「ユリ熊嵐(TVアニメ動画)」

総合得点
63.3
感想・評価
536
棚に入れた
2348
ランキング
4336
★★★★☆ 3.5 (536)
物語
3.4
作画
3.6
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

Pure Love

アニメーション制作:SILVER LINK.
2015年1月 - 3月に放映された全12話のTVアニメ。

【概要】

あるとき、宇宙に浮かぶ小惑星「クマリア」が爆発しました。
粉々になったクマリアは流星群になって地球に降り注ぎ、
その影響で世界中の熊が凶暴化し、熊は人間を襲い食べるようになりました。

“人”と“熊”

自然の摂理のごとく熊は人を食べ、人は武器を持って熊を駆逐する。
共存の道などなく、憎しみと対立の続く世界。

(ユリ熊嵐の熊は、小さなぬいぐるみの姿で知能が高く人の言葉が話せる生物。
 しかし、可愛らしい容姿に反して爪と牙は容易く人を殺めることが出来ます。)

熊との血みどろの争いの連鎖の末に人間は天高くそびえる“断絶の壁”を作って
“人の世界”と“熊の世界”を別けてしまいました。

そんなある日。人間の世界に存在する“嵐が丘学園”に、
百合城銀子と百合ヶ咲るるという2人の少女が転校してきました。
しかし、この2人の正体は熊の世界から“断絶の壁”を越えてやってきて、
人間の姿に化けた“人食クマ”だったのです。

2人の目的は、人間の少女・椿輝紅羽。
銀子、るる、紅羽。この3人を中心に愛と謎。
そして、サスペンス要素を含んだ耽美なストーリーが繰り広げられます。

【感想】

「少女革命ウテナ」も「輪るピングドラム」も観ていない私の初・幾原邦彦作品。

ボンジュール鈴木によるキュートで耽美な主題歌『あの森で待ってる』をバックに、
少女たちが全裸でチュッチュチュッチュしてるOPからして、人を選びそうなアニメですねw

かといって、ユリ熊嵐はポルノか?といえばそうでもない。

女しか出てこない、女同士で恋愛するのが当たり前の世界。
かといって、同性愛がテーマなのか?と言えば、それも違う。

幾原 例えば、「愛」について描きたいと思ったとする。今、男女のキャラクターで恋愛を描くのは難しいと思う。
    「愛」ということ自体が、男女の関係で描こうとした途端に、もう「ネタ」じゃないですか。(中略)でも、
   百合というジャンルに飛び込んで、メタファーとしていろんなものを表現すれば、愛は非常に描きやすい。
   現代で愛を描くには百合というジャンルはとても良いな、と思ったんです。
幾原 すごくいろんなフィルターをかけないと、なかなか男女の愛は描けない。ストレートに描いたものがない。

物語の中で女性同士で肌を重ねることがあっても、男女のそれとは違う世界。
肉欲よりも精神的な繋がりが大切。物語の中で表現される愛の純度を高めることを目的に、
幾原監督は“百合”を用いたと言いましょうか?

この世界では当たり前になってる同性愛の代替のタブーとして、
殺しあうことが当たり前とされている敵同士である人とクマが交わることは、
決して許されない異常な行為として迫害される。

人の世界もクマの世界も冷たくて残酷。
身勝手な“正しさ”の為に人を差別し・優しさを殺し・心を踏みにじる世界。

このアニメは基本的に女性のみが舞台の中の登場人物なために、
嫉妬・憎悪・欲望・群集心理の愚かさ・同調圧力の陰湿さが他のアニメより際立っていますね。

こんな救いようのない世界に拒絶されたに等しい状況で、
愛を貫こうとした少女たちの触れ合い・心の温もり・愛の行方。
まさに穢れのないラブソングを奏でるかのようなアニメ。

最後まで観た者の心には心地良い余韻を残してくれる。
そんな作品であると私は思いました。

真面目に考察を書こうと思ったら全話ネタバレで膨大な文章になりますし、
私にはまとめるのが不可能ですので、このような形の感想になりました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2016/05/30
閲覧 : 351
サンキュー:

45

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