りおんぱん さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

人を好きになる心を思い出さない方がいいなんて思いたくない

かつて全ての人間たちが海の中で普通に呼吸し生活をしていた
ある時を境として陸に上がって生きる人たちも現れ
やがて人の世界は海と陸に分かたれた
海の世界で先島 光・向井戸まなか・比良平ちさき・伊佐木 要
幼馴染4人は海村の学校が廃校になったため陸の世界の学校へ行くことに。
ここから出会い・恋・友情・事件さまざまなことに直面していく


～感想～
全26話の2部構成

あに友さんからの紹介された作品です
恋愛系は苦手なので普段なら観ないですが
ちょっと気分を変えて視聴


海中で暮らす人々と陸上で暮らす人々が共存する
田舎町で繰り広げられる恋愛アニメ
私が想像していたものと全く違い1話目にして
海と陸の人々いう世界観にグッと心奪われました
本作品の舞台背景となる海は文句なしに綺麗で非常に素晴らしく
海の世界観は非常に独特で他作品にはない特殊な世界観
水中なのに
・電気で感電死しない
・物(学校の教科書・ノートなど)が基本濡れない
・物が浮遊しない
・サメや巨大魚による襲撃一切ない
など気になった点はあるが「そういう独特の世界観だから」で片付けられ
全く抵抗感は感じませんでした


恋愛に対する恐怖心や葛藤・純粋な想い
不安、悲しみ、喜び等をうまく表現していると思います
ラブコメ要素が非常に濃く中身自体は完全にドロドロした内容
しかしながら相手の気持ちを真剣に考えてその気持ちを受け入れて
各自行動を起こすという展開があるというのがメインキャラ達の最大の持ち味で
ドロドロした内容であっても重く感じられずよかったです
それと一緒に各キャラが成長を成し遂げたり
変わって行く姿は丁寧に描写出来ていたと思います


前半と後半(5年後)のシナリオの変化
理由はシナリオ前半部分は「海と陸の共生」「各メインキャラの成長」
「各メインキャラのラブコメ」が主軸となる話でした
元々海と陸の人間は互いに非常に仲が悪かったのですが
メインキャラ5人を通じて互いのことを真剣に思いやる展開に発展し
それに基づいて各キャラが海と陸の共存のために
何かしらの取り組みを行うという展開でそれが5人の成長に繋がりました
特に光は成長したキャラでしたし当初はあれほど陸の人間と険悪関係でしたが
次第に彼らを理解して深く受け入れるその姿勢や成長ぶりは実に輝いてました
5年後の後半では急展開が発生し「海の人間は皆冬眠する」ということになり
終盤には復活しますが「海と陸の共生」「各メインキャラの成長」は消えそれまでは基本的に「各メインキャラのラブコメ」が強いです
まあそれもそのはずで海の人間が皆冬眠するせいで殆ど話題に取り上げられず
話の展開としても「冬眠したメインキャラの復活を待つ」
「まなかの喪失した想い」などがメイン

私は中盤が一番盛り上がりました


メインのヒロインが増えたのはいいのですが最終話は完全に美海が主役
なんとも言えない気持ちになりました

全体のストーリー展開は良いと思います


陸の人間が大嫌いだったけど次第にその良さを誰よりも理解する・光
ムードメーカー的な存在で皆を優しい気持ちにさせる・まなか
傍観者ポジションだけど誰よりも優しく思いやりが強い・要
自分なりに地道に努力して他のメインキャラにはない持ち味の・ちさき
光を成長させたきっかけであり海と陸の人間の共生を仲介した立役者・紡
…などなど魅力的なキャラクターにあふれていました


要がさゆに告白されているときの要の
「ホントは淋しかった。地上に戻ってきて
光にはあかりさんの家族がいて、ちさきには紡の家族がいて
僕の事誰も待っていてくれなかったんじゃないかって」
と言う不安に押しつぶされそうな気持ちを初めて言葉にしたシーンは
とても印象に残り、心打たれました


OP・EDも良かったです


全く観ないってのもありますが初めて恋愛系を完走した作品です
世界観が面白かったのが完走できた一番の理由だと思います

大作アニメだと思います。ありがとう＾＾