「翠星のガルガンティア(TVアニメ動画)」

総合得点
88.0
感想・評価
2866
棚に入れた
14362
ランキング
134
★★★★☆ 3.9 (2866)
物語
4.0
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

水の惑星での出会い。もたらすもの。

翠星のガルガンティアは、ジャンルとしてはロボットアニメかも知れませんが、
物語はSF作品に分類したほうが良いと思われます。

実は、『かみちゅ!』の漫画版を描いてた鳴子ハナハルさんが、
関わってるということで放送前から注目をしていました。

このアニメ、第1話前半の大会戦にて世界観が描かれていましたね。

おおまかな話。
{netabare}遠い未来、宇宙に進出した地球人類は、自らの生存戦争のために国を作ります。
「人類銀河同盟」=科学技術信仰の果てに行き着いた人類の統一政体で、
人間が機能性と効率のみで判断され、家族という概念を持たず、
人命も消耗品として扱われ、養育や行動もコンピュータに管理されて、
人生の全てが戦争に費やされる管理社会。
そこに生まれてくる子供は戦うこと以外の生き方を知らない兵士として教育されます。

兵士たちはマシンキャリバーと呼ばれる科学力の叡智の結晶と言えるロボットに乗って戦っています。

対する、宇宙生命体「ヒディアーズ」=人類銀河同盟が長い年月、戦い続けている外見は烏賊に酷似した謎の生物。
戦闘能力はマシンキャリバーを上回り数も膨大であり、真空の宇宙でも活動できます。

人類銀河同盟はヒディアーズに対して劣勢を強いられているようですね。

この惨劇にも等しい戦争は、物語のプロローグに過ぎません。
主人公・レド少尉は、ヒディアーズ殲滅の作戦行動中に、
時空のひずみに飲み込まれ地球へと漂着し、
半年の間海の底でチェインバーと共に人工冬眠していた所を、
船団都市「ガルガンティア船団」にサルベージされます。

この作品世界では陸地は水没してしまい、人間は機械の船を連結して大船団を構築し、
船を領地として、船の上で生まれ、船の上で生活をし、航海をしながら生涯を終えるようです。

さて、ロボットアニメとは、古来より主役メカの戦場での活躍が華であり、
それに人間ドラマが付随するというイメージですね。

しかし、このアニメは少し変わっていますね。
レドの乗るマシンキャリバー・チェインバーは地球のメカと比べて神に等しい圧倒的戦力差。
強過ぎる力は恐怖の対象でもあり、敵は殲滅するという人類銀河同盟の理念に忠実過ぎる、
レド少尉の行動原理は船団の人々によって否定されます。

レドが絶対的に正しいと信じていた人類銀河同盟での常識・生き方は船団では異分子であり、
船団での暮らしを通じて、やがてレドは失敗を繰り返しながら人間としての心を自覚していきます。
それにしても、戦闘以外では当初、役立たずすぎてて、偏った教育の恐ろしさが伺えますね。
人類銀河同盟に於いては、必要無い・非効率と切り捨てられることなのですが。

やがて、全体への奉仕という美名のもとに倫理・人間性を無視した、
人類銀河同盟の異常な社会体制をレドは自覚して、
そしてヒディアーズの正体を知るようになり、思わぬ再会もあり、
物語は結末に向かうのですが、詳細は割愛します。{/netabare}

さて、感想ですが…面白かった!
鳴子ハナハルさん原案でデザインされた女の子が、そのまんま動いてるのが凄いですね。
ヒロインのエイミーをはじめ女の子が可愛くてニヤニヤ出来ますね。

褐色の肌で南国風味ですが、海に生きる人々を魅力的に描けていた気がします。

潮風で錆びた船団、美しい海の表現。「銀河道」の幻想的な輝き。
作画は動きが多くて直感的に★5をつけてしまいました。

ストーリー…第09話「深海の秘密」いろいろと衝撃的な内容ですね!
この世界の根幹に関わる重大で恐ろしいエピソードですが、笑えてしまいます。
わざと笑わそうとしてるのでしょうか?
でも、この話がなければここまで印象的なアニメにならなかったかもしれません。

{netabare}ディストピアである人類銀河同盟を模倣し地球に再現しようとしているストライカーを破壊して幕が下りるのですが、{/netabare}
このアニメが良かったのは終盤の決戦が熱かったことですね。レドの人類銀河同盟との決別。
この物語は、船団での生活を通じて戦い以外の生き方を知ったレドの成長がテーマであり、
締めくくりとして、{netabare}ストライカーは{/netabare}レドが克服する相手には相応しい敵だったですね。

他には、お調子者っぽいピニオンが男を上げてました。
普段があれでも大事なところで仕事をすると好感度上がりますよね。
レドとエイミーに絆が生まれていたり、色々と見せ場がありました。

{netabare}何よりも事務的な唐変木だったチェインバーが最後にとった行動と台詞、
決着をつけるにはあれ以上の言葉はないと思います!{/netabare}

私にとって面白いアニメの基準は、何度見ても飽きないという一点ですので、
翠星のガルガンティアは、高評価な作品です。

これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2015/07/26
閲覧 : 430
サンキュー:

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