「みならいディーバ(Webアニメ)」

総合得点
55.9
感想・評価
31
棚に入れた
136
ランキング
7251
★★★★☆ 3.3 (31)
物語
3.1
作画
3.1
声優
3.6
音楽
3.4
キャラ
3.2

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

発想の斬新さと企画への情熱が感じられた一作

正直このアニメを語る資格は僕には無いと思います。
なにせ放送中のアニメは録画して見る人間なので、それではこのアニメを十分に理解したとも楽しんだとも言えないかもしれないです。
でも、ここでレビューが全くないのも寂しい、勿体ないと思うので恐縮ながら書きます。



ディーバ(歌姫)の見習いである蒼井ルリと春音ウイが生放送の番組に呼ばれ、そこでライブを行うというもの。
つまり、新人が主役のアイドルアニメみたいな感じです。

今までの石ダテ監督らしいゆるゆるなトーク・・・・これがライブパートのマイクパフォーマンスだと冴えていて素晴らしいです。
もちろん声優二人のアドリブ力のおかげでもあります。

ルリ役の村川梨衣さんは前々から演技以外だと凄い人だと聞いていたのですが想像以上に凄かった・・・(笑) エネルギッシュな方でした。
ウイ役の山本希望さんも負けないぐらい情熱的でしたが、どちらかというと村川さんの抑え役でしたね。

台本がないからこそ全力を発揮しようとする現場の熱気が伝わって、生の本領ここにありと思いました。


このアニメは生放送なので、アニメも実際に声優がリアルタイムでモーションキャプチャの機器を付けて動かす訳です。
声を当てながら歌って踊って、映像も音響も即興で合わせて。凄いですよね。

また、視聴者参加型番組を謳っているため、放送中にTwitterで視聴者から曲の歌詞を募集し、その歌詞を組み合わせて即興のアイドルソングを歌います。
なので歌詞はけっこうハチャメチャなものが多いですが、ある意味で自由な曲になっていて楽しめます。
真剣な曲からふざけた曲まで歌いこなす二人に尊敬です。



例えば全く興味のない人が気まぐれにこのアニメを見たとしてもあまり楽しめないと思います。
また、普通に見ていると50分間という放送時間は冗長すぎるように感じます。(自分はそう思いました)


しかし毎回アニメを見て参加していた視聴者からすれば、段々とキャラクターが出来上がっていく「ルリ」と「ウイ」の制作に関わっているような感覚、自分達の送った歌詞やメッセージがアニメの一部になっていく感覚がとても新鮮だったんでしょう。


思うに、視聴者の役割が単なるネタの提供だけじゃなくて、アニメの本筋に繋がっているところがラジオとはまた違った魅力。
一度採用された歌詞はずっと残り続けるし、歌われ続けるんですね。

また、二人の本領がアイドルとしての成功にあり、駆け出しのアイドルを応援するような気分を味わえるのも魅力。
駄弁っているのはあくまでアイドル業の一環であり、本人達は真剣にアイドルに向き合っているんです。

ここら辺が客観的に見て「みならいディーバ」の面白さなんじゃないかと思います。



うん、でもやはりここまでだと‘生感覚’以外で良さが伝わらないかもしれないです。
本当に凄いと思ったのはこのアニメの最終話の演出ですから。近年まれに見る傑作でした。

{netabare}
今までの回ではおしゃべりパート(通称さえずりパート)とライブパート(通称はばたきパート)に分かれていたものを、最終話ではほぼ全編ライブシーンが流れっぱなしです。

視聴者と共に作ってきた曲をノンストップで歌い続け、傍から見ていても興奮しちゃいました。
村川さんも山本さんも、終始パフォーマンスを挟みつつ全力で取り組んでいました。
曲を聴けばその回が浮かんでくるような熱心なファンからすれば感無量なんではないでしょうか。


で、歌いきって楽屋に戻ったところでアンコール。
戻ってきたルリとウイが歌うのは初お披露目の「Encore(アンコール)。」

アンコールを想定して、というのが愛を感じられます。
この曲の歌詞は今まで関わってきたスタッフや視聴者への恩返しの気持ちで二人が作ったそうです。
その言葉を聞いているだけで曲のクオリティの高さは予想できました。

非常に感動的な曲で、思わずうるっと。背後のスクリーンに映し出される映像まで気が利いてますね。


それだけじゃないんですね。
二人が「ありがとーー!」と言っている最中クレジットが流れるんですが、その中のSPECIAL THANKSに視聴者(Twittterのユーザー名)がずら~~~っと並んでいる。
スタッフの倍以上、とにかく大勢のクレジットがぎっしり略すことなく表記されていて。本当に視聴者への愛に溢れていました。


これ普通に見るだけでも凄いんですが、一緒に連れ添ってきた視聴者との積み重ねがしっかりと活かされているのが何より素晴らしいです。
{/netabare}


「面白いものを作ろう!」という発想の中に、きちんと「視聴者を楽しませる」という前提が含まれている。

そのために莫大な労力を掛けて様々な試行錯誤を繰り返していったスタッフには頭が下がる思いです。

面白いとかつまらないとかそういう感想以前に、今のアニメ界でここまで情熱を注いだ作品作りがあることに感動しました。

みならいディーバの最終回は伝説的でした。
ファン(このアニメに関わった全ての人)に向けて、全力の愛が込められた最高のライブでした。

多分今年、というか数年はこれを超えられる最終回は見られないだろうと思います。

投稿 : 2014/09/24
閲覧 : 535

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