「ラブストーリー」としては残念な出来
 ストーリーは悪くないです・・・が、元々
 >シンデレラストーリーということで、コケようがない反面他の作品とどう
  差別化していくのかに注目ですね。
 その分、人物描写や地道な積み重ね等作り込みの部分でどれだけ物語に厚み
 を出せるかってところだったのですが、こちらは期待外れだったかなあっと。
 ・人物描写が雑
  → 登場人物が基本物語の進めるための駒扱いになっている。
 ・積み重ね等作り込みも浅い
  → 面白いラブストーリーが10段位の練り上げた階段を作っているとすれ
    ば、本作は3段位でポンポンポンとやっちゃってる感じ。
 例えば人物描写でいうと、あるシーンを描く時
 ・キャラをきちんと育ててる作品なら、「このキャラはどういう人間か」い
  う観点を重視し、キャラの魅力を引き出すことや整合性等といった細やか
  な配慮がなされ
  → そこに積み重ねがあり、キャラへの愛着も生まれる。
 ・本作では(その場の)「このシーンはどの見せ方が一番ウケるか」を優先。
  → それに合わせてキャラを動かしちゃってる「原作者都合」が顕著。
 って感じなので、結局あまり人物が描かれていないんですよね。
 なので、
 ・「見映え重視」なので、たしかにキャッチーさはある。
 ・しかも本作は作画のレベルが高く、上田麗奈さんらの演技も素晴らしい。
 だから「点」で観るといいシーンだなって感じる訳ですが、連続性で物語を
 観ている私にはあまり積み上がったものがなく、むしろ整合性などの面から
 違和感すら覚えてしまうという感じで、あまり面白さが感じられなかったと
 いうのが率直な感想。
 ラブストーリーにおいて人物描写や地道な積み重ねが弱いというのは、かな
 り致命的かなというのが個人的見解ですね。
 (厳しい言い方をすると、汗をかくべき部分をサボって、楽で即効性のある
  「見映えのよさ」に依存しちゃってるという印象)

・「異能モノ」としては意外とよかった
 いうても一番の魅力は作画のレベルの高さですね。
 大半の異能モノが低予算アニメで作られている現状からみると、(飛び抜け
 たアイデアがあるわけでもない)普通の異能バトルですらここまで変わるん
 かと。
 しかもこれは物語のメインでない訳で、そのシーンにこのレベルの出来映え
 とかどんだけ贅沢なんだよっとwww

最初はテンプレ展開ながらもいろいろと丁寧な作りで作画もよく期待大でした
が、3話辺りから違和感が強くなり、5話位からは「ラブストーリー」としては
もう見切りをつけた感じですね。
(この原作者、キャラ造形とか全然練り込みしてねえーなっとw)
そこからは「なろうネタアニメ」という風に頭を切り替えたって感じですね。
最終的には
「なろうが『純愛成分』多めで創ったら、こんなんになりました」
という感じの作品だったかなと。
2期決定とのことですが、そこまで続きが気になるって感じじゃないですね。
(とりあえず惰性で観てそうですがw)

あとOP「貴方の側に。/りりあ。」もあまり好みじゃなかったかな。
歌詞があまりにもそのまんますぎて・・・もうちょっと工夫しようよと。
昔、好きな曲のPVがあまりにも歌詞のまんまの映像すぎて、興ざめしたのを
思い出したw

投稿 : 2024/03/16
♥ : 24
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

7話 断念します。リターンオブ香耶があるなら見ます。

7話で断念です。結局なろう系のストーリーから脱していなかったと思います。ギルドとかスキルウインドウ、レベルアップや魔物退治が無い分期待値はありました。その点は評価します。

 ですが、婚約破棄追放で王子が惚れて無双して報復するという展開でしかなかったと思います。九条デレが早すぎでラブストーリーを期待していたのに、甘々生活ものになってしまいました。

 キャラとしては香耶が濃すぎて全部持っていかれてしまった感がありました。他のキャラは内面が弱く言動に乗れませんでした。香耶の活躍があるなら見てもいいかなと思っていたらどうも一度退場みたいですね。

 ということで、ここで中止…というよりは断念の判断です。一応サブスクのチェックはして香耶が再登場するなら、見るかもしれません。

 あと作画、美しいかとおもっていましたが、明るい場面だとCG感が強い?それとも1話より落ちたのかな?美世の目がデカすぎることに気が付くと、それが気になってしかたなくなって少し気持ち悪くなってしまいました。それも断念の要因です。背景美術は良かったと思います。

 ストーリー、キャラともに2.5点ですが、香耶ポイントでキャラに+1点。作画は4。声優は美世の演技がちょっと息が詰まる感じで聞き苦しかったです、2.5。音楽は普通で3.




 2話までみました。メガネ忘れる子は諦めたので、こっちに移ろうかと思いましたが…

{netabare} 壮絶ないじめを受けている薄幸の美少女がみんなから性格を誤解されるイケメンの婚約者になる。イケメンは美少女の性格の良さとメシウマに惹かれて…え???昭和40年代の少女マンガ?
 これでもとの家族が没落するのを「助けてあげて」とか美少女がいいだしたら噴飯ものです。
 この美少女が復讐して「オーホッホッホッ、地獄に堕ちなさい」とかやってくれたら最高ですけど。

 いくらなんでもステレオタイプすぎます。見どころは??どんでん返しがあって違う家に嫁いで前よりもっと家族的立場的には不幸になるけど、能力で認められるとか?妖怪に嫁ぐとか?

 作画と美術、視覚効果とか構図はいいですねえ。話が付いて行ってないですけど…

 あ、そうか…異世界転生か…実はここが異世界なんですね???ということは婚約破棄追放ものかあ…あとはスローライフ?{/netabare}


3話 2話まで見て冗談で異世界ものと書きましたが…ガッツリのハイファンタジーで草。女の幸せを考察する作品ではなさそうです。

{netabare} 冗談で異世界とか言ってましたが、本当にガッツリのハイファンタジーでしたね。まさかロイ・マスタング大佐が出てくるとは…家系に絡んだ血の取り合い…まあ、無能力というのも作品のチューニングとヒロインの造形からいって、かなり受容的・抱擁的・癒し等々の能力を隠し持っている気がします。
 実は「魅了」でした、だったら「私の幸せ」という題名が面白い効果になりそうですけど、そうじゃないですよね?

 それと、驚くべきルッキズムというか、女を磨く=化粧と着物か…潔すぎです。そしてプラス料理です。女性の描き方が昭和の価値観なのはビックリです。つまりこういうところはまだまだ本音では需要が高いのでしょう。

 そうは言っても平成~令和の作品ですから、そこを越えて「お役に立ちたい」程度の活躍はあると思いますし、おそらくは「異質な能力」で大逆転か俺TUEEEですよね?
 最後まで無能力を貫けるなら脱帽します。それとも妊娠・出産まで行って子供が能力者なんでしょうか?それなら「幸せな結婚」の伏線は回収できます。

 で、決して大正~昭和初期ではないですよね?婚約者が家に入っているというのは特殊だと思いますが、嫁が主人と一緒に食事ってするものなんでしょうか?明治ではないので既に開明的ということ?それにしても紹介されていない上司の女性の連れの顔を覗き込むとか…
 まあ、そこが異世界感が強いと思う所以です。「後宮の烏」なども考証して云々を越えた面白さがあるので構わないですけど、真面目に「女の幸せとは何か」というのを考察する作品ではなさそうです。 {/netabare}


4話 婚約破棄追放されましたメンヘラお嬢様が、有力貴族に嫁いで立場が逆転しました!

{netabare} なるほど…久堂家関連というか、婚約・恋愛関連は主題ではない…ということですか。大正風異世界追放復讐浪漫異能バトルという感じです。いつものファンタジー世界に舞台を置き換えると、普通の婚約破棄追放で嫁ぎ先が有力貴族という感じで、プロットそれ自体はあまり目新しさは無い気がします。

 しかし舞台を置き換えたことと、虐待で精神を病んでしまったヒロインというのが、目新しいということでしょう。対妹はまさに蛇ににらまれた蛙状態でした。もうあの妹がいる限り心の安寧は無理でしょう。つまり妹がどうなるか見ものです。

 ピンチの時にヒロインに助けられて改心して精神操作されていたとか、ヒロインの性格造形を完璧にしようとして嘘臭くするのはやめていただきたい。きっぱりやって欲しいです。あるいは妹がラスボスでもいいですね。あのゴージャスな感じはやっぱり最後までそうであってほしいです。

 それにしても、改めて映像はすごいですね。アニメ技術は大したものだと思います。OPはもうちょっと動きがあれば劇場版クオリティです。
 それと、桜の描写、技術開発でなにかイノベーションがあったのでしょうか?
 
 で、気になるのはマナーです。元使用人として入り口のところで廊下で頭を下げているのはちゃんとしていると思いましたが、その使用人が上座に座っているのがどうも違和感があります。その割にまだ呼び捨てでしたし。

 ヒロインが朝、婚約者の部屋を訪ねるのに立ったままいきなり話しかけてたり。せっかく廊下で三つ指つくという描写は他ではできているのに…それだけ慌てている描写だということかと思うのですが、そこはヒロインの性格とかリアリティで言えば、やっぱり慌てていても、廊下で三つ指でしょう。
 別に異世界だからマナーが違うのだ、と言われると返す言葉もないですけど、貴族社会のリアリティラインを上げることで、作品の質がグッと上がると思います。

 作画はすごいですけど、結局中身はいつものなろう系です。このままだと、ファンタジー世界を大正に置き換えただけになってしまいます。{/netabare}


5話 バカを配置しないと物語が作れないのがなろう系の最大の弱点かなあ

{netabare} 香耶がバカすぎるでしょう。甘やかされてきたのでという事かもしれまえんけど。他人の不幸がメシウマ、他人の幸せは自分への挑戦という人物像は現実には沢山いるでしょうけど、行動がバカすぎな気がします。現実の人間はそんなもんだと言われると返す言葉もないですが、物語に配置されるとなあという感じです。
 幸次は更に上をいくバカだしなあ…それだけに香耶は闇墜ちして魔王になってほしいなあ。幸次の方が先に壊れそうですけど、幸次じゃ絵になりません。

 結界の中なのに異能の残滓…とか美世関係の進展もありますが、初めの期待から話のレベルが下がってきている気はします。というより、もともと和風の物珍しさと雰囲気だけ、という感じですけどね。{/netabare}


6話 一応恋愛もの…なんですよね?話も内面も薄くてキャラに全くのれません。

{netabare}  香耶がバカすぎなのは伏線回収があるんでしょうか?うれしくなるほどのバカっぷりですね。和装に縄…団鬼六的な淫靡さは誰かの趣味?この作画で団鬼六をぜひアニメ化してほしい。
 これは冗談ではなく香耶以外に楽しみがなくなってしまいました。

 6話です。そろそろ半分なので真面目にレビューすると、この作品恋愛が弱すぎます。2話の後半で飯を食わせてもらった、それだけ?
 一番肝心なことですが、香耶以外のキャラ全般、特に美世も九条も描写が薄すぎて、人物のアウトラインも感情の動きも伝わってこないので感情移入できません。だからラブストーリーとして成立していません。

 なろう系異世界婚約破棄もの追放ものを和風にしただけ、プロットも稚拙過ぎて話にならないし。見え見えの謎の母と能力の伏線とかかもうどうでもいいでしょう。さっさと説明しても大して面白さに変わりはありません。

 作画が凄い分余計、えっ??そんな程度?という感じがするんですけど、ここから逆転あるんでしょうか?恋愛はケリがついてるし、能力もなんかすごいのがありそうなのはわかるし。

 それと陛下って…西洋風の異世界ならいいですけど、異世界とはいえ大正日本っぽい設定で、その尊称を出してしかも悪役っぽいのって、大丈夫なんでしょうか?帳(とばり)は菊ではなく桐と鳳凰らしきデザインなので、一応ご本人ではないということなんでしょうけど、日本における陛下の尊称の対象はかなり狭い範囲の最高の方々です。
 原作はどうか知りませんが、変な事にならないようお気をつけください。

 次の7話で切るかどうか決めます。 {/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 12
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

尽くす女と守る男に一周回って新鮮味を感じる和風ファンタジー

原作小説はWeb版、ラノベ版共に未読。

【物語 4.0点】
ヒトは同類の他者に尽くすことで幸せを感じる生き物なのだという。

女は愛する旦那様のために世話を焼くことに喜びを覚え、
男は愛する女のために身命を賭して戦う。

昨今あまり語られなくなった価値観を、
主人公・斎森美世と久堂清霞の婚約者コンビのピュアな有り様から表現される。
ここから私はまず、伝統的な結婚という制度はヒトの幸せを一定程度保証していたものだったのかなとの感想を得ました。

大体「わたしの幸せな結婚」というこのタイトル。
一昔前だったらこんな平凡な作品名で世に何かを出そうなど思いも寄らなかったでしょう。
世の中それだけ価値観の多様化が進んだということでしょうし、
この作品名から一周回ってインパクトを受けた私自身に驚かされます。

結婚が幸せの絶対条件としていない点も、この作品名を含蓄のあるものにしています。
本作は純真な主人公男女の対比として、婚姻や女を血筋と権力獲得のための政略の具とする良家の醜悪さも描く。
架空の近代日本風ファンタジーである本作は、血の宿命を代々継承される“異能”という設定で固着させることで、
自由意志だけでは振り払えない、一筋縄では行かない波乱を演出しています。


あとは、自分のお気持ちで他者の表現を規制できると思っている阿呆が目に余る今日この頃。
作り手が外野の雑音に惑わされずに書きたいことを書くには、
もはや異世界やファンタジー位しかないなのではとも感じました。

例えば本作を現実の歴史ドラマなんかにしようものなら、
左から古い結婚観の押し付けだと、押し付けがましい蹴りが入ったり、
右から{netabare} 帝{/netabare} を醜悪な悪の権化に仕立てるとは何事かと怒鳴り込まれたりしかねません。

脱線しますが、近頃はNHK大河ドラマにすらも多様性やポリコレ配慮と思しきトレンドがありまして。
2年連続で、史実の裏に典型的な男女の夫婦関係とは異なるLGBTが絡んだ事実があったのでは?とのエピソードがねじ込まれていたりします。
昨年の『鎌倉殿の13人』のLGBT回は史料の裏を読んだ脚本が見事でしたが、
今年の『どうする家康』のLGBT回は正直、蛇足だった感が否めず。


愚痴はさておき、本作のファンタジー要素や異能設定に唐突感を覚える方もいるとは思いますが、
私は大河ファンタジーは得意分野なので違和感なく完走することができました。
原作者の小学校時代の愛読書『十二国記』、『彩雲国物語』、『アルスラーン戦記』。
この辺りが好みなら、1クールでは到底終わりが見えない。
制作決定した2期へ続くというスケール感も含めて楽しめるでしょう。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・キネマシトラス

惹き込まれる映像美。

決して作画枚数がMAXという感じではありませんが、
時折見せる心情ともリンクした天候、情景描写は流石は『メイドインアビス』のキネマシトラス。
セピア調のフィルターや、主線をかすれ線にする処理など、
随所にセンスを感じる画面作りで演出してきます。

魅入ってしまうのは色彩の美しさ。
単に色鮮やかにするだけでなく、
美世を幸せにする久堂家は全体的に明るい色調。
美世を苛める斎森家は暗い色調w
と明暗を使い分けた心情表現も上々。

私が毎回楽しみだったのはHALKA氏による着物デザイン。
男が愛する女性を遠慮なく着飾る楽しみ。
これもまた語られなくなりつつある価値観ですが、
このデザインの美しさで、純心から言われたらぐうの音も出ません。


【キャラ 4.0点】
“異能を持たない”ヒロイン斎森美世と凄腕雷異能者の旦那様・久堂清霞は高濃度のピュアカップル。
美世を苛める斎森家の面々や、女を血筋としかみなさない悪役は妬みと執着に塗れる。
キャラの美醜もコントラストがくっきり。


愚かな悪女として良く踊ってシナリオも盛り上げてくれた美世の異母妹・香耶。
{netabare} 没落して奉公に出されるという形で退場してしまいましたが、{/netabare}
こういうキャラの末路や覚醒も私の好物なので、今後アニオリでも良いので出番ないかなと思ってみたり。


辰石幸次や鶴木新といった御仁は人物相関図だけ見れば、美世を取り巻く広義の逆ハーレムキャラということにもなるのでしょうか。
清霞みたいな異能の天才に生まれなかったけど家の宿命やらは背負っている。
恋のライバルとはまた違った形で美世にアプローチしてくる彼らの姿に、
理想と現実の自分との狭間で苦悩する男の渋味を感じました。


【声優 4.0点】
ヒロイン美世役・上田 麗奈さん、旦那・清霞役の石川 界人さん、
美世の幼馴染・辰石幸次役の西山 宏太朗さん。
この辺りのメインどころはアニメ化に先立ち上演された朗読劇からのキャスト継続。

アニメより先にゲームやドラマCDなどが展開された場合、
アニメキャストは変更になることが多いのですが、
本作みたいに初回から勝手を知っているキャスト陣の繊細な演技を聞いていると、
キャストの継続性ってやっぱり重宝するなと思います。

上田 麗奈さんに、どちらかと言えば元気な凛とした声のイメージを抱いていた私。
初回の上田 麗奈さんのオドオドボイスを聞いた時は、
これ終盤キャラ覚醒した時、どんだけ振れ幅大きいんだ?とワクワクさせられました。

実際、最終回見たら、{netabare} 美世は勇ましい巫女?で興奮しました。
美世が旦那様のために力強い声で宣言する相手が、弱かった頃の自分自身というのは意外でしたが。
そこの“一人二役”も含めて好演だったと思います。{/netabare}


一方で私はアニメでキャスト変更になった
斎森香耶役の佐倉 綾音さんの嫉妬ボイスや、
使用人ゆり江役の桑島 法子さんの柔和な声色にも味わいを感じていまして。
声優継続か変更かもまた良作の絶対条件でもないんだなと考え込んでしまいます。


それにしても終盤登場した堯人(たかいひと)役に石田 彰さん。
2期に向けて、良い意味で嫌な予感しかしませんw


【音楽 4.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、劇場アニメ『金の国 水の国』
と私が連続エンカウント中の作曲家。

本作もまた緻密な心情曲だけでなく、
和洋折衷のファンタジー世界観や異能バトルなど幅広い対応力が求められますが、
上記の同氏の経歴なら何が来ても美しく彩ることができます。

同氏は日本語もペラペラですし、日本のコンテンツ産業にとって大きな力となる存在ですね。
秋からのアニメ『葬送のフリーレン』劇伴でも活躍を期待しています。


OP主題歌は、りりあ。「貴方の側に。」
“あなたの隣は私でいいですか?”などとド直球で想いをぶつけるピュアラブソング。
私は劇場アニメ『バブル』ヒロイン役&ED主題歌以来の遭遇でしたが純度は相変わらず。

ED主題歌は伊東歌詞太郎「ヰタ・フィロソフィカ」
私は『デカダンス』ED以来の遭遇でしたが、こちらもEDアニメーションの画力に負けない相変わらずのバラード巧者ぶり。


音楽は総じて私がまたアニメで聞きたいと思っていた作曲家、アーティストが、
存分に力を発揮してくれて嬉しかった感じ。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 34

73.7 13 恋愛アニメランキング13位
ダンス・ダンス・ダンスール(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (127)
423人が棚に入れました
ダンスール・ノーブル――それは王子を踊る資格のあるバレエダンサー。中学二年の村尾潤平は、幼い頃バレエに魅了されるも、父の死をきっかけに「男らしくならねば」とその道を諦めていた。だがある日、彼の前に転校生の美少女、五代都が現れる。都にバレエへのあこがれを見抜かれ、誘われた潤平は、都の幼馴染である森流鶯と共に、本格的なバレエダンサーへの道を歩みだす。「俺がそこで日本人初の『ダンスール・ノーブル』になるわ」すべてを犠牲にしたものだけが、立つことを許される、美しくも厳しいクラシックバレエの世界。完全な初心者である潤平の運命は!?大人気漫画家・ジョージ朝倉、初のテレビアニメ化!MAPPA(制作)×境宗久(監督)が挑む、バレエダンサー達の熱き青春バレエストーリー!!

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ファビラスな熱と輝き。ダンスもアニメも表現したい「何か」があってこそ。

 「ボールルームへようこそ」は大好きやし、監督が同じ「ゾンサガ」も好きなので期待して視聴しましたが見事にそれに答えてくれる佳作でした!。


 とにかくバレエのダンスシーンの表現力が素晴らしい。CGも無策な労力削減ではなく確かな戦略をもって使っているから有効に機能していて邪魔をしていない。


 ストーリーとしては、社交ダンスのように競技としてわかりやすい進行ができないぶん多少テンポの遅さを感じたし、11話ではまだ物語はこれからだ!なのは物足りなかった。しかし、とにかくキャラの描き込みが上手くできてるし、なにより溜めを充分に出来ているからこそ終盤の爆発がこっちまで震える迫力に満ちている。


 結局以前から思っていたことだが、本作ではダンスだがアニメーションにおける作画も表現したい「何か」がなくては空虚なテクニックでしかない。本作においても屈折していたルオーの想いが存分に描かれていて、それが溜まりに溜まっていったからこそそれがダンスという形で表現された時にこちらの心を打つものがあるのである。


 他にも脇のキャラたちも実に活き活きとしていて、ミサキ君とヤマト君の関係には腐男子ではないが薄い本が欲しくなりそうなくらいだったし、ヒロインがちゃんと瑞々しく魅力的に描けているのも嬉しい。「ああ、いいなぁ〜」としみじみ言いたくなる男女の初々しさが描けてる作品は久々である。


 全体的に非常に力がある作品だったので、とにかく続きが見たい!。「ボールルームへようこそ」のレベルな大傑作ではないと思うが、今後の展開次第によってはそれに迫りうる佳作だと思うので今後とも期待し続けます。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 20
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

表面は熱いスポコン。裏を返すと女性の天然の残酷さが辛いです。

 明らかに女性作家が描くキャラなのに、スピリッツでジョージ朝倉?男かよ、と思い、どうしても納得いかなくて調べたら、女性でした。

 最近は女性の方がスポコン描くのが得意なんでしょうか。ちはやぶる、ユーフォ、ましろの音、この音、かげき少女など、スポコン亜流の作品はみんな女性作家です。

 まあ熱いですよね。主人公のキャラの熱さというか、ストーリーを作るための少々デフォルメされた身勝手さが、ちょっとイラッと来ることもあります。周囲のメンバーのイジメは変な言い方ですが女子的な陰湿な感じで、これも見ていて不快になります。それが目的なのでしょうから、作品としてはいい出来なのでしょうが、感情移入という面で主人公に乗れない、という弱点にもなる気はしました。

 白鳥の湖の3人の関係をストーリーに落とし込むとはやりますね。ただ、王子様は誰なんだ?というのが主題ですね。もちろんバレエの話の出来の良さがそれを引き立てていましたが、こういう世界の狂気や才能の有無の残酷さも含めて、さすが女性作家、容赦がありません。

 なんといっても、恋愛関係です。これは結局 {netabare}都と潤平は上手くいかないということでいいんですよね?ここが女性的な感性です。女性の心理は女性作家だけあってリアリティがあるんでしょう。庇護すべき存在としての流鶯に最後は魅かれるみたいですけど、嫌な言い方をすれば結局流鶯の才能に心を持っていかれたという事だと思います。

 潤平はバレエへの憧れはありましたが、きかっけは都に惚れてという部分です。女性の肉体に照れる描写から女性になれていない。だからまだ恋愛感情がない都に妄想をするというのがしつこいくらい描かれます。
 で、都は自分の胸に流鶯を抱きしめます。これは腰を触るだけでビックリしていた潤平からすると衝撃でしょう。いろんな理由や思惑はあるにせよ、潤平が五代にいったのは都への想い。だから都が流鶯を選択した以上、結局都から生川に逃げるという面もあるのでしょう。

 これは結局女性は男の力に惹かれるという残酷さでもあるんだと思います。庇護欲ともとれなくはないです。{/netabare}いずれにせよ、ポリコレ的にごめんなさいですが、都って天然なんでしょう。思い切り感情でしか動いていないです。つまり「子宮で物を考えている」感じがすごいですね。女子から嫌われる描写がありますが、そういうところでしょうね。

 男の心理としては、非常に辛いですよね。あそこはそういう残酷な場面なんでしょう。加えて、夏姫ですね。彼女もあきらかに潤平の才能を認めて、惹かれています。性格や優しさではありません。もし潤平のフランクな性格に惹かれたと思うなら、私は違うと思います。才能が無ければ同じ性格でも歯牙にもかけません。

 女性作家ならではの熱いスポコンですが、その裏に陰湿な人間の心理と女性が心を惹かれるのは結局才能という残酷な部分もものすごく良く描写されていました。

 バレエのシーンの作画はモーショントレースとかしたんでしょうか?すごかったですね。その他の場面の感じにくらべて全然違いますね。ただ、少女マンガって、決め絵の時の描き込みと、淡々とした日常場面の作画の気合いが全然違うので、意図してないと思いますが、ものすごい少女マンガっぽさが出てました。

 総評すると、かなり話は面白いし熱い。ただ、男が見ると才能の世界の残酷さが辛い、女性の恋愛感情、心理が辛い。女性的な作品すぎて感情移入が辛い作品でした。
 ハチクロや3月のライオン的な残酷さがちゃんとあるのがやっぱり女性作家のあまりにリアルな心理描写は男には毒だなあという感じです。

 評価はします。しますけど、私はあまりに女性的な残酷さを読み取ってしまい若干減点します。非常に出来がいいのは認めますけど、生々しすぎます。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「ここで終わるのか!」という飢餓感を強烈に植え付ける1クール11話

原作は未読です。タイトルに「ダンス」とありますがジャズダンスでもHIP HOPでもなく、具体的にはバレエですね。

目の大きさをはじめとして、キャラクターデザインには強烈にクセがあって、これで視聴を忌避してしまう層は一定数存在するんじゃないかと思います。

翻って、踊りを表現するアニメーションの動きや床を踏む音などの音響面ではかなり気を使った作品になっています。キャラクターデザインはあまり好きな方じゃないんですけど、ピルエット(つま先立ちしての回転)でのキャラごとの違いとかもしっかりと描けていて、こういった点を公平に見ると演出面も含めて作画は高得点と言わざるを得ません。

巷でバレエ教室というと「女の子の習い事」というイメージが強そうですし、漫画などでもバレエを題材にする場合の主人公は圧倒的に女性が多いと思います。

「アラベスク」、「SWAN」、「舞姫(テレプシコーラ)」などはもちろん、少年誌/青年誌連載でも「昴」、「絢爛たるグランドセーヌ」のように主人公は女性ですよね。

そんな中でバレエに興味を持っても気恥ずかしいと感じてしまう潤平の気持ちにはある程度の共感ができますし、男子で英才教育を受けた流鶯(るおう)の稀有さは想像を絶するものがあります。

そしてこの二人がある種の天才なのに対して、都(みやこ)はもちろんキャリアなりの上手さはあるにしてもある意味で「バレエの凡人」なのが面白いところです。

「都と踊りたい」という不純な動機もあってバレエに足を踏み入れていく潤平ですが、無邪気にそう思うことを許さない状況もあればそこには満足できなくなるような出会いもある。

まさに「これから」というところで1クールが終わるわけで、この先の物語はどうなるのかという強烈な飢餓感を抱かせますね。以降の話もアニメで観たいし、原作もめっちゃ気になる…。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 21

60.5 14 恋愛アニメランキング14位
夢見る男子は現実主義者(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (123)
372人が棚に入れました
同じクラスの美少女・夏川愛華に恋い焦がれる佐城渉は、彼女との両想いを夢見て、めげずにアプローチを続けていた。 しかし、ある日突然、夢は醒める。愛華と自分は釣り合わないという現実を見て、適切な距離を取ろうとする渉。一方の愛華はその態度に呆然。 「もしかして、私、嫌われたの……?」 “両片想い”のすれ違い青春ラブコメが開幕!

