「ディメンションW(TVアニメ動画)」

総合得点
73.2
感想・評価
759
棚に入れた
4046
ランキング
1022
★★★★☆ 3.7 (759)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

斬新なSF設定と世界観が面白い

漫画原作の近未来SFアクション作品。

「プログレッシブSF」と謳っているように、これまでのSFものには無い斬新な設定が特徴で、
物語もなかなか作りこまれていて面白かった。

ただ、原作の方が現時点で10巻出ており、
1クールで描かれているのは、飛ばせないところ以外は端折ってるような印象を受けたので、
設定が少々難しく矢継ぎ早に出てくるだけに、できればもう少し時間を掛けて、
2クールでやるか、分割でもっとじっくりやって欲しかったな、と言うのは少々贅沢な注文だろうか。。

間違っても「ながら観」などしてしまっては、ついて行けない作品。


☆物語☆

第4の次元軸「W」の発見とそこから得られる無尽蔵のエネルギーを、
「コイル」を通じて供給する「世界システム」が構築された近未来が舞台。

主人公キョーマと「世界システム」を作った百合崎士堂博士の作ったアンドロイド、
ミラを中心に、不正コイルを辿り回収する事を目的に話は進む。

1話、2話でミラとルーザーが登場、
3話に不正コイル回収以外の日常的な回を挟んで、
4話、5話が八十神湖のエピソード、
6話~最終話までがイースター島のエピソード、とおおまかに分けられる。

八十神湖のエピソードはミステリー&ドラマ的要素もあり、かなり練られてて面白かったが、
尺が足りないのか、最後の方は駆け足で説明に終始した感があったのは少々残念。。

イースター島のエピソードは、キョウマの過去の記憶を取り戻す内容にもなっており、
予想以上に感動的な最終回で、よく纏まっていたと思う。

ただ、キーコイル「ナンバーズ」が引き起こす様々な事象に関しては、
もはや何でもありじゃねぇか、とちょっと突っ込みを入れたくはなるが。。

全体としては、設定や世界観が良いだけに、
少々生かしきれてないような感じがするのは、ちょっと勿体無いかなぁ。

尺に余裕があれば、キャラ自体に魅力があるので、不正コイル回収に纏わる話以外にも、
コイルを用いて成り立っている世界の日常なんかをもう少し取り上げても面白そうだし、
その過程に到るエネルギー問題にスポットを当ててみても面白そうだと思った。


☆声優☆

キョーマ演じる小野Dの演技は今更ながら良いよなぁと実感する、キャスティング的にもバッチリかと。

個人的な注目は何と言ってもミラ役の上田麗奈さんかな。
「実は私は」「ハナヤマタ」など以前にも自分が観た作品でも出演していたのに、
正直あまり印象に残ってなかったが、
今回のミラ役は「風の谷のナウシカ」を演じた往年の島本須美さんを思わせる声質で、
これはかなりツボにハマった。

あの声質って、なかなか真似出来そうで真似できない声だと思うんですよね。
今後の活躍が期待される人だと思うけど、今回の声でやっていって欲しいなぁと。。

それと、ロリ少女役ばかり演じてきた印象のある久野美咲さんが、
声もキャラもロリを脱却したような役どころを演じているのは興味深かった。

その他脇役やちょい役もなかなか豪華なキャスティングがされてて良かったと思う。


☆キャラ☆

やはりキョーマとミラのコンビが良い。
キョーマが何故頑なにコイル、ミラにそっけない態度を捕るのか、
それは過去の出来事が原因になっていることが明らかになるが、
ここまでメインヒロインに無関心な、というかむしろ冷たい主人公も珍しいなと。。
最終話ではその関係にも変化が見られるけど、これは観てのお楽しみ。

一方のミラはアンドロイドで高性能な割には、やたらと人間味があって、
何より可愛いげがあるのはポイントが高く、今期観たアニメの中で、ヒロインの役回りでは、
個人的には上位に来るキャラだった。

それ以外のキャラも良いんだけど、尺の関係もあってか、最低限の掘り下げと言った印象。


☆作画☆

OPからかなり気合入ってるなぁ、と引き込まれるが、梅津泰臣氏が担当していて納得。
なんで監督やらなかったんやろ?とは思うけど、
本編の方も作画に関してはキャラの描かれ方は綺麗だし、アクションの部分は迫力があり、
充分なクオリティがあるように思う。
CGに関してもよく出来てて違和感を感じることはなかった。


☆音楽☆

OP,ED共にとても格好良い楽曲をチョイスしていてポイントが高い。
OPは楽曲名がイースター島のエピソードに関わるキーワードそのものになっている。
EDの歌詞はやや抽象的ではあるが、解釈次第ではキョウマとその過去、
また、コイルによって成り立っている世界を歌っている、とも受け取れるかな?という感じ。

BGMのバリエーションも豊富で、キョーマの車部分の音響など、
実在のモデル(車種)を生で録ってる辺りは拘りを感じた。


まとめ

1クールということで、なんとか詰め込むしか無くて、
あまり余裕が感じられないという印象は受けたものの、内容が面白いことには変わりない。
(物語がやや難しいのでイッキ観の方が解りやすいと思う。もしくは1話2回づつ観れば問題ないと思う)

作画、声優、音楽など、クオリティは平均して高くまとまっていると思うし、
機会があれば原作を読んでみたいと思わせる作品。

投稿 : 2016/04/01
閲覧 : 172
サンキュー:

21

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