「プラスティック・メモリーズ(TVアニメ動画)」

総合得点
84.5
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ランキング
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★★★★☆ 3.9 (2349)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ギフティアはどこまで精巧に作られているのか?どこまで・・・?

81920時間≒3413.333日、
3413.333日≒9年と4ヵ月、
これは永遠である。
例えば10歳の子供にとっては、
例えば100歳の老人にとっては。

我々は知らされていない。
しかし確かに知っている。
有限の存在であることを。
必ずこの命果てることを。

ギフティアは知らされている。
己が有限であることも、
いつやってくるのかも、
それが不可避であることも。

だからギフティアは美しいのか?
儚い命の自覚ゆえに美しいのか?
生への諦観の境地が美しいのか?

時間的制限のある恋、
それも絶対的な、回避不能な別れ、
唐突ではなく、あらかじめ予定された別れ。
これを用意する舞台装置として「のみ」存在意義があるギフティア。

それが透けて見えるが故に、
酔うことができない。
心地よく酔うことができない。
酔いに身を任せるには・・・細部が荒すぎる。

酔えない理由について
{netabare}ギフティアとは何なのか?
何のために存在しているのか?
単なる慰みモノにすぎないのか?
ここからして不明瞭である。
9年と4か月しかない耐用年数・・・寿命と言うべきか、
これは大型犬の寿命と似通っている。
一生を共に歩む伴侶としては短い命である。
犬は・・・子犬として家族の一員となり、
たくさんの愛嬌ともっとたくさんの悪行を振りまきながら成犬へと成長する。
成長した犬は穏やかで充実した愛に包まれながら緩やかに衰えてゆき、
やがて老犬となり・・・死に至る。
この9年と4か月は・・・振り返ってみれば・・・一夜の夢のようである。
それでも、そこには確固たるストーリーがある。
彼(彼女)が成長し衰え死に至る・・・までの家族としての物語がある。
家族として迎えた瞬間から、自分より先に逝ってしまうことが予定されている。
だが、その予定は・・・物語の進行に伴って徐々に徐々に現実感を帯びてくる。
歳をとり衰えていくことを見せつけることによって覚悟を強いるのである。
ここが、ギフティアと決定的に異なるところである。
ギフティアはいささかも衰えることなく、
ある日突然に別れを突きつけるのである。
9年と4か月を過ごしたと思わせる確かな重み、
共に積み重ねてきた年月の重みを感じさせない容姿で別れを迫るのである。
全く理不尽である。
到底承服しかねる。
ワンダラー化するまで納得できないという方が共感できるぐらいである。
この耐え難き別れを緩和する方法はないのだろうか?
・・・ある、それもたくさん。
例えば、9年を過ぎたあたりから急速に機能が低下するように予めプログラミングを施しておく。
例えば、ワンダラー化する前に機能を停止するようにプログラムを組み込んでおく。
例えば、最初からもっロボットくさい仕様にしておいて、人間と誤認されないようにしておく。
例えば、ギフティア自ら、9年と4か月に近づいたらSAIへ赴くようにプログラムしておく。
例えば・・・
悲しみもトラブルももっと少なくて済む方法がいくらでもあるにもかかわらず、それが成されていない。
SAIの企業努力不足?
SAIの技術力不足?
制作陣のの能力不足?
折角のラブストーリーも設定に詰めの甘さのせいで、
幼児向けのお伽話に留まってしまってないか?{/netabare}

ギフティアの危険性について
{netabare}こんな危険なモノを商品化していいのか?
って言うか、商品化したらダメでしょ!
ワンラダー化するという致命的な欠点を抱えたままで商品化するなんて言語道断。
よしんば商品化するとしても、緊急停止機能若しくは緊急自己破壊機能を装備しないなんてありえない。
そもそも「ロボット三原則」(アイザック・アシモフ)はどうなってるんだ?
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
この三原則を簡単に犯すようなロボットが闊歩して良い訳がない。{/netabare}

OP・EDとも作品世界と調和した良い出来であった。
特にOPのラスト(タイトルの後)のアイラの表情に変化をつけてくる辺りは心憎い演出であった。





  
 

投稿 : 2015/10/13
閲覧 : 336
サンキュー:

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