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

夢見る作者はアニメ被害者

スタジオ五組&横手美智子のベテランタッグが贈るラブコメ。のはず。
独特のカオス感と毎度毎度のブツ切り構成がクセになる。

いかにもコテコテなアニソン進行が素晴らしいOP。映像は手癖で作った手抜き感。
いかにもコテコテなキャラソンが大変よろしいED。無駄な聖地巡礼ウリがすごい。

1クールで上手くやるならガッツリ改変して夏川と圭をメインで他はバッサリカットするしかなかった気がする。きららのように4人の内輪劇ならともかく全キャラ消化不良になるのは必然。声優の演技だけはいいのだが劇伴すらもクソダサい。

適当なサブタイトルは多分スタッフがウケた(苦笑した)ワードでしょうか、スタッフが嫌々作ってるのが伝わる。序盤は削るセリフの取捨選択を完全に失敗してて話が飛んでるような違和感がすごい。ただ逆説的に会話の自然な空気感が生まれて脚本セリフを言わされてる感がない。リアルとは言わないが間の空いた会話だからこその高校当時のわちゃわちゃが蘇るノスタルジー感。

終盤まで夏川を魅力的に映さないのは真っ直ぐメインヒロインに向かわないじれったい作風だからこそのストレス管理策なのかもしれない。一ノ瀬や笹木などサブヒロインはゴリゴリなラノベキャラなのに、メインヒロインの夏川の説明描写は終盤までほぼないという思い切りが独特の視聴感を生んでいる。まあ雑とも言えるけど。

12
おすすめはしないがなんだかんだで楽しめたアニメ。
良くも悪くもラノベらしくないしアニメっぽくない。

原作では夏川視点もあるようですがアニメはメインヒロインの描写をギリギリ限界まで削るという独特の作り。それでも夏川は佐城にとっては本命であるという納得感はあり「なんでこっちにしないの?ご都合なの?」みたいな破綻はない点はある意味すごい。でもやはり本作のMVPは圭。あの子の存在でなんとかギリギリ成立してたと思う。

アニメ単体でいうならキャラ多すぎ問題でしかないので最低でも2クールは欲しいところ。ほとんどのキャラが顔見せ程度で終わってしまった。掘り下げガー(笑)。ラノベアニメは小説やコミカライズのCMという観点ならキャラ紹介動画としての役割は全うしたのかな。

ラノベ特有のアクの強さがないぶん見やすかったのだが、人気アニメと比較すると薄い軽い浅いという評になるしかないでしょう。掘り下げガー(笑)。高校生時代に佐城程度に満遍なく女子と会話したりお互いの家に行ったりどこかに遊びに行ったりしてた人なら、このじれったい感じに懐かしさを感じてほっこりすると思う。ラストの無理やり纏めたような締め方のCパートは要らんかった。最後までブツ切りENDで笑わせて欲しかった。

アニメの品質はゴミだと断言できるが作品自体は嫌いじゃない。
金出して小説や漫画読みたいとまではいかないが2期あれば見るってくらい。

最終話の1カット謎背景には笑った。EDのあまり?

投稿 : 2024/03/16
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

追記 海外で見られるようになってアニメはおかしくなった?

 追記 4話で断念しましたが、点数3点はいくらなんでも…と思いますので、ストーリー、キャラはそれぞれ1.5まで落とします。調整で声優・音楽・作画も2にします。

 なんか海外に視聴されるようになって本数だけは作られるようになってから、B級といっては失礼ですけど2軍くらいのラインナップのアニメの作り方がメチャメチャになっている気がします。
 目の前の小銭のためのビジネスモデルが質の低下を招くのは、今の日本そのままです。結果として、本作(に加えて何作品かは)いくら何でもという水準になります。もうアニメ界も駄目かなあ…
 結局4話まで見たことでいくらかでも駄作に小銭が入ると思うと、今度から厳選する必要がありそうです。が、海外があるからもういいのか…アニメ…うーん…引き際かなあ…



1話 パラレルワールドもの…ではないんですよね??演出の意図が?

{netabare} 今期はあまり見るものも無さそうなので、無職と自動販売機以外はリアルタイムのレビューはしないつもりでした。
 が、本サイトにおいて、あまりにもキャッチーなレビュータイトルが本作についていますので、気になって仕方がありませんでした。

 で、見ました。なるほど、これはすごいです。そもそも、これってパラレルワールドもののSF…ではないんですよね?そうなら面白そうではあります。

 が、おそらくサッカーボールは演出なんでしょう……ですよね?例えばですが「氷菓」で千反田えるに絡めとられるホータローの内面表現としてファンタジーはありましたが、あれを取り違える人はそうは多くないでしょう。

 ですが、本作は正直初めの方は本気で、パラレルワールドものかどうか迷いました。地球はどういう意味なんでしょう?と言いますか今でもひょっとしたらという疑いが取れません。演出の妙なのか、単なる出来損ないの表現なのかが全くわかりませんでした。そこが後の実はSFでしたという伏線回収につながるかものすごく気になります。

 後、現実主義者…つまりリアリストとはなんぞや?というテーマのアニメですよね?いやだってハーレムものじゃない?モテてますよね?家にまで来させて…伊藤誠?という感じです。

 ヒロインの娘は実は悪い気がしないどころか、もともと好きなんだけど素直に表現してないってことでいいんでしょうか?告白を断ったのも、変なタイミングだからっていうオチですよね?となるとタイトルの「現実主義」が描けるとも思えません。

 現実主義者がヒロインを堕とす戦略を駆使するわけでもなさそうですけど…まあ、現実を見つめて考え直す話???となるとサッカーボールですがあれが結局わかりません。ショックがあるとパラレルワールドに移行する?神様か宇宙人からのメッセージ??

 素直に推理すると、現実主義の名のもと、脱力系の主人公が無自覚にハーレムを作るか、ヒロインと結局イチャイチャするだけの話の気もしますが…

 とまあ、話の趣旨が分からない。人間の心理がわからない。そしてジャンルすら意味不明でした。
 ジャンルが確定したら、多分切るとは思いますが、気になるのはものすごく気になります。パラレルワールドものでありますように。


 なお、キャラデザに全く…本当に全く個性がありません。これは過去の萌え絵のスタンプ化どころではなく、本当にある意味ものすごいです。
 他のアニメの中にポンとおかれると多分どの作品のキャラか言えないと思います。

 最近増えてきたキャラデザだとは思いますが…僕ヤバとかグイグイみたいな個性って大事ですよね。インソムニアも取り違える人はいないでしょう。スキローは…ある意味では個性である意味では型ですけど。平家物語とかユーレイデコとまではいいませんけどね。

 ABEMAなので見忘れたら有料ですから、見忘れない限り追うかもしれません。{/netabare}


2話 OPの冒頭でやはりサッカーボールが出てきましたね。

{netabare} OPというのは作品の顔です。そのOPの冒頭にいきなりサッカーボールの映像が出てきました。そう…つまり、まともなクリエータなら「サッカーボールは重大な役目を果たします」というメッセージを込めるはずです。
 単なる演出でない証拠に、サッカーボールが沢山のハートをなぎ倒して行きます。OPで数秒という尺を使うからには意味がない描写を入れるハズがありません。これは乙女心を踏みにじった主人公の闇墜ちを示しているのでしょう。その証拠に主人公は常に無表情です。
 しかもサッカーボールが複数でてきます。1話を「きっかけだけ」とするならOPで複数のサッカーボールの描写はあり得ません。複数というのが味噌で、つまり複数の世界線=パラレルワールドという表現でなくて何なのでしょう?
 学校がポリゴンなようなもので構成される演出に、屋上に顕現する2人。そう、これは現実世界ではないという伏線になっています。人物も幾何学的にデザイン化された部分がありバーチャル感を演出しています。

 そして、突然始まったハーレム生活。いきなりヒロインがデレ始めます。このデレ方は現実ではありえません。「ゼロ使」「とらドラ」などを思い出せばわかりますが本来ツンデレは、長い時間をかけてエピソードを重ねることで説得力をもって表現するからこそ意味性が生じる物語論でありキャラ造形です。いきなり1話目でヒロインが主人公に惚れるなど物語性の放棄以外の何物でもなく、そんなことはあり得ないはずです。

「腕章」もゼロ年代では既に「涼宮ハルヒ」で「団長」という腕章ギャグで相対化されたグッズで、非現実的です。「本好きの下剋上」の原作でも異世界における「図書委員」という日本語の腕章がローゼマインの滑稽さを表すグッズとして登場しています。つまり学校における腕章というのは既にギャグとなっています。それをなぜあえて出したか?

 さらに「風紀委員が取り締まる」という今時あり得ないステレオタイプです。それをいきなりぶち込んできました。ひょっとしたらタイムリープしたという仕掛けなのかとも思いました。
 ですがスマホが登場しているのでタイムリープには見えないので、なぜ腕章・風紀委員を出したか…現実主義といいながら妄想を繰り返す今の若年層に対して、ゼロ年代に戻って、ちゃんと恋愛しろという意味にも取れます。

 この作品は「現実主義」と謳いながらも、現実ではありえないという相対化が見事に行われています。問題は、題名と捩れている「非現実」をなぜ分かりやすく表現しているか。
 それは昨今の人間描写ができていない身近な美少女が脈絡なく惚れるラブコメや、現実逃避の異世界ものという分野を見事にメタ的に揶揄しているわけです。

 そこから導かれる帰結は、主人公は非現実が現実感を持つようなパラレルワールドにいるに違いありません。それなら1話のサッカーボールからの地球の演出に意味が出てきます。

 たしか「現実主義勇者の王国再建記」という作品でも、現実主義といいながら主人公がまったく現実主義に見えないという巧妙に仕組まれたギャグがありました。本作もそのオマージュで「サッカーボールによりパラレルワールドに移行した現実主義ハーレムギャグ」じゃないかと考察できます。

 ひょっとしたら今までのラブコメや異世界ものを相対化する伝説に残る作品になるかも…少し感心しました。

 そうか…だからDアニメでは有料なんですね。1話では「このレベルのアニメで有料?」と私も思いましたが、制作者側に名作になる勝算があるんでしょう。
 そういえば伝説の名作「異世界スマホ」の2期も有料でした。本作も異世界スマホに匹敵する名作になるんでしょう。{/netabare}

3話 何かの仕掛けがないとすると虚無すぎですけど…あるんですよね??

{netabare} すべてにおいて私の想像の上を行かれました。

 自分のアニメ読解力の無さを痛感させられます。男子の見分けがつきません。誰が何を話しているかさっぱりわかりませんでした。これはあとで実は〇〇と○○は同一人物でした、とか、入れ替わってました…みたいな仕掛けがあるんでしょうか?そう…有名な学園ホラーのように?
 
 そして、このアニメのアニメータの胆力に感心します。屋上の空と柵と2人の動かない登場人物だけで5分尺をやり切りました。この虚無感はなかなか他では見ないと思います。そして男2人が向き合って会話をするだけで2分つかってます。
 これだけで合計7分。その他の場面も止め絵のオンパレードです。動画枚数削減の限界に挑戦している感じです。
 他のアニメの動きが…と言っている方は、是非この作品を見ていただきたい。ありえないことですが「極主夫道」より動いていない気がします。

 あと、ちょっと気になったのが「冬服の防御力は90夏服は20」です。これって、平成中期くらいまでの発想な気がします。今の女子は夏服の時の防御力は結構高いですよ?今の感覚だと冬服は98、夏服でも70です。
 ということは時代を錯覚させるとか、パラレルワールドか何かでしょうか?

 それにしても、なんというか虚無です。虚無ですが、なぜか気になるアニメです。やっぱりどこかに何か仕掛けが無いと、いくら何でもこの虚無をアニメにはしないですよね?
 内容的にも、メタ的にも気になりすぎて、多分最後まで見てしまいそうです。

 視聴者に禅を提供しているのか、あるいはエンドレスエイト的な虚しさを演出しているんでしょうか? {/netabare}


4話 展開が理解できない。知的水準を試されている?ラブコメの体をなしてないラブコメという新ジャンル?

 アニメの構成として、この飛び飛び感は何かを試されているのか?と思ってましたが、先週と普通につながりましたね。

 話はわかるのですが、何をしたいのかが見えてきません。SFかと思いましたが、どうもそういう話にはならなそうです。何らかの仕掛けがある叙述トリックとか?まさか本当にラブコメ?

 いや、ですけど感情移入できるキャラもいないし、展開も急すぎてラブコメの体をなしていない気が…ちょっと、付いて行けなくなっています。一旦休もうかなあ…

投稿 : 2024/03/16
♥ : 15

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

現実って何かね<45>

1話視聴。
原作知らんので見てみた小説原作。
初回は、アバンのボール当たったかと思ったらど派手にエフェクトなシーンがなんだったのかと、一応のフックの役割を果たしておりました。
ただ、つきまとう主人公・言い寄られてまんざらでもないのに来ないと不満げなヒロイン等、魅力の薄い本編でフックは外れて、まあ初回だしというだけの視聴に。
結局、ボールが来たタイミングでもう口説くの止めようと思ったってだけの様子。
次は魅力を布教ですか。
突飛な行動が面白さに繋がらず、ただ思いつきを並べられてる印象の初回でしたとさ。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 2

89.5 15 恋愛アニメランキング15位
狼と香辛料II(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (2964)
16101人が棚に入れました
旧作からキャラクターデザイン担当と制作会社を変更しつつ、続編として制作された電撃文庫の人気ライトノベル原作アニメ第二弾。ホロの故郷を探すロレンスとの旅は、いつ果てるともなく続く。そんな彼らは道中で若き商人アマーティと出会うが、彼は清楚な修道女の振りをしているホロに一目惚れしてしまい、ロレンスを相手に彼女を身請けするよう持ちかけてきた。そんな折、些細なことで仲違いしてしまったホロとロレンス。あろうことか、ホロはアマーティに知恵を貸しているらしい。楽しかった二人の旅もこの地が終着点になってしまうのか? 原作の長編2作を映像化。アニメシリーズの前作は活劇要素も多彩だったが、今回はより会話劇と商取引の駆け引きに特化した内容となっている。

声優・キャラクター
小清水亜美、福山潤、千葉紗子、小山力也、笹島かほる、渡辺明乃、朴璐美、内田夕夜、豊崎愛生

こたろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大人用の最強萌えアニメだと思います

前作同様、イチャイチャぶりを見て悶えるアニメです。


エピソードの本筋は商売の話が中心ですが、2エピソードしかなく、ちょっと説明不足というか急ぎ足すぎて頭脳戦の醍醐味が薄かった感じです。
ラストももう少し盛り上がりが欲しかった。
まぁ商売の話もラブラブのための肴なんですが。


それよりも、何よりも、やっぱり特筆すべきはホロの可愛さです。
動きがすっごく可愛い。
耳や尻尾での感情表現がとても丁寧に描かれていて、ちょっとウィットな会話中にも「あ、喜んでる」みたいなのが判ったりして魅力を引き立ててます。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 20

さとろー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

前作に続き劣化なし

なにげなくなく見始めたこのシリーズ。

とても見やすいアニメであるが、かと言って単純なストーリーなわけでもなく全体的に評価できるアニメだと思う。

普段私の持論として高い評価のアニメにレビューは必要ないと思っていた。
なぜなら、人は結局失敗しなければ満足できるのである。
低い評価(または普通の評価)をだしたものがレビューを書き、作品をダメだしし、そしてそれをみた人がそのレビューをもとに失敗しないよう吟味する。
そういうものであると考えている。

今回この作品にレビューしようと思ったのは、高い評価をだしつつもどうしてもダメだししたかったからである。
ひどく個人的な書き込みなので、特にこのレビューを見る価値はないかもしれない。
レビューを見るために使った時間を返せ!といわない心優しい紳士だけ続きを見ることを願う。

私が不満を持っているのはこの作品のラストである。
最後の最後だけ抜けているような、最終話一歩手前のような状況でこのアニメは終わりを迎える。
RPGに例えるなら、細かいストーリーは終わり、あとはラスボスを倒してハッピーエンドを迎えるだけだ!!!って所で「冒険の書1」が消えてしまうようなものである。

それがベストな終わり方でグダグダにならずすっきりしているという人もいると思うが、すっきりして眠りにつきたい私としてはなんともお預けをくらったようでおもしろくない。

でもこのアニメが私にとってとてもおもしろかったのは自分の満足感から変えようのない事実であるため評価は高くせざるを得なかった。

このアニメを見ようと思っている人はわっち、、、じゃなかった私のレビューではなく、他の人のレビューを見ることを推奨する。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 6

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

狼は「ホロ」、香辛料は「ロレンス」。

1期に引き続き「ホロ」の生まれ故郷を目指し旅は続く・・。


商売の世界。
どす黒く、汚い。
得をして、損をして。
頭が回る、口がうまい。
運が良い、悪い。
ギリギリでのどんでん返し。
土壇場での裏切り。


そんな世界で「ロレンス」の為に翻弄される「ホロ」。
そんな世界で心から大切な物に気付いた「ロレンス」。
きっと自分達が思っている以上に


「想いあっていた」


のでしょう。
2期ではそんな2人の心情がすごく伝わり、
切なくなる場面が多かったです。


私的2期の見所は、
・1期より弱みを見せるようになった「ホロ」
そこがまた可愛い過ぎる!
・「ホロ」の行動、言動に対してやたら赤くなる「ロレンス」
(そんなとこかいwww)


という感じです。
今まで観た事のないジャンルでしたが
とても大好きな作品の1つになりました!!

