「紅殻のパンドラ(TVアニメ動画)」

総合得点
64.2
感想・評価
360
棚に入れた
1839
ランキング
3855
★★★★☆ 3.4 (360)
物語
3.2
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.4
キャラ
3.5

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

機械少女のユルい百合萌えもよし、実はちゃんと「攻殻」エッセンスあり。優しい世界で好感持てます

「攻殻機動隊」の士郎正宗先生が原作で攻殻の世界観引き継ぎつつ、絵柄も雰囲気もユルめな百合萌えコメディー。
義体とアンドロイドだから平気だもん!と、あざとい百合萌えは素晴らしい♪(好みが割れるでしょうけれど)
全般に明るく前向きな作風ながら、「攻殻」らしさも実はちゃんとあり。
百合萌え+SF寄り変身魔法少女+アンドロイドバトルとして、攻殻あまり意識しなくても楽しいです。

{netabare} 『物語』
全身義体(サイボーグ)化した少女・福音(ネネ)ちゃんと、戦闘アンドロイド少女クラリオンの百合萌えが微笑ましい。
ネネが「パンドーラデバイス」というプログラム使って変身魔法少女のノリで大活躍、その際にクラリオン(愛称・クラリン)のアソコに指入れてデータインストールするシーンが…えろい…
いや!アンドロイドだから兵器もとい平気だもん♪
…ここが本作が一般受けしない要因かもですが!ここが良いんですよ!
ネネとクラリンのジャレ合いが大きな見所な百合アニメなのは間違いないです。

全編に流れる善良さ、優しい世界であり、(ちょっと特殊な)百合萌えさえ許容出来れば、「SF変身魔法少女」として素直に楽しい。
魔法少女としては戦闘系では無く「ひみつのアッコちゃん」とかの人々をお助けする系ですな。
…コメディーはちょっと昔風なドタバタコメディーな感じ、リポーターのブリンやウザルの部下たちがヒドイ目に遭う(けどギャグ調)、あまりシリアス感感じさせない。
笑える程でなくても、楽しいです。


舞台背景は「攻殻機動隊」本編より少し昔、電脳や義体化技術が発展途上な世界。
「攻殻」本編と180度違う明るい雰囲気ながら、ネネちゃんとクラリンの百合萌え日常系の中に、電脳や義体化技術と、それがもたらす社会や人々の意識をさりげなく描いており、実はちゃんとSFしてます。
SFの醍醐味はIF設定よりも、ソレによる社会と人々の変化を描くことにあり。
その意味で紅殻のパンドラは、実はしっかりと攻殻らしいテーマあり、よりライトに親しみ易く見せてくれているのでは。
自分の肉体を全て失い「全部誰かから貰った」身体で生きる…
明るく元気なネネが時にアイディンティテイーに悩みつつも、交流してきた人々や、クラリンの言葉でちゃんと答えを見つけていく。
攻殻本編で難解なテーマを、視点を変えて(明るくライトな雰囲気の中で)見せてくれたのが良いです。

「ブアル」という「なんか超危ない兵器」を巡る陰謀に巻き込まれるシリアスとバトルありますが、ここは実は本筋ではない気がする。
全般に明るくコメディー調なのもあり、イアン・クルツ(悪党。ラスボス)の陰謀もちっちゃく見える。
ネネちゃんにとっては、大切なクラリンの為。素直で親切な少女がただ自分の見える範囲でがんばる、応援したくなります。

…コアな攻殻ファンならば、随所に散りばめられた攻殻要素にニヤリと出来る。(私はコアではないので分からないネタ多いですけど)
そうでなくても、百合萌え楽しい。
攻殻本編よりもかみ砕いた形で、きちんと電脳化や義体にまつわるSFをやっている。
…実は結構よくできた娯楽作品&SFだと思いますし、好感の持てるアニメでした。


『作画』
キャラデザは十分可愛いです。義体少女の身体をちゃんと描写しつつも可愛さばっちり。
パンドーラデバイスの変身バンクも毎度えろい…上に、ネネちゃんの衣装も毎度凝っていてかわいい。
アクションも中々のスピード感と迫力あり。
ネネとクラリンが頻繁にテキトーな絵になるのも、表現の一環で、ユルい雰囲気に一役買っている。

『声優』
福沙奈恵さんはアイカツ!で役多数、本作が初主演の模様。
ネネらしい善良さと芯の強さ良かったです。
沼倉愛美さんのクールな子猫っぽさも。
ウザルが攻殻の少佐な田中敦子さんなのは、攻殻ファンには嬉しい配役。

『音楽』
OP・ED共に電脳魔法少女っぽい雰囲気かつテーマもばっちり。
印象にも残ってます。

『キャラ』
全身義体の七転福音(ななころび・ねね)ちゃん、天真爛漫で優しい良い子です。
いつも明るく前向きに、無邪気に小さな親切を重ねる…実はアイディンティティーで悩んでいたり、それでもめげない強さも魅力る
クラリン溺愛する百合は素晴らしい!

クラリオンはクールな子猫みたいな可愛さ。イヤがりつつもネネにされるがままだったりする辺りが可愛い。
ネネと違い完全に機械なので本来感情が無いはず…でも、ネネとの関係で少しずつ変わっていく過程も萌え。
機械少女が感情芽生える、好きなパターンなので。

謎多き女性ウザルとタクミちゃんもSF的に実力者な一方で、コメディー的にも面白かった。
タクミちゃんはネネちゃんの保護者ポジでもあり。
リポーターやウザルの部下チームも結構可愛かったです。
彼女たちの存在も、(不遇さで体張って)作風明るくしていた。

中二病?マスコット・ブエルが面白い奴でした。実はトンデモな実力者…なのにこの扱い、本作らしいです。

正義感強い警官のロバートさんがカッコイイ。善良で使命感ある理想の大人な感じ。
大人もしっかりしているのは好感持てる。
島民たちも善良な人多し。
…裕福故の心の豊かさを感じました。良い事ですな。

悪党イアンはラスボスとしては結構善戦したキャラ。
シリアスな作風ならばかなりの強敵であった…。{/netabare}

投稿 : 2016/06/15
閲覧 : 363
サンキュー:

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