「STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)」

総合得点
92.6
感想・評価
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棚に入れた
50832
ランキング
18

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

久しぶりに頭を使った、時間移行アニメ

『Steins;Gate』はゲーム原作の2クール(全24話)の想定科学・SFミステリーアニメです。
このアニメの各話のタイトルがなかなか凝っていて面白かった。第18話『自己相似のアンドロギュノス』のアンドロギュノスなどは普段聞くこともない単語ではないでしょうか? 実はギリシャ神話に出てくる単語で、簡単にいえば男と女が一体となっていた人間のことを指します。


このアニメの第一の特徴は時間移行(タイムトラベル)です。 私の記憶では『涼宮ハルヒの消失』が一番新しいもので、こう言ったSFチックなストーリーは、まぁ難しいのですがとても面白く見る・読むさせていただいています。
そして、このアニメ内ではアインシュタインの相対性理論などの物理用語がに沢山出てきます。アニメ内用語、例えば『世界線』『アトラクタフィールド』『ダイバージェンス』などは、理論的に言葉だけで伝えられても理解し難いが、ここでは分かり易く広義的に図なども使って説明されていました。用語の説明は、大切ですからね。
また、このアニメは時間移行の回数がとても多く、かなり複雑な展開になっていますが、大まかに話を区切り区切り分けて考えてみると意外とわかりやすく、折り返し地点ではそれまでに何をやってきたのかをストーリーが先へ進むと同時に復習もできて、一周見ただけでストーリー全体の整理もすることが出来ました。 ここは非常によく出来ていると思います。

次に登場人物について。 主人公は厨二病で、相方の天才ハッカー様はネット用語(2ch用語)を連続するネットオタクさん。ラボメンNo.002のまゆりは、前に挙げた2人と比べると普通ではあるが実は趣味コスプレ、メイド喫茶で働き、「マユシィ・ニャンニャン」の源氏名を持ち、「トゥットゥルー♪」という口癖を持つ。 とにかくこの3人のキャラ設定(キャラ付け)が他の似たようなキャラ付け(話し方など)の登場人物がでてくるアニメと比べるとかなり本格的で、この3人以外の登場人物も個性溢れていて非常に良かったです。


ここからは真面目な感想。
このアニメは、重度の厨二キャラである『鳳凰院 凶真(ホウオウイン キョウマ)』実名は、『岡部 倫太郎』の激しい厨二病的言動や、2ch用語が多いために、慣れていない人は一歩引いてしまうかもしれません(実際に私もそうでした。)慣れてしまえば、ただの会話でも面白く思えました。 しかし、こういった設定は一般受けするにはおそらく難しいアニメでしょう。例え内容がすごいものだとしても…。

また、序盤は話がイマイチよくわからないところがあり、盛り上がりに欠けていたために、途中で投げ出した人もいるかもしれません。最初の方に伏線を張りすぎたのかもしれませんね。 ただ、序盤のストーリーも後で大いに関係してゆき、中盤(タイムリープの始まり)からは“シリアスさ”が増していくため、ここからこのアニメの本題に入っていきます。 回を重ねるごとにシリアスなムードが増して行き、終盤にかけて緊張が途切れることはありません。 希望が見えたとしても必ずその先には悲しみ・絶望があり、心が休まることが殆んどありませんでした。前半の落ち着きは後半を盛り上げるためにあったのです。終盤は言うまでもなく最高の展開。しかし、展開がやや強引なところがあったので、そこが少し気になりました。まぁクライマックス辺りに持ってくる話としては丁度良いのかもしれませんが。
ストーリー全体的に見て、終盤の方を評価され過ぎたために前半の評価がイマイチだったかもしれませんが、テンポは悪くなかったと思います。2クールにしてはかなりの安定感。
2クールの間に『過去改変』と『過去修正』他にも登場人物一人一人に目を向けさせたりをうまく纏っていることは非常に評価すべき点です。


私はこの『STEINS;GATE』の虜とされてしまいました。かなり奥が深くて、久しぶりに頭を使ってアニメを見た気がします。 2クール全て飽きることなく見ることができましたし、私はとても満足です。 毎年毎年、何らかの名作が作られていく。これだからアニメを見ることが止められませんね♪
果たして次はいつ、これと同等もしくは超えるアニメが生まれるでしょうか。 ワクワクします(^ω^)♪





ここからは私の妄想ですので、暇な人以外は見なくても良いです。多分、矛盾だらけかもしれませんし(;^ω^)

劇中でも言っていたとおり、タイムマシーンというものは絶対に作り出してはならないものなのかもしれませんね。 本作では科学技術の競争(タイムマシーンをめぐる競争)で第三次世界大戦が勃発したと言っていました。 しかし、きっとそれだけではありません。もし、(過去・現在・未来がちゃんと存在することを前提として、)真のマッドサイエンティストが激しい欲望により過去干渉による実験を行なったとする。程度にもよるかもしれないが、過去を干渉すれば、未来になんかしらの変化が出るかもしれない。人間は好奇心の塊。いつか誰かが大きな過去改変を起こさないとは限らない。そうすると、未来は大きく変わってしまうはず。場合によっては自分たちの周りの環境が変わったり、人類のあり方が変わったり、もしくは人類そのものが存在しなくなったり。もし、現在よりも未来というものが存在するとしたら。ある一人が不可能なはずのタイムマシーンを発明した瞬間、未来でもタイムマシーンが作られたことになる。未来の人が
勝手に過去を干渉したとして、本当は存在するはずだった人が存在しなかったことにされてしまうかもしれない。存在するはずの場所が存在しなかったことになってしまうかもしれない。 これはシュタゲの中で秋葉原が改変されたという話があるために、有り得ないとは言い切れない。また未来人の件にしても、シュタゲの中で、鈴羽が2036年の未来からタイムマシンでやってきたと言っているから、こちらも有り得ないとは言えない。
シュタゲの中に出てくる『アトラクタフィールド理論』のようなものが成立して、行き着く先が同じ未来になるというなら良いが、未来人が過去を人類が存在しなかったことに改変したら、干渉した結果だけを残して、タイムトラベルした人以外は消えるということもありえるのでしょうか? それともタイムトラベルした人諸共消えてしまう?
下手すると、タイムカプセルを完成させた瞬間自分が消えてしまうということもあるのだろうか?
こんな人類の滅亡もあるかもしれませんね。この世に絶対ということは無いのだから。

投稿 : 2011/10/03
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サンキュー:

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