投稿 : 2024/03/16
♥ : 27

77.7 16 恋愛アニメランキング16位
WHITE ALBUM2(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1108)
5600人が棚に入れました
学園祭まであと一月と迫った秋の日の夕暮れ。

崩壊した軽音楽同好会の最後の一人、北原春希は、
放課後の窓際で学園祭のステージを目指してギターを弾いていた。

それは、二年半ずっと真面目に過ごしてきた優等生が、
卒業までの半年間に成し遂げようとした、ささやかな冒険。

けれど、その拙いギターの音色に、
流れるようなピアノの旋律と、鈴が鳴るような歌声が重なったとき……

一人からふたりへ、ふたりから三人へと重なっていった新生軽音楽同好会の、
夢のような、夢であって欲しかった半年間が始まった。

声優・キャラクター
水島大宙、米澤円、生天目仁美、寺島拓篤、中上育実、杉山紀彰、梶裕貴、夏樹リオ
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

久々、いや初めてこんな恋愛アニメに出会いました  これ以上はこの先現れないだろうと思ったら、原作ではまだ序盤なんだよなぁ…

※長文注意報発令

【短い感想】
シナリオに関しては今までの恋愛アニメでダントツのNo.1です。
それだけ感情描写が素晴らしい。
ここまで繋がりがしっかりしていて、キャラの気持ちが伝わって来るアニメはまずありません。

この作品は隅々まで意味のある描写だらけの作品です。
結果だけに注目していたらまずこの作品の魅力は見えてこないです。
まずは主役の3人全員の気持ちを考えてこの作品を見てみてください。


【このアニメのコンセプト】
前作であるWHITE ALBUM(前後編)からそれは変わってないようです。
どうしてもネタバレが嫌な方のために一応隠しますが、私としてはコンセプトを知った上で視聴したほうがいいと思います。
大事なのはそこじゃないから。
なので、未視聴の方も参考程度に是非開いてみてください。

{netabare}このアニメで感じたのは、『大事なのは結果よりも過程』だということです。
このアニメのコンセプトは言ってしまえば“浮気”です。
このアニメが凄いのは、なぜそういう結果になってしまったのか、なぜこのキャラはそういう行動をとってしまったのかしっかり描写があることです。
「なぜこうなったの?」という問に対して「こうだからです」と返せるアニメです。
詳しくは後半の方に載せます。
ある程度浮気前提で物語を見て、「なぜそういう結果になったのか」「このキャラはどんな気持ちで行動したのか」などキャラの気持ちになって考えると、ガラッと印象が変わるはずです。
結果に至るまでの過程がしっかりしているから、思わず感情移入する、それも主役の三人全員にという感じで、見ているこっちまで辛くなってきます。

結果だけに注目していたら、「主人公最低」「クズ野郎」で終わってしまうかもしれません。
確かに、絶対クズではないと言い切れませんが、なるべくならそのキャラの気持ちを考え、気持ちを汲んだ上で感想を持ってみてください。
とても他人事じゃなくなります…
逆に、私が酷評している君のいる町は『過程よりも結果』の作品だと思うんです。
結果ばかりが前に行ってるから、キャラの行動が理解できない、感情移入できない、キャラの本気度が伝わってこない、キャラにブレがあって操られているように見える印象です。

視聴する際は結果だけでなく、結果に至るまでの過程に注目してみてください。{/netabare}


【長い感想(12話まで)】※ネタバレの嵐です。まだ12話まで視聴してない方は開かないでください。
○第7話:最高の、最後の日
{netabare}これを最初に持ってきた理由は、この回が“WHITE ALBUM2の全て”と言ってもいい回だと思うからです。
この回が与えた影響は計り知れないと思います。
他の2回分の話も絡めて、第2音楽室で何があったのか描写しています。
①かずさと春希が二人で会話、かずさが本音を少しだけ漏らす
②雪菜が春希に迫り、キス、付き合うことに
③実はかずさが寝ていた春希にキスしていたことが判明
④さらに実は雪菜は春希とはまだ付き合う予定ではなかったことを明かす
⑤雪菜はかずさがキスしていたところを実は見ていた
⑥現在(春希と雪菜が付き合っている)に至る

本当の地獄(辛い気持ちになる回)はこれからですが、この回が一番重要な回だと思います。
なぜ雪菜が告白したのか、なぜ雪菜が3人でいることを望んでいるのか見えてきます。
ただ友達だから失いたくないとか、そんな能天気な問題ではないはずです。
理由も結構はっきりしていると思うので、後で述べます。

さらにここから歯車が狂い始める意味でも重要な回です。
なぜかずさが雪菜と仲良くやっていけているのか、その間どんな気持ちを味わっていたのか、春希は何を思って3人と過ごしてきたのか、この回が与えた影響は測りしれません。{/netabare}


○小木曽雪菜
{netabare}雪菜はかずさよりも自分の気持ちを相手に伝えられるだけであって、本当は相手のことを考えて一歩下がったりする遠慮してしまう人物だと思います。
春希奪っといて何言ってるんだって?それはこれから説明します。(WHITE ALBUM2はこうやって後々説明したり、答えを持ってくるパターンが多いんですよね)

雪菜が望んだ最高の結末は
「春希がかずさと雪菜どちらと付き合うか腹を決め、雪菜に告白、そしてかずさもそのことを認め、友達としてこれからも3人一緒」
だと私は思います。
だから、あれを見るまでは3人一緒に過ごし、春希に選ばせる時間を、かずさが素直になるまでの時間を設ける予定だったはずです。
しかし見てしまった、かずさが春希にキスする瞬間を。
だから行動に移してしまった。
「それが自分にとって一番の結末にならないから」
雪菜はかずさと春希が付き合うまでもう時間がないと悟った、だから焦って自分から行動してしまった、春希の気持ち、かずさの気持ちを知っていながら。
かずさに関しては以前から春希のギターに合わせてピアノを弾いていたこと、今回のキスでまず納得でしょう。
春希に関してはおそらく文化祭の三曲目、届かない恋の歌詞に何かあると思うんですよね。
それ以外でも、かずさに惹かれていることは雪菜も気づいていたと思います。
そして、雪菜が焦って行動したのも、彼女の性格を表した描写から納得出来ると思います。
1つ目は中学時代のハブにされた経験、2つ目はトラブルセット(トラブルの種となったトラベルセット※ニコ生一挙放送コメントより)、これから雪菜が焦りやすい性格、一緒にいられなくなるのを恐れる性格が分かり、今回の行動と合致すると思います。
ここまでが春希と付き合うまでに起こったことです。

ここからは付き合ってからの3人、主にかずさのことを考えている雪菜について述べます。
付き合うことになったのを屋上にてかずさに報告、そして確認する雪菜。
なぜかずさに確認しているのか、それはかずさが春希を思っていたことを知っているからですよね。
しかし、かずさはそれを誤魔化し続け、そしてあの行動をとります。
名前呼びの承認。
これによって雪菜を納得させ、友達としてこれからも付き合っていくことになりました。
その後も3人でいることを強く望む雪菜、それはかずさと友達でいたい、3人でいることを大事にしたいだけじゃないはずです。
雪菜には後ろめたさがあった。
「春希の気持ちが自分一本に向かう前に、そしてかずさが納得する前に告白してしまったこと」
さらには屋上のシーン「私、割り込んだんだ、二人の間に」
だから、二人にチャンスを残すのと同時に、自分からすればピンチを乗り切る、二人から認められるように頑張ろうとしたと思います。
春希から本物の彼女として、かずさから本物の友達として認められるように、自分の後ろめたさ、罪悪感を消すために。
つまりは、順序が逆になってしまったけど、自分の計画にあったことは飛ばさないようにしようとした、それが二人にできるせめてもの事だと雪菜は思ったと思います。
現に、春希がかずさの事を思っているのに気づいても、「やめて!私だけ見て!」とか言ってなかったと思います。
それどころじゃない、というかこの行動を雪菜の気持ちで考えたらめっちゃ辛くなります…
・誕生日パーティーで二人きりになることを断る
これは完全にかずさのためです。
家族も含めてという嘘までついて春希を説得していただけに、どうしてもという気持ちが伺えます。
普通はですよ、彼氏をとられるかもしれない相手のことを思って決定機を見送るなんてしないですよ。
でも雪菜ならその行動が出来る理由がある。
自分のことだけ考えているわけではなく、かずさのことを思い、自分に罪悪感を抱いているから。
その行動の末、誕生日に家で一人でいた雪菜の気持ちを考えると…

・卒業式にかずさが来ていたことを春希に伝える
理由はほぼ上と同じです。
いや、ここまで来たらもう罪悪感に押しつぶされてしまったのかもしれません。
これ以上春希が悩み苦しむのも、かずさが素直になれないのも見たくない、その上かずさが卒業式に来ていたことを春希に言わなかったら、また罪悪感が増え、それを背負って生きていくわけですからね。
もう、ここの全てを悟った雪菜の顔も…

という感じです。雪菜の焦りや優しい性格、その上での行動が引き起こしてしまった悲劇という感じです。
はっきり言って雪菜のエピソードだけで胃が大変なことになってるのですが、まだ二人分の思いを受け入れていかなくちゃいけないですからね(笑)…
そりゃ胃薬必須アニメだわ。{/netabare}


○冬馬かずさ
{netabare}雪菜よりも、というか誰よりも自分の気持ちを相手に見せないかつ面倒見の良さによって悲劇を招き、悲劇の大きさがどんどん拡大してしまった人物です。
春希が好きで仕方ないのに本人に伝えることもできなければ、伝えようと考えることすらしないかずさ。
そのことを伺えるのが文化祭のキスシーン。
寝ている春希にキスしてしまうくらい好きなのに、思いを伝えられない、その結果雪菜が目撃し、春希に告白してしまった。

もうね…ここからのかずさは見てられないですよ。
1周目はまだいいんですけど、2周目はかずさがどんな気持ちを抱いて過ごしてきたかわかるから、気持ちと行動のギャップが…
まずは雪菜告白後の報告シーン。
雪菜の言っていることは全て事実、かつ雪菜はそれを裏付ける証拠も知っているわけで、質問する口調もかなり強めです。
「それでいいの?」という雪菜の心の声が聞こえてくるかのようです。
それを否定し続けるかずさ、そしてあの名前呼び承認。
これは、雪菜と友達としてやっていくという気持ちも本心から思っていると思いますが、それだけじゃない。
この場合は自分の気持ちを誤魔化すための手段です。
事実、この行動によって雪菜は質問をやめました。
後半にもこういうシーンがあります。
「やっぱり私、かずさと本当の友達になれなかったのかな…」
「そんなことはない、雪菜はたった一人の親友だと思っている」
後から見てもわかるとおり、この時のかずさは悔しさや悲しさという気持ちを抱いています。
でも、かずさからしたら雪菜も大事で、友達でいたいというのも嘘ではありません。
ていうか、これが複雑であり、これによって悲劇がさらに大きくなってるんですよ…
いっそのこと、好きじゃない、友達でいたくないと思えれば少しは楽になれるのに。
好きだから、友達のことを妬みきれない、恨みきれない、結果自分に悲しみが積もるだけ、発散はできない。

「一緒にいないと小木曽が泣くからな」
春希が好きという自分の気持ちに嘘をつき続け、友達のために安心させるために自分の本心を隠し、一緒にいようとするかずさ。
「かずさ変わったよね?明るくなった」
本当は悲しい気持ちが渦巻いていると考えると…
それでも友達を気遣い、悲しい気持ちを前に出さないように気持ちを張って明るく振舞うかずさ、張り詰めていた気持ちが切れてしまったのがあのシーンですよ。
3人の旅行の帰りに車で一人号泣するかずさ…

そして最後は二人から離れようとした。
雪菜のことを思い、そしてもう3人で過ごすのは耐え切れないから、これ以上拷問を受け続けて自分を騙して3人に笑顔を振りまくのは無理だから、そんな印象を受けました。
10話Aパートはアニメ史に残すべき凄まじいシーンだったと思います。
「そんなのはなぁ…親友の彼氏に言われるセリフじゃないんだよ。」
「私の前から先に消えたのはお前だろ!」 
「勝手に手の届かない所に行ったのはお前だろ!」
「手が届かないくせにずっと近くにいろなんて、こんな拷問も思いついたのもお前だろ!」
「なのに何で私が責められなきゃなんないんだ!」 
「毎日毎日目の前で心えぐられてそれが全部私のせいなのかよ!」
「ひどいよ!どうして私の気持ちわかってくれなかったんだよ!」
「私がつまらない男を好きになって何が悪い!」
凄まじい、よくこんなセリフ思いつけるな…
そしてこのセリフをいえるシチュエーションを作ったのも凄い…

雪菜のことを考える優しい性格のために、自分が受けるダメージが増え続け、人に自分の気持ちを伝えれない性格のために、春希が離れていってしまい、春希が3人一緒にいようと提案してしまう、これがかずさです。
雪菜もそうですが、優しくて友達思いであるために、自分の首を締め続けているという印象です。
全然悪いことはしていない、友達にとって最善のことをしているはずなのに、考えの違いによってそれが友達を傷付けることになってしまう、さらには自分も。
WHITE ALBUM2とはこういう作品です。
作中にもありますが、「かずさが男の子だったら…」「私だったら雪菜を渡さない」(うろ覚え)という感じで、性別のことを憎んでる描写があります。
全員が同じ性別だったら、恋愛さえなければどれだけ綺麗な青春ストーリーで終われたことか…{/netabare}


○北原春希
{netabare}最終的には浮気してしまいますが、春希もすごく悩んで、すごく悲しい思いをしてきてるんですよ。
春希の悲劇の始まり、それは雪菜の告白を受けてしまったこと。
もちろん雪菜が気にならないわけじゃない、魅力も感じているけど、文化祭の段階では間違いなく中途半端な気持ちだったはずです。
それでも、あれを受けるなという方が無理な話です。
最初から逃げ場などありませんでした。
普通なら、最初は中途半端でも、少しずつ付き合ってから雪菜のことを思っていけるはずですが、今回は別ですよね。
それはかずさがいる、もっと言えば雪菜よりも気になってたであろう相手の存在が今後の展開を大きく動かしたと思います。

雪菜の三人でいたいという提案(二人にチャンスを設ける)、かずさの三人でいないと雪菜が泣いてしまうという提案によって、春希は三人でいることを大事にしようとします。
その結果、かずさを傷つけることになってしまいました。
さらには、かずさとのやり取りが残ることによって、最終的にはかずさの所へ行きましたが、それまでの春希の思いってかなり複雑だと思うんですよ。
ちょっとまとめてみますが、あくまで私の予想です。
①雪菜と会う前、かずさに惹かれていた
②雪菜とあってからも、かずさの方が気になっていた
③雪菜と付き合ってからは、付き合うという考えはほぼ無くなる、友達として、プラス以前に気になっていた気持ちを残したまま気にかける
④かずさが本当の気持ちを明かしたことによって昔思っていた気持ちが爆発、抱きしめてキス
こういう感情変化だと思います。
かずさのこと諦めているから友達として3人でいようと提案、ただ100%友達としてではなく、どこか引っかかる気持ちが残っているから必要以上に気にかけてしまう、最終的には爆発みたいな。
そして、春希はそういう自分の気持ちに気づいていたと思います。
だから雪菜の誕生日に二人で過ごすことを提案した、自分の気持ちを100%のものにするために。
しかし雪菜はそれを拒否、結果かずさに会いに行き、あの始末です。
あのかずさとのやり取りによって、雪菜を裏切ったのと同時に、気持ちがかずさに流れてしまった、それでもかずさに受け入れられず有耶無耶になり、結局は雪菜に頼ってしまうことに。
用意していたプレゼントも渡せずに。

結果は浮気ですが、春希の気持ち、行動も分かるんですよ。
やっぱりターニングポイントは文化祭ですよね。
あれが全てを変えてしまった、かずさのキスが。{/netabare}



【最終話まで見ての感想】
{netabare}○最終話感想
色々な意見やコメントを見てきましたが、私としては電車での雪菜が一番印象的でした。
雪菜の気持ちは今までの描写から伝わっていたので、私が気になっていたのは、卒業式で置き去りにされた雪菜をどうやって絡めていくのかという点でした。
ということで、改めて気持ちを知ったことよりも、雪菜がどんな気持ちで春希にこれまでの気持ちを話したのか、これを考えると本当にきつかったです。
そして、雪菜の気持ちを知らなかった春希がその事実を知った時の心境を考えると、さらに辛い気持ちになりました。

あとは空港のキスシーン、まぁ見せつけと解釈してもしゃーないというか、こういうところがこの作品合うかどうかの分かれ目だと思うんですよ。
このシーンを見て「何やってんの?」「ゴメン、笑ったww」という感じになるか、3人の気持ちを考えて複雑な思いを味わえるかに分かれると私は思います。
ここは帰ろうとした春希、「なんで来た」「ごめん雪菜」と言ったかずさという描写だけでも複雑な気持ちが伺えるし、それでもかずさと春希のお互いの気持ちが圧倒したことが分かるシーンでした。
二人も罪悪感があるけどやめられない、それを見る雪菜の気持ち、これらの大きすぎる感情の塊が押し寄せてきたシーンという感じでした。
こうなってしまうと思ったし、離れるのに最後まで辛い思いをしたくないと思った春希、離れるのに別れるのが辛くなるのが分かっているのに春希が空港に来たことに戸惑うかずさ。
せっかく愛し合った二人なのに別れなければならない、だからこそかずさが春希の部屋から出ていく時何もあいさつを交わさなかった、せめてもという感じでかずさは春希の制服のボタンを持っていったのではと私は思いました。

あとは後味の悪さについて。
確かに後味は良いとは言えませんが、最後も安易な展開にせずに、やってきたことを貫き通した印象だったし、今回はまだ序盤らしいですからね。
これから本番になるという印象も最終回を見て感しました。
それだけに、今後の展開に恐怖を感じてしまう最終回でもありました。


○小木曽雪菜2
{netabare}「一番悪いのは私。だから、かずさに謝らなくちゃならないの。それと、春希君にも。ごめんなさい。」
簡単に雪菜に起こったことをまとめてみます。
恋のライバルがいる中、先に告白して付き合うことになる。彼氏がそのライバル(親友)と浮気する。浮気した二人に謝ろうとする。
これだけだと何も雪菜は悪くない、いや、事情を含めても雪菜は何も悪くないんですよ。
それなのに、ていうか普通はどうやっても許せないようなことをされたのに謝ろうとしている。
それでも雪菜の気持ち、罪悪感が今までの描写から分かるし、だから謝ろうとしていることも分かる。
怒られて当然のはずなのにかばわれている春希の気持ちも分かるから…辛い…
さらには、かずさに謝ろうとした(かずさを見つけた時、一瞬表情が変わります)のに、あのキスを見てしまってそれも出来ない、かずさへの罪悪感以上に自分の悲しみが上回って泣いてしまう雪菜…

「あなたを好きにならなかった未来なんて絶対嫌。 良かった、そこだけは譲れなかったんだ。」
はっきり言って、私はWA2のどのシーンよりも、かずさの告白や空港のキスシーンよりもこれが一番辛くなったシーンでした。
『あの時~しなければ』、いよいよ雪菜の口からこの言葉が発せられたかと思いましたよ。
私もずっと思っていたことです。
どんどん妥協して妥協して、最終的には屋上で出会わなければとまで言ってしまう。
それは春希も否定しましたが、それは自分もだという少しだけ安心した声を雪菜は漏らしました。
さんざん気持ちがすれ違い続けてきた中、ようやく二人の気持ちが完全一致した瞬間でした。
WA2という物語を1シーンであらわし、まとめたようなシーンです。
ここで流れる『さよならのこと』の歌詞のマッチ具合がマジでやばい…
機会があったら一度歌詞をじっくり読んでみてください。
春希にさえ会わなければ辛くないのに、それでも辛くても春希と会わない、好きにならない未来は嫌という雪菜…そうだよなぁ…辛い…

「どうしてもあなたと恋人同士になりたかったから、じゃないんだよ。かずさほど真剣じゃなかったよ。」
ここもWA2の特徴ですよね。
100%嘘ではないけど、本心からは遠い言葉。
最初に聞いたときは嘘っぽいなぁ、本心ではなさそうだなぁとは思ってましたが…
春希とかずさのために自分を抑えて出した言葉、春希の罪悪感を少しでも軽減させるために出した言葉、それでも二人のキスを見て耐え切れずに泣いてしまう雪菜…辛い…{/netabare}


○主題歌歌詞
{netabare}恐らくネタバレになると思って、全話視聴するまでは歌詞を確認したり、じっくり歌を聴いたりしませんでした。
『届かない恋』
恐らく大きな意味を持っていたであろうと思っていた文化祭の3曲目の歌。
ぱっと歌詞を見た感じでは、春希がかずさへの気持ちをそのまま歌詞にしたという感じでした。
雪菜がこの歌の歌詞を見て表情が変わったのは、自分が好きである春希がかずさに前から、そして今なお惹かれているのを察したからでしょう。
さらに、その歌詞をかずさが一文字も変えなかったというのも、かずさが春希の気持ちを受け入れた印象でした。
ここまではまぁだいたいは予想してましたが、このフレーズで色々なことが見えてきました。
「ぼやけた答えが見え始めるまでは 今もこの恋は動き出せない」
かずさに惹かれてはいるが、相手の気持ちが分からなければ、自分の決心もつかない。
この歌は恋が始まっている上で届かない恋なのではなく、恋が始まってすらいない気持ちを表した歌という印象です。
だから雪菜は最終回で春希に言った。「かずさがあなたに想いを伝える前なら、絶対に勝てるって、知ってたんだよ。」
かずさが想いを伝えていない、春希の恋が動き出す前なら自分の気持ちを受け入れてくれるという感じで、この歌詞を見れば今までにもたくさんあった行動の裏付けがまた1つ分かります。
かずさが気付けと春希に言っても、もっとはっきりしていないと気付きようがない、逆にかずさが想いを打ち明けたことによって春希の恋が動き出してしまったんでしょうね。
「ずっと前から冬馬のこと好きだった」と言ったものの、まだ恋として動き始めてはいなかった。
本当に隅から隅まで描写に意味がある、作り込まれている作品だと改めて思いました。

『さよならのこと』
一番ラスト…君と出会わなければ辛くないのに
二番ラスト…君と出会わなければ辛くないのに
ラスト…君と出会わないなんてイヤだと気付いた冬
ちなみに電車のシーンで流れたのは一番下のラストの歌詞です。

『After All–綴る想い-』『closing』の歌詞もかずさの気持ちをあらわしていて、すごく心に響く歌詞です。{/netabare}


○これからが本番  ○友情≒恋愛 
{netabare}ゲームではここまでは序盤、これからが本編だと聞いてます。
そして、それは最終回の描写を見ても少し予想出来てしまうので…やはり今後が怖いです。
①今回表面上話が重くなったのは9話から
伏線があったり、裏では(とくにかずさが)辛い思いをしていることはありましたが、それでも旅行までは輝かしい青春ストーリーという感じでした。
今後はこういった青春パートはまずないと考えられること、いけないことをした罪悪感がまとわりついたまま物語が進むと考えると…
新キャラという救いももしかしたらあるかもしれませんが、今後さらに重くなるのは目に見えています。

②恋愛≒友情
WA2はこのバランスのもと成り立っていました。
だからこそ3人全員が辛い思いをしたというのはありましたが、そこまでドロドロした展開(彼氏の奪い合いや女同士の醜い争い)までは行ってなかったと思います。
しかし、最後の方ではドロドロになる予兆、そして『恋愛>友情』にバランスが偏ってきている印象を受けました。
・「雪菜と何回キスしたんだよ」
・携帯に出ようとする春希に対して、携帯を思いっきり手ではらう
・空港で雪菜の前でありながら春希とキスしてしまう
かずさは後半の行動でそういう印象を強く受けました。
今までずっと想ってきた春希に対する気持ち、さらには我慢して辛い思いをした分気持ちが爆発した感じです。
また、上2つに関しては自分だけ見て欲しい、ほかのことを考えさせないで欲しいというかずさの春希に対する独占的な気持ち、というよりは不安な気持ちが伺えます。

・空港でかずさと春希のキスを目の前で見ながらも、その後に春希のそばにいる雪菜
あれだけのことを見せられて、二人に謝らなければいけないと言っていた雪菜ですが、それでも春希の前からはいなくならないんですよね。
二人に謝らなければとは言ったものの、かずさに譲る、春希と別れるとは言ってないですよね。
最後のこのシーンによって雪菜の今の気持ちをあらわし、そして今後のさらなる重い展開を予感してしまいました。
なんというか、春希が今後どんな行動をしようが諦めないみたいな、ずっとそばにいようとするんじゃないかなと怖い予想をしてしまいました。{/netabare}{/netabare}


【最後に】
…放心状態になりました。
既にこれだけのストーリーを見せつけたのに、これからが本番だとこれまでの描写を見ても分かってしまったため、原作やりたかったのですがここにきて恐怖が期待と好奇心を上回ってしまいました。
原作ゲームに関しては、心の準備をした上で強い気持ちをもって挑みたいと思います。
話は結構重い感じですが、キャラの感情描写、変化、理由付けなどに関しては本当に素晴らしい。
この描写に関しては今までのアニメの中でもかなり上位、というか1位2位を争ってもおかしくないです。

脚本の丸戸さんは、アニメ脚本初めてらしいですが、見事というか、さすがという感じですね!
私、丸戸さんがシナリオやってるゲームやったことあるんですよ。
私はエロゲーを2つだけやったことがあります。
それがkeyのAirと丸戸さんシナリオの戯画のパルフェです。
パルフェのシナリオの丸戸さんということで、脚本のレベルの高さは納得でした。
これからも期待しているというか、WHITE ALBUM2はこれからが本番らしいので(末恐ろしい…)、というか全話見て確かにそうだと感じたので、今後の展開に期待大です。
そして来る日まで私は心と胃の強化に励みたいと思います。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 60
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

争闘の恋は情熱の恋に負ける

情熱の恋がなぜ真の恋であるかといえば、それは恋している当事者たちさえもが、それが恋だと自覚できていない種類の感情だからだ。

要するに、それは、自分で自分の感情をコントロール出来る程度の「趣味的な恋」、相手の好意を獲得するための「駆け引きの恋」、あるいはブランド品を友達に見せびらかす類いの「虚栄的な恋」ではない。

このアニメでいえば、
{netabare}
雪菜の恋→争闘の恋
かずさの恋→情熱の恋
{/netabare}
ということになるのだろう。

争闘の恋というのは、他人の情熱を見て嫉妬し、それに取って代わろうとする(={netabare}雪菜自身のセリフで言えば、「割って入る」{/netabare})、いわばニセモノの情熱に突き動かされて進行する恋である。
そして、この恋は、当事者自身が、「この恋は決して本物の恋ではない」ということを心の奥底でハッキリと自覚しているが故に、返って、本物の恋(=情熱の恋)以上に激しく対象者に恋焦がれて、強烈な行動を引き起こしてしまう。

一方、情熱の恋の側にとっては、大切なのは自分の恋の対象者の幸福なのだから、争闘の恋の側が突進してきた場合には常に身を引いてしまう。
こちらは、そもそも、自分の感情が恋であることすら、確りと自覚できていないのだ。

だから、争闘の恋は、その突進力によって一時的には勝つ。

ここで、問題は、春希の恋である。
{netabare}
春希の恋もまた、かずさの恋ほどgenuine(純粋)ではないが、一応は情熱の恋といってよいと思う。
なぜなら、彼もまた無自覚のうちに、かずさに惹かれて、結局は彼女の幸福を最優先に考えて行動してしまうからだ。
春希は確かに雪菜の恋を一時的には受け容れたのだけれど、しかしそれが彼にとっても、雪菜にとっても真の情熱ではないことに、どこかで勘付いていたのではないか(その辺りの描写は残念ながら曖昧だが)。
{/netabare}

