「人類は衰退しました(TVアニメ動画)」

総合得点
84.8
感想・評価
2326
棚に入れた
11685
ランキング
264
★★★★☆ 3.8 (2326)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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あしすと さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ふしぎ・アーティスティック部門・個人的歴代No.1作品(原作全巻読了後、加筆しました)

最近観終わったばかりなのですが、ふしぎな世界観がツボで、個人的歴代ランキングNo.7に一気に躍り出た作品です。

リアルタイムで視聴した新作ではない後追い視聴作品では、久しぶりに原作に進みたいと思わせてくれた作品でもあります。


この作品は主人公「わたし」と妖精さんの交流を描く作品という説明で良いのだと思いますが、この手の作品が魅力的なのはなんといっても「ストーリーに目的や終着点がないこと」ですよね。

主人公に目的がないから、暑苦しさがない。
ストーリーに論理性がないから、読解力が問われない。
あくまで「ふしぎ」なのであって、ギャグではない。
感覚としては美術館に行った後のような余韻を残してくれる作品。


まぁ、単純にこのタイプの作品が個人的に大好きなだけなんですけど(笑)

そして、この作品が同タイプ作品の中で、自分にとって最もキャラクターが好きだったということです。

ぶっちゃけ、キャラクターがここまでツボじゃなければ原作に進もうと思うことはなかったはずなのですが、「わたし」と妖精さんのセリフの言葉選びが魅力的すぎて、もっともっと詳しく読んでみたいと思ったわけですね。


あえて言うなら、いくらふしぎな世界観だからといってもアニメ放映順の時系列シャッフルは不要だった気がしないでもないのですが、このあたりは自分が論理的にアニメを見てしまう癖がこのタイプの作品を見る際にも抜けきれてないということなのでしょうかね。

まぁそんなこんなで、自分の感覚ではかなり掘り出し物だった作品でした。





(補足)

これまでのレビューで使っていた「アーティスティック」という表現を、このレビュー以降は「ふしぎ・アーティスティック」と変更します。

理由は単純で、自分はこれまで「論理的・説明的でなく不思議であり、そのほうが作品全体の魅力を引き立てている」ことを「アート」という表現で言語化していたのですが、
「アート」というのは言葉の意味が広すぎてしまうようなので、より正確に自分の感覚を伝えるために「ふしぎ」という言葉を加えるほうが良いと思ったためです。

まぁ、それだけですw




(以下、原作読了後に加筆)

原作全巻読了しました。

それで思ったのは、
・やっぱりアニメの時系列シャッフルはいらなかった気がする
・アニメ化が6巻までだったのは良い区切りだったということ
ということですかね。


時系列シャッフルについては、あまり「ふしぎ」演出には貢献しておらず、分かりにくくしただけという印象です。
それが生み出したのは「ふしぎ」というよりも「視聴者の混乱」という感じで、ここだけは微妙だったかな、と。


6巻までが良い区切りというのは、空気感がほんわかしたまま進んでいったのが6巻までだったため、「ふしぎ」な世界観を創作するには絶妙だったという意味です。
まぁアニメ化時に出版されていたのがそこらへんまでだったという現実的な事情もあるのでしょうが。



(このサイトがアニメレビューサイトであることは承知のうえで、以下は原作について感じたことの雑記です)

自分がこの作品を魅力的だと感じたのは、繰り返しになりますが「ふしぎ」だからですが、その意味は「ふしぎなだけ」ということです。

ふしぎな世界観の中で、バトルをしたり恋愛をしたり人間関係がこじれたりしない。

ふしぎなだけ。

その雑味のなさが物凄くツボだったわけです。


「わたし」にエネルギッシュさがないのがその象徴。

祖父「これをやってくれ」
わたし「イヤです」
はいはい、分かってましたとも。わたしに拒否権なんてものは存在しないのです。わたしにできることは、これが大冒険にならないことを祈ることだけなのです。

…などという心の声とともに、ため息をつきながら妖精さんトラブルに巻き込まれるのが、私にとってのこの作品の魅力なわけです。


しかし、7~9巻。
「わたし」ちゃん、必死すぎます。
「わたし」ちゃんが必死になればなるほど、妖精さんがふしぎな存在でなくなっていき、魅力であったふしぎさが半減しました。
読んでて疲れました。

その流れがあってこそ世界のこと等が明かされて、クライマックスに向かってシリーズ本編が完結したというのは分かりますが…、
そういう方向性は自分の求めていた方向性とは違ったなぁ、という印象です。

しかし、本編とは別の短編集「平常運転」(実はこれが最新巻)は物凄く面白かったです。

なんというか、アニメ範囲内と同じような「脱力系」&「ふしぎなだけ」というショートストーリーだったので。

ぶっちゃけ、本編は一度読んだだけで満足してしまったというのが正直なところなのですが、この短編集だけは何度も読み返す愛読書になりそうです。

投稿 : 2015/03/05
閲覧 : 308
サンキュー:

9

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