「ログ・ホライズン(TVアニメ動画)」

総合得点
84.8
感想・評価
1965
棚に入れた
11936
ランキング
264
★★★★☆ 3.8 (1965)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ゲーム世界版十五少年漂流記?な群雄シミュレーション

.hack(ドットハック)やソードアートオンラインのような「ゲーム内世界に閉じ込められた!さあどうする!?」系統のアニメだが、戦闘や冒険よりも政治や経済諸々の生存基盤構築の過程を重視した、異色の作品。
主人公が単騎無双せず軍師系・策略家系だったり、王道ヒロイックファンタジーとは異質な作風だが、NHKらしく丁寧に作られた良作。
個の英雄ではない、皆が活躍できる群雄劇で他には無い抜群の面白さがあった。

{netabare}『物語』
「ゲーム内世界に閉じ込められた。さあどうしよう?」な設定の諸作品の中では私が知る限り、最もゲームらしさを活かしている。
「もし、MMO(多人数参加型ゲーム)に自分がゲーム能力のまま閉じ込められたら、何が出来る?」
を、きちんと緻密に構成された世界観や設定に基づいて、個の英雄ではなく、皆の意思や力を巻き込んで「世界そのものを構築していく」。
本作は他作品のような王道ヒロイックファンタジーでは無い。
「まおゆう魔王勇者」と同系列の生存基盤構築系ともいうべき独特の系統であろうか。
※後で知ったが、原作者がまおゆうの人であった。ああ、なるほど!
ゲーム内の食事は味が無い→あるノウハウがあれば美味しい食事作れる→このビジネスチャンス活かして金稼ぎ→この資金使って街の統治機構結成に漕ぎ付ける
この流れは実にエキサイティングで、流石はまおゆうの作者だと思った。

NHKアニメ「無人惑星サヴァイヴ」が、子供達が無人の惑星に漂着して自分達でサバイバルして生活基盤構築していく過程が面白い「SF版15少年漂流記」とでもいうべき作風だったように、本作ログホライズンは「ゲーム世界版十五少年(大人も居るが)漂流記」なのだと思う。
皆が力を合わせて生き抜き、課題を解決し、故郷に帰還するまでは快適に生活する為の基盤作りに勤しむ。
「人類は衰退しました9話・妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ」では、妖精さんの謎パワーで文明発展させる戦略シミュレーションだったが、本作ログホライズンは「ゲームキャラの能力を活かして、ソレをやる」話なのではないだろうか。

戦闘面でも、きちんとリキャストタイム(技を使用した際、再度使えるようになるタイムラグ)やヘイト(モンスターの攻撃優先度)を意識して緻密に戦術構築していく。
説明の丁寧さはアニメのテンポ的には問題かもしれないが、視聴者(私)的には、こういう「ゲームならではの戦闘」を期待していた。

「元の世界への帰還のモチベーションが不明」
という点は、全く気にならない。
帰還する前に、とりあえず生存基盤を構築していくのに忙しいだろうし。
もし、自分がこの世界に居たら?
発展していくアキバで自分の能力活かして暮らすのが凄く楽しくて、しばらくは帰還したいと思わんです、私なら。
やるべき事は山ほどある。
シロエら一部はちゃんと帰還への模索もしており、それは2期で明かされていくかと。

主人公が既に完成された能力と智謀を持つ分、正統派の冒険ファンタジーのような成長要素が欠けてしまうと思われたが、そこはミノリやトウヤたち年少組の視点でしっかり描かれていたのも良い。
能力的にも人格的にも未熟な彼らが敗北と試行錯誤と意見の対立諸々の試練を乗り越えて成長していくのは、非常に応援したくなった。
年少組の活躍は、大地人(ゲーム世界の住人)の国々をゴブリンの大軍が侵攻した事案で遺憾無く発揮され、合宿で深めた絆が本番の危機で力となっていく流れが熱かった。
ルンデルハウス死亡!?からの流れは手に汗握った(主人公シロエの生き残らせる為の切り札には驚いた)
こうした絆や魔法理論は、やはり話数をかけて丁寧に描かれているのが良かった。
ゴブリン軍との決戦に至る流れも「ゲーム世界での戦略シミュレーション」めいていて、戦記や戦略ゲーム好きにとってはワクワクした。
私は戦記や戦略ゲーム大好きなので、アニメでここまで戦略戦術をゲーム要素絡めて描いてくれるだけでも大満足だった。

この戦役では大地人の姫・レイネシア姫が可愛かった。
彼女の視点で冒険者たちのムチャ振りや戦争と外交の面白さ(彼女にとっては面倒だろうが)が描かれていて、ここら辺も見所十分。

ゴブリンとの戦争の次は、大地人からの「情報・経済戦争?」という、これまたアニメらしからぬ形態の戦いが勃発。
さすがは、まおゆうの作者…!
ここではシロエに憧れる中学生・ミノリちゃん大活躍で可愛かった。
戦闘よりも事務処理で活躍する中学生ヒロインは本作だけ!
戦闘以外の方向性で、ここまで楽しませてくれるアニメは他に知らないです。

秋の2期が実に楽しみ。
謎の美女(西の大規模ギルドのボス)登場でまた話が動くのだろうか。
実はアニメの影響で原作購読済みなので、2期はアカツキちゃん大活躍とシロエが戦術面で大活躍するのは知ってます。
アニメでどう描かれるのか!楽しみです。


『作画』
個人的には悪くは無いと思うのだが、2014年度のアニメにしては、かなり地味かも。
背景描写やバトルシーンは全く遜色無いし、ミノリちゃんやレイネシア姫は可愛いしで文句は無いのだが…。

『声優』
全員イメージ通り、一部拙い演技も、結果的にキャライメージ損なっていないので個人的には気にならず。
にゃん太班長の中田譲治さんの「にゃん」がよかったw
ちなみに中田譲治さんは「夢喰いメリー」でジョンドゥという猫キャラを演じており、ネコキャラは前例があったり。

『音楽』
生憎と英語の歌はニガテなもので…
EDはアカツキちゃん視点の良い歌なのだが、全体のテーマからすると、どうなのだろう。

『キャラ』
極めて希少な「英雄的武力で無双ではなく、知略で仲間を支援して戦略構築する」タイプの主人公が非常にカッコ良い。
たまにはシロエみたいな主人公居てもいいんじゃないかな!?
個の英雄譚ではなく皆が頑張るタイプの群雄劇なので、キャラは非常に豊富かつ皆親しみが持てる好人物多い。
クラスティやミチタカらのギルドマスター達も次々と味方になる流れは爽快だし、またミノリやルンデルハウスらの年少組の活躍も微笑ましい。
その分主役の出番が減るが、本作は「皆が主人公」と言っても良いのでは。
アカツキちゃんミノリちゃんレイネシア姫ら可愛い子多いが、ミノリちゃんが一番お気に入りです。
中学生とは思えんしっかり者。良い子で賢い女の子可愛いです♪{/netabare}

投稿 : 2014/09/06
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サンキュー:

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