「だって俺、きっと見つけてしまう」

{netabare}
春希は恋の自覚もないままに、「届かない恋」という歌詞を書き、かずさもまた恋の自覚もないままにこの歌詞に楽譜をつけてしまう。
この新曲のヴォーカルを任された雪菜だけが、「届かない恋」に秘められた二人の想いの強さに嫉妬して唇を噛み締める。
{/netabare}
=========

【全話を視聴して】

作品のテーマとしては、男1×女2の三角関係のリアルな推移を正面から扱っており、かつ、あにこれで人気の「とらドラ!」とは全然違った恋模様を描き出していて、かなり楽しめました。

ただ、テーマの面白さに比較して、作画や演出のレベルが余り高くなかったのが残念で、その点で評価を幾分低めにつけてしまいましたが、少なくとももう一回は通しで視聴したいと思ってしまう作品でした。


(2019.6.23) 誤字修正

投稿 : 2024/03/16
♥ : 73

ミミック さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

1クールでは物足りない

物語は構成含めて非常にいいが、なにか心残りがあった。

それは恐らく登場人物の描写がものすごく狭いのでは?と感じた。主人公ですからその人中心に物語が進むという点では申し分ないことですが(現に素晴らしい作品なので)せめて他の男の子など外野を取り入れた話も作って続編を出して欲しいとも感じた。


いずれにしてもゲーム原作のアニメで最近ここまで歌や描写を凝っている作品が少なくなっている原因もあるがとても新鮮な気持ちで見れたのが高評価の一つにもなった。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 26

86.3 17 恋愛アニメランキング17位
五等分の花嫁(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1082)
5019人が棚に入れました
貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

声優・キャラクター
松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

船頭多くして船山に上る

原作は雑誌でパラパラと


視聴動機は、マガジン案件だったから。けっこう近年のマガジン頑張ってるんですよね。
そして蓋を開けてEDのキャスト陣を見たらこれまた豪華。

中野家のご姉妹
長女 : 一花 (いちか) CV 花澤香菜
次女 : 二乃 (にの) CV 竹達彩奈
三女 : 三玖 (みく) CV 伊藤美来
四女 : 四葉 (よつば) CV佐倉綾音
五女 : 五月 (いつき) CV水瀬いのり

進級も危うい五つ子ちゃんの家庭教師を請け負う学年一の秀才上杉風太郎主演のハーレムラブコメとなります。風太郎の声は松岡禎丞さん。日本にはハーレムラブコメに松岡さん以外を出演させると禁固刑となる法律でもあるのでしょうか?出ずっぱりです。
富裕層中野家と貧民層上杉家の対比です。バイト代の高さを動機付けになにかとたいへんな五人の成績を上げるべく奮闘しながら、とはいえ同学年の美人五姉妹相手に健康な高校生男子が何も思わないわけでもなく、、、いやその前に先方が機先を制してデレ始める鉄板の展開でした。
わりきって観る感じでしょうか?キャラとストーリーを持て余してる序盤です。


観終わって、、、
ぶーぶー言いながらも後半面白くてそれなりに満足しました。
結局のところ、

{netabare}五人まとめてかかってこいやー!{/netabare}

というわけで選べん。


まずは良い点。キャラの配置から。五人がそれぞれ個性的でキャラが被りません。おかげ様で名前と顔の一致が早い。

一花:THEお姉ちゃん。ふわふわしながら締めるところは締める。長子の割に合わないところを飲み込んで責任を全うしようとしてる。意志の強さがショートヘアーに表れているのか?{netabare}良い{/netabare}
二乃:勝気さと家族思いのギャップ。女子力も高い。風太郎への警戒は人一倍強いが、こういった子のバリアを突破した時に見せるだろう情の深さは楽しみである。{netabare}良い{/netabare}
三玖:不器用女子。人との距離の取り方に難があれど、あばたもえくぼってやつ。心根の良さと頑固さが見え隠れしほっとけないタイプ。{netabare}これまた良い{/netabare}
四葉:奉仕の心。明るくアホそうに見えてそのくせ周りへの気遣いを欠かさない。もっと自分だしていいんだよ、の守ってあげたいタイプ。{netabare}なんだかんだ良い{/netabare}
五月:キタ!ツンデレ。頑張っても結果が出ない。そこを男のValueで彼女の不足を補ってあげるぜ!と勘違いしたい。主人公にだけ冷たい。落としたい。{netabare}というわけで良い{/netabare}

声優さんの魅力もさることながら、誰がヒロインでも一本書けそうです。さらに風太郎の妹らいはも存在感出してくるので侮れません。


ただしこちらは全体のバランスを無視して単品で一人一人に焦点を絞ったら?という前提が必要。

 みんな良い = {netabare}どうでもよい{/netabare}

なのです。
・みんな巨乳はやりすぎでは?安直な感じもします。
・狭い空間(中野家のマンションの中)が主戦場なので一対一になりにくく、かといって姉妹同士牽制しあう描写もソフトで消化不良。
・順に攻略した末での落としどころが見えづらい。結局情感揺さぶられるほど感情移入するにはせいぜい三角関係ぐらいにしとかないと破錠するよね。難しい設定。
・言っても同年代5人ですから。先輩後輩のような縦の関係もないと物語を膨らませることは難しい。これも設定になるのかな。


こういった背景もあって、数話観ると割りきってブヒる視聴姿勢で臨むか、嫌気さすかどちらかになりそうな気配です。

{netabare}アバンの結婚式描写などご都合展開飛び越えての超展開も期待できそうな伏線は配置されてますが、{/netabare}

作品の焦点をどこに置けば良いのかイマイチ掴みきれておらず、途中しんどかったです。船頭多くして船山に上る感じ。
まるで、ホテルのビュッフェで和洋中華それ以外と単品のクオリティがそこそこ良いけど全部食べろと言われると持て余しちゃうような感覚に近いかもしれません。

それと、五つ子全員お勉強が出来ないというのもなんか釈然としません。
勉強ができるのと地頭の良さは別物とはいえ、一定の尺度の中でだったり要求水準を求められて成果を上げるとか努力することって人として必要でしょうに、それがないというのが一点。それなりにインプットがないとアウトプットするネタに困るのが人間だと思うよ、が二点め。
それが揃いも揃って全員かよ!ある意味すごい姉妹だと思われます。

 {netabare}お母ちゃんも空の上で泣いてるで。{/netabare}


{netabare}林間学校編に突入してから{/netabare}加速していった後半が良かったのでOK!とします。
ちょっと五人それぞれが揺れ動いてくるあたりから物語が締まってくるので序盤で切っちゃうともったいないかもしれません。


OPの ご ・ と ・ お ・ ぶ ・んっ  もTHEアニソンらしくて良かったですよ。
{netabare}タイムリーにスキー場で流れてて、ウチの子供は「きもっ」って言ってましたが。。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴
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2019.04.06 初稿
2019.09.16 修正
2022.02.10 修正

投稿 : 2024/03/16
♥ : 64
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

豪華声優陣だけが魅力!?

原作未読。最終話まで視聴。

美人揃いの五つ子。
家庭教師は同級生の男の子。

設定がありえなさ過ぎてどこからツッコめばよいのやら・・・。

せめて、コメディ要素が強ければラブコメとして楽しめたんだろうけど・・・。
コメディとしては笑いどころが少なすぎ。

さすがにヒロインが5人もいると、1クールでは間延びし過ぎかな。

{netabare}ご想像にお任せします{/netabare}エンディングも、何だかいただけない。

まさか、原作完結していないとか?
だったら、こんなエンディングにしなければよかったのに・・・。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 49
ネタバレ

すがさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

五つ子ヒロイン

声優つよつよアニメ。

人選に面白みがないようにも思えるけど、キャラ人気が片寄りすぎたら"五等分"というコンセプトが崩れかねないため、それは仕方ないのかな。

甘酸っぱいラブコメは苦手なのが多い私だが、これはまあまあ好きな部類かもしれない。


キツいオタクなのでキャラ順位つけました。
↓↓↓
{netabare}【五姉妹好きなキャラランキング】

〔5位〕 {netabare}三玖(cv.伊藤美来さん)
{netabare}抹茶ソーダで機嫌を損ねた悪印象が最後まで抜けなかった…
歩み寄るために武将知識必須なのが面倒臭いかも。{/netabare}{/netabare}

〔4位〕 {netabare}一花(cv.花澤香菜さん)
{netabare}部屋をきちんと整頓できるようになっていただきたい。
悪戯っぽい性格は結構好き。{/netabare}{/netabare}

〔3位〕 {netabare}二乃(cv.竹達彩奈さん)
{netabare}シンプルに罵られたい。
でも睡眠薬盛ったのだけは絶対許さんからな(怒){/netabare}{/netabare}

〔2位〕 {netabare}四葉(cv.佐倉綾音さん)
{netabare}アホの子可愛い。
明るくて接しやすい反面掴みどころが見えないので、一定以上の距離を詰めるのは大変そう。{/netabare}{/netabare}

〔1位〕 {netabare}五月(cv.水瀬いのりさん)
{netabare}真面目なのにポンコツ可愛い。
意見がぶつかってゆっくり話し合いたい。


{netabare}以上です、よろしくお願いします。{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 37

92.7 18 恋愛アニメランキング18位
かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★★ 4.1 (954)
4383人が棚に入れました
秀才たちが集うエリート校・秀知院学園その生徒会で出会った副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行誰もがお似合いだと認める2人の天才は、すぐに結ばれるのかと思いきや高すぎるプライドが邪魔して告白できずにいた!!“如何にして相手を告白させるか"という恋愛頭脳戦に知略を尽くす2人…その類い稀な知性が熱暴走!!もはやコントロール不可能!!恋が天才をアホにする!!新感覚“頭脳戦"?ラブコメ、再び!!秀才たちが集うエリート校・秀知院学園その生徒会で出会った副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行誰もがお似合いだと認める2人の天才は、すぐに結ばれるのかと思いきや高すぎるプライドが邪魔して告白できずにいた!!“如何にして相手を告白させるか"という恋愛頭脳戦に知略を尽くす2人…その類い稀な知性が熱暴走!!もはやコントロール不可能!!恋が天才をアホにする!!新感覚“頭脳戦"?ラブコメ、再び!!

声優・キャラクター
古賀葵、古川慎、小原好美、鈴木崚汰、富田美憂、花守ゆみり、麻倉もも、日高里菜、八代拓、青山穣
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

和を以て貴しとなす

種明かしは後半で! 原作は未読です。

面白いと感じる作品には4.0点以上つけていて、自分レビューした作品の5割弱が“面白い”に該当します。『かぐや様』の1期は4.0点ちょうど。
なによりも脇役の藤原書記・石上会計・早坂・そして柏木カップルが良い仕事をするコメディと評価しました。アニソン界の大型新人や劇伴含めた演出のコテコテ感も好感。ただし主役二人はパンチ不足なので4.0点どまり。そんな1期の評価です。

 とにかく場を荒らしまくる藤原
 気軽に地雷を踏み抜く石上
 この作品唯一まともな人早坂
 主役以上にラブしてる柏木夫妻

名バイプレイヤーがいる作品は安心して見ていられる。好評だった1期からそのまま大きく外すことはないだろうとの期待を裏切らず無事完走。1期と同じく全12話の物語。
1期を受けての2期となるお作法について本作は視聴前から方向性は分かるようになってます。
作品サブタイトル~天才たちの恋愛頭脳戦~には取り消し線が引かれ、メインタイトル『かぐや様は告らせたい?』と“?”を追加。
頭脳戦そっちのけで四宮かぐや(または白銀御行)が権謀術数はりめぐらせて相手から告白を引き出したい。もうそれすらどうなのかもはやわかんない。そんな展開が見て取れるタイトルをきちんと踏まえた物語展開をしておりました。こういう細かいところで小粋な仕掛けが光る良品だと思ってます。
キャラでいえば新キャラ伊井野ミコ(CV富田美憂)を追加。真面目で融通が利かずアガリ症という基本スペックがまずありきで、ことごとくタイミングが悪かったり妄想癖が強力にドライブしたりのギャグ仕様。初期メンバーが偉大過ぎるのでやや埋没している感は否めないものの、この作品にはこれまでいなかったタイプのキャラなのでハマれば化けるでしょう。


ここまで書いといてなんですが1期観てからにしてくださいね。元は取れます。
おそらく1期から流れてきた方がこのレビューを読んで頂いていると思います。みなさん評価のUP↑DOWN↓はあれど乱高下してる感じはなく良くも悪くも安定しているなぁというところに落ち着くのではないでしょうか。自分は若干2期の評価を高くしました。
新キャラ増えてもバランスが壊れてないという最低限をクリアしている点。そして思った以上に主役二人のキャラとしての魅力が上昇したことが判断の決め手です。劇伴・主題歌・演出は誤差の範囲としてほぼ1期と同等水準でした。



※ネタバレ所感

■終盤のあのエピソードは示唆に富む?

体育祭がピークの第2期でした。そのピークをピックアップ。

{netabare}もちろん石上がメインディッシュではありますが、その裏で動き回る生徒会メンバーが小粋なのです。

持ちあがりなのに停学が解けてない生徒を調査しビンゴな解を導き出した会長
おそらく裏から手を回しマグロ漁船的などこかへ演劇部荻野を飛ばした剛腕かぐや
もしかするとOB説得プレゼン資料として使われたかもしれないレポート作成の裏方藤原
先生に掛け合いもしかすると高等部進学できないのが濃厚だった石上を救った伊井野

石上を通じてこの5人が5人である意味/必要性みたいなものが生まれたエピソードにも見えました。ギャグやコメディでここまでやる必要はありません。もちろん褒め言葉です。

その上で、、、
会長マジでかっこいい…と惚れる理由がわかります。
かぐやは財閥令嬢だった…と帝王学を身につけた才媛であることを思い出します。
だから書記なのね…とレポート作成スキルの高さを藤原に垣間見ます。
似た者同士じゃ…「過剰なまでの正義感を抱えていた」独白する石上とミコが被ります。

各々の個性も浮き彫りになってたなぁと感じた次第。悪くない。
強い個があってそれが有機的に結びついたことがなにより素敵と感じる第11話でした。これこそがジーコがやりたかったサッカーだったんだと思います(謎)。
とりわけ白銀とかぐやがとったアクションが石上の意向を汲んだものになっていることがレビュー冒頭で主役二人の評価を上げた理由となります。つくづくアタッカー陣とディフェンス陣との意思疎通が取れてればと後悔せざるをえないドイツでもありました(さらに謎)。

{netabare}「何より秀知院には楽しい思い出ばっかだから!」{/netabare}

大友京子のこの笑顔で不覚にも目から汗を流した私です。{/netabare}


■陽キャに光を!

アニメって陽キャに厳しいですよね。陰キャが活躍すれば拍手喝采。アレが肌に合いませんというかリアリティを感じない。某間違ってるかもしれないラブコメアニメなんかもその気あり。面白いんだけどリア充敵視しすぎなのがどうも引っかかる私です。
コミュ障非モテ陰キャラが無双するのがありえないって気持ちもないわけではないのですが本質はそこではありません。そもそも陰と陽は表裏一体。人間だれしも両面持ってるところをことさらにどちらかをデフォルメして、陽キャ=リア充とする風潮が嫌だとぼやいてます。控えめな性格でも本人なりにリアルが充実してる奴なんていっぱいいるだろうに。

{netabare}そして本作。陽キャウエイ系応援団がものすごくいいやつらに描かれている。ここに感動した!誰がなんと言おうとも感動した!だいたい明るかろうが暗かろうが真のリア充はいい奴がほとんどです。{/netabare}

{netabare}そこにちなんで一点。リレーでゴールした石上に駆け寄ろうとするミコと藤原を制止する会長というちょっとした一コマ覚えてます?
生徒会ではなく応援団の面々が駆け寄る間(ま)を作ります。次々と石上に声をかける応援団のみんながほんといいやつだったこともあって、闇落ちしていた石上目線では“表情(目)”が消されていた周囲の人々に顔が戻ってきます。『聾の形』でも使われた演出ですね。
残される後輩のために生徒会以外の居場所を!との想いが白銀にあったとすれば更なるイケメンの証拠固めですがそれはわかりません。白銀のイケメンぶりもさることながら陽キャ=敵とまで思ってたかもしれない陰キャの星石上の心に変化が生じたことがなにより尊い。陰と陽が融合した感が色濃くて素敵なシーンでした。{/netabare}


陽キャも陰キャもなく当人の心だよね心!
…コメディという本筋を充分楽しみながら、不覚にも別領域に心を奪われた私でした。



視聴時期:2020年4月~6月 リアタイ視聴

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2020.08.08 初稿
2021.03.13 修正

投稿 : 2024/03/16
♥ : 66

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

コメディーは皆で笑いたい。藤原書記は今日も輝く。

 みんな大好き、かぐや様の2期。私は本作を海外勢とリアルタイムで追いかけた感じでした。


 コメディー作品は、一人で見るよりやはり大人数が一緒に楽しんでいる!という体験込みで面白い(疑似だが)。コメディー映画なんか特にそう。


 1期と変わらぬ面白さでしたが、すでに前にある程度キャラを紹介できたので、本作ではラブ度が増し、キャラの掘り下げや遊びの要素を入れる余裕も出てきて横綱相撲な見事さでした。


 個人的には2話がベストだった気がしますが、それ以降の回も実に安定していた。ただ、1期もですが終盤無理にシリアスにした感があって全体のトーンと少しズレていた気もしました。だが、全体的に面白かったから良し!。


 本作の魅力は何か?。それはひとえにキャラがみんなしっかり魅力的、というシンプルな理由につきると思います。キャラに対する愛情は必ずこちらにも伝わるものである。


 特に白眉はやはり藤原書記だろう。プリキュアでも大活躍したのは伊達じゃない。自由に暴れまくり、ボケにもツッコミでもずば抜けている。悪魔のようにクレイジーで、マシュマロのようにフワフワ。


 本作が嫌味のない、ギャグ強めのラブコメとして見事に機能しているのは彼女の力が大きいだろう。プリキュアに続いて影の主役と言っても言い過ぎではない。


 本作の作劇は他の作品も参考にして頂きたい。ギャグはどうすればいいのか?、キャラは無計画にやたら出さないで、出すからには愛情を注いで無駄にするべからず。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 61

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

必ず笑える、優しさにつつまれた物語

この物語は、笑いを我慢することができません。
それでいて大切な時には、胸がキュンとなる優しさや純情さをかぐやたちが見せてくれます。
かぐやは見た目で誤解されがちですが、とても心の優しい少女です。
この物語はとても面白く、そして温かい。


この物語の学園には日本の将来を担うエリートたちが入学しており、生徒会副会長の四宮かぐやと生徒会長の白銀御行は、秀才中の秀才です。

二人は、お互いに好意を持っているのですが…
あまりにも恋愛のど素人。恋愛の駆け引きを考えすぎてしまい、自分の気持ちに素直になれません。
それが見ていておかしく、最後は必ず作戦が失敗するので、ゲラゲラ笑えます。

作戦が失敗する理由の大半は、生徒会書記の藤原千花のせい。
彼女はかぐやの親友であり、彼女自身には全然悪気はなく、とても素直な性格なのですが…、空気が全く読めない。
彼女の行動自体、何をするのか全く読めない。というよりも、いつもとんでもないことをしでかします。

この物語は、藤原千花がいてこそ成り立つ物語だとも言えます。彼女はこの物語のヒロイン(?)です。

私は、藤原千花が大好きです。
こんな子が友達だったら…毎日とんでもない目に遭いますが、いつも笑って過ごすことができるでしょう。
どんな悩みがあろうとも、悩みは吹っ飛びます。脳みそも吹っ飛びます。

かぐやも考えすぎず、藤原千花のように自分の心に素直になって(アホになって)しまえばいいのに…

学生時代は人生で一番輝くときです。
後で後悔しないためにも、自分の心に素直になって人生を楽しみましょう。(^_^)


ところで、
私は宣伝やタイトルだけを見て、かぐやのことを、頭脳優秀な令嬢で人を見下す女性だと思い込んでいました。
ですが、実際はバカがつくほどの純情で、無邪気に喜ぶ姿が愛らしく、常に相手のことを考える優しい少女でした。

第一部の最初の頃と比べると、かぐやは見違えるほどアホになり、しかも優しく、可愛くなっているような気がします。(*^_^*)

投稿 : 2024/03/16
♥ : 70

86.6 19 恋愛アニメランキング19位
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (724)
3222人が棚に入れました
過去のトラウマと、独自のひねくれた思考回路によって「ぼっち生活」を謳歌しているように見える比企谷八幡は、ひょんなことから生活指導担当教師、平塚 静に連れられ「奉仕部」に入部する。同じ部に所属する息を呑むほどの完璧美少女・雪ノ下雪乃や、クラスの上位カーストに属するギャル・由比ヶ浜結衣とともに、クラスメイトの人間関係の問題の解決から生徒会の手伝いに至るまで、数々の案件をこなす毎日をすごしていた。季節は移ろい、春。雪乃から最後の依頼を受けた八幡と結衣。3月の卒業式を控えた中、いろはからブロムの協力を求められ…。― 本物を求めた八幡は3人の関係を変えていく。果たしてこの先、彼の高校生活はどんな結末を迎えるのか!?

