「えむえむっ!(TVアニメ動画)」

総合得点
79.3
感想・評価
1657
棚に入れた
9247
ランキング
499
★★★★☆ 3.6 (1657)
物語
3.4
作画
3.6
声優
3.8
音楽
3.4
キャラ
3.8

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ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

声優さんの演技が光る学園SMラブコメ

原作のライトノベルは未読で
以前 『バカとテストと召喚獣にっ!』を視聴した際
麻生 夏子さんの歌うED曲「エウレカベイビー」が気に入ってしまい
アルバム『Precious tone』に収録されている
本作品の楽曲を聴いたところ耳に残り
興味を惹いたので観てみる事にした2010秋アニメ

■声優さんの演技が光る学園SMラブコメ■
極度のドM体質を持つ主人公を始め
ドS&男性恐怖症のダブルヒロイン
ロリっ子科学者や女装癖男子に加え
美少女を見ると無性にマッサージをしたがる者までと
他種多様のバラエティ豊かな変態キャラクター達が贈る
学園ラブコメ作品『えむえむっ! 』

物語はダブルヒロインの所属する「第二ボランティア部」に
ドMなのに砂戸 太郎(さど たろう)の名を持つ主人公が
「変態体質を治したい」と
学園系作品によく見られる人助けを目的とした謎の部活動を中心に
ドタバタコメディベースで展開。

ハッキリ言って内容は無いに等しいが
ボディブローの様にじわじわと効いてくる
特殊な癖を弄ったやりとりが見所である。

中でも高く評価したい点は
砂戸 太郎を演じる福山 潤さんの演技に尽きるだろう。

ヒロインに「ド変態豚野郎」と罵られれば
ハァハァしながら恍惚な表情を浮かべ
理不尽な暴力を受ければ
「ご馳走様でしゅぅ~」
「もっと踏みつけてくだしゃ~い」等
ドMを飛び越えたド変態ぶりを容赦なく発揮する。

特に印象が強かったのは
第7話「真夏のトライアングルラブ?」で
太郎の変態体質を治す為に
何故か身体を蟹に挟ませるエピソードがあるのだけれど
その際 太郎の発した言葉が
「もっと蟹を!僕に蟹を下さい!!かにカニ蟹・・・」と
蟹の様に横歩きする姿を見て
けしかけた美緒達ですらドン引きしてしまう有様。

もしも 福山 潤さんの演技が無かったのなら
評価は確実に下がっていた程
強烈なインパクトである。

勿論 ドSヒロインの石動 美緒を演じる
竹達 彩奈さんも充分役柄にマッチしていたのだが
それ以上に福山 潤さんの変態演技が突き抜けており
圧巻の一言としか称する他ない。

しかし 個性の強いキャラクターが揃っている一方
ダブルヒロインの一人 石動 美緒は
主人公の太郎を「ブタロウ」と呼び
理不尽な暴力を強いる描写が多々あるので
ギャグとは言え拒否反応を示す人もいるだろう。

「下ネタ」とは異なる「SMネタ」を
どこまで許容出来るかがポイントとなりそうだ。

中盤以降はストーリーより
福山 潤さんの演技がどこまで突きぬけるのか?
その一点のみが楽しみになってしまう程
声優さんの演技がキラリと光る作品である。

■中毒性あるED曲■
続いて評価したいのは音楽面。

OPは第1話~第4話までの前半を竹達 彩奈さんが歌う「HELP!! -Hell side-」
第5話~第12話までの後半を竹達 彩奈さんと早見 沙織さん
二人で歌う「HELP!! -Heaven side-」の2パターンあり
両曲共さほど変わらないのだが好みは前半Ver.の方。

メイド服姿で金属バットをフルスイングする美緒と共に
「Chu-ru-Chu-Chu-Chu・・・」と
つい口ずさみたくなってしまうのだ。

そして最終話以外でのED「More-more LOVERS!!」だが
本作品を視聴するきっかけとなり
作詞 畑 亜貴さん×作曲 前山田 健一さん×Vo 麻生 夏子さんと
『バカとテストと召喚獣』のOP曲を気に入ってる人なら
おそらく好きになるであろう
中毒性を含んだノリの良い一曲である。

若干電波な歌詞であるが
「愛して恋してどっちも苦手 純情片道一方的な
 相談銃弾 da-dan-da down load (そうだ!そうだ!)」と
早口に歌い上げる上記のラインがお気に入り。

なおOP EDのクレジットに
スタッフがそれぞれ「S」と「M」に振り分けられており
本作品の作者である松野 秋鳴先生と
監督の長澤 剛さんの二人だけが
何故か「ドM」と表記されている小ネタもさり気ない。

ただ 一つ残念でならないのが
麻生 夏子さんは2014年9月14日を以って
現在歌手活動を休止しているとの事。

お気に入りの歌い手さんなので
タレント活動に専念したい姿勢も応援しているけれど
いつの日かまた歌手活動を
再開してもらえたら嬉しいものである。

■あとがき■
ED曲を耳にした事がきっかけで観てみましたが
正直 中盤までは今一つ盛り上がりに欠けたものの
終盤に向けて右肩上がりに面白くなっていった全12話でした。

とにかく配役が見事的中した感じですね。

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の桐乃役で
Sキャラを演じられた竹達 彩奈さんもバッチリ合っていたけれど
やっぱり福山 潤さんの演技が強く印象に残りました。

熱演と言うか怪演と言うか
他に類を見ない見事な変態ぶりでしたね(笑)

ギャグがギャグなだけにオススメし辛い作品ではありましたが
充分に笑わせてもらった作品です。

満足度 ★★★★★★☆☆☆☆ (6)


最後になりますが
本作品の作者である松野 秋鳴先生は
原作未完のまま32歳という若さで他界されてしまったらしく
続編を観る事も結末を知る事も
叶わないのは本当に寂しい限りです。

先生の作品を楽しめた一人として
心からお悔やみ申し上げます。

思わず笑ってしまう作品をありがとうございました。

投稿 : 2015/08/06
閲覧 : 472
サンキュー:

31

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