プラ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
”真実”とは何か
ゼロが世界を裏切り、そして世界に裏切られた後の世界。ルルーシュは自分がゼロであることを忘れ、学園で平凡な日常を送っていた。いつもの生徒会の仲間たちと、明るく楽しい生活を過ごしていたが、ある事件をきっかけに物語は動き出す。黒の騎士団の最後の残党たちがテロを起こし、その際起きたタワー崩落に巻き込まれたルルーシュは自身がゼロであることを思い出す。ルルーシュ、そしてゼロは母の仇を討つため、妹のナナリーを救うため、嘘で塗り固められた世界に対する反逆を開始する。
ゼロはさまざまな奇跡を起こし、黒の騎士団を復活させる。合衆国日本を設立し、勢力を拡大させ敵を駒として使いながらエリア11を奪還する。世界はブリタニアvsゼロの全面戦争へと移行するかのように思われたが・・・
騙し・騙され、裏切り・裏切られ、さまざまな思惑が行き交い、もはや誰が敵か味方か、何を信ずればいいのかもわからない世界。人々は何を善・悪とするのか、何を正義とするのか、何を信念として持つのか、何を求めるのか…そして、何のために戦うのか。愛する家族のためか、贖罪のためか、過去を取り戻すためか、未来をつかみ取るためか、世界を支配するためか、己の欲望のためか。
戦いが終わった時、世界は何を選ぶのか。何を真実として受け入れるのだろうか・・・
ギアスという特殊能力を授かり、世界を破壊し創造する使命を与えられたルルーシュは、家族を殺した父である皇帝への復讐のために立ち上がる。その端緒として、ブリタニア帝国の属領となっていたエリア11「日本」の奪還を目指す。しかし、そのブリタニア軍の中には日本人の親友であるスザクがいた。スザクは帝国への反逆ではなく、帝国の支配構造を内部からの変革によって成し遂げようと決意したのであった。ルルーシュは"ゼロ"としてスザクと闘う必要があったが、親友を裏切ってまでも自分の目的を完遂しようとする。一度は「ブラック・リベリオン」に失敗し、"ゼロ"の正体をスザクに知られたものの、復活し大いなる目的のために再びスザクと闘い始める。
しかし、その長い闘いの中でルルーシュとスザクは「"ブリタニア帝国"の真実」に辿り着く。そして、敵どうしであった親友二人は手を組み世界を創りかえることを決意する。ルルーシュは悪しき皇帝を殺した人間として新しい皇帝となり、スザクは直属の騎士として仕える形で念願のブリタニア帝国を手に入れる。黒の騎士団をも裏切り、もはや全世界の敵となったルルーシュたちは、前皇帝を信望する者たちやゼロに裏切られた者たち全員を相手と戦を始める。知略をめぐらせ、最愛の妹にまでギアスをかけたルルーシュは、戦いに勝利した末に全世界を統べる独裁者になる。
世界を征服したルルーシュであったが、戦いの勝利は"世界の破壊"を完了したに過ぎない。ルルーシュに与えられた使命を完遂する最後の1ピース…それは「ルルーシュの死」であった。独裁政治により全世界の憎しみを背負った独裁者の死によって"世界の創造"がなされるように、ルルーシュは世界の征服したのであた。
そして、ルルーシュを殺す"英雄"役は「新しい"ゼロ"」に…親友であるスザクに託すのであった。悪魔のような独裁者の死によってブリタニア帝国の支配は終焉をむかえる。ギアスに翻弄され呪縛された世界は、ルルーシュが望んだ「優しい世界」に創りかえられたのであった。
"真実"とは何か?
この哲学的な問いに対する答えを考えるいいきっかけになる作品。何を"真実"とするのかは、その時代の世界構造によって変わるものである。そして、"真実"を選ぶのは・・・誰の意志も、神の意思さえ介入しない実体のない概念的な存在「世界」である。
われわれ人間たちが"真実"を追い求めようとする理由は何か。真実を見つけた先にいったい何があるのだろうか。