声優・キャラクター
江口拓也、早見沙織、東山奈央、佐倉綾音、悠木碧、小松未可子、近藤隆、檜山修之、柚木涼香、中原麻衣、井上麻里奈、ささきのぞみ、小清水亜美、堀井茶渡
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

正三角形の三角関係

原作未読


うむ終わった。3期相当『俺ガイル・完』は全12話。1期からの続きもんで足掛け計38話で完結です。
ラノベはやたら長いタイトルが跋扈していて『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』例外なく長いやつです。たいていはツカミだけのタイトルで中身は別物ですが、本作は看板に偽りなし。

2期で 「お~青春ラブコメだね~」
3期で 「う~んまちがっているね~」

となることはお約束できますのでうっかり1期2期未視聴の方はぜひ振出しに戻ってここまで楽しみながら歩いてきてくださいね。
ラブコメが大きく動き出した2期最終話を受けての3期はこれまでの群像劇っぽいところからより主人公ら個々人の関係性にフォーカスされます。もう奉仕部+αで三角関係しかやらない勢いですね。
人となりは2期までで明らかになりました。ざっと、理性と感情の化け物が揃っていて理性カテゴリに八幡と雪乃。感情カテゴリに結衣となります。理性の化け物二人の緩衝材としてガハマさんは機能しており、彼女がいなければ早晩奉仕部は崩壊していたことでしょう。では似たもの同士八幡と雪乃の決定的な違いは自意識の有無。面白いのは結衣で1期の頃から成長して自分というのを持てるようになった。自意識それあるーカテゴリでは2期終わる頃には八幡と結衣が入ることになります。
ちなみにこの組み分けは陽乃の「理性の化け物」あらため「自意識の化け物」だね、と八幡を評したことに由来します。

    理性   感情   自意識   {netabare}気持ちを言葉にすること{/netabare}
八幡   ◎    ×     ◎    {netabare}  下手{/netabare}
雪乃   ◎    ×     ×    {netabare}  下手{/netabare}
結衣   ×    ◎    △→○   {netabare}  下手{/netabare}

中庸の△や○が無いといいますか、スキルチャートを作れば歪な五角形ができそうな三人組とみてよさそうです。だからこその面白さが本作の持ち味です。
登場人物もめんどくさいですけど抽象的な会話劇は同じかそれ以上にめんどくさい。自分は物語を紐解くのに登場人物相関図を頭に描きながら楽しむクセがあるんですがこの物語ではこんな感じ。合ってるかどうかはわからんです。違ってたらごめんなさい。

もう一つ。言ってることがわけわかんない時は言ってることよりもやってることを重視してます。言動より行動ってやつ。見当違いも多いですけどね。
{netabare}※漫画喫茶!?では隣同士肩にもたれかかる距離感だったのが、後日公園のブランコでは距離を取って座ってる…みたいなそういうとこ。{/netabare}

さらにもう一つ。概念として面白かった“本物を知りたい”について。
互いを出し切っても崩れることのない関係性みたいなものでした。
自己の欲求を追求すると壊れてしまう関係。これすなわち偽りの関係。
自分を偽って維持できる関係。これもすなわち偽りの関係。
大人であればあるほど、『本物』は遥か遠く手の届かないものであることを痛感させられます。若者も直感的には気づいてる。それでも求めてやまない、やはりこの年代ならではの心情の吐露なんです。

こちらを希求して止まないのが主人公比企谷八幡でした。どうやら折り合いをつけそれっぽいものを手に入れそうなところまで来ています。
同じく希求して止まない(…のだと思う)のがおそらく雪ノ下姉の陽乃。なんとなくこじらせたまんま大学生になっちゃった感ありでこれまで同様にちょっかいを出してきます。


まーあくまで一解釈ではありますが軽くおさらいでもしてから楽しんじゃいましょうという作品。
終わってみて思ったのが八幡、雪乃、結衣の関係って各自二方向に等分のきれいな好意の矢印が出ている正三角形のかたちをした三角関係だというのに気づきました。だいたい矢印は片方だったり短かったりするものを三角関係だと思ってきた人生だったのでこういう関係もあるんだなあと思った次第です。

もしかすると『本物』の関係ってこういうことなのかもしれない。
そんな錯覚を覚える青春ラブコメの秀作です。
別の作品でめんどくさい女性は魅力的だが男性の場合はただただめんどくさいみたいなこと書いて今の今も基本的な考え方は変わりませんが、男女ともにめんどくさくても面白いと思わせてくれた作品でもありました。


なお作中頻繁に出てきた3期のキーワード{netabare}“共依存”{/netabare}は結果的に無視しとります。

{netabare}「うがった見方をすればそう受け取ることもできなくはないくらいの話だ」
「君も雪ノ下も由比ヶ浜もそんな関係性ではないよ。共依存なんて簡単な言葉で括るなよ。君の気持ちは言葉一つで済むようなものか?」

絶好のタイミングでその時に1番欲しい言葉をピンポイントで投下する平塚先生についていけばよし。{/netabare}




※軽めの余談

■平塚センセから浮気しそうになりました

いろはすを凌駕するほどあざとかったのが作り手さんだった気がします。

あざとい?:{netabare}ガハマさんに肩入れしてしまう仕様{/netabare}
CASE1:{netabare}表情の作画カロリー消費っぷりは登場キャラ屈指{/netabare}
CASE2:{netabare}モノローグの度に締めつけられましたよ{/netabare}
CASE3:{netabare}ヒッキーとのデートする時間長かったよね{/netabare}
CASE4:{netabare}CMでまで白無垢着させた上に「わたし今が一番幸せだよ」とか言わせちゃダメ{/netabare}


■めんどくさかったです(褒め言葉)

1.{netabare}1期:「どうせ何を言っても伝わらないし関わらない」と卑屈さが全開
 2期:何を言っても壊れないor何も言わなくても通じ合う関係こそ本物だと信じる
 3期:ごちゃごちゃ言ってないで“伝える”“関わる”努力をする

 こんな若者の成長をこねくり回しながら描いたシリーズといえましょう。{/netabare}

2.{netabare}いろはすの「○○です。ごめんなさい」が段々YES寄りに。周囲の人たちも充分めんどくさい。{/netabare}

3.{netabare}結局「スキ」と言ってたのは我らが平塚静先生だけだったぞ。あーめんどくさ。{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 

-------

2020.10.01 初稿
2021.08.01 修正

投稿 : 2024/03/16
♥ : 65
ネタバレ

tag さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

比企谷君、本物は見つかったかな?+裏バージョンレビュー

1期、2期のレビューを更新するうち、3期には裏バージョン(ネタバレ本音バージョン)のレビューが必要と思い。加筆、評価替えしました。
見ていない方は絶対開かないでください。

ここから裏バージョンレビュー
{netabare}
3期通しで見ると、雪乃と八幡の間の関係は、そのセリフ通りに受け取れず、見た目と実態がかけ離れているのではないかと思える部分が多々あります。
見た目は最後にやっと恋人同士ということですが、これも、実質的には婿養子決定と取れなくもないです。以下の1-3期通して二人の関係変化ポイントと“本当の”状態を考察したものです。

1期1話の奉仕部での初対面会話が弾む(見た目は弾んでいないが)時点:
⇒友達承認(セリフは速攻却下だが)
1期、普通は男子と一緒に絶対行かない雪乃が自ら誘って八幡とモールに買い物に行くシーン
⇒友達以上の存在であることを承認(ただ買い物しただけににしか見えないが、一緒に買ったエプロンはずっと使い続ける)
1期12話で再び奉仕部で友達承認を求める八幡を拒否るがウインクで返す雪乃時点:
⇒好意(好き)の表現(再び友達承認さえ拒否ったように見えるが、雪乃のウインクは相当な勇気が必要)
2期設定ディズニーランドのスプラッシュマウンテンの降下ポイントで袖を指で摘まんだ時点:
⇒雪乃からの恋人認定(単に恐怖から摘まんだようにしか見えないが、その写真は枕元にずっとしまっている)
3期10話でプロム後片付けから帰る八幡の袖を“握って”離さなく、ウルウルした瞳で見つめる時点:
⇒雪乃からのプロポーズ(言葉では別のことを言わんとしているように見えますが、行動は真逆の意思を示している)しかし八幡は優しく立ち去る
3期11話で八幡の5分間告白を受諾時点:
⇒八幡からのプロポーズ受諾(これは言葉と行動にしているので明白)
3期12話のほぼ無双している雪乃
⇒婚約・結婚式(八幡の婿養子入り)と新婚状態(雪乃を束縛する問題は全て解け、素の彼女が出ている、言葉と行動の乖離は消失)

これらは、ハッピーエンドに向かう、ポジティブ面を中心にシナリオを追ったものです。この見た目と本音の乖離が物語を面白くしているのですが、同時に難しくしている面もあります。その難しさの源泉がこの乖離でもあり、ネガティブ面のシナリオです。それを解く鍵が雪乃と陽乃の心理状況にあります。

・雪乃はなぜ、こんなに分かりづらい(面倒くさい)のか?
多分、これが、この物語の最大プロットであり、面白さの源泉です。その割には暗く、苦しいプロットではあります。
家族との関係性に問題があることは陽乃や平塚先生の会話などに1-2期にも表れますが、雪乃の口(特に海浜公園からの帰り道)から語られるのは3期になってです。また、陽乃の口からも語られます(海浜公園の夜、八幡を待ち伏せて)。ここから雪ノ下家の家庭環境、そこから来る、雪乃の心の問題が見えてきます。

・家業は姉が継ぐとなっており、自分はほったらかしで、重要視されていない、期待されていない(と思っている)
・期待されていない人生を過ごしていたので、強い承認欲求があり、期待される姉を後ろ姿を追っていた。
・自分は父の職業に興味を持っている。でも、家族に言ったことはないか、言っても取り合ってもらえなかった(しかし、これも承認欲求から来るもので、ほんとに姉、父と同じ方向に行きたいか微妙)
・結局、子供のころからの、ある意味“ネグレクト”で、普通持っているべき最低限の、「家族からの承認、信頼と安心」をもらっていない。心のよりどころがないため、自我が、とても弱く、攻撃されないための鎧をかぶっている。
・姉のコピーを目指すことでしか「自我の鎧=アイデンティ」を保てなかった。それでも満たされることはなく、常に自分(自ら納得したアイデンティティ)を探している。承認不足から自信がなく、これまで作りえなかった。
・これが、対人恐怖や、恐怖から逃れる(自分を守る)ために心とは裏腹の言葉(論理的、攻撃的ストレートトーク)でしか話せなくなった。
・軽度の解離性同一性障害ともいえる。「言葉として出る対人恐怖からの防御をつかさどる」人格1と心の中の本音としての「強く承認、信頼、安心を求める」人格2が同時に存在している。
・本来は一つになって(最終話の雪乃)、感情と言葉が一致し、強固な承認、信頼、安心に基づいてアイデンティティ作りを始める必要がある。最終話の段階でのアイデンティティはまだ形成されていないが、二人で作ってゆく準備はできている。
・そのため、雪乃の反応が劇中で非常に分かりづらい。言葉と心情が別なので、見たまま、聞いたままで理解すると、本音を見誤ることになる。
・一方、正直でストレートな対人関係(=本物)を探し続ける八幡にとってはとてもフィットし、最初の会話で好きになっていた。しかし、だんだんと、雪乃の心の喪失を知り、恋ゆえに、それを埋めて、助けたいと思うようになった。
・初めての相手からの好意を受け取った雪乃は、人格1だけで普段は過ごすのですが、八幡との間では人格2が出て来るようになります。「それが楽しかった。生まれて初めてだった」と3期で述べます。一方、乖離現象が明確になり、これがこの物語の理解を難しくします。3期の乖離は激しく、かつ分かりづらい。
・この乖離現象が端的にでるのは3期最初のプロムの終了後、帰ろうとする八幡を雪乃が追い、袖を掴んで止めるシーンに現れます。言葉では、「だから。。(わたしたちの関係を絶って、結衣の願いをかなえて、自分は大丈夫だかから)」と言うのですが、心の反映である手は、八幡の袖を掴んで放しません。八幡に腕を触られてはっと気づくのですが、それでも放しません。八幡はこの段階ではまだ、自分を何をすれば、雪乃を救えるのか分からないのでそっと指をほぐし、振りほどきます。八幡にゆっくりほどかれた腕を抱えて呆然と立ち尽くす雪乃。もう少しで人格2だけで言葉が出そうでしたが、それでも無理でした。八幡は問題の根深さを強く再認識し、最終章へと向かいます。
・結局、人格が統合されることは八幡の告白までないのですが、人格2を八幡には出せるが故に、返って言葉と心の乖離が頻発するシーンがこの物語には多い。それが2期で関係がどん底まで下がった時に雪乃の言葉「(自分を)分かってくれていると思っていた」に集約されます。人格2が出ているのに、信頼する八幡には理解されていない、やはり自分の心の喪失は埋めてもらえない。しかし、この後も八幡に期待し続けます。このような関係修復と関係破綻を繰り返しが物語を作り出します。
・八幡にとって、雪乃との単なる関係のみが本物ではなく、雪乃の心の喪失を埋め、助け、助けられる関係になることまでが、彼の求める本物であることに、周囲の助けもあり徐々に気づき、ラストの告白へとつながるということを、観衆に伝えたかったのではないかと思います。
・本来、家族が普通に埋めているはずの心の基盤となる承認、信頼、安心を彼が埋めなきゃいけないので、彼は「全部やる」と告白する必要があった。つまり、雪乃の家族になる覚悟を見せる必要があった。
・そして合同プロム終了後の「好き」発言は、八幡の長い長い告白により、雪乃の基本的承認、信頼、安心が満たされ、人格が統合され本当の雪乃になれたことを意味します。

陽乃“も”、なぜ、こんなにめんどくさいのか? ~平塚先生の最終講義、八幡の告白内容の理由へ続く~
・既に分かるかと思いますが、アイデンティティを強固に持っているように見える陽乃もそれは母親から強制されたモノで、自分のモノではありません。そのようにした母親を憎んでいます。
・「いろんな事を諦め、大人になる」と自分に言い聞かせ、雪乃ほど解離性同一性障害にはなっていないように見えますが、症状は同じです。
・葉山との会話で葉山が「そんなに(母親)を憎んでいるの?」と問い「いえ、大好きよ」と言い返します。言葉と心が乖離していることを陽乃は認識しているのでしょうが、一致させられません。
・1-2期では、雪乃に自己・自我の形成の問題を指摘し続ける嫌な存在です。3期では共依存に基づく八幡との関係を絶ち、自己・自我を作りなさいと脅迫します。これらは全て母親との関係における陽乃自身へのメッセージです。八幡を母親と言い換えればよいだけです。妹は自分と同じになってほしくないと思いながら、結局、自分と同じなるよう強要し続けます。ですが彼女も解離性同一性障害です、言葉と本音は違うはずです。
・そんな陽乃を平塚先生は高校時代から知っていて、お互い強い信頼があるようです。海浜公園の夜、タバコを吸う誰かと深酒していますが、これは平塚先生だと推測されます。平塚先生は雪乃と同様に陽乃も救いたいと思っています。劇中でほぼ描かれませんが。平塚先生と飲んだその夜、八幡との会話ではお姉さんとして、「雪乃の考えを尊重してほしい」と言います。同時に「八幡のようなお兄ちゃんが欲しかった」ととも言います。「君は私と同じで酔えない」とも言います。平塚先生との深酒により、いつになく本音をしゃべっています。
・この三つの陽乃の言葉は、「雪乃の心の喪失を埋めようとしているのを理解してほしい。」「自分も同様に喪失している」「君なら私同様、この状況を理解できるよね」と読み替えることができます。
・この後、陽乃はいつもの調子に戻り、「共依存から逃避を辞めるため八幡との関係を絶つべき」と言う論調に戻ります。しかし、最初のプロムの終了後の八幡との会話では、「本物の関係になるため、共依存を乗り越えろ、それが人を傷つけることでも」と言うトーンに変わります。そして最後の言葉は「本物なんて、ほんとにあるのかな?(私も本物が欲しかったな)」です。やっと陽乃の言葉と心情は一致し八幡にメッセージを伝えます。辛うじて、陽乃の本音は「自分みたいな共依存の中でいろんなものを諦め、偽物になっちゃいけないよ」だと取れます。
・この直後、平塚先生による八幡を告白へと誘う最終講義がバッティングセンターであります。八幡は共依存を乗り越える言葉(「全部やる」ことで雪乃の基本的承認、信頼、安心を作る=家族になる)を紡ぐことになります。長い長い告白ですが、言葉のほとんどは、雪乃の心の喪失を埋めるため、自分の全てをささげると、何度も何度も繰り返します。ひたすら“渡す”ことだけです。普通に考えれば、恋愛や家族関係は渡し/渡される関係にも関わらず。それは満たされてからでよいと八幡は思っています。雪乃は普通の「好き」と言う言葉を求めているように見えますが、八幡はしません。何が必要なのか、100%分かっていたのだと思いますし、それには覚悟を見せる必要(何度も繰り返し、雪乃に自分の本心であると安心させる)があることも理解していました。
・劇中では、分かりにくいですが、陽乃と平塚先生の連携プレイです。二人はこの事を事前に話していたのだと思います。

言葉と心の乖離がこの物語のメインプロットであり、それが故に、観衆は、なんで、そう言っていたじゃん?と混乱する。なんとなく、だんだんに素直になってきたねと喜び、最後の八幡の告白と雪乃の幸せそうな笑顔で救わるのですが、背景を深堀すると、中々に重たいものがあることが分かり、物語の理解を深め、また別の面白みを感じることができます。
{/netabare}
”裏”終わり、表バージョンレビュー開始

随分と、時間差で見てしまいました。1期、2期が中々に心に残り、3期は少し嫌な予感というか、2期の感想でも書いたのだけど、完結編は、ただのラブコメかもと思ったと言うのもあります。

結論から言うと、3期はただのラブコメではなく、”表題通り”のエンドロールのような、でもこの物語の主題に忠実なラブストーリーでしたね。悪い意味ではなく。

「本物が欲しい」と告白した主人公。1期、2期にわたる逆説的主人公の動機と行動という伏線があるからこそ、観衆の心に響きます。別に高校生だからでもなく、どの年齢でも、その”本物とは?”と言う問いは人生において、様々な場面で引きずり続けるから。

この完結編では、一気に登場人物たちの恋愛関係に焦点が移ります。ただ二人、この”本物”というものに強く引っかかる、主人公とヒロインたちの中の一人を除いて。

既にオジサン真っ只中の私も、少しの家族のことを考えました。物語中「共依存」というキーワードが出てきます。この共依存、Wikiによると。「アルコール依存症患者とその面倒を見る近親者との、相手がいなければ生きてゆけない、自分が必要とされている事の証、アルコール中毒という病でさえ、その状況を作り出してくれた必要なこと」と言った良くない事として説明されます。例えがアルコール依存症を題材にしているのでこうなるのですが、そうでは無いポジティブな事柄だったらどうでしょう?「共依存」と「恋愛、家族、夫婦、深い友人の間の関係」との違いは実は曖昧です。実際、Wikiでも精神的な病とは述べておらず、そう言う言葉・状況があると、それだけです。自分と家族の関係も「共依存」と呼べばそうだが、そんなに悪いものかねと、自問自答した次第です。(まあ、このワードも逆説的な引っ掛けではあるんですが)

主人公とヒロインの一人は「本物」と言うことを劇中、最も純粋に捉えようとします。なので、「共依存」という言葉にも強く反応してしまう。本物であるためには共依存から脱しなければならないと。

主人公が頬を自分で引っ叩くシーンがあります。そこで彼は、自分の本物の感情を吐露します。この感情は共依存といった”ラベル”を付けて納得する事じゃないと。(このきっかけを作ったのが、劇中、他のキャラから投げかけられた共依存という言葉なのですが。逆説的だな、これがまた。)

「言葉では伝わらない、言葉にしても伝わらない」と言う言葉が劇中頻出するのですが、一方、言葉は人の意識を支配する道具でもあります。「共依存」と言う”ラベル”を貼れば、そして最もらしい傍証が揃っていれば、本当はそうでなくても「共依存」であると信じてしまいます。知識と知恵があるからこその誤解です。今回は、こうした誤解を逆に活用、「ラベルを剥がす」という行為により主人公を一皮むけさせます。彼らしくない、言葉を尽くして、自分の感情を語らせる原動力とします。

さあ、ラベルをはがした主人公は、ヒロインの一人に向き合います。

実は、その前の回のシーンに、ヒロインは、主人公に図らずも接触してしまいます。その時、言葉ではこれまで通り、「関係を終わりにしよう」と言おうとするのですが、(実際は具体的なことは言ってなくて、「だから・・・」と止めている。両義的に取れるのですが。これまた面倒くさいですが脚本と演出の妙技でもあります。)実際のところ、彼女は、行動と表情で「本心=本物」を表してしまうシーン(作画、妙に気合入ってました。まさに両義的な顔をしてました。)があり、主人公は、多分、表情や行動で本心を分かっていて、それでも、その時は優しく拒絶します(この演出も中々!)。これまた、純粋に本物を追求し、ロジカルモンスターならではの反応(共依存を断ち切ることが、彼女のためである。自分は実のところ納得していなくても)で、非常に興味深いシーンです。

さて、ラベルを剥がした主人公のターンです。今度は、主人公がそのヒロインがやったシーンを上書き(これまた憎い演出です)します。しかし、今度はちゃんと言葉にして。でも「共依存」というラベルワードではなく、彼らしい、不器用で、何故かロジカルな言葉を尽くして(都合5分に及ぶ告白シーン)。ヒロインはちゃんと、ラベルワード(共依存ではないですよ。お互い共依存と言う呪縛を解いたからこそ効果を発揮する別のラベルワードです)を言ってと頼むのですが、本質追求&ロジカルモンスターの彼は言いません、いや、言えませんでした。彼には、このラベルワードを使うことに強い抵抗があります。自分の想いはラベルワードでは語れないと。まあ、ここはヒロインが折れるのですが、ヒロインはヒロインで負けず劣らずのパワフルな言葉で返します。

表題通りのエンドロールと申しましたが、物語はその主題に忠実です。主人公の彼らしい、とても誠意を尽くした告白でした。いやはや、自分(私のことです)の時はここまで言葉を尽くしたかな?主人公に負けず劣らずめんどくさい性格と自負していたのですが、反省しきりでした。でも、この物語らしい、「本物の告白」でした。

{netabare}
まあ、告白は、ほとんどプロポーズみたいでしたが、本物追求主義者の彼からすれば、そうなるのは避けられないかなと。そしてそれに返したヒロインもプロポーズ受諾でした。まあ、本物の告白って、やっぱりこれですかね。

追伸:
比企谷君、雪ノ下さんは、ちゃんと「好き」とラベルワードを言ったのだがら、やっぱ、君も、ラベルワードが嫌いでも、ちゃんと言わんとね!
{/netabare}

世の中がコロナですさんだ感じになっている今、ハッピーエンドの物語は良いもんです。

最終話のヒロインのその一人の”破壊力”が凄まじく、もう既にOver50ですが、かなり心と自らの切ない記憶を揺さぶられました(笑い)。思わず、再視聴。少し加筆し、評点を上げた次第です。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 27
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

青春の残余

主要キャストの整理をしておこう。
冒頭から紹介もなくドラマパートである。

多様な価値観が生まれ広がり、
私たちは数多くの選択肢の前で躊躇している。
表現できないものから順々に、
私たちは自己の内に沈殿していく。
そんな葛藤が心に響くのであろう。
人との距離は接続でも切断でも、
間違ってしまえば瀕死の重傷であるのだから。

3話視聴追記。
良質な予感が既に漂っている。
キャラ造形が見事で配置も良い。
{netabare}今始めれば間に合うかも知れない。{/netabare}
きっと誰もが経験した青春の残余なのだ。

雪ノ下の葛藤を物語の軸に、
八幡の故意に間違える青春が描かれる。
{netabare}彼はそれを偽物だと呼ぶ。
大人たちは共依存から脱却し自立した生を願う。
自分であれ、青春であれ、
ここまで冷静に俯瞰できるのだろうか?
繊細な主題が浮かび上がってくる。
間違うことにどんな意義があるのかと。{/netabare}

最終話視聴追記。
もやもやと、燻り続ける青春は、
一定の方向へと道は開けたのであろうか。
{netabare}自分を偽り、思い悩み、悔やみ、
その先で心の隙間に残る貴重なもの。{/netabare}
やはり彼の青春ラブコメは間違えている。

あまりに秀逸なタイトルだと知るのです。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 62

85.4 20 恋愛アニメランキング20位
その着せ替え人形は恋をする(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (722)
2432人が棚に入れました
雛人形の顔を作る、「頭師(かしらし)」を目指す男子高校生・五条新菜(わかな)。 真面目で雛人形作りに一途な反面、同世代の流行には疎く、中々クラスに馴染めずにいる。 そんな新菜にとって、いつもクラスの輪の中心にいる人気者・喜多川海夢(まりん)はまるで別世界の住人。 けれどある日、思わぬことをきっかけに、海夢と秘密を共有することになって……!? 決して交わるはずのなかった2人の世界が、動き出す――! 『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)にて連載中・福田晋一による大人気原作を、CloverWorksが待望のアニメ化! 豪華スタッフが贈る、コスキュン? ストーリー!

