セメント さんの感想・評価

3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

おやすみのキス

見ず知らずの男を介抱し、夜のベッドまで共にした
主人公、紫苑
その夜から、紫苑の事を忘れられない
もう一人の主人公、ネズミ


No.6の中に住み、何の違和感も持たずに安穏と暮らしてきた紫苑と
No.6の外に住み、過去の出来事からNo.6を憎み、復讐を果たそうとするネズミ
による、白と黒にきっちり分かれた、このコントラストに非常に惹かれるものを感じてしまうわけですよねぇ
また、無駄のない会話劇を通じても、逐一文学的な表現を感じ
原作小説のアニメ化としては、巧く立ち回れていた作品であると言えましょうが
残念、最終回の精霊会議展開で、ここまで積み上げてきた寄生バチ云々の一切を、エリウリアスに丸投げし、撃たれて死んだ紫苑が、ネズミの歌で甦るという荒業を披露
11話毛頭、超展開に次ぐ超展開で、最後はホモキスで何らかの結末が着き、二人の間に子供も出来てめでたしめでたしと
そこまでの過程は十分に面白かった分、締め方に肩透かしを食らわされましたが
11話というノイタミナクールじゃ仕方のない話で、”再会を必ず”と彼らが言ってたので、まぁ続きがあるのかな？と思って・・・

この作品もノイタミナ、原作があさのあつこ先生とあれば、溢れる男臭さにも得心がいきますかね
制作は今ノリに乗っているボンズ、であるが故に、際立つ良作画も豊富です
工藤昌史氏や、亀田祥倫氏、橋本敬史氏が原画に参加した回は、作画MADなんか見てもらえるとと分かるんですけど、中でも殊素晴らしいアニメーションに仕上がっていて
アイドルマスターと放送が被っていて二画面で同時に視聴していたんですが、今作から目を離すこと叶わずといったところ
私なんかはかなり興奮して見てた覚えがありますね、作画は良かったと思います
ただ寄生バチとか、虫の描写はエグくて、苦手なので若干・・・

メインの声優には梶裕貴さん、細谷佳正さんを起用してます
梶さん、1話の叫びといい、声高いですね、かといって代永さん宮田さんとは違い、低調ながらも高い声なんですんなりと耳に入ってきてよろしいです
細谷さんは、ネズミの舞台俳優設定ということを汲んで、芝居がかった響のある演技をしていて、こちらも同じくすんなりと耳に入ってきます
他、真堂圭さん、てらそままさきさんなど、渋めのキャラ演技が楽しめて、映画のようなスペクタクルで見れるアニメですね

ホモ静かに～ホモブヒブヒ～
OPはGONZO作品っぽいところのある雰囲気ですね、良いと思います
曲の感じが、狼と香辛料の2期のEDに似てると思います
森の民の歌とか何とか言って、結構挿入歌、ネズミとかが歌ってましたよね
ご苦労様です

ヨウミンさんとは一体何だったのか
しかも最終回車の中で干からびてるしｗ
やたら小物臭かった彼ですが、何かやらかしたわけでもなく、特に出す意味がなかった気もしますね
サフの扱いも酷かったですねぇ、紫苑の
セーターをプレゼントされるも、知り合ったばかりのネズミにくれてやってしまったり
キスされたのに全く動じないで、ネズミには積極的にキスしにいったり
（「あなたの精子が欲しいの」っつう告白の仕方もあれでしたが）告白されたのに断ったり
5話に町に溢れるリア充どもを憎しんで見てるシーンがあって、良いキャラだなと思ってたんですが
物語では色々大変な目に合ってた不遇ヒロインでした
最後は脳だけになってエリウリアスと同化した上、吹き飛ばされて消滅(´；ω；`)ﾌﾞﾜｯ


総括、ロリコンアニメとホモアニメを一時間の中に両立させるというノイタミナの気概に感服しますね
ホモは世界を救うということで、内容抜きにして見れば、実にホモ白いアニメでした
こういうの好きな方ならかなり楽しめるであろう作品ですね