「コードギアス 反逆のルルーシュ R2(TVアニメ動画)」

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14
ネタバレ

オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ダークヒーローものとして名作

よくある批判として「陸上オンリーのロボットが新鮮でよかったし、量産機が陸上オンリーだからこそ、特殊機や装備によって空を飛べるだけでも差別化されてよかったのに、量産機レベルのロボットすら空を飛び出したのが残念」というのがあるが、自分はロボット物にこだわりがないので、その点に関しては特に文句がない。また、「あれだけゼロに地面崩されてしてやられてきたのに、ロボットを空飛べるようにしてゼロ対策をしないわけないだろ」という擁護意見を見た事があり、それには感心した。また、百万のゼロをはじめとして、一気に比べて無茶な展開が多くなった、という批判も見かけるが、それっぽい理屈はちゃんとつけていたし、フィクションでありエンターテイメントなのだから、ヘタにリアリティーがあったり理屈にこだわりすぎるよりは、多少無茶があるくらいの展開の方が自分は好きなので、その辺の展開にも文句はない。文句があるとすれば、初見に対応しているのか知らないが、1話の説明台詞と、黒の騎士団の裏切り展開と、扇が幸せになっていることだ。まず、1話についてだが、別にコードギアスに限った話ではないのだが、多少の説明台詞などで分かる事なんてたかが知れているし、2期以降が初見なんて余程変わり者やマイナーな人たちのために、2期以降で初見に合わせるような説明回や説明台詞は辞めてほしい。ましてやギアスほど密度の濃い話となるとなおさらだ。黒の騎士団の裏切り展開については、カレンも言っていたが、背景はどうであれルルーシュは結果を残してきた。その結果を無視して、すぐに決断をすべきではない、と考える方なので、葛藤を経た後裏切るならまだしも、あっさりと裏切ったのには腹が立った。もっとも、この辺は尺も関係しているのかもしれないが。大体の主要キャラは、ルルーシュを失うなどの「痛み」を伴っているのに対し、扇だけは嫁を貰って日本の総理大臣にまでなって幸せになっているのが不快。文句ではないが、序盤の方で、ルルーシュの記憶が戻ったのではないかと怪しんだスザクが、ナナリーと電話をさせるシーン。あの時の「ダメだ、ナナリーに嘘はつけない」というルルーシュのモノローグには、今までのテロ行為を黙っているくせに今更かよとは思った。シャーリー死亡からのギアス狩り、東京決戦でナナリーを失ったと思い絶望したところで黒の騎士団にも裏切られ、せめてマリアンヌの敵としてシャルルは殺そうとしたら、実はシャルルとマリアンヌは仲が良くて、マリアンヌのために復讐などてんで的外れで、しかも二人はトンデモ計画を考えていて、元々憎んでいたシャルルもろともマリアンヌを殺す羽目になる。この辺のルルーシュにとって辛い展開の畳みかけから、最終的にスザクとの共闘展開には、いい意味で溜息しか出なかった。東京決戦での紅蓮・聖天八極式の無双、vsナイトオブラウンズでのランスロットアルビオンの無双は、ロボット嫌いの自分でも楽しかった。もう少し尺があれば、vsラウンズは一人ひとり倒していったのかもしれないし、欲を言えばそれが見たかった。紅蓮聖天八極vsランスロットアルビオンも良かった。vsシュナイゼルの決着の仕方が、既にやったことがあるビデオ録画トリックで、しかもタイムラグもなしだったのは少々残念だった。この辺はネタ切れと尺のなさが露骨に出過ぎていた。ルルーシュ自身の命を賭して行うものであり、ルルーシュが世界を掌握して独裁することで人々の憎しみを一身に受け、最後はスザクがゼロとしてルルーシュを討ち人々の憎しみの連鎖を断ち切るというゼロレクイエムは、ダークヒーローものとして、世界への反逆者ルルーシュの物語として妥当な落としどころだと思うが、やはりルルーシュ目線を見てきた視聴者からすると、なかなかの悲しさがあった。ナナリーがゼロレクイエムを察したのには特別説明がなかったが、もうその辺はどうでもいい。なぜなら、ナナリーがゼロレクイエムの全容を知らずに、ルルーシュを憎んだままだと、ルルーシュもナナリーもかわいそうすぎるからだ。ゼロレクイエムが本当に上手く行くのかどうかはともかくとして、それをやり切ったルルーシュはすごいと思うし、物語としても上手くまとめられていて名作。
OPは前期後期ともに好き。特に「WORLDEND」は好きだった。EDは前期後期ともにあまり好きではない。最終話はモザイクカケラを流してほしかった。
声優は、保志や緑川の起用をはじめ、なかなか豪華だった。演技面で言うと、福山はルルーシュをよくぞ演じきった。最終話での名塚の泣き演技は素晴らしかった。泣き演技で凄かったのは?と聞かれれば、このシーンを挙げるレベルではある。あと、記憶喪失状態のシーツーが可愛かった。作画は安定。
18話の次回予告、つまり19話の紹介をする次回予告で、ナレーションが一切入っていない演出は良かった。

投稿 : 2015/03/22
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サンキュー:

10

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