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

高レベルのギャル系ラブコメ…ラブよりギャグ要素高めですけど。

 多分4回見たと思いますが、4回目は10話に入ったところで止めています。10話以降の出来が今一つな気がします。

 やはり本作は1~5話が一番面白いです。というのはやはりコスプレのノウハウと海夢が五条君に惹かれてくところがダブルで入っているうえに、おじいちゃんとか「行動力」とかギャグも非常に冴えていました。エロももちろん五条君ギャグになる適度な感じだったと思います。
 綺麗という言葉を使った演出で海夢が堕ちるのもまた、良かったと思います。

 1点だけちょっとなあというのが、五条君が試験とおじいちゃんの腰の件とコスプレが重なっていて無理をしているところで、最後海夢が泣くところですね。あれ、海夢は多分本気で反省しているんでしょうけど、無意識的に自動的にあれが出来てしまう女性のあざとさも透けて見えました。

 6話~9話のジュジュ様もノウハウと言う点では前半に劣らず感心したし、ジュジュ様のキャラも面白かったと思います。ただ、海夢が五条君好きと言葉だけになってしまった感がありました。オムライスは良かったですけど。ギャル系の女子として押し倒しに行くのか、ギャルなのに純情になってしまうのか、その辺の動きが欲しかったかなあと思います。

 この中間パートは話もいいですけど、演出と作画で魅せました。

 6話の演出は、海夢が電車に乗っている場面、ガラス窓に映った表情と学習塾のポスターの男女の演出良かったですね。
 そして8話後半の作画が非常に良かったですね。前半の止め絵も実はかなり手が込んでいましたが、後半の不思議なヌルヌル感が砂浜の解放感とセットになって、非常に見ごたえがある画面になっていました。青春を全力でアニメにした感じでした。

 で、10話以降なんですけど、なんとなくつないだだけ…の印象でした。ここでせっかくエロと純情のどっち?が出来ると思ったのになんか中途半端でしたし、コスプレノウハウもあまりなかったと思います。エッチコスプレがメインなんでしょうか?
 だったら、衣装と恋愛の進捗がシンクロした方が面白くなったのでは?と思います。


 OPEDは非常に凝っていてセンスが光っていました。

 全体的に気に入らないのは、写真をそのままアニメに加工したような背景美術です。また、それとは逆に気の抜けたようなのっぺりした背景も時々ありました。いずれにせよ人物が浮いてしまいます。アニメを見ている醍醐味が…


 本作は、テーマ性というよりも、ストーリーとキャラ、ギャグ、微エロを楽しむエンタメ作品ではありますが、ラブ要素とコスプレ要素が上手く絡み合ってレベルの高い作品になっていると思います。
 面白さでいうなら、この数年のアニメの中では再視聴に耐えうるかなりの水準だと思います。

 なお、原作は9巻まで既読で海夢の男装回が最高なので楽しみです。楽しみですけど、ダラダラ行くのだけはやめて欲しい。2期できっぱり結論を。



 現在、リアルタイムで視聴しながら書いた各話ごとのレビューや追記など、ごちゃごちゃしている作品をまとめ中です。主旨はほぼ変えていませんが、その後気が付いたところを書き加えています。
 
 22年12月までに書いた内容を23年7月にまとめ・追記しました。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 45

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

好きなんだろ〜?こういう娘(こ)がさぁ〜?。「オタクに優しいギャル」それは悲しきモンスター…。

 流石は「ワンダーエッグ」などのクローバーさんだけあってビジュアル全般が良くできている。非常に丁寧で瑞々しいアニメーションに、ちゃんと好感が持てるキャラたち、レイヤーの世界も垣間見えて悪い作品じゃないが、少々コクに欠けるように思えた。


 こういう作品はこういうの以上を期待しても仕方がないのかもだが、ラブ強めなラブコメだと、やはりヒロインがちょろいとイマイチ盛り上がりに欠ける。その点、コメを強めにしてる「かぐや様」は上手くいっているが。


 五条くんは悪い子じゃないし、頑張ってる好感が持てる主人公だから個性無しハーレム作品の主人公よりは全然ええけど、「とらドラ!」の竜児みたいにキャラ立ちしている良い奴かと言われると微妙な良い子ちゃん止まりかな。


 結局、恋愛というテーマ自体がオタクコンテンツではオワコン化が進んでる上に、どんどんソフトコーディングになっている現在において、物語に大きな山や谷が作りづらいし、ちょっとでも癖のあるキャラは出しにくいではもうラブ強めな男女の恋愛作品は難しいんじゃないかな?。なにより、オタクはもう男女の恋愛になんのロマンも見いだせまい。


 もはや恋愛メイン作品は、ピュアで甘々でも許される、殆どファンタジーな百合かblの世界しかありえない気がする。昨今のアニメで本当にキュンキュン(我ながらキモ!)になったのは「あさがおと加瀬さん」くらいだし。男女の恋愛では、流石に今やリアルな現実がそっと顔を覗かせてしまうが、百合ならそういうもん!って割り切って逆に全乗っかりできる。


 悪い作品では全然ないけど、サッと見て、サッと忘れちゃう、カラスの行水作品かも。ガッチリ刻み込まれるサムシングがないと、満足できない躰にチューンされた自分には物足りない。これが明らかに予算ない感じの作品ならまぁ仕方ない感があるけど、相当の人材と予算を傾注してるのがわかるからこそ。


 作中作の魔法少女作品が、「どれみ」+「プリキュア」+「さくら」で、中の人が丹下さん、久川さん、宍戸さんなのは勿論嬉しいが、それこそ「好きなんだろ〜こういうのがさぁ〜」なスタッフの顔が覗く、ちょい出し出じゃ評価には結びつかないかな。パロディーに限らず、出しただけでは駄目よ。「悪魔のいけにえ」のラストシーンパロを作画で見せてくれたのは意外で良かったけど。


 それにしても、「オタクに優しいギャル」ってオタクの勝手な欲望が産んだ矛盾を孕んだ悲しきモンスターではないだろうか?。ギャルのエロさは好きだが、当たりがキツイの嫌だし、エロさを期待してる癖にビッチは嫌(処女厨乙)だから実は純情という都合の良さ。だからといってもろにリアルなギャルを出せ!とは言わないが、あまりに傲慢なご都合主義設定な存在は哀しいなぁ…。


 ウマ娘のギャルキャラなヘリオスとジョーダンは大好きなのだが、彼らはご機嫌でありつつ人を馬鹿にしないでリスペクトをちゃんと持っている。それさえあれば充分に最高で、ご都合主義マシマシはいくない。長瀞さんも良いね。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 38
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今期のダークホース

ガッチガチに枠組み固められているけど
(制作アニプレックス傘下、OP/EDソニー・ミュージックアーティスツ)

引っ込み思案&コミュ障だけど、雛人形職人を目指す五条と、
美人で気さくな喜多川(趣味コスプレ)が織りなすラブコメ。
原作面白いので期待大。

12話
{netabare}
花火大会END

個人的に今期の覇権アニメだったかな。
{/netabare}

11話
{netabare}
五条君、マンガ喫茶とラブホを体験する回。
文化祭は2期?かな。
{/netabare}

10話
{netabare}
Aパート
合わせ終了後の話。

Bパート
新コスと五条君の服を買いに行くぞ回。
喜多川さんの行動力っ!
{/netabare}

9話
{netabare}
合わせの撮影終了でOK?

ジュジュ様妹の男装コスに喜多川さんは分かるけど、
ジュジュ様も興奮とか、2人とも自重よろー
{/netabare}

7話~8話
{netabare}
ジュジュ様姉妹との顔合わせからの合わせからの
ロケハン+試験も終わったし、そうだ海に行こう!回。

喜多川さんの行動力!!
{/netabare}

6話
{netabare}
五条君に新たなコス衣装の依頼。
依頼相手は、喜多川さん憧れのジュジュ様。

五条君の見つけ方が、コス会場からのストーキングとかダメ絶対!
憧れのジュジュ様にも臆せず切り込んでいく喜多川さん流石。

従妹の姉ちゃん、男子高校生は、女性用ストッキング普通に持っては
いないと思うよw
{/netabare}

5話
{netabare}
人間力高すぎ喜多川さんが見れる回。

五条君、喜多川さんを見習って行こう!
{/netabare}

4話
{netabare}
喜多川さん、報連相大事ー!
五条君、相談大事ー!

無事、雫たんコス完成おめでとう!
{/netabare}

3話
{netabare}
五条君、自意識過剰過ぎ。

喜多川さんの友達たちも、理解度高いから、
五条、すんなり受け入れていていい人たちだなと。

逆に、喜多川さんと五条君が釣り合わないとこそこそ言ってた外野、
派手な美人=派手なイケメンと付き合うとは限らないゾ!
{/netabare}

2話
{netabare}
喜多川さん、人の懐に入るのが巧い!
そしてブレない!
さり気なく、手土産持ってくるのはいいけど、
ググって、五条家特定とか怖いよw
{/netabare}

1話
{netabare}
五条君のトラウマ過去と喜多川さんとの出会い。

まさか、喜多川さんがいきなり脱ぐとは…
その後、コスプレ衣装に着替えるけど、制作は魅せ方狙っている感があるよね。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 12

76.7 21 恋愛アニメランキング21位
ホリミヤ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (487)
1800人が棚に入れました
堀 京子は、美人で成績も良く学校ではクラスの中心的存在。だけど実は共働きの両親に代わり、寄り道もせず家事や年の離れた弟の面倒に勤しむ家庭的な高校生。ある日、ケガをした弟 創太を見知らぬ男が堀の家に送り届けに来た。「堀さん」そう呼ばれ話してみると、実は彼はクラスメイトで――クラス一のモテ女子とネクラ男子が出逢ったら!?恋愛、友情。青春が詰まった超微炭酸系スクールライフ!

声優・キャラクター
戸松遥、内山昂輝、山下誠一郎、小坂井祐莉絵、岡本信彦、M・A・O、近藤玲奈、山下大輝、福山潤、八代拓、千葉翔也、麻倉もも、小野大輔、茅野愛衣、寺崎裕香、金元寿子
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

堀さんと宮村くん

ワンパンマンと同じく、コミカライズで、
漫画家が書き直したアニメ版。
実写映画の番宣みたいになっちゃったね(残念だったって意味で)

12話~13話
{netabare}
石川と吉川の話と、後半クリスマスに、
各キャラがダイジェスト的に出てきて、
宮村が堀へ「結婚しよう!」と。

堀、頭いいから大学いかないのかな?

そして、卒業式。
主要キャラの進路とかは出なかった。
最後に堀と結婚した後のシーンぐらい出るのかな?
と期待していたけど、今の宮村と昔の宮村が向かい合い、
堀父乱入のドタバタで終わった。
{/netabare}

11話
{netabare}
井浦がメインの話。

テンション高いキャラは学校用で、
家では寡黙系妹想いキャラだった。

沢田って、宮村になんとなく似ているから妹にしか見えなくなってきた。
あと1話で、どうやって終わらせるのだろう…

宮村父って、結局出てこないのかな~
{/netabare}

10話
{netabare}
吉川がメインの話。

イケメン柳を振っておいて、
石川に告白できないけど、欲しいとか、
同性の中でも嫌われるタイプでは?

1クールだろうけど、卒業式やって終わりかな?
{/netabare}

9話
{netabare}
進藤以外の宮村の中学時代の同級生ってクズばかりだなぁと。
谷原、自分がさぼってウサギの餌をやらなくて死なせてしまったのに、
宮村のせいにするとか、しかもイジメるし。

進藤から、キラれたら、学年カーストトップの取り巻きから、
ただの宮村になってしまう程、個性が無いのに。
当時ではなく、数年後誤って許されたのは宮村の性格が所以だと思う。
普通なら許さない。
{/netabare}

8話
{netabare}
生徒会3人の出会いと仙石、綾崎が付き合う経緯までがAパート。

吉川が新キャライケメンの柳に告白されるも断る…
石川に片想いかー吉川。

堀、Sキャラなのに、宮村に暴力を求めるって、
どんな癖なの???
{/netabare}

7話
{netabare}
生徒会メガネと吉川で石川を巡るバトルが起こりそう。

そして、堀宮村は…初体験終了。
堀弟が、「お姉ちゃん取らないで」と言ってたけど、
終始見ていたのか???
{/netabare}

6話
{netabare}
堀家に愛される宮村。

宮村のイメチャンと新キャラ沢田登場。
百合キャラというか、男性嫌いキャラのようだけど、
宮村には、兄の面影を抱いていそう。
{/netabare}

5話
{netabare}
堀父登場。
家に食器が無く、ご飯も用意されていないって、
離婚しているのかと思ったら、父母共に指輪していた。

遠洋漁業と化している人?
ぱっと見、エセ美容師には見える。
{/netabare}

4話
{netabare}
中学の同級生進藤登場。
中々良いキャラをしている。
「宮村を暗くしたの誰よ?」ってセリフは良かった!

堀にサラッと連絡事項の様に告白する宮村…
もっとコミュ力を!

生徒会のメガネが、石川に片思いフラグも立ったね。
{/netabare}

3話
{netabare}
宮村、小中学生のボッチ時代を思い出す。
イケメンでボッチとか中々いないよ。

3話目で進級かぁ。早いな。3年生に。
宮村と同じクラスになり、石川が「愛」だな!と言い、
また、そっちの方と他の女子に間違われる。不憫なり石川。

そろそろ、宮村、堀さんと付き合うのかな?
むしろ付き合っていない方がおかしいよ。
{/netabare}

2話
{netabare}
生徒会長の言いがかり編。

ピンクツインテールが悪いけど、生徒会長と堀さんが、
幼馴染み?だったとは。

宮村くん、堀さん母と会ってるし、結婚ルートしかないよね?
{/netabare}

1話
{netabare}
文武両道で人気者の堀さんと、目立ちたくない宮村くんが、
堀さんの弟のソウタを助けたことで、堀家に出入りすることに…

宮村くん、実は、ピアス穴9個、タトゥーありのイケメンという別の顔が。
堀さんも、家ではサバサバ系とお互いの学校外での違う一面を見て
惹かれあったのかな?

1話で、結構進んだ感じがしたけど、最終回だと結婚して、
子供がいそうな勢いだよ!

戸松さん、ギャル役はハマり役ですね。
携帯がガラケーという結構前に書かれたものなのかな?
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

7話まで面白いけど、8話以降は凡庸に…ペルソナ問題を切り捨てたせい?

 さてラブコメですが、堀と宮村のホリミヤの2人の話は実質7話まででしたね。その後いろんな恋愛というか気持ちが描かれていました。

 まず、ピアスと入れ墨が活きていたか…ですね。詳しい説明はなかったので経緯は不明ですが、要するにATフィールドとかハリネズミのとげですから、そこは特に表現されなくても気になりませんでした。むしろ過去回想とかで思いっきり悲惨な出来事がきっかけで…みたいのが無かったのは良かったと思います。他人の気持ちに仮託してロッカーの内側と外側みたいな表現はありました。

 ですが、これがストーリーとして活きていたのは2話くらいまで?でしょうか。テーマとして仮面…つまりペルソナ問題としてはあまり機能していなかったと思います。彼の内面の表現として気の小ささとかは連動していると思いますが…
 堀さんの家事全般やっている設定も両親が健在なことで良くわからなくなりました。

 つまり、ホリ、ミヤの2つの普通ではない状態の高校生…つまり秘密を共有したカップルの青春ラブコメ…として見始めたのが途中で普通のラブコメになっていました。

 話というかキャラは非常に面白かったですね。2人の進展を応援したくなるような雰囲気が心地良かったと思います。ただし、7話までかなあ。それ以降2人がコメディーリリーフというか狂言回しになってしまいました。

{netabare} そのせいで7話で2人が結ばれる場面のあとの2人の関係が思春期の恋愛に見えなくなってしまいました。
 7話の光と影の使い方とか演出の力の入れ方からいって、ここに制作側も気合いを入れたのだと思います。ですが、その後が…
 性と進路という高校生の悩みをバッサリ斬り落としてましたね。一度関係を持った高校生カップルの濃密な心と身体のつながりがなく単なる家族になってしまいました。安心感というにはちょっと違う…急に人格が無くなってしまったような…特にホリさんですね。
 ペルソナ問題からアイデンティティ問題そして進路につながるような話もありませんでした。

 プロポーズのシーンに現実味がなく言葉だけに見えました。それが幼い恋愛の悲劇の予感をさせるとかいう含みがあるわけでもなく、エモいシーンが作りたいから雪の中で?そしてしつこく初もうでのシーンがありました。加えて最終回の卒業のシーンですね。卒業で最後感情的に盛り上がったかと言えば、唐突感があって少々乗れませんでした。{/netabare}

 それはやはりペルソナ問題を冒頭で捨てたせいで、恋愛が成就した段階で話が終わったということだと思います。だから、8話以降は面白くはありますが、視点があちこちに向いてとっちらかった印象を残しました。

 それとキャラデザですが、下睫毛という単語に引っかかったせいでしょうか。下睫毛が濃すぎてちょっとしつこい感じでしたね。目の光の入れ方のせいで瞳がパックマンみたいだったし…

 うーん。 ということで、初めの7話まではかなり面白かったと思いますが、8話以降は正直退屈な場面が増えましたね。前半90点、後半50点で平均70点。結末の空虚さでマイナス10点で60点という感じです。

 つまり、1回見る分にはまあ及第点だけど、2度目はないかなあ…

投稿 : 2024/03/16
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

Web漫画原作の漫画って『ワンパンマン』かよ!(← 違います)

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

学校では華やかな美人と目されクラスでも男女ともに人気がある堀さん。そして学校では暗い眼鏡男でオタクなんじゃないかと思われている宮村くん。

しかし堀さんは働いている母親の代わりに家事をこなし小さな弟の面倒を見ているし、宮村くんは実はピアスをたくさん開け刺青も入れてしまっている、でも意外と面倒見が良かったり気が回ったりする人なのです。

あるきっかけでお互いの学校では見ない姿を知ってしまった二人のお話…。

同年代の高校生たちだけでなく幼い兄弟を絡めてストーリーを進めていくのもわりと古典的な少女漫画的手法ですし、登場人物が高校生年代のラブコメとしてはある種の王道的な安心感があります。

そういう漫画を読んでいた人にとってはとても気分良く観られるアニメだと思います。

作中では女性の堀さん視点と男性の宮村くん視点の両方の心理描写はあるものの、ED主題歌でフォーカスされてるのも堀さんですし、たぶん「主人公は堀さん」と考えるのが妥当そうです。

余談: ED主題歌で出てくる3DCGの堀さんの部屋とリビングですが、本編中で出てくる部屋のレイアウトがちゃんと再現されています。妙に凝ってるんですけど、堀さんの部屋にあった丸テーブルは3DCGの方には無いのはなぜなんだぜ…?
== [第4話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.4.9追記:
最終話まで観終わっていましたが、更新が遅れていました。で、結局アニメからハマってしまい原作漫画は既刊分を全部読んでしまいました。

『ホリミヤ』というタイトルで堀さんと宮村くんがフォーカスされていて、もちろんこの二人はストーリーの中心人物ではあるのですが、常にこの二人の話というわけではなくて、周辺人物が中心になっているエピソードもけっこうありました。これはアニメでもいくつか映像化されていますね。

原作の量からすると当然なんですが、アニメで端折られたエピソードはけっこうあります。ですがアニメで堀さんと宮村くんが高校を卒業するところまでキッチリ描き切ったのは、とても良かったと思います。

「原作漫画の原作」ではもちろん二人の高校卒業まで既に描かれていたわけですが、『ホリミヤ』のアニメ化と考えた場合は制作時にそこまで原作が達していたわけではありません。ですが結果として満足感が得られる良い最終回だったと思います。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 38

73.0 22 恋愛アニメランキング22位
聖女の魔力は万能です(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (403)
1333人が棚に入れました
ちょっと仕事中毒な20代会社員・セイは、残業を終えて帰宅した夜、突然光に包まれ異世界に「聖女」として召喚されてしまった。しかも召喚されたのは二人!?現れた王子はもう一人の女子高生にかかりきりで、セイのことは完全スルー。それならこっちも自由にやっていいでしょう?と、セイは王宮を飛び出し、元々の植物好きを活かして、薬用植物研究所で一般人として働くことになった。所長のヨハン、教育係のジュードに支えられ、ポーション作りや魔力の使い方を学んでいくセイ。だが、作ったものはすべて効能が5割増しで、思いがけず「聖女」としての能力を発揮することになる。そんなとき、セイのポーションが瀕死状態だった騎士団長・アルベルトの命を救い、次第に、セイこそが本物の「聖女」ではないかという噂が囁かれはじめるのだった……!?

声優・キャラクター
石川由依、櫻井孝宏、江口拓也、小林裕介、八代拓、市ノ瀬加那、福山潤、上田麗奈、梅原裕一郎
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

6回目くらい。異常な出来の異世界もの。画面・表情が最高です。

22年11月 再評価 異常な出来の異世界もの。他と比べてどうしてここまで力が入っているのか?

 レビューを初めて1年半。昔からアニメ好きでしたが、この1年半でかなりの本数のアニメを見ました。
 この作品の脚本は素晴らしいと思いますが、作画、表情、背景、構図、演出等の画面作りの良さは異常です。なんで、ここまで美しいアニメが出来たのか不思議でしょうがないです。

 本数的にはまだまだで、目が肥えたとはいいませんが、いろんな異世界ものを見たと思います。ちょっと過大評価だったかなあ、と思って本作を再視聴(正確には再々々々々視聴くらい)しました。

 うーん、かえって過小評価だった気がします。1話でセイが髪をかき上げて耳を出す作画があるのですがそれだけでゾクゾクするくらいでした。顔のパーツのクローズアップが上手い。画面の切り取り方が上手い。気持ちを伝えようという意図が素晴らしいです。うーん、なんで他の作品もこれくらい出来ないのでしょうか?というかこの作品だけ異常だと思います。

 最後の3話が駆け足で評価を落としていましたが、良く見直すとちゃんとセイが聖女の術と向き合って、使えるようになるプロセスが、緊迫感と癒される両方からよく描かれていました。

◎アニメ作りとしていいところ。
作画に乱れがないのは当然。
表情・仕草に感情がよく表現されいている。
人物の構図がよくどこで何をしているか臨場感がある。
引き画とクローズアップを上手く使った演出で、人物の内面を見せている。
服装が美しくTPOをわきまえてきちんとデザインされている。
貴族が貴族っぽい言動をしつつも堅苦しくないいい具合の設定。
BGMがオーケストラっぽくて華やか。コミカルさも出ている。
セイの発声が感情が出ていて、聞きやすく素晴らしい。


◎ストーリーとしていいところ。
聖女設定とセイの一般人の性格のギャップがコミカルに描けている。
設定に設定を重ねるような感じではなく、ポーション(料理・化粧品)と回復魔法、聖女の力に集約しているので、シラケない。
ストーリーが職業物と恋愛ものとして、ちゃんと脈略ある展開をしている。
スキルウィンドウがない。
アイラちゃんを置いて話の展開に面白みが出た。
セイもアイラちゃんも異世界転生した人間の反応として自然。

等々挙げるとキリがないです。とにかくストーリーが面白いのは大前提ですが、しかし、アニメの出来の良さがすごい。「無職転生」もすごかったですが、本作は超高予算が付くような感じでもないし。画面作りという点で一般的な量産型のアニメとしては、本作の見やすさ、伝えたい事を伝える力、美しさはちょっと類例が見ないと思います。

 メジャーな他の異世界モノ作品を差し置いてなぜここまでの出来なのか理解できません。それくらい凄い作品だったと思います。

 一応、評価点はつけますが、主観評価は95点/100点くらい、心情的には120点です。




以下 初見の総評レビューです。

 俺TUEEEの振りをした、シンデレラストーリー 美しい作画と構図の良さが驚異的です。

 最後まで視聴しました。このアニメがきっかけで、非常に面白い原作小説と、その小説を美しい絵でコミカライズしたマンガを知ることができて、良かったです。
 が、アニメについては、どうでしょう。結末の付け方や最後3話くらいの駆け足感などで、少し作品としての出来に疑問符が残りました。
 この終わり方だと、普通の異世界転生ものとして、埋もれて行く数々の作品の一つになってしまいそうですね。残念ですが。

 とはいえ、1クール通じて十分楽しめました。面白かったです。以降は小説・マンガで続きを楽しみます。


以下、視聴中のレビューです。

{netabare}2話までみて、小説版、マンガ版を全巻購入。追加8話みました。

 この話「なろう」ということで、異世界転生、俺TUEEEテンプレになっていますが、実態は、平凡な女子が、急に美しさと力を手に入れたことで、別世界(貴族世界)の中心人物になる、というシンデレラストーリーです。

 そういう話を楽しめるなら、かなり良質の作品かと思います。大変楽しく見ています。

 ですが、マーケティング的に考えるとパッケージ(題名)と中身が違っていた感がかなりあるかもしれません。その意味で、試しに見た人の期待を裏切る確率が高いのでしょう。
 強敵に対して無双するとか、悪意のある貴族と対峙して叩きのめす、もあるにはあるのですが、それは味付けみたいなものです。敵と戦い打ち勝つ、魔王に挑むために旅立つ、そして…みたいなカタルシスを期待すると、評価は低くなるかもしれません。

 初めから、異世界とか聖女というのはギミックで、本当は恋愛エッセンス強め、一人の女性を取り巻く人間模様の話だと思えば、非常に面白いと思います。


5話までみて追加

 セイの作画はやっぱり素晴らしい。ちゃんと美人です。ですが、今回くらいは衣装はなんとかならないのかなあ、と思います。もうちょっと神々しくしてあげられなかったのかと。
 
 セイの衣装に絡んで。リズにしても、他の貴族も最小限しか宝石を付けていないのは、宝石は魔法付与のための素材とかいう設定を反映しているのでしょうか。だとすれば、想像以上に緻密にこのアニメというか原作は作られているようですね。

 ステータスウインドウの概念が出てこないのはいいですね。(原作はあり)

 今回のセイを鑑定する場面で、原作にはあったステータスウインドウがアニメ版だとほぼないことが確定しました。レベルとかHPとかそういった概念の有無はまだ不明ですが、無い感じですね。これは良い改変かと思います。となると何を鑑定しようとしていたのが、よくわからないですが。
 セイが聖女かどうかを本人も確信が持てない、という状態のほうが自然ですし、なにより、転生ものでいつも不満なのがこのステータスの数値化という安易な強さのモノサシだったのでこれは良いと思います。

 第1王子が原作ではあまり関わらなかったのですが、ストーリーに説得力を持たせるために関わってくるのでしょうか。これからの展開が気になります。


7話みました。
 アイラのスピンオフ、注文しているのにまだ届かないので、ここで見られて良かったです。アイラ、滅茶苦茶可愛いんですよね。 
 普通、セイの対立軸なら嫌なキャラになるはずなのに、そこを上手い具合に第1王子が引き受けてくれてたんですね。本当は第1王子は悪者じゃないのもいいですね。

 異世界に召喚された女子高生が帰れない、と言われて「泣く」という自然な反応が新鮮でした。

 それにしても、主要女性キャラのキャラデザが本当にいいですね。萌えではなく、素直に美人だなあ、可愛いなあ、と言えます。

8話見ました。
 セイの表情を少しコミカルに表現しているが今回はよかったですね。
 また、脚本というか構成ですが、かなり省略していますが、うまくカットしているので原作を知っていてもあまり不足感は感じませんでした。やっぱり丁寧に作り込んでいる感じがします。ただ、1点、最後の沼のところ、もう5分…いや3分でもいいので、もうちょっと丁寧にしてもらえれば完璧だったんですけど。

 ちょっとアルベルトホークを殺したくなったりしますが、まあ、それは仕方ないでしょう。

11話みました。
アイラちゃん、すっかりなじんで良かったですね。是非活躍してほしいところ。
それにしてもアルベルトホークは殺す。 {/netabare}


追記です。再視聴しました。初見の時は面白さは過大評価していたかもしれませんが、再視聴してアニメの出来の良さは逆に過小評価していた気がします。あらためて驚きました。

{netabare}  この半年で、かなりの本数のアニメを見ましたが、最近のアニメの中で、本作の人物の作画の美しさは驚異的です。キャラデザはもちろんですが、線の一本一本まで美しいです。衣装も良く考えられてデザインもおろそかにしていません。動きも表情も自然です。

 なにより人物の配置がいい…というか構図がいいんですよね。どういう部屋のどういう場所にいて、どこに誰がいてどいう位置関係でいるか、とか非常に見やすいです。で、構図がいいから人物がちゃんと演技しています。そこが素晴らしいです。
 どういう理由でこんなレベルの高いアニメが生まれたのかが気になります。
(追記 手がちゃんと演技しているのと、姿勢にも注目してください)

  私はセイのキャラが異常に気に入ったのであまり客観的な見方はできませんが、それでも異世界ものとしてのストーリー性、テーマ性は弱いと思います。
 が、頑張る女性のシンデレラストーリーとしてはかなり面白いです。魔法が出てきますし、ヒロインのアイデンティティでもありますが、設定に振り回されずヒロインの特徴としてストーリー上で機能しています。
 また、ヒロインの年齢が高めで、かつ年齢にあった性格をしているのが良かったのでしょうか。

 登場人物のキャラ造形が自然で、ヒューマンドラマが成り立っているのも良いのかもしれません。
 音楽が抑え気味でセリフがゆったりしているのもいいです(ただ、エリアヒールを始めてかけた時の声はもうちょっと抑えた演技の方が良かったですね)。

 やっぱりおしいのは最後3話ですね。駆け足で尻切れですね。2クールでやってくれれば…
{/netabare}


 アマゾンから単行本8巻が届いたら、なんと帯に2期の決定が。この先はキャラ萌えというか、パーティーとかラブラブ要素とか、これから8巻読みますけど、温泉とかでしょうか。もちろんいいんですけど、ストーリー的にはせっかくアイラちゃんのキャラが立ってきたので、アイラちゃんの成長が見たいかなあ。とまあ、うれしいので追記しました。


 

投稿 : 2024/03/16
♥ : 26

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界転移モノの秀作

原作未読。最終話まで視聴。

異世界転生・転移モノと主人公最強は、決して相性が悪いとは言えない。
異世界転生・転移モノと中二病は、かなり相性が悪い。
異世界転生・転移モノとハーレムは、主人公が中二病を発症していなければ問題ない。

まあ、個人の見解ですが、おおむね以上の通りかと。
もう少し補足すると、主人公が大人(もしくは元大人)で、その大人っていう設定が活かされてさえいれば、おおむね間違いないように思います。

さて、本作の主人公は大人です。
しかも女性。
大人の女性という設定はしっかりと活かされています。

主人公最強と言えば言えなくはありませんが、それはあくまでも結果的にという話で、いわゆる主人公最強系とは異なります。

逆ハーレムの兆候は見受けられますが、主人公が中二病を発症していないので問題ありません。

ゆっくり、まったりと物語は展開していきます。
これはお気に入りの棚直行ですねぇ(笑)。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 34
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

こんな異世界生活なら、多少強引に召喚されちゃってもいいかも(笑)

安全な所で、高貴な美青年に囲まれて、みんなに大事にされてww

おまけにこの異世界で貴重な、異世界モノお決まりのチート能力を持ってる上に、
異世界召喚効果?でちゃっかり目もよくなって、
さらには容姿までなぜか綺麗になっちゃって。


お話としては、
それだけなんですけど、
それだけで、十分、
羨ましいですよねえ!(*^~^*)

腐ってるって思われてしまっては心外です。
ですが、そう思われたって、このゆったり幸せな感じは、
やめられません(*^▽^*)

もちろん、他人様にはお勧めしたりはしません。


作画が意外と丁寧だとか、
主人公セイちゃんのキャラクターがおっとりしてて親しみやすいとか、
男性の、騎士とか貴族とかだけでなく、同性のお友達もちゃんとできたりとか、
お勧めできるところはいろいろあるのですけど、
やっぱりこういう、まったりした逆ハーレム感、
こっそり楽しみたい世界ですね(#^〇^#)


観終わりました。
{netabare}最終回での魔物との戦いは、この作品の苦手なところみたいで、
ちょっと観ていてガッカリでした。
作品の主旨と違うから?
こんなカッコ悪い戦闘描写だったら、絵にしないで、後方支援に徹しておいてほしかった、かな・・・?

それでも。
逆ハーレム要素満載なのに、
セイちゃんが一途なの、悪くなかったです。
最終回で、やけにセイちゃんの唇のアップが多いような気がしたんですけど、
それもよかったと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 37

69.1 23 恋愛アニメランキング23位
カノジョも彼女(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (362)
987人が棚に入れました
高校生となった主人公・向井直也は、ずっと思いを抱いていた幼なじみの少女・佐木咲から交際を受け入れられるが、ほどなくして自身を思い続けていたというもうひとりの少女・水瀬渚に交際を申し込まれ、悩みぬいたあげくに両者合意での二股交際と、三人での同居を提案する。当然猛反対する咲だったが、渚は直也といられるならと受け入れ、渚のいじらしい姿にほだされた咲も結局は了承、3人は直也の自宅で内緒の同居生活を開始する。さらに3人は、同級生の美人動画配信者であるミリカこと星崎里香や咲の親友で学業優秀な桐生紫乃とも接点をもち、ミリカや紫乃までが直也に惚れるという複雑な人間関係に発展する。

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

酒を呑みながら『こいつら大丈夫か?』と笑いながら観るアニメ

何も深く考えないで観れるアニメ。
いつも録画で呑みながら観ていました。
缶酎ハイ2本目からスタート。ちょっと酔った位からの視聴が丁度良いくらい。
作品を観て笑いながら、
おいおい大丈夫か?
いやいや無理だろ!
いいのかそれで!
そうなっちゃうの!
なんて言いながら楽しんじゃいました。

明るいおバカ達なので最後まで軽い感じで良かったです。
1クールで十分楽しめましたが、もし次期やるなら
もっとはっちゃけたストーリーを期待します。

『そんなこと、あるわけないだろ!!』

と、笑いながらつっこみたい。制作者よろしくお願いします。?あれ?

投稿 : 2024/03/16
♥ : 36
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

マンガ家さんと編集さん

原作未読


とどのつまり編集はきちんと仕事しろよと言いたいのであります。

同級生の彼女いるなかで下級生からも告白されちゃって、なんでしたらとそちらも巻き取って単身赴任で両親不在の自宅で仲良く共同生活を始めるお話。イスラム王族の話かと思いきや日本が舞台です。


① これ連載にGOサイン出した人いるんだよね?

…が一点目。私そもそもアニメの導入が『風夏』だったものでマガジンのラブコメは気になってます。
『ドメスティックな彼女』『恋と嘘』『寄宿学校のジュリエット』『五等分の花嫁』『彼女、お借りします』『ランウェイで笑って』などアニメ化されたのだけでも一筋縄ではいかない面々。
良くも悪くも実験的なんですけど、実験だけに失敗もある。今回は失敗。

荒唐無稽な設定でも面白きゃいいのです。本作の荒唐無稽な舞台にはそれに見合う“狂気”が欲しい。
デヴィ夫人はスカルノの3番目ですが荒波に揉まれて今に落ち着いたと思えば納得します。側室ものだったら“寵愛”“独占”をキーにどろどろできるのにそのへん少しも目指してないことが残念。
一応“嫉妬”要素はあるもののあくまで女の子をかわいく見せることを目的としたものです。

次どんなのいきましょ?のアイディア出しで「公認二股ってまだ無いっすよね?」「いいじゃんそれ」を採用しちゃったのがミスでしかないアニメ化です。この設定で進める以上“ラブ”を放棄せざるを得ずギャグにするしかありません。キュン要素はせいぜいキャラのデザインと動画と声で「この子カワイイ」と感じてもらうだけ。
原作がどうか知りませんが設定が設定だけにエンタメするにはいばらの道だったと思うんですよね。自分らで設定しときながら挑戦することなく、まるで活かせてなくてただのかわいい女の子の見本市になってます。編集さん仕事してます? 少なくとも私の需要はありません。


② ギャグが独りよがりになってませんか?

…これ二点目。ラブに期待するととてもじゃないけど雑な会話のやりとりにイラついて終わります。よってギャグと見立てるわけですがどうなんでしょう!? 
唐突なガヤがランダムで挿入される感じ。不協和音にしか見えないのには理由があるのでしょうか。
これは“狂気”を感じないことと関係ありそうで“日常”“常識”の影がないんですよね。狂気と対となる常識があって成り立つ陰陽の関係だと思います。私が言うまでもなく常識から半歩なり一歩ずらすことで笑いが生まれるのですから、常識を熟知した上でそれをずらす才能が求められるのです。それがない。変な人を引き立たせるためのまともな人が不在である悪影響が目立ちます。

 主人公♂ 告られて選べず両取り宣言して♀に強要するパラノイア
 タメ彼女 「いや、断れよ」としか言いようがない 被虐待疑惑すらある
 後輩彼女 戦略でも天然でもない 意志薄弱なので数年後DV男にひっかかる
 配信♀  これほんとよくわかんなかった キャラ設定の手を抜き過ぎ

主要キャストから頭が痛いです。常識人不在の弊害は物語進行上のハンデ以上に「さてはこの原作者(制作側)人間を知らねーな」と私は思ってしまいます。だってまともなキャラ出てこないんですもの。一気に観る気が失せちゃいました。4話で撤退します。



※余談

■ターゲット不明

一瞬「十代前半向けかしら?」思いかけて沈思黙考。いや違うな。これ自分が中学生の時に出会ってても歯牙にもかけてなかったでしょうね。遠く離れたところにあります。

 こういうかわいいの見たいんでしょ?

そんな製作の意図まで否定はしませんけど、安直過ぎやしませんかね。{netabare}なんかAVの前フリドラマシーンと変わらぬ適当さ。{/netabare}
「○○かわいい」だけだったら気合いのイラストに声被せただけで良くないですか?
一応、アニメにする以上複数の登場人物が絡む性質のものですから、“ドラマを成立させる努力”くらいはしてほしいのです。


■ある意味熱演

なんかのレビューで触れた記憶があります。
{netabare}あやねるが苦手です。役柄もあるけど声の通りが良くて100M先からでもひそひそ声が聞こえそう。
ドタバタ劇で作風に合うし、相方の和氣さんともいい感じですが、三人の掛け合いになると存在感あり過ぎて全部持ってっちゃう気がするのよね。役の子より演者が前にきてしまってます。{/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ視聴

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2021.8.14 初稿
2021.11.7 配点修正 -0.1

投稿 : 2024/03/16
♥ : 34
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

みんなでアホになって二股ハーレムをエンジョイするラブコメ作品

原作コミックは初巻刊行時、書店でお試し版を立ち読み。
リアクションのノリが良い声優さんでアニメ化したら是非観たいと好感。
後に願望が叶ったのでw視聴。

【物語 3.0点】
世間は不倫がよほど大嫌いらしい。
何しろ情報番組では、独裁者のジェノサイドなどの歴史的蛮行を差し置いて、
芸能人がゲス不倫したなどとトップニュース扱いで大騒ぎする有様。
何が世間をそこまで人様の恋愛事情のバッシングに駆り立てるのか?
私には皆目見当が付きませんが、メディアの扱いを見る限り不倫は人類に対する大罪なのでしょう。

よってこの大きなタブーのカウンターには喜劇の可能性が潜んでいるわけですが、
実現には相応のリスクが伴います。

不倫が何故ゲスと忌み嫌われ、糾弾するゴシップが盛り上がるのか?
二股そのものよりも、誤魔化そうと重ねられた言い訳や嘘による所が多い。
そこを解毒しコメディに漂白するためには、開き直ってアホになって素直に二股する他ないw

その点、本作の主人公少年・直也は清々しいくらい素直でアホw
いやむしろハーレムに巻き込まれる美少女たち全員が少しずつ変なアホガールw
真っ直ぐ過ぎる主人公少年の暴走をさばききれずにグダグダになる様を、
視聴者もそうはならんやろwと突っ込みつつ一緒にアホになって楽しむアニメ。


内容は……ないですw
某話で昼休みに二股が周りにバレないように3人で過ごす場所を何処にしようか?
だけでほぼAパート消費した時には、今日も何も進まないなwと呆れつつ笑いが込み上げて来ましたw


アホの取り扱いに長けた作者の突破力に素直に観念して幸せになりましょうw


【作画 3.5点】
アニメーション制作・手塚プロダクション

クオリティは標準レベル。
人物作画は美少女の顔面と造形は何とか守りました位の出来。
限られたソースを胸部周りに集中する辺り、作品の性質を良く捉えてはいますがw

どちらかと言うと、多種多様な流線背景や水玉模様のフィルターなど、
カラフルな背景美術や撮影が、
多彩なコメディシーンを演出し楽しませてくれた感じ。


【キャラ 4.0点】
主人公少年・向井直也。
自分の気持ちに嘘を付かなさ過ぎてかえって面倒臭くて怖いw
何でそんな変な所で真っ直ぐなんだwという言動で、
バーゲンセールの如き土下座を繰り返し、頭突きで常識を破砕し、ハチャメチャの起点となる。

正?彼女の幼馴染系ヒロイン・佐木咲(さきさき)。
言葉より先に暴力による制裁が飛び出す勝ち気な部分もあるが、
押しには弱く、恋愛進展には奥手なため非常識な二股&同棲状況がどんどん既成事実化していくw
貧乳枠。

対抗?彼女の水瀬渚。
そもそも二股が始まったのは渚ちゃんが可愛すぎて料理などの女子力が高すぎたから。
そのあざとさは佐木咲をも変な気分にさせる程w
巨乳枠だが、すぐ相手を立てて引いてしまうため、やはり事態は長期化w


このままだと三角関係が膠着するだけですが、
起爆剤となったのが巨乳動画配信“ミーチューバー”ミリカこと星崎理香。
{netabare} 3人の二股同棲先の庭にテントを張って押しかける。{/netabare}
{netabare} 彼女2人の眼前でファーストキスを奪う。{/netabare}
など頭オカシイくらい超積極的なアタックで波乱を演出するMVP級の活躍w


二股を阻止し事態を収拾するために、佐木咲の親友・桐生紫乃がハーレムに乱入するも、
早くもミイラ取りがミイラになるが如きグダグダな展開で、今後も混迷の予感w


【声優 4.0点】
主人公・向井直也役の榎木 淳弥さん。
正々堂々二股したい!好きになってしまったものはしょうがない!
2人ともメチャクチャ可愛い!
などと全編にわたり、松岡修造さんかwってくらい暑苦しく叫びまくり、
二股コメディを押し通す。

メインヒロイン・佐木咲役の佐倉 綾音さん。
ボケに等しい直也の実直奇行へのツッコミと共に拳が飛び出すリアクションに、
あやねるの元気ボイスは適役で、コメディの基軸となる。

もう一人のメインヒロイン渚役の和氣 あず未さん。
本作では清楚おしとやかボイスを提供しますが、こちらもあやねる同様、元気娘役のキャリアもあり。
時折のぞかせる芯の通ったボイスで、二股状況を諦めさせるのは容易じゃないと思い知らせれますw

サブにも理香役には竹達 彩奈さん、紫乃役に高橋 李依さんと布陣は強固。
耳の多幸感で、私も一緒にアホになるための、頭のネジを外す作業も捗りますw


【音楽 3.5点】
劇伴は『ごとよめ』等の櫻井 美希氏による広ジャンルのラブコメ対応を土台に、
斎木 達彦氏、青木 沙也果氏が、時に昭和の人情時代劇、メロドラマ風の修羅場BGM、ピアノバラードで援護射撃し、
より広範囲の非常識コメディに対処する共作体制。

唖然とした時のチーン音などSEによる支援も厚い。


OP主題歌はネクライトーキー「ふざけてないぜ」
不倫はダメだ!との石頭もふやけさせる脱力系ロック。
“誰も殴らんで済めばいいな”って……咲ちゃん直也を思いっ切り殴り飛ばしとりますがなw

ED主題歌は声優・麻倉 ももさんの「ピンキーフック」
“ムリ(ムリ)”連呼などがあざとい恋愛アイドルソング。
近年ちょくちょく見かけるようになった、
本編不出演の声優アーティストによる主題歌。
私は声優アーティストも歌手と評価する良い傾向だと歓迎します。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 16

67.9 24 恋愛アニメランキング24位
継母の連れ子が元カノだった(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (202)
630人が棚に入れました
まだお互いに、好き同士。そんな元カップルが――親の再婚できょうだいに!? 第3回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞の人気ノベルをコミカライズ! 一つ屋根の下で繰り広げられる、ひたすらに甘くて焦れったい悶絶ラブコメ!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ラブコメに見た目と雰囲気は大事だってわかった

【感想】
絵がキレイだし雰囲気のいいアニメなのでお気に入りです!

設定が変わってるのに普通のラブコメになっててなんのための設定なのかなって思うけどキャラデザかなりいいし、前向きなラブコメで雰囲気も良かった、主題歌もいい感じ
このアニメ、見た目と雰囲気の良さでだいぶ得してるとおもいます

主人公の水斗が理屈っぽすぎて好きになれないけど不快感はなくて、たぶん落ち着いたしゃべり方と顔がイケメンなのが大きいかな?
これで顔とか作画が微妙だったらたぶん不快感で途中で切ってたと思う

男性視点で水斗にちょっと都合が良い感じするのでどっちかというと男性向けかな? 不快なほどじゃないけど
ラブコメが好きならいいアニメだと思います!

おはなしに同居と元カノの設定をうまくいかせてたら良かったかも
話し方とかプライベートとかあまり高校生らしさがないかな?

【キャラクター】
{netabare}
好きなキャラクターはいさなと小暮、ツゴウガイイ感じがするけどいい友人キャラ

水斗は面倒くさい性格してるし打算的で理屈っぽくて嫌味ったらしいけど顔はイケメン
結女、いさな、暁月は性格は変だけど顔はかわいい
不快なキャラクターはいないけどみんな変な性格してて付き合ったらめんどくさそう
暁月は友人キャラだからいいけど、かなりアブナイ子でゾワッてなった、小暮君の将来がしんぱいです・・・
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
ふたりとも全然気持ち冷めてなくて特にゆめのほうは最初から主人公に気がある感じなので普通の同居ラブコメになってて
両想いだけどお互いの距離をどうしたいか探ってるだけの面倒くさいカップルでした
周りのキャラクターが二人の恋愛のために不自然な性格にされてることと、
サブヒロインもいるけどゆめの障害になってる感じじゃないのが残念
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 21

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ラブコメ・・・?コメってたかなぁ・・・特に序盤。

うーん・・・。

最初の所感はレビュータイトルのとおり。

物語は、まぁ、無さそうで、ありそうで、まぁ、あんまりないわなぁ(ってかほとんどないだろうなぁ、絶対とは言わないけど)ってシチュエーション。
そういう意味では、フィクションとして物語のカラーに据えるのは悪くないと思う。

作画は今風でとてもきれい。
キャラクターもすべてが自身の好みと言う訳ではないが、ちゃんとしていたと思う。

声優さんは、日高里菜さんのお声は好きなんだけど、今回のキャラクタ『伊理戸結女』はちょっとだけあってない気がした。

繰り返しになりますが、私はこの方のお声、ちょっと落ち着いた高貴な感じがして、高音部がピンと張った、なんというかクリック感のある様な感じがして本当に好きなのですけどね。
まぁ、違和感と言うほどでもないのですが・・・。
過去回の時のお声は割と聴きやすかったんですけどね。

その他は、特に普通に楽しめました。

音楽もフツーにマッチしていてよかったと思いました。

キャラクタは・・・そうですねぇ。
実は主人公の伊理戸結女よりも『南暁月』の方が活き活きとしてお好みでした。観ていて楽しかったですかねぇ。
ちょっと、そっち方面の香りを漂わせていたのも、まぁ、アクセントとしてはアリでしょう。

そして、さらにお気に入りだったのは『東頭いさな』でした。

作品全体での、
序盤のギスギスとは言わないまでも、ツンツンしたやり取りはなんだか、あまり面白いとも、楽しいとも、思うことなく「ラブコメっていう感じじゃないんだなぁ・・・」と思って観ていたところ『東頭いさな』が登場し始めてから、いろいろとザワザワし始め、おもしろくなってきました。

このユニークなキャラがいなかったら、コメディ色なんてほとんど出なかったのではないだろうか、とすら思ってしまいます。
ちょっと作り過ぎなような気もしましたが、とにかく、飄々としたところや、いろいろな欲求、表現に素直なところも面白かったです。
本人もいろいろと頑張ったり、無理したりという事にはなっています・・・。

たしかに、結女自身も作品の後半にかけて色々と思いの変化や気づきがあり、いさなとのアレやコレやな感情がぶつかり、面白みがアップしたという事もあるでしょうが。
とにも、かくにも、『いさな』がラブコメおもしろ部門のカロリーをあげたキャラである事は間違いないでしょう。


幸いなことに、尻上がりに面白みが増したという評価はできると思いました。
けどね、終盤はやっぱり序盤と同じような空気感になっちゃんたんだよなぁ・・・。
東頭さんが登場すると空気感が変わるので、やっぱりこの娘が重要なアクセントになっている気がするなぁ。


個人的には、序盤の「メンドクサイやり取り」を何とかやり過ごして、後半まで持ちこたえて下さい!と言わせていただきます。

悪くはないんだけどねぇ・・・。
何でか、スッキリ、サッパリとコメディ色は出てないですねぇ。
そもそもラブコメじゃないのかもw。

機会がありましたら、ご覧くださいませ。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 17
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

12話まで観て、予想より良かったと感じたので。

原作小説については未読。
コミックは1巻だけ読んだ記憶があります(多分)。

総評と採点-----
●物語●
●キャラ●
{netabare}
『一組のカップルが、別れた直後に、
親同士の再婚で義理の兄妹?姉弟?に』
まぁ・・・まず無いだろうとは思ってしまう設定ですが、
諸々アクセントになっていたと思いますし、
やはり意味があったんだな~と感じております。
(まぁ中学3年の二人を見てると、
普通に自然消滅的な流れで別れそうな物ですが・・・)

メイン二人が揃って捻くれていて、基本テンションの起伏が激しく無く。
その分、サブキャラがかなり振り切れていて。
そのギャップで物語の起伏が作られていたようにも思います。


原作でもそうなのかは分かりませんが、
今のの二人を描きつつ、
ちょいちょい過去の二人を回想しつつ、
また今の二人が進んでいく。

視聴途中には「何回も回想する意味あるのか?」と
若干面倒臭さを感じていたりしましたが、
最後まで観てみて「あぁ、ここがこう繋がるのか」と
腑に落ちたのは、個人的に気持ち良かったです。
当時の二人が何を考えて、どう感じていたのか、
結構丁寧に描かれていたと感じました。


いさなさんは・・・
二人に一石を投じる役目が必要だったとはいえ、
フラれる前後共に、あの距離感を保つというのは・・・
可哀想というか、メンタル強いというか。
いや、普通に良い娘ですよね・・・。


二人の関係性の変化を含めて、
『無駄な』重い要素が無かったのも良かったのかな?と。


アニメにした部分でプロローグといいますか、
リスタートといいますか。
続きが気になるので、2期アニメ作って欲しいと思います。
もしくは・・・原作に手を出してみるか・・・?
{/netabare}
●作画●
{netabare}
終盤に若干不安になる部分がありましたが、
総合的には綺麗な作画だったと思います。

結女もいさなも可愛かったですし。
{/netabare}
●声優●
{netabare}
1話で初めて水斗のボイスを聴いたときは
「・・・これって誰?・・・下野さん?」と
少々不安気な予想をしてました(まぁ正解だったわけですが)。
下野さんのキャラをいろいろ観てきましたが、
この方も演技の幅広いな~と(縦にも横にも)。

個人的に、落ち着いた日高さんというのは
あまりなじみが無いものでして、新鮮に聴いてました。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 10

75.5 25 恋愛アニメランキング25位
映画 五等分の花嫁(アニメ映画)

2022年5月20日
★★★★☆ 4.0 (166)
627人が棚に入れました
「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。これまでの努力が実を結び、高校3年生に進級することができた五つ子は、修学旅行も無事に終わり「卒業」に向けてそれぞれが将来を見据えていくことに。共に過ごす中で風太郎への恋心を自覚した五つ子と、段々と惹かれていく風太郎。風太郎と五つ子の恋の行方はいかに…!?そして未来の花嫁は果たして…
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

解答

五等分の花嫁の最終章となる劇場版です。
原作約4巻分を残しアニメで2期をし劇場版で完結。
残り4巻分を劇場版1作に詰め込んだ作品

客入りは凄かったですね。
公開日初日の朝1で見に行ったのに、売店は行列が出来ているし劇場の席は前の方の席くらいしか空いてないくらいでした。
色々アニメ映画を見に行きますが、田舎なんで混んでた作品は「ワンピース」「ヴァイオレットエヴァーガーデン」「まどかマギカ」くらいしか経験ないのですが、それらに匹敵するルベルの混み具合……
作品の人気が解りますよね…初日効果もあるのかもですがw


さて、レビューを始めたいと思いますが、この劇場版だけ見たら絶対に内容は解りませんのでアニメか原作を確認してから見るのをオススメします。

作品は大まかに学園祭の3日間が舞台です。
それそれが、解答を出す事が目的となります。

【一花】

彼女は凄く成長しました。
5つ子の中での長女である彼女は1番強欲な感じがするんですよね。
修学旅行もそうでしたけど、風太郎に振り向いて貰える為になんでもするような人でした。
しかし……

{netabare} 文化祭では答えを出さない風太郎に答えが出せるようにと背中を押してくれり、風太郎の気持ちを知っても付き合っていないなら自分にチャンスがあると考えるも最後は妹と好きな人を祝福し背中を押せるまでに成長{/netabare}


【二乃】

彼女は今の中野父の事が嫌いでした。
それでも、文化祭の招待状を出したりと歩み寄る姿勢をみせてくれました。
ニノは1番素直ではない子かもしれませんが、本当は誰よりも優しい子ですね。
{netabare} 最初は、父が文化祭に来ない事にイライラして居たけど、本当は父が来てくれていたけど、急な仕事で帰ってしまった事を知る。
そうして、文化祭で出したフワフワパンケーキを焼きに父の元へ
中野父も不器用な人でメッセージの一通くらいしたらいいのにと思いますが、父もニノの気持ちを知って今度一緒にパンケーキを食べようと約束してくれる。{/netabare}


【三玖】

彼女は自分の気持ちを言葉にするのが苦手だった。
{netabare} 文化祭で男子と女子で揉めて男子の屋台たこ焼き屋と女子の屋台パンケーキで激突してしまう。
高校3年の1度しかない最後の文化祭で正直これは悲しいですね。
しかし、男子の屋台は火の不始末で炎上してしまう。
更に揉める男女
でも、三玖は勇気を出して仲裁する。
{/netabare}
自分の気持ちを言葉にするって凄く勇気が必要です。
それが最初から出来る人も居るかも知れませんが、何でも言える人でも勇気を出してるのかもしれません。
{netabare} 三玖は自分の言いたい事があっても踏みとどまる子ですが、彼女は勇気を出して見事に仲裁する。
風太郎は諦めていた様ですが、三玖の勇気が最悪な結果に終わる文化祭の結末を変えると言う成長が見えた気がします。{/netabare}


【四葉】

私が涙を流したエピソードです。
文化祭の実行員の仕事をしていました。
{netabare} 彼女は頑張っていたけど、男子の火の不始末で屋台を炎上してしまった。
その事を尾に引いてしまう。
彼女は悪くないし火の近くあった紙屑もしっかり注意していたし、そもそも何もわるくない。{/netabare}

でも、文化祭実行員である彼女は気に病んでしまう。
責任感が強い彼女だからこそ背負い込んでしまった。
そうして、挽回しようと頑張りすぎて倒れてしまう。

彼女は文化祭で様々な助っ人を引き受けて居たのですが、倒れて助っ人先に迷惑を掛けたと気に病んでしまう…
{netabare} そうして、目覚めた彼女は「誰の役にも立てず迷惑ばかりかけて私のいる意味ってなんだろう」と気に病んでしまう。 {/netabare}

そんな彼女は、風太郎に聞かされる……
彼女の倒れた後の文化祭で、四葉の為に立ち上がってくれた人達がいた事を……
彼女は、普段から部活の助っ人をして沢山の人の力になってきました。
きっと、彼女は見返りなんて求めてはなかった。
別に感謝して欲しい訳でも……

でも、沢山の人が四葉の為に普段のお返しのように助けてくれた。
これは彼女が本当に人間関係を大切にしていたからでしょうね。

{netabare} 「誰の役にも立てず迷惑をかけている私」{/netabare}
そう悩んでいた彼女でしたが、迷惑なんて人間誰でもかけまくりですw
知らず知らずの内にかけてるかもしれません。
行動が発言が迷惑の引き金になってるかもしれません。
え?私だけですか?ww

でも……「誰かの役に立てない」なんて事は絶対にありません。
今この時にそう感じられなくても、今まで生きた時間の中に、これから生きる未来の中に必ず誰かの役に立てる瞬間は絶対にあります。

現に四葉がそうではありませんか。
彼女は気づいて居ないようでしたが、間違えなく彼女は皆の力になってくれた。
だから、こうしてそれが形になった。

誰かが自分の為に力になってくれる。
それは凄く嬉しい事ですよね。
誰が困っていれば力になる話を聞くそうして助け合う、それが人の優しさの形の1つですね。

私はこの辺りは凄く涙が出てきて自分でビックリしましたw


【五月】

彼女は教師を夢見る女の子。
母に憧れ先生になりたい、でも勉強が出来なくて…それでも努力しようと必至な女の子。

そんな彼女の前に実の父親が現れる。
父親は言います。

{netabare} お母さんは教師になった事を後悔している。
君の想いに君自身が追いついていない。
五月ちゃんにお母さんと同じ道を辿ってほしくない。
罪滅ぼしをさせて欲しい。
父として娘に出来る事をしたい。{/netabare}


コイツは本当にクソ野郎でした。
{netabare} 5つ子母のお腹の赤ちゃんが5人だから逃げ出した。
後悔?罪滅ぼし?
そんなの出来る訳がない!
逃げ出した奴が今更現れて父として?

逃げた後に母が1人どれだけ不安になったか孤独だったかも知らない様な奴が今更どの面を下げて父親ですか、逃げ出した理由はよく知らない、でもさ、例えどんな大層な理由があろうと逃げた事実は変わらないし、それから大変だった家族を放置し続けた時間は戻らない。 {/netabare}

でも、私が1番ムカついたのは夢を否定した事です!

私は、大前提として子供の夢は親には背中を押してあげて欲しいって思う!
夢を見つけるのは大変難しい事だし、叶える事は大変努力が必要な事だからです。

で、反対する親もいると思う。
しっかり子供を見てきた上で、反対する理由がしっかりあるなら……
それも仕方ないって思う……それが本当に子供の為になるのなら!

でもさ、この五月の父親って反対する権利はありますか?
{netabare} 今まで、姿隠していきなり現れて、五月がどれだけ勉強が苦手で、それでも教師を目指して頑張っているか、努力を積んできているかを知りもしない人間が!

母は後悔してたから?五月が勉強が苦手だから?
そんなもん反対する理由になるもんですか!
自分の勝手な価値観を押し付けて夢を反対して諦めようとさせるって何様だっ!って思います!

何よりその事で、五月を悩ませて涙まで流させて……娘に辛い想いをさせるのが父親ですか?{/netabare}
そんなの父親じゃない!

でも、迷った五月に風太郎の助言は凄くよかったです。
本当にその通りです。

夢を叶えるか諦めるかは自分で決める事です。
誰がなんと言おうと関係ない。
自分がやりたければやる!
それだけでいいんです。

五月の{netabare} 「たとえ本当にお母さんが自分の人生を否定しても私はそれを否定します」{/netabare}ってセリフはよかったですね。
母が大好きで、ずっと母を見てきて一緒に過ごしてきたから言える言葉ですね(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)


【風太郎】

告白……文化祭の終わりに自分の気持ちをハッキリさせると言う風太郎
彼の解答は{netabare} 「誰も選ばない」
確かに、それも選択肢としてはありです。

しかし、勉強で優秀な風太郎も恋愛では0点ですね。
この関係を大事にしたいから選ばないなんてのは逃げです。
そもそも、頑張って告白してくれてる人を目の前にしてYESもNOも貰えないってのは逆に相手を傷つけます。

選ばないからNOに見えるかもしれません。
しかし、相手は気持ちを全部ぶつけてくれてるのにその解答が現状維持の為って理由なら酷いものです。
しっかり言葉にしてるのだから、しっかり言葉にするのが礼儀です。
ダメならダメで、自分の気持ちと本当に向き合った答えが聞きたいのです。 {/netabare}

そんな中、文化祭中に……いゃ彼の気持ちは既に……
{netabare} 風太郎「学生の本分は学業 それ以外は不要だと信じて生きていた だが、それ以外を捨てる必要なんてなかったんだ 勉強も友達も仕事も娯楽も恋愛相談もアイツらは常に全力投球だった 凝り固まった俺にそれを教えてくれたのはアイツらだ」{/netabare}

このセリフを聞いてて私は思いました。
風太郎は5つ子の家庭教師でした。
でも、5つ子は風太郎の先生でもあったのだと……お互いに大切な事を教え合える関係は素敵だと思いますし、誰かを選んだから、誰かを選ばなかったからと、今までの関係が無くなる事もないんだと思います。

築き上げたその関係が本物の関係性なら……きっと


【解答】

風太郎が選んだのは

{netabare} 四葉でした。
しかし、四葉は逃げます。
「上杉さんには、もっと良い人がいるはず」と言いながら自分の気持ちを…… {/netabare}

うん、でも、多分この言葉は……実は私はこの言葉で昔ある人を傷つけてしまった事がありました。

失恋した人を励まそうとして……
良く考えると「もっと良い人がいる」ってその人の気持ちを否定しちゃう言葉なんですよね。

訳すと、アナタにはもっと良い人が別にいるのに間違えた人を好きになってたんだよ?ってなります。

その人が、間違えなく1番の恋をしていたからこそ傷ついて泣いてるのにその気持ちや涙を否定しちゃう言葉なんですよね。
だから、凄く反省した……別に怒られた訳ではありませんが、言ってほしくない言葉だと言われてしまった事があり反省しました。

だから、風太郎もちょっとショック受けたのかな?って……

昔から特別になりたかったから……
{netabare} 四葉はトレードマークであるリボンを着けた。
同じ5つ子でもそれが特別になれると思っていたから、でも1人だけが特別な人間なんていなくて……母が言うよつに一人一人が特別なんでしょうね。

四葉がトレードマークを捨てる決意をする理由は「私に気づいてくれる人がいるから」
私には、四葉は自分が特別に特別にって1番特別に成りたがってた女の子に見えました。

しかし、このセリフを読み取ると、特別ではなく四葉を5つ子ではなく四葉を四葉として見て欲しかったのだと思います。{/netabare}



【全体的な感想】

原作4巻分だからカットされた場面も少なくはありませんでした。
劇場版の最初あたりから見ると{netabare} 四葉 {/netabare}をやはりメインヒロインにさせようとする感じがしました。

勿論、私が結末を知ってるし、そう見えてしまったのかもしれません。
もしかしたら、結末を知らない人が見たら誰か選ばれるように見えるのかな?って思いました。

実は原作の完結した頃に、{netabare} 四葉END{/netabare}は否定されていたのを見たことがあります。

1巻の表紙は{netabare} 五月だし、てっきり五月 {/netabare}かと私は予想してました。
後、5つ子では私は{netabare} 五月{/netabare}が好きなのでってのもありましたがw

しかし、テレビ放送からは{netabare} 三玖 {/netabare}が人気出てきてヒロインは{netabare} 三玖{/netabare}かな?とも考えました。
作者がファン人気でヒロインを変えるなんて事もありえます。
しかし、{netabare} 四葉は私も予想外でしたw {/netabare}

元々は{netabare} 五月 {/netabare}をヒロインと思わせて最初から{netabare} 四葉{/netabare}だったのか、{netabare} 五月や三玖 {/netabare}はファンが予想していたから裏を掻きたかったのかは知りませんが……

しかし、劇場版を見ると、{netabare} 四葉END {/netabare}も悪くないなぁ〜って造りでアリかもしれないと思う私もいました。
うん、その点やはり造り手側の凄さだと関心させられました。

新婚旅行は全員で指差して行き先決めるんだ……………………ん…………いゃいゃ!行き先くらいは主役2人に決めさせてあげてよww

さて、私が記したタイトルに「解答」と書きました。
実はアニコレのタイトルって毎回悩むのですが、今回はこの作品を見ていて思った率直な感想をタイトルにしてみました。

見るていてキャラクターそれぞれが自分の中で答えを出して全員が自分の中の答えを見つけているんだと思ったからです(◍´꒳`)bᴼᴷ

投稿 : 2024/03/16
♥ : 17
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

究極の五つ子ゲーム……ファイナルアンサー?

【物語 4.5点】
高校生活最後の学園祭。上杉が五つ子の誰を選ぶのか?
すなわちシリーズ通じて謎だった結婚式の場面。
上杉と共に歩くウエディングドレスの女性は誰なのか?

核心部分が解答されても五つ子全員が尊重されるよう
(推してるファンも冷めずにリピートできるように)
最後の学園祭を、五つ子ごとの“ルート”に分け、繰り返す構成により、尺は136分と大作化。
原作未読組の私から見ても色々削ったのだろうな……というシーンも散見。
例の如く、TVアニメ版でじっくりと……となりそうな所。

ですが、五つ子それぞれの心情を並べ、選択を迫る。
過去の経緯、現在の学園生活、未来の結婚式を俯瞰する。
その上で、五つ子たちの成長曲線と恋心の上昇カーブがシンクロする奇跡は、
高校生活のこの瞬間だけだったと納得させられる青春賛歌。
このエネルギーを一作品で表現し、ぶつけるのは劇場版でしかできない試み。
細かい不満より作品の熱量が上回った感じ。
(大体、これを1クール以上でじっくりやったら
放送期間2ヶ月くらいエンドレス学園祭をやる羽目になるかとw)

告白後の五つ子たちの葛藤も描くことで、
結婚式の“五つ子ゲーム”が上杉さん(および謎の解答をお預けにされた視聴者)をからかうお遊びではなく、
必然のファイナルゲームだと分かった時は、これはヤラれたと感服しました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作は2期以来のバイブリーアニメーションスタジオが続投。

劇場版クオリティを求める方にとっては物足りない部分も。
ただTVアニメ版の乱調ぶりを知った上だと、
絵が崩れる心配をせずにファイナルを堪能できるのは素晴らしいですw
(……と手放したい所ですが、やはり四葉の顔立ちなんかには、やはり不可解なシーンが……。
四葉のキャラデザは一貫性を保つのが難しいのでしょうか)

撮影、光源処理にはTVアニメ版にない繊細さがあり。


【キャラ 4.5点】
カリスマ塾講師で{netabare}五つ子の本当の父親の{/netabare}無堂先生。
五つ子の青春恋愛パワーを焚き付けるヒールであり、
上杉が高校で恋愛も知らずガリ勉していたらどうなっていたか?
のifも示唆する合わせ鏡のようなキャラ。

『ごとよめ』には、教師とは、教育とは何か。
勉強だけが学校ではないとしたら、学園生活とは何のためにあるのか。
を改めて問い直すテーマも内包。
クライマックスに向けて、上杉→五つ子の他にも先生と教え子の人物相関が組み込まれ、
{netabare}五月{/netabare}の進路などに絡むことで、テーマを捉える視点も多角化。
大人たちが示す人生の失敗例、多様性が、
上杉と五つ子たちの選択を受け止めるクッションとしても機能。
ただ一番削られたと感じたのも、この大人たちの関係性。
ですが、そこまで掘り下げると3時間映画になりかねないのでw致し方なしか。


推しは最後まで決められないままでしたが、
歴女属性から何となくシンパシーを感じていた三玖。
自分の想いをしっかり伝える力を得た瞬間。
エネルギーを頂きました。


着地点としては四葉が花嫁だったら綺麗なのかな?とは思っていましたが、

(核心的ネタバレ)

{netabare}その通りになりました。やっぱり幼少期、上杉と関わりがあったのは大きいです。
中学のグレた?四葉じゃダメだった、高校に入って変わった四葉じゃなきゃダメだった。
その点からも話の筋は通っていたと感じました。
無論、他の五つ子にもチャンスあったとの悔恨は残りつつですがw{/netabare}


【声優 4.5点】
一花(CV.花澤 香菜さん)二乃(CV.竹達 彩奈さん)三玖(CV.伊藤 美来さん)
四葉(CV.佐倉 綾音さん)五月(CV.水瀬 いのりさん)

後世、凄い人気声優が配役されていたなぁ~と
懐古されそうな中野家の豪華布陣も集大成。
内容も小中学生~転機となる高校学園祭の繊細な心情~花嫁姿と
道中、性格が変化する曲折も経ながら、半生記を凝縮する流石の演技。


ピックアップしたいのが五つ子の母・中野 零奈役の京花 優希さん。
2期では上杉が昔、出会った五つ子の中の“誰か”の役をイメージを崩さず演じつつ、
正体の“声バレ”も阻止していた方。
今回、五つ子たちに様々なものを継承する母親役への抜擢は心にくいキャスティング。
京花さんは他にも上杉の幼なじみ・竹林役で、二乃や三玖を慌てさせるポジションも兼任。
起用な方だなぁ~と感心します。
今後、大役が回って来たら、この方かと嬉しくなります。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の中村 巴奈重氏&櫻井 美希氏。
ピアノやストリングスで場面を包み込む優しい音色は変わらず。
劇場版ではフィルムスコアリングで、心情とのシンクロ率がさらに上昇。

主題歌は五つ子が担当。

OP「五等分の軌跡」
一大決戦を前に「君が 大好きなんだ~ 誰にも負けない~」と競り合う。
相変わらず一人称視点で聴くとニヤニヤが止まらないラブソング。

ED「五等分の花嫁~ありがとうの花~」
5人で競い合った彼に嫁ぐ日は、五つ子の誰かが中野でなくなる別れの日。
哀愁を醸しつつも、決着すればノーサイドの清々しさも心地よいバラード。

あとは挿入歌の「ラブ☆バケーション」
{netabare}センター・二乃しか歌わないスクールアイドル?(苦笑)
二乃推しならずとも{/netabare}即死級の萌え殺しウェポンです♪

投稿 : 2024/03/16
♥ : 26
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

愛に時間を

【紹介】
劇場版ですが五等分の花嫁1期・2期のあとの話で完結編です、必ず2期視聴後にご覧ください
アニメ2期見てることを前提としていて、あらすじみたいなものはないですが、それで正解だと思います
映画館の客層は大人の男性が多いのかと思いましたけど、思っていたより子どもがかなり多かったです

【シナリオ】{netabare}
視聴前は最終的に結ばれる子中心の話になるのかな?と思ったらそこまで偏っていないのが好印象
文化祭の3日間を、5人それぞれの個別ルートで風太郎とのエピソードを入れてあるので、誰を推していても楽しめる作りになっています

1期2期通して四葉は明らかにエピソードが不足していたので、この子が昔会っていた想い出の子なのかなってのは思っていました
想い出の子は四葉で、最終的に結ばれるのは次にエピソードが薄い五月だと思っていたのですが、予想は外れでそのまま四葉でしたね
五月は信頼関係が強くて恋愛描写がほとんどなかったですが、こういう設定の作品ではとても珍しいですね、これはこれでアリだと思いました {/netabare}

【感想】{netabare}
シリーズ全体を通して、良いところはやはり五つ子の魅力の高さで、話自体は不自然なことが多くてちょっとモヤるけど
美少女の魅力を描くことに長けた作品で、シナリオの微妙さをカバーして余りあるものがありました
風太郎が最初は他人に興味がない→五つ子と接点を持つ→仲良くなったけど見分けはつかない→なんとなく見分けがつくようになる→恋愛を意識しだす→全員を識別できるようになるっていう変化が最初から最後まで一貫していて距離感がわかりやすくて上手いなーって思いました、それと対比した実の父親なのに娘を見分けられないことや、「愛があればわかるはず」っていう言葉、これらはすべて繋がっていて、最初からちゃんとした構想があったのでしょうね、いい作品だと思いました

四葉は思い出の女の子で、温泉旅館でも四葉だけは真っ先に風太郎が見抜いていたというフラグもあるので四葉と結ばれる説得力はあると思いますが、四葉は作中で個別の話が他の4人と比べて極端に恋愛から離れているし薄いのですよね
想い出の女の子で、五つ子が風太郎に会うきっかけを作ったとか色々出てきたけど、どうしても後付けという印象が強くて
アニメを追っていくと直接的な恋愛描写が少ない四葉に思い入れがあるファンは多くないと思うのですよね
振り返ると、勉強会に最初から協力的で風太郎に最初から好感度高そうだったり、旅館でちょっと話しただけで言い当ててたりちゃんとフラグは立ってるのですけど、映画を見ても正直、四葉がどれだけ風太郎のことを想っているのかは小学校の時の想い出以外には特に感じられなくて、
ニノが納得いかない風だったのも無理もないと思うのです
風太郎への恋愛感情の描写が多いミクやニノは視聴者の人気が高いようですし、やっぱり二人が仲良くなるエピソードが作中でないと、唐突感が大きいと思いました、想い出の女の子っていうアドバンテージ以外の魅力やエピソードが不足していると思うのです
つまり何が言いたいかって言うと、四葉の風太郎とのエピソードももっと見たかったってことです!

とはいえ、五人全員に風太郎との強い絆が描かれたシーンが用意されているし、それぞれ将来の目標を定めて弱かった自分を克服して頑張る姿も描かれて、さらにそれぞれの道に進んでもちゃんと繋がっていて、これからも仲の良い6人のまま人生が続いていくって感じで締めていて、五人全員が可愛いなーって印象で終われる良い映画でした {/netabare}

【残念なところ】{netabare}
風太郎の幼馴染のエピソードと五つ子の実の父親のエピソードはどっちも話が唐突で、原作の描写をカットしているのかな?って思いました
こんな薄くて唐突なエピソードならいっそまるまるカットしたほうが良かったように思います
幼馴染のほうはただの薄いエピソードだから我慢できたけど問題なのは実父のほう
五つ子の実父のエピソードはあまりにもリアリティがなくてただ不快なだけで、完結編の劇場版で見たいようなエピソードじゃなかったですね
五月を愚弄するだけで何の愛情も感じられませんでした
揚げ句に五人の父を「無責任」呼ばわりまでしてて、無責任の代名詞みたいな人が何言ってるの?って思った
この人今まで全く示唆するような描写なかったのになんで急に出てきたの?
最低な親でしたね、こんな最低なおじさんの遺伝子が五つ子に受け継がれてなさそうで良かったです
五月にとっては重要なエピソードなのはわかりますけど、それにしても他の4人とこの実父ほぼ何も話してないのも変ですよね
4人が話もしたくないのかもしれませんが、そのへんも今まで何の示唆もなかったのでよくわからないままモヤモヤするエピソードでした
ただ、これによって今までドライで冷たかった五つ子の父に対する好感度が爆上がりでした {/netabare}


【作画・音楽】
劇場版なだけあってとても作画も音楽も良かったです、いい場面でBGMが流れて大事なシーンをロマンティックに演出してくれています、主題歌も良かった!
ただ、劇場版にしては引いた絵になると不安定になるのが気になりますね。

【キャラクター】
わたしはミク推しで、次点がニノですが、二人とも持ち味が良く出ていたし成長も感じられたので満足です

投稿 : 2024/03/16
♥ : 24
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